説明

レーザ治療装置

【課題】照射効率を高めた無痛治療を実現するとともに被照射体においてレーザ照射による新たな効能、効果を実現できるレーザ治療装置を提供する。
【解決手段】ピーク出力が30W〜90Wと高ピーク出力のあるレーザ光12をパルス照射する高ピークレーザ共振器11と、高ピークレーザ共振器11を放電励起する放電励起用電源21と、高ピークレーザ共振器11から出力されたレーザ光12を被照射体17まで導く光導波路14と、高ピークレーザ共振器11から出力されたレーザ光12を光導波路14に集光して入射させる集光レンズ13と、被照射体17に照射するレーザ光照射パターンの条件調整をする条件調整部20とを備え、条件調整部20で条件調整をする被照射体17に照射するレーザ照射励起パルスの発振周期は、50μs以上、1000μs以下とし、レーザ照射励起パルスのパルス幅は、パルスの発振周期の1パーセント以上、30パーセント以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体組織に対する蒸散、凝固、止血、切開、疼痛緩和、殺菌、歯質強化といった、レーザ光の効能、効果を利用して治療を施すレーザ治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザ光は歯肉、神経組織、髄質などを含む柔軟な組織の切開、蒸散などをはじめ種々の手術をなすために医科および歯科の分野で広く治療用として使用されている。生体組織に対するレーザ光の有効性は、レーザ光の波長とレーザ光のパワーレベルとレーザ光の照射パターンで決定される。
【0003】
生体組織に照射されるレーザ光は、連続波形またはパルス波形のどちらかであり、具体的なレーザ光の照射条件としては、例えばある特定の手術においてパルス波形のレーザ光照射が好ましい場合、レーザ光照射時間、レーザ光照射停止時間、レーザ照射時間におけるパルス周期などの最適値が選択される。
【0004】
パルス波形のレーザ光照射により生体組織に投入されるエネルギーは、レーザ光のパワーレベルとパルス時間の積で表わされる。生体組織の治療効果はエネルギーに比例して大きくなるが、同時にエネルギーが及ぼす熱によって患者の感じる痛みが増大する。口内炎や歯周病治療などの治療もしくは生体表面のみの治療においては,患者に痛みを感じさせない治療技術が強く望まれている。
【0005】
また、術者と患者の双方の負担を軽くするために治療時間が短く済む効率の良い治療技術も強く望まれている。
【0006】
さらに、レーザにはそれぞれの波長によって組織の深達性や生体反応に差が出てくる。例えば、炭酸ガスレーザは波長の長い赤外線で水分へ反応、吸収されやすく体表面で作用することから主に軟組織への使用として臨床応用されている。現在、歯などの硬組織への応用は安全性と有効性の立証をするために学術的な研究がなされている。また、半導体レーザは組織深達性があるため、術後の疼痛緩和などの効果が期待できる。
【0007】
従って、用途や目的によって使用するレーザの種類が分けられるため、一つのレーザでの使用用途が拡大することは使用者にとって非常に有用である。
【0008】
従来のレーザ治療装置は、図8に示すように、レーザ光82を発生するレーザ共振器81と、レーザ共振器81を放電励起する放電励起用電源91と、レーザ共振器81から出力されたレーザ光82を被照射体87まで導く光導波路部84と、レーザ共振器81から出力されたレーザ光を光導波路84に集光して入射させる集光レンズ83と、被照射体に照射するレーザ光照射パターンの条件を入力する入力部89と、入力された条件に基づいてレーザ光照射パターンの条件調整をする条件調整部90とで構成されている。
【0009】
条件調整部90にて被照射体に照射するレーザ光照射パターン条件調整を調整し、レーザ光照射時間におけるパルス周期を50μs以上、160μs以下とすることで、レーザ光照射による無痛治療を実現している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−284346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記従来のレーザ治療装置においては、レーザ光照射時間とレーザ光照射停止時間の組み合わせによるレーザ光照射パターンを変え、パルス周期を50μs以上、160μs以下とすることにより、無痛治療をすることが可能になったが、生体反応、例えば体表面での熱凝固層、蛋白変性といった熱変性についてや歯のエナメル質、象牙質といった硬組織への応用利用については述べられていなかった。
【0011】
また、低出力のレーザを当て続けると皮膚や組織の状態によっては、熱が蓄積され易く、処置部周辺への熱影響も大きくなる傾向にあった。
【0012】
また、従来のレーザ治療装置においてピーク出力は4Wから5Wまでの出力値のみしか検討されていなかった。従来の照射条件で、ピーク出力を上げることは、処置部周辺の熱影響が大きく、皮膚損傷が激しくなり、生体への照射に使用することが難しい。
【0013】
本発明は、このような従来検討のされていなかった軟組織治療と硬組織応用について述べたもので、従来よりもレーザ照射効率を高めて治療効果を向上させることで、術者および患者の負担を軽減させ、被照射体においてレーザ照射による新たな効能、効果を実現させるレーザ治療装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために本発明のレーザ治療装置は、ピーク出力が30W〜100Wと高ピーク出力のあるレーザ光をパルス照射する高ピークレーザ共振器と、前記高ピークレーザ共振器を放電励起する放電励起用電源と、前記高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光を被照射体まで導く光導波路と、前記高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光を前記光導波路に集光して入射させる集光レンズと、前記被照射体に照射するレーザ光照射パターンの条件調整をする条件調整部と、レーザ光の光径を変更する照射装置とを備え、前記レーザ共振器で出力されたレーザ光は前記光導波路を通過し、前記集光レンズで集光され、前記照射装置を介し照射され、前記条件調整部で条件調整をするレーザ照射励起パルスの発振周期は、50μs以上、1000μs以下とすることを特徴とする。
【0015】
この構成によりレーザ光照射による治療において、レーザ照射治療を高効率に実現でき、新たな症例へレーザを用いることができる。
【0016】
また、本発明のレーザ治療装置は、条件調整部で条件調整をする被照射体に照射するレーザ光照射パターンは、レーザ光照射時間における照射励起パルス幅をパルスの発振周期の1パーセント以上、30パーセント以下とする構成を有している。
【0017】
この構成により、被照射体に照射するレーザ光照射パターンは、レーザ光照射時間における照射励起パルス幅をパルス周期の1パーセント以上、30パーセント以下とすることができる。
【0018】
これらの構成により、例えばピーク出力を60W、レーザ照射励起パルスの発振周期を1000μsとしたとき、パルス幅を100μsとすると、平均出力は6Wとすることができる。
【0019】
また、本発明のレーザ治療装置は、条件調整部で条件調整をする被照射体に照射するレーザ光照射パターンは、レーザ光照射時間を3ms以上10ms以下、レーザ光照射停止時間を30msより長く、60msより短くする構成を有している。
【0020】
この構成により、被照射体に照射するレーザ光照射パターンは、レーザ光照射時間を3ms以上10ms以下、レーザ光照射停止時間を30msより長く、60msより短くすることができる。
【0021】
条件調整部で条件調整をするパルス周期(励起周波数)は、レーザ光出力のピーク値を可変させることを目的として設定できる構成を有している。
【0022】
この構成により、照射するレーザ光のピーク値は、パルス周期(励起周波数)の設定により可変させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のレーザ治療装置は、ピーク出力が30から100Wのレーザ光を発生する高ピークレーザ共振器と、高ピークレーザ共振器を放電励起する放電励起用電源と、高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光を被照射体まで導く光導波路部と、高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光を光導波路に集光して入射させる集光レンズと、被照射体に照射するレーザ光照射パターンの条件調整をする条件調整部とを備え、条件調整部で条件調整をするレーザ照射励起パルスの発振周期は、50μs以上、1000μs以下とし、レーザ光照射時間における照射励起パルス幅をパルス周期の1パーセント以上、30パーセント以下とすることにより、レーザ光照射による治療において、レーザ照射治療を高効率に実現でき、新たな症例へレーザを用いることができるという効果を有するレーザ治療装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるレーザ治療装置の構成図である。
【0026】
図1において、本実施の形態のレーザ治療装置は、ピーク出力が30W〜100Wと高ピーク出力のあるレーザ光12をパルス照射する高ピークレーザ共振器11と、高ピークレーザ共振器11を放電励起する放電励起用電源21と、高ピークレーザ共振器11から出力されたレーザ光12を被照射体17まで導く光導波路部14と、高ピークレーザ共振器11から出力されたレーザ光を光導波路14に集光して入射させる集光レンズ13と、照射装置チップ15を介し、被照射体に照射するレーザ光照射パターンの条件を入力する入力部19と、入力された条件に基づいてレーザ光照射パターンの条件調整をする条件調整部20とを備えている。
【0027】
また、条件調整部で条件調整をするレーザ照射励起パルスの発振周期は、50μs以上、1000μs以下とする構成を有している。
【0028】
また、レーザ光照射時間における照射励起パルス幅をパルス周期の1パーセント以上、30パーセント以下とする構成を有している。
【0029】
被照射体17は本発明では生体の細胞組織である。細胞組織は皮膚のみにとらわれず、粘膜、歯、口等生体のあらゆる組織が対象となる。
【0030】
次に、図2、図3を参照しながら本発明のレーザ治療装置のレーザ光出力とレーザ照射された生体表面の変化について説明する。
【0031】
図2(a)は本発明のレーザ治療装置でのレーザ光出力を示している。図2(b)は従来のレーザ治療装置でのレーザ光出力を示す図である。
【0032】
図3(a)は本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のレーザ光照射による生体反応を示す図である。また、図3(b)は従来のレーザ治療装置におけるレーザ光照射による生体反応を示す図である。
【0033】
図2(a)に示すように本発明のレーザ治療装置におけるレーザ出力のピーク値は従来のレーザ装置におけるレーザ出力のピーク値と比べ、数倍のピーク出力がある。例えば、本発明のレーザ装置におけるピーク出力を60W、レーザ照射励起パルスの発振周期を1000μsにした場合、レーザ照射のオン時間を100μs、オフ時間を900μsのパルス照射にすることで、平均の出力は図2(b)と同等の6Wになる。つまり、図2の斜線部の面積の合計が同じになっており、熱量の総計が同じになる。
【0034】
かかる構成によれば、従来と同じ熱量でありながら瞬間的に30W〜100Wのピーク出力値があるレーザを生体表面へ照射することで、レーザ光が当たった瞬間の熱作用を大きくすることができ、組織を焼き飛ばす(蒸散)能力が向上する。これによりレーザ照射面の炭化層や熱凝固層が薄くなり、図3に示すように従来と同じ蛋白変性と活性化の効果を炭化層と熱凝固層を薄くしながら実現が可能となる。
【0035】
かかる構成において、ピーク出力が30Wよりも下回る場合は従来の治療装置の結果と差がなくなり、炭化層と熱凝固層を薄くすることはできない。
【0036】
また、従来と同じ熱量でありながら瞬間的に30W〜100Wのピーク出力値があるレーザを生体表面へ照射することで、組織を焼き飛ばすことによる切開性の向上も期待できる。
【0037】
かかる構成において、ピーク出力が30Wよりも下回る場合は従来の治療装置と比べ、切開性に有意差はなくなってしまう。
【0038】
さらに本発明のレーザ治療装置では従来と同じ熱量でありながら、レーザ照射のオフ時間があるため、照射対象以外の部位における熱影響を抑えたい治療、例えば歯科における根管内治療、歯周病治療、殺菌といった症例では従来よりも照射対象以外の部位における熱影響を抑えながら治療が可能となるため非常に有効である。
【0039】
また、従来のレーザ治療装置による歯の硬組織(象牙質)への照射では、熱の蓄積が大きく、炭化層への変性が大きくなってしまっていたが、本発明のレーザ治療装置による歯の硬組織(象牙質)への照射では、瞬間的な30W〜100Wの高ピークレーザの照射により、熱の蓄積による炭化層、またはスパークしてしまうことが少なくでき、蒸散あるいは溶解させることができる。
【0040】
また、象牙質の照射中央部では瞬間的な30W〜100Wの高ピークレーザの照射により、Ca、Pの比率が高くなる結果も得られており、従来のレーザ治療装置ではできなかった歯質を強化する効能が期待できる。
【0041】
また、ピーク出力は100W以上になると、蒸散能力が大きくなりすぎて必要以上に組織破壊が進む可能性が考えられる。
【0042】
また、条件調整部は、演算部と記憶部を備え、記憶部にはレーザ照射励起パルス幅が、パルスの発振周期の1パーセント以上、30パーセント以下となる組み合わせの照射パターンが記憶されている。
【0043】
その一例として、図4に本発明のレーザ装置におけるピーク出力を60W、レーザ照射励起パルスの発振周期を1000μsにした場合において、レーザ光照射時間における照射励起パルス幅を変えたときのレーザ照射パターンを示す。
【0044】
図4(a)はパルス幅がパルスの発振周期の1パーセントである10μsのときの照射パターン図であり、前記条件により平均出力は0.6とすることができる。
【0045】
図4(b)はパルス幅がパルスの発振周期の15パーセントである150μsのときの照射パターン図であり、前記条件により平均出力は9Wとすることができる。
【0046】
これにより、レーザ出力のピーク値を例えば60Wに設定した場合であっても、平均レーザ出力は0.6Wから9Wとすることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、レーザ光として炭酸ガスレーザを用いている。炭酸ガスレーザは水分吸収率が高く、治療の際は体表面にて作用し、歯科治療に適した微細治療が可能であること、表面の蒸散・止血に優れること、殺菌効果を伴うこと、麻酔無しで治療可能な症例があること、疼痛緩解効果があること、治癒が早いことなどの利点があるため、本発明を実現するにあたり好ましい波長である。
【0048】
なお、上記述べた効果については、同じ水分吸収率の高い特徴を持つ波長のレーザでも同じ効果が期待でき、例えばEr:YAGレーザでも良い。
【0049】
以上のように、本実施の形態1のレーザ治療装置によれば、従来と同じ蛋白変性と活性化の効果を炭化層と熱凝固層を薄くしながら実現ができ、レーザ照射中は常に切開性を確保することができる。
【0050】
また、レーザ照射のオフ時間があるため、照射対象以外の部位における熱影響を抑えたい治療、例えば歯科における根管内治療、歯周病治療、殺菌といった症例に非常に有効に使用ができ、歯の硬組織(象牙質)への照射では、瞬間的な光ピークレーザの照射により、熱の蓄積による炭化層、またはスパークしてしまうことが少なく、蒸散あるいは溶解させることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるレーザ治療装置のレーザ光照射パターンの一例を示す図である。
【0052】
図5に示すレーザ光照射パターンは、条件調整部でパルス照射されているレーザ光に対し、さらに二次変調させたレーザ光のパルス照射パターンとなっている。
【0053】
被照射体に照射するレーザ光照射パターンについて、レーザ光照射時間が4ms、レーザ光照射停止時間が40msを選択した場合であって、レーザ光照射時間における照射パルスの照射パルス幅を20μsから100μs、周期を1000μs、に設定したときのパターンを示している。
【0054】
この構成により、本発明のレーザ治療装置の使用者は治療の際に瞬間的な30W〜100Wの高ピークレーザの照射されたレーザ出力にさらに二次変調をかけた照射パターンを選択することができる。これにより、患者にとって痛みのない効率的な治療が可能となる。
【0055】
また、二次変調によりレーザ照射停止時間を設けているため、痛みの原因となる熱のこもりを解消することができ、さらに瞬間的な30W〜100Wの高ピーク出力のレーザ照射であり、1パルスごとに十分な蛋白変性(生体反応)をさせることができるため、従来のレーザ治療装置よりも効率的な治療ができ、かつ従来のレーザ治療装置よりも生体反応が目に見えて分かりやすくなり、術者が治療をし易くなる利点がある。
【0056】
また、「痛み」と「生体反応」の評価では、同じ条件においても実験の対象となった被検者により痛みの感じ方と反応が異なるため、本発明のレーザ治療装置ではレーザ光照射時間は3msから10ms、レーザ光照射停止時間は30msから60msの設定ができるようになっている。
【0057】
以上のように、本実施の形態2のレーザ治療装置によれば、高ピークでパルス照射されたレーザ出力にさらに二次変調をかけた照射パターンを選択することにより、痛みのない効率的な治療と1パルスごとに十分な蛋白変性(生体反応)を確認できることによる術者が治療をし易いレーザ治療器を実現することができる。
【0058】
(実施の形態3)
次に図6、図7を参照しながら本発明のレーザ治療装置のレーザ光出力パターンについて説明する。
【0059】
まず、図7に高ピークレーザ共振器から出力される照射パターンとパルス周期(励起周波数)の関係を示す。図7(a),(b),(c)のようにパルス周期(励起周波数)が1000μs、100μs、50μsと短くなるにつれてピーク出力値も60W、20W、10Wと下がる。また図6はパルス周期(励起周波数)とピーク出力値の関係を示す図である。
【0060】
このようにレーザ光出力のピーク値をパルス周期(励起周波数)により変化させることが可能な高ピークレーザ共振器であり、出力させたいレーザのピーク値は条件調整部でパルス周期を選択することで調整することができる。
【0061】
この構成により、本発明のレーザ治療装置の使用者は治療に最適なレーザ出力のピーク値をパルス周期(励起周波数)の選択により容易に選択することができる。これにより、治療に応じてピーク出力値を変化させ、一つの高ピークレーザ共振器で幅広い症例、効能、効果を得ることが可能である。
【0062】
さらにこの構成により、励起周波数の変更することで従来モードと本発明の効能を一つのレーザ発振器で実現できるさらなる効果を有するレーザ治療装置となる。
【0063】
以上のように、本実施の形態3のレーザ治療装置によれば、一つの高ピークレーザ共振器で幅広い症例、効能、効果が可能となり、さらに従来モードの再現と本発明の効能を一つの高ピークレーザ共振器で実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明にかかるレーザ治療装置は、レーザ光照射による治療において、効率のよい無痛治療を実現して術者および患者の負担を軽減して、さらに幅広い症例へ治療ができるという効果を有したレーザ治療装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のレーザ光照射パターンと従来のレーザ治療装置におけるレーザ光照射パターンとを示す図
【図3】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のレーザ光照射による生体反応と従来のレーザ治療装置におけるレーザ光照射による生体反応とを示す図
【図4】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のパルス幅を変えたときのレーザ照射パターンを示す図
【図5】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のレーザ光照射パターンを示す図
【図6】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のパルス周期(励起周波数)とピーク出力との関係を示す図
【図7】本発明の実施の形態におけるレーザ治療装置のパルス周期(励起周波数)を可変させたときの照射パターンを示す図
【図8】従来のレーザ治療装置の構成図
【符号の説明】
【0066】
11 高ピークレーザ共振器
12 レーザ光
13 集光レンズ
14 光導波路
15 照射装置チップ
16 照射レーザ光
17 被照射体
18 冷却ガス
19 入力部
20 条件調整部
21 放電励起用電源
31 気化部
32 炭化層
33 熱凝固層
34 蛋白変性層
35 活性化層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピーク出力が30W〜100Wと高ピーク出力のあるレーザ光をパルス照射する高ピークレーザ共振器と、
前記高ピークレーザ共振器を放電励起する放電励起用電源と、
前記高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光を被照射体まで導く光導波路と、
前記高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光を前記光導波路に集光して入射させる集光レンズと、
前記被照射体に照射するレーザ光照射パターンの条件調整をする条件調整部と
レーザ光の光径を変更する照射装置とを備え、
前記レーザ共振器で出力されたレーザ光は前記光導波路を通過し、前記集光レンズで集光され、前記照射装置を介し照射され、
前記条件調整部で条件調整をするレーザ照射励起パルスの発振周期は、50μs以上、1000μs以下とすることを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項2】
前記条件調整部で条件調整をする前記被照射体に照射するレーザ光照射パターンは、レーザ光照射時間における照射励起パルス幅をパルスの発振周期の1パーセント以上、30パーセント以下とすることを特徴とする請求項1に記載のレーザ治療装置。
【請求項3】
前記高ピークレーザ共振器から出力されたレーザ光は前記条件調整部で条件調整をするパルス照射であり、二次変調をかけてレーザ光をパルス照射させることを特徴とする請求項1から請求項2に記載のレーザ治療装置。
【請求項4】
前記条件調整部で条件調整をする前記被照射体に照射するレーザ光照射パターンは、レーザ光照射時間を3ms以上10ms以下、レーザ光照射停止時間を30msより長く、60msより短くすることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれか1項に記載のレーザ治療装置。
【請求項5】
前記条件調整部で条件調整をする前記被照射体に照射するパルス周期(励起周波数)は、レーザ光出力のピーク値を可変させることを目的として設定できることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザ治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−95536(P2009−95536A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271177(P2007−271177)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】