ローラコンベア用ローラユニット
【課題】ローラフレームに対するローラの軸受部の耐久性を向上することができるローラコンベア用ローラユニットを提供する。
【解決手段】ローラフレーム13を構成する第1及び第2分割フレーム14,15の第1側板16の内側面に第1底板18を一体に形成し、第2側板17の内側面に第2底板19を一体に形成する。前記第1底板18の突合せ端面に連結ピン18b、係合孔18cを交互に形成し、第2底板19の突合せ端面に前記連結ピン18b、係合孔18cに係合される連結ピン19b、係合孔を交互に形成する。前記第1及び第2側板16,17に、第1及び第2支軸24,25を介してローラ12を支持する。前記ローラ12の直下に位置するように、前記第1及び第2底板18,19の上面に補助支持突条18e,19eを形成し、前記ローラ12が過大な荷重を受けて下方へ変位したとき前記補助支持突条18e,19eによってローラ12を受け止める。
【解決手段】ローラフレーム13を構成する第1及び第2分割フレーム14,15の第1側板16の内側面に第1底板18を一体に形成し、第2側板17の内側面に第2底板19を一体に形成する。前記第1底板18の突合せ端面に連結ピン18b、係合孔18cを交互に形成し、第2底板19の突合せ端面に前記連結ピン18b、係合孔18cに係合される連結ピン19b、係合孔を交互に形成する。前記第1及び第2側板16,17に、第1及び第2支軸24,25を介してローラ12を支持する。前記ローラ12の直下に位置するように、前記第1及び第2底板18,19の上面に補助支持突条18e,19eを形成し、前記ローラ12が過大な荷重を受けて下方へ変位したとき前記補助支持突条18e,19eによってローラ12を受け止める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の物品を搬送するのに用いられるローラコンベア用ローラユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のローラコンベア用ローラユニットとして、図11に示すものが提案されている。このローラユニットは、合成樹脂製のローラフレーム51の左右両側部に位置する第1及び第2側板52,53の上端部に挿入孔52a,53aを複数箇所に形成し、前記挿入孔52a,53aに対し合成樹脂製のローラ54の中心孔54aに貫通した金属製の支軸55を挿入することにより構成されている。
【0003】
又、図示しないが第1側板52及び第2側板53に対し、支軸55をそれぞれ一体又は別体に片持ち支持して、両支軸にローラ54を支持する構成のものも提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のローラユニットのうち前者のローラユニットは、第1及び第2側板52,53に支軸55を貫通させているので、ローラフレーム51から支軸55が外れないというメリットがある。しかし、ローラ54に支持された物品の荷重により前記ローラ54に過大な力が作用したとき、前記第1及び第2側板52,53の挿入孔52a,53aに対し支軸55の端部の曲げ荷重が作用するので、挿入孔52a,53aが早期に破損するという問題があった。又、支軸55が樹脂製の場合には、支軸55が破損するという問題があった。
【0005】
一方、後者のローラユニットは、片持ち支持された支軸55が樹脂製の場合には、過大な曲げ荷重を受けて破損し易く、支軸55が金属製の場合には、第1及び第2側板52,53の挿入孔52a,53aが早期に破損し、耐久性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、ローラフレームに対するローラの軸受部の耐久性を向上することができるローラコンベア用ローラユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローラフレームと、該ローラフレームの対向する左右一対の側板の間において支軸により回転可能に支持されたローラとを備えたローラユニットにおいて、前記ローラフレームに対し、前記ローラの直下に位置して該ローラの下部を補助的に支持可能なローラ補助支持手段を設けたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、前記ローラフレームの下部に設けられた底板の上面に形成された補助支持突条又は補助支持突起であることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、ローラフレームの前記両側板の間に架橋された補助支持ローラ、ローラフレームの底板に支持された補助支持ボール又は補助支持ローラであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、ローラフレームに対し、ローラの直下に位置するように該ローラの下部を補助的に支持可能なローラ補助支持手段を設けたので、搬送される物品の荷重によってローラが過大な外力を受けたとき、前記ローラの軸受部に対する過大な外力の作用を防止して、ローラの軸受部の耐久性を向上することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、ローラ補助支持手段がローラフレームの下部に設けられた底板の上面に形成された補助支持突条又は補助支持突起であるため、ローラ補助支持手段の構成を簡素化して、部品点数を低減し、製造を容易に行い、コストを低減することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、ローラ補助支持手段が補助支持ローラ又は補助支持ボールによって構成されているので、ローラが過大な外力を受けたとき、補助支持ローラ又は補助支持ボールも回転し、物品の搬送を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体化したローラコンベア用ローラユニットの一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図2に示すようにこの実施形態のローラユニット11は、複数のローラ12と、このローラ12の左右両端部を回転可能に支持して把持するローラフレーム13とにより構成されている。前記ローラフレーム13は図1に示すように第1分割フレーム14と第2分割フレーム15に分割構成されている。この第1分割フレーム14と第2分割フレーム15は射出成型装置を用いて合成樹脂材料により一体的に型成形されている。
【0014】
第1分割フレーム14を構成する第1側板16の内側面には第1底板18が水平方向に全域に亘って一体に形成されている。前記第2分割フレーム15を構成する第2側板17の内側面には前記第1底板18と対応するように第2底板19が水平方向に全域にわたって形成されている。
【0015】
前記第1側板16及び第1底板18の前後(図1において左右)両端部には端板20,21が一体に形成されている。同様に前記第2側板17及び第2底板19の前後両端部には端板22,23が一体に形成されている。
【0016】
前記第1底板18には、前記ローラ12の軸線方向と平行に、かつローラの物品の搬送方向に所定のピッチで等間隔に連結軸部18aが一体に膨出形成されている。前記連結軸部18aの先端面には、連結ピン18bが一つおきに形成され、この実施形態では、3カ所に形成されている。前記連結軸部18aの先端面には、係合孔18cが一つおきに形成され、この実施形態では3カ所に形成されている。前記連結軸部18aの外周面の上下両端部には補強リブ18dが一体に形成されている。前記第1底板18の上面には、前記各ローラ12の直下に位置するように補助支持手段としての補助支持突条18eがローラ12の中心軸線と平行に、かつ第1底板18と一体に形成されている。
【0017】
一方、前記第2底板19にも、前記第1底板18の連結軸部18a〜補助支持突条18eと同様の連結軸部19a、連結ピン19b、係合孔19c、補強リブ19d及び補助支持突条19eが形成されている。そして、図3及び図5に示すように第1底板18の係合孔18cに第2底板19の連結ピン19bを挿入し、第2底板19の係合孔19cに第1底板18の連結ピン18bを挿入することにより、前記第1分割フレーム14と第2分割フレーム15が互いに連結されるようになっている。
【0018】
この実施形態では、前記第1底板18の連結ピン18b及び係合孔18cと、第2底板19の連結ピン19b及び係合孔19cによって第1分割フレーム14と第2分割フレーム15を連結するための連結手段が構成されている。
【0019】
前記第1側板16の上部には、図1、図4及び図6に示すように隣接する前記補助支持突条18eの上方に位置するように複数の軸支孔16aが形成され、各軸支孔16aには第1支軸24が連結軸部18aと平行に貫通され、片持ち支持されている。各第1支軸24は図4及び図6に示すように前記ローラ12の一端部に設けた軸支孔12aに緩く嵌入されてローラ12の一端部を回転可能に支持するようになっている。又、第2側板17の上部には、前記複数の軸支孔16aと対応するように複数の軸支孔17aが形成され、各軸支孔17aには各第1支軸24と対応するように第2支軸25が前記連結軸部19aと平行に貫通され、片持ち支持されている。各第2支軸25はローラ12の他端部に設けた軸支孔12bに緩く嵌入されてローラ12の他端部を回転可能に支持するようになっている。
【0020】
次に、前記のように構成されたローラユニット11の組み付け作業について説明する。
図1において、第1分割フレーム14と第2分割フレーム15のうち第1分割フレーム14の各第1支軸24に対し各ローラ12の軸支孔12aをそれぞれ係合する。この状態で第2分割フレーム15の第2底板19の突合せ端面に形成された係合孔19cに第1底板18に形成された連結ピン18bを、第1底板18の突合せ端面に形成された係合孔18cに対し第2底板19に形成された連結ピン19bをそれぞれ係合する。この操作の過程で第2側板17に取り付けられた第2支軸25がローラ12の軸支孔12bに緩く嵌入される。
【0021】
以上の操作を行うことによりローラユニット11は図2〜図4に示すように一体状に組み付けられる。
図2に示すローラユニット11は、ローラコンベアとして用いるときには、図8に示すようにローラユニット収容ケース31を用いる。このローラユニット収容ケース31を構成する溝型鋼状のケース本体32の内部にローラユニット11が取り出し可能に収容される。前記ケース本体32の側板の外側面には横断面がL字状をなす取付フレーム33,34がスポット溶接により連結されている。前記ローラユニット収容ケース31の端部には前記取付フレーム33,34を利用して取付金具ユニット35が取り外し可能に取り付けられるようになっている。前記ローラユニット収容ケース31の他端部にも別の取付金具ユニット36が取り外し可能に取り付けられている。そして、前記取付金具ユニット35,36を図示しない支持部材に掛止することによりローラユニット11を備えたローラコンベア装置が所定の場所に装着される。このローラコンベア装置のローラ12により各種の物品が搬送される。
【0022】
上記実施形態のローラユニット11によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、図1及び図7に示すように、前記第1(第2)底板18(19)の上面に対し、各ローラ12の直下に位置するように、補助支持突条18e(19e)を一体に形成した。このため、前記ローラ12の上面に搬送される物品の過大な荷重が作用して、図6に二点鎖線で示すように、ローラ12がその左右両端部の第1及び第2支軸24,25を中心に下方に弾性変形された場合に、図7に二点鎖線で示すようにローラ12の下端外周面が補助支持突条18e(19e)によって支持される。この結果、ローラ12が異常に変形したり、第1及び第2支軸24,25に過大な曲げモーメントが作用したり、第1及び第2側板16,17の軸支孔16a,17aに過大な荷重が作用したりするのを防止することができ、前記ローラ12、両側板16,17及び両支軸24,25の耐久性を向上することができる。
【0023】
(2)上記実施形態では、前記第1側板16、端板20,21の内側に、前記第1底板18を一体に形成し、前記第1底板18に複数の連結軸部18aを一体に形成し、各連結軸部18aの上下両端部に補強リブ18dを一体に形成した。さらに、前記第1底板18の上面に前記補助支持突条18eを一体に形成した。又、第2底板19側も第1底板18と同様に構成した。このため、補助支持突条18e,19eにローラ12から下方へ向かう外力が作用した場合にその荷重を第1底板18及び第2底板19によって確実に支持することができる。
【0024】
(3)上記実施形態では、第1側板16に形成された第1底板18の端面に、連結ピン18b、係合孔18cを設け、第2側板17に形成された第2底板19の端面に、同じく連結ピン19b、係合孔19cを設けた。このため、第1分割フレーム14と第2分割フレーム15の連結手段の構成を簡素化して型成形による製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【0025】
(4)上記実施形態では、ローラ12に軸支孔12a,12bを形成したので、ローラ12の軸支孔12a,12bの型成型を容易に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0026】
○図9に示すように前記ローラ12の直下に第1側板16及び第2側板17に架橋するように補助支持手段としての補助支持ローラ41を回転可能に支持してもよい。
○図10に示すように、ローラフレーム13の底板13aの上面に対し、補助支持手段としての補助支持突起42〜42を複数箇所に配設してもよい。
【0027】
○図示しないが、前記ローラ12の直下に位置するように、かつ前記第1及び第2側板16,17、ローラ12及び前記支軸24,25の弾性変形領域内で、前記ローラ12の下部を支持するローラ補助支持手段を設けるようにしてもよい。
【0028】
○図示しないが、前記ローラ補助支持手段として、ローラフレームの第1底板18及び第2底板19自体又は底板に支持された補助支持ボール又は補助支持ローラを用いてもよい。
【0029】
○図示しないが、ローラの支持構造として、前記ローラ12に一体又は別体で取り付けた支軸を第1及び第2側板16,17に設けた軸支孔16a,17aに係合するようにしてもよい。
(技術的思想)
上記各実施形態から把握される請求項以外の技術的思想について説明する。
【0030】
(1)請求項1〜3のいずれか一項において、前記ローラフレームを前記各側板を含むように左右一対の分割フレームに分割し、両分割フレームに対し前記ローラを支持する組付状態に連結するための連結手段を設け、前記側板又はローラに設けた支軸をローラ又は側板に設けた軸支孔に係合するようにしたローラコンベア用ローラユニット。
【0031】
上記(1)のローラコンベア用ローラユニットは、ローラフレームとローラの組み付け作業を容易に行うことができる。
(2)上記(1)において、前記連結手段は第1及び第2の分割フレームの底板の突合せ端面に対し、それぞれ片持支持された連結ピン18bと、同じく前記突合せ端面に対し、連結ピンを挿入するように形成された係合孔とにより構成されているローラコンベア用ローラユニット。
【0032】
上記(2)のローラコンベア用ローラユニットは、連結手段の構成を簡素化して、製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明を具体化したローラユニットの分解斜視図。
【図2】ローラユニットの組付状態の斜視図。
【図3】ローラユニットの連結ピンの中心軸線を通る部分平断面図。
【図4】ローラユニットのローラの中心軸線を通る部分平断面図。
【図5】ローラユニットの連結ピンの中心軸線を通る横断面図。
【図6】ローラユニットのローラの中心軸線を通る横断面図。
【図7】ローラユニットの第1分割フレーム及びローラを示す部分正面図。
【図8】ローラユニットを用いたローラコンベア装置の斜視図。
【図9】この発明の別例を示すローラユニットの部分断面図。
【図10】この発明の別例を示すローラユニットの側面図。
【図11】従来のローラユニットを示す横断面図。
【符号の説明】
【0034】
11…ローラユニット、12…ローラ、13…ローラフレーム、18e,19e…補助支持手段としての補助支持突条、24,25…支軸、41…補助支持手段としての補助支持ローラ、42…補助支持手段としての補助支持突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の物品を搬送するのに用いられるローラコンベア用ローラユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のローラコンベア用ローラユニットとして、図11に示すものが提案されている。このローラユニットは、合成樹脂製のローラフレーム51の左右両側部に位置する第1及び第2側板52,53の上端部に挿入孔52a,53aを複数箇所に形成し、前記挿入孔52a,53aに対し合成樹脂製のローラ54の中心孔54aに貫通した金属製の支軸55を挿入することにより構成されている。
【0003】
又、図示しないが第1側板52及び第2側板53に対し、支軸55をそれぞれ一体又は別体に片持ち支持して、両支軸にローラ54を支持する構成のものも提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のローラユニットのうち前者のローラユニットは、第1及び第2側板52,53に支軸55を貫通させているので、ローラフレーム51から支軸55が外れないというメリットがある。しかし、ローラ54に支持された物品の荷重により前記ローラ54に過大な力が作用したとき、前記第1及び第2側板52,53の挿入孔52a,53aに対し支軸55の端部の曲げ荷重が作用するので、挿入孔52a,53aが早期に破損するという問題があった。又、支軸55が樹脂製の場合には、支軸55が破損するという問題があった。
【0005】
一方、後者のローラユニットは、片持ち支持された支軸55が樹脂製の場合には、過大な曲げ荷重を受けて破損し易く、支軸55が金属製の場合には、第1及び第2側板52,53の挿入孔52a,53aが早期に破損し、耐久性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、ローラフレームに対するローラの軸受部の耐久性を向上することができるローラコンベア用ローラユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ローラフレームと、該ローラフレームの対向する左右一対の側板の間において支軸により回転可能に支持されたローラとを備えたローラユニットにおいて、前記ローラフレームに対し、前記ローラの直下に位置して該ローラの下部を補助的に支持可能なローラ補助支持手段を設けたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、前記ローラフレームの下部に設けられた底板の上面に形成された補助支持突条又は補助支持突起であることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、ローラフレームの前記両側板の間に架橋された補助支持ローラ、ローラフレームの底板に支持された補助支持ボール又は補助支持ローラであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、ローラフレームに対し、ローラの直下に位置するように該ローラの下部を補助的に支持可能なローラ補助支持手段を設けたので、搬送される物品の荷重によってローラが過大な外力を受けたとき、前記ローラの軸受部に対する過大な外力の作用を防止して、ローラの軸受部の耐久性を向上することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、ローラ補助支持手段がローラフレームの下部に設けられた底板の上面に形成された補助支持突条又は補助支持突起であるため、ローラ補助支持手段の構成を簡素化して、部品点数を低減し、製造を容易に行い、コストを低減することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、ローラ補助支持手段が補助支持ローラ又は補助支持ボールによって構成されているので、ローラが過大な外力を受けたとき、補助支持ローラ又は補助支持ボールも回転し、物品の搬送を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体化したローラコンベア用ローラユニットの一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図2に示すようにこの実施形態のローラユニット11は、複数のローラ12と、このローラ12の左右両端部を回転可能に支持して把持するローラフレーム13とにより構成されている。前記ローラフレーム13は図1に示すように第1分割フレーム14と第2分割フレーム15に分割構成されている。この第1分割フレーム14と第2分割フレーム15は射出成型装置を用いて合成樹脂材料により一体的に型成形されている。
【0014】
第1分割フレーム14を構成する第1側板16の内側面には第1底板18が水平方向に全域に亘って一体に形成されている。前記第2分割フレーム15を構成する第2側板17の内側面には前記第1底板18と対応するように第2底板19が水平方向に全域にわたって形成されている。
【0015】
前記第1側板16及び第1底板18の前後(図1において左右)両端部には端板20,21が一体に形成されている。同様に前記第2側板17及び第2底板19の前後両端部には端板22,23が一体に形成されている。
【0016】
前記第1底板18には、前記ローラ12の軸線方向と平行に、かつローラの物品の搬送方向に所定のピッチで等間隔に連結軸部18aが一体に膨出形成されている。前記連結軸部18aの先端面には、連結ピン18bが一つおきに形成され、この実施形態では、3カ所に形成されている。前記連結軸部18aの先端面には、係合孔18cが一つおきに形成され、この実施形態では3カ所に形成されている。前記連結軸部18aの外周面の上下両端部には補強リブ18dが一体に形成されている。前記第1底板18の上面には、前記各ローラ12の直下に位置するように補助支持手段としての補助支持突条18eがローラ12の中心軸線と平行に、かつ第1底板18と一体に形成されている。
【0017】
一方、前記第2底板19にも、前記第1底板18の連結軸部18a〜補助支持突条18eと同様の連結軸部19a、連結ピン19b、係合孔19c、補強リブ19d及び補助支持突条19eが形成されている。そして、図3及び図5に示すように第1底板18の係合孔18cに第2底板19の連結ピン19bを挿入し、第2底板19の係合孔19cに第1底板18の連結ピン18bを挿入することにより、前記第1分割フレーム14と第2分割フレーム15が互いに連結されるようになっている。
【0018】
この実施形態では、前記第1底板18の連結ピン18b及び係合孔18cと、第2底板19の連結ピン19b及び係合孔19cによって第1分割フレーム14と第2分割フレーム15を連結するための連結手段が構成されている。
【0019】
前記第1側板16の上部には、図1、図4及び図6に示すように隣接する前記補助支持突条18eの上方に位置するように複数の軸支孔16aが形成され、各軸支孔16aには第1支軸24が連結軸部18aと平行に貫通され、片持ち支持されている。各第1支軸24は図4及び図6に示すように前記ローラ12の一端部に設けた軸支孔12aに緩く嵌入されてローラ12の一端部を回転可能に支持するようになっている。又、第2側板17の上部には、前記複数の軸支孔16aと対応するように複数の軸支孔17aが形成され、各軸支孔17aには各第1支軸24と対応するように第2支軸25が前記連結軸部19aと平行に貫通され、片持ち支持されている。各第2支軸25はローラ12の他端部に設けた軸支孔12bに緩く嵌入されてローラ12の他端部を回転可能に支持するようになっている。
【0020】
次に、前記のように構成されたローラユニット11の組み付け作業について説明する。
図1において、第1分割フレーム14と第2分割フレーム15のうち第1分割フレーム14の各第1支軸24に対し各ローラ12の軸支孔12aをそれぞれ係合する。この状態で第2分割フレーム15の第2底板19の突合せ端面に形成された係合孔19cに第1底板18に形成された連結ピン18bを、第1底板18の突合せ端面に形成された係合孔18cに対し第2底板19に形成された連結ピン19bをそれぞれ係合する。この操作の過程で第2側板17に取り付けられた第2支軸25がローラ12の軸支孔12bに緩く嵌入される。
【0021】
以上の操作を行うことによりローラユニット11は図2〜図4に示すように一体状に組み付けられる。
図2に示すローラユニット11は、ローラコンベアとして用いるときには、図8に示すようにローラユニット収容ケース31を用いる。このローラユニット収容ケース31を構成する溝型鋼状のケース本体32の内部にローラユニット11が取り出し可能に収容される。前記ケース本体32の側板の外側面には横断面がL字状をなす取付フレーム33,34がスポット溶接により連結されている。前記ローラユニット収容ケース31の端部には前記取付フレーム33,34を利用して取付金具ユニット35が取り外し可能に取り付けられるようになっている。前記ローラユニット収容ケース31の他端部にも別の取付金具ユニット36が取り外し可能に取り付けられている。そして、前記取付金具ユニット35,36を図示しない支持部材に掛止することによりローラユニット11を備えたローラコンベア装置が所定の場所に装着される。このローラコンベア装置のローラ12により各種の物品が搬送される。
【0022】
上記実施形態のローラユニット11によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)上記実施形態では、図1及び図7に示すように、前記第1(第2)底板18(19)の上面に対し、各ローラ12の直下に位置するように、補助支持突条18e(19e)を一体に形成した。このため、前記ローラ12の上面に搬送される物品の過大な荷重が作用して、図6に二点鎖線で示すように、ローラ12がその左右両端部の第1及び第2支軸24,25を中心に下方に弾性変形された場合に、図7に二点鎖線で示すようにローラ12の下端外周面が補助支持突条18e(19e)によって支持される。この結果、ローラ12が異常に変形したり、第1及び第2支軸24,25に過大な曲げモーメントが作用したり、第1及び第2側板16,17の軸支孔16a,17aに過大な荷重が作用したりするのを防止することができ、前記ローラ12、両側板16,17及び両支軸24,25の耐久性を向上することができる。
【0023】
(2)上記実施形態では、前記第1側板16、端板20,21の内側に、前記第1底板18を一体に形成し、前記第1底板18に複数の連結軸部18aを一体に形成し、各連結軸部18aの上下両端部に補強リブ18dを一体に形成した。さらに、前記第1底板18の上面に前記補助支持突条18eを一体に形成した。又、第2底板19側も第1底板18と同様に構成した。このため、補助支持突条18e,19eにローラ12から下方へ向かう外力が作用した場合にその荷重を第1底板18及び第2底板19によって確実に支持することができる。
【0024】
(3)上記実施形態では、第1側板16に形成された第1底板18の端面に、連結ピン18b、係合孔18cを設け、第2側板17に形成された第2底板19の端面に、同じく連結ピン19b、係合孔19cを設けた。このため、第1分割フレーム14と第2分割フレーム15の連結手段の構成を簡素化して型成形による製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【0025】
(4)上記実施形態では、ローラ12に軸支孔12a,12bを形成したので、ローラ12の軸支孔12a,12bの型成型を容易に行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0026】
○図9に示すように前記ローラ12の直下に第1側板16及び第2側板17に架橋するように補助支持手段としての補助支持ローラ41を回転可能に支持してもよい。
○図10に示すように、ローラフレーム13の底板13aの上面に対し、補助支持手段としての補助支持突起42〜42を複数箇所に配設してもよい。
【0027】
○図示しないが、前記ローラ12の直下に位置するように、かつ前記第1及び第2側板16,17、ローラ12及び前記支軸24,25の弾性変形領域内で、前記ローラ12の下部を支持するローラ補助支持手段を設けるようにしてもよい。
【0028】
○図示しないが、前記ローラ補助支持手段として、ローラフレームの第1底板18及び第2底板19自体又は底板に支持された補助支持ボール又は補助支持ローラを用いてもよい。
【0029】
○図示しないが、ローラの支持構造として、前記ローラ12に一体又は別体で取り付けた支軸を第1及び第2側板16,17に設けた軸支孔16a,17aに係合するようにしてもよい。
(技術的思想)
上記各実施形態から把握される請求項以外の技術的思想について説明する。
【0030】
(1)請求項1〜3のいずれか一項において、前記ローラフレームを前記各側板を含むように左右一対の分割フレームに分割し、両分割フレームに対し前記ローラを支持する組付状態に連結するための連結手段を設け、前記側板又はローラに設けた支軸をローラ又は側板に設けた軸支孔に係合するようにしたローラコンベア用ローラユニット。
【0031】
上記(1)のローラコンベア用ローラユニットは、ローラフレームとローラの組み付け作業を容易に行うことができる。
(2)上記(1)において、前記連結手段は第1及び第2の分割フレームの底板の突合せ端面に対し、それぞれ片持支持された連結ピン18bと、同じく前記突合せ端面に対し、連結ピンを挿入するように形成された係合孔とにより構成されているローラコンベア用ローラユニット。
【0032】
上記(2)のローラコンベア用ローラユニットは、連結手段の構成を簡素化して、製造及び組み付け作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明を具体化したローラユニットの分解斜視図。
【図2】ローラユニットの組付状態の斜視図。
【図3】ローラユニットの連結ピンの中心軸線を通る部分平断面図。
【図4】ローラユニットのローラの中心軸線を通る部分平断面図。
【図5】ローラユニットの連結ピンの中心軸線を通る横断面図。
【図6】ローラユニットのローラの中心軸線を通る横断面図。
【図7】ローラユニットの第1分割フレーム及びローラを示す部分正面図。
【図8】ローラユニットを用いたローラコンベア装置の斜視図。
【図9】この発明の別例を示すローラユニットの部分断面図。
【図10】この発明の別例を示すローラユニットの側面図。
【図11】従来のローラユニットを示す横断面図。
【符号の説明】
【0034】
11…ローラユニット、12…ローラ、13…ローラフレーム、18e,19e…補助支持手段としての補助支持突条、24,25…支軸、41…補助支持手段としての補助支持ローラ、42…補助支持手段としての補助支持突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラフレームと、該ローラフレームの対向する左右一対の側板の間において支軸により回転可能に支持されたローラとを備えたローラユニットにおいて、
前記ローラフレームに対し、前記ローラの直下に位置して該ローラの下部を補助的に支持可能なローラ補助支持手段を設けたローラコンベア用ローラユニット。
【請求項2】
請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、前記ローラフレームの下部に設けられた底板の上面に形成された補助支持突条又は補助支持突起であるローラコンベア用ローラユニット。
【請求項3】
請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、ローラフレームの前記両側板の間に架橋された補助支持ローラ、ローラフレームの底板に支持された補助支持ボール又は補助支持ローラであるローラコンベア用ローラユニット。
【請求項1】
ローラフレームと、該ローラフレームの対向する左右一対の側板の間において支軸により回転可能に支持されたローラとを備えたローラユニットにおいて、
前記ローラフレームに対し、前記ローラの直下に位置して該ローラの下部を補助的に支持可能なローラ補助支持手段を設けたローラコンベア用ローラユニット。
【請求項2】
請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、前記ローラフレームの下部に設けられた底板の上面に形成された補助支持突条又は補助支持突起であるローラコンベア用ローラユニット。
【請求項3】
請求項1において、前記ローラ補助支持手段は、ローラフレームの前記両側板の間に架橋された補助支持ローラ、ローラフレームの底板に支持された補助支持ボール又は補助支持ローラであるローラコンベア用ローラユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−8683(P2007−8683A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193135(P2005−193135)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(505431433)有限会社TK PLANNING (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(505431433)有限会社TK PLANNING (2)
【Fターム(参考)】
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