説明

ローラコンベア

【課題】簡単な構造で着脱が容易でかつ確実にとりつけができるローラコンベアを提供する。
【解決手段】ローラベアリング1はローラパイプ10の両端に装備される着脱側ベアリング支持部20と固定側ベアリング支持部100を有する。着脱側ベアリング支持部20のベアリングの内輪32の内径部は六角穴40に形成され、六角パイプ50が摺動自在に挿入される。六角パイプはスプリング60により、常時外側に向けて付勢される。六角パイプ50をコンベアフレーム2の六角穴4に挿入して支持部20をとりつける。固定側ベアリング支持部100のベアリングの内輪150は、その延長部に六角面154が形成され、コンベアフレーム2の六角穴4に挿入、固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はローラコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアフレームに対して両端部がとりつけられて、ベアリングを介して回転するローラパイプを有するローラコンベアが使用されている。
下記の特許文献は、この種のローラコンベアを開示している。
【特許文献1】特開平8−12038号公報
【特許文献2】特開平7−300220号公報
【特許文献3】特開2000−62937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、コンベアフレームに対して容易に着脱することができ、かつローラコンベアを確実にコンベアフレームに固定することができるローラコンベアを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明のローラコンベアは、円筒形状のローラパイプの一方の端部に装備される固定側ベアリング支持部と、ローラパイプの他方の端部に装備される着脱側ベアリング支持部を備え、固定側ベアリング支持部は、外径部がローラパイプの端部の内径部に圧入されるとともに内径部にベアリングの外輪が圧入される樹脂製のリング部材と、ベアリングの内輪の軸方向の延長部に形成されてコンベアフレームの開口部に挿入される六角筒部を備えるものである。
また、着脱側ベアリング支持部は、外径部がローラパイプの内径部に圧入されるとともに内径部ベアリングの外輪が圧入される樹脂製のリング部材と、ベアリングの内輪の内径部に対して軸方向に摺動自在に挿入される六角パイプと、ベアリングの内輪と六角パイプの間に配設されて、六角パイプをコンベアフレームの開口部に向けて付勢するスプリングを備えるものである。
そして、固定側ベアリング支持部は、樹脂製のリング部材とベアリングの外輪との間に装備される外径部にスプロケット歯を有する金属製のスプロケット部材を備え、さらに、固定側ベアリング支持部は、樹脂製のリング部材とベアリングの外輪との間に装備される外径部に丸ベルト用の丸溝を有する金属製の丸ベルト部材を備えるものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明のローラコンベアは、以上の手段を備えることにより、簡素な構成で、かつ着脱が容易なローラコンベアを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明のローラコンベアの全体構造を示す断面図である。
全体を符号1で示すローラコンベアは、ローラパイプ10の両端にとりつけられる着脱側ベアリング支持部20と固定側ベアリング支持部100を有する。
ローラコンベア1は、コンベアフレーム2に対してとりつけられるが、コンベアフレーム2には六角穴4が設けられており、この六角穴4に固定側ベアリング支持部100と着脱側ベアリング支持部20の六角パイプ部を挿入することで、ローラコンベア1はコンベアフレーム2に着脱自在にとりつけられる。
【0007】
着脱側ベアリング支持部20は、ローラパイプ10の端部に圧入されるリング部材22を有する。
リング部材22は、例えばプラスチック樹脂材料でつくられ、ベアリングの外輪30に一体に成型される。
外輪30はベアリングボール34、リテーナ36を介して内輪32に連結される。内輪32の内径部はスプライン加工等の加工手段によって六角穴40に加工される。
【0008】
図2、図3は着脱側ベアリング支持部の部材を示す説明図である。
内輪32の六角穴40に対して六角パイプ50が摺動自在に挿入される。六角パイプ50の外径部は、内輪32の六角穴40に対して摺動自在な間隙を有する六角面52に形成され、内径部は丸穴54に形成される。
六角パイプ50のローラパイプ10の内側の端部にはリング溝56が形成してある。一方、内輪32の端部にもリング溝33が形成してある。
テーパー形状のコイルスプリング60の小径側の端部62は六角パイプ50のリング溝56にカシメ結合され、大径側の端部64は内輪32のリング溝33にカシメ結合されている。
【0009】
そこで、六角パイプ50を図の矢印A方向に押すと、六角パイプ50は内輪32に対して摺動し、コイルスプリング60は伸長される。
六角パイプ50をコンベアフレーム2の六角穴4に通して押圧力を解放すると、六角パイプ50は、スプリング力により矢印B方向に摺動し、コンベアフレーム2に確実に装着される。
六角パイプ50をコンベアフレーム2の六角穴4から抜き出す際には、手工具等を利用する。
【0010】
ローラパイプ10の他方の端部は固定側ベアリング支持部100により支持される。
ローラパイプ10の端部には、図4にも示すリング部材110が圧入されるが、リング部材110は樹脂でつくられ、図5にも示す金属製のスプロケット部材120に一体に成型される。リング部材110の一端部はスプロケット部材に接するフランジ部112に形成され、他端部はテーパー部114に形成され、ローラパイプ10に圧入しやすくしてある。
【0011】
スプロケット部材120は、リング部材110が圧入される円筒部122を有し、円筒部122の先端には膨出部124が設けてある。膨出部124は円筒部122に圧入されたリング部材110が抜け出すのを防止する。円筒部122に連続して形成されるフランジ部126はリング部材110の軸方向の位置を規制する。
スプロケット部材120は、外周部にスプロケット歯130が形成され、内周部にベアリングの外輪が圧入される内径穴128が形成される。
【0012】
図1に示すように、ベアリングの外輪140と内輪150の間にはボール142、リテーナ144が設けされる。内輪150は円筒部152の外側に六角筒部154と段部155が設けられる。この六角筒部をコンベアフレーム2の六角穴4に挿入することによって、固定側ベアリング支持部100はコンベアフレーム2に固定される。
ベアリングの内輪150は円筒貫通穴156を有し、必要に応じてシャフト等を挿入することができ、ローラコンベアの剛性を向上することができる。
なお、スプロケットは上述した実施例に示す1列のものに加えて、2列のものにも適用できる。
【0013】
図6は固定側ベアリング支持部200の他の例を示す。
この固定側ベアリング支持部200は、丸ベルト240がかけ渡される丸溝230を有する金属製の丸ベルト部材220を有する。丸ベルト部材220はローラパイプ側に圧入されるリング部材を支持する円筒部220と、円筒部222の端部に形成される突出部224を有する。
突出部224は圧入されたリング部材の抜け出しを防止する。
【0014】
丸ベルト部材220の内径側にはベアリングの外輪250が圧入され、外輪250はボール252、リテーナ254を介して内輪260に連結される。
内輪260は、円筒部262と円筒部262の端部に形成される六角筒部264を有する。
内輪260の内径部は円筒貫通穴266に形成される。
なお、丸ベルトは上述した実施例に示す1列のものに加えて2列のものにも適用できる。
また、丸ベルトにかえて、Vベルトにも適用できる。この場合には、Vベルトの1列または2列に対応するV溝をもつ部材を用意する。
【0015】
図7は、固定側ベアリング支持部300の更に他の例を示す。
この固定側ベアリング支持部300は、駆動機構を備えない従動型の支持部を構成している。ローラパイプ10の端部に圧入される樹脂製のリング部材310の内径側にはベアリングの外輪330が圧入される。
ベアリングの外輪330は、ボール332やリテーナ334を介して内輪340に連結される。
リング部材310の外側には、樹脂製のシール部材320が嵌装される。このシール部材320はベアリング内への異物の浸入を防止する機能を有する。
内輪340は、円筒部342と円筒部342の端部に形成される六角筒部344を有する。内輪340の内径部は円筒貫通穴346に形成される。
なお、ベアリング支持部をコンベアフレームに挿入する形状は、六角形状の断面に限定されず、四角形、多面体等の要は、ベアリングの内輪側がコンベアフレームに対して回転せずに固定される形状のものであればよい。
本発明は、ベアリングのサイズやローラパイプの外径寸法に対応して種々の大きさのローラコンベアに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ローラコンベアの全体構造を示す断面図
【図2】着脱側ベアリング支持部の部材を示す説明図
【図3】着脱側ベアリング支持部の部材を示す説明図
【図4】リング部材を示す説明図
【図5】スプロケット部材の説明図
【図6】固定側ベアリング支持部の他の例を示す説明図
【図7】固定側ベアリング支持部の他の例を示す説明図
【符号の説明】
【0017】
1 ローラコンベア
2 コンベアフレーム
4 六角穴
10 ローラパイプ
20 着脱側ベアリング支持部
22 リング部材
30 外輪
32 内輪
34 ベアリングボール
36 リテーナ
40 六角穴
50 六角パイプ
52 六角面
60 コイルスプリング
100 固定側ベアリング支持部
110 リング部材
120 スプロケット部材
130 スプロケット歯
140 外輪
150 内輪
152 円筒部
154 六角筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配設されたコンベアフレームに対して着脱自在にとりつけられるローラコンベアであって、
円筒形状のローラパイプの一方の端部に装備される固定側ベアリング支持部と、ローラパイプの他方の端部に装備される着脱側ベアリング支持部を備え、
固定側ベアリング支持部は、外径部がローラパイプの端部の内径部に圧入されるとともに内径部にベアリングの外輪が圧入される樹脂製のリング部材と、ベアリングの内輪の軸方向の延長部に形成されてコンベアフレームの開口部に挿入される六角筒部を備えることを特徴とするローラコンベア。
【請求項2】
着脱側ベアリング支持部は、外径部がローラパイプの内径部に圧入されるとともに内径部にベアリングの外輪が圧入される樹脂製のリング部材と、ベアリングの内輪の内径部に対して軸方向に摺動自在に挿入される六角パイプと、ベアリングの内輪と六角パイプの間に配設されて、六角パイプをコンベアフレームの開口部に向けて付熱するスプリングを備えることを特徴とする請求項1記載のローラコンベア。
【請求項3】
固定側ベアリング支持部は、樹脂製のリング部材とベアリングの外輪との間に装備される外径部にスプロケット歯を有する金属製のスプロケット部材を備えることを特徴とする請求項1記載のローラコンベア。
【請求項4】
固定側ベアリング支持部は、樹脂製のリング部材とベアリングの外輪との間に装備される外径部に丸ベルト用の丸溝を有する金属製の丸ベルト部材を備えることを特徴とする請求項1記載のローラコンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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