説明

ローラー、フィルムの端部の固定方法、装置

【課題】フィルムの端部を、簡単に固定、解除でき、且つ、均一に満遍なく固定できて、フィルムの固定部からシワが発生しないローラーと、そのローラーを用いた巻ズレの起こりにくいフィルムの端部の固定方法と、このローラーを用いて、フィルム長が一定でない幅広のフィルムを、検査するときなどに、フィルムの両端を2本のローラーにそれぞれ固定することにより、フィルムを平坦な状態で反復走行することのできる装置を提供する。
【解決手段】チューブ状弾性体を膨らませることによって、フィルムの端部全幅を固定する。フィルム端部を2枚の長板に挟んで、フィルム側辺に対し直角に挿入して、チューブ状弾性体を膨張させ、フィルムの端部全幅を固定する。ローラー2本を平行に配置し、フィルムの両端部を固定し、フィルムを反復走行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラー、フィルムの端部の固定方法、装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス業界の躍進に伴い、多機能積層フィルムの需要が拡大を続けている。多機能積層フィルムの生産においてroll−to−roll processを用いた搬送方式が主流である。これはロール状に巻いた長さ数千メートル、幅1.5メートルほどの原反(TAC、PET等)フィルムを巻き出し、反射防止層やハードコート層などの機能層を塗布・加工してから、再びロールに巻き取る方式である。
【0003】
また、生産ラインで使用されているインライン検査方式は、フィルムの送り方向とは直角にカメラを複数台連続で並べることにより、フィルム搬送による一度の通過で全面検査を可能としている。
【0004】
一方、数千メートルにもなる反射防止フィルムなどの端末から数メートルに切り出した枚葉フィルムをオフラインにて外観自動検査する場合、フィルム長が短いためカメラを複数台用いる検査方式では、コストパフォーマンスが低くなる。
【0005】
そこで、カメラ1台のみを用いた全面自動検査を実施するために、フィルムを送り方向に往復搬送させることでコストダウンを可能とした。つまり、カメラを幅方向に数回に分けて移動させ、各ポイントで巻き出し、巻き取り動作を繰り返す方法である。
【0006】
また、枚葉フィルムの搬送方法として、フィルムサイズに合わせた枠にフィルムを固定し、枠ごと搬送させる方法があるが、フィルム長が一定でないため、複数の枠を用意する必要があり運用は難しい。
【0007】
さらに送り方向の長さが異なる数メートルのフィルムを全面検査する場合、フィルム端固定部周辺も検査対象となるため、フィルム固定に起因する、シワやたるみの発生は回避しなくてはならない。よって、フィルムを固定する場合、従来のフィルム端をテープで止める方法は、数メートルの枚葉フィルムをシワなく固定することができず、不適切である。
【0008】
物体の固定方法として、弾性チューブに圧縮空気を送り、チューブの膨らみを利用し、対象物品を押さえつける方法が知られている(特許文献1)。
【0009】
しかし、幅広で柔軟なフィルムをroll−to−roll processにて搬送する際は、固定部からシワが発生しないようにフィルムを均一に満遍なく固定する必要がある。また、フィルムが流れ方向に対し斜めに固定されると巻きズレが発生するなどの課題があり、そのまま使用することができない。
【0010】
よって、これらの課題を解決し、枚葉フィルムの外観全面検査を低コストで可能とする方法が求められている。
【0011】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−227657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、フィルムの端部を、簡単に固定、解除でき、フィルムの端部を均一に満遍なく固定できて、フィルムの固定部からシワが発生しないローラーと、そのローラーを用いて巻ズレの起こりにくいフィルムの端部の固定方法と、このローラーを用いて、フィルム長が一定でない幅広のフィルムを、検査するときなどに、フィルムの両端を2本のローラーにそれぞれ固定することにより、フィルムを平坦な状態で反復走行することのできる装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る発明は、チューブ状弾性体を有するローラーであって、前記チューブ状弾性体を膨らませることによって、前記ローラーに巻き取るフィルムの端部全幅を固定することを特徴とするローラーである。
【0015】
本発明のローラーは、以上のような構成であって、柔軟なフィルムであっても、高い保持力で固定でき、且つ、簡単に固定、解除でき、フィルムの端部を均一に満遍なく固定することができ、フィルムの固定部からシワが発生することがない。
【0016】
本発明の請求項2に係る発明は、前記チューブ状弾性体の断面が四角形の形状をしていることを特徴とする請求項1に記載のローラーである。
【0017】
本発明は、チューブ状弾性体の断面が四角形の形状をしているので、チューブ内減圧の際に、チューブがフィルムを入れる隙間へはみ出さず、フィルム脱着が容易となる。また、断面が四角形の形状のチューブ状弾性体は、断面が円形のチューブ状弾性体に比べ、減圧などによる収縮させたときの変形が小さいため、繰り返し動作によるチューブ状弾性の負担が小さくなるので、疲労劣化が少なく、耐久性が高い
本発明の請求項3に係る発明は、前記チューブ状弾性体を保持するチューブホルダーが、前記ローラーの内部に装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のローラーである。
【0018】
本発明は、チューブ状弾性体を保持するチューブホルダーが、ローラーの内部に装着されているので、フィルム流れ方向に対し任意に巻き出し、巻き取りが可能になる。
【0019】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローラーの前記チューブ状弾性体が収縮してできた隙間に、前記フィルムの端部全幅を2枚の長板に挟んで、該フィルムの側辺と一方の長板の長辺が直角になるようにし、該長辺がローラーの表面と平行になるように前記隙間にフィルムの端部全幅を2枚の長板に挟んだまま挿入して、前記チューブ状弾性体を膨張させ、前記フィルムの端部全幅を固定することを特徴とするフィルムの端部の固定方法である。
【0020】
本発明のローラーは、以上のような構成であって、チューブ状弾性体が収縮してできた隙間に、フィルムの端部を2枚の長板に挟んで、挿入するので、チューブ状弾性体とフィルムとの張り付きを防ぐことができ、フィルムの取り付け、取り外しの作業性を向上することができる。また、チューブ状弾性体とフィルムの接触部から発生するシワを防止することができる。
【0021】
フィルムの端部を2枚の長板に挟んで、フィルムの側辺に対し直角に挿入するので、フィルムの巻き出し、巻き取り動作の際に、巻きズレが発生しない。
【0022】
本発明の請求項5に係る発明は、前記2枚の長板の一方が磁石からなり、他方が強磁性体からなることを特徴とする請求項4に記載のフィルムの端部の固定方法である。
【0023】
本発明は、長板の一方が磁石からなり、他方が強磁性体からなるので、簡単にフィルムの端部を挟むことができる。
【0024】
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローラー2本が、平行に配置されていて、前記2本のローラーのそれぞれに前記フィルムの端部がそれぞれ固定され、前記2本のローラーの巻き出し、巻き取り動作により、前記フィルムが反復走行されることを特徴とする装置である。
【0025】
本発明の装置は、以上のような構成であって、2本のローラーを平行に配置し、フィルムの両端部がそれぞれ固定されているので、フィルムの必要な範囲を平坦な面にできる。また、フィルムの流れ方向に対して任意に巻きだし巻取りが可能となる。そして、フィルムの長さが一定でないフィルムでも反復走行が可能となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、フィルムの端部を、簡単に固定、解除でき、フィルムの端部を均一に満遍なく固定できて、フィルムの固定部からシワが発生しないローラーと、そのローラーを用いて巻ズレの起こりにくいフィルムの端部の固定方法と、このローラーを用いて、フィルム長が一定でない幅広のフィルムを、検査するときなどに、フィルムの両端を2本のローラーにそれぞれ固定することにより、フィルム全面を平坦な状態で反復走行することのできる装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(A)本発明のローラーの一例を模式的に正面で示した説明図である。(B)(A)のX−X線での断面図である。
【図2】本発明のローラーの一例でフィルム端部を固定することを説明する部分拡大断面図である。(A)はフィルム端部を挿し込んだ状態の断面図である。(B)フィルム端部を固定した状態の断面図である。
【図3】本発明のローラーの他の例でフィルム端部を固定することを説明する部分拡大断面図である。(A)はフィルム端部を挿し込んだ状態の断面図である。(B)フィルム端部を固定した状態の断面図である。フィルムの端部の固定方法
【図4】本発明のフィルムの端部の固定方法の一例を模式的に示した説明図である。(A)平面図である。(B)側面図である。
【図5】本発明の装置の一例を模式的に平面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
図1(A)は、本発明のローラーの一例を模式的に正面で示した説明図である。(B)は、(A)のX−X線での断面図である。
図2は、本発明のローラーの一例でフィルム端部を固定することを説明する部分拡大断面図である。(A)は、フィルム端部を挿し込んだ状態の断面図である。(B)は、フィルム端部を固定した状態の断面図である。
【0029】
本例のローラー100は、図1のように、チューブ状弾性体1が保持されたチューブホルダー2が、内部に装着されている。チューブホルダー2は、ローラー100の表面と略面一になるように装着され、取り付け、取り外しが可能になっている。また、チューブ状
弾性体1の長手方向がローラー100の長手方向と同じ向きになっている。
【0030】
チューブ状弾性体1を保持する部分のチューブホルダー2は、チューブ状弾性体1が、密着するように形作られていて、チューブ状弾性体1はチューブホルダー2に接着されている。そして、チューブホルダー2とローラー100の本体部分101との間にはフィルムの端部を挿し込めるように隙間3が設けられている。
【0031】
図2(A)のように、断面が円形のチューブ状弾性体1が内部を減圧されてつぶれた円弧状になると、チューブ状弾性体1とローラー100の本体部分101との間にも隙間4ができる。この状態の時にフィルム5を奥まで挿し込むことができる。
【0032】
そして、図2(B)のように、チューブ状弾性体1の内部を加圧すると、チューブ状弾性体1は断面が円形に膨らみ、フィルム5の端部全幅をローラー100の本体部分101に押し付ける。このようにして、チューブ状弾性体1とローラー100の本体部分101でフィルム5の端部を固定することができる。
【0033】
図3は、本発明のローラーの他の例でフィルム端部を固定することを説明する部分拡大断面図である。(A)は、フィルム端部を挿し込んだ状態の断面図である。(B)は、フィルム端部を固定した状態の断面図である。
【0034】
本例のローラー200は、チューブ状弾性体11の断面が四角形になっている。また、前例のローラー100と同様に、チューブ状弾性体11が保持されたチューブホルダー12が、内部に装着されている。
【0035】
チューブホルダー12は、ローラー200の表面と略面一になるように装着され、取り付け、取り外しが可能になっている。また、チューブ状弾性体11の長手方向がローラー200の長手方向と同じ向きになっている。
【0036】
チューブ状弾性体11を保持する部分のチューブホルダー12は、チューブ状弾性体11が、密着するように形作られていて、チューブ状弾性体11はチューブホルダー12に接着されている。そして、チューブホルダー12とローラー200の本体部分201との間にはフィルムの端部を挿し込めるように隙間13が設けられている。
【0037】
図3(A)のように、断面が四角形のチューブ状弾性体11が内部を減圧されてつぶれ、中央が窪んだ状態になると、チューブ状弾性体11の中央とローラー200の本体部分201との間にもおおきな隙間ができるが、チューブ状弾性体11の両端の隙間14は、ほとんど変わらない。この状態の時にフィルム5を奥まで挿し込むことができる。
【0038】
そして、図2(B)のように、チューブ状弾性体11の内部を加圧すると、チューブ状弾性体11はチューブホルダー12に密着していない部分が膨らみ、フィルム5の端部全幅をローラー200の本体部分201に押し付ける。このようにして、チューブ状弾性体11とローラー200の本体部分201でフィルム5の端部を固定することができる。
【0039】
ローラー100の場合は、断面が円形のチューブ状弾性体1が内部を減圧されてつぶれた円弧状になると、その両端が折れ曲がるので、長期に使用していると、折曲がり部分が疲労して、耐久性が劣るが、ローラー200の場合は、このような極端な折れ曲がりが無く、長期に使用可能である。
【0040】
ローラー100、200は、フィルム5の端部全幅を面で抑えることができるので、固定部分からシワが発生することが無い。また、チューブ状弾性体1、11の内部を減圧や
加圧するだけなので、フィルム5の端部の固定を簡単に行うことができる。
【0041】
チューブホルダー2、12は、ローラー100、200の表面と略面一になるように装着されているので、フィルム5の端部を固定したまま、巻き出し動作及び、巻き取り動作の両方が可能となる。
【0042】
チューブ状弾性体1、11の断面の形状として、円形と四角形を例示したが、これにこだわることなく、圧縮空気を送ると膨張し、減圧すると縮小する中空形状ならば円形や四角形以外の形でも使用できる。
【0043】
チューブ状弾性体1、11には、ゴム弾性を有する材料が使用できる。使用する材料としては、天然ゴムや合成ゴムが挙げられる。合成ゴムとしては、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレンなどが使用できる。特にシリコーンゴムが好ましく用いることができる。
【0044】
以下、フィルムの端部の固定方法について説明する。
図4は、本発明のフィルムの端部の固定方法の一例を模式的に示した説明図である。(A)平面図である。(B)側面図である。
【0045】
図4(A)(B)のように、フィルム5の端部を2枚の長板6a、6bで挟む。このとき、長板6aの長辺16aとフィルム5の側辺が直角になるようにする。長辺16aがローラー100、200の表面と平行になるように隙間3、13から奥まで、フィルムの端部全幅を2枚の長板に挟んだまま挿入して、チューブ状弾性体1、11を膨張させ、フィルム5の端部全幅を固定する。
【0046】
長辺16aがローラー100、200の表面と平行になるようにするには、隙間3、13の底が、長辺16aが突き当たったとき、長辺16aとローラー100、200の表面とが平行になるように形成されていればよい。
【0047】
2枚の長板6a、6bは、一方が磁石からなり、他方が強磁性体からなることが望ましい。例えば、長板6aが強磁性体からなり、長板6bが磁石からなっていれば、長板6aの長辺16aとフィルム5の側辺が直角になるように、長板6aの上にフィルム5を置いて、磁石の長板6bで押さえれば、2枚の長板6a、6bの間にフィルム5を簡単に挟むことができ、容易に外れたりずれたりすることが起こらない。
【0048】
強磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケルが挙げられる。特にSUS430などのステンレスが好ましく用いることができる。ステンレスにすることによって、さびによるフィルム5の汚染が無く、薄くて硬い長板ができ、取り扱い易い。
【0049】
以上のようなフィルムの端部の固定方法にすれば、フィルム5の巻き出し、巻取りの動作の際に巻きズレが発生することが無い。また、確実にフィルム端部のシワを防ぐことができる。更には、チューブ状弾性体1、11にフィルム5が張り付くことも無く、フィルムの取り付け、取り外しが容易に行える。
【0050】
以下、本発明の装置について説明する。
図5は、本発明の装置の一例を模式的に平面で示した説明図である。
【0051】
装置1000はフィルム5をカメラ7によって撮像して、欠点部分を検出して検査する
装置1000である。図5のように、装置1000には、2本のローラー300が距離を置いて平行に配置されている。2本のローラー300は、それぞれ、ローラー100または、ローラー200のいずれかである。
【0052】
2本のローラー(100または200)には、2本のローラー300、300間の距離より長いフィルム5の両端部がそれぞれ固定されていて、一方、または、両方のローラー300、300に巻かれている。
【0053】
そして、一方のローラー300から巻き出されて、他方のローラー300に巻き取られ、また、他方のローラー300から巻き出されて、一方のローラー300に巻き取られることによって、フィルム5が反復走行できるようになっている。
【0054】
装置1000では、2本のローラー300、300の間のフィルム5の上方にカメラ7が設けられている。カメラ7は、図の上下方向に移動、停止できるようになっている。
【0055】
装置1000でフィルム5を検査するには、まず、図5のように、カメラ7を図5のように、フィルム5の上端に位置させて停止し、2本のローラー300、300の巻き出し、巻き取り動作により、フィルム5を矢印aの方向に走行させる。フィルム5の走行により、フィルム5の特定の幅をカメラ7が撮像する。
【0056】
特定の幅の撮像が終わったら、カメラ7を矢印bのように、次の位置に移動させ、2本のローラー300、300を先程と逆に巻き取り、巻き出し動作により、フィルム5を矢印cの方向に走行させる。フィルム5の走行により、フィルム5の次の特定の幅をカメラ7が撮像する。
【0057】
これを繰り返すことによって、フィルム5の全幅を撮像することができる。この撮像した画像を、(図には記載しない)画像処理によって欠点を検査する。本例では、フィルム5の全幅を撮像後、画像処理によって欠点を検査しているが、各特定の幅ごとに画像処理によって欠点を検査するようにしてもよい。
【0058】
フィルム5の全幅を検査し終わったら、次のフィルム5を検査する。次の検査をするとき、カメラ7は、フィルム5の下端に位置しているので、この位置から、順次矢印dのように移動させ、特定の幅ごとに撮像する。また、フィルム5の検査ごとに、フィルム5の上端に位置させて、検査させてもよい。
【0059】
撮像にあたって、フィルム5のカメラ7側に光源を置いて、反射光で撮像してもよいし、カメラ7と反対側に光源を置いて、透過光で撮像して、画像処理によって検査してもよい。また、本例では、画像を撮像して欠点を検査しているが、カメラ7とは別の検知器を用いて、検査してもよい。
【0060】
フィルム5の交換にあたっては、本発明のローラー100やローラー200を用いているので、チューブ状弾性体1、11へ加圧空気の導入、排気・減圧により、膨張、収縮させて、フィルム5の固定、解除が簡単にでき、フィルムの固定部からシワが発生することがない。
【0061】
また、フィルム5の端部全幅を2枚の長板6a、6bに挟んで、フィルム5の側辺と一方の長板6aの長辺が直角になるようにし、フィルム5の端部全幅を2枚の長板6a、6bに挟んだまま、チューブ状弾性体1、11が収縮してできた隙間に挿入して、フィルム5の端部全幅を固定するようにすれば、簡単にフィルム5の取り付け、取り外しができて、作業性を向上することができる。
【0062】
また、チューブ状弾性体1、11とフィルム5の接触部から発生するシワを防止することができ、フィルム5の巻き出し、巻き取り動作の際に、巻きズレが発生することがない。
【0063】
以上のように、本発明の装置1000を用いることによって、長さが一定でないフィルム5でも反復走行させることができ、検査などで必要な平坦な面を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
100、200、300・・・ローラー
101、201・・・本体部分
1000・・・装置
1、11・・・チューブ状弾性体
2、12、・・・チューブホルダー
3、4、13、14・・・隙間
5・・・フィルム
6a、6b・・・長板
7・・・カメラ
16a・・・長辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状弾性体を有するローラーであって、前記チューブ状弾性体を膨らませることによって、前記ローラーに巻き取るフィルムの端部全幅を固定することを特徴とするローラー。
【請求項2】
前記チューブ状弾性体の断面が四角形の形状をしていることを特徴とする請求項1に記載のローラー。
【請求項3】
前記チューブ状弾性体を保持するチューブホルダーが、前記ローラーの内部に装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のローラー。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローラーの前記チューブ状弾性体が収縮してできた隙間に、前記フィルムの端部全幅を2枚の長板に挟んで、該フィルムの側辺と一方の長板の長辺が直角になるようにし、該長辺がローラーの表面と平行になるように前記隙間にフィルムの端部全幅を2枚の長板に挟んだまま挿入して、前記チューブ状弾性体を膨張させ、前記フィルムの端部全幅を固定することを特徴とするフィルムの端部の固定方法。
【請求項5】
前記2枚の長板の一方が磁石からなり、他方が強磁性体からなることを特徴とする請求項4に記載のフィルムの端部の固定方法。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のローラー2本が、平行に配置されていて、前記2本のローラーのそれぞれに前記フィルムの端部がそれぞれ固定され、前記2本のローラーの巻き出し、巻き取り動作により、前記フィルムが反復走行されることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−218830(P2012−218830A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83521(P2011−83521)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】