説明

ロール仕上げ機、及びロール仕上げ機の制御方法

【課題】連続洗濯設備に設けられているロール仕上げ機1を自動的に制御し、処理対象である洗濯物の種別に応じて、適正な調節状態で稼働させる。
【解決手段】作業員は操作盤10の洗濯物種別指定ボタン11を手動操作して洗濯物の種別(例えばシーツ,パジャマ,枕カバーなど)を指定する。操作信号(矢印s)は自動制御装置12に入力される。操作信号(矢印s)を与えられた自動制御装置12は、ロール回転駆動機構13およびロール蒸気調節器14に対して指令信号(矢印h,矢印i)を与え、主ロール(5A〜5D)の回転速度および加熱温度を適正ならしめる。前記自動制御装置12は更に、圧迫ロール6に対して指令信号kを、エアー噴射8に対して指令信号矢印mを、バキュームボックス9に対して指令信号矢印nを与えて、これらの付属機器類を自動的に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続洗濯設備を構成するロール仕上げ機、およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2はロール仕上げ機の従来例を模式的に描いた正面図である。
ロール仕上げ機1は通常、連続洗濯設備の中に組み込まれて、その他の機器と協働して稼働する。すなわち、連続した流れ工程の中の一つのステーションとしての役目を担っている。
本図2の例では、投入機2が広げて送り込む濡れた洗濯物を受け取り、プレス仕上げを施して、たたみ機3に受け渡す。
【0003】
この例のロール仕上げ機はカレンダー式であって、第1主ロール5Aと第2主ロール5Bと、第3主ロール5Cと、第4主ロール5Dとを備えている。これらの主ロールは蒸気を送られて加熱されていて、洗濯物をロールプレスする。
洗濯物は図外の脱水機によって、滴が垂れない程度に絞られ、矢印aのように供給されて送り込みコンベア4へ渡される。
送り込みコンベア4で搬送された洗濯物は、第1主ロール5Aと圧迫ロール6との間に送りこまれる。この圧迫ロール6は、洗濯物にシワができないよう、洗濯物を第1主ロール5Aに密着させる。
【0004】
このとき、送り込みコンベア4の搬送速度よりも第1主ロール5Aの回転速度(周速)が僅かに速いことが望ましいが、送り込みコンベア4の搬送速度が速すぎると洗濯物を損傷する虞れが有るので、その速比(速度比率)が適正でなければならない。ただし、適正な速比は洗濯物の種類によって異なり、破れ易い洗濯物は速比を小さく設定される。
【0005】
圧迫ロール6を通過した洗濯物は、主ロールに巻き掛けられて周回するヒートベルト7によって第1主ロール5Aに押し付けられる。この第1主ロール5Aは矢印b方向に回転していて、洗濯物をプレスしながら回動させ、矢印cのように送り出す。このとき洗濯物を第1主ロール5Aから剥がすため、エアー噴射8が設けられている。
図面は模式的に描いてあり、洗濯物剥がし手段の詳細な構造は表されていないが、符号8を付して示したのは、エアー噴射手段を備えた剥がし機器のシンボルマークであると御承知いただきたい。
【0006】
矢印cのように第1主ロール5Aから送り出された洗濯物は、第2主ロール5Bとヒートベルト7との間に挟み込まれて矢印dのように回りながら送られて、該第2主ロール5Bを通過する。矢印dの出口にもエアー噴射8(剥がし機器)が設けられている。
第2主ロール5Bからの出口付近に、洗濯物のシワを防止するためのバキュームボックス9が設けられ、半ばロールプレス仕上げされた段階の洗濯物がヒートベルト7に向けて真空吸引される。
【0007】
第1主ロール5Aを通過した洗濯物は第3主ロール5Cに送り込まれ、矢印eのように回されて送り出される。ここにもエアー噴射8が設けられている。
洗濯物は、さらに第4主ロール5Dを矢印fのように通過しながらプレス仕上げ処理を完成され、エアー噴射8で剥がされて矢印gのように送り出されてたたみ機3に受け渡しされる。
ロール仕上げ機1は以上のようにして、連続洗濯設備の一員としての守備範囲を与えられ、その役目を遂行する。
【0008】
洗濯物のロール仕上げ機を制御する技術に関しては、特許文献1として挙げた特開平7−265577号公報「洗濯物処理装置へ洗濯物を供給する方法」及び特許文献2として挙げた特開平7−227500号公報「洗濯物処理装置へ洗濯物を供給する方法、及び装置」が提案されている。
前記の特開平7−265577号公報「洗濯物処理装置へ洗濯物を供給する方法」は、ロール仕上げ機へ供給される洗濯物の位置と姿勢とを規制するための発明である。
また、特開平7−227500号公報「洗濯物処理装置へ洗濯物を供給する方法、及び装置」は、洗濯物を挿入する操作の迅速化を図った発明である。
【特許文献1】特開平7−265577号公報
【特許文献2】特開平7−227500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ロール仕上げ機が設置されている洗濯設備は通常、シーツ、パジャマ、枕カバー等々多種類の洗濯物を取り扱う。
このため、洗濯設備を構成している各機器ごとに洗濯物の種別に応じて運転状態を調節しなければならない。
図2の例について考察すると、従来、投入機2の運転速度(詳しくは、時間当たり処理量)に合わせてロール仕上げ機1の運転速度(時間当たり処理量)を自動的に整合させることは行われていた。
【0010】
本発明者の研究によると、ロール仕上げ機の運転速度を自動調節するだけでは足りず、主ロールの温度も洗濯物の種別に応じて調整しなければ、最良の運転は期待できない。
最良の運転とは、為し得る最高の仕上がり品質の処理を、最大限の能率で、安定して遂行することである。
主ロールの温度を制御するためには、主ロールに供給される蒸気の圧力調節して、供給熱量を制御しなければならない。
最良の運転を行なって、高能率で最高の仕上げ品質を得るには、さらに、送り込みコンベア4の搬送速度や圧迫ロール6の押圧力やエアー噴射8のエアー圧力も最適値に調整しなければならない。
【0011】
従来においては洗濯物の種別に応じて、主ロールの温度、送り込みコンベアの速比(主ロール速度に対する速度比率)、圧迫ロールの押圧力、エアー噴射のエアー圧力等を作業員が手作業で調整していた。このため、多大の時間と労力を要するのみでなく、作業員に高度の知識と熟練とを要する。しかも作業員による調整は、万一の人為的なミスを生じる虞れが有る。
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的は、洗濯物の性状に応じてロール仕上げ機の調節状態を最適ならしめ得る自動制御技術(装置と方法)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の構成について、その1実施形態に対応する図1を参照して説明すると次の通りである。この[課題を解決するための手段]の欄は、図面との対照が容易なように、括弧を付した符号を付記してあるが、この括弧付き符号は本発明の構成を図面どおりに限定するものではない。
請求項1の発明に係るロール仕上げ機の構成は、蒸気を供給して加熱される主ロールが設けられたカレンダータイプのロール仕上げ機において、
洗濯物の種別を選択する入力手段(11)を備えた自動制御装置(12)が設けられていて、
上記の自動制御装置が、ロール回転駆動機構(13)の回転速度およびロール蒸気調節器(14)の蒸気圧力を、洗濯物の種別に応じて増減制御する機能を有していることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明に係るロール仕上げ機の構成は、前記請求項1の発明の構成要件に加えて、前記のロール仕上げ機が、洗濯物を主ロールに供給するための送り込みコンベア(4)を備えていて、
前記自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段からの信号に基づいて、
主ロールの回転速度に対する送り込みコンベアの搬送速度の比率である速比を、洗濯物の種別に応じて増減制御する機能を有していることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明に係るロール仕上げ機の構成は、前記請求項1の発明の構成要件に加えて、前記のロール仕上げ機が、洗濯物を主ロールに押し付けるための圧迫ロール(6)を備えていて、
前記自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段(11)からの信号に基づいて、圧迫ロールの押圧力の強弱を、洗濯物の種別に応じて増減制御する機能を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明に係るロール仕上げ機の構成は、前記請求項1または請求項3の発明の構成要件に加えて、前記ロール仕上げ機が、主ロールから洗濯物を剥がすためのエアー噴射手段(8)を備えていて、
前記の自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段(11)からの信号に基づいて、洗濯物を剥がすためのエアー噴射手段のエアー圧力を増減制御する機能を有していることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明に係るロール仕上げ機の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明の構成要件に加えて、前記ロール仕上げ機が、洗濯物のシワを防止するためのバキュームボックス(9)を備えていて、
前記の自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段(11)からの信号に基づいて、前記バキュームボックスの負圧圧力を増減制御する機能を有するものであることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明に係るロール仕上げ機の構成は、前記請求項1ないし請求項5の内の何れか一つの構成要件に加えて、前記ロール仕上げ機に、ロール仕上げされた洗濯物を折り畳むたたみ機(3)が併設されており、
前記の自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段(11)からの信号に基づいて、前記たたみ機の時間当たり処理量を、ロール仕上げ機の時間当たり処理量に合わせて増減調節する機能を有していることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明に係るロール仕上げ機の制御方法は、蒸気で加熱される主ロールが設けられているカレンダータイプのロール仕上げ機を制御する方法において、
洗濯物の種別を選択する信号を前記自動制御装置(12)に入力し、
該自動制御装置によって、ロール回転駆動機構(13)の回転速度、およびロール蒸気調節器(14)の蒸気圧力を、洗濯物の種別に応じた適正値になるよう増減制御することを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明に係るロール仕上げ機の制御方法は、前記請求項7の発明の構成要件に加えて、
前記の自動制御装置(12)によって、ロール仕上げ機に設けられているエアー噴射手段に供給されるエアーの圧力、およびバキュームボックス(9)に供給される負圧圧力、並びに圧迫ロール(6)の押圧力の内の少なくとも何れか一つを併せて制御することを特徴とする。
【0020】
請求項9の発明に係るロール仕上げ機の制御方法の構成は、前記請求項6ないし請求項8の内の何れか一つの構成要件に加えて、
前記カレンダータイプのロール仕上げ機が、その他の機械と共に設置されていて、これらの機械と協働して連続洗濯設備を形成している場合、
前記の自動制御装置(12)によって、当該ロール仕上げ機よりも上流側に位置している1個または複数の洗濯設備機器の時間当たり処理量、および/または当該ロール仕上げ機よりも下流側に位置している1個または複数の洗濯設備機器の時間当たり処理量を、前記ロール仕上げ機の時間当たり処理量と等しからしめるように増減調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明に係るロール仕上げ機を適用すると、格別の知識や熟練を要しないで、洗濯物の種別ごとに、その性状に応じて最適の主ロール温度が得られ、高品質のロール仕上げを高能率で遂行することができる。
【0022】
請求項2の発明に係るロール仕上げ機を適用すると、格別の知識や熟練を要しないで、洗濯物の種別ごとに、その性状に応じて最適の送り込みコンベア速比が得られ、洗濯物を損傷する虞れ無くシワを生じないで、高品質のロール仕上げを高能率で遂行することができる。
【0023】
請求項3の発明に係るロール仕上げ機を適用すると、格別の知識や熟練を要しないで、洗濯物の種別ごとに、その性状に応じて最適の圧迫ロール押圧力が得られ、より高品質のロール仕上げを高能率で遂行することができる。
【0024】
請求項4の発明に係るロール仕上げ機を適用すると、格別の知識や熟練を要しないで、洗濯物の種別ごとに、その性状に応じて最適の洗濯物剥がし用のエアー圧力が得られ、より高品質のロール仕上げを高能率で遂行することができる。
【0025】
請求項5の発明に係るロール仕上げ機を適用すると、格別の知識や熟練を要しないで、洗濯物の種別ごとに、その性状に応じて最適のシワ防止用のバキュームボックス負圧が得られ、より高品質のロール仕上げを高能率で遂行することができる。
【0026】
請求項6の発明に係るロール仕上げ機を適用すると、洗濯設備を構成している各機器の処理能率が同一レベルに揃えられるので、設備全体として合理的かつ経済的に、円滑に運用することができる。
【0027】
請求項7の発明に係るロール仕上げ機の制御方法を適用すると、格別の知識や熟練を要しないで、洗濯物の種別ごとに、その性状に応じて主ロール温度を適性に保持することができ、高品質のロール仕上げ作業を高能率で遂行することができる。
【0028】
請求項8の発明に係るロール仕上げ機の制御方法を適用すると、主ロールに付属している各機器を適正な状態に保持することができ、より高品質のロール仕上げ作業を高能率で遂行することができる。
【0029】
請求項9の発明に係るロール仕上げ機の制御方法を適用すると、ロール仕上げ機を含む洗濯洗濯全体としてバランスのとれた稼働が可能となり、洗濯産業の発展に貢献するところ多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1は、前掲の図2に示した従来例のロール仕上げ機に本発明を適用した実施形態の模式的な正面図である。
符号10を付して示したのは操作盤である。本例においては投入機2に設けられていて主として投入機の運転を操作するための機器である。そして、本例の操作盤10には洗濯物種別指定ボタン11が設けられている。
上記の洗濯物種別指定ボタンは、洗濯物の種別を指定して自動制御装置12に入力するための機器である。
【0031】
本例の洗濯物種別指定ボタン11は、シーツ,パジャマ,枕カバー,バスタオル等に区分されていて、それぞれのボタンを押すと洗濯物の種別を表す信号(矢印s)が自動制御装置12へ送られるようになっている。
図示を省略するが、上記と異なる実施形態として、洗濯物の厚さ寸法を表すダイアルを設けることもできる。また、洗濯物の材質を表すボタンを設けてもよい。要するに、洗濯物の種別を選択する何らかの入力手段を設ける。
【0032】
洗濯物の種別を表す信号(矢印s)を入力された自動制御装置12は、予め定められているプログラムに従って、ロール仕上げ機1の付属機器類、およびロール仕上げ機の周辺機械類に対して制御指令信号(矢印h〜矢印n、矢印q)を出力する。以下、順次に説明する。
【0033】
符号13を付して示したのはロール回転駆動機構である。この駆動機構に対して指令信号を与えて主ロール(5A〜5D)の回転速度を制御することは従来においても実施されていた。
本実施形態においては、ロール回転駆動機構13だけでなく、ロール蒸気調節器14に対しても指令信号(矢印i)を与えて、主ロールそれぞれに供給される加熱用蒸気の圧力を制御し、該主ロールの温度を洗濯物の種別に応じて適正温度となるように自動的に調節される。
上記の洗濯物種別に応じた適正温度は、基本的には連続洗濯機メーカーの専門技術者が
多年の経験に基づいて自動制御装置12のプログラムに与えておく。
ただし、個々のユーザーがそれぞれの使用条件に応じて加減できるように構成しておくことが望ましい。
【0034】
前述のようにして、自動制御装置12によって主ロールの回転速度を自動的に調節すると、ロール仕上げ機1としての時間当たり処理量(比喩的に表現すると、処理対象である洗濯物の流量)が変化する。
そこで本実施形態においては、ロール仕上げ機1から送り出される洗濯物を受け入れるたたみ機3に対して、自動制御装置12から指令信号(矢印j)を与え、該たたみ機の時間当たり処理量をロール仕上げ機1とマッチさせるように自動制御する。これにより、ロール仕上げ機1およびたたみ機3を含めた連続洗濯設備全体として合理的かつ円滑な操業が行われる。
【0035】
圧迫ロール6は処理対象である洗濯物を第1主ロール5Aに押し付ける役目を担っており、最適な押圧力は洗濯物の種別によって異なる。
そこで本実施形態においては、自動制御装置12から圧迫ロール6に対して押圧力制御信号(矢印k)を与えて押圧力を自動制御する。
具体的には、圧迫ロール6を第1主ロール5Aに向けて押し付けているエアーシリンダ(図示省略)に供給するエアー圧力を制御するのであるが、本図1においては図面を簡素ならしめるため、圧迫ロール6に対して制御矢印kを付記することによって押圧力制御を表現した。
【0036】
送り込みコンベア4の搬送速度に関しては従来一般に速比(主ロール速度に対する速度比率)が与えられる。この速比は洗濯物の種別に応じて、厚手の丈夫な洗濯物は速比を大きくしてシワを防止し、薄手の弱い洗濯物は速比を小さくするように手動操作して損傷を防止していた。
本実施形態においては、洗濯物の種別信号(矢印s)を入力された自動制御装置12が洗濯物の種別に応じて適正速比を算出し、送り込みコンベア4に制御指令信号(矢印q)を与える。
これにより、人為的なミスを生じる虞れ無く適正速比が与えられるので、洗濯物を損傷することなくシワが防止される。
【0037】
本例のロール仕上げ機1には4個のエアー噴射8(エアー噴射手段を備えた剥がし器)が設けられている。これら4個のエアー噴射8のそれぞれに対して、自動制御装置12からエアー圧力制御信号(矢印m)を与える。具体的には圧縮エアー管路に設けられている電磁作動圧力制御弁に対して圧力制御信号を与えるのであるが、本図1においては図面を簡素ならしめるため、エアー噴射8に対して制御矢印kを付記することによって圧力制御を表現した。
【0038】
自動制御装置12からバキュームボックス9に対して負圧制御信号(矢印n)を与えてバキューム圧力(負圧)をロール仕上げ機1の処理能率とマッチさせるように自動制御する。具体的には減圧エアー管路に設けられている電磁作動圧力制御弁に対して圧力制御信号を与えるのであるが、本図1においては図面を簡素ならしめるため、バキュームボックス9に対して制御矢印nを付記することによって負圧圧力制御を表現した。
【0039】
以上の構成により、本実施形態のロール仕上げ機1は、その上流側に配設されている投入機2や、下流側に配設されているたたみ機3と円滑に協働して、連続洗濯設備を形成している一つのステーションとしての役目を過不足無く果たす。
更に、ロール仕上げ機1の内部においても、付属している各種の機器(例えば圧迫ロール6、エアー噴射8、バキュームボックス9)を適正に自動調節して、可能な範囲内における最高品質のロール仕上げを、当該ロール仕上げ機の最大能率で稼働させる。
しかも、これらの制御が自動的に行なわれるので、作業員に格別の知識や熟練を要せず、労力的な負荷が軽い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るロール仕上げ機の1実施形態を示す模式図である。
【図2】ロール仕上げ機の従来例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1…ロール仕上げ機
2…投入機
3…たたみ機
4…送り込みコンベア
5A,5B,5C,5D…主ロール
6…圧迫ロール
7…ヒートベルト
8…エアー噴射手段を備えた剥がし器
9…バキュームボックス
10 …操作盤
11…洗濯物種別指定ボタン
12…自動制御装置
13…ロール回転駆動機構
14…ロール蒸気調節器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を供給して加熱される主ロールが設けられたカレンダータイプのロール仕上げ機において、
洗濯物の種別を選択する入力手段を備えた自動制御装置が設けられていて、
上記の自動制御装置が、ロール回転駆動機構の回転速度およびロール蒸気調節器の蒸気圧力を、洗濯物の種別に応じて増減制御する機能を有していることを特徴とするロール仕上げ機。
【請求項2】
前記のロール仕上げ機が、洗濯物を主ロールに供給するための送り込みコンベアを備えていて、
前記自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段からの信号に基づいて、
主ロールの回転速度に対する送り込みコンベアの搬送速度の比率である速比を、洗濯物の種別に応じて増減制御する機能を有していることを特徴とする、請求項1に記載したロール仕上げ機。
【請求項3】
前記のロール仕上げ機が、洗濯物を主ロールに押し付けるための圧迫ロールを備えていて、
前記自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段からの信号に基づいて、圧迫ロールの押圧力の強弱を、洗濯物の種別に応じて増減制御する機能を有していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載したロール仕上げ機。
【請求項4】
前記ロール仕上げ機が、主ロールから洗濯物を剥がすためのエアー噴射手段を備えていて、
前記の自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段からの信号に基づいて、前記エアー噴射手段のエアー圧力を増減制御する機能を有していることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の内の何れか一つに記載したロール仕上げ機。
【請求項5】
前記ロール仕上げ機が、洗濯物のシワを防止するためのバキュームボックスを備えていて、
前記の自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段からの信号に基づいて、前記バキュームボックスの負圧圧力を増減制御する機能を有していることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の内の何れか一つに記載したロール仕上げ機。
【請求項6】
前記ロール仕上げ機に、ロール仕上げされた洗濯物を折り畳むたたみ機が併設されており、
前記の自動制御装置が、洗濯物の種別を入力する手段からの信号に基づいて、前記たたみ機の時間当たり処理量を、ロール仕上げ機の時間当たり処理量に合わせて増減調節する機能を有していることを特徴とする、請求項1ないし請求項5の内の何れか一つに記載したロール仕上げ機。
【請求項7】
蒸気で加熱される主ロールが設けられているカレンダータイプのロール仕上げ機を制御する方法において、
洗濯物の種別を選択する信号を前記自動制御装置に入力し、
該自動制御装置によって、ロール回転駆動機構の回転速度、およびロール蒸気調節器の蒸気圧力を、洗濯物の種別に応じて増減制御することを特徴とする、ロール仕上げ機の制御方法。
【請求項8】
前記の自動制御装置によって、ロール仕上げ機に設けられているエアー噴射手段のエアー圧力、およびバキュームボックスの負圧圧力、並びに圧迫ロールの押圧力の内の少なくとも何れか一つを併せて制御することを特徴とする、請求項7に記載したロール仕上げ機の制御方法。
【請求項9】
前記カレンダータイプのロール仕上げ機が、その他の機械と共に設置されていて、これらの機械と協働して連続洗濯設備を形成している場合、
前記の自動制御装置によって、当該ロール仕上げ機よりも上流側に位置している1個または複数の機器の時間当たり処理量、および/または当該ロール仕上げ機よりも下流側に位置している1個または複数の機器の時間当たり処理量を、前記ロール仕上げ機の時間当たり処理量と等しからしめるように増減調節することを特徴とする、請求項7または請求項8に記載したロール仕上げ機の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−183101(P2008−183101A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17721(P2007−17721)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(390027421)株式会社東京洗染機械製作所 (47)
【Fターム(参考)】