説明

三重項ハーベストを用いた有機感光性光電子工学装置

三重項形成物質でドープされた一重項分裂ホスト物質を含む有機光電導性物質を含む有機感光性光電子工学装置が開示される。有機光起電電池、光電導体電池、光検知器、有機光センサー、化学センサー、生物学的センサーも、また開示される。そのような装置の製造方法もまた開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年8月13日に出願された米国仮出願第60/955485号の利益を主張し、その開示内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的に三重項形成物質がドープされた一重項分裂(フィッション)ホスト物質を含む有機光電導性物質を含む有機感光性光電気工学装置に関する。
【背景技術】
【0003】
光電子工学装置は、物質の光学的および電子的性質に基づき、電子的に電磁気放射物を生成または検出する、もしくは周囲の電磁気放射物から電気を発生する。
【0004】
感光性光電子工学装置は、電磁気放射物を電気信号または電気に変換する。太陽電池は、光起電(PV)装置とも呼ばれ、特に電力を生み出すために使用される感光性光電子工学装置の一種である。光電導体電池は、吸収した光による変化を検出するための装置の抵抗を観測する信号検出回路と共に使用される感光性光電子工学装置の一種である。光検知器は、印加されたバイアス電圧を受けるが、これは当該光センサーが電磁気放射物にさらされた時に発生する電流を測定する電流検出回路と共に使用される感光性光電子工学装置の一種である。
【0005】
これらの3つの感光性光電子工学装置の種類は、整流接合点が存在するか否かにより、および当該装置がバイアスまたはバイアス電圧としても知られている外部印加電圧をかけて操作されるか否かにより分類される。光伝導体電池は、整流接合点を有さず、通常、バイアスを用いて操作される。PV装置は少なくとも一つの整流接合点を有しており、バイアスを用いずに操作される。光検知器は、少なくとも一つの整流接合点を有しており、常時ではないが、通常バイアスを用いて操作される。
【0006】
本明細書の「整流」は、とりわけ、接合部分が非対称の電導特性を有する、すなわち、当該接合部分が好適に一方向に電子電荷輸送をすることを示している。「半導体」との語は、電荷キャリアが熱または電磁励起により誘導された時、電気を伝導しうる物質を示している。「光電導」との語は、電磁放射エネルギーが吸収され、それにより電荷キャリアの励起エネルギーに変換され、当該キャリアは物質内で電荷を伝導させうる(すなわち、輸送しうる)工程に一般的に関連する。「光電導性物質」との語は、電磁放射を吸収するその性質が電荷キャリアを生み出すのに利用される半導体物質に関連する。
【0007】
適切なエネルギーの電磁気放射物が有機半導体物質に入射すると、光子は吸収され励起分子状態を生み出す。有機光電導体物質において、前記の分子状態が一般的に「励起子(エキシトン)」、すなわち、準粒子として輸送される束縛状態にある電子正孔対であると、一般的に信じられている。励起子は、もとの電子と正孔との互いの再結合(他の対由来の電子と正孔とから再結合することに対する意)と比較して、対再結合(「クエンチ」)するまでにかなりの寿命を有している。光電流を生み出すために、励起子を形成する電子正孔は整流接合点で通常分離される。
【0008】
感光性装置の場合、整流接合点は光起電ヘテロ接合点と称される。有機光起電ヘテロ接合点の型はドナー物質とアクセプター物質の接合点で形成されるドナー・アクセプターヘテロ接合点および光電導性物質と金属の接合点で形成されるショットキーバリアヘテロ接合点を含む。
【0009】
図1はドナー−アクセプターへテロ接合点の一例を示すエネルギー準位図である。有機物質の分野において、「ドナー」および「アクセプター」とは、接点を有するが、異なる二つの有機物質の最高被占軌道(「HOMO」)と最低空軌道(「LUMO」)準位の相対的位置を意味する。もし互いに接点を有する一つの物質のLUMOエネルギー準位がより低い場合、当該物質はアクセプターである。一方、他の物質がドナーである。外部バイアスがない場合、当該状態はエネルギー的に好ましく、ドナー−アクセプター接合点で、電子はアクセプター物質に移動する。
【0010】
本明細書において、仮に第一エネルギー準位が真空のエネルギー準位10に近いならば、第一のHOMOまたはLUMOエネルギー準位は、第二のHOMOまたはLUMOエネルギー準位よりも大きいまたは高い。より高位のHOMOエネルギー準位は、真空準位と比較してより低位の絶対エネルギーを有するイオン化ポテンシャル(「IP])に対応する。同様に、より高位のLUMOエネルギー準位は、真空準位と比較してより低位の絶対エネルギーを有する電子親和力(「EA」)に対応する。従来のエネルギー準位図(その上部に真空準位を有している)では、物質のLUMOエネルギー準位はその物質のHOMOエネルギー準位よりも高い。
【0011】
ドナー152またはアクセプター154が光子6を吸収して励起子8を生成した後、当該励起子8は整流接合点で解離する。前記ドナー152は正孔(白丸)を輸送し、アクセプター154は電子(黒丸)を輸送する。
【0012】
有機半導体において重要な性質は、キャリア移動度である。移動度は、電荷キャリアが電場に応じて電導物質を経て移動しうる容易さの指標である。有機感光性装置の分野において、高電子移動度のため、電子により専ら電導する物質は電子輸送物質と呼ばれる。高い正孔移動度のため、正孔により専ら電導する物質は正孔輸送物質と呼ばれる。移動度および/または装置における位置のため、電子により専ら電導する層は電子輸送層(「ETL」)と呼ばれる。移動度および/または装置における位置のため、正孔により専ら電導する層は正孔輸送層(「HTL」)と呼ばれる。必ずしもそうとは限らないが、好ましくは、アクセプター物質は電子輸送物質であり、ドナー物質は正孔輸送物質である。
【0013】
キャリア移動度および相対的HOMOおよびLUMO準位を基礎とした光起電へテロ接合点でドナーおよびアクセプターとして機能する2つの有機光電導物質を組合せる方法は、当該技術分野においてよく知られており、ここでは説明しない。
【0014】
バルク半導体に共通する特徴の一つは、不導体と同様、「バンドギャップ」である。バンドギャップは電子を満たした最高エネルギー準位と空である最低エネルギー準位との間のエネルギー差である。無機半導体または無機絶縁体において、このエネルギー差は価電子バンドエッジ(価電子バンドの最高位)と電導バンドエッジ(電導バンドの最低位)の差である。有機半導体や有機絶縁体において、このエネルギー差はHOMOとLUMOの差である。純粋物質のバンドギャップは電子および正孔が存在し得るエネルギー状態がない状態である。電導のため唯一の利用可能なキャリアはバンドギャップを超えて存在しうる十分なエネルギーを有する電子および正孔である。一般的に、半導体は絶縁体と比較して相対的に小さいバンドギャップを有している。
【0015】
有機半導体のエネルギーバンドモデルに関して、バンドギャップのLUMO側では電子のみが荷電キャリアであり、バンドギャップのHOMO側では正孔のみが荷電キャリアである。
【0016】
有機感光性装置分野において、それらの一般的な構成、特徴、物質、特性を含むさらなる背景の説明や記載は、Forrestらの米国特許第6657378号明細書、Forrestらの米国特許第6580027号明細書、およびBulovicらの米国特許第6352777号明細書にあり、その開示内容は参照により本明細書に含まれる。
【0017】
低分子太陽電池の性能は、暗闇および照明の下でのそれらの特性のIV応答の研究により究明されている。その電力変換効率ηは開回路電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、および[非特許文献1]により決定される充填係数(FF)に依存する。
【0018】
【数1】

【0019】
式中、Pは入射屈折力である。ここでFFは直列抵抗に依存し、高性能低分子量有機光起電においては一般的に0.5から0.65の間の値である。最高Jscは有機物、太陽光スペクトルの吸収、および吸収層の吸収係数および厚さ、ならびに他のファクターにより決定される。しかしながら、電荷流の抵抗値は電池の性能の大きな課題であるので、光電流は物質の荷電輸送の性質に大きく依存している[非特許文献2]。電池性能に関して考えると、とても重要な他の一つのパラメータは励起子拡散距離である。物質の励起子拡散距離は励起子が再結合するまでに移動する距離を表している。したがって、吸収された光子により生成された励起子の数に関する電荷キャリアを高い割合にするために、励起子はヘテロ接合点のおよそL内で形成される。励起子拡散距離Lは励起子拡散係数Dおよび励起子の寿命τに関連し、L=(Dτ)1/2で表現される。励起子拡散距離は、一般的にその光吸収長Lと比較して短く、したがって電荷分離のためのドナー−アクセプター接合点に達する比較的小さい能力のために用いられる有機層の厚さを制限する。この結果は吸収物質の量を束縛するだけでなく、効率的な光変換のために望ましくない分離された電荷にとって抵抗のある経路を形成する[非特許文献1]。
【0020】
有機太陽電池において、Vocの起源は十分に理解されていない[非特許文献3および4]。ある人は、2層電池のヘテロ接合点において、アクセプター様物質の最低空軌道(LUMO)とドナー様物質の最高被占軌道(HOMO)とのエネルギー差(接合点ギャップIという)に主に依存していると提案している[非特許文献5]。しかしながら、他の人はこのIとVocの間にその証拠となる関係を見たことがなく、この電圧はキャリア移動度に依存するであろう化学ポテンシャル勾配により支配されると提案する[非特許文献6]。しかし、Vocが吸収された光子の全エネルギーを反映していないこと、およびエネルギーが電力変換工程において損なわれていることは明らかである。従来、これらの損失は説明されてなく、開回路電圧の基礎を評価するときには多大な注意が払われなければならない。
【0021】
有機起電(OPV)電池は、シリコン基盤装置による既存の太陽電池技術の実行可能な代替策になる有望株である。しかしながら、それらの効率は現在とても低く、シリコン基盤装置に有効に匹敵することができない。研究室におけるOPV電池の効率の記録は5.7%[非特許文献7]であり、市販の非晶系シリコン基盤のPV電池の効率のおよそ半分である。現在のOPVシステムの本質的な限界は励起子拡散距離により支配される光収集効率に関係している。新たな装置設計は、短い拡散距離を補償する方向に発展してきている。しかし、応用可能な物質の詳細な研究はされてなく、拡散距離を拡大することでその問題を解決している[非特許文献8,9]。
【0022】
有機起電セル(OPVs)の光電流発電の機構は二つの有機物質(つまり、一つが正味の電子ドナー(D)であり、その他がアクセプター(A)である)を用いて説明されている。その工程は4つの連続したステップに細分化されうる(図2)。当該工程の初めのステップは、光の吸収であり、ηで与えられる効率で励起子を形成する。太陽光スペクトルの大部分をカバーするために、OPV用に選択されるドナーおよびアクセプター物質は、薄膜に高い光学密度を与えるために広吸収域および高い吸光係数を有していなければない。
【0023】
励起子は、形成されると、D/A接合点に移動し、あるいは放射または非放射過程を経て定常状態に減退する(kdecay)。励起子は、励起子自身が前記D/A接合点に移動するよりも早くこの距離減衰を超えて生成するので、最適の厚さは励起子拡散距離により決定される。励起子拡散の効率(ηED)は拡散速度(kdiff)と減衰速度(kdecay)の相対的な大きさに関連している。調査されてきたOPV物質の多くは短い励起子拡散距離を有している。例えば、CuPCおよびC60(共通のドナーおよびアクセプター物質である)は、それぞれ8―10および40nmの励起子拡散距離を有している。これらの物質に見られる短い励起子拡散距離はDおよびAの膜を薄く保ち、OPVの光学密度を制限し、効率的に集められる光量、およびOPVの効率を制限している。
【0024】
D/A接合点で、励起子は電荷移動反応(効率=ηCT)を起こし、D層およびA層にそれぞれ正孔および電子を形成する。電荷移動の駆動力はドナーとアクセプター軌道間の相殺エネルギーである。正孔と電子は生成された後に、D物質およびA物質を導通して電極に抽出される(電荷収集)。高いキャリア移動度は効率的なOPVに重要である。低い移動度(高い抵抗)の物質はD/A接合点の近くで捕捉された電荷を放出し、逆電荷移動(接合点での正孔および電子の再結合)を誘導する。これが減少した光電流および充填率の著しい減少をもたらし、両者が装置に利用可能な電力を低くする。
【0025】
D/A接合点での励起子の収集を減少させずに、OPVの光学密度を増加させるために数多くの異なるアプローチが検討されている。一つの有益なアプローチは、例えば図3Aのような、OPVを積み上げて、積層型電池にする方法である[非特許文献9,10]。積層型OPVは同じ構造の単OPVの2倍の電力出力に向上することが示されている[非特許文献9]。代替のアプローチはポリマーベースOPVに広く使用され、バルクへテロ接合点の使用を含む[非特許文献11,12]。もしD物質とA物質とが混合されたならば純粋なDおよびAのミクロドメインに層分離する傾向にあり、それぞれ電荷導電性チャネルを与える。このバルクへテロ接合点物質は、入射光の大半を吸収し、D/A接合点から離れすぎ収集できない励起子を形成しないように、十分に厚く作られうる(図3A〜B)。
【0026】
積層型およびバルク型のヘテロ接合点装置においてOPV物質中の、短い励起子拡散距離に挑戦する基本的な方法は、短い励起子拡散距離を直接的に処理しようとするのではなく、光吸収度を増加させることを含む。これらのアプローチは装置の構造を変化させるが、新規物質のデザインはしない。このアプローチの問題点は有機半導体の短い励起子拡散距離であるという問題を解決しないということである。
【0027】
励起子拡散距離Lは励起子拡散係数Dおよび励起子寿命τに関係し、L=(Dτ)1/2で表される。最高の励起子拡散係数は単結晶薄膜に観測されるだろう。典型的なOPV電池に使用される非晶系ガラスは、欠陥部分に励起子が拡散するため、より低い拡散係数を有する傾向にある。光吸収のうえで形成される励起子は一重項構造である。この励起子の相対的な寿命は概して10ナノ秒以下である。ニート薄膜で測定された一重項励起子の寿命は、励起2量体形成、欠陥や単分子無放射性の欠陥でのクエンチ、主に三重項励起子への項間交差のためにそれらの放射線寿命より著しく短い。フォースター(Forster)エネルギー移動工程は作用的で、同時に飛び飛びの様々なnmを許している。三重項励起子は一重項対応物の寿命よりも著しく長い寿命を有している。有機分子はナノ秒範囲で一重項の寿命を有している一方、同物質の三重項の寿命は、希薄サンプルでは数分から数時間の長さになりうる。(Dτ)1/2の関係に基づけば、三重項励起子では長い拡散距離を見ることが期待される。三重項励起子拡散距離は合理的な長さであり、例えばC60は非晶系薄膜で40nmのLを与えるが、三重項寿命から推測されるもの程は長くない。これには様々な理由がある。一つの理由は、ニート薄膜における寿命は、希薄状態における寿命よりも著しく短いことであり、これはしばしば測定される。クエンチ、励起子形成およびT−T消滅は数オーダーの大きさで三重項の寿命を減少させる。また、三重項の拡散係数は一重項の拡散係数よりも著しく短い。一重項とは対照的に、フォースターエネルギー移動工程は、主として三重項吸収帯の振動子の強度が小さいために、あまり効率的ではない。三重項励起子拡散は、デクスター(Dexter)機構を経て、主に最も近傍で起こる。一般的な有機分子の三重項の寿命はとても長いが、一般的なOPV物質はマイクロ秒レジメの三重項寿命を有している。このことが、低いD値と相まって、三重項ベースの物質のL値は良好とはいえ、例外的というほどではないものにしている。
【0028】
もしOPV物質の励起子拡散距離を大きくすることができれば、厚く、光学的に高密度のD層およびA層を有する装置が製造されうる。したがって、励起子拡散距離に係る問題を解決する新規物質の設計により改善された性質を有する有機感光性光電子工学装置を供給する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0029】
【非特許文献1】Peumans, P., A. Yakimov, and S.R. Forrest, Small molecular weight organic thin−film photodetectors and solar cells. Journal of Applied Physics, 2003. 93(7): p. 3693−3723.
【非特許文献2】Singh, V.P., R.S. Singh, B. Parthasarathy, A. Aguilera, J. Anthony, and M. Payne, Copper−phthalocyanine−based organic solar cells with high open−circuit voltage. Applied Physics Letters, 2005. 86(8): p. 082106.
【非特許文献3】Brabec, C.J., A. Cravino, D. Meissner, N.S. Sariciftci, T. Fromherz, M.T. Rispens, L. Sanchez, and J.C. Hummelen, Origin of The open circuit voltage of plastic solar cells. Advanced Functional Materials, 2001. 11(5): p. 374−380.
【非特許文献4】Gledhill, S.E., B. Scott, and B.A. Gregg, Organic and nano−structured composite photovoltaics: An overview. Journal of Materials Research, 2005. 20(12): p. 3167−3179.
【非特許文献5】Mutolo, K.L., E.I. Mayo, B.P. Rand, S.R. Forrest, and M.E. Thompson, Enhanced open‐circuit voltage in subphthalocyanine/C‐60 organic photovoltaic cells. Journal of the American Chemical Society, 2006. 128(25): p. 8108−8109.
【非特許文献6】Terao, Y., H. Sasabe, and C. Adachi, Correlation of hole mobility, exciton diffusion length, and solar cell characteristics in phthalocyanine/fullerene organic solar cells. Applied Physics Letters, 2007. 90(10): p. 103515.
【非特許文献7】Controlled growth of a molecular bulk heterojunction photovoltaic cell. Yang, F.; Shtein, M.; Forrest, S. R., Nat Mater 2005, 4, (1), 37−41.
【非特許文献8】Organic small molecule solar cells with a homogeneously mixed copper phthalocyanine: C60 active layer. Uchida, S.; Xue, J.; Rand, B. P.; Forrest, S. R., Applied Physics Letters 2004, 84, (21), 4218−4220.
【非特許文献9】Asymmetric tandem organic photovoltaic cells with hybrid planar−mixed molecular heterojunctions. Xue, J.; Uchida, S.; Rand, B. P.; Forrest, S. R., Applied Physics Letters 2004, 85, (23), 5757−5759.
【非特許文献10】Long−range absorption enhancement in organic tandem thin−film solar cells containing silver nanoclusters. Rand, B. P.; Peumans, P.; Forrest, S. R., Journal of Applied Physics 2004, 96, (12), 7519−7526.
【非特許文献11】Organic solar cells: An overview focusing on active layer morphology. Benanti, T. L.; Venkataraman, D., Photosynthesis Research 2006, 87, (1), 73−81.
【非特許文献12】Organic photovoltaic films. Nelson, J., Current Opinion in Solid State & Materials Science 2002, 6, (1), 87−95.
【非特許文献13】Efficient photovoltaic energy conversion in tetracene−C60 based heterojunctions. Chu, C. W.; Shao, Y.; Shrotriya, V.; Yang, Y., Applied Physics Letters 2005, 86, (24).
【非特許文献14】Efficient thin−film organic solar cells based on pentacene/C60 heterojunctions. Yoo, S.; Domercq, B.; Kippelen, B., Applied Physics Letters 2004, 85, (22), 5427−5429.
【非特許文献15】Singlet Fission for Dye−Sensitized Solar Cells: Can a Suitable Sensitizer Be Found? Paci, I.; Johnson, J. C.; Chen, X.; Rana, G.; Popovic, D.; David, D. E.; Nozik, A. J.; Ratner, M. A.; Michl, J., J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, (51), 16546−16553.
【発明の開示】
【0030】
発明の概要
本発明は、アノード(正極)、カソード(負極)および前記アノードとカソードの間に配置された少なくとも一つの光活性領域を含む感光性光電子工学装置(Photosensitive optoelectronic device)を供給する;
前記少なくとも一つの光活性領域は、少なくとも一つの一重項分裂(フィッション)ホスト物質および少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質を含む少なくとも一つの有機光電導性物質を含み、
前記少なくとも一つの一重項分裂(フィッション)ホスト物質の量が、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質の量よりも大きく、
前記少なくとも一つの一重項分裂(フィッション)ホスト物質が、光が吸収された時に一重項分裂(フィッション)を示す物質から選択され、
前記少なくとも一つの三重項ドーパント物質が、光がドーパントにより吸収された後に三重項励起子(エキシトン)を形成する。
【0031】
他の実施形態において、本発明は有機感光性光電子工学装置の製造方法を提供する:
少なくとも一つのアノード、カソードを提供し、少なくとも一つの有機光導電性物質を前記アノードまたはカソードに接触させることを含む;
前記少なくとも一つの有機光導電性物質は、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質と少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質を含み、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質の量は、前記少なくとも一つの三重項分裂ドーパント物質の量よりも多く、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質は、光が吸収された際に一重項分裂を示す物質から選択され、
前記少なくとも一つの三重項形成ドーパントがドーパントにより光が吸収された後に三重項励起子(エキシトン)を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ドナー−アクセプターへテロ接合点を示すエネルギー準位図である。
【図2】OPV電池における光電流発生の一般的なメカニズムを表す図である。
【図3A】積層型電池の略図である。図中、ドナーは実線のハッチで、アクセプターは点描で示される。また、内部透明電極は一点鎖線で、カソードおよびアノードは表記されている。
【図3B】バルクヘテロ接合電池の略図である。図中、ドナーは実線のハッチで、アクセプターは点描で示される。また、内部透明電極は一点鎖線で、カソードおよびアノードは表記されている。
【図4A】式1に一重項分裂エネルギーを示す図である。
【図4B】式2でのホストの三重項状態へのドーパント三重項クエンチを示す図である。
【図4C】式3でのドナー一重項によるホスト一重項のクエンチおよびホストの三重項への変換および移動を示す図である。
【図4D】式4におけるホスト上での高められた三重項形成の全工程を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本明細書に記載される少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質をドープされた少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質を含む有機光電導性物質は有機太陽電池以外の光電子工学装置に応用して用いられる。一実施形態において、有機光検知器、有機光センサー、有機光電導体、化学センサーおよび生物学的センサーのような他の光電子工学装置は非平面状のポルフィリンを用いてもよい。
【0034】
本明細書で用いられる場合、感光性光電子工学装置は太陽電池、光検知器、光センサー、光電導体、化学センサー、生物学的センサーでありうる。
【0035】
本明細書で用いられる場合、「有機」との語は有機感光性光電子工学装置を製造するために用いられる低分子有機物質と同様、高分子物質も含む。「低分子」は高分子でない有機物質のことであり、実際にはかなり大きくてもよい。低分子はある状況では繰り返し単位を含んでいてもよい。例えば、置換基としての長鎖アルキル基を用いても、「低分子」群からその分子は除かれない。低分子は、例えば高分子主鎖に側鎖や主鎖のある部位として、高分子に組み込まれていてもよい。低分子は中核構造上に構築される一連の化学的シェルからなるデンドリマーの中核構造であってもよい。デンドリマーの中核構造は、蛍光または燐光の低分子発生源であってもよい。デンドリマーは低分子であってもよい。一般的に、低分子は分子ごとに同じ分子量を有する所定の化学式で定義されてもよく、分子ごとに異なる分子量を有する化学式で定義されてもよい。本明細書で用いられる場合、「有機物」は炭化水素配位子やヘテロ原子で置換された炭化水素配位子の金属錯体を含む。二つの三重項励起子を効率よく形成する一重項分裂を起こすことが報告されている有機化合物は数多くある。単一光子の吸収は二つの励起子を形成させる。もしこれらの1つの物質が有機光起電装置のドナー層またはアクセプター層として用いられた場合、D/A接合点に到達しうる励起子の数が倍になるため、(一重項分裂しない物質と比較して)比較的大電流を発生する可能性がある。さらに、最終的に光の吸収の上で形成された励起子が三重項状態であるという事実は、三重項励起子がそれらの一重項相当物の寿命よりも長いという利点をもたらし、三重項励起子物質の励起子拡散距離を大きくする可能性を秘めている。大きくなった励起子拡散距離はより厚い有機膜を使用することを可能とし、光収集効率を高めることができる。
【0036】
一実施形態において、本発明は一重項分裂物質が強化された/広範囲の光、特に太陽光スペクトルの赤色および近赤外領域の光を吸収するように改善する方法を提供する。他の実施形態において、本発明はドーパントサイトでの光子の吸収が効率的にドーパントで三重項励起子から起こるように、光励起上によって有意な項間交差を起こすことが知られている物質のドーピングに関する。本発明で用いられているドーパント物質は、通常、吸収帯と三重項励起子との間でのエネルギー移動が小さいため、光励起で形成される一重項励起状態と三重項の間のエネルギー損失が小さい(すなわち、少量の変換エネルギー)。金属ポルフィリンおよびフタロシアニン錯体は、前記スペクトルの赤色から近赤外領域において強化した「Q帯」および近赤外領域で三重項エネルギーを有するという性質を有している。ドーパントで形成された三重項は効率よく一重項分裂物質に移動し、D/A接合点へ移動させられる。このように、分裂物質またはドーパントによる光吸収は分裂/ホスト物質において三重項励起子を与える。ドープされた膜の吸収スペクトルはホスト物質およびドーパント物質のスペクトルの重ね合わせであり、有用な吸収エネルギーの幅広い領域をもたらす。当該ドーパント物質は分裂物質の優先的な吸収帯(一重項吸収帯)と分裂物質の三重項エネルギーの間に主要な吸収帯が存在するように選択される。これにより、ドープ膜のスペクトル吸収を最も広くすることができ、ドーパント三重項がホスト三重項よりも高いエネルギーを有するようにすることができる一実施形態においてドーパント物質は全物質の約50%以下で含まれ、ホストは約50%以上膜に含まれる。
【0037】
一重項分裂ホスト物質は潜在的に一重項分裂しうる物質から選択される。一実施形態において、一重項分裂ホスト物質は、本質的にπ共役系からなる、強い光吸収を示す物質から選択される。効率的な一重項分裂を提供するであろう分子はPaciらの論文に示されている基本的な方法を用いて選択され[非特許文献15]、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。選択基準はS1,T1およびT2状態の相対的なエネルギーである。はじめ、二つのT1状態を振動緩和励起状態から少し発熱的、つまりE(S1)>2E(T1)にする必要がある。これと同じ条件により、吸熱的であるT1−T1消滅の低室温速度が得られ、S1およびS0が生成する。しかしながら、次のより高い三重項を生み出すために、T1−T1消滅、T2およびS0は相互に同じくらいのエネルギーになり、とても速くなる。この消滅工程を保証するE(T2)>2E(T1)が吸熱であり、とても遅い状態であることを課す必要もある。一重項を三重項の項間交差にまで減少することも望まれる。まとめると、物質の最適な一重項分裂はとても異常な状態であるE(S1),E(T2)>2E(T1)を満たす。
【0038】
効率的な一重項分裂ホスト物質のよい例はPaciらの論文[非特許文献15]に見られ、o−キシリレン誘導体、イソベンゾフルベン誘導体、p−キシリレン誘導体およびペリレン誘導体の4類の分子を含む。これらの族の多くの化合物は、Paciらの論文に示されている計算に基づく一重項分裂候補物である。Paciらの開示は参照として本願に組み込まれる。これらの4つの分子に加えて、ポリチオフェン(P3HT)およびテトラセンのようなポリアセン類も一重項分裂物質として用いられうる。
【0039】
三重項励起子は励起子拡散の観点から装置に有益であるが、取り上げられていない電荷生成工程の他の態様がある。特に、三重項物質は励起子が一重項から三重項に変換する際にエネルギー損失を伴って変換するため避けられる傾向にある。このエネルギー損失は1eVもあり、装置に収集される光子エネルギーにおいて大きな損失を示す。一実施形態において、本発明は比較的小さい一重項−三重項エネルギー差を有するドーパント物質を含む。そして、当該物質の光吸収がもたらす交換エネルギー損失はかなり小さい。一重項は三重項の2倍よりも大きなエネルギーを有するため(すなわち、E(S1)>2E(T1))、当該一重項分裂物質はもちろん大きな一重項―三重項エネルギー分離を有する。もしこれが、そうでなければ、一重項分裂は起こらない。
【0040】
先行技術には、2つのOPV装置の製造の報告がある。YangはテトラセンドナーOPV電池(ITO/PEDOT:PSS/tetracene/C60/BCP/Al)を報告し[非特許文献13]、Kippelenはペンタセンドナー層を備えた類似した装置を報告している[非特許文献14]。両方の装置は高い効率(それぞれ2.3%および2.7%)を示す。YangおよびKippelenは、励起子の長い拡散距離と同様に、高いキャリア移動度および、その高PV効率がドナーとアクセプター物質間の良好なエネルギーマッチングに貢献するので、アセンドナー物質を選択し、アセン層においてオーダーの高準位を得ている。これらのファクターは重要であるが、三重項励起子がこれらの装置にとって重要な役割を果たすらしい。テトラセンおよびペンタセン固体サンプル中、一重項励起子は二つの三重項励起子を形成する分裂過程(すなわち、 S + S → 2 T)を起こすことはよく知られている。このようにして、これらの装置のドナー層に吸収される全ての光子のために、1つではなく2つの励起子が形成されているらしい(図4Aの式1参照)。この効果は、Yangの論文のドナーテトラセン層の最適化された厚さが800Åであり、今までに報告されている典型的な低分子OPVのいずれの厚さよりもとても厚いという事実により証拠付けられている[非特許文献13]。上述したように、より長い励起子換算距離は、この観測された光学密度の厚い光活性層を可能とするだろう。
【0041】
延長した励起子拡散距離の存在は、1つの一重項励起子から2つの三重項励起子が形成され、固体サンプルにおいてさえ、一重項よりも長寿命である励起子を生成するという一重項分裂機構の存在する結果であるだろう。一重項分裂は、E(S) > 2E(T)である限り起こることが知られており、テトラセンおよび他の様々なシステムにおいて、E(S) = 2E(T)であるので、三重項への項間交差崩壊で起こるエネルギー損失に比べて、それほどのエネルギー損失なく起こる利点がある。太陽電池で起こる一重項分裂の更なる利点としては、特定の光子エネルギーを光吸収して生成する励起子が2倍の量で生成し、理想的にはD−A接合点に到達して分裂することで2倍のキャリアを生成することである。
【0042】
膜においてテトラセン分子の堆積および整列が効果的であり、大きな拡散係数を有する十分に編成された層になるらしい。これらの効果(高励起子寿命および増大された拡散係数)の組合せの結果、より長い励起子拡散距離になり、より効率的に光を捕捉する、より大きな層に使用することが可能となる。
【0043】
メタロポルフィリンとしてPt(TPBP)(Platinum tetraphenyl tetrabenzoporphyrin)を例示する。Pt(TPBP)はOPVにおいてドナー層としてテストされ太陽電池用に適したドナー物質として高い性能を示した。大規模なポルフィリンのπ系のために、可視光部吸収係数が大きいことが観測される。メタロポルフィリンのとても興味深い特徴は、それらの高い項間交差が一重項から三重項状態への完全な変換を起こすことである。高いIsc効率は、この錯体の重金属核の高いスピン軌道カップリングに基づく。三重項状態はとても長寿命であると知られており、希薄溶液では53μ秒である。未だ小さな励起子の拡散距離は使用されるドナーの厚さの問題は太陽電池の製造において残っており、使用されるドナーの厚さおよび吸収光の量を制限している。
【0044】
三重項の寿命は、固体サンプルにおいて、クエンチ、エキシマ形成、およびT−T消滅により減少していることが知られている。しかしながら、固体マトリックスにおける一重項励起子のそれは高いままである。Pt(TPBP)のドナー層として最適化された厚さは約150Åであり、他の三重項物質のないものととても似ているという事実から、その拡散係数は、不十分で、三重項状態のない物質の値とLdの類似の値を生み出す高励起子寿命により増大させられることが示唆される。この低い拡散係数は、三重項分子の方への特徴的な励起子の右側への移動の可能性を減少させる膜の乏しいπ−スタッキングの結果になるだろう。分子の非平面性は励起子の移動を妨害する近隣との間での接触を妨害する。
【0045】
上記のシステムは太陽電池物質としてよい候補であるけれども、それらは光吸収の最適化の努力においていくらかの弱さおよびD/Aインターフェースに励起子移動を誘起する。アセン類は増大された励起子およびキャリア移動および長寿命の三重項励起子の生成を説明する適度に効率的な一重項分裂を提供するよいπ−スタッキングを有しているが、その吸収度は赤色スペクトル部分にまでは拡大されない。一方、メタロポルフィリンは赤色および近赤外線スペクトル部分で高い吸収係数を有し、三重項生成に優れているが、移動能力に乏しい。これら二つのシステムが混合されたものはそれぞれの問題点を解消し、非常に増大された励起子拡散距離を備えた物質を与えることにより、太陽電池用の優れたホスト−ドーパントアンサンブルを提供する。
【0046】
かような分子の併用の有利な点はエネルギー損失を縮小し、長い励起子拡散距離を得るという希望のもと、光吸収において主に三重項状態からなる物質を与える。アセンマトリックス層にドープすることにより、メタロポルフィリン分子は、これらの物質におけるSおよびT間のエネルギー差の小さな変換によりエネルギー損失の極めて少ない高い項間交差に基づき一重項状態で吸収し、かなり効率的に三重項状態に変換する。この三重項は高純度のポルフィリンマトリックスにおいてあまり拡散しないと考えられる。しかし、ポルフィリンはアセンに希釈されると、アセンホストに迅速な励起を移動させうる(図4Bの式2参照)。例えば、テトラセンにおいては、三重項励起状態が、Pt(TPBPの三重項励起状態は1.68eVであるのに対して約1.2eVであり、ポルフィリン三重項からテトラセン物質への発熱的移動を可能とする。テトラセンは三重項励起状態で多く存在し、大きな拡散係数を有し、励起子の寿命がかなり長くなり、その結果励起子拡散距離が延長されると予測される。これにより、ドーパントの励起子はテトラセンに移行し、励起子とキャリア伝導のためにアセンを利用して、D/Aインターフェースに拡散し分離する。
【0047】
一重項分裂物質から見た場合、光が吸収されると、一重項状態が形成される。この一重項状態は一重項分裂を起こして2つの三重項を与えるか、または通常アセンの一重項よりエネルギーの小さいポルフィリンの一重項状態によりクエンチされうる(図4Cの式3参照)。結果的に、最近解説された三重項への項間交差経路および連続的なアセン三重項の復活に従うだろう。この過程が、三重項励起子を誘導するが、しかし分裂過程により形成される二つの三重項を導くものではない。適当な低ドーパント濃度において、この過程は減縮されうる。
【0048】
効率的なホスト物質の三重項状態へのエネルギー変換を提供するための適当なエネルギーを有する分子をデザインする試みにおいて、最良な分子の併用が最も好ましいスペクトルの重なりを示すことに留意すべきである。双方の族の吸収スペクトルはあまり重ならず、しかし、そのドーパント吸収バンドがその分裂/ホスト物質の一重項吸収バンドと分裂/ホスト物質の三重項エネルギー間を満たす。
【0049】
一重項分裂を起こす多くの異なる分子が報告されており、ドーパント分子と同様に、これらの物質において望ましい分子間相互作用を検討する能力を与える。励起子拡散距離を増大させるよい拡散係数を与える順序やスタッキングを示す分子を使用することが望まれる。また、三重項の形成においてエネルギー損失を小さくするエネルギー的に好ましいシステムを提供し、分子間のエネルギー移動の適切なカスケード効果を与えるホスト−ドーパント物質の適切な組合せを見つけるのが重要である(図4Dの式4参照)。さらに、T−T消滅速度を減少させる物質のデザインが強く望まれている。この効果は、励起子がD/Aインターフェースおよび電荷分離に達する前に消滅し、収集光を著しく減少させるという、よい電池機能の弊害になる。
【0050】
本発明のOPV電池は、他にも記載されている(重金属基盤ポルフィリンのように)三重項形成ドーパントでドープされた一重項分裂ホスト物質で置換されたドナー層を有する低分子基盤装置のOPV電池に似た構造をしている。
【0051】
実施形態において本発明は、アノード(正極)、カソード(負極)および前記アノードとカソードの間に配置された少なくとも一つの光活性領域を含む有機感光性光電子工学装置であって、
前記少なくとも一つの光活性領域が、少なくとも一つの一重項分裂(フィッション)ホスト物質および少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質を含む少なくとも一つの有機光電導性物質を含み、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質の量が、少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質の量よりも大きく、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、光が吸収された時に一重項分裂(フィッション)を示す物質から選択され、
前記少なくとも一つの三重項ドーパント物質が、光がドーパントにより吸収された後に三重項励起子(エキシトン)を形成する感光性光電子工学装置、に関連している。
【0052】
他の実施形態では、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、E(S), E(T) > 2E(T)の状態を満足する。さらなる実施形態では、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、o−キシリレン、p−キシリレン、イソベンゾフルベン、ペリレン、ポリチオフェン、テトラセンのようなポリアセン、p−セキフェニル、テトラシアノ−p−キノジメタン、テトラフルオロテトラシアノ−p−キノジメタン、ポリジアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、カロテノイド類、および1,4−ビス(テトラセン−5−イル)ベンゼンから選択される。一実施形態では、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、以下の化合物から選択される。
【0053】
【化1】

【0054】
他の実施形態において、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質は、アントラセン、テトラセン、およびペンタセンから選択される。さらなる実施形態では、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質は結晶性アントラセン、結晶性テトラセン、および結晶性ペンタセンから選択される。
【0055】
他の実施形態において、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質は、前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質のエネルギーよりも高い三重項エネルギーを有する。他の実施形態において、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質は、小さい一重項−三重項ギャップ(例えば、0.5eVよりも小さい一重項−三重項ギャップ)を有する。一実施形態において、前記三重項形成ドーパント物質は、ドーパント物質の三重項が一重項分裂ホスト物質の三重項に発熱的に移動するように一重項分裂ホスト物質に対して適切なエネルギー特性を有する。本発明の装置で使用されうる三重項形成ドーパント物質の例としては、制限はされないが、ポルフィリン類またはフタロシアニン類が挙げられる。他の実施形態においては、ポルフィリンまたはフタロシアニン錯体以外の三重項形成ドーパント物質が本発明の装置に用いられる。
【0056】
一実施形態において、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質は、太陽光スペクトルの赤色および近赤外線領域で光を吸収する。
【0057】
他の実施形態において、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質は、ポルフィリン化合物およびフタロシアニン錯体から選択される。他の実施形態において、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質は少なくとも一つのポルフィリン化合物である。
【0058】
他の実施形態において、前記少なくとも一つのポルフィリン化合物は非平面状である。
【0059】
他の実施形態において、前記少なくとも一つの非平面状のポルフィリン化合物は化学式Iを有する化合物から選択される。
【0060】
【化2】

【0061】
式中、
MはSc,Y,La,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Si,Ge,Sn,Pb,P,As,Sb,Bi,S,Se,Te,Po,Cl,Br,I,At,ランタニド,アクチニド,および2Hから選択され;
R’はCl,Br,I,Atおよびポルフィリンのメソ炭素に結合する原子価原子を含む群からそれぞれ独立して選択され、前記原子価原子はB,C,N,O,Si,P,S,Cl,Ge,As,Se,Br,In,Sn,Sb,Te,I,Tl,Pb,Bi,Po およびAtから選択され、
RはCl,Br,I,Atおよびピロール環のβ炭素に結合する原子価原子を含む群からそれぞれ独立に選択され、前記原子価原子はポルフィリンのメソ炭素に結合する原子価原子を含む群からそれぞれ独立して選択され、前記原子価原子はB,C,N,O,Si,P,S,Cl,Ge,As,Se,Br,In,Sn,Sb,Te,I,Tl,Pb,Bi,PoおよびAtから選択され、同じピロール環に、当該ピロール環の二つのβ炭素とともに結合する隣接する二つのR基は、炭素環基またはヘテロ環基を形成していてもよい。
【0062】
化学式Iに示されるように、2Hは水素原子を有する二つの非共役的に結合する窒素原子(点線で示される)からなる。
【0063】
他の実施形態において、少なくとも一つのR’またはRの原子価原子はCである。
【0064】
一実施形態において、少なくとも一つのR’基またはR基はそれぞれ独立してアルキル基、置換されたアルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基、および置換されたヘテロ環基から選択される。
【0065】
他の実施形態において、前記置換されたアルキル基は、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたアルケニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたアルキニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたシクロアルキル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたシクロアルケニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたシクロアルキニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたアリール基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたヘテロ環基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される基の少なくとも一つのラジカルによって置換される。
【0066】
一実施形態においては、少なくとも一つのピロール環の二つのβ炭素原子と一緒になった少なくとも一つのピロール環の隣接した2つのR基が、炭素環基、置換された炭素環基、ヘテロ環基、または置換されたヘテロ環基を形成する。他の実施形態において、少なくとも一つのピロール環の二つのβ炭素原子と一緒になった少なくとも一つのピロール環の隣接した2つのR基が、炭素環基、または置換された炭素環基を形成する。
【0067】
一実施形態において、前記炭素環基または置換された炭素環基は、大員環またはベンズアヌレンのπ系である。
【0068】
一実施形態においては、前記炭素環基または置換された炭素環基は芳香族である。
【0069】
他の実施形態において、前記少なくとも一つのピロール環の二つのβ炭素原子にある少なくとも一つのピロール環の隣接した2つのR基は、ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基を形成する。
【0070】
一実施形態において、前記ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基は芳香族である。
【0071】
一実施形態においては、少なくとも一つのR’基またはR基がフェニル基、トリル基、キシレニル基、メシチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基である。
【0072】
一実施形態において、前記少なくとも一つの非平面状ポルフィリンは以下の化合物から選択される。
【0073】
【化3】

【0074】
一実施形態において、少なくとも一つのR’基またはR基にある原子価原子がOである。
【0075】
他の実施形態において、前記原子価原子としてOを有する少なくとも一つのR’基またはR基は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルキニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アラルケニルオキシ基、アラルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アルキニルカルボニルオキシ基、ヒドロキシカルボニルオキシ基、またはアルコキシカルボニルオキシ基である。
【0076】
さらなる実施形態において、前記原子価原子としてOを有する少なくとも一つのR’基またはR基は、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。
【0077】
さらなる実施形態において、前記原子価原子としてOを有する少なくとも一つのR’基またはR基は、OH、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、またはイソプロポキシ基である。
【0078】
一実施形態において、前記少なくとも一つのR’基またはR基は、Cl,Br,I,およびAtからなる群からそれぞれ独立に選択される。
【0079】
他の実施形態において、少なくとも一つのR’基またはR基は原子価原子としてNを有する。
【0080】
一実施形態において、前記原子価原子としてNを有する少なくとも一つのR基またはR’基は、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、ジアルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、字アルキニルアミノ基、N−アルキル−N−アルケニルアミノ基、N−アルキル−N−アルキニルアミノ基、N−アルケニル−N−アルキニルアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、一の窒素原子価原子を含むヘテロ環基、および一の窒素原子価原子を含む置換されたヘテロ環基から選択される。
【0081】
一実施形態において、前記少なくとも一つのR基またはR’基は原子価原子としてSを有する。
【0082】
一実施形態において、前記原子価原子としてSを有する少なくとも一つのR’基またはR基は、チオール基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アラルキルチオ基、アラルケニルチオ基、アラルキニルチオ基、シクロアルキルアルキルチオ基、シクロアルケニルアルキルチオ基、シクロアルキニルアルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、およびアリールチオ基から選択される。
【0083】
一実施形態において、MはPt、Pd,またはIrである。
【0084】
他の実施形態において、MはPtである。
【0085】
他の実施形態において、MはPdである。
【0086】
一実施形態において、前記少なくとも一つの非平面状ポルフィリンは白金(テトラフェニルベンゾポルフィリン)Pt(Tetraphenylbenzo−porphyrin)である。
【0087】
他の実施形態において、前記少なくとも一つの非平面状ポルフィリンは、パラジウム(テトラフェニルベンゾポルフィリン)Pd(Tetraphenylbenzo−porphyrin)である。
【0088】
一実施形態において、前記装置は有機光起電電池(organic photovoltaic cell)である。
【0089】
他の実施形態において、前記装置は光伝導体電池(photoconductor cell)である。
【0090】
他の実施形態において、前記装置は光検知器である。
【0091】
一実施形態において、前記装置は有機光センサー(organic photosensor)、化学センサー、および生物学的センサーから選択される。
定義
本願で使用される場合、「炭素環基」は環原子が全て炭素である環状の化学基を意味する。前記「炭素環基」は単環または多環である。この「炭素環基」は、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、およびシクロアルキニル基でありうる。
【0092】
本願で使用される場合、「ヘテロ環基」は、環原子の少なくとも一つがN、O、またはSであり、他はC原子である化学基を意味する。「ヘテロ環基」は単環または多環である。「ヘテロ環基」が芳香族である際、「ヘテロアリール基」と称する。前記ヘテロ環基は4、5、6、7または8員環を含む環基であってよく、少なくとも一つの環原子はN、O、およびSから選択され、他の環原子は炭素である。ヘテロ環基の例としては、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルフォリノ基、チオモルフォリノ基、ホモピペリジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、クロメニル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フラザニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピラニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル気、キナゾリニル基、プテリジニル基、キノリジニル基、ベンゾキサジニル基、カルバゾリル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、およびフェナントリジニル基が挙げられる。
【0093】
本願で使用される場合、「単環」の語が「炭素環基」または「ヘテロ環基」を修飾するのに用いられる場合、炭素環基またはヘテロ環基は一つの環だけからなる。
【0094】
本願で使用される場合、「多環」の語が「炭素環基」または「ヘテロ環基」を修飾するのに用いられる場合、炭素環基またはヘテロ環基は少なくとも二つの環からなる。「多環基」の例としては、二環、三環、および四環が挙げられる。多環基において、いずれかまたは全ての環はペリ縮合、オルト縮合および/または架橋している。「多環」基はスピロ基であってもよい。
【0095】
本願で使用される場合、化学基の「原子価原子」の語は、他の化学基または原子に結合している化学基の原子を意味する。
【0096】
本願で使用される場合、「炭化水素基」の語は、炭素原子および水素原子を有する化学基を意味する。
【0097】
本願で使用される場合、「アルキル基」の語は、直鎖または分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「アルキル基」はC−Cである。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、およびn−ヘキシル基が挙げられる。
【0098】
本願で使用される場合、「アルケニル基」の語は、少なくとも一つのC=C二重結合を含む炭化水素基を意味する。「アルケニル基」は、好ましくは、C−Cである。アルケニル基の例は、ビニル基である。
【0099】
本願で使用される場合、「アルキニル基」の語は、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含む炭化水素基を意味する。「アルキニル基」は、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合、および少なくとも一つのC=C二重結合を有する化学基を含む。「アルキニル基」は、好ましくは、C〜Cである。
【0100】
本願で使用される場合、「シクロアルキル基」の語は、飽和環状炭化水素基を意味する。「シクロアルキル基」は単環または多環である。「シクロアルキル基」はC−Cでありうる。「シクロアルキル基」の例としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、およびシクロノニル基である。
【0101】
本願で使用される場合、「シクロアルケニル基」の語は、少なくとも一つのC=C二重結合を有する不飽和環状炭化水素基を意味する。「シクロアルケニル基」は単環または多環である。「シクロアルケニル基」はC−Cでありうる。
【0102】
本願で使用される場合、「シクロアルキニル基」の語は、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和環状炭化水素基を意味する。「シクロアルキニル基」は単環または多環である。「シクロアルキニル基」はC−Cでありうる。
【0103】
本願で使用される場合、「アリール基」の語は、芳香族炭化水素基を意味する。「アリール基」は単環または多環である。「アリール基」は、C−C10でありうる。「アリール基」の例としては、フェニル基およびナフチル基が挙げられる。
【0104】
本願で使用される場合、「アラルキル基」の語は、少なくとも一つのアリール基で置換されたアルキル基を意味する。「アラルキル基」のアリール部位はC−C10でありうる。「アラルキル基」のアルキル部位はC−Cでありうる。「アラルキル基」の例は、ベンジル基(すなわちフェニルメチル基)および2−フェニル基である。
【0105】
本願で使用される場合、化学基が「置換」で修飾されているとき、それは当該化学基が置換基で置換された少なくとも一つの水素原子を有することを意味する。置換基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル気、アシル基、カルバモイル基、アミノ基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基で置換されたアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子が挙げられる。
【実施例】
【0106】
合成法が以下に記載される化合物は、本発明をより詳細に説明するために示されており、したがって、本発明の範囲を制限するものとみなされない。本発明の他の実施態様は、ここに開示される本発明の明細書および実施法から当業者にとっては明らかである。よって、本明細書と実施例は例示としてのみ考えられるものである。
一般的なピロールの合成(バートン−ザード(Barton−Zard)反応)
置換されたビニルニトロ化合物とエチルイソシアノ酢酸とが、非求核性の塩基性条件下で反応し、カルボン酸エステルで置換されたピロール誘導体を生成する。そして、生成したカルボン酸エステルで置換されたピロール誘導体は、塩基性条件下で脱炭酸を起こし、ピロール部分が生成する。
【0107】
【化4】

【0108】
一般的なポルフィリンの合成(化合物1−9)
置換されたピロールが、置換されたアルデヒドとリンゼイ(Lindsey)条件下で反応し、続く酸化により2H−ポルフィリンを形成する。例えば金属ハロゲン化物を用いたメタル化によりメタル化ポルフィリンが生成する。下記する反応式においてMは金属である。
【0109】
【化5】

【0110】
cis−置換されたポルフィリンの一般的な合成
a)カルボン酸エステル保護したピロール置換体が、リンゼイ条件下で、置換されたアルデヒドと縮合してジピロロメタンを生成し、後の塩基性条件下で脱炭酸が起こる。
【0111】
b)ピロール置換体は、フリーデル−クラフツ条件下において塩化ベンゾイルでアシル化され、置換されたアルデヒドと縮合し、フェニルケトンが置換されたジピロロメタンを生成する。このフェニルケトンが置換されたジピロロメタンはNaBHにより、対応する第2級アルコールに還元される。
【0112】
c)過程a)およびb)で調製された二つのジピロロメタン部分が酸性条件下で縮合し、続けて酸化することでポルフィリンおよびメタル化されたポルフィリンを生成する。下記反応式中Mは金属である。RおよびRはRの例である。
【0113】
【化6】

【0114】
trans−置換されたポルフィリンの一般的な合成
ピロール置換体がフェニル−1,3−ベンゾキサチオリリウムテトラフルオロボレートと反応し、ピロール2置換体を生成する。続く酸化水銀を用いたクエンチによりケトン誘導体を生成し、これはNaBHを用いて還元され、第2級アルコールを生成する。このアルコールは酸性条件下で異なるピロール置換体と反応し、酸化することでポルフィリンを生成する。例えば金属ハライドを用いてメタル化して、最終生成物を生成する。下記化学式中、Mは金属である。RおよびRはRの例である。
【0115】
【化7】

【0116】
3−1位置換されたポルフィリンの一般的な合成
a)置換されたピロールはフェニル−1,3−ベンゾキサチオリリウムテトラフルオロボレートと反応し、ピロール2置換体を生成する。続く酸化水銀によるクエンチによりピロールのケトン誘導体(ビス−2,5−アシル化ピロール)を生成する。これは、NaBHを用いて還元され、第2級アルコール置換されたピロールを生成する。
【0117】
b)この第2級アルコールで置換されたピロールは置換されたカルボン酸エステルで置換されたピロールと縮合して、カルボン酸エステル基で保護されたビス(1,3−ピロリルメチル)ピロールを生成し、これは次工程において、塩基性条件下で除去される。
【0118】
c)別々に置換されたピロールがフェニル−1,3−ベンゾキサチオリリウムテトラフルオロボレートと反応し、ピロール2置換体を生成する。続く酸化水銀によるクエンチによりピロールのケトン誘導体を生成する。これはNaBHを用いて還元され、第2級アルコール置換されたピロールを生成する。
【0119】
d)酸性条件下、b)およびc)で調製された化合物を縮合し、続けて酸化してポルフィリンを生成する。メタル化により最終ポルフィリンを生成する。下記化学式中Mは金属である。RおよびRはRの例である。
さらなるBrの置換を伴うBr−置換されたポルフィリンの一般的な合成
リンゼイ(Lindsey)条件下、置換されたアルデヒドとのピロール縮合は、続く酸化によりポルフィリンを生成する。続けて、例えばNBSを用いたポルフィリンの臭素化によりオクタ−ブロモ化ポルフィリンを生成する。その臭素原子の更なる反応、例えば鈴木カップリングによりヘテロ原子が置換されたポルフィリンを与える。メタル化して、最終生成物を生成する。下記反応式中、Mは金属である。Rは、式(1)のRに対応する。
【0120】
【化8】

【0121】
さらなるBrの置換を伴うメソ−Br−置換されたポルフィリンの一般的な合成
リンゼイ条件下、ジメチルアセタールとのピロール縮合は、続く酸化によりポルフィリンを生成する。続けて、例えばNBSを用いたポルフィリンの臭素化によりテトラ−ブロモ化ポルフィリンを生成する。その臭素原子の更なる反応、例えば鈴木カップリングによりヘテロ原子が置換されたポルフィリンを与える。メタル化により、最終生成物を生成する。下記反応式中、Mは金属である。Rは、化学式(I)のRに対応する。
【0122】
【化9】

【0123】
本発明の有機起電装置の例としては、Pt(TPBP)/C60/BCP/Alをドープされたテトラセン、およびPt(TPBP)/C60/BCP/AlをドープされたITO/PEDOT/P3HTが挙げられる。
【0124】
他に示されていなければ、全成分量、反応条件、および明細書、および請求項で使用されるその他を表示する数字は「約」で修飾されるものと理解されうる。したがって、反対に示されていなければ、今後の明細書および添付される請求項は。本発明により得ようとした望ましい性質にしたがって変更しうる近似値である。
【0125】
本発明の他の実施態様は、本願に開示される発明の明細書および実施例から、当業者にとって、明らかであろう。
当該明細書と実施例は、例示のためのみとして考えられるものであり、当該発明の実際の範囲および思想は請求項に示されるものである。
参考文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード、カソードおよび前記アノードとカソードの間に配置された少なくとも一つの光活性領域を含む有機感光性光電子工学装置であって、
前記少なくとも一つの光活性領域が、少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質および少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質を含む少なくとも一つの有機光電導性物質を含み、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質の量が、前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質の量よりも大きく、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、光が吸収された時に一重項分裂を示巣物質から選択され、
前記少なくとも一つの三重項ドーパント物質が、光がドーパントにより吸収された後に三重項励起子を形成する感光性光電子工学装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、E(S), E(T) > 2E(T)の要件を満足する、請求項1に記載の感光性光電子工学装置;
式中、E(S)は最も低い励起一重項状態の励起エネルギーであり、E(T)はより高い三重項状態の励起エネルギーであり、E(T)は最も低い三重項状態の励起エネルギー、である。
【請求項3】
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、o−キシリレン、p−キシリレン、イソベンゾフルベン、ペリレン、ポリチオフェン類、ポリアセン類、p−セキフェニル、テトラシアノ−p−キノジメタン、テトラフルオロテトラシアノ−p−キノジメタン、ポリジアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、カロテノイド類、および1,4−ビス(テトラセン−5−イル)ベンゼンから選択される、請求項2に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、以下の化合物から選択される、請求項2に記載の感光性光電子工学装置:
【化1】

【請求項5】
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、アントラセン、テトラセン、およびペンタセンから選択される、請求項3に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質が、前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質のエネルギーよりも高い三重項エネルギーを有する、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質が、約0.5eVよりも小さい一重項−三重項ギャップを有する、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質が、太陽光域の赤色および近赤外領域の光を吸収する、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質が、ポルフィリン化合物およびフタロシアニン錯体の少なくとも一つから選択される、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つのポルフィリン化合物が非平面状である、請求項9に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項11】
少なくとも一つの非平面状ポルフィリンが、化学式(I)を有する化合物の群から選択される、請求項10に記載の感光性光電子工学装置:
【化2】

式中、
MはSc,Y,La,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Zn,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Si,Ge,Sn,Pb,P,As,Sb,Bi,S,Se,Te,Po,Cl,Br,I,At,ランタニド,アクチニド,および2Hから選択され;
R’はCl,Br,I,Atおよびポルフィリンのメソ炭素に結合する原子価原子を含む群からそれぞれ独立して選択され、前記原子価原子はB,C,N,O,Si,P,S,Cl,Ge,As,Se,Br,In,Sn,Sb,Te,I,Tl,Pb,Bi,Po およびAtから選択され;
RはCl,Br,I,Atおよびピロール環のβ炭素に結合する原子価原子を含む群からそれぞれ独立に選択され、前記原子価原子はポルフィリンのメソ炭素に結合する原子価原子を含む群からそれぞれ独立して選択され、前記原子価原子はB,C,N,O,Si,P,S,Cl,Ge,As,Se,Br,In,Sn,Sb,Te,I,Tl,Pb,Bi,PoおよびAtから選択され、同じピロール環に、当該ピロール環の二つのβ炭素とともに結合する隣接する二つのR基は、炭素環基またはヘテロ環基を形成していてもよい。
【請求項12】
少なくとも一つのR’およびR基における前記原子価原子が、Cである、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項13】
少なくとも一つのR’またはR基がアルキル基、置換されたアルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロアルケニル基、置換されたシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、置換されたシクロアルキニル基、アリール基、置換されたアリール基、ヘテロ環基、および置換されたヘテロ環基からなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項14】
前記置換されたアルキル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたアルケニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたアルキニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたシクロアルキル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたシクロアルケニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたシクロアルキニル基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたアリール基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換され、
前記置換されたヘテロ環基が、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニロキシ基、アルキニロキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニロキシ基、シクロアルキニロキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、シクロアルケニルカルボニルオキシ基、シクロアルキニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、アリールチオ基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、少なくとも一つのアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基およびハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される少なくとも一つのラジカルによって置換される、請求項13に記載の感光性光電子工学装置
【請求項15】
少なくとも一つのピロール環の二つのβ炭素原子と一緒になった少なくとも一つのピロール環の隣接した2つのR基が、炭素環基、または置換された炭素環基、ヘテロ環基、または置換されたヘテロ環基を形成する、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項16】
少なくとも一つのピロール環の二つのβ炭素原子と一緒になった少なくとも一つのピロール環の隣接した2つのR基が、炭素環基、または置換された炭素環基を形成する、請求項15に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項17】
前記炭素環基または置換された炭素環基が大員環またはベンズアヌレンのπ系である、請求項16に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項18】
前記炭素環基または置換された炭素環基が芳香族である、請求項16に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項19】
少なくとも一つのピロール環の二つのβ炭素原子と一緒になった少なくとも一つのピロール環の隣接した2つのR基が、ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基を形成する、請求項15に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項20】
前記ヘテロ環基または置換されたヘテロ環基が芳香族である、請求項19に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項21】
少なくとも一つのR’またはR基がフェニル、トリル、キシレニル、メシチル、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項22】
少なくとも一つの非平面状ポルフィリンが次の化合物から選択される、請求項11に記載の感光性光電子工学装置:
【化3】

【請求項23】
少なくとも一つのR’またはR基における前記原子価原子がOである、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項24】
前記少なくとも一つのR’基またはR基が、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニロキシ、アルキニロキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロアルキニルオキシ、アラルキルオキシ、アラルケニルオキシ、アラルキニルオキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシ、アルキニルカルボニルオキシ、ヒドロキシカルボニルオキシ、またはアルコキシカルボニルオキシである、請求項23に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項25】
前記少なくとも一つのR’基またはR基が、ヒドロキシまたはアルコキシである、請求項24に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つのR’基またはR基が、OH、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、またはイソプロポキシである、請求項25に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項27】
前記少なくとも一つのR基またはR’基が、Cl,Br,I,およびAtからそれぞれ独立に選択される、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項28】
前記少なくとも一つのR基またはR’基における前記原子価原子がNである、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項29】
前記少なくとも一つのR基またはR’基が、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニルアミノ基、ジアルケニルアミノ基、アルキニルアミノ基、ジアルキニルアミノ基、N−アルキル−N−アルケニルアミノ基、N−アルキル−N−アルキニルアミノ基、N−アルケニル−N−アルキニルアミノ基、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、N−アシル−N−アルケニルアミノ基、N−アシル−N−アルキニルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルキルアミノ基、N−アシル−N−シクロアルケニルアミノ基、N−アシル−N−アリールアミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、一の窒素原子価原子を含むヘテロ環基、および一の窒素原子価原子を含む置換されたヘテロ環基から選択される、請求項28に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項30】
前記少なくとも一つのR基またはR’基における原子価原子がSである、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項31】
前記少なくとも一つのR基またはR’基が、チオール基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アルキニルチオ基、アラルキルチオ基、アラルケニルチオ基、アラルキニルチオ基、シクロアルキルアルキルチオ基、シクロアルケニルアルキルチオ基、シクロアルキニルアルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルキニルチオ基、およびアリールチオ基から選択される、請求項30に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項32】
MがPt,Pd,またはIrである、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項33】
前記少なくとも一つの非平面状ポルフィリンが、Pt(テトラフェニルベンゾ−ポルフィリン)またはPd(テトラフェニルベンゾ−ポルフィリン)である、請求項11に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項34】
白金(テトラフェニルテトラベンゾポルフィリン):C60:バソキュプロインアルミニウム(Pt(TPBP)/C60/BCP/Al)でドープされたテトラセンおよび白金(テトラフェニルテトラベンゾポルフィリン):C60:バソキュプロインアルミニウム(Pt(TPBP)/C60/BCP/Al)でドープされたインジウム錫オキシドポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(ITO/PEDOT/P3HT)である、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項35】
有機光起電電池である、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項36】
光電導体セルである、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項37】
光検知器である、請求項1に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項38】
前記感光性光電子工学装置が有機光センサー、化学センサーおよび生物学的センサーである、請求項1位に記載の感光性光電子工学装置。
【請求項39】
アノード、カソードを含み、少なくとも一つの有機光導電性物質を少なくとも一つのアノードまたはカソードに接触させる、請求項1に記載の感光性光電子工学装置の製造方法であって、;
前記少なくとも一つの有機光導電性物質が少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質とおよび少なくとも一つの三重項形成ドーパント物質を含み、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質の量が前記少なくとも一つの三重項分裂ドーパント物質の量よりも多く、
前記少なくとも一つの一重項分裂ホスト物質が、光が吸収された際に一重項分裂を発現する物質から選択され、
前記少なくとも一つの三重項形成ドーパントがドーパントにより光が吸収された後に三重項励起子を形成する、製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【公表番号】特表2010−537407(P2010−537407A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521119(P2010−521119)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/072896
【国際公開番号】WO2009/023667
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(508230226)ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア (8)
【Fターム(参考)】