説明

両面熱印刷されるレシート

取引時に紙のレシートの両面に可変情報を印刷すれば、材料の節約になるし、受領者に情報を柔軟に提供することができる。発行する時の紙のレシートの両面への直接熱印刷について説明する。対向プリント・ヘッドを使用して、取引時にシングルパスで紙のレシートの両面が印刷される。両面感熱紙レシートの表面に印刷される取引アイテムの詳細と一緒に、割り戻し情報、コンテスト情報、連載漫画、販売条件、販売促進情報、クーポン情報、セキュリティ機能、チケット情報、および受領者識別または取引データまたは詳細に基づく顧客情報を含む裏面に印刷される異なるタイプの情報について説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面熱印刷されるレシートに関する。
【背景技術】
【0002】
取引レシートは、店舗ロゴ、広告、規則、規制等のような取引アイテムの詳細の他に情報を記載するために使用されてきた。予め印刷してある情報は、レシート用紙の裏面に記載されていて、一方、取引アイテムの詳細および補足情報は、取引が完了した場合に、レシートの表面に印刷される。クーポンのような補足情報は、レシートとは別に印刷されていて、取引時に顧客に渡される。
【0003】
取引時に印刷することにより、紙のレシートに直接追加することができる補足情報のタイプの柔軟性が増す。しかし、レシートの表面の過度の印刷は、場合によっては、紙の無駄になるか、または受領者を混乱させる。
【0004】
自動金融および小売取引のための従来のレシートは、所有者のコストを低減するために低コストの印刷技術を一般に使用してきたために、実際に提供される印刷解決方法のタイプが制限される。しかし、例えば、米国特許第6,784,906号公報および第6,759,366号公報に記載されているように、両面熱画像形成は、両面レシートを合理的に商業的に印刷することができる機会を広げる。
【特許文献1】米国特許第6,784,906号公報
【特許文献2】米国特許第6,759,366号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
取引時に紙のレシートの両面に可変情報を印刷すれば、材料の節約になるし、受領者に情報を柔軟に提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明においては、発行する時の紙のレシートの両面への直接熱印刷について説明する。対向プリント・ヘッドを使用して、取引時にシングルパスで紙のレシートの両面が印刷される。
【0007】
両面感熱紙レシートの表面に印刷される取引アイテムの詳細と一緒に、割り戻し情報、コンテスト情報、連載漫画、販売条件、販売促進情報、クーポン情報、セキュリティ機能、チケット情報、および受領者識別または取引データまたは詳細に基づく顧客情報を含む裏面に印刷される異なるタイプの情報について説明する。
【0008】
以下の説明および添付の特許請求の範囲を読めば、他の利点および機能を理解することができるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、発行時に取引レシートまたはチケットの両面シングルパス印刷に使用することができる両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタ10の略図である。プリンタ10は、例えば、米国特許第6,784,906号公報(特許文献1)および第6,759,366号公報(特許文献2)に記載されているように、感熱性染料で各面がコーティングされているセルロース系またはポリマー基材シートを有する両面感熱紙であるレシート媒体20上で動作する。多色印刷したい面に異なる温度に対する感度を有する2つ以上の染料を使用することにより、レシートの両面に多色印刷機能を与えることができる。基材および直接熱印刷媒体に対する感熱変色コーティングは、通常、当業者であれば周知のものである。両面直接熱印刷は、媒体20の対向面の異なる温度に対する感度を有する染料を含む媒体20により、または媒体20の片面の熱印刷が、媒体20の対向面の着色に影響するのを防止するための耐熱性基材を使用することにより容易に行うことができる。
【0010】
図1に示すように、プリンタ10は、レシートまたはチケット媒体20の対向面に回転プラテン30および40、およびサーマルプリント・ヘッド50および60を有する。媒体20の両面直接熱印刷は、取引時またはレシートまたはチケットの発行時にシングルパスで行われる。媒体20は、通常、印刷完了時に、個々のレシートまたはチケットを提供するために切断または分割される。
【0011】
図2Aは、レシート80の表面に印刷されている発行者識別、時間、日付、ライン・アイテム・エントリおよび取引合計金額のような取引の詳細70である。図2Bは、例えば、レシート80の裏面に印刷されている取引時に確認した受領者識別または取引の詳細に基づく顧客情報90である。例えば、顧客情報90は、別のまたは複製の取引情報、図に示すクーポン、割り戻しまたはコンテスト情報、連載漫画、販売条件、文書画像、広告、セキュリティ機能、チケット情報、または例えば、受領者識別または取引データまたは詳細に基づく顧客情報のような他の情報を含むことができる。
【0012】
レシートにコンテストまたは割り戻し情報を印刷すると、消費者にとって使い易くなり、便利になる。例えば、販売する製品の自動識別に基づいてレシートの裏面にこのような可変情報を印刷すると、もっとコンパクトになり、顧客が使用する文書の用紙のコストが安くなる。例えば、顧客が保持のために印刷したコピーを分割することができるようにしながら、割り戻しまたはコンテスト用途をサポートするために、レシートの表面または裏面に取引の詳細を複製することができる。例えば、取引の詳細をレシートの表面にコピーし、割り戻しの指示を取引の詳細のコピーの対向面の裏面に印刷することができる。次に、レシートは2つの部分に分割され、一方の部分には、取引の詳細のコピーが印刷され、他方の部分には、他の面に印刷された割り戻しの指示を含む他の取引の詳細のコピーが印刷される。次に、レシートのこの第2のものは割り戻し処理のために送られる。
【0013】
製品参照を含む小売レシートの裏面に連載漫画が印刷されていれば、製品または小売業者への興味を刺激することができる。内容が適切な場合には、連載化によりそれ自身の熱心な支持者ができ、そのため、販売を促進するための刺激をさらに増大することができる。一方の面にレシート取引の詳細が印刷されていて、他方の面に連載漫画が印刷されている両面感熱紙を使用して印刷したレシートは、行われた購入により商品配置テキストを含むようにちらし上にカスタマイズすることができる。
【0014】
両面直接感熱紙を使用すれば、期間および条件をレシートを発行すると同時にレシートの裏面に直接印刷することができる。その場で印刷すれば、返品ポリシーのような期間および条件を販売中のアイテムに合わせて調整することができる。例えば、器具の期間および条件は電子装置の期間および条件とは異なる場合がある。確実に全部の適当な期間および条件がレシート上に表示され、頂部または底部が切断されないように、印刷が制御される。両面熱媒体を使用すれば、予め印刷した紙よりも安価になるものと予想され、供給業者からのレシート媒体のリードタイムが短縮する。
【0015】
レシートと一緒のクーポンまたは店舗販売促進情報の印刷は、レシートの印刷を含み、その後でクーポンまたは販売促進情報が印刷される。別の方法としては、クーポン、広告または他の販売促進情報は、印刷機またはデジタル・プレスによりレシート用紙の裏面に予め印刷される。このような印刷の一例が、カタリナ・クーポン・プリンタである。両面直接感熱紙を使用すれば、クーポンまたは販売促進情報をレシートを発行すると同時にレシートの裏面に直接印刷することができる。これにより、別々の紙にレシートおよび販売促進情報を印刷する場合と比較すると、取引時間を短縮し、紙の要件を低減することができる。この場合も、予め印刷した補足情報を含む場合と比較すると、両面熱媒体を使用すれば、コストが安くなり、供給業者からのレシートのリードタイムが短縮する。また、両面印刷を使用すれば、可変または顧客情報を確認し、情報が予め印刷されていない場合には、取引時に印刷することができる。
【0016】
一方の面が色刷りであり、他方の面が黒で印刷してある両面感熱紙、または各面が他の異なる色で印刷されている両面感熱紙は、特定のテキストを区別し、強調する。この技術は、保証または特定の保証、警告、または特定の条件またはイベント等を強調するために使用される。一面に2つ以上の熱活性型の色の一面または両面を含む両面感熱レシート用紙は、必要な場合には、テキストをこのように強調することがでる。
【0017】
コンサート、スポーツ・イベント、巡業ショー(例えば、サーカス)等のチケットは、多くの場合、その場で販売されるか、またはチケット代理店により販売され、郵送するために事前に購入しなければならない。レシートの1つの形であるチケットは、特定の開催地用に予め印刷され、多くの場合、不正な複製を防止するためにチケット上にセキュリティ機能を有する。これによりチケットを入手することができる場所を制限し、多くの場合、チケットの売れ行きがいい場合には、長い行列ができるか、または電話がなかなか繋がらない。さらに、販売業者がチケットを販売することができる異なる開催地の数は、各開催地用に別々の一組のチケットを印刷しなければならない場所に制限される。
【0018】
両面直接感熱紙を使用すれば、任意の開催地用のチケットを柔軟に印刷することができる。何故なら、開催地特有の情報を印刷することもできるし、特定のバーコード、ID番号のようなセキュリティ情報、または(例えば、片面に2色熱印刷を使用して)色さえも印刷することができるからである。片面感熱チケット上にすべての必要な情報を印刷しようとした場合には、チケットのサイズが扱いにくくなる場合もあるし、またはフォント・サイズを読みにくくなるほど小さくしなければならない場合もある。両面直接感熱紙チケットを使用すれば、誰でも、例えば、セルフ・サービス・キオスクで臨機応変に印刷したチケットを購入することができるし、チケットが入手し易くなり、もっとチケットが売れるようになる。
【0019】
情報技術システムにより捕捉し、回収し、または計算することができる顧客識別、製品情報、取引の詳細、過去のデータまたは類似のデータに基づいて、補足またはカスタマイズした情報を自動的に決定し、熱印刷することができる。例えば、補足またはカスタマイズした情報は、例えば、サービス代理店または顧客が走査したまたは手動で入力した取引データを含む電子化されたデータベース・ルックアップまたは取引データ・エントリにより提供されたデータをベースとしている。
【0020】
今まで広義の本発明の多数の特定の実施形態または例を説明してきた。本発明は、また、本明細書には記載していない種々様々な他の方法で実行することができる。本発明の多くの他の実施形態も添付の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】発行時に取引レシートまたはチケットの両面シングルパス印刷に使用することができる両面画像形成ダイレクト・サーマル・プリンタの略図である。
【図2A】表面に取引の詳細が印刷されているレシートである。
【図2B】取引時に決めた可変情報のような裏面に印刷された補足情報を含む取引レシートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシートを発行するための方法であって、前記レシートを発行する場合に、対向プリント・ヘッドを使用して、シングルパスでレシート媒体の両面に印刷するステップを含む方法。
【請求項2】
前記媒体が、両面感熱紙である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体が、直接熱印刷により印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
取引データが、前記レシートの一方の面に印刷され、割り戻し情報が前記レシートの他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記取引データが、前記レシートの両面に印刷され、その一方の面には、前記取引データが、前記割り戻し情報と一緒に印刷される、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
取引データが、前記レシートの両面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
取引データが、前記レシートの一方の面に印刷され、コンテスト情報が、前記レシートの他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記取引データが、前記レシートの両面に印刷され、その一方の面には、前記取引データが前記コンテスト情報と一緒に印刷される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
取引データが、前記レシートの一方の面に印刷され、連載漫画が前記レシートの他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記連載漫画が、取引データに基づいてカスタマイズされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記連載漫画が、取引の内容に基づいて製品情報を提示する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
取引データが、前記レシートの一方の面に印刷され、前記取引データに基づいたカスタマイズ情報が、他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
取引データが、前記レシートの一方の面に印刷され、販売条件が、前記レシートの他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記販売条件が、販売するアイテムのタイプに従って調整される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
取引データが、前記レシートの一方の面に印刷され、販売促進情報が、前記レシートの他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記販売促進情報が、クーポン情報である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記レシートの一方の面の印刷の色が、前記レシートの他方の面の印刷の色とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記レシートの一方の面の色が、前記レシートに印刷された特定の内容のテキストを強調する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記媒体が、前記レシートの各面に異なる熱活性型の色を有する両面感熱紙である、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記印刷が、前記レシートの一方の面の少なくとも2つの色である、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
チケット情報が、前記レシートの一方の面に印刷され、セキュリティ機能が前記レシートの他方の面に印刷される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記セキュリティ機能が、バーコードである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記セキュリティ機能が、識別コードである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
取引情報を顧客に提供する方法であって、
(1)顧客との取引を完了することができるようにするステップと、
(2)取引時にシングルパスで対向プリント・ヘッドによりレシート媒体の両面に印刷できるようにし、それにより取引データが前記レシートの両面に印刷される場合に、レシートを生成することができるようにするステップと、
(3)前記顧客に前記レシートを発行することができるようにするステップとを含む方法。
【請求項25】
前記レシートの一方の面に印刷された前記取引データが、前記レシートの他方の面に印刷された前記取引データとは異なる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
顧客との商取引を促進する方法であって、
(1)前記顧客との取引を完了することができるようにするステップと、
(2)取引時にレシート媒体の両面に印刷できるようにし、それにより取引データが前記レシートの一方の面に印刷され、前記レシートの他方の面に販売促進情報が印刷される場合に、レシートを生成することができるようにするステップと、
(3)前記顧客に前記レシートを発行することができるようにするステップとを含む方法。
【請求項27】
前記販売促進情報が、前記顧客とのビジネスからのものである取引データに基づくものである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
取引条件を顧客に提供する方法であって、
(1)顧客との取引を完了することができるようにするステップと、
(2)取引時にレシート媒体の両面に印刷できるようにし、それにより取引データが前記レシートの一方の面に印刷され、前記取引条件が前記レシートの他の面に印刷される場合に、レシートを生成することができるようにするステップと、
(3)前記顧客に前記レシートを発行することができるようにするステップとを含む方法。
【請求項29】
印刷される前記取引条件が、取引データに従って前記取引時に選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
印刷される前記取引条件が、前記顧客に販売される製品のタイプに従って、前記取引時に選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
レシートとしての働きをするチケットを発行するための方法であって、
(1)顧客との取引を完了することができるようにするステップと、
(2)前記取引時に、チケット媒体の両面に熱印刷ができるようにし、それによりチケット取引データが前記チケットの両面に印刷される場合に、チケットを生成することができるようにするステップと、
(3)前記顧客に前記チケットを発行することができるようにするステップとを含む方法。
【請求項32】
前記チケットの一方の面に印刷された前記チケット取引データが、セキュリティ機能を備える、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記セキュリティ機能が、バーコードである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記セキュリティ機能が、ID番号である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記セキュリティ機能が、印刷の色である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
取引レシートであって、両面に感熱変色コーティング、一方の面に熱印刷された取引データ、および他方の面に熱印刷された補足情報を有する基材シート材料を備える取引レシート。
【請求項37】
前記レシートが、前記レシートの両面に熱印刷されたチケット情報を有するチケットである、請求項36に記載のレシート。
【請求項38】
前記レシートが、前記レシートの少なくとも一方の面に熱印刷されたセキュリティ機能を含む、請求項37に記載のレシート。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate


【公表番号】特表2008−544403(P2008−544403A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518208(P2008−518208)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/022495
【国際公開番号】WO2007/001795
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】