説明

二段階放出型医薬懸濁剤

本発明は、第1部分と第2部分とを含む、経口送達可能な二段階放出型医薬懸濁剤を提供する。第1部分は、液剤の形、顆粒剤、または担体/媒体中に懸濁した形であって、好ましくは液剤の形である、薬剤の即放性形態を含む。第2部分は、液剤化された薬剤の即放性部分中に懸濁され、コアと、活性薬剤の投与のための液剤形に適した少なくとも1種のコーティングとを含む微顆粒剤/微粒子剤の形の薬剤の除放性形態を含む。該コアは、少なくとも1種の活性薬剤または薬学的に許容される塩、誘導体,異性体,多形体,溶媒和物,水和物,類似体,鏡像異性体,互変異性型またはそれらの混合物と;随意に少なくとも1種の不水溶性ポリマー(類)と;随意に1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)と;少なくとも1種のpH非依存性不水溶性ポリマー(類)とを、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液剤の形、または微顆粒剤、または担体/媒体中に懸濁した形の、活性薬剤の即放性形態を含む第1部分と、コアと少なくとも1種のコーティングとを含む微顆粒剤/微粒子剤の形の、活性薬剤の徐放性形態を含む第2部分とを有する、経口送達可能な二段階放出型医薬懸濁剤に関する。該コアは、少なくとも1種の活性薬剤(類)、またはその薬学的に許容される塩、誘導体、異性体、多形体、溶媒和物、水和物、類似体、鏡像異性体、互変異性型、またはそれらの混合物と、随意に、少なくとも1種の不水溶性ポリマー(類)と、随意に、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とを含み、少なくとも1種のコーティングは、少なくとも1種のpH非依存性不水溶性ポリマー(類)を、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに含む。担体中にコーティングされた微粒子剤と液剤の活性薬剤が存在することにより、二段階の放出プロファイル、すなわち活性薬剤の即放性プロファイルと予め定められた徐放性プロファイルとを確実に実現し、更に該放出プロファイルを長時間にわたり確実に維持する。本発明は、レディーツーユース用の懸濁剤の形、または再構成用の粉剤の形のいずれかで提供することができる。更に本発明はこの懸濁剤の調製方法および使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
制御放出調製物は、薬物を長時間にわたり徐々に放出し、それによって従来の送達によって得られたものよりも長い、薬物作用の持続時間を達成するものである。一日に複数回投与する薬物や、患者間および/または患者内で変動性の高い薬物は、制御放出製剤として投与するとより高い治療効果が得られる。制御放出製品の利点は、医薬分野では周知であり、同レベルを達成するために必要となる投与回数が減るによって、患者のコンプライアンス(薬剤服用遵守)を向上しつつ、医薬品を長い間制御された様式で放出するという特徴を備える。様々な医薬活性成分の送達を行うための、様々な放出メカニズムを伴う、各種の制御放出組成物がこれまでに記載されてきた。また、嚥下困難な患者や、子供や幼児、何らかの理由で飲みこむことができない人や、製剤投与を体重に合わせて適用しなければならない人などには、錠剤やカプセルなどの製剤を投与することができないため、これらの錠剤やカプセルより複数回服用の液剤製剤が好ましい。
【0003】
米国特許第6958161号には、ドキシサイクリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ミノサイクリン、クロロテトラサイクリン、またはデメクロサイクリンの酸塩から成る群から選択される活性成分と、調節放出コーティングとを備える、1種またはそれ以上のコーティングされたコア要素を含む調節放出調製物が記載されている。In vitro溶解試験で保存後の溶解プロファイル上の任意の時点で放出される活性成分の量が、保存前の溶解プロファイル上の任意の時点で放出される活性成分の量の40パーセントポイント以内になるように、各コア要素とその調節放出コーティングとの間には安定化コーティングが施される。米国特許第6932981号には、制御放出形態として存在するセフロキシム、アクセタイル、および随意に、プロベネシドを含有するコア物質を含む急速崩壊型の制御放出経口組成物が記載されている。該制御放出形態は、a)官能基としてカルボキシ基を持つ、腸溶性メタクリル酸とメタクリル酸エステルアニオン性共重合体の分散水、またはそれらの混合物から選択されるポリマーの外側コーティングと、b)官能基として第四アンモニウム基を持つ、アクリレートおよびメタクリレートpH非依存性、中性共重合体、の分散水、またはそれらの混合物から選択される徐放性の共重合体の内側コーティングとを含み、該組成物は、4時間の間に80%より多い量のセフロキシムアクセチルを放出し、外側コーティングは、組成物からのセフロキシムアクセチルの初期の急速な放出を制御する。米国特許第5968554号には、(a)意図された送達時間にわたって有効量の該治療用薬剤の25〜75%を送達するのに十分な量の該治療用薬剤を含有するコアと、(b)該コアを覆う腸溶性ポリマーコーティングと、(c)意図された送達時間にわたって有効量の該治療用薬剤の25〜75%を送達するのに十分な量の、該腸溶性ポリマーコーティングを覆う該治療用薬剤のコーティングと、(d)該治療用薬剤の該コーティングを覆う、低pH可溶性保護用コーティングとを含有する、pH依存水溶性治療薬剤を送達するように適合された経口製剤送達形態が記載されている。
【0004】
PCT国際公開第WO200693838号には、1種またはそれ以上の活性薬剤を含有する、1種またはそれ以上の制御放出マイクロビーズを混合する工程と;チキソトロープ薬剤、水、および1種またはそれ以上の保存料を含有し、濃度が該1種またはそれ以上のマイクロビーズと同じ、またはほぼ同じである、高濃度のチキソトロープ液を、気泡形成を軽減する条件下で、調製する工程と;該マイクロビーズと該チキソトロープ溶液を、溶液に気泡の混入を軽減する条件下で、混合する工程とを含む、液剤の制御放出製剤の調製方法が請求されている。米国特許第4717713号には、懸濁剤形の薬物を制御放出するための生体内原位置(in−situ)ゲル化系が開示されている。水溶性または弱水溶性の薬物を長時間にわたり(10時間を超える)持続放出することは、in−situゲル化懸濁剤製剤では、可能ではない。PCT国際公開第WO0145706号には、1種またはそれ以上の経口送達可能な用量単位を含む、経口投与可能な医薬組成物が開示されている。各用量単位は、約10mg〜約400mg量の低水溶性のシクロオキシゲナーゼ2選択的阻害薬の第1部分で、薬学的に許容される溶媒中に、液剤の形で存在し、かつ/あるいはD50粒径が約5um未満の即放性固形粒子剤の形で存在する第1部分と、約10mg〜約400mg量の前記薬物の第2部分で、粒径が約25μmより大きい固形粒子として存在し、かつ/あるいは制御放出、遅延放出、プログラム放出、時間放出、パルス放出、徐放性または遅延放出の粒子として存在する第2部分とを含む。薬剤の第1部分と第2部分とは、重量比で、約10:1〜約1:10の割合で存在する。PCT国際公開第WO2007138466は、それを必要としている患者の中程度から重度の痛みの治療方法を開示している。この方法は、トラマドールまたはその薬学的に許容される塩または誘導体と、メロキシカムまたはその薬学的に許容される塩または誘導体と、1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物の投与を含む。該組成物は、トラマドールの遅延放出と、メロキシカムの即時放出とを提供する。PCT国際公開第WO2008064192号は、a)NSAIDおよび/または薬学的に許容されるそれらの塩から成る第1活性成分を含む第1部分であって、該第1活性成分は、剤形が溶出溶媒に接触すると実質的に即時放出の様式で、剤形から放出される、第1部分と、b)第2部分であって、i)その上に第2活性成分を結合して、薬物−樹脂複合粒子を形成するイオン交換樹脂粒子と;ii)該薬物−樹脂複合粒子を実質的に覆い、コーティングされた粒子を形成する、半透明のコーティング層と;iii)該コーティングされた粒子を実質的に覆う保護コーティング層とを含み、該第2活性成分は、剤形が溶出媒体に接触すると、調節放出の様式で、第2部分から放出される、第2部分とを含む、液剤の医薬剤形を開示している。剤形の第2部分から放出される該第2活性成分の治療的効果の継続時間は、該第1活性成分の治療的効果の継続時間と、実質的に同じである。
【0005】
米国特許第4762709号および第6328979号、米国特許公開第2005181050号およびPCT国際公開第WO9827961号および第WO2005117843号では、イオン交換樹脂を主体とする制御放出懸濁技術を開示している。イオン交換樹脂系(例えばPennkinetic系)は、保存中に著しい薬物溶出が無く、長期にわたる薬物放出を実現するが、これらの樹脂系は、樹脂に対して薬物の化学的結合が必要となるため、多くの簡便な薬物に適しているとはいえない。
【0006】
様々な薬物を制御放出するための、錠剤やカプセルの形の経口医薬製剤が現在存在している。これらの製剤は、嚥下困難を持つ患者および子供や幼児、何らかの理由で飲みこむことができない人や、更に製剤投与を体重に合わせて適用しなければならない人などに投与することができない。そのような用途には、錠剤やカプセルよりも、複数回投与の液状製剤が好ましい。1日に複数回投与される薬物や、患者内および/または患者間での変動性が高い薬物は制御放出製剤として投与されると、より治療効果が高くなる。薬物の制御放出のための液剤製剤は、製造が難しい。主な問題としては、錠剤の保存中に液相への薬物放出を阻止すること、口中のザラザラ感を防ぐために粒径の小径化が必要であること、薬物の不快な味を消すことなどがある。製剤の保存中に液相への薬物放出を防ぐ一方で、胃腸管に入るとすぐに薬物の制御放出を可能にすることを、水溶性または弱水溶性薬物で達成することはきわめて困難である。理由は、薬物が液剤中に保存される時間(約10〜15日)が、胃腸管の流体中における所望の放出時間(4〜16時間)に比べて、非常に長いからである。
【0007】
液剤医薬剤形に関してよくある問題は、薬物がしばしば不快な味を呈することであり、多くは薬物が液剤の形にあるときに顕在化する。場合によっては甘味剤や着香剤を液剤製剤に添加することにより、その剤形における薬物の味が抑えられることもある。これらの物質は薬物の苦味や不快な味を消すが、医薬品の不快な味を隠すのに完全に効果的というわけではない。
【0008】
また、液剤懸濁剤剤形では、懸濁剤状態の薬物の維持に関連する安定性の問題が発生する。うまく製剤されていない液剤医薬懸濁剤は、薬物を沈殿物として沈殿させ、その結果、懸濁剤中の薬物の治療濃度を低下させる。その結果患者が過少量服用や過剰服用になり、患者の回復を著しく遅らせる。
【0009】
また、製剤の投与が簡便に行えるように、医薬懸濁剤は即注入可能でなければならない。医薬懸濁剤が直ちに注入可能であるための要件は、懸濁剤の粘度の上限を効果的に定めることである。この上限は、また懸濁剤が懸濁する医薬活性剤の量を間接的に制限する。
【0010】
これらの問題を考慮すると、高度の安定性および良好な味遮蔽特性を有して、レディーツーユースの安定した医薬懸濁剤を開発することが望ましい。そのために、活性成分の沈殿を軽減し、好ましい味の液剤製剤を提供する、医薬活性剤のための安定な懸濁剤系が求められている。
【0011】
本発明は、甘味剤および着香剤と結合し、口当たりの良好な液剤を提供する、医薬活性剤のための安定な水溶性懸濁剤系を開示する。更に、この剤形は、物理化学的に安定であり、特に高齢者および小児の両者の用途に適している。
【0012】
しかし、上述の先行技術文献のいずれにも、本発明に関して記載したような、安全性が高く、有効で、製剤が簡単である、医薬組成物は、開示されていない。先行技術を検討すると、効果的な患者管理を今まで妨げてきた、先行技術の組成物に関する欠点を解消しうる治療法を提供する医薬組成物を開発するという、医学的ニーズが今もなお達成されずに存在していることが明らかになった。特に、少なくとも治療の全期間という長い期間にわたり、安定した状態を保ち、かつ活性薬剤(類)の所望の制御放出を提供する、医薬組成物の開発が必要とされていることは明らかである。
【0013】
驚くべきこととして、薬物の徐放性顆粒がその薬物の液剤中に保存されると、薬物は徐放性顆粒から外側の液剤には拡散しないこと、その製剤の放出プロファイルが十分な時間にわたって同レベルに維持され、良好な安定性を提供するということが我々の製剤科学者によって発見された。この技術は、即放性と徐放性の同時放出が望まれる薬物に適用することができる。
【0014】
二段階放出型医薬懸濁剤は、再構成されると、消費されるまで、安定性を保ち、かつ活性薬剤(類)の二段階放出を提供する。除放性/持続放出性懸濁剤に関する主な問題点は、懸濁剤の長時間にわたる安定した放出プロファイルの提供である。再構成の後、薬物によっては薬物樹脂複合粒子/顆粒から出て、例えば、制御放出性のヒドロコドン樹脂複合体およびフェニルトロキザミン樹脂複合体であるTussionex懸濁剤のような、懸濁剤の媒体中に入るので、それ以降の日々では放出プロファイルが変化する。長い間に、この製剤が即放性懸濁剤として行動することになる。薬物が微顆粒剤から懸濁剤の担体に入るのを防ぐために、研究者等は、pH依存性コーティングの適用を試してきた。しかしながら、これは、顆粒上のコーティング数や懸濁剤中の固形内容量を増加させ、また工程を複雑化させてしまう。現在の調査研究が目指すのは、pH非依存性コーティングを顆粒の上に適用することによって徐放性部分を得て、薬物液剤によって即放性部分を達成することである。1つの製剤中に、これらの2つの薬物部分が存在することにより、長期にわたって、安定な放出プロファイルを実現する。
【0015】
本発明は、先行技術の制限を克服する懸濁剤を提供し、疾病(類)の管理において安全かつ有効であって、特に付随する安定性の問題を解決した、組成物を提供し、それによって、関連分野に著しい進歩をもたらすものである。本発明の組成物は、再構成によって調製することができる液剤調製物、あるいはレディーツーユース用の懸濁剤のいずれでもよいため、患者に柔軟度を提供することができる。この組成物は、安定した二段階放出プロファイルを、所定の時間にわたって提供する。また、この組成物は薬物の苦味を遮蔽するため、患者のコンプライアンスの向上にも繋がる。
【発明の概要】
【0016】
本発明の1つの目的は、活性薬剤、またはその薬学的に許容される塩、誘導体、異性体、多形体、溶媒和物、水和物、類似体、鏡像異性体、互変異性型またはそれらの混合物の即放性部分と徐放性部分とを含む、経口二段階放出型医薬懸濁剤を提供することであり、活性薬剤の上述の2つの部分の比率、すなわち遅延放出部分に対する即時放出部分の比率は、約20:1〜約1:20の固定比率であり、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)を含む。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、液剤、懸濁剤、およびコーティングされていない微顆粒剤の形の活性薬剤の即放性部分と、随意に1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とを含む二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。
【0018】
本発明の1つの目的は、コアと、少なくとも1種のコーティングとを含むコーティングされた微粒子剤の形の活性薬剤の徐放性部分を含む、二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。コアは、少なくとも1種の活性薬剤(類)と、不水溶性ポリマー(類)とを、随意に、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに含み、少なくとも1種のコーティングは、少なくとも1種のpH非依存性の不水溶性ポリマー(類)と、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とを含む。
【0019】
本発明のもう1つの目的は、液剤の形や即放性のコーティングされていない微顆粒剤の形の活性薬物を含む水性懸濁媒体中に、上述の微顆粒剤が懸濁する、二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。
【0020】
本発明のもう1つの目的は、徐放性微顆粒剤から水性懸濁媒体への薬物の拡散が、無視できるほど少なく、あるいはほぼゼロに近いため、長期間にわたり溶解プロファイルが変化しないような様式で、薬物の徐放性微顆粒剤が水性懸濁媒体中に懸濁される、二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、コーティングされた徐放性顆粒と、薬物およびコーティングされていない顆粒を含む水性懸濁媒体との間に形成される薬物濃度勾配に、薬物の拡散が依存するように、薬物の徐放性顆粒が水性懸濁媒体中に懸濁される、二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。これによって、保存時に製剤の安定な溶解プロファイルが得られ、したがって保存寿命が延びる。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、水性媒体中に少なくとも1種の溶解度修正薬剤(類)を含有する、二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。水性媒体中の即放性形態の活性薬剤(類)の量は、可溶化剤または溶解度修正薬剤の約1%〜約50%の範囲で変化しうる。
【0023】
本発明の1つの目的は、レディーツーユース用の懸濁剤または、再構成用の粉剤の形のいずれかの、二段階放出型医薬懸濁剤を提供することである。コア微粒子剤の粒径は、約1μm〜約1000μmの範囲である。
【0024】
本発明のもう1つの目的は、上述の医薬懸濁剤の調製方法であって、
i)コアと少なくとも1種のコーティングとを含有する微粒子剤を調製する工程と、
ii)工程(i)の組成物を、液剤の形、懸濁した形、またはコーティングされていない微粒子剤の形の即放性部分を含む適切な媒体中に、懸濁させ、二段階放出型懸濁液を得る工程とを含む調製方法を提供することである。
【0025】
本発明の更に別の目的は、それを必要とする対象者に対して有効量の懸濁剤を投与する工程を含む、上述の二段階放出型医薬懸濁剤の使用方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は実施例1に記載の組成物の、パラセタモール再構成懸濁剤の溶解プロファイルを示す(2.5ヶ月間の、室温における安定性データ)。
【発明の詳細な説明】
【0027】
本発明は、活性薬剤またはその薬学的に許容される塩、誘導体、異性体、多形体、溶媒和物、水和物、類似体、鏡像異性体、互変異性型またはそれらの混合物を含有する、即放性部分と徐放性部分とを含む、経口二段階放出型医薬懸濁剤を提供する。活性薬剤の即放性部分と徐放性部分は、約20:1〜約1:20の固定比率であり、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)を含む。
【0028】
本発明に係る活性剤は、その薬学的に許容される塩、誘導体、異性体、多形体、溶媒和物、水和物、類似体、鏡像異性体、互変異性型またはそれらの混合物を含む。
【0029】
本発明の文脈において、「二段階放出」は、作用の即時開始を達成するための、活性薬剤の初期の即時放出と、その後に続く、作用を長期に持続するための、徐放性の放出とを含む放出と定義することができる。
【0030】
本発明の文脈において、「微粒子剤」という用語は、「微顆粒剤」、「マイクロカプセル」、および「マイクロスフェア」と同義的に用いることができる。
【0031】
1つの実施態様において、本発明は、液剤の形、懸濁剤、およびコーティングされていない微顆粒剤の形の活性薬剤の即放性部分と、随意に、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とを含む二段階放出型医薬懸濁剤を提供する。
【0032】
別の実施態様において、本発明は、コアと少なくとも1種のコーティングとを含む、コーティングされた微粒子剤の形の活性薬剤の徐放性部分を含む、二段階放出型医薬懸濁剤を提供する。コアは、少なくとも1種の活性薬剤(類)と、随意に、少なくとも1種の不水溶性ポリマー(類)と、随意に、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とを含み、少なくとも1種のコーティングは、少なくとも1種のpH非依存性不水溶性ポリマー(類)とを、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに含む。コーティングされた微顆粒剤は、液剤形の活性薬剤の即放性部分を含む水性媒体中に懸濁される。
【0033】
更に別の実施態様において、本発明は、液剤の形の活性薬剤と、即放性のコーティングされていない微顆粒剤の形の活性薬剤とを含む水性媒体中に上述の微顆粒剤が懸濁される、二段階放出型医薬懸濁剤を提供する。
【0034】
別の実施態様において、本発明は、水性媒体中に、コーティングされた微粒子剤を、少なくとも1種の溶解度修正薬剤(類)とともに含有する二段階放出型医薬懸濁剤を提供する。水性媒体中の即放性形態である活性薬剤(類)の量は、可溶化剤または溶解度修正薬剤の量を変化させることによって、変化しうる。
【0035】
好ましい実施態様において、本発明は、活性薬剤(類)の経口投与用の懸濁剤のような液剤医薬製剤に関する。懸濁剤は二段階方式で、活性薬剤(類)を放出する。すなわち、まず活性薬剤を即放性として、次に徐放性として放出し、これは液剤製剤の保存中に著しく変化することはない。
【0036】
懸濁剤が徐放性のコーティングされた微顆粒剤と、即放性のコーティングされていない微顆粒剤とを含む場合、本発明の懸濁剤は、経口投与を目的とする薬物の苦味を遮蔽するのに有用である。また本発明の二段階放出型医薬懸濁剤は、消費されるまで、そのままの状態を維持し、活性薬剤(類)の即時性放出と徐放性放出とを提供する。二段階放出型懸濁剤は、その保存寿命の間の保存中に、分散粒子や固化物の実質的な堆積物を形成しない。浮遊沈殿物を形成する粒子は、使用前に振ることによって、容易に再懸濁させることができる。
【0037】
1つの実施態様において、本発明で有用な活性薬剤は、好ましくは、治療期間が短期間から中期間の、鎮痛剤、抗生物質、抗炎症薬物、解熱剤、抗ヒスタミン等のような活性薬剤である。
【0038】
本発明の別の実施態様において、本発明の懸濁剤は、より長期の治療期間に有用な活性薬剤を含有しうる。
【0039】
好ましい実施態様において、本発明の活性薬剤は、単独で、または組み合わせて用いられる、パラセタモール、ニメスリド、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ケトプロフェン、ジフルニサール、ピロキシカム、ナプロキセン、レボセチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アスピリン、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、メトホルミン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ビルダグリプチン、シタグリプチン、メトクロプラミド、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、デスロラタジン、メクリジン、クェチアピン、フェキソフェナジン、フェニラミン、セチリジン、プロメタジン、クロルフェニラミン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ラフチジン、メトロニダゾール、クロルプロマジン、フルフェナジン、プロクロルペラジン、リマンタジン、アマンタジン、エムトリシタビン、ラミブジン、ジドブジン、スタブジン、ザルシタビン、リトナビル、サキナビル、インジナビル、ネビラピン、シプロフロカキシン、アモキシシリン、ボリコナゾール、ポサコナゾール、オキスカルバゼピン、カルバマゼピン、フェニトイン、等、または、それらの薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、および誘導体、を含む群から好ましくは選択される少なくとも1種の活性薬剤(類)からなる群から選択されるが、この群に限定されることはない。
【0040】
本発明の1つの実施態様において、活性薬剤(類)は、懸濁剤組成物の総重量の約1重量%〜約70重量%を占める。
【0041】
本発明の1つの実施態様において、微粒子剤のコア組成物中に存在する不水溶性ポリマー(類)は、後述のpH非依存性ポリマーまたはそれらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。
【0042】
本発明の別の実施態様において、コーティング組成物は、活性薬剤(類)の徐放性を付与するのを補助する放出制御系として形成される。
【0043】
1つの実施態様において、コアをコーティングするための放出制御系は少なくとも1種のpH非依存性不水溶性ポリマー(類)と、1種またはそれ以上の他の医薬賦形剤(類)とを含有する。
【0044】
本発明の1つの実施態様において、微粒子剤はマトリックスからなり、熱溶解造粒技術を用いて、簡便に製造される。
【0045】
本発明の1つの実施態様において、微粒子剤のコア組成物中に存在する脂質薬剤(類)は、後述の、蜜蝋、カルナバワックス、セチルパルミテート、コンプリトール 888 ATO (グリセリルベヘネート)、グリセリルモノステアレート、プレシロール ATO (グリセリルパルミトステアレート)、水添のヒマシ油、パラフィンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、グリセリルトリミリスチン酸塩(Dynasan 114)、ゲルシル、ステロテックス K またはそれらの混合物、を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。
【0046】
1つの実施態様において、pH非依存性ポリマーは、ポリアクリレートポリマー(例えば、Eudragit NE 3OD, Eudragit RS, Eudragit RL)などのような、アルキルセルロース、またはそれらの混合物、を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。
【0047】
1つの実施態様において、本発明のpH非依存性ポリマーは、不水溶性である。
【0048】
本発明の別の実施態様において、pH非依存性不水溶性ポリマーは、ポリアクリレートポリマー、例えば、Eudragit NE 3OD、Eudragit RS、Eudragit RLなど、またはセルロースポリマー、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、セルロースアセテートなど、またはそれらの混合物を含む群から選択される。
【0049】
更に別の実施態様において、pH非依存性ポリマーは、Eudragit RS 3ODである。
【0050】
別の実施態様において、コーティングの上の重量利得は、微粒子剤の総重量の約5重量%〜約50重量%である。
【0051】
本発明の1つの実施態様において、二段階放出型医薬懸濁剤中に存在する溶解度修正薬剤は、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フラクトース、デキストロース、サクロース、マルトース、部分的に加水分解したデンプン固形分、部分的に加水分解したコーンシロップ固形分、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、クエン酸ナトリウム、および水酸化マグネシウムなどであるが、これらに限定されることはない糖質類と、フマル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、またはコハク酸、などであるがこれらに限定されることはない弱酸類と、L−アルギニンおよびL−リシルなどであるが、これらに限定されることはないアミノ酸類とを含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。
【0052】
本発明の1つの実施態様において、溶解度修正薬剤は、最終組成物の約5重量%〜約50重量%の範囲で含まれる。
【0053】
本発明の1つの実施態様において、二段階放出型医薬懸濁剤中に存在しうる、懸濁剤のための、生体内原位置(in−situ)ゲル化剤は、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩;または、ローカストビーンガム、キサンタンガム、トラガカント、キシラン、アラビノガラクタン、寒天、ジェランガム、グアーガム、アプリコットガム(Prunus armeniaca, L)、カラゲナン、ペクチン、アカシアガム、デキストラン、アラビアガム、などのようなガムおよび、それらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。好ましい実施態様において、アルギン酸ナトリウムがin−situゲル化剤として用いられている。
【0054】
本発明の別の実施態様において、本発明の薬学的に許容される賦形剤(類)は、充填剤、粘度修正剤、固化防止剤、チキソトロープ剤、酸化防止剤、着色剤、着香剤、甘味剤、保存料、滑沢剤、キレート剤、可塑剤、担体、湿潤剤、錯化剤、緩衝剤、保存料、懸濁剤、放出修正剤などの当業者に周知のものを含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。またそれらは単独で、または組み合わせて用いられる。なお、本発明の組成物中に用いられるいくつかの賦形剤は、2種以上の目的を果たすことがある。
【0055】
本発明の1つの実施態様において、増粘剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびその誘導体のような、セルロース誘導体、微結晶性セルロース、カルボマー、またはローカストビーンガム、キサンタンガム、トラガカント、キシラン、アラビノガラクタン、寒天、ジェランガム、グアーガム、アプリコットガム、カラゲナン、ペクチン、アカシアガム、デキストラン、アラビアガム等、のようなガムまたはそれらの組合せを含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。
【0056】
本発明の別の実施態様において、本発明において有用な湿潤剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性イオン性の界面活性剤、またはそれらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない、界面活性剤である。適切な湿潤剤の例には、ラウリル硫酸ナトリム、セトリミド、ポリエチレングリコール;ポロキサマーとして知られる、ポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレンブロック共重合体;デカグリセリルモノラウレートおよびデカグリセリルモノミリステートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル;ソルビタンモノステアレート(SPAN 80)などのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ツイーン 80、ツイーン 40)のようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノステアレートのようなポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン硬化キャスターオイルのようなポリオキシエチレンキャスターオイルおよび硬化キャスターオイル;等、およびそれらの混合物が含まれる。
【0057】
本発明の別の実施態様において、本発明で用いられる保存料は、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラベン;安息香酸ナトリウム、セントリミド等、またはそれらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。適切な滑沢剤は、タルク;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、アエロジル 200などのコロイド状二酸化ケイ素;フマル酸ステアリルナトリウム、水添の植物油等、またはそれらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない。適切な甘味剤は、サクロース、、サッカリン、圧縮砂糖、アスパラテーム、サッカリンまたはそれらの混合物を含む。本発明で有用な適切な固化防止剤は、非結晶系シリカである。
【0058】
1つの実施態様において、本発明の組成物は、レディーツーユース用の懸濁剤の形、または再構成用の粉剤の形のいずれかである、懸濁剤のような経口液剤医薬製剤に関する。造粒技術は、水性または非水性のいずれかであり、より好ましくは湿性造粒である。好ましい実施態様において、粉剤または顆粒の製剤は、医薬製剤の製造分野において一般的に従来からある技術を用いて製造されうる。例えば、適切な製造技術は、乾燥した粉末または顆粒の成分を適切な賦形剤(類)と混合する工程と、適切な媒体中に分散し液剤製剤組成物を形成する工程とを含む。
【0059】
本発明の別の実施態様において、懸濁剤は、活性薬剤(類)と、1種またはそれ以上の賦形剤(類)とを含有する乾燥粉末または顆粒物質の形で、提供されることもある。これに水を添加し、均質な製剤を得るように混合することによって、新鮮な液剤懸濁剤形に調製することができる。顆粒は、熱溶解造粒技術に従って、調製されうる。より好ましくは、顆粒はポリマー系でコーティングすることにより、液剤製剤の保存中に変化することのない制御放出プロファイルを持つ薬物の製剤を提供する。
【0060】
別の実施態様において、本発明の懸濁剤は、遅延放出懸濁剤、または即時放出と遅延放出懸濁剤の組み合わせとして製剤することができる。本発明の別の実施態様においてコア微粒子剤の粒径は、約0.5μm〜約2000μmまたは約1μm〜約1000μmまたは約50μm〜約500μmの範囲でありうる。
【0061】
1つの実施態様において、本発明は、対象者の口中に投与されると不快な味または苦味を発する活性薬剤を経口投与するための、液剤の味遮蔽制御放出医薬懸濁剤を提供する。
【0062】
本発明の1つの実施態様において、本発明の医薬剤形組成物は、上述の懸濁剤などのように固形または液剤の調製物の、経口剤形として製剤される。
【0063】
好ましい実施態様において、粉剤または顆粒の製剤は熱溶解造粒技術を用いて製造されうる。この技術では薬物を、熱溶解した脂質中に分散/溶解し、乾燥した後、所要の範囲の大きさの顆粒にする。この技術は医薬製剤の製造分野や、医薬製剤に再構成するための乾燥製剤の製造分野では一般的に従来から用いられているものである。例えば、適切な製造技術は、乾燥粉末または顆粒の成分を適切な賦形剤(類)と混合する工程と、圧縮して、錠剤のような固形の剤形を形成する工程、または、適切な媒体中に分散させ、液剤製剤組成物を形成する工程とを含む。好ましい実施態様において、本発明は、組成物が二段階様式で活性薬剤(類)を放出し、その際、活性薬剤製剤の放出プロファイルが液剤製剤の保存中に変化しないような、活性薬剤(類)の経口投与用の懸濁剤など液剤医薬製剤に関する。
【0064】
1つの実施態様において、医薬的に活性な薬剤(類)の剤形における適切な量は、その特定の薬剤、および/または意図された1日の服用量、および/または意図された使用方法に依存する。なお、本明細書中、明示的に記載されない限り、様々な薬剤に関し適切な1日の服用量は医薬製剤分野および薬理学分野の当業者には周知のものであり、かつ/または関連する文献等に見出すことができるものである。
【0065】
本発明の別の実施態様において、
i)コアと少なくとも1種のコーティングとを含有する微粒子剤を調製する工程と、
ii)工程(i)の前記組成物を、液剤の形、懸濁した形、またはコーティングされていない微粒子剤の形の即放部分を含む適切な媒体中に、懸濁させ、二段階放出懸濁液を得る工程とを含む、上述の医薬懸濁剤の調製方法を提供する。
【0066】
本発明の別の実施態様において、
i)コアと、少なくとも1種のコーティングとを含む微粒子剤を調製する工程と、
ii)少なくとも1種のin−situゲル化薬剤(類)と、少なくとも1種の架橋薬剤(類)と、随意に、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに、微粒子剤を含有する制御放出組成物を調製する工程と、
iii)随意に、工程(i)の組成物を、適切な再構成媒体中に分散し、制御放出懸濁剤を得る工程とを含む、上述の組成物の調製方法を提供する。
【0067】
本発明の別の実施態様において、
i)活性薬剤(類)と希釈剤(類)とを混合し、pH非依存性不水溶性ポリマー(類)と、随意に結合剤とを用いて、造粒することによって、コア組成物を調製する工程と、
ii)随意に1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに、pH非依存性不水溶性ポリマー(類)を含むコーティング組成物を用いて、コア組成物の上に第1コーティングを施す工程と、
iii)工程(iii)のコーティングされた顆粒を、随意に1種またはそれ以上の薬学的に許容され賦形剤(類)とともに、in−situゲル化剤(類)、架橋剤(類)と混合する工程と、
iv)工程(iv)の組成物を、随意に、適切な再構成媒体中に分散し、制御放出懸濁剤を得る工程とを含む、上述の組成物の調製方法が提供されている。
【0068】
本発明の更に別の実施態様において、必要とする対象者に有効量の懸濁剤を投与することを含む、上述の懸濁剤の使用方法が提供される。本発明の組成物は、疾病(類)または疾患(類)の予防、改善、および/または治療を含む、1種またはそれ以上の疾病/疾患の管理に有用である。
【0069】
更に別の実施態様において、組成物中に用いられている特定の活性薬剤に依存する、ウイルス感染症、細菌感染症、高血圧症、心不全の治療、中枢神経障害の管理、癲癇および様々な心臓欠陥障害、を含む群から選択されるが、その群に限定されることはない、1種またはそれ以上の疾病または疾患の治療のための医薬品の調製に本発明の懸濁剤を用いることと、その使用方法が提供される。別の実施態様において、本発明の懸濁剤は、予防または治療に用いることを目的としている。
【0070】
CR−SUSP
パラセタモール二段階放出型懸濁剤(実施例1)について、室温で、2.5ヶ月間、安定性試験を行った。更に、表1に示すように、異なる日にちの異なる時間帯において、溶解試験を実施した。また図1に、再構成された懸濁剤組成物に関する溶解プロファイルを示す。
【表1】

【0071】
次の表は、苦味を有する薬物の味を遮蔽する目的における、本発明の能力に関する考察を提供するものである。
(味評価試験)
(味評価):
製剤を調製し、治験者に投与することによって、その味を評価した。この試験のために7種の物質を選択した。治験者には、次の表2のスケールに基づいて味をランク付けするように伝えた。
【0072】
【表2】

【0073】
各治験者は、製剤を経口で1ml摂取した後、上述のスケールに基づいて、製剤をランク付けした。味評価の後、中心傾向尺度すなわち平均を用いてデータを評価した。
【0074】
結論:
製剤に関する平均値を観察すると、平均5.857であるパラセタモールCR懸濁剤は、味において良好であることが見出される。
【0075】
(実施例)
以下の各実施例は本発明の実施態様を説明するために提供されるものである。しかしながら、これらによって本発明の範囲を制限する意図はない。
【0076】
[実施例1]
通し番号 成分 量/単位
A) コア組成物
1. パラセタモール 250mg
2. コンプリトール ATO 888 250mg
B) コーティング分散液−1
3. Eudragit RS30D 229.33mg
4. セバシン酸ジブチル 14.90mg
5. タルク 29.75mg
6. ツイーン 80 0.16mg
7. サンセットイエロー 0.16mg
8. 精製水 少量(処理中に消滅)
C) 再構成可能な懸濁剤組成物
9. パラセタモール 100mg
10. コーティングされた顆粒 150 mg(等価物ベース)
11. キサンタンガム 15mg
12. アルギン酸ナトリウム 50mg
13. ビーガム 10mg
14. ソルビトール 125mg
15. イチゴフレーバー 0.75mg
16. メチルパラベン l0mg
17. コロイド状二酸化ケイ素 5mg
18. 精製水 少量から5ml
【0077】
手順:
i) コンプリトール ATO 888を秤量し、溶融した。
ii) パラセタモールを秤量し、工程(i)の溶解したコンプリトール ATO 888の中に、分散した。
iii)工程(ii)で調製した溶解した分散液を延ばして、層を形成させ、室温で、凝結させた。
iv) 工程(iii)で凝結させた塊を、#10のふるい(または同等のふるい)に通し、その後、メッシュ#40(または同等のふるい)を通して、顆粒を得た。
v) 工程(iv)で調製された顆粒を、ふるい#60に通し、回収した。
vi) 工程(v)からの顆粒を、ロール圧縮機で圧縮し、50℃で24時間保存した。
vii) Eudragit RS30D、セバシン酸ジブチル、タルク、ツイーン 80およびサンセットイエローを秤量し、精製水中に分散した。
viii) 工程(v)のコーティング分散液をろ過し、ろ過された物質を工程(vi)の顆粒の上にコーティングした。
ix) パラセタモール、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ビーガム、ソルビトール、メチルパラベンおよびイチゴフレーバーをともに秤量し、工程(viii)で得た顆粒とよく混合した。
x) 工程(ix)で得た混合物を、コロイド状二酸化ケイ素と混合し、少量から5mlの精製水を加えて混合することによって、懸濁剤を得た。
【0078】
パラセタモール再構成懸濁剤の2.5ヶ月間の溶解プロファイルは、図1に示すように、一定の状態を保っている。
【0079】
[実施例2]
通し番号 成分 量/単位
A) コア組成物
1. パラセタモール 250mg
2. Eudragit RSPO 37.5mg
3. アエロジル 2.5mg
4. イソプロピルアルコール
B) コーティング分散液−1
5. Eudragit RS30D 114.72mg
6. セバシン酸ジブチル 7.46mg
7. タルク 14.88mg
8. ツイーン 80 0.08mg
9. サンセットイエロー 1.17mg
10. 精製水 少量(処理中に消滅)
C) 再構成可能な懸濁剤組成物
11. パラセタモール 80mg
12. コーティングされた顆粒 232.5mg
13. アビセル CL611 8mg
14. アルギン酸ナトリウム 50mg
15. ビーガム 50mg
16. ソルビトール 250mg
17. イチゴフレーバー 0.75mg
18. メチルパラベン 10.0mg
19. コロイド状二酸化ケイ素 5mg
20. 精製水 少量〜5ml
【0080】
手順:
i) Eudragit RSPO、パラセタモールおよびアエロジルを秤量し、一緒に混合した。
ii) 工程(i)の物質をイソプロピルアルコールを用いて造粒した。
iii) 造粒した塊を乾燥した。
iv) 工程(iii)の乾燥した塊をふるい#10(または同等のふるい)に通し、その後、メッシュ#40(または同等のふるい)に通し、顆粒を得た。
v) Eudragit RS30D、セバシン酸ジブチル、タルク、ツイーン 80およびサンセットイエローを秤量し、精製水中に分散した。
vi) 工程(v)のコーティング分散液をろ過し、ろ過された物質を工程(vi)の顆粒の上にコーティングした。
vii) パラセタモール、アビセル CL611、アルギン酸ナトリウム、ビーガム、ソルビトール、メチルパラベンおよびイチゴフレーバーをともに秤量し、工程(viii)で得た顆粒とよく混合した。
viii) 工程(ix)で得た混合物を、コロイド状二酸化ケイ素と混合し、少量〜5mlの精製水を添加し、混合することによって、懸濁剤を得た。
【0081】
[実施例3]
通し番号 成分 量/単位
A) コア組成物
1. ナプロキセン 125mg
2. コンプリトール ATO 888 125mg
B) コーティング分散液−1
3. Eudragit RL30D 100.88mg
4. セバシン酸ジブチル 6.55mg
5. タルク 3.06mg
6. ツイーン 80 0.07mg
7. サンセットイエロー 0.07mg
8. 精製水 少量(処理中に消滅)
C) 再構成可能な懸濁剤組成物
9. ナプロキセン 25mg
10. コーティングされた顆粒 220mg
11. キサンタンガム 15mg
12. アルギン酸ナトリウム 50mg
13. ビーガム 10mg
14. イチゴフレーバー 0.75mg
15. メチルパラベン 10.0mg
16. コロイド状二酸化ケイ素 5mg
17. 精製水 少量〜5ml
【0082】
手順:
i) コンプリトール ATO 888を秤量し、溶融した。
ii) ナプロキセンを秤量し、工程(i)の溶解したコンプリトール ATO 888の中に分散した。
iii)工程(ii)で調製した溶解分散液を延ばして、層を形成させ、室温で凝結させた。
iv) 工程(iii)の凝結した塊をふるい#10(または同等のふるい)に通し、その後、メッシュ#40(または同等のふるい)を通し、顆粒を得た。
v) 工程(iv)で調製した顆粒を、ふるい#60に通し、回収した。
vi) 工程(v)からの顆粒をロール圧縮機を用いて圧縮し、50℃で、24時間保存した。
vii) Eudragit RL30D、セバシン酸ジブチル、タルク、ツイーン 80およびサンセットイエローを秤量し、精製水中に分散した。
viii) 工程(v)のコーティング分散液をろ過し、ろ過した物質を、工程(vi)の顆粒の上にコーティングした。
ix) ナプロキセン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ビーガム、メチルパラベンおよびイチゴフレーバーをともに秤量し、工程(viii)で得た顆粒とよく混合した。
x) 工程(ix)で得た混合物はコロイド状二酸化ケイ素と混合し、少量から5mlの精製水を添加し、混合することによって、懸濁剤を得た。
【0083】
[実施例4]
通し番号 成分 量/単位
A) コア組成物
1. アモキシシリン 400mg
2. ステロテックス 400mg
B) コーティング分散液−1
3. Eudragit RS30D 402.28mg
4. セバシン酸ジブチル 26.32mg
5. タルク 52.46mg
6. ツイーン 80 0.27mg
7. サンセットイエロー 0.27mg
8. 精製水 少量(処理中に消滅)
C) 再構成可能な懸濁剤組成物
9. コーティングされた顆粒 720mg
10. キサンタンガム 15mg
11. アルギン酸ナトリウム 50mg
12. ビーガム 10mg
13. サクロース 500mg
14. アモキシシリン l00mg
15. イチゴフレーバー 0.75mg
16. メチルパラベン 10mg
17. コロイド状二酸化ケイ素 10mg
18. 精製水 少量〜5ml
【0084】
手順:
i) ステロテックスを秤量し、溶解した。
ii) アモキシシリンを秤量し、工程(i)の溶解したテロテックス中に分散した。
iii) 工程(ii)で調製した溶解分散液を延ばし、層を形成させ、室温で凝結させた。
iv) 工程(iii)の凝結した塊をふるい#10(または同等のふるい)に通し、その後、メッシュ#40(または同等のふるい)に通して顆粒を得た。
v) 工程(iv)で調製した顆粒をふるい#60に通して、回収した。
vi) 工程(v)からの顆粒を、ロール圧縮機を用いて圧縮し、50℃で、24時間保存した。
vii) Eudragit RS30D、セバシン酸ジブチル、タルク、ツイーン 80およびサンセットイエローを秤量し、精製水中に分散した。
viii) ステップ(v)のコーティング分散液をろ過し、ろ過した物質を、工程(vi)の顆粒の上にコーティングした。
ix) アモキシシリン、キサントウーラル(xantural)180、アルギン酸ナトリウム、サクロース、ビーガム、メチルパラベンおよびイチゴフレーバーをともに秤量し、工程(viii)で得た顆粒とよく混合した。
x)工程(ix)で得た混合物をコロイド状二酸化ケイ素と混合し、少量〜5mlの精製水を添加し、混合することによって、懸濁剤を得た。
【0085】
[実施例5]
通し番号 成分 量/単位
A) コア組成物
1. シプロフロキサシン 500mg
2. コンプリトール ATO 888 500mg
B) コーティング分散液−1
3. Eudragit RS30D 443.52mg
4. セバシン酸ジブチル 28.87mg
5. タルク 57.49mg
6. ツイーン 80 0.29mg
7. サンセットイエロー 0.29mg
8. 精製水 少量(処理中に消滅)
C) 再構成可能な懸濁剤組成物
9. コーティングされた顆粒 920mg
10. キサンタンガム 15mg
11. アルギン酸ナトリウム 50mg
12. ビーガム 10mg
13. サクロース 500mg
14. シプロフロキサシン HCl 110.4mg
15. イチゴフレーバー 0.75mg
16. メチルパラベン 10mg
17. コロイド状二酸化ケイ素 10mg
18. 精製水 少量〜5ml
【0086】
手順:
i) コンプリトール ATO 888を秤量し、溶解した。
ii) シプロフロキサシンを秤量し、工程(i)の溶解したコンプリトール ATO 888中に分散した。
iii)工程(ii)で調製した溶解分散液を延ばし、層を形成させ、室温で凝結させた。
iv) 工程(iii)の凝結した塊をふるい#10(または同等のふるい)に通し、その後、メッシュ#40(または同等のふるい)を通して、顆粒を得た。
v) 工程(iv)で調製した顆粒を、ふるい#60に通し、回収した。
vi) 工程(v)の顆粒をロール圧縮機を用いて圧縮し、50℃°で24時間保存した。
vii) Eudragit RS30D、セバシン酸ジブチル、タルク、ツイーン 80およびサンセットイエローを秤量し、精製水中に分散した。
viii) 工程(v)のコーティング分散液をろ過し、ろ過した物質を、工程(vi)の顆粒の上にコーティングした。
ix) シプロフロキサシン HCl、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、サクロース、ビーガム、メチルパラベンおよびイチゴフレーバーをともに秤量し、工程(viii)で得た顆粒とよく混合した。
x) 工程(ix)で得た混合物を、コロイド状シリカと混合し、少量〜5mlの精製水を添加し、混合することによって、懸濁剤を得た。
【0087】
[実施例6]
(再構成のための粉剤)
通し番号 成分 量/単位
A) コア組成物
1. パラセタモール 250mg
2. コンプリトール ATO 888 250mg
B) コーティング分散液−1
3. Eudragit RS30D 272.14mg
4. セバシン酸ジブチル 17.69mg
5. タルク 35.30mg
6. ツイーン 80 0.19mg
7. サンセットイエロー 0.19mg
8. 精製水 少量(処理中に消滅)
C) 再構成可能な懸濁剤組成物
9. パラセタモール 100mg
10. コーティングされた顆粒 150mg(等価物ベース)
11. キサンタンガム 15mg
12. ソルビトール 125mg
13. サクロース 750mg
14. イチゴフレーバー 0.75mg
15. 安息香酸ナトリム 10.0mg
16. コロイド状二酸化ケイ素 5mg
【0088】
手順:
xi) コンプリトール ATO 888を秤量し、溶解した。
xii) パラセタモールを秤量し、工程(i)の溶解コンプリトール ATO 888中に分散した。
xiii) 工程(ii)で調製した溶解分散液を延ばして、層を形成させ、室温で凝結させた。
xiv) 工程(iii)の凝結した塊をふるい#10(または同等のふるい)に通し、その後、メッシュ#40(または同等のふるい)を通し、顆粒を得た。
xv) 工程(iv)で調製した顆粒を、ふるい#60を通して、回収した。
xvi) 工程(v)からの顆粒を、ロール圧縮機を用いて圧縮し、50℃で、24時間保存した。
xvii) Eudragit RS30D、セバシン酸ジブチル、タルク、ツイーン 80およびサンセットイエローを秤量し、精製水中に分散した。
xviii) 工程(v)のコーティング分散液をろ過し、ろ過した物質を工程(vi)の顆粒の上にコーティングした。
xix) パラセタモール、キサントウーラル(xantural)75、サクロース、ソルビトール、安息香酸ナトリムおよびイチゴフレーバーをともに秤量し、工程(viii)で得た顆粒とよく混合した。
xx) 工程(ix)で得た混合物を、コロイド状二酸化ケイ素と混合した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口二段階放出型医薬懸濁剤組成物であって、
a.最終組成物の約1重量%〜約70重量%の範囲の活性薬剤、またはその薬学的に許容される塩、誘導体,異性体,多形体,溶媒和物,水和物,類似体,鏡像異性体、互変異性型またはそれらの混合物の、即放性部分と徐放性部分とを含み;
b.前記即放性部分は、液剤、懸濁剤、またはコーティングされていない微顆粒剤の形であり;
c.前記徐放性部分は、コアと、少なくとも1種のコーティングとを含む水性懸濁媒体中に懸濁された、懸濁およびコーティングされた微粒子剤の形であり、前記コアは少なくとも1種の活性薬剤(類)と、随意に、少なくとも1種の不水溶性ポリマー(類)と、随意に、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)と;少なくとも1種のpH非依存性不水溶性ポリマー(類)とを、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)とともに、含む、少なくとも1種のコーティングとを含み、前記コーティング組成物は、徐放性微粒子剤総重量の約5重量%〜約50重量%を構成し、遅延放出部分に対する即放性部分は、約20:1〜約1:20の固定比率であり、1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(類)を含む、経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項2】
前記コア微粒子剤の粒径は、約0.5μm〜約2000μm、または約1μm〜約1000μm、または約50μm〜約500μmの範囲である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項3】
前記組成物が、単独で、または組み合わせて用いられる、パラセタモール、ニメスリド、ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ケトプロフェン、ジフルニサール、ピロキシカム、ナプロキセン、レボセチリジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アスピリン、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、メトホルミン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ビルダグリプチン、シタグリプチン、メトクロプラミド、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、デスロラタジン、メクリジン、クェチアピン、フェキソフェナジン、フェニラミン、セチリジン、プロメタジン、クロルフェニラミン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ラフチジン、メトロニダゾール、クロルプロマジン、フルフェナジン、プロクロルペラジン、リマンタジン、アマンタジン、エムトリシタビン、ラミブジン、ジドブジン、スタブジン、ザルシタビン、リトナビル、サキナビル、インジナビル、ネビラピン、シプロフロカキシン、アモキシシリン、ボリコナゾール、ポサコナゾール、オキスカルバゼピン、カルバマゼピン、フェニトイン、インジナビル、ネビラピン、シプロフロカキシン、アモキシシリン等、または、それらの薬学的に許容される塩、水和物、多形体、エステル、および誘導体、を含む群から好ましくは選択される少なくとも1種の活性薬剤(類)を含有する組成物である、請求項1または2に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項4】
前記pH非依存性不水溶性ポリマーは、ポリアクリレートポリマー、Eudragit RS、Eudragit RSPO、Eudragit RLまたは、エチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、セルロースアセテート、などのセルロースポリマー、またはそれらの混合物を含む群から選択され、前記総組成物の約5重量%〜約30重量%の範囲の組成物である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項5】
溶解度修正薬剤が、前記最終組成物の約5重量%〜約50重量%の範囲であり、砂糖、部分的に加水分解したデンプン固形物、部分的に加水分解したコーンシロップ固形物、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、アミノ酸、弱酸、等を含む群から選択される組成物である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項6】
前記微粒子剤の前記コア組成物中に、前記最終組成物の約5重量%〜約30重量%の範囲で存在する、脂質薬剤が、蜜蝋、カルナバワックス、セチルパルミテート、コンプリトール 888 ATO(グリセリルベヘネート)、グリセリルモノステアレート、プレシロール ATO(グリセリルパルミトステアレート)、水添のヒマシ油、パラフィンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、グリセリルトリミリスチン酸塩(Dynasan 114)、ゲルシル、ステロテックス Kまたはそれらの混合物、を含む群から選択されるが、この群に限定されるものではない組成物である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項7】
前記薬学的に許容される賦形剤(類)が、粘度修正剤、固化防止剤、原位置(in situ)ゲル化剤、チキソトロープ剤、酸化防止剤、着色剤、着香剤、甘味剤、保存料、滑沢剤、キレート剤、可塑剤、担体、湿潤剤、錯化剤、緩衝剤、保存料、懸濁剤、放出修正剤、を含む群から選択され、それらは単独で、または組み合わせて用いられる組成物である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項8】
前記組成物が、投与の際に口中に不快な味または苦味を発生させる活性薬剤を経口投与するための、味隠蔽二段階放出型医薬製剤である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項9】
前記薬物の前記徐放性微顆粒剤は、徐放性微顆粒剤から前記水性懸濁媒体への前記薬物の拡散が無視できる程少なく、長時間にわたり安定した溶解プロファイルを導くような様式で、薬物または薬物のコーティングされていない微顆粒剤を含む前記水性懸濁媒体中に懸濁される、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項10】
薬物を熱溶融脂質中に分散/溶解し、乾燥後、顆粒を所要の範囲の大きさにする、熱溶解造粒技術を用いて粉剤または顆粒製剤を製造する、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤を調製する方法。
【請求項11】
請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤を調製する方法であって:
i) コアと少なくとも1種のコーティングとを含む微粒子剤を調製する工程と、
ii) 工程(i)の前記組成物を、液剤の形、懸濁した形、またはコーティングされていない微粒子剤の形の即放部分を含む適切な媒体中に、懸濁させ、二段階放出型懸濁剤を得る工程とを含む方法。
【請求項12】
前記組成物が、好ましくは、レディーツーユース用の懸濁剤の形、または使用前に再構成するための粉剤の形のいずれかである、二段階放出型懸濁剤の形である、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項13】
前記組成物中に用いられている特定の活性薬剤に依存し、ウイルス感染症、細菌感染症、高血圧症、心不全の治療、中枢神経障害の管理、癲癇および様々な心臓欠陥障害、を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない、1種またはそれ以上の疾病または疾患の治療のための、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤の使用方法。
【請求項14】
前記組成物中に用いられている特定の活性薬剤に依存し、ウイルス感染症、細菌感染症、高血圧症、心不全の治療、中枢神経障害の管理、癲癇および様々な心臓欠陥障害、を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない、1種またはそれ以上の疾病または疾患の治療のための、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤の使用方法。
【請求項15】
前記組成物中に用いられている特定の活性薬剤に依存し、ウイルス感染症、細菌感染症、高血圧症、心不全の治療、中枢神経障害の管理、癲癇および様々な心臓欠陥障害、を含む群から選択されるが、この群に限定されることはない、1種またはそれ以上の疾病または疾患を治療するための医薬品を調製するための、請求項1に記載の経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項16】
実質的に、本明細書に記載され、かつ実施例に例示されている経口二段階放出型医薬懸濁剤。
【請求項17】
実質的に、本明細書に記載され、かつ実施例に例示されている経口二段階放出型医薬懸濁剤の調製方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−514632(P2012−514632A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544968(P2011−544968)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【国際出願番号】PCT/IN2010/000013
【国際公開番号】WO2010/089767
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(500445631)パナセア バイオテック リミテッド (29)
【Fターム(参考)】