説明

二環性ピリミジン誘導体の製造法およびその合成中間体

【課題】 例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞の関与する各種疾患の治療および/または予防等に有用な二環性ピリミジン誘導体およびその合成中間体の簡便で効率的な製造法等を提供すること。
【解決手段】
【化107】


(式中、mおよびnは同一または異なって1〜3の整数であり、かつm+nが4以下である整数を表し、R1は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、-NR2R3、-OR4等を表し、Xはハロゲン等を表す)
例えば、上記一般式(II)で表されるアミンを塩基で処理した後、上記一般式(III)で表される化合物または一般式(IV)で表される化合物と反応させて上記一般式(V)で表される化合物を得て、得られた一般式(V)で表される化合物を、有機塩基の存在下で二酸化炭素と反応させることを特徴とする一般式(I)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞が関与する各種疾患の治療および/または予防等に有用な二環性ピリミジン誘導体およびその合成中間体の製造法等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(IX)
【0003】
【化51】

【0004】
{式中、
mおよびnは同一または異なって、1〜3の整数であり、かつm+nが4以下である整数を表し、
R1は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキル、-NR2R3(式中、R2およびR3は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表すか、またはR2とR3が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する)または-OR4(式中、R4は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表し、
R7およびR8は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表すか、またはR7とR8が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、
pは1〜4の整数を表し、
YaおよびYbは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表し、
R9は−NR10R11(式中、R10およびR11は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
−A−は−O−、−CH=CH−、−C≡C−、フェニレンまたは一般式(X)
【0005】
【化52】

【0006】
[式中、rは0〜6の整数を表し、
rが1であるとき、Ycは置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表し、
rが2以上であるとき、それぞれのYcは同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表すか、または同一炭素原子上の2つのYcが一緒になってオキソを表し、
Gは窒素原子、CH、C(OH)、C(CO2H)またはC(CN)を表し、
Gが窒素原子であるとき、qは1〜2の整数を表し、GがCH、C(OH)、C(CO2H)またはC(CN)であるとき、qは0〜2の整数を表し、
Zは単結合、−C(=O)−、−O−、−CH(OH)−、−CH2CH(OH)−、−C(=O)O−または−C(=O)NR12−(式中、R12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表す)を表す]を表す}で表される二環性ピリミジン誘導体[以下、一般式(IX)で表される化合物を化合物(IX)という。他の式番号の化合物についても同様である]は、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞が関与する各種疾患の治療および/または予防等に有用であることが知られており、下記のような化合物(IX)およびその中間体の合成法が知られている(特許文献1)。
【0007】
【化53】

【0008】
[式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義であり、Wは−C(=O)Cl、−CO2COR1(式中、R1は前記と同義である)等を表す]
特許文献1の記載によると、化合物(IX)の有用な合成中間体である化合物(XI)は、市販品としてまたはシンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、第26巻、1657頁(1996年)等に記載の方法に準じて得られる化合物(A)(例えばN−ベンジル−4−オキソ−3−ピペリジンカルボン酸エチル等)を出発原料とし、5工程を経て合成される。この方法では、例えば目的化合物の構造に不要なベンジル基の除去等の工程を含む多段階の合成が必要であり、工業化を前提としたより簡便で効率的な化合物(XI)の製造法が求められている。
【特許文献1】国際公開第03/104230号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞の関与する各種疾患の治療および/または予防等に有用な二環性ピリミジン誘導体およびその合成中間体の簡便で効率的な製造法、ならびに該二環性ピリミジン誘導体の簡便で効率的な製造に有用な合成中間体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の[1]〜[21]に関する。
[1] 一般式(I)
【0011】
【化54】

【0012】
[式中、
mおよびnは同一または異なって、1〜3の整数であり、かつm+nが4以下である整数を表し、
R1は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキル、-NR2R3(式中、R2およびR3は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表すか、またはR2とR3が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する)または-OR4(式中、R4は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)]で表される二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【0013】
[2] mが1であり、nが2である上記[1]記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
[3] R1が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである上記[1]または[2]記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【0014】
[4] R1が-NHR2A(式中、R2Aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)である上記[1]または[2]記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
[5] R1が-OR4A(式中、R4Aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)である上記[1]または[2]記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【0015】
[6] (1)一般式(II)
【0016】
【化55】

【0017】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(III)
【0018】
【化56】

【0019】
[式中、R1は前記と同義であり、Xはハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルオキシ、置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアリールスルファニル、置換もしくは非置換の低級アルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアリールスルフィニル、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは-OCOR5(式中、R5は前記R1と同義である)を表す]で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【0020】
【化57】

【0021】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【0022】
【化58】

【0023】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[7] (1)一般式(II)
【0024】
【化59】

【0025】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(IV)
【0026】
【化60】

【0027】
(式中、R2Bは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【0028】
【化61】

【0029】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【0030】
【化62】

【0031】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[8] (1)一般式(VI)
【0032】
【化63】

【0033】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(III)
【0034】
【化64】

【0035】
(式中、R1およびXはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【0036】
【化65】

【0037】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【0038】
【化66】

【0039】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[9] (1)一般式(VI)
【0040】
【化67】

【0041】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(IV)
【0042】
【化68】

【0043】
(式中、R2Bは前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【0044】
【化69】

【0045】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【0046】
【化70】

【0047】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[10] 一般式(V)
【0048】
【化71】

【0049】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させることを特徴とする、一般式(I)
【0050】
【化72】

【0051】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[11] 二酸化炭素との反応に用いる有機塩基が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンである上記[6]〜[10]のいずれかに記載の製造法。
【0052】
[12] (1)一般式(VII)
【0053】
【化73】

【0054】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義であり、R6は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)で表される化合物を酸触媒の存在下で、尿素と反応させることにより一般式(VIII)
【0055】
【化74】

【0056】
(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を塩基で処理する
ことを特徴とする、一般式(I)
【0057】
【化75】

【0058】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[13] mが1であり、nが2である上記[6]〜[12]のいずれかに記載の製造法。
[14] (1)一般式(II)
【0059】
【化76】

【0060】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(III)
【0061】
【化77】

【0062】
(式中、R1およびXはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【0063】
【化78】

【0064】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【0065】
【化79】

【0066】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【0067】
【化80】

【0068】
{式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義であり、
R7およびR8は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表すか、またはR7とR8が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、
pは1〜4の整数を表し、
YaおよびYbは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表し、
R9は−NR10R11(式中、R10およびR11は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
−A−は−O−、−CH=CH−、−C≡C−、フェニレンまたは一般式(X)
【0069】
【化81】

【0070】
[式中、rは0〜6の整数を表し、
rが1であるとき、Ycは置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表し、
rが2以上であるとき、それぞれのYcは同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表すか、または同一炭素原子上の2つのYcが一緒になってオキソを表し、
Gは窒素原子、CH、C(OH)、C(CO2H)またはC(CN)を表し、
Gが窒素原子であるとき、qは1〜2の整数を表し、GがCH、C(OH)、C(CO2H)またはC(CN)であるとき、qは0〜2の整数を表し、
Zは単結合、−C(=O)−、−O−、−CH(OH)−、−CH2CH(OH)−、−C(=O)O−または−C(=O)NR12−(式中、R12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表す)を表す]を表す}で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【0071】
[15] (1)一般式(II)
【0072】
【化82】

【0073】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(IV)
【0074】
【化83】

【0075】
(式中、R2Bは前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【0076】
【化84】

【0077】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【0078】
【化85】

【0079】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IXB)
【0080】
【化86】

【0081】
(式中、A、R2B、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[16] (1)一般式(VI)
【0082】
【化87】

【0083】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(III)
【0084】
【化88】

【0085】
(式中、R1およびXはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【0086】
【化89】

【0087】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【0088】
【化90】

【0089】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【0090】
【化91】

【0091】
(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[17] (1)一般式(VI)
【0092】
【化92】

【0093】
(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(IV)
【0094】
【化93】

【0095】
(式中、R2Bは前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【0096】
【化94】

【0097】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【0098】
【化95】

【0099】
(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IXB)
【0100】
【化96】

【0101】
(式中、A、R2B、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[18] 一般式(V)
【0102】
【化97】

【0103】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させることにより一般式(I)
【0104】
【化98】

【0105】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【0106】
【化99】

【0107】
(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[19] 二酸化炭素との反応に用いる有機塩基が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンである上記[14]〜[18]のいずれかに記載の製造法。
【0108】
[20] (1)一般式(VII)
【0109】
【化100】

【0110】
(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を酸触媒の存在下で、尿素と反応させることにより一般式(VIII)
【0111】
【化101】

【0112】
(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を塩基で処理することにより、一般式(I)
【0113】
【化102】

【0114】
(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【0115】
【化103】

【0116】
(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
[21] mが1であり、nが2である上記[14]〜[20]のいずれかに記載の製造法。
【発明の効果】
【0117】
本発明により、例えばアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞の関与する各種疾患の治療および/または予防等に有用な二環性ピリミジン誘導体およびその合成中間体の簡便で効率的な製造法、ならびに二環性ピリミジン誘導体の簡便で効率的な該製造法に有用な合成中間体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0118】
一般式(I)、(IB)、(III)〜(V)、(VB)および(VII)〜(X)の各基の定義において、
低級アルキルならびに低級アルコキシ、低級アルキルスルホニルオキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニルおよび低級アルキルスルフィニルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖状または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル等があげられる。
【0119】
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖状、分岐状または環状の炭素数2〜8のアルケニルがあげられ、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、2,6−オクタジエニル等があげられる。
【0120】
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルキニルあげられ、具体的にはエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル等があげられる。
アリールならびにアリールオキシ、アリールスルホニルオキシ、アリールスルファニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニルおよびアリールカルボニルのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14の単環性、二環性または三環性のアリールあげられ、具体的にはフェニル、ナフチル、インデニル、アントラニル等があげられる。
【0121】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を表す。
アラルキル、脂環式複素環アルキルおよび芳香族複素環アルキルのアルキレン部分としては、例えば前記低級アルキルの例示であげた基から水素原子を1つ除いたものがあげられる。アラルキルのアリール部分としては、前記アリールの例示であげた基に加え、例えば前記単環性アリールと前記シクロアルキルとが縮合した二環性縮合環基等があげられ、具体的にはインダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプチル等があげられる。
【0122】
芳香族複素環基および芳香族複素環アルキルの芳香族複素環基部分としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等があげられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチルリジニル、キノキサリニル、ピロリル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フリル等があげられる。
【0123】
脂環式複素環基および脂環式複素環アルキルの脂環式複素環基部分としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基、3〜8員の環が結合したスピロ構造を有し、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピロリジニル、2−オキソピロリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、ピロリニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、アゾチジニル、ピペリジル、ピペリジノ、4−オキソピペリジノ、2−オキソピペラジニル、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ホモピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、インドリニル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−イル等があげられる。
【0124】
隣接する窒素原子と一緒になって形成される複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員または6員の単環性複素環基(該単環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性複素環基(該縮環性複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等があげられ、具体的には、テトラヒドロピリジル、インドリニル、イソインドリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジノ、ホモピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル等があげられる。
【0125】
置換低級アルキルにおける置換基(A)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の、シクロアルキル、低級アルカノイル、置換低級アルカノイル、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アラルキルオキシ、置換アラルキルオキシ、モノもしくはジ低級アルキルアミノ、置換モノもしくはジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイルアミノ、モノもしくはジ低級アルキルアミノカルボニル、モノもしくはジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、アミノ、スルファニル、オキソ、ホルミル、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル等があげられる。
【0126】
置換基(A)の例示であげた置換低級アルカノイルおよび置換低級アルコキシにおける置換基(a)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の、ハロゲン等があげられる。
置換基(A)の例示であげた置換アリールオキシおよび置換アラルキルオキシにおける置換基(b)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の、シクロアルキル、低級アルカノイル、置換低級アルカノイル[該置換低級アルカノイルにおける置換基は、前記置換基(a)と同義である]、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ[該置換低級アルコキシにおける置換基は、前記置換基(a)と同義である]、アリールオキシ、アラルキルオキシ、モノもしくはジ低級アルキルアミノ、置換モノもしくはジ低級アルキルアミノ[該置換モノもしくはジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分における置換基は、後記置換基(c)と同義である]、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、スルファニル、アミノ、低級アルキル、置換低級アルキル[該置換低級アルキルにおける置換基は、前記置換基(a)と同義である]、アリール、置換アリール[該置換アリールにおける置換基は、前記置換基(a)と同義である]、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル、芳香族複素環基、脂環式複素環基等があげられる。
【0127】
置換基(A)の例示であげた置換モノもしくはジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分における置換基(c)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル等があげられる。
置換基(A)、置換基(a)、置換基(b)および置換基(c)の例示であげたアリール、アリールオキシおよびアラルキルオキシのアリール部分、シクロアルキル、ハロゲン、芳香族複素環基、脂環式複素環基ならびに低級アルキル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニルおよび低級アルキルスルフィニルの低級アルキル部分は、それぞれ前記アリール、シクロアルキル、ハロゲン、芳香族複素環基、脂環式複素環基および低級アルキルと同義であり、アラルキルオキシのアルキレン部分としては、例えば前記低級アルキルの例示であげた基から水素原子を1つ除いたものがあげられる。モノもしくはジ低級アルキルアミノ、モノもしくはジ低級アルキルアミノカルボニルおよびモノもしくはジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノカルボニルおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの2つの低級アルキル部分は、同一でも異なっていてもよい。
【0128】
置換アリール、置換アリールカルボニル、置換アラルキル、置換シクロアルキル、置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換芳香族複素環基、置換脂環式複素環基、置換芳香族複素環アルキル、置換脂環式複素環アルキルおよび隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換複素環基における置換基(B)としては、前記置換基(A)の例示であげた基に加え、例えば低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、置換アラルキル、芳香族複素環基、置換芳香族複素環基、脂環式複素環基、置換脂環式複素環基、芳香族複素環アルキル、置換芳香族複素環アルキル、脂環式複素環アルキルおよび置換脂環式複素環アルキル等があげられる。
【0129】
置換基(B)の例示であげた置換アリール、置換アラルキル、置換芳香族複素環基、置換脂環式複素環基、置換芳香族複素環アルキルおよび置換脂環式複素環アルキルにおける置換基(d)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン等があげられる。
置換基(B)の例示であげた置換低級アルキルにおける置換基(e)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シアノ等があげられる。
【0130】
置換基(B)、置換基(d)および置換基(e)の例示であげた低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分、低級アルケニル、ハロゲン、アリール、芳香族複素環基および芳香族複素環アルキルの芳香族複素環基部分、脂環式複素環基および脂環式複素環アルキルの脂環式複素環基部分、アラルキル、芳香族複素環アルキルおよび脂環式複素環アルキルのアルキレン部分ならびにアラルキルのアリール部分は、それぞれ前記低級アルキル、低級アルケニル、ハロゲン、アリール、芳香族複素環基、脂環式複素環基、アラルキルのアルキレン部分およびアラルキルのアリール部分と同義である。
【0131】
置換低級アルコキシ、置換低級アルキルスルホニルオキシ、置換低級アルキルスルファニル、置換低級アルキルスルフィニル、置換低級アルキルスルホニル、置換アリールオキシ、置換アリールスルホニルオキシ、置換アリールスルファニル、置換アリールスルフィニルおよび置換アリールスルホニルにおける置換基(C)としては、例えば前記置換基(d)の例示であげた基等があげられる。
【0132】
化合物(I)の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸塩等の有機酸塩等の酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の金属塩、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等のアンモニウム塩、モルホリン付加塩、ピペリジン付加塩等の有機アミン付加塩、グリシン付加塩、フェニルアラニン付加塩、リジン付加塩、アスパラギン酸付加塩、グルタミン酸付加塩等のアミノ酸付加塩等があげられる。
【0133】
以下に、化合物(I)の製造法の例について説明する。
製造法1:
【0134】
【化104】

【0135】
(式中、R1、R2B、X、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)
[工程1]
化合物(V)は、化合物(II)を不活性溶媒中、塩基で処理し、次いで化合物(III)または化合物(IV)と反応させることにより得ることができる。
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド等があげられ、好ましくは金属アルコキシド、より好ましくはカリウムtert−ブトキシドが用いられる。塩基は、通常化合物(II)に対して1〜50当量、好ましくは1.5〜5当量用いられる。
【0136】
不活性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、水等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合して用いることができる。溶媒は、通常化合物(II)に対して1〜100倍重量、好ましくは5〜20倍重量用いられる。
【0137】
塩基での処理は、通常-20℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは60℃〜100℃の間の温度で、5分間〜24時間行われる。
化合物(III)において、R1に応じて好ましい態様を有するXが用いられるが、化合物(III)としては、中でもXがフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である酸ハライド、カルバモイルハライドまたはモノ炭酸エステルハライド、Xが-OCOR5(式中、R5は前記と同義である)である酸無水物またはジカーボネート等が好ましい。中でも、例えばアセチルクロリド、アセチルブロミド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、シクロプロパンカルボン酸クロリド、ベンゾイルクロリド等の酸ハライド、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブタン酸等の酸無水物、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸プロピル、クロロ炭酸フェニル等のモノ炭酸エステルハライド、N,N−ジメチルカルバモイルクロリド、N,N−ジエチルカルバモイルクロリド、ピペリジノカルバモイルクロリド等のカルバモイルハライド、ジメチルジカーボネート、ジtert−ブチルジカーボネート等のジカーボネート等が好ましい。化合物(IV)としては、例えばメチルイソシアナート、エチルイソシアナート、プロピルイソシアナート、ベンジルイソシアナート、フェニルイソシアナート等があげられる。
【0138】
化合物(III)または化合物(IV)は、通常化合物(II)に対して0.9〜50当量、好ましくは0.9〜3当量用いられる。
化合物(III)または化合物(IV)との反応は、通常-50℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは-10℃〜30℃の間の温度で、5分間〜24時間行われる。
なお、原料化合物(II)、(III)および(IV)としては、市販品をそのまままたは精製して用いることができる。
[工程2]
また化合物(V)は、化合物(VI)を不活性溶媒中、化合物(III)または化合物(IV)と、塩基の存在下または非存在下で反応させることにより、得ることができる。
【0139】
不活性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、水等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合して用いることができる。溶媒は、通常化合物(II)に対して1〜100倍重量、好ましくは5〜20倍重量用いられる。
【0140】
塩基は反応を促進する目的で、必要に応じて加えることができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド等があげられ、好ましくは有機塩基、より好ましくはトリエチルアミンが用いられる。塩基は、通常化合物(VI)に対して0.1〜50当量、好ましくは1〜5当量用いられる。
【0141】
化合物(III)または化合物(IV)は、通常化合物(II)に対して1〜50当量、好ましくは1〜3当量用いられる。
反応は、通常-50℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは-10℃〜30℃の間の温度で行われ、5分間〜24時間で終了する。
なお、原料化合物(III)および(IV)としては、市販品をそのまままたは精製して用いることができる。原料化合物(VI)は、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ C(Journal of the Chemical Society (C))、第41巻、1558頁(1967年)等に記載の方法に準じて得ることができる。
[工程3]
化合物(I)は、化合物(V)と二酸化炭素を、有機塩基の存在下、無溶媒でまたは不活性溶媒中で反応させることにより、得ることができる。
【0142】
有機塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基があげられ、好ましくは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンが用いられる。有機塩基は、通常化合物(V)に対して1〜20当量、好ましくは2〜7当量用いられる。
【0143】
反応に用いる二酸化炭素の使用量には特に制限はなく、常圧下または加圧下で反応を行うことができる。また反応に際しては、窒素、アルゴン等の反応に不活性なガスが共存していてもよく、その場合の二酸化炭素の分圧は、好ましくは0.01MPa〜20MPa、より好ましくは0.1MPa〜5MPaである。
反応は、無溶媒でも行うことができるが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を添加することができる。不活性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、水等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合して用いることができる。溶媒は、通常化合物(V)に対して0.01〜50倍重量用いられる。
【0144】
反応は、通常0℃から用いる有機塩基または溶媒の沸点の間の温度、好ましくは60℃〜130℃の間の温度で、5分間〜24時間行われる。
二酸化炭素は、市販のガスボンベ、液化二酸化炭素ボンベ、ドライアイス等を用いて、供給することができる。
製造法2:
また化合物(I)は、以下の工程によっても製造することができる。
【0145】
【化105】

【0146】
(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)
[工程4]
化合物(VIII)は、化合物(VII)を不活性溶媒中、酸触媒の存在下、尿素と反応させることにより得ることができる。
酸触媒としては、例えば酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸等があげられ、より好ましくは塩酸または硫酸が用いられる。酸は、通常化合物(VII)に対して0.01〜10当量、好ましくは0.1〜1当量用いられる。
【0147】
尿素は、通常化合物(VII)に対して1〜50当量、好ましくは3〜10当量用いられる。
不活性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、水等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合して用いることができる。溶媒は、通常化合物(VII)に対して1〜100倍重量、好ましくは5〜20倍重量用いられる。
【0148】
反応は、通常0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは50℃〜100℃の間の温度で、5分間〜24時間行われる。
なお、原料化合物(VII)は、例えば特開2002−143610号公報、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of the American Chemical Society)、第68巻、1049頁(1946年)等に記載の方法またはそれらに準じた方法で得ることができる。尿素および酸触媒としては、市販品をそのまままたは精製して用いることができる。
[工程5]
化合物(I)は、化合物(VIII)を不活性溶媒中、塩基で処理することにより得ることができる。
【0149】
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド等があげられ、好ましくは炭酸塩が、より好ましくは炭酸カリウムが用いられる。塩基は、通常化合物(VIII)に対して1〜20当量、好ましくは1〜5当量用いられる。
【0150】
不活性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、水等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合して用いることができる。溶媒は、通常化合物(VIII)に対して1〜100倍重量、好ましくは5〜30倍重量用いられる。
【0151】
反応は、通常0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは50℃〜100℃の間の温度で、5分間〜24時間行われる。
製造法3:
上記いずれかの製造法によって得られる化合物(I)から、例えば以下の工程により、国際公開第03/104230号パンフレットに開示されているアレルギー性疾患、自己免疫疾患等のT細胞の関与する各種疾患の治療および/または予防等に有用な二環性ピリミジン誘導体[化合物(IX)]を製造することができる。
【0152】
【化106】

【0153】
(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)
[工程6]
化合物(XI)は、化合物(I)を不活性溶媒中または無溶媒で、塩基の存在下または非存在下で、塩素化剤と反応させることにより得ることができる。
塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン、トリフェニルホスフィンジクロリド、塩化(クロロメチレン)ジメチルアンモニウム、フェニルホスホン酸ジクロリド、フェニルリン酸ジクロリド、塩化シアヌール酸等があげられ、好ましくはオキシ塩化リンが用いられる。塩素化剤は、通常化合物(I)に対して1〜100当量、好ましくは2〜10当量用いられる。
【0154】
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド等があげられ、好ましくは有機塩基、より好ましくはジイソプロピルエチルアミンまたはジエチルアニリンが用いられる。塩基は、通常化合物(VI)に対して1〜50当量、好ましくは2〜5当量用いられる。
【0155】
反応は、無溶媒でも行うことができるが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を添加することができる。不活性溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合して用いることができる。溶媒は、通常化合物(I)に対して1〜100倍重量、好ましくは5〜30倍重量用いられる。
【0156】
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは40℃〜100℃の間の温度で、5分間〜24時間行われる。
[工程7および工程8]
化合物(XII)および化合物(IX)は、化合物(XI)から、国際公開第03/104230号パンフレットに記載の方法またはそれに準じた方法によりそれぞれ得ることができる。
【0157】
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)の中には、幾何異性体、互変異性体、光学異性体、回転異性体等の立体異性体が存在し得るものもあるが、本発明は、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
【0158】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明に包含される。
【0159】
本発明によって得られる化合物(I)の具体例を第1表に示す。
【0160】
【表1】

【0161】
以下に、本発明の態様を実施例および参考例で説明する。
【実施例1】
【0162】
6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia)の合成
(工程1) 4−アミノ−3−シアノ−1−シクロプロピルカルボニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物Va)
ビス(2−シアノエチル)アミン(化合物IIa:20.0 g, 162 mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(36.2 g, 323 mmol)を、トルエン(400 mL)に懸濁し、90℃で1時間撹拌した。反応混合物に水(200 mL)を加えた後、氷冷下で、シクロプロパンカルボン酸クロリド(化合物IIIa:15.0 mL, 165 mmol)を加えた。反応混合物を氷冷下で1時間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(400 mL)およびメタノール(200 mL)を加えて分液した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(200 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエン(50 mL)およびメタノール(10 mL)を加えて減圧下で濃縮を行った後、トルエン(200 mL)を加えて室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、トルエン(50 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Va(26.2 g, 収率80%)を白色結晶として得た。
【0163】
融点 183℃
1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)([ ] 内は副回転異性体の化学シフト値、異性体比は6:4)δ(ppm) 6.24 (br s, 2H), 3.93 [4.21] (それぞれ br s, 計2H), 3.72 [3.50] (それぞれ br s, 計2H), 2.29 [2.15] (それぞれ br s, 計2H), 1.98 (m, 1H), 0.72-0.66 (m, 4H).
MS (ESI(+)) m/z 214 (M+Na)+, 192 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C10H13N3ONa): 214.0956 (M+Na)+, 実測値: 214.0958 (+0.2 mDa).
【0164】
(工程2) 6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia)
工程1で得られた化合物Va(24.0 g, 126 mmol)を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(75.0 mL, 502 mmol)に溶解し、反応容器内を二酸化炭素雰囲気に置換した。常圧下、反応混合物を120℃で9時間撹拌した後、氷冷下で酢酸(96 mL)および酢酸エチル(480 mL)を加えて3時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、酢酸エチル(40 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Ia(26.4 g, 収率87%)を白色結晶として得た。
【0165】
融点 287℃
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) ([ ] 内は副回転異性体の化学シフト値、異性体比は11:9) δ(ppm) 11.03 (br s, 1H), 10.09 (br s, 1H), 4.06 [4.30] (それぞれ br s, 計2H), 3.84 [3.64] (それぞれ br s, 計2H), 2.49 [2.36] (それぞれ br s, 計2H), 2.02 [1.94] (それぞれ br s, 計1H), 0.80-0.65 (m, 4H).
MS (ESI(+)) m/z 236 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C11H14N3O3): 236.1035 (M+H)+, 実測値: 236.1025 (-1.0 mDa).
【実施例2】
【0166】
6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia)の合成
(工程1) 4−アミノ−3−シアノ−1−シクロプロピルカルボニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物Va)
参考例1で得られた4−アミノ−3−シアノ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物VIa:158 mg, 1.28 mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(2.0 mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.200 mL, 1.44 mmol)およびシクロプロパンカルボン酸クロリド(化合物IIIa:0.120 mL, 1.32 mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(2.0 mL)を加えた後、析出した固体を濾別した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2〜1/3)で精製することにより化合物Va(120 mg, 収率 49%)を白色結晶として得た。
【0167】
(工程2) 6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia)
工程1で得られた化合物Va(100 mg, 0.52 mmol)を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.48 mL, 3.21 mmol)に溶解した。得られた溶液をドライアイスと共にオートクレーブ内に封入し、60℃、1MPaで5時間撹拌した。反応混合物に氷冷下で酢酸エチル(2 mL)およびメタノール(0.2 mL)を加えて1時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を酢酸(0.2 mL)と酢酸エチル(1.0 mL)の混合溶媒に懸濁し、60℃で1時間撹拌し、さらに氷冷下で3時間撹拌した。結晶を濾取し、酢酸エチル(0.2 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥を行うことにより化合物Ia(91 mg, 収率75%)を白色結晶として得た。
【実施例3】
【0168】
6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia)の合成
(工程1) 1−シクロプロピルカルボニル−4−ウレイド−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(化合物VIIIa)
参考例2で得られた1−シクロプロピルカルボニル−4−ヒドロキシ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(化合物VIIa)(125 mg, 0.522 mmol)、尿素(157 mg, 2.61 mmol)および濃塩酸(0.030 mL)を、メタノール(1.0 mL)に溶解し、還流下で10時間攪拌した。反応混合物に水(2.0 mL)を加えて、室温で30分間撹拌した。析出した結晶を濾取し、水(2.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物VIIIa(108 mg, 収率74%)を白色結晶として得た。
【0169】
融点 206-207℃ (分解)
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) ([ ] 内は副回転異性体の化学シフト値、異性体比は2:1) δ(ppm)10.41 (br s, 1H), 6.71 (br s, 1H), 4.15 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.14 [4.34] (それぞれ br s, 計2H), 3.71 [3.48] (それぞれ br s, 計2H), 3.02 [2.89] (それぞれ br s, 計2H), 2.00 [1.90] (それぞれ br s, 計1H), 1.22 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.80-0.64 (m, 4H).
MS (ESI(+)) m/z 304 (M+Na)+
HR-MS 計算値 (C13H19N3O4Na): 304.1273 (M+Na)+, 実測値: 304.1273 (0.0 mDa).
【0170】
(工程2) 6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia)
化合物VIIIa(100 mg, 0.355 mmol)および炭酸カリウム(98 mg, 0.709 mmol)を、メタノール(2.0 mL)に溶解し、還流下で1時間攪拌した。反応混合物にトリメチルアミン塩酸塩(136 mg, 1.42 mmol)を加えて、室温にて2時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、エタノール(2.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥した。取得した結晶をメタノール(1.0 mL)と水(1.0 mL)の混合溶媒に懸濁させ、室温で2時間撹拌した。結晶を濾取し、水(2.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Ia(54.0 mg, 収率65%)を白色結晶として得た。
【実施例4】
【0171】
6−エチルアミノカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ib)の合成
(工程1) 4−アミノ−3−シアノ−1−エチルアミノカルボニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物Vb)
ビス(2−シアノエチル)アミン(化合物IIa:200 mg, 1.62 mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(363 mg, 3.23 mmol)を、トルエン(2.0 mL)に懸濁し、90℃で30分間撹拌した。氷冷下で、反応混合物に水(2.0 mL)および酢酸エチル(2.0 mL)を加えて20分間撹拌した後、エチルイソシアナート(化合物IVb:0.130 mL, 1.64 mmol)を加えた。反応混合物を氷冷下で1時間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(5.0 mL)およびメタノール(2.0 mL)を加えて分液した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエン(2.0 mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、トルエン(1.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Vb(279 mg, 収率88%)を白色結晶として得た。
【0172】
融点 196-197℃ (分解)
1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ(ppm) 6.52 (t, J = 1.7 Hz, 1H), 6.13 (br s, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.36 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.03 (tq, J = 1.7, 7.2 Hz, 2H), 2.12 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
MS (ESI(+)) m/z 217 (M+Na)+, 195 (M+H)+, 124
HR-MS 計算値 (C9H15N4O): 195.1246 (M+H)+, 実測値: 195.1252 (+0.6 mDa).
【0173】
(工程2) 6−エチルアミノカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ib)
工程1で得られた化合物Vb(200 mg, 1.03 mmol)を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.770 mL, 5.14 mmol)に溶解し、反応容器内を二酸化炭素で3回置換した。反応混合物を120℃で6時間撹拌した後、室温で酢酸(0.80 mL)および酢酸エチル(4.0 mL)を加えて、室温で2時間撹拌し、さらに氷冷下にて1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、酢酸エチル(1.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Ib(105 mg, 収率43%)を白色結晶として得た。
【0174】
融点 256-257℃ (分解)
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz)δ(ppm) 11.0 (br s, 1H), 10.8 (br s, 1H), 6.63 (t, J = 1.7 Hz, 1H), 3.93 (s, 2H), 3.46 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.04 (tq, J = 1.8, 7.2 Hz, 2H), 2.34 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
MS (ESI(+)) m/z 261 (M+Na)+, 239 (M+H)+, 168
HR-MS 計算値 (C10H15N4O3): 239.1144 (M+H)+, 実測値: 239.1141 (-0.3 mDa).
【実施例5】
【0175】
6−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ic)の合成
(工程1) 4−アミノ−3−シアノ−1−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物Vc)
トルエン(4.00 mL)にビス(2−シアノエチル)アミン(化合物IIa:200 mg, 1.62 mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(363 mg, 3.23 mmol)を加え、90℃にて30分間撹拌した。氷冷下にて、水(2.00 mL)およびジtert−ブチルジカーボネート(化合物IIIc:0.370 mL, 1.61 mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(5.0 mL)を加えて分液した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエン(2.0 mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、トルエン(1.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Vc(233 mg, 収率64%)を白色結晶として得た。
【0176】
融点 132-133℃
1H NMR (CDCl3, 300 MHz)δ(ppm) 4.39 (br s, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.55 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 1.47 (s, 9H).
MS (ESI(+)) m/z 246 (M+Na)+, 224 (M+H)+, 168, 124
HR-MS 計算値 (C11H18N3O2): 224.1399 (M+H)+, 実測値: 224.1408 (+0.9 mDa).
【0177】
(工程2) 6−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4−ジオン(化合物Ic)
工程1で得られた化合物Vc(200 mg, 0.896 mmol)を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.670 mL, 4.48 mmol)に溶解し、反応系内を二酸化炭素で3回置換した。反応混合物を100℃で6時間撹拌した後、室温で酢酸(0.80 mL)および酢酸エチル(4.0 mL)を加えて、氷冷下で2時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、酢酸エチル(1.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Ic(139 mg, 収率58%)を白色結晶として得た。
【0178】
融点 243-244℃ (分解)
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz)δ(ppm) 3.95 (s, 2H), 3.49 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 2.38 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 1.40 (s, 9H).
MS (ESI(+)) m/z 290 (M+Na)+, 268 (M+H)+, 212, 168
HR-MS 計算値 (C12H17N3O4Na): 290.1117 (M+Na)+, 実測値: 290.1114 (-0.3 mDa).
【実施例6】
【0179】
6−エトキシカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Id)の合成
(工程1) 4−アミノ−3−シアノ−1−エトキシカルボニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物Vd)
ビス(2−シアノエチル)アミン(化合物IIa:200 mg, 1.62 mmol)およびカリウム tert−ブトキシド(363 mg, 3.23 mmol)をトルエン(2.0 mL)に懸濁し、90℃で1時間撹拌した。氷冷下で、反応混合物に水(2.0 mL)、酢酸エチル(2.0 mL)およびクロロ炭酸エチル(化合物IIId:0.130 mL, 1.62 mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(5.0 mL)を加えて分液した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にトルエン(2.0 mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、トルエン(1.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Vd(279 mg, 収率88%)を白色結晶として得た。
【0180】
融点 134-135℃
1H NMR (CDCl3, 300 MHz)δ(ppm) 4.42 (br s, 2H), 4.16 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.05 (s, 2H), 3.60 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.27 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
MS (ESI(+)) m/z 218 (M+Na)+, 196 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C9H14N3O2): 196.1086 (M+H)+, 実測値: 196.1082 (-0.4 mDa).
【0181】
(工程2) 6−エトキシカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−1H−ピリド[4,3−d]−ピリミジン−2,4−ジオン(化合物Id)
工程1で得られた化合物Vd(180 mg, 0.922 mmol)を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(0.690 mL, 4.61 mmol)に溶解し、反応容器内を二酸化炭素で3回置換した。反応混合物を100℃で8時間撹拌した後、室温で酢酸(0.60 mL)および酢酸エチル(4.0 mL)を加えて、氷冷下で2時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、酢酸エチル(1.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物Id(176 mg, 収率80%)を白色結晶として得た。
【0182】
融点 282-283℃ (分解)
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz)δ(ppm) 4.06 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.01 (s, 2H), 3.55 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.41 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 1.19 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
MS (ESI(+)) m/z 262 (M+Na)+, 240 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C10H14N3O4): 240.0984 (M+H)+, 実測値: 240.0988 (+0.4 mDa).
【0183】
参考例1:4−アミノ−3−シアノ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(化合物VIa)の合成
ビス(2−シアノエチル)アミン(化合物IIa:1.00 g, 8.12 mmol)およびカリウム tert−ブトキシド(1.82 g, 16.2 mmol)をトルエン(20 mL)に懸濁し、90℃え1 時間撹拌した。反応混合物に水(5.0 mL)、メタノール(2.0 mL)および酢酸エチル(10 mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。有機層を分離した後、水層中に析出した結晶を濾取し、水(2.0 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物VIa(624 mg, 収率62%)を白色結晶として得た。
【0184】
融点 175-176℃ (分解)
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz)δ(ppm) 5.88 (br s, 2H), 3.18 (s, 2H), 2.72 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 2.00 (t, J = 5.9 Hz, 2H).
MS (ESI(+)) m/z 124 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C6H10N3): 124.0875 (M+H)+, 実測値: 124.0878 (+0.3 mDa).
【0185】
参考例2: 1−シクロプロピルカルボニル−4−ヒドロキシ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸エチル(化合物VIIa)の合成
N,N−ビス(2-エトキシカルボニルエチル)シクロプロパンカルボン酸アミド(200 mg, 0.700 mmol)をテトラヒドロフラン(1.0 mL)に溶解した。氷冷下で、混合物にリチウムヘキサメチルジシラザンの1.0 mol/Lテトラヒドロフラン溶液(1.40 mL, 1.40 mmol)を加えて、氷冷下で1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(10 mL)および水(2.0 mL)を加えた後、1 mol/L 塩酸で水層のpH値を 1〜2に調整した。反応混合物を分液した後、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(2.0 mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(2.0 mL)で順次洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル10 g, ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1〜3/1)で精製することにより化合物VIIa(126 mg, 収率 75%)を無色油状物として得た。
【0186】
1H NMR (CDCl3, 300 MHz) ([ ] 内は副回転異性体の化学シフト値、異性体比は11:9) δ(ppm) 12.04 (br s, 1H), 4.38-4.17 (m, 4H), 3.83-3.70 (m, 2H), 2.36 [2.45] (それぞれ br s, 計2H), 1.76 (m, 1H), 1.28 [1.26] (それぞれ t, J = 7.2 Hz, 計3H), 1.03-0.94 (m, 2H), 0.88-0.60 (m, 2H).
MS (ESI(+)) m/z 240 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C12H18NO4): 240.1236 (M+H)+, 実測値: 240.1233 (-0.3 mDa).
【0187】
参考例3: 2,4−ジクロロ−6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン(化合物XIa)の合成
実施例1で得られた6−シクロプロピルカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物Ia:2.00 g, 8.50 mmol)をトルエン(40 mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(3.30 mL, 18.9 mmol)およびオキシ塩化リン(4.00 mL, 42.9 mmol)を加えて、40℃で2時間撹拌した後、80℃で4時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(20 mL)、トルエン(20 mL)および水(20 mL)を加えて分液した。有機層を水(20 mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(20 mL)で順次洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた残渣にN,N−ジメチルアセトアミド(8 mL)および水(14 mL)を加えて氷冷下で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、水(4 mL)で洗浄した後、減圧下で乾燥することにより化合物XIa(1.56 g, 収率70%)を白色結晶として得た。
【0188】
融点 107-108℃ (分解)
1H NMR (CDCl3, 300 MHz)δ(ppm) 4.73 (br s, 2H), 3.97 (br s, 2H), 3.04 (br s, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.07-0.99 (m, 2H), 0.89-0.82 (m, 2H).
MS (ESI(+)) m/z 272 (M+H)+
HR-MS 計算値 (C11H12Cl2N3O): 272.0357 (M+H)+, 実測値: 272.0364 (+0.7 mDa).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


[式中、
mおよびnは同一または異なって、1〜3の整数であり、かつm+nが4以下である整数を表し、
R1は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキル、置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキル、-NR2R3(式中、R2およびR3は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表すか、またはR2とR3が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成する)または-OR4(式中、R4は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)]で表される二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【請求項2】
mが1であり、nが2である請求項1記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【請求項3】
R1が置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールである請求項1または2記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【請求項4】
R1が-NHR2A(式中、R2Aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)である請求項1または2記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【請求項5】
R1が-OR4A(式中、R4Aは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)である請求項1または2記載の二環性ピリミジン誘導体またはその塩。
【請求項6】
(1)一般式(II)
【化2】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(III)
【化3】


[式中、R1は前記と同義であり、Xはハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニルオキシ、置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアリールスルファニル、置換もしくは非置換の低級アルキルスルフィニル、置換もしくは非置換のアリールスルフィニル、置換もしくは非置換の低級アルキルスルホニル、置換もしくは非置換のアリールスルホニルまたは-OCOR5(式中、R5は前記R1と同義である)を表す]で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【化4】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【化5】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項7】
(1)一般式(II)
【化6】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(IV)
【化7】


(式中、R2Bは置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【化8】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【化9】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項8】
(1)一般式(VI)
【化10】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(III)
【化11】


(式中、R1およびXはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【化12】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【化13】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項9】
(1)一般式(VI)
【化14】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(IV)
【化15】


(式中、R2Bは前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【化16】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【化17】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項10】
一般式(V)
【化18】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させることを特徴とする、一般式(I)
【化19】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項11】
二酸化炭素との反応に用いる有機塩基が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンである請求項6〜10のいずれかに記載の製造法。
【請求項12】
(1)一般式(VII)
【化20】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義であり、R6は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)で表される化合物を酸触媒の存在下で、尿素と反応させることにより一般式(VIII)
【化21】


(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を塩基で処理する
ことを特徴とする、一般式(I)
【化22】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項13】
mが1であり、nが2である請求項6〜12のいずれかに記載の製造法。
【請求項14】
(1)一般式(II)
【化23】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(III)
【化24】


(式中、R1およびXはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【化25】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【化26】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【化27】


{式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義であり、
R7およびR8は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールカルボニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表すか、またはR7とR8が隣接する窒素原子と一緒になって複素環基を形成し、
pは1〜4の整数を表し、
YaおよびYbは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表し、
R9は−NR10R11(式中、R10およびR11は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
−A−は−O−、−CH=CH−、−C≡C−、フェニレンまたは一般式(X)
【化28】


[式中、rは0〜6の整数を表し、
rが1であるとき、Ycは置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表し、
rが2以上であるとき、それぞれのYcは同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキルまたはハロゲンを表すか、または同一炭素原子上の2つのYcが一緒になってオキソを表し、
Gは窒素原子、CH、C(OH)、C(CO2H)またはC(CN)を表し、
Gが窒素原子であるとき、qは1〜2の整数を表し、GがCH、C(OH)、C(CO2H)またはC(CN)であるとき、qは0〜2の整数を表し、
Zは単結合、−C(=O)−、−O−、−CH(OH)−、−CH2CH(OH)−、−C(=O)O−または−C(=O)NR12−(式中、R12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表す)を表す]を表す}で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項15】
(1)一般式(II)
【化29】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表されるアミンを塩基で処理し、
次いで
(2)得られた化合物を一般式(IV)
【化30】


(式中、R2Bは前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【化31】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(3)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【化32】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IXB)
【化33】


(式中、A、R2B、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項16】
(1)一般式(VI)
【化34】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(III)
【化35】


(式中、R1およびXはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(V)
【化36】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(I)
【化37】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【化38】


(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項17】
(1)一般式(VI)
【化39】


(式中、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を一般式(IV)
【化40】


(式中、R2Bは前記と同義である)で表される化合物と反応させることにより、一般式(VB)
【化41】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させる
ことを特徴とする、一般式(IB)
【化42】


(式中、R2B、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IXB)
【化43】


(式中、A、R2B、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項18】
一般式(V)
【化44】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を有機塩基の存在下で、二酸化炭素と反応させることにより一般式(I)
【化45】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【化46】


(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項19】
二酸化炭素との反応に用いる有機塩基が1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンまたは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンである請求項14〜18のいずれかに記載の製造法。
【請求項20】
(1)一般式(VII)
【化47】


(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を酸触媒の存在下で、尿素と反応させることにより一般式(VIII)
【化48】


(式中、R1、R6、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物を得て、
次いで
(2)得られた化合物を塩基で処理することにより、一般式(I)
【化49】


(式中、R1、mおよびnはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体を得る工程を含むことを特徴とする一般式(IX)
【化50】


(式中、A、R1、R7、R8、R9、Ya、Yb、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)で表される二環性ピリミジン誘導体の製造法。
【請求項21】
mが1であり、nが2である請求項14〜20のいずれかに記載の製造法。

【公開番号】特開2006−83085(P2006−83085A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268409(P2004−268409)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】