仕分けシステム
【課題】
作業負担の増大を回避しながら作業者が容易に未仕分け位置の有無を確認できかつ未仕分け位置が有る場合には作業者が容易にその未仕分け位置を探すことのできる仕分けシステムの提供を課題とする。
【解決手段】
仕分けシステム1は、複数の仕分け位置のそれぞれに表示器6を備える。表示器6は、仕分け作業の対象の仕分け位置であることを指示するための指示ランプと、仕分け個数を表示するための個数表示窓と、仕分け作業の完了を通知するための完了通知ボタンとを具備する。表示器コントローラ5は、1つの仕分け位置において完了通知ボタンにより仕分け作業の完了が通知されたときに未だ仕分け作業の完了が通知されていない未仕分け位置の有無を判定し、その結果、未仕分け位置が有ると判定したときは前記表示器6に未仕分け位置の存在方向を表示する。
作業負担の増大を回避しながら作業者が容易に未仕分け位置の有無を確認できかつ未仕分け位置が有る場合には作業者が容易にその未仕分け位置を探すことのできる仕分けシステムの提供を課題とする。
【解決手段】
仕分けシステム1は、複数の仕分け位置のそれぞれに表示器6を備える。表示器6は、仕分け作業の対象の仕分け位置であることを指示するための指示ランプと、仕分け個数を表示するための個数表示窓と、仕分け作業の完了を通知するための完了通知ボタンとを具備する。表示器コントローラ5は、1つの仕分け位置において完了通知ボタンにより仕分け作業の完了が通知されたときに未だ仕分け作業の完了が通知されていない未仕分け位置の有無を判定し、その結果、未仕分け位置が有ると判定したときは前記表示器6に未仕分け位置の存在方向を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫や配送センター等の物流現場で行われる物品の仕分けの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多種多様な工業製品や加工食品等の物品が製造や生産されてから消費者の手に渡るまでの物流過程において品目の異なる複数の物品を出荷先毎に集品する仕分け作業が行われる。従来、仕分け作業の1つとして周知のピッキング作業は、複数の物品を品目毎に保管した棚から作業者が仕分け情報に従って集品すべき物品を集品すべき個数づつ取り出して出荷先毎の集品コンテナに投入していくものである。また、同じく仕分け作業の1つとして周知のソーティング作業は、出荷先毎に棚に設置した集品コンテナに作業者が仕分け情報に従って集品すべき物品を集品すべき個数づつ投入していくものである。
【0003】
そして、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように、仕分け作業を短時間で正確にかつ容易に行えるように支援するコンピュータを用いた仕分けシステムが知られており、このような仕分けシステムでは、作業者にピッキング対象の物品あるいはソーティング対象の集品コンテナがどれであるかを知らせるための指示ランプや、ピッキング個数あるいはソーティング個数を知らせるための個数表示窓、及び物品の取出し完了時あるいは集品コンテナへの投入完了時に作業者が操作して仕分け作業の完了を通知するための完了ボタン等が備えられる。
【0004】
この点、特許文献1に開示の仕分けシステムでは、前記のような指示ランプや個数表示窓あるいは完了ボタン等がすべて作業者が走行操作する移動車に備えられている。そして、移動車には、仕分け作業の対象の棚の番号や通路の番号等もすべて表示されるようになっており、これにより、作業者は他の移動車が不在の棚や通路を選択して効率よく仕分け作業を行うことができるとしている。
【0005】
一方、特許文献2に開示の仕分けシステムでは、前記のような指示ランプや個数表示窓あるいは完了ボタン等がすべて物品又は集品コンテナが設置された棚に備えられている。その場合に、指示ランプと完了ボタンとは一体化されて各仕分け位置、つまり各物品の保管位置又は各集品コンテナの設置位置に1つづつ設けられている。また、個数表示窓は複数の仕分け位置に対して共用に1つだけ設けられている。そして、仕分け作業の対象の仕分け位置の指示ランプが一斉に点灯されると共に、個数表示窓に仕分け個数が表示された仕分け位置の指示ランプが他と異なる態様で点灯されるようになっており、これにより、作業者は全体の作業量を把握することができて精神的余裕が生まれ、仕分け作業を1つ1つ能率よく完了していくことができるとしている。
【0006】
【特許文献1】特許第2550935号明細書
【特許文献2】特開平1−122805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで仕分け作業で回避すべきことの1つに仕分け漏れ、つまり、未だ仕分け作業が完了していない仕分け位置があるにも拘らず、その未仕分け位置を残したまま離れて行ってしまうことがある。このような仕分け漏れが有ると作業者はその場所まで戻らねばならず時間が無駄になるばかりでなく他の作業者の仕分け作業を混乱させる。そこで、仕分け漏れを防ぐために複数の仕分け位置を範囲とするゾーンランプを備え、ゾーン内に未仕分け位置、つまり仕分け作業の対象の仕分け位置のうち未だ仕分け作業が完了していない仕分け位置が有るときはゾーンランプが点灯又は消灯して作業者にその旨を知らせることが行われている。
【0008】
しかし、作業者は未仕分け位置が有るかどうかを確認するためにいちいち棚から目を離してゾーンランプを見なければならないし、またゾーンランプによって未仕分け位置が有ることが分かっても複数の仕分け位置の中から指示ランプが点灯したままの仕分け位置を探さねばならないため作業効率が低下する傾向にある。
【0009】
この点、特許文献1に開示の仕分けシステムでは、すべての表示が棚の側ではなく移動車の側で行われるので、未仕分け位置の有無の確認が容易であるが、そもそも仕分け情報が仕分け位置のある棚の側に表示されないため、作業者は移動車の表示と棚の仕分け位置とを見比べて対応付けしなければならず、作業負担が大きくなり間違いが生じ易い。
【0010】
また、特許文献2に開示の仕分けシステムでは、前記の未仕分け位置の有無を確認するために棚から目が離れる問題及び未仕分け位置を探す問題があることに加えて、そもそもピッキング個数又はソーティング個数を表示する個数表示窓が複数の仕分け位置のそれぞれに設けられておらず複数の仕分け位置に対して共用の1つしか設けられていないため、作業者は仕分け作業時にもいちいち棚から目を離して個数表示窓を見なければならず、やはり作業負担が大きくなり間違いが生じ易い。
【0011】
そこで、本発明は、作業負担の増大を回避しながら、作業者が容易に未仕分け位置の有無を確認でき、かつ未仕分け位置が有る場合には作業者が容易にその未仕分け位置を探すことのできる仕分けシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、複数の仕分け位置のそれぞれに、仕分け作業の対象の仕分け位置であることを指示するための作業対象指示手段と、前記指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示されたときにその仕分け個数を表示するための個数表示手段及びその仕分け作業の完了を通知するための完了通知手段とが設けられている仕分けシステムであって、前記作業対象指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示された仕分け位置のうちの1つの仕分け位置において前記完了通知手段により仕分け作業の完了が通知されたときに未だ仕分け作業の完了が通知されていない未仕分け位置の有無を判定する未仕分け位置判定手段と、複数の仕分け位置のそれぞれに設けられて、前記未仕分け位置判定手段で前記未仕分け位置が有ると判定されたときに前記未仕分け位置の存在方向を表示するための方向表示手段とを有していることを特徴とする。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の仕分けシステムにおいて、前記方向表示手段は、前記個数表示手段を用いて構成されていることを特徴とする。
【0014】
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の仕分けシステムにおいて、複数の仕分け位置を通過する作業者の進行方向が予め定められている場合に、前記方向表示手段は、前記作業者の進行方向において前記未仕分け位置が今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置の後方に存在するときにのみ前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【0015】
次に、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段のみが前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【0016】
次に、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置と前記未仕分け位置との間の仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【0017】
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、作業者が前記未仕分け位置の存在方向の表示を要求するときに操作するための操作手段が複数の仕分け位置のそれぞれに設けられ、前記操作手段が操作された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
まず、請求項1に記載の発明によれば、仕分けシステムが、仕分け作業の対象の仕分け位置のうちの1つの仕分け位置において仕分け作業が完了したときに未だ仕分け作業が完了していない未仕分け位置の有無を判定し、その結果未仕分け位置が有るときはその未仕分け位置が存在する方向を表示するようにしたから、作業者は未仕分け位置の存在方向が表示されることによって容易に未仕分け位置が有ることを確認でき、併せてその未仕分け位置の存在方向(例えば棚の上の方向、下の方向、左の方向、右の方向等)を知ることができて容易に未仕分け位置を探すことができ、もって作業者の作業負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0019】
しかも、未仕分け位置の存在方向を表示する方向表示手段は各仕分け位置毎に設けられているから、作業者は未仕分け位置の有無を確認するためにいちいち棚から目を離さずに済み、作業者は完了通知手段を操作した同じ目線で未仕分け位置の有無を確認できて、この点においても作業者の作業負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0020】
さらに、方向表示手段は各仕分け位置毎に設けられているから、作業者は複数の方向表示手段の複数の方向表示によって安定かつ確実に未仕分け位置まで案内されることとなる。その場合に、例えば今回仕分け作業が完了した仕分け位置が作業者の目の高さになく、その仕分け位置の方向表示手段による方向表示が見難いような場合でも、作業者の目の高さにある他の仕分け位置の方向表示手段による方向表示によって未仕分け位置の存在方向が見易くなることとなる。
【0021】
次に、請求項2に記載の発明によれば、未仕分け位置の存在方向を表示するための方向表示手段と仕分け個数を表示するための個数表示手段とを兼用するようにしたから、仕分けシステムの部品点数ないしコストの増大が回避される。
【0022】
次に、請求項3に記載の発明によれば、今回仕分け作業が完了した仕分け位置よりも作業者の進行方向の後方に未仕分け位置が存在するときにのみその未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、作業者がすでに通過して仕分け漏れが起こり易い進行方向の後方において仕分け漏れの有ることが報知され、仕分け漏れが効率よく回避される。一方、作業者がこれから通過しようとする進行方向の前方においては作業者がこれから仕分け作業を行おうとするのであるから、仕分け漏れの有ることを報知する必要性はあまりなく、仕分けシステムの無駄な動作が防がれる。
【0023】
次に、請求項4に記載の発明によれば、各仕分け位置毎に設けられている複数の方向表示手段のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置に設けられている方向表示手段のみが未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、仕分けシステムの必要最小限の動作で作業者に未仕分け位置が有ること及びその存在方向を報知することができる。
【0024】
次に、請求項5に記載の発明によれば、各仕分け位置毎に設けられている複数の方向表示手段のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置と未仕分け位置との間の仕分け位置に設けられている方向表示手段が未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、仕分けシステムの必要最小限の動作で作業者を複数の方向表示手段の複数の方向表示によって安定かつ確実に未仕分け位置まで案内することができる。
【0025】
そして、請求項6に記載の発明によれば、各仕分け位置毎に設けられている複数の方向表示手段のうちでも、作業者の未仕分け位置の存在方向の表示要求により操作手段が任意に操作された仕分け位置に設けられている方向表示手段が未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、仕分けシステムのより一層の必要最小限の動作で作業者を複数の方向表示手段の複数の方向表示によって安定かつ確実に未仕分け位置まで案内することができる。以下、本発明の最良の実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本実施形態においては、本発明は、図1に示す仕分けシステムに適用されている。この仕分けシステム1は、ピッキング作業にもソーティング作業にも使用し得るものであるが、本実施形態ではピッキング作業を例にとり説明する。ピッキング作業場のフロアには、複数の物品を品目毎に保管するための棚2が複数並んで設置されている。作業者aは、台車bを走行させながら、矢印cで示す進行方向に沿って棚2…2の間を通過していく。対面する2つの棚2,2が1つのゾーンZを構成し、作業者aは、図例では6つのゾーンZ…ZをS字状に蛇行していく。もちろん、作業者aは、ピッキング作業の対象でない棚2を飛ばしてもよい。
【0027】
図2に示すように、この仕分けシステム1の制御構成としては、最上位に仕分けコントローラ3を有し、その下位に、操作卓4と表示器コントローラ5…5とが順にネットワークで接続されている。表示器コントローラ5は、ゾーンZ毎に備えられ(図1参照)、さらに下位の複数の表示器6…6及びゾーンランプ7を制御する。仕分けコントローラ3は、品目毎の物品の在庫データや入出荷データ、あるいは顧客毎の注文データや納期データ等を登録し、それらの登録データに基いて出荷先毎の仕分け情報(どの出荷先にどの物品を何個集品するかの情報)を作成し、その仕分け情報を順次操作卓4に送信する。そして、操作卓4は、表示器コントローラ5からの要求に応じて、蓄積した仕分け情報のうち要求に合致する仕分け情報を表示器コントローラ5に送信する。
【0028】
図3に示すように、棚2には複数(図例では21個)の仕分け位置X…Xが設けられ、各仕分け位置Xに表示器6と物品保管容器8とが設置されている。作業者aは台車bに出荷先毎の集品コンテナd…dを積載しており、物品保管容器8からピッキングした物品を前記集品コンテナd…dに投入していく。
【0029】
図4に示すように、表示器6は、表示器ケース61の前面に指示ランプ62と個数表示窓63とを具備している。指示ランプ62は、完了通知ボタン、及び図12を参照して後述する方向表示要求ボタン65と兼用されており、点灯や点滅等する部分が押下操作可能とされている。ここで、指示ランプ62は、それが設けられている仕分け位置Xが今回の仕分け作業の対象となる仕分け位置Xであることを点灯や点滅等することによって作業者aに指示するものである。また、個数表示窓63は、前記指示ランプ62によって今回の仕分け作業の対象であることが指示された仕分け位置Xにおけるその仕分け個数を作業者aに表示するものである。さらに、完了通知ボタン62は、前記指示ランプ62によって今回の仕分け作業の対象であることが指示され、前記個数表示窓63によって仕分け個数が表示された仕分け位置Xの仕分け作業が完了したことを、例えば作業者aの押下操作により、上位の表示器コントローラ5等に通知するものである。そして、方向表示要求ボタン65は、作業者aが、未だ仕分け作業の完了していない仕分け位置(未仕分け位置)Xの存在する方向を表示することを仕分けシステム1に要求するときに例えば押下操作するものである。
【0030】
ピッキング作業に際しては、作業者aは、図1に示されているように、まず操作卓4を使って台車bを作業にエントリしたのち、各ゾーンZの入口に進む。ここで、他の作業者a及び台車bがゾーンZにいるうちは入口で待機する。作業者aは、ゾーンZの入口で、例えば台車bの識別コード等をバーコードやIDタグ等を用いて入力することにより、どの台車bがどのゾーンZの入口に到着したかを表示器コントローラ5に通知する。表示器コントローラ5は、台車bの到着の通知を受けて、その台車b用の仕分け情報の送信を操作卓4に要求する。あるいは表示器コントローラ5は、作業者aが操作卓4を使って作業にエントリした時点で、前もって操作卓4からその台車b用の仕分け情報を受信し蓄積しておいてもよい。いずれにしても、表示器コントローラ5は、操作卓4から送信されてきた仕分け情報に基いて前記表示器6…6及びゾーンランプ7の作動制御を行う。以下、図5に示すフローチャートに従ってさらに詳しくピッキング作業を説明する。
【0031】
表示器コントローラ5は、ステップS1で、ゾーンZの入口に台車bが到着したか否かを判定し、台車bが到着したと判定したときは、ステップS2で、前記台車bに係る(すなわち前記台車b用の仕分け情報に該当する)ピッキング位置Xの指示ランプ62を全て一斉に点灯し、かつ個数表示窓63にピッキング個数を全て一斉に表示する。また、表示器コントローラ5は、ゾーンランプ7を点灯する。
【0032】
すると、作業者aは、指示ランプ62が点灯し、個数表示窓63にピッキング個数が表示されたピッキング位置Xのうちの1つのピッキング位置Xにおいて、物品保管容器8内の物品を前記ピッキング個数だけ取り出して台車bの集品コンテナdに投入し、前記ピッキング位置Xの完了通知ボタン62を押下するであろうから、表示器コントローラ5は、ステップS3で、完了通知ボタン62が押下されたか否かを判定し、押下されたと判定したときは、ステップS4で、未仕分け位置X、つまり未だ完了通知ボタン62が押下されていないピッキング位置Xが有るか否かを判定する。そして、未仕分け位置Xが有ると判定したときは、ステップS5で、前記完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの指示ランプ62を消灯すると共に、前記未仕分け位置Xが存在する方向を個数表示窓63を用いて表示する。そしてステップS3に戻る。
【0033】
ここで、前記ステップS5で表示器コントローラ5が行う個数表示窓63を用いて未仕分け位置Xの存在方向を表示する動作の態様をいくつか示す。例えば、図6に示すように、未仕分け位置Xが、今回完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの右方向に存在する場合は、(a)の状態から完了通知ボタン62が押下されて指示ランプ62が消灯したのち、個数表示窓63の数字が消去され、代わりに、(b),(c),(d)に示すように、個数表示窓63の3桁の数字の所定の縦のセグメント列が左から右へ順に移動するように点灯する。ここで、(d)の状態から再び(b)の状態に戻り、(b),(c),(d)の動作が繰り返される。このように、未仕分け位置Xの方向表示が動くことにより、作業者aの視覚により強く訴えることができ、作業者aは一見して未仕分け位置Xが右方向に有ることが即座に認識できる。
【0034】
また例えば、図7に示すように、未仕分け位置Xが、今回完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの上方向に存在する場合は、(a)の状態から完了通知ボタン62が押下されて指示ランプ62が消灯したのち、個数表示窓63の数字が消去され、代わりに、(b),(c),(d)に示すように、個数表示窓63の3桁の数字の所定の横のセグメント列が下から上へ順に移動するように点灯する。ここで、(d)の状態から再び(b)の状態に戻り、(b),(c),(d)の動作が繰り返される。この場合も、未仕分け位置Xの方向表示が動くことにより、作業者aの視覚により強く訴えることができ、作業者aは一見して未仕分け位置Xが上方向に有ることが即座に認識できる。なお、図6、図7の場合において、移動するセグメントは3個に限らず、1個あるいは他の個数でもよい。
【0035】
さらに例えば、図8に示すように、未仕分け位置Xが、今回完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの右上方向に存在する場合は、(a)の状態から完了通知ボタン62が押下されて指示ランプ62が消灯したのち、個数表示窓63の数字が消去され、代わりに、(b),(c),(d)に示すように、個数表示窓63の3桁の数字の所定のセグメントが左下から右上へ順に移動するように点灯する。ここで、(d)の状態から再び(b)の状態に戻り、(b),(c),(d)の動作が繰り返される。この場合も、未仕分け位置Xの方向表示が動くことにより、作業者aの視覚により強く訴えることができ、作業者aは一見して未仕分け位置Xが右上方向に有ることが即座に認識できる。なお、移動するセグメントは1個に限らず、2個あるいは他の個数でもよい。
【0036】
以上に準じて、未仕分け位置Xが、左方向、下方向、左上方向、右下方向、左下方向等に存在することも個数表示窓63を用いて作業者aに知らせることができる。
【0037】
図5のフローチャートに戻り、前記ステップS4で、未仕分け位置Xが無いと判定したときは、表示器コントローラ5は、ステップS6で、前記完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの指示ランプ62を消灯する(併せて個数表示窓63の数字も消去する)と共に、ゾーンランプ7を消灯する。そして、ステップS7で、例えば台車bの識別コード等をバーコードやIDタグ等を用いて読み取ることによって、ゾーンZの出口から台車bが退出したと判定したときは、表示器コントローラ5は、ステップS1に戻って次の台車bの到着を待つ。
【0038】
なお、以上の動作例では、図5のピッキング動作は、表示器コントローラ5が全て行うものであったが、図5のピッキング動作の1部をこの仕分けシステム1の他の装置が代行するようにしてもよい。例えば、図5のステップS3の判定を表示器コントローラ5でなく表示器6自身が行うようにしてもよい。また、ステップS2やS5あるいはS6における指示ランプ62の点灯動作や消灯動作あるいは個数表示窓63へのピッキング個数の表示動作や消去動作を表示器コントローラ5の指示を受けずに表示器6自身が自発的に行うようにしてもよい。
【0039】
このように、本実施形態では、仕分けシステム1(より具体的には仕分けシステム1の表示器コントローラ5や表示器6等)が、仕分け作業の対象の仕分け位置X…Xのうちの1つの仕分け位置Xにおいて仕分け作業が完了したとき(図5のステップS3でYESのとき)に、未だ仕分け作業が完了していない未仕分け位置Xの有無を判定し(ステップS4)、その結果、未仕分け位置Xが有るときは、その未仕分け位置Xが存在する方向を表示するようにしたから(ステップS5)、作業者aは、未仕分け位置Xの存在方向が表示されることによって、容易に未仕分け位置Xが有ることを確認できると共に、併せて、作業者aは、その未仕分け位置Xの存在方向(例えば棚2の上の方向、下の方向、左の方向、右の方向等)も知ることができて、容易に未仕分け位置Xを探すことができ、もって作業者aの仕分け作業の負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0040】
しかも、未仕分け位置Xの存在方向を表示する個数表示窓63は、各仕分け位置X毎に設けられているから、作業者aは、未仕分け位置Xの有無を確認するためにいちいち棚2から目を離さずに済み、作業者aは、完了通知ボタン62を操作した同じ目線で未仕分け位置Xの有無を確認できて、この点においても、作業者aの仕分け作業の負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0041】
加えて、各仕分け位置X毎に設けられている個数表示窓63を、仕分け個数を表示するための手段(個数表示手段)と、未仕分け位置Xの存在方向を表示するための手段(方向表示手段)とに兼用したから、この仕分けシステム1の部品点数ないしコストの増大が回避される。
【0042】
次に、図9は、図3と同様、棚2の正面図であって、複数の表示器6…6のうちの1つの表示器6を用いて未仕分け位置Xの存在方向(図例は右方向)を表示している様子を示したものである。符号アで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号イで示す仕分け位置Xは、未仕分け位置Xである。このように、各仕分け位置X毎に設けられている複数の表示器6…6のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(ア)に設けられている表示器6のみが、未仕分け位置(イ)の存在方向を表示するようにしたときには、仕分けシステム1の必要最小限の動作で、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(ア)に居る作業者aに未仕分け位置(イ)が有ること及びその存在方向を報知することができる。
【0043】
次に、図10は、同じく複数の表示器6…6のうちの1つの表示器6を用いて複数の未仕分け位置X…Xのうちの1つの未仕分け位置Xの存在方向(図例は左方向)を表示している様子を示したものである。符号カで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号キ、クで示す仕分け位置X,Xは、未仕分け位置X,Xである。このように、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(カ)を挟んで、作業者aの進行方向cの前後に、複数の未仕分け位置(キ)、(ク)が有る。
【0044】
そして、この場合、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(カ)よりも、作業者aの進行方向cの後方に未仕分け位置Xが存在するときにのみ、その未仕分け位置(キ)の存在方向を表示するようにしている。これにより、作業者aがすでに通過して仕分け漏れが起こり易い進行方向cの後方において仕分け漏れ(キ)の有ることが作業者aに報知され、仕分け漏れが効率よく回避される。一方、作業者aがこれから通過しようとする進行方向cの前方においては、作業者aがこれから仕分け作業を行おうとするのであるから、仕分け漏れ(ク)の有ることを作業者aに報知する必要性はあまりなく、仕分けシステム1の無駄な動作が防がれる。
【0045】
次に、図11は、複数の表示器6…6のうちのいくつかの表示器6…6を用いて未仕分け位置Xの存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示したものである。符号サで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号シで示す仕分け位置Xは、未仕分け位置Xである。そして、この場合、各仕分け位置X毎に設けられている複数の表示器6…6のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(サ)と未仕分け位置(シ)との間の仕分け位置X…Xに設けられている表示器6…6が、未仕分け位置(シ)の存在方向を表示するようにしている。これにより、仕分けシステム1の必要最小限の動作で、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(サ)に居る作業者aを、複数の表示器6…6の複数の方向表示によって、安定かつ確実に未仕分け位置(シ)まで案内することができる。
【0046】
しかも、図例のように、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(サ)が低い位置(最下段)にあって、その仕分け位置(サ)の表示器6による方向表示が見難いときでも、作業者aの目の高さ(中段)にある他の仕分け位置X…Xの表示器6…6による方向表示のおかげで、作業者aは、未仕分け位置(シ)の存在方向が見易くなる、という利点も得られる。
【0047】
次に、図12は、同じく複数の表示器6…6のうちのいくつかの表示器6,6を用いて未仕分け位置Xの存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示したものである。符号タで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号チで示す仕分け位置Xは、未仕分け位置Xである。そして、この場合、各仕分け位置X毎に設けられている複数の表示器6…6のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(タ)に設けられている表示器6と、作業者aの未仕分け位置Xの存在方向の表示要求により完了通知ボタン62が押下された仕分け位置(ツ)に設けられている表示器6とが、未仕分け位置(チ)の存在方向を表示するようにしている。
【0048】
つまり、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(タ)に居た作業者aは、該仕分け位置(タ)の表示器6を見て、右上方向に未仕分け位置Xが有ることを知り、未仕分け位置(チ)に近づいて行く途中で、再度未仕分け位置Xの存在方向を確認したくなり、仕分け位置(タ)、(チ)間にある任意の仕分け位置(ツ)に設けられている表示器6の完了通知ボタン62を押下し、これにより、未仕分け位置Xの存在方向を前記仕分け位置(ツ)の表示器6に表示するように仕分けシステム1に要求したのである。すなわち完了通知ボタン62を方向表示要求ボタン65(図15参照)に兼用しているのである。その結果、前記仕分け位置(ツ)の表示器6に、未仕分け位置(チ)が存在する右方向が表示されたのである。これにより、仕分けシステム1のより一層の必要最小限の動作で、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(タ)に居る作業者aを、複数の表示器6,6の複数の方向表示によって、安定かつ確実に未仕分け位置(チ)まで案内することができる。
【0049】
また、図13に例示するように、作業者aが今回仕分け作業が完了した仕分け位置(ナ)の完了通知ボタン62を押下すると、その仕分け位置(ナ)の表示器6に未仕分け位置(ニ)が存在する右方向が表示されると共に、未仕分け位置(ニ)の周囲の複数の表示器6…6にも、未仕分け位置(ニ)の存在方向がそれぞれの仕分け位置X…Xを基準として表示されるようにしてもよい。このような複数の表示器6…6を用いた方向表示の態様も本発明の範囲に含まれる。
【0050】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の修正や改良が可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施形態では、本来仕分け個数を表示するために具備されている個数表示窓63を、未仕分け位置Xの存在方向を表示するための方向表示手段に兼用したが、図14に例示するように、個数表示窓63とは別に、未仕分け位置Xの存在方向を表示するための方向表示ランプ64を、独立して表示器6に具備してもよい。なお、図例では、複数の方向表示ランプ64…64を表示器ケース61の4隅に配置し、それらの組合せで、右方向、左方向、上方向、下方向、右上方向、左上方向、右下方向、左下方向等を表示するようにしている(図は上2つのランプ64,64が点灯することにより未仕分け位置Xが上方向に有ることを表示している)。
【0051】
また、前記実施形態では(特に図12の動作例)、本来仕分け作業の完了を通知するために具備されている完了通知ボタン62を、作業者aが未仕分け位置Xの存在方向の表示を要求するときに操作するための方向表示要求ボタン65に兼用したが、図15に例示するように、完了通知ボタン62とは別に、方向表示要求ボタン65を、独立して表示器6に具備してもよい。なお、図例では、個数表示窓63は5桁あり、仕分け個数「20」を表示しながら、左右の余った桁部分のセグメントを使って、右方向、左方向、上方向、下方向、右上方向、左上方向、右下方向、左下方向等を表示するようにしている(図は左の桁部分のセグメントが全て点灯することにより未仕分け位置Xが左方向に有ることを表示している)。
【0052】
さらに、前記実施形態では、前記仕分けシステム1をピッキングシステムとして説明したが、前述したように、ソーティングシステムとして用いることも可能である。その場合の動作例を図16に例示する。ただし、前記図5のピッキング作業の動作例に準じてほぼ同様の動作内容であるから、詳しい説明は省略する。ソーティングシステムにおいては、図3に示す棚2は、複数の集品コンテナ8…8を出荷先毎に各ソーティング位置X…Xに設置するためのものである。そして、作業者aは、台車bに品目毎の物品収容容器d…dを積載しており、該容器d…dに収容されている物品を表示器6…6の表示に従って棚2の集品コンテナd…dにソーティングしていく。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明によれば、作業者の仕分け作業の負担増を回避しながら、作業者が容易に未仕分け位置の有無を確認でき、かつ未仕分け位置が有る場合には作業者が容易にその未仕分け位置を探すことのできる仕分けシステムが提供される。本発明は、ピッキングシステムやソーティングシステム等の仕分けシステムの技術分野において幅広い産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る仕分けシステムのレイアウトを示す平面図である。
【図2】前記仕分けシステムの制御構成図である。
【図3】前記仕分けシステムの複数の仕分け位置の配置を示す棚の正面図である。
【図4】前記仕分け位置のそれぞれに設けられた表示器の正面図である。
【図5】前記仕分けシステムのピッキング作業の1例を示すフローチャートである。
【図6】前記表示器を用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向)を表示する動作の1例を示す図4と類似の正面図であって、(a)は仕分け作業中の状態を示し、(b),(c),(d)は完了通知ボタンが押された後の繰り返し状態を順に示している。
【図7】同じく前記表示器を用いて未仕分け位置の存在方向(図例は上方向)を表示する動作の1例を示す図4と類似の正面図であって、(a)は仕分け作業中の状態を示し、(b),(c),(d)は完了通知ボタンが押された後の繰り返し状態を順に示している。
【図8】同じく前記表示器を用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右上方向)を表示する動作の1例を示す図4と類似の正面図であって、(a)は仕分け作業中の状態を示し、(b),(c),(d)は完了通知ボタンが押された後の繰り返し状態を順に示している。
【図9】前記表示器の1つを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図10】前記表示器の1つを用いて複数の未仕分け位置のうちの1つの存在方向(図例は左方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図11】前記表示器のいくつかを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図12】前記表示器のいくつかを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図13】前記表示器のいくつかを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は周囲の方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図14】本発明で採用し得る表示器の他の例を示す図4と類似の正面図である。
【図15】同じくさらに他の例を示す図4と類似の正面図である。
【図16】前記仕分けシステムのソーティング作業の1例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 仕分けシステム
2 棚
3 仕分けコントローラ
4 操作卓
5 表示器コントローラ(未仕分け位置判定手段)
6 表示器
7 ゾーンランプ
8 物品保管容器(ピッキング時)又は集品コンテナ(ソーティング時)
61 表示器ケース
62 指示ランプ(作業対象指示手段)[ただし完了通知ボタン(完了通知手段)及び方向表示要求ボタン(操作手段)と兼用]
63 個数表示窓(個数表示手段、方向表示手段)
64 方向表示ランプ(方向表示手段)
65 方向表示要求ボタン(操作手段)
a 作業者
b 台車
c 進行方向
d 集品コンテナ(ピッキング時)又は物品収容容器(ソーティング時)
X 仕分け位置
Z ゾーン
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫や配送センター等の物流現場で行われる物品の仕分けの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多種多様な工業製品や加工食品等の物品が製造や生産されてから消費者の手に渡るまでの物流過程において品目の異なる複数の物品を出荷先毎に集品する仕分け作業が行われる。従来、仕分け作業の1つとして周知のピッキング作業は、複数の物品を品目毎に保管した棚から作業者が仕分け情報に従って集品すべき物品を集品すべき個数づつ取り出して出荷先毎の集品コンテナに投入していくものである。また、同じく仕分け作業の1つとして周知のソーティング作業は、出荷先毎に棚に設置した集品コンテナに作業者が仕分け情報に従って集品すべき物品を集品すべき個数づつ投入していくものである。
【0003】
そして、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように、仕分け作業を短時間で正確にかつ容易に行えるように支援するコンピュータを用いた仕分けシステムが知られており、このような仕分けシステムでは、作業者にピッキング対象の物品あるいはソーティング対象の集品コンテナがどれであるかを知らせるための指示ランプや、ピッキング個数あるいはソーティング個数を知らせるための個数表示窓、及び物品の取出し完了時あるいは集品コンテナへの投入完了時に作業者が操作して仕分け作業の完了を通知するための完了ボタン等が備えられる。
【0004】
この点、特許文献1に開示の仕分けシステムでは、前記のような指示ランプや個数表示窓あるいは完了ボタン等がすべて作業者が走行操作する移動車に備えられている。そして、移動車には、仕分け作業の対象の棚の番号や通路の番号等もすべて表示されるようになっており、これにより、作業者は他の移動車が不在の棚や通路を選択して効率よく仕分け作業を行うことができるとしている。
【0005】
一方、特許文献2に開示の仕分けシステムでは、前記のような指示ランプや個数表示窓あるいは完了ボタン等がすべて物品又は集品コンテナが設置された棚に備えられている。その場合に、指示ランプと完了ボタンとは一体化されて各仕分け位置、つまり各物品の保管位置又は各集品コンテナの設置位置に1つづつ設けられている。また、個数表示窓は複数の仕分け位置に対して共用に1つだけ設けられている。そして、仕分け作業の対象の仕分け位置の指示ランプが一斉に点灯されると共に、個数表示窓に仕分け個数が表示された仕分け位置の指示ランプが他と異なる態様で点灯されるようになっており、これにより、作業者は全体の作業量を把握することができて精神的余裕が生まれ、仕分け作業を1つ1つ能率よく完了していくことができるとしている。
【0006】
【特許文献1】特許第2550935号明細書
【特許文献2】特開平1−122805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで仕分け作業で回避すべきことの1つに仕分け漏れ、つまり、未だ仕分け作業が完了していない仕分け位置があるにも拘らず、その未仕分け位置を残したまま離れて行ってしまうことがある。このような仕分け漏れが有ると作業者はその場所まで戻らねばならず時間が無駄になるばかりでなく他の作業者の仕分け作業を混乱させる。そこで、仕分け漏れを防ぐために複数の仕分け位置を範囲とするゾーンランプを備え、ゾーン内に未仕分け位置、つまり仕分け作業の対象の仕分け位置のうち未だ仕分け作業が完了していない仕分け位置が有るときはゾーンランプが点灯又は消灯して作業者にその旨を知らせることが行われている。
【0008】
しかし、作業者は未仕分け位置が有るかどうかを確認するためにいちいち棚から目を離してゾーンランプを見なければならないし、またゾーンランプによって未仕分け位置が有ることが分かっても複数の仕分け位置の中から指示ランプが点灯したままの仕分け位置を探さねばならないため作業効率が低下する傾向にある。
【0009】
この点、特許文献1に開示の仕分けシステムでは、すべての表示が棚の側ではなく移動車の側で行われるので、未仕分け位置の有無の確認が容易であるが、そもそも仕分け情報が仕分け位置のある棚の側に表示されないため、作業者は移動車の表示と棚の仕分け位置とを見比べて対応付けしなければならず、作業負担が大きくなり間違いが生じ易い。
【0010】
また、特許文献2に開示の仕分けシステムでは、前記の未仕分け位置の有無を確認するために棚から目が離れる問題及び未仕分け位置を探す問題があることに加えて、そもそもピッキング個数又はソーティング個数を表示する個数表示窓が複数の仕分け位置のそれぞれに設けられておらず複数の仕分け位置に対して共用の1つしか設けられていないため、作業者は仕分け作業時にもいちいち棚から目を離して個数表示窓を見なければならず、やはり作業負担が大きくなり間違いが生じ易い。
【0011】
そこで、本発明は、作業負担の増大を回避しながら、作業者が容易に未仕分け位置の有無を確認でき、かつ未仕分け位置が有る場合には作業者が容易にその未仕分け位置を探すことのできる仕分けシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に記載の発明は、複数の仕分け位置のそれぞれに、仕分け作業の対象の仕分け位置であることを指示するための作業対象指示手段と、前記指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示されたときにその仕分け個数を表示するための個数表示手段及びその仕分け作業の完了を通知するための完了通知手段とが設けられている仕分けシステムであって、前記作業対象指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示された仕分け位置のうちの1つの仕分け位置において前記完了通知手段により仕分け作業の完了が通知されたときに未だ仕分け作業の完了が通知されていない未仕分け位置の有無を判定する未仕分け位置判定手段と、複数の仕分け位置のそれぞれに設けられて、前記未仕分け位置判定手段で前記未仕分け位置が有ると判定されたときに前記未仕分け位置の存在方向を表示するための方向表示手段とを有していることを特徴とする。
【0013】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の仕分けシステムにおいて、前記方向表示手段は、前記個数表示手段を用いて構成されていることを特徴とする。
【0014】
次に、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の仕分けシステムにおいて、複数の仕分け位置を通過する作業者の進行方向が予め定められている場合に、前記方向表示手段は、前記作業者の進行方向において前記未仕分け位置が今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置の後方に存在するときにのみ前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【0015】
次に、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段のみが前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【0016】
次に、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置と前記未仕分け位置との間の仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【0017】
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、作業者が前記未仕分け位置の存在方向の表示を要求するときに操作するための操作手段が複数の仕分け位置のそれぞれに設けられ、前記操作手段が操作された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
まず、請求項1に記載の発明によれば、仕分けシステムが、仕分け作業の対象の仕分け位置のうちの1つの仕分け位置において仕分け作業が完了したときに未だ仕分け作業が完了していない未仕分け位置の有無を判定し、その結果未仕分け位置が有るときはその未仕分け位置が存在する方向を表示するようにしたから、作業者は未仕分け位置の存在方向が表示されることによって容易に未仕分け位置が有ることを確認でき、併せてその未仕分け位置の存在方向(例えば棚の上の方向、下の方向、左の方向、右の方向等)を知ることができて容易に未仕分け位置を探すことができ、もって作業者の作業負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0019】
しかも、未仕分け位置の存在方向を表示する方向表示手段は各仕分け位置毎に設けられているから、作業者は未仕分け位置の有無を確認するためにいちいち棚から目を離さずに済み、作業者は完了通知手段を操作した同じ目線で未仕分け位置の有無を確認できて、この点においても作業者の作業負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0020】
さらに、方向表示手段は各仕分け位置毎に設けられているから、作業者は複数の方向表示手段の複数の方向表示によって安定かつ確実に未仕分け位置まで案内されることとなる。その場合に、例えば今回仕分け作業が完了した仕分け位置が作業者の目の高さになく、その仕分け位置の方向表示手段による方向表示が見難いような場合でも、作業者の目の高さにある他の仕分け位置の方向表示手段による方向表示によって未仕分け位置の存在方向が見易くなることとなる。
【0021】
次に、請求項2に記載の発明によれば、未仕分け位置の存在方向を表示するための方向表示手段と仕分け個数を表示するための個数表示手段とを兼用するようにしたから、仕分けシステムの部品点数ないしコストの増大が回避される。
【0022】
次に、請求項3に記載の発明によれば、今回仕分け作業が完了した仕分け位置よりも作業者の進行方向の後方に未仕分け位置が存在するときにのみその未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、作業者がすでに通過して仕分け漏れが起こり易い進行方向の後方において仕分け漏れの有ることが報知され、仕分け漏れが効率よく回避される。一方、作業者がこれから通過しようとする進行方向の前方においては作業者がこれから仕分け作業を行おうとするのであるから、仕分け漏れの有ることを報知する必要性はあまりなく、仕分けシステムの無駄な動作が防がれる。
【0023】
次に、請求項4に記載の発明によれば、各仕分け位置毎に設けられている複数の方向表示手段のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置に設けられている方向表示手段のみが未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、仕分けシステムの必要最小限の動作で作業者に未仕分け位置が有ること及びその存在方向を報知することができる。
【0024】
次に、請求項5に記載の発明によれば、各仕分け位置毎に設けられている複数の方向表示手段のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置と未仕分け位置との間の仕分け位置に設けられている方向表示手段が未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、仕分けシステムの必要最小限の動作で作業者を複数の方向表示手段の複数の方向表示によって安定かつ確実に未仕分け位置まで案内することができる。
【0025】
そして、請求項6に記載の発明によれば、各仕分け位置毎に設けられている複数の方向表示手段のうちでも、作業者の未仕分け位置の存在方向の表示要求により操作手段が任意に操作された仕分け位置に設けられている方向表示手段が未仕分け位置の存在方向を表示するようにしたから、仕分けシステムのより一層の必要最小限の動作で作業者を複数の方向表示手段の複数の方向表示によって安定かつ確実に未仕分け位置まで案内することができる。以下、本発明の最良の実施の形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本実施形態においては、本発明は、図1に示す仕分けシステムに適用されている。この仕分けシステム1は、ピッキング作業にもソーティング作業にも使用し得るものであるが、本実施形態ではピッキング作業を例にとり説明する。ピッキング作業場のフロアには、複数の物品を品目毎に保管するための棚2が複数並んで設置されている。作業者aは、台車bを走行させながら、矢印cで示す進行方向に沿って棚2…2の間を通過していく。対面する2つの棚2,2が1つのゾーンZを構成し、作業者aは、図例では6つのゾーンZ…ZをS字状に蛇行していく。もちろん、作業者aは、ピッキング作業の対象でない棚2を飛ばしてもよい。
【0027】
図2に示すように、この仕分けシステム1の制御構成としては、最上位に仕分けコントローラ3を有し、その下位に、操作卓4と表示器コントローラ5…5とが順にネットワークで接続されている。表示器コントローラ5は、ゾーンZ毎に備えられ(図1参照)、さらに下位の複数の表示器6…6及びゾーンランプ7を制御する。仕分けコントローラ3は、品目毎の物品の在庫データや入出荷データ、あるいは顧客毎の注文データや納期データ等を登録し、それらの登録データに基いて出荷先毎の仕分け情報(どの出荷先にどの物品を何個集品するかの情報)を作成し、その仕分け情報を順次操作卓4に送信する。そして、操作卓4は、表示器コントローラ5からの要求に応じて、蓄積した仕分け情報のうち要求に合致する仕分け情報を表示器コントローラ5に送信する。
【0028】
図3に示すように、棚2には複数(図例では21個)の仕分け位置X…Xが設けられ、各仕分け位置Xに表示器6と物品保管容器8とが設置されている。作業者aは台車bに出荷先毎の集品コンテナd…dを積載しており、物品保管容器8からピッキングした物品を前記集品コンテナd…dに投入していく。
【0029】
図4に示すように、表示器6は、表示器ケース61の前面に指示ランプ62と個数表示窓63とを具備している。指示ランプ62は、完了通知ボタン、及び図12を参照して後述する方向表示要求ボタン65と兼用されており、点灯や点滅等する部分が押下操作可能とされている。ここで、指示ランプ62は、それが設けられている仕分け位置Xが今回の仕分け作業の対象となる仕分け位置Xであることを点灯や点滅等することによって作業者aに指示するものである。また、個数表示窓63は、前記指示ランプ62によって今回の仕分け作業の対象であることが指示された仕分け位置Xにおけるその仕分け個数を作業者aに表示するものである。さらに、完了通知ボタン62は、前記指示ランプ62によって今回の仕分け作業の対象であることが指示され、前記個数表示窓63によって仕分け個数が表示された仕分け位置Xの仕分け作業が完了したことを、例えば作業者aの押下操作により、上位の表示器コントローラ5等に通知するものである。そして、方向表示要求ボタン65は、作業者aが、未だ仕分け作業の完了していない仕分け位置(未仕分け位置)Xの存在する方向を表示することを仕分けシステム1に要求するときに例えば押下操作するものである。
【0030】
ピッキング作業に際しては、作業者aは、図1に示されているように、まず操作卓4を使って台車bを作業にエントリしたのち、各ゾーンZの入口に進む。ここで、他の作業者a及び台車bがゾーンZにいるうちは入口で待機する。作業者aは、ゾーンZの入口で、例えば台車bの識別コード等をバーコードやIDタグ等を用いて入力することにより、どの台車bがどのゾーンZの入口に到着したかを表示器コントローラ5に通知する。表示器コントローラ5は、台車bの到着の通知を受けて、その台車b用の仕分け情報の送信を操作卓4に要求する。あるいは表示器コントローラ5は、作業者aが操作卓4を使って作業にエントリした時点で、前もって操作卓4からその台車b用の仕分け情報を受信し蓄積しておいてもよい。いずれにしても、表示器コントローラ5は、操作卓4から送信されてきた仕分け情報に基いて前記表示器6…6及びゾーンランプ7の作動制御を行う。以下、図5に示すフローチャートに従ってさらに詳しくピッキング作業を説明する。
【0031】
表示器コントローラ5は、ステップS1で、ゾーンZの入口に台車bが到着したか否かを判定し、台車bが到着したと判定したときは、ステップS2で、前記台車bに係る(すなわち前記台車b用の仕分け情報に該当する)ピッキング位置Xの指示ランプ62を全て一斉に点灯し、かつ個数表示窓63にピッキング個数を全て一斉に表示する。また、表示器コントローラ5は、ゾーンランプ7を点灯する。
【0032】
すると、作業者aは、指示ランプ62が点灯し、個数表示窓63にピッキング個数が表示されたピッキング位置Xのうちの1つのピッキング位置Xにおいて、物品保管容器8内の物品を前記ピッキング個数だけ取り出して台車bの集品コンテナdに投入し、前記ピッキング位置Xの完了通知ボタン62を押下するであろうから、表示器コントローラ5は、ステップS3で、完了通知ボタン62が押下されたか否かを判定し、押下されたと判定したときは、ステップS4で、未仕分け位置X、つまり未だ完了通知ボタン62が押下されていないピッキング位置Xが有るか否かを判定する。そして、未仕分け位置Xが有ると判定したときは、ステップS5で、前記完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの指示ランプ62を消灯すると共に、前記未仕分け位置Xが存在する方向を個数表示窓63を用いて表示する。そしてステップS3に戻る。
【0033】
ここで、前記ステップS5で表示器コントローラ5が行う個数表示窓63を用いて未仕分け位置Xの存在方向を表示する動作の態様をいくつか示す。例えば、図6に示すように、未仕分け位置Xが、今回完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの右方向に存在する場合は、(a)の状態から完了通知ボタン62が押下されて指示ランプ62が消灯したのち、個数表示窓63の数字が消去され、代わりに、(b),(c),(d)に示すように、個数表示窓63の3桁の数字の所定の縦のセグメント列が左から右へ順に移動するように点灯する。ここで、(d)の状態から再び(b)の状態に戻り、(b),(c),(d)の動作が繰り返される。このように、未仕分け位置Xの方向表示が動くことにより、作業者aの視覚により強く訴えることができ、作業者aは一見して未仕分け位置Xが右方向に有ることが即座に認識できる。
【0034】
また例えば、図7に示すように、未仕分け位置Xが、今回完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの上方向に存在する場合は、(a)の状態から完了通知ボタン62が押下されて指示ランプ62が消灯したのち、個数表示窓63の数字が消去され、代わりに、(b),(c),(d)に示すように、個数表示窓63の3桁の数字の所定の横のセグメント列が下から上へ順に移動するように点灯する。ここで、(d)の状態から再び(b)の状態に戻り、(b),(c),(d)の動作が繰り返される。この場合も、未仕分け位置Xの方向表示が動くことにより、作業者aの視覚により強く訴えることができ、作業者aは一見して未仕分け位置Xが上方向に有ることが即座に認識できる。なお、図6、図7の場合において、移動するセグメントは3個に限らず、1個あるいは他の個数でもよい。
【0035】
さらに例えば、図8に示すように、未仕分け位置Xが、今回完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの右上方向に存在する場合は、(a)の状態から完了通知ボタン62が押下されて指示ランプ62が消灯したのち、個数表示窓63の数字が消去され、代わりに、(b),(c),(d)に示すように、個数表示窓63の3桁の数字の所定のセグメントが左下から右上へ順に移動するように点灯する。ここで、(d)の状態から再び(b)の状態に戻り、(b),(c),(d)の動作が繰り返される。この場合も、未仕分け位置Xの方向表示が動くことにより、作業者aの視覚により強く訴えることができ、作業者aは一見して未仕分け位置Xが右上方向に有ることが即座に認識できる。なお、移動するセグメントは1個に限らず、2個あるいは他の個数でもよい。
【0036】
以上に準じて、未仕分け位置Xが、左方向、下方向、左上方向、右下方向、左下方向等に存在することも個数表示窓63を用いて作業者aに知らせることができる。
【0037】
図5のフローチャートに戻り、前記ステップS4で、未仕分け位置Xが無いと判定したときは、表示器コントローラ5は、ステップS6で、前記完了通知ボタン62が押下されたピッキング位置Xの指示ランプ62を消灯する(併せて個数表示窓63の数字も消去する)と共に、ゾーンランプ7を消灯する。そして、ステップS7で、例えば台車bの識別コード等をバーコードやIDタグ等を用いて読み取ることによって、ゾーンZの出口から台車bが退出したと判定したときは、表示器コントローラ5は、ステップS1に戻って次の台車bの到着を待つ。
【0038】
なお、以上の動作例では、図5のピッキング動作は、表示器コントローラ5が全て行うものであったが、図5のピッキング動作の1部をこの仕分けシステム1の他の装置が代行するようにしてもよい。例えば、図5のステップS3の判定を表示器コントローラ5でなく表示器6自身が行うようにしてもよい。また、ステップS2やS5あるいはS6における指示ランプ62の点灯動作や消灯動作あるいは個数表示窓63へのピッキング個数の表示動作や消去動作を表示器コントローラ5の指示を受けずに表示器6自身が自発的に行うようにしてもよい。
【0039】
このように、本実施形態では、仕分けシステム1(より具体的には仕分けシステム1の表示器コントローラ5や表示器6等)が、仕分け作業の対象の仕分け位置X…Xのうちの1つの仕分け位置Xにおいて仕分け作業が完了したとき(図5のステップS3でYESのとき)に、未だ仕分け作業が完了していない未仕分け位置Xの有無を判定し(ステップS4)、その結果、未仕分け位置Xが有るときは、その未仕分け位置Xが存在する方向を表示するようにしたから(ステップS5)、作業者aは、未仕分け位置Xの存在方向が表示されることによって、容易に未仕分け位置Xが有ることを確認できると共に、併せて、作業者aは、その未仕分け位置Xの存在方向(例えば棚2の上の方向、下の方向、左の方向、右の方向等)も知ることができて、容易に未仕分け位置Xを探すことができ、もって作業者aの仕分け作業の負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0040】
しかも、未仕分け位置Xの存在方向を表示する個数表示窓63は、各仕分け位置X毎に設けられているから、作業者aは、未仕分け位置Xの有無を確認するためにいちいち棚2から目を離さずに済み、作業者aは、完了通知ボタン62を操作した同じ目線で未仕分け位置Xの有無を確認できて、この点においても、作業者aの仕分け作業の負担の増大が回避され、作業効率の向上が図られる。
【0041】
加えて、各仕分け位置X毎に設けられている個数表示窓63を、仕分け個数を表示するための手段(個数表示手段)と、未仕分け位置Xの存在方向を表示するための手段(方向表示手段)とに兼用したから、この仕分けシステム1の部品点数ないしコストの増大が回避される。
【0042】
次に、図9は、図3と同様、棚2の正面図であって、複数の表示器6…6のうちの1つの表示器6を用いて未仕分け位置Xの存在方向(図例は右方向)を表示している様子を示したものである。符号アで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号イで示す仕分け位置Xは、未仕分け位置Xである。このように、各仕分け位置X毎に設けられている複数の表示器6…6のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(ア)に設けられている表示器6のみが、未仕分け位置(イ)の存在方向を表示するようにしたときには、仕分けシステム1の必要最小限の動作で、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(ア)に居る作業者aに未仕分け位置(イ)が有ること及びその存在方向を報知することができる。
【0043】
次に、図10は、同じく複数の表示器6…6のうちの1つの表示器6を用いて複数の未仕分け位置X…Xのうちの1つの未仕分け位置Xの存在方向(図例は左方向)を表示している様子を示したものである。符号カで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号キ、クで示す仕分け位置X,Xは、未仕分け位置X,Xである。このように、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(カ)を挟んで、作業者aの進行方向cの前後に、複数の未仕分け位置(キ)、(ク)が有る。
【0044】
そして、この場合、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(カ)よりも、作業者aの進行方向cの後方に未仕分け位置Xが存在するときにのみ、その未仕分け位置(キ)の存在方向を表示するようにしている。これにより、作業者aがすでに通過して仕分け漏れが起こり易い進行方向cの後方において仕分け漏れ(キ)の有ることが作業者aに報知され、仕分け漏れが効率よく回避される。一方、作業者aがこれから通過しようとする進行方向cの前方においては、作業者aがこれから仕分け作業を行おうとするのであるから、仕分け漏れ(ク)の有ることを作業者aに報知する必要性はあまりなく、仕分けシステム1の無駄な動作が防がれる。
【0045】
次に、図11は、複数の表示器6…6のうちのいくつかの表示器6…6を用いて未仕分け位置Xの存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示したものである。符号サで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号シで示す仕分け位置Xは、未仕分け位置Xである。そして、この場合、各仕分け位置X毎に設けられている複数の表示器6…6のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(サ)と未仕分け位置(シ)との間の仕分け位置X…Xに設けられている表示器6…6が、未仕分け位置(シ)の存在方向を表示するようにしている。これにより、仕分けシステム1の必要最小限の動作で、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(サ)に居る作業者aを、複数の表示器6…6の複数の方向表示によって、安定かつ確実に未仕分け位置(シ)まで案内することができる。
【0046】
しかも、図例のように、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(サ)が低い位置(最下段)にあって、その仕分け位置(サ)の表示器6による方向表示が見難いときでも、作業者aの目の高さ(中段)にある他の仕分け位置X…Xの表示器6…6による方向表示のおかげで、作業者aは、未仕分け位置(シ)の存在方向が見易くなる、という利点も得られる。
【0047】
次に、図12は、同じく複数の表示器6…6のうちのいくつかの表示器6,6を用いて未仕分け位置Xの存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示したものである。符号タで示す仕分け位置Xは、今回完了通知ボタン62が押下された仕分け位置Xであり、作業者aが居る仕分け位置Xである。一方、符号チで示す仕分け位置Xは、未仕分け位置Xである。そして、この場合、各仕分け位置X毎に設けられている複数の表示器6…6のうちでも、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(タ)に設けられている表示器6と、作業者aの未仕分け位置Xの存在方向の表示要求により完了通知ボタン62が押下された仕分け位置(ツ)に設けられている表示器6とが、未仕分け位置(チ)の存在方向を表示するようにしている。
【0048】
つまり、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(タ)に居た作業者aは、該仕分け位置(タ)の表示器6を見て、右上方向に未仕分け位置Xが有ることを知り、未仕分け位置(チ)に近づいて行く途中で、再度未仕分け位置Xの存在方向を確認したくなり、仕分け位置(タ)、(チ)間にある任意の仕分け位置(ツ)に設けられている表示器6の完了通知ボタン62を押下し、これにより、未仕分け位置Xの存在方向を前記仕分け位置(ツ)の表示器6に表示するように仕分けシステム1に要求したのである。すなわち完了通知ボタン62を方向表示要求ボタン65(図15参照)に兼用しているのである。その結果、前記仕分け位置(ツ)の表示器6に、未仕分け位置(チ)が存在する右方向が表示されたのである。これにより、仕分けシステム1のより一層の必要最小限の動作で、今回仕分け作業が完了した仕分け位置(タ)に居る作業者aを、複数の表示器6,6の複数の方向表示によって、安定かつ確実に未仕分け位置(チ)まで案内することができる。
【0049】
また、図13に例示するように、作業者aが今回仕分け作業が完了した仕分け位置(ナ)の完了通知ボタン62を押下すると、その仕分け位置(ナ)の表示器6に未仕分け位置(ニ)が存在する右方向が表示されると共に、未仕分け位置(ニ)の周囲の複数の表示器6…6にも、未仕分け位置(ニ)の存在方向がそれぞれの仕分け位置X…Xを基準として表示されるようにしてもよい。このような複数の表示器6…6を用いた方向表示の態様も本発明の範囲に含まれる。
【0050】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の修正や改良が可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施形態では、本来仕分け個数を表示するために具備されている個数表示窓63を、未仕分け位置Xの存在方向を表示するための方向表示手段に兼用したが、図14に例示するように、個数表示窓63とは別に、未仕分け位置Xの存在方向を表示するための方向表示ランプ64を、独立して表示器6に具備してもよい。なお、図例では、複数の方向表示ランプ64…64を表示器ケース61の4隅に配置し、それらの組合せで、右方向、左方向、上方向、下方向、右上方向、左上方向、右下方向、左下方向等を表示するようにしている(図は上2つのランプ64,64が点灯することにより未仕分け位置Xが上方向に有ることを表示している)。
【0051】
また、前記実施形態では(特に図12の動作例)、本来仕分け作業の完了を通知するために具備されている完了通知ボタン62を、作業者aが未仕分け位置Xの存在方向の表示を要求するときに操作するための方向表示要求ボタン65に兼用したが、図15に例示するように、完了通知ボタン62とは別に、方向表示要求ボタン65を、独立して表示器6に具備してもよい。なお、図例では、個数表示窓63は5桁あり、仕分け個数「20」を表示しながら、左右の余った桁部分のセグメントを使って、右方向、左方向、上方向、下方向、右上方向、左上方向、右下方向、左下方向等を表示するようにしている(図は左の桁部分のセグメントが全て点灯することにより未仕分け位置Xが左方向に有ることを表示している)。
【0052】
さらに、前記実施形態では、前記仕分けシステム1をピッキングシステムとして説明したが、前述したように、ソーティングシステムとして用いることも可能である。その場合の動作例を図16に例示する。ただし、前記図5のピッキング作業の動作例に準じてほぼ同様の動作内容であるから、詳しい説明は省略する。ソーティングシステムにおいては、図3に示す棚2は、複数の集品コンテナ8…8を出荷先毎に各ソーティング位置X…Xに設置するためのものである。そして、作業者aは、台車bに品目毎の物品収容容器d…dを積載しており、該容器d…dに収容されている物品を表示器6…6の表示に従って棚2の集品コンテナd…dにソーティングしていく。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明によれば、作業者の仕分け作業の負担増を回避しながら、作業者が容易に未仕分け位置の有無を確認でき、かつ未仕分け位置が有る場合には作業者が容易にその未仕分け位置を探すことのできる仕分けシステムが提供される。本発明は、ピッキングシステムやソーティングシステム等の仕分けシステムの技術分野において幅広い産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る仕分けシステムのレイアウトを示す平面図である。
【図2】前記仕分けシステムの制御構成図である。
【図3】前記仕分けシステムの複数の仕分け位置の配置を示す棚の正面図である。
【図4】前記仕分け位置のそれぞれに設けられた表示器の正面図である。
【図5】前記仕分けシステムのピッキング作業の1例を示すフローチャートである。
【図6】前記表示器を用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向)を表示する動作の1例を示す図4と類似の正面図であって、(a)は仕分け作業中の状態を示し、(b),(c),(d)は完了通知ボタンが押された後の繰り返し状態を順に示している。
【図7】同じく前記表示器を用いて未仕分け位置の存在方向(図例は上方向)を表示する動作の1例を示す図4と類似の正面図であって、(a)は仕分け作業中の状態を示し、(b),(c),(d)は完了通知ボタンが押された後の繰り返し状態を順に示している。
【図8】同じく前記表示器を用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右上方向)を表示する動作の1例を示す図4と類似の正面図であって、(a)は仕分け作業中の状態を示し、(b),(c),(d)は完了通知ボタンが押された後の繰り返し状態を順に示している。
【図9】前記表示器の1つを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図10】前記表示器の1つを用いて複数の未仕分け位置のうちの1つの存在方向(図例は左方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図11】前記表示器のいくつかを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図12】前記表示器のいくつかを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は右方向及び右上方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図13】前記表示器のいくつかを用いて未仕分け位置の存在方向(図例は周囲の方向)を表示している様子を示す図3と類似の棚の正面図である。
【図14】本発明で採用し得る表示器の他の例を示す図4と類似の正面図である。
【図15】同じくさらに他の例を示す図4と類似の正面図である。
【図16】前記仕分けシステムのソーティング作業の1例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 仕分けシステム
2 棚
3 仕分けコントローラ
4 操作卓
5 表示器コントローラ(未仕分け位置判定手段)
6 表示器
7 ゾーンランプ
8 物品保管容器(ピッキング時)又は集品コンテナ(ソーティング時)
61 表示器ケース
62 指示ランプ(作業対象指示手段)[ただし完了通知ボタン(完了通知手段)及び方向表示要求ボタン(操作手段)と兼用]
63 個数表示窓(個数表示手段、方向表示手段)
64 方向表示ランプ(方向表示手段)
65 方向表示要求ボタン(操作手段)
a 作業者
b 台車
c 進行方向
d 集品コンテナ(ピッキング時)又は物品収容容器(ソーティング時)
X 仕分け位置
Z ゾーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕分け位置のそれぞれに、仕分け作業の対象の仕分け位置であることを指示するための作業対象指示手段と、前記指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示されたときにその仕分け個数を表示するための個数表示手段及びその仕分け作業の完了を通知するための完了通知手段とが設けられている仕分けシステムであって、
前記作業対象指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示された仕分け位置のうちの1つの仕分け位置において前記完了通知手段により仕分け作業の完了が通知されたときに未だ仕分け作業の完了が通知されていない未仕分け位置の有無を判定する未仕分け位置判定手段と、
複数の仕分け位置のそれぞれに設けられて、前記未仕分け位置判定手段で前記未仕分け位置が有ると判定されたときに前記未仕分け位置の存在方向を表示するための方向表示手段とを有していることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の仕分けシステムにおいて、
前記方向表示手段は、前記個数表示手段を用いて構成されていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の仕分けシステムにおいて、
複数の仕分け位置を通過する作業者の進行方向が予め定められている場合に、前記方向表示手段は、前記作業者の進行方向において前記未仕分け位置が今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置の後方に存在するときにのみ前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段のみが前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項5】
前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置と前記未仕分け位置との間の仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項6】
前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
作業者が前記未仕分け位置の存在方向の表示を要求するときに操作するための操作手段が複数の仕分け位置のそれぞれに設けられ、
前記操作手段が操作された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項1】
複数の仕分け位置のそれぞれに、仕分け作業の対象の仕分け位置であることを指示するための作業対象指示手段と、前記指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示されたときにその仕分け個数を表示するための個数表示手段及びその仕分け作業の完了を通知するための完了通知手段とが設けられている仕分けシステムであって、
前記作業対象指示手段で仕分け作業の対象の仕分け位置であることが指示された仕分け位置のうちの1つの仕分け位置において前記完了通知手段により仕分け作業の完了が通知されたときに未だ仕分け作業の完了が通知されていない未仕分け位置の有無を判定する未仕分け位置判定手段と、
複数の仕分け位置のそれぞれに設けられて、前記未仕分け位置判定手段で前記未仕分け位置が有ると判定されたときに前記未仕分け位置の存在方向を表示するための方向表示手段とを有していることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の仕分けシステムにおいて、
前記方向表示手段は、前記個数表示手段を用いて構成されていることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の仕分けシステムにおいて、
複数の仕分け位置を通過する作業者の進行方向が予め定められている場合に、前記方向表示手段は、前記作業者の進行方向において前記未仕分け位置が今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置の後方に存在するときにのみ前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段のみが前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項5】
前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
今回仕分け作業の完了が通知された仕分け位置と前記未仕分け位置との間の仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項6】
前記請求項1から3のいずれかに記載の仕分けシステムにおいて、
作業者が前記未仕分け位置の存在方向の表示を要求するときに操作するための操作手段が複数の仕分け位置のそれぞれに設けられ、
前記操作手段が操作された仕分け位置に設けられている前記方向表示手段が前記未仕分け位置の存在方向を表示することを特徴とする仕分けシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図8】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−213463(P2006−213463A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27898(P2005−27898)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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