説明

仮想化装置、仮想化装置制御方法、仮想化装置制御プログラム

【課題】定められた仮想マシン以外の仮想マシンが、物理マシン上に動作していることを検出する。
【解決手段】動作しているプロセスからカーネルに入力された処理要求を検出し、検出した処理要求が、CPUの仮想化支援機能に対する処理要求であるか否かを判定し、CPUの仮想化支援機能に対する処理要求であれば、処理要求を入力したプロセスが、予め定められた仮想マシンのプロセスであるか否かを判定し、予め定められた仮想マシンのプロセスでなければ、警告を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想化支援機能を有するCPUを備えた仮想化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物理マシンのコンピュータリソースを複数の論理リソースに分割して複数の仮想マシンを起動し、仮想マシン毎にOS(Operating System)を動作させる仮想化技術が存在する(例えば、特許文献1、2)。例えば、OSからハードウェアへの処理要求をソフトウェアによってエミュレートすることにより、単一の物理マシン上に複数のOSを動作させることができる。ここで、ソフトウェアによるハードウェアのエミュレート処理には相当のオーバーヘッドがかかる。そこで、ハードウェアレベルでこのような仮想化を支援する仮想化支援機能を有するCPU(Central Processing Unit)が利用されている。物理マシン上で動作する仮想マシンは、CPUが備えるこのような仮想化支援機能を介して処理要求を行うことにより、効率良く動作することができる。
ところで、物理マシン上でこのような仮想マシンを起動する場合、ユーザから入力されるコマンド等に応じて仮想マシンを起動させ、起動した複数の仮想マシンの状態等を管理する仮想マシン管理プログラムが利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−238044号公報
【特許文献2】国際公開第2007/108065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような仮想マシン管理プログラムを介さず、直接コマンドを入力することなどによっても仮想マシンは起動する。このように起動された仮想マシンは、仮想マシン管理プログラムによってその状態等を管理することができない。例えば、複数の物理マシンを仮想化してユーザに利用させるようなクラウドサービスを提供する場合、ネットワークを介した何らかの攻撃により管理外の仮想マシンが起動され動作していると、セキュリティの脅威となる可能性がある。そこで、このように仮想マシン管理プログラムを介さないで起動され動作している仮想マシンを検出することが望ましい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、定められた仮想マシン以外の仮想マシンが、物理マシン上に動作していることを検出する仮想化装置、仮想化装置制御方法、仮想化装置制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、仮想化支援機能を有するCPUを備えた仮想化装置であって、CPU上で動作するカーネルに、カーネル上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、仮想化支援機能に対する処理要求が予め記憶される処理要求記憶部と、仮想化支援機能に対する処理要求をカーネルに入力することが予め定められたプロセスである仮想マシンを識別するプロセス識別情報が記憶されているプロセス記憶部と、プロセスからカーネルに入力された処理要求を検出する処理要求検出部と、処理要求検出部が処理要求を検出すると、処理要求記憶部に記憶されている処理要求を読み出し、処理要求検出部が検出した処理要求と、処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定する処理要求判定部と、処理要求検出部が処理要求を検出すると、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセス識別情報が、プロセス記憶部に記憶されているか否かを判定するプロセス判定部と、処理要求判定部により、処理要求検出部が検出した処理要求と処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致すると判定され、かつ、プロセス判定部により、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセス識別情報がプロセス記憶部に記憶されていないと判定された場合、警告を出力する警告部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、仮想マシンの起動要求を受付け、起動要求に応じて、カーネル上に仮想マシンを起動させ、仮想マシンを識別するプロセス識別情報をプロセス記憶部に記憶させるプロセス管理部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、仮想化支援機能を有するCPUを備え、CPU上で動作するカーネルに、カーネル上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、仮想化支援機能に対する処理要求が予め記憶される処理要求記憶部と、仮想化支援機能に対する処理要求をカーネルに入力することが予め定められたプロセスである仮想マシンを識別するプロセス識別情報が記憶されているプロセス記憶部と、を備えた仮想化装置の仮想化装置制御方法であって、プロセスからカーネルに入力された処理要求を検出するステップと、処理要求を検出すると、処理要求記憶部に記憶されている処理要求を読み出し、検出した処理要求と、処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定するステップと、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセス識別情報が、プロセス記憶部に記憶されているか否かを判定するステップと、検出した処理要求と処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致すると判定し、かつ、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセス識別情報がプロセス記憶部に記憶されていないと判定した場合、警告を出力するステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、仮想化支援機能を有するCPUを備え、CPU上で動作するカーネルに、カーネル上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、仮想化支援機能に対する処理要求が予め記憶される処理要求記憶部と、仮想化支援機能に対する処理要求をカーネルに入力することが予め定められたプロセスである仮想マシンを識別するプロセス識別情報が記憶されているプロセス記憶部と、を備えた仮想化装置のコンピュータに、プロセスからカーネルに入力された処理要求を検出するステップと、処理要求を検出すると、処理要求記憶部に記憶されている処理要求を読み出し、検出した処理要求と、処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定するステップと、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセス識別情報が、プロセス記憶部に記憶されているか否かを判定するステップと、検出した処理要求と処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致すると判定し、かつ、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセス識別情報がプロセス記憶部に記憶されていないと判定した場合、警告を出力するステップと、を実行させる仮想化装置制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、動作しているプロセスからカーネルに入力された処理要求を検出し、検出した処理要求が、CPUの仮想化支援機能に対する処理要求であるか否かを判定し、CPUの仮想化支援機能に対する処理要求であれば、処理要求を入力したプロセスが、予め定められた仮想マシンのプロセスであるか否かを判定し、予め定められた仮想マシンのプロセスでなければ、警告を出力するようにしたので、定められた仮想マシン以外の仮想マシンが、物理マシン上に動作していることを検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による仮想化装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるカーネルに入力される処理要求の例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるカーネルに入力される処理要求の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるプロセス記憶部に記憶されるプロセス情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による仮想化装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による仮想化装置100の構成を示すブロック図である。仮想化装置100は、ハードウェア110を備えたコンピュータ装置であり、CPU111と、HD113と、メモリ114と、NIC115とを備えている。CPU111は、複数のOSの並行動作をより効率的に行うための仮想化支援機能であるVT(Virtualization Technology)112を有する中央演算処理装置である。VT112としては、例えばIntel VT(Intelは登録商標)や AMD−V(AMDは登録商標)などが適用できる。このようなVT112は、OSカーネル自体を仮想マシンのハイパーバイザとする仮想化技術に基づく、例えばKVM(Kernel-based Virtual Machine)のようなプログラムからの処理要求に応じて動作する。
【0013】
HD(Hard Disk)113は、データが記憶される磁気ディスクであり、補助記憶装置である。メモリ114は、データが記憶される半導体メモリであり、主記憶装置である。NIC(Network Interface Card)115は、ネットワーク通信を行う拡張カードである。仮想化装置100は、この他にもハードウェア110として様々な要素を備えていて良い。
ここでは、ハードウェアレベルでの仮想化支援機能として、CPU111がVT112を備える例を説明するが、他のハードウェア110の要素においても、ハードウェアレベルでの仮想化支援機能を有していても良い。
【0014】
このようなハードウェア110上でカーネル120が動作し、カーネル120上でアプリケーションプログラム等のプロセスが動作する。カーネル120は、OSの中核となるプログラムである。本実施形態では、Linux(登録商標)カーネルを想定して説明するが、他のOSカーネルでも良い。カーネル120は、コンピュータリソースやデータ等をファイル単位で管理するファイルシステム121の機能を有し、このようなファイルに対する処理要求を行うためのシステムコールをプロセスに公開している。システムコールは、カーネル120と、カーネル120上で動作するプロセスとのインタフェースである。
【0015】
ここでは、プロセスがカーネル120のシステムコールを呼び出すことを、プロセスがカーネル120に処理要求を入力するという。図2、図3は、カーネル120に入力される処理要求の例を示す図である。処理要求としては、例えば、ファイルからデータを読み出す「read」、ファイルにデータを書き込む「write」、デバイスを制御する「ioctl」などが存在する。カーネル120は、カーネル120上で動作するプロセスから、このような処理要求の入力を受付け、入力された処理要求に応じてハードウェア110を動作させる。処理要求としては、例えば、ファイルの読み書き、VT112を含む各種ハードウェア要素への制御コマンド発行、プロセスやスレッドの新規生成、プロセスで使用するメモリの確保などが存在する。
【0016】
例えば、図1において符号aに示されるプロセスAが、システムコールを介してファイル「/tmp」のデータを読み出すreadの処理要求を入力したり、符号bに示されるプロセスBが、システムコールを介してファイル「/usr/harada」にデータを書き込むwriteの処理要求を入力したりすることができる。カーネル120は、処理要求に応じてハードウェア110にアクセスし、ファイルの読み書き等の処理を行う。
【0017】
符号dに示されるプロセスDと、符号eに示されるプロセスEとは仮想マシンである。カーネル120にとって、仮想マシンは、他のアプリケーションプログラムと同様の1プロセスである。このような仮想マシンがカーネル120に対して入力する処理要求としては、自身のイメージファイル(プロセスDであればファイル「/data/imgD」、プロセスEであればファイル「/data/imgE」)に対する読み書き(readまたはwrite)を行うものと、VT112にアクセスするファイル「/dev/kvm」に対する制御(ioctl)を行うものとが存在する。特に、ファイル「/dev/kvm」に対する処理要求は、一般的に仮想マシンであるプロセスのみから入力される特徴的なものである。すなわち、ファイル「/dev/kvm」に対する処理要求を入力してくるプロセスは、仮想マシンである可能性が高いと考えられる。そこで、カーネル120は、入力される処理要求から、ファイル「/dev/kvm」に対する処理要求を検出することにより、仮想マシンである可能性が高いプロセスを検出できる。このような検出処理を行うために、カーネル120は、処理要求記憶部122と、処理要求検出部123と、処理要求判定部124とを備えている。これらの機能部は、例えばカーネル120に対するパッチプログラムとして提供できる。
【0018】
処理要求記憶部122には、CPU111上で動作するカーネル120に、カーネル120上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、VT112に対する処理要求が予め記憶される。例えば、本実施形態では、ファイル「/dev/kvm」に対する処理要求を示す文字列である「ioctl /dev/kvm」、「read /dev/kvm」、「write /dev/kvm」などが記憶される。あるいは、「/dev/kvm」のみの文字列が記憶されるようにしても良い。
【0019】
処理要求検出部123は、プロセスから、システムコールを介してカーネル120に入力された処理要求を検出する。
処理要求判定部124は、処理要求検出部123が処理要求を検出すると、処理要求記憶部122に記憶されている処理要求を読み出し、処理要求検出部123が検出した処理要求と、処理要求記憶部122から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定する。例えば、処理要求判定部124は、処理要求検出部123が検出した処理要求が、「ioctl /dev/kvm」、「read /dev/kvm」、「write /dev/kvm」などの文字列を含むか否かを判定する。あるいは、処理要求判定部124は、「/dev/kvm」のみの文字列を含むか否かを判定するようにしても良い。また、処理要求判定部124は、処理要求検出部123が検出した処理要求と、処理要求記憶部122から読み出した処理要求とが一致すると判定した場合、その処理要求の入力元であるプロセスを識別するプロセスIDをプロセス判定部143に通知することにより、VT112に対する処理要求が入力されたことを通知する。
【0020】
カーネル120で動作するプロセスFは、カーネル120上に仮想マシンを起動させて管理する仮想マシン管理プログラムであり、プロセス記憶部141と、プロセス管理部142と、プロセス判定部143と、警告部144とを備えている。
プロセス記憶部141には、プロセス管理部142によって起動され管理されている仮想マシンのプロセスを識別するプロセスID(プロセス識別情報)が記憶されている。仮想マシンは、VT112に対する処理要求をカーネルに入力することが予め定められたプロセスである。図4は、プロセス記憶部141に記憶されるプロセス情報のデータ例を示す図である。プロセス記憶部141には、VM(Virtual Machine)名と、イメージファイルパスと、OSと、メモリと、CPUと、ステータスと、プロセスIDとが対応付けられて記憶される。VM名は、仮想マシンの名称である。イメージファイルパスは、ファイルシステムにおいて仮想マシンのイメージファイルが記憶された場所を識別する情報である。OSは、対応する仮想マシンにおいて動作するOSの種別を示す情報である。メモリは、対応する仮想マシンに割り振られたメモリリソースの容量を示す情報である。CPUは、対応する仮想マシンに割り振られたCPUリソースの個数を示す情報である。ステータスは、対応する仮想マシンの動作状態を示す情報であり、例えば「停止」や「実行中」等の情報が対応付けられる。プロセスIDは、カーネル120における仮想マシンのプロセスを識別する識別情報である。
【0021】
プロセス管理部142は、仮想マシンの起動要求を受付け、受付けた起動要求に応じて、カーネル120上に仮想マシンを起動させ、起動させた仮想マシンを識別するプロセスIDをプロセス記憶部141に記憶させる。また、プロセス管理部142は、仮想マシンの停止要求を受付け、受付けた停止要求に応じた仮想マシンを停止させると、停止された仮想マシンに対応付けられてプロセス管理部142に記憶されたステータスを「停止」に更新する。
【0022】
プロセス判定部143は、カーネル120の処理要求検出部123が処理要求を検出し、処理要求判定部124によって、VT112に対する処理要求が入力されたと判定されたことが通知されると、その処理要求を入力したプロセスを識別するプロセスIDが、プロセス記憶部141に記憶されているか否かを判定する。
【0023】
警告部144は、処理要求判定部124により、処理要求検出部123が検出した処理要求と処理要求記憶部122から読み出した処理要求とが一致すると判定されたことが通知され、かつ、プロセス判定部143により、処理要求を入力したプロセスを識別するプロセスIDがプロセス記憶部141に記憶されていないと判定された場合、警告を出力する。ここで、警告を出力するとは、例えば、仮想化装置100のディスプレイに警告文を出力するようにしても良いし、警告文を含むログファイルを出力して記憶領域に記憶させるようにしても良いし、定められたメールアドレスを宛先として警告文をメール送信するようにしても良い。また、警告部144は、カーネル120に対して警告を出力し、カーネル120は、警告部144から出力された警告に応じて、VT112に対して入力された処理要求に応じた処理を実行しないようにしても良い。あるいは、例えば仮想化装置100のディスプレイに、処理要求に応じた処理を実行させるか否かを選択するダイアログを表示させることもできる。この場合、カーネル120は、処理要求を実行させると選択されたことが入力されれば、処理要求を実行させ、処理要求を実行させないと選択されたことが入力されれば、処理要求を実行させずに、そのプロセスを停止させるようにしても良い。
【0024】
次に、本実施形態による仮想化装置100の動作例を説明する。図5は、このような仮想化装置100が警告を出力する動作例を示すフローチャートである。何らかのプロセスによりカーネル120に処理要求が入力されると(ステップS1)、処理要求検出部123は、入力された処理要求を検出する(ステップS2)。処理要求判定部124は、処理要求記憶部122に記憶された処理要求を読み出し(ステップS3)、ステップS2において検出された処理要求と、ステップS3において読み出した処理要求とが一致するか否かを判定する(ステップS4)。
【0025】
処理要求判定部124が、ステップS2において検出された処理要求と、ステップS3において読み出した処理要求とが一致しないと判定すると(ステップS4:NO)、処理を終了する。一方、処理要求判定部124が、ステップS2において検出された処理要求と、ステップS3において読み出した処理要求とが一致すると判定すると(ステップS4:YES)、処理要求判定部124は、処理要求を入力したプロセスのプロセスIDを、プロセス判定部143に通知する(ステップS5)。プロセス判定部143は、プロセス記憶部141に記憶されているプロセスIDを読み出し、処理要求判定部124から通知されたプロセスIDがプロセス記憶部141に記憶されているか否かを判定する(ステップS6)。プロセス判定部143が、処理要求判定部124から通知されたプロセスIDがプロセス記憶部141に記憶されていると判定すれば(ステップS6:YES)、処理を終了する。一方、プロセス判定部143が、処理要求判定部124から通知されたプロセスIDがプロセス記憶部141に記憶されていないと判定すれば(ステップS6:NO)、警告部144は、警告を出力する(ステップS7)。
【0026】
このようにすれば、仮想化装置100の管理者は、意図しない仮想マシンが仮想化装置100において動作していることを知ることができる。
なお、本実施形態では、プロセス管理部142とプロセス記憶部141とを備える仮想マシン管理プログラムのプロセスが、プロセス判定部143と警告部144とを備える例を説明したが、プロセス管理部142とプロセス記憶部141とを備える仮想マシン管理プログラムのプロセスとは別に、プロセス判定部143と警告部144とを備えるプロセスを起動させる構成としても良い。
【0027】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより仮想マシンの管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0028】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0029】
100 仮想化装置
110 ハードウェア
111 CPU
112 VT
113 HD
114 メモリ
115 NIC
120 カーネル
121 ファイルシステム
122 処理要求記憶部
123 処理要求検出部
124 処理要求判定部
130 システムコール
141 プロセス記憶部
142 プロセス管理部
143 プロセス判定部
144 警告部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想化支援機能を有するCPUを備えた仮想化装置であって、
前記CPU上で動作するカーネルに、当該カーネル上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、前記仮想化支援機能に対する処理要求が予め記憶される処理要求記憶部と、
前記仮想化支援機能に対する処理要求を前記カーネルに入力することが予め定められたプロセスである仮想マシンを識別するプロセス識別情報が記憶されているプロセス記憶部と、
前記プロセスから前記カーネルに入力された処理要求を検出する処理要求検出部と、
前記処理要求検出部が前記処理要求を検出すると、前記処理要求記憶部に記憶されている処理要求を読み出し、前記処理要求検出部が検出した処理要求と、前記処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定する処理要求判定部と、
前記処理要求検出部が前記処理要求を検出すると、当該処理要求を入力した前記プロセスを識別するプロセス識別情報が、前記プロセス記憶部に記憶されているか否かを判定するプロセス判定部と、
前記処理要求判定部により、前記処理要求検出部が検出した処理要求と前記処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致すると判定され、かつ、前記プロセス判定部により、処理要求を入力した前記プロセスを識別するプロセス識別情報が前記プロセス記憶部に記憶されていないと判定された場合、警告を出力する警告部と、
を備えることを特徴とする仮想化装置。
【請求項2】
前記仮想マシンの起動要求を受付け、当該起動要求に応じて、前記カーネル上に仮想マシンを起動させ、当該仮想マシンを識別するプロセス識別情報を前記プロセス記憶部に記憶させるプロセス管理部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の仮想化装置。
【請求項3】
仮想化支援機能を有するCPUを備え、当該CPU上で動作するカーネルに、当該カーネル上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、前記仮想化支援機能に対する処理要求が予め記憶される処理要求記憶部と、前記仮想化支援機能に対する処理要求を前記カーネルに入力することが予め定められたプロセスである仮想マシンを識別するプロセス識別情報が記憶されているプロセス記憶部と、を備えた仮想化装置の仮想化装置制御方法であって、
前記プロセスから前記カーネルに入力された処理要求を検出するステップと、
前記処理要求を検出すると、前記処理要求記憶部に記憶されている処理要求を読み出し、検出した処理要求と、前記処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定するステップと、
当該処理要求を入力した前記プロセスを識別するプロセス識別情報が、前記プロセス記憶部に記憶されているか否かを判定するステップと、
検出した処理要求と前記処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致すると判定し、かつ、処理要求を入力した前記プロセスを識別するプロセス識別情報が前記プロセス記憶部に記憶されていないと判定した場合、警告を出力するステップと、
を備えることを特徴とする仮想化装置制御方法。
【請求項4】
仮想化支援機能を有するCPUを備え、当該CPU上で動作するカーネルに、当該カーネル上で動作するプロセスから入力される処理要求のうち、前記仮想化支援機能に対する処理要求が予め記憶される処理要求記憶部と、前記仮想化支援機能に対する処理要求を前記カーネルに入力することが予め定められたプロセスである仮想マシンを識別するプロセス識別情報が記憶されているプロセス記憶部と、を備えた仮想化装置のコンピュータに、
前記プロセスから前記カーネルに入力された処理要求を検出するステップと、
前記処理要求を検出すると、前記処理要求記憶部に記憶されている処理要求を読み出し、検出した処理要求と、前記処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致しているか否かを判定するステップと、
当該処理要求を入力した前記プロセスを識別するプロセス識別情報が、前記プロセス記憶部に記憶されているか否かを判定するステップと、
検出した処理要求と前記処理要求記憶部から読み出した処理要求とが一致すると判定し、かつ、処理要求を入力した前記プロセスを識別するプロセス識別情報が前記プロセス記憶部に記憶されていないと判定した場合、警告を出力するステップと、
を実行させる仮想化装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−252491(P2012−252491A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124245(P2011−124245)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)