説明

位置情報の検索方法及び検索システム

本発明の位置情報の検索方法及び検索システムは、郵便ポスト、電話ボックス、電信柱等の建造物や立木等に付された識別表示の画像情報を媒介として位置情報の検索を実現したものである。携帯端末等により、物体上の識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取って通知し、その識別コードにより位置情報を検索し、この位置情報を携帯端末等に通知する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、郵便ポスト、電話ボックス、電柱等の建造物や立木等に付された識別表示から位置情報を検索する位置情報検索に関し、カメラ付き携帯端末等を用いて識別表示の画像情報を媒介とする位置情報の検索方法及び検索システムに関する。
【背景技術】
従来、GPS(Global Positioning System)を用いた位置情報の検索方法が知られている。この位置情報の検索方法は、人工衛星からのGPS電波を受けることができない場所、例えば、屋内、ビル、地下鉄のホーム等の遮蔽物が存在する場所では、その位置情報の検索が困難であるか、又は不可能である。
携帯電話装置である移動局でGPS機能を使用するには、高速演算を伴うため、装置内の消費電力が増大し、内蔵された二次電池の消費量が増大することになる。また、GPS電波を受信するために専用チップを使用すれば、コストアップを避けることができない。
このような位置情報の提供を受ける技術は、特開2000−205888号公報、特開平10−105889号公報、特開平05−025809号公報、特開2000−358105号公報等に開示されている。
特開2000−205888号公報に開示された位置・方位情報取得方法及び装置では、人工衛星等からの電波が届かない場所等においても、地球上の位置をユニークに定めることができる緯度・経度、方位情報を安価なシステムで容易に取得することが可能な位置・方位情報取得方法及び装置を提供することを課題とし、その構成は、複数の建造物に緯度・経度情報を設置するための複数の位置情報表示装置と、位置情報表示位置に記載された緯度・経度情報を読み取る位置情報読み取り装置とを備えることにより、現在位置に最も近い位置情報表示装置から位置情報読み取り装置を用いて緯度・経度情報を読み取って現在位置情報を取得し、緯度・経度情報を設置した付近に設置する方位情報表示装置を備えることにより、現在位置に最も近い方位情報表示装置から方位情報を読み取り、方位情報を取得している。
この位置・方位情報取得方法及び装置は、端末上で即時に現在位置を特定するためにバーコード及びOCR(Optical Character Reader)上に位置情報を直接記載するため、ラベル作成時又は作成前に正確な位置情報が必要であり、そのためのラベルが必要となる。このようなラベルの作成及び設置は非常に厄介なことであり、位置ラベルが物体とともに移動するとその位置が変更されるので、位置ラベルを再度作成する必要がある。また、運用上、位置ラベルの設置対象を例えば、電力会社の電柱等に想定した場合、その設置の都度、許可を得ることが必要である。住所変更等の状況変更に対応することができない。また、この位置・方位情報取得方法及び装置では、サーバによる位置情報管理が困難なため、そのラベル毎の関連サービスを連続して受けることは不可能である。
また、特開平10−105889号公報に開示されたカーナビゲーションシステムでは、配車センター経由でドライバーに利用者(乗客)の位置情報、付帯情報、目的地までの経路案内等の有効な情報を地図上にマッピングすることを目的としたものであり、利用者自らの位置情報を入手するための位置情報入手手段(手入力、無線、光、バーコード、GPS等)と利用者の付帯情報を入力するための入力手段とを持つ携帯端末と、タクシーの配車指示、確認及び管理等を行う配車センターと、配車センターから受信する利用者の位置情報や付帯情報を受信する通信手段と、配車センターへの利用客の予約確保手段とを持ち、地図上の現在位置及び付帯情報を表示するカーナビゲーションにより構成されている。
このカーナビゲーションシステムは、乗客へのサービスを目的とし、位置情報の発信元(依頼元)へ位置情報が返送されておらず、配車センター側の付帯的サービスによる情報提供であるため、安定したサービスを提供することが困難である。位置情報の提供エリアが狭く、全国レベルの均一な位置情報を提供できない。このシステムではビル内等の遮蔽物内での位置検索にも対応できない。
また、特開平05−025809号公報に開示された移動体道路案内所在連絡システムでは、スキャナが、車道にバーコードで表示された現在位置、地名、進路、交差点までの距離数を読み取り、スキャナの読み取ったバーコード情報を文字情報に変換し、ディスプレイに表示し、走行距離に従ってディスプレイに表示した交差点までの距離数を順次減算し、スキャナが読み取った地名に現時点の日付、時間を付与しISDN交換装置を介して予め設定された特定の電話番号に一定間隔で送信する構成であって、道路標識の見落しがなくなり安全性が改善され、運転者を煩らわせることなく、自動車の安全状況、現在位置、到着時刻等を管理できるというものである。
この移動体道路案内所在連絡システムは、ラベルに位置情報が記載され、その位置情報を読み取った後、文字情報に変換しているが、その変換作業に課金することができない。このシステムは、インターネットを使用することが前提となっており、サービスの提供を受けるには事前にメンバー登録等の作業が必要となる。このシステムにおいても、サーバによる位置情報管理が困難であり、そのラベル毎の関連サービスの提供を連続して受けることは不可能である。
また、特開2000−358105号公報に開示された情報検索システムでは、携帯電話機で情報サービスを受ける場合のキー操作の簡単化を狙ったものであり、その構成は、携帯電話機にバーコードスキャナ等の情報読取手段を備えたものである。
この情報検索システムは、物体に記載されたコードを読み取り、サーバで情報変換するものであって、POS管理にすぎない。このようなシステムでは、位置を特定する物体にラベルを貼り、そのラベルから全国レベルの位置情報の提供サービスを開示したものではなく、その示唆もない。
これら公報に開示された技術は何れもGPS技術の活用であるため、GPS電波を受けることができない場所や、GPSの使用が制限された環境下では位置情報の検索が不可能である。また、GPS電波の受信には専用チップやアンテナが必要であり、その設置のためのコストがかかる。このような課題について、何れの公報にも開示されておらず、その解決手段の提示もない。
【発明の開示】
本発明は、上記課題を解決したものであって、GPS通信を用いないで位置情報検索を実現することを目的とする。
斯かる目的を詳細に述べれば、本発明は、郵便ポスト、電話ボックス、電柱等の建造物や立木等に付された識別表示の画像情報を媒介として位置情報の検索を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の位置情報の検索方法は、物体に付された識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取るステップと、前記識別コードにより位置情報を検索するステップと、検索によって得られた前記位置情報を通知するステップとを含む構成としている。
この検索方法において、位置情報は、識別表示を特定する情報であり、例えば、地球上の位置を示す緯度、経度、高さ等の情報である。この位置情報は、例えば、電柱であれば電力会社や電話会社、道路上の各種表示であれば道路管理団体、住居表示や立木であればその管理団体等がその位置を表す情報を管理している。そこで、これらの物体に付された識別表示の撮影によって画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取る。これを用いて位置情報を検索し、この位置情報の通知を受けることにより、その識別表示の位置が特定され、把握することができる。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索方法において、前記位置情報から前記位置情報の関連情報を検索し、その検索結果を通知するステップを備える構成としてもよい。位置情報に関連する情報としては、その位置の住居表示、気象情報、地図情報、生活関連情報等である。位置情報の検索に付随し、これらの関連情報が取得できれば、利便性の高い位置情報の提供を受けることができる。
また、上記目的を達成するため、本発明の位置情報の検索システムは、携帯端末を用いた位置情報の検索システムであって、物体に付された識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取って通知する携帯端末と、この携帯端末から通知された前記識別コードにより位置情報を検索する位置情報検索部と、この位置情報検索部で検索された前記位置情報を前記携帯端末に通知する通知部とを備える構成としている。既存のカーナビゲーション情報を利用することも可能である。
この検索システムにおいて、携帯電話装置、ディジタルカメラ等の携帯端末を使用し、識別表示から画像情報を取得する。この画像情報から識別コードを読み取り、位置情報検索部では、通知された識別コードを用いて位置情報を検索する。検索した位置情報は、通知部から携帯端末に通知され、ユーザは識別表示の位置を特定し、把握することが可能である。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムは、物体に付された識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取って通知する携帯端末と、前記識別コードにより位置情報を検索する位置情報検索部と、前記携帯端末から通知された前記識別コードを前記位置情報検索部に通知するとともに、前記位置情報検索部で検索された前記位置情報を受け、前記携帯端末に通知する基地局とを備える構成としてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムにおいて、前記位置情報を前記携帯端末の表示部に表示させる構成としてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムにおいて、前記位置情報を前記携帯端末から前記位置情報以外の情報とともに転送可能な構成としてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムにおいて、前記位置情報をホームページアドレスに変換する構成としてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムにおいて、前記位置情報から関連情報を検索し、その検索結果を通知する関連情報通知部を備える構成としてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムにおいて、前記位置情報検索部は、検索した前記位置情報とともに課金情報を基地局に送信する構成としてもよい。
上記目的を達成するためには、本発明の位置情報の検索システムにおいて、前記位置情報検索部から前記位置情報とともに課金情報の通知を受けた基地局が前記位置情報の提供を受ける前記携帯端末側から徴収する構成としてもよい。
以上述べたように、本発明の位置情報の検索方法及び検索システムによれば、次のような利点及び効果が得られる。
(1)GPS電波を使用しないので、GPS電波の受信不能地帯でも位置情報の検索が可能であるから、GPS電波受信のための専用チップやアンテナが不要であり、位置情報検索のコストダウン化を図ることができる。
(2)電柱、電話ボックス、郵便ポスト等の建造物や立木等の物体に付された識別表示の位置情報等、既存の広範な位置情報を活用することができる。
(3)建造物や立木等の物体に識別表示を付し、位置情報の検索範囲の拡大化を図ることができる。
そして、本発明の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施形態を参照することにより、一層明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施形態に係る位置情報の検索システムの概要を示すブロック図である。
図2は、識別表示の撮影を示す斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係る位置情報の検索システムの各部の構成を示すブロック図である。
図4は、位置情報の検索処理を示すフローチャートである。
図5は、識別表示の画像認識処理を示すフローチャートである。
図6は、図5のフローチャートに続く識別表示の画像認識処理を示すフローチャートである。
図7は、位置検索処理を示すフローチャートである。
図8は、本発明の実施形態に係るノートPCを示す斜視図である。
図9は、本発明の実施形態に係るPDAを示す斜視図である。
図10は、本発明の実施形態に係るディジタルカメラを示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の位置情報の検索方法及び位置情報の検索システムに係る実施形態について、図1を参照して説明する。図1は実施形態に係る位置情報の検索システムを示している。
この位置情報の検索方法及び検索システムにおいて、携帯端末として携帯電話端末(以下「携帯端末」という)2は、建造物4等の位置を表す識別表示6の画像情報の取込み、即ち、その入力部であるとともに、その取込みを契機として検索される位置情報の出力部を構成しており、この実施形態では、画像センサとしてカメラ等の画像入力部8が内蔵されている。携帯端末としては、PHS(Personal Handyphone System)端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ディジタルカメラでもよい。
基地局10は、携帯端末2との電話通信を行い、携帯端末2から送信される識別コードを受信する。この基地局10には、位置情報データを格納する位置情報変換サーバ12が接続されているとともに、通話の課金処理等の各種の管理を行う管理センター14が接続されている。位置情報変換サーバ12は、位置情報を格納するデータベースを構成している。また、この基地局10と管理センター14は、例えば、既存の電話会社で構成することができる。
また、基地局14は、インターネット網16を媒介として複数の位置情報センター18、20及び情報提供センター22に接続されている。位置を表す各種の識別表示に対応する広範な位置情報を活用するために、複数の位置情報センター18、20の位置情報を利用する。例えば、位置情報センター18は警察庁等の公的機関、位置情報センター20は電力会社等の営利団体である。これら位置情報センター18、20にはそれぞれ位置情報データを格納する位置情報変換サーバ24、26が設置されている。各変換サーバ24、26は位置情報のデータベースを構成している。
また、情報提供センター22は位置情報やその位置情報に関連する各種の情報、例えば、地図情報、気象情報、生活関連情報等の各種の情報を管理する団体で構成される。この情報提供センター22には、これら位置情報やその位置情報に関連する各種の情報を格納する情報サーバ28が設置されている。この情報サーバ28も各種情報を格納するデータベースである。
斯かる構成によれば、建造物4等に付された識別表示6の画像情報が携帯端末2の画像入力部8を通して取得でき、この画像情報から識別コードを読み取り、この識別コードを基地局10に送信すれば、基地局10側の位置情報変換サーバ12でその位置情報を検索することができる。また、識別コードは基地局10からインターネット網16を通して位置情報センター18、20に送信され、位置情報センター18側の変換サーバ24、位置情報センター20側の変換サーバ26又は情報提供センター22の情報サーバ28により、位置情報を検索することができる。
この場合、携帯端末2で取得された識別コードの種類に応じて、位置情報変換サーバ12、24、26が参照され、識別コードに対応する位置情報が検索される。この位置情報は、課金情報等の他の情報とともに、インターネット網16を通して基地局10に通知され、受信した基地局10から携帯端末2に通知される。この検索結果は、携帯端末2の表示部30に表示される。通知された位置情報は、他の関連情報として、その位置の住居表示、気象情報、地図情報、生活関連情報等である。位置情報の検索に付随し、これらの関連情報の取得等に利用することができる。
そして、斯かる検索システムや検索方法によれば、GPS電波を使用しないので、GPS電波の受信不能地帯でも位置情報の検索が可能である。GPS電波受信のための専用チップやアンテナが不要であるから、位置情報検索のコストダウン化が図られる。
次に、携帯端末2で取得する画像情報について、図2を参照して説明する。図2は、建造物4等の識別表示6の携帯端末2による撮影を示している。
市中には建造物4として例えば、交通標識、電柱、郵便ポスト、自動販売機、マンホール、建物等の各種のものが存在する。公園の立木や街路樹にもその位置や管理元を表す識別表示6を付す。この識別表示6は、バーコード32や文字34、その他、ビットマップ等の情報で構成されている。
この場合、識別表示6には、管理元等を区別する識別コードを付し、貼り付けるバーコード等への記載情報は、その貼られる物体の管理元例えば、交通標識であれば警察庁、電柱であれば地域電力会社、郵便ポストであれば郵政省、マンホールであれば水道局、建造物であれば地図制作会社等で管理され、容易に管理可能なユニークコードと、管理元を区別するための識別コードを同時に記載すればよい。
斯かる構成とすれば、電柱、電話ボックス、郵便ポスト等の建造物4や立木等の物体に付された識別表示6を撮影して画像情報として用いれば、広範な位置情報を活用して位置検索が可能である。
次に、位置情報の検索システムの実施形態について、図3を参照して説明する。図3は携帯端末2、基地局10及び位置情報センター18又は20の構成例を示している。
携帯端末2において、画像入力部8は、撮影等により、識別表示6(図1、図2)の画像情報を取り込む画像キャプチャ機能部であり、CCD(charge−coupled device)センサ、CMOS(complementary metal−oxide semiconductor)センサ等で構成することができる。また、携帯端末2で直接撮影することなく、外部情報としての画像情報を取り込むことも可能である。
画像処理部36は、バーコードリーダ及びOCR(Optical Character Reader)機能を備え、画像入力部8等から取り込まれた画像情報から文字や記号を認識し、識別コードを判別する。即ち、この画像処理部36はコード認識部であって、処理データの削減のため、バーコード等の情報を携帯端末2上で文字情報に変換する。
また、制御部38はCPU(Central Processing Unit)で構成され、この制御部38には、キーボード等の入力部40から電話番号等の識別情報が入力される。ROM(Read Only Memory)42には、画像取込み、画像処理、通信、情報の送受信等の各種の制御プログラム等が格納されている。メモリ44には、位置検索のために取り込まれた識別コードや検索結果が格納される。表示部30には、LCD表示器等が使用され、入力電話番号や検索結果である位置情報等が表示される。そして、識別コード、電話番号等の依頼元特定データ等は情報送信部46を通じて基地局10に向けて送信され、基地局10から送信された位置情報は情報受信部48で受信される。この場合、携帯端末2の場合、無線を媒介として送受信を行うが、有線通信を媒介としてもよい。
基地局10において、情報受信部50は、携帯端末2の情報送信部46から送信された識別コード、依頼元特定データ等を受信する。この情報受信部50に受信された識別コード等は、制御部52に加えられて、その依頼元特定データは依頼元情報サーバ54を参照し、依頼元を特定する。この依頼元は、携帯端末2の電話番号、所有者、IDコード等である。
そして、制御部52では、受信している識別コードから位置コード、管理元コードを抽出し、管理元コードにより、位置情報の管理先を特定する。この場合、インターネット網16を通じて接続可能な位置情報センター18、20からその管理先を特定し、この実施形態(図3)では、電力会社である位置情報センター20が選択されている。位置コードは、位置情報センター20の位置情報検索に用いられる。
また、情報送信部56は、位置情報センター18又は20から通知された位置情報を携帯端末2に送信する。
位置情報センター20において、位置情報検索部58は、基地局10からインターネット網16(図1)を通して送信された識別コード、即ち、抽出されている位置コードを用いて位置情報を検索する。この位置情報検索には、位置コードをアドレス情報として位置情報変換サーバ26から識別コードに対応する位置情報が検索され、その検索結果が位置情報検索部58を通じて基地局10の制御部52に送信される。この場合、検索に要した手数料等の課金情報については、課金情報演算部60で演算された後、位置情報検索部58を通じて制御部52に送信される。
そして、基地局10では、依頼元情報と課金情報とを付け合わせ、依頼元毎に管理センター14に通知し、依頼元に代金請求、料金徴収が行われる。この支払い代金は、管理センター14を通じて位置情報センター20側に支払われる。
この場合、管理元コードから位置情報の管理先として位置情報センター20を選択したが、管理元コードから位置情報センター18が選択された場合にも、位置情報センター18及び管理センター14により同様の処理が実行される。
依頼元への位置情報検索に伴う料金徴収は、携帯電話特定データの課金情報へサービス使用量の課金量に変換して課金し、徴収してもよい。
次に、画像情報を媒介とした位置情報の検索について、図4を参照して説明する。図4は、画像情報を媒介とする位置情報の検索動作のフローチャートである。
携帯端末2において、建造物4等の識別表示6から画像情報が取得されると、その画像情報から文字情報からなる識別コードが抽出され、その識別コードが依頼元データとともに基地局10に向けて送信される。基地局10では、識別コード、依頼元データ等を受信し、位置コードや依頼元等を特定した後、識別コードから管理元を選択し、選択した位置情報センター18、20又は情報提供センター22に送信する。識別コードの提供を受けた位置情報センター18、20又は情報提供センター22では、その識別コード又は位置コードから位置情報を検索し、その位置情報を課金情報とともに基地局10に送信する。その位置情報は、基地局10から携帯端末2の表示部30に表示され、その表示部30から位置情報を確認することができる。この位置情報が携帯端末2から再度基地局10に送信され、情報提供センター22で関連情報の検索に利用される。ユーザは、提供を受けた位置情報と、それに関連する地図情報、住居表示情報、気象情報、レストランやホテル等の生活関連情報の通知を受けることができる。
また、基地局10では、課金情報を依頼元毎に集計し、管理センター14に通知する。管理センター14では、その課金情報を電話料金に換算する等の処理により、所有者に代金請求を行う。この場合、依頼元の銀行口座からその料金を自動徴収することも可能である。徴収した代金は、検索手数料として位置情報センター18、20、情報提供センター22に支払われる。
次に、画像認識処理について、図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6は識別表示の画像認識処理を示すフローチャートである。Aはフローチャート間の結合子を示している。
画像入力部8を通して識別表示6の画像情報の取込みを行い(ステップS1)、取り込んだ画像情報に含まれる文字要素から文字の認識処理を開始する(ステップS2)。画像から全文字要素の処理が完了したか否かを判定し(ステップS3)、完了していない場合には、文字要素の処理が完了したか否かを判定し(ステップS4)、文字要素の処理が完了するまで、ステップS3、S4の処理を継続する。
文字要素の処理が完了している場合には、認識した文字から統合可能な文字要素を検索し(ステップS5)、統合可能な文字要素が存在するか否かを判定する(ステップS6)。この場合、統合とは、文字を構成する要素間の結合、独立した文字の結合等を包含する。
統合可能な文字要素が存在している場合には、その文字要素が複数の文字列へ統合可能か否かを判定する(ステップS7)。複数の文字列へ統合できない場合には、独立候補を抽出し(ステップS8)、また、複数の文字列へ統合可能な場合には、最良候補を抽出する(ステップS9)。
そして、全文字要素の処理が完了(ステップS3)した場合には、全文字列の文字認識処理が完了したか否かを判定する(ステップS10、図6)。全文字列の文字認識処理が完了していない場合には、文字列の構成文字の切り出しを行い(ステップS11)、文字画像を認識し(ステップS12)、ステップS10に戻る。また、全文字列の文字認識処理が完了した場合には、文字列を認識し(ステップS13)、画像認識処理を完了する(ステップS14)。
これらの処理の結果、バーコード32又は文字34等の認識画像から位置検索に必要な識別コード及びその関連情報としての文字又は文字列が取得される。
次に、位置検索処理について、図7を参照して説明する。図7は位置検索処理を示すフローチャートである。
この位置検索処理は、読み取ったバーコード32等から識別コードを読み取り、これを契機として位置を検索している。そこで、バーコード32等から識別コードを読み取り、この場合、そのバーコード32から管理元コードとユニークコードを取得する(ステップS21)。これら管理元コード及びユニークコードを携帯端末2側の情報送信部46から基地局10へ送信する(ステップS22)。基地局10では、制御部52で管理元コードを解析し、その管理元コードから位置情報センター18又は20を特定する(ステップS23)。特定された位置情報センター20(図3)に対し、基地局10から依頼元データとユニークコードとを送信する(ステップS24)。位置情報センター20では、受信したユニークコードから位置情報を位置情報変換サーバ26により検索する(ステップS25)。
この検索において、検索が正常に終了したか否かを判定し(ステップS26)、正常に終了した場合には、検索された位置情報を位置情報変換サーバ26から位置情報検索部58に転送するとともに、検索課金を行う(ステップS27)。ステップS26において、検索が正常に終了しなかった場合には、その検索結果として、エラー情報を位置情報検索部58に送信する(ステップS28)。
検索された位置情報等の検索結果は、位置情報センター20より依頼元データに検索結果を付して基地局10に送信する(ステップS29)。基地局10では、依頼元データにより、依頼元の携帯端末2に検索結果を通知し、その表示部30に表示させる(ステップS30)。そして、携帯端末2では、その検索結果である位置情報が受信され、メモリ44に格納される(ステップS31)。この場合、検索が正常に行えなかった場合にも、そのエラー情報は携帯端末2に通知され、表示部30に表示される。
以上説明した実施形態に係る位置情報の検索方法及び検索システムについて、その特徴事項、利点及び効果とともに、変形例に言及し、以下に列挙する。
(1)上記実施形態の利点等
この検索方法及び検索システムでは、既存の画像センサ及び撮影技術を利用し、バーコードや文字の画像データを数値化し、電子データに変換して識別コードを認識し、これを位置情報変換サーバへ転送し、サーバ上の情報を検索して位置情報に変換している。そして、位置情報変換の際にユーザ毎に課金し、料金徴収をしている。
斯かる検索方法及び検索システムでは、GPS電波を使用しないので、安価な携帯端末を用いて実現でき、しかも、既存の位置情報を活用することができる。また、位置情報変換サーバがその地域情報や生活関連情報として、飲食店、地図、販売店、アミューズメント情報等の提供が可能であり、しかも、その位置情報内でのタイムリーな情報を提供でき、掲示板等の実時間情報と提携することが可能である。また、位置情報がサーバ上に存在するため、バーコード等の識別情報を変更し、容易に改訂することができ、最新の情報を提供することができる。位置情報は第三者へ通知することも可能である。また、多数の要求サービスを解析し、分析することによりサービスビジネスの提供が可能である。
(2)携帯端末
携帯端末として上記実施形態では、携帯電話端末を例示したが、例えば、図8に示すように、PC62を用いてもよく、また、図9に示すように、PDA64を使用してもよい。さらには、図10に示すように、ディジタルカメラ66を使用してもよい。ディジタルカメラ66には、携帯端末2と同様に、電話機能や通信機能を付加することにより、基地局10との通話が可能となる。なお、PC62及びPDA64について、既述の携帯端末2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。このようなPC62、PDA64、ディジタルカメラ66を携帯端末として使用しても、同様の識別表示6の撮影画像から位置情報を取得することができる。
(3)画像情報の処理及び位置情報センターの選択
実施形態では、携帯端末2で得た画像情報を文字情報である識別コードに変換し、基地局10に送信しているが、携帯端末2から画像情報を基地局10に送信し、制御部52で画像情報を処理し、その画像情報から識別コードや管理元コードを抽出し、抽出された管理元コードにより位置情報管理元を選定する処理を用いてもよい。
この場合、位置情報センター18、20等の選択方法として、携帯端末2の位置情報センターの識別テーブルを実装し、画像処理データから管理元コードを抽出する方法、又は、ユーザが位置情報センターを選択するようにしてもよい。
(4)識別コードの入力形態
実施形態では、画像入力部8から撮影によって得られた画像情報を用いたが、携帯端末2に他の情報処理機器から画像情報を取り込むようにしてもよい。また、入力部40から識別コードを直接入力するようにしてもよい。
(5)その他の変形例
実施形態では、インターネット網16を使用したが、本発明は、インターネット網16を使用する形態に限定されないものである。
また、情報変換としては、位置情報に関連して提供を受ける情報の形態は、地図、周辺URL(Uniform Resource Locator)(ホームページアドレス等)、音声、テキストデータ、メールデータ、掲示板等の何れの形態でもよく、これらの情報を併用してもよい。
また、以上述べたように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための最良の形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、建造物や立木等の物体に付された識別表示の画像情報を媒介にし、その位置情報を検索して提供できるので、GPS電波の受信不能地帯でも位置情報の検索が可能であり、利便性の高い位置検索が可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に付された識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取るステップと、
前記識別コードにより位置情報を検索するステップと、
検索によって得られた前記位置情報を通知するステップと、
を含む構成とした位置情報の検索方法。
【請求項2】
前記位置情報から前記位置情報の関連情報を検索し、その検索結果を通知するステップを備える構成とした請求の範囲1記載の位置情報の検索方法。
【請求項3】
携帯端末を用いた位置情報の検索システムであって、
物体に付された識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取って通知する携帯端末と、
この携帯端末から通知された前記識別コードにより位置情報を検索する位置情報検索部と、
この位置情報検索部で検索された前記位置情報を前記携帯端末に通知する通知部と、
を備える構成とした位置情報の検索システム。
【請求項4】
物体に付された識別表示の画像情報を取得し、この画像情報から識別コードを読み取って通知する携帯端末と、
前記識別コードにより位置情報を検索する位置情報検索部と、
前記携帯端末から通知された前記識別コードを前記位置情報検索部に通知するとともに、前記位置情報検索部で検索された前記位置情報を受け、前記携帯端末に通知する基地局と、
を備える構成とした位置情報の検索システム。
【請求項5】
前記位置情報を前記携帯端末の表示部に表示させる構成とした請求の範囲3又は4記載の位置情報の検索システム。
【請求項6】
前記位置情報を前記携帯端末から前記位置情報以外の情報とともに転送可能な構成とした請求の範囲3又は4記載の位置情報の検索システム。
【請求項7】
前記位置情報をホームページアドレスに変換する構成とした請求の範囲3又は4記載の位置情報の検索システム。
【請求項8】
前記位置情報から関連情報を検索し、その検索結果を通知する関連情報通知部を備える構成とした請求の範囲3又は4記載の位置情報の検索システム。
【請求項9】
前記位置情報検索部は、検索した前記位置情報とともに課金情報を基地局に送信する構成とした請求の範囲3又は4記載の位置情報の検索システム。
【請求項10】
前記位置情報検索部から前記位置情報とともに課金情報の通知を受けた基地局が前記位置情報の提供を受ける前記携帯端末側から徴収する構成とした請求の範囲3又は4記載の位置情報の検索システム。

【国際公開番号】WO2005/024345
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508763(P2005−508763)
【国際出願番号】PCT/JP2003/011145
【国際出願日】平成15年9月1日(2003.9.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】