説明

位置測定システム

【課題】 切り立った山に囲まれたダムのような人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動体が移動する場合も、簡単な構造であるにもかかわらず、GPSを用いて正確に測定することができるようにする。
【解決手段】 移動体20と、そして、GPS機能を備えた飛行体30とを含んで構成されてなるGPSを用いた位置測定システムであって、飛行体30は、移動装置と、移動体との相対位置を計算可能な移動体位置計測装置32−34と、及び、移動体位置計測装置によって計測した位置データを移動体に送信する送信装置36とを有しており、移動体20は、飛行体30から送信される位置データを受信する受信装置と、及び、受信した位置データを保存する記録装置とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動する移動体をGPSを用いて測定できるようにした位置測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切り立った山に囲まれたダムで、自律ボートによる環境調査(水中顕微鏡、水面撮影カメラ、ドップラー流速計などを用いた調査)を行うことがあった。自律ボートでは、GPSによる位置計測・速度計測・時刻、方位計による方位などが記録装置に記録できる。しかし、周囲を山に囲まれた実験環境では、十分な数の人工衛星が捕捉できないため、GPSによる位置、速度、時刻のデータが取れず、その結果、ボートによる自律航行(環境調査)ができない問題が指摘されていた。
このボートは、スイッチの切り替えで、人間によるボート操縦も可能であるが、その場合もGPSデータは取れないため、どの位置での(水中顕微鏡、水面撮影カメラなどの)環境調査データなのか分からないことに変わりはなかった。
【0003】
従来から水中環境調査を行っている企業や大学から、ダム、川、湖、湾などの周囲が囲まれた場所で、GPSデータが取れない問題があると報告されている。
このように、周囲が山や大きな人工構造物で囲まれた空間においては、人工衛星が捕捉できないため従来のGPSが使えないことは周知である。
【0004】
この場合、人工衛星の運航を捕捉可能な位置にローカル局を設置すればGPSデータを得ることができるが、その代わり設置場所の確保が必要となるが、山や周囲が険しい場所では、その設置が難しい。また、たとえローカル局を設置できたとしても、ローカル局がカバーできる空間的範囲が限られているため、位置測定したい対象が大きく移動すると位置情報を出せなくなっていた。そこで、一の移動体に対して多数のローカル局が必要となるが、これは調査費用の増大につながる。
【0005】
なお、探査船による測量の効率化と精度の向上を図る測量システムとして、特開平10−300467が発見された。この発明は、図4に示されているように、GPS衛星48A〜48Dからの信号を受信して位置を割り出す基地局42と移動局44とを地上側と遠隔操縦される探査船43側とにそれぞれ設け、これら両局42、44間を無線送受信装置45A,45Bにより連絡させている。探査船43には、音響測深機46とコンピュータ47とが積み込まれ、このコンピュータ47は移動局44と音響測深機46とに電気的に接続される。測量する際には、探査船43を湖50の所定の測量範囲M内を走行させながら、コンピュータ47に移動局44により検出した原位置データPnと基地局42から移動局44に転送された位置補正データPmnとにより算出された移動体位置データPxnを、音響測深機46の測定データDnとともにそれぞれ時間データtn、Tnを付けて記憶媒体に順次経時的に記憶させ、測量終了後、収集したデータを処理するようになっている。この文献では、海、湖沼、ため池、河川等の深浅測量を効率且つ精度良く行うシステムが開示されているが、本発明のような人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動体が移動する場合や、その場合の問題点については言及がない。
【0006】
人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動体が移動する場合に、移動体の正確な位置を検出する空間位置決め装置として、特開2004−226267が発見された。この発明に係る空間位置決め装置は、図5に示されているように、1)放射器ごとに異なる光パルス信号、あるいは放射器ごとに異なる信号で変調された第1の光信号を放射することのできる複数のそれぞれが予め決められた地点に配置された放射器62と、2)その放射器に上記の第1の光信号の元になる光信号、電気信号または電波信号を供給する手段64と、3)上記の複数の放射器からの光信号を受信する受信システムであって、移動体上に設けられた受光器65と、4)複数の放射からのそれぞれの信号間の時間差を導く第1の手段61と、5)得られた時間差と上記の放射器の位置とから、6)上記の移動体の位置を算出する第2の手段63とを備える。この発明では、GPS用の人工衛星の見通せない、従って、人工衛星から発射された時計の正確な時刻を受信することができないはずのビルの谷間や室内などにおいても、移動体の正確な位置を検出することが可能ではあるが、本発明とは、その解決手段を異としている。すなわち、この発明では、複数の地点に異なる信号で変調された第1の光信号を放射することのできる複数の放射器を設置し、且つ、移動体に受信したそれぞれの信号間の時間差を導き、その時間差と各放射器の位置とから移動体の位置を算出する。かかる発明は、室内を移動するロボットのような限定された空間では使えても、本発明のような切り立った山に囲まれたダムなど自然環境においては使用することはできない。
【0007】
【特許文献1】特開平10−300467
【特許文献2】特開2004−226267
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、切り立った山に囲まれたダムのような人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動体が移動する場合も、簡単な構造であるにもかかわらず、GPSを用いて正確に測定することができるようにした位置測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述した従来技術の課題を解決するもので、請求項1に記載の発明は、人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動する移動体と、そして、GPS機能を備えた空中を浮遊する飛行体とを含んで構成されてなるGPSを用いた位置測定システムであって、飛行体は、移動体の移動に伴って自位置を変更することが可能な移動装置と、移動体との相対位置を計算可能な移動体位置計測装置と、及び、移動体位置計測装置によって計測した位置データを移動体に送信する送信装置とを有しており、移動体は、飛行体から送信される位置データを受信する受信装置と、及び、受信した位置データを保存する記録装置とを有しているようになされた位置測定システムを提供する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前述した従来技術の課題を解決するもので、移動体位置計測装置が、移動体の画像処理を行うことにより、移動体位置計測装置と移動体との相対位置を演算する少なくとも2台のカメラ及び演算装置とを有して構成されている請求項1に記載の位置測定システムを提供する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前述した従来技術の課題を解決するもので、移動体位置計測装置が、移動体に設置した予め大きさの特定されているマーカー、移動体の大きさ等の既知対象を画像処理することによって、移動体位置計測装置と移動体との相対位置を演算するように構成されてなる請求項1又は2に記載の位置測定システムを提供する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前述した従来技術の課題を解決するもので、移動体が、湖水、河川、又は海上を移動可能な船舶である請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置測定システムを提供する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前述した従来技術の課題を解決するもので、飛行体が、空中を浮遊且つ移動可能な飛行機、ヘリコプター、飛行船若しくはそれらのミニチュア機又はバルーンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置測定システムを提供する。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に新たな発明特定事項である、「地球の周りに配置されたそれぞれ正確な時計を搭載し当該時計の正確な時刻を地球に向けて電波発射する複数の人口衛星」を加えたもので、飛行体は、移動体の移動に伴って自位置を変更することが可能な移動装置と、移動体との相対位置を計算可能な移動体位置計測装置と、及び、移動体位置計測装置によって計測した位置データを移動体に送信する送信装置とを有しており、移動体は、飛行体から送信される位置データを受信する受信装置と、及び、受信した位置データを保存する記録装置とを有しているようになされた位置測定システムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
いわゆるローカル局となる飛行体が、三次元空間中を自由に移動できるため、周囲の状況(山など)に合わせてGPSを受信できるところに移動することができる。すなわち、移動体と共に飛行体も移動するので、多くの地点にローカル局を設置する必要がないという効果を有する。ローカル局である飛行体を空中に飛行させるため、周囲が険しい山などであっても、ローカル局の配置に時間がかからないから、従来のようなローカル局を設置する煩わしさがない。ローカル局を空中に飛行させるため、周囲の環境に依存することなくローカル局を利用できる。すなわち、設置する場所を選ばない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明に係る位置測定システムについて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る位置測定システムの一実施形態の概略図である。
まず、GPSでは、地球の周りに正確な時計を搭載した多数の人工衛星10が配置されている。本実施形態では、GPSを用いて湖水上で環境調査を行う船舶20の正確な位置を把握するため、空中を自由に移動できる飛行船30を利用する。勿論、飛行船30は、空中を自由に移動できる飛行機、ヘリコプター、ラジコンで操縦可能なそれらのミニチュア機、バルーンなど空中を浮遊可能であって、自らの或いは地上からの操縦により自位置を移動することができるものであればなんでもよい。ボートなどの船舶20は、急峻な山岳地帯にある湖水である場合、人工衛星10からの電波が直接受信できない領域を移動することがある。そこで、飛行体である飛行船30には、GPS機能を具備させると共に(図2には図示されていない)、船舶20の移動に伴って自位置を変更することが可能な移動装置を設ける。本実施態様においては、移動装置も、電気モータ、化石燃料で駆動されるエンジンなどとプロペラから構成されるが、これも従来周知の種々の手段を採用することができる。例えば、船舶20に係留されたバルーンの場合には、飛行船30の移動装置は船舶20の移動手段が兼用されることとなる。その場合には、人工衛星10からの電波が直接受信できない領域が存在しないよう十分な長さのロープで係留するか、必要に応じて長さを調節する装置を別途設けることが好ましい。飛行船30の移動装置は、ラジコンなどの遠隔操縦装置により操縦可能で、地上から自由に飛行船30を所望の場所に移動することができる。
【0017】
飛行船30には、図2に詳細に示されているように所定の間隔を隔てて設置された2台のカメラ32L、32Rと、カメラ32L、32Rに接続され、その出力から船舶20の位置を正確に演算することが可能なコンピュータ34と、そして、演算結果を船舶20に送信する送信装置36とを設置する。このように、本発明では、ローカル局である飛行船30は、船舶20の位置を2台のカメラ32L、32Rで確認できる位置であって、少なくとも3個の人工衛星10からの電波を受信できる空間に浮遊可能であって、これにより、船舶20に対しデータを送信することができる。
【0018】
船舶20は、また、位置情報と共に環境調査データ(水中顕微鏡、水面撮影カメラ、ドップラー流速計などによって測定した結果)を保存する記録装置を備えている。なお、船舶20の「絶対位置」は、船舶20の記録装置に記録されると共に、船舶20の移動制御にも用いることができる。船舶を遠隔操作でフィードバック制御する場合等である。フィードバック制御では、現在位置(絶対位置)と目標位置(絶対位置)の差を利用するため、船舶20の現在位置(絶対位置)が必要となるからである。船舶20は、その長さを予め測定しておき、及び/又はその向きを測定する機器を装備することで、飛行船30からの船舶20の相対位置を容易に測定できるようにすることができる。例えば、後述するカメラ画像33L、33R上における船舶20の画像の長さを測定することにより、相対距離を容易に測定できる。同様の測定は、船舶20に大きさの分かっているマーカーを付けておくことによっても行うことができる。全ての方向からの大きさが同一となる円形バルーンを用いると、船舶20の長さと方向から相対位置を測定する場合に比べてさらに演算を少なくすることができる。このようなマーカーは、予めその色や形が分かっている方が画像処理する上で見つけ易い。その為、マーカーは、周りの景色に溶け込まず際立った色を用いることが好ましく、また、その形状も周囲にない形状、例えば、円、四角形、三角形等とすることが好ましい。
【0019】
測定の原理は、一台の飛行船30がGPSにより、北緯・東経・高度の絶対位置を計測し、他方、飛行船30に取り付けた2台のカメラ32L、32Rとコンピュータ34からなる移動体位置計測装置で、飛行船30と船舶20との相対位置を計測し、飛行船30の絶対位置情報、及び飛行船30と船舶20との相対位置情報から、船舶20の絶対位置を計算するというものである。もちろん、後述するように、船舶20の絶対位置を測定する方法はこれに限定されず、種々の代替方法が存在する。
さらに詳細に説明すると、先ず、飛行船30の絶対位置は通常のGPSによって入手する。
【0020】
現在使われているGPSでは、6つの軌道面に4個ずつ合計24個の人工衛星10(NAVSTAR)が配置されている。この衛星の仕様は、質量862.6kg、軌道傾斜角(赤道に対する角度)52度で、約2万キロメートルの高度を持ち、周期は12時間に設定されている。つまり、毎日同じ時刻に同じ衛星がやってくるようになっており、地球上のどの地点からも(見通しの良いところであれば)常に5ないし6個の人工衛星10を観測することができる。
【0021】
人工衛星10の位置情報は、地上にある5ケ所の監視局で厳密に管理されており、また、各人工衛星10には、セシウム(Cs)の原子時計(発信器)が搭載され、正確な時刻が刻まれている。発信器の周波数は10.23MHzで、クロックはそれを1/10に分周(周期を整数倍すること)して得ている。各人工衛星10の時刻は正確に同期されており、このような人工衛星10から1575.42MHz(L1)、1227.60MHz(L2)の2つの周波数で電波が送信される。この電波は擬似ランダム符号と呼ばれる乱数符合で変調された形をしているが、受信時には、乱数表に相当するコードを参照し信号内容を解読する。そして、そのコードと自分(GPS受信機)の時計から、人工衛星10から電波発射された時刻と自分が受信した時刻との信号の時間差を計測する。そして、時間差に電波の伝播速度を掛けることにより、人工衛星10からGPS受信機のある位置までの距離が判明する。人工衛星10の現在位置は正確に知ることができるので、衛星からの距離が分かれば、自位置は人工衛星10を中心として求めた距離を半径とする球面上のどこかにいることが解明される。
【0022】
前述の符号列は約1msの間隔で繰り返し送られてきており、伝播速度は300,000Km/sであるから、最大測定距離300kmの精度で自位置を測定することができる。ここで、衛星が2つ受信できれば、二つの球面が求まり自位置は2つの球が交わる円周上のどこかということになり、もし、衛星が三つなら、三つの球面が交わる2点のうちのいずれか一方であることが判明する。2点のうち、他方は予測できる位置からかけ離れているので(例えば、最大測定距離300kmの1/3程度の精度では自位置を把握できるため)、捨て去ることができる。
【0023】
これらGPSの周知の原理により、飛行船30を、最低3個の人工衛星10を観測できる位置に浮遊させれば、その絶対位置を簡単に演算することができる。
【0024】
次に、飛行船30と船舶20との相対位置の演算方法について説明する。本実施形態では、三角測量の原理を用いて両者の相対位置を求めたが、これに限定されものではないことは勿論である。
【0025】
図2に示されているように、飛行船30には、基線長さLを隔てて2台のカメラ(32L、32R)が設置されており、それぞれのカメラ画像33L、33R上の船舶20の座標を、それぞれ、(XL、YL)、(XR、YR)とすると、従来のステレオビジョン(三角測量)の原理から、飛行船30から見た船舶20までの相対位置(x2、y2、z2)は、下記の数式1のようになる。
【0026】
【数1】

【0027】
これとGPSからの飛行船30の絶対位置(x1、y1、z1)とを加算することで、船舶20の絶対位置が下記の数式2として計算できる。なお、数式2の演算を飛行船30で行い船舶20の絶対位置を船舶に送信することも、また、飛行船30から船舶20へ、飛行船30の絶対位置(x1、y1、z1)と両者の相対位置とを送信し、船舶20の記録装置又は独立した演算手段でその絶対位置を演算することもできる。その絶対位置情報を船舶20の記録装置に保持させると、環境調査データの整理に利用できるし、また、船舶20のフィードバック制御に利用することができる。
【0028】
【数2】

【0029】
飛行船30には、さらに、第3のカメラを設置することもできる。この第3のカメラは、カメラLのレンズ中心とカメラ画像内の点(XL,YL)を結ぶ直線と、カメラRのレンズ中心とカメラ画像内の点(XR,YR)を結ぶ直線とが交わる交点に、船舶20が存在するか否かを確認する場合に使用する。第3のカメラで船舶20を確認できればその位置情報を使用し、確認できなければ使用しない、といった正確な確認が行える。画像処理によって、船舶20に設置したマーカーらしき候補が見つかった場合の処理に有効に活用することができる。
【0030】
次に、飛行船30と船舶20との相対位置の他の演算方法について説明する。図2に示した実施態様では、一台の飛行船に少なくとも2台のカメラを搭載して、三角測量の原理を用いて両者の相対位置を求めたが、図3に示された実施例では、カメラに写るマーカーの大きさから両者の相対位置を求めているので、より簡便なシステムによる相対位置の演算を可能としている。
本実施例では、事前に、カメラに写るマーカーの大きさとカメラ/マーカー間の距離との関係式を求めておくことが必要である(図3(a)参照)。実際に計測するときには、カメラに写るマーカーの大きさから、この関係式を利用してカメラ/マーカー間の距離を計算することができる。具体的には、小さな三角形の各辺の長さは、焦点距離f、マーカーが写った点p(x,y)及びこの三角形が直角三角形であることから、余弦定理を用いて計算することができる。他方、船舶20の位置P(X,Y)は、小さな三角形Ophと大きな三角形OPHの相似比が、予め測定したカメラに写るマーカーの大きさとカメラ/マーカー間の距離との関係式から分かっているので、簡単に計算することができる(図3(b)参照)。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る位置測定システムの構成を説明するための概略図である。
【図2】図1に示されたシステムにおける船舶と飛行船との間の相対位置を演算する原理を説明するための概略図である。
【図3】船舶と飛行船との間の相対位置を演算する他の方法を説明するための図で、(a)はカメラに写るマーカーの大きさとカメラ/マーカー間の距離との関係を示す図であり,(b)は船舶と飛行船との間の相対位置を演算する原理を説明するための概略図である。
【図4】従来の探査船による測量の効率化と精度の向上を図る測量システムを説明するための概略図である。
【図5】従来の移動体の正確な位置を検出する空間位置決め装置を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
10 人工衛星
20 船舶
30 飛行船
32L、32R カメラ
33L、33R カメラ画像
34 コンピュータ
36 送信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動する移動体と、そして、GPS機能を備えた空中を浮遊する飛行体とを含んで構成されてなるGPSを用いた位置測定システムであって、
前記飛行体は、前記移動体の移動に伴って自位置を変更することが可能な移動装置と、前記移動体との相対位置を計算可能な移動体位置計測装置と、及び、前記移動体位置計測装置によって計測した位置データを前記移動体に送信する送信装置とを有しており、
前記移動体は、前記飛行体から送信される位置データを受信する受信装置と、及び、受信した位置データを保存する記録装置とを有している、
ようになされた位置測定システム。
【請求項2】
前記移動体位置計測装置が、前記移動体の画像処理を行うことにより、前記移動体位置計測装置と前記移動体との相対位置を演算する少なくとも2台のカメラ及び演算装置とを有して構成されている請求項1に記載の位置測定システム。
【請求項3】
前記移動体位置計測装置が、前記移動体に設置した予め大きさの特定されているマーカー、移動体の大きさ等の既知対象を画像処理することによって、前記移動体位置計測装置と前記移動体との相対位置を演算するように構成されてなる請求項1又は2に記載の位置測定システム。
【請求項4】
前記移動体が、湖水、河川、又は海上を移動可能な船舶である請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項5】
前記飛行体が、空中を浮遊且つ移動可能な飛行機、ヘリコプター、飛行船若しくはそれらのミニチュア機又はバルーンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項6】
地球の周りに配置されたそれぞれ正確な時計を搭載し当該時計の正確な時刻を地球に向けて電波発射する複数の人口衛星と、前記人工衛星からの電波が直接受信できない領域を移動する移動体と、そして、GPS機能を備えた空中を浮遊する飛行体とを含んで構成されてなるGPSを用いた位置測定システムであって、
前記飛行体は、前記移動体の移動に伴って自位置を変更することが可能な移動装置と、前記移動体との相対位置を計算可能な移動体位置計測装置と、及び、前記移動体位置計測装置によって計測した位置データを前記移動体に送信する送信装置とを有しており、
前記移動体は、前記飛行体から送信される位置データを受信する受信装置と、及び、受信した位置データを保存する記録装置とを有している、
ようになされた位置測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−300700(P2006−300700A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122119(P2005−122119)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】