説明

低デッドスペース気道取付部

気道内のデッドスペースを最小化して、取付部内を通る気体の円滑な流れを促進する新生児等の低呼吸量の患者の使用に適する気道取付部(50,150,300,400,500)。取付部は、気管内管取付部等の管状取付部に連結される第1の部分(54,154,304,404,504)と、呼吸管に連結される第2の部分とを備える。長さ方向に圧縮可能な圧縮可能部材は、第1の部分に連結されて取付部内のデッドスペースを最小化する。気道取付部を組立てると、圧縮可能部材の一部は、管状取付部に弾性的に当接して密封構造を形成する。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
米国特許法第119条(e)の規定により、本願は、2002年10月11日に出願された米国仮特許出願第60/417,899号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、気管内管と呼吸装置との連結に使用する気道取付部、詳細には、呼吸回路のデッドスペース(死腔)を減少させて、約4.0mm未満の内径を有しかつそれに相応して周期的容量の少ない小型気管内管を有する装着患者への使用に特に適する副流式気体監視装置用の気道取付部に関する。
【背景技術】
【0003】
薬物治療の際に、患者の呼気を頻繁に監視し分析して気体の組成が決定される。例えば、患者呼気中の二酸化炭素(CO2)含有量の監視が要求される場合がある。通常、患者の呼気の一部又は検体(サンプル)を適切な検知装置及び監視装置に移送して、患者の呼気中の二酸化炭素(又は他の気体)含有量が監視される。
【0004】
主流式又は副流式の何れかの監視装置を利用して呼気を通常監視できる。主流式監視装置では、患者の気道内の現場で患者の呼気の気体含有量が測定される。他方、副流式監視装置では、患者の気道から呼吸気体の検体を取り出し、気体採取路を通じて患者から幾分離間する検知装置に検体を供給し、検体が監視される。
【0005】
副流式監視装置では、多くの理由により、気道から気体を採取する気体取出量、即ち検体採取率を最小化することが望まれている。第1に、気道から取り出す気体量が少ないほど、患者への妨害も減少する。これは、成人の平均呼吸量の約半分に相当する平均呼吸量を有する新生児及び乳児等呼吸量の少ない患者に特に重要である。第2に、測定前に除去すべき汚染物質及び他の成分が検体気体に含まれることがあるため、正確な監視結果を達成するために、検体から除去すべき汚染物質及び他の成分の量も少量の検体では少ない。第3に、手術室で麻酔摂取中の患者に呼吸支援を行うとき、検体気体は、安全に除去すべき麻酔物質を含む可能性がある。更に、麻酔物質は、高価であり無駄にすべきではない場合がある。従って、使用する気体検体を少量に減少するほど、廃棄されかつ正確に扱うべき麻酔物質の量を減少できる。
【0006】
初期の気体採取装置は、検知装置の応答時間により制限され、高呼吸速度で良好な精度を達成するには約180〜200ml/分の検体採取率が要求される。患者の呼吸に対して容認し難い影響がある高速採取を低呼吸量の患者に実施することはできない。幸運にも、検知法の近年の進歩により、良好な精度を達成しながら、採取率を約50ml/分に抑えることができる。現在のところ、実行可能な低採取率の検知装置を利用して、低呼吸量患者に使用する気体採取装置を設計する試みは、空隙容量等の過剰なデッドスペースを呼吸回路内に発生させず、呼吸回路に流動抵抗を加えず、かつ/又は呼吸回路内の採取点で検体の完全性を失わずに、検体を呼吸回路から抽出できる装置を提供する段階に移行した。
【0007】
気管内管と呼吸管との断面サイズが相違することもある。従って、比較的継ぎ目の無い連結が容易な気道取付部が一般に気管内管と通気管との間に配置される。気管内管に直接連結される気道取付部を一般に気管内管取付部と指称する。
【0008】
また、必要に応じて、気体検体を捕集しかつ副流式気体監視装置に気体検体を移送する採取口を気道取付部に設けてもよい。従来の多くの採取気道取付部は、取付部の壁を通じて気体検体を捕集する気体流路内まで延伸する小型開口部を備える。しかしながら、取付部の壁の採取口の終端は、取付部の内壁に沿って集積する傾向のある汚染物質及び他の成分が検知装置内に流入する欠点がある。汚染物質及び他の成分の検知装置への侵入は、不正確な監視結果を招来するので望ましくない。従って、採取気道取付部を改善して、取付部の壁の内面を越えて、気体が流れる導管の中心に延伸する複数のポートが取付部に設けられた。
【0009】
分析すべき気体の波形等の計測される要因の特性又は正確性を維持するには、正確な気体分析測定値は、気道取付部による気体の迅速かつ完全な交換に依存する部分がある。分析すべき気体の波形中に、呼吸気体と変質物との内部混合により、気体測定の精度が低下するため、患者の医療状態を正確に反映しない結果を生ずるおそれがある。また、気道取付部中の「非排気容積」を抑制し又は最小化することが望ましい。本明細書中に使用する用語「非排気容積」は、流入気体が気道取付部内の既存気体を外部に流出させない気体流に沿う渦巻領域又は停滞領域をいう。
【0010】
互いに連結される気道取付部と構成部材は、通常樹脂射出成形品として製造される。互いに連結される気道取付部と構成部材との間に最適な密着連結構造を確保するため、僅かなテーパ部を設けて取付部と構成部材とが全体に形成され、一構成部材は、補完的な構成部材又は取付部に緊密に嵌合される。しかしながら、樹脂部品分にはかなり大きな製造誤差がある。この結果、密着嵌合連結構造の場合と異なり、隙間嵌め連結構造は、構成部材の一方を他方に対して強く押圧するときにのみ密封構造を形成する。従って、例えば、比較的大容量のデッドスペースにより、気体混合効果が増大し、再呼吸を誘発する可能性があるため、構成部材の連結及び/又は気道取付部の顕著な変化及び一対の構成部材の密着嵌合により生ずるデッドスペースの容量は、相当に有害な量に達する。
【0011】
この問題に鑑み、気道内に発生するデッドスペース容量の低減を追求する気道取付部が開発されている。しかしながら、小さい気道デッドスペースでも、不正確な監視結果を繰返し招来する重大な新生児の呼気を混合する可能性があるため、提案された多くの設計は、極めて少量の呼吸流を要する新生児患者等の患者には不適当である。
【0012】
気道のデッドスペース容量を減少し、意図的に円滑な層流気体を維持する新生児患者の適切な気道取付部を形成する一試みは、オリディオン・メディカル社名義の国際特許出願公開第WO00/74756号公報に開示される(「以下「特許文献1」という)。本願の図1は、特許文献1に開示される気道取付部(取付部)10の第1の実施の形態を示し、本願の図2は、特許文献1に開示される気道取付部の第2の実施の形態を示す。
【0013】
図1に示す通り、取付部10は、中心路12と、中心路12の内側に配置される管状挿入体14とを備える。挿入体14は、取付部10の管状孔の内径のサイズ及び形状にほぼ近似する内口径16を有する。挿入体14の内端では、内部流路は、外側に拡大して開口する漏斗部18を形成し、挿入体14の内径16は、挿入部14の長さの大部分に沿う内径16の値から中心路12の内径に等しくなるまで漏斗部18の長さに沿って徐々に増加する。取付部10の第2の端部20は、標準の人工呼吸器管に連結するのに適切な寸法の大口径の管状開口部22を有する。気体採取路を取り付けることができる採取口装置24は、気道取付部10の中央部に構成される。
【0014】
矢印28に示すように、挿入体14は、長さ方向に摺動できることが理解できよう。しかしながら、挿入体14が中心路12内に延伸する程度は、中心路12の外端部36と挿入体14上のリップ34とにより制限される。リップ34が外端部36に当接するとき、挿入体14の内側移動が停止される。
【0015】
図2に示す通り、取付部は、挿入体の代わりにスリーブ38を備え、スリーブ38と取付部との間の付勢接触を確保するバネ40を利用する。スリーブ38は、気道取付部を通る中心路を形成する壁42の外側上に摺動する。気道孔内の漏斗拡大部44は、中心路の壁42と一体となり、この位置に固定される。スリーブ38は、内径が徐々に増加する取付部の内壁46に対して密封構造を形成する。スリーブ38の一端に形成される密封構造47は、バネ38によって、取付部の内壁48との付勢接触を維持する。
【0016】
特許文献1に記載される2つの気道取付部の実施の形態は、低容積の気道取付部を提供できるが、この方法に直面する問題への最適な解決法を示すことができない。例えば、特許文献1に開示される実施の形態による摺動バネ装置は、堆積物により動作不能になるおそれがある。更に、特許文献1に示す取付部は、部品数が多く、特に摺動装置の組立に高い費用と長時間とを要する。従って、デッドスペースを最小化し、気体の円滑な流れを促進し、非排気容積を最小化し、低呼吸量の患者への使用に適する他の気道取付部が好ましいであろう。
【特許文献1】国際特許出願公開第WO00/74756号公報
【特許文献2】米国特許第5,693,944号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、特に、気道内のデッドスペース及び非排気容積を最小化し、取付部を通る気体の円滑な流れを促進して、新生児等の低呼吸量の患者の使用に適する採取気道取付部を提供するものであるが、本発明は前記使用例に限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の実施の形態による採取気道取付部は、患者の気道に導入される気管内管等の管に連結するほぼ管状の取付部に着脱自在に係合される形状を有する第1の部分を備える。更に、採取気道取付部は、人工呼吸器管に連結される形状を有する第2の部分を備える。第1の部分と第2の部分は、その間に延伸する採取部の採取孔を除き、互いに分離される。更に、採取部は、採取孔内に通じる採取口を有しかつ採取気道取付部内を流れる気体検体を抽出し測定する検体支管構造を備える。採取気道取付部の第1の部分は、採取孔に連通し、採取孔から延伸し、採取孔を通過し孔を形成するほぼ軸方向の内部突起を含む。長さ方向に圧縮可能な弾性スリーブ状部材は、突起に連結される。圧縮可能部材の一部は、突起を越えて長さ方向に延伸する。圧縮可能部材を通じて形成される孔は、突起の孔に連絡する。
【0019】
本発明の原理による気道取付部の第2の実施の形態では、圧縮可能部材は、圧縮可能部材を圧縮させる少なくとも1つの蛇腹状ひだ部を備える。
【0020】
本発明の第3の実施の形態による採取気道取付部は、第1の端部と、第2の端部と、それらの内部に形成される第1の孔とを有する壁を含むほぼ管状の第1の部分を備える。圧縮可能部材の第1の端部は、管状の第1の部分に作動連結されるように、長さ方向に圧縮可能な部材は、第1の孔内に配置される。圧縮可能部材は、第1の端部に対向する第2の自由端部と、第1の端部から第2の自由端部までの内部に形成される第2の孔とを備える。ほぼ管状の第2の部分は、管状の第1の部分の第1の端部に連結される。従って、本実施の形態では、取付部の第1の部分の壁に接続される突起が不要となる。
【0021】
互いに向かって2つの構成部材が長さ方向に移動し、管状取付部に採取気道取付部を組立てる際に、何れかの実施の形態でも軸方向の突起を越えて延伸する圧縮可能部材の端部は、管状取付部の端壁に接触する。更に、管状取付部に向かう採取気道取付部の移動により、圧縮可能部材が長さ方向に圧縮され管状取付部との弾性密封構造が形成される。この構成では、圧縮可能部材内の孔は、管状取付部の流路に連絡する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施により、呼吸回路内、特に採取気道取付部内のデッドスペースは、かなり減少する。更に、弾性スリーブを圧縮しても、管状取付部と採取孔との間の気道流路は、内径方向又は横方向の寸法に実質的に有害な変化を発生せず、また、適応される気道を通り実質的に円滑な気体の流れを容易に形成しかつ気道取付部内の如何なる非排気容積も最小化できる。
【0023】
種々の図で同一の部分に同様の参照符号を付し、全て本明細書の一部を構成する添付図面、下記の詳細な説明及び特許請求の範囲を考慮すれば、本発明の前記目的及び他の目的、特徴並びに特性に加えて、操作法、構造の関連要素及び組合せ部品の機能並びに製造の経済性は、明らかとなろう。しかしながら、図面は、例示及び図示の目的に過ぎず、本発明の限界を定義する意味ではないことを明瞭に理解すべきである。本明細書及び特許請求の範囲では、「a」、「an」及び「the」は、他に明示しない限り複数の指示対象を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施の形態は、新生児等の低呼吸量を有する患者の使用に適し、気道内のデッドスペースを最小化して、取付部を通り実質的に円滑な気体の流れを容易に形成し、非排気容積を最小化する採取気道取付部を提供する。全図及び最初に説明する図3〜図6について、特に、本発明の原理による採取気道取付部の例示的な実施の形態の全体を参照符号50で示し説明する。採取気道取付部50の図示の実施の形態を利用して、気管内管取付部52等の管状取付部と呼吸管(図示せず)との着脱可能な連結を説明する。
【0025】
管状取付部52は、内部に延伸する孔254を形成する外壁252を有するほぼ管状の部分250を備える。孔254の内面256は、軸方向の流路260に開口する浅い截頭円錐形の端壁258まで延伸する。外壁252の外部は、外端部259からの距離が長くなる程直径が増加しかつ横方向に延伸するフランジ264まで延伸するテーパ状の外面262を備える。軸方向の流路260は、外壁252からフランジ264の反対側の長さ方向に管状取付部突起266内を延伸しかつ患者まで延伸する気管内管等の管を受ける寸法に形成される。管状取付部突起266上に摩擦嵌合する気管内管(図示せず)から受ける気体は、軸方向の流路260内に流入する。一般に、新生児用及び幼児用の気管内管の直径は、4mm未満である。従って、本発明は、比較的小径の気管内管の端部に嵌合する管取付部突起266の寸法化も企図する。
【0026】
採取気道取付部50は、気管内管取付部52を着脱自在に嵌合する第1の部分54と、呼吸管(図示せず)を着脱自在に嵌合する第2の部分(又は呼吸管コネクタ部)56と、第1の部分54及び第2の部分54の中間に配置される採取部58とを備える。採取気道取付部50中を流れる患者からの呼気検体は、採取部58から抽出される。
【0027】
採取気道取付部50の第2の部分56は、ほぼ管状であり、内面62により形成されるテーパ状の内孔61及び外面64を有する外壁60を備える。第2の端部63からの距離が長くなる程、内孔61の直径が減少するように、内孔61の内面のテーパ形状が形成される。第2の端部63からの距離が長くなる程、外面64の直径が増大するテーパ形状が第2の部分56の外面64に設けられる。この外部テーパ形状により、第2の部分56と種々の製品の呼吸管とを容易に連結できる。
【0028】
採取部58は、採取気道取付部50の外部から採取気道取付部50の中心軸付近の内部位置まで延伸する検体口68を有する検体支管構造体66を備える。特に、検体口68は、内部に採取管(図示せず)を収容しかつ採取管が検体口68内に延伸する比較的大きな直径の外部孔70を備えている。また、検体口68は、検体口68に同軸の内部孔72を備え、内部孔72は、外部孔70から延伸しかつ採取気道取付部50内で中心軸方向に延伸する採取孔74に向けて開口する。図3〜図6に示す例示的な実施の形態では、検体口68の端部が採取孔74内に僅かに突出する特有の形状のため、検体口68は、患者の呼吸気体中に含まれる水分及び他の汚染物質の凝結を最小化する。
【0029】
更に、採取気道取付部50は、内部を横切って横方向に延伸する障壁80を備え、軸方向に延伸する採取孔74のみが障壁80を貫通する。
【0030】
採取気道取付部50の第1の部分54は、ほぼ管状であり、内面84により形成されるテーパ状の内孔83を有する外壁82を備える。第1の部分54の内孔83は、第1の外端部85からの距離が長くなる程、直径が減少する。採取気道取付部50の第1の部分54の外面は、ほぼ円筒状の外面86を備える。採取気道取付部50を管状取付部52に連結するとき、内面84のテーパ形状により、管状取付部52のテーパ状外面262との摩擦嵌合が容易となるが、この点は、詳細に後述する。
【0031】
更に、第1の部分54は、障壁80から延伸しかつ孔90を内部に有する軸方向の突起88を備える。孔90は、採取孔74に流体接続される。本発明では、採取孔74に向けて直径が減少するテーパ状の孔90を企図する。テーパの形成を省略してもよいことは理解されよう。また、突起88の外面92は、障壁80に向けて突起88の外径が増大するテーパ状に形成される。
【0032】
長さ方向に圧縮可能な弾性スリーブ状部材100は、突起88上に固定され、弾性スリーブ状部材100の一部は、突起88を越えて長さ方向に延伸する。弾性スリーブ100は、軸方向突起88及びその把持外面92上に弾性的に嵌合される寸法に形成される孔104を有する第1のスカート部102を備える。第1のスカート部102は、環状移行部106で縮径して、孔90の外端部と同等の直径を有する移行孔108を形成する。孔111を内部に形成する球根状又は涙状の圧縮部110は、環状移行部106から軸方向に延伸し、移行孔108と同等の直径を有する出口孔116が部分球状部114内に延伸し、外側に拡張して部分球状部114まで延伸する截頭円錐部112が圧縮部110に設けられる。第2のスカート部118は、圧縮部110から軸方向に延伸して被着孔120を形成する。本発明は、シリコーンゴム又はブロー成形ポリエチレン等の適当なエラストマから弾性スリーブ100を成形することを企図する。
【0033】
弾性スリーブ100の端部に端部口金122が設けられる。端部口金122は、ほぼ円筒状の筒部124と、筒部124から径方向に延伸するフランジ126とを備える。軸孔128は、筒部124及びフランジ126を通過し延伸する。筒部124は、第2のスカート部118の被着孔120内に収容され、フランジ126は、第2のスカート部の端部に当接する。端部口金122の軸孔128は、出口孔116とほぼ同一直径を有しかつ出口孔116と同軸上に整合される。本発明は、この操作環境の使用に適する熱可塑性アクリル樹脂等の如何なる材料からも端部口金122を形成できることを企図する。図3に示すように、端部口金122は、採取気道取付部50の第1の部分54の外端部を越えて、長さ方向に実質的に突出してもよい。端部口金122は、管状取付部52に当接する弾性スリーブ100の遠位先端での構造支持体となり、管状取付部52を当接するときに、弾性スリーブ100の先端自体の圧壊を防止する。また、端部口金122は、弾性スリーブ100の外縁上に伝達される均一な力を受ける。本発明は、端部口金122とスリーブ100とを連結する如何なる従来法を使用することも企図する。例えば、製造工程の間に組み立てられる別個の構成部材として前記二部材を形成し、又は二部材をインサート成形してもよい。
【0034】
前記の通り、採取気道取付部50の第1の部分54の外壁82と管状取付部52の外壁252との樹脂部品間に大きな製造誤差が生ずるため、採取気道取付部50と管状取付部52とを密着嵌合させるために互いに押圧する縦方向の移動距離にかなり広範囲の変動があり得る。密着嵌合を形成するのに互いの方向に押圧すべき距離が小さくなる程、気道内に潜在的に形成されるデッドスペースは、大きくなる。前記の通り、このデッドスペースは、特に低呼吸量の患者への適用には好ましくない。
【0035】
本発明では、弾性スリーブ100を使用して、採取気道取付部50と管状取付部52とを長さ方向に接続するとき、デッドスペースを最小化できる。組立て前に、弾性スリーブ100は、図3に示すように伸張位置にある。組立時に採取気道取付部50と管状取付部52を互いに向かって押圧すると、管状取付部52の外壁252は、採取気道取付部50の第1の部分54の外壁82の内部に嵌合される。採取気道取付部50と管状取付部52を互いに向けて更に押圧すると、図5に示すように、端部口金122のフランジ126は、管状取付部52の孔254内の截頭円錐形端壁258に当接して密封構造が形成される。気道採取取付部50と管状取付部52とを組合せる長さ方向軸に対して直角な面に対して截頭円錐形端壁258が浅い角度で傾斜し、端部口金122の径方向に延伸する端部口金フランジ126が截頭円錐形端壁258に当接するため、気道採取取付部50と管状取付部52との間に密封構造が形成され、管状取付部52の軸方向流路260を通じて流れるほぼ全ての気体は、端部口金孔128、出口孔116、圧縮部孔111、移行孔108を通り、軸方向突起88の孔90内に流入して採取孔70に導入される。従って、デッドスペースは、最小化される。
【0036】
最初に端部口金122のフランジ126が截頭円錐形端壁258に当接しかつ密封係合するとき、通常、管状取付部52と採取気道取付部50との嵌合は、気密嵌合ではない。その代わり、2つの構成部材を互いに向けて押圧し、適切な気密で摩擦接触しかつ締り嵌めとなる連結構造(圧入嵌合)を確保できる。更に、採取気道取付部50と管状取付部52を互いに向かって長さ方向に押圧すると、内部の弾性スリーブ100に作用する力により、圧縮部110が長さ方向に縮小され、前記の気密で締り嵌めとなる連結(圧入嵌合)に要求される長さ方向の移動距離に依存して、より大きいか又はより小さい程度に圧縮部110を採取気道取付部50内で折畳むことができる。これにより、圧縮部110は、長さ方向に弾性的に偏位して、フランジ126と截頭円錐形端壁258との密着構造を維持しながら、圧縮部110は、ほぼ図5に示す形状となる。
【0037】
このように、気道中に存在するデッドスペースの実質的な部分は、採取気道取付部50の第1の部分54の内部から本質的に除去される。更に、患者から呼気が流れる孔の内径が実質的に又は長い区間で変化しないため、採取孔70への円滑な気体流を達成できる。
【0038】
本発明による採取気道取付部150の例示的な第2の実施の形態を図7について以下説明する。気管内管取付部52に形状が類似する気管内管取付部152等の管状取付部と呼吸管(図示せず)との着脱可能な連結構造を採取気道取付部150を利用して説明する。採取気道取付部150は、気管内管取付部152を着脱自在に嵌合する第1の部分154と、呼吸管(図示せず)を着脱自在に嵌合する第2の部分(又は呼吸管コネクタ部)156と、採取気道取付部中を流れる気体検体を抽出して分析する採取部158とを備える。
【0039】
第1の部分154は、ほぼ管状に形成され、組立ての際、管状取付部152を容易に着脱可能に嵌合する内面上の直径が僅かにテーパ状に形成される外壁160を有する。更に、第1の部分154は、外壁160よりも採取気道取付部150の中心近くに配置される軸方向突起162を備える。軸方向突起162は、採取気道取付部150の長さ方向に沿って外壁160とほぼ同一の位置から外壁160と同一の長さ方向に延伸する。しかしながら、外壁160は、軸方向突起162よりも起点から更に遠方の長さ方向に延伸する。換言すると、外壁160は、軸方向突起162より長く、軸方向突起162の縦方向の長さは、外壁160の約3分の1〜2分の1である。
【0040】
軸方向突起162と外壁160の両方は、採取気道取付部150の採取部158の検体支管構造体166が配置される位置から気道取付部150の長さ方向に沿って延伸する。第1の部分154の外壁160と軸方向流路162とを別々に形成して採取部158の検体支管構造体166に密封接合し、又は軸方向流路162と外壁160とを一体形成してもよいことは当業者に理解され認められよう。各変形例は、本発明の範囲内であることを企図する。
【0041】
採取部158の検体支管構造体166は、ほぼ管状に形成され、採取気道取付部150の長さ方向軸に対し直角に延伸する検体口168を備える。検体口168は、内部に採取管を収容する比較的大きい直径の外部孔170と、軸方向突起162の孔164に連絡する検体孔164a内に開口しかつ外部孔170から同軸上に延伸する内部孔172とを備える。
【0042】
採取気道取付部150の採取部158は、採取気道取付部150のほぼ中心に向かって下方に延伸する。これにより、孔164及び164aに集積するおそれのある如何なる汚染物質又は他の成分も開口部178を通じて検体口168に流入することを防止できる。孔164aを通過する気体を検体口168から抽出し、遠隔位置に移送して分析してもよい。
【0043】
採取気道取付部150の第2の部分156は、ほぼ管状に形成され、内面182により形成される孔を有する外壁180を備える。第2の部分156の内口径は、採取気道取付部150の利用に適切な呼吸管(図示せず)の外径に近似する。第2の部分156の外壁180の内面182は、僅かにテーパ状に形成され、呼吸管(図示せず)との着脱可能な嵌合を容易にする。
【0044】
更に、採取気道取付部150は、圧縮可能部材としての弾性スリーブ184を備える。弾性スリーブ184は、第1の部分154の外壁160と軸方向突起162との間に配置される。弾性スリーブ184は、環状リップ190まで延伸するほぼ管状のスカート部188を有する長さ方向の内端部186を備える。管状スカート部188は、第1の部分154の軸方向突起162の外面192を包囲しかつ係合し、環状リップ190は、軸方向突起162の終端194に当接する。管状スカート部188は、軸方向突起162の軸方向長さ以下の軸方向長さを有する。
【0045】
更に、弾性スリーブ184は、複数の蛇腹状ひだ部又は波形折曲部198を含む長さ方向外部196を備える。採取気道取付部150の残部を構成する剛性のある樹脂成形部分と相補的な管状取付部152との組立体枠の範囲内で、弾性スリーブ184は、蛇腹状波形折曲部によって、種々の長さ方向の寸法に対応できるが、この点を更に詳細に後述する。弾性スリーブ184の長さ方向外端部196は、管状スカート部188から離間して配置される端部199まで延伸する。
【0046】
本発明では、採取気道取付部150と共に使用されかつそれと相補的な形状を有する通常の気管内管取付部152は、気管内管受部200と、接続部202とを備える。気管内管受部200は、管状に形成され、内部に軸方向流路206を形成する壁204を備える。気管内管(図示せず)から受ける気体は、中央導管206を通じて採取気道取付部内に流入する。組立ての際に、気管内管(図示せず)は、壁204の端部上に嵌合される。管状壁204の外周部は、新生児の使用頻度の高い比較的小型の気管内管を受ける大きさに設定される。
【0047】
気管内管取付部152の接続部202は、管状に形成され、ほぼ円筒状の内面212により形成される中央孔210を包囲する外壁208を備える。内面212は、軸方向流路206の外周部に導く截頭円錐形端壁214まで延伸する。
【0048】
気管内管取付部152の接続部202の外壁208の外面218は、フランジ209付近の位置から外壁208の対向端部に向けて直径が減少する僅かにテーパ状に形成され、組立ての際に、採取気道取付部150の第1の部分154の外壁160の内部に外壁208の外面218を着脱可能に容易に摩擦嵌合させることができる。組立ての際に、採取気道取付部150の外壁160のテーパ状内面216に管状取付部152の管状壁208のテーパ状外面218を着脱可能に嵌合できる。管状取付部152と採取気道取付部150は、気密に嵌合する締り嵌めにより互いに連結される。
【0049】
図7の実施の形態では、弾性スリーブ184に詳細には領域220内のデッドスペースを最小化できる。採取気道取付部150と管状取付部152とを組立てる前に、弾性スリーブ184は、伸張位置にある(図示せず)。即ち、圧縮可能部材184の第2の端部196の蛇腹状波形折曲部198は、伸張位置にあり、波形折曲部198は、径方向の広がりの小さい弛緩状態にある。採取気道取付部150と管状取付部152とを互いに向かって長さ方向に押圧すると、圧縮可能部材184の第2の端部196の先端部199は、図示のように、管状取付部152の截頭円錐形端壁214に当接する。採取気道取付部150と管状取付部152とを押圧して相互にかつ確実に嵌合すべき距離が如何に長く又は短くても、前記結果を達成するため、弾性スリーブ184の長さ方向の第2の端部196は、伸張時にテーパ部214に十分に当接する長さを有することは理解されよう。従って、弾性スリーブ184の長さ方向の第2の外端部196の伸張された軸方向長さは、採取気道取付部150の外壁160の軸方向長さを越えて延伸するものであることが望ましい。
【0050】
採取気道取付部150と管状取付部152とを互いに向けて押圧するとき、截頭円錐形端壁214を通じて弾性スリーブ184上に付与される圧力により、ひだ状の長さ方向の第2の外端部196を収縮させると共に、端部199と截頭円錐形端壁214との当接を維持できる。これにより、弾性スリーブ184の長さ方向の外端部196を構成する複数の波形折曲部198は、互いに長さ方向に接近し、径方向の外端部は、図7に示す形状までより径方向外側に延伸する。しかしながら、印加する圧力に応じて、弾性スリーブ184は、弾性的に十分に偏位して、端部199と截頭円錐形端部214との当接により、実質的に気密かつ液密の封止構造が形成される。従って、軸方向流路206から孔164に流入する気体が領域220に侵入することを実質的に阻止しかつ孔164内に気体を維持できる。
【0051】
従って、本発明では、デッドスペースが生ずる傾向のある複数の領域220に対して孔164を実質的に閉鎖することにより、呼吸回路内に存在するデッドスペースを最小化することができよう。更に、蛇腹状波形折曲部198は、孔164の外径を実質的に変化させないため、気体流路の非排気容積を最小化しつつ、孔164内部で気体を全体的に円滑にかつ容易に流すことができる。
【0052】
図8は、本発明の原理による採取気道取付部300の第3の実施の形態を示す。取付部300の管状の第1の部分304に圧縮可能部材302を装着することを除き、本実施の形態は、図3〜図6に示す実施の形態と構造上類似する。本実施の形態では、圧縮可能部材302の第1の端部306は、第1の部分304内に作動接続される。前記実施の形態と同様に、第1の端部306から第2の自由端部308まで圧縮可能部材302内に孔305が形成される。
【0053】
本発明の例示的な実施の形態では、圧縮可能部材302の第1の端部306は、第1の端部306の外縁の周囲に配置されるフランジ308を備える。フランジ308は、孔312の壁310に摩擦嵌合して、取付部300の第1の部分304内の適所に圧縮可能部材302を保持する。第1の部分304に圧縮可能部材302を装着する他の方法及び形状も本発明が企図することは理解されよう。例えば、圧縮可能部材302の第1の端部306をフランジ308に一体形成する代わりに、圧縮可能部材とは別にフランジを形成してもよい。この構成では、フランジは、圧縮可能部材の第1の端部と孔の壁との間に配置されかつ圧縮可能部材を孔内の適所に保持する別の摩擦嵌合部材として作用する。取付部の第1の部分に圧縮可能部材を装着するフランジ又は他の嵌合部材に、種々の構成、形状及び寸法を付与しかつ多数の部品を設けてもよいことは勿論である。
【0054】
圧縮可能部材の変形例が本発明の範囲内であることは当業者に理解され認識されよう。例えば、蛇腹状波形折曲部を有する弾性スリーブではなく、可撓性であるが剛性を有し反りを回避する管構造体を本発明の圧縮可能部材に設けてもよい。前記変形例は、本発明の範囲内にある。
【0055】
図9〜図11は、本発明の原理による採取気道取付部400の第4の実施の形態を示す。図7に示す圧縮可能部材184に幾分類似する圧縮可能部材402の構造を除き、本実施の形態は、図3〜図6に示す実施の形態に構造上類似する。図示の実施の形態では、取付部400の管状の第1の部分404に突起406を介して圧縮可能部材402が装着される。しかしながら、本発明は、図8に示す通り、管状の第1の部分404に圧縮可能部材402を装着することも企図する。前記実施の形態と同様に、第1の端部410から第2の自由端部412までの圧縮可能部材内に孔408が形成される。図示の実施の形態では、孔408は、突起406内に形成される孔にほぼ等しい有効な流路直径を有する。
【0056】
本発明の例示的な実施の形態では、圧縮可能部材402の第1の端部410は、摩擦嵌合により突起406の周囲に配置される。また、端部410は、圧縮可能部材402の外縁の周囲に配置されるフランジ414を備える。前記実施の形態のフランジ308と同様に、孔416の壁に摩擦嵌合するフランジ414は、圧縮可能部材を取付部内の適所に保持する。第1の部分に圧縮可能部材を装着する他の技術及び構造も本発明が企図すると理解すべきである。例えば、圧縮可能部材402の第1の端部410にフランジ414を一体形成する代わりに、圧縮可能部材と別個にフランジを形成してもよい。
【0057】
前記方法を含む適切な方法により端部412に装着される端部口金420を圧縮可能部材402に設けることが好ましい。本実施の形態では、圧縮可能部材上に端部口金を保持する端部412の舌片又は突起を嵌合する溝を端部口金420の周囲に形成できる。端部口金420を設けることは任意であり、設けるのであれば、種々の形状、寸法及び構成を端部口金420に付与できる点に留意すべきである。
【0058】
端部口金420に力を加えて、圧縮可能部材の自由端を蛇腹状に折畳む複数のひだ又は波形折曲部422が圧縮可能部材402の部分412に設けられる。即ち、気管内取付部の内部の端壁に蛇腹状壁構造体の波形折曲部を押圧すれば、圧縮可能部材402の端部412を長さ方向に短縮して収縮させることができる。
【0059】
自由端部に力を作用させなければ、図9〜図12に全体を示す非偏位状態となるように、圧縮可能部材402の波形折曲部を形成できる。圧縮可能部材の形態は、端部口金412と管状取付部52の端壁との間の当接状態を維持するのに十分な偏位力を付与するものである。また、蛇腹状壁構造体は、気管内取付部の内端壁から引き戻すと、圧縮可能部材302、特に蛇腹状壁構造体の波形折曲部412の弾力特性により再び長さ方向に伸張する。このように、圧縮可能部材は、圧縮可能部材と内端壁を連結するとき、気管内取付部の内端壁に当接する長さを調整して、取付部間の多種多様な可能な距離、例えば、成形樹脂部品の製造誤差に対応できる。
【0060】
複数の波形折曲部を使用する利点は、圧縮可能部材を折畳む際に比較的高度な調節が可能となり、適正な折畳力を設定でき、圧縮可能部材を折畳方法が一貫しかつ均一である点である。また、圧縮可能部材を折畳むと、複数の波形折曲部間の比較的小さい領域は、取付部内の非排気容積を最小化し、取付部内を通る気体の良好な流れを促進する。
【0061】
ひだの数、寸法、形状、間隔、長さ、幅及び他の特徴を変更できることは理解されよう。本発明では、図9〜図11に示す具体的な形態に限定されることは意図されない。また、現在の医療用途に使用される種々の材料の何れか1つにより圧縮可能部材402を形成することもできる。
【0062】
前記実施の形態では、取付部を通過する気体の一部を採取位置に偏向するように構成するので、気道取付部を採取気道取付部として記載する。圧縮可能部材又は弾性スリーブに対する種々の実施の形態等の本発明の特徴を他型式の気道取付部にも同様に適用できることも理解すべきである。従って、本明細書中に使用する用語「気道取付部」又は「取付部」は、患者回路(人工呼吸器管路とも指称する)内の2つの構成部材の連結に使用する全型式の取付部を包含することを意図する。本発明の使用に適する気道取付部は、以下の事項を含むが、これらに限定されない。
1)患者回路から気体の流路を変更する採取気道取付部、
2)患者回路内で気体を測定する主流気体測定気道取付部、特許文献2を参照されたい。
3)吸気アーム及び呼気アームを気管内挿入管又は気管チューブに連結するY字状取付部(Y部分取付部)、
4)外部の構成要素を人工呼吸器管路に連結するT字状取付部(T部分取付部)、
5)患者回路の直径を段階的に増加し又は減少させる直径設定取付部、及び
6)流量センサ、圧力センサ、温度センサ等のセンサの取付位置を患者回路に設けるセンサ取付部を含む。
【0063】
図12は、患者回路(図示せず)内に気体測定装置の取付位置を備える主流式気体測定取付部500の例示的な実施の形態を示す。取付部内を通過する気体中の二酸化炭素(CO2)濃度は、取付部を使用して通常測定される。気体測定取付部500は、取付部ハウジング506の管状の第1の部分504に装着される圧縮可能部材502を備える。取付部ハウジング506に形成される突起上に圧縮可能部材502を嵌合しない点を除き、圧縮可能部材502は、前記実施の形態の圧縮可能部材402に機能上及び構造上類似する。その代わりに、圧縮可能部材502は、図8の管状部分304を装着する圧縮可能部材302と同様にハウジング506に装着される。第1の孔510は、圧縮可能部材502内に形成され、第2の孔512は、取付部ハウジング506内に形成されて、気道取付部の第1の端部514から第2の端部516まで気体が容易に流れる。
【0064】
ハウジング506内に開口部520を設けることにより、孔512を通過する気体成分を測定できる。開口部520の正面を流れる気体は、窓により密封される開口部520を通じて照射光を受け、従来の気体測定法を使用して、気体含有量を測定できる。気道取付部の本実施の形態は、図3〜図11に示す採取気道取付部に加えて、他型式の気道取付部に組み合わせて本発明に使用する圧縮可能部材及び他の構成部材をどのように使用できるかを当業者が理解できる程度に示すものである。使用される気道取付部の型式に依存して、圧縮可能部材の変形も勿論要求されよう。
【0065】
最も実施に適しかつ好適な実施の形態であると現在認められる例について図示の目的で本発明を詳細に説明したが、詳細な説明は、単に説明の目的に過ぎず、本発明は開示した実施の形態に限定されないのみならず、発明の精神及び特許請求の範囲に包含される修正及び均等の構成を含むものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来の気道取付部の第1の具体例を示す断面図
【図2】従来の気道取付部の第2の具体例を示す断面図
【図3】管状取付部との組立前の伸張位置にある弾性スリーブを示す本発明の原理による採取気道取付部の第1の実施の形態を示す分解断面図
【図4】図3の採取気道取付部を示す端面図
【図5】管状取付部の内端壁との接触後の相対的に圧縮された位置にある弾性スリーブを備えた図3の採取気道取付部及び管状取付部の一部を示す側面図
【図6】図3の採取気道取付部及び管状取付部を示す分解斜視図
【図7】本発明の原理による採取気道取付部の第2の実施の形態を示す断面図
【図8】本発明の原理による採取気道取付部の第3の実施の形態を示す分解断面図
【図9】本発明の原理による採取気道取付部の第4の実施の形態を示す平面図
【図10】本発明の原理による採取気道取付部の第4の実施の形態を示す斜視図
【図11】図9の線11-11に沿う図9及び図10の採取気道取付部を示す断面図
【図12】本発明の原理による気道取付部の第5の実施の形態を示す断面図
【符号の説明】
【0067】
(50,150,300,400,500)・・気道取付部構造体、 (52,152)・・管状取付部、 (54,154,304,404,504)・・第1の部分、 (56,156,506)・・第2の部分、 (58)・・採取部、 (66)・・検体支管構造体、 (68)・・採取口、 (70,254)・・第4の孔、 (82,160)・・壁、 (83)・・第1の孔、 (88,162,406)・・突起、 (90)・・第2の孔、 (100,184,302,402,502)・・圧縮可能部材、 (102,188)・・第1のスカート部、 (108)・・第3の孔、 (110)・・涙状の部分、 (118)・・第2のスカート部、 (122)・・端部口金、 (126,308,414)・・フランジ、 (198,422)・・蛇腹状波形折曲部、 (250)・・本体部、 (258)・・端壁、 (259)・・第1の端部、 (260)・・軸方向流路、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)
(1)第1の端部、第2の端部並びに第1の端部及び第2の端部の内側に形成される第1の孔(83)を有する壁(82,160)と、
(2)壁に作動接続されて第2の孔(90)を内側に有しかつ第1の孔と軸方向に整合する突起(88,162,406)とを備えるほぼ管状の第1の部分(54,154,404)と、
(b)突起の端部を越えて延伸し第2の孔に連通して形成される第3の孔(108)を内部に含む第1の部分を有し、かつ突起に連結される長さ方向に圧縮可能な圧縮可能部材(100,184,402)と、
(c)管状の第1の部分の第1の端部に連結されるほぼ管状の第2の部分(56,156)とを備えることを特徴とする気道取付部構造体(50,150,400)。
【請求項2】
圧縮可能部材は、突起上に配置され第1の部分に連結される第1のスカート部(102,188)を有する弾性スリーブを備える請求項2に記載の気道取付部構造体。
【請求項3】
第1の部分は、ほぼ涙状の部分(110)を備える請求項2に記載の気道取付部構造体。
【請求項4】
更に、圧縮可能部材は、
第1のスカート部から長さ方向に涙状部分の反対側に配置される第2のスカート部(118)と、
第2のスカート部内に収容される筒部を有する端部口金(122)と、筒部内に形成されかつ第3の孔に流体接続される端部口金孔とを備える請求項3に記載の気道取付部構造体。
【請求項5】
更に、端部口金は、第2のスカート部の端部に当接して径方向に延伸するフランジ(126)を備える請求項4に記載の気道取付部構造体。
【請求項6】
圧縮可能部材の第1の部分は、少なくとも1つの蛇腹状波形折曲部(198,422)を備える請求項1に記載の気道取付部構造体。
【請求項7】
更に、第2の孔と管状の第2の端部の内部との間に流路を形成する第4の孔(70)と、第4の孔に開口しかつ気道取付部構造体の外側に延伸する採取口(68)を含む検体支管構造体(66)とを有する採取部(58)を備える請求項1に記載の気道取付部構造体。
【請求項8】
更に、気道取付部に組立てられる管状取付部(52,152)を備え、管状取付部は、第4の孔(254)及び軸方向流路(260)を内部に形成する本体部(250)を有し、第4の孔は、第1の端部(259)から延伸して本体部内の端壁(258)で終端し、軸方向流路は、端壁の一部内に開口し、圧縮可能部材が圧縮状態になるように端壁は、圧縮可能部材に当接して、管状取付部と気道取付部とが連結され、圧縮可能部材の端部と軸方向流路の外縁周囲の端壁との間に密封構造を形成する請求項1に記載の気道取付部構造体。
【請求項9】
第4の孔を包囲する管状取付部の本体部は、第1の端部からの距離が増加するように小径から大径となるテーパ状に形成される外面を有する外壁を備え、気道取付部の第1の部分は、第1の端部からの距離が増加するように大径から小径となるテーパ状に形成される内面を備え、管状取付部の外面と気道取付部の内面とが摩擦嵌合して、管状取付部を気道取付部に連結する請求項8に記載の気道取付部構造体。
【請求項10】
(a)第1の端部、第2の端部並びに第1の端部及び第2の端部の内部に形成される第1の孔を有するほぼ管状の第1の部分(54,154,304,404,504)と、
(b)管状の第1の部分に作動接続される第1の端部及び第1の端部に対向する第2の自由端部を有し、かつ第1の孔内に配置される長さ方向に圧縮可能な圧縮可能部材(100,184,302,402,502)と、
(c)管状の第1の部分の第1の端部に連結されるほぼ管状の第2の部分(56,156,506)とを備え、圧縮可能部材(100,184,302,402,502)は、第1の端部から第2の端部まで圧縮可能部材(100,184,302,402,502)の内部に形成される第2の孔を備えることを特徴とする気道取付部構造体(50,150,300,400,500)。
【請求項11】
圧縮可能部材は、第1の端部に配置されるフランジ(308,414)を備え、管状の第1の部分の第1の端部に設けられる第1の孔及びフランジは、フランジが第1の孔の壁に摩擦嵌合するように形成され、圧縮可能部材を第1の孔内の適所に保持する請求項10に記載の気道取付部構造体。
【請求項12】
更に、圧縮可能部材の第1の端部と第1の孔の壁との間に配置され、圧縮可能部材を第1の孔内の適所に保持する摩擦嵌合部材を備える請求項10に記載の気道取付部構造体。
【請求項13】
圧縮可能部材は、第1の端部に形成される第1のスカート部を有する弾性スリーブを備える請求項10に記載の気道取付部構造体。
【請求項14】
第1の端部は、ほぼ涙状の部分(110)を備える請求項13に記載の気道取付部構造体。
【請求項15】
更に、圧縮可能部材は、
第1のスカート部から長さ方向に涙状部分の反対側に配置される第2のスカート部(118)と、
第2のスカート部内に収容される筒部を有する端部口金(122)と、筒部内に形成されかつ第3の孔に流体接続される端部口金孔とを備える請求項14に記載の気道取付部構造体。
【請求項16】
更に、端部口金は、第2のスカート部の端部に当接して径方向に延伸するフランジ(126)を備える請求項15に記載の気道取付部構造体。
【請求項17】
圧縮可能部材の第1の部分は、少なくとも1つの蛇腹状波形折曲部(198,422)を備える請求項10に記載の気道取付部構造体。
【請求項18】
更に、第2の孔と管状の第2の端部の内部との間に流路を形成する第4の孔(70)と、第4の孔に開口しかつ気道取付部構造体の外側に延伸する採取口(68)を含む検体支管構造体(66)とを有する採取部(58)を備える請求項10に記載の気道取付部構造体。
【請求項19】
更に、気道取付部と共に組立てられる管状取付部(52,152)を備え、管状取付部は、第4の孔(254)及び軸方向流路(260)を内部に形成する本体部(250)を有し、第4の孔は、第1の端部から延伸して本体部内の端壁(258)で終端し、軸方向流路は、端壁の一部内に開口し、端壁が圧縮可能部材に当接し圧縮可能部材を圧縮状態に移行して、管状取付部と気道取付部とを連結し、圧縮可能部材の端部と軸方向流路の外縁周囲の端壁との間に密封構造を形成する請求項10に記載の気道取付部構造体。
【請求項20】
第4の孔を包囲する管状取付部の本体部は、第1の端部からの距離が増加するとき、小径から大径となるテーパ状に形成される外面を有する外壁を備え、気道取付部の第1部分は、第1の端部からの距離が増加するとき、大径から小径となるテーパ状に形成される内面を備え、管状取付部の外面と気道取付部の内面とが摩擦嵌合して、管状取付部を気道取付部に連結する請求項19に記載の気道取付部構造体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2006−502826(P2006−502826A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501152(P2005−501152)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/032116
【国際公開番号】WO2004/032817
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(503084303)アールアイシー・インベストメンツ・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】