低侵襲開創器および使用方法
【課題】新規のスクリューベースの開創器を使用した、低侵襲アプローチにより脊椎へのアクセスを可能にする整形外科的脊椎手術のためのデバイス、システムおよび方法を提供する。
【解決手段】開創器デバイス10は、椎弓根スクリューと連結後、開創器10の対向するアーム8により、近位端12で創傷を拡げるように設計されている。該開創器10は、創傷から開創器10を抜去することによって取り外され、これにより、開創器10が変形され、椎弓根スクリューヘッドを通り抜ける。開創器10は、硬質のプラスチック材料で作製され、滅菌梱包され、単回使用後に使い捨て可能であるよう意図されている。開創器10を使用して、低侵襲脊椎外科的処置を実施するためのシステムおよび方法も開示される。
【解決手段】開創器デバイス10は、椎弓根スクリューと連結後、開創器10の対向するアーム8により、近位端12で創傷を拡げるように設計されている。該開創器10は、創傷から開創器10を抜去することによって取り外され、これにより、開創器10が変形され、椎弓根スクリューヘッドを通り抜ける。開創器10は、硬質のプラスチック材料で作製され、滅菌梱包され、単回使用後に使い捨て可能であるよう意図されている。開創器10を使用して、低侵襲脊椎外科的処置を実施するためのシステムおよび方法も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2005年9月26日に出願された米国仮特許出願第60/720,670号に基づく優先権および利益を主張し、その全内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(1.発明の技術分野)
本発明は、概して、整形外科的脊椎手術に関し、特に、低侵襲外科的処置に使用される低侵襲開創器および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.技術の背景)
低侵襲処置での使用に適した開創器および開創器システムは飛躍的に進展してきている。最近の進展の多くは、開放処置用の従来型の外科用開創器、主に、さまざまな設計のテーブル設置型のデバイスに基づく。これらのデバイスは扱いにくいことが多く、小切開に使用するにはあまり適していない。標準的な手持ち式の外科用開創器は、先行技術において周知であり、このような小切開の輪郭に合うように変更することができるが、所望の位置を保つためには手動操作が必要であり、このため、処置中に、医師の片方の手が塞がれ、あるいは医師を補助する他の人が必要となる。また、典型的な開創器は、軟組織に配置され、創傷を開いた状態に保持するために拡げられ、位置が移動したり、医師の視界を遮ったり、あるいは、手術部位へのアクセスを妨げてしまう場合には、頻繁に再配置する必要がある。
【0004】
近年、低侵襲外科的アプローチが整形外科手術に応用され、より最近では、1つ以上の椎体に関与する機器による固定術(instrumented fusion)などの脊椎手術に応用されている。患部が体の狭い部位に限定されている関節鏡膝手術や胆嚢手術などの低侵襲処置とは異なり、脊椎固定術は、通常、患者の体のかなり広い部位を網羅する。また、関節鏡手術および腹腔鏡手術では、組織を膨張させて、外科医の作業空間を作り出すために、流体(すなわち、液体や気体)の導入が可能である。脊椎手術では、このように膨張させることができる嚢や空間がなく、その代わりに、軟組織、骨、靭帯および神経の複数の層が関わっている。このような理由から、脊椎に対して低侵襲処置を行うという考えは、最近になってようやく取り組みがなされたに過ぎない。
【0005】
一例として、代表的な脊椎固定術では、少なくとも2つの椎体が、それぞれの椎体に埋め込まれるスクリューを用いて、スクリュー間にまたがる固体金属ロッドと堅固に結合される。この処置は、一般に、低侵襲アプローチの助けとはならない。椎弓根スクリューまたは椎間関節スクリューを挿入することは、比較的容易であり、最小限の切開で行うことができる。困難なのは、アクセスと視野が非常に限られている中で、長さのあるロッドを極めて小さな切開部に挿入することである。シングルレベル固定術では、30〜40mmのロッドを1cmの切開部に挿入する必要があり、マルチレベル固定術では、数インチのロッドを1cmの切開部に収める必要がある場合がある。このような理由から、ロッドを挿入するためには、最小限の切開を、開放状態かつアクセス可能な状態(すなわち、可能な限り広く)に保つことが重要である。
【0006】
低侵襲手術は、従来の切開手術と比べて大きな利点がある。まず、皮膚の切開およびその後の瘢痕が著しく小さい。1つの大きな切開に代えて複数の小さな切開を使用することにより、組織や筋肉を極度に牽引させる必要性が大幅に低減される。これにより、術後の疼痛が大幅に軽減され、入院期間が短縮され、全体的な回復が早まる。
【0007】
脊椎インプラント処置の大半は、切開処置であり、多くの製造業者が低侵襲法を宣伝しているものの、その処置は、通常、固定術を対象にしておらず、亀背形成術、椎骨形成術、椎間板切除術などのより一般的に受け入れられている低侵襲脊椎処置に重点を置いている。
【0008】
メドトロニック・ソファモア・ダネック(Medtronic Sofamor Danek)社のSEXTANT(登録商標)は、スクリューおよびロッドの挿入に使用される真の低侵襲デバイスである。これの短所は、システムの使用法が複雑であり、ロッドを挿入するためにさらなる切開を必要とする点にある。また、このシステムでは、機器の位置合わせを保ち、セットスクリューのクロススレッディングを防ぐために、誘導デバイスを椎弓根スクリューヘッドにしっかりと固定する必要がある。このような理由から、外科医は、手術野を完全に準備するために、周囲の解剖学的構造にアクセスすることができない。また、SEXTANT(登録商標)は、必要な場合に処置を変更することもできない。
【0009】
デピュー・スパイン(Depuy Spine)社のVIPER(登録商標)システムは、1レベルまたは2レベルの脊椎固定術を対象とする別の低侵襲インプラントおよび技術である。このシステムは、SEXTANT(登録商標)よりも単純であり、一側性の1レベル固定術に2つの切開しか必要としないが、該システムも機器が椎弓根スクリューにしっかりと固定される必要があるという点で、SEXTANT(登録商標)と同様に制限がある。
【0010】
スパイナル・コンセプト(Spinal Concept)社のPATHFINDER(登録商標)、およびヌバシブ(NuVasive)社のSPHERX(登録商標)脊髄システム(米国特許第6,802,844号明細書に開示)は、「最小破壊(minimally disruptive)」脊椎固定インプラントおよび処置として市場に出回っている。これらは、一般的な「切開」処置と比べて利点があるものの、真の低侵襲処置の利点の全てを備えているわけではない。これらが「最小切開」処置であると特徴付けされるのは、低侵襲脊椎処置においてロッドを挿入することに固有の困難の結果である。これらのシステムは、シングルレベル固定術を実施するのに十分な長さのロッドを挿入するために、該ロッドを受け入れるのに十分な長さの切開を定義(describe)しており、低侵襲アプローチの利点が損なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,802,844号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ロッドの挿入の問題は、低侵襲脊椎固定術における中心問題であるため、さらなる議論の根拠となる。現在市場に出回っているシステムは、別の切開を追加するか、大きな切開を使用するか、1レベル以上の固定術に関する問題を完全に避けることによって、この問題に対処している。
【0013】
真に低侵襲であるためには、脊椎固定処置は、小切開の数を必要最小限にとどめ、組織および/または筋肉の大幅な牽引を必要とするものであってはならない。さらに、改良アプローチは、できるだけ多くのバリエーションおよびアプリケーションを網羅し、これにより、外科医が、示されるような患者の解剖学的構造および外科的なニーズに対応する処置を調整できるものでなければならない。例えば、脊椎固定術は、1レベルまたは2レベルに限定すべきではない。
【0014】
このため、低侵襲脊椎手術を実施するための改良デバイス、改良システム、および改良方法に対するニーズが引き続き存在している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示は、低侵襲脊椎手術を実施する際に使用されるスクリューベースの開創器のためのデバイス、システム、および方法に関する。開創器は、該開創器を所定の位置に誘導し、患者に対する固視点として機能するように使用される椎弓根ボーンスクリューに取り外し可能に取り付けられる。1回の脊椎処置中に、複数方向への牽引を可能とすべく、複数の開創器を1つのスクリューと共に使用することも、複数の開創器を複数のスクリュー各々と使用することもできる。開創器は、使い捨て用に製造することも、滅菌して再利用することもできる。最後に、開創器は、機器およびインプラントの挿入を補助するガイドとしても機能しうる。
【0016】
開創器は、その基準位置(nominal position)において、少なくとも1つの牽引ブレードを有する略円筒状管を形成している。各牽引ブレードの長軸に直交するように機器孔が設けられており、これにより、ゲルピー開創器などの標準的な外科用機器を使用して、ブレード同士を離し、皮膚および軟組織を牽引させ、視野を維持することができる。しかし、開創器が椎弓根スクリューに結合されている箇所では、開創器は円形断面を保っている。開創器が、椎弓根スクリューに恒久的に固定されておらず、取り外し可能に取り付けられているため、多軸回転が可能であり、外科医による創傷へのアクセスと操作の自由度が向上する。さらに、多軸回転により、開創器を、内側−外側、および頭側−尾側、並びにこれらの任意の組み合わせに拡げることができる。このように近位で自由に動くことができること、および遠位で固定的に取り付けられていないことにより、処置中に開創器を再配置させる必要が低減される。テーブル載置型の開創器と併用した場合には、開創器を近位で安定させることが可能である。
【0017】
低侵襲開創器は、椎弓根スクリューヘッドの近位または遠位に撓曲するように設計することができる。一実施形態では、開創器は、開創器のブレード設計に組み込まれた「リビングヒンジ(living hinge)」を有する。ブレード長の任意の部分で屈曲が可能となるように、複数のリビングヒンジを組み込むことができる。
【0018】
ブレードの断面は、さらなる剛性を提供する円環領域である。この形状により、ブレードは、リビングヒンジで強制的に曲げられるが、なおブレードに押し付けられた軟組織を牽引させることが可能である。
【0019】
リビングヒンジがスクリューヘッド上に配置される低侵襲開創器は、開創器ブレードを形成するために用いられる少なくとも1つの隙間と同一直線上に設けられた少なくとも1つのウィンドウを必要とする。このウィンドウは、椎弓根スクリューのサドルと協調し、手術部位への機器の挿入を可能にする。
【0020】
低侵襲開創器の遠位端は、軟組織を通じて椎弓根に載置される位置に挿入するのに役立つように弾丸形状である。また、遠位端は、開創器の取り外しを補助するために割り込まれる1つ以上のリリーフ特性を有する。処置の終了後、開創器は、創傷からまっすぐに抜去され、遠位端が拡張または切り離されて、スクリューとロッドアセンブリを通り過ぎる。開創器の遠位端を骨に隣接するスクリューのヘッドの周囲に配置することにより、開創器は、スクリューのヘッドの下の点から軟組織を牽引させ、スクリューと周辺組織の可視性が大幅に向上し、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本開示の第1実施形態に係る低侵襲開創器の斜視図である。
【図2】図1の低侵襲開創器の底面図である。
【図3】本開示の第2実施形態に係る低侵襲開創器の斜視図である。
【図4】図2の低侵襲開創器の底面図である。
【図5】低侵襲開創器と図1の低侵襲開創器を有するスクリューアセンブリの側面図である。
【図6】図5の低侵襲開創器とスクリューアセンブリの斜視図である。
【図7】図5の詳細な領域Aの拡大側面図である。
【図8】本開示の第3実施形態に係る低侵襲開創器とスクリューアセンブリの斜視図である。
【図9】図8の低侵襲開創器とスクリューアセンブリの上面図であり、低侵襲開創器の拡張された通路を通ってロッドが延びている状態を示す。
【図10】本開示の低侵襲開創器の第4実施形態の斜視図である。
【図11】本開示の低侵襲開創器の第5実施形態の斜視図である。
【図12】本開示の低侵襲開創器の第6実施形態の斜視図である。
【図13】骨生検ニードルの平面図である。
【図14A】メスの斜視図である。
【図14B】拡張器および開創器の側面図である。
【図15A】キャニュレイテッドボーンスクリュータップの側面図である。
【図15B】図15Aのボーンスクリュータップの正面図である。
【図15C】図15Aの詳細な領域Aの拡大側面図である。
【図16】回転防止スリーブを備えたスクリュー挿入器の斜視図である。
【図17】脊椎スクリューと共に示した図16のスクリュー挿入器の分解側面図である。
【図18】図16のスクリュー挿入器、脊椎スクリューを取り付けた低侵襲開創器を有するスクリュー挿入アセンブリの側面図である。
【図19】低侵襲開創器とゲルピー開創器を有する牽引アセンブリの斜視図である。
【図20A】ロッドがロッド受容通路に配置された状態を示すキャニュレイテッドスクリューの斜視図である。
【図20B】図20Aのスクリューの上面図である。
【図20C】オプションのガイドワイヤが挿入されている状態を示す図20のスクリューの斜視図である。
【図21】本開示の一実施形態に係る開創器摘出器の斜視図である。
【図22】図18の開創器摘出器の分解斜視図である。
【図23】脊椎スクリューに付随する低侵襲開創器に連結された図21の開創器摘出器の斜視図である。
【図24】一組の低侵襲開創器がブレードを有するスクリューを使用して初期位置に取り付けられ、ロッドが低侵襲開創器の通路に配置されている椎体の前方断面図である。
【図25】低侵襲開創器の通路に配置されているロッドとともに組織を牽引した後の、スクリューを使用して一組の低侵襲開創器が取り付けられている椎体の前方断面図である。
【図26】図13の骨生検ニードルを椎体へ挿入した状態を示す人体の前方断面図である。
【図27】骨生検ニードルを通じてガイドワイヤを挿入した状態を示す図26の人体の前方断面図である。
【図28】図14のメスを使用した組織の分離を示す図27の人体の前方断面図である。
【図29】図18のスクリュー挿入アセンブリを挿入した状態を示す図27の人体の前方断面図である。
【図30】椎体が断面で示され、スクリュー挿入アセンブリのスクリューを椎体へ取り付けた状態を示す図29の人体の前方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の低侵襲開創器の実施形態を、添付の図面を参照して本明細書に記載する。
【0023】
ここで、本開示の低侵襲牽引デバイスの実施形態について、図面を参照して詳述する。図面において、同一の参照符号は同様または同一の要素を特定している。図面および以下の説明において、「近位端」の用語は、従来同様、手術者に最も近い低侵襲牽引デバイスの端を指し、「遠位端」の用語は、手術者から最も遠いデバイスの端を指している。
【0024】
最初に図1および図2を参照すると、本開示の低侵襲開創器または開創器の第1実施形態が図示されており、全体が10で参照されている。開創器10は、開放近位端12および遠位端14を有する。また、開創器10は、一対の開創器ブレード8を有し、各開創器ブレード8には複数の機器孔6が設けられている。以下で詳しく説明するように、機器孔6は、さまざまな外科用機器と連携するように構成され、寸法が定められている。開創器10の遠位領域9は、開口部7(図2)、少なくとも1つのスロットまたはウィンドウ2、および遠位端14から可撓領域またはリビングヒンジ4まで延びる一対のアーム13を有する。ウィンドウ2は、ウィンドウ2を通して機器を受け容れるようにサイズが定められ構成されている。各開創器ブレード8は、リビングヒンジ4に取り付けられており、実質的に連続する長尺状部材を画定している。開創器ブレード8とアーム13の間には、リビングヒンジ4を画定している一組の凹部4aが形成されている。
【0025】
遠位端14は、開口部7(図2)から近位に延びる少なくとも1つのスリット16によって画定された少なくとも1つのリリーフ領域R(図2)を更に有する。別の実施形態として、スリット16は、ウィンドウ2から出て、開口部7の方に遠位に延びてもよい。リリーフ領域Rを画定するために、その他の構成のリリーフ構造を使用してもよく、これらが開口部7とウィンドウ2の間に存在してもよい、と考えられる。各スリット16は、遠位端14の脆弱化部分である。以下で詳しく説明するように、脆弱化部分は、材料中の刻み目、材料中の穿孔領域、あるいは、加えられる力に応じてリリーフ領域Rが開創器10の中心線から放射状に離れるように移動する別の構造的な構成であってもよい。また、遠位端14は、開創器10を体組織の層に挿入するのを容易にする略凸状の外面を有する。
【0026】
開創器ブレード8およびアーム13は略弓状構造であり、共に開創器10のほぼ円形の構成を画定している。各開創器ブレード8および各アーム13は、約180°未満の弓状の構成を有し、開創器10の大部分に沿った連続スロット17を画定するために、放射状に離間されている。また、各開創器ブレード8および対応するアーム13は、開創器10のほぼ全長に延びる通路18も画定している。以下で詳しく説明するように、通路18は、その中にロッド3(図9)を受け容れるために拡張可能である。開創器ブレード8およびアーム13は、ほぼ円環形状を画定しており、これにより、開創器ブレード8およびアーム13は、牽引された組織の反力による屈曲に抵抗するように十分な剛性(すなわち、硬さ)を与える。
【0027】
開口部7は、開創器10の遠位端14に設けられており、この開口部7を通してスレッドスクリュー40(図20)のシャンクは受け容れ、開創器10の遠位端14でスクリュー40を支持するために、スクリュー40のヘッド42は通過させないような大きさである。遠位端14の内面は、図11から最もよくわかるように、椎弓根スクリュー40のヘッド42と係合するために適合された略凹状の球状を有する。
【0028】
開創器10は、所望の物性を有する適切な生体適合材料から形成される。すなわち、開創器10は、挿入および外科的処置中に必要に応じてスクリュー上に固定され、組織の牽引を提供すべく十分に硬いものとなるよう適切な構成および厚さの生体適合性のある滅菌可能な材料で形成されているが、牽引を提供すべく広げられ、必要に応じてスクリューから強制的に取り外されるべく十分に屈曲可能である。開創器10は、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリカーボネートなどのポリマーから形成されてもよいと考えられる。また、開創器10は、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)または他の適切な材料から形成されてもよい。開創器ブレード8は、加えた力に応じて開創器10の中心線から離れるように屈曲可能であり、開創器ブレード8は、リビングヒンジ4にて屈曲する。開創器ブレード8が中心線から離れるように(すなわち、放射状に外向きに)屈曲すると、開創器10を貫通する大きな開口が作り出されると共に、選択された手術部位において周辺組織を牽引するように作用する。外科的処置における開創器10の導入及び使用については、以下にて詳細に説明する。
【0029】
ここで図3および図4を参照すると、本開示の第2実施形態が、開放近位端32および遠位端34を有する開創器30として図示されている。開創器30は、一対の開創器ブレード36を有する。遠位端34は、開創器10と同様に、椎弓根スクリューのヘッドと係合するようになった略凹状の球面形状を有する内面を有し、開創器30を体組織の層に挿入するのを容易にする略凸状の外面を有する。また、開創器30は、開創器10の開口7と実質的に同じ開口7(図4)を有する。
【0030】
前述の実施形態同様、ブレード36は、約180°未満の弓状の構成を有し、開創器30の大部分を占める連続スロット37を画定するよう放射状に離間されている。また、開創器ブレード36は、開創器30を貫通する通路35を画定している。本実施形態では、開創器ブレード36は、可撓性を有するものの、リリーフ領域R(図4)の近くにおいて、開創器30の中心線から放射状に外向きに屈曲する。前述の実施形態同様、開創器10に関連して上述したように、リリーフ領域Rは、スリット16(図4では一対のスリットとして示される)によって画定されている。本実施形態では、開創器ブレード36によって組織を牽引する際に、開創器10の機器孔6(図1)と連携した外科用機器を使用する代わりに、医師による開創器ブレード36の手動操作が行われる。手術部位からの開創器30を取り外しは、開創器30を近位方向に(すなわち椎弓根スクリューから離れる方向に)引っ張り、リリーフ領域Rと開創器ブレード36が互いに離れるように、スリット16に沿って遠位端34を拡張させる、または、破壊することによって行われる。このように、医師は、この2つの部品を手術部位から容易に取り外すことができる。通路18(図1)と同様、通路36は、ロッド3を受け容れるよう選択的に拡張および牽引可能である。
【0031】
図5〜図7において、開創器10が、椎弓根スクリュー40と組み合わせられた状態で図示されている。椎弓根スクリュー40は、開口7(図7)を通って延びており、骨(例えば椎体)内の標的部位に挿入するために、椎弓根スクリュー40のネジ山が遠位端14(図7)を越えて延びている。図に示すように、椎弓根スクリュー40が開創器10に挿入されている場合、椎弓根スクリュー42のヘッド(図20)が遠位端14の内部形状と係合する。図に示すように、椎弓根スクリュー40のロッド受容通路44(図20)が、開創器ブレード8間の開口17と位置合わせされており、スクリューヘッド42にロッド3(図20)を挿入しやすくしている。また、椎弓根スクリュー40は、開創器10の長手軸を中心に旋回可能であり、開創器10を椎体に対して第1の角度方向に取り付けるのを可能としているが、椎弓根スクリュー40を中心に旋回可能であり、開創器10を使用して多くの量の組織を牽引できるようになる。
【0032】
本開示の開創器の別の実施形態が図8および図9に示されており、全体が開創器50として示されている。開創器50は、開創器10と同様であるが、複数のリビングヒンジ4および対応する凹部4aを有する。開創器50は、約6インチ長であり、ハサミまたはナイフを使用して余分な材料を除去することで、所望の長さに容易に調整される。また、開創器50は、内径が約16mmであり、開創器ブレードは、厚さが約1mmである。各リビングヒンジ4は、高さ約1〜2mmであり、各ブレード片8aは、約5mmである。機器孔6は、1cmの中心線上にある。スロット17は、通常は少なくとも5.5mmであるが、患者に挿入されるロッドのサイズによって変わる。より詳細には、各開創器ブレード8’は、複数のブレード片8aを有する。各ブレード片8aは、リビングヒンジ4によって隣接するブレード片8aに連結されている。このように、複数のブレード片8aおよびリビングヒンジ4が、開創器ブレード8’を画定している。前述の実施形態(図1)同様、各ブレード片8’は、アーム13と実質的に平行であり、開創器ブレード8’間にスロット17を画定している。
【0033】
開創器ブレード8’が、その初期位置または停止位置から牽引位置に向かって、放射状に外向きに付勢されると、通路18のサイズが大きくなる。このように通路18のサイズおよび面積が拡がると、外科的標的部位(すなわち、開創器が組織に挿入された場所の近く)へのアクセスが改善され、これにより、標的部位の可視性、機器のアクセス、および外科用インプラントのアクセスが向上する。図9に示すように、開創器50を使用して周辺組織が牽引されると、通路18にロッド3が配置される。これらの利点に関しては、以下にて詳細に説明する。また、リビングヒンジ4が複数存在することにより、開創器10と比べ、開創器50の適応性が大きく向上する。開創器10の開創器ブレード8(図1)は、通常、1つのリビングヒンジ4で屈曲するが、開創器50の開創器ブレード8’にある追加のリビングヒンジ4により、各開創器ブレード8’の長さに沿った複数の位置において、高い可撓性で屈曲可能となる。このため、開創器ブレード8’は、患者の体組織の表面によって画定された平面に対応するリビングヒンジ4において屈曲する。この構造を使用することにより、開創器50は、椎体と皮膚表面間に存在する組織の厚さが異なる患者で使用可能となる。また、各開創器ブレード8’が、複数のリビングヒンジ4およびブレード片8aを有するため、各開創器ブレード8’が、開創器50の長さに沿った同じ点で屈曲する必要がなく、これにより、開創器50が挿入される深さのばらつきに対応できる。例えば、一方の開創器ブレード8’が、第4リビングヒンジ4で屈曲し、もう一方の開創器ブレード8’が、第6リビングヒンジ4で屈曲することができ、これにより、組織の厚さと開創器50の方向のばらつきに対応できる。
【0034】
図10に、本開示の開創器の更なる実施形態が図示されており、全体が開創器60として示されている。開創器60は、開創器10(図1)と同様であり、両者の差を以下に詳述する。開創器60は、前述の実施形態同様、遠位端14aと遠位領域9aを有する。遠位領域9aは、前述の実施形態同様、円周上に延び、スロット17の一部を形成しないアーム13aを有する。ウィンドウ2およびスロット17間に一体ヒンジ4’が画定されている。また、遠位領域9aは、遠位領域9aの材料に完全に切り込みを入れたスリット16aを有し、複数のリリーフ領域R’を画定している。本実施形態では、リリーフ領域R’はより可撓性が高く、開創器60を椎弓根スクリュー(図示なし)から切り離した後椎弓根スクリューに固定できる。この構成により、外科医は、開創器60を取り外し、皮下に再配置し、脊椎骨の椎間腔にアクセスすることが可能となる。前述の実施形態同様、スロット17の遠位端にウィンドウ2を設けることにより、開創器60は、内外方向に拡がり、通路18を通してロッド3(図8)を標的部位に挿入することが可能になる。
【0035】
図11は、全体が70として参照される本開示の開創器の別の実施形態を示す。開創器70は、先に開創器60(図10)として示した実施形態と実質的に同様である。しかし、本実施形態では、遠位領域9bは、一つのアーム13aのみを有し、これにより、遠位端14bの近くで側方の開口が大きくなり、先に開示したウィンドウ2(図10)よりも大きいウィンドウ2aが画定される。本実施形態は、標的部位へのアクセスを向上させ、これにより、標的部位により大きいインプラントや機器を配置することが可能となる。
【0036】
本開示の開創器の別の実施形態が、図12に示されており、全体が開創器80で参照されている。開創器80は、開創器10(図1)に関して上で説明したものと同一または実質的に同じ部品を有する。本実施形態では、開創器80は、開創器ブレード8を1つしか有さない。この構成により、牽引空間の形成の多様性が向上すると共に、開創器10(図1)で可能なよりもより大きな機器を使用するかまたはより大きなデバイスを挿入するために、標的部位へのアクセスを上げることができる。
【0037】
外部からの拡張力(すなわち、ゲルピー開創器または医師の手による)が取り除かれると、開創器ブレードが、初期位置(例えば、中心線と実質的に平行)に戻るように、先に開示の開創器を屈曲可能な弾性材料で形成してもよいと考えられる。また、外部からの拡張力が取り除かれると、開創器ブレードが、初期位置への戻りに抵抗して牽引位置にとどまるように、先に開示の開創器を屈曲可能な非弾性材料で形成してもよいと考えられる。
【0038】
ここで、本開示のシステムの別の部品について、図13〜図23を参照して記載する。図13には、骨生検ニードル(例えば、Jamshidiニードル)100が図示されている。ニードル100は、ニードル100の近位端に配置されたハンドル102、ハンドル102から遠位端に延びる長尺状のチューブ状部材104、およびスタイレット106を有する。スタイレット106は、骨を含む組織に穿通するのに適した鋭利な遠位端108を有する。また、チューブ状部材104は、スタイレット106を受け容れるための、近位端から遠位端まで延びるルーメンを有する。スタイレット106は、ハンドル102に取り外し可能に取り付けられており、先端108が標的部位を穿通したら取り外すことができる。スタイレット106を取り外した後、チューブ状部材104を通してガイドワイヤ1(図27)を挿入し、公知の技術を使用して標的部位に固定または取り付けることができる。
【0039】
図14を参照すると、キャニュレイテッドメス120が図示されている。メス120は、内部にブレード126が配されているハウジング125を備える。ブレード126は、組織を切開するための鋭利な遠位端124を有する。更に、遠位端124は、近位端122に位置する開口128と連携し、ガイドワイヤ1(図14A)を摺動可能に受け容れるための、メス120を貫通するチャネルを画定する開口124aを有する。
【0040】
図14Aは、開創器10を通って受容されるように構成され寸法が定められた拡張器300を示しており、遠位端の無傷性鈍端302が開創器10の開口7に突き出ている。拡張器300は、ガイドワイヤ1を受け容れるための、遠位開口304を有する長手方向通路を有する。別の実施形態として、開創器ではなく拡張器300をカニューレ(図示なし)と併用してもよいと考えられる。あまり望ましくないものの、一連の拡張器およびカニューレを使用することができる。
【0041】
図15〜図15Bに、キャニュレイテッドボーンタップ140が示されている。ボーンタップ140は、近位端146および遠位端144を有する長尺状の本体142を有する。遠位端144は、骨構造(すなわち、椎体)に形成される孔にネジ山を形成するための螺旋ネジ山145を有する。近位端146は、駆動ツールまたは回転ツール178(図29)と連携し、骨構造にネジ山を形成するのに適したツール係合領域147を有する。
【0042】
駆動ツールおよび回転ツールは、当技術分野で周知である。また、近位端146および遠位端144は連携して、ボーンタップ140を通って延びるチャネル148を画定し、ボーンタップ140がガイドワイヤ1を介して摺動可能である。ボーンタップ140は、約5.5mm〜約7.5mmの範囲の多くのサイズで利用可能である。別の実施形態として、骨に埋め込まれるスクリューのネジ山のサイズと合う他のボーンタップを使用してもよい。
【0043】
図16および図17にスクリュー挿入器160が示されている。スクリュー挿入器160は、回転防止スリーブ150およびハウジング170を有する。ハウジング170は、本体172を有し、本体172は、そこから延びる一組のハンドル174を有する。ハンドル174は、スクリュー挿入器160の配置および/または回転を容易にする。本体172から遠位端にチューブ状部材176が延びており、複数の孔175を有する。チューブ状部材176のルーメンを通ってシャフト166(図17)が配置されており、ルーメン内で回転可能である。シャフト166の近位端162にはツール係合面163が設けられている。シャフト166の遠位端164には、椎弓根スクリュー40のヘッド42と取り外し可能に係合するように適合および構成されたスクリュー係合構造165が設けられている。より詳細には、スクリュー挿入器は、クロスメンバー164とネジ山173を有する。スクリュー挿入器160および椎弓根スクリュー40(図20)を組み立てる際、スクリュー係合構造165がヘッド42に挿入され、クロスメンバー163がロッド収容凹部44を塞ぎ、ネジ山173が椎弓根スクリュー40のネジ山部45と係合する。この構成により、椎弓根スクリュー40がスクリュー挿入器160に取り外し可能に固定される。椎弓根スクリュー40と組み立てられるとき、シャフト166を回転させると椎弓根スクリュー40も回転するが、ハウジング170は回転しない。回転防止スリーブ150は、チューブ状部材176の外面に配置されており、突出ピンまたはボタン152を有する。
【0044】
図18から最もよくわかるように、ボタン152は、開創器10の機器孔6と取り外し可能に係合するように構成され適合されている。開創器10がスクリュー挿入器160と連携した状態で図示されているが、スクリュー挿入器160は、開創器50、60、および70と連携するように構成され適合されている。スクリュー挿入器160のボタン152は、インストゥルメント孔6と係合し、椎弓根スクリュー40を回転させ、選択された椎体に挿入している間に、選択された開創器に回転力は伝達されない。この構成により、選択された開創器が所望の位置(すなわち、標的部位)からずれるのを最小限に抑えつつ、椎弓根スクリュー40を挿入することが可能となる。
【0045】
開創器10と連携している一般的な拡張器、すなわち、ゲルピー開創器180、が図19に示されている。ゲルピー開創器180は、回転軸186で旋回可能に連結された一対の湾曲アーム185を有する。ゲルピー開創器180の近位端には、医師が、選択的にアーム185を互いに近づけたり離したりできるようにする一対のフィンガーリング184が配置されている。各アーム185の遠位端にはフィンガー182が設けられており、開創器10の機器孔6と取り外し可能に係合するように構成されている。図に示すように、フィンガーリング184は、アーム185から側方にずれている。このため、フィンガーリング184の移動に応じて、アーム185が回転可能に移動し、開創器ブレード8が、互いに近づくか離れるように付勢される。フィンガーリング184を互いに近づけると、アーム185が互いに離れるように回転し、開創器ブレード8が互いに離れるように付勢され、通路18が拡がる。したがって、フィンガーリング184を互いに離すと、この逆の効果が得られる。ゲルピー開創器180は、また、開創器50、60、および70と連携するように構成され適合されている。
【0046】
図20〜図20Bは、キャニュレイテッド低侵襲椎弓根スクリュー40を示す。椎弓根スクリュー40は、ボーンタップ140によって形成されたネジ穴に挿入するようにサイズが定められ構成された螺旋ネジ山43を有する。ヘッド42は、上述のように、スクリュー挿入器160と連携するように適合されたツール係合部を有する。ヘッド42にはロッド受容通路44が形成されている。また、ヘッド42は、スクリュー挿入器160に取り外し可能に取り付けられ、セットスクリュー(図示なし)を受け容れるように適合されたネジ山部45も有する。セットスクリューは、通路44内のロッド3に押し付けられ、摩擦によりロッド3と係合して、ロッド3を所望の位置に保持する。セットスクリューは当技術分野において周知である。椎弓根スクリュー40の近位端と遠位端の間には、ガイドワイヤ1を受け容れるための貫通孔47が延びている(図20B)。
【0047】
開創器摘出器200が、図21〜23に示されている。開創器摘出器200は、ハンドル部190、アーム210、220、および摘出器バー230を有する。ハンドル部190は、一端に開口193、194を有するハンドルグリップ192を有する。ピン196が、開口194を通って延びており、アーム210、220の孔212、222を通って延びることで、ハンドル部190をアーム210、220に回転可能に連結している。ピン195が、開口193を通って延びており、孔198aを通ってハンドル部190をピボットバー198に回転可能に連結している。ピボットバー198の対向する端において、孔198bは、ピン197を受容する。ピン197は、アーム210、220間に延びており、両者間に摺動可能に保持されている。より詳細には、ピン197は、アーム220の凹部224内で、近位方向および遠位方向に摺動する。アーム210も全く同じ凹部(図示せず)を有する。また、ピン197は、摘出器バー230の開口236を通って延びている。開創器バーは、その長手軸と平行に延び、ポスト202を摺動可能に受容するスロット230を有する。ポスト202は、開口218、228を通って、ブレード部216,226に取り付けられる。また、ポスト202は、先に開示した開創器(図23)の機器孔6に取り外し可能に係合するために適合されている。摘出器バー230の遠位端には、椎弓根スクリュー40のヘッド42、または、ヘッド42に配置されたロッドと鈍的に(bluntly)係合するための鈍端234が設けられている。
【0048】
ハンドルグリップ192をアーム210,220のほうに回転させると、同時に、摘出器バー230が遠位方向に(すなわち、スクリューの方に)移動し、アーム210、220のピン202と遠位端の鈍端234が互いに離れるように移動する。摘出器バー230とピン202がこのように同時に相対移動すると、インプラントまたは患者にかなり大きな下向きの力をかけなくても、開創器がリリーフ領域において椎弓根スクリューから切り離される。
【0049】
ここで、本開示のシステムの使用について、図24〜図30を参照して述べる。第1の方法では、図24に示すように、開創器10を、椎弓根スクリュー40と組み合わせる。組み合わせた装置を、患者の皮膚Sおよび筋肉/脂肪組織Tを貫通する切開部に挿入し、その後、椎弓根スクリュー40を椎体Vに螺入させる。所望の数の開創器10を椎体Vに固定したら、皮膚Sと組織Tを牽引するために、開創器ブレード8を拡げ、標的部位に牽引領域を形成する。別の実施形態として、図25に示すように、組織を牽引するために、開創器50を椎弓根スクリュー40と組み合わせてもよい。いずれの方法においても、通路18が拡げられている状態(すなわち、組織が牽引されている)で、ロッド3を通路18に挿入する。また、ロッド3を、通路18を通して皮下に再配置し、隣接する椎体の椎弓根スクリューの固締領域にロッド3を固定することができる。
【0050】
図26〜図30を参照すると、代替技術が図示されている。生検ニードル100を、その先端が椎体Vの選択された点に接触するまで、患者の皮膚Sに刺入する。生検ニードル100は、公知の方法で挿入することができ、例えば、蛍光イメージングや、光学・磁気イメージガイダンス(メドトロニック・ソファモア・ダネック社から入手可能なSTEALTH(登録商標)システムなど)に基づいて経皮的に挿入される。鋭利な遠位端108(図13)を使用して、椎体Vに小さな穿刺を形成する。ピン106を生検ニードル100から取り外したら、生検ニードル100を通してガイドワイヤ1を刺入し、椎体Vに固定する。この時点で、ガイドワイヤ1は、椎体Vの選択された位置に別の機器およびデバイスを誘導する位置にある。別の実施形態では、最初に生検ニードル100を使用せずに、椎体Vにガイドワイヤ1を刺入してもよい。作業領域の大きさは、医師の判断で拡げることができる。作業領域を拡げることが望ましい場合には、医師は、ガイドワイヤ1(図28)に沿ってメス120を使用して、余分な組織を切開する。脊椎スクリューを挿入する前にガイドワイヤ1の位置を調べることができるように、拡張器を開創器10に挿入した状態で、拡張器開口304(図14A)を通してガイドワイヤ1を挿入することによって、拡張器300と任意の開創器10を、ガイドワイヤの上に挿入することができる。開創器と共に拡張器の先端を標的部位に挿入したら、拡張器を取り外し、開創器によってガイドワイヤの位置を調べることができる。外科医がガイドワイヤ1の配置に問題がないと判断した場合には、開創器を介して処置を続行するか、あるいは、開創器を取り外して、スクリューを取り付けた別の開創器を挿入しうる。一方、外科医がガイドワイヤの位置を変えたい場合には、例えば、開創器を通して骨の異なる位置に骨生検ニードル100を挿入し、この新たな位置に新しいガイドワイヤを挿入するなどにより、開創器を通して別のガイドワイヤを配置しうる。その後、前のガイドワイヤを取り外しうる。必要に応じて、医師は、ガイドワイヤ1に沿って挿入したボーンタップ140を使用して、椎体Vにネジ切りされた孔を予め穿孔して、孔を準備してもよい。
【0051】
標的部位が、椎弓根スクリューおよび開創器を受け容れる準備が整えば、椎弓根スクリュー40、開創器10、およびスクリュー挿入器160を含むアセンブリを、ガイドワイヤ1に沿って摺動させ、標的部位に到達させる。医師は、任意の駆動ハンドル178(図29)を使用して、スクリュー挿入器160を回転させ、椎体Vに椎弓根スクリュー40(図30)を打ち込む。椎弓根スクリュー40を椎体Vに固定後、スクリュー挿入器160を取り外すと、開創器10は、骨に挿入したスクリューによって固定された状態にある。該技術は、開創器50との併用にも適している。取り付けられた開創器の最終的な状態は、図24および図25に示す状態と同じである。
【0052】
開創器ブレード8を拡げ、作業領域で組織を牽引する。上述のように、ゲルピー開創器180(図19)を使用して、あるいは、医師が開創器ブレード8を手でつかんで引き離すことで、開創器ブレード8を拡げることができる。所望の牽引が得られたら、開創器10、50の通路18を通してロッド3を挿入し、ウィンドウ2を通して誘導する。
【0053】
複数レベルのインプラント構造にとって十分な長さのロッドを皮下に挿入し、このロッドを複数のスクリューヘッドと位置合わせさせ、これらに挿入することがわかっている。該技術は、前方アプローチを使用して椎体間インプラントを挿入し、後方アプローチを使用してスクリュー・ロッド構造を挿入する、いわゆる全方位処置(360 degree procedures)において特に有用であろう。別の実施形態として、外科医が、隣接する開創器間を選択的に切開してもよい。後者のアプローチにより、隣接するスクリューの切開部を通してロッドを挿入することが可能となる。ロッド3を、一対の椎弓根スクリュー40の間に、より詳細には、各ロッド受容通路44を通して配置したら、上述のように、セットスクリューを使用して、ロッド3を適所に固定する。
【0054】
スクリュー・ロッド構造が完成したら、開創器摘出器200を使用して、開創器10、50を患者から取り外す。開創器摘出器200を椎弓根スクリュー40の上に配置すると、摘出器バー230の先端234(図23)が、椎弓根スクリュー40のヘッド42に取り付けたセットスクリューと面一になるか、あるいは、別の椎弓根スクリューに取り付けたロッドに載置される。医師が開創器ブレード8を、開創器摘出器200のアームブレード216、226(図22)の方に再配置すると、ポスト202が機器孔6と係合する。医師は、開創器摘出器200を取り付けたら、ハンドルグリップ192をアーム210、220の方に回転させる。この回転可能な移動により、摘出器バー230が遠位でヘッド42に押し付けられ、同時に、開創器ブレード8が近位に引っ張られ、リリーフ領域R(図1)がスリット16に沿って互いに分離される。このようにして、患者の体に大きな下向きの力または回転力をかけることなく、開創器10,50が椎弓根スクリュー40から切り離される。開創器10、50を患者から取り外すことができ、この工程を取り付けた各開創器に繰り返しうる。
【0055】
代替処置では、医師は、最初に手術部位を準備し、上述のようにガイドワイヤを配置し、任意でメス120を使用して切開部を形成し、椎弓根スクリューのない上記開示の開創器の1つを挿入する。選択した開創器を所望の位置に配置したら、医師は、上記のように周辺組織を牽引する。その後、医師は、スクリュー挿入器160を使用して、椎体Vに椎弓根スクリュー40を取り付ける。この方法では、椎体Vに椎弓根スクリュー40を取り付ける前に、選択した開創器が既に適所に配置されている。より詳細には、医師が、椎弓根スクリュー40及びスクリュー挿入器160を組み立てる。スクリュー挿入アセンブリを組み立てたら、これを開創器の通路18に挿入し、椎弓根スクリュー40を回転させると、椎弓根スクリュー40が椎体Vに穿入し、ヘッド42が開創器の遠位領域の内面に載置され、こうして開創器が椎体Vに取り付けられる。任意で、医師は、キャニュレイテッドボーンタップ140を使用して孔を準備してもよい。
【0056】
開示の実施形態において、各開創器は、長さ約10〜15mmの最初の切開部を皮膚に形成する方法を使用しているが、これに制限されるものではない。外科医の選択により、椎弓根スクリューと組み合わせた1つ以上の開創器を挿入する前に創傷を拡げるのを補助する1段階以上の拡張器が必要となることもある。通常の外科的処置を使用して、切開部を閉鎖することができる。
【0057】
開示の実施形態において、開創器は、医療グレードのプラスチックまたは金属、熱可塑性材料、プラスチックと金属の複合材料、または生体適合材料から作製されうる。プラスチック部品は、ポリプロピレンおよびポリエチレンから作製されるが、これらに限定されない。プラスチック部品は、透過性でも不透過性でもよく、各種のイメージング技術にて可視性を得るため、放射線不透過性マーカを含んでもよい。金属部品は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどの材料を使用するが、これらに限定されない。また、部品は、創傷における可視性を高めるために反射または無反射コーティングを施されていてもよく、人工照明の特徴を有するものであってもよい。
【0058】
開示の開創器は、他の外科用機器やインプラント同様、既知の材料および技術を使用して滅菌可能なものでなければならない。部品は、製造業者側が滅菌包装しても、ユーザがその場で滅菌してもよい。滅菌包装された部品は、個別に包装しても、任意の適当な量で包装してもよい。例えば、滅菌包装は、滅菌筐体内に1つまたは複数の開創器を収容してもよい。あるいは、このような滅菌外科用キットは、1つまたは複数の骨生検ニードル(図13)、ガイドワイヤ(図20B)、滅菌キャニュレイテッドメス(図14)、あるいは拡張器(図14A)を含んでもよい。
【0059】
本開示の牽引システムの各実施形態に種々の変更を加えることができるのは言うまでもない。従って、上記の説明は、限定的なものとしてではなく、単なる実施形態の例示として解釈すべきである。当業者は、本開示の範囲および精神の範囲内における他の変更を想到するであろう。
【0060】
例えば、前述の説明は、脊椎手術に焦点を合わせているが、本明細書に記載の開創器および方法は、外傷手術などの他の整形外科手術の用途にも利用できると考えられる。従って、スクリューまたはピンを低侵襲的に骨に挿入するか、あるいは別の方法でガイドワイヤを介して標的手術部位にアクセスすることが望ましい場合には、ボーンスクリューの使用の有無を問わず、本開示の拡張器、メス、および開創器(あるいはこれらの一部)を使用することができる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2005年9月26日に出願された米国仮特許出願第60/720,670号に基づく優先権および利益を主張し、その全内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(1.発明の技術分野)
本発明は、概して、整形外科的脊椎手術に関し、特に、低侵襲外科的処置に使用される低侵襲開創器および使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.技術の背景)
低侵襲処置での使用に適した開創器および開創器システムは飛躍的に進展してきている。最近の進展の多くは、開放処置用の従来型の外科用開創器、主に、さまざまな設計のテーブル設置型のデバイスに基づく。これらのデバイスは扱いにくいことが多く、小切開に使用するにはあまり適していない。標準的な手持ち式の外科用開創器は、先行技術において周知であり、このような小切開の輪郭に合うように変更することができるが、所望の位置を保つためには手動操作が必要であり、このため、処置中に、医師の片方の手が塞がれ、あるいは医師を補助する他の人が必要となる。また、典型的な開創器は、軟組織に配置され、創傷を開いた状態に保持するために拡げられ、位置が移動したり、医師の視界を遮ったり、あるいは、手術部位へのアクセスを妨げてしまう場合には、頻繁に再配置する必要がある。
【0004】
近年、低侵襲外科的アプローチが整形外科手術に応用され、より最近では、1つ以上の椎体に関与する機器による固定術(instrumented fusion)などの脊椎手術に応用されている。患部が体の狭い部位に限定されている関節鏡膝手術や胆嚢手術などの低侵襲処置とは異なり、脊椎固定術は、通常、患者の体のかなり広い部位を網羅する。また、関節鏡手術および腹腔鏡手術では、組織を膨張させて、外科医の作業空間を作り出すために、流体(すなわち、液体や気体)の導入が可能である。脊椎手術では、このように膨張させることができる嚢や空間がなく、その代わりに、軟組織、骨、靭帯および神経の複数の層が関わっている。このような理由から、脊椎に対して低侵襲処置を行うという考えは、最近になってようやく取り組みがなされたに過ぎない。
【0005】
一例として、代表的な脊椎固定術では、少なくとも2つの椎体が、それぞれの椎体に埋め込まれるスクリューを用いて、スクリュー間にまたがる固体金属ロッドと堅固に結合される。この処置は、一般に、低侵襲アプローチの助けとはならない。椎弓根スクリューまたは椎間関節スクリューを挿入することは、比較的容易であり、最小限の切開で行うことができる。困難なのは、アクセスと視野が非常に限られている中で、長さのあるロッドを極めて小さな切開部に挿入することである。シングルレベル固定術では、30〜40mmのロッドを1cmの切開部に挿入する必要があり、マルチレベル固定術では、数インチのロッドを1cmの切開部に収める必要がある場合がある。このような理由から、ロッドを挿入するためには、最小限の切開を、開放状態かつアクセス可能な状態(すなわち、可能な限り広く)に保つことが重要である。
【0006】
低侵襲手術は、従来の切開手術と比べて大きな利点がある。まず、皮膚の切開およびその後の瘢痕が著しく小さい。1つの大きな切開に代えて複数の小さな切開を使用することにより、組織や筋肉を極度に牽引させる必要性が大幅に低減される。これにより、術後の疼痛が大幅に軽減され、入院期間が短縮され、全体的な回復が早まる。
【0007】
脊椎インプラント処置の大半は、切開処置であり、多くの製造業者が低侵襲法を宣伝しているものの、その処置は、通常、固定術を対象にしておらず、亀背形成術、椎骨形成術、椎間板切除術などのより一般的に受け入れられている低侵襲脊椎処置に重点を置いている。
【0008】
メドトロニック・ソファモア・ダネック(Medtronic Sofamor Danek)社のSEXTANT(登録商標)は、スクリューおよびロッドの挿入に使用される真の低侵襲デバイスである。これの短所は、システムの使用法が複雑であり、ロッドを挿入するためにさらなる切開を必要とする点にある。また、このシステムでは、機器の位置合わせを保ち、セットスクリューのクロススレッディングを防ぐために、誘導デバイスを椎弓根スクリューヘッドにしっかりと固定する必要がある。このような理由から、外科医は、手術野を完全に準備するために、周囲の解剖学的構造にアクセスすることができない。また、SEXTANT(登録商標)は、必要な場合に処置を変更することもできない。
【0009】
デピュー・スパイン(Depuy Spine)社のVIPER(登録商標)システムは、1レベルまたは2レベルの脊椎固定術を対象とする別の低侵襲インプラントおよび技術である。このシステムは、SEXTANT(登録商標)よりも単純であり、一側性の1レベル固定術に2つの切開しか必要としないが、該システムも機器が椎弓根スクリューにしっかりと固定される必要があるという点で、SEXTANT(登録商標)と同様に制限がある。
【0010】
スパイナル・コンセプト(Spinal Concept)社のPATHFINDER(登録商標)、およびヌバシブ(NuVasive)社のSPHERX(登録商標)脊髄システム(米国特許第6,802,844号明細書に開示)は、「最小破壊(minimally disruptive)」脊椎固定インプラントおよび処置として市場に出回っている。これらは、一般的な「切開」処置と比べて利点があるものの、真の低侵襲処置の利点の全てを備えているわけではない。これらが「最小切開」処置であると特徴付けされるのは、低侵襲脊椎処置においてロッドを挿入することに固有の困難の結果である。これらのシステムは、シングルレベル固定術を実施するのに十分な長さのロッドを挿入するために、該ロッドを受け入れるのに十分な長さの切開を定義(describe)しており、低侵襲アプローチの利点が損なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,802,844号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ロッドの挿入の問題は、低侵襲脊椎固定術における中心問題であるため、さらなる議論の根拠となる。現在市場に出回っているシステムは、別の切開を追加するか、大きな切開を使用するか、1レベル以上の固定術に関する問題を完全に避けることによって、この問題に対処している。
【0013】
真に低侵襲であるためには、脊椎固定処置は、小切開の数を必要最小限にとどめ、組織および/または筋肉の大幅な牽引を必要とするものであってはならない。さらに、改良アプローチは、できるだけ多くのバリエーションおよびアプリケーションを網羅し、これにより、外科医が、示されるような患者の解剖学的構造および外科的なニーズに対応する処置を調整できるものでなければならない。例えば、脊椎固定術は、1レベルまたは2レベルに限定すべきではない。
【0014】
このため、低侵襲脊椎手術を実施するための改良デバイス、改良システム、および改良方法に対するニーズが引き続き存在している。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示は、低侵襲脊椎手術を実施する際に使用されるスクリューベースの開創器のためのデバイス、システム、および方法に関する。開創器は、該開創器を所定の位置に誘導し、患者に対する固視点として機能するように使用される椎弓根ボーンスクリューに取り外し可能に取り付けられる。1回の脊椎処置中に、複数方向への牽引を可能とすべく、複数の開創器を1つのスクリューと共に使用することも、複数の開創器を複数のスクリュー各々と使用することもできる。開創器は、使い捨て用に製造することも、滅菌して再利用することもできる。最後に、開創器は、機器およびインプラントの挿入を補助するガイドとしても機能しうる。
【0016】
開創器は、その基準位置(nominal position)において、少なくとも1つの牽引ブレードを有する略円筒状管を形成している。各牽引ブレードの長軸に直交するように機器孔が設けられており、これにより、ゲルピー開創器などの標準的な外科用機器を使用して、ブレード同士を離し、皮膚および軟組織を牽引させ、視野を維持することができる。しかし、開創器が椎弓根スクリューに結合されている箇所では、開創器は円形断面を保っている。開創器が、椎弓根スクリューに恒久的に固定されておらず、取り外し可能に取り付けられているため、多軸回転が可能であり、外科医による創傷へのアクセスと操作の自由度が向上する。さらに、多軸回転により、開創器を、内側−外側、および頭側−尾側、並びにこれらの任意の組み合わせに拡げることができる。このように近位で自由に動くことができること、および遠位で固定的に取り付けられていないことにより、処置中に開創器を再配置させる必要が低減される。テーブル載置型の開創器と併用した場合には、開創器を近位で安定させることが可能である。
【0017】
低侵襲開創器は、椎弓根スクリューヘッドの近位または遠位に撓曲するように設計することができる。一実施形態では、開創器は、開創器のブレード設計に組み込まれた「リビングヒンジ(living hinge)」を有する。ブレード長の任意の部分で屈曲が可能となるように、複数のリビングヒンジを組み込むことができる。
【0018】
ブレードの断面は、さらなる剛性を提供する円環領域である。この形状により、ブレードは、リビングヒンジで強制的に曲げられるが、なおブレードに押し付けられた軟組織を牽引させることが可能である。
【0019】
リビングヒンジがスクリューヘッド上に配置される低侵襲開創器は、開創器ブレードを形成するために用いられる少なくとも1つの隙間と同一直線上に設けられた少なくとも1つのウィンドウを必要とする。このウィンドウは、椎弓根スクリューのサドルと協調し、手術部位への機器の挿入を可能にする。
【0020】
低侵襲開創器の遠位端は、軟組織を通じて椎弓根に載置される位置に挿入するのに役立つように弾丸形状である。また、遠位端は、開創器の取り外しを補助するために割り込まれる1つ以上のリリーフ特性を有する。処置の終了後、開創器は、創傷からまっすぐに抜去され、遠位端が拡張または切り離されて、スクリューとロッドアセンブリを通り過ぎる。開創器の遠位端を骨に隣接するスクリューのヘッドの周囲に配置することにより、開創器は、スクリューのヘッドの下の点から軟組織を牽引させ、スクリューと周辺組織の可視性が大幅に向上し、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本開示の第1実施形態に係る低侵襲開創器の斜視図である。
【図2】図1の低侵襲開創器の底面図である。
【図3】本開示の第2実施形態に係る低侵襲開創器の斜視図である。
【図4】図2の低侵襲開創器の底面図である。
【図5】低侵襲開創器と図1の低侵襲開創器を有するスクリューアセンブリの側面図である。
【図6】図5の低侵襲開創器とスクリューアセンブリの斜視図である。
【図7】図5の詳細な領域Aの拡大側面図である。
【図8】本開示の第3実施形態に係る低侵襲開創器とスクリューアセンブリの斜視図である。
【図9】図8の低侵襲開創器とスクリューアセンブリの上面図であり、低侵襲開創器の拡張された通路を通ってロッドが延びている状態を示す。
【図10】本開示の低侵襲開創器の第4実施形態の斜視図である。
【図11】本開示の低侵襲開創器の第5実施形態の斜視図である。
【図12】本開示の低侵襲開創器の第6実施形態の斜視図である。
【図13】骨生検ニードルの平面図である。
【図14A】メスの斜視図である。
【図14B】拡張器および開創器の側面図である。
【図15A】キャニュレイテッドボーンスクリュータップの側面図である。
【図15B】図15Aのボーンスクリュータップの正面図である。
【図15C】図15Aの詳細な領域Aの拡大側面図である。
【図16】回転防止スリーブを備えたスクリュー挿入器の斜視図である。
【図17】脊椎スクリューと共に示した図16のスクリュー挿入器の分解側面図である。
【図18】図16のスクリュー挿入器、脊椎スクリューを取り付けた低侵襲開創器を有するスクリュー挿入アセンブリの側面図である。
【図19】低侵襲開創器とゲルピー開創器を有する牽引アセンブリの斜視図である。
【図20A】ロッドがロッド受容通路に配置された状態を示すキャニュレイテッドスクリューの斜視図である。
【図20B】図20Aのスクリューの上面図である。
【図20C】オプションのガイドワイヤが挿入されている状態を示す図20のスクリューの斜視図である。
【図21】本開示の一実施形態に係る開創器摘出器の斜視図である。
【図22】図18の開創器摘出器の分解斜視図である。
【図23】脊椎スクリューに付随する低侵襲開創器に連結された図21の開創器摘出器の斜視図である。
【図24】一組の低侵襲開創器がブレードを有するスクリューを使用して初期位置に取り付けられ、ロッドが低侵襲開創器の通路に配置されている椎体の前方断面図である。
【図25】低侵襲開創器の通路に配置されているロッドとともに組織を牽引した後の、スクリューを使用して一組の低侵襲開創器が取り付けられている椎体の前方断面図である。
【図26】図13の骨生検ニードルを椎体へ挿入した状態を示す人体の前方断面図である。
【図27】骨生検ニードルを通じてガイドワイヤを挿入した状態を示す図26の人体の前方断面図である。
【図28】図14のメスを使用した組織の分離を示す図27の人体の前方断面図である。
【図29】図18のスクリュー挿入アセンブリを挿入した状態を示す図27の人体の前方断面図である。
【図30】椎体が断面で示され、スクリュー挿入アセンブリのスクリューを椎体へ取り付けた状態を示す図29の人体の前方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の低侵襲開創器の実施形態を、添付の図面を参照して本明細書に記載する。
【0023】
ここで、本開示の低侵襲牽引デバイスの実施形態について、図面を参照して詳述する。図面において、同一の参照符号は同様または同一の要素を特定している。図面および以下の説明において、「近位端」の用語は、従来同様、手術者に最も近い低侵襲牽引デバイスの端を指し、「遠位端」の用語は、手術者から最も遠いデバイスの端を指している。
【0024】
最初に図1および図2を参照すると、本開示の低侵襲開創器または開創器の第1実施形態が図示されており、全体が10で参照されている。開創器10は、開放近位端12および遠位端14を有する。また、開創器10は、一対の開創器ブレード8を有し、各開創器ブレード8には複数の機器孔6が設けられている。以下で詳しく説明するように、機器孔6は、さまざまな外科用機器と連携するように構成され、寸法が定められている。開創器10の遠位領域9は、開口部7(図2)、少なくとも1つのスロットまたはウィンドウ2、および遠位端14から可撓領域またはリビングヒンジ4まで延びる一対のアーム13を有する。ウィンドウ2は、ウィンドウ2を通して機器を受け容れるようにサイズが定められ構成されている。各開創器ブレード8は、リビングヒンジ4に取り付けられており、実質的に連続する長尺状部材を画定している。開創器ブレード8とアーム13の間には、リビングヒンジ4を画定している一組の凹部4aが形成されている。
【0025】
遠位端14は、開口部7(図2)から近位に延びる少なくとも1つのスリット16によって画定された少なくとも1つのリリーフ領域R(図2)を更に有する。別の実施形態として、スリット16は、ウィンドウ2から出て、開口部7の方に遠位に延びてもよい。リリーフ領域Rを画定するために、その他の構成のリリーフ構造を使用してもよく、これらが開口部7とウィンドウ2の間に存在してもよい、と考えられる。各スリット16は、遠位端14の脆弱化部分である。以下で詳しく説明するように、脆弱化部分は、材料中の刻み目、材料中の穿孔領域、あるいは、加えられる力に応じてリリーフ領域Rが開創器10の中心線から放射状に離れるように移動する別の構造的な構成であってもよい。また、遠位端14は、開創器10を体組織の層に挿入するのを容易にする略凸状の外面を有する。
【0026】
開創器ブレード8およびアーム13は略弓状構造であり、共に開創器10のほぼ円形の構成を画定している。各開創器ブレード8および各アーム13は、約180°未満の弓状の構成を有し、開創器10の大部分に沿った連続スロット17を画定するために、放射状に離間されている。また、各開創器ブレード8および対応するアーム13は、開創器10のほぼ全長に延びる通路18も画定している。以下で詳しく説明するように、通路18は、その中にロッド3(図9)を受け容れるために拡張可能である。開創器ブレード8およびアーム13は、ほぼ円環形状を画定しており、これにより、開創器ブレード8およびアーム13は、牽引された組織の反力による屈曲に抵抗するように十分な剛性(すなわち、硬さ)を与える。
【0027】
開口部7は、開創器10の遠位端14に設けられており、この開口部7を通してスレッドスクリュー40(図20)のシャンクは受け容れ、開創器10の遠位端14でスクリュー40を支持するために、スクリュー40のヘッド42は通過させないような大きさである。遠位端14の内面は、図11から最もよくわかるように、椎弓根スクリュー40のヘッド42と係合するために適合された略凹状の球状を有する。
【0028】
開創器10は、所望の物性を有する適切な生体適合材料から形成される。すなわち、開創器10は、挿入および外科的処置中に必要に応じてスクリュー上に固定され、組織の牽引を提供すべく十分に硬いものとなるよう適切な構成および厚さの生体適合性のある滅菌可能な材料で形成されているが、牽引を提供すべく広げられ、必要に応じてスクリューから強制的に取り外されるべく十分に屈曲可能である。開創器10は、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリカーボネートなどのポリマーから形成されてもよいと考えられる。また、開創器10は、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)または他の適切な材料から形成されてもよい。開創器ブレード8は、加えた力に応じて開創器10の中心線から離れるように屈曲可能であり、開創器ブレード8は、リビングヒンジ4にて屈曲する。開創器ブレード8が中心線から離れるように(すなわち、放射状に外向きに)屈曲すると、開創器10を貫通する大きな開口が作り出されると共に、選択された手術部位において周辺組織を牽引するように作用する。外科的処置における開創器10の導入及び使用については、以下にて詳細に説明する。
【0029】
ここで図3および図4を参照すると、本開示の第2実施形態が、開放近位端32および遠位端34を有する開創器30として図示されている。開創器30は、一対の開創器ブレード36を有する。遠位端34は、開創器10と同様に、椎弓根スクリューのヘッドと係合するようになった略凹状の球面形状を有する内面を有し、開創器30を体組織の層に挿入するのを容易にする略凸状の外面を有する。また、開創器30は、開創器10の開口7と実質的に同じ開口7(図4)を有する。
【0030】
前述の実施形態同様、ブレード36は、約180°未満の弓状の構成を有し、開創器30の大部分を占める連続スロット37を画定するよう放射状に離間されている。また、開創器ブレード36は、開創器30を貫通する通路35を画定している。本実施形態では、開創器ブレード36は、可撓性を有するものの、リリーフ領域R(図4)の近くにおいて、開創器30の中心線から放射状に外向きに屈曲する。前述の実施形態同様、開創器10に関連して上述したように、リリーフ領域Rは、スリット16(図4では一対のスリットとして示される)によって画定されている。本実施形態では、開創器ブレード36によって組織を牽引する際に、開創器10の機器孔6(図1)と連携した外科用機器を使用する代わりに、医師による開創器ブレード36の手動操作が行われる。手術部位からの開創器30を取り外しは、開創器30を近位方向に(すなわち椎弓根スクリューから離れる方向に)引っ張り、リリーフ領域Rと開創器ブレード36が互いに離れるように、スリット16に沿って遠位端34を拡張させる、または、破壊することによって行われる。このように、医師は、この2つの部品を手術部位から容易に取り外すことができる。通路18(図1)と同様、通路36は、ロッド3を受け容れるよう選択的に拡張および牽引可能である。
【0031】
図5〜図7において、開創器10が、椎弓根スクリュー40と組み合わせられた状態で図示されている。椎弓根スクリュー40は、開口7(図7)を通って延びており、骨(例えば椎体)内の標的部位に挿入するために、椎弓根スクリュー40のネジ山が遠位端14(図7)を越えて延びている。図に示すように、椎弓根スクリュー40が開創器10に挿入されている場合、椎弓根スクリュー42のヘッド(図20)が遠位端14の内部形状と係合する。図に示すように、椎弓根スクリュー40のロッド受容通路44(図20)が、開創器ブレード8間の開口17と位置合わせされており、スクリューヘッド42にロッド3(図20)を挿入しやすくしている。また、椎弓根スクリュー40は、開創器10の長手軸を中心に旋回可能であり、開創器10を椎体に対して第1の角度方向に取り付けるのを可能としているが、椎弓根スクリュー40を中心に旋回可能であり、開創器10を使用して多くの量の組織を牽引できるようになる。
【0032】
本開示の開創器の別の実施形態が図8および図9に示されており、全体が開創器50として示されている。開創器50は、開創器10と同様であるが、複数のリビングヒンジ4および対応する凹部4aを有する。開創器50は、約6インチ長であり、ハサミまたはナイフを使用して余分な材料を除去することで、所望の長さに容易に調整される。また、開創器50は、内径が約16mmであり、開創器ブレードは、厚さが約1mmである。各リビングヒンジ4は、高さ約1〜2mmであり、各ブレード片8aは、約5mmである。機器孔6は、1cmの中心線上にある。スロット17は、通常は少なくとも5.5mmであるが、患者に挿入されるロッドのサイズによって変わる。より詳細には、各開創器ブレード8’は、複数のブレード片8aを有する。各ブレード片8aは、リビングヒンジ4によって隣接するブレード片8aに連結されている。このように、複数のブレード片8aおよびリビングヒンジ4が、開創器ブレード8’を画定している。前述の実施形態(図1)同様、各ブレード片8’は、アーム13と実質的に平行であり、開創器ブレード8’間にスロット17を画定している。
【0033】
開創器ブレード8’が、その初期位置または停止位置から牽引位置に向かって、放射状に外向きに付勢されると、通路18のサイズが大きくなる。このように通路18のサイズおよび面積が拡がると、外科的標的部位(すなわち、開創器が組織に挿入された場所の近く)へのアクセスが改善され、これにより、標的部位の可視性、機器のアクセス、および外科用インプラントのアクセスが向上する。図9に示すように、開創器50を使用して周辺組織が牽引されると、通路18にロッド3が配置される。これらの利点に関しては、以下にて詳細に説明する。また、リビングヒンジ4が複数存在することにより、開創器10と比べ、開創器50の適応性が大きく向上する。開創器10の開創器ブレード8(図1)は、通常、1つのリビングヒンジ4で屈曲するが、開創器50の開創器ブレード8’にある追加のリビングヒンジ4により、各開創器ブレード8’の長さに沿った複数の位置において、高い可撓性で屈曲可能となる。このため、開創器ブレード8’は、患者の体組織の表面によって画定された平面に対応するリビングヒンジ4において屈曲する。この構造を使用することにより、開創器50は、椎体と皮膚表面間に存在する組織の厚さが異なる患者で使用可能となる。また、各開創器ブレード8’が、複数のリビングヒンジ4およびブレード片8aを有するため、各開創器ブレード8’が、開創器50の長さに沿った同じ点で屈曲する必要がなく、これにより、開創器50が挿入される深さのばらつきに対応できる。例えば、一方の開創器ブレード8’が、第4リビングヒンジ4で屈曲し、もう一方の開創器ブレード8’が、第6リビングヒンジ4で屈曲することができ、これにより、組織の厚さと開創器50の方向のばらつきに対応できる。
【0034】
図10に、本開示の開創器の更なる実施形態が図示されており、全体が開創器60として示されている。開創器60は、開創器10(図1)と同様であり、両者の差を以下に詳述する。開創器60は、前述の実施形態同様、遠位端14aと遠位領域9aを有する。遠位領域9aは、前述の実施形態同様、円周上に延び、スロット17の一部を形成しないアーム13aを有する。ウィンドウ2およびスロット17間に一体ヒンジ4’が画定されている。また、遠位領域9aは、遠位領域9aの材料に完全に切り込みを入れたスリット16aを有し、複数のリリーフ領域R’を画定している。本実施形態では、リリーフ領域R’はより可撓性が高く、開創器60を椎弓根スクリュー(図示なし)から切り離した後椎弓根スクリューに固定できる。この構成により、外科医は、開創器60を取り外し、皮下に再配置し、脊椎骨の椎間腔にアクセスすることが可能となる。前述の実施形態同様、スロット17の遠位端にウィンドウ2を設けることにより、開創器60は、内外方向に拡がり、通路18を通してロッド3(図8)を標的部位に挿入することが可能になる。
【0035】
図11は、全体が70として参照される本開示の開創器の別の実施形態を示す。開創器70は、先に開創器60(図10)として示した実施形態と実質的に同様である。しかし、本実施形態では、遠位領域9bは、一つのアーム13aのみを有し、これにより、遠位端14bの近くで側方の開口が大きくなり、先に開示したウィンドウ2(図10)よりも大きいウィンドウ2aが画定される。本実施形態は、標的部位へのアクセスを向上させ、これにより、標的部位により大きいインプラントや機器を配置することが可能となる。
【0036】
本開示の開創器の別の実施形態が、図12に示されており、全体が開創器80で参照されている。開創器80は、開創器10(図1)に関して上で説明したものと同一または実質的に同じ部品を有する。本実施形態では、開創器80は、開創器ブレード8を1つしか有さない。この構成により、牽引空間の形成の多様性が向上すると共に、開創器10(図1)で可能なよりもより大きな機器を使用するかまたはより大きなデバイスを挿入するために、標的部位へのアクセスを上げることができる。
【0037】
外部からの拡張力(すなわち、ゲルピー開創器または医師の手による)が取り除かれると、開創器ブレードが、初期位置(例えば、中心線と実質的に平行)に戻るように、先に開示の開創器を屈曲可能な弾性材料で形成してもよいと考えられる。また、外部からの拡張力が取り除かれると、開創器ブレードが、初期位置への戻りに抵抗して牽引位置にとどまるように、先に開示の開創器を屈曲可能な非弾性材料で形成してもよいと考えられる。
【0038】
ここで、本開示のシステムの別の部品について、図13〜図23を参照して記載する。図13には、骨生検ニードル(例えば、Jamshidiニードル)100が図示されている。ニードル100は、ニードル100の近位端に配置されたハンドル102、ハンドル102から遠位端に延びる長尺状のチューブ状部材104、およびスタイレット106を有する。スタイレット106は、骨を含む組織に穿通するのに適した鋭利な遠位端108を有する。また、チューブ状部材104は、スタイレット106を受け容れるための、近位端から遠位端まで延びるルーメンを有する。スタイレット106は、ハンドル102に取り外し可能に取り付けられており、先端108が標的部位を穿通したら取り外すことができる。スタイレット106を取り外した後、チューブ状部材104を通してガイドワイヤ1(図27)を挿入し、公知の技術を使用して標的部位に固定または取り付けることができる。
【0039】
図14を参照すると、キャニュレイテッドメス120が図示されている。メス120は、内部にブレード126が配されているハウジング125を備える。ブレード126は、組織を切開するための鋭利な遠位端124を有する。更に、遠位端124は、近位端122に位置する開口128と連携し、ガイドワイヤ1(図14A)を摺動可能に受け容れるための、メス120を貫通するチャネルを画定する開口124aを有する。
【0040】
図14Aは、開創器10を通って受容されるように構成され寸法が定められた拡張器300を示しており、遠位端の無傷性鈍端302が開創器10の開口7に突き出ている。拡張器300は、ガイドワイヤ1を受け容れるための、遠位開口304を有する長手方向通路を有する。別の実施形態として、開創器ではなく拡張器300をカニューレ(図示なし)と併用してもよいと考えられる。あまり望ましくないものの、一連の拡張器およびカニューレを使用することができる。
【0041】
図15〜図15Bに、キャニュレイテッドボーンタップ140が示されている。ボーンタップ140は、近位端146および遠位端144を有する長尺状の本体142を有する。遠位端144は、骨構造(すなわち、椎体)に形成される孔にネジ山を形成するための螺旋ネジ山145を有する。近位端146は、駆動ツールまたは回転ツール178(図29)と連携し、骨構造にネジ山を形成するのに適したツール係合領域147を有する。
【0042】
駆動ツールおよび回転ツールは、当技術分野で周知である。また、近位端146および遠位端144は連携して、ボーンタップ140を通って延びるチャネル148を画定し、ボーンタップ140がガイドワイヤ1を介して摺動可能である。ボーンタップ140は、約5.5mm〜約7.5mmの範囲の多くのサイズで利用可能である。別の実施形態として、骨に埋め込まれるスクリューのネジ山のサイズと合う他のボーンタップを使用してもよい。
【0043】
図16および図17にスクリュー挿入器160が示されている。スクリュー挿入器160は、回転防止スリーブ150およびハウジング170を有する。ハウジング170は、本体172を有し、本体172は、そこから延びる一組のハンドル174を有する。ハンドル174は、スクリュー挿入器160の配置および/または回転を容易にする。本体172から遠位端にチューブ状部材176が延びており、複数の孔175を有する。チューブ状部材176のルーメンを通ってシャフト166(図17)が配置されており、ルーメン内で回転可能である。シャフト166の近位端162にはツール係合面163が設けられている。シャフト166の遠位端164には、椎弓根スクリュー40のヘッド42と取り外し可能に係合するように適合および構成されたスクリュー係合構造165が設けられている。より詳細には、スクリュー挿入器は、クロスメンバー164とネジ山173を有する。スクリュー挿入器160および椎弓根スクリュー40(図20)を組み立てる際、スクリュー係合構造165がヘッド42に挿入され、クロスメンバー163がロッド収容凹部44を塞ぎ、ネジ山173が椎弓根スクリュー40のネジ山部45と係合する。この構成により、椎弓根スクリュー40がスクリュー挿入器160に取り外し可能に固定される。椎弓根スクリュー40と組み立てられるとき、シャフト166を回転させると椎弓根スクリュー40も回転するが、ハウジング170は回転しない。回転防止スリーブ150は、チューブ状部材176の外面に配置されており、突出ピンまたはボタン152を有する。
【0044】
図18から最もよくわかるように、ボタン152は、開創器10の機器孔6と取り外し可能に係合するように構成され適合されている。開創器10がスクリュー挿入器160と連携した状態で図示されているが、スクリュー挿入器160は、開創器50、60、および70と連携するように構成され適合されている。スクリュー挿入器160のボタン152は、インストゥルメント孔6と係合し、椎弓根スクリュー40を回転させ、選択された椎体に挿入している間に、選択された開創器に回転力は伝達されない。この構成により、選択された開創器が所望の位置(すなわち、標的部位)からずれるのを最小限に抑えつつ、椎弓根スクリュー40を挿入することが可能となる。
【0045】
開創器10と連携している一般的な拡張器、すなわち、ゲルピー開創器180、が図19に示されている。ゲルピー開創器180は、回転軸186で旋回可能に連結された一対の湾曲アーム185を有する。ゲルピー開創器180の近位端には、医師が、選択的にアーム185を互いに近づけたり離したりできるようにする一対のフィンガーリング184が配置されている。各アーム185の遠位端にはフィンガー182が設けられており、開創器10の機器孔6と取り外し可能に係合するように構成されている。図に示すように、フィンガーリング184は、アーム185から側方にずれている。このため、フィンガーリング184の移動に応じて、アーム185が回転可能に移動し、開創器ブレード8が、互いに近づくか離れるように付勢される。フィンガーリング184を互いに近づけると、アーム185が互いに離れるように回転し、開創器ブレード8が互いに離れるように付勢され、通路18が拡がる。したがって、フィンガーリング184を互いに離すと、この逆の効果が得られる。ゲルピー開創器180は、また、開創器50、60、および70と連携するように構成され適合されている。
【0046】
図20〜図20Bは、キャニュレイテッド低侵襲椎弓根スクリュー40を示す。椎弓根スクリュー40は、ボーンタップ140によって形成されたネジ穴に挿入するようにサイズが定められ構成された螺旋ネジ山43を有する。ヘッド42は、上述のように、スクリュー挿入器160と連携するように適合されたツール係合部を有する。ヘッド42にはロッド受容通路44が形成されている。また、ヘッド42は、スクリュー挿入器160に取り外し可能に取り付けられ、セットスクリュー(図示なし)を受け容れるように適合されたネジ山部45も有する。セットスクリューは、通路44内のロッド3に押し付けられ、摩擦によりロッド3と係合して、ロッド3を所望の位置に保持する。セットスクリューは当技術分野において周知である。椎弓根スクリュー40の近位端と遠位端の間には、ガイドワイヤ1を受け容れるための貫通孔47が延びている(図20B)。
【0047】
開創器摘出器200が、図21〜23に示されている。開創器摘出器200は、ハンドル部190、アーム210、220、および摘出器バー230を有する。ハンドル部190は、一端に開口193、194を有するハンドルグリップ192を有する。ピン196が、開口194を通って延びており、アーム210、220の孔212、222を通って延びることで、ハンドル部190をアーム210、220に回転可能に連結している。ピン195が、開口193を通って延びており、孔198aを通ってハンドル部190をピボットバー198に回転可能に連結している。ピボットバー198の対向する端において、孔198bは、ピン197を受容する。ピン197は、アーム210、220間に延びており、両者間に摺動可能に保持されている。より詳細には、ピン197は、アーム220の凹部224内で、近位方向および遠位方向に摺動する。アーム210も全く同じ凹部(図示せず)を有する。また、ピン197は、摘出器バー230の開口236を通って延びている。開創器バーは、その長手軸と平行に延び、ポスト202を摺動可能に受容するスロット230を有する。ポスト202は、開口218、228を通って、ブレード部216,226に取り付けられる。また、ポスト202は、先に開示した開創器(図23)の機器孔6に取り外し可能に係合するために適合されている。摘出器バー230の遠位端には、椎弓根スクリュー40のヘッド42、または、ヘッド42に配置されたロッドと鈍的に(bluntly)係合するための鈍端234が設けられている。
【0048】
ハンドルグリップ192をアーム210,220のほうに回転させると、同時に、摘出器バー230が遠位方向に(すなわち、スクリューの方に)移動し、アーム210、220のピン202と遠位端の鈍端234が互いに離れるように移動する。摘出器バー230とピン202がこのように同時に相対移動すると、インプラントまたは患者にかなり大きな下向きの力をかけなくても、開創器がリリーフ領域において椎弓根スクリューから切り離される。
【0049】
ここで、本開示のシステムの使用について、図24〜図30を参照して述べる。第1の方法では、図24に示すように、開創器10を、椎弓根スクリュー40と組み合わせる。組み合わせた装置を、患者の皮膚Sおよび筋肉/脂肪組織Tを貫通する切開部に挿入し、その後、椎弓根スクリュー40を椎体Vに螺入させる。所望の数の開創器10を椎体Vに固定したら、皮膚Sと組織Tを牽引するために、開創器ブレード8を拡げ、標的部位に牽引領域を形成する。別の実施形態として、図25に示すように、組織を牽引するために、開創器50を椎弓根スクリュー40と組み合わせてもよい。いずれの方法においても、通路18が拡げられている状態(すなわち、組織が牽引されている)で、ロッド3を通路18に挿入する。また、ロッド3を、通路18を通して皮下に再配置し、隣接する椎体の椎弓根スクリューの固締領域にロッド3を固定することができる。
【0050】
図26〜図30を参照すると、代替技術が図示されている。生検ニードル100を、その先端が椎体Vの選択された点に接触するまで、患者の皮膚Sに刺入する。生検ニードル100は、公知の方法で挿入することができ、例えば、蛍光イメージングや、光学・磁気イメージガイダンス(メドトロニック・ソファモア・ダネック社から入手可能なSTEALTH(登録商標)システムなど)に基づいて経皮的に挿入される。鋭利な遠位端108(図13)を使用して、椎体Vに小さな穿刺を形成する。ピン106を生検ニードル100から取り外したら、生検ニードル100を通してガイドワイヤ1を刺入し、椎体Vに固定する。この時点で、ガイドワイヤ1は、椎体Vの選択された位置に別の機器およびデバイスを誘導する位置にある。別の実施形態では、最初に生検ニードル100を使用せずに、椎体Vにガイドワイヤ1を刺入してもよい。作業領域の大きさは、医師の判断で拡げることができる。作業領域を拡げることが望ましい場合には、医師は、ガイドワイヤ1(図28)に沿ってメス120を使用して、余分な組織を切開する。脊椎スクリューを挿入する前にガイドワイヤ1の位置を調べることができるように、拡張器を開創器10に挿入した状態で、拡張器開口304(図14A)を通してガイドワイヤ1を挿入することによって、拡張器300と任意の開創器10を、ガイドワイヤの上に挿入することができる。開創器と共に拡張器の先端を標的部位に挿入したら、拡張器を取り外し、開創器によってガイドワイヤの位置を調べることができる。外科医がガイドワイヤ1の配置に問題がないと判断した場合には、開創器を介して処置を続行するか、あるいは、開創器を取り外して、スクリューを取り付けた別の開創器を挿入しうる。一方、外科医がガイドワイヤの位置を変えたい場合には、例えば、開創器を通して骨の異なる位置に骨生検ニードル100を挿入し、この新たな位置に新しいガイドワイヤを挿入するなどにより、開創器を通して別のガイドワイヤを配置しうる。その後、前のガイドワイヤを取り外しうる。必要に応じて、医師は、ガイドワイヤ1に沿って挿入したボーンタップ140を使用して、椎体Vにネジ切りされた孔を予め穿孔して、孔を準備してもよい。
【0051】
標的部位が、椎弓根スクリューおよび開創器を受け容れる準備が整えば、椎弓根スクリュー40、開創器10、およびスクリュー挿入器160を含むアセンブリを、ガイドワイヤ1に沿って摺動させ、標的部位に到達させる。医師は、任意の駆動ハンドル178(図29)を使用して、スクリュー挿入器160を回転させ、椎体Vに椎弓根スクリュー40(図30)を打ち込む。椎弓根スクリュー40を椎体Vに固定後、スクリュー挿入器160を取り外すと、開創器10は、骨に挿入したスクリューによって固定された状態にある。該技術は、開創器50との併用にも適している。取り付けられた開創器の最終的な状態は、図24および図25に示す状態と同じである。
【0052】
開創器ブレード8を拡げ、作業領域で組織を牽引する。上述のように、ゲルピー開創器180(図19)を使用して、あるいは、医師が開創器ブレード8を手でつかんで引き離すことで、開創器ブレード8を拡げることができる。所望の牽引が得られたら、開創器10、50の通路18を通してロッド3を挿入し、ウィンドウ2を通して誘導する。
【0053】
複数レベルのインプラント構造にとって十分な長さのロッドを皮下に挿入し、このロッドを複数のスクリューヘッドと位置合わせさせ、これらに挿入することがわかっている。該技術は、前方アプローチを使用して椎体間インプラントを挿入し、後方アプローチを使用してスクリュー・ロッド構造を挿入する、いわゆる全方位処置(360 degree procedures)において特に有用であろう。別の実施形態として、外科医が、隣接する開創器間を選択的に切開してもよい。後者のアプローチにより、隣接するスクリューの切開部を通してロッドを挿入することが可能となる。ロッド3を、一対の椎弓根スクリュー40の間に、より詳細には、各ロッド受容通路44を通して配置したら、上述のように、セットスクリューを使用して、ロッド3を適所に固定する。
【0054】
スクリュー・ロッド構造が完成したら、開創器摘出器200を使用して、開創器10、50を患者から取り外す。開創器摘出器200を椎弓根スクリュー40の上に配置すると、摘出器バー230の先端234(図23)が、椎弓根スクリュー40のヘッド42に取り付けたセットスクリューと面一になるか、あるいは、別の椎弓根スクリューに取り付けたロッドに載置される。医師が開創器ブレード8を、開創器摘出器200のアームブレード216、226(図22)の方に再配置すると、ポスト202が機器孔6と係合する。医師は、開創器摘出器200を取り付けたら、ハンドルグリップ192をアーム210、220の方に回転させる。この回転可能な移動により、摘出器バー230が遠位でヘッド42に押し付けられ、同時に、開創器ブレード8が近位に引っ張られ、リリーフ領域R(図1)がスリット16に沿って互いに分離される。このようにして、患者の体に大きな下向きの力または回転力をかけることなく、開創器10,50が椎弓根スクリュー40から切り離される。開創器10、50を患者から取り外すことができ、この工程を取り付けた各開創器に繰り返しうる。
【0055】
代替処置では、医師は、最初に手術部位を準備し、上述のようにガイドワイヤを配置し、任意でメス120を使用して切開部を形成し、椎弓根スクリューのない上記開示の開創器の1つを挿入する。選択した開創器を所望の位置に配置したら、医師は、上記のように周辺組織を牽引する。その後、医師は、スクリュー挿入器160を使用して、椎体Vに椎弓根スクリュー40を取り付ける。この方法では、椎体Vに椎弓根スクリュー40を取り付ける前に、選択した開創器が既に適所に配置されている。より詳細には、医師が、椎弓根スクリュー40及びスクリュー挿入器160を組み立てる。スクリュー挿入アセンブリを組み立てたら、これを開創器の通路18に挿入し、椎弓根スクリュー40を回転させると、椎弓根スクリュー40が椎体Vに穿入し、ヘッド42が開創器の遠位領域の内面に載置され、こうして開創器が椎体Vに取り付けられる。任意で、医師は、キャニュレイテッドボーンタップ140を使用して孔を準備してもよい。
【0056】
開示の実施形態において、各開創器は、長さ約10〜15mmの最初の切開部を皮膚に形成する方法を使用しているが、これに制限されるものではない。外科医の選択により、椎弓根スクリューと組み合わせた1つ以上の開創器を挿入する前に創傷を拡げるのを補助する1段階以上の拡張器が必要となることもある。通常の外科的処置を使用して、切開部を閉鎖することができる。
【0057】
開示の実施形態において、開創器は、医療グレードのプラスチックまたは金属、熱可塑性材料、プラスチックと金属の複合材料、または生体適合材料から作製されうる。プラスチック部品は、ポリプロピレンおよびポリエチレンから作製されるが、これらに限定されない。プラスチック部品は、透過性でも不透過性でもよく、各種のイメージング技術にて可視性を得るため、放射線不透過性マーカを含んでもよい。金属部品は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどの材料を使用するが、これらに限定されない。また、部品は、創傷における可視性を高めるために反射または無反射コーティングを施されていてもよく、人工照明の特徴を有するものであってもよい。
【0058】
開示の開創器は、他の外科用機器やインプラント同様、既知の材料および技術を使用して滅菌可能なものでなければならない。部品は、製造業者側が滅菌包装しても、ユーザがその場で滅菌してもよい。滅菌包装された部品は、個別に包装しても、任意の適当な量で包装してもよい。例えば、滅菌包装は、滅菌筐体内に1つまたは複数の開創器を収容してもよい。あるいは、このような滅菌外科用キットは、1つまたは複数の骨生検ニードル(図13)、ガイドワイヤ(図20B)、滅菌キャニュレイテッドメス(図14)、あるいは拡張器(図14A)を含んでもよい。
【0059】
本開示の牽引システムの各実施形態に種々の変更を加えることができるのは言うまでもない。従って、上記の説明は、限定的なものとしてではなく、単なる実施形態の例示として解釈すべきである。当業者は、本開示の範囲および精神の範囲内における他の変更を想到するであろう。
【0060】
例えば、前述の説明は、脊椎手術に焦点を合わせているが、本明細書に記載の開創器および方法は、外傷手術などの他の整形外科手術の用途にも利用できると考えられる。従って、スクリューまたはピンを低侵襲的に骨に挿入するか、あるいは別の方法でガイドワイヤを介して標的手術部位にアクセスすることが望ましい場合には、ボーンスクリューの使用の有無を問わず、本開示の拡張器、メス、および開創器(あるいはこれらの一部)を使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用開創器であって、
初期位置において略円筒状管を共に形成するように、近位端および遠位端をそれぞれ有する対向した弓状および長尺状の開創器ブレードと、
前記外科用開創器の遠位端に配された連結領域であって、前記連結領域は、前記連結領域の前記遠位端に設けられた開口および少なくとも1つのリリーフ領域を有する、連結領域と、
その遠位端における前記開創器ブレードのそれぞれを前記連結領域に連結するフレキシブルジョイントであって、前記開創器ブレードは、加えた力に応じて手術部位において周辺組織を牽引するために初期位置から牽引位置に離れて屈曲可能であり、前記フレキシブルジョイントは、前記開創器ブレードが屈曲することになる位置を提供する、フレキシブルジョイントと、
を備える、開創器。
【請求項2】
前記開創器はスクリューを含み、前記開口は、前記スクリューのシャンクの外径よりも大きい直径を有する、請求項1に記載の開創器。
【請求項3】
前記スクリューはヘッドを有し、前記開口の直径は、前記スクリューの前記ヘッドの外径よりも小さい、請求項2に記載の開創器。
【請求項4】
前記連結領域は、前記遠位端から近位に延びる第1および第2の弓状アームを含み、前記弓状アームは、放射状に離間され、一対の縦方向に延びるスロットを画定する、請求項1、2、または3に記載の開創器。
【請求項5】
前記開創器ブレードは、前記開創器ブレード間に縦方向に延びる通路を提供するように離間される、請求項1、2、3、または4に記載の開創器。
【請求項6】
前記少なくとも1つのリリーフ領域は、前記開創器と関連するスクリューのヘッドから前記開創器を切り離すのに十分な所定の力を加えると、前記開創器を前記スクリューの前記ヘッドから切り離すことができるように構成され寸法が定められている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項7】
前記開創器ブレードは、合成ポリマー材料で作られる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項8】
前記開創器ブレードの遠位端から近位端に前記開創器ブレードの長さに沿って分配された複数のリビングヒンジを更に備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項9】
前記開創器ブレードのそれぞれは、前記開創器ブレードに沿って縦に離間された複数の機器孔を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項10】
滅菌筐体を備えるキットであって、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の開創器、
を収容する、キット。
【請求項11】
複数の外科用開創器を更に備える、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
キャニュレイテッドメスを更に備える、請求項10または11に記載のキット。
【請求項13】
少なくとも1つの拡張器を更に備える、請求項10、11、または12に記載のキット。
【請求項14】
少なくとも1つの生検ニードルを更に備える、請求項10、11、12、または13に記載のキット。
【請求項15】
少なくとも1つの長さのガイドワイヤを更に備える、請求項10、11、12、13、または14に記載のキット。
【請求項16】
前記リリーフ領域にあるスクリューから前記開創器を切り離させるための開創器摘出器を更に備える、請求項10乃至15のいずれか一項に記載のキット。
【請求項1】
外科用開創器であって、
初期位置において略円筒状管を共に形成するように、近位端および遠位端をそれぞれ有する対向した弓状および長尺状の開創器ブレードと、
前記外科用開創器の遠位端に配された連結領域であって、前記連結領域は、前記連結領域の前記遠位端に設けられた開口および少なくとも1つのリリーフ領域を有する、連結領域と、
その遠位端における前記開創器ブレードのそれぞれを前記連結領域に連結するフレキシブルジョイントであって、前記開創器ブレードは、加えた力に応じて手術部位において周辺組織を牽引するために初期位置から牽引位置に離れて屈曲可能であり、前記フレキシブルジョイントは、前記開創器ブレードが屈曲することになる位置を提供する、フレキシブルジョイントと、
を備える、開創器。
【請求項2】
前記開創器はスクリューを含み、前記開口は、前記スクリューのシャンクの外径よりも大きい直径を有する、請求項1に記載の開創器。
【請求項3】
前記スクリューはヘッドを有し、前記開口の直径は、前記スクリューの前記ヘッドの外径よりも小さい、請求項2に記載の開創器。
【請求項4】
前記連結領域は、前記遠位端から近位に延びる第1および第2の弓状アームを含み、前記弓状アームは、放射状に離間され、一対の縦方向に延びるスロットを画定する、請求項1、2、または3に記載の開創器。
【請求項5】
前記開創器ブレードは、前記開創器ブレード間に縦方向に延びる通路を提供するように離間される、請求項1、2、3、または4に記載の開創器。
【請求項6】
前記少なくとも1つのリリーフ領域は、前記開創器と関連するスクリューのヘッドから前記開創器を切り離すのに十分な所定の力を加えると、前記開創器を前記スクリューの前記ヘッドから切り離すことができるように構成され寸法が定められている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項7】
前記開創器ブレードは、合成ポリマー材料で作られる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項8】
前記開創器ブレードの遠位端から近位端に前記開創器ブレードの長さに沿って分配された複数のリビングヒンジを更に備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項9】
前記開創器ブレードのそれぞれは、前記開創器ブレードに沿って縦に離間された複数の機器孔を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の開創器。
【請求項10】
滅菌筐体を備えるキットであって、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の開創器、
を収容する、キット。
【請求項11】
複数の外科用開創器を更に備える、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
キャニュレイテッドメスを更に備える、請求項10または11に記載のキット。
【請求項13】
少なくとも1つの拡張器を更に備える、請求項10、11、または12に記載のキット。
【請求項14】
少なくとも1つの生検ニードルを更に備える、請求項10、11、12、または13に記載のキット。
【請求項15】
少なくとも1つの長さのガイドワイヤを更に備える、請求項10、11、12、13、または14に記載のキット。
【請求項16】
前記リリーフ領域にあるスクリューから前記開創器を切り離させるための開創器摘出器を更に備える、請求項10乃至15のいずれか一項に記載のキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2013−78644(P2013−78644A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−287725(P2012−287725)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2009−529168(P2009−529168)の分割
【原出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(507349558)ケー2エム, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2009−529168(P2009−529168)の分割
【原出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(507349558)ケー2エム, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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