説明

低圧放電ランプおよび照明装置

【課題】バックライトユニットに設けられた低圧放電ランプを大型化するにあたって、その構成部材であるバルブの端部の封止手段を、コスト低減の観点からいわゆるビード封止から圧潰封止に替えると、常圧下でバルブ内を給排気するため当該封止端部に給排気管を設ける必要が生じ、それに伴って導入線が細くなってしまい、導入線で放電ランプを支持できなくなる。そこで、放電ランプを支持するために口金をバルブ端部に取着すると、圧潰封止に替えたためバルブ端部にてクラックが伸展しやすくなってしまった。
【解決手段】圧潰封止の導入に当たって必要となった給排気管31を封止部32から延出させて、当該延出部に導入線25,27を巻き、そこに口金72を取着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として液晶表示装置等のバックライトに用いられる低圧放電ランプ、ならびに当該ランプを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置等のバックライトに用いられる低圧放電ランプは、液晶表示装置等に対する小型化の要求に応えるべく、小型化の一途を辿ってきた。
従来のバックライト用の小型の低圧放電ランプでは、製造工程においてランプの構成部材であるバルブの端部を封止する際に円柱状のビードガラスを用いて封止する、いわゆるビード封止が採用されており、そのビード封止された端部からバルブの外方に延出された導入線で放電ランプを照明装置の筐体に支持させて放電ランプと筐体とを電気的に接続し(特許文献1,2を参照)、この導入線を通じて放電ランプ内の電極に電力を供給して当該放電ランプを点灯させていた。
【0003】
また、所謂、ビード封止された端部を覆うように有底筒状の口金を配設し(特許文献3,4,5を参照)、当該口金で筐体に支持されかつ筐体側電気接点と電気的に接続できるものもある。
近年、液晶表示装置の中でも、パーソナルコンピュータ用の液晶モニタや液晶テレビ受像機等に対して大型化の要求があり、この要求に応じてバックライト用の低圧放電ランプに対しても大型化、大口径化の要求がある。
【0004】
上記のように、大型化の要求に応えるにあたり大口径のバルブの封止工程において、ビード封止を採用すると、ビードガラスにおいて径の大きなものを新たに用意する必要が生じるが、外径が大きく内径の小さなビードガラスは作製が困難であるうえ、バルブ径の変動に伴って寸法の異なるビードガラスを用意する必要が生じてコスト上昇に繋がることから、バルブの封止工程において、発明者は、ビード封止に替えて、いわゆる圧潰封止を採用することを検討している。
【0005】
当該圧潰封止は、上記ビードガラスが必要ないので、上記大口径バルブの封止には、都合が良い。
【特許文献1】特開2005−183011号公報
【特許文献2】特開2005−294019号公報
【特許文献3】特許第3462306号公報
【特許文献4】実開昭64−48851号公報
【特許文献5】特開平07−262910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、圧潰封止をバックライト用の低圧放電ランプに採用する際、導入線を圧潰封止後、常圧下でバルブ内を給排気するための給排気管をバルブ端部に封着させる必要があり、そのため、ビード封止の場合に比べて、導入線を配置できる部位が狭くなるため、導入線を細くする必要があり、導入線で支持した場合、負荷により導入線の屈曲や断線が生じ放電ランプを支持できないおそれがある。
【0007】
そこで、放電ランプを支持するため、バルブ端部を口金で覆ってこの口金で放電ランプを支持しかつ筐体側電気接点と電気的に接続すると、上記圧潰封止では、バルブ端部を圧潰するので、当該端部の加工歪みが上記ビード封止に比べて大きく、そのような加工歪みの大きい端部を口金で覆った場合、ランプ点灯時あるいは消灯時において口金とバルブ端部との間で生じる温度差に起因して発生した応力によって当該端部でクラック(亀裂)が伸展し、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、バルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な低圧放電ランプとこれを備えた照明装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る低圧放電ランプでは、両端部が圧潰された円筒状のバルブを設け、少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能する導入線と、外方端部が封止された給排気管とを挿通させ、上記導入線と電気的に接続された口金を、上記圧潰端部以外のバルブの部分あるいは上記給排気管に取着した。
上記目的を達成するため、本発明に係る照明装置では、両端部が圧潰された円筒状のバルブを有し、かつ少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能する導入線と、外方端部が封止された給排気管とが挿通されている低圧放電ランプを備え、筐体側に設けられかつ上記導入線のうちバルブ外側の部分と電気的に接続された電気接点を、上記バルブのうち上記圧潰端部以外の部分あるいは上記給排気管に接続した。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る低圧放電ランプは、上記口金が上記圧潰端部以外の上記バルブの部分にあるいは上記給排気管に取着されているので、従来のビート封止と比べて加工歪みの大きい圧潰部分を避け、バルブ端部への負荷を抑制して支持されることができる。
上記効果を奏する低圧放電ランプを照明装置に採用すれば、ランプの点灯に支障が生じる場合が発生することを抑制でき、ランプ交換サイクルを延長することができ、利便性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る照明装置では、上記電気接点が圧潰端部以外のバルブの部分であるいは上記給排気管に取着されているので、従来のビート封止と比べて加工歪みの大きい圧潰部分を避け、バルブ端部への負荷を抑制して低圧放電ランプを支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
以下、図面を用いて本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット(照明装置)について説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
図1は、本実施の形態に係る直下方式のバックライトユニット5の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造がわかるように前面パネル16の一部を切り欠いて示している。
【0013】
直下方式のバックライトユニット5は、複数の冷陰極蛍光ランプ7と、光を取り出す液晶パネル側の面だけが開口しており、複数の冷陰極蛍光ランプ7(以下、単に「ランプ7」という場合がある。)を収納する筐体9と、この筐体の開口を覆う前面パネル16とを備えている。
ランプ7は直管状をしており、直管の長手方向の軸が筐体9の長手方向(横方向)に略一致した姿勢の14本のランプ7が、筐体9の短手方向(縦方向)に所定間隔を空けて交互に配置されている。なお、「交互に」の意味内容については後述する。
【0014】
なお、これらのランプ7は、図外の駆動回路により点灯される。
筐体9は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。なお、筐体の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウム等の金属材料により構成しても良い。
筐体9の開口部は、透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。前面パネル16は、拡散板12、拡散シート13およびレンズシート14を積層してなる。
【0015】
拡散板12及び拡散シート13は、ランプ7から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート14は、当該シート14の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ7から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。なお、拡散板12の材料としては、PC(ポリカーボネイト)樹脂を用いることができる。
【0016】
図2はバックライトユニット5の要部斜視図である。筐体9の底壁11aのうち、上記前面パネル16の周縁領域相当位置にソケット84が設けられており、冷陰極蛍光ランプ7の口金72がそれぞれソケット84と嵌合し電気的に接続されると共にこれに保持される。
2.冷陰極型蛍光ランプの構成
つぎに、図3を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ7の構成について説明する。図3(a)は、冷陰極蛍光ランプ7の概略構成を示す一部切欠図である。図3(b)は、電極17,19の断面図である。
【0017】
ランプ7は、略円形横断面で直管状をしたガラスバルブ(ガラス容器)15を有する。このガラスバルブ15は、例えば外径6.0[mm]、内径5.0[mm]であって、その材料はソーダガラス、ホウケイ酸ガラス等である。本実施の形態では、ソーダガラスを用いている。以下に記すランプ7の寸法は、外径6.0[mm]、内径5.0[mm]のガラスバルブ15の寸法に対応する値である。言うまでもなくこれらの値は一例であり実施態様が限定されるものではない。
【0018】
ガラスバルブ15の内部には、水銀がガラスバルブ15の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、20[Torr](20×133.32[Pa])で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンガスが用いられる。
また、ガラスバルブ15の内面には蛍光体層21が形成されている。蛍光体層21は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。
【0019】
蛍光体層21は、例えば、青色蛍光体がユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+] (略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+] (略号:LAP)及び赤色蛍光体がユーロピウム付活酸化イットリウム[Y23:Eu3+](略号:YOX)からなる希土類蛍光体で形成されている。
【0020】
蛍光体層21は、ガラスバルブ15長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ7点灯時の発光特性に影響することとなる。
さらに、バルブ15の端のそれぞれでは、圧潰されて封止部32,33が形成されている。ガラスバルブ15の封止部32,33の各々からは導入線25,27が2本、外部へ向けて導出されている。
【0021】
この導入線25,27は、例えば、ジュメット線からなる内部リード線25A(27A)と、ニッケルからなる外部リード線25B(27B)とからなる継線である。内部リード線25A(27A)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]で、外部リード線25B(27B)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]である。
なおかつ例えば外径が2.4[mm]、内径が1.6[mm]の給排気管31が1本、各封止部32,33に封着されている。
【0022】
内部リード線25A(27A)の先端部には、ニッケル(Ni)製のホロー型電極17(19)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極17,19は同じ形状をしており、図3(b)に示す各部の寸法は、電極長L1=12.5[mm]、外径pO=4.70[mm]、内径pi=4.20[mm]、肉厚t=0.10[mm]である。
【0023】
ランプ7の点灯時には、有底筒状をした電極17の筒内面と、同じく有底筒状をした電極19の筒内面との間で放電が生じることとなる。
電極17,19の形状はこれに限定されず、棒状、板状であってもよい。導入線25,27の本数はバルブ15の封止部32,33のそれぞれにおいて、1本であってもよいが、2本封着させておくと、ビード封止の場合に比べて細くなった導入線25,27で電極17,19を確実に支持することができ、なおかつ製造時において電極17,19の軸位置とバルブ15の軸位置とを合わせる際、位置決めが容易になって好ましい。
【0024】
給排気管31の各々の内方端はバルブ15内空間に達し、かつ導入線25,27先端に取り付けられた電極17,19よりも当該封止部32,33側に位置する。
給排気管31の各々の外方端は当該封止部32,33外側の所定の距離まで、例えば、封止部32,33それぞれの外端から8[mm]延出されており、チップオフされて封じられている。
【0025】
なお、既述の「封止部32,33」では、バルブ15が完全に封止されているわけではなく、封止部32,33に封着された給排気管31から常圧下でバルブ15の内方空間を給排気した後、給排気管31の各々の外方端が封止されてバルブ15が完全に封止される。
そして、給排気管31のうち当該封止部32,33外側に延出された部分のそれぞれに対してバルブ15外部に引き出された導入線25,27が巻回され、これら給排気管31延出部およびこれらに巻回された導入線25,27を覆うように口金72が固着され、導入線25,27のそれぞれが各口金72および各給排気管31延出部と密着している。
【0026】
各口金72が導入線25,27と接触を保ちながら給排気管31延出部のそれぞれに固着されているので、導入線のみで冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線25,27に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ7を支持しかつ導入線25,27と筐体9側のソケット84(図2参照)とを電気的に接続することができる。
【0027】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ15端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ7を支持しかつこれと筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
口金72は、スリーブ状であり、固着前においてその内径が導入線25,27巻回済みの給排気管31の外径より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金72の固着方法はこれに限らず、固着前においてその内径が導入線25,27巻回済みの給排気管31の外径より大きいものを半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。また、口金72の形状も上記のものに限らず、キャップ状であっても良い。
【0028】
スリーブ状の口金72において一方の開口端から他方の開口端にかけてスリーブ軸方向と平行なスリットが形成されていれば、弾性力によって嵌めて固着することが容易となって好ましい。
本実施の形態では、導入線25,27を給排気管31の延出部に巻回しその上から口金72を固着させたが、これに限定されず、導入線25,27を巻回させることなく給排気管31の延出部にバルブ15の封止部32,33から伸ばしたままその上から口金72を固着させても良い。
【0029】
導入線25,27を給排気管31延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままの導入線25,27の上から口金72を固着させた場合に比べて、導入線25,27のそれぞれと各口金72との電気的接続を確実にすることができ、特にスリーブ状の口金72にスリットが入ったものを用いたときに、導入線25,27を口金72で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0030】
口金72を半田や導電性接着剤で給排気管31に固着すると、弾性力によって嵌めて固着する場合に比べて給排気管31への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管31への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態では、口金72は、バルブ15の各封止部32,33から離間されて、導入線25,27を覆いながら給排気管31のそれぞれに固着されている。
【0031】
具体的には、口金72のうちバルブ15の封止部32,33側の一端がバルブ15の封止部32,33から0.5[mm]以上離されて、口金72が固着されている。
給排気管31のうちバルブ15の封止部32,33に被着された部分では、当該封止部32,33形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管31とバルブ15とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、口金72を当該封止部32,33に接触するように給排気管31に巻回すると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金72と給排気管31との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、冷陰極蛍光ランプ7を筐体9のソケット84で支持できず、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障の生じる場合がある。
【0032】
本実施の形態では、各口金72は、そのバルブ15側の端がバルブ15の封止部32,33から離間した状態で固着されているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、冷陰極蛍光ランプ7を筐体9のソケット84で支持することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できるので好ましい。
【0033】
本実施の形態では、口金72をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて口金72が、給排気管31それぞれのバルブ15外側の先端を覆うことなく取着されるので好ましい。
給排気管31それぞれのバルブ15外側の先端は、既述のようにバルブ15の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端に口金72を被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金72と給排気管31との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
【0034】
本実施の形態では、スリーブ状の口金72を用い、これを給排気管31のバルブ15外側の先端に被着させずに給排気管31に固着させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
《実施の形態1に係る冷陰極放電ランプ7の効果》
既述したように本実施の形態では、口金72が導入線25,27を覆いながら給排気管31延出部のそれぞれに固着されているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線25,27に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ7を支持しかつこれと筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
【0035】
なおかつ、当該構成を採用することによって、圧潰されてなる封止部32,33を避けて口金72を固着させることができるので、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ15端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ7を支持しかつこれと筐体9側のソケット72とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ7では、導入線25,27およびバルブ15端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
【0036】
また、本実施の形態では、各口金72を、バルブ15の封止部32,33から離間させて、導入線25,27を覆いながら給排気管31のそれぞれに固着させているので、給排気管31に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管31への負荷を抑制することができて、冷陰極ランプの7の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0037】
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状の口金72を用い、これを給排気管31のバルブ15外側の先端を覆わずに給排気管31に固着させているので、給排気管31に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管31への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ7の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、低圧放電ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態1と異なるので、実施の形態1と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0038】
図4は、本実施の形態における熱陰極放電ランプ71の要部分解図である。図4に示すように、熱陰極蛍光ランプ71は、直管形の管状バルブ151に放電媒体が封入され、バルブ151端部近傍に電極171,191が配されてなる。
本実施の形態では、給排気管311のうちバルブ151の封止部321,331外側に延出された部分のそれぞれに対してバルブ151外部に引き出された導入線251,271がほぼ直線状に接触しており、これら給排気管311延出部および導入線251,271を覆うように口金が固着され、導入線251,271が口金721および給排気管311と密着している。
【0039】
図4の部分拡大図に示すように、口金721のそれぞれは、導電部721a,721bと絶縁部721cとからなりかつスリット721dを有し、スリーブ状の口金721において導電部721a,721b同士を絶縁部721cおよびスリット721dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、導入線251は口金721の導電部721bおよび給排気管311と密着し、他方において、導入線271は口金721の導電部721aおよび給排気管311と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、筐体8側のソケット84(図2参照)から電力供給するとき、導入線251,271同士で短絡させることなく、電極171(191)を構成するフィラメント231に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極171,191同士での放電を促すことができる。なお、口金721を固着させた後においても口金721のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金721がスリット721dを有している。口金721が当該構成を採用することにより、当該導電部721a,721b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
【0040】
口金721の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管31への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
口金を半田あるいは導電性接着剤で固着する場合、上記導電部721a,721b同士を互いに電気的に絶縁性を有する部材で接続してなる口金を用いてもよい。当該口金を用いると、スリットが無いので、スリット721dの入った口金721と比べて、口金の機械的強度を向上させることができる。
《実施の形態2における熱陰極放電ランプ71の効果》
本実施の形態では、低圧放電ランプとして熱陰極蛍光ランプ71を採用しており、実施の形態1において低圧放電ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ7と異なるが、実施の形態1と同様に、口金721のそれぞれが導入線251,271を覆いながら給排気管311延出部のそれぞれに固着されているので、導入線251,271に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ151端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ71を支持しかつこれと筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
【0041】
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ71では、実施の形態1と同様に導入線251,271およびバルブ151端部への付加を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、各口金721を、バルブ151の封止部321,331から離間させて、導入線251,271を覆いながら給排気管311のそれぞれに固着させているので、熱陰極ランプの71の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0042】
そのうえ、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、スリーブ状の口金721を用い、これを給排気管311の外方端を覆わずに給排気管311に固着させているので、熱陰極蛍光ランプ71の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材である口金の配設位置等に大きな特徴があり、その他の構成について実施の形態1における構成と略同一であるので、特徴部分のみ説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0043】
図5は、本実施の形態における冷陰極蛍光ランプ73の部分分解図である。図5に示すように、冷陰極蛍光ランプ73では、実施の形態1と比べて、給排気管312のバルブ152外側の先端はバルブ152の封止部322,332からの距離が短く、実施の形態1と同様にチップオフされて封止されている。
本実施の形態では、バルブ152の外部に引き出された導入線252,272が折り曲げられており、バルブ152の封止部322,332とその近傍を避けてバルブ152の胴部、具体的には、バルブ152に内包された電極172,192を覆う位置で、導入線252,272と接触しながら口金722が固着され、導入線252,272が、当該位置でバルブ152および口金722と密着している。
【0044】
口金722が導入線252,272と接触を保ちながらバルブ152の封止部322,332を避けて電極172,192を覆うバルブ152の部分に固着されているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線252,272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ73を支持しかつ導入線252,272と筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
【0045】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ152端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ73を支持しかつこれと筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態1と比べると、給排気管312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ73のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
【0046】
口金722のそれぞれが、電極172,192を覆うバルブ152の部分に固着されているが、当該バルブ152の部分では、電極172,192とバルブ152の内面との間隙が極めて小さいために、円筒状の電極172,192の外壁と対向するバルブ152の内面に蛍光体膜212が形成されていても発光しない。
各電極172,192のバルブ152内方側の端よりも、上記口金722および導入線252,272がバルブ152の内方側に配置されていると、ランプ73の発光を遮ることになるので、これら口金722および導入線252,272は、各電極172,192のバルブ152内方端よりもバルブ152の外方側に配置されていることが好ましい。
【0047】
口金722は、スリーブ状であり、固着前においてその内径が導入線252,272の線径およびバルブ152の外径の合計より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金722の固着方法はこれに限らず、半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。
本実施の形態では、導入線252,272をその軸方向がバルブ152の軸方向と同じになるようにして電極172,192を覆うバルブ152の部分と各口金722とで挟持していたが、これに限定されず、導入線252,272を、電極172,192を覆うバルブ152の部分に巻回させて、当該バルブ152の部分と各口金722とで挟持しても良い。
【0048】
導入線252,272のそれぞれを上記バルブ152の部分と各口金722とで挟持すると、伸びたままの導入線252,272を挟持する場合と比べて、口金722との電気的接続を確実にすることができ、特に口金722がスリットの入ったスリーブ状であることから、導入線252,272を口金722で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0049】
口金722を半田や導電性接着剤でバルブ152に固着すると、弾性力によって固着する場合に比べてバルブ152への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてバルブ152への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
《実施の形態3における冷陰極放電ランプ73の効果》
既述したように本実施の形態では、口金722が導入線252,272と接触を保ちながらバルブ152の封止部322,332を避けて電極172,192を覆うバルブ152の部分に固着されているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線252,272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ73を支持しかつ導入線252,272と筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
【0050】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ152端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ73を支持しかつこれと筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ73では、導入線252,272およびバルブ152端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
【0051】
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態1と比べると、給排気管312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ73のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
(実施の形態4)
本実施の形態は、低圧放電ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態3と異なるので、実施の形態3と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0052】
図6は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ74の要部分解図である。図6に示すように熱陰極蛍光ランプ74は、直管形の管状バルブ153に放電媒体が封入され、バルブ153端部近傍に電極173,193が配されてなる。
本実施の形態では、バルブ153の外部に引き出された導入線253,273が折り曲げられ、バルブ153の封止部323,333とその近傍を避けてバルブ153の胴部、具体的には、バルブ153に内包された電極172,192を覆う位置で、導入線253,273と接触しながら口金723が固着され、導入線253,273が口金723およびバルブ153と密着している。
【0053】
電極173,193は、それぞれバルブ153の内包空間にて導入線253,273を支持するガラス製のステム292と導入線253,273内方端同士を結ぶフィラメント233を含んでいるが、口金723は、バルブ153胴部のうち、電極173,193を構成するステム292を覆う位置で固着されているのが好ましい。
なぜなら、フィラメント233とバルブ153の内面との間が実施の形態3に比べて広いので、電極173,193と対向するバルブ153内面に蛍光体膜213が形成されていると、発光に寄与するからである。
【0054】
発光に寄与する電子は、電極173,193のフィラメント233同士の間で発生するが、フィラメント233とバルブ153の内面との間隙が実施の形態3よりも広いので、当該間隙に発光寄与電子の進入する可能性が高い。したがって、口金723および導入線253,273のバルブ153外側端は、バルブ153に対して確実に固定できる限度において、できるだけバルブ153の端(封止部323,333)側に配置されていることが好ましい。
【0055】
本実施の形態では、口金723の好ましい配設位置を上記のように設定しているが、設計上、バルブ153のうち蛍光体膜213が形成されていない領域が口金723を確実に固定できる限度に存在すれば、その領域にて口金723を固定することが最も好ましい。
図6の部分拡大図に示すように、口金723のそれぞれは、導電部723a,723bと絶縁部723cとからなりかつスリット723dを有し、スリーブ状の口金723において導電部723a,723b同士を絶縁部723cおよびスリット723dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、導入線253は口金723の導電部723bおよびバルブ153と密着し、他方において、導入線273は口金723の導電部723aおよびバルブ153と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、筐体9側のソケット84から電力を供給するとき、導入線253,273同士で短絡させることなく、電極172(192)を構成するフィラメント233に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極172,192同士での放電を促すことができる。なお、口金723を固着させた後においても口金723のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金723がスリット723dを有している。口金723が当該構成を採用することにより、導電部723a,723b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
【0056】
口金723の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてバルブ153への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
《実施の形態4における熱陰極蛍光ランプ74の効果》
本実施の形態では、低圧放電ランプとして熱陰極蛍光ランプ74を採用しており、実施の形態3において低圧放電ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ73と異なるが、実施の形態3と同様に、口金723のそれぞれが導入線253,273と接触しながらバルブ153の封止部323,333とその近傍を避けて、バルブ153の胴部に、具体的にはバルブ153に内包された電極173,193を覆う位置で、固着されているので、導入線253,273に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ153端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ74を支持しかつこれと筐体9側のソケット84とを電気的に接続することができる。
【0057】
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ74では、実施の形態3と同様に導入線253,273およびバルブ153端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材から口金を廃し、バルブに内包された電極に電力を供給するためバルブ外方に引き出された導入線を直接、バックライトユニット側の電気接点であるソケットに接触させた点に特徴があり、その他の構成については実施の形態1の構成と略同一であるので、特徴部分のみ言及し、その他の部分についてはここでの説明を省略する。
【0058】
図7は、本実施の形態におけるバックライトユニット105の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。図7に示すように、バックライトユニット105の部材である筐体109の底壁111aのうち、光学シート類の周縁領域相当位置にソケット184が設けられている。
そして、冷陰極蛍光ランプ107の部材であるバルブ115端部の封止部324,334から延出された導入線254,274が、同様に延出された給排気管314に巻回され、給排気管314のうち導入線254,274巻回済みの延出部分がソケット184に嵌合して冷陰極蛍光ランプ107が筐体109に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
【0059】
ソケット184の各々は、それ1つが同極性に設定されており、バルブ115それぞれの各端部から延出された2本の導入線254,274を同極性に設定することができる。
バックライトユニット105では、ソケット184の各々が、導入線254,274と接触を保ちながら給排気管314延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線254,274に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ107をソケット184に支持させかつソケット184を導入線254,274と電気的に接続することができる。
【0060】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ107をソケット184に支持させかつソケット184と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、導入線254,274巻回済みの給排気管314の延出部と筐体109のソケット184とを嵌合させたが、これに限定されず、導入線254,274をバルブ115の封止部324,334から伸ばしたままソケット184と嵌合させても良い。その場合、ソケット184の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管314に巻回してこれに導入線254,274を仮止めさせてからソケット184に差し込むと、導入線254,274を確実にソケット184に差し込むことができて好ましい。
【0061】
導入線254,274を給排気管314延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままの導入線254,274と給排気管314とを同時にソケット184に嵌合させる場合に比べて、ソケット184との電気的接続を確実にすることができ、特にソケット184がスリーブ状であるので、導入線254,274の取りこぼしを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0062】
本実施の形態では、ソケット184に押圧力を付与して、この押圧力でソケット184と導入線254,274巻回済みの給排気管314延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管314への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管314への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
【0063】
本実施の形態において、ソケット184は、バルブ115の封止部324,334から離間されて、その内面が導入線254,274と接触しながら給排気管314のそれぞれと嵌合している。
具体的には、ソケット184のうちバルブ115の封止部324,334側の一端がバルブ115の封止部324,334から0.5[mm]以上離されて、ソケット184が給排気管314と嵌合している。
【0064】
給排気管314のうちバルブ115の封止部324,334に被覆された部分では、当該封止部324,334形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管314とバルブ115とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、ソケット184を当該封止部324,334に接触するように給排気管314と嵌合させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット184と給排気管314との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
【0065】
本実施の形態では、ソケット184がバルブ115の封止部324,334から離間しているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
本実施の形態では、ソケット184をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて、ソケット184が給排気管314それぞれのバルブ115の外側の先端を覆うことなく取着されて好ましい。
【0066】
給排気管314それぞれの外方端は、既述のようにバルブ115の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端にキャップ状のソケットを被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット184と給排気管314との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
【0067】
本実施の形態では、スリーブ状のソケット184を用い、これを給排気管314のバルブ115外側の先端を覆わずに給排気管314と嵌合させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
《実施の形態5におけるバックライトユニット105の効果》
既述したように本実施の形態では、ソケット184が導入線254,274と接触しながら給排気管314延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線254,274に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ107を支持しかつこれと筐体109のソケット184とを電気的に接続することができる。
【0068】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ107を支持しかつこれと筐体109のソケット184とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット105では、導入線254,274およびバルブ115端部への負荷を抑制して冷陰極蛍光ランプ107への電気的接続および支持を行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態では、筐体109のソケット184を、バルブ115の封止部324,334から離間させて、導入線254,274と接触させながら給排気管314のそれぞれと嵌合させているので、給排気管314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管314への負荷を抑制することができて、冷陰極ランプ107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0070】
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状のソケット184を用い、これを給排気管314のバルブ115外側の先端を覆わずに給排気管314と嵌合させているので、給排気管314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管314への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、蛍光ランプに熱陰極蛍光ランプを採用した点で実施の形態5と異なるのみであるので、その他の実施の形態5と共通する部分についてはここでの説明を省略する。
【0071】
図8は、本実施の形態におけるバックライトユニット205の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。
本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプ207が用いられており、その部材であるバルブ154端部の封止部325,335から延出された導入線255,275が、同様に延出された給排気管315に沿っており、導入線255,275と並行する給排気管315の延出部分がソケット284に嵌合して熱陰極蛍光ランプ207が筐体209に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
【0072】
その場合、ソケット284の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管315に巻回してこれに導入線255,275を仮止めさせてからソケット284に差し込むと、導入線255,275の取りこぼしを防いで導入線255,275を確実にソケット284に差し込むことができ、歩留まり向上の観点から好ましい。
本実施の形態では、ソケット284の各々が2ピース構造になっており、バルブ154それぞれの各端部から延出された2本の導入線255,275とバルブ154に内包された電極のフィラメント(不図示)とで電流経路を形成することができる。ソケット284の構成はこれに限定されず、物理的に一体であっても既述の電流経路を形成できるように電気的に絶縁された構造であっても良い。
【0073】
そして、本実施の形態において、ソケット284の各ピースのうち導入線255,275および給排気管315を支持する部分では、給排気管315軸に垂直な断面が屈曲形状を有する。すなわち、ソケット284の各ピースの当該支持部分では、導入線255,275および給排気管315に臨む内壁が谷折りの状態となっており、給排気管315の表面に沿う導入線255,275がこの谷折りの内壁に嵌っている。本実施の形態では、当該構成を有することにより、ソケット284を構成する各ピースの当該支持部分における給排気管315軸に垂直な断面が円弧状のものに比べ、導入線255,275がソケット284を構成する各ピースの間に嵌ってピース同士で短絡が生じることを抑制することができる。
【0074】
ソケット284の各々が、導入線255,275と接触を保ちながら給排気管315延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線255,275に対して断線するような負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ207をソケット284に支持させかつソケット284を導入線255,275と電気的に接続することができる。
【0075】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ154端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ207をソケット284に支持させかつソケット284と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、ソケット284に押圧力を付与して、この押圧力でソケット284と導入線255,275および給排気管315延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管315への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管315への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
《実施の形態6におけるバックライトユニット205の効果》
既述したように本実施の形態では、ソケット284が導入線255,275と接触しながら給排気管315延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で熱陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線255,275に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ207を支持しかつこれと筐体209のソケット284とを電気的に接続することができる。
【0076】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいバルブ154端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ207を支持しかつこれと筐体209のソケット284とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット205では、導入線255,275およびバルブ154端部への負荷を抑制して熱陰極蛍光ランプ207への電気的接続および支持を行うことができる。
【0077】
また、本実施の形態でも実施の形態5と同様に、筐体209のソケット284を、バルブ154の封止部325,335から離間させて、導入線255,275と接触ながら給排気管315のそれぞれと嵌合させているので、給排気管315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管315への負荷を抑制することができて、熱陰極ランプ207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0078】
そのうえ、本実施の形態でも実施の形態5と同様に、スリーブ状のソケット284を用い、これを給排気管315のバルブ154外側の先端を覆わずに給排気管315と嵌合させているので、給排気管315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管315への負荷を抑制することができて、熱陰極蛍光ランプ207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0079】
<ランプの交互配置について>
図9は、ガラスバルブにおいて蛍光体膜が形成された領域を示す模式図である。以下、図9を用いて上記各実施の形態で示した放電ランプでの蛍光体膜の形成領域について詳説する。
図9では、蛍光体膜の形成領域について説明するため、上記各実施の形態で示した他の構成部材、例えば、口金72(721,722)、給排気管31(311,312,313,314,315)、導入線25,27などを省略している。
【0080】
図9に示すように、ガラスバルブ15(115,151,152,153,154)の第1封止部側の、境界部(蛍光体層21(211,212,213)が存在する領域と不存在の領域との境界)34から第1封止部32(321,322,323,324,325)側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部36から第2封止部33(331,332,333)側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
【0081】
その寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]。
上記したように、a1とa2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラスバルブの内面には、上記したように蛍光体膜が形成されている。ガラスバルブの長手方向において、この蛍光体膜の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、細長い外形であるため、特に、蛍光体膜の厚みが不均一となりやすい。
【0082】
すなわち、ガラスバルブの長手方向において、蛍光体膜の膜厚が一方側が厚く他方側が薄いという関係となっている。係る膜厚の差は点灯時に輝度差として表出し、輝度ムラの原因となり得る。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
【0083】
ここで、「交互に」とは、隣り合うランプ7(71,73,74,107,207)間で第1封止部32(321,322,323,324,325)と第2封止部33(331,332,333)とが反対方向になっているという意味である。図1、図9および後掲する図12においては、ランプ7の第1封止部32(321,322,323,324,325)と第2封止部33(331,332,333)とをそれぞれ四角囲みの数字で「1」、「2」と区別している。
【0084】
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
しかしながら、係る従来の識別用マークを用いる方法では、識別用マークを付するための工程やその設備が必要となりコスト高を招くという問題がある。
【0085】
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記a1とa2の大きさを異ならせることとしたのである。
【0086】
すなわち、蛍光ランプ7(71,73,74,107,207)は、上記したようにa2がa1より大きいため、a2またはa1の一方を対象として所定範囲内に収まっているかをセンサを用いて検出したり、a2及びa1の距離をセンサを用いて検出して両者の差を求めることにより、ランプ7(71,73,74,107,207)(ガラスバルブ15(115,151,152,153,154))の長手方向の向きを識別することが可能となる。識別マークを付するための工程や設備が不要となり製造コストを抑えることも可能となる。
【0087】
また、蛍光体膜21(211,212,213)はガラスバルブ15(115,151,152,153,154)の全周に形成されているため、ガラスバルブ15(115,151,152,153,154)の周回方向(回転方向)に関わらず、一方向から検出することができ、センシングの設備構成を簡素化できる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極やリード線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
<冷陰極型蛍光ランプの製造方法>
次に、上記構成を有する蛍光ランプ7(71,73,74,107,207)の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。以下の記述においては、冷陰極蛍光ランプの電極を一例に用いて説明するが、同様に熱陰極蛍光ランプにおいても当該製造方法を適用できることは言うまでもない。
【0088】
図10,図11は冷陰極蛍光ランプ20の製造工程を示す図である。
まず、準備した直管状のガラス管46を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管46内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管46内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ45により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5mm程度の誤差が生じる。
【0089】
次に、ガラス管46内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管46内面にブラシ47を挿入して、蛍光体膜214のうちガラス管46端側の不要な部分を除去する[工程B]。
その後、蛍光体膜214が形成されたガラス管46に電極174、給排気管316を挿入した後、給排気管316の管軸方向の通気性は維持した状態で、当該ガラス管46の一端(第2封止部側)をバーナー48で熱して圧潰封止する[工程C]。
【0090】
また、封止位置の設定値からの誤差は0.5[mm]程度である。
次に、反対側の開口端からガラス管46に、電極194、給排気管316を挿入した後、他端を圧潰封止し、その後、管軸方向に通気性が維持された給排気管316(第1封止部側)の端部を気密にチップオフする[工程D]。
また、封止位置の設定値からの誤差は反対側と同様に0.5[mm]程度である。
【0091】
工程Cにおける電極174の挿入位置及び工程Dにおける電極194の挿入位置は、封止後のガラス管46の両端部からそれぞれ延びる蛍光体膜214不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極194は、第2封止部側の電極174と比べて、蛍光体膜214に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
続いて、通気性が維持された状態の給排気管316(第2封止部側)のうち、端部寄りの一部をバーナー52で加熱してくびれ部分を形成した後、水銀ペレット54を給排気管316に投入する[工程E]。水銀ペレット54は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
【0092】
続く工程Fでは、ガラス管46内の排気とガラス管46内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管46の水銀ペレット54側端部に装着し、先ず、ガラス管46内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管46全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管46の外周表面において約380[℃]である。これによって、蛍光体膜214に潜入している不純ガスを含めガラス管46内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
【0093】
希ガスが充填されると、第2封止部側の給排気管316の水銀ペレット54側端部をバーナー56で加熱して封止する[工程G]。
続いて、図11に示す工程Hでは、水銀ペレット54をガラス管46の周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管46を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極194の方へ移動させる。
【0094】
次に、工程Eにて形成されたくびれ部分よりも電極174,194側でかつ必要な長さを残すように給排気管316をバーナー58で加熱しチップオフして気密封止する[工程I,J]。封止位置の設定値から誤差は、同様に0.5[mm]程度である。
<バックライトユニットの製造方法>
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図12を用いて説明する。
【0095】
図12(a)は、ランプフィーダ60を模式的に示す図である。図12(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す図である。図12(c)は、ランプの筐体9内への設置工程を示す図である。
ランプフィーダ60は、台座66にランプ7(71,73,74,107,207)を1本ずつ供給する装置である。
【0096】
台座66は、ランプ7(71,73,74,107,207)が設置されるための溝66aを有し、また台座を360[°]回転させる機構を備えている。
溝66a内には、ランプ7(71,73,74,107,207)が設置されており、このランプ7(71,73,74,107,207)の両端部に対応する位置の上方には、センサ64a,64bが配置されている。このセンサはランプの一方側の端部にだけ配置しても構わない。
【0097】
センサ64a,64bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
センサ64a,64bにより検出されたランプの長手方向の向きに対応して、台座66を回転させることによりランプの向き合わせを行うこととなる。
向き合わせされたランプ7(71,73,74,107,207)は、導入線25(251,252,253,254,255),27(271,272,273,274,275)あるいはこれら導入線と電気的に接続された口金72(721,722,723)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ7(71,73,74,107,207)間で長手方向の向きが反対になるようにソケット67(図12(c)参照)に嵌め込まれることとなる。
【0098】
図12(c)に示すように、筐体309の反射板311aには、ランプ7の取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット67が配置されている。図12(c)では、冷陰極蛍光ランプ7で図示しているが、上記各実施の形態のうち実施の形態3,4を除く他の冷陰極蛍光ランプ、熱陰極蛍光ランプでも同様に適用できる。
ソケット67は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット67は、挟持板67a,67bとそれら挟持板67a,67bを下端縁で連結する連結片67cと、連結片67cから突出した接続板67dとからなる。
【0099】
挟持板67a,67bには、ランプ7の外径に合わせた凹部が設けられている。
接続板67dは、連結片67cから筐体309の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び筐体309の外側方向に延びている。接続板67dの自由端部には、口金72の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片67a,67bの凹部内にランプ7の端部をはめ込むことにより、挟持板67a,67bの板ばね作用によってランプ7がソケット67に保持される。同時に、口金72を接続板67d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、口金72が接続板67dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
<変形例>
(変形例1)
より方向合わせの精度を向上させるために、ガラスバルブ15(115,151,152,153,154)の蛍光体膜21(211,212,213)が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、実施の形態に係る変形例1として説明する。
【0100】
図13に、識別用のマークが印刷されたガラスバルブ15aを示す。図13(b)は、図13(a)のC−C線における断面図である。
ガラスバルブ15aの端部外周には、識別用の3個のマーク70a,70b,70cが形成されている。
マーク70a,70b,70cは、ガラスバルブ15aの長手方向における位置が互いに略等しい。
【0101】
なお、マーク70a,70b,70cは、第1封止部側に形成するよりも、より蛍光体層不存在領域の長い第2封止部側の端部外周に形成する方が好ましい。
マーク70a〜70cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク70a〜70cが形成されたガラスバルブ15aを用いれば、例えば、境界部34からマーク70a〜70cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
【0102】
また、マーク70a〜70cのそれぞれの中心部(要部)は、ガラスバルブ15aの横断面を見た場合において、バルブの中心点Oから略120度の等間隔を空けた位置となっている。このように、マーク70a〜70cは、ガラスバルブ15aの周回方向(回転方向)に関わらず、マークの測定対象部位が見える位置関係にあるため、確実に一方向からセンサを用いてマーク70a〜70cのいずれかを検出することが可能である。
【0103】
なお、マーク70a〜70cとして、文字を印刷しても構わない。その文字の印刷方向はガラスバルブ15aの長手方向であってもよいし、ガラスバルブの周回方向でもよい。また文字として、ロットナンバーを印刷しても構わない。
(変形例2)
また、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体膜を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態に係る変形例2として説明する。
【0104】
図14に示すように、ガラスバルブ15bの第2封止部33b側には、蛍光体膜21bとは別に、蛍光体膜22が形成されている。蛍光体膜22は、電極17,19間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体膜である。
本変形例では、例えば、境界36bと蛍光体膜22との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体膜であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
【0105】
(変形例3)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態に係る変形例3として説明する。
図15は、変形例3に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図であり、図15(a)(b)では、ガラスバルブ15c,15dと蛍光体層21c,21dを断面で示し、導入線25c,27c,251d,271d,電極17c,17dは外観を示している。また、図15(c)では、電極17eも形状がわかるよう断面で示している。なお、図15においては、図3,4と同様の構成部材についてはその説明を省略する。
【0106】
図15(a)の例では、方向識別に用いるためのマーク75が円筒型電極17cの中央下部の周回方向に施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界34cとリング状のマーク75との距離eを検出に用いることができる。電極17cへのマーキングは、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
【0107】
図15(b)の例では、熱陰極蛍光ランプへの適用例を示しており、フィラメント231dに接続された内部リード線251dA,271dAを支持するガラスステム291dが着色されている。この例では、境界34とガラスステム291dとの距離fを検出に用いることができる。ガラスステム291dは、ガラスバルブ15dの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
【0108】
図15(c)の例では、口金72eの周回方向にマーク76が付されている。この例では、境界34eとマーク76との距離gを検出に用いることができる。マーク76も、マーク75と同様にガラスバルブ15eの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
電極17eの形状は有底筒状であるが、これに限らず、両端開口筒状、棒状であっても構わない。
6.その他の事項
(1)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上記実施の形態において説明したように、ランプ7の製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5mm、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5mm程度が見込まれる。
【0109】
また、センサとして200万画素の画像センサを用いれば、1画素を0.1mmに設定することが可能であるため、0.1mm単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2mm以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
(2)保護層について
本実施の形態においては、ガラスバルブの内面に、水銀消耗の防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプにも本発明を適用することができる。
【0110】
具体的には、ガラスバルブの一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、センサを用いて両者の差異を検出することで、ガラスバルブの長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラスバルブの内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
(3)ガラスバルブについて
上記各実施の形態において、ガラスバルブにはソーダガラスを用いたが、これに限らず、鉛ガラス、鉛フリーガラス等を用いてもよい。この場合に、暗黒始動性が改善できる。すなわち、上記したようなガラスは、酸化ナトリウム(NaO)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラスバルブ内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラスバルブ内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
【0111】
ガラスバルブ材料におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、3mol%以上20mol%以下が好ましい。
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5mol%以上20mol%以下が好ましい。5mol%未満であると暗黒始動時間が1秒を超える確率が高くなり(換言すると、5mol%以上であれば暗黒始動時間が1秒以内になる確率が高くなる)、20mol%を超えると、長時間の使用によりガラスバルブが黒化(茶褐色化)や白色化して輝度の低下を招いたり、ガラスバルブの強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
【0112】
また、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただ、鉛フリーガラスは、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1wt%以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
以下、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、鉛フリーガラス等で構成されるバルブの添加物について説明する。
【0113】
ガラスの熱膨張係数を調節することにより、冷陰極蛍光ランプのリード線等の封着部材との封着強度を高めることができる。例えば、封着部材がタングステン(W)製の場合には、36×10−7[K−1]〜45×10−7[K−1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0114】
また、封着部材がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合には45×10−7[K−1]〜56×10−7[K−1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
また、封着部材がジュメット製の場合には94×10−7[K−1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0115】
また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0116】
また、酸化セリウム(CeO)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0117】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、封着部材がタングステン(W)製である場合に、封着部材の熱膨張係数(約44×10−7[K−1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、封着部材がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、封着部材の熱膨張係数(約51×10−7[K−1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。さらに、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0118】
また、酸化鉄(Fe)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0119】
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0120】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
なお、蛍光体層21の構成は上記の構成に限定されない。
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrEuMg1−zMnAl1017]又は[Ba1−x−ySrEuMg2−zMnAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
【0121】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMgAl1627:Eu2+]、[BaMgAl1017:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)MgAl1627:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al1119:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl1119:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrEuMg1−zMnAl1017]又は[Ba1−x−ySrEuMg2−zMnAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦z≦0.5であることが好ましい。
【0122】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMgAl1627:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)MgAl1627:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[YS:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層105に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0123】
ここで、「313(nm)の紫外線を吸収する」とは、254(nm)付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100(%)としたときに、313(nm)の励起波長スペクトルの強度が80(%)以上のものと定義する。すなわち、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体とは、313(nm)の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0124】
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0125】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0126】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(POCl:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0127】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0128】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0129】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
【0130】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0131】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95(%)となり、例1及び2に比べて輝度を10(%)向上させることができる。
【0132】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明により、液晶表示装置等のバックライトの大型化の要請に応えることができると共に、個々の低圧放電ランプと筐体側のソケットとの接続点を減らすことができるので、生産性を向上させることができ、その産業上の利用可能性は非常に広く、且つ大きい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施の形態1に係る液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施の形態1におけるバックライトユニットの要部斜視図である。
【図3】実施の形態1における冷陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図4】実施の形態2における熱陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図5】実施の形態3における冷陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図6】実施の形態4における熱陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図7】実施の形態5におけるバックライトユニットの要部斜視図である。
【図8】実施の形態6におけるバックライトユニットの要部斜視図である。
【図9】ガラスバルブにおいて蛍光体膜が形成された領域を示す模式図である。
【図10】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す概略工程図である。
【図11】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す概略工程図である。
【図12】(a)は、ランプフィーダを示す概略模式図であり、(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す概略工程図であり、(c)は、ランプの筐体内への設置工程を示す概略工程図である。
【図13】(a)は、変形例1における識別用のマークが印刷されたガラスバルブを示す要部模式図であり、(b)は、(a)のC−C線における断面を示す概略断面図である。
【図14】変形例2に係るガラスバルブを示す概略模式図である。
【図15】変形例3に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0135】
5,105,205 バックライトユニット
7,73,107 冷陰極蛍光ランプ
9,109,209 筐体
11,111,112 内面
11a 底壁
12 拡散板
13 拡散シート
14 レンズシート
16 前面パネル
15,15a,15b,15c,15d,
15e,115,151,152,153,154 バルブ
17,17a,19,171,172,
173,174,191,192,193,194 電極
21,22,21c,21d,21e,211,212,213,214 蛍光体膜
25,25a,25c,25d,25e,27,27c,
27d,27e,251,271,252,272,253,
273,254,274,255,275,256,276 導入線
25A,27A,25cA,251dA,
25eA,27cA,271dA,27eA 内部リード線
25B,27B,25cB,251dB,
25eB,27cB,271dB,27eB 外部リード線
31,311,312,313,314,315,316 給排気管
32,33,321,322,331,332,
323,333,324,334,325,326 封止部
34,36 境界部
37,38 電極ユニット
45 光学的センサ
46 ガラス管
47 ブラシ
48,50,56、58 バーナー
54 水銀ペレット
57 加熱炉
60 ランプフィーダー
64a,64b センサ
66 台座
66a 溝
67 ソケット
67a,67b 挟持板
67c 連結片
67d 接続板
70a,70b,70c、75,76 マーク
71,74,207 熱陰極蛍光ランプ
72,721,722 口金
721a,721b,723a,723b 導電部
721c,723c 絶縁部
67,84,184,284 ソケット
231,233 フィラメント
291,292 ステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部が圧潰された円筒状のバルブを有し、
少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能する導入線と、外方端部が封止された給排気管とが挿通され、
前記導入線と電気的に接続された口金は、前記圧潰端部以外のバルブの部分あるいは前記給排気管に取着されている低圧放電ランプ。
【請求項2】
前記口金は、スリーブ状であって、前記バルブのうち前記圧潰端部以外の未圧潰部分に取着されていることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項3】
前記給排気管は前記圧潰端部からバルブ外方に向けて延出されており、前記口金は当該延出部に取着されていることを特徴とする請求項1に記載の低圧放電ランプ。
【請求項4】
前記給排気管のバルブ外側の先端はチップオフされており、前記口金は、スリーブ状であって、前記延出部のうちチップオフされた当該先端を避けてそれ以外の部分に取着されていることを特徴とする請求項3に記載の低圧放電ランプ。
【請求項5】
前記口金は、そのバルブ側端が前記圧潰端部から離間した状態で取着されていることを特徴とする請求項3または4に記載の低圧放電ランプ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の低圧放電ランプを備えた照明装置。
【請求項7】
両端部が圧潰された円筒状のバルブを有し、少なくとも一方の当該圧潰端部には、内部電極への電力供給路として機能する導入線と、外方端部が封止された給排気管とが挿通されている低圧放電ランプが備えられ、
筐体側に設けられかつ前記導入線のうちバルブ外側の部分と電気的に接続された電気接点が、前記バルブのうち前記圧潰端部以外の部分あるいは前記給排気管に接続されている照明装置。
【請求項8】
前記電気接点は、スリーブ状であって、前記バルブのうち前記圧潰端部以外の未圧潰部分に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記給排気管が前記圧潰端部からバルブ外方に向けて延出されており、前記電気接点は当該延出部に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項10】
前記給排気管のバルブ外側の先端はチップオフされており、前記電気接点は、スリーブ状であって、前記延出部のうちチップオフされた当該先端以外の部分に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記電気接点は、そのバルブ側端が前記圧潰端部から離間した状態で接続されていることを特徴とする請求項9または10に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−130342(P2008−130342A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313619(P2006−313619)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】