説明

体液の電気化学的分析方法及び装置

【課題】煩雑な前処理が不要であり、作用電極周囲のアスコルビン酸を選択的に不活性化することができる体液の電気化学的分析方法及び装置を提供する。
【解決手段】金属銅2,8に前記体液を接触させて、正の電圧を印加し、当該金属銅2,8から2価の銅イオンを溶出させて、当該銅イオンにより前記体液中のアスコルビン酸を酸化する工程と、作用電極2と対電極3とに前記体液を接触させて、正の電圧を印加し、当該電圧下において前記作用電極2と前記対電極3との間に発生した電流値を測定する工程と、を備えているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、妨害物質としてアスコルビン酸が共存する体液中の目的物質の濃度を電気化学的に測定する方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
痛風は、高尿酸血症を原因とし、関節炎を引き起こす疾患であり、激しい痛みを特徴とする。痛風は生活習慣病の一つであり、血中の尿酸濃度を管理することにより、発症や病状の進行を防ぐことが可能である。
【0003】
このため、尿酸の血中濃度を正確に把握することが重要である。しかし、血中にはアスコルビン酸が共存しており、アスコルビン酸と尿酸とは近接した電位で電気化学的に酸化されるため、尿酸濃度を電気化学的に測定する場合、アスコルビン酸に起因する電流値も同時に測定される。
【0004】
特許文献1には電気化学的に尿酸の測定を行う方法が記載されており、当該方法では、2価の銅イオンを持つイオン交換体を用いて、測定試料からアスコルビン酸を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭61−210938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法を用いて尿酸を検出するには、予め測定試料をイオン交換体を通過させる前処理が必要である。
【0007】
そこで本発明は、煩雑な前処理が不要であり、作用電極周囲のアスコルビン酸を選択的に不活性化することができる体液の電気化学的分析方法及び装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る体液の電気化学的分析方法は、アスコルビン酸を含有する体液中の目的物質の濃度を、電気化学的に測定する方法であって、金属銅に前記体液を接触させて、正の電圧を印加し、当該金属銅から2価の銅イオンを溶出させて、当該銅イオンにより前記体液中のアスコルビン酸を酸化する工程と、作用電極と対電極とに前記体液を接触させて、正の電圧を印加し、当該電圧下において前記作用電極と前記対電極との間に発生した電流値を測定する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記体液としては、例えば、血液(全血、血漿、血清)、尿等が挙げられる。また、前記目的物質としては、例えば、尿酸、ヒポキサンチン、キサンチン、テオフィリン等が挙げられる。
【0010】
また、2価の銅イオンを溶出させるために金属銅に印加する正電圧は、0.5V以下であることが好ましい。
【0011】
このようなものであれば、前記作用電極に近接して設けた金属銅に正の電圧を印加し、当該金属銅から2価の銅イオンを溶出させることにより、作用電極周囲に局所的に2価の銅イオンを溶出させて、作用電極周囲の体液中のアスコルビン酸を選択的に酸化し、電気化学的に不活性化(デヒドロアスコルビン酸)することができるので、引き続いて行われる電気化学的測定においては目的物質のみを選択的に検出することができる。このため、イオン交換体等を用いた前処理は不要であり、アスコルビン酸の不活性化から目的物質の濃度測定までの一連の工程を、全て電気化学的に処理することができる。また、試料溶液である体液中に2価の銅イオンを含む塩を添加しても、当該銅イオンは体液中に拡散してしまい、作用電極周囲のアスコルビン酸を選択的に不活性化させることは困難であるが、本発明によれば、作用電極周囲のアスコルビン酸を確実に酸化し不活性化することができる。
【0012】
このような本発明に係る方法を実施するための電気化学的分析装置としては、例えば、次のようなものが挙げられる。即ち、本装置は、アスコルビン酸を含有する体液中の目的物質の濃度を、電気化学的に測定するための装置であって、作用電極と、前記作用電極に近接して設けられ、前記体液中のアスコルビン酸を酸化するための2価の銅イオンの供給源である金属銅と、対電極と、前記作用電極、前記金属銅及び前記対電極を内蔵するセルと、を備えていることを特徴とする。このようなものであれば、イオン交換体を充填したカラム等は不要であるので、簡便な装置構成とすることができる。このような電気化学的分析装置もまた、本発明の一つである。
【0013】
本発明に係る電気化学的分析装置は、更に、前記金属銅から2価の銅イオンを溶出させるために前記金属銅に対して正の電圧を印加し、次いで、前記作用電極に正方向に電圧を印加する電圧印加手段と、当該電圧下において前記作用電極と前記対電極との間に発生した電流値を測定する電流値測定手段と、得られた電流値から前記目的物質の濃度を算出する情報処理装置と、を備えていてもよい。しかしながら、これらの手段や装置は、本発明に係る電気化学的分析装置を構成する機器に含まれずに、本発明に係る電気化学的分析装置に外部装置として接続されて、用いられてもよい。
【0014】
前記金属銅は、前記作用電極に近接して設けてあれば、その形態としては特に限定されず、例えば、前記作用電極の表面に施された銅めっきや、カーボンペーストからなる基体の表面に銅の粉末を圧入した後、これを硬化させることにより得られる作用電極の表面に分散した銅、作用電極とは別個独立して設けられた銅電極等が挙げられるが、これらのなかでも、例えば、前記作用電極の表面に銅めっきが施してある等のような、前記作用電極が、前記金属銅を含有している態様が好ましい。このようなものであれば、製造が容易であり、また、用いる電極の数が少なくて済み、装置構造を単純化、小型化することができるので、例えば、本発明に係る電気化学的分析装置をチップ化し使い捨てとすることも可能であり、より簡便な測定を行いうる。
【0015】
前記作用電極としては、尿酸等の目的物質の測定感度に優れることより、カーボン電極が好適に用いられる。なお、前記作用電極として、カーボン電極に代えて、導電性ダイヤモンド電極を用いることもできる。
【0016】
前記導電性ダイヤモンド電極としては、例えば、ホウ素、窒素、リン等がドープされているもの等が挙げられる。なかでも高濃度でホウ素がドープされたボロンドープダイヤモンド電極は、電位窓が広く(酸化電位及び還元電位が広い)、また、他の電極材料と比較してバックグラウンド電流が低く、更に、化学的耐性、耐久性、電気伝導度、耐腐食性等にも優れるといった利点を有している。
【0017】
なお、上述した本発明では、アスコルビン酸を酸化して電気化学的に不活性化するために銅が用いられているが、銅に代えて、鉄錯体(フェリシアン化カリウム等のフェロセン等)、コバルト錯体(フェナントロリンのコバルト錯体等)、銀等を用いても、同様にアスコルビン酸を酸化して電気化学的に不活性化することができる。これらの銅代替物を用いた態様もまた、本発明の一つである。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、作用電極周囲に局所的に2価の銅イオンを溶出させて、作用電極周囲の体液中のアスコルビン酸を選択的に酸化して、電気化学的に不活性化することができる。このため、イオン交換体等を用いた前処理は不要であり、アスコルビン酸の不活性化から目的物質の濃度測定までの一連の工程を、全て電気化学的に処理することができる。また、測定試料である体液中に直接2価の銅イオンを添加しても、当該銅イオンは体液中に拡散してしまい、作用電極周囲のアスコルビン酸を選択的に不活性化させることは困難であるが、本発明によれば、作用電極周囲のアスコルビン酸を確実に酸化し不活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気化学的分析装置の機器構成を示す概要図である。
【図2】尿酸とアスコルビン酸とを含有するリン酸緩衝液を試料溶液とするLSV測定の結果を示すボルタモグラムである。
【図3】同実施形態に係る電気化学的分析装置の具体例を示す斜視図である。
【図4】他の実施形態に係る電気化学的分析装置の具体例を示す斜視図である。
【図5】他の実施形態に係る電気化学的分析装置の具体例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
本実施形態に係る電気化学的分析装置1は、図1にその機器構成を示すように、作用電極2、対電極3及び参照電極4と、これら3本の電極が内蔵された測定セル5と、を備えており、作用電極2、対電極3及び参照電極4は、ポテンショガルバノスタット6(電圧印加手段及び電流値測定手段に相当)に接続され、更にポテンショガルバノスタット6には情報処理装置7が接続されている。
【0022】
以下に各部を説明する。作用電極2は、導電性ダイヤモンド電極やカーボン電極からなる電極本体の表面に銅めっきが施されてなるものである。このような銅めっきは、2価の銅イオンを含有する溶液中に電極本体を浸漬させた状態で、当該電極本体に負の電圧を印加することにより前記銅イオンを電解還元して、前記電極本体表面に銅を析出させることによる。
【0023】
対電極3は電解電流を補償するものであり、例えば、カーボン、白金、炭素、ステンレス、金、SnO等からなる電極を用いることができる。
【0024】
参照電極4としては公知のものを利用することができ、例えば、銀/塩化銀電極、カロメル電極、標準水素電極、水素パラジウム電極等を用いることができる。
【0025】
測定セル5は、その内部に試料溶液Sを貯留し、当該試料溶液Sが作用電極2、対電極3及び参照電極4と接触できるよう構成されているものである。
【0026】
試料溶液Sとしては、例えば、血液(全血、血漿、血清)、尿等の体液が挙げられる。そして、前記目的物質としては、例えば、尿酸、ヒポキサンチン、キサンチン、テオフィリン等のアスコルビン酸と電気化学的性質が類似しており、電気化学的測定においてアスコルビン酸が妨害物質となるものが挙げられる。
【0027】
ポテンショガルバノスタット6は、ポテンショスタット(電位制御)とガルバノスタット(電流制御)・エレクトロメータ(電位計測)の機能を備えているものであり、作用電極2の電位を制御することによって発生した電流を検出し、その検出信号を情報処理装置7に伝達するものである。ポテンショガルバノスタット6は、電位を一定に保つ機能に加えて、電位を一定速度で走査したり、指定した電位に一定時間ごとにステップしたりする機能も有する。これらの機能は、1台に搭載する必要はなく、例えば電位保持機能と電位走査機能が別体に設けてあってもよい。
【0028】
情報処理装置7は、CPUや、メモリ、入出力チャンネル、キーボード等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、A/D変換器、D/A変換器等を備えた汎用乃至専用のものであり、前記CPU及びその周辺機器が、前記メモリの所定領域に格納されたプログラムに従って協働動作することにより、ポテンショガルバノスタット6で検出された信号が解析され、目的物質の検出、濃度測定が行われる。なお、情報処理装置7は、物理的に一体である必要はなく、有線又は無線により複数の機器に分割されていてもよい。
【0029】
次に、このように構成した電気化学的分析装置1を用いて、尿酸及びアスコルビン酸を含有する試料溶液S中の尿酸濃度を測定する方法について説明する。
【0030】
測定セル5に試料溶液Sを注入して、作用電極2に正の電圧を印加し、銅めっきを電解酸化して2価の銅イオンを溶出させる。これにより、作用電極2近傍に局所的に2価の銅イオンが溶出され、当該銅イオンにより作用電極2周囲の試料溶液S中のアスコルビン酸が酸化される。なお、銅めっきを電解酸化して2価の銅イオンを溶出させるために作用電極2に印加する正電圧は、0.5V以下であることが好ましい。
【0031】
作用電極2から銅イオンを溶出させた後直ちに、作用電極2に正の電圧を印加することにより、尿酸が作用電極2上で酸化され、作用電極2と対電極3との間に、この酸化反応に伴う電流が発生する。この電流値(電気信号)はポテンショガルバノスタット6に伝達され、各電極における信号の制御・検出が行われる。ポテンショガルバノスタット6で検出された信号は情報処理装置7に送信され、予め作成された尿酸の濃度と電流値との検量線と、得られた電流値とが対比されて、試料溶液S中の尿酸濃度が算出される。
【0032】
図2は、尿酸(UA)とアスコルビン酸(AA)とを含有するリン酸緩衝液を試料溶液Sとし、作用電極2として銅めっきを施したカーボン電極を用いて、作用電極2に500mVの電圧を5秒間印加して、銅めっきから2価の銅イオンを溶出させた後、リニアスイープボルタメトリー(LSV)測定を行った結果を示したボルタモグラムである。なお、各条件は以下のとおりである。
【0033】
作用電極;カーボンシート(5mm×5mm)に−300mVの電圧を1分間印加して表面に銅めっきを施してなるカーボン電極
参照電極;Ag/AgCl(銀/塩化銀)
対電極;Pt(白金)
掃引条件;50mV/secで0mVから900mVまで掃引
【0034】
図2に示すとおり、アスコルビン酸共存下でも、尿酸濃度に依存した電流値が得られた。また、尿酸濃度を一定にしてアスコルビン酸濃度を変えても、電流値は変わらなかった。
【0035】
本実施形態に係る電気化学的分析装置1の具体例としては、血液(血漿)を試料溶液Sとする使い捨て可能なチップ状のものとして、例えば、図3に示すようなものが挙げられる。即ち、本電気化学的分析装置1は、いずれもポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる基礎部11と蓋部12とから構成されている。基礎部11には縦断面1〜4μm(幅)×1μm以上(高さ)の長尺な流路13が形成されており、当該流路13の内面には酸素プラズマにより親水化処理が施されている。また、蓋部12の流路13と対向する面にも親水化処理が施されており、これにより流路13は、毛細管現象により、試料滴下部14に滴下された血液から血漿のみを吸引することができる。本電気化学的分析装置1では当該流路13が測定セル5として機能する。蓋部12には、作用電極2、対電極3及び参照電極4が、流路13内に流れ込んだ血漿と接触可能なように埋め込まれている。作用電極2及び対電極3としてはカーボン電極が用いられ、更に作用電極2の表面には銅めっきが施されている。一方、参照電極4としては、銀/塩化銀電極が用いられている。そして、各電極には図示しないポテンショガルバノスタット6等が接続される。なお、本電気化学的分析装置1では、ポテンショガルバノスタット6や情報処理装置7は外部装置として用いられる。
【0036】
この電気化学的分析装置1を用いて血液中の尿酸濃度を測定するには、まず、試料滴下部14に血液を1滴滴下する。すると、血漿のみが流路13内に吸い込まれる。そして、上述のとおり、2価の銅イオンの溶出及びそれに続く電気化学的測定を行うことにより、血液中の尿酸濃度を測定することができる。
【0037】
したがって、このように構成した本実施形態に係る電気化学的分析装置・方法によれば、作用電極2に正の電圧を印加し、電極表面に施された銅めっきから2価の銅イオンを溶出させることにより、作用電極2周囲に局所的に2価の銅イオンを溶出させて、作用電極2周囲の体液中のアスコルビン酸を選択的に酸化し、電気化学的に不活性化(デヒドロアスコルビン酸)することができるので、引き続いて行われる電気化学的測定においては目的物質のみを選択的に検出することができる。このため、イオン交換体等を用いた前処理は不要であり、アスコルビン酸の不活性化から目的物質の濃度測定までの一連の工程を、全て電気化学的に処理することができる。
【0038】
また、試料溶液S中に直接2価の銅イオンを添加しても、当該銅イオンは試料溶液S中に拡散してしまい、作用電極2周囲のアスコルビン酸を選択的に不活性化することは困難であるが、本実施形態によれば、作用電極2周囲のアスコルビン酸を確実に酸化し不活性化することができる。
【0039】
また、金属銅を作用電極2表面上に形成した銅めっきとして備えることにより、別途銅電極を設ける必要がないので、電極の数が少なくて済み、装置構成を簡素にすることができ、電気化学的分析装置1をチップ化し使い捨てとすることも可能である。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0041】
本発明における作用電極は、電極表面に銅めっきが施されたものに限られず、例えば、カーボンペーストからなる基体の表面に銅の粉末を圧入した後、これを硬化させて作用電極を形成してもよい。また、作用電極には銅を含めずに、作用電極に近接して別途銅電極を設けてもよい。
【0042】
また、前記実施形態に係る電気化学的分析装置1は、作用電極2、対電極3及び参照電極4が備わった三電極法による測定を行うものであるが、本発明に係る電気化学的分析装置1としては、作用電極2及び対電極3のみを備えた二電極法によるものであってもよい。三電極法の方が、作用電極2と対電極3との間に印加する電位の絶対値を制御することができるので、精度及び感度の高い測定を行うことが可能であるが、二電極法によれば、用いる電極が作用電極2及び対電極3の2電極ですむので、電気化学的分析装置1の構造をより簡素化、小型化することができる。
【0043】
図3に示すようなチップ化した電気化学的分析装置1において、金属銅を作用電極2とは別個に独立して設ける場合は、例えば、図4に示すように、作用電極2と長尺方向に平行に銅電極8を設けてもよいが、図5に示すように、血漿の流れに対して作用電極2より上流側に銅電極8を設けてもよい。
【0044】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
1・・・電気化学的分析装置
2・・・作用電極
3・・・対電極
4・・・参照電極
5・・・測定セル
6・・・ポテンショガルバノスタット
7・・・情報処理装置
S・・・試料溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスコルビン酸を含有する体液中の目的物質の濃度を、電気化学的に測定する方法であって、
金属銅に前記体液を接触させて、正の電圧を印加し、当該金属銅から2価の銅イオンを溶出させて、当該銅イオンにより前記体液中のアスコルビン酸を酸化する工程と、
作用電極と対電極とに前記体液を接触させて、正の電圧を印加し、当該電圧下において前記作用電極と前記対電極との間に発生した電流値を測定する工程と、を備えていることを特徴とする体液の電気化学的分析方法。
【請求項2】
アスコルビン酸を含有する体液中の目的物質の濃度を、電気化学的に測定するための装置であって、
作用電極と、
前記作用電極に近接して設けられ、前記体液中のアスコルビン酸を酸化するための2価の銅イオンの供給源である金属銅と、
対電極と、
前記作用電極、前記金属銅及び前記対電極を内蔵するセルと、を備えていることを特徴とする体液の電気化学的分析装置。
【請求項3】
前記金属銅から2価の銅イオンを溶出させるために前記金属銅に対して正の電圧を印加し、次いで、前記作用電極に正方向に電圧を印加する電圧印加手段と、
当該電圧下において前記作用電極と前記対電極との間に発生した電流値を測定する電流値測定手段と、
得られた電流値から前記目的物質の濃度を算出する情報処理装置と、を備えている請求項2記載の体液の電気化学的分析装置。
【請求項4】
前記作用電極が、前記金属銅を含有している請求項2又は3記載の体液の電気化学的分析装置。
【請求項5】
前記作用電極が、カーボン電極である請求項2、3又は4記載の体液の電気化学的分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−95152(P2011−95152A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250472(P2009−250472)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、文部科学省、地域科学技術事業委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)