使い捨て試験装置と検体量測定/混合方法
【課題】使い捨て試験装置と検体量測定/混合方法
【解決手段】検体試験装置は、既知量の検体と残りの検体との間に流体を導入することにより、既知量の検体を残りの検体から分離するボリュームチャンバを有し、ここで流体の導入は、開成状態と閉成状態とを有する流体入口を通じて果たされる。装置はさらに、ボリュームチャンバに接続され且つ検体を混合するように適合された混合チャンバと、混合チャンバに接続され且つ検体に対し試験を行うように適合された試験チャンバと、開成状態と閉成状態とを有する通気口とを含む、通路を備える。流体入口と通気口とが開成状態にあるときには、流体入口の中への加圧流体の導入によって、ボリュームチャンバから1つ以上の混合チャンバの中へ、そして次に試験チャンバの中へ、検体が推進される。
【解決手段】検体試験装置は、既知量の検体と残りの検体との間に流体を導入することにより、既知量の検体を残りの検体から分離するボリュームチャンバを有し、ここで流体の導入は、開成状態と閉成状態とを有する流体入口を通じて果たされる。装置はさらに、ボリュームチャンバに接続され且つ検体を混合するように適合された混合チャンバと、混合チャンバに接続され且つ検体に対し試験を行うように適合された試験チャンバと、開成状態と閉成状態とを有する通気口とを含む、通路を備える。流体入口と通気口とが開成状態にあるときには、流体入口の中への加圧流体の導入によって、ボリュームチャンバから1つ以上の混合チャンバの中へ、そして次に試験チャンバの中へ、検体が推進される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、生体外試験キットにおけるマイクロボリュームである。
【背景技術】
【0002】
分析/診断試験市場は、迅速で、安価で、使い捨てのマイクロボリューム装置及び試験方法を求めている。臨床、製薬、及び生物工学試験所は迅速なマイクロボリューム試験方法を採用しつつある。これらのタイプの試験は一般的に「ラボ・オン・チップ」又は「ポイント・オブ・ケア」(POC)試験と呼ばれている。
【0003】
これらの迅速な生体外マイクロボリューム診断試験は、試験試料として全血、尿、唾液、その他未加工体液を使用する試験方法に基づく。試験は、必要な試薬を収容する使い捨て装置として一括される。試料は、ウィッキング膜(側方流動)、毛管作用、真空又は空気圧によって、試験カートリッジの中で輸送できる。試験結果は、視覚的に、又は小型計器を用いて、判断できる。これらの装置の繰り返し、分類、及び複雑さは様々である。
【0004】
既存の迅速な臨床診断試験方法の欠点は、コスト、低劣な検体品質、不適切な検体量、不正確な検体/試薬混合、血清、血漿検体、その他体液で行われる標準試験所試験との低劣な相関である。これらの状況は、検体の多様性と妨害物質とによってしばしば生じる。しかし、市場は即座の医学上の判断、又はその他の判断を支持する迅速な試験結果を求めており、さらに許容できる又は実証済みの代替技術又は製品が現存しないため、これらの方法が採用されてきた。
【0005】
いかなる試験においても、成果にとって肝心なのは正確さと精度である。正確で精密な試験又は分析の要因には次のものがある。
【0006】
1.許容できる検体品質は試験方法次第である。細胞の、マトリックス、化学的、又はその他の干渉は、一定の限界値を下回らなければならない。活性検体の量は細胞の濃度と状態とによって左右され、これは患者の生理的状態に応じて総量の10〜75パーセントと大きく異なる。
【0007】
2.精密な検体及び試薬量。
【0008】
3.化学量論的分析のための制御された動的(カオス的)混合による効果的な検体/試薬混合(定比例の法則)。乾燥した試薬は、特に生体物質は、容器の壁に付着する。試薬は、有効となるためには、検体溶液の中に完全に吸収され均一になるまで混合されなければならない。
【0009】
4.試験方法によって定められる環境制御、培養時間及び温度の厳密な制御、又はその他の条件。
【0010】
現在の方法の一例に、全血試料と試薬/検体混合方法とを用いるインターナショナルテクニダイン社(International Technidyne Corporation)の製品がある。これらの特許は、米国特許第6,451,610号、米国特許第5,731,212号、及び米国特許第5,372,946号を含む。これらの装置における全血検体は連続流である。検体は乾燥試薬を収容するチャンバの中へ移され、穴を通じて同チャンバを出入りし、これが検体と試薬との混合を引き起こす。この方法には以下の短所がある。つまり、検体と試薬との比(量)は正確に制御されないこと、検体は連続流であって試薬はこれを拡散できること、全量を通じて、試薬にまたがる検体の流れは層状であり、それ故混合は乱流カオス的でない、又は一貫性がないこと、そして反応は部分的にのみ制御され、試験の正確さ、精度、及び再現性を制限すること、である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明による機器及び方法は、迅速で、正確で、信頼できるマイクロボリューム試験を提供する簡素な使い捨て装置にて、コア試験所分析器試験方法の制御、精密さ、及び正確さを提供する。これらの試験は即座に信頼できる情報をもたらし、特別な技能やオペレータの訓練の必要性を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
検体試験装置は、既知量の検体と残りの検体との間に流体を導入することにより、既知量の検体を残りの検体から分離するボリュームチャンバを備え、ここで流体の導入は開成状態と閉成状態とを有する流体入口を通じて果たされる。装置はさらに、ボリュームチャンバに接続され且つ検体を混合するように適合された混合チャンバと、混合チャンバに接続され且つ検体で試験を遂行するように適合された試験チャンバと、開成状態と閉成状態とを有する通気口とを含む、通路を備える。流体入口と通気口とが開成状態にあるときには、流体入口の中への加圧流体の導入により、検体はボリュームチャンバから1つ以上の混合チャンバの中へ、そして次に試験チャンバの中へ推進される。
【0013】
前述の要旨、ならびに本発明の好ましい実施形態の以降の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。本発明を例解する目的で、現時点で好ましい実施形態が図面に提示されている。ただし、提示された正確な配置及び手段に本発明が限定されないことは理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(序文)
本発明は従来技術のサンプリング装置に優るいくつかの利点を有する。
【0015】
1.検体量測定
分析のための検体量は精密に測定される。測定された検体はその後、装置を通じて試薬チャンバへ、そして次に試験チャンバへ、個別に移される。これは、正確で再現可能な検体/試薬濃度又は比の制御を提供する。検体/試薬比のばらつきは反応又は分析に影響する。わずか5%の量のばらつきが試験結果を著しく変化させる。
【0016】
2.検体/試薬混合
乾燥試薬を通じて検体を流すことによって生じる静的混合は、2通りの方法によって向上させることができる。使用する方法は、検体によって混合、溶解、又は再水和される材料に応じて、そして完全な試薬混合を保証するため混合をいかに激しくするかに応じて、決まる。これらの2つの方法はダイレクト混合とダイバータ混合である。
【0017】
ダイレクト混合では、円柱、ボール、その他の形状の磁気部品が試薬チャンバに置かれる。検体がチャンバの中へ移されると、磁石は、チャンバの一端から他端にかけて移され、且つ1回以上戻される。この運動は、移動磁石又はインダクタによって生じる電磁場によって駆動される。この運動は、内部チャンバ壁に沿って磁石の周囲に検体を流し、より高い流量及び剪断比を引き起こしながら、壁に付着した試薬を壁から検体の中へ「洗い落とす」。磁石の形状は、これが材料に与える混合力を左右する。磁石運動の力、運動の頻度、そして混合の持続時間はどれも個別に精密に制御され、試薬又は試験方法ごとにプログラムできる。
【0018】
ダイバータ混合では、1つ以上の分流器とフルボリューム通路とを備える混合チャンバにより、試薬を通り過ぎた検体は分割され、共に戻され、さらにその過程で乱流によって混合される。完全な溶解と混合のため、混合物は必要に応じ混合チャンバを通じて数回にわたり戻されてよい。分流器の形状は、これが材料に与える混合力を左右する。円形の分流器が好適であるが、他方、長円形、長方形、その他の形状等、他の形状もまた有効である。流体運動の力、運動の頻度、そして混合の持続時間は、どれも個別に精密に制御され、試薬又は試験方法ごとにプログラムできる。
【0019】
3.ルーチンアッセイ方法
試験方法は、臨床その他試験所のルーチンアッセイで使われているものと同じであってよい。これは、結果の直接的相関と、首尾一貫した患者の診断/管理を提供する。現在の試料としての全血の使用は、標準の試験所試験方法へ相関させるため数学的に操作された結果をもたらす。ポイント・オブ・ケア(POC)試験の結果はこれが行われる場所では有用であるが、試験が中央試験所へ移され試験方法が変わると、患者結果履歴は、結果の相違のため、しばしば破棄される。様々な結果の意味を理解するためPOC試験の利用者を教育する必要もあり、それらの結果は正常な、又は予期された範囲に該当しないことがあり、結果に対する判断を誤るおそれがある。この閉ざされたアッセイシステムは、試験結果に支障をきたすかもしれないあらゆるオペレータの影響を解消し、さらにバイオハザード露出を最小限に抑える。
【0020】
4.試験装置の中に内包された試薬
多くの試薬は、ひとたび還元された後、使用できる時間に限りがある。この限りある安定性は、時間の経過にともない低劣な、ぎりぎりの、又は変わりやすい結果をもたらし、あるいは、所定の時間が過ぎた試薬は取り除き処分しなければならないため、試薬廃物をもたらす。本装置は試薬を物理的に内包するから、試薬を準備する必要性を、すなわち還元と装置への装填を、解消する。
【0021】
試薬を装置の中に取り込むこと、そして装置の中で検体を処理し測定することのもうひとつの結果として、機械装置と、精密ポンプと、洗浄又は清浄溶液とを要する、ロボット流体処理システムは解消される。これは分析器のコストと複雑さ、洗浄溶液のコスト、そして廃物処理のコストと危険を大幅に抑える。
【0022】
5.検体品質を監視する
従来技術においては、低劣な検体品質又は不正確な量、そして試験結果に影響する試薬又は混合の問題のための測定手段が全くない。対照的に本発明の方法では、検体がボリュームチャンバの中にあるときに色又は濁度によって検体品質を測定でき、さらに検体/試薬混合物の光透過は混合物が反応チャンバの中に入るときに測定される。これらの測定値は、その試験タイプのための所定の光透過レベルに比較される。このレベルには、警告段階や中断段階等、多数の段階があってよい。測定値があらかじめ設定された範囲の限度を超える場合には、試験は問題ありと識別され、調査が始まり、その結果報告の誤りは最小限に抑えられる。
【0023】
6.精密濾過検体準備
米国特許第6,398,956号で説明されているとおり、精密濾過検体分離法は、血漿、血清、又はその他の流体を産出し、通常の遠心分離工程と関係する人為的誤りとを解消し、試験工程を大いに簡素化し、結果を得るための所要時間を10倍以上に短縮する。全血方法の代わりに血漿又は血清検体試験方法を用いることにより、全血における細胞物質からの干渉は解消され、一般に認められた臨床試験所試験方法の使用が可能となる。全血の細胞成分は、伝統的な試験所方法である光学的及び比色試験方法の使用を妨げる。細胞成分はまた、余分な変数をアッセイに加える。迅速な試験結果は、首尾一貫した患者診断/管理につながる主試験所結果への直接的相関を提供する。この設計は、遠心分離等、他の方法で検体が準備される場合に同様に機能するであろう。
【0024】
(実施形態の説明)
以降の説明ではもっぱら便宜上特定の用語が使われており、限定するものではない。用語「右」、「左」、「下位」、及び「上位」は、参照がなされる図面における方向を示す。用語「内側に」及び「外側に」は、本発明による使い捨て試験装置とこれの指定部分の幾何学的中心にそれぞれ向かう、そして遠ざかる方向を指す。用語は、上で指摘した語、ならびにこれらの派生語、そして類似する意味の語を含む。
【0025】
図1を参照すると、単一使い捨てユニット10の形をとる、本発明による装置の好ましい実施形態が示されている。検体準備装置10、即ち検体準備濾過装置は、測定領域、即ちボリュームチャンバ12と、混合チャンバ、即ち区域16に位置する試薬14と、分析部(試験チャンバ)18とを備える。測定領域、即ちボリュームチャンバ12は、試験のため正確な量の検体を分離するために使用される。試薬14は好ましくは、乾燥、凍結乾燥、又は液状であり、必要に応じて1つ以上である。混合チャンバ16では、上で述べた受動的又は動的混合方法を用いて検体と試薬とが混合される。最後に、分析測定領域18は図8及び図9に示されており、泡又は固体を分析区域(光路)から遠ざけるため凸状中心(光路から隆起した外側上端)を有する。分析部18は、泡をどかし、且つ光透過に対するあらゆる表面効果をなくすため、試験液体中に浸漬される光路形成部を収容する。
【0026】
使用の簡便を図るため、装置は、刻み目、穴、バーコード、有色エリア、又は筆跡等、試験タイプを識別する識別造作(図示せず)を有してよい。
【0027】
好ましい実施形態においては図4及び図5に示すとおり、検体準備装置がダイレクト検体試薬セルアセンブリ65の中に内蔵され、同ダイレクト検体試薬セルアセンブリは、検体を、例えば血清を精密濾過工程を通じて全血から濾過し、次にこれに一体化された検体準備装置10の測定チャンバ12へ血清を直に送る。ダイレクト検体試薬セルアセンブリ65は、ベース72の中に内蔵された検体準備装置10と底部カバー74とを含む。ベース72には、好ましくは1つの部品に一体化された、貫通スパイク76と血液検体貯蔵槽78とが取り付けられ、血液検体貯蔵槽と測定チャンバ12を形成するベース72の通路との間には精密濾過膜80が位置する。米国特許第6,398,956号で説明されているとおり、貫通スパイク76は試料管(図示せず)を貫通するように適合されており、次に貯蔵槽78が試料管から流路を通じて全血を受け取り、同米国特許第6,398,956号は、あたかもここで全面的に説明されたかのごとく、その全文が参照してここに組み込まれる。米国特許第6,398,956号で説明されているとおり、膜80は、細胞を上にとどめ、且つ血漿又は血清をベースの回収格子へ通過させる微孔質膜である。ベース72は好ましくは、片側に血漿回収格子を、そして反対側に血漿導管と試薬混合チャンバと試験チャンバとを収容する、プラスチック部品である。カバーシート74は好ましくは、血漿導管を閉ざすベースの底部に接着されたプラスチックフィルム部品である。
【0028】
図2に示すとおり、装置10’の代替の実施形態によると、数本の隣接する通路28が別々の混合チャンバ16を接続する。これらの複数の混合チャンバ16は、複数の試験を同時に実行するため、又は数通りの試験のうち1つを選択するため、異なる試薬の提供を可能にする。代わりに、複数の同じ試験を同時に実行できる。3本の個別試験通路が示されているが、必要に応じ、これより多い、又は少ない通路を設けることもできる。
【0029】
図3は、複数の混合チャンバ16、16’を同じ通路28沿いに設け、且つまた複数の通路28に複数の混合チャンバ16、16’を設ける、装置10”のもうひとつの代替実施形態を示す。これにより、特定の種類の試験において必要に応じ、異なる試薬を含む検体の段階的混合を可能にする。ここでも、試験通路28の数、ならびに混合チャンバ16、16’の数は変えることができる。
【0030】
図を参照しながら、装置を使用する主な工程、すなわち(1)検体測定と(2)混合とを、これより説明する。
【0031】
(1)検体測定
分析の正確さは、許容できる検体品質、ならびに正確で再現可能な検体量を用意することにかかっている。本機器は、ボリュームチャンバ12内の検体20の容積測定を提供する。チャンバ12の中には、チャンバ22が満たされたことをボリュームセンサ24が示すまで、ある量の検体20が移される。チャンバ12沿いの定位置には空気口26に至る接続通路が設けられる。この空気口26は、検体20が通路26の中へ流れ込むのを防ぐため密閉を保つ。センサ24が検体20の存在を感知すると接続空気口通路26が開き、空気、又は低圧の融和性液体がこの通路を通じて入り、既知量の検体20を残りの検体から分離し、この既知量の検体20をチャンバ12沿いに移動させる。
【0032】
図2及び図3に示すとおり、測定された検体20を用途に応じて異なる目的地点へ向けることが可能である。
【0033】
第1に、検体は図2及び図3に示すとおり数本の隣接する通路28のうち1つの中へ向けてよい。方向は、選択された通路28の末端にて排出口29のうち1つ以上を通じて排出することにより、そして使用しない通路を密閉することによって、制御される。これは、異なる試験又は試薬14の使用又は選択を可能にし、さらに例えば図3の装置を使用することにより、ただひとつの検体で複数の試薬14の段階的混合すら可能にする。
【0034】
第2に、米国特許第6,398,956号にて説明されているとおり、そして図6に示すとおり、検体は開成ウェル30の中へ向けてよく、ここで開成ウェル30は底部から満たされ、気泡又は閉じ込めを解消する。これは、試験ウェル18の代わりに、又はこれに加えてウェル30が提供される点を除き上で述べた65に類似する、ダイレクト検体試薬セルアセンブリ65’を用いて果たされる。この方法を用いて、1つ以上のウェル30内で検体20は精密に測定され、分析のため準備される。
【0035】
第3に、図7を参照すると、検体20が別のプロセスで使用される用途においては、測定された検体20が分配チップ40、即ちオリフィスを通じて、試験キュベット、マイクロアレイ、又はマイクロプレート(図示せず)等の別の容器の中へ分配される。これは、上で述べた装置65に類似するアセンブリ65”により果たすことができる。ここで、特定の用途次第では混合チャンバ16もまた省くことができる。
【0036】
(2)混合プロセス
化学量論的反応、及び正確で、精密で、再現可能な分析にとっては、均一な混合物を得ることが肝要である。一貫性のある反応速度を開始し、且つ検体20と試薬14との間で反応を完遂するには、検体20と試薬14とを精密に測定し、完全に混合しなければならない。要求される物理的混合の量は材料の性質によって決まる。無機塩類等、一部の材料は容易く拡散して溶ける。細胞検体等、材料によっては低剪断力の穏やかな混合を要するものもある。さらにまた、完全な混合を達成するため激しい物理的作用を要する材料もある。最後に、反応は普通、時間と温度に左右されるから、多くの用途において混合は一定の期間内に、及び/又は制御された温度で、行われなければならない。
【0037】
液体が通路の中を流れるときには、層流と呼ばれるフローパターンが起こる。壁の表面によって液体にかかる抵抗、即ち摩擦のため、壁に近い液体は中心の液体より遅く流れる。通路、即ちチャンバに制限手段を用いると、ある程度の乱流が生じて混合プロセスを増強する。これの有効性は液体材料次第である。
【0038】
図10から図15に示すとおり、混合チャンバ16のくびれた片側にて、又は制限部通過中の2つの区域において、2つの乱流区域が装置にある。好ましくは混合ピン32が使用され、これはある程度の検体混合を提供する。
【0039】
フローパターンは混合物を分割し、より大きい区域でこれを再び混ぜ合わせるが、基本的なフローパターンは微小の乱流を有する層状であり、非効率的な混合と不完全な反応を招き、結果にばらつきが生じる。混合を引き起こす別の方法として、溝又は段部により表面に変更を加えて層状フローパターンを撹乱する。これらの方法はミクロのレベルで混合を増強するように思われる。これの詳細については、Science第295巻、2002年1月25日、647−651ページに掲載されたStroockらを参照されたい。
【0040】
定置流動撹乱混合は2つの材料を混合する公知の方法である。この設計では、乱流を起こすため制限部と障害物を用いて混合が行われる。望ましくない副作用は多くの場合、生体物質に物理的ダメージを引き起こし得る剪断応力であって、この生体物質は多量のタンパク質や細胞物質を含有することがある。したがって流れは、高い剪断応力を引き起こさない滑らかな乱流でなくてはならない。
【0041】
図16及び図17は装置10におけるフローパターンを図解する。試薬混合チャンバ16の始端にて、混合ピン32の前及び後ろ、そして通常流路に至る入口にて、又は制限部通過中の4つの区域において、2つの乱流区域があることに留意されたい。ピン32をとりまく2つの区域は反転混合パターンを引き起こし、層流を完全に撹乱し、より効果的な混合をもたらす。1個又は数個のピン32を使用してよく、混合作用をさらに強めるため、図18に示すとおりピン32はくびれた通路と交互に配置してもよい。
【0042】
装置10で使用できるもうひとつの方法に直接撹乱混合がある。図21から図23に示すとおり、試験装置の混合チャンバ16内には磁気ミキサ54が置かれている。この磁石54のサイズは好ましくは、チャンバの断面積の約75%である。検体20がチャンバ50の中へ移されると、磁気ミキサ54はチャンバ20の一端から他端へ移され且つ戻される、又は1回以上横方向に移動される。この動きはインダクタ等の電磁石部品56によって誘導され、これの強度と頻度は装置によって制御される。
【0043】
磁石54を動かすため、装置10の外側に位置する移動磁石をインダクタ56の代わりに使用できる。この運動が行われると、検体はチャンバの壁に沿って磁石54の周囲を流れ、壁に付着した試薬14を壁から検体20の中へ「洗い落とす」。チャンバに接続された通路は、検体20が通路の中へ押し戻されるのを防ぐため、密閉されなければならない。チャンバ通路設計は、チャンバの中へ向かう検体の、又はチャンバから外に向かう検体/試薬混合物21の流れを、混合磁石54が妨げないものとする。この方法のもうひとつの利点として、セルの流れの通路はより短くてよく、その結果より小さいセルが可能となる。試薬14は混合チャンバ16で混合され、混合物21はチャンバ16を出入りしなくてよい。
【0044】
装置10を通じる流れの通路は、示された直線形とは別の形状を有してよく、事実、特定の分析を行うため数多くのバリエーションを取り入れることができるだろう。例えば図19及び図20は、2つの混合チャンバ16、16’と2つの試験チャンバ、即ちウェル18とをともなう、共通のセル12を示す。図19は1つの試薬14を使用する2つの試験を示す。図20は、2つの試薬を用いて1つの試験を行うために用いる同じセル60を示す。磁石又はピンの形状の、磁石又はピンの位置又は数のバリエーションもまた使用できる。
【0045】
検体の測定/混合を説明した上で、今度は本発明の数通りの実施形態を、これに対するいくつかのバリエーションとともに説明する。
【0046】
(1)図1に示す単一試験、単一試薬定置混合方法(他の図に含まれるいくつかの詳細を以下に述べる)
工程1.好ましくは図4及び図5に示すダイレクト検体セルによって、全血が濾過貯蔵槽18(図2)の中へ輸送される。
【0047】
工程2.濾過プロセスが始まる。このプロセスは、センサ、が図10に示されるように、第1の光位置24にて血漿20を検出し、チャンバ22が満たされたことを示すまで続く。このプロセスは所定量の血漿を産出する。検体品質もこの工程で光学的に測定でき、測定値は予期された値又は範囲に比較される。
【0048】
工程3.図11に示すように、ボリューム分離入口26にて空気流体圧がかけられ、これが血漿20を通路に沿って試薬混合チャンバ16(図12に見られる)の中へ移し、ここで血漿は試薬14との混合を開始し、混合光学式検出器60にて血漿/試薬混合物21が感知されるまで前進する。
【0049】
工程4.第1の光学式検出器24にて混合物16が感知されるまで、ボリューム分離入口26を解放することによって、そして通気口29へ圧力をかけることによって、プロセスは反転される(図13)。
【0050】
工程5.試薬のタイプに求められる混合に応じ、サイクル(工程3及び4)は所定の回数で繰り返される、図14。このサイクルは所定のサイクルでプログラムできる。
【0051】
工程6.混合サイクルが完了すると、試験ウェル18が満たされたことを光学式検出器(図示せず)が感知するまで圧力をかけることによって、試験ウェル18の中へ混合物21が移される(図15)。
【0052】
工程7.ここで光学式分析装置を用いて最初の光透過測定を行うことができ、同光学式分析装置は検体の測定値を予期された値又は範囲に比較する。この測定値が所定の範囲内になければ、試験は要調査として識別される。これは検体の品質と、試験結果に支障をきたす試薬又は混合の問題とを管理する。
【0053】
工程8.試験ウェル18にて、分析装置を用いて、例えば光学的に(濁度、比濁、又は比色)、電気的に(伝導、インピーダンス、インダクタンス、その他)、又はその他の方法により、さらなる測定又は試験を行うことができ、反応はマイクロプロセッサに記録される。
【0054】
工程9.感知方法は、光学的、電子的等の試験信号、絶対的変化、所定の閾値を上回る信号の変化、又は一定の時間にわたる変化の割合を測定することによって、反応の完了を検出する。
【0055】
(2)図21に示す単一試験、単一試薬動的混合方法(他の図に含まれるいくつかの詳細を以下に述べる)
工程1.ダイレクト検体セルによって、全血が濾過貯蔵槽78(図4)の中へ輸送される。
【0056】
工程2.濾過プロセスが始まる。このプロセスは、図10に示すボリュームチャンバ12が血漿で満たされたことをセンサ24が検出するまで続く。このプロセスは所定量の血漿をもたらす(又は複数のセンサが使用される場合には複数の量)。
【0057】
工程3.図11に示すボリューム分離入口26にて空気圧がかけられ、これが血漿を通路に沿って試薬混合チャンバ16の中へ移す。
【0058】
工程4.図22に示すとおり、ひとたび検体20が混合チャンバ16に入ると、1つ以上の電磁石56が交互に通電される。磁石54は好ましくは、チャンバ16の端から端にかけて真直ぐ往復に動かされ、又はインダクタの位置と通電パターンとに応じて横方向の動きを含んでよい。このサイクルは、試薬のタイプに求められる混合に応じ、所定の強度、頻度、及び持続期間にて繰り返される。これらの様々な混合サイクルは、インダクタに関連する蓄積メモリから呼び出されてよい。
【0059】
工程5.混合サイクルが完了すると、入口26にかかる圧力と通気口29の解放とによって、混合物21は試験ウェル18の中に移される。図15に示すとおり、混合光学式検出器(図示せず)は試験ウェル18が満たされたことを感知する。
【0060】
工程6.最初の光透過測定が行われ、予期された値に比較される。この測定値が所定の範囲内になければ、試験は要調査として識別される。これは検体の品質と、試験結果に支障をきたす試薬又は混合の問題とを管理する。
【0061】
工程7.分析装置は、光学的に(濁度、タービドメトリック(turbidometric)、比濁、又は比色)、電気的に(伝導、インピーダンス、インダクタンス、その他)、又はその他の方法により試験ウェル18にて反応を測定し、反応はマイクロプロセッサに記録される。
【0062】
工程8.感知方法は、光学的、電子的等の試験信号、絶対的変化、所定の閾値を上回る信号の変化、又は一定の時間にわたる変化の割合を測定することによって、反応の完了を検出する。
【0063】
この方法は、チャンバ50で検体を数回にわたり出入りさせるよりも、簡素且つより迅速であり、より大きい混合作用を与える。
【0064】
(3)試験方法のバリエーション
説明した方法には、少なくとも以下のやり方で変更を加えることができる。
【0065】
1.単一試験複数試薬−例えば図3又は図20に示すとおり2つ以上の試薬及び混合チャンバが装置10に提供される。上で説明した混合サイクルは、図示された各試薬につき繰り返される。
【0066】
2.複数試験単一試薬−図2に示すとおり、血漿が産出された後には、測定された量が数本の通路のうち1つ以上へ向けられる。各々の通路は試験を行い、これらは重複試験又はタイプの異なる試験であってよい。これは次のとおりに果たされる。
【0067】
a.通路の出口を解放し且つ入口26にて圧力を用いることにより、検体を動かす。入口26におけるさらなる圧力、又は排出口29における真空もまた検体を動かすことができるであろう。
【0068】
b.この材料は試験が始まるまで、又は試験工程に遅れがあるまで処理され、その後第2の量が産出される。
【0069】
c.この第2の検体は、第1の検体と同じ要領で第2の通路へ向けられる。
【0070】
d.この手順は試験の全てが完了するまで繰り返される。
【0071】
3.複数試験複数試薬−図3に示すとおり、これは上で説明した2つの方法の組み合わせであって、ここでは検体に混合される試薬が複数ある。
【0072】
4.いずれの方法でも、血漿/試薬混合物は、同混合物を培養又は活性化するため、一定の時間にわたって反応チャンバにとどまることができる。これが起きている間、複数試験の設計により、他の血漿検体が処理されてもよい。
【0073】
尖鋭な角は細胞にダメージを与え、空気を閉じ込め、さらに混合のないデッドエリアをもたらすから、装置の全実施形態において好ましくは、液体通路はどれも円滑な半径又は先細りの遷移を有する。
【0074】
血漿容積測定は、測定位置から混合チャンバ16の第1の試薬位置にかけての輸送で生じる損失を計上するように設定される。
【0075】
各システム試料量は検体要求によって決まる。通常、最大検体量は試料量の30%に等しい。より低いパーセンテージ、すなわち20%は、より良好な検体品質を提供する。いずれもLOC POC試験で得られるものより良好な分析品質のものである。
【0076】
量は試料のタイプに左右され、前述の量は血漿のものであり、且つより悪いケースに関するものである。
【0077】
使い捨て試験装置は、いくつかの機能、すなわち試料から検体を濾過する機能、試験ユニットを所要の温度まで培養する機能、各試験タイプにつき個別に検体量を制御する機能、各試験タイプにつき個別に検体試薬混合作用を制御する機能、検体の品質を確認するため検体/試薬混合物の光透過を測定する機能、光学的(濁度、比濁法、又は比色)、電気的(伝導、インピーダンス、インダクタンス、その他)、又はその他の方法によって分析する機能を有する、分析装置を含むことができる。
【0078】
分析器は、光学濃度測定、免疫学的アッセイ、又は比色定量アッセイ等、直接的又は間接的分析を実行するように、そして装置に内蔵できないさらなる試験構成品(試薬、希釈剤)の追加を可能にするように構成できる。
【0079】
この説明は、試料として全血を、そして試験検体として血漿又は血清を使用する、医療診断における応用に基づく。ただし本発明はこれらの試料、即ち検体に限定されるべきものでなく、任意の体液(尿、髄液、唾液、その他)、又は製薬、生物工学、その他産業試験所で使われる任意の液体検体(すなわち、細胞培養又は発酵検体)を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の好ましい実施形態の図である。
【図2】本発明による複数試験構成の図である。
【図3】複数混合複数試薬及び複数試験構成の図である。
【図4】本発明に統合されるダイレクト検体セルの図である。
【図5】ダイレクト検体セル及びダイレクトテスト発明の主要構成品の図である。
【図6】本発明による測定された充填例の図である。
【図7】本発明による測定された分配例の図である。
【図8】本発明による凸状試験チャンバの側面図である。
【図9】本発明による凸状試験チャンバの上面図である。
【図10】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図11】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図12】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図13】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図14】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図15】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図16】混合ピンを過ぎ制限部を通る検体流の図である。
【図17】混合ピンを過ぎ制限部を通る検体流の図である。
【図18】混合ピンを過ぎ制限部を通る検体流の図である。
【図19】共通セル多様構成を示す図である。
【図20】共通セル多様構成を示す図である。
【図21】磁気部品による動的混合の図である。
【図22】磁気部品による動的混合の図である。
【図23】磁気部品による動的混合の図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、生体外試験キットにおけるマイクロボリュームである。
【背景技術】
【0002】
分析/診断試験市場は、迅速で、安価で、使い捨てのマイクロボリューム装置及び試験方法を求めている。臨床、製薬、及び生物工学試験所は迅速なマイクロボリューム試験方法を採用しつつある。これらのタイプの試験は一般的に「ラボ・オン・チップ」又は「ポイント・オブ・ケア」(POC)試験と呼ばれている。
【0003】
これらの迅速な生体外マイクロボリューム診断試験は、試験試料として全血、尿、唾液、その他未加工体液を使用する試験方法に基づく。試験は、必要な試薬を収容する使い捨て装置として一括される。試料は、ウィッキング膜(側方流動)、毛管作用、真空又は空気圧によって、試験カートリッジの中で輸送できる。試験結果は、視覚的に、又は小型計器を用いて、判断できる。これらの装置の繰り返し、分類、及び複雑さは様々である。
【0004】
既存の迅速な臨床診断試験方法の欠点は、コスト、低劣な検体品質、不適切な検体量、不正確な検体/試薬混合、血清、血漿検体、その他体液で行われる標準試験所試験との低劣な相関である。これらの状況は、検体の多様性と妨害物質とによってしばしば生じる。しかし、市場は即座の医学上の判断、又はその他の判断を支持する迅速な試験結果を求めており、さらに許容できる又は実証済みの代替技術又は製品が現存しないため、これらの方法が採用されてきた。
【0005】
いかなる試験においても、成果にとって肝心なのは正確さと精度である。正確で精密な試験又は分析の要因には次のものがある。
【0006】
1.許容できる検体品質は試験方法次第である。細胞の、マトリックス、化学的、又はその他の干渉は、一定の限界値を下回らなければならない。活性検体の量は細胞の濃度と状態とによって左右され、これは患者の生理的状態に応じて総量の10〜75パーセントと大きく異なる。
【0007】
2.精密な検体及び試薬量。
【0008】
3.化学量論的分析のための制御された動的(カオス的)混合による効果的な検体/試薬混合(定比例の法則)。乾燥した試薬は、特に生体物質は、容器の壁に付着する。試薬は、有効となるためには、検体溶液の中に完全に吸収され均一になるまで混合されなければならない。
【0009】
4.試験方法によって定められる環境制御、培養時間及び温度の厳密な制御、又はその他の条件。
【0010】
現在の方法の一例に、全血試料と試薬/検体混合方法とを用いるインターナショナルテクニダイン社(International Technidyne Corporation)の製品がある。これらの特許は、米国特許第6,451,610号、米国特許第5,731,212号、及び米国特許第5,372,946号を含む。これらの装置における全血検体は連続流である。検体は乾燥試薬を収容するチャンバの中へ移され、穴を通じて同チャンバを出入りし、これが検体と試薬との混合を引き起こす。この方法には以下の短所がある。つまり、検体と試薬との比(量)は正確に制御されないこと、検体は連続流であって試薬はこれを拡散できること、全量を通じて、試薬にまたがる検体の流れは層状であり、それ故混合は乱流カオス的でない、又は一貫性がないこと、そして反応は部分的にのみ制御され、試験の正確さ、精度、及び再現性を制限すること、である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明による機器及び方法は、迅速で、正確で、信頼できるマイクロボリューム試験を提供する簡素な使い捨て装置にて、コア試験所分析器試験方法の制御、精密さ、及び正確さを提供する。これらの試験は即座に信頼できる情報をもたらし、特別な技能やオペレータの訓練の必要性を解消する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
検体試験装置は、既知量の検体と残りの検体との間に流体を導入することにより、既知量の検体を残りの検体から分離するボリュームチャンバを備え、ここで流体の導入は開成状態と閉成状態とを有する流体入口を通じて果たされる。装置はさらに、ボリュームチャンバに接続され且つ検体を混合するように適合された混合チャンバと、混合チャンバに接続され且つ検体で試験を遂行するように適合された試験チャンバと、開成状態と閉成状態とを有する通気口とを含む、通路を備える。流体入口と通気口とが開成状態にあるときには、流体入口の中への加圧流体の導入により、検体はボリュームチャンバから1つ以上の混合チャンバの中へ、そして次に試験チャンバの中へ推進される。
【0013】
前述の要旨、ならびに本発明の好ましい実施形態の以降の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとより良く理解されるであろう。本発明を例解する目的で、現時点で好ましい実施形態が図面に提示されている。ただし、提示された正確な配置及び手段に本発明が限定されないことは理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(序文)
本発明は従来技術のサンプリング装置に優るいくつかの利点を有する。
【0015】
1.検体量測定
分析のための検体量は精密に測定される。測定された検体はその後、装置を通じて試薬チャンバへ、そして次に試験チャンバへ、個別に移される。これは、正確で再現可能な検体/試薬濃度又は比の制御を提供する。検体/試薬比のばらつきは反応又は分析に影響する。わずか5%の量のばらつきが試験結果を著しく変化させる。
【0016】
2.検体/試薬混合
乾燥試薬を通じて検体を流すことによって生じる静的混合は、2通りの方法によって向上させることができる。使用する方法は、検体によって混合、溶解、又は再水和される材料に応じて、そして完全な試薬混合を保証するため混合をいかに激しくするかに応じて、決まる。これらの2つの方法はダイレクト混合とダイバータ混合である。
【0017】
ダイレクト混合では、円柱、ボール、その他の形状の磁気部品が試薬チャンバに置かれる。検体がチャンバの中へ移されると、磁石は、チャンバの一端から他端にかけて移され、且つ1回以上戻される。この運動は、移動磁石又はインダクタによって生じる電磁場によって駆動される。この運動は、内部チャンバ壁に沿って磁石の周囲に検体を流し、より高い流量及び剪断比を引き起こしながら、壁に付着した試薬を壁から検体の中へ「洗い落とす」。磁石の形状は、これが材料に与える混合力を左右する。磁石運動の力、運動の頻度、そして混合の持続時間はどれも個別に精密に制御され、試薬又は試験方法ごとにプログラムできる。
【0018】
ダイバータ混合では、1つ以上の分流器とフルボリューム通路とを備える混合チャンバにより、試薬を通り過ぎた検体は分割され、共に戻され、さらにその過程で乱流によって混合される。完全な溶解と混合のため、混合物は必要に応じ混合チャンバを通じて数回にわたり戻されてよい。分流器の形状は、これが材料に与える混合力を左右する。円形の分流器が好適であるが、他方、長円形、長方形、その他の形状等、他の形状もまた有効である。流体運動の力、運動の頻度、そして混合の持続時間は、どれも個別に精密に制御され、試薬又は試験方法ごとにプログラムできる。
【0019】
3.ルーチンアッセイ方法
試験方法は、臨床その他試験所のルーチンアッセイで使われているものと同じであってよい。これは、結果の直接的相関と、首尾一貫した患者の診断/管理を提供する。現在の試料としての全血の使用は、標準の試験所試験方法へ相関させるため数学的に操作された結果をもたらす。ポイント・オブ・ケア(POC)試験の結果はこれが行われる場所では有用であるが、試験が中央試験所へ移され試験方法が変わると、患者結果履歴は、結果の相違のため、しばしば破棄される。様々な結果の意味を理解するためPOC試験の利用者を教育する必要もあり、それらの結果は正常な、又は予期された範囲に該当しないことがあり、結果に対する判断を誤るおそれがある。この閉ざされたアッセイシステムは、試験結果に支障をきたすかもしれないあらゆるオペレータの影響を解消し、さらにバイオハザード露出を最小限に抑える。
【0020】
4.試験装置の中に内包された試薬
多くの試薬は、ひとたび還元された後、使用できる時間に限りがある。この限りある安定性は、時間の経過にともない低劣な、ぎりぎりの、又は変わりやすい結果をもたらし、あるいは、所定の時間が過ぎた試薬は取り除き処分しなければならないため、試薬廃物をもたらす。本装置は試薬を物理的に内包するから、試薬を準備する必要性を、すなわち還元と装置への装填を、解消する。
【0021】
試薬を装置の中に取り込むこと、そして装置の中で検体を処理し測定することのもうひとつの結果として、機械装置と、精密ポンプと、洗浄又は清浄溶液とを要する、ロボット流体処理システムは解消される。これは分析器のコストと複雑さ、洗浄溶液のコスト、そして廃物処理のコストと危険を大幅に抑える。
【0022】
5.検体品質を監視する
従来技術においては、低劣な検体品質又は不正確な量、そして試験結果に影響する試薬又は混合の問題のための測定手段が全くない。対照的に本発明の方法では、検体がボリュームチャンバの中にあるときに色又は濁度によって検体品質を測定でき、さらに検体/試薬混合物の光透過は混合物が反応チャンバの中に入るときに測定される。これらの測定値は、その試験タイプのための所定の光透過レベルに比較される。このレベルには、警告段階や中断段階等、多数の段階があってよい。測定値があらかじめ設定された範囲の限度を超える場合には、試験は問題ありと識別され、調査が始まり、その結果報告の誤りは最小限に抑えられる。
【0023】
6.精密濾過検体準備
米国特許第6,398,956号で説明されているとおり、精密濾過検体分離法は、血漿、血清、又はその他の流体を産出し、通常の遠心分離工程と関係する人為的誤りとを解消し、試験工程を大いに簡素化し、結果を得るための所要時間を10倍以上に短縮する。全血方法の代わりに血漿又は血清検体試験方法を用いることにより、全血における細胞物質からの干渉は解消され、一般に認められた臨床試験所試験方法の使用が可能となる。全血の細胞成分は、伝統的な試験所方法である光学的及び比色試験方法の使用を妨げる。細胞成分はまた、余分な変数をアッセイに加える。迅速な試験結果は、首尾一貫した患者診断/管理につながる主試験所結果への直接的相関を提供する。この設計は、遠心分離等、他の方法で検体が準備される場合に同様に機能するであろう。
【0024】
(実施形態の説明)
以降の説明ではもっぱら便宜上特定の用語が使われており、限定するものではない。用語「右」、「左」、「下位」、及び「上位」は、参照がなされる図面における方向を示す。用語「内側に」及び「外側に」は、本発明による使い捨て試験装置とこれの指定部分の幾何学的中心にそれぞれ向かう、そして遠ざかる方向を指す。用語は、上で指摘した語、ならびにこれらの派生語、そして類似する意味の語を含む。
【0025】
図1を参照すると、単一使い捨てユニット10の形をとる、本発明による装置の好ましい実施形態が示されている。検体準備装置10、即ち検体準備濾過装置は、測定領域、即ちボリュームチャンバ12と、混合チャンバ、即ち区域16に位置する試薬14と、分析部(試験チャンバ)18とを備える。測定領域、即ちボリュームチャンバ12は、試験のため正確な量の検体を分離するために使用される。試薬14は好ましくは、乾燥、凍結乾燥、又は液状であり、必要に応じて1つ以上である。混合チャンバ16では、上で述べた受動的又は動的混合方法を用いて検体と試薬とが混合される。最後に、分析測定領域18は図8及び図9に示されており、泡又は固体を分析区域(光路)から遠ざけるため凸状中心(光路から隆起した外側上端)を有する。分析部18は、泡をどかし、且つ光透過に対するあらゆる表面効果をなくすため、試験液体中に浸漬される光路形成部を収容する。
【0026】
使用の簡便を図るため、装置は、刻み目、穴、バーコード、有色エリア、又は筆跡等、試験タイプを識別する識別造作(図示せず)を有してよい。
【0027】
好ましい実施形態においては図4及び図5に示すとおり、検体準備装置がダイレクト検体試薬セルアセンブリ65の中に内蔵され、同ダイレクト検体試薬セルアセンブリは、検体を、例えば血清を精密濾過工程を通じて全血から濾過し、次にこれに一体化された検体準備装置10の測定チャンバ12へ血清を直に送る。ダイレクト検体試薬セルアセンブリ65は、ベース72の中に内蔵された検体準備装置10と底部カバー74とを含む。ベース72には、好ましくは1つの部品に一体化された、貫通スパイク76と血液検体貯蔵槽78とが取り付けられ、血液検体貯蔵槽と測定チャンバ12を形成するベース72の通路との間には精密濾過膜80が位置する。米国特許第6,398,956号で説明されているとおり、貫通スパイク76は試料管(図示せず)を貫通するように適合されており、次に貯蔵槽78が試料管から流路を通じて全血を受け取り、同米国特許第6,398,956号は、あたかもここで全面的に説明されたかのごとく、その全文が参照してここに組み込まれる。米国特許第6,398,956号で説明されているとおり、膜80は、細胞を上にとどめ、且つ血漿又は血清をベースの回収格子へ通過させる微孔質膜である。ベース72は好ましくは、片側に血漿回収格子を、そして反対側に血漿導管と試薬混合チャンバと試験チャンバとを収容する、プラスチック部品である。カバーシート74は好ましくは、血漿導管を閉ざすベースの底部に接着されたプラスチックフィルム部品である。
【0028】
図2に示すとおり、装置10’の代替の実施形態によると、数本の隣接する通路28が別々の混合チャンバ16を接続する。これらの複数の混合チャンバ16は、複数の試験を同時に実行するため、又は数通りの試験のうち1つを選択するため、異なる試薬の提供を可能にする。代わりに、複数の同じ試験を同時に実行できる。3本の個別試験通路が示されているが、必要に応じ、これより多い、又は少ない通路を設けることもできる。
【0029】
図3は、複数の混合チャンバ16、16’を同じ通路28沿いに設け、且つまた複数の通路28に複数の混合チャンバ16、16’を設ける、装置10”のもうひとつの代替実施形態を示す。これにより、特定の種類の試験において必要に応じ、異なる試薬を含む検体の段階的混合を可能にする。ここでも、試験通路28の数、ならびに混合チャンバ16、16’の数は変えることができる。
【0030】
図を参照しながら、装置を使用する主な工程、すなわち(1)検体測定と(2)混合とを、これより説明する。
【0031】
(1)検体測定
分析の正確さは、許容できる検体品質、ならびに正確で再現可能な検体量を用意することにかかっている。本機器は、ボリュームチャンバ12内の検体20の容積測定を提供する。チャンバ12の中には、チャンバ22が満たされたことをボリュームセンサ24が示すまで、ある量の検体20が移される。チャンバ12沿いの定位置には空気口26に至る接続通路が設けられる。この空気口26は、検体20が通路26の中へ流れ込むのを防ぐため密閉を保つ。センサ24が検体20の存在を感知すると接続空気口通路26が開き、空気、又は低圧の融和性液体がこの通路を通じて入り、既知量の検体20を残りの検体から分離し、この既知量の検体20をチャンバ12沿いに移動させる。
【0032】
図2及び図3に示すとおり、測定された検体20を用途に応じて異なる目的地点へ向けることが可能である。
【0033】
第1に、検体は図2及び図3に示すとおり数本の隣接する通路28のうち1つの中へ向けてよい。方向は、選択された通路28の末端にて排出口29のうち1つ以上を通じて排出することにより、そして使用しない通路を密閉することによって、制御される。これは、異なる試験又は試薬14の使用又は選択を可能にし、さらに例えば図3の装置を使用することにより、ただひとつの検体で複数の試薬14の段階的混合すら可能にする。
【0034】
第2に、米国特許第6,398,956号にて説明されているとおり、そして図6に示すとおり、検体は開成ウェル30の中へ向けてよく、ここで開成ウェル30は底部から満たされ、気泡又は閉じ込めを解消する。これは、試験ウェル18の代わりに、又はこれに加えてウェル30が提供される点を除き上で述べた65に類似する、ダイレクト検体試薬セルアセンブリ65’を用いて果たされる。この方法を用いて、1つ以上のウェル30内で検体20は精密に測定され、分析のため準備される。
【0035】
第3に、図7を参照すると、検体20が別のプロセスで使用される用途においては、測定された検体20が分配チップ40、即ちオリフィスを通じて、試験キュベット、マイクロアレイ、又はマイクロプレート(図示せず)等の別の容器の中へ分配される。これは、上で述べた装置65に類似するアセンブリ65”により果たすことができる。ここで、特定の用途次第では混合チャンバ16もまた省くことができる。
【0036】
(2)混合プロセス
化学量論的反応、及び正確で、精密で、再現可能な分析にとっては、均一な混合物を得ることが肝要である。一貫性のある反応速度を開始し、且つ検体20と試薬14との間で反応を完遂するには、検体20と試薬14とを精密に測定し、完全に混合しなければならない。要求される物理的混合の量は材料の性質によって決まる。無機塩類等、一部の材料は容易く拡散して溶ける。細胞検体等、材料によっては低剪断力の穏やかな混合を要するものもある。さらにまた、完全な混合を達成するため激しい物理的作用を要する材料もある。最後に、反応は普通、時間と温度に左右されるから、多くの用途において混合は一定の期間内に、及び/又は制御された温度で、行われなければならない。
【0037】
液体が通路の中を流れるときには、層流と呼ばれるフローパターンが起こる。壁の表面によって液体にかかる抵抗、即ち摩擦のため、壁に近い液体は中心の液体より遅く流れる。通路、即ちチャンバに制限手段を用いると、ある程度の乱流が生じて混合プロセスを増強する。これの有効性は液体材料次第である。
【0038】
図10から図15に示すとおり、混合チャンバ16のくびれた片側にて、又は制限部通過中の2つの区域において、2つの乱流区域が装置にある。好ましくは混合ピン32が使用され、これはある程度の検体混合を提供する。
【0039】
フローパターンは混合物を分割し、より大きい区域でこれを再び混ぜ合わせるが、基本的なフローパターンは微小の乱流を有する層状であり、非効率的な混合と不完全な反応を招き、結果にばらつきが生じる。混合を引き起こす別の方法として、溝又は段部により表面に変更を加えて層状フローパターンを撹乱する。これらの方法はミクロのレベルで混合を増強するように思われる。これの詳細については、Science第295巻、2002年1月25日、647−651ページに掲載されたStroockらを参照されたい。
【0040】
定置流動撹乱混合は2つの材料を混合する公知の方法である。この設計では、乱流を起こすため制限部と障害物を用いて混合が行われる。望ましくない副作用は多くの場合、生体物質に物理的ダメージを引き起こし得る剪断応力であって、この生体物質は多量のタンパク質や細胞物質を含有することがある。したがって流れは、高い剪断応力を引き起こさない滑らかな乱流でなくてはならない。
【0041】
図16及び図17は装置10におけるフローパターンを図解する。試薬混合チャンバ16の始端にて、混合ピン32の前及び後ろ、そして通常流路に至る入口にて、又は制限部通過中の4つの区域において、2つの乱流区域があることに留意されたい。ピン32をとりまく2つの区域は反転混合パターンを引き起こし、層流を完全に撹乱し、より効果的な混合をもたらす。1個又は数個のピン32を使用してよく、混合作用をさらに強めるため、図18に示すとおりピン32はくびれた通路と交互に配置してもよい。
【0042】
装置10で使用できるもうひとつの方法に直接撹乱混合がある。図21から図23に示すとおり、試験装置の混合チャンバ16内には磁気ミキサ54が置かれている。この磁石54のサイズは好ましくは、チャンバの断面積の約75%である。検体20がチャンバ50の中へ移されると、磁気ミキサ54はチャンバ20の一端から他端へ移され且つ戻される、又は1回以上横方向に移動される。この動きはインダクタ等の電磁石部品56によって誘導され、これの強度と頻度は装置によって制御される。
【0043】
磁石54を動かすため、装置10の外側に位置する移動磁石をインダクタ56の代わりに使用できる。この運動が行われると、検体はチャンバの壁に沿って磁石54の周囲を流れ、壁に付着した試薬14を壁から検体20の中へ「洗い落とす」。チャンバに接続された通路は、検体20が通路の中へ押し戻されるのを防ぐため、密閉されなければならない。チャンバ通路設計は、チャンバの中へ向かう検体の、又はチャンバから外に向かう検体/試薬混合物21の流れを、混合磁石54が妨げないものとする。この方法のもうひとつの利点として、セルの流れの通路はより短くてよく、その結果より小さいセルが可能となる。試薬14は混合チャンバ16で混合され、混合物21はチャンバ16を出入りしなくてよい。
【0044】
装置10を通じる流れの通路は、示された直線形とは別の形状を有してよく、事実、特定の分析を行うため数多くのバリエーションを取り入れることができるだろう。例えば図19及び図20は、2つの混合チャンバ16、16’と2つの試験チャンバ、即ちウェル18とをともなう、共通のセル12を示す。図19は1つの試薬14を使用する2つの試験を示す。図20は、2つの試薬を用いて1つの試験を行うために用いる同じセル60を示す。磁石又はピンの形状の、磁石又はピンの位置又は数のバリエーションもまた使用できる。
【0045】
検体の測定/混合を説明した上で、今度は本発明の数通りの実施形態を、これに対するいくつかのバリエーションとともに説明する。
【0046】
(1)図1に示す単一試験、単一試薬定置混合方法(他の図に含まれるいくつかの詳細を以下に述べる)
工程1.好ましくは図4及び図5に示すダイレクト検体セルによって、全血が濾過貯蔵槽18(図2)の中へ輸送される。
【0047】
工程2.濾過プロセスが始まる。このプロセスは、センサ、が図10に示されるように、第1の光位置24にて血漿20を検出し、チャンバ22が満たされたことを示すまで続く。このプロセスは所定量の血漿を産出する。検体品質もこの工程で光学的に測定でき、測定値は予期された値又は範囲に比較される。
【0048】
工程3.図11に示すように、ボリューム分離入口26にて空気流体圧がかけられ、これが血漿20を通路に沿って試薬混合チャンバ16(図12に見られる)の中へ移し、ここで血漿は試薬14との混合を開始し、混合光学式検出器60にて血漿/試薬混合物21が感知されるまで前進する。
【0049】
工程4.第1の光学式検出器24にて混合物16が感知されるまで、ボリューム分離入口26を解放することによって、そして通気口29へ圧力をかけることによって、プロセスは反転される(図13)。
【0050】
工程5.試薬のタイプに求められる混合に応じ、サイクル(工程3及び4)は所定の回数で繰り返される、図14。このサイクルは所定のサイクルでプログラムできる。
【0051】
工程6.混合サイクルが完了すると、試験ウェル18が満たされたことを光学式検出器(図示せず)が感知するまで圧力をかけることによって、試験ウェル18の中へ混合物21が移される(図15)。
【0052】
工程7.ここで光学式分析装置を用いて最初の光透過測定を行うことができ、同光学式分析装置は検体の測定値を予期された値又は範囲に比較する。この測定値が所定の範囲内になければ、試験は要調査として識別される。これは検体の品質と、試験結果に支障をきたす試薬又は混合の問題とを管理する。
【0053】
工程8.試験ウェル18にて、分析装置を用いて、例えば光学的に(濁度、比濁、又は比色)、電気的に(伝導、インピーダンス、インダクタンス、その他)、又はその他の方法により、さらなる測定又は試験を行うことができ、反応はマイクロプロセッサに記録される。
【0054】
工程9.感知方法は、光学的、電子的等の試験信号、絶対的変化、所定の閾値を上回る信号の変化、又は一定の時間にわたる変化の割合を測定することによって、反応の完了を検出する。
【0055】
(2)図21に示す単一試験、単一試薬動的混合方法(他の図に含まれるいくつかの詳細を以下に述べる)
工程1.ダイレクト検体セルによって、全血が濾過貯蔵槽78(図4)の中へ輸送される。
【0056】
工程2.濾過プロセスが始まる。このプロセスは、図10に示すボリュームチャンバ12が血漿で満たされたことをセンサ24が検出するまで続く。このプロセスは所定量の血漿をもたらす(又は複数のセンサが使用される場合には複数の量)。
【0057】
工程3.図11に示すボリューム分離入口26にて空気圧がかけられ、これが血漿を通路に沿って試薬混合チャンバ16の中へ移す。
【0058】
工程4.図22に示すとおり、ひとたび検体20が混合チャンバ16に入ると、1つ以上の電磁石56が交互に通電される。磁石54は好ましくは、チャンバ16の端から端にかけて真直ぐ往復に動かされ、又はインダクタの位置と通電パターンとに応じて横方向の動きを含んでよい。このサイクルは、試薬のタイプに求められる混合に応じ、所定の強度、頻度、及び持続期間にて繰り返される。これらの様々な混合サイクルは、インダクタに関連する蓄積メモリから呼び出されてよい。
【0059】
工程5.混合サイクルが完了すると、入口26にかかる圧力と通気口29の解放とによって、混合物21は試験ウェル18の中に移される。図15に示すとおり、混合光学式検出器(図示せず)は試験ウェル18が満たされたことを感知する。
【0060】
工程6.最初の光透過測定が行われ、予期された値に比較される。この測定値が所定の範囲内になければ、試験は要調査として識別される。これは検体の品質と、試験結果に支障をきたす試薬又は混合の問題とを管理する。
【0061】
工程7.分析装置は、光学的に(濁度、タービドメトリック(turbidometric)、比濁、又は比色)、電気的に(伝導、インピーダンス、インダクタンス、その他)、又はその他の方法により試験ウェル18にて反応を測定し、反応はマイクロプロセッサに記録される。
【0062】
工程8.感知方法は、光学的、電子的等の試験信号、絶対的変化、所定の閾値を上回る信号の変化、又は一定の時間にわたる変化の割合を測定することによって、反応の完了を検出する。
【0063】
この方法は、チャンバ50で検体を数回にわたり出入りさせるよりも、簡素且つより迅速であり、より大きい混合作用を与える。
【0064】
(3)試験方法のバリエーション
説明した方法には、少なくとも以下のやり方で変更を加えることができる。
【0065】
1.単一試験複数試薬−例えば図3又は図20に示すとおり2つ以上の試薬及び混合チャンバが装置10に提供される。上で説明した混合サイクルは、図示された各試薬につき繰り返される。
【0066】
2.複数試験単一試薬−図2に示すとおり、血漿が産出された後には、測定された量が数本の通路のうち1つ以上へ向けられる。各々の通路は試験を行い、これらは重複試験又はタイプの異なる試験であってよい。これは次のとおりに果たされる。
【0067】
a.通路の出口を解放し且つ入口26にて圧力を用いることにより、検体を動かす。入口26におけるさらなる圧力、又は排出口29における真空もまた検体を動かすことができるであろう。
【0068】
b.この材料は試験が始まるまで、又は試験工程に遅れがあるまで処理され、その後第2の量が産出される。
【0069】
c.この第2の検体は、第1の検体と同じ要領で第2の通路へ向けられる。
【0070】
d.この手順は試験の全てが完了するまで繰り返される。
【0071】
3.複数試験複数試薬−図3に示すとおり、これは上で説明した2つの方法の組み合わせであって、ここでは検体に混合される試薬が複数ある。
【0072】
4.いずれの方法でも、血漿/試薬混合物は、同混合物を培養又は活性化するため、一定の時間にわたって反応チャンバにとどまることができる。これが起きている間、複数試験の設計により、他の血漿検体が処理されてもよい。
【0073】
尖鋭な角は細胞にダメージを与え、空気を閉じ込め、さらに混合のないデッドエリアをもたらすから、装置の全実施形態において好ましくは、液体通路はどれも円滑な半径又は先細りの遷移を有する。
【0074】
血漿容積測定は、測定位置から混合チャンバ16の第1の試薬位置にかけての輸送で生じる損失を計上するように設定される。
【0075】
各システム試料量は検体要求によって決まる。通常、最大検体量は試料量の30%に等しい。より低いパーセンテージ、すなわち20%は、より良好な検体品質を提供する。いずれもLOC POC試験で得られるものより良好な分析品質のものである。
【0076】
量は試料のタイプに左右され、前述の量は血漿のものであり、且つより悪いケースに関するものである。
【0077】
使い捨て試験装置は、いくつかの機能、すなわち試料から検体を濾過する機能、試験ユニットを所要の温度まで培養する機能、各試験タイプにつき個別に検体量を制御する機能、各試験タイプにつき個別に検体試薬混合作用を制御する機能、検体の品質を確認するため検体/試薬混合物の光透過を測定する機能、光学的(濁度、比濁法、又は比色)、電気的(伝導、インピーダンス、インダクタンス、その他)、又はその他の方法によって分析する機能を有する、分析装置を含むことができる。
【0078】
分析器は、光学濃度測定、免疫学的アッセイ、又は比色定量アッセイ等、直接的又は間接的分析を実行するように、そして装置に内蔵できないさらなる試験構成品(試薬、希釈剤)の追加を可能にするように構成できる。
【0079】
この説明は、試料として全血を、そして試験検体として血漿又は血清を使用する、医療診断における応用に基づく。ただし本発明はこれらの試料、即ち検体に限定されるべきものでなく、任意の体液(尿、髄液、唾液、その他)、又は製薬、生物工学、その他産業試験所で使われる任意の液体検体(すなわち、細胞培養又は発酵検体)を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の好ましい実施形態の図である。
【図2】本発明による複数試験構成の図である。
【図3】複数混合複数試薬及び複数試験構成の図である。
【図4】本発明に統合されるダイレクト検体セルの図である。
【図5】ダイレクト検体セル及びダイレクトテスト発明の主要構成品の図である。
【図6】本発明による測定された充填例の図である。
【図7】本発明による測定された分配例の図である。
【図8】本発明による凸状試験チャンバの側面図である。
【図9】本発明による凸状試験チャンバの上面図である。
【図10】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図11】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図12】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図13】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図14】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図15】静的混合を用いる本発明の中での検体流の図である。
【図16】混合ピンを過ぎ制限部を通る検体流の図である。
【図17】混合ピンを過ぎ制限部を通る検体流の図である。
【図18】混合ピンを過ぎ制限部を通る検体流の図である。
【図19】共通セル多様構成を示す図である。
【図20】共通セル多様構成を示す図である。
【図21】磁気部品による動的混合の図である。
【図22】磁気部品による動的混合の図である。
【図23】磁気部品による動的混合の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既知量の検体と残りの検体の両方を含む全検体における流体の導入により、既知量の検体を残りの検体から分離するボリュームチャンバを具備する、検体試験装置であって、
流体の導入は開成及び閉成状態にされる流体入口を通じて果たされ、この装置は、
前記ボリュームチャンバに接続され、検体を混合するように適合された混合チャンバと、
前記混合チャンバに接続され、検体に対し試験を行うように適合された試験チャンバと、
開成及び閉成状態にされる第1の通気口とを備える通路をさらに具備し、
前記流体入口と前記第1の通気口とが開成状態にあるときには、前記流体入口の中への加圧流体の導入によって、前記ボリュームチャンバから前記混合チャンバの中へ、そして前記試験チャンバの中へ検体を推進する、検体試験装置。
【請求項2】
前記混合チャンバは、検体と混合される試薬を収容する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項3】
前記導入される流体は、空気である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項4】
前記導入される流体は、検体と反応しない液体である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項5】
少なくとも1つの追加の通路であって、
前記ボリュームチャンバに接続される混合チャンバであって、且つ同混合チャンバに収容された試薬に検体を混合するように適合された混合チャンバと、
前記混合チャンバに接続され且つ検体で試験を行うように適合された試験チャンバと、
開成及び閉成状態にされる第2の通気口とを各々備える、少なくとも1つの追加の通路をさらに備え、
前記流体入口が開成し、且つ前記第1及び第2の通気口の一方又は両方が開成状態にあるときには、前記流体入口の中への加圧流体の導入によって、前記ボリュームチャンバから、前記第1又は第2の通気口もまた開成状態にあるか否かに応じて、前記通路又は少なくとも1つの追加の通路の中を通じて検体を推進する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項6】
前記通路はさらに、前記混合チャンバに接続される少なくとも1つの追加の混合チャンバであって、且つ少なくとも1つの追加の混合チャンバに収容された試薬にさらに検体を混合するように適合された少なくとも1つの追加の混合チャンバを備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項7】
前記ボリュームチャンバ、前記混合チャンバ、及び/又は前記試験チャンバのいずれか又は全てに接続され、検体から気泡を除去する開成ウェルをさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項8】
前記検体試験装置から検体を取り除くための開口部をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項9】
検体を混合する前記混合チャンバ内に少なくとも1つの制限部をさらに具備する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項10】
前記混合チャンバの入口にある第1の制限部と、前記混合チャンバの出口にある第2の制限部とをさらに具備する、請求項9に記載の検体試験装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの制限部は、ピンである、請求項9に記載の検体試験装置。
【請求項12】
検体を混合する前記混合チャンバ内に溝をさらに具備する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項13】
検体を混合する前記混合チャンバ内に段部をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項14】
検体を混合する前記混合チャンバ内に磁気ミキサをさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項15】
前記磁気ミキサの断面積は前記混合チャンバの断面積の約75%である、請求項14に記載の検体試験装置。
【請求項16】
前記磁気ミキサの動きは、前記混合チャンバの外側の電磁石によって誘導される、請求項15に記載の検体試験装置。
【請求項17】
前記電磁石はインダクタである、請求項16に記載の検体試験装置。
【請求項18】
前記磁気ミキサの動きは、前記混合チャンバの外側の移動磁石によって誘導される、請求項14に記載の検体試験装置。
【請求項19】
前記混合チャンバは、これに入る、及び/又はこれから出る流体の流れを防ぐため選択的に密閉できる、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項20】
前記流体入口が開成状態にあり、且つ通気口が開成状態にあるときには、前記通気口の中への加圧流体の導入によって、前記試験チャンバから前記混合チャンバの中へ、そして次に前記ボリュームチャンバの中へ検体を推進する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項21】
前記試験チャンバ内の検体の存在を感知する光学式検出器をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項22】
光学式検出器が前記試験チャンバ内の検体の存在を感知するときには、前記流体入口への加圧流体の導入が遮断される、請求項21に記載の検体試験装置。
【請求項23】
前記光学式検出器は検体の容積を測定する、請求項21に記載の検体試験装置。
【請求項24】
前記光学式検出器は前記通路内の検体を検出する、請求項21に記載の検体試験装置。
【請求項25】
前記試験チャンバ内の検体の電気的特性を測定する電気試験装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項26】
光学式試験装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項27】
前記試験チャンバは検体中の泡を回収する凸形状を有する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項28】
検体は前記装置から排出される、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項29】
前記ボリュームチャンバに接続される貯蔵槽と、
前記貯蔵槽内の試料を濾過し、且つ同膜を通じて検体の通過を可能にする膜とをさらに備え、
前記膜は前記貯蔵槽と前記ボリュームチャンバとの間に位置する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項30】
直接的検体分析を実行する分析装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項31】
間接的検体分析を実行する分析装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項32】
検体に対し行われる試験は免疫学的アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項33】
検体に対し行われる試験は比色アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項34】
検体に対し行われる試験はターボメトリック(turbometric)アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項35】
検体に対し行われる試験は光学濃度アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項36】
検体は血液である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項37】
検体は血漿である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項38】
検体は血清である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項39】
検体は唾液である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項40】
検体は尿である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項41】
検体は髄液である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項42】
検体は細胞培養又は発酵検体である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項43】
容積測定、検体の混合、及び試験のための方法であって、
検体と、より多量の検体との間に流体を導入することにより、正確な量の検体をより多量の検体から分離する工程と、
検体を試薬に混合するこ工程と、
検体を試験するこ工程と、
この方法の各工程を通じて検体を推進する工程と、を具備する方法。
【請求項44】
前記検体は、通路を通じて2方向に推進される、請求項43に記載の方法。
【請求項1】
既知量の検体と残りの検体の両方を含む全検体における流体の導入により、既知量の検体を残りの検体から分離するボリュームチャンバを具備する、検体試験装置であって、
流体の導入は開成及び閉成状態にされる流体入口を通じて果たされ、この装置は、
前記ボリュームチャンバに接続され、検体を混合するように適合された混合チャンバと、
前記混合チャンバに接続され、検体に対し試験を行うように適合された試験チャンバと、
開成及び閉成状態にされる第1の通気口とを備える通路をさらに具備し、
前記流体入口と前記第1の通気口とが開成状態にあるときには、前記流体入口の中への加圧流体の導入によって、前記ボリュームチャンバから前記混合チャンバの中へ、そして前記試験チャンバの中へ検体を推進する、検体試験装置。
【請求項2】
前記混合チャンバは、検体と混合される試薬を収容する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項3】
前記導入される流体は、空気である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項4】
前記導入される流体は、検体と反応しない液体である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項5】
少なくとも1つの追加の通路であって、
前記ボリュームチャンバに接続される混合チャンバであって、且つ同混合チャンバに収容された試薬に検体を混合するように適合された混合チャンバと、
前記混合チャンバに接続され且つ検体で試験を行うように適合された試験チャンバと、
開成及び閉成状態にされる第2の通気口とを各々備える、少なくとも1つの追加の通路をさらに備え、
前記流体入口が開成し、且つ前記第1及び第2の通気口の一方又は両方が開成状態にあるときには、前記流体入口の中への加圧流体の導入によって、前記ボリュームチャンバから、前記第1又は第2の通気口もまた開成状態にあるか否かに応じて、前記通路又は少なくとも1つの追加の通路の中を通じて検体を推進する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項6】
前記通路はさらに、前記混合チャンバに接続される少なくとも1つの追加の混合チャンバであって、且つ少なくとも1つの追加の混合チャンバに収容された試薬にさらに検体を混合するように適合された少なくとも1つの追加の混合チャンバを備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項7】
前記ボリュームチャンバ、前記混合チャンバ、及び/又は前記試験チャンバのいずれか又は全てに接続され、検体から気泡を除去する開成ウェルをさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項8】
前記検体試験装置から検体を取り除くための開口部をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項9】
検体を混合する前記混合チャンバ内に少なくとも1つの制限部をさらに具備する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項10】
前記混合チャンバの入口にある第1の制限部と、前記混合チャンバの出口にある第2の制限部とをさらに具備する、請求項9に記載の検体試験装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの制限部は、ピンである、請求項9に記載の検体試験装置。
【請求項12】
検体を混合する前記混合チャンバ内に溝をさらに具備する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項13】
検体を混合する前記混合チャンバ内に段部をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項14】
検体を混合する前記混合チャンバ内に磁気ミキサをさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項15】
前記磁気ミキサの断面積は前記混合チャンバの断面積の約75%である、請求項14に記載の検体試験装置。
【請求項16】
前記磁気ミキサの動きは、前記混合チャンバの外側の電磁石によって誘導される、請求項15に記載の検体試験装置。
【請求項17】
前記電磁石はインダクタである、請求項16に記載の検体試験装置。
【請求項18】
前記磁気ミキサの動きは、前記混合チャンバの外側の移動磁石によって誘導される、請求項14に記載の検体試験装置。
【請求項19】
前記混合チャンバは、これに入る、及び/又はこれから出る流体の流れを防ぐため選択的に密閉できる、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項20】
前記流体入口が開成状態にあり、且つ通気口が開成状態にあるときには、前記通気口の中への加圧流体の導入によって、前記試験チャンバから前記混合チャンバの中へ、そして次に前記ボリュームチャンバの中へ検体を推進する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項21】
前記試験チャンバ内の検体の存在を感知する光学式検出器をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項22】
光学式検出器が前記試験チャンバ内の検体の存在を感知するときには、前記流体入口への加圧流体の導入が遮断される、請求項21に記載の検体試験装置。
【請求項23】
前記光学式検出器は検体の容積を測定する、請求項21に記載の検体試験装置。
【請求項24】
前記光学式検出器は前記通路内の検体を検出する、請求項21に記載の検体試験装置。
【請求項25】
前記試験チャンバ内の検体の電気的特性を測定する電気試験装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項26】
光学式試験装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項27】
前記試験チャンバは検体中の泡を回収する凸形状を有する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項28】
検体は前記装置から排出される、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項29】
前記ボリュームチャンバに接続される貯蔵槽と、
前記貯蔵槽内の試料を濾過し、且つ同膜を通じて検体の通過を可能にする膜とをさらに備え、
前記膜は前記貯蔵槽と前記ボリュームチャンバとの間に位置する、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項30】
直接的検体分析を実行する分析装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項31】
間接的検体分析を実行する分析装置をさらに備える、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項32】
検体に対し行われる試験は免疫学的アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項33】
検体に対し行われる試験は比色アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項34】
検体に対し行われる試験はターボメトリック(turbometric)アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項35】
検体に対し行われる試験は光学濃度アッセイである、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項36】
検体は血液である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項37】
検体は血漿である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項38】
検体は血清である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項39】
検体は唾液である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項40】
検体は尿である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項41】
検体は髄液である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項42】
検体は細胞培養又は発酵検体である、請求項1に記載の検体試験装置。
【請求項43】
容積測定、検体の混合、及び試験のための方法であって、
検体と、より多量の検体との間に流体を導入することにより、正確な量の検体をより多量の検体から分離する工程と、
検体を試薬に混合するこ工程と、
検体を試験するこ工程と、
この方法の各工程を通じて検体を推進する工程と、を具備する方法。
【請求項44】
前記検体は、通路を通じて2方向に推進される、請求項43に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2007−532878(P2007−532878A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507440(P2007−507440)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/011516
【国際公開番号】WO2005/100980
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(505008062)バイオ/データ・コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/011516
【国際公開番号】WO2005/100980
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(505008062)バイオ/データ・コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】
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