説明

個人位置認識装置およびこれを用いた追跡監視装置

【課題】圧力センサでもって人物データを取得するという技術を活用し、個人識別情報を取得したときに、同時に位置識別判別に用いる識別情報を取得することのできる簡便な個人位置認識装置を提供する。
【解決手段】個人識別記憶手段によって個人の識別情報の記憶を行う時に、当該個人が履いた靴を置く床に埋設され、靴底の所定の各部の圧力を感知する靴底圧力センサと、該靴底圧力センサからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成し、記憶する靴底圧力パターン記憶手段と、前記個人識別情報記憶手段で記憶した個人識別情報と前記靴底圧力パターン記憶手段で記憶する靴底圧力パターンとを対応させて組み合わせ登録する個人別靴底圧力パターン登録手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は個人位置認識装置およびこれを用いた追跡監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ映像を複数使用し、予め登録した人物の顔、姿の特徴データを使用して当該人物について追跡監視システムが種々開発されている。例えば、人物の顔画像の特徴データを用いて、データベースから特定人物を検索するものとして、特許文献1に記載された装置、方法が知られている。また、人物の顔画像の特徴データを用いて特定人物の居所を把握する装置として、特許文献2に記載されたものが知られている。これらの従来技術では、あらかじめ登録されている人物の顔画像を辞書として、複数の場所で取得した顔画像と照合することで特定人物の居所を把握し、表示することを行っている。
【0003】
さらに、顔画像を認識する代わりに、IDカードを使用して複数の個所でIDカードを読取り、特定人物の居所を把握することも知られている。
【0004】
特許文献3には、コイルを有し電磁誘導により書き込まれている個人識別コードを発信する発信器をビル内に居る人の足下に所持し、常に磁束を発生させるアンテナを有し前記コイルとの電磁誘導により前記個人識別コードを受信するとともに位置コードを付加して出力する受信器を床の下に埋設して、非接触で個人の位置を認識することを特徴とする個人位置認識装置が記載されている。
【0005】
また、個人認証装置に圧力センサを用いることが特許文献4あるいは5に記載されている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,450,504号公報
【特許文献2】特開2001−45471号公報
【特許文献3】特開平7−131392号公報
【特許文献4】特開平6−187430号公報
【特許文献5】特表2005−517935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
登録した辞書を1箇所に集中して保有する方法にあっては多数地点で、多人数について人物を特定、認識し、位置を確認するには処理時間がかかり、実時間での照合が困難である。顔画像の特徴データを使用する装置、方法にあっては顔画像が取得できない場所が存在する場合には特定人物の位置を認識できないという問題が生じる。IDカードによって特定人物の居場所を把握するシステムでは、他人のIDカードを利用することで他人になりすますことが可能になってしまうという問題がある。生体特徴処理する認識装置があっても特定人物の居所を追跡するという観点からは不便がある。アンテナを用いる装置にあっては、コルクあるいは発信機を靴側に設置しなければならないという不便がある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑み、圧力センサでもって人物データを取得するという技術を活用し、個人識別情報を取得したときに、同時に位置識別判別に用いる識別情報を取得することのできる簡便な個人位置認識装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、更に多数地点での多数の位置情報に対して効率よく人物の検索および人物の追跡監視を行うことのできる追跡監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、個人の識別情報の記憶を行う個人識別情報記憶手段と、
該個人識別記憶手段によって個人の識別情報の記憶を行う時に、当該個人が履いた靴を置く床に埋設され、靴底の所定の各部の圧力を感知する靴底圧力センサと、
該靴底圧力センサからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成し、記憶する靴底圧力パターン記憶手段と、
前記個人識別情報記憶手段で記憶した個人識別情報と前記靴底圧力パターン記憶手段で記憶する靴底圧力パターンとを対応させて組み合わせ登録する個人別靴底圧力パターン登録手段と、を有すること
を特徴とする個人位置認識装置を提供する。
【0011】
本発明は、更に、前記個人識別情報記憶手段に記憶する個人の識別情報は、生体認証手段によって取得された個人の生体情報であることを特徴とする個人位置認識装置を提供する。
【0012】
本発明は、更に、前記個人識別情報記憶手段に記憶する個人の識別情報は、識別ID取得手段によって取得された個人の識別ID情報であることを特徴とする個人位置認識装置を提供する。
【0013】
本発明は、更に、前記個人識別情報記憶手段は、識別情報が記憶された個人に付随して個人識別情報が記憶されない個人について靴底圧力パターンを前記識別情報と関連して識別し、前記個人別靴底圧力パターン登録手段は、当該関連した前記識別情報と記憶されない個人についての靴底圧力パターンとを対応させて組み合わせ登録することを特徴とする個人位置認識装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、圧力センサでもって人物データを取得するという検討が活用され、個人識別情報を取得したときに、同時に位置識別判別に用いる靴底圧力パターンが取得でき、簡便な個人位置認識装置を提供することができる。
【0015】
本発明によれば上述の個人位置認識装置を活用して、多数地点での多数の位置情報に対して効率よく人物の検索および人物の追跡監視を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施例である追跡監視システムは、個人の識別情報の記憶を行う個人識別情報記憶手段と、該個人識別記憶手段によって個人の識別情報の記憶を行う時に、当該個人が履いた靴を置く床に埋設され、靴底の所定の各部の圧力を感知する靴底圧力センサと、
該靴底圧力センサからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成し、記憶する靴底圧力パターン記憶手段と、
前記個人識別情報記憶手段で記憶した個人識別情報と前記靴底圧力パターン記憶手段で記憶する靴底圧力パターンとを対応させて組み合わせ登録する個人別靴底圧力パターン登録手段と、を有する個人位置認識装置と、
建物内部の管理区域の床に埋設されて位置が確定され、個人の所定の各部の圧力を感知する靴底圧力センサ1〜nと、
該靴底圧力センサ1〜nからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成し、記憶する1〜n靴底圧力パターン記憶手段と、を有し、
前記個人位置認識装置からの個人各人の個人識別情報、靴底圧力パターン並びに原点位置および原時刻情報、靴底圧力センサ1〜nからの個人各人の靴底圧力パターンを入力して前記個人識別位置認識装置に登録された個人各人の靴底圧力パターンと比較することによって個人別の靴底圧力パターンを識別し、識別された個人識別情報毎の靴底圧力パターン並びに計測位置および計測時刻情報に基づいて、個人識別情報毎に靴底圧力パターンの移動位置を確定し、行動記録を記憶する行動記憶手段を有して構成される。
【0017】
前記行動記憶手段は、前記記憶されない個人についても関連した識別情報に対応して行動記録を記憶することができる。
【0018】
前記行動記憶手段に記憶された行動記録を時間情報と共に表示する画面表示手段を備えるようにすることができる。
【0019】
前記画面表示手段は、個人情報が前記ID登録手段によって取得された個人の識別情報である場合に、前記行動記録と時間情報とから所定の範囲内で、かつ所定の時間以上留まっているかを判定して留まっている個人情報を識別し、当該個人識別情報と共に当該所定の範囲を表示することができる。
【0020】
前記画面表示手段は、前記当該所定の範囲内には、当該所定範囲内で識別された、前記生体認証手段によって取得された個人の生体情報についても表示することができる。
【0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施例である個人位置認識装置1およびこれを使用した追跡監視システム100を示す。図1において、個人位置認識装置1は、受付端末10、データ格納サーバ20の一部、床面センサ40の一部および管理者端末50の一部からなる。そして、追跡監視システム100は、個人位置認識装置1に加えて、床面センサ40の他部、データ取得端末30の他部および管理者端末の他部を備えて構成される。
【0023】
受付端末10は、生体認証手段11、靴底圧力パターン生成手段12、識別ID登録手段13、靴底圧力パターン記憶手段14、個人別靴底圧力パターン登録手段15および個人識別情報記憶手段16、17を備える。
【0024】
底面センサ40は、靴底圧力センサ群からなり、靴底圧力センサ群は靴底圧力センサ41、靴底圧力センサ(1)42、靴底圧力センサ(n)43からなる。靴底圧力センサ41は建物の管理区域にある受付端末10に近接した床に埋設される。この場合に、床とは建物の固定された床ばかりでなく、この床上に敷かれ、人物たる個人が立つことがある敷物なども床の一部として床と総称する。そして、埋設とは裸ではないという意味である。靴底圧力センサ(1)42から靴底圧力センサ(n)43は建物の管理区域の床の多数個所に埋設された靴底圧力センサを意味し、任意の個所に設置され得ることを示す。建物とは、企業、公共団体、空港その他の一般的な建物を指す。本実施例にあっては企業の1つのビルを例にとって説明するが、これに限定されるものではない。
【0025】
生体認証手段11は、個人の識別情報、例えば指紋指静脈パターン、その他の個人の生体識別情報を取得する手段であり、各種の公知の装置を採用し得る。
【0026】
識別ID登録手段13は、識別IDを取得する手段である。
【0027】
個人識別情報記憶手段16は、生体認証手段11で取得された生体情報を記憶する手段である。
【0028】
個人識別情報記憶手段17は、識別ID取得手段13で取得された識別用のID情報(識別ID情報)を記憶する手段である。
【0029】
靴底圧力パターン生成手段12は、床面センサ40の靴底圧力センサからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成する手段である。
【0030】
靴底圧力センサ41、42、43は、靴底の所定の各部の圧力を感知して圧力情報を生成する検知器であり、圧力センサとしては公知の各種センサを採用し得る。
【0031】
靴底圧力パターン記憶手段14は靴底圧力パターン生成手段12で生成された靴底パターンを記憶する手段である。
【0032】
個人別靴底圧力パターン登録手段15は、個人識別情報記憶手段16あるいは個人識別情報記憶手段17に記憶された個人識別情報と靴底圧力パターン記憶手段14で記憶する靴底圧力パターンとを対応させて、すなわちペアとして組み合せ登録処理を行うことのできる手段である。靴底圧力パターンと生体情報との組み合せ、靴底圧力パターンを識別ID情報との組み合せあるいは靴底圧力パターンと生体情報と識別ID情報との組み合せにて登録処理(登録情報)を行う。この登録処理に際しては登録情報として登録するばかりでなく、登録時(検出時を含む。)の原則時および受付端末100が設置された位置情報、すなわち原点である原点位置情報をも登録することを行う。
【0033】
データ格納サーバ20は、靴底パターン登録手段に登録された登録情報を入力、格納する。データ取得端末30は、建物の管理区域に配置された多数の靴底圧力センサからの圧力情報を収集し、靴底圧力パターン識別を行う端末であり、靴底パターン生成手段31、靴底圧力パターン識別手段32を備える。
【0034】
靴底圧力パターン生成手段31は、靴底圧力センサ(1)〜靴底圧力センサ(n)で取得された靴底各部の圧力情報から靴底圧力パターンを生成する。
【0035】
靴底圧力パターン識別手段32は、靴底圧力パターン生成手段31から靴底圧力パターンを入力し、靴底圧力パターン格納手段21に格納された靴底圧力パターンを入力して比較判定し、個人識別位置認識装置1に登録された個人各人についての靴底圧力パターンの識別を行う。これによって個人各人についての靴底圧力パターンが取得される。これらの靴底圧力パターンの取得に際しては、靴底圧力パターンを取得するばかりでなく、取得時(検出時を含む)の計測(検出)時の計測時刻情報および計測位置についての情報(計測位置情報)についても取得する。
【0036】
データ格納サーバ20の行動記録記憶手段22は、靴底圧力パターン識別手段32で取得された各種行動記録を記憶する。行動記録は、個人各人についての原点位置および原時刻情報、任意の位置からの計測位置および計測時刻情報に基づいて、個人識別情報毎に靴底圧力パターンの移動位置を確定した移動記録である。
【0037】
受付端末10の付近に光学的に読み取るスキャナを設け、受付端末10の靴底パターン登録手段で登録した個人識別情報数と光学的スキャナで確認した個人人数との差を求め、差がある場合には一人の個人認証にて複数の人間が入場する、いわゆる共連れがあることを検知する。従って、このような共連れの人間に対しても床面センサ40の靴底圧力センサを使用して靴底圧力パターンの生成を行う。この場合、個人識別情報が入力されないので、共連れをした個人の識別情報に共連れであることの記号を付加して組み合せ記録、登録することを行う。
【0038】
このように、個人識別情報記憶手段16、17は、識別情報が記憶された個人に付随して個人識別情報が記憶されない個人について靴底圧力パターン識別情報と関連して識別し、個人別靴底圧力パターン登録手段15は、当該関連した識別情報と記憶されない個人についての靴底圧力パターンとを対応させて組み合せ登録することができる。管理者端末50は、画面表示手段51を有する。この画面表示手段51は、通常の画面表示のための処理手段、画面部を有し、行動記録表示手段52を備える。行動記録表示手段52は、画面部に行動記録記憶手段22に記憶したデータである記録に基づいて行動記録を画面表示する画面表示は、個人各人について原位置から移動したルート、各移動した位置における計測時刻を画面に表示することができると共に、各移動した位置、すなわち計測地点を含んで予め設定した所定の範囲およびこの所定の範囲内に留まっていた時間を表示することを行う。各所定の範囲について特定の許容滞在時間を設定して管理者端末50に登録しておくような場合には、計測された個人識別の個人がこの特定の許容滞在時間を越えて滞在しているか、あるいは滞在していたかを検知することができる。特定の許容滞在時間を越えた個人識別情報があった場合には、この個人識別情報について警告表示を行うことができる。
【0039】
このように、画面表示手段51は、個人情報がID取得手段13によって取得された個人の識別情報である場合に、行動記録と時間情報とから所定の範囲内で、かつ所定の時間以上留まっているかを判定して留まっている個人情報を識別し、当該個人識別情報と共に当該所定の範囲を表示することを行う。
【0040】
また、画面表示手段51は、画面部を備え、当該所定の範囲内には、当該所定範囲内で識別された生体認証手段11によって取得された個人の生体情報についても表示することができる。
【0041】
このように、個人位置認識装置1を使用し、靴底圧力センサ(1)42〜靴底圧力センサ(n)43を使用し、データ取得端末30、行動記録記憶手段22、更には画面表示手段51を使用することによって、生体認証で認証された個人あるいは識別ID取得で識別された個人について建物の管理区域内での追跡を行う追跡システムで構成される。
【0042】
また、個人位置認識装置1からの個人各人の個人識別情報、靴底圧力パターン並びに原点位置および原時刻情報、靴底圧力センサ1〜nからの個人各人の靴底圧力パターンを入力して個人識別位置認識装置1に登録された個人各人の靴底圧力パターンと比較することによって個人別の靴底圧力パターンを識別し、識別された個人識別情報毎の靴底圧力パターン並びに計測位置および計測時刻情報に基づいて個人識別情報毎に靴底圧力パターンの移動位置を確定し、行動記録を記憶することができる。
【0043】
靴底圧力センサ(1)42〜靴底圧力センサ(n)43上に一定時間以上置かれた靴底圧力情報以外の情報に係る物体を取得した場合に、この物体の靴底圧力センサ上での位置情報を取得して、物体検知手段を設けることができる。
【0044】
図2は、受付窓口で来客を受付け登録し、また所員を受付け登録する例を示す。受付窓口には、受付端末が設定され、この近傍には靴底圧力センサ41が設置される。受付端末10では、来客61の識別ID情報が個人識別ID取得手段13(図1)によって取得される。この識別ID取得手段13によって個人の識別ID情報の記憶を行う時に、当該個人である来客16が履いた靴62を置く床63に埋設され、靴底の所定の各部の圧力を感知する靴底センサ41が設けてある。この靴底センサ41は、受付端末10に面して配置してあり、原位置を示す地点に設けられる。
【0045】
このようにして、靴底圧力センサ41からの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターン64が生成され、前述した靴底圧力パターン記憶手段14に記憶される。個人識別情報記憶手段17で記憶した識別ID情報と靴底パターン記憶手段14で記憶した靴底圧力パターンとは対応されて組み合わされて、個人別靴底圧力パターン登録手段15に登録される。登録する個人が所員である場合にも同様な処理がなされる。
【0046】
受付端末10では、所員71の生体認証情報が生体認証手段11によって取得される。この生体認証手段11によって取得された個人の生体認証情報の記録を行う時に、当該個人である所員71が履いた靴72を置く床63(前述の床63と別体であってもよい。)に埋設され、靴底の所定の各部の圧力を感知する靴底センサ41(前述の靴底センサ41と別体であってもよい。)が設けてある。この靴底センサ41は、受付端末10(前述の受付端末10と別体であってもよい。)に面して配置してあり、原位置(前述の原位置と別であってもよい。)を示す地点に設けられる。
【0047】
このようにして、靴底圧力センサ41からの靴底各部の圧力情報を入力して靴底パターン74が生成され、前述した靴底圧力パターン記憶手段14に記憶される。個人識別情報記憶手段16で記憶した生体情報と靴底圧力パターン記憶手段14で記憶した靴底圧力パターンとは対応されて組み合わされて、個人別靴底圧力パターン登録手段15に登録される。
【0048】
図3は建物内の追跡管理状況を示す。
【0049】
図3において、管理の対象とされた建物80には管理区域として事務室A81、会議室B82、事務室C83、事務室D84および受付室85があると想定する。受付室85には受付窓口210があり、前述のように受付端末10が配置され、その近傍前面部の床には靴底圧力センサ41が設けてある。220は入口扉である。各部屋81−84にはそれぞれ入口扉86−91が設置されている。
【0050】
各部屋81−84には、固定してあるように、各入口扉86−91に面する床には靴底圧力センサ(1)−靴底圧力センサ(n)が設けてある。すなわち多数の個所に多数の靴底圧力センサが設けてある。図示の例ではこれらの靴底圧力センサ(1)〜靴底圧力センサ(n)が連続して設けてあるが不連続設置でも構わない。すなわち、先行可能な追跡行路に沿って設けられており、各部屋81−84がそれぞれ所定の範囲ということになるが、連続した部屋を1つの所定の範囲とすることができ、その設定は任意である。追跡行路は画面に表示される。
【0051】
図4は、来客61あるいは所員71、又は来客61および所員について移動状況を追跡し、行動を記録することを示す図である。
【0052】
個人位置認識装置1からの来客あるいは所員の個人識別情報、靴底圧力パターン並びに原点位置および原時刻情報、靴底圧力センサ(1)42〜(n)43からの来客あるいは所員の靴底圧力パターンを入力して登録された来客あるいは書院の靴底圧力パターンとを靴底パターン識別手段32で比較することによって個人別の靴底圧力パターンを識別し、識別された個人識別毎の靴底圧力パターン並びに計測位置および計測時刻に基づいて、個人識別毎に靴別情報毎に靴底圧力パターンの移動位置を確定し、行動記録を行動記憶手段22に記憶する。靴底圧力センサ(1)42〜(n)43は歩行中および立ち話中において圧力情報を取得することができる。
【0053】
来客61が受付に退場することを告げ、受付端末10に靴底圧力パターンと共に退場が登録されると、来客の靴底パターン情報は消去あるいは保管処理がなされる。所員71についても同様な処理がなされる。
【0054】
図5は靴底圧力パターンの例を示す。靴底圧力パターンは、例えば靴底の外輪郭を接触あるいは非接触センサにより測定し、靴底各部の所定圧力以上の接地点を抽出し、接地点および外輪郭線に基づいて生成することができる。外輪郭には最外輪郭ばかりでなく、特徴のある靴底形状を含めることができる。図5に示す靴底圧力パターンは各種靴底のパターンおよび靴底圧力分布に依存して形成される。靴底圧力パターンの特徴点数は建物でのニーズの程度、識別精度の程度によって決定することができ、多くの判別を必要とする場合にはより多くの特徴点数を有する靴底圧力パターンを生成し、判別が少ない場合には少ない特徴点数を有する靴底パターンを生成するようにするのがよい。

上述の例では、来客あるいは所員を例に取って説明したが、身体障害者あるいは乗客等を対象にしてもよい。従って、本実施例によれば建物内にいる人の現在位置を正確に把握することができる。その結果、部屋の入退室管理、セキュリティチェックを容易に行うことができ、更には人の現在位置に合わせた環境制御、身体障害者に対する介護、搬送サービスなど建物内のサービスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例を示すブロック図。
【図2】登録の状況を示す説明図。
【図3】建物内の追跡管理状況を示す説明図。
【図4】来客および所員の行動記録情報取得を示す説明図。
【図5】靴底圧力パターン生成図。
【符号の説明】
【0056】
1…個人位置認識装置、10…受付端末、11…生体認証手段、12…靴底圧力パターン生成手段、13…識別ID取得手段、14…靴底圧力パターン記憶手段、15…靴底圧力パターン登録手段、16,17…個人識別情報記憶手段、20…データ格納サーバ、21…靴底圧力パターン格納手段、22…行動記録記憶手段、30…データ取得端末、31…靴底圧力パターン生成手段、32…靴底圧力パターン識別手段、40…床面センサ、41…靴底圧力センサ、42…靴底圧力センサ(1)、43…靴底圧力センサ(n)、50…管理者端末、51…画面表示手段、52…行動記録表示手段、100…追跡システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の識別情報の記憶を行う個人識別情報記憶手段と、
該個人識別記憶手段によって個人の識別情報の記憶を行う時に、当該個人が履いた靴を置く床に埋設され、靴底の所定の各部の圧力を感知する靴底圧力センサと、
該靴底圧力センサからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成し、記憶する靴底圧力パターン記憶手段と、
前記個人識別情報記憶手段で記憶した個人識別情報と前記靴底圧力パターン記憶手段で記憶する靴底圧力パターンとを対応させて組み合わせ登録する個人別靴底圧力パターン登録手段と、を有すること
を特徴とする個人位置認識装置。
【請求項2】
請求項1において、前記個人識別情報記憶手段に記憶する個人の識別情報は、生体認証手段によって取得された個人の生体情報であることを特徴とする個人位置認識装置。
【請求項3】
請求項1において、前記個人識別情報記憶手段に記憶する個人の識別情報は、識別ID取得手段によって取得された個人の識別ID情報であることを特徴とする個人位置認識装置。
【請求項4】
請求項1において、前記個人識別情報記憶手段は、識別情報が記憶された個人に付随して個人識別情報が記憶されない個人について靴底圧力パターンを前記識別情報と関連して識別し、前記個人別靴底圧力パターン登録手段は、当該関連した前記識別情報と記憶されない個人についての靴底圧力パターンとを対応させて組み合わせ登録することを特徴とする個人位置認識装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかの個人位置認識装置と、
建物内部の管理区域の床に埋設されて位置が確定され、個人の所定の各部の圧力を感知する靴底圧力センサ1〜nと、
該靴底圧力センサ1〜nからの靴底各部の圧力情報を入力して靴底圧力パターンを生成し、記憶する1〜n靴底圧力パターン記憶手段と、を有し、
前記個人位置認識装置からの個人各人の個人識別情報、靴底圧力パターン並びに原点位置および原時刻情報、靴底圧力センサ1〜nからの個人各人の靴底圧力パターンを入力して前記個人識別位置認識装置に登録された個人各人の靴底圧力パターンと比較することによって個人別の靴底圧力パターンを識別し、識別された個人識別情報毎の靴底圧力パターン並びに計測位置および計測時刻情報に基づいて、個人識別情報毎に靴底圧力パターンの移動位置を確定し、行動記録を記憶する行動記憶手段を有すること、
を特徴とする追跡監視システム。
【請求項6】
請求項5において、前記行動記憶手段は、前記記憶されない個人についても関連した識別情報に対応して行動記録を記憶することを特徴とする追跡監視システム。
【請求項7】
請求項5または6において、前記行動記憶手段に記憶された行動記録を時間情報と共に表示する画面表示手段を備えることを特徴とする追跡監視システム。
【請求項8】
請求項7において、前記画面表示手段は、個人情報が前記ID取得手段によって取得された個人の識別情報である場合に、前記行動記録と時間情報とから所定の範囲内で、かつ所定の時間以上留まっているかを判定して留まっている個人情報を識別し、当該個人識別情報と共に当該所定の範囲を表示することを特徴とする追跡監視システム。
【請求項9】
請求項8において、前記画面表示手段は、前記当該所定の範囲内には、当該所定範囲内で識別された、前記生体認証手段によって取得された個人の生体情報についても表示することを特徴とする追跡監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−219974(P2007−219974A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41941(P2006−41941)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】