説明

個人認証装置および方法並びに入退室管理装置および方法

【課題】
入退室が深部に行く程厳重な個人認証が求められるような施設において、厳重さのグレード付けに対応してより確実な個人認証を行うようにした認証時間が早く、利便性が良く、かつ高い認証精度を実現する個人認証装置および個人認証方法を提供する。
【解決手段】
指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段と、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段と、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を有する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別機器と生体情報を用いた個人認証装置および個人認証方法並びにこれを利用した入退室管理装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体情報を使用した個人認証技術の研究開発が盛んに行われている。利用する生体情報としては、指紋、虹彩、顔、音声、静脈などがある。
生体情報を利用した個人認証では、ユーザが自分の識別番号を入力して自分が誰であるかを明示してから、自分の生体情報と登録されている生体情報と照合を行う1対1照合と、自分の識別番号は入力せず、自分の生体情報と全ての登録者の生体情報と照合を行う1対N照合がある。
【0003】
ICカードにユーザの識別番号を格納しておくことにより、ICカードを個人認証装置にかざせば識別番号が読み取られ、識別番号を手で入力よりも利便性が向上する。
また、ICカードにユーザの識別番号や生体情報の一部を格納しておき、個人を認証する方法としては、特許文献1や特許文献2がある。
【0004】
特許文献1では、ICカードに正規ユーザの生体情報を分割した一部分である分割データと正規ユーザの生体情報に固有のIDを記録しておき、残りの生体情報とIDは、センサ装置に登録しておくことにより、生体情報の漏洩を防止し、セキュリティを向上させるものである。
【0005】
特許文献2では、携帯機器(ICカード)に正規ユーザの生体情報に係る登録データを記憶させておき、携帯機器及びコンピュータに照合処理を分散させて、生体情報を集中的に管理することなく高い安全性を確保するものである。
【0006】
特許文献3には、認証対象の身体上の特徴を用いて生体認証する生体認証部と、当該生体認証の結果が肯定的であるときに、認証媒体を発行する媒体発行部とからなる第一の認証装置と、前記認証媒体を用いて認証対象を認証する媒体認証部と、当該認証媒体による認証の結果に応じて機器の使用を許可する機器制御部から成る第2の認証装置を備えた生体認証併用複合認証システムが記載されている。
【0007】
特許文献4には、登録された使用者であることを特定できる生体情報及びパスワードが格納された個人認証用のカードと、該カードに格納された前記生体情報及びパスワードを読み取るカード読取装置と、使用者から生体情報を読み取る生体情報読取装置と、前記カード読取装置から出力される生体情報及びパスワードと、前記生体情報読取装置から出力される生体情報及び前記情報機器に格納されているパスワードとを照合する照合位置とを備えたことを特徴とする個人認証システムが記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−351844号公報
【特許文献2】特開2005−18128号公報
【特許文献3】特開2005−44252号公報
【特許文献4】特開2000−215172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、入退室が深部に行く程厳重な個人認証が求められるような施設において、厳重さのグレード付けに対応してより確実な個人認証を行うようにした認証時間が早く、利便性が良く、かつ高い認証精度を実現する個人認証装置および個人認証方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される格納データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段と、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段と、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を有すること
を特徴とする個人認証装置を提供する。
【0011】
また本発明は、少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される照合データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段と、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段と、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を有すること
を特徴とする個人認証装置を提供する。
【0012】
また本発明は、少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置を備えた入退室管理装置において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される格納データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段を備えた第1の入退室管理装置、第2のまたは第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段を備えた第2の入退室管理装置と、第3のまたは第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を備えた第3の入退室管理装置を有すること
を特徴とする個人認証装置を備えた入退室管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入退室が深部に行く程厳重な個人認証が求められるような施設において、厳重さのグレード付けに対応してより確実な個人認証を行うようにした認証時間が早く、利便性が良く、かつ高い認証精度を実現する個人認証装置および個人認証方法を提供することができる。
【0014】
また、この個人認証装置および個人認証方法を使用した入退室管理装置および管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
前述した個人認証装置あるいは個人認証方法または入退室管理装置あるいは入退室管理方法は、第1の認証手段による認証判定の結果を第1の認証端末に出力し、第2の認証手段による認証判定の結果を第2の認証端末に出力し、かつ第3の認証手段による人称判定の結果を第3の認証端末に出力することを行う。
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例である個人認証装置およびこの個人認証装置を備えた入退室管理装置の構成を示す図であり、図2は個人認証装置の構成をブロックで示す図である。
今、図1において、管理対象は入退室管理装置100である。本実施例は入退室管理装置100以外にも各種の管理装置に使用可能である。
【0018】
実施例の入退室管理装置100は、厳重な入退室管理が求められ、複数の領域において順次より厳重な入退室管理が求められるような施設に好適に適用される。本実施例の場合、当該施設1は、図1において枠で示す施設(1)、施設(2)および施設(3)からなり、順次厳重な入退室管理が求められる。各施設(1)、(2)、(3)の入口部2、3、4にはそれぞれ入退室用のゲート(扉を含む。)5、6、7が設けられ、各ゲートに関連して入退室管理装置8、9、10が設けられている。これらの入退室管理装置8、9、10を統合する統合入退室管理装置11は、これらの入退室管理装置8、9、10を含んで、また認証コントロール部12を含んで構成される。
【0019】
入退室管理装置8、9、10はそれぞれ図2に示す個人認証手段21、22、23とこれらにそれぞれ関連づけられた入退室認証端末24、25、26とからなり、各入退室認証端末24、25、26は各ゲート5、6、7の作動操作あるいは監視を行う操作、監視装置を含むものとする。
【0020】
認証コントロール部12は、演算部および登録部を備え、各個人認証装置21、22、23と接続され、情報の授受を行い、各入退室認証端末24、25、26のコントロールを行う。
【0021】
図2は本発明の実施例である個人認証装置の構成をブロックで示す図である。図2において、個人認証装置200は、識別番号取得手段31、ID番号取得手段32、指静脈情報取得手段33、指静脈特徴抽出手段34および記憶装置(記憶手段、記憶部)としての格納手段35を備える。更に、個人認証装置200は、通信手段49を有する識別番号取得手段41、テンキー入力手段によるID番号取得手段42、本人指静脈情報取得手段43、本人指静脈特徴データ取得手段44、演算手段45、各個人認証手段を構成することになる同一性判定手段46および出力手段47を備える。
【0022】
識別機器48は、例えばICカードからなり、通信手段50を介して識別番号取得手段41の通信手段とICカードに登録された識別番号を識別番号取得手段41に送信することができる。
【0023】
図2において、使用時期に対応して機能別に別体として図示してある、識別番号取得手段31と識別番号取得手段41、ID番号取得手段32とテンキー入力によるID番号取得手段42、指静脈情報取得手段33と本人指静脈情報取得手段43、指静脈特徴抽出手段34と本人指静脈特徴データ取得手段44は同一の手段として取り扱うことができる。
【0024】
識別番号取得手段31、41は、ユーザの携帯している識別機器48からユーザの識別番号を取得する手段であり、例えば識別機器としての無線ICタグ(RFID)RFIDリーダを利用すれば実現できる。無線ICタグ、RFIDリーダ,アンテナによって通信手段49、50が構成される。
ID番号取得手段32およびテンキー入力によるID番号取得手段42は、テンキー入力によってID番号を取得するものである。
【0025】
指静脈情報取得手段33および本人指静脈情報取得手段43は、ユーザの生体情報の内の指静脈情報を取得する手段であり、例えば指静脈センサを利用すれば実現できる。付加的に指紋情報を使用する場合には指紋センサを使用する。指静脈特徴抽出手段34および本人指静脈特徴データ取得手段44は、指静脈情報取得手段33あるいは本人指静脈情報取得手段43で取得したユーザの指静脈情報から個人の指静脈の特徴を抽出する手段であり、例えば、血管パターンを抽出する。演算手段45は、ユーザの識別番号を用いて格納手段35に格納された識別番号あるいはID番号に関連付けられた指静脈特徴を選択する手段、すなわち指静脈特徴選択手段51を備える。識別番号、ID番号あるいは/および指静脈特徴に関連づけておくことが検索する上で有利で、便利であるが、関連づけて記憶することを必ずしも要するものではない。
【0026】
格納手段35は、ユーザの識別番号、ID番号、抽出した指静脈特徴データ、他の生体特徴データなどを記憶媒体に格納する手段であり、RAMまたはファイル等を利用することで実現可能である。
【0027】
同一性判定手段(照合手段)46は、格納手段35に記憶されたユーザの識別番号、ID番号、指静脈特徴データ、他の生体特徴データと、入力された識別番号、ID番号、本人指静脈特徴データ、その他の生体情報を照合する手段である。照合で算出した類似度を表す照合値により、照合者が本人であるか、他人かを識別することができる。本実施例の特徴は、照合による同一性に加えて、前ステップの照合結果をも参照して同一性判定を行っていることにある。
【0028】
出力手段47は、入退室認証端末21、22、23、表示装置52、および諸機器53に同一性判定結果を出力する手段である。
【0029】
前述した入退室認証端末21、22、23は統合入退室管理装置11の認証コントロール部12に接続される。表示装置52は、同一性判定結果を画面に表示する手段であり、ディスプレイを利用することで実現可能である。統合入退室管理装置11に関連づけて設けられるが、各入退室管理装置8、9、10に関連づけて個別に設けても良い。また、音声手段と関連づけても良い。
【0030】
図2において、識別番号取得手段31でユーザの識別番号が、そして次いでID番号取得手段32によってユーザのID番号が、更に指静脈情報取得手段33によってユーザの指静脈情報が取得される。図3に指静脈情報の1つの例として血管パターン300を示す。
【0031】
指静脈特徴抽出手段34は、指静脈情報から指静脈特徴を抽出し、指静脈抽出データとして格納手段35に格納する。これによってユーザの識別番号、ID番号および指静脈特徴抽出データとが関連づけられて格納手段4に格納される。前述したようにこの関連づけは必須の要件ではない。
【0032】
本人識別を行う場合に識別機器48を有するユーザが、識別番号取得手段31に近づくと、通信手段49、50の働きによって識別機器に格納されたユーザの識別番号が取得される。通信手段を有しない場合には接触式によって識別番号を取得するようにしても良い。図1に示すように、施設1が施設(1)、(2)、(3)としているように施設(1)に多数のユーザが入室するようなケースでは非接触方式が有利である。
【0033】
次いで、テンキー入力によるID番号取得手段42は、テンキー入力によってユーザのID番号を取得し、本人指静脈情報取得手段43はユーザ本人の指静脈特徴抽出データを取得する。
【0034】
演算手段45は、識別番号取得手段41、テンキー入力によるID番号取得手段42で取得された識別番号、ID番号の送達を受ける。これらの番号のいずれかの番号の送達を受けて格納手段35から当該識別番号もしくはID番号に関連づけられた指静脈特徴抽出データを選択し、照合のためのデータ準備を行う。
【0035】
同一性判定手段46は、次のステップで順次同一性判定を行い、各ステップ毎に判定結果を出力する。
第1ステップ:
識別番号による照合であり、識別番号によって同一性判定がなされる。
第2ステップ:
テンキー入力されたID番号による照合でなされる。この照合による判定と、ID番号に関連づけられた識別番号について識別番号判定が完了しているかを認証コントロール部12(もしくは入退室認証端末24)に求め、完了している場合に双方の条件に基づいて同一性判定がなされる。
第3ステップ:
指静脈抽出データによる照合がなされる。この場合には、指静脈特徴選択手段51によってデータ準備された指静脈特徴抽出データが使用される。1対1の対応によって個別的に指静脈特徴抽出データを照合するようにしても良い。
【0036】
この照合による判定と、指静脈特徴抽出データに関連づけられたID番号についてID番号判定が完了しているかを認証コントロール部12(もしくは入退室認証端末25)に求め、完了している場合に双方の条件に基づいて同一性判定がなされる。ID番号判定には識別番号判定が含まれることになる。
【0037】
上述した例では、第1ステップに識別番号が、そして第2ステップにID番号が使用される例を示したが、第1ステップにID番号を、そして第2ステップに識別番号を使用するようにしても良いが、ゲート5に多人数のユーザが入門するような場合には、第1ステップに通信手段を介した識別番号が取得されるようにするのが望ましい。
【0038】
第2ステップで指静脈特徴抽出データを使用することも考えられる。すなわち、施設(2)への入室するユーザの数が限られるような場合に、有利な選択となる。
同一性判定手段46で判定された判定結果は出力手段47を介してそれぞれ入退室認証端末24、25、26に伝送される。この判定結果は表示装置52あるいは諸機器53に伝送されるようにしてもよい。
【0039】
図4は、本実施例である前判定参照方式を従来法である単独、個別認証方式と比較して、安全性について説明する図である。この図において、入退室認証端末24、25、26におけるそれぞれの照合を照合A、照合B,照合Cと設定したとする。
入退室認証端末24における判定は双方共照合Aによってなされ、安全性は同一である。
【0040】
入退室認証端末25における判定は双方共照合Bを条件とするため、結果的に双方共B+Aの複合判定となる。しかしながら、従来法にあっては何等かの理由によって入退室認証端末21からのデータ入力がない場合によっては、すなわち「場合によっては」Bのみによって同一性の判定がなされることになる。これに対して、本実施例にあっては第1ステップでの判定を参照して同一性を判定しているので、同一性判定は必ずB+Aによってなされることになる。従って、場合によっては、Bのみによる判定を行うことになるということは回避されることになる。
【0041】
入退室認証端末26における判定も同様である。双方共照合Cを条件とするため、結果的にC+B+Aの複合判定となる。一見すると同一の安全性である。しかしながら、従来法にあっては何等かの理由によって入退室認証端末25、26からのデータの入力がない場合には、すなわち「場合によっては」Cのみ、またはC+B、C+Aによって同一性判定がなされることになる。これに対して、本実施例にあっては第1ステップおよび第2ステップの判定を参照して同一性を判定しているので、同一性判定は必ずC+B+Aによってなされることになる。従って、場合によっては、CのみまたはC+B、C+Aによる判定を行うことになるということは回避されることになる。
【0042】
本実施例によれば、指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の認証手段によって、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行い、第2の認証手段によって、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行い、第3の認証手段によって、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う個人認証装置および方法が構成される。
【0043】
また、本実施例によれば、指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の認証手段によって、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行い、第2の認証手段によって第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行い、第3の認証手段によって、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う個人認証装置および方法が構成される。
【0044】
更に本実施例によれば、前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の認証手段を備えた第1の入退室管理装置によって、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行い、第2の認証手段を備えた第2の入退室管理装置によって、第2のまたは第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行い、第3の認証手段を備えた第3の入退室管理装置によって、第3のまたは第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行い、以って施設への入退室管理を行う個人認証装置を備えた入退室管理装置および方法が構成される。
【0045】
図1に示す装置構成によれば、識別番号取得手段41から識別番号が無線を使用する通信手段49、50によって自動的に取得され、あるいはID番号の取得によって指静脈特徴抽出データが準備されるから同一性判定を迅速に行うことができるメリットがある。
【0046】
図5を参照して個人認証処理の登録手順について説明する。
最初にステップS11で、識別番号取得手段から識別番号を取得し、入力する。ステップS12で、テンキーよりID番号を取得し、入力する。ステップS13で、ユーザの指静脈情報を取得する。ステップS14で、指静脈情報から指静脈特徴を抽出し、入力する。ステップS15で、識別番号、ID番号および指静脈特徴抽出データを互いに関連づけて格納手段に格納する。
【0047】
次に図6を参照して個人認証処置の認証処理手順について説明する。
最初にステップS21で、識別番号取得手段によりユーザが携帯する識別機器が個人認証装置21の近傍にあるかをチェックする。ない場合は、識別機器のチェック待ちの状態となる。ありの場合、ステップS22で識別機器から自動的に識別番号を取得する。
ステップS23で取得した識別番号を格納してある識別番号に照合する。ステップS24で、前述の照合によって、第1のステップにおける第1の認証判定を行う。
【0048】
第1の判定が認証し得る場合には、ステップS25で入退室認証端末24の操作がなされ当該ユーザのゲート5の入室が許容される。
ステップS26で、テンキー入力によりID番号を取得する。ステップS27で、取得したID番号を格納してあるID番号に照合する。ステップS28で、照合結果と、識別番号判定とによって第2ステップにおける第2の認証判定を行う。
【0049】
第2の判定が認証し得る場合には、ステップS29で入退室認証端末25の操作がなされ、当該ユーザのゲート6への入室が許容される。
ステップS30で、ユーザの指静脈情報の取得がなされる。ステップS31で取得した指静脈情報から指静脈特徴が抽出される。ステップS32で、抽出された指静脈特徴を格納してある指静脈特徴と照合する。ステップS33で、この照合結果と、ID番号判定とによって第3ステップにおける第3の認証判定を行う。
【0050】
第3の判定が認証し得る場合には、ステップS34で入退室認証端末26の操作がなされ、当該ユーザのゲート7への入室が許容される。
退室の場合にも同様である。
認証が許容されないと判定されると、その旨表示装置52に表示されると共に、各ゲートへの通路は許容されない。
なお、本実施例では上述したようにゲート2、3、4を有するような施設への入退室について例をとって説明したが、順次厳密な認証を行うことを求められるような施設において本願実施例は有利に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明が適用される入退室管理装置の概略を示す図。
【図2】本発明の実施例である個人認証装置の構成を示すブロック図。
【図3】血管パターンを示す図。
【図4】本実施例と従来法との比較図。
【図5】個人認証処理の登録手順について示すフローチャート図。
【図6】個人認証処理の認証処理手順について示すフローチャート図。
【符号の説明】
【0052】
1…施設、2,3,4…入口部、5,6,7…ゲート、8,9,10…入退室管理装置、11…統合入退室管理装置、12…認証コントロール部、21,22,23…個人認証手段、24,25,26…入退室認証端末、31,41…識別番号取得手段、32,42…ID番号取得手段、33…指静脈情報取得手段、34…指静脈特徴抽出手段、35…格納手段(格納部)、43…本人指静脈情報取得手段、44…本人指静脈特徴データ取得手段、45…演算手段、46…同一性判定手段、47…出力手段、48…識別機器、49,50…通信手段、51…指静脈特徴選択手段、100…入退室管理装置、200…個人認証装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される格納データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段と、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段と、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を有すること
を特徴とする個人認証装置。
【請求項2】
少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される照合データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段と、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段と、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を有すること
を特徴とする個人認証装置。
【請求項3】
請求項1または2において、第1の認証手段による認証判定の結果を第1の認証端末に出力し、第2の認証手段による認証判定の結果を第2の認証端末に出力し、かつ第3の認証手段による認証判定の結果を第3の認証端末に出力することを特徴とする個人認証装置。
【請求項4】
少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置を備えた入退室管理装置において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される格納データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行う第1の認証手段を備えた第1の入退室管理装置、第2のまたは第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行う第2の認証手段を備えた第2の入退室管理装置と、第3のまたは第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行う第3の認証手段を備えた第3の入退室管理装置を有すること
を特徴とする個人認証装置を備えた入退室管理装置。
【請求項5】
少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置による個人認証方法において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される格納データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の認証手段によって、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行い、第2の認証手段によって、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行い、第3の認証手段によって、第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行うこと
を特徴とする個人認証方法。
【請求項6】
少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置による個人認証方法において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される照合データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の認証手段によって、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行い、第2の認証手段によって第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行い、第3の認証手段によって、第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行うこと
を特徴とする個人認証方法。
【請求項7】
請求項5または6において、第1の認証手段による認証判定の結果を第1の認証端末に出力し、第2の認証手段による認証結果を第2の認証端末に出力し、かつ第3の認証手段による認証判定の結果を第3の認証端末に出力することを特徴とする個人認証方法。
【請求項8】
少なくとも1つの生体関連検出データを含む複数の検出データと、格納部に格納され前記検出データに対応して照合される格納データとを用いて本人認証を行う個人認証装置を備えた入退室管理装置による入退室管理方法において、
当該個人認証装置は、前記複数の検出データが、少なくとも相異なる3つの検出データであって、その内の1つは指静脈特徴検出データであり、従ってこの3つの検出データに対応して照合される格納データも相異なるものを使用し、
前記指静脈特徴検出データ以外の検出データを第1のおよび第2の検出データとし、前記指静脈特徴検出データを第3の検出データとしたときに、第1の認証手段を備えた第1の入退室管理装置によって、第1の検出データとその格納データを照合して第1の認証判定を行い、第2の認証手段を備えた第2の入退室管理装置によって、第2のまたは第3の検出データとその格納データを照合し、かつ第1の認証判定を参照して第2の認証判定を行い、第3の認証手段を備えた第3の入退室管理装置によって、第3のまたは第2の検出データとその格納データを照合し、かつ第2の認証判定を参照して第3の認証判定を行い、以って施設への入退室管理を行うこと
を特徴とする個人認証装置を備えた入退室管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−54263(P2007−54263A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−242615(P2005−242615)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】