個人認証装置
【課題】カードの挿入と生体認証と暗証番号の認証とを違和感無く進めさせる個人認証の表示方法を提供する。
【解決手段】自動取引装置1の個人認証の表示方法において、カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図641と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図461と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図462とを備え、少なくとも2つの動作図を表示画面面上に表示し、一方の動作図を活性状態表示として動作可能状態で表示し、他の動作図を非活性状表示として動作不可能な状態で表示し、前記一方の動作図の操作手続きが完了した後に他の動作図を活性状態表示として、当該動作図に対応した操作手続きを可能とする。
【解決手段】自動取引装置1の個人認証の表示方法において、カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図641と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図461と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図462とを備え、少なくとも2つの動作図を表示画面面上に表示し、一方の動作図を活性状態表示として動作可能状態で表示し、他の動作図を非活性状表示として動作不可能な状態で表示し、前記一方の動作図の操作手続きが完了した後に他の動作図を活性状態表示として、当該動作図に対応した操作手続きを可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体を用いた個人認証装置に関し、特に、生体認証と暗証番号を併用した個人認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁気カードやICカードの認証用として暗証番号が広く普及している。近年、遺失や盗難等による不正行使の恐れも少ないセキュリティ方式として、指紋や虹彩、血管パターンといった個人の体の一部を鍵として用いる生体認証が注目されている。中でも、血管パターンを用いた認証方法は、指紋のように犯罪捜査を連想させたり、虹彩のように直接眼球に光を照射したりすることがないので心理的抵抗感が少なく、また、容易に観測できる生体表面ではなく内部の特徴のため、偽造が困難という利点がある。
【0003】
これら生体認証は、単独での認証や、あるいは、暗証番号と併用するものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−83298号公報
【0005】
【特許文献2】特開2000−200113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、カードと併用される認証方式は暗証番号が主体となっているが、セキュリティの高い認証方式としての生体認証は今後ますます広く普及していくことが想定される。このような状況において、広く普及した暗証番号から生体認証へ移行することには利用者に理解を得ながら進める必要がある。一方、生体認証といえども絶対的なものではないことから、暗証番号と生体認証を併用することが有効である。
【0007】
しかし、常に、2つの認証を行っていると、利用者にわずらわしさを感じさせることも懸念される。
【0008】
そこで、この発明の目的とするところは、カードの挿入と生体認証と暗証番号の認証とを違和感無く進めさせる個人認証の表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る個人認証の表示方法では、前記目的を達成するために、カード読取装置と、暗証番号入力手段と、生体認証装置と、タッチパネル表示装置と、各種データを格納した記憶装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が前記タッチパネル表示装置に各種の取り引きにともなう取引工程の操作画面を表示して、当該タッチパネル表示装置から操作指示を受け付けて自動取引を行う自動取引装置の個人認証の表示方法において、カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図とを備え、少なくとも2つの動作図を表示画面面上に表示し、一方の動作図を活性状態表示として動作可能状態で表示し、他の動作図を非活性状表示として動作不可能な状態で表示し、前記一方の動作図の操作手続きが完了した後に他の動作図を活性状態表示として、当該動作図に対応した操作手続きを可能とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カードの挿入と生体認証と暗証番号の認証とを違和感無く進めさせる個人認証の表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1から図42を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。この実施の形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automatic Teller Machine)のような自動取引装置に関する。図1から図16は第1の実施の形態、図17から図28は第2の実施の形態、図29から図42は第3の実施の形態を示している。
(第1の実施形態)
先ず、図1を参照して、本実施の形態に係る自動取引装置の概略構造を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る自動取引装置1の概略説明図である。
【0012】
図1において、符号1で総括的に示すのは、金融機関等のロビーなどに設置される自動取引装置である。本実施の形態では、自動取引装置1としてATMの例で説明する。自動取引装置1は、直方体の前面上方の一部分が側面から見てL字形に切り欠かれた開口部を有する本体筐体10と、L字形の開口部を塞ぐように配置され、側面から見てL字形に形成されたフロントパネル11とから構成されている。
【0013】
本体筐体10は、前面が開口したベース筐体12と、このベース筐体12の前面下方に設けられた板状の前面扉13と、ベース筐体12の背面に配置された板状の背面扉14とを有している。ベース筐体12は、各種の取引処理を行う機構部、例えば、図2に示す、タッチパネル付表示部220、カード部221、通帳明細印字部222、伝送制御部223、記憶装置部224、硬貨入出金部225、紙幣入出金部226、電源部227、生体認証部228、制御部229等を内蔵している。タッチパネル付表示部220は情報の入力装置および出力装置としての機能を備えており、カード部221はIDカード212(図2、図3参照)の読取装置および出力装置としての機能を備えている。そして、タッチパネル付表示部220の操作表示部15や各部の媒体口18、19、23、24や生体認証部228の生体情報読取部22はフロントパネル11から露出するように配置されている。
【0014】
L字形のフロントパネル11は、本体正面の垂直面を形成するパネル部16と、水平面を構成するテーブル部17とを備えている。本実施形態では、垂直面を構成する前記パネル部16の中央にカード/明細票取扱口18や通帳取扱口19からなる媒体取扱部20が配置され、水平面を構成するテーブル部17の中央に操作表示部15、その両側に非常時の連絡用のハンドセット21と生体認証部228の生体情報読取部22が配置され、水平面と垂直面の角部には紙幣挿入/排出口23と硬貨挿入/排出口24が並設されている。
【0015】
本実施の形態の特徴の1つは、暗証番号での認証および生体認証での認証にそれぞれ意味合いを持たせ、各認証では、前記意味合いに沿ったガイダンスと表示内容で手続きを進めることにより、複数認証における利用者の操作手順の分かりづらさを軽減した点にある。
【0016】
例えば、この実施の形態では、生体認証を「暗証番号を入力するため」の手続きとし、暗証番号は「口座取引を行うため」の手続きとしている。特に、この実施の形態では、暗証番号が口座取引の手続きであるとする利用者の従来からの認識を変更することなく、生体認証を導入できるので、違和感なくセキュリティの高いシステムを導入することができる。
【0017】
また、この実施の形態では、前記2つの表示画面での分かりやすさを得るために、この認証手続画面460では、認証手続姿勢を現す生体認証部461と暗証番号手続を表すテンキー部462とを1つの認証手続画面460上で表示し、一方の認証、ここでは生体認証が照合されるまで他の認証、ここでは暗証番号手続きを示すテンキー部462を不活性状態(手続きできない)とする。そして、生体認証の照合が合致すると前記不活性状態のテンキー部462を活性状態(入力可能な状態)とする。なお、この実施例では、より分かりやすさを表現するために生体認証の承認が得られたことを示す「丸印463」をテンキー部の活性状態とともに表示する。
【0018】
次に、図2を参照して、この自動取引装置1が設置される金融機関システムの構成と自動取引装置1の構成を説明する。図2は図1の自動取引装置1を用いた金融機関システムのブロック構成図である。
【0019】
この金融機関システムでは、この金融機関システムを統括するセンタ100のサーバやホストなどの機器(コンピュータ)に対して、複数の営業店舗200のサーバや端末やシステムなどの機器(コンピュータ)と専門センタ350のサーバや端末などの機器(コンピュータ)とがネットワーク300で接続されている。前記営業店舗200には店舗ネットワーク211を介して複数の機器(コンピュータ)が接続され、これら機器(コンピュータ)が前記ネットワーク300を介して前記センタ100や前記専門センタ350の機器(コンピュータ)と接続され、この金融機関システムを利用する顧客に対して各種の金融サービスを提供することができるようになっている。この他、この金融機関システムには前記ネットワーク300を介して他の金融システムや各種のサービスサイトの機器(コンピュータ)に接続することができる。
【0020】
前記センタ100の各機器(コンピュータ)は、HUBサーバ150を介して他の営業店舗200の機器(コンピュータ)や専門センタ350の機器(コンピュータ)と接続することで、金融機関内の全ての情報を統括管理している。このHUBサーバ150は、ゲートウエイサーバを兼用するものであり、チャネル系APサーバ群を統括する統合チャネルサーバ110と、勘定系ホスト140と、各種の新商品情報を備えた新商品サーバ130と、全ての顧客情報を統括的に管理する顧客管理サーバ120などが接続される。
【0021】
統合チャネルサーバ110は、前記ネットワーク300を介して営業店舗200の機器(コンピュータ)と接続されて、営業店舗200の機器(コンピュータ)に各種の情報を提供する支援システムである。この統合チャネルサーバ110の統括下には、IBコンテンツ情報を備えたIBサーバ111と、営業店のコンテンツ情報を備えた営業店APサーバ112と、来店顧客情報を備えた来店管理サーバ113と、商品のコンテンツ情報を備えた商品情報サーバ114と、行員情報を備えた行員管理サーバ115と、顧客情報デ一タを備えた顧客情報管理サーバ116とを備えている。
【0022】
一方、営業店舗200は、店舗ネットワーク211を介して各種装置が接続されて設けられている。例えば、このシステムでは、自動取引装置1、顧客の店舗の出入りを管理する受付端末208、顧客の各種の相談に対応する相談端末207、顧客に各種の情報を提供する情報テーブル端末206、行員が顧客に対して相談や商談を薦める相談テーブル端末205、行員が顧客に対して取引に関する各種サービスを行う窓口取引端末204、前記窓口取引端末204を支援する窓口後方取引端末203、各種の金融関連装置からなる金融デバイス202、店舗内の各種情報を管理する営業店サーバ201、店舗内の無線通信や位置検知を行う店舗通信システム210などが設けられている。
【0023】
また、この金融機関システムでは、顧客が所有する携帯端末213や、この金融機関が顧客に提供するIDカード(個入認証用カード)212などを介して各種の情報を提供することができる。このIDカード212は、ICカードで構成され、そのICチップ内に顧客の個人情報(暗証番号(識別番号)、生体情報(本実施形態では、指静脈情報)、取引情報などの各種情報)が電気信号として記憶されて登録される。
【0024】
前記自動取引装置1は、この自動取引装置1を統括して制御する制御部229と、情報入力部を兼ねたタッチパネル付表示部220と、各種のカードに対して読み取りや書き込みを行うカード部221と、通帳の書き込みを行う通帳明細印字部222と、店舗ネットワーク211に接続するための伝送制御部223と、各種の情報を記憶する記憶装置部224と、硬貨入出金部225と、紙幣入出金部226と、電源部227と、生体認証部228とを含んで構成される。
【0025】
次に、図3を参照しながら、自動取引装置1のシステム構成の概略を説明する。図3は図1の自動取引装置1のシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0026】
制御部229は、CPU259、メモリ260、および入出力インタフェース255〜258などを備えて構成されている。メモリ260は、図2に示す記憶装置部224を構成するものであり、後述する制御動作を行わせるためのプログラムを格納している。CPU259は、図2に示す制御部229を構成するものであり、メモリ260に格納されたプログラムを用いて制御を実行する。
【0027】
カード部221は入出力インタフェース257を介してコンピュータ229に接続されており、IDカード212をカード部221に挿入することにより、IDカード212に登録された顧客の個人情報などがカード部221で読み取られ、制御部229の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納される。
【0028】
また、光源251とカメラ252との間に、指261を挿入して、スイッチ253の押下に合わせて指静脈情報の画像信号を取得する。スイッチ253の押下の替わりに、図示しない指置き検知センサによる指置き検知により画像信号を取得するようにしてもよい。この指静脈情報は指血管パターンを図形情報として取得する。指静脈情報の代わりに、手のひら静脈情報や、その他の生体情報を用いることが可能な場合には、それらを用いてもよい。前述の光源251、カメラ252及びスイッチ253は図1に示す自動取引装置1の生体情報読取部22を構成するものである。カメラ252の画像信号は、画像入力器254によってデジタル情報に変換され、コンピュータ229の入出力インタフェース255を介してメモリ260に格納される。
【0029】
さらには、スイッチ253も同様に入出力インタフェース256を介して接続され、オン/オフの状態がメモリ260に格納されるか、もしくは、オンになると同時にCPU259に対して割り込み信号を発生する。
【0030】
CPU259は、スイッチ253の状態がオンになったのを確認するか、もしくはオンになった割り込み信号を検知すると、認証を行うソフトウェアプログラムを起動し実行する。そして、プログラムの処理結果に基づき、その結果を、タッチパネル付き表示部220に表示したり、カード部221に出力してIDカード212に書き込みしたり、制御対象280に適切な信号を送って扉を開閉したり、といった各種制御を行う。なお、タッチパネル付き表示部220は、上述したように情報入力部を兼ねており、例えば、暗証番号などの認証に関する、補助情報や取引情報などを入力するのに用いることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、生体認証部222を構成する生体情報読取部22で指の静脈を読み取って認証に用いるものであるので、手のひらの静脈を読み取って認証に用いる場合に比較して、認証情報の容量が小さく、認証速度が速く、しかも、認証装置が小型で使い勝手がよいものである。
【0032】
次に、図4を参照して、自動取引装置1の生体認証部228を構成する生体情報読取部22の構造を説明する。図4は図1の自動取引装置1の生体情報読取部22の説明図であり、生体情報読取部22に指をかざした状態の平面図及び側面図である。この実施形態では、人の手が平面に置かれた姿勢では人差し指や手の中央部が浮いた姿勢となることに着目し、前記生体情報読取部22をテーブル部17から隆起させ、その隆起部の中央部に前後方向に長い指装着用の溝22bを設けている。生体情報読取部22は、前記溝22bの先端部に内部にLED(ランプ)を備えたマーク22a、前記溝22bの手前に前記指保持部22cを備えている。
この実施の形態によれば、利用者は、操作表示部15に表示される「指をかざすこと」を促す操作ガイダンス等にしたがって、生体情報読取部22のマーク22a近傍に指先が位置するように指をかざすことで生体認証手続きを行うことができる。図4は右手の人差し指をかざした例である。かざした指の腹は、前記マーク22aと前記指保持部22cによって支えられて、安定した状態で生体情報の読み取りが行うことができる。
【0033】
次に、図5の動作フロー図に基づいて、図6から図11を参照しながら、この実施の形態の認証手続きの動作フローを説明する。図6は動作フロー図であり、図7から図11は画面遷移図である。
【0034】
図5において、CPU259は、取引開始にあたり図6に示すトップメニュー画面430をタッチパネル表示部15に表示している(ステップ410)。このトップメニュー画面430は「引き出し」や「預け入れ」などの選択キーを画面上に表示しており、利用者が前記選択キーをタッチすると、検知待機状態の前記CPU259は前記タッチパネル付表示部15のタッチパネルでタッチされた座標を検知し、当該タッチされた選択キーに対応する処理を受け付けるとともに(ステップ411)、図7に示すカード挿入画面440をタッチパネル表示部15に表示し、IDカード212が挿入されることを待つ(ステップ413)。
【0035】
CPU259は、IDカード212がカード部221に挿入され、IDカード212に登録された顧客の個人情報などを前記カード部221で読み取り、CPU259の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納し(ステップ414)、図8に示す生体認証画面450をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ415)。前記生体認証画面450は、認証手続姿勢を現す生体認証部461と暗証番号手続を表すテンキー部462とを1つの画面上(450)に表示される。
ここで、CPU459は、前記生体認証画面450では、生体認証が照合されるまで他の認証、ここでは暗証番号手続きを示すテンキー部462を不活性状態(手続きできない)とし、生体認証を促す生体認証部461を活性状態(動作可能な状態)とするとともに、「本人認証」として「指をかざしてください」とのガイダンスを表示させる。また、CPU259は、ステップ416において、前記生体情報読取部22のマーク22aの図示しない緑色のLEDを点灯させて図3に示すカメラ252や画像入力器254などを動作状態とする(ステップ416)。利用者は、前記タッチパネル表示部15の生体認証部461とガイダンスにしたがって前記生体情報読取部22に指をかざすことで生体認証の手続きを行うことができる。
【0036】
ステップ416において、CPU259は、図4に示す認証姿勢でカメラ252で得られる指静脈情報(指血管パターン)を図形情報として取得し、デジタル情報に変換する。更に、CPU259は、前記カメラ252を介して得られるデジタル情報とカードから取得されたデジタル情報とを照合し(ステップ417)、合致すれば図9に示す暗証番号画面460を表示し(ステップ422)、不一致であればステップ418へ移行する。
【0037】
CPU259は、ステップ417において、ICカードの不一致回数を記録(書き換え)するとともに前記マーク22aの点灯表示を緑色LEDから黄色LEDに点灯変更し、ステップ419において、この不一致回数が予め設定された不一致回数を超えているか否かを判定する。ここで、不一致回数が所定回数を超えていればステップ426において取引停止処理を行って元のトップメニュー画面430を表示する。
【0038】
一方、不一致回数が所定回数未満の場合、図10の不承認画面470を表示する。この不承認画面470では、活性状態のテンキー部462に「×」を付して、かつ。「本人認証が承認できませんでした」とのガイダンスを表示して、承認できないことを利用者に通知する。CPU259は、前記不承認画面470を所定時間表示した後、図11に示す再生体認証画面480をタッチパネル表示部15に表示し、カメラ252や画像入力器254及び前記マーク22aの青色LEDを点灯させ生体認証機器を動作状態とする。
【0039】
前記再生体認証画面480は、「本人認証」について「もう一度指を置いてください」「登録されている指は右手人差指ですとのガイダンスを表示するとともに、生体認証の操作姿勢を示す図面を表示する。ここで、この実施の形態では、ガイダンスとして、最初の認証では登録されている指を表示しなかったが、再認証の場合では、登録されている指を表示するようにしている。これにより、詳細な情報提供(表示)を控えることにより、情報の漏洩を軽減するとともに通常の操作時間を短縮させ、再認証では明確な(詳細な)情報を提供することにより確実な操作性を実現させている。
特に、この実施の形態では、前記再生体認証画面480に表示される操作姿勢を示す図面では、誤りやすい複数の姿勢図481を表示するとともに、再操作を促す操作図482を表示することにより、再承認の承認率を向上させるようにしている。
【0040】
図5及び図9に戻り、CPU259は、暗証番号画面460において、生体認証部461を不活性状態(非動作状態)とし、暗証番号入力部を生体認証の承認が得られたことを示す「丸印463」を付して活性状態とする。また、前記マーク22aを赤色LEDの点灯に変更して、生体認証が完了したことを利用者に知らせる。
【0041】
このように、この実施の形態では、生体認証を「暗証番号を入力するための手続き」とし、暗証番号を「口座取引を行うための手続き」としている。そして、この2つの意味を利用者に理解しやすいように、生体認証が承認されれば図9に示すように暗証番号の入力を可能な表示とし、逆に、生体認証が承認されなければ図10に示すように暗証番号の入力が不可能な表示を行うようにする。これにともない、図9では生体認証部461を不活性表示とすることで生体認証手続きが完了したことを示し、また、図10では生体認証部461を活性状態とすることで生体認証手続きが完了していないことを表示する。これにより、利用者に生体認証手続きと暗証番号手続きが関連していることの理解を得やすくすることができる。
【0042】
図9において、前記暗証番号部462は、上方に配置される入力確認表示部464と、その下方に配置される複数の入力キーからなるテンキー群465から構成される。CPU259はテンキー郡465を介して暗証番号の入力を受け付けると、入力確認表示部464に入力が受け付けられたことを示す「*」マークを表示すとともに(ステップ423)、当該暗証番号が入力されると、直ちにメモリに格納された暗証番号データと照合を行い(ステップ424)、承認されれば、前記ステップ411で選択された取引画面をタッチパネル表示部15に表示して、当該取引の手続きを継続する(ステップ425)。
【0043】
また、前記ステップ424において、暗証番号が不承認の場合は、ステップ427で照合不一致の処理が行われる。この照合不一致の処理では、前記ステップ418からステップ421と同様な処理が行われる。
【0044】
次に、図12から図16を参照して第1実施形態の応用例を説明する。図12は、第1応用例の動作フロー図、図13は第2応用例の動作フロー図、図14から図16は第2応用例の画面遷移図である。なお、この説明では、変更点を主体的説明し、第1実施形態と同様な内容は省略する。
【0045】
先ず、図12において、この第1応用例に係るATMは、取引開始に当たり、最初に図7に示すカード挿入画面440をトップ画面として表示し、カード読み取り(ステップ512)、生体認証の照合(ステップ515)、暗証番号の照合処理(ステップ522)を行った後に図6に示すトップメニュー画面430をタッチパネル表示部15に表示して、以後の取引の選択や当該選択した取引の処理を行うものである。なお、詳細な各動作ステップについては、図4と同様につき詳細な説明は省略する。
【0046】
この応用例によれば、取引を選択する動作ステップと、当該取引の動作ステップが2つの認証ステップにより分断されないので、スムーズな取引手続きを進行させることができる。
【0047】
次に、図13から図16を参照して、第2応用例を説明する。図13において、この応用例は、暗証番号手続きと生体認証手続きの順番を第1実施形態(図5)と逆転させたものである。即ち、この応用例ではカードが挿入され(ステップ533)、カード情報の読み取りが完了する(ステップ534)と、CPU259は、図14に示す暗証番号画面560をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ535)。この暗証番号画面560は、暗証番号部462と生体認証部461とが1つの画面上に表示され、暗証番号部462が活性状態(入力可能な状態)で表示される一方、生体認証部461は不活性状態(否動作状態)で薄く表示される。そして、ガイダンスとして、「本人認証」「暗証番号を入力してください」を表示する。したがって、利用者は、暗証番号と生体認証の2つの認証があるなかで、暗証番号の入力ができることを知ることができる。
【0048】
CPU259は、前記暗証番号部から入力を受け付けると(ステップ536)、当該入力された暗証番号がカードから読み出された暗証番号と一致するか否か照合する(ステップ537)。照合の結果、暗証番号が一致すれば、図15の生体認証画面570をタッチパネル表示部15に表示し(ステップ538)、暗証番号が不一致であれば、図16に示す不認証の暗証番号画面580を表示して不一致処理を実行する(ステップ547)。
【0049】
前記生体認証画面570では、認証が承認された暗証番号部462が不活性状態で表示される一方、これから認証手続きを行う生体認証部461が活性状態で表示される。しかも、生体認証部461を暗証番号の承認が得られたことを示す「丸印463」を付して活性状態で表示することで、暗証番号の認証により生体認証の承認手続きが可能となったことを利用者に通知することができる。
【0050】
一方、前記不認証の暗証番号画面580では、認証が不承認された暗証番号部462が活性状態で表示される一方、不活性状態の生体認証部461に「×印」が付される。こにより、暗証番号の承認が得られないために生体認証の手続きができないことを知ることができる。暗証番号の再入力手続きについては前記実施例と同様のため説明を省略する。
【0051】
CPU259は、暗証番号の照合が完了すると、図4に示す認証姿勢でカメラ252で得られる指静脈情報(指血管パターン)を図形情報として取得し、デジタル情報に変換する。更に、CPU259は、前記カメラ252を介して得られるデジタル情報とカードから取得されたデジタル情報とを照合し(ステップ540)、合致すれば取引内容の処理画面をタッチパネル表示部15に表示させ(ステップ545)、不一致であればステップ541の照合不一致回数記録の動作を行う。なお、ステップ541からステップ544の生体認証の再操作については第1実施形態(図5)と同様につき説明を省略する。
(第2の実施形態)
図17から図28は、本発明に係る第2の実施形態のATMである。図17は第2の実施形態の動作フロー図であり、図18から図23は画面遷移図である。また、図24から図28は第2の実施形態の応用例であり、図24は動作フロー図、図25から図28は画面遷移図である。なお、この説明では、第1の実施形態(図5)の主要な変更点を説明し、同様な部分については説明を省略する。
【0052】
先ず、図17において、この実施形態は、2つの認証手続きの内、1つを「カードを使えるようにするもの」、他の1つを「口座の取引を行うもの」と定義して、各種のガイダンスや表示画面を用いた動作フローで使い易さを向上させたものである。例えば、図18の実施形態では生体認証を「カードを使えるようにするもの」、暗証番号手続きを「口座の取引を行うもの」と定義したものである。
【0053】
図17において、CPU259は、取引開始にあたり図18に示すトップメニュー画面610をタッチパネル表示部15に表示している(ステップ610)。CPU259は、選択キーが選択されると(ステップ611)、図19に示すカード挿入画面640をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ612)。このカード挿入画面640では、タッチパネル表示部の片側にカード挿入部641が不活性状態で表示され、利用者にカード挿入を促すようにアニメーションで挿入動作が表示される。
【0054】
CPU259はIDカード212がカード部221に挿入され(ステップ613)、IDカード212に登録された顧客の個人情報などを前記カード部221で読み取り、CPU259の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納し(ステップ614)、 図20に示す生体認証画面650をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ615)。
【0055】
前記生体認証画面650は、認証手続姿勢を現す生体認証部461とIDカード212がセットされたことを示すカード挿入部641を1つの画面上(450)に表示する。前記ステップ614では、IDカード212が挿入されると、画面内で今まで不活性状態となっていたIDカード212が活性表示され、カード挿入口の前で停止し、それに対して図19の状態から図20の状態となるように前記生体認証部461が現れて、指をかざすことを促すアニメーション表示がなされる。これと同時に、「本人認証」「カードを使用するために本人認証が必要です。」「指をかざしてください」とのガイダンスも表示される。この一連の表示内容やガイダンスにより、「カードを使えるようにするため」に生体認証が必要であることを利用者に通知することができる。
【0056】
また、CPU259は、第1の実施形態(図5)と同様にカメラ252などを動作させて前記生体情報読取部22を動作可能な状態とする(ステップ616)。利用者は、前記タッチパネル表示部15の生体認証部461とガイダンスにしたがって前記生体情報読取部22に指をかざすことで生体認証の手続きを行うことができる。
【0057】
ステップ616において、CPU259は、図4に示す認証姿勢でカメラ252で得られる指静脈情報(指血管パターン)を図形情報として取得し、デジタル情報に変換する。更に、CPU259は、前記カメラ252を介して得られるデジタル情報とカードから取得されたデジタル情報とを照合し、合致すれば図21に示す生体認証承認画面670を表示し(ステップ617)、不一致であればステップ618へ移行する。
【0058】
CPU259は、前記生体認証承認画面670において生体認証の照合がなされれば、画面内のIDカードがカード挿入口に挿入し、「丸印463」が付された生体認証部461を所定時間表示し、図22に示す暗証番号画面680を表示する(ステップ622)。これにより、生体認証とカード挿入処理との関連性を利用者に感じさせることができる。
【0059】
一方、CPU259は、生体認証が不一致の場合、ステップ618において図23のような生体認証不一致画面290を表示して照合不一致処理を行う。この生体認証不一致画面290では不活性状態のカード挿入部641がIDカードが排出されるようにアニメーション表示され、生体認証部461に「×印」が付されて表示される。そして、CPU259は前記表示動作に伴ってIDカードをカード部から排出する。これにより、利用者は、生体認証の失敗により画面内と実物ともにIDカードが返却されるから、生体認証とカード挿入処理との関連性を感じることとなる。
【0060】
なお、この実施の形態では、生体認証の失敗に伴ってIDカードの返却処理を行うようにしているが、図5に示すように、ステップ418からステップ421の再認証の手続きを行わせることもできる。この場合、照合不一致回数が所定回数を超えた場合に図23の表示を行ってIDカードの排出処理を行うようにしても良い。
【0061】
CPU259は、前記暗証番号画面680で暗証番号が入力されれば暗証番号照合処理を行って(ステップ624)、照合が成されれば取引内容の処理画面を表示し(ステップ625)、以後の手続きを進めさせる。なお、詳細は第1の実施形態(図5)と同様に付き説明を省略する。
【0062】
次に、図24から図28を参照して第2の実施形態の応用例を説明する。この応用例では、2つの認証手続きの内、暗証番号手続きを「カードを使えるようにするもの」、生体認証を「口座の取引を行うもの」と定義したものである。ここでは、前記図17と異なる部分について主体的に説明する。
【0063】
図24において、CPU259は、IDカードが挿入されてカード情報の読取り(ステップ714)が終了すると、図25に示す暗証番号画面730を表示する。この暗証番号画面730では、図20と同様に暗証番号部462とIDカード212がセットされたことを示すカード挿入部641を1つの画面上(730)に表示される。このステップ715においても、IDカード212が挿入されると、画面内で今まで不活性状態となっていたIDカード212が活性表示され、カード挿入口の前で停止し、それに対して図19の状態から図25の状態となるように前記暗証番号部462が現れて、暗証番号の入力を促すようにしている。これと同時に、「本人認証」「カードを使用するために本人認証が必要です。」「暗証番号を入力してください」とのガイダンスも表示される。この一連の表示内容やガイダンスにより、「カードを使えるようにするため」に暗証番号の入力が必要であることを利用者に通知することができる。
【0064】
CPU259は、暗証番号が入力されるとメモリーに格納された暗証番号と照合を行って(ステップステップ717)、照合が完了すれば図26に示す暗証番号が承認された暗証番号承認画面740を所定時間表示し、その後図27の生体認証画面750を表示する(ステップ718)。図27では、生体認証部461と「本人認証」「指をかざしてください」とのガイダンスを表示する。
【0065】
一方、入力された暗証番号が不一致の場合、暗証番号不一致画面760を表示して照合不一致処理を行う。この暗証番号不一致画面760では、不活性状態のカード挿入部641がIDカードが排出されるようにアニメーション表示され、暗証番号部462に「×印」が付されて表示される。そして、CPU259は前記表示動作に伴ってIDカードをカード部から排出する。これにより、利用者は、暗証番号の失敗により画面内と実物ともにIDカードが返却されるから、暗証番号とカード挿入処理との関連性を感じることとなる。
【0066】
CPU259は、生体認証の照合が完了すると(ステップ720)、先のステップ711で選択された図示しない取引画面を順次表示して取引を行わせる。なお、ステップ720において、生体認証が不一致となるとステップ721からステップ724のステップを実行する。これらステップは先に説明と同様につき説明を省略する。
(第3の実施の形態)
次に、図29から図42を参照して、第3の実施の形態を説明する。図29は、ATMの動作フロー図、図30から図42は自動取引の画面遷移図である。なお、以下の説明では、図1から図29で説明した実施の形態と同様な内容は詳細説明を省略する。また、この実施の形態の具体的な内容は前記図1から図29の実施の形態でも導入することができる。
【0067】
さて、この実施の形態の1つの特徴は、前記2つの認証手続きを採用するとともに、暗証番号手続きにおいてはテンキー部462の数値キーの配列を利用者の選択操作により変更可能にしたものである。以下、利用者が「お引出し」手続きを選択した例を一例として具体的に説明する。
【0068】
図1において、CPU259は、取引開始にあたり図30に示すトップメニュー画面840をタッチパネル表示部15に表示している(ステップ810)。このトップメニュー画面840は「引き出し」や「預け入れ」などの選択キーを画面上に表示しており、利用者が前記選択キーをタッチすると、検知待機状態の前記CPU259は前記タッチパネル付表示部15のタッチパネルでタッチされた座標を検知し、当該タッチされた選択キーに対応する処理を受け付けるとともに(ステップ811)、図31に示すカード挿入画面850をタッチパネル表示部15に表示し(ステップ812)、IDカード212が挿入されることを待つ(ステップ813)。
【0069】
この実施の形態では、トップメニュー画面840やカード挿入画面850などの各取引画面は、画面上部に横長四角形の操作ガイダンスエリア841を備え、画面下部に各取引に対応して必要な操作キーやガイダンス図を表示する入力・ガイダンスエリア842を備えている。また、前記操作ガイダンスエリア841は周囲に前記入力・ガイダンスエリア842に連続する背景面を備え、取引の最初の画面であるトップメニュー画面840と、ATMの処理中の際に表示する処理中画面以外の各画面には、前記操作ガイダンスエリア841の片側の背景面に、各取引画面での入力操作を取り消す取消キー851が設けられる。
【0070】
例えば、図30のトップメニュー画面840では、画面上部の操作ガイダンスエリア841に「いらっしゃいませ、お取引を選び、画面の「選択キー」に軽くふれてください」とのガイダンスを表示するとともに、「引き出し」や「預け入れ」などの複数の取引を選択する選択キーを画面下部の前記入力・ガイダンスエリア842に表示する。一方、カード挿入画面851では、カードの挿入を促すガイダンスを表示する操作ガイダンスエリア841の片側に取消キー851を表示するとともに、前記入力・ガイダンスエリア842には、IDカード212が挿入されている動作がアニメーション表示されるカード部221の周辺の外観図が表示される。
【0071】
このように、この実施の形態では、操作ガイダンスエリア841と入力・ガイダンスエリア842あるいは取消キー851の位置関係を固定して表示することにより、利用者の操作性を向上している。
【0072】
CPU259は、IDカード212がカード部221に挿入され、IDカード212に登録された顧客の個人情報などを前記カード部221で読み取り、CPU259の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納し(ステップ814)、図32に示す暗証番号画面860をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ815)。
【0073】
この暗証番号画面860では、操作ガイダンスエリア841に、暗証番号の入力と数値キーの配列を変更することが可能なことを促すガイダンスと暗証番号の入力確認部862が設けられている。また、前記入力・ガイダンスエリア842には、複数の数値キーからなるテンキー部861と、テンキー部861の配列を変更するシャッフルキー864と、数値キーの注意書エリア865が設けられる。
【0074】
この実施の形態では、暗証番号部863を構成するテンキー部861と入力確認部862の内、入力確認部862を操作ガイダンスエリア841の中に設けることにより、利用者が確認する内容を操作ガイダンスエリア841に集中配置しているので、利用者の視線移動を軽減して視認性を向上することができる。
【0075】
そして、この実施の形態の大きな特徴の1つは、シャッフルキー864を操作することにより、図33に示すようにテンキー部861の数値キーの配列が変更される点にある。これを図33を参照して更に詳細に説明する。
【0076】
図33において、この実施の形態では、このテンキー部861を4列4行の12個で構成し、0から9の10個からなる必須数値キー群の中で0キー以外の9個の数値キーを3列3行の固定配列群866(一点破線で示す)とし、他のキー群867に0キーに割り付け、前記固定配列群866をテンキー部861内で移動させることができる。
【0077】
即ち、この実施の形態では前記固定配列群866を「電話機配列」として固定表示する。この「電話機配列」は上段左側から右側へ、中段左側から右側へ、下段左側から右側へ、1から9の数値キーを下方へ配列したものである。ここで固定配列群866以外の他のキー群867は、0キーを割りつけている。この実施の形態では、CPU259は、初期配列として、図32に示すテンキー部861の配列、即ち、3列3行の固定配列群866を4列4行のテンキー部861の右上に配置した状態で表示する。
【0078】
したがって、CPU259は、シャッフルキー861が選択されか否かを監視し(ステップ816)、シャッフルキー861が選択されずにテンキー部861の何れかが操作されると、その入力を受け付ける(ステップ819)。
【0079】
一方、CPU259は、前記シャッフルキー861が操作されると、CPU259内に備えた図示しない乱数部を動作させて(ステップ817)、図33の(a)図に示すように、3列3行の固定配列群866を4列4行のテンキー部861の右上に配置した第1の状態と、(b)図に示すように、固定配列群866をテンキー部861の左上に配置した第2の状態と、(c)図に示すように、固定配列群866をテンキー部861の右下に配置した第3の状態と、(d)図に示すように、固定配列群866をテンキー部861の左下に配置した第4の状態の何れかにランダムに配列を変更して表示する(ステップ818)。
【0080】
このように、この実施の形態では、シャッフルキー864が操作されると、4種類のテンキー部861の配列の中から1つがランダムに選択されて表示されるので、各数値キーの配置が多様になり、利用者の背後から押下するキーを見られても、その数値キーが何のキーかの特定がしずらくなる。また、この実施の形態では、固定配列群866以外の7個の他のキー群867に0キーを割りつけているので、CPU259は7個のいずれのキーでも0キーが押下されたと認識する。したがって、盗み見る人からは、各数値キーの特定が更にしずらくなる。
【0081】
一方、利用者は、1から9の数値キーが見慣れた配列でそのままスライドするだけなので、違和感なく受け入れ易い。また、この固定配列群866は3列3行の密集した配列であるので、指の動作量を最小限にすることができる。しかも、この固定配列群866に隣接して多数の0キーが存在するので前記効果をいっそう高めることができる。
【0082】
また、この実施の形態では、固定配列群866の配列が「電話機配列」に限定されるものではない。例えば、図33(c)図に示す「計算機配列」でもよい。この「計算機配列」は、下段左側から右側へ、中段左側から右側へ、上段左側から右側へ、1から9の数値キーを順に上昇へ配列したものである。これによって、利用者は、卓上の電子計算機などで多用されているキー配列で入力することができる。
また、この実施の形態では、前記固定配列群866を利用者に頻繁に利用される「電話機配列」と「計算機配列」の2つの配列から1つを選択されるようにしてもよい。この場合、CPU259は、シャッフルキー864が操作されると、前記「電話機配列」と「計算機配列」のいずれかの配列の固定配列群866を前記第1の状態から第4の状態のいずれかの状態でランダムに表示する。
【0083】
したがって、この実施の形態では8種類のテンキー部863の中から1つがランダムに選択されて表示されるので、各数値キーの配置がいっそう多様になるとともに、前記実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0084】
また、前記の実施の形態では、前記他のキー群867の7個の数値キーに0キーを割りつけるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、7個の他のキー群867の内、1個に0キーを割りつけ、他の6個のキーに1から9のいずれかのキーや、「*」キーなどの符号キーを割りつけてもよい。
【0085】
なお、この実施の形態では、4列4行のテンキー部863の事例で説明したが、5列5行のテンキー部863内で、あるいは3列4行のテンキー部863内で、あるいは4列3行のテンキー部863内で前記固定配列群861をランダムに移動させるようにしてもよい。
【0086】
また、前記の実施の形態では、1から9の数値キーを3列3行の固定配列群861としたが、4列4行の場合、上段に左から右方向へ順に並べるように1から4の数値キーを、2段目に5から8の数値キーを、3段目に9と0を、4段目に0の数値キーを配列するように下方へ配列するものと、逆に下段から上方に向かって上方へ配列したものを切り替えてもよい。
【0087】
また、前記の実施の形態では、シャッフルキー864を備えて、利用者がテンキー部863の変更を操作するようにしているが、シャッフルキー864の操作が無くとも、暗証番号画面860の表示に伴って、CPU259がランダムにテンキー部863の配列を選択表示するようにしてもよい。
【0088】
図29において、CPU259は、暗証番号が入力されると、図34に示すような、処理中の処理中画面870を表示して、IDカードからメモリに格納した暗証番号と入力された暗証番号を照合し(ステップ820)、照合が完了すれば図35の処理中画面975をを表示させて生体認証装置を動作させ(ステップ821)、照合ができない場合は、照合不一致処理を行う(ステップ633)。この照合不一致処理では、照合不一致回数の記録と回数の判定を行い、所定の回数未満であればステップ815に移行し、所定の回数を越した場合は取引停止処理を行って(ステップ832)、ステップ810に移行させる。
【0089】
一方、処理中画面875では、動作準備中の時間を利用して、入力・ガイダンスエリア842に生体情報読取部22に指をかざす動作がアニメーション表示される。このアニメーション表示では、開いた手を生体情報読取部22に近づかせる動作を行う。これにより、利用者に次の生体認証手続きの動作では手を開いて行うとの動作を事前に知らせてスムーズな手続きを行わせることができる。
【0090】
CPU259は、生体認証装置の準備が完了すると、図36の生体認証画面880から図38の生体認証画面890を表示させて、生体認証手続きでの注意事項をアニメーションで分かりやすく案内する。ここで、この実施の形態では、前記入力・ガイダンスエリア842を左右に分割し、生体情報読取部22に近い側のアニメーションエリア881にアニメーション表示を行い、他の片側の注事項表示エリア882に、このアニメーション表示に伴う注意事項を表示する。
【0091】
即ち、生体認証画面880では、先ず、生体情報読取部22に向かって手を開くアニメーションがアニメーションエリア881に表示され、注事項表示エリア882には「指を伸ばす」が表示される。また、操作ガイダンスエリア841には、「本人認証 指を置いてください」とのガイダンスに引き続いて、「登録されている指は右手人差指、右手中指です」とのIDカード212に格納されている利用者の登録されている指名が表示される。これにより、利用者は、本人認証にあたり、生体情報読取部22に指を置く必要があり、登録されている指は2本あるとの内容を視線移動させること無く、操作ガイダンスエリア841を見るだけで知ることができる。そして、目を下方に移して、アニメーションエリア881と注事項表示エリア882に表示される指を開く動作と説明で、操作姿勢を知ることができる。
【0092】
続いて、図37の生体認証画面885に示すように、アニメーションエリア881には、(a)図に示す開いた手が、(b)図に示すように、登録された指に変わり、この指の先端を生体情報読取部22の先端のマーク22aに合わせるアニメーションが表示され、注事項表示エリア882には、「指を伸ばす」から「指先をランプ(マーク22a)に合わせる」旨の注事項が表示される。
【0093】
続いて、図38の生体認証画面890に示すように、アニメーションエリア881には、指先をマーク22aに合わせた状態から指の根元を指保持部22cに合わせるアニメーションが表示され、注事項表示エリア882には、「指先をランプ(マーク22a)に合わせる」から「根元をつける」旨の注事項が表示される。
【0094】
この実施の形態では、CPU259がステップ822で生体情報を取得するまで図36から図38の操作ガイダンスを繰り返し表示する。
【0095】
CPU259は、利用者が生体情報読取部22に指を置いてカメラ252を介して生体情報が取得されると図39の生体取得中画面890を表示させるとともに、取得された生体情報を変換して、ICカード212に格納されてメモリに格納されている生体情報と照合を行う(ステップ823)。この実施の形態では、生体情報読取部22での生体情報の取得は瞬時に行われものであるが、画面が変わると利用者が驚いて無用な行動を起こさないように、ステップ823の間は、生体情報読取部22に置かれた指の長手方向にバー891が繰り返し移動してスキャン中である表示を行う。
【0096】
そして、CPU259は、生体認証の照合が完了すると、(b)図に示すように、注意事項表示エリア882に「丸印」を表示するとともに、生体情報読取部22に置かれた指を(c)図に示すように離すように促すアニメーション表示をアニメーションエリア881に表示し、図42の取引画面950を表示する(ステップ828)。
【0097】
一方、CPU259は、生体認証の照合が不一致の場合、図40に示すように、生体認証結果表示画面895を表示する。CPU259は、この生体認証結果表示画面895において、アニメーションエリア881と操作ガイダンスエリア841に指を離すアニメーションとガイダンスを表示し、注事項表示エリア882には「認証できませんでした」とのガイダンスが所定時間表示し、その間、照合不一致回数を記録し(ステップ824)、照合不一致回数が所定回数以下であるか否かを判定する(ステップ825)。CPU259は、照合不一致回数が所定回数以下である場合は、図41の再照合画面900を表示し(ステップ826)、所定回数を超えている場合は、取引停止処理832を行って、ステップ810に移行する。
【0098】
前記再照合画面900では、操作ガイダンスエリア841に再度指を置いてくださいとのガイダンスを表示するとともに、アニメーションエリア881には生体情報読取部22に指を置く動作((a)図から(b)図に動作する)が表示され、注意事項表示エリア882には複数の誤りやすい姿勢と注意事項が表示される。したがって、利用者は、この注意事項を参照して再度生体認証手続きを行うことができる。
【0099】
そして、CPU259は生体認証が再度取得されたかを監視し(ステップ827)、取得されるまで再照合画面900を表示し、生体情報を取得するとステップ823に移行する。
【0100】
このように、この実施の形態では、利用者の視線を、各画面の上方に固定表示される操作ガイダンスエリア841から、その下方の入力・ガイダンスエリア842に移動させ、そして入力・ガイダンスエリア842の隣接される生体情報読取部22に移動させるように誘導している。したがって、利用者は、先ず、操作ガイダンスエリア841で手続きの概要を文書で把握して、入力・ガイダンスエリア842では、具体的な動作手順をアニメーションと注意事項で把握できる。特に、この実施の形態では、アニメーションをアニメーション表示エリア881の所定の位置にほぼ同じ大きさで表示することで、利用者に分かりやすく動作説明を行うことができる。そして、このアニメーション表示エリア881と生体情報読取部22とを近接配置することで、利用者は自分の動作とアニメーションを視線移動を少なくした状態で見比べながら操作を行うことができる。
【0101】
次に、CPU259は、生体認証手続きが完了すると、トップメニュー画面840で選択した取引画面を順次表示して各画面において入力手続きの受付を行う(ステップ828)。
【0102】
例えば、図42では、「お引き出し」が選択された状態の操作画面を示している。CPU259は、生体認証が照合されてICカード212から更なる個人情報を表示する間(a)図の処理中画面950を表示し、準備が整うと(b)図の金額入力画面955を表示する。そして、金額が入力され「円」キーが操作されると(c)図の確認画面960を表示する。この確認画面960で「確認」キーが選択されると、当該金額の出金準備を行うとともに(d)図の処理中画面965を表示する。CPU259は出金の準備ができると(e)図のカード返却画面970を表示し(ステップ830)、ICカードが抜き取られると(f)図の出金画面975を表示して紙幣挿入/排出口23及び必要により硬貨挿入/排出口24を動作させて出金処理を行い(ステップ831)、紙幣挿入/排出口23及び硬貨挿入/排出口24から紙幣または硬貨が引き出されるのを検知すると取引を終了しをステップ810に移行させる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1の実施の形態に係る自動取引装置の概要説明図である。
【図2】銀行システムのネットワーク構成図である。
【図3】自動取引装置の装置ブロック図である。
【図4】生体認証部の構造図である。
【図5】第1の実施の形態に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図6】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図8】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図9】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図10】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図11】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図12】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図13】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図14】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図15】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図16】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図17】第2の実施の形態に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図18】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図19】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図20】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図21】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図22】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図23】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図24】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図25】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図26】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図27】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図28】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図29】第3の実施の形態に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図30】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図31】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図32】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図33】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図34】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図35】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図36】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図37】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図38】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図39】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図40】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図41】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図42】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【符号の説明】
【0104】
1…ATM、15…タッチパネル表示装置、22…生体情報読取部、221…カード読取装置、228…生体認証装置、224…記憶装置、229…制御装置、461…生体認証動作図、462…暗証番号認証動作図、641…カード挿入の動作図。
【技術分野】
【0001】
本発明は生体を用いた個人認証装置に関し、特に、生体認証と暗証番号を併用した個人認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁気カードやICカードの認証用として暗証番号が広く普及している。近年、遺失や盗難等による不正行使の恐れも少ないセキュリティ方式として、指紋や虹彩、血管パターンといった個人の体の一部を鍵として用いる生体認証が注目されている。中でも、血管パターンを用いた認証方法は、指紋のように犯罪捜査を連想させたり、虹彩のように直接眼球に光を照射したりすることがないので心理的抵抗感が少なく、また、容易に観測できる生体表面ではなく内部の特徴のため、偽造が困難という利点がある。
【0003】
これら生体認証は、単独での認証や、あるいは、暗証番号と併用するものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−83298号公報
【0005】
【特許文献2】特開2000−200113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、カードと併用される認証方式は暗証番号が主体となっているが、セキュリティの高い認証方式としての生体認証は今後ますます広く普及していくことが想定される。このような状況において、広く普及した暗証番号から生体認証へ移行することには利用者に理解を得ながら進める必要がある。一方、生体認証といえども絶対的なものではないことから、暗証番号と生体認証を併用することが有効である。
【0007】
しかし、常に、2つの認証を行っていると、利用者にわずらわしさを感じさせることも懸念される。
【0008】
そこで、この発明の目的とするところは、カードの挿入と生体認証と暗証番号の認証とを違和感無く進めさせる個人認証の表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る個人認証の表示方法では、前記目的を達成するために、カード読取装置と、暗証番号入力手段と、生体認証装置と、タッチパネル表示装置と、各種データを格納した記憶装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が前記タッチパネル表示装置に各種の取り引きにともなう取引工程の操作画面を表示して、当該タッチパネル表示装置から操作指示を受け付けて自動取引を行う自動取引装置の個人認証の表示方法において、カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図とを備え、少なくとも2つの動作図を表示画面面上に表示し、一方の動作図を活性状態表示として動作可能状態で表示し、他の動作図を非活性状表示として動作不可能な状態で表示し、前記一方の動作図の操作手続きが完了した後に他の動作図を活性状態表示として、当該動作図に対応した操作手続きを可能とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カードの挿入と生体認証と暗証番号の認証とを違和感無く進めさせる個人認証の表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1から図42を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。この実施の形態は、銀行システムなどの金融機関システムに採用される例えばATM(Automatic Teller Machine)のような自動取引装置に関する。図1から図16は第1の実施の形態、図17から図28は第2の実施の形態、図29から図42は第3の実施の形態を示している。
(第1の実施形態)
先ず、図1を参照して、本実施の形態に係る自動取引装置の概略構造を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る自動取引装置1の概略説明図である。
【0012】
図1において、符号1で総括的に示すのは、金融機関等のロビーなどに設置される自動取引装置である。本実施の形態では、自動取引装置1としてATMの例で説明する。自動取引装置1は、直方体の前面上方の一部分が側面から見てL字形に切り欠かれた開口部を有する本体筐体10と、L字形の開口部を塞ぐように配置され、側面から見てL字形に形成されたフロントパネル11とから構成されている。
【0013】
本体筐体10は、前面が開口したベース筐体12と、このベース筐体12の前面下方に設けられた板状の前面扉13と、ベース筐体12の背面に配置された板状の背面扉14とを有している。ベース筐体12は、各種の取引処理を行う機構部、例えば、図2に示す、タッチパネル付表示部220、カード部221、通帳明細印字部222、伝送制御部223、記憶装置部224、硬貨入出金部225、紙幣入出金部226、電源部227、生体認証部228、制御部229等を内蔵している。タッチパネル付表示部220は情報の入力装置および出力装置としての機能を備えており、カード部221はIDカード212(図2、図3参照)の読取装置および出力装置としての機能を備えている。そして、タッチパネル付表示部220の操作表示部15や各部の媒体口18、19、23、24や生体認証部228の生体情報読取部22はフロントパネル11から露出するように配置されている。
【0014】
L字形のフロントパネル11は、本体正面の垂直面を形成するパネル部16と、水平面を構成するテーブル部17とを備えている。本実施形態では、垂直面を構成する前記パネル部16の中央にカード/明細票取扱口18や通帳取扱口19からなる媒体取扱部20が配置され、水平面を構成するテーブル部17の中央に操作表示部15、その両側に非常時の連絡用のハンドセット21と生体認証部228の生体情報読取部22が配置され、水平面と垂直面の角部には紙幣挿入/排出口23と硬貨挿入/排出口24が並設されている。
【0015】
本実施の形態の特徴の1つは、暗証番号での認証および生体認証での認証にそれぞれ意味合いを持たせ、各認証では、前記意味合いに沿ったガイダンスと表示内容で手続きを進めることにより、複数認証における利用者の操作手順の分かりづらさを軽減した点にある。
【0016】
例えば、この実施の形態では、生体認証を「暗証番号を入力するため」の手続きとし、暗証番号は「口座取引を行うため」の手続きとしている。特に、この実施の形態では、暗証番号が口座取引の手続きであるとする利用者の従来からの認識を変更することなく、生体認証を導入できるので、違和感なくセキュリティの高いシステムを導入することができる。
【0017】
また、この実施の形態では、前記2つの表示画面での分かりやすさを得るために、この認証手続画面460では、認証手続姿勢を現す生体認証部461と暗証番号手続を表すテンキー部462とを1つの認証手続画面460上で表示し、一方の認証、ここでは生体認証が照合されるまで他の認証、ここでは暗証番号手続きを示すテンキー部462を不活性状態(手続きできない)とする。そして、生体認証の照合が合致すると前記不活性状態のテンキー部462を活性状態(入力可能な状態)とする。なお、この実施例では、より分かりやすさを表現するために生体認証の承認が得られたことを示す「丸印463」をテンキー部の活性状態とともに表示する。
【0018】
次に、図2を参照して、この自動取引装置1が設置される金融機関システムの構成と自動取引装置1の構成を説明する。図2は図1の自動取引装置1を用いた金融機関システムのブロック構成図である。
【0019】
この金融機関システムでは、この金融機関システムを統括するセンタ100のサーバやホストなどの機器(コンピュータ)に対して、複数の営業店舗200のサーバや端末やシステムなどの機器(コンピュータ)と専門センタ350のサーバや端末などの機器(コンピュータ)とがネットワーク300で接続されている。前記営業店舗200には店舗ネットワーク211を介して複数の機器(コンピュータ)が接続され、これら機器(コンピュータ)が前記ネットワーク300を介して前記センタ100や前記専門センタ350の機器(コンピュータ)と接続され、この金融機関システムを利用する顧客に対して各種の金融サービスを提供することができるようになっている。この他、この金融機関システムには前記ネットワーク300を介して他の金融システムや各種のサービスサイトの機器(コンピュータ)に接続することができる。
【0020】
前記センタ100の各機器(コンピュータ)は、HUBサーバ150を介して他の営業店舗200の機器(コンピュータ)や専門センタ350の機器(コンピュータ)と接続することで、金融機関内の全ての情報を統括管理している。このHUBサーバ150は、ゲートウエイサーバを兼用するものであり、チャネル系APサーバ群を統括する統合チャネルサーバ110と、勘定系ホスト140と、各種の新商品情報を備えた新商品サーバ130と、全ての顧客情報を統括的に管理する顧客管理サーバ120などが接続される。
【0021】
統合チャネルサーバ110は、前記ネットワーク300を介して営業店舗200の機器(コンピュータ)と接続されて、営業店舗200の機器(コンピュータ)に各種の情報を提供する支援システムである。この統合チャネルサーバ110の統括下には、IBコンテンツ情報を備えたIBサーバ111と、営業店のコンテンツ情報を備えた営業店APサーバ112と、来店顧客情報を備えた来店管理サーバ113と、商品のコンテンツ情報を備えた商品情報サーバ114と、行員情報を備えた行員管理サーバ115と、顧客情報デ一タを備えた顧客情報管理サーバ116とを備えている。
【0022】
一方、営業店舗200は、店舗ネットワーク211を介して各種装置が接続されて設けられている。例えば、このシステムでは、自動取引装置1、顧客の店舗の出入りを管理する受付端末208、顧客の各種の相談に対応する相談端末207、顧客に各種の情報を提供する情報テーブル端末206、行員が顧客に対して相談や商談を薦める相談テーブル端末205、行員が顧客に対して取引に関する各種サービスを行う窓口取引端末204、前記窓口取引端末204を支援する窓口後方取引端末203、各種の金融関連装置からなる金融デバイス202、店舗内の各種情報を管理する営業店サーバ201、店舗内の無線通信や位置検知を行う店舗通信システム210などが設けられている。
【0023】
また、この金融機関システムでは、顧客が所有する携帯端末213や、この金融機関が顧客に提供するIDカード(個入認証用カード)212などを介して各種の情報を提供することができる。このIDカード212は、ICカードで構成され、そのICチップ内に顧客の個人情報(暗証番号(識別番号)、生体情報(本実施形態では、指静脈情報)、取引情報などの各種情報)が電気信号として記憶されて登録される。
【0024】
前記自動取引装置1は、この自動取引装置1を統括して制御する制御部229と、情報入力部を兼ねたタッチパネル付表示部220と、各種のカードに対して読み取りや書き込みを行うカード部221と、通帳の書き込みを行う通帳明細印字部222と、店舗ネットワーク211に接続するための伝送制御部223と、各種の情報を記憶する記憶装置部224と、硬貨入出金部225と、紙幣入出金部226と、電源部227と、生体認証部228とを含んで構成される。
【0025】
次に、図3を参照しながら、自動取引装置1のシステム構成の概略を説明する。図3は図1の自動取引装置1のシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
【0026】
制御部229は、CPU259、メモリ260、および入出力インタフェース255〜258などを備えて構成されている。メモリ260は、図2に示す記憶装置部224を構成するものであり、後述する制御動作を行わせるためのプログラムを格納している。CPU259は、図2に示す制御部229を構成するものであり、メモリ260に格納されたプログラムを用いて制御を実行する。
【0027】
カード部221は入出力インタフェース257を介してコンピュータ229に接続されており、IDカード212をカード部221に挿入することにより、IDカード212に登録された顧客の個人情報などがカード部221で読み取られ、制御部229の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納される。
【0028】
また、光源251とカメラ252との間に、指261を挿入して、スイッチ253の押下に合わせて指静脈情報の画像信号を取得する。スイッチ253の押下の替わりに、図示しない指置き検知センサによる指置き検知により画像信号を取得するようにしてもよい。この指静脈情報は指血管パターンを図形情報として取得する。指静脈情報の代わりに、手のひら静脈情報や、その他の生体情報を用いることが可能な場合には、それらを用いてもよい。前述の光源251、カメラ252及びスイッチ253は図1に示す自動取引装置1の生体情報読取部22を構成するものである。カメラ252の画像信号は、画像入力器254によってデジタル情報に変換され、コンピュータ229の入出力インタフェース255を介してメモリ260に格納される。
【0029】
さらには、スイッチ253も同様に入出力インタフェース256を介して接続され、オン/オフの状態がメモリ260に格納されるか、もしくは、オンになると同時にCPU259に対して割り込み信号を発生する。
【0030】
CPU259は、スイッチ253の状態がオンになったのを確認するか、もしくはオンになった割り込み信号を検知すると、認証を行うソフトウェアプログラムを起動し実行する。そして、プログラムの処理結果に基づき、その結果を、タッチパネル付き表示部220に表示したり、カード部221に出力してIDカード212に書き込みしたり、制御対象280に適切な信号を送って扉を開閉したり、といった各種制御を行う。なお、タッチパネル付き表示部220は、上述したように情報入力部を兼ねており、例えば、暗証番号などの認証に関する、補助情報や取引情報などを入力するのに用いることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、生体認証部222を構成する生体情報読取部22で指の静脈を読み取って認証に用いるものであるので、手のひらの静脈を読み取って認証に用いる場合に比較して、認証情報の容量が小さく、認証速度が速く、しかも、認証装置が小型で使い勝手がよいものである。
【0032】
次に、図4を参照して、自動取引装置1の生体認証部228を構成する生体情報読取部22の構造を説明する。図4は図1の自動取引装置1の生体情報読取部22の説明図であり、生体情報読取部22に指をかざした状態の平面図及び側面図である。この実施形態では、人の手が平面に置かれた姿勢では人差し指や手の中央部が浮いた姿勢となることに着目し、前記生体情報読取部22をテーブル部17から隆起させ、その隆起部の中央部に前後方向に長い指装着用の溝22bを設けている。生体情報読取部22は、前記溝22bの先端部に内部にLED(ランプ)を備えたマーク22a、前記溝22bの手前に前記指保持部22cを備えている。
この実施の形態によれば、利用者は、操作表示部15に表示される「指をかざすこと」を促す操作ガイダンス等にしたがって、生体情報読取部22のマーク22a近傍に指先が位置するように指をかざすことで生体認証手続きを行うことができる。図4は右手の人差し指をかざした例である。かざした指の腹は、前記マーク22aと前記指保持部22cによって支えられて、安定した状態で生体情報の読み取りが行うことができる。
【0033】
次に、図5の動作フロー図に基づいて、図6から図11を参照しながら、この実施の形態の認証手続きの動作フローを説明する。図6は動作フロー図であり、図7から図11は画面遷移図である。
【0034】
図5において、CPU259は、取引開始にあたり図6に示すトップメニュー画面430をタッチパネル表示部15に表示している(ステップ410)。このトップメニュー画面430は「引き出し」や「預け入れ」などの選択キーを画面上に表示しており、利用者が前記選択キーをタッチすると、検知待機状態の前記CPU259は前記タッチパネル付表示部15のタッチパネルでタッチされた座標を検知し、当該タッチされた選択キーに対応する処理を受け付けるとともに(ステップ411)、図7に示すカード挿入画面440をタッチパネル表示部15に表示し、IDカード212が挿入されることを待つ(ステップ413)。
【0035】
CPU259は、IDカード212がカード部221に挿入され、IDカード212に登録された顧客の個人情報などを前記カード部221で読み取り、CPU259の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納し(ステップ414)、図8に示す生体認証画面450をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ415)。前記生体認証画面450は、認証手続姿勢を現す生体認証部461と暗証番号手続を表すテンキー部462とを1つの画面上(450)に表示される。
ここで、CPU459は、前記生体認証画面450では、生体認証が照合されるまで他の認証、ここでは暗証番号手続きを示すテンキー部462を不活性状態(手続きできない)とし、生体認証を促す生体認証部461を活性状態(動作可能な状態)とするとともに、「本人認証」として「指をかざしてください」とのガイダンスを表示させる。また、CPU259は、ステップ416において、前記生体情報読取部22のマーク22aの図示しない緑色のLEDを点灯させて図3に示すカメラ252や画像入力器254などを動作状態とする(ステップ416)。利用者は、前記タッチパネル表示部15の生体認証部461とガイダンスにしたがって前記生体情報読取部22に指をかざすことで生体認証の手続きを行うことができる。
【0036】
ステップ416において、CPU259は、図4に示す認証姿勢でカメラ252で得られる指静脈情報(指血管パターン)を図形情報として取得し、デジタル情報に変換する。更に、CPU259は、前記カメラ252を介して得られるデジタル情報とカードから取得されたデジタル情報とを照合し(ステップ417)、合致すれば図9に示す暗証番号画面460を表示し(ステップ422)、不一致であればステップ418へ移行する。
【0037】
CPU259は、ステップ417において、ICカードの不一致回数を記録(書き換え)するとともに前記マーク22aの点灯表示を緑色LEDから黄色LEDに点灯変更し、ステップ419において、この不一致回数が予め設定された不一致回数を超えているか否かを判定する。ここで、不一致回数が所定回数を超えていればステップ426において取引停止処理を行って元のトップメニュー画面430を表示する。
【0038】
一方、不一致回数が所定回数未満の場合、図10の不承認画面470を表示する。この不承認画面470では、活性状態のテンキー部462に「×」を付して、かつ。「本人認証が承認できませんでした」とのガイダンスを表示して、承認できないことを利用者に通知する。CPU259は、前記不承認画面470を所定時間表示した後、図11に示す再生体認証画面480をタッチパネル表示部15に表示し、カメラ252や画像入力器254及び前記マーク22aの青色LEDを点灯させ生体認証機器を動作状態とする。
【0039】
前記再生体認証画面480は、「本人認証」について「もう一度指を置いてください」「登録されている指は右手人差指ですとのガイダンスを表示するとともに、生体認証の操作姿勢を示す図面を表示する。ここで、この実施の形態では、ガイダンスとして、最初の認証では登録されている指を表示しなかったが、再認証の場合では、登録されている指を表示するようにしている。これにより、詳細な情報提供(表示)を控えることにより、情報の漏洩を軽減するとともに通常の操作時間を短縮させ、再認証では明確な(詳細な)情報を提供することにより確実な操作性を実現させている。
特に、この実施の形態では、前記再生体認証画面480に表示される操作姿勢を示す図面では、誤りやすい複数の姿勢図481を表示するとともに、再操作を促す操作図482を表示することにより、再承認の承認率を向上させるようにしている。
【0040】
図5及び図9に戻り、CPU259は、暗証番号画面460において、生体認証部461を不活性状態(非動作状態)とし、暗証番号入力部を生体認証の承認が得られたことを示す「丸印463」を付して活性状態とする。また、前記マーク22aを赤色LEDの点灯に変更して、生体認証が完了したことを利用者に知らせる。
【0041】
このように、この実施の形態では、生体認証を「暗証番号を入力するための手続き」とし、暗証番号を「口座取引を行うための手続き」としている。そして、この2つの意味を利用者に理解しやすいように、生体認証が承認されれば図9に示すように暗証番号の入力を可能な表示とし、逆に、生体認証が承認されなければ図10に示すように暗証番号の入力が不可能な表示を行うようにする。これにともない、図9では生体認証部461を不活性表示とすることで生体認証手続きが完了したことを示し、また、図10では生体認証部461を活性状態とすることで生体認証手続きが完了していないことを表示する。これにより、利用者に生体認証手続きと暗証番号手続きが関連していることの理解を得やすくすることができる。
【0042】
図9において、前記暗証番号部462は、上方に配置される入力確認表示部464と、その下方に配置される複数の入力キーからなるテンキー群465から構成される。CPU259はテンキー郡465を介して暗証番号の入力を受け付けると、入力確認表示部464に入力が受け付けられたことを示す「*」マークを表示すとともに(ステップ423)、当該暗証番号が入力されると、直ちにメモリに格納された暗証番号データと照合を行い(ステップ424)、承認されれば、前記ステップ411で選択された取引画面をタッチパネル表示部15に表示して、当該取引の手続きを継続する(ステップ425)。
【0043】
また、前記ステップ424において、暗証番号が不承認の場合は、ステップ427で照合不一致の処理が行われる。この照合不一致の処理では、前記ステップ418からステップ421と同様な処理が行われる。
【0044】
次に、図12から図16を参照して第1実施形態の応用例を説明する。図12は、第1応用例の動作フロー図、図13は第2応用例の動作フロー図、図14から図16は第2応用例の画面遷移図である。なお、この説明では、変更点を主体的説明し、第1実施形態と同様な内容は省略する。
【0045】
先ず、図12において、この第1応用例に係るATMは、取引開始に当たり、最初に図7に示すカード挿入画面440をトップ画面として表示し、カード読み取り(ステップ512)、生体認証の照合(ステップ515)、暗証番号の照合処理(ステップ522)を行った後に図6に示すトップメニュー画面430をタッチパネル表示部15に表示して、以後の取引の選択や当該選択した取引の処理を行うものである。なお、詳細な各動作ステップについては、図4と同様につき詳細な説明は省略する。
【0046】
この応用例によれば、取引を選択する動作ステップと、当該取引の動作ステップが2つの認証ステップにより分断されないので、スムーズな取引手続きを進行させることができる。
【0047】
次に、図13から図16を参照して、第2応用例を説明する。図13において、この応用例は、暗証番号手続きと生体認証手続きの順番を第1実施形態(図5)と逆転させたものである。即ち、この応用例ではカードが挿入され(ステップ533)、カード情報の読み取りが完了する(ステップ534)と、CPU259は、図14に示す暗証番号画面560をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ535)。この暗証番号画面560は、暗証番号部462と生体認証部461とが1つの画面上に表示され、暗証番号部462が活性状態(入力可能な状態)で表示される一方、生体認証部461は不活性状態(否動作状態)で薄く表示される。そして、ガイダンスとして、「本人認証」「暗証番号を入力してください」を表示する。したがって、利用者は、暗証番号と生体認証の2つの認証があるなかで、暗証番号の入力ができることを知ることができる。
【0048】
CPU259は、前記暗証番号部から入力を受け付けると(ステップ536)、当該入力された暗証番号がカードから読み出された暗証番号と一致するか否か照合する(ステップ537)。照合の結果、暗証番号が一致すれば、図15の生体認証画面570をタッチパネル表示部15に表示し(ステップ538)、暗証番号が不一致であれば、図16に示す不認証の暗証番号画面580を表示して不一致処理を実行する(ステップ547)。
【0049】
前記生体認証画面570では、認証が承認された暗証番号部462が不活性状態で表示される一方、これから認証手続きを行う生体認証部461が活性状態で表示される。しかも、生体認証部461を暗証番号の承認が得られたことを示す「丸印463」を付して活性状態で表示することで、暗証番号の認証により生体認証の承認手続きが可能となったことを利用者に通知することができる。
【0050】
一方、前記不認証の暗証番号画面580では、認証が不承認された暗証番号部462が活性状態で表示される一方、不活性状態の生体認証部461に「×印」が付される。こにより、暗証番号の承認が得られないために生体認証の手続きができないことを知ることができる。暗証番号の再入力手続きについては前記実施例と同様のため説明を省略する。
【0051】
CPU259は、暗証番号の照合が完了すると、図4に示す認証姿勢でカメラ252で得られる指静脈情報(指血管パターン)を図形情報として取得し、デジタル情報に変換する。更に、CPU259は、前記カメラ252を介して得られるデジタル情報とカードから取得されたデジタル情報とを照合し(ステップ540)、合致すれば取引内容の処理画面をタッチパネル表示部15に表示させ(ステップ545)、不一致であればステップ541の照合不一致回数記録の動作を行う。なお、ステップ541からステップ544の生体認証の再操作については第1実施形態(図5)と同様につき説明を省略する。
(第2の実施形態)
図17から図28は、本発明に係る第2の実施形態のATMである。図17は第2の実施形態の動作フロー図であり、図18から図23は画面遷移図である。また、図24から図28は第2の実施形態の応用例であり、図24は動作フロー図、図25から図28は画面遷移図である。なお、この説明では、第1の実施形態(図5)の主要な変更点を説明し、同様な部分については説明を省略する。
【0052】
先ず、図17において、この実施形態は、2つの認証手続きの内、1つを「カードを使えるようにするもの」、他の1つを「口座の取引を行うもの」と定義して、各種のガイダンスや表示画面を用いた動作フローで使い易さを向上させたものである。例えば、図18の実施形態では生体認証を「カードを使えるようにするもの」、暗証番号手続きを「口座の取引を行うもの」と定義したものである。
【0053】
図17において、CPU259は、取引開始にあたり図18に示すトップメニュー画面610をタッチパネル表示部15に表示している(ステップ610)。CPU259は、選択キーが選択されると(ステップ611)、図19に示すカード挿入画面640をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ612)。このカード挿入画面640では、タッチパネル表示部の片側にカード挿入部641が不活性状態で表示され、利用者にカード挿入を促すようにアニメーションで挿入動作が表示される。
【0054】
CPU259はIDカード212がカード部221に挿入され(ステップ613)、IDカード212に登録された顧客の個人情報などを前記カード部221で読み取り、CPU259の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納し(ステップ614)、 図20に示す生体認証画面650をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ615)。
【0055】
前記生体認証画面650は、認証手続姿勢を現す生体認証部461とIDカード212がセットされたことを示すカード挿入部641を1つの画面上(450)に表示する。前記ステップ614では、IDカード212が挿入されると、画面内で今まで不活性状態となっていたIDカード212が活性表示され、カード挿入口の前で停止し、それに対して図19の状態から図20の状態となるように前記生体認証部461が現れて、指をかざすことを促すアニメーション表示がなされる。これと同時に、「本人認証」「カードを使用するために本人認証が必要です。」「指をかざしてください」とのガイダンスも表示される。この一連の表示内容やガイダンスにより、「カードを使えるようにするため」に生体認証が必要であることを利用者に通知することができる。
【0056】
また、CPU259は、第1の実施形態(図5)と同様にカメラ252などを動作させて前記生体情報読取部22を動作可能な状態とする(ステップ616)。利用者は、前記タッチパネル表示部15の生体認証部461とガイダンスにしたがって前記生体情報読取部22に指をかざすことで生体認証の手続きを行うことができる。
【0057】
ステップ616において、CPU259は、図4に示す認証姿勢でカメラ252で得られる指静脈情報(指血管パターン)を図形情報として取得し、デジタル情報に変換する。更に、CPU259は、前記カメラ252を介して得られるデジタル情報とカードから取得されたデジタル情報とを照合し、合致すれば図21に示す生体認証承認画面670を表示し(ステップ617)、不一致であればステップ618へ移行する。
【0058】
CPU259は、前記生体認証承認画面670において生体認証の照合がなされれば、画面内のIDカードがカード挿入口に挿入し、「丸印463」が付された生体認証部461を所定時間表示し、図22に示す暗証番号画面680を表示する(ステップ622)。これにより、生体認証とカード挿入処理との関連性を利用者に感じさせることができる。
【0059】
一方、CPU259は、生体認証が不一致の場合、ステップ618において図23のような生体認証不一致画面290を表示して照合不一致処理を行う。この生体認証不一致画面290では不活性状態のカード挿入部641がIDカードが排出されるようにアニメーション表示され、生体認証部461に「×印」が付されて表示される。そして、CPU259は前記表示動作に伴ってIDカードをカード部から排出する。これにより、利用者は、生体認証の失敗により画面内と実物ともにIDカードが返却されるから、生体認証とカード挿入処理との関連性を感じることとなる。
【0060】
なお、この実施の形態では、生体認証の失敗に伴ってIDカードの返却処理を行うようにしているが、図5に示すように、ステップ418からステップ421の再認証の手続きを行わせることもできる。この場合、照合不一致回数が所定回数を超えた場合に図23の表示を行ってIDカードの排出処理を行うようにしても良い。
【0061】
CPU259は、前記暗証番号画面680で暗証番号が入力されれば暗証番号照合処理を行って(ステップ624)、照合が成されれば取引内容の処理画面を表示し(ステップ625)、以後の手続きを進めさせる。なお、詳細は第1の実施形態(図5)と同様に付き説明を省略する。
【0062】
次に、図24から図28を参照して第2の実施形態の応用例を説明する。この応用例では、2つの認証手続きの内、暗証番号手続きを「カードを使えるようにするもの」、生体認証を「口座の取引を行うもの」と定義したものである。ここでは、前記図17と異なる部分について主体的に説明する。
【0063】
図24において、CPU259は、IDカードが挿入されてカード情報の読取り(ステップ714)が終了すると、図25に示す暗証番号画面730を表示する。この暗証番号画面730では、図20と同様に暗証番号部462とIDカード212がセットされたことを示すカード挿入部641を1つの画面上(730)に表示される。このステップ715においても、IDカード212が挿入されると、画面内で今まで不活性状態となっていたIDカード212が活性表示され、カード挿入口の前で停止し、それに対して図19の状態から図25の状態となるように前記暗証番号部462が現れて、暗証番号の入力を促すようにしている。これと同時に、「本人認証」「カードを使用するために本人認証が必要です。」「暗証番号を入力してください」とのガイダンスも表示される。この一連の表示内容やガイダンスにより、「カードを使えるようにするため」に暗証番号の入力が必要であることを利用者に通知することができる。
【0064】
CPU259は、暗証番号が入力されるとメモリーに格納された暗証番号と照合を行って(ステップステップ717)、照合が完了すれば図26に示す暗証番号が承認された暗証番号承認画面740を所定時間表示し、その後図27の生体認証画面750を表示する(ステップ718)。図27では、生体認証部461と「本人認証」「指をかざしてください」とのガイダンスを表示する。
【0065】
一方、入力された暗証番号が不一致の場合、暗証番号不一致画面760を表示して照合不一致処理を行う。この暗証番号不一致画面760では、不活性状態のカード挿入部641がIDカードが排出されるようにアニメーション表示され、暗証番号部462に「×印」が付されて表示される。そして、CPU259は前記表示動作に伴ってIDカードをカード部から排出する。これにより、利用者は、暗証番号の失敗により画面内と実物ともにIDカードが返却されるから、暗証番号とカード挿入処理との関連性を感じることとなる。
【0066】
CPU259は、生体認証の照合が完了すると(ステップ720)、先のステップ711で選択された図示しない取引画面を順次表示して取引を行わせる。なお、ステップ720において、生体認証が不一致となるとステップ721からステップ724のステップを実行する。これらステップは先に説明と同様につき説明を省略する。
(第3の実施の形態)
次に、図29から図42を参照して、第3の実施の形態を説明する。図29は、ATMの動作フロー図、図30から図42は自動取引の画面遷移図である。なお、以下の説明では、図1から図29で説明した実施の形態と同様な内容は詳細説明を省略する。また、この実施の形態の具体的な内容は前記図1から図29の実施の形態でも導入することができる。
【0067】
さて、この実施の形態の1つの特徴は、前記2つの認証手続きを採用するとともに、暗証番号手続きにおいてはテンキー部462の数値キーの配列を利用者の選択操作により変更可能にしたものである。以下、利用者が「お引出し」手続きを選択した例を一例として具体的に説明する。
【0068】
図1において、CPU259は、取引開始にあたり図30に示すトップメニュー画面840をタッチパネル表示部15に表示している(ステップ810)。このトップメニュー画面840は「引き出し」や「預け入れ」などの選択キーを画面上に表示しており、利用者が前記選択キーをタッチすると、検知待機状態の前記CPU259は前記タッチパネル付表示部15のタッチパネルでタッチされた座標を検知し、当該タッチされた選択キーに対応する処理を受け付けるとともに(ステップ811)、図31に示すカード挿入画面850をタッチパネル表示部15に表示し(ステップ812)、IDカード212が挿入されることを待つ(ステップ813)。
【0069】
この実施の形態では、トップメニュー画面840やカード挿入画面850などの各取引画面は、画面上部に横長四角形の操作ガイダンスエリア841を備え、画面下部に各取引に対応して必要な操作キーやガイダンス図を表示する入力・ガイダンスエリア842を備えている。また、前記操作ガイダンスエリア841は周囲に前記入力・ガイダンスエリア842に連続する背景面を備え、取引の最初の画面であるトップメニュー画面840と、ATMの処理中の際に表示する処理中画面以外の各画面には、前記操作ガイダンスエリア841の片側の背景面に、各取引画面での入力操作を取り消す取消キー851が設けられる。
【0070】
例えば、図30のトップメニュー画面840では、画面上部の操作ガイダンスエリア841に「いらっしゃいませ、お取引を選び、画面の「選択キー」に軽くふれてください」とのガイダンスを表示するとともに、「引き出し」や「預け入れ」などの複数の取引を選択する選択キーを画面下部の前記入力・ガイダンスエリア842に表示する。一方、カード挿入画面851では、カードの挿入を促すガイダンスを表示する操作ガイダンスエリア841の片側に取消キー851を表示するとともに、前記入力・ガイダンスエリア842には、IDカード212が挿入されている動作がアニメーション表示されるカード部221の周辺の外観図が表示される。
【0071】
このように、この実施の形態では、操作ガイダンスエリア841と入力・ガイダンスエリア842あるいは取消キー851の位置関係を固定して表示することにより、利用者の操作性を向上している。
【0072】
CPU259は、IDカード212がカード部221に挿入され、IDカード212に登録された顧客の個人情報などを前記カード部221で読み取り、CPU259の入出力インタフェース257を介してメモリ260に格納し(ステップ814)、図32に示す暗証番号画面860をタッチパネル表示部15に表示する(ステップ815)。
【0073】
この暗証番号画面860では、操作ガイダンスエリア841に、暗証番号の入力と数値キーの配列を変更することが可能なことを促すガイダンスと暗証番号の入力確認部862が設けられている。また、前記入力・ガイダンスエリア842には、複数の数値キーからなるテンキー部861と、テンキー部861の配列を変更するシャッフルキー864と、数値キーの注意書エリア865が設けられる。
【0074】
この実施の形態では、暗証番号部863を構成するテンキー部861と入力確認部862の内、入力確認部862を操作ガイダンスエリア841の中に設けることにより、利用者が確認する内容を操作ガイダンスエリア841に集中配置しているので、利用者の視線移動を軽減して視認性を向上することができる。
【0075】
そして、この実施の形態の大きな特徴の1つは、シャッフルキー864を操作することにより、図33に示すようにテンキー部861の数値キーの配列が変更される点にある。これを図33を参照して更に詳細に説明する。
【0076】
図33において、この実施の形態では、このテンキー部861を4列4行の12個で構成し、0から9の10個からなる必須数値キー群の中で0キー以外の9個の数値キーを3列3行の固定配列群866(一点破線で示す)とし、他のキー群867に0キーに割り付け、前記固定配列群866をテンキー部861内で移動させることができる。
【0077】
即ち、この実施の形態では前記固定配列群866を「電話機配列」として固定表示する。この「電話機配列」は上段左側から右側へ、中段左側から右側へ、下段左側から右側へ、1から9の数値キーを下方へ配列したものである。ここで固定配列群866以外の他のキー群867は、0キーを割りつけている。この実施の形態では、CPU259は、初期配列として、図32に示すテンキー部861の配列、即ち、3列3行の固定配列群866を4列4行のテンキー部861の右上に配置した状態で表示する。
【0078】
したがって、CPU259は、シャッフルキー861が選択されか否かを監視し(ステップ816)、シャッフルキー861が選択されずにテンキー部861の何れかが操作されると、その入力を受け付ける(ステップ819)。
【0079】
一方、CPU259は、前記シャッフルキー861が操作されると、CPU259内に備えた図示しない乱数部を動作させて(ステップ817)、図33の(a)図に示すように、3列3行の固定配列群866を4列4行のテンキー部861の右上に配置した第1の状態と、(b)図に示すように、固定配列群866をテンキー部861の左上に配置した第2の状態と、(c)図に示すように、固定配列群866をテンキー部861の右下に配置した第3の状態と、(d)図に示すように、固定配列群866をテンキー部861の左下に配置した第4の状態の何れかにランダムに配列を変更して表示する(ステップ818)。
【0080】
このように、この実施の形態では、シャッフルキー864が操作されると、4種類のテンキー部861の配列の中から1つがランダムに選択されて表示されるので、各数値キーの配置が多様になり、利用者の背後から押下するキーを見られても、その数値キーが何のキーかの特定がしずらくなる。また、この実施の形態では、固定配列群866以外の7個の他のキー群867に0キーを割りつけているので、CPU259は7個のいずれのキーでも0キーが押下されたと認識する。したがって、盗み見る人からは、各数値キーの特定が更にしずらくなる。
【0081】
一方、利用者は、1から9の数値キーが見慣れた配列でそのままスライドするだけなので、違和感なく受け入れ易い。また、この固定配列群866は3列3行の密集した配列であるので、指の動作量を最小限にすることができる。しかも、この固定配列群866に隣接して多数の0キーが存在するので前記効果をいっそう高めることができる。
【0082】
また、この実施の形態では、固定配列群866の配列が「電話機配列」に限定されるものではない。例えば、図33(c)図に示す「計算機配列」でもよい。この「計算機配列」は、下段左側から右側へ、中段左側から右側へ、上段左側から右側へ、1から9の数値キーを順に上昇へ配列したものである。これによって、利用者は、卓上の電子計算機などで多用されているキー配列で入力することができる。
また、この実施の形態では、前記固定配列群866を利用者に頻繁に利用される「電話機配列」と「計算機配列」の2つの配列から1つを選択されるようにしてもよい。この場合、CPU259は、シャッフルキー864が操作されると、前記「電話機配列」と「計算機配列」のいずれかの配列の固定配列群866を前記第1の状態から第4の状態のいずれかの状態でランダムに表示する。
【0083】
したがって、この実施の形態では8種類のテンキー部863の中から1つがランダムに選択されて表示されるので、各数値キーの配置がいっそう多様になるとともに、前記実施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0084】
また、前記の実施の形態では、前記他のキー群867の7個の数値キーに0キーを割りつけるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、7個の他のキー群867の内、1個に0キーを割りつけ、他の6個のキーに1から9のいずれかのキーや、「*」キーなどの符号キーを割りつけてもよい。
【0085】
なお、この実施の形態では、4列4行のテンキー部863の事例で説明したが、5列5行のテンキー部863内で、あるいは3列4行のテンキー部863内で、あるいは4列3行のテンキー部863内で前記固定配列群861をランダムに移動させるようにしてもよい。
【0086】
また、前記の実施の形態では、1から9の数値キーを3列3行の固定配列群861としたが、4列4行の場合、上段に左から右方向へ順に並べるように1から4の数値キーを、2段目に5から8の数値キーを、3段目に9と0を、4段目に0の数値キーを配列するように下方へ配列するものと、逆に下段から上方に向かって上方へ配列したものを切り替えてもよい。
【0087】
また、前記の実施の形態では、シャッフルキー864を備えて、利用者がテンキー部863の変更を操作するようにしているが、シャッフルキー864の操作が無くとも、暗証番号画面860の表示に伴って、CPU259がランダムにテンキー部863の配列を選択表示するようにしてもよい。
【0088】
図29において、CPU259は、暗証番号が入力されると、図34に示すような、処理中の処理中画面870を表示して、IDカードからメモリに格納した暗証番号と入力された暗証番号を照合し(ステップ820)、照合が完了すれば図35の処理中画面975をを表示させて生体認証装置を動作させ(ステップ821)、照合ができない場合は、照合不一致処理を行う(ステップ633)。この照合不一致処理では、照合不一致回数の記録と回数の判定を行い、所定の回数未満であればステップ815に移行し、所定の回数を越した場合は取引停止処理を行って(ステップ832)、ステップ810に移行させる。
【0089】
一方、処理中画面875では、動作準備中の時間を利用して、入力・ガイダンスエリア842に生体情報読取部22に指をかざす動作がアニメーション表示される。このアニメーション表示では、開いた手を生体情報読取部22に近づかせる動作を行う。これにより、利用者に次の生体認証手続きの動作では手を開いて行うとの動作を事前に知らせてスムーズな手続きを行わせることができる。
【0090】
CPU259は、生体認証装置の準備が完了すると、図36の生体認証画面880から図38の生体認証画面890を表示させて、生体認証手続きでの注意事項をアニメーションで分かりやすく案内する。ここで、この実施の形態では、前記入力・ガイダンスエリア842を左右に分割し、生体情報読取部22に近い側のアニメーションエリア881にアニメーション表示を行い、他の片側の注事項表示エリア882に、このアニメーション表示に伴う注意事項を表示する。
【0091】
即ち、生体認証画面880では、先ず、生体情報読取部22に向かって手を開くアニメーションがアニメーションエリア881に表示され、注事項表示エリア882には「指を伸ばす」が表示される。また、操作ガイダンスエリア841には、「本人認証 指を置いてください」とのガイダンスに引き続いて、「登録されている指は右手人差指、右手中指です」とのIDカード212に格納されている利用者の登録されている指名が表示される。これにより、利用者は、本人認証にあたり、生体情報読取部22に指を置く必要があり、登録されている指は2本あるとの内容を視線移動させること無く、操作ガイダンスエリア841を見るだけで知ることができる。そして、目を下方に移して、アニメーションエリア881と注事項表示エリア882に表示される指を開く動作と説明で、操作姿勢を知ることができる。
【0092】
続いて、図37の生体認証画面885に示すように、アニメーションエリア881には、(a)図に示す開いた手が、(b)図に示すように、登録された指に変わり、この指の先端を生体情報読取部22の先端のマーク22aに合わせるアニメーションが表示され、注事項表示エリア882には、「指を伸ばす」から「指先をランプ(マーク22a)に合わせる」旨の注事項が表示される。
【0093】
続いて、図38の生体認証画面890に示すように、アニメーションエリア881には、指先をマーク22aに合わせた状態から指の根元を指保持部22cに合わせるアニメーションが表示され、注事項表示エリア882には、「指先をランプ(マーク22a)に合わせる」から「根元をつける」旨の注事項が表示される。
【0094】
この実施の形態では、CPU259がステップ822で生体情報を取得するまで図36から図38の操作ガイダンスを繰り返し表示する。
【0095】
CPU259は、利用者が生体情報読取部22に指を置いてカメラ252を介して生体情報が取得されると図39の生体取得中画面890を表示させるとともに、取得された生体情報を変換して、ICカード212に格納されてメモリに格納されている生体情報と照合を行う(ステップ823)。この実施の形態では、生体情報読取部22での生体情報の取得は瞬時に行われものであるが、画面が変わると利用者が驚いて無用な行動を起こさないように、ステップ823の間は、生体情報読取部22に置かれた指の長手方向にバー891が繰り返し移動してスキャン中である表示を行う。
【0096】
そして、CPU259は、生体認証の照合が完了すると、(b)図に示すように、注意事項表示エリア882に「丸印」を表示するとともに、生体情報読取部22に置かれた指を(c)図に示すように離すように促すアニメーション表示をアニメーションエリア881に表示し、図42の取引画面950を表示する(ステップ828)。
【0097】
一方、CPU259は、生体認証の照合が不一致の場合、図40に示すように、生体認証結果表示画面895を表示する。CPU259は、この生体認証結果表示画面895において、アニメーションエリア881と操作ガイダンスエリア841に指を離すアニメーションとガイダンスを表示し、注事項表示エリア882には「認証できませんでした」とのガイダンスが所定時間表示し、その間、照合不一致回数を記録し(ステップ824)、照合不一致回数が所定回数以下であるか否かを判定する(ステップ825)。CPU259は、照合不一致回数が所定回数以下である場合は、図41の再照合画面900を表示し(ステップ826)、所定回数を超えている場合は、取引停止処理832を行って、ステップ810に移行する。
【0098】
前記再照合画面900では、操作ガイダンスエリア841に再度指を置いてくださいとのガイダンスを表示するとともに、アニメーションエリア881には生体情報読取部22に指を置く動作((a)図から(b)図に動作する)が表示され、注意事項表示エリア882には複数の誤りやすい姿勢と注意事項が表示される。したがって、利用者は、この注意事項を参照して再度生体認証手続きを行うことができる。
【0099】
そして、CPU259は生体認証が再度取得されたかを監視し(ステップ827)、取得されるまで再照合画面900を表示し、生体情報を取得するとステップ823に移行する。
【0100】
このように、この実施の形態では、利用者の視線を、各画面の上方に固定表示される操作ガイダンスエリア841から、その下方の入力・ガイダンスエリア842に移動させ、そして入力・ガイダンスエリア842の隣接される生体情報読取部22に移動させるように誘導している。したがって、利用者は、先ず、操作ガイダンスエリア841で手続きの概要を文書で把握して、入力・ガイダンスエリア842では、具体的な動作手順をアニメーションと注意事項で把握できる。特に、この実施の形態では、アニメーションをアニメーション表示エリア881の所定の位置にほぼ同じ大きさで表示することで、利用者に分かりやすく動作説明を行うことができる。そして、このアニメーション表示エリア881と生体情報読取部22とを近接配置することで、利用者は自分の動作とアニメーションを視線移動を少なくした状態で見比べながら操作を行うことができる。
【0101】
次に、CPU259は、生体認証手続きが完了すると、トップメニュー画面840で選択した取引画面を順次表示して各画面において入力手続きの受付を行う(ステップ828)。
【0102】
例えば、図42では、「お引き出し」が選択された状態の操作画面を示している。CPU259は、生体認証が照合されてICカード212から更なる個人情報を表示する間(a)図の処理中画面950を表示し、準備が整うと(b)図の金額入力画面955を表示する。そして、金額が入力され「円」キーが操作されると(c)図の確認画面960を表示する。この確認画面960で「確認」キーが選択されると、当該金額の出金準備を行うとともに(d)図の処理中画面965を表示する。CPU259は出金の準備ができると(e)図のカード返却画面970を表示し(ステップ830)、ICカードが抜き取られると(f)図の出金画面975を表示して紙幣挿入/排出口23及び必要により硬貨挿入/排出口24を動作させて出金処理を行い(ステップ831)、紙幣挿入/排出口23及び硬貨挿入/排出口24から紙幣または硬貨が引き出されるのを検知すると取引を終了しをステップ810に移行させる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1の実施の形態に係る自動取引装置の概要説明図である。
【図2】銀行システムのネットワーク構成図である。
【図3】自動取引装置の装置ブロック図である。
【図4】生体認証部の構造図である。
【図5】第1の実施の形態に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図6】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図7】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図8】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図9】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図10】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図11】第1の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図12】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図13】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図14】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図15】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図16】第1の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図17】第2の実施の形態に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図18】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図19】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図20】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図21】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図22】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図23】第2の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図24】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図25】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図26】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図27】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図28】第2の実施の形態の応用例に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図29】第3の実施の形態に係る自動取引装置の動作フロー図である。
【図30】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図31】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図32】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図33】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図34】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図35】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図36】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図37】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図38】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図39】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図40】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図41】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【図42】第3の実施の形態に係る自動取引装置の取引画面図である。
【符号の説明】
【0104】
1…ATM、15…タッチパネル表示装置、22…生体情報読取部、221…カード読取装置、228…生体認証装置、224…記憶装置、229…制御装置、461…生体認証動作図、462…暗証番号認証動作図、641…カード挿入の動作図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード読取装置と、暗証番号入力手段と、生体認証装置と、タッチパネル表示装置と、各種データを格納した記憶装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が前記タッチパネル表示装置に各種の取り引きにともなう取引工程の操作画面を表示して、当該タッチパネル表示装置から操作指示を受け付けて自動取引を行う自動取引装置の個人認証の表示方法において、
カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図とを備え、少なくとも2つの動作図を表示画面面上に表示し、一方の動作図を活性状態表示として動作可能状態で表示し、他の動作図を非活性状表示として動作不可能な状態で表示し、前記一方の動作図の操作手続きが完了した後に他の動作図を活性状態表示として、当該動作図に対応した操作手続きを可能とすることを特徴とする自動取引装置の個人認証の表示方法。
【請求項2】
請求項1の自動取引装置の個人認証の表示方法において、
カード挿入の動作図を表示してカードの挿入操作を受け付けた後に、活性状態の生体認証動作図と非活性状態の暗証番号認証動作図とを1つの表示画面上に表示し、生体認証の認証手続きが終了したあとに暗証番号認証動作図を活性状態として暗証番号の認証操作を受け付けることを特徴とする自動取引装置の個人認証の表示方法。
【請求項3】
カード読取装置と、暗証番号入力手段と、生体認証装置と、タッチパネル表示装置と、各種データを格納した記憶装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が前記タッチパネル表示装置に各種の取り引きにともなう取引工程の操作画面を表示して、当該タッチパネル表示装置から操作指示を受け付けて自動取引を行う自動取引装置の個人認証の表示方法において、
カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図とを備え、
生体認証動作図または暗証番号認証動作図の一方の動作図とカード挿入の動作図とを1つの表示画面面上に表示し、カードの挿入操作を受け付けた後にカード挿入生体認証動作図または暗証番号認証動作図の一方の操作手続きを受けつけ、カード挿入生体認証動作図または暗証番号認証動作図の前記一方の操作手続きが完了した後に前記カード挿入の動作図の完了を表示し、前記カード挿入の動作図の完了の表示の後に他の操作手続きを受け付けることをことを特徴とする自動取引装置の個人認証の表示方法。
【請求項1】
カード読取装置と、暗証番号入力手段と、生体認証装置と、タッチパネル表示装置と、各種データを格納した記憶装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が前記タッチパネル表示装置に各種の取り引きにともなう取引工程の操作画面を表示して、当該タッチパネル表示装置から操作指示を受け付けて自動取引を行う自動取引装置の個人認証の表示方法において、
カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図とを備え、少なくとも2つの動作図を表示画面面上に表示し、一方の動作図を活性状態表示として動作可能状態で表示し、他の動作図を非活性状表示として動作不可能な状態で表示し、前記一方の動作図の操作手続きが完了した後に他の動作図を活性状態表示として、当該動作図に対応した操作手続きを可能とすることを特徴とする自動取引装置の個人認証の表示方法。
【請求項2】
請求項1の自動取引装置の個人認証の表示方法において、
カード挿入の動作図を表示してカードの挿入操作を受け付けた後に、活性状態の生体認証動作図と非活性状態の暗証番号認証動作図とを1つの表示画面上に表示し、生体認証の認証手続きが終了したあとに暗証番号認証動作図を活性状態として暗証番号の認証操作を受け付けることを特徴とする自動取引装置の個人認証の表示方法。
【請求項3】
カード読取装置と、暗証番号入力手段と、生体認証装置と、タッチパネル表示装置と、各種データを格納した記憶装置と、前記各装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が前記タッチパネル表示装置に各種の取り引きにともなう取引工程の操作画面を表示して、当該タッチパネル表示装置から操作指示を受け付けて自動取引を行う自動取引装置の個人認証の表示方法において、
カード挿入の操作手続きに対応したカード挿入の動作図と、生体認証の操作手続きに対応した生体認証動作図と、暗証番号の操作手続きに対応した暗証番号認証動作図とを備え、
生体認証動作図または暗証番号認証動作図の一方の動作図とカード挿入の動作図とを1つの表示画面面上に表示し、カードの挿入操作を受け付けた後にカード挿入生体認証動作図または暗証番号認証動作図の一方の操作手続きを受けつけ、カード挿入生体認証動作図または暗証番号認証動作図の前記一方の操作手続きが完了した後に前記カード挿入の動作図の完了を表示し、前記カード挿入の動作図の完了の表示の後に他の操作手続きを受け付けることをことを特徴とする自動取引装置の個人認証の表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
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【図17】
【図18】
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【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
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【図33】
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【図35】
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【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【公開番号】特開2007−41977(P2007−41977A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227373(P2005−227373)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】
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