説明

偏光性フォトクロミックデバイスおよびその製造方法

【課題】直線偏光およびフォトクロミック特性の両方を示すように適合された素子およびデバイスを提供すること。
【解決手段】光学素子であって、該光学素子は、第1の状態および第2の状態を有し、基材の少なくとも一部分に結合される少なくとも部分コーティングを備え、該少なくとも部分コーティングは、少なくとも化学線放射に応答して該第1の状態から該第2の状態に切り替わり、熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻り、かつ第1の状態および第2の状態の少なくとも一方において、少なくとも透過した放射線を直線偏光させるように適合された、光学素子。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子であって、該光学素子は、第1の状態および第2の状態を有し、基材の少なくとも一部分に結合される少なくとも部分的な液晶コーティングを備え、該少なくとも部分的な液晶コーティングは、少なくとも化学線放射に応答して該第1の状態から該第2の状態に切り替わり、熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻り、かつ第1の状態および第2の状態の少なくとも一方において、少なくとも透過した放射線を直線偏光させるように適合されており、該第1の状態および該第2の状態を有する該少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物を含有し、該少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物が、特に熱的可逆性であり、セル法により測定したとき活性化状態において少なくとも1.5の平均吸光度比を有する、光学素子
【請求項2】
前記光学素子が、眼科用素子、ディスプレイ素子、ウィンドウ、反射鏡ならびに能動および受動液晶セル素子から選択される、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記眼科用素子が、矯正レンズ、非矯正レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、拡大鏡、保護レンズおよび遮光板から選択される、請求項2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記ディスプレイ素子が、スクリーン、モニターおよびセキュリティ素子から選択される、請求項2に記載の光学素子。
【請求項5】
前記基材が、薄い着色のない基材、薄く着色された基材、フォトクロミック基材、薄く着色されたフォトクロミック基材および直線偏光性基材から選択される、請求項1に記載の光学素子。
【請求項6】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、該第1の状態において非偏光性であり該第2の状態において直線偏光性であるように適合された、請求項1に記載の光学素子。
【請求項7】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、該第2の状態において紫外線放射を直線偏光させるように適合された、請求項6に記載の光学素子。
【請求項8】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、該第2の状態において可視光放射線を直線偏光させるように適合された、請求項6に記載の光学素子。
【請求項9】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、該第1の状態において透明であり該第2の状態において着色状態であるように適合された、請求項1に記載の光学素子。
【請求項10】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、第1の状態において第1の色を、該第2の状態において第2の色を有するように適合された、請求項1に記載の光学素子。
【請求項11】
第1の状態および第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、該第1の状態および該第2の状態の両方において可視光放射線を直線偏光させるように適合された、請求項1に記載の光学素子。
【請求項12】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、該第1の状態において紫外線放射を直線偏光させ、該第2の状態において可視光放射線を直線偏光させるように適合された、請求項1に記載の光学素子。
【請求項13】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも一方の状態において少なくとも1.5の平均吸光度比を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項14】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも一方の状態において1.5〜50の範囲の平均吸光度比を有する、請求項13に記載の光学素子。
【請求項15】
前記少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされた熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物が、セル法により測定したとき活性化状態において2.3より大きい平均吸光度比を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項16】
前記少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされた熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物が、セル法により測定したとき活性化状態において1.5〜50の範囲の平均吸光度比を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項17】
前記少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされた熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物が、セル法により測定したとき活性化状態において2.5〜50の範囲の平均吸光度比を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項18】
前記少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされた熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物が、セル法により測定したとき活性化状態において3〜30の範囲の平均吸光度比を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項19】
前記少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされた熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物が、セル法により測定したとき活性化状態において4〜20の範囲の平均吸光度比を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項20】
前記第1の状態および第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも2種類の少なくとも部分的にアライメントされた熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を含有し、該少なくとも2種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物が、補足的吸収スペクトルおよび補足的直線偏光状態の少なくとも一方を有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項21】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも部分的に整列させたマトリックス相および少なくとも部分的に整列させたゲスト相を含有する相分離ポリマーを含有し、該少なくとも部分的に整列させたゲスト相の少なくとも一部が、少なくとも部分的に整列させたゲスト相の少なくとも一部に少なくとも部分的にアライメントされた少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を含有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項22】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも1種類の少なくとも部分的に整列させた異方性材料および少なくとも1種類の高分子材料を含有する相互貫入重合体網目を含有し、該少なくとも部分的に整列させた異方性材料の少なくとも一部が、該少なくとも部分的に整列させた異方性材料の少なくとも一部に少なくとも部分的にアライメントされた少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を含有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項23】
前記第1の状態および前記第2の状態を有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングが、染料、アライメント促進剤、運動促進添加剤、光開始剤、熱開始剤、重合禁止剤、溶剤、光安定剤、熱安定剤、離型剤、レオロジー制御剤、レベリング剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび接着促進剤から選択される少なくとも1種類の添加剤をさらに含有する、請求項1に記載の光学素子。
【請求項24】
前記基材の前記少なくとも1つの表面の少なくとも一部分と、前記第1の状態および前記第2の状態を有し、該基材の該少なくとも1つの表面の該少なくとも一部分に結合される少なくとも部分的な液晶コーティングとの間に、少なくとも1つの下塗りコーティングをさらに備える、請求項1に記載の光学素子。
【請求項25】
前記基材の表面の少なくとも一部分上に、フォトクロミックコーティング、抗ミラーコーティング、直線偏光性コーティング、円偏光性コーティング、楕円偏光性コーティング、中間コーティング、下塗りコーティングおよび保護コーティングから選択される少なくとも1つのさらなる少なくとも部分コーティングをさらに備える、請求項1に記載の光学素子。
【請求項26】
光学素子の作製方法であって、該方法は、
(a)少なくとも部分的な液晶コーティングを基材の少なくとも一部分上に形成する工程;および
(b)化学線放射に応答して第1の状態から第2の直線偏光状態に切り替わり、かつ熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻るように、該少なくとも部分的な液晶コーティングの少なくとも一部分を適合させる工程
を包含し、該第1の状態および該第2の状態を有する該少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物を含有し、該少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物が、特に熱的可逆性であり、セル法により測定したとき活性化状態において少なくとも1.5の平均吸光度比を有する、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、(a)前記少なくとも部分的な液晶コーティングを形成する工程が、(b)化学線放射に応答して前記第1の状態から前記第2の直線偏光状態に切り替わり、かつ熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻るように、該少なくとも部分的な液晶コーティングの少なくとも一部分を適合させる工程の前、その最中、またはその後の少なくとも1つで起こる、方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法であって、
(a)前記少なくとも部分的な液晶コーティングを形成する工程が、少なくとも1種の異方性材料および少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を前記基材の少なくとも一部分上に適用する工程を包含し;そして
(b)化学線放射に応答して前記第1の状態から前記第2の直線偏光状態に切り替わり、かつ熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻るように、該少なくとも部分的な液晶コーティングの少なくとも一部分を適合させる工程が、該少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物の少なくとも一部を少なくとも部分的にアライメントさせる工程を含む、
方法。
【請求項29】
前記少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物の少なくとも一部を少なくとも部分的にアライメントさせる工程が、
前記異方性材料の少なくとも一部分を少なくとも部分的に整列させる工程、および
該少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を、該少なくとも部分的に整列させた異方性材料の少なくとも一部に少なくとも部分的にアライメントさせる工程、
を包含する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法であって、
(a)前記少なくとも部分的な液晶コーティングを前記基材の少なくとも一部分上に形成する工程が、アライメント媒体を該基材の少なくとも一部分に適用する工程を包含し;そして
(b)化学線放射に応答して前記第1の状態から前記第2の直線偏光状態に切り替わり、かつ熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻るように該少なくとも部分コーティングの少なくとも一部分を適合させる工程が、
該アライメント媒体の少なくとも一部を少なくとも部分的に整列させる工程、
少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を、該アライメント媒体を含有する該少なくとも部分的な液晶コーティングの少なくとも一部分に適用する工程;および
該少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物の少なくとも一部を、該少なくとも部分的に整列させたアライメント媒体の少なくとも一部に少なくとも部分的にアライメントさせる工程、
を包含する、方法。
【請求項31】
前記アライメント媒体の少なくとも一部を少なくとも部分的に整列させる工程が、
該アライメント媒体の該少なくとも一部を直線偏光させた紫外線放射に曝露する工程、
該アライメント媒体の該少なくとも一部を電界に曝露する工程、
該アライメント媒体の該少なくとも一部を磁界に曝露する工程、
該アライメント媒体の該少なくとも一部を直線偏光させた赤外線放射に曝露する工程、
該アライメント媒体の該少なくとも一部を直線偏光させた可視光放射線に曝露する工程、
該アライメント媒体の該少なくとも一部をエッチングする工程、
該アライメント媒体の該少なくとも一部を剪断力に曝露する工程、および
該アライメント媒体の該少なくとも一部を摩擦する工程、
の少なくとも1つを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記アライメント媒体の少なくとも一部を少なくとも部分的に整列させる工程の後であって、前記少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を適用する工程の前に、該アライメント媒体の少なくとも一部を少なくとも部分的に硬化させる工程をさらに包含する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物の少なくとも一部を少なくとも部分的にアライメントさせる工程が、該少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を、前記アライメント媒体を含有する少なくとも部分的な液晶コーティングの少なくとも一部分に適用する工程の前、その最中、またはその後の少なくとも1つで起こる、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を、前記アライメント媒体を含有する前記少なくとも部分的な液晶コーティングの少なくとも一部分に適用する工程が、スピンコーティング、スプレーコーティング、スプレー/スピンコーティング、カーテンコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、射出成形、キャスティング、ロールコーティング、ワイヤーコーティング、オーバーモールディング、および吸収の少なくとも1つを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物を適用する工程が、
該少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物および少なくとも1種類の異方性材料を含有する前記少なくとも部分コーティングを、前記少なくとも部分的に整列させたアライメント媒体の少なくとも一部上に形成する工程、
を包含し、該少なくとも1種類の熱的可逆性フォトクロミック二色性化合物の少なくとも一部を少なくとも部分的にアライメントさせる工程が、該少なくとも1種類の異方性材料の少なくとも一部分を、該少なくとも部分的に整列させたアライメント媒体の少なくとも一部に少なくとも部分的にアライメントさせる工程、
を包含する、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
基材の少なくとも一部分に結合されるセキュリティ素子であって、該セキュリティ素子は、第1の状態および第2の状態を有し、該基材の少なくとも一部分に結合される少なくとも部分的な液晶コーティングを含有し、ここで該少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも化学線放射に応答して該第1の状態から該第2の状態に切り替わり、かつ熱エネルギーに応答して該第1の状態に戻り、そして該第1の状態および該第2の状態の少なくとも一方において少なくとも透過した放射線を直線偏光させるように適合されており、該第1の状態および該第2の状態を有する該少なくとも部分的な液晶コーティングが、少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物を含有し、該少なくとも1種類の少なくとも部分的にアライメントされたフォトクロミック二色性化合物が、特に熱的可逆性であり、セル法により測定したとき活性化状態において少なくとも1.5の平均吸光度比を有する、セキュリティ素子。
【請求項37】
前記セキュリティ素子が、セキュリティマークおよび認証マークの少なくとも一方である、請求項36に記載のセキュリティ素子。
【請求項38】
前記基材が、透明基材および反射基材から選択される、請求項36に記載のセキュリティ素子。
【請求項39】
前記セキュリティマークが結合される前記基材の前記少なくとも一部分が、反射材料でコートされる、請求項36に記載のセキュリティ素子。
【請求項40】
前記基材が、薄い着色のない基材、薄く着色された基材、フォトクロミック基材、薄く着色されたフォトクロミック基材、直線偏光性基材、円偏光性基材および楕円偏光性基材から選択される、請求項36に記載のセキュリティ素子。
【請求項41】
前記基材が、アクセスカードおよびアクセスパス;譲渡可能証券および非譲渡可能証券;政府発行書類;消費財;クレジットカード;ならびに商品用タグ、ラベルおよびパッケージ類から選択される、請求項36に記載のセキュリティ素子。
【請求項42】
前記基材の少なくとも一部分に結合される、直線偏光性コーティング、円偏光性コーティング、楕円偏光性コーティング、フォトクロミックコーティング、ミラーコーティング、および薄く着色されたコーティングから選択される少なくとも1つのさらなる少なくとも部分コーティングをさらに備える、請求項36に記載のセキュリティ素子。
【請求項43】
前記基材の少なくとも一部分に結合される、直線偏光性シート、円偏光性シート、楕円偏光性シート、フォトクロミックシート、ミラーシート、薄く着色されたシート、遅延剤シート、および広視野角シートから選択される少なくとも1つのシートをさらに備える、請求項36に記載のセキュリティ素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−78872(P2012−78872A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4435(P2012−4435)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【分割の表示】特願2009−154402(P2009−154402)の分割
【原出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【出願人】(504175051)トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】