説明

側溝ブロック構造体、およびブロック目地呑み込み口用補助具

【課題】側溝ブロックを埋設するに必要な幅だけ掘削すれば足り、バリアフリータイプの縁石ブロックに雨水呑み込み口を開設することができる側溝ブロック構造体およびブロック目地呑み込み口用補助具を提供する。
【解決手段】ブロック2内部に、流路5と流路5に連通する開口部6とを備え、側溝掘削部18に埋設される側溝ブロック2と、側溝ブロック2上に、開口部6を塞ぐ状態で縦列配置され、車道50と歩道60との境界となり、車道側の肩部に面取り部20が形成された縁石ブロック3と、縁石ブロック3、3同士の間に介設され、所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部41、42を有し、各起立板部41、42の車道側の縁の上端部分を縁石ブロック3の面取り部20に応じた形状に成形し、少なくとも面取り部分に雨水呑み込み口30を開口して開口部6に連通させるブロック目地呑み込み口用補助具4とを備えて側溝ブロック構造体1が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝ブロック上に板状の縁石ブロックを縦列配置し、縁石ブロック同士の間に雨水の呑み込み口を有する側溝ブロック構造体、および縁石ブロック同士の間に介設され、雨水の呑み込み口を形成するブロック目地呑み込み口用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
図9および図10は、従来の側溝ブロックおよび縁石ブロックを示す側面図である。図9に示すように、車道50と歩道60の境界部には縁石ブロック73が設けられ、車道50の端縁部には、縁石ブロック73に近接させて内部に流路75を有する横断面がU字状の側溝ブロック72が埋設されている。側溝ブロック72の上面開口部は蓋体77で覆われており、この蓋体77の一部を切り欠いて雨水の呑み込み口(図示せず)が形成されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、図10に示すように、側溝ブロック72と蓋体とを一体成型し、その上面に雨水の呑み込み口となる開口部76を形成したものの他、側溝ブロック上に縁石ブロックを配置したもの(特許文献2参照)、側溝ブロックと縁石ブロックとを一体成型したもの(特許文献3参照)、および側溝ブロックと縁石ブロックとを一体成型し、縁石ブロックに雨水の呑み込み口を形成したもの(特許文献4参照)が提案されている。
【特許文献1】特開2006−188825号公報
【特許文献2】特開2005−68654号公報
【特許文献3】特開2006−144261号公報
【特許文献4】特開2004−278098号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図9および図10に示すように、縁石ブロック73に近接させて側溝ブロック72を埋設する場合には、側溝ブロック72を埋設する掘削孔に加え、その横に、縁石ブロック73を埋設する掘削孔を別途掘削しなければならないので、掘削幅が大きくなるという問題があった。
したがって、特許文献2のように側溝ブロック上に縁石ブロックを配置したものや、特許文献3のように側溝ブロックと縁石ブロックとを一体成型したものであれば、側溝ブロックを埋設するに必要な幅だけ掘削すれば足りる。しかし、側溝ブロックの幅が狭い場合や縁石部分を片寄らせて配置した場合には、特許文献4のように側溝ブロック本体から縁石部分が突設することになる。
【0005】
また、特許文献4の側溝ブロックは、縁石部分に雨水の呑み込み口となる通水路を形成しているが、車道側と歩道側の高低差が少ないバリアフリータイプの場合、縁石ブロックの上下寸法が小さいので、縁石部分に通水路を形成し難いという問題があった。
【0006】
本発明は上記した事情に鑑みなされたもので、その目的は、側溝ブロックを埋設するに必要な幅だけ掘削すれば足り、バリアフリータイプの上下寸法の小さな板状の縁石ブロックであっても、雨水の呑み込み口を開設することができる側溝ブロック構造体、およびこれに用いるブロック目地呑み込み口用補助具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、ブロックの内部に、その長手方向に沿って区画形成された流路と、
ブロックの上面に、その長手方向に沿って開設され、前記流路に連通する開口部と、
を備え、側溝掘削部に埋設される側溝ブロックと、
該側溝ブロック上に、前記開口部を塞ぐ状態で縦列配置され、車道と歩道との境界となり、車道側の肩部に面取り部が形成された縁石ブロックと、
隣接する縁石ブロック同士の間に介設され、所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部を有し、各起立板部の車道側の縁の上端部分を前記縁石ブロックの面取り部に応じた形状に成形し、少なくとも面取り部分に雨水の呑み込み口を開口して前記開口部に連通させるブロック目地呑み込み口用補助具と、
を備えてなることを特徴とする側溝ブロック構造体である。
【0008】
請求項2に記載のものは、前記呑み込み口用補助具は、前記縁石ブロックの端面に沿って所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部と、
各起立板部の下端において前記縁石ブロック側に屈曲した脚部と、
前記起立板部の歩道側の縁同士を連結する歩道側連結面部と、
前記起立板部の車道側の肩部よりも下方に位置する縁同士を連結する車道側連結面部と、
前記起立板部の上縁同士を連結する天井面部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の側溝ブロック構造体である。
【0009】
請求項3に記載のものは、前記天井面部の一部を開口して上呑み込み口を形成したことを特徴とする請求項2に記載の側溝ブロック構造体である。
【0010】
請求項4に記載のものは、前記側溝ブロックの上面に増コンクリートを敷設し、該増コンクリート上に前記縁石ブロックを載置したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の側溝ブロック構造体である。
【0011】
請求項5に記載のものは、側溝ブロックの流路に連通する開口部を覆う状態で縦列配置された縁石ブロック同士の間に介設され、雨水の呑み込み口を形成するブロック目地呑み込み口用補助具であって、
縁石ブロックの端面に沿って所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部と、
各起立板部の下端において縁石ブロック側に屈曲した脚部と、
前記起立板部の歩道側の縁同士を連結する歩道側連結面部と、
前記起立板部の車道側の肩部よりも下方に位置する縁同士を連結する車道側連結面部と、
前記起立板部の上縁同士を連結する天井面部と、
を備え、
各起立板部の車道側の縁の上端部分を前記縁石ブロックの面取り部に応じた形状に成形し、少なくとも面取り部分に呑み込み口を開口して前記開口部に連通させることを特徴とするブロック目地呑み込み口用補助具である。
【0012】
請求項6に記載のものは、前記天井面部の一部を開口して上呑み込み口を形成したことを特徴とする請求項5に記載のブロック目地呑み込み口用補助具である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、側溝ブロック上に、流路の開口部を塞ぐ状態で縁石ブロックを縦列配置するので、側溝ブロックを埋設するに必要な幅だけ掘削すれば足りる。また、隣接する縁石ブロック同士の間にブロック目地呑み込み口用補助具を介設して、該呑み込み口用補助具の各起立板部の少なくとも車道側の面取り部分に雨水の呑み込み口を開口して流路の開口部に連通させたので、バリアフリータイプの上下寸法の小さな縁石ブロックであっても、雨水の呑み込み口を開設することができる。
【0014】
請求項2および請求項5に記載の発明によれば、ブロック目地呑み込み口用補助具の一対の起立板部が縁石ブロック同士の間に所定の間隔を形成して、少なくとも車道側の面取り部分に雨水の呑み込み口を開口する。また、歩道側連結面部、車道側連結面部および天井面部は、アスファルト舗装の際にアスファルト合材が起立板部間の隙間から流路内に侵入するのを阻止することができる。さらに、各起立板部の下端に縁石ブロック側に屈曲した脚部を備えており、該脚部が縁石ブロックの下に位置することにより、呑み込み口補助具が不用意に外れたり、がたついたりしない。
【0015】
請求項3および請求項6に記載の発明によれば、天井面部の一部を開口して上呑み込み口を形成すれば、歩道側の雨水を側溝ブロックの流路内へ導くことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、側溝ブロックの上面に増コンクリートを敷設し、該増コンクリート上に縁石ブロックを載置したので、側溝ブロックの埋設深さを次第に異ならせて一連の水路の傾斜を確保しても、増コンクリートで調整して一連の縁石ブロックを水平に敷設できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る側溝ブロック構造体を示す側面図である。図2は本発明に係る側溝ブロック構造体のブロック目地呑み込み口補助具を装着していない状態を示す側面図である。図3は本発明の側溝ブロックを示す側面図および正面図である。図4は本発明の第1のブロック目地呑み込み口補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。図5は本発明の第2のブロック目地呑み込み口補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
図1および図3に示すように、本実施形態の側溝ブロック構造体1は、車道50と歩道60との境界部に埋設される側溝ブロック2と、この側溝ブロック2上に載置される縁石ブロック3と、長手方向に隣接する縁石ブロック3、3同士の間に介設されるブロック目地呑み込み口補助具4と、から概ね構成される。
【0018】
側溝ブロック2は、外形が直方体状を呈するコンクリートブロックであって、ブロック本体の内部には、その長手方向に沿って両端が開口された流路5が形成され、上面が細く開口された筒体状のブロックとして成型されている。本実施形態では、流路5の横断面形状は上下が異形の長円状を呈しているが、これに限るものではなく、円状、楕円状、矩形状等であっても構わない。
【0019】
また、側溝ブロック(ブロック本体)2の上面には、その長手方向に沿って流路5の幅よりも狭い開口部6が幅方向中央に開設されており、この開口部6は雨水の導入口として流路5と連通している。さらに、側溝ブロック2の上面には、増コンクリート10を敷設するための横断面矩形の浅い凹部11が開口部6の左右に形成されている。
【0020】
この側溝ブロック2の両端面には、その底部および両側部を囲むようにパッキン(図示せず)を装着するU字状のパッキン溝12が形成されており、側面の両端下部には、段差部分にナットを埋設した取付部15が設けられており、この取付部15に吊り下げ用金具を取り付けたり、あるいは埋設時に隣接する側溝ブロック2同士を連結するジョイントを取り付けたりできるようにしている。
なお、本実施形態では、図3(b)(c)に示すように、長さ寸法の異なる2種類の側溝ブロックが用意されている。
【0021】
側溝ブロック2は、車道50と歩道60との境界部の側溝掘削部18内に埋設され、側溝掘削部18の底部にコンクリート基礎19を打設し、この基礎19上に側溝ブロック2が配置される。側溝掘削部18は、その深さ(側溝ブロック2の埋設深さ)を次第に異ならせて基礎上面を傾斜させ、傾斜した基礎19上に側溝ブロック2をパッキンを介して縦列配置することにより、一連の水路(流路5)の傾斜を確保する。
【0022】
図1に示すように、側溝ブロック2の上には、上記開口部6を塞ぐ状態でその長手方向に沿って縁石ブロック3が縦列配置され、この縁石ブロック3は車道側と歩道側との境界となる。隣接する縁石ブロック3、3同士の間には、後述するブロック目地呑み込み口補助具4が介設される。本実施形態の縁石ブロック3は車道側の舗装面51と歩道側の舗装面61との高低差が少ないバリアフリータイプのものであり、全幅に比較して高さ寸法がそれよりも小さい平板状のコンクリートブロックであって、車道側の肩部は曲面(面取り部)20に成型されている。縁石ブロック3は、側溝ブロック2の上面の凹部11内に増コンクリート10を敷設し、この増コンクリート10上に載置される。したがって、増コンクリート10の厚みを側溝ブロックの傾斜に応じて次第に変化させて上面水平度を確保することにより、一連の縁石ブロック3を水平に敷設できる。
なお、歩道側の舗装面61と縁石ブロック3の上面とがほぼ面一となり、車道側の舗装面51が歩道側舗装面61よりも少し低く、縁石ブロック3の肩部の曲面20の下端とほぼ同じ高さに位置する。
【0023】
図1および図4に示すように、縦列配置される縁石ブロック3、3同士の間には、ブロック目地呑み込み口用補助具4が介設される。呑み込み口用補助具4は、正面形状が逆T字状を呈しており、縁石ブロック3の端面に沿って起立する一対の起立板部41、42を所定の間隔だけ離れた状態で有し、各起立板部41、42の下端には縁石ブロック3、3側に屈曲した脚部43、44を有している。起立板部41、42および脚部43、44は縁石ブロック3の幅と同寸法の長さ(奥行き)を有する金属製の板部材であって、起立板部41、42の車道側の縁の上端部分が縁石ブロック3の肩部の曲面(面取り部)20に応じた曲線部45に成形されている。また、呑み込み口用補助具4は、起立板部41、42の歩道側の縁同士を連結する歩道側連結面部46と、曲線部45よりも下方に位置する車道側の縁同士を連結する車道側連結面部47を有し、歩道側連結面部46および車道側連結面部47は、車道50および歩道60をアスファルト舗装52、62する際にアスファルト合材が起立板部41、42の隙間から流路5内に侵入することを阻止する。
【0024】
図4に示すように、起立板部41、42の上縁同士を連結する天井面部48を設ける場合には、両側の起立板部41、42の曲線部分(面取り部分)45の間に位置する開口のみが雨水呑み込み口30となる。一方、図5に示すように、起立板部41、42の上縁同士を断続的に連結し、天井面部48の一部を開口して上呑み込み口31としてもよい。
【0025】
縁石ブロック3、3同士の間に呑み込み口用補助具4を介設すると、一対の起立板部41、42は縁石ブロック3、3同士の間に位置し、脚部43、44は縁石ブロック3、3の下部に位置する(図6参照)。脚部43、44が縁石ブロック3、3の下部に位置するので、呑み込み口用補助具4が不用意に外れたり、がたついたりしない。
【0026】
次に、図1から図8を用いて本発明に係る側溝ブロック構造体の施工手順を説明する。図6はアスファルト施工前の縁石ブロックおよびブロック目地呑み込み口補助具を示す正面図である。図7はアスファルト施工後の縁石ブロックおよびブロック目地呑み込み口補助具を示す平面図および正面図である。図8は側溝ブロック構造体の比較実施形態を示す側面図である。なお、図面上では理解を容易にするために縁石ブロックと補助具との間に隙間があるが、実際の施工では接触している。
【0027】
まず、図1および図2に示すように、車道50と歩道60との境界部に、側溝ブロック2を埋設する側溝掘削部(掘削孔)18を掘削し、その底部にコンクリートの基礎19を打設する。基礎19は、基礎上面が集水桝(図示せず)の方向へ向かって次第に下り傾斜するように打設され、この基礎19上に側溝ブロック2が縦列配置され、取付部15に取り付けたジョイントにより連結固定される。なお、側溝ブロック2の端面のパッキン溝12にはパッキンが装着され、パッキンを介して側溝ブロック2が縦列配置される。このように側溝ブロック2の埋設深さを次第に異ならせて側溝ブロック2を縦列配置することにより、一連の水路(流路5)の傾斜を確保することができる。
【0028】
次に、側溝ブロック2の上面の凹部11内に開口部6を塞がないように水平に増コンクリート10を敷設し、この増コンクリート10上に縁石ブロック3を設置する。側溝ブロック2の埋設深さを次第に異ならせて一連の水路(流路5)の傾斜を確保しても、側溝ブロック2の上面に増コンクリート10を敷設した上で縁石ブロック3を設置するので、増コンクリート10の上面の水平度を確保すれば、すなわち、増コンクリート10の厚みを次第に調整すれば、一連の縁石ブロック3を水平に敷設できる。
【0029】
側溝ブロック2上には、その上記開口部6を塞ぐ状態でその長手方向に沿って縁石ブロック3を縦列配置し、この縁石ブロック3が車道側と歩道側との境界となる。図6に示すように、隣接する縁石ブロック3、3同士の間には、ブロック目地呑み込み口補助具4を介設する。呑み込み口用補助具4は、正面形状が逆T字状を呈しており、一対の起立板部41、42は縁石ブロック3、3同士の間に位置し、脚部43、44は縁石ブロック3、3の下部に位置して、縁石ブロック3、3同士の間にしっかりと挟持され、不用意に外れたり、がたついたりしない。図4に示す呑み込み口補助具4を用いる場合は、両側の起立板部41、42の曲線部分(面取り部分)45の間に位置する開口のみが雨水呑み込み口30となる。したがって、車道側に位置する雨水呑み込み口30から車道側の雨水を直接呑み込んで側溝ブロック2の流路5内へ導き、歩道側の雨水は縁石ブロック上を一旦車道側に流してから呑み込むことになる。
【0030】
一方、図5に示す呑み込み口補助具4を用いる場合は、両側の起立板部41、42の曲線部分45の間に位置する雨水呑み込み口30の他、天井面部48の一部にも上呑み込み口31が形成される。このように天井面部48の一部を開口して上呑み込み口31を形成すれば、歩道側の雨水を上呑み込み口31から直接側溝ブロック2の流路5内へ導くことができる。
【0031】
本実施形態の縁石ブロック3は車道側の舗装面51と歩道側の舗装面61との高低差が少ないバリアフリータイプのものであり、縁石ブロック3の上下寸法が小さい。上下寸法の大きい通常の縁石ブロックを使用する場合には、図8に示すように、縁石ブロック33の車道側下端部を切り欠いて雨水の呑み込み口34を形成することができる。しかし、バリアフリータイプの縁石ブロック3は上下寸法が小さいので、通常の縁石ブロック33と同じ構造で呑み込み口34を開設することができない。したがって、バリアフリータイプの縁石ブロック3を用いる場合には、本発明に係る側溝ブロック構造体1のように、縁石ブロック3、3同士の目地に呑み込み口補助具4を介設した構造を採用することが有益である。
【0032】
次に、図7に示すように、車道側および歩道側のアスファルト舗装52、62を施工する。上述したように、呑み込み口用補助具4は歩道側連結面部46および車道側連結面部47を有し、アスファルト舗装する際にアスファルト合材が縁石ブロック3、3同士の隙間から流路5内に侵入することを阻止している。このように側溝ブロック構造体1の施行後に車道側および歩道側のアスファルト舗装52、62を施工するので、縁石ブロック3、3同士の間(目地)に単に隙間を空けて、ここから呑み込むようにしただけでは、アスファルト舗装52、2の際にアスファルト合材が隙間から流路5内に入り込んでしまう不都合が発生する。さらに、縁石ブロック3、3同士の隙間に、上からグレーチングや網を装着すると、外れ易いので、外れ防止用の止着具が必要になる。
【0033】
以上説明したように、本発明に係る側溝ブロック構造体1によれば、側溝ブロック2を車道50と歩道60の境界に埋設し、この側溝ブロック2の上に縁石ブロック3を載せるので、側溝ブロック2を埋設するに必要な幅だけ掘削すれば足りる。したがって、従来に比べて、掘削する幅が狭く、その分だけ作業工程を少なくできて容易である。
【0034】
また、隣接する縁石ブロック3、3同士の間にブロック目地呑み込み口用補助具4を介設して、該呑み込み口用補助具4の各起立板部41、42の少なくとも車道側の曲線部分45に雨水の呑み込み口30を開口して流路5の開口部6に連通させているので、バリアフリータイプの上下寸法の小さな縁石ブロック3であっても、縁石ブロック3、3同士の間(目地)に雨水の呑み込み口30を開設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る側溝ブロック構造体を示す側面図である。
【図2】本発明に係る側溝ブロック構造体のブロック目地呑み込み口補助具を装着していない状態を示す側面図である。
【図3】本発明の側溝ブロックを示す側面図および正面図である。
【図4】本発明の第1のブロック目地呑み込み口補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【図5】本発明の第2のブロック目地呑み込み口補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【図6】アスファルト施工前の縁石ブロックおよびブロック目地呑み込み口補助具を示す正面図である。
【図7】アスファルト施工後の縁石ブロックおよびブロック目地呑み込み口補助具を示す平面図および正面図である。
【図8】側溝ブロック構造体の比較実施形態を示す側面図である。
【図9】従来の側溝ブロックおよび縁石ブロックを示す側面図である。
【図10】従来の側溝ブロックおよび縁石ブロックを示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 側溝ブロック構造体
2 側溝ブロック
3 縁石ブロック
4 ブロック目地呑み込み口用補助具
5 流路
6 開口部
10 増コンクリート
18 側溝掘削部
20 面取り部
30 雨水呑み込み口
31 上呑み込み口
41、42 起立板部
43、44 脚部
45 曲線部分
46 歩道側連結部
47 車道側連結部
48 天井面部
50 車道
60 歩道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック本体の内部に、その長手方向に沿って区画形成された流路と、
ブロック本体の上面に、その長手方向に沿って開設され、前記流路に連通する開口部と、
を備え、側溝掘削部に埋設される側溝ブロックと、
該側溝ブロック上に、前記開口部を塞ぐ状態で縦列配置され、車道と歩道との境界となり、車道側の肩部に面取り部が形成された縁石ブロックと、
隣接する縁石ブロック同士の間に介設され、所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部を有し、各起立板部の車道側の縁の上端部分を前記縁石ブロックの面取り部に応じた形状に成形し、少なくとも面取り部分に、側溝ブロックの開口部に連通する呑み込み口を開口したブロック目地呑み込み口用補助具と、
を備えてなることを特徴とする側溝ブロック構造体。
【請求項2】
前記呑み込み口用補助具は、前記縁石ブロックの端面に沿って所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部と、
各起立板部の下端において前記縁石ブロック側に屈曲した脚部と、
前記起立板部の歩道側の縁同士を連結する歩道側連結面部と、
前記起立板部の車道側の肩部よりも下方に位置する縁同士を連結する車道側連結面部と、
前記起立板部の上縁同士を連結する天井面部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の側溝ブロック構造体。
【請求項3】
前記天井面部の一部を開口し、この開口を側溝ブロックの開口部に連通する上呑み込み口としたことを特徴とする請求項2に記載の側溝ブロック構造体。
【請求項4】
前記側溝ブロックの上面に増コンクリートを敷設し、該増コンクリート上に前記縁石ブロックを載置したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の側溝ブロック構造体。
【請求項5】
側溝ブロックの流路に連通する開口部を覆う状態で縦列配置された縁石ブロック同士の間に介設され、雨水の呑み込み口を形成するブロック目地呑み込み口用補助具であって、
縁石ブロックの端面に沿って所定の間隔だけ離れた状態で起立する一対の起立板部と、
各起立板部の下端において縁石ブロック側に屈曲した脚部と、
前記起立板部の歩道側の縁同士を連結する歩道側連結面部と、
前記起立板部の車道側の肩部よりも下方に位置する縁同士を連結する車道側連結面部と、
前記起立板部の上縁同士を連結する天井面部と、
を備え、
各起立板部の車道側の縁の上端部分を前記縁石ブロックの面取り部に応じた形状に成形し、少なくとも面取り部分に呑み込み口を開口して側溝ブロックの開口部に連通させることを特徴とするブロック目地呑み込み口用補助具。
【請求項6】
前記天井面部の一部を開口して上呑み込み口を形成したことを特徴とする請求項5に記載のブロック目地呑み込み口用補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−208518(P2008−208518A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43211(P2007−43211)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(391052264)新興工材株式会社 (11)
【Fターム(参考)】