説明

充填材含有発泡シートの製造方法

ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、及びスチレンポリマーから選ばれるポリマー及び発泡剤を含む溶融物の押出を行い、次に前記溶融物を発泡させることによって、前記ポリマーに基く発泡ウェブ又は発泡シートを製造する方法であって、
前記溶融物が、ポリマーに対して1〜50質量%の、
A)繊維状充填材A、
B)グラファイト非含有の粒子状の充填材B、
及びこれらの混合物、
から選ばれる充填材も含むようにすることを特徴とする発泡ウェブ又は発泡シートを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、及びスチレンポリマーから選ばれるポリマー及び発泡剤を含む溶融物の押出を行い、次に前記溶融物を発泡させることによって、前記ポリマーに基く発泡ウェブ又は発泡シートを製造する方法であって、
前記溶融物が、ポリマーに対して1〜50質量%の、
A)繊維状充填材A、
B)グラファイト非含有の粒子状充填材B、
及びこれらの混合物、
から選ばれる充填材も含むようにする、発泡ウェブ又は発泡シートを製造する方法に関する。
【0002】
本発明は、更にこの方法によって得られる発泡ウェブ又は発泡シートに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマーで構成されるフォーム(泡:foam)は、例えば発泡剤を含む粒子の発泡によって得られる。例えば、ESP(発泡性ポリスチレン)の製造のための懸濁法として公知である工程においては、懸濁中のスチレンが、発泡剤を付随的に使用して重合され、発泡剤を含むポリスチレン粒子が得られる。これらを閉塞した型内で蒸気で処理し、そして粒子を膨張させ、及び互いに融合(fuse)させることにより発泡して仕上フォーム(finished form)(成形フォーム)を得ることが可能である。
【0004】
ESPを製造するための押出法において、ポリマーは、(発泡を可能とし、そして発泡剤を含むポリマーの膨張の間、微細気泡フォーム(fine-cell foam)を生成することになる)核形成剤が与えられ、そして次に押出成形機の中で溶解させながら、押出成形機に加えられた発泡剤と混合される。大気圧を超える水中ペレタイザーが、発泡剤を含む溶融物の押出成形と小球形成に使用され、そして溶融物の発泡を防止している。発泡剤を含む、得られたペレットは、膨張して成形フォームを与える。
【0005】
押出成形法は、フォームを直接的に生成するために使用することも可能であり、この例はXPS(膨張ポリスチレン:expanded polystyrene)である。このために、上述のように、発泡剤を含む溶融物が押出成形機内で製造され、しかし、周囲の雰囲気中に直接的に押し出される。この工程において、溶融押出物が発泡して最終フォームが得られ、そして溶融押出物は通常、ここで直接的に成形され、発泡ウェブが得られ、次に発泡ウェブを切断してシートが得られる。
【0006】
特許文献1(EP−A1002829)には、固体を含む、粒状の発泡性スチレンポリマー(EPS)の製造方法が記載されており、そしてこの方法は、懸濁中で、及び1〜25質量%のグラファイト粒子、グラスファイバー、珪酸塩、金属顔料、又は金属酸化物が固体として存在した状態で行なわれるものである。
【0007】
特許文献2(前のドイツ(DE)出願No.10358786.1)(本出願の優先日の時点では公開されていない)には、発泡性、充填材含有ポリマーペレットで構成される予備発泡したフォームビーズの融解を経て得られるフォーム成形物(foam moldings)が記載されている。記載されたポリマーとして、特にスチレンポリマー、ポリエーテルスルホン、及びポリエーテルケトンがあり、そして記載された充填材として、特にシリケート、ガラスビーズ、沸石、酸化金属、炭酸金属、水酸化金属、硫酸金属、及びグラスファイバーがあり、これらの量は、1〜50質量%である。発泡剤を有する状態での押出成形と、水中ペレット処理を経た発泡性ペレットの製造も記載されている。
【0008】
特許文献3(DE−A4207057)には、高融点の合成芳香族ポリマーの発泡方法が記載されており、該ポリマーは、例えばポエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等であり、そしてこの方法は、押出成形で発泡ウェブを得るもので、発泡工程の前に溶融物がまだ押出成形機の中に存在する状態で、溶融物が所定の方法で冷却されるものである。充填材については記載されていない。
【0009】
特許文献4(EP−A1333051)には、発泡剤を有する状態での押出成形、及び周囲雰囲気への押出成形を経て、ポリスルホン又はポリエーテルスルホンから発泡ウェブを製造する方法が記載されている。充填材については記載されていない。
【0010】
特許文献5(前のドイツ(DE)出願No.10321787.8)(本出願の優先日の時点では公開されていない)には、スチレン−アクリロニトリルコポリマーから構成される発泡シートを製造するための方法が記載されており、この方法は、発泡剤を有する状態での押出成形と、これに続く発泡を経るものである。充填材は、概論のみが記載されており、量的な記載はされていない。
【0011】
特許文献6(WO03/018678)には、スチレンポリマーの発泡剤との押出成形を経た、連続気泡発泡シート(open-cell foam sheet)の製造が記載されている。記載されている唯一の充填材はカーボン粒子、例えば、グラファイトであり、これらの量は、スチレンポリマーに対して1〜10質量%である。
【0012】
特許文献7(前のドイツ出願No.10307736.7)(本出願の優先日の時点では公開されていない)には、耐高温性プラスチック(合成樹脂)(特に、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン)から成るフォームが記載されており、この方法は、発泡剤を有する状態での押出成形と周囲雰囲気中への押出を経たものである。フォームの所望の連続気泡特性は、特に粉状の固体の添加を経て得られるもので、固体の添加量は、ポリマー組成に対して0.1〜5質量%である。記載されている唯一の粉は、グラファイト又は(タルク又は他の固体と一緒にした)グラファイトである。
【0013】
【特許文献1】EP−A1002829
【特許文献2】DEAz10358786.1
【特許文献3】DE−A4207057
【特許文献4】EP−A1333051
【特許文献5】DEAz10321787.8
【特許文献6】WO03/018678
【特許文献7】DEAz10307736.7
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発泡シートが適応される条件によっては、フォームの圧縮強さは、非常に重要であり、そしてこの適用条件は、例えば、境界断熱板(土壌、例えば地下室の外側と接触状態での断熱)におけるもの、又は断熱物の表面(例えば、逆転屋根(inverted roof)、すなわち外部に断熱材を有する屋根)上の歩行が意図される場合である。断熱材が、同時に、機械的(物理的)影響からの保護として作用し、又はハウジングとして作用するので、耐圧縮性を有する必要のある耐高温フォームについても適切な圧縮強さが望まれる。これらは例えば、断熱シート(断熱板)又はモーター、他の機械、その他高温媒体のパイプラインの断熱材又はハウジングとして、断熱シートから形成可能な成形物に適用される。
【0015】
従来技術のフォーム(泡:form)の圧縮強さは、これらの適用に必ずしも適切ではない。
【0016】
更に、公知の泡の火に対する性能は理想的ではない。例えば、不利な条件下では、高濃度の可燃ガス及び高濃度の煙が発生する。ここで、高濃度とは、単位体積当たりに大量の浮遊物質(固体粒子又は液体粒子)を含むことを意味する。しかしながら、人体への悪影響を避けるためには、低濃度煙が有利である。
【0017】
本発明の目的は、上述した不利な点を除去することにあり、そして特に圧縮強さが改良された発泡ウェブ及び発泡シートが製造可能な方法を提供することにある。
【0018】
更に、発泡シートは、燃焼に対する性能(fire performance)が改良されているべきである。特に、発生する煙の濃度が低濃度(単位体積当たりの浮遊物質の量が低い)であるべきである。理想的には、シートは、両方の特性、すなわち、改良された圧縮強さと低濃度煙の特性を提供するべきである。
【0019】
そして、その方法により、一方では、耐高温性合成樹脂、特にポリスルホン、ポリエーテリイミド、及びポリエーテルケトン、他方では、通常のスチレンポリマーという異なるポリマーを、上述した有利な特性を有する発泡シートに加工可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これに応じて、冒頭に定義した方法、及びこれから得られる発泡ウェブ又は発泡シートが見出された。請求項の従属項(subclaim)には、好ましい具体的事項が記載されている。
【0021】
以下に出発材料を記載する。発泡ウェブ又は発泡シート(以降、シートと略する)が、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、及びスチレンポリマーから選ばれるポリマーから製造される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
適切なポリスルホンは、反復単位(repeat unit)がスルホン基−SO2−を介する結合(linking)を有するポリマー、特に以下の一般式1〜4、
【0023】
【化1】

【0024】
(但し、R’がアルキル又はアリール、Rが特にフェニル、及びnが反復単位の数である。)のポリマーである。式2は、特にポリスルホン(PSU)と称される材料である。適切なポリスルホンは、特にポリアリールスルホン、ポリフェニレンスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、及びポリアリールエーテルスルホンである。式3及び4は、ポリアリールエーテルスルホンを説明している。これらすべてのポリスルホンは適切である。
【0025】
ポリスルホンの軟化点(softening point)は、通常、約180−230℃である。適切なポリスルホンは公知であり、そして例えば、Ultrason(登録商標)S polysulfone(BASFより)、又はUltrason(登録商標)E polyether sulfone (BASFより)として市販されている。
【0026】
適切なポリエーテルイミド(PEI)は、主鎖が芳香族環から成るポリマーで、この芳香族環は、エーテル基−O−、及びイミド基、
【0027】
【化2】

【0028】
例えば、式5又は6のもの、
【0029】
【化3】

【0030】
【化4】

を介して結合したものである。
【0031】
ポリエーテルイミドの軟化点は、通常約200−230℃である。適切なポリエーテルイミドは公知であり、そして例えば、Ultem(登録商標)(GE Plasticsより)又はVespel(登録商標)(DuPontより)として市販されている。
【0032】
適切なポリマーケトンは、反復単位(フェニレン基)がエーテル基−O−、及びケトン基−C=Oを介した結合を有するものである。これらは、式7
【0033】
【化5】

を有しており、そしてポリアリールエーテルケトン(PAEK)とも称される。x=y=1である生成物は特にポリマーケトン(PEK)と称され、x=2、y=1である生成物はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と称され、x=1、y=2である生成物はポリエーテルケトンケトン(PEKK)と称され、そして、x=y=2である生成物は、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)と称されている。これら全てのポリエーテルケトンが適切である。
【0034】
ポリエーテルケトンの軟化点は、通常約210−350℃である。適切なポリエーテルケトンは公知であり、そして例えばUltrapek(登録商標)(BASFより)として市販されている。
【0035】
適切なスチレンポリマーは、スチレン化合物(ビニル芳香族モノマー)のポリマーで、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ビニルスチレン、ビニルトルエン、1,2−ジフェニルエチレン、1,1−ジフェニルエチレン、及びこれらの混合物である。スチレンを使用することが特に好ましい。
【0036】
スチレンポリマーは、ホモポリマーが可能であり、該ホモポリマーの例は、(ゴムを含まない)ポリスチレン(GPPS、多目的ポリスチレン)、又はコポリマーである。これらのコポリマー中に存在する適切なコモノマーの例は、アクリロニトリル又はメタクリニトリル等の二トリル化合物、1,3−ブタジエン(省略してブタジエンとする)、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、又はピペリレン等のジエン、アクリレート、特にn−又はtert−ブチルアクリレート又は2−エチルヘキシルアクリレート等のC1-12アルキルアクリレート、及びメチルメタクリレート(MMA)等の対応するメタクリレートである。他の適切なコモノマーは、DE−A19633626の3頁5−50行目(M1−M10下)に記載されている。
【0037】
コモノマーの量は、スチレンコポリマーに対し、通常、1〜99質量%、好ましくは5〜95質量%、及び特に好ましくは5〜70質量%である。
【0038】
特に好ましいコモノマーは、アクリロニトリル、ブタジエン、及びn−ブチルアクリレートである。好ましいスチレンコポリマーは、耐衝撃性ポリスチレン(impact-resistant polystyrene)(HIPS、高耐衝撃性ポリスチレン)である。耐衝撃性ポリスチレンは、通常、スチレンポリマー(例えばポリスチレン)で構成された硬いマトリックス中に分散させたブタジエンゴムをゴム相として含んでいる。ブタジエンゴムは、例えば、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエンブロックコポリマーが可能であり、そして後者は、例えば、線状、グラフト状(つぎ木状)、又は星型構造の2−ブロックS−Bコポリマー、3−ブロックS−B−Sコポリマー、又は多ブロックコポリマー(S=スチレンブロック、B=ブタジエンブロック)である。スチレン−ブタジエンブロックコポリマー自体も、スチレンコポリマーとして、すなわち硬いスチレンマトリックスを有しないものとして適切である。
【0039】
他の好ましいスチレンコポリマーは、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)である。通常のアクリロニトリルの含有量は、SANに対して、5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、及び特に好ましくは20〜35質量%である。
【0040】
他の好ましいスチレンコポリマーは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、アクリロニトリル−スチレンアクリレートコポリマー(ASA)、及びアクリロニトリル−EP(D)M−スチレンコポリマー(AES)である。好ましいABSコポリマーは、ゴム相としてブタジエンゴムを含み、好ましくは、スチレンアクリロニトリルコポリマーで構成される硬いマトリックス中に分散したブタジエンを含むものである。ゴムは、ゴム相の硬質マトリックスへの結合を改良するために、通常、スチレンとアクリロニトリルでグラフト(つぎ木)されている。好ましいコポリマーASA及びAESの構成も同様であり、ASAは、ブタジエンゴムの代わりにアクリレートゴムを含み、アクリレートゴムは、例えば、n−ブチルアクリレートで構成される。AESの場合、EPM(エチレン−プロピレン−モノマー)又はEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンモノマー)で構成されるゴムが使用される。
【0041】
本方法のある好ましい実施の形態では、スチレンポリマーは、ゴムを含まないポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、及びアクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー(ASA)から選ばれる。
【0042】
上述したスチレンポリマーは公知であり、そして例えばPolystyrol(登録商標)、Luran(登録商標)(SAN)、Terluran(登録商標)(ABS)、Luran(登録商標)S(ASA)(全てBASFより)として市販されている。
【0043】
適切な発泡剤は、二酸化炭素(CO2)、窒素、又はアルゴン等の通常の不活性ガス、水、プロペン、ブタン、ペンタン又はヘキサン(各場合において、異性体、例えばn−又はイソ−を含む)等の脂肪族C3−C6炭化水素、沸点が56〜100℃の脂肪族アルコール又は脂肪族ケトン、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、又はメチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチル又はエチルアセテート等の脂肪族エステル、ハロゲン化物、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)又は1,1−ジフルオロエタン(R152a)等のハロゲン化した、フッ素処理炭化水素、又は加熱時に気体を解放するアゾ化合物又はジアゾ化合物等の化学発泡剤である。いずれの場合でも、上述した発泡剤を2種以上含む発泡剤混合物が特に適切である。
【0044】
ハロゲンを含まない発泡剤、特に水、CO2、イソ−ブタン、アセトン、及びエタノールを使用することが特に好ましい。ポリスルホン、ポリエーテルイミド、又はポリエーテルケトンに基づいたシートのために、水とアセトンから成る発泡剤混合物を使用することが特に好ましく、スチレンに基づいたシートのために、水とCO2から成る混合物を使用することが極めて好ましい。
【0045】
水と他の発泡剤との混合物を使用することの有利な点は、(ポリスルホン、ポリエーテルイミド、又はポリエーテルケトンの発泡に必要とされるような)高温で容易に燃焼する液体の使用量が非常に僅かであり、安全を脅かす危険性のレベルが低減されるということである。
【0046】
発泡剤の量は、発泡シートの所望の密度に依存する。通常、ポリマー溶融物に加えられる発泡剤の量は、ポリマーに対して、及び発泡剤全体として計算して、0.1〜15質量%、好ましくは3〜12質量%である。
【0047】
本発明の方法では、フォーム内の気泡(cell)の数を制御するために、核形成剤を同時に使用することができる。核形成剤は、発泡工程の開始時に多数の孔(pore)を形成する要因となり、そして、微細で均一な孔構造の形成に寄与する。加えられる物質の種々のものが核形成剤として作用し、この物質の例は、この工程の条件下で溶融しない微粒子状の固体、例えば、シリカゲル、タルク、チョーク、フィロ珪酸塩、金属炭酸塩、及び金属炭酸水素塩、カーボンブラック、グラファイト、窒化ホウ素、アゾ化合物、Aerosil(登録商標)(Degussaより)等のシリカ、窒化アルミニウム、アルミニウムシリケイト、カルシウムスルフェイト、マイカ、ナノ粒子化合物、例えば、ガラス、及び珪石灰である。
【0048】
耐火性の改良のために、それ自体が難燃剤として作用する固体添加物、例えば、ホウ酸亜鉛は、核形成剤としても作用し、窒素又は希ガス等の上述した不活性ガスも同様である。後者は、高圧力下(例えば、絶対圧で60〜250バール)におけるポリマー溶融物への混合により組み込むことができる。他の適切な核形成剤は、炭酸水素ナトリウム及びくえん酸等の化学発泡剤(これらの量は、少量であることが好ましい)で、例えばHydrocerol(登録商標)CF(Clariantより)として入手可能である。
【0049】
核形成剤(nucleating agent)を使用する場合、その量はポリマーに対して通常、0.01〜2質量%である。
【0050】
本発明に従えば、溶融物は、ポリマーに対して1〜50質量%の充填材を含むが、該充填材は、繊維状充填材A、グラファイト非含有の粒子状充填材B及び充填材AとBとの混合物から選ばれるものである。
【0051】
適切な繊維状充填材Aは、ポリマー溶融物中の温度において融解しない何れかのファイバーである。有機ファイバーが適切であり、有機ファイバーは例えば、亜麻、麻、ラミー、黄麻、サイザルアサ、木綿、セルロース、アラミドで構成されるファイバーであり、そして無機ファイバーも好ましくは適切で、特にカーボンファイバー、グラスファイバー、及び珪石灰又はアスベスト等の繊維状珪酸塩が適切である。
【0052】
繊維状充填材Aとしてグラスファイバーを使用することが特に好ましい。これらは、例えば、短繊維グラスファイバーの状態で使用して良く、また他にグラステキスタイル、グラスマット、又はグラスシルクロービング(連続フィラメント繊維)の状態で使用して良い。グラスエキスタイル、グラスマット、又はグラスロービングは、ポリマー溶融物中に混合して導入する前に、所望により細分される。チョップドグラス(切断グラス)も使用可能である。
【0053】
ポリマーとの融和性(適合性)を改良するために繊維状充填材、特にグラスファイバーは、サイズ(糊)及び/又は結合剤を有していても良く、又は疎水化されていても良い。
【0054】
ポリマーと混合する前に、繊維状充填材Aの平均ファイバー長さは、好ましくは0.1〜10mmであり、及び特に1〜4mmである。ポリマーと混合する前に、繊維状充填材Aの平均ファイバー直径は、2〜40μmであり、特に5〜25μmである。
【0055】
平均ファイバー長さの平均ファイバー直径に対する割合は、ポリマーと混合する前に、好ましくは5000:1〜4:1、特に100:1〜10:1である。
【0056】
上述したファイバー長さとファイバー直径は、ポリマー中に充填材を組み込んだ結果として変化し得るものであり、そして、上述した長さと直径は、従って、ポリマーとの混合前のものである。例えば、押出成形機内に発生するせん断力で、充填材を細分化するか、又は塊状にすることができる。このことは、後述する粒子状充填材Bとその粒径にも適用される。
【0057】
本発明に従えば、繊維状充填材Aの量は、使用したポリマーに対して、1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、及び特に好ましくは5〜20質量%である。
【0058】
適切な粒子状充填材Bは、ポリマー溶融物中の温度で溶融しない粒子の何れかである。例えば粒子は、球状又は層状であり、又は不規則な形状(不定形)である。これらは「固体」であるが可能であり、又は原子寸法(atomic-scale)の空洞又は巨視的な寸法の空洞を有することができ、例えば沸石又は空洞ビーズであって良い。
【0059】
適切な粒子状充填材Bの例は、天然の又は合成の炭酸カルシウム(例えば、チョーク、ドロマイト)、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム(バライト)等の硫酸アルカリ土類金属、グラスビーズ(ガラスビーズ)又はガラス粉、タルク、カオリン、マイカ(例えば、雲母)等の珪酸塩、かすみ石等の長石、沸石、ベントナイト、スメクタイト、珪石灰、アスベスト、又は他のアルミニウムの珪酸塩、カルシウムの珪酸塩、又はマグネシウムの珪酸塩、粉状石英、及び天然の及び合成のシリカ、特に霧化シリカ(fumed silica)、例えばAerosil(登録商標)(Degussaより)、酸化アルミニウム(アルミナ)、又は酸化ジルコニウム等の酸化金属、水酸化アルミニウム、又は水酸化マグネシウム等の水酸化金属、窒化アルミニウム等の窒化金属、金属片又は金属薄膜、例えばアルミニウム又はブロンズ製のもの、炭化珪素、及びアルミニウムジボリド(aluminum diboride)である。
【0060】
粒子状充填材Bは、好ましくは炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及びタルクから選ばれる。
【0061】
粒子状充填材Bの平均粒径は、ポリマーとの混合前に、好ましくは0.1〜1000μm、特に好ましくは0.2〜300μmである。非球形の粒子、例えば薄膜の場合、粒径は、最長直線寸法である。
【0062】
薄膜状粒子又は薄板状粒子、例えばタルクの場合、縦横比(薄層の直径/薄層の厚さ)は、ポリマーとの混合の前に、通常1000:1〜1:1、特に100:1〜2:1である。非薄膜状粒子の場合、この縦横比は、最長直線寸法の最小直線寸法に対する割合である。
【0063】
本発明に従えば、粒子状充填材Bの量は、使用したポリマーに対して1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、及び特に好ましくは5〜30質量%である。
【0064】
他の適切な充填材は、低融点ガラス(低融点グラス)である。低融点ガラスは、例えば、ガラス転移温度が275℃であるアルカリ亜鉛ホスフェートガラス、例えばCortemTM(Coringより)として市販されているガラスである。低融点ガラスが繊維の状態か、又は粒子の状態で何れで使用されるかによって、繊維状充填材A又は粒子状充填材Bに重点がおかれる。
【0065】
充填材A又は充填材Bの、特定の場合に必要とされる量は、特に、発泡シートの所望の機械的特性、例えば所望の圧縮強さ、燃焼に対する性能、例えば火災が発生した場合の上述した煙の密度に依存し、そして予備的な実験によって決定可能である。
【0066】
使用する充填材の種類と量の範囲のものとして、マレイン−アンヒドリド−改質スチレンコポリマー、エポキシ基を含むポリマー、イソシアネート基又は酸基を有する有機シラン又はスチレンコポリマー等の結合剤を使用することもできる。これらの結合剤は、充填材のポリマーマトリックスへの結合を改良し、従って、発泡シートの機械的特性を改良する。
【0067】
発泡シートの製造において、通常の添加剤(添加材料及び加工剤)を付随的に使用することも可能であり、これら添加剤の量は、これら物質の通常のものであり、そして添加剤は例えば、潤滑剤、又は離型剤、着色料、例えば顔料又は染料、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、及び静電気防止剤及び他の添加剤又はこれらの混合物である。
【0068】
上述したポリマー、発泡剤、核形成剤、充填材、結合剤(coupling agent)、添加剤等の出発材料の混合物を使用することも、当然に可能である。この場合、上述した量は、各出発材料の全体に対してのものである。
【0069】
出発材料の次に、工程について説明する。本発明の方法は、溶融物を押出成形するが、溶融物は、発泡剤を含んでいるポリマーを含み、及び本発明に従い、充填材A及び/又はBを含む。ポリマーは通常、固体の状態、例えば、ペレット状態又は粉状態で押出成形機に導入され、そしてポリマーは、押出成形機の中で融解(melt)されるが、しかし、予めポリマー溶融物を製造し、これを押出成形機内に導入しても良い。
【0070】
発泡剤も押出成形機内に計量導入され、この場合、たいていは超大気圧で導入される。発泡剤はポリマー溶融物中に供給されることが好ましいが、しかし、発泡剤を固体ポリマーに加え、そして押出成形機でポリマーを融解することも可能である。各場合において、ポリマーと発泡剤の実質的に均一な混合物が製造される。
【0071】
充填材は、押出成形機内に導入しても良い。押出成形機内で、充填材が溶融物と均一に混合されるが、しかし通常、充填材は融解せず、この結果、発泡剤を含み、充填繊維物(充填材)を有するか又は内部に充填材の粒子が分散した溶融物となる。(しかしながら、上述した低融点ガラスが充填材として使用された場合、ガラスは、実質的に押出成形機の温度で可塑材の性質を帯びるか、又は融解し、そしてこの種の融解物の冷却と発泡とにより生成する泡は、例えば相互に浸透したポリマー相と、グラスファイバー相を有する。)
例えば、充填材は、希釈せずに直接的に押出成形機に導入することが可能であり、この導入は、押出成形機に直接的に計量導入しながら行なうことが可能であり、又はポリマーと充填材を使用して予め混合物(ブレンド)を使用し、次に押出成形機に加えることが可能である。
【0072】
この種類のポリマーと充填材の所定の混合物は、強化ポリマー又は充填ポリマーブレンドとして公知の状態で市販されており、そしてこの種類の市販されているブレンドは、充填材が所望の含有量である場合には、使用可能である。
【0073】
後者に該当しない場合(充填量が所望の含有量ではない場合)、発泡シートの所望の充填材の含有量は、2種類のポリマーの適切な量的割合での混合、またはポリマーブレンドによって設定される。ここで、2種類のポリマーについて、第1のポリマーは、所望の発泡シートのものよりも充填材の含有量が少なくされ、そして、第2のポリマーは、所望の発泡シートのものよりも充填材の含有量が多くされることが意図される。例えば、充填材を有していないポリマーIが、充填材を有しているポリマーIIと混合可能である。例えば、充填材の含有量が10質量%のシートが、充填材を有していないポリマーIと充填材を20質量%含むポリマーIIとを同等の量で混合することによって製造される。ポリマーは予め混合可能であり、又は押出成形機に入れるまで混合を遅らせることもでき、すなわち、2種類のポリマーを押出成形機内に別々に導入し、押出成形機内で混合することも可能である。
【0074】
従って、本方法のある好ましい実施の形態では、ポリマーIとポリマーIIとで構成される混合物がポリマーとして使用され、ポリマーIが充填材を含まず、そしてポリマーIIが繊維状充填材Aを含むか、又は粒子状充填材Bを含むか、又はこれらの混合物を含む。
【0075】
上述した核形成剤、結合剤、又は添加剤等の他の材料(追加材料)が同様に押出成形機内に導入されるか、又はこの段階で、使用されるポリマー内に存在する。
【0076】
使用可能な押出成形機は、通常のシングル−又はツイン−スクリュー押出成形機である。温度、圧力、その他押出成形機の操作条件は、通常以下のように選択される。すなわち、操作条件は、第1に、ポリマーが融解し、そして発泡剤及び充填材と均一に混合され、第2に押出成形機の端部で溶融物が十分な粘性を有し、後の発泡工程の間に良好な泡を形成するように選択される。スクリューの回転速度及びスクリューの幾何学的構造(回転羽根の数、ピッチ、回転羽根の深さ、等)は、以下のように選択されるべきである。すなわち、結果として生じるせん断力が、充填材の繊維又は充填材の粒子を細分化又は塊状化することがないように選択されるか、又はこれらを所望の範囲でのみ細分化するか又は塊状化するように選択される。このことは、特に繊維状充填材Aに適用され、繊維状充填剤Aの繊維長さは通常、混合工程の前に数mmであったものが、結果物であるポリマー泡中で数100μmに減少する。
【0077】
2台の押出成形機から構成される、タンデムシステムとして公知であるシステムを使用することが好ましい。化合物押出成形機(compounding extruder)として公知である第1の押出成形機の中で、ポリマーが、その軟化点以上の温度で最初に融解され、そして充填材が計量導入され、そして発泡剤が融解物中に注入され、そして混合される。冷却押出成形機として公知である第2の押出成形機内で、混合物が冷却されるが、冷却は融解物が良好な泡を確実に製造可能となる粘度(粘性)になる温度まで行われる。
【0078】
発泡剤と充填材を含むポリマー融解物は次に発泡される。これは溶融物の押出成形機からの押出成形を介する通常の方法で行なわれ、この方法では発泡剤が膨張し、溶融物が凝固しつつ発泡するが、この場合、押出成形機の外部の周囲圧と周囲温度が適用されて良い。発泡工程の間の周囲圧と周囲温度は、公知の方法に依存し、特に発泡シートの所望の密度、ポリマーの特性、そして発泡剤の性質と量に依存する。例えば、材料が押出成形され、そして室温(23℃)の周囲雰囲気で発泡されて良い。
【0079】
発泡工程は、通常、適切に形成されたダイプレート、例えばスロットダイ(次にいわゆるキャブレターが続く)を使用する。この方法デは、発泡ウェブが連続的に引き出される状態で直接的に形成される。キャリブレーターは、ウェブの厚さと幅を調整することができ、次にウェブはシートに分割される。
【0080】
結果として得られた発泡シートの厚さは、通常5〜1000mm、特に10〜500mmであり、そしてその幅は、通常100〜2000mm、好ましくは200〜1500mm、及びその横断面積は、通常10〜20000cm2、特に20〜7500cm2である。
【0081】
DIN EN826で測定される、結果として得られた発泡シートの密度は、好ましくは15〜200g/l、特に好ましくは、20〜120g/lである。
【0082】
通常、充填材を加えることにより、発泡シートはより微細気泡化し、及びより連続気泡化する。連続気泡(open-cell)の程度は、選択した発泡剤、泡の密度、及び工程パラメーターによって異なり、そして多くの場合、与えられたポリマーは、連続気泡フォーム及び独立気泡フォーム(closed-cell foam)の両方を製造するのに使用される。変化する工程パラメーターの例は、押出成形機内の温度及び圧力及びダイ(ダイを通して押出成形機内の内容物が押出成形される)の幾何学的構造である。
【0083】
泡は、通常独立気泡フォームであり、独立気泡フォームは、不連続の気体泡がフォーム中に存在することを意味し、そして、フォームの連続気泡ファクター(DIN EN ISO4590に従って測定される)は、最大で40%、好ましくは最大で20%、及び特に好ましくは最大で10%である。しかしながら、適切な工程条件を介して、より高い連続気泡ファクターを有するフォームを製造することも可能である。
【0084】
光学顕微鏡を使用して測定される気体気泡の径(サイズ)は、通常5〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。
【0085】
シートの圧縮強さは、本来、使用されるポリマーに依存する。ポリスルホン、ポリエーテルイミド、又はポリエーテルケトンで構成されるシートの場合、圧縮強さは、好ましくは0.05〜3N/mm2、特に0.2〜2N/mm2であり、そして、スチレンポリマーで構成されるシートの場合、圧縮強さは、0.1〜2N/mm2、特に0.15〜1N/mm2であり、ここで、これら数値はISO 844で23℃にて測定されるものである。
【0086】
本発明は、本発明の方法によって得られる発泡ウェブ又は発泡シート、特にDIN EN826で測定される密度が、15〜200g/lである発泡ウェブ又は発泡シートを提供する。
【0087】
本発明のシートは、使用したポリマーの機能として、種々の異なる手段、例えば、サンドイッチ要素のコア部として、浮遊物、例えば船舶として使用することが可能であり、及び建築物、機械類、又は乗り物の防音又は断熱のために使用することが可能である。
【0088】
本発明の方法によって得られる発泡シートでは、圧縮強さが改良される。更に、本発明の発泡シートは、従来技術によって得られるシートと比較して、火に対する性能が改良され、そして特に発生する煙の密度が低くなる。
【0089】
驚くべきことに、本発明の方法は、一方では、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルケトン、すなわち高温に対して耐性のある合成樹脂(plastic)、及び他方では、通常のスチレンポリマーという異なるポリマーに等しく適合する。
【実施例】
【0090】
実施例
以下の開始材料が使用される。
PES: 充填材を含んでいないポリエステルスルホン:市販されているBASFからの商品Ultrason(登録商標)E2010が使用される、
PES−G: グラスファイバーを20質量%含むポリエーテルスルホンであって、ポリマー中のグラスファイバーの平均繊維長さは200μm、及びグラスファイバーの平均直径は15μmで、市販されているBASFからの商品Ultrason(登録商標)E2010G4が使用される、
SAN: 充填材を含んでいないスチレン−アクリロニトリルコポリマーであって、市販されている、BASFからの商品Luran(登録商標)378Pが使用される、
SAN−G: グラスファイバーを35質量%含むスチレン−アクリロニトリルコポリマーであって、ポリマー中のグラスファイバーの平均繊維長さは200μm、及びグラスファイバーの平均直径は、15μmで、市販されているBASFからの商品Luran(登録商標)378PG7が使用される、
チョーク(chalk): 天然の炭酸カルシウム(粒子の98%<3μm、82%<1μm)で、市販されているOmyaからの商品Hydrocarb(登録商標)OGが使用される、
タルク: 平均粒径D50が1.5μmであるタルクであって、市販されているMondo Mineralsからの商品Micro−Talc IT Extraが使用される。
【0091】
化合物押出成形機及び下流の冷却押出成形機からなるタンデムシステムを使用した。ポリマー又はポリマー混合物(表、参照)を核形成剤、タルク、又は充填材チョークと一緒に化合物押出成形機内に導入した。発泡剤(水、アセトン又はCO2、表参照)を化合物押出成形機の上の入口開口部(aperture)を介して導入した。冷却押出成形機内で、発泡剤を含むポリマー溶融物を発泡温度にまで冷却し(表、参照)、そしてスロットダイを介して押出成形した。発泡溶融物は、キャリブレーター内で成形され、発泡シートを得た(発泡シートの厚さと幅が表に記載されている)。
【0092】
シートの密度をDIN EN826により測定し、そして23℃でISO844によりシートの圧縮強さを測定した。
【0093】
出発材料、発泡温度、及び結果を表にまとめた。Cは比較例で、そしてPtは部(parts)を意味し、及びacet.はアセトンを意味する。出発材料の量的データである質量%は、溶融ポリマーに対してのものである。
【0094】
【表1】

【0095】
実施例は、充填材を含まず、本発明のものではないPESシート(実施例1C)と(対応する密度において)比較した場合、PESで構成され、そしてグラスファイバーを含む本発明の方法で製造された発泡シート(実施例2)が、非常に高い圧縮強さを有していることを示している。同様のことが、グラスファイバーを有しているSAN及びグラスファイバーを有していないSAN(実施例4及び3C)に適用される。更に、チョークを有していないPESシートと比較した場合、これに対応する密度を有し、粒子状充填材としてチョークを使用した、圧縮強さの高いPESシートが得られている(実施例6及び5C)。驚くべきことに、本方法は、PES用のみならず、SAN用にも適切であり、そして繊維状充填材用のみならず、粒子状充填材用にも適切であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、及びスチレンポリマーから選ばれるポリマー及び発泡剤を含む溶融物の押出を行い、次に前記溶融物を発泡させることによって、前記ポリマーに基く発泡ウェブ又は発泡シートを製造する方法であって、
前記溶融物が、ポリマーに対して1〜50質量%の、
A)繊維状充填材A、
B)グラファイト非含有の粒子状充填材B、
及びこれらの混合物、
から選ばれる充填材も含むようにすることを特徴とする発泡ウェブ又は発泡シートを製造する方法。
【請求項2】
スチレンポリマーが、ゴム非含有のポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、及びアクリロニトリル−スチレン−アクリレートコポリマー(ASA)から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グラスファイバーが、繊維状充填材Aとして使用されることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の方法。
【請求項4】
ポリマーと混合する前の繊維状充填材Aの平均長さが0.1〜10nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
ポリマーと混合する前の繊維状充填材Aの平均直径が2〜40μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
粒子状充填材Bが、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、及びタルクから選ばれることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
ポリマーと混合する前に、粒子状充填材Bの平均粒径が、0.1〜1000μmであることを特徴とする請求項1、2及び6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
発泡剤の量が、ポリマーに対して0.1〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
ポリマーとして2種類のポリマーI及びポリマーIIで構成される混合物を使用し、ポリマーIが充填材を含まず、及びポリマーIIが繊維状充填材A又は粒子状充填材B、又はこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に従う方法により得られる発泡ウェブ又は発泡シート。
【請求項11】
DIN EN826で測定される密度が15〜200g/lであることを特徴とする請求項10に記載のウェブ又はシート。

【公表番号】特表2007−523243(P2007−523243A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553522(P2006−553522)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001544
【国際公開番号】WO2005/082984
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】