充電設備情報提供システム
【課題】 個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供すること。
【解決手段】 充電スタンド情報提供システムは、個人充電スタンドを表す情報と、その個人充電スタンドの提供者の希望条件である提供者側希望利用者条件とを含む複数の個人充電スタンドが記憶された個人充電スタンドデータベース22と、個人充電スタンドの利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S203)と、提供者側希望利用者条件と利用者情報とに基づいて、利用者に提供するための個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース22に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する検索部(S204)と、検索部(S204)により検索された個人充電スタンド情報を利用者に提供する提供部(S109)と、を備える。
【解決手段】 充電スタンド情報提供システムは、個人充電スタンドを表す情報と、その個人充電スタンドの提供者の希望条件である提供者側希望利用者条件とを含む複数の個人充電スタンドが記憶された個人充電スタンドデータベース22と、個人充電スタンドの利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S203)と、提供者側希望利用者条件と利用者情報とに基づいて、利用者に提供するための個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース22に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する検索部(S204)と、検索部(S204)により検索された個人充電スタンド情報を利用者に提供する提供部(S109)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気により駆動する車両(電動車両)の充電設備に関する情報を提供する充電設備情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気により駆動する車両(電動車両)が普及され始めている。電動車両の普及に伴い、電動車両を充電するための充電設備等の整備が求められる。また、電動車両が効率良く充電設備で充電することができるような充電設備情報提供システムが求められる。
【0003】
特許文献1は、電動車両のナビゲーションシステムを用いた充電設備情報提供システムを開示する。この充電設備情報提供システムは、目的地で電動車両の蓄電池の充電が可能か否かを判断し、充電が不能である場合に、目的地の近傍の充電設備を検索する。そして、検索した充電設備に関する情報をディスプレイに表示させる。これにより、目的地には到達したものの蓄電池の残存容量が少なく次の目的地までの走行ができないという状況に陥ることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−294463号公報
【発明の概要】
【0005】
電動車両への充電は、充電を主たる業務とする大手事業所の他、一般家庭(個人宅)や店舗でも実施することができる。一般家庭や店舗が個人の充電器を用いて他人の電動車両を充電する場合、例えば充電設備の情報を管理するための充電設備情報管理センタにその一般家庭や店舗の名称や住所等の情報(充電設備情報)を登録する。すると、充電設備情報管理センタは、走行中の電動車両に一般家庭や店舗の充電設備情報を提供する。電動車両のドライバーは、電動車両を充電するために充電設備情報に示される一般家庭や店舗に行く。そして、ドライバーはそこに設置された充電器を用いて電動車両を充電することができる。充電後、ドライバーは充電料金を充電設備の提供者に支払う。
【0006】
ところで、個人の充電器を用いて電動車両を充電する一般家庭や店舗は、希望する条件に合致する者に自己の充電器で電動車両を充電させるために充電設備情報を提供するのであって、希望する条件に合致しない者に対しては、プライバシー保護の面およびセキュリティー強化の面からできるだけ充電設備情報を提供したくない。
【0007】
ところが、特許文献1に記載の充電設備情報提供システムによれば、充電設備情報の提供を受ける者が制限されていないので、充電設備の利用者の誰もが充電設備情報の提供を受けることができる。このため個人の充電設備を提供する一般家庭や店舗のプライバシーの保護やセキュリティーの強化が十分になされない。
【0008】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、充電設備を提供する一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされるような充電設備情報提供システムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、電動車両の充電設備を表す情報とその充電設備の提供者がその充電設備の利用者に対して希望する条件である提供者側希望利用者条件とを含む複数の充電設備情報が記憶された充電設備情報記憶部(22)と、充電設備の利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S203,S223)と、前記提供者側希望利用者条件と前記利用者情報とに基づいて、前記利用者に提供するための充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部(22)に記憶されている充電設備情報の中から検索する検索部(S204,S224)と、前記検索部(S204,S224)により検索された充電設備情報を、前記利用者に提供する提供部(S109,S129)と、を備える充電設備情報提供システムを提供する。
【0010】
本発明の充電設備情報提供システムによれば、電動車両の利用者に関する情報(利用者情報)と、充電設備の提供者が充電設備の利用者に対して希望する条件(提供者側希望利用者条件)とに基づいて、充電設備情報記憶部に記憶されている充電設備情報の中から利用者に提供するための充電設備情報が検索される。例えば、提供者側希望利用者条件が、利用者がある特定の団体に所属するということである場合、この提供者の充電設備情報は、利用者が上記特定の団体に所属する場合にのみ検索される。それ以外の者が利用者である場合には、検索されない。また、提供者側希望利用者条件が、利用者が所有する電動車両が小型の電動車両であるという条件である場合、この提供者の充電設備情報は、利用者の電動車両が小型車両である場合にのみ検索される。それ以外の者が利用者である場合には検索されない。
【0011】
このように本発明によれば、提供者側希望利用者条件が、利用者に提供される充電設備情報の検索に反映されるので、提供者の希望条件を満たさない利用者に対して自身の充電設備情報が検索され、提供されることを防止することができる。よって、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。また、特定の利用者のみに充電設備を利用させることができる。
【0012】
前記検索部(S204)は、前記利用者が満たしている前記提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部(22)に記憶されている充電設備情報の中から検索するものであるのがよい。
【0013】
これによれば、利用者が提供者側希望利用者条件を満たす場合に、その提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報が検索される。一方、利用者が提供者側希望利用者条件を満たさない場合には、その提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報は検索されない(検索結果から除外される)。つまり、提供者が希望する利用者によってのみ自身の充電設備が検索され、提供者が希望する利用者のみに充電設備情報が提供される。よって、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。また、特定の利用者のみに充電設備を利用させることができる。
【0014】
前記提供部(S109)は、前記検索部(S204)により複数の充電設備情報が検索されたときに、前記複数の充電設備情報を全て前記利用者に提供するのがよい。これによれば、複数の充電設備情報が利用者に提供されるので、利用者は、提供された充電設備情報の中から好みの充電設備情報を選択し、その充電設備で充電することができる。
【0015】
また、前記利用者情報の中には、その利用者が充電設備または充電設備の提供者に対して希望する条件である利用者側希望条件が含まれているのがよい。そして、前記検索部(S224)は、前記提供者側希望利用者条件と前記利用者側希望条件とに基づいて、前記充電設備の利用者に提供するための充電設備情報を検索するのがよい。この場合、前記検索部(S224)は、前記利用者側希望条件を満たす充電設備に関する充電設備情報であって、且つ、前記利用者が前記提供者側希望利用者条件を満たす充電設備情報を、マッチング成立情報として検索するマッチング処理部(S232,S233)を備え、前記提供部(S129)は、前記マッチング処理部(S232,S233)により検索された前記マッチング成立情報を、前記利用者に提供するのがよい。マッチング処理部は、例えば、前記利用者側希望条件を満たす充電設備に関する充電設備情報の中から、前記利用者が前記提供者側希望利用者条件を満たしている充電設備情報をマッチング成立情報として検索する。
【0016】
これによれば、マッチング処理部によって、充電設備の利用者側の希望条件を満たし、且つ、利用者側も充電設備の提供者側の希望条件を満たしている充電設備情報が検索される。こうして検索された充電設備情報が利用者に提供される。このようなマッチング処理により、提供者は希望する利用者に自己の充電設備情報を提供でき、また利用者は希望する充電設備情報の提供を受けることができる。また、利用者にはマッチングされた充電設備情報のみが提供されるので、より一層、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0017】
前記検索部(S224)は、前記マッチング処理部(S232,S233)により複数の前記マッチング成立情報が検索されたときに、前記複数のマッチング成立情報に優先順位を付与する優先順位付与部(S237)を備え、前記提供部(S129)は、前記優先順位付与部(S237)により付与された優先順位が最も高いマッチング成立情報のみを前記利用者に提供するのがよい。これによれば、利用者は、最適な充電設備情報の提供を受けることができる。また、利用者に提供する充電設備情報の個数を一つに絞ることができるので、より一層、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0018】
前記提供者側希望利用者条件は、利用者の信頼度の大きさに関する利用者信頼度条件であるのが良い。提供者が利用者に対して希望する信頼度の大きさに関する条件を利用者が満たしている場合、提供者は安心してその利用者に充電設備情報を提供することができるとともに、セキュリティーの強化を図ることができる。
【0019】
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が前記提供者の充電設備を利用した場合におけるマナーに関する条件であると良い。これによれば、提供者が利用者に対して希望するマナーに関する条件を満たしているマナーの良い利用者のみに充電設備情報が提供される。したがって、マナーの悪い利用者に充電設備情報が提供されることに伴う問題の発生を事前に回避でき、ひいてはセキュリティーの強化を図ることができる。
【0020】
また、前記利用者信頼度条件は、前記利用者が所属する団体に関する条件であってもよい。これによれば、提供者が希望する所属団体、特に提供者が希望する信頼できる所属団体に所属している身元の保証された利用者のみに充電設備情報が提供される。したがって、身元が保障されていない利用者に充電設備情報が提供されることに伴う問題の発生を事前に回避でき、ひいてはセキュリティーの強化を図ることができる。
【0021】
また、前記利用者信頼度条件は、前記利用者が登録しているネットワークコミュニティに関する条件であってもよい。これによれば、提供者が希望するネットワークコミュニティ、特に提供者が希望する信頼できるネットワークコミュニティ(例えば提供者と同じ学校を卒業した同窓会のメンバーのみにより構成されるネットワークコミュニティなど)に登録している利用者に充電設備情報が提供される。このため提供者は安心してその信頼できるネットワークコミュニティに登録している利用者に充電設備を提供することができる。
【0022】
また、前記提供者側希望利用者条件は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件であってもよい。例えば、提供者が充電時間帯や充電する車種、型式を限定した場合、その限定条件が上記制約条件に該当する。このような制約条件を満たす利用者のみに充電設備情報が提供されることにより、提供者の意に反した利用者による充電設備の利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】充電スタンド情報提供システムを含む通信システムの全体概略図である。
【図2】電動車両の概略構成を示す図である。
【図3】車載端末、サーバおよびスタンド側端末の内部構成を示した概略図である。
【図4】利用者データベースに記憶されている利用者情報リストを示す。
【図5】個人充電スタンドデータベースに記憶されている個人充電スタンド情報リストを示す。
【図6】第1実施形態に係る車両側制御部が充電スタンド情報を表示部に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ側制御部が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【図7】サーバ側制御部が実行する検索処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る個人充電スタンドデータベースに記憶されている個人充電スタンド情報リストを示す。
【図9】第2実施形態に係る車両側制御部が充電スタンド情報を表示部に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ側制御部が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る車両側制御部が充電スタンド情報を表示部に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ側制御部が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【図11】サーバ側制御部が実行するマッチング処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】スタンド側制御部が受け入れ可否信号を送信するために実行するルーチンを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る充電スタンド(充電設備)情報提供システムが含まれる通信システムの全体概略図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の充電スタンド情報(充電設備情報)提供システムを含む通信システムは、インターネットのような通信回線50を介して構築される。通信回線50には、電動車両Vに搭載された車載端末10(図2参照)と、充電スタンド情報(充電設備情報)管理センタCに設置されたサーバ20と、個人充電スタンド(個人充電設備)T(T1,T2,T3)内に設置されたスタンド側端末30とが相互通信可能に接続される。本実施形態において、個人充電スタンドT1は一般家庭であり、個人充電スタンドT2,T3は何らかの製品を販売している店舗である。店舗T2,T3には急速充電器が設置されている。この急速充電器で電動車両が急速充電される。一方、一般家庭T1には屋外コンセントが設けられており、この屋外コンセントに電動車両の充電プラグを差し込むことにより、電動車両Vが充電される。
【0026】
図2は、電動車両Vの概略構成を示す図である。図2に示すように、電動車両Vは、車載端末10と、蓄電池15と、SOC検出センサ16と、ナビゲーション装置17と、モータ18とを備える。蓄電池15はモータ18に電力を供給する。モータ18は蓄電池15から供給される電力により回転駆動する。モータ18の回転駆動力が車輪に伝達されることにより、電動車両Vが走行する。また、蓄電池15は、図示しない充電プラグを電力供給源に差し込むことにより、充電することができるように構成されている。ナビゲーション装置17は、GPSなどの自車位置検出装置が検出した電動車両Vの位置に関する情報に基づいて電動車両Vの現在地を演算し、演算した現在地を車載端末10に出力する。SOC検出センサ16は蓄電池15に取り付けられており、蓄電池15の充電率(SOC:State Of Charge)を検出する。そして、検出したSOCを車載端末10に出力する。
【0027】
図3は、車載端末10、サーバ20およびスタンド側端末30の内部構成を示した概略図である。図3に示すように、車載端末10は、地図データベース11と、表示部12と、車両側制御部13と、送受信部14とを備える。なお、図1に示すように、車載端末10と同等の機能構成を、電動車両Vの乗員(例えばドライバー)の携帯情報端末10’に持たせても良い。
【0028】
地図データベース11には、電動車両Vをルートガイドするために必要な地図の情報が記憶されている。表示部12は例えば液晶ディスプレイにより構成される。車両側制御部13は、SOC検出センサ16、ナビゲーション装置17、地図データベース11、表示部12に接続されている。車両側制御部13は、ナビゲーション装置17から電動車両Vの現在地に関する情報を入力する。また、車両側制御部13は、SOC検出センサ16から入力されるSOCに基づいて、充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させるための制御を実行する。また、車両側制御部13は送受信部14にも接続されており、送受信部14を介して必要な情報が送受信される。
【0029】
サーバ20は、利用者データベース21と、個人充電スタンドデータベース22と、サーバ側制御部23と、送受信部24とを備える。利用者データベース21には、個人充電スタンドを利用する者(利用者)に関する情報(利用者情報)が記憶されている。個人充電スタンドデータベース22には、個人充電スタンドに関する情報(個人充電スタンド情報)が記憶されている。なお、本明細書において、「個人充電スタンド」とは、電動車両の充電を提供することを専らの業とはしていないが、副業やサービス、あるいは電気代だけをもらい受けるボランティアで電動車両を充電する者が提供する充電設備である。したがって、一般家庭T1も個人充電スタンドであり、店舗T2,T3も個人充電スタンドである。これに対し、電動車両の充電を主たる業務とする者の充電設備は、本明細書において、「公共充電スタンド」と呼ばれる。
【0030】
サーバ側制御部23は、利用者データベース21および個人充電スタンドデータベース22に接続されており、これらのデータベースに記憶された情報を用いて個人充電スタンド情報を提供するための制御を実行する。また、サーバ側制御部23は送受信部24にも接続されており、送受信部24を介して必要な情報が送受信される。
【0031】
図4は、利用者データベース21に記憶されている利用者情報のリストを示す。このリストに示すように、各利用者情報は、利用者の氏名、利用者が所有する電動車両の車種、電動車両の型式(車名)、その電動車両の製造メーカー、利用者属性、評価ランク、エコランク、利用者関連情報を含む。利用者属性とは利用者が所属するグループを表す。本実施形態において利用者属性は利用者属性1と利用者属性2とからなる。利用者属性1は、その利用者が所属する主要な団体(勤務先や通学している学校(大学等))を表す。利用者属性2は、その利用者が所属または登録している他の団体を表す。
【0032】
評価ランクは、利用者が個人充電スタンドを利用して電動車両を充電する場合におけるマナーの良さを表す。星の数が多いほどマナーが良いことを表す。エコランクは、電動車両の電気消費率(電費)を表す。電費とは、単位電力量当たりの走行距離である。星の数が多いほど電費が良い(単位電力量当たりの走行距離が長い)ことを表す。
【0033】
利用者関連情報とは、利用者データベース21に登録されている利用者間の交友関係(例えばある利用者と他の利用者が友人、知人であるか否か)を表す情報である。すなわち、利用者関連情報は、ある利用者と他の利用者とを紐付けるための情報である。図4によれば、利用者Aの利用者関連情報に利用者Bが示され、利用者Bの利用者関連情報に利用者Aが示されている。これにより、利用者Aと利用者Bが友人または知人であることが表わされる。
【0034】
利用者情報のうち、利用者の氏名、車種、型式、メーカー、利用者属性1および利用者属性2は、利用者自身が充電スタンド情報管理センタCに申請する。充電スタンド情報管理センタCは申請された情報を利用者データベース21に記憶させる。評価ランクは、個人充電スタンドの提供者の評価に基づいて充電スタンド情報管理センタCが決定する。個人充電スタンドの提供者は、利用者が自身の個人充電スタンドを過去に利用したときのマナーの良し悪しを評価ランクとしてサーバ20に申請する。サーバ20は、各提供者から申請された評価ランクに基づいて、その利用者の総合的な評価ランクを決定する。充電スタンド情報管理センタCは決定した評価ランクを利用者データベース21に記憶させる。また、電動車両Vの車両側制御部13が自動的に電動車両の電費を演算し、演算した電費をサーバ20に送信する。サーバ20は送信された電費情報に基づいて、利用者のエコランクを決定する。充電スタンド情報管理センタCは決定したエコランクを利用者データベース21に記憶させる。また、利用者関連情報は、例えば、ある利用者が他の利用者を紹介することにより他の利用者が自己の利用者情報を利用者データベース21に登録したなどの事実に基づいて、利用者データベース21に記憶される。なお、図4の表中の「NULL」は、その項目について申請が無かったことを示す。
【0035】
図5は、個人充電スタンドデータベース22に記憶されている個人充電スタンド情報リストを示す。このリストに示すように、各個人充電スタンド情報は、個人充電スタンドを表す情報(個人充電スタンドの名称、住所)、電力量単価(単位電力量当たりの価格)、車種制限、希望利用者属性、希望評価ランク、希望エコランク、充電許可自SOC、充電許可時間帯を含む。これらの情報は個人充電スタンドの提供者が充電スタンド情報管理センタCに申請する。充電スタンド情報管理センタCは申請された情報を個人充電スタンドデータベース22に記憶させる。
【0036】
車種制限に示された車種は、例えば充電するために電動車両を駐車するスペースの都合や、充電設備の提供者の希望車種等により定めることができる。希望利用者属性には充電設備の提供者が充電設備の利用者に対して希望する属性が示される。本実施形態では、希望利用者属性は、希望利用者属性1および希望利用者属性2からなる。希望利用者属性1は、利用者が所属する主要な団体(勤務先や通学している学校(大学等))を表す。希望利用者属性2は、利用者が所属または登録している他の団体を表す。また、希望評価ランクには、個人充電スタンドの提供者が利用者に対して希望する評価ランクの下限が示される。希望エコランクには、個人充電スタンドの提供者が利用者に対して希望するエコランクの下限が示される。
【0037】
充電許可自SOCとは、個人充電スタンドの提供者が蓄電池を所有しており、その蓄電池で電動車両を充電する場合において、その蓄電池で電動車両を充電することができるSOCの下限値である。したがって、蓄電池のSOCが充電許可自SOC以下であるときには、その蓄電池で電動車両を充電することができない。充電許可時間帯は、その個人充電スタンドで利用者が電動車両を充電することができる時間帯である。例えば店舗における営業時間帯を充電許可時間帯に設定することができる。なお、図5の表中の「NULL」は、提供者がその項目について特に制限しないことを表す。
【0038】
車種制限、希望利用者属性1、希望利用者属性2、希望評価ランク、希望エコランク、充電許可時間帯に示された内容は、充電設備の提供者が充電設備の利用者に対して希望する条件(提供者側希望利用者条件)を表す。車種制限に示された内容は、提供者が利用者の保有する電動車両に対して希望する条件であり、希望利用者属性に示された内容は、提供者が利用者の所属する団体等に対して希望する条件であり、希望評価ランクに示された内容は、提供者が利用者の評価ランク(すなわちマナーの良さ)に対して希望する条件であり、希望エコランクに示された内容は、提供者が利用者のエコランク(すなわち環境への配慮)に対して希望する条件であり、充電許可時間帯に示された内容は、利用者が電動車両を充電する時間帯に対して提供者が希望する条件である。
【0039】
また、希望利用者属性1、希望利用者属性2、希望評価ランク、希望エコランクに示された内容は、利用者の信頼度の大きさに関する条件(利用者信頼度条件)、換言すれば、提供者がその利用者を信頼することができるか否かを定めるための条件を示す。希望利用者属性に示された条件を満たす利用者は、提供者にとって信頼できる団体に所属、あるいは提供者にとって信頼できるネットワークコミュニティ等に登録しているから、そのような信頼できる団体またはネットワークコミュニティに属する身元が保証された利用者は、信頼することができる。また、希望評価ランクに示された条件を満たす利用者は、その利用者が提供者の充電設備を利用する上でのマナーが良いと考えられるから、そのようなマナーが良い利用者は信頼することができる。希望エコランクに示された条件を満たす利用者は、環境を考慮した静かな運転を心掛けていると考えられるから、そのような運転を心掛けている利用者は信頼することができる。
【0040】
また、車種制限、充電許可時間帯に示された内容は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件を示す。車種制限に示された条件は、提供者の充電設備のスペースや、提供者の要求によりその提供者の充電設備で充電することが許される車種に関する制約条件である。充電許可時間帯に示された条件は、例えば店舗が充電設備の提供者である場合等において、その店舗の営業時間帯との関係により充電設備で充電することが許される時間帯に関する制約条件である。また、一般家庭が充電設備の提供者である場合等においては、充電許可時間帯に示された条件は、その一般家庭の住居者の在宅時間帯や住居者が起きている時間帯、あるいは近所迷惑を及ぼさない時間帯等の関係により充電設備で充電することが許される時間帯に関する制約条件である。
【0041】
また、図3に示すように、スタンド側端末30は、入力部31と、表示部32と、スタンド側制御部33と、送受信部34とを備える。入力部31は例えばキーボードやタッチパネルにより構成される。表示部32は例えば液晶ディスプレイにより構成される。スタンド側制御部33は、例えばその充電スタンドで充電する場合における充電状態を監視し、また利用者によるその充電スタンドでの利用可否に関する制御を行う。また、スタンド側制御部33は送受信部34に接続されており、送受信部34を介して必要な情報が送受信される。
【0042】
このような構成において、電動車両Vの走行中に、充電スタンド情報管理センタCのサーバ20が、必要に応じて電動車両Vの車載端末10に対して個人充電スタンドデータベース22に記憶された所定の個人充電スタンド情報を提供する。提供された個人充電スタンド情報は、車載端末10の表示部12に表示される。電動車両Vのドライバーは、近隣に公共充電スタンドが無い場合等に、表示部12に表示された個人充電スタンド情報に示される個人充電スタンドに行き、そこで電動車両Vを充電することができる。
【0043】
図6は、電動車両Vの走行中に、車載端末10の車両側制御部13が個人充電スタンド情報または公共充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ20のサーバ側制御部23が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【0044】
図6に示す表示処理ルーチンが起動すると、車両側制御部13は、まず、電動車両Vの充電が必要であるか否かを判断する(S101)。この場合、車両側制御部13は、例えばSOC検出センサ16から入力されるSOCが所定の下限値よりも大きいか否か、および、SOCが所定の下限値以下である場合に電動車両Vのドライバーが電動車両Vを充電する意思が有るか否か、に基づいて、電動車両Vの充電が必要であるか否かを判断することができる。
【0045】
充電が必要でない場合(S101:No)、このルーチンを終了する。一方、充電が必要である場合(S101:Yes)、車両側制御部13は、充電スタンドを検索するための条件を入力する(S102)。検索条件は、例えば電動車両Vの現在地と充電スタンドとの間の距離が5km以内といった地理的条件や、電動車両Vが充電スタンドに到達するまでの時間が10分以内といった時間的条件であるのがよい。この検索条件は、電動車両Vのドライバーが表示部12を介して入力してもよいし、予め車両側制御部13に記憶されていてもよい。
【0046】
次いで、車両側制御部13は、入力された検索条件に基づいて、公共充電スタンドを検索する(S103)。車両側制御部13には、予め公共充電スタンドに関する情報(公共充電スタンドの名称や公共充電スタンドの位置等)が記憶されている。したがって、S103では、車両側制御部13は、予め記憶されている公共充電スタンドに関する情報の中から検索条件を満たす公共充電スタンドを検索する。
【0047】
続いて、車両側制御部13は、公共充電スタンドが検索されなかったか否か(検索によりヒットした公共充電スタンドが0件であるか否か)を判断する(S104)。公共充電スタンドが検索された場合(S104:No)、その公共充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させる(S110)。次いで、S111に進む。
【0048】
一方、公共充電スタンドが検索されなかった場合(S104:Yes)、車両側制御部13は、電動車両Vの乗員が個人充電スタンドを利用するか否かを判断する(S105)。この場合、車両側制御部13は、個人充電スタンドを利用するか否かを問い合わせるための画面を表示部12に表示させる。電動車両Vの乗員は、この画面を通じて個人充電スタンドの利用意思の有無を車両側制御部13に伝える。
【0049】
電動車両Vの乗員が個人充電スタンドを利用しない場合(S105:No)、車両側制御部13はこのルーチンを終了する。尚、S105の判定結果がNoである場合は、表示部12に「利用できる公共充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。
【0050】
一方、電動車両Vの乗員が個人充電スタンドを利用する場合(S105:Yes)、車両側制御部13は、検索条件、利用者IDおよび電動車両Vの現在地をサーバ側制御部23に送信する(S106)。利用者IDとは個人充電スタンドの利用者(すなわち電動車両のドライバー)を特定するための番号であり、予め車両側制御部13に記憶されている。
【0051】
サーバ側制御部23は、検索条件、利用者IDおよび電動車両Vの現在地を受信すると(S201)、利用者IDから利用者を特定する(S202)。なお、サーバ側制御部23には、利用者IDと利用者との対応テーブルが記憶されている。したがって、サーバ側制御部23は、S202にて、この対応テーブルから利用者IDに基づいて利用者を特定する。
【0052】
次いで、利用者データベース21に記憶されている複数の利用者情報の中から、S202にて特定した利用者についての利用者情報を抽出することにより、その利用者の利用者情報を取得する(S203)。続いてサーバ側制御部23は、検索処理を実行する(S204)。
【0053】
図7は、サーバ側制御部23がS204にて実行する検索処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンによれば、サーバ側制御部23は、まず、S203で取得した利用者情報を、個人充電スタンドデータベース22に記憶されているそれぞれの個人充電スタンド情報中の各提供者側希望利用者条件のうち、利用者信頼度条件に照合することにより、個人充電スタンド情報を絞り込む(第1絞り込み検索)。
【0054】
第1絞り込み検索について例示する。例えば利用者IDにより特定される利用者が、図4の利用者情報リストに記憶された利用者Aであるとする。利用者Aの利用者情報によれば、利用者Aは○○社の社員であり、SNS○○の××コミュニティに属している。さらに、評価ランクは星5個であり、エコランクは星1個である。このような情報が、各個人充電スタンド情報中の提供者側希望利用者条件の利用者信頼度条件に照合されることにより、個人充電スタンド情報が絞り込み検索される。
【0055】
図5の個人充電スタンド情報リストの最上欄に示された個人充電スタンド情報によれば、個人充電スタンドT1の希望利用者属性1、希望利用者属性2、希望評価ランク、希望エコランクは、いずれも「NULL」である。したがって、利用者Aは、個人充電スタンドT1の提供者側希望利用者条件を満たす利用者であると判断される。よって、個人充電スタンドT1についての個人充電スタンド情報は検索される。
【0056】
また、図5の個人充電スタンド情報リストの上から2欄目に示された個人充電スタンド情報によれば、個人充電スタンドT2の希望利用者属性1は「△△社社員」、希望利用者属性2は「○○ネットカーシェア会員」、希望評価ランクは星2個以上、希望エコランクは星2個以上である。一方、利用者Aは、△△社社員でもなく、○○ネットカーシェア会員でもない。さらにエコランクは星1個である。したがって、利用者Aは、個人充電スタンドT2の提供者側希望利用者条件を満たす利用者ではないと判断される。よって、個人充電スタンドT2についての個人充電スタンド情報は検索されない。
【0057】
また、図5の個人充電スタンド情報リストの上から3欄目に示された個人充電スタンド情報によれば、充電スタンドT3の希望利用者属性1は「○○社社員」、希望利用者属性2は「SNS○○の××コミュニティ」、希望評価ランクは星3個以上、希望エコランクは星1個以上である。これに対し、利用者Aは、○○社社員であり、且つ、SNS○○の××コミュニティに属している。さらに、評価ランクは星5個であり、エコランクは星1個である。したがって、利用者Aは充電スタンドT3の提供者側希望利用者条件を満たす利用者であると判断される。よって、充電スタンドT3についての個人充電スタンド情報は検索される。このようにして全ての個人充電スタンド情報中の提供者側希望利用者条件のうち利用者信頼度条件に利用者情報を照合することにより、利用者が利用者信頼度条件を満たす個人充電スタンド情報が絞り込み検索される。
【0058】
第1絞り込み検索により個人充電スタンド情報を絞り込んだ後は、サーバ側制御部23はS212に進む。S212では、提供者側希望利用者条件のうち提供者側の都合により利用者に要求する制約条件(車種制限、充電時間帯)と利用者情報に基づいて、S211にて絞り込んだ個人充電スタンド情報をさらに絞り込む(第2絞り込み検索)。例えば、利用者IDにより特定される利用者が、図4の利用者情報リストに記憶された利用者Aであるとする。利用者Aの電動車両の車種は小型車両である。また、上記第1絞り込み検索によりスタンドT1およびスタンドT3についての個人充電スタンド情報が検索されているものとする。図5に示すように、スタンドT1の制限車種は小型車両およびミニバン車両、スタンドT3の制限車種は小型車両、ミニバン車両および中型車両である。したがって、制限車種に関しては、いずれのスタンドについての個人充電スタンド情報も検索される。同様にして、現在時刻と充電許可時間帯とに基づいて、個人充電スタンド情報が絞り込み検索される。
【0059】
第2絞り込み検索により個人充電スタンド情報を絞り込んだ後は、サーバ側制御部23はS213に進む。S213では、S212にて絞り込んだ個人充電スタンド情報を、S201にて入力された検索条件(距離的条件、時間的条件等)および、その他の必要条件(充電許可自SOC等)に基づいてさらに絞り込む(第3絞り込み検索)。
【0060】
サーバ側制御部23は、S213にて検索条件、その他の必要条件に基づいて第3絞り込み検索を実行した後は、その第3絞り込み検索で個人充電スタンド情報が検索されたか否か、すなわち第3絞り込み検索によりヒットした件数が1以上であるか否かを判断する(S214)。個人充電スタンド情報が検索された場合(S214:Yes)、検索フラグFを1(S215)に設定する。その後、このルーチンを終了する。一方、個人充電スタンド情報が検索されなかった場合(S214:No)、検索フラグFを0に設定する。(S216)その後、このルーチンを終了する。
【0061】
サーバ側制御部23は、上述のようにして、図6のS204にて個人充電スタンド情報を検索した後は、検索結果をS203で取得した利用者情報により表わされる利用者(すなわちS201で受信した利用者IDにより特定される利用者)に提供するために送信する(S205)。この場合において、検索フラグFが1に設定されている場合は、検索された個人充電スタンド情報を送信する。また、検索フラグFが0に設定されている場合は、個人充電スタンド情報が検索されなかったという情報を送信する。サーバ側制御部23は、検索結果を送信した後は、このルーチンを終了する。
【0062】
図6に示すように、車両側制御部13はS106にて検索条件、利用者ID、現在地を送信した後に、サーバ側制御部23から検索結果を受信する(S107)。次いで、サーバ側制御部23により個人充電スタンド情報が検索されたか否かを判断する(S108)。個人充電スタンド情報が検索されなかった場合(S108:No)、このルーチンを終了する。尚、S108の判定結果がNoである場合は、表示部12に「利用できる充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。
【0063】
一方、個人充電スタンド情報が検索された場合(S108:Yes)、車両側制御部13は、サーバ側制御部23から受信した個人充電スタンド情報を表示部12に表示させる(S109)。これにより、個人充電スタンド情報が利用者に提供される。次いで、車両側制御部13はS111に進み、表示部12に表示された個人充電設スタンドのいずれか一つが選択されたか否かを判断する。この場合において、表示部12には、S103にて車両側制御部13が検索した公共充電スタンド情報、または、サーバ側制御部23から受信した個人充電スタンド情報が表示されている。また、検索または受信した充電スタンド情報が複数である場合、表示部12には、全ての充電スタンドが表示される。利用者は、表示された充電スタンドを示す部分に触れることにより、その充電スタンドを選択することができる。
【0064】
利用者が充電スタンドのいずれかを選択した場合(S111:Yes)、車両側制御部13は、選択された充電スタンドまでのルートガイドを実行する(S112)。その後、このルーチンを終了する。電動車両Vの利用者は、ルートガイドにしたがって充電スタンドに行き、そこで充電することができる。
【0065】
以上のように、本実施形態の充電スタンド情報提供システムは、個人充電スタンドを表す情報と個人充電スタンドの提供者の提供者側希望利用者条件とを含む複数の個人充電スタンド情報が記憶された個人充電スタンドデータベース(22)と、個人充電スタンドの利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S203)と、提供者側希望利用者条件と利用者情報とに基づいて、利用者に提供するための個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース(22)に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する検索部(S204)と、検索部(S204)により検索された個人充電スタンド情報を利用者に提供する提供部(S109)と、を備える。
【0066】
また、検索部(S204)は、利用者情報と提供者側希望利用者条件とを照合することにより、利用者が提供者側希望利用者条件を満たす個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース(22)に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する。
【0067】
本実施形態の充電スタンド情報提供システムによれば、個人充電スタンドの提供者側希望利用者条件が、利用者に提供される個人充電スタンド情報の検索に反映されるので、提供者の希望条件を満たさない利用者に対して自身の充電スタンド情報が提供されることを防止することができる。よって、個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。
【0068】
ところで、個人の充電器を用いて電動車両を充電する店舗では、何らかの製品を販売している場合が多い。したがって、電動車両を充電するために来店した者がその店舗で販売している製品に興味を持っている場合は、電動車両の充電中にその者がその店舗に陳列された製品を見て、その製品を購入する可能性が高い。これに対し、電動車両を充電するために来店した者がその店舗で販売している製品に興味を持っていない場合は、その者がその店舗に陳列された製品を購入する可能性が低い。しかも、その店舗の駐車場で電動車両を充電するような場合においては、店舗で販売している製品を購入する意思の無い者が電動車両をその店舗の駐車場で充電することにより駐車場が占有されてしまい、店舗で販売している製品を購入する意思の有る者の来店を阻害するおそれもある。したがって、個人の充電器を用いて電動車両を充電する店舗は、その充電を店舗の営業に生かすために、店舗で販売している製品に興味がある者にのみ充電設備情報を提供したい。これに対し、本実施形態によれば、店舗での販売製品に興味を持つ利用者のみに自身の個人充電スタンド情報が検索されるように、提供者側希望利用者条件を設定することができる。例えば、個人の充電器を用いて電動車両を充電する店舗がプラモデルを販売している場合、利用者がプラモデルの製作を趣味に持つことを提供者側希望利用者条件として設定することにより、そのような利用者のみに自身の個人充電スタンド情報を提供することができる。このようにして個人充電スタンド情報を特定の者(その店舗の販売製品に興味を持つ者)にのみ提供することにより、その店舗での電動車両の充電をその店舗の営業に有効に利用することができる。
【0069】
また、提供部(S109)は、検索部(S204)により複数の個人充電スタンド情報が検索されたときに、検索された複数の個人充電スタンド情報を全て利用者に提供する。このため利用者は、提供された個人充電スタンド情報の中から好みの個人充電スタンドを選択し、その個人充電スタンドで電動車両を充電することができる。
【0070】
また、提供者側希望利用者条件は、利用者の信頼度の大きさに関する利用者信頼度条件を含んでいる。そして、利用者が利用者信頼度条件を満たしているときに、その利用者信頼度条件を提示している個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。このようにして個人スタンド情報が検索されるので、個人スタンド情報は、その個人スタンド情報の提供者にとって信頼できる利用者にのみ提供される。そのため提供者は安心してその利用者に個人充電スタンド情報を提供することができる。こうした安心感を提供者に持たせることにより、一般家庭や店舗での個人充電スタンドの提供を活性化させることができるとともに、セキュリティーの強化をより一層図ることができる。
【0071】
また、利用者信頼度条件は、利用者が個人充電設備を利用した場合におけるマナーに関する条件(希望評価ランク)を含んでいる。そして、利用者が希望評価ランクを満たしているときに、その希望評価ランクを含む個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。このようにして個人充電スタンド情報が検索されるので、その提供者の個人充電スタンド情報はマナーの良い利用者のみに提供される。このためマナーの悪い利用者に個人充電スタンド情報が提供されることによってセキュリティー上の問題が発生することを回避することができる。
【0072】
また、利用者信頼度条件は、利用者が所属する団体に関する条件(希望利用者属性)を含んでいる。そして、利用者が希望利用者属性に示された団体に所属しているときに、その希望利用者属性を含む個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。このようにして個人充電スタンド情報が検索されるので、その提供者の個人充電スタンド情報は提供者が希望する信頼できる所属団体に属した身元の保証された利用者のみに提供される。このため身元が保証されていない利用者に個人充電スタンド情報が提供されることによってセキュリティー上の問題が発生することを回避することができる。
【0073】
また、利用者信頼度条件は、図5の個人充電スタンド情報リスト中のスタンドT3の個人充電スタンド情報の希望利用者属性2に示されるように、利用者が登録しているネットワークコミュニティに関する条件を含む。そして、利用者がそのネットワークコミュニティに登録しているときに、その条件を含んだ個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。したがって、提供者が希望する信頼できるネットワークコミュニティに利用者が登録している場合のみにその利用者に個人充電スタンド情報が提供される。このため提供者は安心してその信頼できるネットワークコミュニティに登録している利用者に個人充電スタンドを提供することができる。
【0074】
また、提供者側希望利用者条件は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件(制限車種、充電時間帯)を含む。このような制約条件を満たす利用者のみに個人充電スタンド情報を提供することにより、提供者の意に反した利用者による個人充電スタンドの利用を防止することができる。
【0075】
なお、上記実施形態では、利用者が、図5に示す個人充電スタンド情報のうちの提供者側希望利用者条件(特に信頼度条件)を全て満たす場合に、その個人充電スタンド情報が検索される例について説明したが、信頼度条件のいずれか1つまたは複数を利用者が満たす場合に、その信頼度条件を含む個人充電スタンド情報が検索されるようにしてもよい。また、提供者側希望利用条件に、利用者の電動車両の型式についての希望条件(希望型式)を加えてもよい。
【0076】
また、利用者情報データベース21に示された利用者関連情報を利用して、検索結果を修正してもよい。例えば、上記の第1絞り込み検索により、図4に示す利用者Aに対して図5に示すスタンドT1の個人充電スタンド情報が検索され、図4に示す利用者Bに対してはスタンドT1の個人充電スタンド情報が検索されなかったとする。また、図4に示すように、利用者Aの利用者関連情報に利用者Bが示されている。すなわち利用者Bは利用者Aの友人または知人である。第1絞り込み検索により利用者Aに対してスタンドT1が検索されたということは、スタンドT1にとって利用者Aは信頼できる利用者であると判断されたことを表す。利用者AがスタンドT1にとって信頼できるのであれば、利用者Aの友人または知人である利用者Bも、スタンドT1にとって信頼できる可能性が高い。このようなことを考慮して、利用者Bに対しても、スタンドT1の個人充電スタンド情報が検索されるようにしてもよい。
【0077】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る充電スタンド情報提供システムを含む通信システムの構成は、上記第1実施形態で説明した図1に示す構成と同一であるので、その具体的説明は省略する。また、電動車両Vの構成も、上記第1実施形態で説明した図2に示す構成と同一であるので、その具体的説明は省略する。さらに、車載端末10、サーバ20およびスタンド側端末30の内部構成も、上記第1実施形態で説明した図3に示す構成と同一であるので、その具体的説明は省略する。
【0078】
また、サーバ20の個人充電スタンドデータベース22に記憶された提供者情報の構成は、図5に示した提供者情報リストに示す構成と同一である。ただし、サーバ20の利用者データベース21に記憶された利用者情報は、図8のリストに示すように構成される。図8からわかるように、この利用者情報に示す項目に利用者側希望条件という項目が含まれる。利用者側希望条件には、利用者が個人充電スタンドまたは個人充電スタンドの提供者に希望する条件が示されている。例えば、利用者Aは電力量単価が18円以下の個人充電スタンドを希望しており、利用者Bは個人充電スタンドの提供者が○○店舗であることを希望している。利用者Cは15:00〜17:00の間に充電できる個人充電スタンドを希望している。この利用者側希望条件の欄には複数の希望条件を記憶させておいてもよい。利用者側希望条件は利用者側が充電スタンド情報管理センタCに予め申請する。充電スタンド情報管理センタCは申請された希望条件を利用者データベース21に記憶させる。その他の項目は、図4の利用者情報に示された項目と同一である。
【0079】
図9及び図10は、本実施形態において、電動車両Vの走行中に、車載端末10の車両側制御部13が充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ20のサーバ側制御部23が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【0080】
図9に示すように、表示処理ルーチンが起動すると、車両側制御部13は、まず、電動車両Vの充電が必要であるか否かを判断する(S121)。充電が必要でない場合(S121:No)、このルーチンを終了する。一方、充電が必要である場合(S121:Yes)、車両側制御部13は充電スタンドを検索するための条件を入力する(S122)。次いで、入力された検索条件に基づいて公共充電スタンドを検索する(S123)。続いて、検索条件に基づいて検索した結果、公共充電スタンドが検索されなかったか否かを判断する(S124)。公共充電スタンドが検索された場合(S124:No)、検索された公共充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させる(S133)。次いで、表示部12に表示された公共充電スタンドのいずれかを利用者が選択したか否かを判断する(S134)。利用者がいずれかの公共充電スタンドを選択した場合(S134:Yes)、選択した公共充電スタンドまでのルートガイド処理が実行される(S135)。その後、このルーチンを終了する。利用者は、ルートガイドにしたがって電動車両Vを走行させることにより選択した公共充電スタンドに行き、そこで電動車両Vを充電することができる。
【0081】
一方、公共充電スタンドが検索されなかった場合(S124:Yes)、車両側制御部13は、利用者が個人充電スタンドを利用するか否かを判断する(S125)。利用者が個人充電スタンドを利用しない場合(S125:No)、車両側制御部13はこのルーチンを終了する。尚、S125の判定結果がNoである場合は、表示部12に「利用できる公共充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。一方、利用者が個人充電スタンドを利用する場合(S125:Yes)、車両側制御部13は、検索条件(充電のための地理的条件や時間的条件等)、利用者IDおよび電動車両Vの現在地をサーバ側制御部23に送信する(S126)。
【0082】
サーバ側制御部23は、検索条件、利用者IDおよび電動車両Vの現在地を受信すると(S221)、利用者IDから利用者を特定する(S222)。次いで、利用者データベース21に記憶されている利用者情報の中から、S222にて特定した利用者についての利用者情報を抽出することにより、利用者情報を取得する(S223)。続いてサーバ側制御部23は、マッチング処理を実行する(S224)。
【0083】
図11は、サーバ側制御部23がS224にて実行するマッチング処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンによれば、サーバ側制御部23は、まず、個人充電スタンドデータベース22に格納されている全ての個人充電スタンド情報の中から検索条件や必要条件を満たす個人充電スタンド情報を検索する(S231)。次いで、S231にて検索した個人充電スタンド情報(母集団)の中から、S223にて取得した利用者情報の利用者側希望条件を満たす個人充電スタンド情報を、マッチング候補情報として検索する(S232)。
【0084】
例えば、S223にて取得した利用者情報により特定される利用者が図8に示す利用者Cであるとする。利用者Cの利用者情報に示される利用者側希望条件は、15:00〜17:00の間に充電することができるという条件である。これに対し、図5に示す個人充電スタンド情報リストによれば、個人充電スタンドT1およびT2では15:00〜17:00の間に充電でき、個人充電スタンドT3では15:00〜17:00の間に充電できない。したがって、S232では、個人充電スタンドT1およびT2に関する個人充電スタンド情報が、利用者Cの利用者情報のマッチング候補情報として検索される。一方、充電スタンドT3に関する個人充電スタンド情報は検索されない。
【0085】
マッチング候補情報を検索した後は、サーバ側制御部23は、マッチング候補情報の中から、利用者が提供者側希望利用者条件を満たしている個人充電スタンド情報を、マッチング成立情報として検索する(S233)。
【0086】
例えば、S232にて、図5の個人充電スタンドT1およびT2に関する個人充電スタンド情報が利用者Cの利用者情報に対するマッチング候補情報として検索されているものとする。個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報に示される提供者側希望利用者条件は、車種制限が小型車両およびミニバンであること、充電許可時間帯が9:00〜17:00であることの他、特に無い。個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報に示される提供者側希望利用者条件は、利用者が△△社の社員であること、利用者が○○ネットカーシェア会員であること、評価ランクが星2個以上であること、希望エコランクが星2個以上であること、車種制限が小型車両およびミニバンであること、充電時間帯が15:00〜20:00であること、である。
【0087】
これに対し、図8の利用者情報リストに示される利用者Cは、△△社の社員であり、○○ネットカーシェア会員であり、評価ランクが星3個であり、エコランクが星3個である。また、利用者Cの電動車両の車種はミニバンである。したがって、現在時刻がそれぞれの充電時間帯の範囲内である場合、利用者Cは個人充電スタンドT1およびT2の提供者側希望利用者条件をいずれも満たす。よって、S233では、個人充電スタンドT1およびT2に関する個人充電スタンド情報がマッチング成立情報として検索される。つまり、ある提供者Xの希望条件(提供者側希望利用者条件)を満たす利用者Yの希望条件(利用者側希望条件)を、その提供者Xが満たすとき、提供者Xに関する個人充電スタンド情報がマッチング成立情報として検索される。これにより、利用者側希望条件を満たす個人充電スタンドに関する個人充電スタンド情報であって、且つ、利用者が提供者側希望利用者条件を満たしている個人充電スタンド情報が、マッチング成立情報として検索される。
【0088】
S233にてマッチング成立情報を検索した後は、サーバ側制御部23は、マッチングデータを生成する(S234)。マッチングデータは、S223で取得した利用者情報と、S233で検索したマッチング成立情報との対により構成される。次いで、サーバ側制御部23は、マッチングデータの有無を判断する(S235)。マッチングデータが有る場合(S235:Yes)、サーバ側制御部23は、複数のマッチングデータが有るか否かを判断する(S236)。
【0089】
複数のマッチングデータがある場合(S236:Yes)、複数のマッチングデータに優先順位を付与する(S237)。優先順位は様々な条件に基づいて決定することができる。特に、優先順位が高いほど利用者にとって有利になるような条件に基づいて優先順位を決定するとよい。
【0090】
例えばS233にて取得した利用者Cの利用者情報に対して個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報と個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報がマッチング成立情報として検索されたものとする。この場合、個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報と利用者Cの利用者情報との対と、個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報と利用者Cの利用者情報との対が、マッチングデータである。S237では、これらのマッチングデータに所定の条件に基づいて優先順位が付される。例えば各マッチングデータに示される個人充電スタンドの電力量単価が安いほど優先順位が高くなるように、各マッチングデータに優先順位が付与される。個人充電スタンドT1の電力量単価は17円であり、個人充電スタンドT2の電力量単価が15円であるので、個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報を含むマッチングデータが第1優先のマッチングデータであり、個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報を含むマッチングデータが第2優先のマッチングデータである。電力量単価以外の条件、例えば電動車両の現在地と充電スタンドとの間の距離等の条件に基づき優先順位を決定してもよい。この場合には、上記距離が近いほど優先順位が高くなるように、各マッチングデータに優先順位を付与することができる。
【0091】
S237にて優先順位を決定した後は、サーバ側制御部23は、第1優先のマッチングデータをマッチング結果として設定する(S238)。その後、このルーチンを終了する。
【0092】
また、S236にてマッチングデータは一つであると判断した場合(S236:No)、サーバ側制御部23はS239に進み、そのマッチングデータをマッチング結果として設定する。その後、このルーチンを終了する。
【0093】
また、S235にてマッチングデータが無いと判断した場合(S235:No)、サーバ側制御部はS240に進み、マッチングデータ無しという情報をマッチング結果として設定する。その後このルーチンを終了する。
【0094】
サーバ側制御部23は上述のようなマッチング処理を図9のS224にて実行した後に、マッチング結果を送信する(S225)。この場合において、サーバ側制御部23は、図11のS238またはS239によりマッチングデータをマッチング結果として設定しているときは、設定したマッチングデータにより表わされる利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13および、設定したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドのスタンド側端末30のスタンド側制御部33に、それぞれマッチング結果を送信する。一方、図11のS240によりマッチングデータが無いという情報をマッチング結果として設定したときは、サーバ側制御部23は、S222で特定した利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13にマッチング結果を送信する。その後、サーバ側制御部23は、図9に示すルーチンを終了する。
【0095】
図9に示すように、車両側制御部13はS127にてマッチング結果を受信する。その後、受信したマッチング結果からマッチングデータの有無を判断する(S128)。マッチングデータが無い場合(S128:No)、車両側制御部13はこのルーチンを終了する。なお、S128の判定結果がNoである場合、表示部12に「利用できる充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。
【0096】
一方、マッチングデータが有る場合(S128:Yes)、車両側制御部13は受信したマッチングデータを表示部12に表示させる(S129)。これにより、マッチングデータに表わされる個人充電スタンド情報が利用者に提供される。次いで、受信したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドで充電するか否かを問い合わせるための画面を表示部12に表示させる(S130)。具体的には、表示部12に、マッチングデータとともに、このマッチングデータに表わされる個人充電スタンドでの充電を希望することを表すアイコンと、この個人充電スタンドでの充電を希望しないことを表すアイコンが表示される。
【0097】
表示部12に表示された個人充電スタンドで充電しない場合(S130:No)、車両側制御部13は図10のS136に進み、マッチングNG信号を送信する。このマッチングNG信号は、サーバ側制御部23に受信される。マッチングNG信号には、それを送信した利用者を特定するための信号も含まれる。サーバ側制御部23は、図10のS241にてマッチングNG信号を受信すると、マッチングNG信号を送信した利用者を特定するとともに、特定した利用者の利用者情報を含むマッチングデータの中から、次に優先するマッチングデータが有るか否かを判断する(S242)。
【0098】
次に優先するマッチングデータが有る場合(S242:Yes)、サーバ側制御部23は、次に優先するマッチングデータを再マッチング結果として設定する(S243)。一方、次に優先するマッチングデータが無い場合(S242:No)、マッチングデータが無いという情報を再マッチング結果として設定する(S244)。
【0099】
再マッチング結果を設定した後は、サーバ側制御部23は、設定した再マッチング結果を送信する(S245)。この場合、サーバ側制御部23は、S243により次に優先するマッチングデータを再マッチング結果として設定しているときは、設定したマッチングデータにより表わされる利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13および、設定したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドのスタンド側端末30のスタンド側制御部33に、それぞれ再マッチング結果を送信する。一方、244によりマッチングデータが無いという情報をマッチング結果として設定したときは、サーバ側制御部23は、S241にてマッチングNG信号とともに受信した信号から特定した利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13にマッチング結果を送信する。その後、このルーチンを終了する。
【0100】
.車両側制御部13は、図10のS137にて再マッチング結果を受信する。すると、車両側制御部13は図9のS128に進み、マッチングデータの有無を判断する。マッチングデータが無い場合(S128:No)、このルーチンを終了する。一方マッチングデータが有る場合(S128:Yes)、車両側制御部13は受信したマッチングデータを表示部12に表示させる(S129)。次いで、受信したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドで充電するか否かを問い合わせる画面を表示部12に表示させる(S130)。
【0101】
利用者が表示部12に表示されたマッチングデータに示される個人充電スタンドで充電しない場合(S130:No)、上記した処理が繰り返される。一方、利用者が表示部12に表示されたマッチングデータに示される個人充電スタンドで充電する場合(S130:Yes)、車両側制御部13はS131に進み、表示部12に表示されたマッチングデータに示される個人充電スタンド側が充電を許可したか否かを判断する。この判断は、マッチングデータに示された個人充電スタンドのスタンド側端末30のスタンド側制御部33側からマッチングデータに示された利用者の車載端末10の車両側制御部13側に送信される受け入れ可否信号に基づいてなされる。
【0102】
図12は、スタンド側端末30のスタンド側制御部33が受け入れ可否信号を送信するために実行するルーチンを表すフローチャートである。このルーチンによれば、まず、スタンド側制御部33は、自身の個人充電スタンドに関するマッチング結果(又は再マッチング結果)をサーバ側制御部23から受信する(S301)。次いで、表示部32に受け入れ可否画面を表示させる(S302)。この受け入れ可否画面には、マッチング結果(マッチングデータ)により表わされる利用者情報と、この利用者に自身の個人充電スタンドで充電させることを許可する(受け入れる)ことを表すアイコンと、許可しない(受け入れない)ことを表すアイコンとが表示される。スタンド側端末30の操作者は、いずれかのアイコンを押下することにより、受け入れ可否を決定する。
【0103】
次いで、スタンド側制御部33は、受け入れ可否が決定されたか否かを判断する(S303)。受け入れ可否が決定された場合(S303:Yes)、受け入れ可能であるか否かを判断する(S304)。受け入れ可能である場合(S304:Yes)、すなわちマッチングデータにより表わされる利用者に自身の個人充電スタンドで充電させることを許可する(受け入れる)ことを表すアイコンが押下された場合、スタンド側制御部33は、受け入れ可能を表す受け入れ可否信号を送信する(S305)。その後、このルーチンを終了する。一方、受け入れ不能である場合(S304:No)、すなわちマッチングデータにより表わされる利用者に自身の個人充電スタンドで充電させることを許可しない(受け入れない)ことを表すアイコンが押下された場合、スタンド側制御部33は、受け入れ不能を表す受け入れ可否信号を送信する(S306)。その後、このルーチンを終了する。
【0104】
スタンド側制御部33から送信された受け入れ可否信号はサーバ側制御部23に受信され、さらにサーバ側制御部23からその受け入れ可否信号の対象となる利用者(マッチングデータにより表わされる利用者)の車載端末10の車両側制御部13に送信される。車両側制御部13は、受信した受け入れ可否信号に基づいて、図9のS131にて表示部12に表示された個人充電スタンド側が充電を許可したか否かを判断する。表示部12に表示された個人充電設備スタンドが充電を許可しない場合(S131:No)、すなわち受け入れ不能を表す受け入れ可否信号を受信した場合、図10のS136に進み、マッチングNG信号を送信する。その後、再マッチング処理が行われる。
【0105】
一方、表示部12に表示された個人充電スタンドが充電を許可した場合(S131:Yes)、すなわち受け入れ可能信号を表す受け入れ可否信号を受信した場合、車両側制御部はS132に進み、表示部12に表示された個人充電スタンドまでのルートガイド処理を行う。その後、このルーチンを終了する。ルートガイドにしたがって電動車両Vが走行することにより、電動車両Vの利用者は表示部12に表示された個人充電スタンドに行くことができる。そして、その個人スタンドで電動車両Vを充電することができる。
【0106】
以上のように、本実施形態の充電スタンド情報提供システムは、個人充電スタンドを表す情報と個人充電スタンドの提供者の提供者側希望利用者条件とを含む複数の個人充電スタンド情報が記憶された個人充電スタンドデータベース(22)と、個人充電スタンドの利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S223)と、提供者側希望利用者条件と利用者情報とに基づいて、利用者に提供するための個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース(22)に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する検索部(S224)と、検索部(S224)により検索された個人充電スタンド情報を、利用者に提供する提供部(S129)と、を備える。
【0107】
本実施形態の充電スタンド情報提供システムによれば、個人充電スタンドの提供者の利用者に対する希望条件が、利用者に提供される個人充電スタンド情報の検索に反映されるので、提供者が希望する利用者以外の者に自身の充電スタンド情報が提供されることを防止することができる。よって、個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、利用者データベース21に記憶されている利用者情報の中に、その利用者が個人充電スタンドまたはその提供者に対して希望する条件である利用者側希望条件が含まれている。そして、検索部(S224)は、提供者側希望利用者条件と利用者側希望条件とに基づいて、利用者に提供することができる個人充電スタンド情報を検索する。具体的には、検索部(S224)は、利用者側希望条件を満たす個人充電スタンドに関する個人充電スタンド情報であって、且つ、利用者が提供者側希望利用者条件を満す個人充電スタンド情報をマッチング成立情報として検索するマッチング処理部(S232,S233)を備える。そして、提供部(S129)は、マッチング処理部(S232,S233)により検索されたマッチング成立情報と利用者情報との対(マッチングデータ)を利用者に提供する。
【0109】
これによれば、マッチング処理部(S232、S233)によって、利用者側希望条件を満たし、且つ、利用者側も個人充電スタンドの提供者側希望利用者条件を満たしている個人充電スタンド情報が検索される。こうして検索された個人充電スタンド情報が利用者に提供される。このようなマッチング処理により、提供者は希望する利用者に自己の個人充電スタンド情報を提供でき、また利用者は希望する個人充電スタンド情報の提供を受けることができる。また、利用者にはマッチングされた個人充電スタンド情報のみが提供されるので、より一層、個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0110】
また、検索部(S224)は、マッチング処理部(S232,S233)により複数のマッチング成立情報が検索されたときに、複数のマッチング成立情報(マッチングデータ)に優先順位を付与する優先順位付与部(S237)を備える。そして、提供部(S129)は、優先順位付与部(S237)により付与された優先順位が最も高いマッチング成立情報のみを利用者に提供する。これによれば、利用者は、最適な個人充電スタンド情報の提供を受けることができる。また、利用者に提供する個人充電スタンド情報の個数を一つに絞ることができるので、より一層、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0111】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、個人充電スタンドの提供者の希望条件として、希望属性1、希望属性2、希望評価ランク、希望エコランク等を示したが、それ以外の希望条件でも良い。例えば、提供者がプラモデルを販売する店舗である場合、提供者側希望利用者条件が、利用者の趣味がプラモデル製作であることという条件でも良い。また、第2実施形態でマッチング処理の一例を示したが、上記に示した方法以外の方法でマッチング処理を行ってもよい。例えば、上記の例では、サーバ側制御部23が、利用者側からの送信情報に基づいて、その利用者に対するマッチングデータを生成しているが、サーバ側制御部23は、利用者側からの情報の送信の有無にかかわらず、利用者データベース21に記憶された利用者情報および個人充電スタンドデータベース22に記憶された個人充電スタンド情報に基づいて、予めマッチングデータを生成していてもよい。そして、利用者側から要求信号を受信したときに、最適なマッチングデータ(第1優先のマッチングデータ)をその利用者および提供者に送信してもよい。また、上記第2実施形態では、一人の利用者に対して複数のマッチングデータが生成された場合に優先順位を付与する例について説明したが、場合によっては一つの個人充電スタンドに対して複数のマッチングデータが生成される場合もある。つまり一つの個人充電スタンドに複数の利用者が競合する場合も考えられる。この場合は複数の利用者情報に優先順位を付与し、優先順位の最も高い利用者情報と個人充電スタンド情報の対によりマッチングデータを生成すればよい。また、提供者側希望利用者条件に、特定の利用者を除外する(例えば以前充電した時に、非常にマナーが悪かった利用者を除外する)ような条件を設定してもよい。このように、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
【符号の説明】
【0112】
10…車載端末、11…地図データベース、12…表示部、13…車両側制御部、14…送受信部、15…蓄電池、16…SOC検出センサ、17…ナビゲーション装置、20…サーバ、21…利用者データベース、22…個人充電スタンドデータベース、23…サーバ側制御部、24…送受信部、30…スタンド側端末、31…入力部、32…表示部、33…スタンド側制御部、34…送受信部、50…通信回線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気により駆動する車両(電動車両)の充電設備に関する情報を提供する充電設備情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気により駆動する車両(電動車両)が普及され始めている。電動車両の普及に伴い、電動車両を充電するための充電設備等の整備が求められる。また、電動車両が効率良く充電設備で充電することができるような充電設備情報提供システムが求められる。
【0003】
特許文献1は、電動車両のナビゲーションシステムを用いた充電設備情報提供システムを開示する。この充電設備情報提供システムは、目的地で電動車両の蓄電池の充電が可能か否かを判断し、充電が不能である場合に、目的地の近傍の充電設備を検索する。そして、検索した充電設備に関する情報をディスプレイに表示させる。これにより、目的地には到達したものの蓄電池の残存容量が少なく次の目的地までの走行ができないという状況に陥ることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−294463号公報
【発明の概要】
【0005】
電動車両への充電は、充電を主たる業務とする大手事業所の他、一般家庭(個人宅)や店舗でも実施することができる。一般家庭や店舗が個人の充電器を用いて他人の電動車両を充電する場合、例えば充電設備の情報を管理するための充電設備情報管理センタにその一般家庭や店舗の名称や住所等の情報(充電設備情報)を登録する。すると、充電設備情報管理センタは、走行中の電動車両に一般家庭や店舗の充電設備情報を提供する。電動車両のドライバーは、電動車両を充電するために充電設備情報に示される一般家庭や店舗に行く。そして、ドライバーはそこに設置された充電器を用いて電動車両を充電することができる。充電後、ドライバーは充電料金を充電設備の提供者に支払う。
【0006】
ところで、個人の充電器を用いて電動車両を充電する一般家庭や店舗は、希望する条件に合致する者に自己の充電器で電動車両を充電させるために充電設備情報を提供するのであって、希望する条件に合致しない者に対しては、プライバシー保護の面およびセキュリティー強化の面からできるだけ充電設備情報を提供したくない。
【0007】
ところが、特許文献1に記載の充電設備情報提供システムによれば、充電設備情報の提供を受ける者が制限されていないので、充電設備の利用者の誰もが充電設備情報の提供を受けることができる。このため個人の充電設備を提供する一般家庭や店舗のプライバシーの保護やセキュリティーの強化が十分になされない。
【0008】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、充電設備を提供する一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされるような充電設備情報提供システムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、電動車両の充電設備を表す情報とその充電設備の提供者がその充電設備の利用者に対して希望する条件である提供者側希望利用者条件とを含む複数の充電設備情報が記憶された充電設備情報記憶部(22)と、充電設備の利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S203,S223)と、前記提供者側希望利用者条件と前記利用者情報とに基づいて、前記利用者に提供するための充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部(22)に記憶されている充電設備情報の中から検索する検索部(S204,S224)と、前記検索部(S204,S224)により検索された充電設備情報を、前記利用者に提供する提供部(S109,S129)と、を備える充電設備情報提供システムを提供する。
【0010】
本発明の充電設備情報提供システムによれば、電動車両の利用者に関する情報(利用者情報)と、充電設備の提供者が充電設備の利用者に対して希望する条件(提供者側希望利用者条件)とに基づいて、充電設備情報記憶部に記憶されている充電設備情報の中から利用者に提供するための充電設備情報が検索される。例えば、提供者側希望利用者条件が、利用者がある特定の団体に所属するということである場合、この提供者の充電設備情報は、利用者が上記特定の団体に所属する場合にのみ検索される。それ以外の者が利用者である場合には、検索されない。また、提供者側希望利用者条件が、利用者が所有する電動車両が小型の電動車両であるという条件である場合、この提供者の充電設備情報は、利用者の電動車両が小型車両である場合にのみ検索される。それ以外の者が利用者である場合には検索されない。
【0011】
このように本発明によれば、提供者側希望利用者条件が、利用者に提供される充電設備情報の検索に反映されるので、提供者の希望条件を満たさない利用者に対して自身の充電設備情報が検索され、提供されることを防止することができる。よって、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。また、特定の利用者のみに充電設備を利用させることができる。
【0012】
前記検索部(S204)は、前記利用者が満たしている前記提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部(22)に記憶されている充電設備情報の中から検索するものであるのがよい。
【0013】
これによれば、利用者が提供者側希望利用者条件を満たす場合に、その提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報が検索される。一方、利用者が提供者側希望利用者条件を満たさない場合には、その提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報は検索されない(検索結果から除外される)。つまり、提供者が希望する利用者によってのみ自身の充電設備が検索され、提供者が希望する利用者のみに充電設備情報が提供される。よって、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。また、特定の利用者のみに充電設備を利用させることができる。
【0014】
前記提供部(S109)は、前記検索部(S204)により複数の充電設備情報が検索されたときに、前記複数の充電設備情報を全て前記利用者に提供するのがよい。これによれば、複数の充電設備情報が利用者に提供されるので、利用者は、提供された充電設備情報の中から好みの充電設備情報を選択し、その充電設備で充電することができる。
【0015】
また、前記利用者情報の中には、その利用者が充電設備または充電設備の提供者に対して希望する条件である利用者側希望条件が含まれているのがよい。そして、前記検索部(S224)は、前記提供者側希望利用者条件と前記利用者側希望条件とに基づいて、前記充電設備の利用者に提供するための充電設備情報を検索するのがよい。この場合、前記検索部(S224)は、前記利用者側希望条件を満たす充電設備に関する充電設備情報であって、且つ、前記利用者が前記提供者側希望利用者条件を満たす充電設備情報を、マッチング成立情報として検索するマッチング処理部(S232,S233)を備え、前記提供部(S129)は、前記マッチング処理部(S232,S233)により検索された前記マッチング成立情報を、前記利用者に提供するのがよい。マッチング処理部は、例えば、前記利用者側希望条件を満たす充電設備に関する充電設備情報の中から、前記利用者が前記提供者側希望利用者条件を満たしている充電設備情報をマッチング成立情報として検索する。
【0016】
これによれば、マッチング処理部によって、充電設備の利用者側の希望条件を満たし、且つ、利用者側も充電設備の提供者側の希望条件を満たしている充電設備情報が検索される。こうして検索された充電設備情報が利用者に提供される。このようなマッチング処理により、提供者は希望する利用者に自己の充電設備情報を提供でき、また利用者は希望する充電設備情報の提供を受けることができる。また、利用者にはマッチングされた充電設備情報のみが提供されるので、より一層、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0017】
前記検索部(S224)は、前記マッチング処理部(S232,S233)により複数の前記マッチング成立情報が検索されたときに、前記複数のマッチング成立情報に優先順位を付与する優先順位付与部(S237)を備え、前記提供部(S129)は、前記優先順位付与部(S237)により付与された優先順位が最も高いマッチング成立情報のみを前記利用者に提供するのがよい。これによれば、利用者は、最適な充電設備情報の提供を受けることができる。また、利用者に提供する充電設備情報の個数を一つに絞ることができるので、より一層、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0018】
前記提供者側希望利用者条件は、利用者の信頼度の大きさに関する利用者信頼度条件であるのが良い。提供者が利用者に対して希望する信頼度の大きさに関する条件を利用者が満たしている場合、提供者は安心してその利用者に充電設備情報を提供することができるとともに、セキュリティーの強化を図ることができる。
【0019】
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が前記提供者の充電設備を利用した場合におけるマナーに関する条件であると良い。これによれば、提供者が利用者に対して希望するマナーに関する条件を満たしているマナーの良い利用者のみに充電設備情報が提供される。したがって、マナーの悪い利用者に充電設備情報が提供されることに伴う問題の発生を事前に回避でき、ひいてはセキュリティーの強化を図ることができる。
【0020】
また、前記利用者信頼度条件は、前記利用者が所属する団体に関する条件であってもよい。これによれば、提供者が希望する所属団体、特に提供者が希望する信頼できる所属団体に所属している身元の保証された利用者のみに充電設備情報が提供される。したがって、身元が保障されていない利用者に充電設備情報が提供されることに伴う問題の発生を事前に回避でき、ひいてはセキュリティーの強化を図ることができる。
【0021】
また、前記利用者信頼度条件は、前記利用者が登録しているネットワークコミュニティに関する条件であってもよい。これによれば、提供者が希望するネットワークコミュニティ、特に提供者が希望する信頼できるネットワークコミュニティ(例えば提供者と同じ学校を卒業した同窓会のメンバーのみにより構成されるネットワークコミュニティなど)に登録している利用者に充電設備情報が提供される。このため提供者は安心してその信頼できるネットワークコミュニティに登録している利用者に充電設備を提供することができる。
【0022】
また、前記提供者側希望利用者条件は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件であってもよい。例えば、提供者が充電時間帯や充電する車種、型式を限定した場合、その限定条件が上記制約条件に該当する。このような制約条件を満たす利用者のみに充電設備情報が提供されることにより、提供者の意に反した利用者による充電設備の利用を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】充電スタンド情報提供システムを含む通信システムの全体概略図である。
【図2】電動車両の概略構成を示す図である。
【図3】車載端末、サーバおよびスタンド側端末の内部構成を示した概略図である。
【図4】利用者データベースに記憶されている利用者情報リストを示す。
【図5】個人充電スタンドデータベースに記憶されている個人充電スタンド情報リストを示す。
【図6】第1実施形態に係る車両側制御部が充電スタンド情報を表示部に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ側制御部が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【図7】サーバ側制御部が実行する検索処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係る個人充電スタンドデータベースに記憶されている個人充電スタンド情報リストを示す。
【図9】第2実施形態に係る車両側制御部が充電スタンド情報を表示部に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ側制御部が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る車両側制御部が充電スタンド情報を表示部に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ側制御部が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【図11】サーバ側制御部が実行するマッチング処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】スタンド側制御部が受け入れ可否信号を送信するために実行するルーチンを表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る充電スタンド(充電設備)情報提供システムが含まれる通信システムの全体概略図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の充電スタンド情報(充電設備情報)提供システムを含む通信システムは、インターネットのような通信回線50を介して構築される。通信回線50には、電動車両Vに搭載された車載端末10(図2参照)と、充電スタンド情報(充電設備情報)管理センタCに設置されたサーバ20と、個人充電スタンド(個人充電設備)T(T1,T2,T3)内に設置されたスタンド側端末30とが相互通信可能に接続される。本実施形態において、個人充電スタンドT1は一般家庭であり、個人充電スタンドT2,T3は何らかの製品を販売している店舗である。店舗T2,T3には急速充電器が設置されている。この急速充電器で電動車両が急速充電される。一方、一般家庭T1には屋外コンセントが設けられており、この屋外コンセントに電動車両の充電プラグを差し込むことにより、電動車両Vが充電される。
【0026】
図2は、電動車両Vの概略構成を示す図である。図2に示すように、電動車両Vは、車載端末10と、蓄電池15と、SOC検出センサ16と、ナビゲーション装置17と、モータ18とを備える。蓄電池15はモータ18に電力を供給する。モータ18は蓄電池15から供給される電力により回転駆動する。モータ18の回転駆動力が車輪に伝達されることにより、電動車両Vが走行する。また、蓄電池15は、図示しない充電プラグを電力供給源に差し込むことにより、充電することができるように構成されている。ナビゲーション装置17は、GPSなどの自車位置検出装置が検出した電動車両Vの位置に関する情報に基づいて電動車両Vの現在地を演算し、演算した現在地を車載端末10に出力する。SOC検出センサ16は蓄電池15に取り付けられており、蓄電池15の充電率(SOC:State Of Charge)を検出する。そして、検出したSOCを車載端末10に出力する。
【0027】
図3は、車載端末10、サーバ20およびスタンド側端末30の内部構成を示した概略図である。図3に示すように、車載端末10は、地図データベース11と、表示部12と、車両側制御部13と、送受信部14とを備える。なお、図1に示すように、車載端末10と同等の機能構成を、電動車両Vの乗員(例えばドライバー)の携帯情報端末10’に持たせても良い。
【0028】
地図データベース11には、電動車両Vをルートガイドするために必要な地図の情報が記憶されている。表示部12は例えば液晶ディスプレイにより構成される。車両側制御部13は、SOC検出センサ16、ナビゲーション装置17、地図データベース11、表示部12に接続されている。車両側制御部13は、ナビゲーション装置17から電動車両Vの現在地に関する情報を入力する。また、車両側制御部13は、SOC検出センサ16から入力されるSOCに基づいて、充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させるための制御を実行する。また、車両側制御部13は送受信部14にも接続されており、送受信部14を介して必要な情報が送受信される。
【0029】
サーバ20は、利用者データベース21と、個人充電スタンドデータベース22と、サーバ側制御部23と、送受信部24とを備える。利用者データベース21には、個人充電スタンドを利用する者(利用者)に関する情報(利用者情報)が記憶されている。個人充電スタンドデータベース22には、個人充電スタンドに関する情報(個人充電スタンド情報)が記憶されている。なお、本明細書において、「個人充電スタンド」とは、電動車両の充電を提供することを専らの業とはしていないが、副業やサービス、あるいは電気代だけをもらい受けるボランティアで電動車両を充電する者が提供する充電設備である。したがって、一般家庭T1も個人充電スタンドであり、店舗T2,T3も個人充電スタンドである。これに対し、電動車両の充電を主たる業務とする者の充電設備は、本明細書において、「公共充電スタンド」と呼ばれる。
【0030】
サーバ側制御部23は、利用者データベース21および個人充電スタンドデータベース22に接続されており、これらのデータベースに記憶された情報を用いて個人充電スタンド情報を提供するための制御を実行する。また、サーバ側制御部23は送受信部24にも接続されており、送受信部24を介して必要な情報が送受信される。
【0031】
図4は、利用者データベース21に記憶されている利用者情報のリストを示す。このリストに示すように、各利用者情報は、利用者の氏名、利用者が所有する電動車両の車種、電動車両の型式(車名)、その電動車両の製造メーカー、利用者属性、評価ランク、エコランク、利用者関連情報を含む。利用者属性とは利用者が所属するグループを表す。本実施形態において利用者属性は利用者属性1と利用者属性2とからなる。利用者属性1は、その利用者が所属する主要な団体(勤務先や通学している学校(大学等))を表す。利用者属性2は、その利用者が所属または登録している他の団体を表す。
【0032】
評価ランクは、利用者が個人充電スタンドを利用して電動車両を充電する場合におけるマナーの良さを表す。星の数が多いほどマナーが良いことを表す。エコランクは、電動車両の電気消費率(電費)を表す。電費とは、単位電力量当たりの走行距離である。星の数が多いほど電費が良い(単位電力量当たりの走行距離が長い)ことを表す。
【0033】
利用者関連情報とは、利用者データベース21に登録されている利用者間の交友関係(例えばある利用者と他の利用者が友人、知人であるか否か)を表す情報である。すなわち、利用者関連情報は、ある利用者と他の利用者とを紐付けるための情報である。図4によれば、利用者Aの利用者関連情報に利用者Bが示され、利用者Bの利用者関連情報に利用者Aが示されている。これにより、利用者Aと利用者Bが友人または知人であることが表わされる。
【0034】
利用者情報のうち、利用者の氏名、車種、型式、メーカー、利用者属性1および利用者属性2は、利用者自身が充電スタンド情報管理センタCに申請する。充電スタンド情報管理センタCは申請された情報を利用者データベース21に記憶させる。評価ランクは、個人充電スタンドの提供者の評価に基づいて充電スタンド情報管理センタCが決定する。個人充電スタンドの提供者は、利用者が自身の個人充電スタンドを過去に利用したときのマナーの良し悪しを評価ランクとしてサーバ20に申請する。サーバ20は、各提供者から申請された評価ランクに基づいて、その利用者の総合的な評価ランクを決定する。充電スタンド情報管理センタCは決定した評価ランクを利用者データベース21に記憶させる。また、電動車両Vの車両側制御部13が自動的に電動車両の電費を演算し、演算した電費をサーバ20に送信する。サーバ20は送信された電費情報に基づいて、利用者のエコランクを決定する。充電スタンド情報管理センタCは決定したエコランクを利用者データベース21に記憶させる。また、利用者関連情報は、例えば、ある利用者が他の利用者を紹介することにより他の利用者が自己の利用者情報を利用者データベース21に登録したなどの事実に基づいて、利用者データベース21に記憶される。なお、図4の表中の「NULL」は、その項目について申請が無かったことを示す。
【0035】
図5は、個人充電スタンドデータベース22に記憶されている個人充電スタンド情報リストを示す。このリストに示すように、各個人充電スタンド情報は、個人充電スタンドを表す情報(個人充電スタンドの名称、住所)、電力量単価(単位電力量当たりの価格)、車種制限、希望利用者属性、希望評価ランク、希望エコランク、充電許可自SOC、充電許可時間帯を含む。これらの情報は個人充電スタンドの提供者が充電スタンド情報管理センタCに申請する。充電スタンド情報管理センタCは申請された情報を個人充電スタンドデータベース22に記憶させる。
【0036】
車種制限に示された車種は、例えば充電するために電動車両を駐車するスペースの都合や、充電設備の提供者の希望車種等により定めることができる。希望利用者属性には充電設備の提供者が充電設備の利用者に対して希望する属性が示される。本実施形態では、希望利用者属性は、希望利用者属性1および希望利用者属性2からなる。希望利用者属性1は、利用者が所属する主要な団体(勤務先や通学している学校(大学等))を表す。希望利用者属性2は、利用者が所属または登録している他の団体を表す。また、希望評価ランクには、個人充電スタンドの提供者が利用者に対して希望する評価ランクの下限が示される。希望エコランクには、個人充電スタンドの提供者が利用者に対して希望するエコランクの下限が示される。
【0037】
充電許可自SOCとは、個人充電スタンドの提供者が蓄電池を所有しており、その蓄電池で電動車両を充電する場合において、その蓄電池で電動車両を充電することができるSOCの下限値である。したがって、蓄電池のSOCが充電許可自SOC以下であるときには、その蓄電池で電動車両を充電することができない。充電許可時間帯は、その個人充電スタンドで利用者が電動車両を充電することができる時間帯である。例えば店舗における営業時間帯を充電許可時間帯に設定することができる。なお、図5の表中の「NULL」は、提供者がその項目について特に制限しないことを表す。
【0038】
車種制限、希望利用者属性1、希望利用者属性2、希望評価ランク、希望エコランク、充電許可時間帯に示された内容は、充電設備の提供者が充電設備の利用者に対して希望する条件(提供者側希望利用者条件)を表す。車種制限に示された内容は、提供者が利用者の保有する電動車両に対して希望する条件であり、希望利用者属性に示された内容は、提供者が利用者の所属する団体等に対して希望する条件であり、希望評価ランクに示された内容は、提供者が利用者の評価ランク(すなわちマナーの良さ)に対して希望する条件であり、希望エコランクに示された内容は、提供者が利用者のエコランク(すなわち環境への配慮)に対して希望する条件であり、充電許可時間帯に示された内容は、利用者が電動車両を充電する時間帯に対して提供者が希望する条件である。
【0039】
また、希望利用者属性1、希望利用者属性2、希望評価ランク、希望エコランクに示された内容は、利用者の信頼度の大きさに関する条件(利用者信頼度条件)、換言すれば、提供者がその利用者を信頼することができるか否かを定めるための条件を示す。希望利用者属性に示された条件を満たす利用者は、提供者にとって信頼できる団体に所属、あるいは提供者にとって信頼できるネットワークコミュニティ等に登録しているから、そのような信頼できる団体またはネットワークコミュニティに属する身元が保証された利用者は、信頼することができる。また、希望評価ランクに示された条件を満たす利用者は、その利用者が提供者の充電設備を利用する上でのマナーが良いと考えられるから、そのようなマナーが良い利用者は信頼することができる。希望エコランクに示された条件を満たす利用者は、環境を考慮した静かな運転を心掛けていると考えられるから、そのような運転を心掛けている利用者は信頼することができる。
【0040】
また、車種制限、充電許可時間帯に示された内容は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件を示す。車種制限に示された条件は、提供者の充電設備のスペースや、提供者の要求によりその提供者の充電設備で充電することが許される車種に関する制約条件である。充電許可時間帯に示された条件は、例えば店舗が充電設備の提供者である場合等において、その店舗の営業時間帯との関係により充電設備で充電することが許される時間帯に関する制約条件である。また、一般家庭が充電設備の提供者である場合等においては、充電許可時間帯に示された条件は、その一般家庭の住居者の在宅時間帯や住居者が起きている時間帯、あるいは近所迷惑を及ぼさない時間帯等の関係により充電設備で充電することが許される時間帯に関する制約条件である。
【0041】
また、図3に示すように、スタンド側端末30は、入力部31と、表示部32と、スタンド側制御部33と、送受信部34とを備える。入力部31は例えばキーボードやタッチパネルにより構成される。表示部32は例えば液晶ディスプレイにより構成される。スタンド側制御部33は、例えばその充電スタンドで充電する場合における充電状態を監視し、また利用者によるその充電スタンドでの利用可否に関する制御を行う。また、スタンド側制御部33は送受信部34に接続されており、送受信部34を介して必要な情報が送受信される。
【0042】
このような構成において、電動車両Vの走行中に、充電スタンド情報管理センタCのサーバ20が、必要に応じて電動車両Vの車載端末10に対して個人充電スタンドデータベース22に記憶された所定の個人充電スタンド情報を提供する。提供された個人充電スタンド情報は、車載端末10の表示部12に表示される。電動車両Vのドライバーは、近隣に公共充電スタンドが無い場合等に、表示部12に表示された個人充電スタンド情報に示される個人充電スタンドに行き、そこで電動車両Vを充電することができる。
【0043】
図6は、電動車両Vの走行中に、車載端末10の車両側制御部13が個人充電スタンド情報または公共充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ20のサーバ側制御部23が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【0044】
図6に示す表示処理ルーチンが起動すると、車両側制御部13は、まず、電動車両Vの充電が必要であるか否かを判断する(S101)。この場合、車両側制御部13は、例えばSOC検出センサ16から入力されるSOCが所定の下限値よりも大きいか否か、および、SOCが所定の下限値以下である場合に電動車両Vのドライバーが電動車両Vを充電する意思が有るか否か、に基づいて、電動車両Vの充電が必要であるか否かを判断することができる。
【0045】
充電が必要でない場合(S101:No)、このルーチンを終了する。一方、充電が必要である場合(S101:Yes)、車両側制御部13は、充電スタンドを検索するための条件を入力する(S102)。検索条件は、例えば電動車両Vの現在地と充電スタンドとの間の距離が5km以内といった地理的条件や、電動車両Vが充電スタンドに到達するまでの時間が10分以内といった時間的条件であるのがよい。この検索条件は、電動車両Vのドライバーが表示部12を介して入力してもよいし、予め車両側制御部13に記憶されていてもよい。
【0046】
次いで、車両側制御部13は、入力された検索条件に基づいて、公共充電スタンドを検索する(S103)。車両側制御部13には、予め公共充電スタンドに関する情報(公共充電スタンドの名称や公共充電スタンドの位置等)が記憶されている。したがって、S103では、車両側制御部13は、予め記憶されている公共充電スタンドに関する情報の中から検索条件を満たす公共充電スタンドを検索する。
【0047】
続いて、車両側制御部13は、公共充電スタンドが検索されなかったか否か(検索によりヒットした公共充電スタンドが0件であるか否か)を判断する(S104)。公共充電スタンドが検索された場合(S104:No)、その公共充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させる(S110)。次いで、S111に進む。
【0048】
一方、公共充電スタンドが検索されなかった場合(S104:Yes)、車両側制御部13は、電動車両Vの乗員が個人充電スタンドを利用するか否かを判断する(S105)。この場合、車両側制御部13は、個人充電スタンドを利用するか否かを問い合わせるための画面を表示部12に表示させる。電動車両Vの乗員は、この画面を通じて個人充電スタンドの利用意思の有無を車両側制御部13に伝える。
【0049】
電動車両Vの乗員が個人充電スタンドを利用しない場合(S105:No)、車両側制御部13はこのルーチンを終了する。尚、S105の判定結果がNoである場合は、表示部12に「利用できる公共充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。
【0050】
一方、電動車両Vの乗員が個人充電スタンドを利用する場合(S105:Yes)、車両側制御部13は、検索条件、利用者IDおよび電動車両Vの現在地をサーバ側制御部23に送信する(S106)。利用者IDとは個人充電スタンドの利用者(すなわち電動車両のドライバー)を特定するための番号であり、予め車両側制御部13に記憶されている。
【0051】
サーバ側制御部23は、検索条件、利用者IDおよび電動車両Vの現在地を受信すると(S201)、利用者IDから利用者を特定する(S202)。なお、サーバ側制御部23には、利用者IDと利用者との対応テーブルが記憶されている。したがって、サーバ側制御部23は、S202にて、この対応テーブルから利用者IDに基づいて利用者を特定する。
【0052】
次いで、利用者データベース21に記憶されている複数の利用者情報の中から、S202にて特定した利用者についての利用者情報を抽出することにより、その利用者の利用者情報を取得する(S203)。続いてサーバ側制御部23は、検索処理を実行する(S204)。
【0053】
図7は、サーバ側制御部23がS204にて実行する検索処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンによれば、サーバ側制御部23は、まず、S203で取得した利用者情報を、個人充電スタンドデータベース22に記憶されているそれぞれの個人充電スタンド情報中の各提供者側希望利用者条件のうち、利用者信頼度条件に照合することにより、個人充電スタンド情報を絞り込む(第1絞り込み検索)。
【0054】
第1絞り込み検索について例示する。例えば利用者IDにより特定される利用者が、図4の利用者情報リストに記憶された利用者Aであるとする。利用者Aの利用者情報によれば、利用者Aは○○社の社員であり、SNS○○の××コミュニティに属している。さらに、評価ランクは星5個であり、エコランクは星1個である。このような情報が、各個人充電スタンド情報中の提供者側希望利用者条件の利用者信頼度条件に照合されることにより、個人充電スタンド情報が絞り込み検索される。
【0055】
図5の個人充電スタンド情報リストの最上欄に示された個人充電スタンド情報によれば、個人充電スタンドT1の希望利用者属性1、希望利用者属性2、希望評価ランク、希望エコランクは、いずれも「NULL」である。したがって、利用者Aは、個人充電スタンドT1の提供者側希望利用者条件を満たす利用者であると判断される。よって、個人充電スタンドT1についての個人充電スタンド情報は検索される。
【0056】
また、図5の個人充電スタンド情報リストの上から2欄目に示された個人充電スタンド情報によれば、個人充電スタンドT2の希望利用者属性1は「△△社社員」、希望利用者属性2は「○○ネットカーシェア会員」、希望評価ランクは星2個以上、希望エコランクは星2個以上である。一方、利用者Aは、△△社社員でもなく、○○ネットカーシェア会員でもない。さらにエコランクは星1個である。したがって、利用者Aは、個人充電スタンドT2の提供者側希望利用者条件を満たす利用者ではないと判断される。よって、個人充電スタンドT2についての個人充電スタンド情報は検索されない。
【0057】
また、図5の個人充電スタンド情報リストの上から3欄目に示された個人充電スタンド情報によれば、充電スタンドT3の希望利用者属性1は「○○社社員」、希望利用者属性2は「SNS○○の××コミュニティ」、希望評価ランクは星3個以上、希望エコランクは星1個以上である。これに対し、利用者Aは、○○社社員であり、且つ、SNS○○の××コミュニティに属している。さらに、評価ランクは星5個であり、エコランクは星1個である。したがって、利用者Aは充電スタンドT3の提供者側希望利用者条件を満たす利用者であると判断される。よって、充電スタンドT3についての個人充電スタンド情報は検索される。このようにして全ての個人充電スタンド情報中の提供者側希望利用者条件のうち利用者信頼度条件に利用者情報を照合することにより、利用者が利用者信頼度条件を満たす個人充電スタンド情報が絞り込み検索される。
【0058】
第1絞り込み検索により個人充電スタンド情報を絞り込んだ後は、サーバ側制御部23はS212に進む。S212では、提供者側希望利用者条件のうち提供者側の都合により利用者に要求する制約条件(車種制限、充電時間帯)と利用者情報に基づいて、S211にて絞り込んだ個人充電スタンド情報をさらに絞り込む(第2絞り込み検索)。例えば、利用者IDにより特定される利用者が、図4の利用者情報リストに記憶された利用者Aであるとする。利用者Aの電動車両の車種は小型車両である。また、上記第1絞り込み検索によりスタンドT1およびスタンドT3についての個人充電スタンド情報が検索されているものとする。図5に示すように、スタンドT1の制限車種は小型車両およびミニバン車両、スタンドT3の制限車種は小型車両、ミニバン車両および中型車両である。したがって、制限車種に関しては、いずれのスタンドについての個人充電スタンド情報も検索される。同様にして、現在時刻と充電許可時間帯とに基づいて、個人充電スタンド情報が絞り込み検索される。
【0059】
第2絞り込み検索により個人充電スタンド情報を絞り込んだ後は、サーバ側制御部23はS213に進む。S213では、S212にて絞り込んだ個人充電スタンド情報を、S201にて入力された検索条件(距離的条件、時間的条件等)および、その他の必要条件(充電許可自SOC等)に基づいてさらに絞り込む(第3絞り込み検索)。
【0060】
サーバ側制御部23は、S213にて検索条件、その他の必要条件に基づいて第3絞り込み検索を実行した後は、その第3絞り込み検索で個人充電スタンド情報が検索されたか否か、すなわち第3絞り込み検索によりヒットした件数が1以上であるか否かを判断する(S214)。個人充電スタンド情報が検索された場合(S214:Yes)、検索フラグFを1(S215)に設定する。その後、このルーチンを終了する。一方、個人充電スタンド情報が検索されなかった場合(S214:No)、検索フラグFを0に設定する。(S216)その後、このルーチンを終了する。
【0061】
サーバ側制御部23は、上述のようにして、図6のS204にて個人充電スタンド情報を検索した後は、検索結果をS203で取得した利用者情報により表わされる利用者(すなわちS201で受信した利用者IDにより特定される利用者)に提供するために送信する(S205)。この場合において、検索フラグFが1に設定されている場合は、検索された個人充電スタンド情報を送信する。また、検索フラグFが0に設定されている場合は、個人充電スタンド情報が検索されなかったという情報を送信する。サーバ側制御部23は、検索結果を送信した後は、このルーチンを終了する。
【0062】
図6に示すように、車両側制御部13はS106にて検索条件、利用者ID、現在地を送信した後に、サーバ側制御部23から検索結果を受信する(S107)。次いで、サーバ側制御部23により個人充電スタンド情報が検索されたか否かを判断する(S108)。個人充電スタンド情報が検索されなかった場合(S108:No)、このルーチンを終了する。尚、S108の判定結果がNoである場合は、表示部12に「利用できる充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。
【0063】
一方、個人充電スタンド情報が検索された場合(S108:Yes)、車両側制御部13は、サーバ側制御部23から受信した個人充電スタンド情報を表示部12に表示させる(S109)。これにより、個人充電スタンド情報が利用者に提供される。次いで、車両側制御部13はS111に進み、表示部12に表示された個人充電設スタンドのいずれか一つが選択されたか否かを判断する。この場合において、表示部12には、S103にて車両側制御部13が検索した公共充電スタンド情報、または、サーバ側制御部23から受信した個人充電スタンド情報が表示されている。また、検索または受信した充電スタンド情報が複数である場合、表示部12には、全ての充電スタンドが表示される。利用者は、表示された充電スタンドを示す部分に触れることにより、その充電スタンドを選択することができる。
【0064】
利用者が充電スタンドのいずれかを選択した場合(S111:Yes)、車両側制御部13は、選択された充電スタンドまでのルートガイドを実行する(S112)。その後、このルーチンを終了する。電動車両Vの利用者は、ルートガイドにしたがって充電スタンドに行き、そこで充電することができる。
【0065】
以上のように、本実施形態の充電スタンド情報提供システムは、個人充電スタンドを表す情報と個人充電スタンドの提供者の提供者側希望利用者条件とを含む複数の個人充電スタンド情報が記憶された個人充電スタンドデータベース(22)と、個人充電スタンドの利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S203)と、提供者側希望利用者条件と利用者情報とに基づいて、利用者に提供するための個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース(22)に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する検索部(S204)と、検索部(S204)により検索された個人充電スタンド情報を利用者に提供する提供部(S109)と、を備える。
【0066】
また、検索部(S204)は、利用者情報と提供者側希望利用者条件とを照合することにより、利用者が提供者側希望利用者条件を満たす個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース(22)に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する。
【0067】
本実施形態の充電スタンド情報提供システムによれば、個人充電スタンドの提供者側希望利用者条件が、利用者に提供される個人充電スタンド情報の検索に反映されるので、提供者の希望条件を満たさない利用者に対して自身の充電スタンド情報が提供されることを防止することができる。よって、個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。
【0068】
ところで、個人の充電器を用いて電動車両を充電する店舗では、何らかの製品を販売している場合が多い。したがって、電動車両を充電するために来店した者がその店舗で販売している製品に興味を持っている場合は、電動車両の充電中にその者がその店舗に陳列された製品を見て、その製品を購入する可能性が高い。これに対し、電動車両を充電するために来店した者がその店舗で販売している製品に興味を持っていない場合は、その者がその店舗に陳列された製品を購入する可能性が低い。しかも、その店舗の駐車場で電動車両を充電するような場合においては、店舗で販売している製品を購入する意思の無い者が電動車両をその店舗の駐車場で充電することにより駐車場が占有されてしまい、店舗で販売している製品を購入する意思の有る者の来店を阻害するおそれもある。したがって、個人の充電器を用いて電動車両を充電する店舗は、その充電を店舗の営業に生かすために、店舗で販売している製品に興味がある者にのみ充電設備情報を提供したい。これに対し、本実施形態によれば、店舗での販売製品に興味を持つ利用者のみに自身の個人充電スタンド情報が検索されるように、提供者側希望利用者条件を設定することができる。例えば、個人の充電器を用いて電動車両を充電する店舗がプラモデルを販売している場合、利用者がプラモデルの製作を趣味に持つことを提供者側希望利用者条件として設定することにより、そのような利用者のみに自身の個人充電スタンド情報を提供することができる。このようにして個人充電スタンド情報を特定の者(その店舗の販売製品に興味を持つ者)にのみ提供することにより、その店舗での電動車両の充電をその店舗の営業に有効に利用することができる。
【0069】
また、提供部(S109)は、検索部(S204)により複数の個人充電スタンド情報が検索されたときに、検索された複数の個人充電スタンド情報を全て利用者に提供する。このため利用者は、提供された個人充電スタンド情報の中から好みの個人充電スタンドを選択し、その個人充電スタンドで電動車両を充電することができる。
【0070】
また、提供者側希望利用者条件は、利用者の信頼度の大きさに関する利用者信頼度条件を含んでいる。そして、利用者が利用者信頼度条件を満たしているときに、その利用者信頼度条件を提示している個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。このようにして個人スタンド情報が検索されるので、個人スタンド情報は、その個人スタンド情報の提供者にとって信頼できる利用者にのみ提供される。そのため提供者は安心してその利用者に個人充電スタンド情報を提供することができる。こうした安心感を提供者に持たせることにより、一般家庭や店舗での個人充電スタンドの提供を活性化させることができるとともに、セキュリティーの強化をより一層図ることができる。
【0071】
また、利用者信頼度条件は、利用者が個人充電設備を利用した場合におけるマナーに関する条件(希望評価ランク)を含んでいる。そして、利用者が希望評価ランクを満たしているときに、その希望評価ランクを含む個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。このようにして個人充電スタンド情報が検索されるので、その提供者の個人充電スタンド情報はマナーの良い利用者のみに提供される。このためマナーの悪い利用者に個人充電スタンド情報が提供されることによってセキュリティー上の問題が発生することを回避することができる。
【0072】
また、利用者信頼度条件は、利用者が所属する団体に関する条件(希望利用者属性)を含んでいる。そして、利用者が希望利用者属性に示された団体に所属しているときに、その希望利用者属性を含む個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。このようにして個人充電スタンド情報が検索されるので、その提供者の個人充電スタンド情報は提供者が希望する信頼できる所属団体に属した身元の保証された利用者のみに提供される。このため身元が保証されていない利用者に個人充電スタンド情報が提供されることによってセキュリティー上の問題が発生することを回避することができる。
【0073】
また、利用者信頼度条件は、図5の個人充電スタンド情報リスト中のスタンドT3の個人充電スタンド情報の希望利用者属性2に示されるように、利用者が登録しているネットワークコミュニティに関する条件を含む。そして、利用者がそのネットワークコミュニティに登録しているときに、その条件を含んだ個人充電スタンド情報がその利用者に対して検索される。したがって、提供者が希望する信頼できるネットワークコミュニティに利用者が登録している場合のみにその利用者に個人充電スタンド情報が提供される。このため提供者は安心してその信頼できるネットワークコミュニティに登録している利用者に個人充電スタンドを提供することができる。
【0074】
また、提供者側希望利用者条件は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件(制限車種、充電時間帯)を含む。このような制約条件を満たす利用者のみに個人充電スタンド情報を提供することにより、提供者の意に反した利用者による個人充電スタンドの利用を防止することができる。
【0075】
なお、上記実施形態では、利用者が、図5に示す個人充電スタンド情報のうちの提供者側希望利用者条件(特に信頼度条件)を全て満たす場合に、その個人充電スタンド情報が検索される例について説明したが、信頼度条件のいずれか1つまたは複数を利用者が満たす場合に、その信頼度条件を含む個人充電スタンド情報が検索されるようにしてもよい。また、提供者側希望利用条件に、利用者の電動車両の型式についての希望条件(希望型式)を加えてもよい。
【0076】
また、利用者情報データベース21に示された利用者関連情報を利用して、検索結果を修正してもよい。例えば、上記の第1絞り込み検索により、図4に示す利用者Aに対して図5に示すスタンドT1の個人充電スタンド情報が検索され、図4に示す利用者Bに対してはスタンドT1の個人充電スタンド情報が検索されなかったとする。また、図4に示すように、利用者Aの利用者関連情報に利用者Bが示されている。すなわち利用者Bは利用者Aの友人または知人である。第1絞り込み検索により利用者Aに対してスタンドT1が検索されたということは、スタンドT1にとって利用者Aは信頼できる利用者であると判断されたことを表す。利用者AがスタンドT1にとって信頼できるのであれば、利用者Aの友人または知人である利用者Bも、スタンドT1にとって信頼できる可能性が高い。このようなことを考慮して、利用者Bに対しても、スタンドT1の個人充電スタンド情報が検索されるようにしてもよい。
【0077】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る充電スタンド情報提供システムを含む通信システムの構成は、上記第1実施形態で説明した図1に示す構成と同一であるので、その具体的説明は省略する。また、電動車両Vの構成も、上記第1実施形態で説明した図2に示す構成と同一であるので、その具体的説明は省略する。さらに、車載端末10、サーバ20およびスタンド側端末30の内部構成も、上記第1実施形態で説明した図3に示す構成と同一であるので、その具体的説明は省略する。
【0078】
また、サーバ20の個人充電スタンドデータベース22に記憶された提供者情報の構成は、図5に示した提供者情報リストに示す構成と同一である。ただし、サーバ20の利用者データベース21に記憶された利用者情報は、図8のリストに示すように構成される。図8からわかるように、この利用者情報に示す項目に利用者側希望条件という項目が含まれる。利用者側希望条件には、利用者が個人充電スタンドまたは個人充電スタンドの提供者に希望する条件が示されている。例えば、利用者Aは電力量単価が18円以下の個人充電スタンドを希望しており、利用者Bは個人充電スタンドの提供者が○○店舗であることを希望している。利用者Cは15:00〜17:00の間に充電できる個人充電スタンドを希望している。この利用者側希望条件の欄には複数の希望条件を記憶させておいてもよい。利用者側希望条件は利用者側が充電スタンド情報管理センタCに予め申請する。充電スタンド情報管理センタCは申請された希望条件を利用者データベース21に記憶させる。その他の項目は、図4の利用者情報に示された項目と同一である。
【0079】
図9及び図10は、本実施形態において、電動車両Vの走行中に、車載端末10の車両側制御部13が充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させるための表示処理ルーチンと、それに伴ってサーバ20のサーバ側制御部23が実行するサーバ側処理ルーチンとを併せて示すフローチャートである。
【0080】
図9に示すように、表示処理ルーチンが起動すると、車両側制御部13は、まず、電動車両Vの充電が必要であるか否かを判断する(S121)。充電が必要でない場合(S121:No)、このルーチンを終了する。一方、充電が必要である場合(S121:Yes)、車両側制御部13は充電スタンドを検索するための条件を入力する(S122)。次いで、入力された検索条件に基づいて公共充電スタンドを検索する(S123)。続いて、検索条件に基づいて検索した結果、公共充電スタンドが検索されなかったか否かを判断する(S124)。公共充電スタンドが検索された場合(S124:No)、検索された公共充電スタンドに関する情報を表示部12に表示させる(S133)。次いで、表示部12に表示された公共充電スタンドのいずれかを利用者が選択したか否かを判断する(S134)。利用者がいずれかの公共充電スタンドを選択した場合(S134:Yes)、選択した公共充電スタンドまでのルートガイド処理が実行される(S135)。その後、このルーチンを終了する。利用者は、ルートガイドにしたがって電動車両Vを走行させることにより選択した公共充電スタンドに行き、そこで電動車両Vを充電することができる。
【0081】
一方、公共充電スタンドが検索されなかった場合(S124:Yes)、車両側制御部13は、利用者が個人充電スタンドを利用するか否かを判断する(S125)。利用者が個人充電スタンドを利用しない場合(S125:No)、車両側制御部13はこのルーチンを終了する。尚、S125の判定結果がNoである場合は、表示部12に「利用できる公共充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。一方、利用者が個人充電スタンドを利用する場合(S125:Yes)、車両側制御部13は、検索条件(充電のための地理的条件や時間的条件等)、利用者IDおよび電動車両Vの現在地をサーバ側制御部23に送信する(S126)。
【0082】
サーバ側制御部23は、検索条件、利用者IDおよび電動車両Vの現在地を受信すると(S221)、利用者IDから利用者を特定する(S222)。次いで、利用者データベース21に記憶されている利用者情報の中から、S222にて特定した利用者についての利用者情報を抽出することにより、利用者情報を取得する(S223)。続いてサーバ側制御部23は、マッチング処理を実行する(S224)。
【0083】
図11は、サーバ側制御部23がS224にて実行するマッチング処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンによれば、サーバ側制御部23は、まず、個人充電スタンドデータベース22に格納されている全ての個人充電スタンド情報の中から検索条件や必要条件を満たす個人充電スタンド情報を検索する(S231)。次いで、S231にて検索した個人充電スタンド情報(母集団)の中から、S223にて取得した利用者情報の利用者側希望条件を満たす個人充電スタンド情報を、マッチング候補情報として検索する(S232)。
【0084】
例えば、S223にて取得した利用者情報により特定される利用者が図8に示す利用者Cであるとする。利用者Cの利用者情報に示される利用者側希望条件は、15:00〜17:00の間に充電することができるという条件である。これに対し、図5に示す個人充電スタンド情報リストによれば、個人充電スタンドT1およびT2では15:00〜17:00の間に充電でき、個人充電スタンドT3では15:00〜17:00の間に充電できない。したがって、S232では、個人充電スタンドT1およびT2に関する個人充電スタンド情報が、利用者Cの利用者情報のマッチング候補情報として検索される。一方、充電スタンドT3に関する個人充電スタンド情報は検索されない。
【0085】
マッチング候補情報を検索した後は、サーバ側制御部23は、マッチング候補情報の中から、利用者が提供者側希望利用者条件を満たしている個人充電スタンド情報を、マッチング成立情報として検索する(S233)。
【0086】
例えば、S232にて、図5の個人充電スタンドT1およびT2に関する個人充電スタンド情報が利用者Cの利用者情報に対するマッチング候補情報として検索されているものとする。個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報に示される提供者側希望利用者条件は、車種制限が小型車両およびミニバンであること、充電許可時間帯が9:00〜17:00であることの他、特に無い。個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報に示される提供者側希望利用者条件は、利用者が△△社の社員であること、利用者が○○ネットカーシェア会員であること、評価ランクが星2個以上であること、希望エコランクが星2個以上であること、車種制限が小型車両およびミニバンであること、充電時間帯が15:00〜20:00であること、である。
【0087】
これに対し、図8の利用者情報リストに示される利用者Cは、△△社の社員であり、○○ネットカーシェア会員であり、評価ランクが星3個であり、エコランクが星3個である。また、利用者Cの電動車両の車種はミニバンである。したがって、現在時刻がそれぞれの充電時間帯の範囲内である場合、利用者Cは個人充電スタンドT1およびT2の提供者側希望利用者条件をいずれも満たす。よって、S233では、個人充電スタンドT1およびT2に関する個人充電スタンド情報がマッチング成立情報として検索される。つまり、ある提供者Xの希望条件(提供者側希望利用者条件)を満たす利用者Yの希望条件(利用者側希望条件)を、その提供者Xが満たすとき、提供者Xに関する個人充電スタンド情報がマッチング成立情報として検索される。これにより、利用者側希望条件を満たす個人充電スタンドに関する個人充電スタンド情報であって、且つ、利用者が提供者側希望利用者条件を満たしている個人充電スタンド情報が、マッチング成立情報として検索される。
【0088】
S233にてマッチング成立情報を検索した後は、サーバ側制御部23は、マッチングデータを生成する(S234)。マッチングデータは、S223で取得した利用者情報と、S233で検索したマッチング成立情報との対により構成される。次いで、サーバ側制御部23は、マッチングデータの有無を判断する(S235)。マッチングデータが有る場合(S235:Yes)、サーバ側制御部23は、複数のマッチングデータが有るか否かを判断する(S236)。
【0089】
複数のマッチングデータがある場合(S236:Yes)、複数のマッチングデータに優先順位を付与する(S237)。優先順位は様々な条件に基づいて決定することができる。特に、優先順位が高いほど利用者にとって有利になるような条件に基づいて優先順位を決定するとよい。
【0090】
例えばS233にて取得した利用者Cの利用者情報に対して個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報と個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報がマッチング成立情報として検索されたものとする。この場合、個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報と利用者Cの利用者情報との対と、個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報と利用者Cの利用者情報との対が、マッチングデータである。S237では、これらのマッチングデータに所定の条件に基づいて優先順位が付される。例えば各マッチングデータに示される個人充電スタンドの電力量単価が安いほど優先順位が高くなるように、各マッチングデータに優先順位が付与される。個人充電スタンドT1の電力量単価は17円であり、個人充電スタンドT2の電力量単価が15円であるので、個人充電スタンドT2に関する個人充電スタンド情報を含むマッチングデータが第1優先のマッチングデータであり、個人充電スタンドT1に関する個人充電スタンド情報を含むマッチングデータが第2優先のマッチングデータである。電力量単価以外の条件、例えば電動車両の現在地と充電スタンドとの間の距離等の条件に基づき優先順位を決定してもよい。この場合には、上記距離が近いほど優先順位が高くなるように、各マッチングデータに優先順位を付与することができる。
【0091】
S237にて優先順位を決定した後は、サーバ側制御部23は、第1優先のマッチングデータをマッチング結果として設定する(S238)。その後、このルーチンを終了する。
【0092】
また、S236にてマッチングデータは一つであると判断した場合(S236:No)、サーバ側制御部23はS239に進み、そのマッチングデータをマッチング結果として設定する。その後、このルーチンを終了する。
【0093】
また、S235にてマッチングデータが無いと判断した場合(S235:No)、サーバ側制御部はS240に進み、マッチングデータ無しという情報をマッチング結果として設定する。その後このルーチンを終了する。
【0094】
サーバ側制御部23は上述のようなマッチング処理を図9のS224にて実行した後に、マッチング結果を送信する(S225)。この場合において、サーバ側制御部23は、図11のS238またはS239によりマッチングデータをマッチング結果として設定しているときは、設定したマッチングデータにより表わされる利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13および、設定したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドのスタンド側端末30のスタンド側制御部33に、それぞれマッチング結果を送信する。一方、図11のS240によりマッチングデータが無いという情報をマッチング結果として設定したときは、サーバ側制御部23は、S222で特定した利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13にマッチング結果を送信する。その後、サーバ側制御部23は、図9に示すルーチンを終了する。
【0095】
図9に示すように、車両側制御部13はS127にてマッチング結果を受信する。その後、受信したマッチング結果からマッチングデータの有無を判断する(S128)。マッチングデータが無い場合(S128:No)、車両側制御部13はこのルーチンを終了する。なお、S128の判定結果がNoである場合、表示部12に「利用できる充電スタンドはありません。」等のメッセージを表示させた後に、このルーチンを終了してもよい。
【0096】
一方、マッチングデータが有る場合(S128:Yes)、車両側制御部13は受信したマッチングデータを表示部12に表示させる(S129)。これにより、マッチングデータに表わされる個人充電スタンド情報が利用者に提供される。次いで、受信したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドで充電するか否かを問い合わせるための画面を表示部12に表示させる(S130)。具体的には、表示部12に、マッチングデータとともに、このマッチングデータに表わされる個人充電スタンドでの充電を希望することを表すアイコンと、この個人充電スタンドでの充電を希望しないことを表すアイコンが表示される。
【0097】
表示部12に表示された個人充電スタンドで充電しない場合(S130:No)、車両側制御部13は図10のS136に進み、マッチングNG信号を送信する。このマッチングNG信号は、サーバ側制御部23に受信される。マッチングNG信号には、それを送信した利用者を特定するための信号も含まれる。サーバ側制御部23は、図10のS241にてマッチングNG信号を受信すると、マッチングNG信号を送信した利用者を特定するとともに、特定した利用者の利用者情報を含むマッチングデータの中から、次に優先するマッチングデータが有るか否かを判断する(S242)。
【0098】
次に優先するマッチングデータが有る場合(S242:Yes)、サーバ側制御部23は、次に優先するマッチングデータを再マッチング結果として設定する(S243)。一方、次に優先するマッチングデータが無い場合(S242:No)、マッチングデータが無いという情報を再マッチング結果として設定する(S244)。
【0099】
再マッチング結果を設定した後は、サーバ側制御部23は、設定した再マッチング結果を送信する(S245)。この場合、サーバ側制御部23は、S243により次に優先するマッチングデータを再マッチング結果として設定しているときは、設定したマッチングデータにより表わされる利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13および、設定したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドのスタンド側端末30のスタンド側制御部33に、それぞれ再マッチング結果を送信する。一方、244によりマッチングデータが無いという情報をマッチング結果として設定したときは、サーバ側制御部23は、S241にてマッチングNG信号とともに受信した信号から特定した利用者の電動車両Vの車載端末10の車両側制御部13にマッチング結果を送信する。その後、このルーチンを終了する。
【0100】
.車両側制御部13は、図10のS137にて再マッチング結果を受信する。すると、車両側制御部13は図9のS128に進み、マッチングデータの有無を判断する。マッチングデータが無い場合(S128:No)、このルーチンを終了する。一方マッチングデータが有る場合(S128:Yes)、車両側制御部13は受信したマッチングデータを表示部12に表示させる(S129)。次いで、受信したマッチングデータにより表わされる個人充電スタンドで充電するか否かを問い合わせる画面を表示部12に表示させる(S130)。
【0101】
利用者が表示部12に表示されたマッチングデータに示される個人充電スタンドで充電しない場合(S130:No)、上記した処理が繰り返される。一方、利用者が表示部12に表示されたマッチングデータに示される個人充電スタンドで充電する場合(S130:Yes)、車両側制御部13はS131に進み、表示部12に表示されたマッチングデータに示される個人充電スタンド側が充電を許可したか否かを判断する。この判断は、マッチングデータに示された個人充電スタンドのスタンド側端末30のスタンド側制御部33側からマッチングデータに示された利用者の車載端末10の車両側制御部13側に送信される受け入れ可否信号に基づいてなされる。
【0102】
図12は、スタンド側端末30のスタンド側制御部33が受け入れ可否信号を送信するために実行するルーチンを表すフローチャートである。このルーチンによれば、まず、スタンド側制御部33は、自身の個人充電スタンドに関するマッチング結果(又は再マッチング結果)をサーバ側制御部23から受信する(S301)。次いで、表示部32に受け入れ可否画面を表示させる(S302)。この受け入れ可否画面には、マッチング結果(マッチングデータ)により表わされる利用者情報と、この利用者に自身の個人充電スタンドで充電させることを許可する(受け入れる)ことを表すアイコンと、許可しない(受け入れない)ことを表すアイコンとが表示される。スタンド側端末30の操作者は、いずれかのアイコンを押下することにより、受け入れ可否を決定する。
【0103】
次いで、スタンド側制御部33は、受け入れ可否が決定されたか否かを判断する(S303)。受け入れ可否が決定された場合(S303:Yes)、受け入れ可能であるか否かを判断する(S304)。受け入れ可能である場合(S304:Yes)、すなわちマッチングデータにより表わされる利用者に自身の個人充電スタンドで充電させることを許可する(受け入れる)ことを表すアイコンが押下された場合、スタンド側制御部33は、受け入れ可能を表す受け入れ可否信号を送信する(S305)。その後、このルーチンを終了する。一方、受け入れ不能である場合(S304:No)、すなわちマッチングデータにより表わされる利用者に自身の個人充電スタンドで充電させることを許可しない(受け入れない)ことを表すアイコンが押下された場合、スタンド側制御部33は、受け入れ不能を表す受け入れ可否信号を送信する(S306)。その後、このルーチンを終了する。
【0104】
スタンド側制御部33から送信された受け入れ可否信号はサーバ側制御部23に受信され、さらにサーバ側制御部23からその受け入れ可否信号の対象となる利用者(マッチングデータにより表わされる利用者)の車載端末10の車両側制御部13に送信される。車両側制御部13は、受信した受け入れ可否信号に基づいて、図9のS131にて表示部12に表示された個人充電スタンド側が充電を許可したか否かを判断する。表示部12に表示された個人充電設備スタンドが充電を許可しない場合(S131:No)、すなわち受け入れ不能を表す受け入れ可否信号を受信した場合、図10のS136に進み、マッチングNG信号を送信する。その後、再マッチング処理が行われる。
【0105】
一方、表示部12に表示された個人充電スタンドが充電を許可した場合(S131:Yes)、すなわち受け入れ可能信号を表す受け入れ可否信号を受信した場合、車両側制御部はS132に進み、表示部12に表示された個人充電スタンドまでのルートガイド処理を行う。その後、このルーチンを終了する。ルートガイドにしたがって電動車両Vが走行することにより、電動車両Vの利用者は表示部12に表示された個人充電スタンドに行くことができる。そして、その個人スタンドで電動車両Vを充電することができる。
【0106】
以上のように、本実施形態の充電スタンド情報提供システムは、個人充電スタンドを表す情報と個人充電スタンドの提供者の提供者側希望利用者条件とを含む複数の個人充電スタンド情報が記憶された個人充電スタンドデータベース(22)と、個人充電スタンドの利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部(S223)と、提供者側希望利用者条件と利用者情報とに基づいて、利用者に提供するための個人充電スタンド情報を、個人充電スタンドデータベース(22)に記憶されている個人充電スタンド情報の中から検索する検索部(S224)と、検索部(S224)により検索された個人充電スタンド情報を、利用者に提供する提供部(S129)と、を備える。
【0107】
本実施形態の充電スタンド情報提供システムによれば、個人充電スタンドの提供者の利用者に対する希望条件が、利用者に提供される個人充電スタンド情報の検索に反映されるので、提供者が希望する利用者以外の者に自身の充電スタンド情報が提供されることを防止することができる。よって、個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーの保護およびセキュリティーの強化が十分になされた充電設備情報提供システムを提供することができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、利用者データベース21に記憶されている利用者情報の中に、その利用者が個人充電スタンドまたはその提供者に対して希望する条件である利用者側希望条件が含まれている。そして、検索部(S224)は、提供者側希望利用者条件と利用者側希望条件とに基づいて、利用者に提供することができる個人充電スタンド情報を検索する。具体的には、検索部(S224)は、利用者側希望条件を満たす個人充電スタンドに関する個人充電スタンド情報であって、且つ、利用者が提供者側希望利用者条件を満す個人充電スタンド情報をマッチング成立情報として検索するマッチング処理部(S232,S233)を備える。そして、提供部(S129)は、マッチング処理部(S232,S233)により検索されたマッチング成立情報と利用者情報との対(マッチングデータ)を利用者に提供する。
【0109】
これによれば、マッチング処理部(S232、S233)によって、利用者側希望条件を満たし、且つ、利用者側も個人充電スタンドの提供者側希望利用者条件を満たしている個人充電スタンド情報が検索される。こうして検索された個人充電スタンド情報が利用者に提供される。このようなマッチング処理により、提供者は希望する利用者に自己の個人充電スタンド情報を提供でき、また利用者は希望する個人充電スタンド情報の提供を受けることができる。また、利用者にはマッチングされた個人充電スタンド情報のみが提供されるので、より一層、個人充電スタンドの提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0110】
また、検索部(S224)は、マッチング処理部(S232,S233)により複数のマッチング成立情報が検索されたときに、複数のマッチング成立情報(マッチングデータ)に優先順位を付与する優先順位付与部(S237)を備える。そして、提供部(S129)は、優先順位付与部(S237)により付与された優先順位が最も高いマッチング成立情報のみを利用者に提供する。これによれば、利用者は、最適な個人充電スタンド情報の提供を受けることができる。また、利用者に提供する個人充電スタンド情報の個数を一つに絞ることができるので、より一層、充電設備の提供者である一般家庭や店舗のプライバシーが守られ、且つセキュリティーが強化される。
【0111】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、個人充電スタンドの提供者の希望条件として、希望属性1、希望属性2、希望評価ランク、希望エコランク等を示したが、それ以外の希望条件でも良い。例えば、提供者がプラモデルを販売する店舗である場合、提供者側希望利用者条件が、利用者の趣味がプラモデル製作であることという条件でも良い。また、第2実施形態でマッチング処理の一例を示したが、上記に示した方法以外の方法でマッチング処理を行ってもよい。例えば、上記の例では、サーバ側制御部23が、利用者側からの送信情報に基づいて、その利用者に対するマッチングデータを生成しているが、サーバ側制御部23は、利用者側からの情報の送信の有無にかかわらず、利用者データベース21に記憶された利用者情報および個人充電スタンドデータベース22に記憶された個人充電スタンド情報に基づいて、予めマッチングデータを生成していてもよい。そして、利用者側から要求信号を受信したときに、最適なマッチングデータ(第1優先のマッチングデータ)をその利用者および提供者に送信してもよい。また、上記第2実施形態では、一人の利用者に対して複数のマッチングデータが生成された場合に優先順位を付与する例について説明したが、場合によっては一つの個人充電スタンドに対して複数のマッチングデータが生成される場合もある。つまり一つの個人充電スタンドに複数の利用者が競合する場合も考えられる。この場合は複数の利用者情報に優先順位を付与し、優先順位の最も高い利用者情報と個人充電スタンド情報の対によりマッチングデータを生成すればよい。また、提供者側希望利用者条件に、特定の利用者を除外する(例えば以前充電した時に、非常にマナーが悪かった利用者を除外する)ような条件を設定してもよい。このように、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
【符号の説明】
【0112】
10…車載端末、11…地図データベース、12…表示部、13…車両側制御部、14…送受信部、15…蓄電池、16…SOC検出センサ、17…ナビゲーション装置、20…サーバ、21…利用者データベース、22…個人充電スタンドデータベース、23…サーバ側制御部、24…送受信部、30…スタンド側端末、31…入力部、32…表示部、33…スタンド側制御部、34…送受信部、50…通信回線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の充電設備を表す情報とその充電設備の提供者がその充電設備の利用者に対して希望する条件である提供者側希望利用者条件とを含む複数の充電設備情報が記憶された充電設備情報記憶部と、
充電設備の利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部と、
前記提供者側希望利用者条件と前記利用者情報とに基づいて、前記利用者に提供するための充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部に記憶されている充電設備情報の中から検索する検索部と、
前記検索部により検索された充電設備情報を、前記利用者に提供する提供部と、
を備える充電設備情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記検索部は、前記利用者が満たしている前記提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部に記憶されている充電設備情報の中から検索する、充電設備情報提供システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記提供部は、前記検索部により複数の充電設備情報が検索されたときに、前記複数の充電設備情報を全て前記利用者に提供する、充電情報提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者情報の中に、その利用者が充電設備または充電設備の提供者に対して希望する条件である利用者側希望条件が含まれており、
前記検索部は、前記提供者側希望利用者条件と前記利用者側希望条件とに基づいて、前記充電設備の利用者に提供するための充電設備情報を検索する、充電設備情報提供システム。
【請求項5】
請求項4に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記検索部は、前記利用者側希望条件を満たす充電設備に関する充電設備情報であって、且つ、前記利用者が前記提供者側希望利用者条件を満たす充電設備情報を、マッチング成立情報として検索するマッチング処理部を備え、
前記提供部は、前記マッチング処理部により検索された前記マッチング成立情報を、前記利用者に提供する、充電設備情報提供システム。
【請求項6】
請求項5に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記検索部は、前記マッチング処理部により複数の前記マッチング成立情報が検索されたときに、前記複数のマッチング成立情報に優先順位を付与する優先順位付与部を備え、
前記提供部は、前記優先順位付与部により付与された優先順位が最も高いマッチング成立情報のみを前記利用者に提供する、充電設備情報提供システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記提供者側希望利用者条件は、利用者の信頼度の大きさに関する利用者信頼度条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項8】
請求項7に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が前記提供者の充電設備を利用した場合におけるマナーに関する条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項9】
請求項7に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が所属する団体に関する条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項10】
請求項7に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が登録しているネットワークコミュニティに関する条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項11】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記提供者側希望利用者条件は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項1】
電動車両の充電設備を表す情報とその充電設備の提供者がその充電設備の利用者に対して希望する条件である提供者側希望利用者条件とを含む複数の充電設備情報が記憶された充電設備情報記憶部と、
充電設備の利用者に関する利用者情報を取得する利用者情報取得部と、
前記提供者側希望利用者条件と前記利用者情報とに基づいて、前記利用者に提供するための充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部に記憶されている充電設備情報の中から検索する検索部と、
前記検索部により検索された充電設備情報を、前記利用者に提供する提供部と、
を備える充電設備情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記検索部は、前記利用者が満たしている前記提供者側希望利用者条件を含む充電設備情報を、前記充電設備情報記憶部に記憶されている充電設備情報の中から検索する、充電設備情報提供システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記提供部は、前記検索部により複数の充電設備情報が検索されたときに、前記複数の充電設備情報を全て前記利用者に提供する、充電情報提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者情報の中に、その利用者が充電設備または充電設備の提供者に対して希望する条件である利用者側希望条件が含まれており、
前記検索部は、前記提供者側希望利用者条件と前記利用者側希望条件とに基づいて、前記充電設備の利用者に提供するための充電設備情報を検索する、充電設備情報提供システム。
【請求項5】
請求項4に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記検索部は、前記利用者側希望条件を満たす充電設備に関する充電設備情報であって、且つ、前記利用者が前記提供者側希望利用者条件を満たす充電設備情報を、マッチング成立情報として検索するマッチング処理部を備え、
前記提供部は、前記マッチング処理部により検索された前記マッチング成立情報を、前記利用者に提供する、充電設備情報提供システム。
【請求項6】
請求項5に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記検索部は、前記マッチング処理部により複数の前記マッチング成立情報が検索されたときに、前記複数のマッチング成立情報に優先順位を付与する優先順位付与部を備え、
前記提供部は、前記優先順位付与部により付与された優先順位が最も高いマッチング成立情報のみを前記利用者に提供する、充電設備情報提供システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記提供者側希望利用者条件は、利用者の信頼度の大きさに関する利用者信頼度条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項8】
請求項7に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が前記提供者の充電設備を利用した場合におけるマナーに関する条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項9】
請求項7に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が所属する団体に関する条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項10】
請求項7に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記利用者信頼度条件は、前記利用者が登録しているネットワークコミュニティに関する条件である、充電設備情報提供システム。
【請求項11】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の充電設備情報提供システムにおいて、
前記提供者側希望利用者条件は、提供者側の都合により利用者に要求する制約条件である、充電設備情報提供システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−174107(P2012−174107A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37079(P2011−37079)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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