光コネクタローゼット
【課題】 光ケーブル余長と光ケーブル接続部の両者を効率良く整理収納して安全に保護できる光コネクタローゼットの提供。
【解決手段】インドアケーブルが導入される光ケーブル挿通溝からなる光ケーブル導入部11 を有するベース部材1と、該ベース部材1に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材2と、該インナー部材2に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材3とから構成されるケース4からなり、前記インナー部材2が、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを収納する接続部固定部5、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材2を係止片22 によって前記ベース部材1に形成された係止部12 に着脱自在に固着する構成とした。
【解決手段】インドアケーブルが導入される光ケーブル挿通溝からなる光ケーブル導入部11 を有するベース部材1と、該ベース部材1に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材2と、該インナー部材2に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材3とから構成されるケース4からなり、前記インナー部材2が、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを収納する接続部固定部5、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材2を係止片22 によって前記ベース部材1に形成された係止部12 に着脱自在に固着する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ケーブル、特に光ファイバ心線を有する光ファイバケーブル(以下光ケーブル)の配線区間において、屋外から屋内に引き込まれる光ケーブルのケーブル接続点における接続のために用いられ、光ケーブルの接続部と、光ケーブル余長とを収納保護する光ケーブルの光コネクタローゼットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバ心線を有する光ケーブルの接続に際しては、光ケーブルの引込接続には、接続作業の失敗を見越してケーブルに余裕を持たせた光ケーブル余長と接続部を含む心線保護のためにキャビネットが必要とされている。
このため、心線接続後の接続部や心線余長を収納したり、整理するいろいろな収納トレイや収納シートが使用されている。特に、光ケーブルの引込、接続などを行う場合、光ケーブル接続用収納ケース内において光ケーブル心線相互を接続すると共に、ケーブル心線の余長分を収納するための心線接続余長収納ケースが用いられている。このケースは、光ケーブルを導出入する部分となる光ケーブル導出入部と、その光ケーブルを導出入部から導出入させる光ケーブルから引き出された光ファイバ心線同士或いは分岐用光ケーブルから引き出された心線とを接続する接続部が収納される接続部収納部と、さらに接続された心線の余長部分を巻回して保護収納する心線余長収納部とを備えた光ケーブルの成端キヤビネットが知られている。(特許文献1参照)
【0003】
特許文献1の光ケーブルの成端キヤビネットについて、その概略を図1及び図2を参照して説明すると、光ケーブルの引込線を光ケーブル接続用収納ケース4に導入され、この光ケーブル接続用収納ケース4から建物9内に向けて引込光ケーブル5が配索される。(図1)このケース4は基体ケース10と蓋ケース50を有し、基体ケース10にケーブル導入部11,12と、ケーブル巻回・接続部13と、コネクタ収納部23が区画形成されている。このコネクタ収納部23にはコネクタが収容され、該コネクタにより光ファイバ心線が接続される。そして、各光ケーブル3,5の光ファイバ心線は配索溝17からケーブル巻回・接続部13に導いてコネクタにより接続し、その余長部分をケーブル押さえ片15,24間に巻き回して保持することが記載されている。(図2)
【特許文献1】特開平9−236711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これら光ケーブル成端キャビネットでは、効率化やコスト低減の観点から相当に改善されたものであるが、光ファイバ心線を有する光ケーブルを吊線吊架箇所または宅内引き込み箇所等における現場取付け作業では、光ケーブルの現場付けコネクタまたはSCコネクタのコネクタ接続部を収納する場合と、光ファイバ心線のメカニカルスプライスまたは融着用接続部の心線接続部を収納する場合とがあり、それにともなって心線余長とケーブルとのいずれか或いはその両者を効率良く整理収納して保護する必要があって、従来の収納ケースではこれら要請には対応しきれなく、しかも特別なケースやカバー並びにシートを用いる心線接続処理部材が必要となると、組立部品も多く、構成も複雑化するし、光ケーブルと心線並びに心線接続部の安全性の確保や、取付け取り外し作業に手数が掛かり過ぎては作業性の上でも問題が生じるし、心線の取扱いがやっかいとなり、またケースをコンパクト化すると内部空間が小さくなることから接続に伴う作業や個別配線整理がやりにくくなるほか、心線余長の収納もしにくく心線余長の納まりも悪くなって心線にストレスが掛ることが多くなって心線の光損失が生じ伝送特性に悪影響を与えたりするし、心線接続作業の能率化、効率化ができないといった問題が生じることとなる。
【0005】
本発明は、これら従来の事情に鑑みてなされたものであり、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブル余長と光ケーブル接続部の両者を効率良く整理収納して安全に保護することができ、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業も容易に実施できると共に、光ケーブルの接続配線作業に際して、光ケーブルの外被把持コネクタと現場付けSCコネクタとの使い分け使用を可能として光ケーブルの取扱い操作や、ケーブル接続交換を簡単にし、安全な接続作業が能率良よく行え現場配線作業の簡素化を図り、光ケーブルの接続部におけるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事ができて信頼性を大幅に高めることができ、作業コストの低減化をも図る。
また、本発明では、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブルや光ケーブル余長の収納が納まり良くできて、光ケーブルに弛みが生じないで光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能で、しかも光ケーブル並びにドロップケーブルの収納構造を簡素化して取り扱いやすくその収納や整理も簡素化でき、きわめてコンパクト化して接続部を安全に収納することができる光コネクタローゼットを提供することを目的とするものである。
【0006】
さらに、本発明では、工場付けターミネーションケーブル〔指定した長さのターミネーションケーブル(光ケーブルの中にコードケーブルを通したもの)の片端または両端にSCコネクタを事前に装着した光ケーブルと、現場付け外被把持コネクタを装着した光ケーブルとが用いられていて、戸建住宅或いは集合住宅においてはDFパターン(専用業者局内から他事業者局設備まで光ファイバ心線を提供するもの)と、アンバンドルパターン(専用業者局内から他事業者ヘ光ファイバ心線の信号帯域の一部を提供するもの)とに分けて簡単に設置でき、分界点にフイルタを設けて専用業者局側で試験ができるようになっているので、光ケーブルのSCコネクタまたは現場付けコネクタその他のコネクタの接続部を収納する場合に現場において、それぞれ対応して取り扱えて、その光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに切換布設が簡単にでき各光ケーブルの取扱いが容易であり、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができると共に、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の光コネクトローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続したSCコネクタまたは現場付け外被把持コネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした。
【0008】
また、本発明の光コネクトローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャツタと、該シャツタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できる構成としたものである。
【0009】
また、この発明の光コネクトローゼットは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方をSCコネクタまたは現場付け外被把持コネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されているケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、光コネクタローゼットの前記インナー部材が、SCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側のケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、光ケーブルの挿入開口面を形成した光ケーブル押し込みによるケーブル把持部を備えると共に、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の光コネクタローゼットは、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円形の収納部に構成した形態とするのがよい。
【0012】
本発明は、光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成し、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材のSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成とし外被把持コネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光コネクタローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から入る光ケーブルを接続した外被把持SCコネクタまたは現場付けSCコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成として、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした構成としたので、現場取付け作業での光ケーブル接続部と光ケーブル余長とを効率良く整理収納して安全に保護することができ、光ケーブル余長の収納が納まり良くできて光ケーブルに弛みが生じない光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能である。
【0015】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタの光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャツタと、該シャツタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるほか、前記ベース部材内に光ケーブルの現場付けコネクタまたはSCコネクタのコネクタ接続部を収納する場合のインナー部材を選別嵌合配備できるようにしたので、現場においてそれぞれ対応して取り扱え、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業をも容易に実施できる。
【0016】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と共に、光ケーブル接続部並びに光ケーブル余長の収納構造を簡素化して取り扱いやすく収納や整理も簡単にでき、きわめてコンパクトに接続部を安全に収納することができるし、使用形態の選別がインナー部材の配備形態によってできるので、現場仕様に即応した形態で配線でき光コネクタローゼット内での光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに変換が簡単にでき、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに、現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができると共に、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【0017】
さらに、本発明の光コネクタローゼットでは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、円形の仕切板によって両側に分離され、その一方をSCコネクタまたは現場付けコネクタその他のコネクタの接続用のアダプタまたはコネクタソケットを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されているケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことで、著しくコンパクトであり、任意の方向でのコネクタ向きの設定が可能で、設置機器類との取り合いに容易に対応できるし、インナー部材の浮き上がり若しくは持ち上がり防止機構と、開き止め防止機構を配備したことで光ケーブルの保護に寄与でき、カバー部材を開いてインナー部材を取り出したりして光ケーブルの接続作業や接続状況の点検、確認、調整などをきわめて容易に安全に行うことができるし、共通したベース部材とカバー部材に選別された光ケーブル処理済のインナー部材を使用する形態なので、光ケーブル仕様を多様化できると共に、光ケーブル余長も曲率半径を確保した上で取り回し収納できるので、光ケーブル余長の吸収に自由度を持たせて納められて伝送特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0018】
しかも、本発明では心線接続後に違った面に接続部とケーブル余長のケーブル処理部があることで、ケーブル余長の収納が収まり良くできるし、その巻回収納にも余裕があり、光ケーブルに弛みが生じないし、光ケーブル心線に過度に屈曲することがなく曲率半径の小さい円弧状部分をも生じないで収納でき安全な保護ができる。さらに、ケーブルと接続部を個別にインナー部材に収納し、ケース内に納めることでベース部材内に整理でき、接続作業やインナー部材の更新や交換が容易にできるし、任意光ケーブルの取り出し、接続、再収納作業に対するハンドリング特性の向上とが図れると共に、接続部の再調整や修理など簡単に行うことができ、作業性を大幅に向上できる。
【0019】
また本発明によれば、インナー部材を用いて光ケーブルの処理やアクセスパターン選定の処理をも行えるので、配線整理も整然と行うことができ、光ケーブルの分岐、引込の際に光コネクタローゼットへの光ケーブル導出入の自由度があって作業上、光ケーブル接続部へのアクセスが簡便化でき、管理や組立分解作業も容易に行なえ、光ケーブル接続部収納、光ケーブル余長収納での高信頼性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例を図面を用いて説明すると、図1乃至図5の例(アバンドルパターン)での光コネクタローゼットは、光ケーブルaを導入する光ケーブル導入部11 例えばインドアケーブルが導入される光ケーブル挿通溝からなる光ケーブル導入部11 のあるベース部材1と、該ベース部材1に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材2と、該インナー部材2に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材3とから構成されるケース4からなり、前記インナー部材2が、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを収納する接続部固定部5、例えば光ケーブルがSCコネクタを装着した端部をSCアダプタcを介して接続する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材2を係止片22 によって前記ベース部材1に形成された係止部12 に着脱自在に固着する構成としてある。(図1及び図2)
【0021】
前記ケース4としては、樹脂材等により全体円筒形に成形されるが、前記ベース部材1は略円筒形で前面が開口された周側壁を有する円筒状筐体に成形され、周側壁の内面に係止部12 と嵌合凹部13 とを適宜間隔を開けて複数形成してあって、インナー部材2の係止片22 と案内支持片23 を装着できるようにし、さらに周側壁に内外に貫通する工具挿入孔14 を複数設けると共に、前記インナー部材2を嵌挿固着するための嵌合筒部15 をベース部材1の内面中央部に突設してある。
また前記ベース部材1は、図3のように底壁面の中央部位に嵌合筒部15 を突設して前記インナー部材2を嵌合支持できるようにし、さらに底壁面に設けた取付孔15に固定ネジ16によって壁面に取り付けられて用いられる。
なお、光ケーブルaおよび光ケーブルaを接続した外被把持コネクタb或いは現場付けSCコネクタb1 と光ケーブル余長を収納処理したインナー部材2は、前記ベース部材1に形成された係止部12 に固着できるようにし、さらにインナー部材2にカバー部材3を被せて光ケーブルの保護に役立ててある。
【0022】
前記インナー部材2は、図3及び図5に示すように円形仕切板の両側面の一方を外被把持コネクタbの接続用のSCアダプタcを装着できる接続部固定部5とし、また他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部6に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材2を前記ベース部材1内で回転して所定角度毎に位置設定して外被把持コネクタbの方向を変換配備できるようにしてある。
そして、前記接続部固定部5側には、ケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁24 を対向立設して光ケーブルの挿入開口面が形成され、光ケーブル押し込みができる光ケーブル把持部7と光ケーブルおよび前記カバー部材3を嵌装支持するガイドリブ8とを備えると共に、インナー部材2の外周側縁に嵌合孔のある係止部21 を突設し、前記カバー部材3の係合爪部31 に係脱できる構成としている。また、インナー部材2の光ケーブル余長収納部6側では、嵌合孔のある係止片22 と案内支持片23 とを外周側縁に突設向配備して前記ベース部材1の側壁に形成した係止凸部のある係止部12 と嵌合凹部13 とに係脱できる構成とし、さらにインナー部材2の中央部に嵌合筒部25 を立設して前記ベース部材1の嵌合筒部15 に嵌合連結できる形態とし、光ケーブル余長の巻回部として利用できる構成としている。
この場合、前記嵌合筒部15 および嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1とインナー部材2の内面に突設した嵌合筒部同士の装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としするのがよい。
【0023】
この前記光ケーブル把持部7は、ガイド壁24 に凹凸部或いはケーブル抜け防止用の膨出部を設け、さらにケーブル挿通方向に沿ってガイドリブ8をケーブル抜け防止縁として設け、光ケーブルの把持を確実にして光ケーブルに弛みが生じないように区画形成するのがよい。さらにベース部材1は、前記光ケーブル導入部11 から入る光ケーブルを接続した接続部の外被把持コネクタbを収納する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6を備えたインナー部材2を着脱できる係止部例えば、装着用の嵌合爪或いは嵌合孔若しくは凹凸部の係止部によってインナー部材2をワンタッチで脱着できるようにしてあるほかインナー部材2のズレ防止機能をも果たすことができるものである。
【0024】
また、前記インナー部材2が、仕切板の片側中央部に光ケーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する円筒状リブからなる嵌合筒部25 と、仕切板の外周側縁に突設した係止片22 と案内支持片23 とによって光ケーブル余長収納部6を区画した略円形の収納部に構成した形態とするのがよく、光ーブル余長を巻回させる嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1の内面に突設した嵌合筒部15 に着脱自在に嵌合でき、装着時のケーブル挟み込み防止構造の構成とするのが好ましく、光ケーブルを分離整理収納し、光ケーブ導出入部から光ケーブルの曲げが極少で心線収納時のねじれをも防止でき、安全かつ高密度収納で高信頼性が得られるようにするのがよい。
さらに、前記インナー部材2のフィルタ入り外被把持SCコネクタbの光コネクタを装着できる接続部固定部5が、アダプタcのフランジを差し込み嵌合する凹溝9を含む収納部からなり、前記カバー部材3に形成した開口部32 に臨んで配備されている構成とし、SCコネクタプラグdの接続設置ができるようにして光ケーブルの保護に寄与している。
【0025】
以上のように、前記インナー部材2を含むケース4の全体が略円筒形に形成され、光コネクタクローゼット内での光ケーブルの配線処理の便宜を図ることができるし、インナー部材2が円形に形成されるので、光ケーブル余長収納部6には、光ケーブルaがなめらかに湾曲したループ状に巻回保持できるように配慮して、伝送特性に悪影響が及ばないようにする。例えば、内装される前記インナー部材2には許容最小曲率半径を確保して光ケーブルの取り回し、収納ができ、各種の接続部例えば、外被把持SCコネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 などの接続部が収納可能であって、光ケーブル余長と接続部を一括収納できる形態とする。
【0026】
また、図6乃至図10に示す実施例(DFパターン)では、ベース部材1とカバー部材3は前例の同等の構成のものを共通して用い、インナー部材2としては、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続した現場付けSCコネクタb1 の光コネクタを収納する接続部固定部5と、該接続部固定部5に収納する光コネクタのコネクタソケット、例えばSCコネクタプラグc1 の接続面を開閉するシャツタ10と、該シャツタを一方向に付勢するバネ11とからなる自動遮蔽機構12と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光Lケーブル処理部としたものを用いるものであって、該インナー部材2を前記ベス部材1に形成された係止部に着脱自在に固着し、インナー部材2にカバー部材3を着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるようにしてある。
【0027】
この場合、前記シャツタ10は枢軸13によって回動自在に仕切板に取り付けられ、接続部固定部5に収納する光コネクタのSCコネクタプラグc1 の接続面を開閉するするように旋回し、付勢バネ11によって自動遮蔽できるように構成されている。該付勢バネ11は枢軸13に旋回されその両端がシャツタ10と係支部14に掛け止められてシャツタ10を一方向に付勢されるように配備するのがよい。
【0028】
さらに、この実施例で用いられる前記インナー部材2は、前記ベース部材1に内装され、表側に現場付けSCコネクタb1 のSCコネクタプラグc1 のフランジを差し込める嵌合凹溝9を有する接続部固定部5を備えたことと、前記嵌合筒部25 を備えて光ケーブルaの許容最小曲率半径を確保して収納できる光ケーブル余長収納部6を接続部固定部5の裏側に形成した収納部とするようにするがよい。
この場合、前記インナー部材2では、光ケーブルの曲率半径円を大径に引回し可能となるように係止部22 および案内支持片13 を嵌合筒部25 の周囲に2ケ所以上間隔をあけて円弧状に配置して光ケーブルaを引き回し保持できるようにしたり或いは区画リブを付設するようにするのがよい。
なお、このインナー部材2での前記接続部固定部5としては、インドアケーブル等の光ケーブル余長収納と、現場付けSCコネクタb1 のケーブル接続部の接続部固定部5とした光ケーブル用処理部として配備できるようにした取扱いの簡便化を図れる形態とすることが配慮される。
【0029】
前記カバー体3は、前記インナー部材2に脱着してあるが、前記ケース4のベース部材1に嵌挿して覆うものであってもよく、カバー部材3が覆ぶされて閉蓋状態が維持でき、特に閉蓋状態では、前記ベース部材1にカバー開き止め防止機能を果たす係合凹凸部や、カバー持ち上がり防止機構となる傾斜面部を備えて、それぞれの位置で係止されてベース部材1からカバー部材3が外れることなく、光ケーブルの保護を含めて光ケーブル成端部の収納保護を確実に行え、防塵、防水、防犯用の光コネクタローゼットとして用いることができるし、カバー部材3は、ベース部材1との取付関係では、ネジなど使用しないでワンタッチで脱着できるようにしてある。
【0030】
この実施形態にかかる光コネクタローゼットにあっては、光ケーブルの外被把持コネクタbの光ケーブル接続部を収容するときと、光ケーブルの現場付けSCコネクタb1 のケーブル接続部を収容する場合とに、ベース部材1に前記インナー部材2を取り替えて使用する。例えば、インドアケーブルとドロップケーブルとの接続に際しては、インナー部材2において、図1或いは図6の形態で外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 を接続部固定部5に装着して光ケーブル処理部として使用する。
例えば、図11に示す如く予め前記ベース部材1を壁面に固定ネジ16によって取り付けておいて、このベース部材1のケーブル導入部11 より導入した光ケーブルaを必要ケーブル長にして、ケーブル端にフイルター入り外被把持コネクタb或いは現場付けSCコネクタb1 の接続部を接続し、該接続部をインナー部2の接続部固定部5に収納装着し、光ケーブルaを指で押さえてケーブル把持部7に把持する。
【0031】
次いで、この光ケーブルaを接続部固定部5の裏面にまわし光ケーブル余長をインナー部材2の嵌合筒部25 に巻回して収納し余長処理をしたのち、該インナー部材2の嵌合筒部25 を前記ベース部材1の嵌合筒部15 に挿入嵌合して、インナー部材2をベース部材1に取り付ける。この時外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 の向きを任意の角度、例えば45度毎に設定することができるようになっているので、コネクタの向きを適宜調整して固定するのがよい。
そして、インナー部材2にカバー部材3を被せて対応する係止部21 および係合爪部31 を嵌め込んで保持して取り付けベース部材1に接続装着されてカバー部材3の開口部32 に外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 が配置され、該外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 に工場付けターミネーションケーブルに接続されたSCコネクタタプラグdが接続連結されて光コネクタローゼットとして使用できる。
【0032】
この場合、この光コネクタローゼットは図12に示すように、屋外の架空ケーブルAのクロージャBから分岐されたドロップケーブルCが、戸建住宅または集合住宅の住宅に設けられた光コネクタキャビネットDを経てインドアケーブルとして戸建住宅または集合住宅の住宅内に設けられた光コネクタローゼットのケース4に接続され、住宅内のフイルター内蔵のONU機器などの機器類Eに連絡接続されてDFパターン或いはアンバンドルパターンとして用いられるので、インドアケーブルをベース部材1のケーブル導入部11 より導出すれば、引き落とし配線が容易に処理でき、ケーブル切替、交換等の配線処理作業をも簡便にできるようになるし、この配線処理作業性の向上を図ることができる。
また、この形態ではベース部材1のケーブル導入部11 導入した光ケーブルaを現場付けSCコネクタb1 に接続して、この接続部を、接続部固定部5に嵌め込んで保持して収納が可能で、該現場付けSCコネクタb1 に工場付けターミネーションケーブルのSCコネクタプラグdを接続して現場での有効な配線のケーブル処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図2】図1の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図3】図1の例で用いられるベース部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその縦断面図である。
【図4】図1の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はその平面図、(d)はX−X線における縦断面図である。
【図5】図4の例のインナー部材を示して、(a)はその背面図、(b)はその平面図である。
【図6】本発明の実施例の他の例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図7】図6の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図8】図7の例で用いられるインナー部材でシャツタを取り除いた状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はY−Y線における縦断面図である。
【図9】図7の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその右側面図、(c)はその底面図である。
【図10】図9の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその背面図、(b)はその右側面図である。
【図11】図6の例で用いられる配線組立状態を示し、(a)はその光ケーブル接続状態の分離斜視図、(b)はその光ケーブル余長収納状態の分離斜視図、(c)はその光ケーブル余長収納状態の裏側斜視図である。
【図12】本発明の実施例を用いた一使用状態の系統説明図例で、(a)は戸建住宅に適用して例、(b)は集合住宅に適用して例である。
【符号の説明】
【0034】
a 光ケーブル
b 外被把持コネクタ
b1 現場付けSCコネクタ
c SCアダプタ
c1 コネクタアダプタ
d SCコネクタプラグ
1 ベース部材
11 光ケーブル導入部
12 係止部
13 嵌合凹部
14 通気孔
15 嵌合筒部
2 インナー部材
21 係止部
22 係止片
23 案内支持片
24 ガイド壁
25 嵌合筒部
3 カバー部材
31 係合爪部
32 開口部
4 ケース
5 接続固定部
6 光ケーブル余長収納部
7 光ケーブル把持部
8 ガイドリブ
9 凹溝
10 シャツタ
11 付勢バネ
12 自動遮蔽機構
13 枢軸
14 係支部
15 取付孔
16 固定ネジ
A 架空ケーブル
B クロージャ
C ドロップケーブル
D 光コネクタキャビネット
E 機器類
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ケーブル、特に光ファイバ心線を有する光ファイバケーブル(以下光ケーブル)の配線区間において、屋外から屋内に引き込まれる光ケーブルのケーブル接続点における接続のために用いられ、光ケーブルの接続部と、光ケーブル余長とを収納保護する光ケーブルの光コネクタローゼットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバ心線を有する光ケーブルの接続に際しては、光ケーブルの引込接続には、接続作業の失敗を見越してケーブルに余裕を持たせた光ケーブル余長と接続部を含む心線保護のためにキャビネットが必要とされている。
このため、心線接続後の接続部や心線余長を収納したり、整理するいろいろな収納トレイや収納シートが使用されている。特に、光ケーブルの引込、接続などを行う場合、光ケーブル接続用収納ケース内において光ケーブル心線相互を接続すると共に、ケーブル心線の余長分を収納するための心線接続余長収納ケースが用いられている。このケースは、光ケーブルを導出入する部分となる光ケーブル導出入部と、その光ケーブルを導出入部から導出入させる光ケーブルから引き出された光ファイバ心線同士或いは分岐用光ケーブルから引き出された心線とを接続する接続部が収納される接続部収納部と、さらに接続された心線の余長部分を巻回して保護収納する心線余長収納部とを備えた光ケーブルの成端キヤビネットが知られている。(特許文献1参照)
【0003】
特許文献1の光ケーブルの成端キヤビネットについて、その概略を図1及び図2を参照して説明すると、光ケーブルの引込線を光ケーブル接続用収納ケース4に導入され、この光ケーブル接続用収納ケース4から建物9内に向けて引込光ケーブル5が配索される。(図1)このケース4は基体ケース10と蓋ケース50を有し、基体ケース10にケーブル導入部11,12と、ケーブル巻回・接続部13と、コネクタ収納部23が区画形成されている。このコネクタ収納部23にはコネクタが収容され、該コネクタにより光ファイバ心線が接続される。そして、各光ケーブル3,5の光ファイバ心線は配索溝17からケーブル巻回・接続部13に導いてコネクタにより接続し、その余長部分をケーブル押さえ片15,24間に巻き回して保持することが記載されている。(図2)
【特許文献1】特開平9−236711号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これら光ケーブル成端キャビネットでは、効率化やコスト低減の観点から相当に改善されたものであるが、光ファイバ心線を有する光ケーブルを吊線吊架箇所または宅内引き込み箇所等における現場取付け作業では、光ケーブルの現場付けコネクタまたはSCコネクタのコネクタ接続部を収納する場合と、光ファイバ心線のメカニカルスプライスまたは融着用接続部の心線接続部を収納する場合とがあり、それにともなって心線余長とケーブルとのいずれか或いはその両者を効率良く整理収納して保護する必要があって、従来の収納ケースではこれら要請には対応しきれなく、しかも特別なケースやカバー並びにシートを用いる心線接続処理部材が必要となると、組立部品も多く、構成も複雑化するし、光ケーブルと心線並びに心線接続部の安全性の確保や、取付け取り外し作業に手数が掛かり過ぎては作業性の上でも問題が生じるし、心線の取扱いがやっかいとなり、またケースをコンパクト化すると内部空間が小さくなることから接続に伴う作業や個別配線整理がやりにくくなるほか、心線余長の収納もしにくく心線余長の納まりも悪くなって心線にストレスが掛ることが多くなって心線の光損失が生じ伝送特性に悪影響を与えたりするし、心線接続作業の能率化、効率化ができないといった問題が生じることとなる。
【0005】
本発明は、これら従来の事情に鑑みてなされたものであり、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブル余長と光ケーブル接続部の両者を効率良く整理収納して安全に保護することができ、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業も容易に実施できると共に、光ケーブルの接続配線作業に際して、光ケーブルの外被把持コネクタと現場付けコネクタとの使い分け使用を可能として光ケーブルの取扱い操作や、ケーブル接続交換を簡単にし、安全な接続作業が能率良よく行え現場配線作業の簡素化を図り、光ケーブルの接続部におけるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事ができて信頼性を大幅に高めることができ、作業コストの低減化をも図る。
また、本発明では、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブルや光ケーブル余長の収納が納まり良くできて、光ケーブルに弛みが生じないで光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能で、しかも光ケーブル並びにドロップケーブルの収納構造を簡素化して取り扱いやすくその収納や整理も簡素化でき、きわめてコンパクト化して接続部を安全に収納することができる光コネクタローゼットを提供することを目的とするものである。
【0006】
さらに、本発明では、工場付けターミネーションケーブル〔指定した長さのターミネーションケーブル(光ケーブルの中にコードケーブルを通したもの)の片端または両端にSCコネクタを事前に装着した光ケーブル〕と、現場付けコネクタを装着した光ケーブルとが用いられていて、戸建住宅或いは集合住宅においてはDFパターン(専用業者局内から他事業者局設備まで光ファイバ心線を提供するもの)と、アンバンドルパターン(専用業者局内から他事業者ヘ光ファイバ心線の信号帯域の一部を提供するもの)とに分けて簡単に設置でき、分界点にフイルタを設けて専用業者局側で試験ができるようになっているので、光ケーブルのSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタの接続部を収納する場合に現場において、それぞれ対応して取り扱えて、その光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに切換布設が簡単にでき各光ケーブルの取扱いが容易であり、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができて、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の光コネクタローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした。
【0008】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャッタと、該シャッタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できる構成としたものである。
【0009】
また、この発明の光コネクタローゼットは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方を外被把持コネクタまたは現場付けコネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定して光コネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、光コネクタローゼットの前記インナー部材が、外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側の光ケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、光ケーブルの挿入開口面を形成した光ケーブル押し込みによる光ケーブル把持部を備えると共に、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の光コネクタローゼットは、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円筒形の収納部に構成した形態とするのがよい。
【0012】
本発明は、光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ケーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成し、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材の外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成とし外被把持コネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光コネクタローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から入る光ケーブルを接続した外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成として、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした構成としたので、現場取付け作業での光ケーブル接続部と光ケーブル余長とを効率良く整理収納して安全に保護することができ、光ケーブル余長の収納が納まり良くできて光ケーブルに弛みが生じない光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能である。
【0015】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタの光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャッタと、該シャッタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるほか、前記ベース部材内に光ケーブルの現場付けコネクタまたは外被把持コネクタのコネクタ接続部を収納する場合のインナー部材を選別嵌合配備できるようにしたので、現場においてそれぞれ対応して取り扱え、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業をも容易に実施できる。
【0016】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と共に、光ケーブル接続部並びに光ケーブル余長の収納構造を簡素化して取り扱いやすく収納や整理も簡単にでき、きわめてコンパクトに接続部を安全に収納することができるし、使用形態の選別がインナー部材の配備形態によってできるので、現場仕様に即応した形態で配線でき光コネクタローゼット内での光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに変換が簡単にでき、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに、現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができると共に、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【0017】
さらに、本発明の光コネクタローゼットでは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、円形の仕切板によって両側に分離され、その一方を外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他のコネクタの接続用のアダプタまたはコネクタソケットを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことで、著しくコンパクトであり、任意の方向でのコネクタ向きの設定が可能で、設置機器類との取り合いに容易に対応できるし、インナー部材の浮き上がり若しくは持ち上がり防止機構と、開き止め防止機構を配備したことで光ケーブルの保護に寄与でき、カバー部材を開いてインナー部材を取り出したりして光ケーブルの接続作業や接続状況の点検、確認、調整などをきわめて容易に安全に行うことができるし、共通したベース部材とカバー部材に選別された光ケーブル処理済のインナー部材を使用する形態なので、光ケーブル仕様を多様化できると共に、光ケーブル余長も曲率半径を確保した上で取り回し収納できるので、光ケーブル余長の吸収に自由度を持たせて納められて伝送特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0018】
しかも、本発明では心線接続後に違った面に接続部と光ケーブル余長の光ケーブル処理部があることで、光ケーブル余長の収納が収まり良くできるし、その巻回収納にも余裕があり、光ケーブルに弛みが生じないし、光ケーブル心線に過度に屈曲することがなく曲率半径の小さい円弧状部分をも生じないで収納でき安全な保護ができる。さらに、光ケーブルと接続部を個別にインナー部材に収納し、ケース内に納めることでベース部材内に整理でき、接続作業やインナー部材の更新や交換が容易にできるし、任意光ケーブルの取り出し、接続、再収納作業に対するハンドリング特性の向上とが図れると共に、接続部の再調整や修理など簡単に行うことができ、作業性を大幅に向上できる。
【0019】
また本発明によれば、インナー部材を用いて光ケーブルの処理やアクセスパターン選定の処理をも行えるので、配線整理も整然と行うことができ、光ケーブルの分岐、引込の際に光コネクタローゼットへの光ケーブル導出入の自由度があって作業上、光ケーブル接続部へのアクセスが簡便化でき、管理や組立分解作業も容易に行なえ、光ケーブル接続部収納、光ケーブル余長収納での高信頼性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例を図面を用いて説明すると、図1乃至図5の例(アンバンドルパターン)での光コネクタローゼットは、光ケーブルaを導入する光ケーブル導入部11 例えばインドアケーブルが導入される光ケーブル挿通溝からなる光ケーブル導入部11 のあるベース部材1と、該ベース部材1に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材2と、該インナー部材2に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材3とから構成されるケース4からなり、前記インナー部材2が、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを収納する接続部固定部5、例えば光ケーブルがSCコネクタを装着した端部をSCアダプタcを介して接続する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材2を係止片22 によって前記ベース部材1に形成された係止部12 に着脱自在に固着する構成としてある。(図1及び図2)
【0021】
前記ケース4としては、樹脂材等により全体円筒形に成形されるが、前記ベース部材1は略円筒形で前面が開口された周側壁を有する円筒状筐体に成形され、周側壁の内面に係止部12 と嵌合凹部13 とを適宜間隔を開けて複数形成してあって、インナー部材2の係止片22 と案内支持片23 を装着できるようにし、さらに係止部12 を兼ねるように周側壁に内外に貫通する工具挿入孔14 を複数設けると共に、前記インナー部材2を嵌挿固着するための嵌合筒部15 をベース部材1の内面中央部に突設してある。
また前記ベース部材1は、図3のように底壁内面の中央部位に嵌合筒部15 を突設して前記インナー部材2を嵌合支持できるようにし、さらに底壁面に設けた取付孔15に固定ネジ16によって壁面に取り付けられて用いられる。
なお、光ケーブルaおよび光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタb或いは現場付けコネクタb1 と光ケーブル余長を収納処理したインナー部材2は、前記ベース部材1に形成された係止部12 に固着できるようにし、さらにインナー部材2にカバー部材3を被せて光ケーブルの保護に役立ててあり、また、周側壁に内外に貫通する工具挿入孔14 は係止部12 に連通しドライバーなどの工具を挿入して係止片22 を押し込んで係止部12 から外しベース部材1に組み込まれたインナー部材2をベース部材1から簡単に取り外すために用いられる。
【0022】
前記インナー部材2は、図3及び図5に示すように円形仕切板の両側面の一方をフィルタ入り外被把持コネクタbの接続用のSCアダプタcを装着できる接続部固定部5とし、また他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部6に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材2を前記ベース部材1内で回転して所定角度毎に位置設定してフィルタ入り外被把持コネクタbの方向を変換配備できるようにしてある。
そして、前記接続部固定部5側には、光ケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁24 を対向立設して光ケーブルの挿入開口面が形成され、光ケーブル押し込みができる光ケーブル把持部7と光ケーブルおよび前記カバー部材3を嵌装支持するガイドリブ8とを備えると共に、インナー部材2の仕切板の外周側縁に嵌合孔のある係止部21 を突設し、前記カバー部材3の係合爪部31 に係脱できる構成としている。また、インナー部材2の光ケーブル余長収納部6側では、嵌合孔のある係止片22 と案内支持片23 とを外周側縁に突設向配備して前記ベース部材1の側壁に形成した係止凸部のある係止部12 と嵌合凹部13 とに係脱できる構成とし、さらにインナー部材2の仕切板の中央部に嵌合筒部25 を立設して前記ベース部材1の嵌合筒部15 に嵌合連結できる形態とし、光ケーブル余長の巻回部として利用できる構成としている。
この場合、前記嵌合筒部15 および嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1とインナー部材2の内面に突設した嵌合筒部同士の装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としするのがよい。
【0023】
この前記光ケーブル把持部7は、ガイド壁24 に凹凸部或いはケーブル抜け防止用の膨出部を設け、さらにケーブル挿通方向に沿ってガイドリブ8をケーブル抜け防止縁として設け、光ケーブルの把持を確実にして光ケーブルに弛みが生じないように区画形成するのがよい。さらにベース部材1は、前記光ケーブル導入部11 から入る光ケーブルを接続した接続部のフィルタ入り外被把持コネクタbを収納する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6を備えたインナー部材2を着脱できる係止部例えば、装着用の嵌合爪或いは嵌合孔若しくは凹凸部の係止部によってインナー部材2をワンタッチで脱着できるようにしてあるほかインナー部材2のズレ防止機能をも果たすことができるものである。
【0024】
また、前記インナー部材2が、仕切板の片側中央部に光ケーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する円筒状リブからなる嵌合筒部25 と、仕切板の外周側縁に突設した係止片22 と案内支持片23 とによって光ケーブル余長収納部6を区画した略円形の収納部に構成した形態とするのがよく、光ーブル余長を巻回させる嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1の内面に突設した嵌合筒部15 に着脱自在に嵌合でき、装着時のケーブル挟み込み防止構造の構成とするのが好ましく、光ケーブルを分離整理収納し、光ケーブ導出入部から光ケーブルの曲げが極少で心線収納時のねじれをも防止でき、安全かつ高密度収納で高信頼性が得られるようにするのがよい。
さらに、前記インナー部材2のフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを装着できる接続部固定部5が、アダプタcのフランジを差し込み嵌合する凹溝9を含む収納部からなり、前記カバー部材3に形成した開口部32 に臨んで配備されている構成とし、SCコネクタプラグdの接続設置ができるようにして光ケーブルの保護に寄与している。
【0025】
以上のように、前記インナー部材2を含むケース4の全体が略円筒形に形成され、光コネクタローゼット内での光ケーブルの配線処理の便宜を図ることができるし、インナー部材2が円筒形に形成されるので、光ケーブル余長収納部6には、光ケーブルaがなめらかに湾曲したループ状に巻回保持できるように配慮して、伝送特性に悪影響が及ばないようにする。例えば、内装される前記インナー部材2には許容最小曲率半径を確保して光ケーブルの取り回し、収納ができ、各種の接続部例えば、フィルタ入り外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 などの接続部が収納可能であって、光ケーブル余長と接続部を一括収納できる形態とする。
【0026】
また、図6乃至図10に示す実施例(DFパターン)では、ベース部材1とカバー部材3は前例の同等の構成のものを共通して用い、インナー部材2としては、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続した現場付けコネクタb1 の光コネクタを収納する接続部固定部5と、該接続部固定部5に収納する光コネクタのコネクタソケット、例えばSCコネクタアダプタc1 の接続面を開閉するシャッタ10と、該シャッタを一方向に付勢するバネ11とからなる自動遮蔽機構12と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものを用いるものであって、該インナー部材2を前記ベース部材1に形成された係止部に着脱自在に固着し、インナー部材2にカバー部材3を着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるようにしてある。
【0027】
この場合、前記シャッタ10は枢軸13によって回動自在にインナー部材2の仕切板に取り付けられ、接続部固定部5に収納する光コネクタのコネクタアダプタc1 の接続面を開閉するするように旋回し、付勢バネ11によって自動遮蔽できる自動遮蔽機構12に構成されている。該付勢バネ11は枢軸13に旋回されその両端がシャッタ10と係支部14に掛け止められてシャッタ10を一方向に付勢されるように配備するのがよい。
【0028】
さらに、この実施例で用いられる前記インナー部材2は、前記ベース部材1に内装され、表側に現場付けコネクタb1 のコネクタアダプタc1 のフランジを差し込める嵌合凹溝9を有する接続部固定部5を備えたことと、前記嵌合筒部25 を備えて光ケーブルaの許容最小曲率半径を確保して収納できる光ケーブル余長収納部6を接続部固定部5の裏側に形成した収納部とするようにするがよい。
この場合、前記インナー部材2では、光ケーブルの曲率半径円を大径に引回し可能となるように係止部22 および案内支持片13 を嵌合筒部25 の周囲に2ケ所以上間隔をあけて円弧状に配置して光ケーブルaを引き回し保持できるようにしたり或いは区画リブを付設するようにするのがよい。
なお、このインナー部材2での前記接続部固定部5としては、インドアケーブル等の光ケーブル余長収納と、現場付けコネクタb1 のケーブル接続部の接続部固定部5とした光ケーブル処理部として配備できるようにした取扱いの簡便化を図れる形態とすることが配慮される。
【0029】
前記カバー体3は、前記インナー部材2に脱着してあるが、前記ケース4のベース部材1に嵌挿して覆うものであってもよく、カバー部材3が覆ぶされて閉蓋状態が維持でき、特に閉蓋状態では、前記ベース部材1にカバー開き止め防止機能を果たす係合凹凸部や、カバー持ち上がり防止機構となる傾斜面部を備えて、それぞれの位置で係止されてベース部材1からカバー部材3が外れることなく、光ケーブルの保護を含めて光ケーブル成端部の収納保護を確実に行え、防塵、防水、防犯用の光コネクタローゼットとして用いることができるし、カバー部材3は、前記ベース部材1との取付関係では、ネジなど使用しないでワンタッチで脱着できるようにしてある。
【0030】
この実施形態にかかる光コネクタローゼットにあっては、光ケーブルのフィルタ入り外被把持コネクタbの光ケーブル接続部を収容するときと、光ケーブルの現場付けコネクタb1 のケーブル接続部を収容する場合とに、ベース部材1に前記インナー部材2を取り替えて使用する。例えば、インドアケーブルとドロップケーブルとの接続に際しては、インナー部材2において、図1或いは図6の形態でフィルタ入り外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 を接続部固定部5に装着して光ケーブル処理部として使用する。
例えば、図11に示す如く予め前記ベース部材1を壁面に固定ネジ16によって取り付けておいて、このベース部材1のケーブル導入部11 より導入した光ケーブルaを必要ケーブル長にして、ケーブル端にフイルター入り外被把持コネクタb或いは現場付けコネクタb1 の接続部を接続し、該接続部をインナー部2の接続部固定部5に収納装着し、光ケーブルaを指で押さえてケーブル把持部7に把持する。
【0031】
次いで、この光ケーブルaを接続部固定部5の裏面にまわし光ケーブル余長をインナー部材2の嵌合筒部25 に巻回して収納し余長処理をしたのち、該インナー部材2の嵌合筒部25 を前記ベース部材1の嵌合筒部15 に挿入嵌合して、インナー部材2をベース部材1に取り付ける。この時フィルタ入り外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 の向きを任意の角度、例えば45度毎に設定することができるようになっているので、コネクタの向きを適宜調整して固定するのがよい。
そして、前記インナー部材2にカバー部材3を被せて対応する係止部21 および係合爪部31 を嵌め込んで保持して取り付けベース部材1に接続装着されてカバー部材3の開口部32 に外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 が配置され、該外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 に工場付けターミネーションケーブルに接続されたコネクタタプラグdが接続連結されて光コネクタローゼットとして使用できる。
【0032】
この場合、この光コネクタローゼットは図12に示すように、屋外の架空ケーブルAのクロージャBから分岐されたドロップケーブルCが、戸建住宅または集合住宅の住宅に設けられた光コネクタキャビネットDを経てインドアケーブルとして戸建住宅または集合住宅の住宅内に設けられた光コネクタローゼットのケース4に接続され、住宅内のフイルター内蔵のONU機器などの機器類Eに連絡接続されてDFパターン或いはアンバンドルパターンとして用いられるので、インドアケーブルをベース部材1の光ケーブル導入部11 より導出すれば、引き落とし配線が容易に処理でき、ケーブル切替、交換等の配線処理作業をも簡便にできるようになるし、この配線処理作業性の向上を図ることができる。
また、この形態ではベース部材1の光ケーブル導入部11 導入した光ケーブルaを現場付けコネクタb1 に接続して、この接続部を、接続部固定部5に嵌め込んで保持して収納が可能で、該現場付けコネクタb1 のコネクタアダプタc1 に工場付けターミネーションケーブルのSCコネクタプラグdを接続して現場での有効な配線のケーブル処理ができる。
なお、この光コネクタローゼットでは、外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 を適用した例で説明したがその他に種々の光コネクタがあり、例えば、MT−RJコネクタ、MTコネクタやFCコネクタなどが選んで用いられうる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図2】図1の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図3】図1の例で用いられるベース部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその縦断面図である。
【図4】図1の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はその平面図、(d)はX−X線における縦断面図である。
【図5】図4の例のインナー部材を示して、(a)はその背面図、(b)はその平面図である。
【図6】本発明の実施例の他の例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図7】図6の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図8】図7の例で用いられるインナー部材でシャッタを取り除いた状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はY−Y線における縦断面図である。
【図9】図7の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその右側面図、(c)はその底面図である。
【図10】図9の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその背面図、(b)はその右側面図である。
【図11】図6の例で用いられる配線組立状態を示し、(a)はその光ケーブル接続状態の分離斜視図、(b)はその光ケーブル余長収納状態の分離斜視図、(c)はその光ケーブル余長収納状態の裏側斜視図である。
【図12】本発明の実施例を用いた一使用状態の系統説明図例で、(a)は戸建住宅に適用して例、(b)は集合住宅に適用して例である。
【符号の説明】
【0034】
a 光ケーブル
b 外被把持コネクタ
b1 現場付けコネクタ
c SCアダプタ
c1 コネクタアダプタ
d SCコネクタプラグ
1 ベース部材
11 光ケーブル導入部
12 係止部
13 嵌合凹部
14 工具挿入孔
15 嵌合筒部
2 インナー部材
21 係止部
22 係止片
23 案内支持片
24 ガイド壁
25 嵌合筒部
3 カバー部材
31 係合爪部
32 開口部
4 ケース
5 接続固定部
6 光ケーブル余長収納部
7 光ケーブル把持部
8 ガイドリブ
9 凹溝
10 シャッタ
11 付勢バネ
12 自動遮蔽機構
13 枢軸
14 係支部
15 取付孔
16 固定ネジ
A 架空ケーブル
B クロージャ
C ドロップケーブル
D 光コネクタキャビネット
E 機器類
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ケーブル、特に光ファイバ心線を有する光ファイバケーブル(以下光ケーブル)の配線区間において、屋外から屋内に引き込まれる光ケーブルのケーブル接続点における接続のために用いられ、光ケーブルの接続部と、光ケーブル余長とを収納保護する光ケーブルの光コネクタローゼットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバ心線を有する光ケーブルの接続に際しては、光ケーブルの引込接続には、接続作業の失敗を見越してケーブルに余裕を持たせた光ケーブル余長と接続部を含む心線保護のためにキャビネットが必要とされている。
このため、心線接続後の接続部や心線余長を収納したり、整理するいろいろな収納トレイや収納シートが使用されている。特に、光ケーブルの引込、接続などを行う場合、光ケーブル接続用収納ケース内において光ケーブル心線相互を接続すると共に、ケーブル心線の余長分を収納するための心線接続余長収納ケースが用いられている。このケースは、光ケーブルを導出入する部分となる光ケーブル導出入部と、その光ケーブルを導出入部から導出入させる光ケーブルから引き出された光ファイバ心線同士或いは分岐用光ケーブルから引き出された心線とを接続する接続部が収納される接続部収納部と、さらに接続された心線の余長部分を巻回して保護収納する心線余長収納部とを備えた光ケーブルの成端キヤビネットが知られている。(特許文献1参照)
【0003】
特許文献1の光ケーブルの成端キヤビネットについて、その概略を図1及び図2を参照して説明すると、光ケーブルの引込線を光ケーブル接続用収納ケース4に導入され、この光ケーブル接続用収納ケース4から建物9内に向けて引込光ケーブル5が配索される。(図1)このケース4は基体ケース10と蓋ケース50を有し、基体ケース10にケーブル導入部11,12と、ケーブル巻回・接続部13と、コネクタ収納部23が区画形成されている。このコネクタ収納部23にはコネクタが収容され、該コネクタにより光ファイバ心線が接続される。そして、各光ケーブル3,5の光ファイバ心線は配索溝17からケーブル巻回・接続部13に導いてコネクタにより接続し、その余長部分をケーブル押さえ片15,24間に巻き回して保持することが記載されている。(図2)
【特許文献1】特開平9−236711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これら光ケーブル成端キャビネットでは、効率化やコスト低減の観点から相当に改善されたものであるが、光ファイバ心線を有する光ケーブルを吊線吊架箇所または宅内引き込み箇所等における現場取付け作業では、光ケーブルの現場付けコネクタまたはSCコネクタのコネクタ接続部を収納する場合と、光ファイバ心線のメカニカルスプライスまたは融着用接続部の心線接続部を収納する場合とがあり、それにともなって心線余長とケーブルとのいずれか或いはその両者を効率良く整理収納して保護する必要があって、従来の収納ケースではこれら要請には対応しきれなく、しかも特別なケースやカバー並びにシートを用いる心線接続処理部材が必要となると、組立部品も多く、構成も複雑化するし、光ケーブルと心線並びに心線接続部の安全性の確保や、取付け取り外し作業に手数が掛かり過ぎては作業性の上でも問題が生じるし、心線の取扱いがやっかいとなり、またケースをコンパクト化すると内部空間が小さくなることから接続に伴う作業や個別配線整理がやりにくくなるほか、心線余長の収納もしにくく心線余長の納まりも悪くなって心線にストレスが掛ることが多くなって心線の光損失が生じ伝送特性に悪影響を与えたりするし、心線接続作業の能率化、効率化ができないといった問題が生じることとなる。
【0005】
本発明は、これら従来の事情に鑑みてなされたものであり、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブル余長と光ケーブル接続部の両者を効率良く整理収納して安全に保護することができ、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業も容易に実施できると共に、光ケーブルの接続配線作業に際して、光ケーブルの外被把持コネクタと現場付けSCコネクタとの使い分け使用を可能として光ケーブルの取扱い操作や、ケーブル接続交換を簡単にし、安全な接続作業が能率良よく行え現場配線作業の簡素化を図り、光ケーブルの接続部におけるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事ができて信頼性を大幅に高めることができ、作業コストの低減化をも図る。
また、本発明では、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブルや光ケーブル余長の収納が納まり良くできて、光ケーブルに弛みが生じないで光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能で、しかも光ケーブル並びにドロップケーブルの収納構造を簡素化して取り扱いやすくその収納や整理も簡素化でき、きわめてコンパクト化して接続部を安全に収納することができる光コネクタローゼットを提供することを目的とするものである。
【0006】
さらに、本発明では、工場付けターミネーションケーブル〔指定した長さのターミネーションケーブル(光ケーブルの中にコードケーブルを通したもの)の片端または両端にSCコネクタを事前に装着した光ケーブルと、現場付け外被把持コネクタを装着した光ケーブルとが用いられていて、戸建住宅或いは集合住宅においてはDFパターン(専用業者局内から他事業者局設備まで光ファイバ心線を提供するもの)と、アンバンドルパターン(専用業者局内から他事業者ヘ光ファイバ心線の信号帯域の一部を提供するもの)とに分けて簡単に設置でき、分界点にフイルタを設けて専用業者局側で試験ができるようになっているので、光ケーブルのSCコネクタまたは現場付けコネクタその他のコネクタの接続部を収納する場合に現場において、それぞれ対応して取り扱えて、その光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに切換布設が簡単にでき各光ケーブルの取扱いが容易であり、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができると共に、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の光コネクトローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続したSCコネクタまたは現場付け外被把持コネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした。
【0008】
また、本発明の光コネクトローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャツタと、該シャツタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できる構成としたものである。
【0009】
また、この発明の光コネクトローゼットは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方をSCコネクタまたは現場付け外被把持コネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されているケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、光コネクタローゼットの前記インナー部材が、SCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側のケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、光ケーブルの挿入開口面を形成した光ケーブル押し込みによるケーブル把持部を備えると共に、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の光コネクタローゼットは、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円形の収納部に構成した形態とするのがよい。
【0012】
本発明は、光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成し、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材のSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成とし外被把持コネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光コネクタローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から入る光ケーブルを接続した外被把持SCコネクタまたは現場付けSCコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成として、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした構成としたので、現場取付け作業での光ケーブル接続部と光ケーブル余長とを効率良く整理収納して安全に保護することができ、光ケーブル余長の収納が納まり良くできて光ケーブルに弛みが生じない光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能である。
【0015】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタの光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャツタと、該シャツタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるほか、前記ベース部材内に光ケーブルの現場付けコネクタまたはSCコネクタのコネクタ接続部を収納する場合のインナー部材を選別嵌合配備できるようにしたので、現場においてそれぞれ対応して取り扱え、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業をも容易に実施できる。
【0016】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と共に、光ケーブル接続部並びに光ケーブル余長の収納構造を簡素化して取り扱いやすく収納や整理も簡単にでき、きわめてコンパクトに接続部を安全に収納することができるし、使用形態の選別がインナー部材の配備形態によってできるので、現場仕様に即応した形態で配線でき光コネクタローゼット内での光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに変換が簡単にでき、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに、現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができると共に、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【0017】
さらに、本発明の光コネクタローゼットでは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、円形の仕切板によって両側に分離され、その一方をSCコネクタまたは現場付けコネクタその他のコネクタの接続用のアダプタまたはコネクタソケットを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されているケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことで、著しくコンパクトであり、任意の方向でのコネクタ向きの設定が可能で、設置機器類との取り合いに容易に対応できるし、インナー部材の浮き上がり若しくは持ち上がり防止機構と、開き止め防止機構を配備したことで光ケーブルの保護に寄与でき、カバー部材を開いてインナー部材を取り出したりして光ケーブルの接続作業や接続状況の点検、確認、調整などをきわめて容易に安全に行うことができるし、共通したベース部材とカバー部材に選別された光ケーブル処理済のインナー部材を使用する形態なので、光ケーブル仕様を多様化できると共に、光ケーブル余長も曲率半径を確保した上で取り回し収納できるので、光ケーブル余長の吸収に自由度を持たせて納められて伝送特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0018】
しかも、本発明では心線接続後に違った面に接続部とケーブル余長のケーブル処理部があることで、ケーブル余長の収納が収まり良くできるし、その巻回収納にも余裕があり、光ケーブルに弛みが生じないし、光ケーブル心線に過度に屈曲することがなく曲率半径の小さい円弧状部分をも生じないで収納でき安全な保護ができる。さらに、ケーブルと接続部を個別にインナー部材に収納し、ケース内に納めることでベース部材内に整理でき、接続作業やインナー部材の更新や交換が容易にできるし、任意光ケーブルの取り出し、接続、再収納作業に対するハンドリング特性の向上とが図れると共に、接続部の再調整や修理など簡単に行うことができ、作業性を大幅に向上できる。
【0019】
また本発明によれば、インナー部材を用いて光ケーブルの処理やアクセスパターン選定の処理をも行えるので、配線整理も整然と行うことができ、光ケーブルの分岐、引込の際に光コネクタローゼットへの光ケーブル導出入の自由度があって作業上、光ケーブル接続部へのアクセスが簡便化でき、管理や組立分解作業も容易に行なえ、光ケーブル接続部収納、光ケーブル余長収納での高信頼性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例を図面を用いて説明すると、図1乃至図5の例(アバンドルパターン)での光コネクタローゼットは、光ケーブルaを導入する光ケーブル導入部11 例えばインドアケーブルが導入される光ケーブル挿通溝からなる光ケーブル導入部11 のあるベース部材1と、該ベース部材1に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材2と、該インナー部材2に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材3とから構成されるケース4からなり、前記インナー部材2が、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを収納する接続部固定部5、例えば光ケーブルがSCコネクタを装着した端部をSCアダプタcを介して接続する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材2を係止片22 によって前記ベース部材1に形成された係止部12 に着脱自在に固着する構成としてある。(図1及び図2)
【0021】
前記ケース4としては、樹脂材等により全体円筒形に成形されるが、前記ベース部材1は略円筒形で前面が開口された周側壁を有する円筒状筐体に成形され、周側壁の内面に係止部12 と嵌合凹部13 とを適宜間隔を開けて複数形成してあって、インナー部材2の係止片22 と案内支持片23 を装着できるようにし、さらに周側壁に内外に貫通する工具挿入孔14 を複数設けると共に、前記インナー部材2を嵌挿固着するための嵌合筒部15 をベース部材1の内面中央部に突設してある。
また前記ベース部材1は、図3のように底壁面の中央部位に嵌合筒部15 を突設して前記インナー部材2を嵌合支持できるようにし、さらに底壁面に設けた取付孔15に固定ネジ16によって壁面に取り付けられて用いられる。
なお、光ケーブルaおよび光ケーブルaを接続した外被把持コネクタb或いは現場付けSCコネクタb1 と光ケーブル余長を収納処理したインナー部材2は、前記ベース部材1に形成された係止部12 に固着できるようにし、さらにインナー部材2にカバー部材3を被せて光ケーブルの保護に役立ててある。
【0022】
前記インナー部材2は、図3及び図5に示すように円形仕切板の両側面の一方を外被把持コネクタbの接続用のSCアダプタcを装着できる接続部固定部5とし、また他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部6に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材2を前記ベース部材1内で回転して所定角度毎に位置設定して外被把持コネクタbの方向を変換配備できるようにしてある。
そして、前記接続部固定部5側には、ケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁24 を対向立設して光ケーブルの挿入開口面が形成され、光ケーブル押し込みができる光ケーブル把持部7と光ケーブルおよび前記カバー部材3を嵌装支持するガイドリブ8とを備えると共に、インナー部材2の外周側縁に嵌合孔のある係止部21 を突設し、前記カバー部材3の係合爪部31 に係脱できる構成としている。また、インナー部材2の光ケーブル余長収納部6側では、嵌合孔のある係止片22 と案内支持片23 とを外周側縁に突設向配備して前記ベース部材1の側壁に形成した係止凸部のある係止部12 と嵌合凹部13 とに係脱できる構成とし、さらにインナー部材2の中央部に嵌合筒部25 を立設して前記ベース部材1の嵌合筒部15 に嵌合連結できる形態とし、光ケーブル余長の巻回部として利用できる構成としている。
この場合、前記嵌合筒部15 および嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1とインナー部材2の内面に突設した嵌合筒部同士の装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としするのがよい。
【0023】
この前記光ケーブル把持部7は、ガイド壁24 に凹凸部或いはケーブル抜け防止用の膨出部を設け、さらにケーブル挿通方向に沿ってガイドリブ8をケーブル抜け防止縁として設け、光ケーブルの把持を確実にして光ケーブルに弛みが生じないように区画形成するのがよい。さらにベース部材1は、前記光ケーブル導入部11 から入る光ケーブルを接続した接続部の外被把持コネクタbを収納する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6を備えたインナー部材2を着脱できる係止部例えば、装着用の嵌合爪或いは嵌合孔若しくは凹凸部の係止部によってインナー部材2をワンタッチで脱着できるようにしてあるほかインナー部材2のズレ防止機能をも果たすことができるものである。
【0024】
また、前記インナー部材2が、仕切板の片側中央部に光ケーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する円筒状リブからなる嵌合筒部25 と、仕切板の外周側縁に突設した係止片22 と案内支持片23 とによって光ケーブル余長収納部6を区画した略円形の収納部に構成した形態とするのがよく、光ーブル余長を巻回させる嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1の内面に突設した嵌合筒部15 に着脱自在に嵌合でき、装着時のケーブル挟み込み防止構造の構成とするのが好ましく、光ケーブルを分離整理収納し、光ケーブ導出入部から光ケーブルの曲げが極少で心線収納時のねじれをも防止でき、安全かつ高密度収納で高信頼性が得られるようにするのがよい。
さらに、前記インナー部材2のフィルタ入り外被把持SCコネクタbの光コネクタを装着できる接続部固定部5が、アダプタcのフランジを差し込み嵌合する凹溝9を含む収納部からなり、前記カバー部材3に形成した開口部32 に臨んで配備されている構成とし、SCコネクタプラグdの接続設置ができるようにして光ケーブルの保護に寄与している。
【0025】
以上のように、前記インナー部材2を含むケース4の全体が略円筒形に形成され、光コネクタクローゼット内での光ケーブルの配線処理の便宜を図ることができるし、インナー部材2が円形に形成されるので、光ケーブル余長収納部6には、光ケーブルaがなめらかに湾曲したループ状に巻回保持できるように配慮して、伝送特性に悪影響が及ばないようにする。例えば、内装される前記インナー部材2には許容最小曲率半径を確保して光ケーブルの取り回し、収納ができ、各種の接続部例えば、外被把持SCコネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 などの接続部が収納可能であって、光ケーブル余長と接続部を一括収納できる形態とする。
【0026】
また、図6乃至図10に示す実施例(DFパターン)では、ベース部材1とカバー部材3は前例の同等の構成のものを共通して用い、インナー部材2としては、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続した現場付けSCコネクタb1 の光コネクタを収納する接続部固定部5と、該接続部固定部5に収納する光コネクタのコネクタソケット、例えばSCコネクタプラグc1 の接続面を開閉するシャツタ10と、該シャツタを一方向に付勢するバネ11とからなる自動遮蔽機構12と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光Lケーブル処理部としたものを用いるものであって、該インナー部材2を前記ベス部材1に形成された係止部に着脱自在に固着し、インナー部材2にカバー部材3を着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるようにしてある。
【0027】
この場合、前記シャツタ10は枢軸13によって回動自在に仕切板に取り付けられ、接続部固定部5に収納する光コネクタのSCコネクタプラグc1 の接続面を開閉するするように旋回し、付勢バネ11によって自動遮蔽できるように構成されている。該付勢バネ11は枢軸13に旋回されその両端がシャツタ10と係支部14に掛け止められてシャツタ10を一方向に付勢されるように配備するのがよい。
【0028】
さらに、この実施例で用いられる前記インナー部材2は、前記ベース部材1に内装され、表側に現場付けSCコネクタb1 のSCコネクタプラグc1 のフランジを差し込める嵌合凹溝9を有する接続部固定部5を備えたことと、前記嵌合筒部25 を備えて光ケーブルaの許容最小曲率半径を確保して収納できる光ケーブル余長収納部6を接続部固定部5の裏側に形成した収納部とするようにするがよい。
この場合、前記インナー部材2では、光ケーブルの曲率半径円を大径に引回し可能となるように係止部22 および案内支持片13 を嵌合筒部25 の周囲に2ケ所以上間隔をあけて円弧状に配置して光ケーブルaを引き回し保持できるようにしたり或いは区画リブを付設するようにするのがよい。
なお、このインナー部材2での前記接続部固定部5としては、インドアケーブル等の光ケーブル余長収納と、現場付けSCコネクタb1 のケーブル接続部の接続部固定部5とした光ケーブル用処理部として配備できるようにした取扱いの簡便化を図れる形態とすることが配慮される。
【0029】
前記カバー体3は、前記インナー部材2に脱着してあるが、前記ケース4のベース部材1に嵌挿して覆うものであってもよく、カバー部材3が覆ぶされて閉蓋状態が維持でき、特に閉蓋状態では、前記ベース部材1にカバー開き止め防止機能を果たす係合凹凸部や、カバー持ち上がり防止機構となる傾斜面部を備えて、それぞれの位置で係止されてベース部材1からカバー部材3が外れることなく、光ケーブルの保護を含めて光ケーブル成端部の収納保護を確実に行え、防塵、防水、防犯用の光コネクタローゼットとして用いることができるし、カバー部材3は、ベース部材1との取付関係では、ネジなど使用しないでワンタッチで脱着できるようにしてある。
【0030】
この実施形態にかかる光コネクタローゼットにあっては、光ケーブルの外被把持コネクタbの光ケーブル接続部を収容するときと、光ケーブルの現場付けSCコネクタb1 のケーブル接続部を収容する場合とに、ベース部材1に前記インナー部材2を取り替えて使用する。例えば、インドアケーブルとドロップケーブルとの接続に際しては、インナー部材2において、図1或いは図6の形態で外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 を接続部固定部5に装着して光ケーブル処理部として使用する。
例えば、図11に示す如く予め前記ベース部材1を壁面に固定ネジ16によって取り付けておいて、このベース部材1のケーブル導入部11 より導入した光ケーブルaを必要ケーブル長にして、ケーブル端にフイルター入り外被把持コネクタb或いは現場付けSCコネクタb1 の接続部を接続し、該接続部をインナー部2の接続部固定部5に収納装着し、光ケーブルaを指で押さえてケーブル把持部7に把持する。
【0031】
次いで、この光ケーブルaを接続部固定部5の裏面にまわし光ケーブル余長をインナー部材2の嵌合筒部25 に巻回して収納し余長処理をしたのち、該インナー部材2の嵌合筒部25 を前記ベース部材1の嵌合筒部15 に挿入嵌合して、インナー部材2をベース部材1に取り付ける。この時外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 の向きを任意の角度、例えば45度毎に設定することができるようになっているので、コネクタの向きを適宜調整して固定するのがよい。
そして、インナー部材2にカバー部材3を被せて対応する係止部21 および係合爪部31 を嵌め込んで保持して取り付けベース部材1に接続装着されてカバー部材3の開口部32 に外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 が配置され、該外被把持コネクタbまたは現場付けSCコネクタb1 に工場付けターミネーションケーブルに接続されたSCコネクタタプラグdが接続連結されて光コネクタローゼットとして使用できる。
【0032】
この場合、この光コネクタローゼットは図12に示すように、屋外の架空ケーブルAのクロージャBから分岐されたドロップケーブルCが、戸建住宅または集合住宅の住宅に設けられた光コネクタキャビネットDを経てインドアケーブルとして戸建住宅または集合住宅の住宅内に設けられた光コネクタローゼットのケース4に接続され、住宅内のフイルター内蔵のONU機器などの機器類Eに連絡接続されてDFパターン或いはアンバンドルパターンとして用いられるので、インドアケーブルをベース部材1のケーブル導入部11 より導出すれば、引き落とし配線が容易に処理でき、ケーブル切替、交換等の配線処理作業をも簡便にできるようになるし、この配線処理作業性の向上を図ることができる。
また、この形態ではベース部材1のケーブル導入部11 導入した光ケーブルaを現場付けSCコネクタb1 に接続して、この接続部を、接続部固定部5に嵌め込んで保持して収納が可能で、該現場付けSCコネクタb1 に工場付けターミネーションケーブルのSCコネクタプラグdを接続して現場での有効な配線のケーブル処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図2】図1の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図3】図1の例で用いられるベース部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその縦断面図である。
【図4】図1の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はその平面図、(d)はX−X線における縦断面図である。
【図5】図4の例のインナー部材を示して、(a)はその背面図、(b)はその平面図である。
【図6】本発明の実施例の他の例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図7】図6の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図8】図7の例で用いられるインナー部材でシャツタを取り除いた状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はY−Y線における縦断面図である。
【図9】図7の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその右側面図、(c)はその底面図である。
【図10】図9の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその背面図、(b)はその右側面図である。
【図11】図6の例で用いられる配線組立状態を示し、(a)はその光ケーブル接続状態の分離斜視図、(b)はその光ケーブル余長収納状態の分離斜視図、(c)はその光ケーブル余長収納状態の裏側斜視図である。
【図12】本発明の実施例を用いた一使用状態の系統説明図例で、(a)は戸建住宅に適用して例、(b)は集合住宅に適用して例である。
【符号の説明】
【0034】
a 光ケーブル
b 外被把持コネクタ
b1 現場付けSCコネクタ
c SCアダプタ
c1 コネクタアダプタ
d SCコネクタプラグ
1 ベース部材
11 光ケーブル導入部
12 係止部
13 嵌合凹部
14 通気孔
15 嵌合筒部
2 インナー部材
21 係止部
22 係止片
23 案内支持片
24 ガイド壁
25 嵌合筒部
3 カバー部材
31 係合爪部
32 開口部
4 ケース
5 接続固定部
6 光ケーブル余長収納部
7 光ケーブル把持部
8 ガイドリブ
9 凹溝
10 シャツタ
11 付勢バネ
12 自動遮蔽機構
13 枢軸
14 係支部
15 取付孔
16 固定ネジ
A 架空ケーブル
B クロージャ
C ドロップケーブル
D 光コネクタキャビネット
E 機器類
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ケーブル、特に光ファイバ心線を有する光ファイバケーブル(以下光ケーブル)の配線区間において、屋外から屋内に引き込まれる光ケーブルのケーブル接続点における接続のために用いられ、光ケーブルの接続部と、光ケーブル余長とを収納保護する光ケーブルの光コネクタローゼットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ファイバ心線を有する光ケーブルの接続に際しては、光ケーブルの引込接続には、接続作業の失敗を見越してケーブルに余裕を持たせた光ケーブル余長と接続部を含む心線保護のためにキャビネットが必要とされている。
このため、心線接続後の接続部や心線余長を収納したり、整理するいろいろな収納トレイや収納シートが使用されている。特に、光ケーブルの引込、接続などを行う場合、光ケーブル接続用収納ケース内において光ケーブル心線相互を接続すると共に、ケーブル心線の余長分を収納するための心線接続余長収納ケースが用いられている。このケースは、光ケーブルを導出入する部分となる光ケーブル導出入部と、その光ケーブルを導出入部から導出入させる光ケーブルから引き出された光ファイバ心線同士或いは分岐用光ケーブルから引き出された心線とを接続する接続部が収納される接続部収納部と、さらに接続された心線の余長部分を巻回して保護収納する心線余長収納部とを備えた光ケーブルの成端キヤビネットが知られている。(特許文献1参照)
【0003】
特許文献1の光ケーブルの成端キヤビネットについて、その概略を図1及び図2を参照して説明すると、光ケーブルの引込線を光ケーブル接続用収納ケース4に導入され、この光ケーブル接続用収納ケース4から建物9内に向けて引込光ケーブル5が配索される。(図1)このケース4は基体ケース10と蓋ケース50を有し、基体ケース10にケーブル導入部11,12と、ケーブル巻回・接続部13と、コネクタ収納部23が区画形成されている。このコネクタ収納部23にはコネクタが収容され、該コネクタにより光ファイバ心線が接続される。そして、各光ケーブル3,5の光ファイバ心線は配索溝17からケーブル巻回・接続部13に導いてコネクタにより接続し、その余長部分をケーブル押さえ片15,24間に巻き回して保持することが記載されている。(図2)
【特許文献1】特開平9−236711号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、これら光ケーブル成端キャビネットでは、効率化やコスト低減の観点から相当に改善されたものであるが、光ファイバ心線を有する光ケーブルを吊線吊架箇所または宅内引き込み箇所等における現場取付け作業では、光ケーブルの現場付けコネクタまたはSCコネクタのコネクタ接続部を収納する場合と、光ファイバ心線のメカニカルスプライスまたは融着用接続部の心線接続部を収納する場合とがあり、それにともなって心線余長とケーブルとのいずれか或いはその両者を効率良く整理収納して保護する必要があって、従来の収納ケースではこれら要請には対応しきれなく、しかも特別なケースやカバー並びにシートを用いる心線接続処理部材が必要となると、組立部品も多く、構成も複雑化するし、光ケーブルと心線並びに心線接続部の安全性の確保や、取付け取り外し作業に手数が掛かり過ぎては作業性の上でも問題が生じるし、心線の取扱いがやっかいとなり、またケースをコンパクト化すると内部空間が小さくなることから接続に伴う作業や個別配線整理がやりにくくなるほか、心線余長の収納もしにくく心線余長の納まりも悪くなって心線にストレスが掛ることが多くなって心線の光損失が生じ伝送特性に悪影響を与えたりするし、心線接続作業の能率化、効率化ができないといった問題が生じることとなる。
【0005】
本発明は、これら従来の事情に鑑みてなされたものであり、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブル余長と光ケーブル接続部の両者を効率良く整理収納して安全に保護することができ、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業も容易に実施できると共に、光ケーブルの接続配線作業に際して、光ケーブルの外被把持コネクタと現場付けコネクタとの使い分け使用を可能として光ケーブルの取扱い操作や、ケーブル接続交換を簡単にし、安全な接続作業が能率良よく行え現場配線作業の簡素化を図り、光ケーブルの接続部におけるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事ができて信頼性を大幅に高めることができ、作業コストの低減化をも図る。
また、本発明では、光ケーブルの現場取付け作業での光ケーブルや光ケーブル余長の収納が納まり良くできて、光ケーブルに弛みが生じないで光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能で、しかも光ケーブル並びにドロップケーブルの収納構造を簡素化して取り扱いやすくその収納や整理も簡素化でき、きわめてコンパクト化して接続部を安全に収納することができる光コネクタローゼットを提供することを目的とするものである。
【0006】
さらに、本発明では、工場付けターミネーションケーブル〔指定した長さのターミネーションケーブル(光ケーブルの中にコードケーブルを通したもの)の片端または両端にSCコネクタを事前に装着した光ケーブル〕と、現場付けコネクタを装着した光ケーブルとが用いられていて、戸建住宅或いは集合住宅においてはDFパターン(専用業者局内から他事業者局設備まで光ファイバ心線を提供するもの)と、アンバンドルパターン(専用業者局内から他事業者ヘ光ファイバ心線の信号帯域の一部を提供するもの)とに分けて簡単に設置でき、分界点にフイルタを設けて専用業者局側で試験ができるようになっているので、光ケーブルのSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタの接続部を収納する場合に現場において、それぞれ対応して取り扱えて、その光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに切換布設が簡単にでき各光ケーブルの取扱いが容易であり、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができて、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の光コネクタローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした。
【0008】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャッタと、該シャッタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できる構成としたものである。
【0009】
また、この発明の光コネクタローゼットは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方を外被把持コネクタまたは現場付けコネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定して光コネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、光コネクタローゼットの前記インナー部材が、外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側の光ケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、光ケーブルの挿入開口面を形成した光ケーブル押し込みによる光ケーブル把持部を備えると共に、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、本発明の光コネクタローゼットは、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円筒形の収納部に構成した形態とするのがよい。
【0012】
本発明は、光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ケーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成し、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材の外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成とし外被把持コネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光コネクタローゼットは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から入る光ケーブルを接続した外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成として、DFパターンと、アンバンドルパターンとに簡単に対応して設置できるようにした構成としたので、現場取付け作業での光ケーブル接続部と光ケーブル余長とを効率良く整理収納して安全に保護することができ、光ケーブル余長の収納が納まり良くできて光ケーブルに弛みが生じない光ファイバ心線に無理な屈曲や小円弧が発生することなく光損失をなくして伝送特性を良好に保つことができ安全な配線が可能である。
【0015】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ーブル導入部から導入する光ケーブルを接続した現場付けコネクタの光コネクタを収納する接続部固定部と、該接続部固定部に収納する光コネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャッタと、該シャッタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるほか、前記ベース部材内に光ケーブルの現場付けコネクタまたは外被把持コネクタのコネクタ接続部を収納する場合のインナー部材を選別嵌合配備できるようにしたので、現場においてそれぞれ対応して取り扱え、しかも光ケーブルの接続或いは再収納作業をも容易に実施できる。
【0016】
また、本発明の光コネクタローゼットでは、光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と共に、光ケーブル接続部並びに光ケーブル余長の収納構造を簡素化して取り扱いやすく収納や整理も簡単にでき、きわめてコンパクトに接続部を安全に収納することができるし、使用形態の選別がインナー部材の配備形態によってできるので、現場仕様に即応した形態で配線でき光コネクタローゼット内での光ケーブル取扱い操作や、光ケーブル接続並びに変換が簡単にでき、安全な接続作業が能率良よく行え作業性を大幅に向上できると共に、余分な収納部材を不要とし、低コストの光ケーブルの光コネクタローゼットとすることができるし、さらに、現場作業での作業者によるバラツキのない均一な作業内容での取付け配線工事を行うことができるので、信頼性を高めることができると共に、工事の工数も小さくすることができるし作業コストの低減化をも図れる。
【0017】
さらに、本発明の光コネクタローゼットでは、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、円形の仕切板によって両側に分離され、その一方を外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他のコネクタの接続用のアダプタまたはコネクタソケットを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことで、著しくコンパクトであり、任意の方向でのコネクタ向きの設定が可能で、設置機器類との取り合いに容易に対応できるし、インナー部材の浮き上がり若しくは持ち上がり防止機構と、開き止め防止機構を配備したことで光ケーブルの保護に寄与でき、カバー部材を開いてインナー部材を取り出したりして光ケーブルの接続作業や接続状況の点検、確認、調整などをきわめて容易に安全に行うことができるし、共通したベース部材とカバー部材に選別された光ケーブル処理済のインナー部材を使用する形態なので、光ケーブル仕様を多様化できると共に、光ケーブル余長も曲率半径を確保した上で取り回し収納できるので、光ケーブル余長の吸収に自由度を持たせて納められて伝送特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0018】
しかも、本発明では心線接続後に違った面に接続部と光ケーブル余長の光ケーブル処理部があることで、光ケーブル余長の収納が収まり良くできるし、その巻回収納にも余裕があり、光ケーブルに弛みが生じないし、光ケーブル心線に過度に屈曲することがなく曲率半径の小さい円弧状部分をも生じないで収納でき安全な保護ができる。さらに、光ケーブルと接続部を個別にインナー部材に収納し、ケース内に納めることでベース部材内に整理でき、接続作業やインナー部材の更新や交換が容易にできるし、任意光ケーブルの取り出し、接続、再収納作業に対するハンドリング特性の向上とが図れると共に、接続部の再調整や修理など簡単に行うことができ、作業性を大幅に向上できる。
【0019】
また本発明によれば、インナー部材を用いて光ケーブルの処理やアクセスパターン選定の処理をも行えるので、配線整理も整然と行うことができ、光ケーブルの分岐、引込の際に光コネクタローゼットへの光ケーブル導出入の自由度があって作業上、光ケーブル接続部へのアクセスが簡便化でき、管理や組立分解作業も容易に行なえ、光ケーブル接続部収納、光ケーブル余長収納での高信頼性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施例を図面を用いて説明すると、図1乃至図5の例(アンバンドルパターン)での光コネクタローゼットは、光ケーブルaを導入する光ケーブル導入部11 例えばインドアケーブルが導入される光ケーブル挿通溝からなる光ケーブル導入部11 のあるベース部材1と、該ベース部材1に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材2と、該インナー部材2に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材3とから構成されるケース4からなり、前記インナー部材2が、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを収納する接続部固定部5、例えば光ケーブルがSCコネクタを装着した端部をSCアダプタcを介して接続する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものであって、該インナー部材2を係止片22 によって前記ベース部材1に形成された係止部12 に着脱自在に固着する構成としてある。(図1及び図2)
【0021】
前記ケース4としては、樹脂材等により全体円筒形に成形されるが、前記ベース部材1は略円筒形で前面が開口された周側壁を有する円筒状筐体に成形され、周側壁の内面に係止部12 と嵌合凹部13 とを適宜間隔を開けて複数形成してあって、インナー部材2の係止片22 と案内支持片23 を装着できるようにし、さらに係止部12 を兼ねるように周側壁に内外に貫通する工具挿入孔14 を複数設けると共に、前記インナー部材2を嵌挿固着するための嵌合筒部15 をベース部材1の内面中央部に突設してある。
また前記ベース部材1は、図3のように底壁内面の中央部位に嵌合筒部15 を突設して前記インナー部材2を嵌合支持できるようにし、さらに底壁面に設けた取付孔15に固定ネジ16によって壁面に取り付けられて用いられる。
なお、光ケーブルaおよび光ケーブルaを接続したフィルタ入り外被把持コネクタb或いは現場付けコネクタb1 と光ケーブル余長を収納処理したインナー部材2は、前記ベース部材1に形成された係止部12 に固着できるようにし、さらにインナー部材2にカバー部材3を被せて光ケーブルの保護に役立ててあり、また、周側壁に内外に貫通する工具挿入孔14 は係止部12 に連通しドライバーなどの工具を挿入して係止片22 を押し込んで係止部12 から外しベース部材1に組み込まれたインナー部材2をベース部材1から簡単に取り外すために用いられる。
【0022】
前記インナー部材2は、図3及び図5に示すように円形仕切板の両側面の一方をフィルタ入り外被把持コネクタbの接続用のSCアダプタcを装着できる接続部固定部5とし、また他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部6に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材2を前記ベース部材1内で回転して所定角度毎に位置設定してフィルタ入り外被把持コネクタbの方向を変換配備できるようにしてある。
そして、前記接続部固定部5側には、光ケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁24 を対向立設して光ケーブルの挿入開口面が形成され、光ケーブル押し込みができる光ケーブル把持部7と光ケーブルおよび前記カバー部材3を嵌装支持するガイドリブ8とを備えると共に、インナー部材2の仕切板の外周側縁に嵌合孔のある係止部21 を突設し、前記カバー部材3の係合爪部31 に係脱できる構成としている。また、インナー部材2の光ケーブル余長収納部6側では、嵌合孔のある係止片22 と案内支持片23 とを外周側縁に突設向配備して前記ベース部材1の側壁に形成した係止凸部のある係止部12 と嵌合凹部13 とに係脱できる構成とし、さらにインナー部材2の仕切板の中央部に嵌合筒部25 を立設して前記ベース部材1の嵌合筒部15 に嵌合連結できる形態とし、光ケーブル余長の巻回部として利用できる構成としている。
この場合、前記嵌合筒部15 および嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1とインナー部材2の内面に突設した嵌合筒部同士の装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としするのがよい。
【0023】
この前記光ケーブル把持部7は、ガイド壁24 に凹凸部或いはケーブル抜け防止用の膨出部を設け、さらにケーブル挿通方向に沿ってガイドリブ8をケーブル抜け防止縁として設け、光ケーブルの把持を確実にして光ケーブルに弛みが生じないように区画形成するのがよい。さらにベース部材1は、前記光ケーブル導入部11 から入る光ケーブルを接続した接続部のフィルタ入り外被把持コネクタbを収納する接続部固定部5と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6を備えたインナー部材2を着脱できる係止部例えば、装着用の嵌合爪或いは嵌合孔若しくは凹凸部の係止部によってインナー部材2をワンタッチで脱着できるようにしてあるほかインナー部材2のズレ防止機能をも果たすことができるものである。
【0024】
また、前記インナー部材2が、仕切板の片側中央部に光ケーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する円筒状リブからなる嵌合筒部25 と、仕切板の外周側縁に突設した係止片22 と案内支持片23 とによって光ケーブル余長収納部6を区画した略円形の収納部に構成した形態とするのがよく、光ーブル余長を巻回させる嵌合筒部25 の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材1の内面に突設した嵌合筒部15 に着脱自在に嵌合でき、装着時のケーブル挟み込み防止構造の構成とするのが好ましく、光ケーブルを分離整理収納し、光ケーブ導出入部から光ケーブルの曲げが極少で心線収納時のねじれをも防止でき、安全かつ高密度収納で高信頼性が得られるようにするのがよい。
さらに、前記インナー部材2のフィルタ入り外被把持コネクタbの光コネクタを装着できる接続部固定部5が、アダプタcのフランジを差し込み嵌合する凹溝9を含む収納部からなり、前記カバー部材3に形成した開口部32 に臨んで配備されている構成とし、SCコネクタプラグdの接続設置ができるようにして光ケーブルの保護に寄与している。
【0025】
以上のように、前記インナー部材2を含むケース4の全体が略円筒形に形成され、光コネクタローゼット内での光ケーブルの配線処理の便宜を図ることができるし、インナー部材2が円筒形に形成されるので、光ケーブル余長収納部6には、光ケーブルaがなめらかに湾曲したループ状に巻回保持できるように配慮して、伝送特性に悪影響が及ばないようにする。例えば、内装される前記インナー部材2には許容最小曲率半径を確保して光ケーブルの取り回し、収納ができ、各種の接続部例えば、フィルタ入り外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 などの接続部が収納可能であって、光ケーブル余長と接続部を一括収納できる形態とする。
【0026】
また、図6乃至図10に示す実施例(DFパターン)では、ベース部材1とカバー部材3は前例の同等の構成のものを共通して用い、インナー部材2としては、光ケーブル導入部11 から導入する光ケーブルaを接続した現場付けコネクタb1 の光コネクタを収納する接続部固定部5と、該接続部固定部5に収納する光コネクタのコネクタソケット、例えばSCコネクタアダプタc1 の接続面を開閉するシャッタ10と、該シャッタを一方向に付勢するバネ11とからなる自動遮蔽機構12と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部6とを備えて光ケーブル処理部としたものを用いるものであって、該インナー部材2を前記ベース部材1に形成された係止部に着脱自在に固着し、インナー部材2にカバー部材3を着脱自在に固着する構成とし、レーザー光の漏れ防止によってレーザー光による失明の危険がなく安全に使用できるようにしてある。
【0027】
この場合、前記シャッタ10は枢軸13によって回動自在にインナー部材2の仕切板に取り付けられ、接続部固定部5に収納する光コネクタのコネクタアダプタc1 の接続面を開閉するするように旋回し、付勢バネ11によって自動遮蔽できる自動遮蔽機構12に構成されている。該付勢バネ11は枢軸13に旋回されその両端がシャッタ10と係支部14に掛け止められてシャッタ10を一方向に付勢されるように配備するのがよい。
【0028】
さらに、この実施例で用いられる前記インナー部材2は、前記ベース部材1に内装され、表側に現場付けコネクタb1 のコネクタアダプタc1 のフランジを差し込める嵌合凹溝9を有する接続部固定部5を備えたことと、前記嵌合筒部25 を備えて光ケーブルaの許容最小曲率半径を確保して収納できる光ケーブル余長収納部6を接続部固定部5の裏側に形成した収納部とするようにするがよい。
この場合、前記インナー部材2では、光ケーブルの曲率半径円を大径に引回し可能となるように係止部22 および案内支持片13 を嵌合筒部25 の周囲に2ケ所以上間隔をあけて円弧状に配置して光ケーブルaを引き回し保持できるようにしたり或いは区画リブを付設するようにするのがよい。
なお、このインナー部材2での前記接続部固定部5としては、インドアケーブル等の光ケーブル余長収納と、現場付けコネクタb1 のケーブル接続部の接続部固定部5とした光ケーブル処理部として配備できるようにした取扱いの簡便化を図れる形態とすることが配慮される。
【0029】
前記カバー体3は、前記インナー部材2に脱着してあるが、前記ケース4のベース部材1に嵌挿して覆うものであってもよく、カバー部材3が覆ぶされて閉蓋状態が維持でき、特に閉蓋状態では、前記ベース部材1にカバー開き止め防止機能を果たす係合凹凸部や、カバー持ち上がり防止機構となる傾斜面部を備えて、それぞれの位置で係止されてベース部材1からカバー部材3が外れることなく、光ケーブルの保護を含めて光ケーブル成端部の収納保護を確実に行え、防塵、防水、防犯用の光コネクタローゼットとして用いることができるし、カバー部材3は、前記ベース部材1との取付関係では、ネジなど使用しないでワンタッチで脱着できるようにしてある。
【0030】
この実施形態にかかる光コネクタローゼットにあっては、光ケーブルのフィルタ入り外被把持コネクタbの光ケーブル接続部を収容するときと、光ケーブルの現場付けコネクタb1 のケーブル接続部を収容する場合とに、ベース部材1に前記インナー部材2を取り替えて使用する。例えば、インドアケーブルとドロップケーブルとの接続に際しては、インナー部材2において、図1或いは図6の形態でフィルタ入り外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 を接続部固定部5に装着して光ケーブル処理部として使用する。
例えば、図11に示す如く予め前記ベース部材1を壁面に固定ネジ16によって取り付けておいて、このベース部材1のケーブル導入部11 より導入した光ケーブルaを必要ケーブル長にして、ケーブル端にフイルター入り外被把持コネクタb或いは現場付けコネクタb1 の接続部を接続し、該接続部をインナー部2の接続部固定部5に収納装着し、光ケーブルaを指で押さえてケーブル把持部7に把持する。
【0031】
次いで、この光ケーブルaを接続部固定部5の裏面にまわし光ケーブル余長をインナー部材2の嵌合筒部25 に巻回して収納し余長処理をしたのち、該インナー部材2の嵌合筒部25 を前記ベース部材1の嵌合筒部15 に挿入嵌合して、インナー部材2をベース部材1に取り付ける。この時フィルタ入り外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 の向きを任意の角度、例えば45度毎に設定することができるようになっているので、コネクタの向きを適宜調整して固定するのがよい。
そして、前記インナー部材2にカバー部材3を被せて対応する係止部21 および係合爪部31 を嵌め込んで保持して取り付けベース部材1に接続装着されてカバー部材3の開口部32 に外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 が配置され、該外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 に工場付けターミネーションケーブルに接続されたコネクタタプラグdが接続連結されて光コネクタローゼットとして使用できる。
【0032】
この場合、この光コネクタローゼットは図12に示すように、屋外の架空ケーブルAのクロージャBから分岐されたドロップケーブルCが、戸建住宅または集合住宅の住宅に設けられた光コネクタキャビネットDを経てインドアケーブルとして戸建住宅または集合住宅の住宅内に設けられた光コネクタローゼットのケース4に接続され、住宅内のフイルター内蔵のONU機器などの機器類Eに連絡接続されてDFパターン或いはアンバンドルパターンとして用いられるので、インドアケーブルをベース部材1の光ケーブル導入部11 より導出すれば、引き落とし配線が容易に処理でき、ケーブル切替、交換等の配線処理作業をも簡便にできるようになるし、この配線処理作業性の向上を図ることができる。
また、この形態ではベース部材1の光ケーブル導入部11 導入した光ケーブルaを現場付けコネクタb1 に接続して、この接続部を、接続部固定部5に嵌め込んで保持して収納が可能で、該現場付けコネクタb1 のコネクタアダプタc1 に工場付けターミネーションケーブルのSCコネクタプラグdを接続して現場での有効な配線のケーブル処理ができる。
なお、この光コネクタローゼットでは、外被把持コネクタbまたは現場付けコネクタb1 を適用した例で説明したがその他に種々の光コネクタがあり、例えば、MT−RJコネクタ、MTコネクタやFCコネクタなどが選んで用いられうる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図2】図1の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図3】図1の例で用いられるベース部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその縦断面図である。
【図4】図1の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその左側面図、(c)はその平面図、(d)はX−X線における縦断面図である。
【図5】図4の例のインナー部材を示して、(a)はその背面図、(b)はその平面図である。
【図6】本発明の実施例の他の例の一使用状態での光コネクタローゼットを示し、(a)はその分離状態の斜視図、(b)はそのインナー部材の正面図である。
【図7】図6の例の組立状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。
【図8】図7の例で用いられるインナー部材でシャッタを取り除いた状態を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はY−Y線における縦断面図である。
【図9】図7の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその右側面図、(c)はその底面図である。
【図10】図9の例で用いられるインナー部材を示し、(a)はその背面図、(b)はその右側面図である。
【図11】図6の例で用いられる配線組立状態を示し、(a)はその光ケーブル接続状態の分離斜視図、(b)はその光ケーブル余長収納状態の分離斜視図、(c)はその光ケーブル余長収納状態の裏側斜視図である。
【図12】本発明の実施例を用いた一使用状態の系統説明図例で、(a)は戸建住宅に適用して例、(b)は集合住宅に適用して例である。
【符号の説明】
【0034】
a 光ケーブル
b 外被把持コネクタ
b1 現場付けコネクタ
c SCアダプタ
c1 コネクタアダプタ
d SCコネクタプラグ
1 ベース部材
11 光ケーブル導入部
12 係止部
13 嵌合凹部
14 工具挿入孔
15 嵌合筒部
2 インナー部材
21 係止部
22 係止片
23 案内支持片
24 ガイド壁
25 嵌合筒部
3 カバー部材
31 係合爪部
32 開口部
4 ケース
5 接続固定部
6 光ケーブル余長収納部
7 光ケーブル把持部
8 ガイドリブ
9 凹溝
10 シャッタ
11 付勢バネ
12 自動遮蔽機構
13 枢軸
14 係支部
15 取付孔
16 固定ネジ
A 架空ケーブル
B クロージャ
C ドロップケーブル
D 光コネクタキャビネット
E 機器類
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続したSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えてケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項2】
請求項1記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、接続部固定部に収納する現場付けコネクタのコネクタソケットの接続面に開閉自在のシャツタと、該シャツタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構を備えていることを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光コネクタローゼットにおいて、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方をSCコネクタまたは現場付け外被把持コネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項4】
請求項3記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、SCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側のケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、ケーブルの挿入開口面を形成したケーブル押し込みによるケーブル把持部を備えたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項6】
請求項3、請求項4または請求項5記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円形の収納部に構成したことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項7】
請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項8】
請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材のSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成とし外被把持コネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする光コネクタローゼット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続したSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項2】
請求項1記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、接続部固定部に収納する現場付けコネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャッタと、該シャッタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構を備えていることを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光コネクタローゼットにおいて、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方を外被把持コネクタまたは現場付けコネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定して光コネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項4】
請求項3記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側のケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、光ケーブルの挿入開口面を形成した光ケーブル押し込みによる光ケーブル把持部を備えたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項6】
請求項3、請求項4または請求項5記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円形の収納部に構成したことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項7】
請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項8】
請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材の外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成としSCコネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項1】
光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続したSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えてケーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項2】
請求項1記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、接続部固定部に収納する現場付けコネクタのコネクタソケットの接続面に開閉自在のシャツタと、該シャツタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構を備えていることを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光コネクタローゼットにおいて、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方をSCコネクタまたは現場付け外被把持コネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定してコネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項4】
請求項3記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、SCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側のケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、ケーブルの挿入開口面を形成したケーブル押し込みによるケーブル把持部を備えたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項6】
請求項3、請求項4または請求項5記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円形の収納部に構成したことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項7】
請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項8】
請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材のSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成とし外被把持コネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする光コネクタローゼット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブルを導入する光ケーブル導入部のあるベース部材と、該ベース部材に着脱自在に嵌挿固着できるインナー部材と、該インナー部材に着脱自在に嵌挿固着しうるカバー部材とから構成されるケースからなり、前記インナー部材が、光ケーブル導入部から導入する光ケーブルを接続したSCコネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを収納する接続部固定部と、光ケーブル余長を巻回して収納する光ケーブル余長収納部とを備えて光ーブル処理部としたものであって、該インナー部材を前記ベース部材に形成された係止部に着脱自在に固着する構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項2】
請求項1記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、接続部固定部に収納する現場付けコネクタのコネクタソケットの接続面を開閉するシャッタと、該シャッタを一方向に付勢するバネとからなる自動遮蔽機構を備えていることを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の光コネクタローゼットにおいて、前記ケース全体が略円筒形のものからなり、前記インナー部材が、仕切板によって両側に分離され、その一方を外被把持コネクタまたは現場付けコネクタの接続用のアダプタを装着できる接続部固定部とし、他方を光ケーブル余長を一括収納できる光ケーブル余長収納部に構成されている光ケーブル処理部として、該インナー部材を前記ベース部材内で回転して所定角度毎に位置設定して光コネクタの方向を変換配備できるようにしたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項4】
請求項3記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部側のケーブル通路に凹凸面を有するガイド壁を対向立設し、光ケーブルの挿入開口面を形成した光ケーブル押し込みによる光ケーブル把持部を備えたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の外周側縁で光ケーブル余長収納部側に突設した嵌合爪のある係止片と、案内支持片とを対向配備して前記ベース部材の側壁に凹設した嵌合孔と係合凹部に係脱できる構成とし、さらに仕切板の外周側縁で接続部固定部側に嵌合爪のある係止片を立設して前記カバー部材の係合凹部に係脱できる構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項6】
請求項3、請求項4または請求項5記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を引き廻してループ状に巻回させて保持する嵌合筒部と、仕切板の外周側縁に突設した係止片および案内支持片とによって光ケーブル余長収納部を区画した略円形の収納部に構成したことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項7】
請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材が、仕切板の片側中央部に光ーブル余長を巻回させる円筒状リブからなる嵌合筒部を突設し、該嵌合筒部の先端部に円錐頭部を形成して、対面する前記ベース部材の内面に突設した嵌合筒部に着脱自在に嵌合でき、装着時の光ケーブル挟み込み防止構造の構成としたことを特徴とする光コネクタローゼット。
【請求項8】
請求項3、請求項4、請求項5、請求項6または請求項7記載の光コネクタローゼットにおいて、前記インナー部材の外被把持コネクタまたは現場付けコネクタその他の光コネクタを装着できる接続部固定部が、アダプタのフランジを差し込み嵌合する凹溝からなり、前記カバー部材に形成した開口部に臨んで配備されている構成としSCコネクタプラグの接続設置ができることを特徴とする光コネクタローゼット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−98610(P2006−98610A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−283437(P2004−283437)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【出願人】(591199590)株式会社正電社 (34)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【出願人】(591199590)株式会社正電社 (34)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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