説明

光ファイバ型電圧センサ

【課題】1つの光源を複数種類の用途に用いることを実現した光ファイバ型電圧センサを提供することを目的とする。
【解決手段】光ファイバ型電圧センサ10は、測定用光ファイバ部12bを有する光ファイバ12を備えており、光源11から発せられた光が光ファイバ12と測定用光ファイバ部12bとに分岐される。測定用光ファイバ部12bには、被測定回路15の電圧に応じて屈折率が変化するポッケルス効果部材21と第一FBG22とが設けられている。また、光ファイバ12には、第一FBG22と同一のブラッグ波長λとなるように形成された第二FBG23が設けられている。光源11から発せられた光のうち、第二FBG23に反射された波長λの光と、ポッケルス効果部材21によって伝播速度を変えられるとともに第一FBG22に反射された波長λの光とが合成され、干渉現象が発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ファイバを利用して電圧を測定する光ファイバ型電圧センサの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電圧を測定するためのセンサとして、ポッケルス効果やカー効果と呼ばれる電気光学効果を利用した光ファイバ型電圧センサが用いられる。ポッケルス効果とは、ある物質に電圧を印加して電場をかけると、電場の強さに比例して物質の屈折率が変化する現象である。一方、カー効果では電場の強さの2乗に比例して物質の屈折率が変化する。
【0003】
例えば特許文献1には、ポッケルス効果を有するポッケルス材料を用いて被測定電圧を測定する光ファイバ型電圧センサが開示されている。これによれば、入力用及び出力用の光ファイバが、複屈折材料であるルチル平板を介してロッドレンズの一端側に接続されている。また、ロッドレンズの他端側には、ポッケルス材料、1/8波長板及び反射板が設けられており、ポッケルス材料に被測定電圧が印加されている。入力用光ファイバに入射された光はルチル平板を通過する際に直線偏光に変換され、ポッケルス材料及び1/8波長板を通過する。次いで、光は反射板に反射され、1/8波長板及びポッケルス材料を再び通過してからルチル平板に達する。
【0004】
その際、ポッケルス材料の屈折率は被測定電圧に応じて変化しているため、ポッケルス材料を通過する光には被測定電圧に応じた位相変化が生じる。また、1/8波長板を二度通過する際に1/4波長の位相差が与えられることにより、反射板に反射されてルチル平板に達する光は楕円偏光に変換される。このように、被測定電圧に応じた位相変化が生じた状態の楕円偏光は、ルチル平板を再び通過する際に常光と異常光とに偏光分離され、異常光が出力用光ファイバに導かれる。また、この異常光の強度変化は、被測定電圧に応じた位相変化に応じたものとなる。すなわち、出力用光ファイバ内を伝播する異常光の強度を測定することにより、被測定電圧が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−198769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、光ファイバは、複数の波長の光を同時に伝送することが可能である。また、光ファイバは、例えば被測定物のひずみ、振動あるいは温度等、電圧以外の物理量を測定するためのセンサとして適用することが可能である。このような特性から、近年、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)等の車両内に、光ファイバを介して各種センサや車両の制御機器等を接続したセンサネットワークを構築することが注目されている。光ファイバに複数の波長の光を入射し、各波長を複数個所の電圧測定や電圧以外の物理量測定、あるいは測定した物理量以外の情報伝達に振り分ければ、車両内に1本の光ファイバを敷設するだけでセンサネットワークを構築できる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の光ファイバ型電圧センサでは、発する光の波長帯域が狭い半導体レーザが光源として用いられており、1つの光源により、1つのポッケルス材料に印加された電圧のみを測定する構成となっている。そのため、この光ファイバ型電圧センサは、電圧測定に用いる光の波長を選択する手段を備えておらず、仮に複数の波長の光を発する光源を用いたとしても、各波長を異なる用途に振り分けることが不可能となっている。すなわち、特許文献1に記載の光ファイバ型電圧センサでは、1つの光源を複数種類の用途に用いることができず、上述したようなセンサネットワークに適用しようとする場合、用途の数に応じた複数の光源を必要とするという問題点を有していた。
【0008】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、1つの光源を複数種類の用途に用いることを実現した光ファイバ型電圧センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る光ファイバ型電圧センサは、被測定回路の電圧を測定するセンサであって、光ファイバと、電圧に応じて屈折率が変化する電気光学効果部材とを備え、光ファイバは、光ファイバから分岐されるとともに電気光学効果部材と連結して設けられる測定用光ファイバ部を有し、測定用光ファイバ部には、入射光が伝播する方向における電気光学効果部材の下流側に第一FBGが設けられることを特徴とするものである。
【0010】
まず、FBG(ファイバブラッググレーティング)とは、光ファイバのコアの屈折率を軸方向に沿った所定の長さ周期(グレーティング周期)で変化させた回折格子であって、光ファイバへの入射光に対し、グレーティング周期に応じた所定の波長(ブラッグ波長)の光を反射し、残りの光を透過するという特性を有する。
【0011】
光ファイバに光が入射されると、入射された光は測定用光ファイバ部側にも分岐され、光ファイバ内と測定用光ファイバ部内とをそれぞれ伝播する。測定用光ファイバ部内を伝播する光は、被測定回路の電圧が印加されている電気光学効果部材に導かれ、電気光学効果部材の内部を伝播して第一FBGに入射される。電気光学効果部材の屈折率は印加されている電圧に応じて変化するため、その内部における光の伝播速度も電圧に応じて変化する。このように伝播速度が変化した光のうち、ブラッグ波長の光は第一FBGに反射され、測定用光ファイバ部内を逆行して光ファイバ内に戻される。
【0012】
光ファイバ内に戻された第一FBGからの反射光は、光ファイバ内を伝播する同じ波長の光と合成され、光の干渉現象が発生する。ここで、第一FBGからの反射光の伝播速度は、電気光学効果部材を通過する際に被測定回路の電圧に応じて変化しているため、光ファイバ内で合成されて干渉した光の強度も電圧に応じたものとなる。つまり、光ファイバ内を伝播する光のうち、第一FBGからの反射光と合成された光の強度、すなわち第一FBGが反射するブラッグ波長の光の強度を測定することにより、被測定回路の電圧が求められる。
【0013】
また、上述したように、FBGはブラッグ波長の光を反射し、残りの波長の光を透過するという特性を有している。つまり、光ファイバに光を入射する光源として、第一FBGの反射スペクトルの帯域幅より広い帯域幅を有する広帯域の光を発する機器を用いれば、ブラッグ波長の光のみを電圧測定に利用し、残りの波長の光を他の用途に利用することができる。したがって、光ファイバ型電圧センサにおいて、1つの光源を複数種類の用途に用いることが可能となる。
【0014】
光ファイバには、入射光が伝播する方向における電気光学効果部材の上流側に、第一FBGと同一波長の光を反射する第二FBGが設けられてもよい。この場合、第一FBGからの反射光と第二FBGからの反射光とが光ファイバ内で合成されて光ファイバ内を逆行する。すなわち、逆行するこの光の強度を測定することによって被測定回路の電圧が求められる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、光ファイバ型電圧センサにおいて、1つの光源が発する光を複数種類の用途に用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1に係る光ファイバ型電圧センサの構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態1に係る光ファイバ型電圧センサにおけるFBGの構成を示す概略図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係る光ファイバ型電圧センサの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明の実施の形態について添付図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、この実施の形態1に係る光ファイバ型電圧センサ10の構成を概略的に示す。
光ファイバ型電圧センサ10は、一端に光源11が接続された光ファイバ12を備えている。また、光ファイバ12は、その分岐部12aから分岐された測定用光ファイバ部12bを有している。光源11から発せられた光は、光ファイバ12内を矢印Aで示される方向に伝播するとともに、矢印Bで示されるように分岐部12aで分岐されて測定用光ファイバ部12b内を伝播する。
【0018】
光源11と分岐部12aとの間にはサーキュレータ13が設けられており、このサーキュレータ13には、分岐用光ファイバ12cを介して測定機14が接続されている。サーキュレータ13は、光源11から光ファイバ12に入射された光を矢印Aで示される方向に通過させるとともに、後述する第一FBG22及び第二FBG23から光源11側に向かって反射された反射光を、矢印Cで示すように測定機14に導く光学部品である。また、測定機14としては、例えばフォトダイオード等により、光の強度に比例する光子量(フォトン量)を測定する機器が用いられる。
【0019】
測定用光ファイバ部12bの途中には、印加された被測定回路15の電圧に応じて屈折率が変化する電気光学効果部材としてのポッケルス効果部材21が設けられており、測定用光ファイバ部12b内を伝播する光がポッケルス効果部材21内を通過可能となっている。ポッケルス効果部材21は圧電性のある等方性結晶からなる部材であり、その両側部には、被測定回路15の電圧を印加するための一対の電極21a、21bが設けられている。また、矢印Bで示される光の伝播方向におけるポッケルス効果部材21の下流側には、ポッケルス効果部材21を通過した光のうち、ブラッグ波長と呼ばれる所定の波長の光を反射する第一FBG22が、ポッケルス効果部材21と連結して設けられている。尚、この実施の形態1における測定用光ファイバ部12bは、矢印Bで示される光の伝播方向における第一FBG22の下流側で切断されている。
【0020】
一方、光ファイバ12において、矢印Aで示される光の伝播方向における分岐部12aの下流側には、分岐部12aを通過して光ファイバ12内を伝播する光のうち、ブラッグ波長の光を反射する第二FBG23が形成されている。以下に説明するように、FBGのブラッグ波長はグレーティング周期と呼ばれる長さ周期に応じて決まる値であり、第一FBG22と第二FBG23とは、ブラッグ波長が互いに同一の波長となるように設けられている。
【0021】
次に、図2を用いて、測定用光ファイバ部12b及び第一FBG22の構成について説明する。尚、これらの構成と光ファイバ12及び第二FBG23の構成とは共通であるため、図2には、光ファイバ12側の構成要素を括弧付きの符号にて示している。測定用光ファイバ部12bは、分岐部12a(図1参照)で分岐された光である入射光L1が伝播するコア24aと、コア24aの外周部を覆うクラッド24bとを有している。第一FBG22は、コア24aの屈折率を軸方向に沿った所定の長さ周期(グレーティング周期)Λで変化させた回折格子であって、例えばコア24aに紫外線等を照射することによって形成される。上述したように、第一FBG22のブラッグ波長λはグレーティング周期Λに応じて決まる値となっており、第一FBG22は、入射光L1に対してブラッグ波長λの光を反射光L2として反射するとともに、残りの波長の光を透過光L3として透過する。
【0022】
図1に戻って、光源11は、複数の波長の光を含み、且つ第一FBG22及び第二FBG23の反射スペクトルを帯域幅に含む広帯域の光を発する機器であり、例えば白色光を発するLED等が光源11として用いられる。尚、光源11から発せられる白色光とは、紫外線(不可視)、紫色〜赤色に対応する波長の光(可視)および赤外線(不可視)が連続的につながったスペクトルを示す光を指す。すなわち、光源11から入射されて光ファイバ12及び測定用光ファイバ部12bを伝播する光は無色の光のみに限定されるものではなく、そのスペクトルの帯域幅に応じた様々な色の光を含み得る。
【0023】
次に、この発明の実施の形態1に係る光ファイバ型電圧センサ10を用いて被測定回路15の電圧を測定する方法について説明する。
図1に示すように、まず、ポッケルス効果部材21の両側部に設けられた電極21aと電極21bとの間に被測定回路15の電圧が印加され、次いで、光源11から発せられた光が光ファイバ12に入射される。尚、電極21aと電極21bとの間に被測定回路15の電圧が印加されてポッケルス効果部材21に電場がかかると、ポッケルス効果部材21の屈折率が電圧に応じて変化する。光ファイバ12に入射された光はサーキュレータ13を通過し、次いで、分岐部12aにおいて分岐され、光ファイバ12内(矢印A参照)と測定用光ファイバ部12b内(矢印B参照)とを伝播する。
【0024】
分岐部12aにおいて光ファイバ12側に分岐した光は、第二FBG23に入射される。第二FBG23は、そのブラッグ波長λの光を反射するとともに残りの波長の光を透過し、反射されたブラッグ波長λの光は、矢印D2で示されるように光ファイバ12内を逆行する。一方、分岐部12aにおいて測定用光ファイバ部12b側に分岐された光は、ポッケルス効果部材21を通過して第一FBG22に入射される。ここで、ポッケルス効果部材21の屈折率は、電極21aと電極21bとの間に印加された被測定回路15の電圧に応じて変化しているため、ポッケルス効果部材21内における光の伝播速度も電圧に応じて変化する。このように伝播速度を変えられてポッケルス効果部材21を通過した光のうち、ブラッグ波長λの光は第一FBG22によって反射され、矢印D1で示すように測定用光ファイバ部12b内を逆行する。
【0025】
第一FBG22に反射されて測定用光ファイバ部12b内を逆行する反射光は、分岐部12aを通って光ファイバ12内に戻され、その内部を逆行する。また、光ファイバ12内では、第二FBG23に反射された反射光が逆行している。これらの逆行する光が分岐部12aにおいて合成されると、光の干渉現象が発生する。ここで、第一FBG22からの反射光の伝播速度は、ポッケルス効果部材21を通過する際に被測定回路15の電圧に応じて変化しているため、光ファイバ12内で合成されて干渉した光の強度もこの電圧に応じたものとなる。このように干渉した光は光ファイバ12内を逆行してサーキュレータ13に達し、分岐用光ファイバ12cを介して測定機14に導かれる。測定機14は、受け取った光の光子量、すなわちブラッグ波長λの光の光子量を測定し、測定した光子量に基づいて被測定回路15の電圧が求められる。
【0026】
また、光源11から発せられて光ファイバ12側を伝播する広帯域の光において、ブラッグ波長λ以外の波長の光は、第二FBG23に透過されてその下流側を伝播する。上述したように、被測定電圧の測定を行うために用いられる波長はブラッグ波長λの光だけであるため、第二FBG23に透過された光は、被測定回路15の電圧測定以外の用途に用いることが可能となっている。尚、このような用途としては、別の部位における電圧の測定や、例えば被測定物のひずみ、振動、温度等、電圧以外の物理量の測定、あるいは測定した物理量以外の情報伝達が挙げられる。
【0027】
このように、ポッケルス効果部材21によって伝播速度を変えられるとともに第一FBG22に反射されたブラッグ波長λの光と、光ファイバ12内を伝播して第二FBG23に反射されたブラッグ波長λの光とを合成することによって干渉現象を発生させ、干渉した光を測定機14で受け取るように構成したので、測定機14が受け取った光の強度、具体的には強度に比例する光子量に基づいて被測定回路15の電圧を測定することができる。また、光ファイバ12内を伝播する光のうち、ブラッグ波長λ以外の波長の光は第二FBG23に透過されるため、透過した光を他の用途に用いることができる。したがって、光ファイバ型電圧センサ10において、1つの光源11を複数種類の用途に用いることが可能となる。尚、複数種類の用途とは、例えば複数の箇所の電圧を測定する電圧センサに用いる場合や、電流センサ及び電圧センサ等の複数種類のセンサに用いる場合を含む。
【0028】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る光ファイバ型電圧センサについて説明する。この実施の形態2に係る光ファイバ型電圧センサは、実施の形態1における測定機14が、光ファイバ12において光源11側に接続されていたのに対し、測定機14を光源11とは反対側となる端部に接続するように構成したものである。尚、以下に説明する実施の形態において、図1、2に示される符号と同一の符号は同一または同様の構成要素であるため、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図3に示すように、光ファイバ型電圧センサ30における光ファイバ12の一端には光源11が接続されており、他端には測定機14が接続されている。また、光ファイバ12の途中にはサーキュレータ31が設けられており、このサーキュレータ31に測定用光ファイバ部12bが接続されている。測定用光ファイバ部12bには、実施の形態1と同様にポッケルス効果部材21及び第一FBG22が設けられている。一方、光ファイバ12には、実施の形態1における第二FBG23は設けられておらず、光ファイバ12側を伝播する光(矢印A参照)が、測定機14に導かれるようになっている。
【0030】
サーキュレータ31は、光源11から光ファイバ12に入射された光を矢印Aで示される方向に通過させるとともに、矢印Bで示されるように測定用光ファイバ部12bに分岐させる。また、サーキュレータ31は、第一FBG22が反射した光(矢印D1参照)を矢印Eで示される方向、すなわち矢印Aで示される方向に伝播する光に合流させる方向に通過させる。その他の構成については実施の形態1と同様である。
【0031】
以上のように構成される光ファイバ型電圧センサ30において、光源11から光ファイバ12に入射された光はサーキュレータ31によって分岐され、光ファイバ12内と測定用光ファイバ部12b内とを伝播する。測定用光ファイバ部12b内を伝播する光は、ポッケルス効果部材21を通過する際に被測定回路15の電圧に応じた伝播速度に変えられてから第一FBG22に入射される。第一FBG22は、入射された光のうちブラッグ波長λの光を反射し、この反射光がサーキュレータ31によって光ファイバ12内に戻されると、実施の形態1と同様に、波長λの光同士が合成されることによって光の干渉現象が発生する。干渉した光は光ファイバ12内を矢印Aで示される方向に伝播して測定機14に導かれ、それにより、被測定回路15の電圧が求められる。
【0032】
このように、光ファイバ12の一端側に光源11が接続され、他端側に測定機14が接続されるように光ファイバ型電圧センサ30を構成しても、実施の形態1と同様に、光の干渉現象を利用して被測定回路15の電圧を求めることができる。また、この電圧の測定に利用している光は、第一FBG22のブラッグ波長λの光のみであるため、実施の形態1と同様に、波長λ以外の波長の光を他の用途に利用することができる。さらに、光ファイバ型電圧センサ30では、実施の形態1における第二FBG23のように、光ファイバ12にFBGを形成する必要がないため、低コストで被測定回路15の電圧測定を行うことも可能となる。
【0033】
実施の形態1、2における電気光学効果部材は、ポッケルス効果を有するポッケルス効果部材21として構成されたが、ポッケルス効果を利用することに限定するものではない。電場の強さの2乗に比例して物質の屈折率が変化するカー効果を有する部材を電気光学効果部材として用いても、実施の形態1、2と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0034】
10,30 光ファイバ型電圧センサ、12 光ファイバ、12b 測定用光ファイバ部、15 被測定回路、21 ポッケルス効果部材(電気光学効果部材)、22 第一FBG、23 第二FBG。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定回路の電圧を測定する光ファイバ型電圧センサであって、
光ファイバと、
電圧に応じて屈折率が変化する電気光学効果部材と
を備え、
前記光ファイバは、前記光ファイバから分岐されるとともに前記電気光学効果部材と連結して設けられる測定用光ファイバ部を有し、
前記測定用光ファイバ部には、入射光が伝播する方向における前記電気光学効果部材の下流側に第一FBGが設けられることを特徴とする光ファイバ型電圧センサ。
【請求項2】
前記光ファイバには、前記入射光が伝播する方向における前記電気光学効果部材の上流側に、前記第一FBGと同一波長の光を反射する第二FBGが設けられる請求項1に記載の光ファイバ型電圧センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−32968(P2013−32968A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169126(P2011−169126)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】