説明

光学的情報読取装置

【課題】情報コードを読み取る光学的情報読取装置において、使用者による把持状態を把握することができ、且つ把持状態に合わせたレベルで報知を行い得る構成を提供する。
【解決手段】把持部54及びトリガスイッチ42において、外部に露出するように複数の電極5が配置される。そして、複数の電極5を介して当該各電極5付近の電気的状態を測定する測定部と、読取手段による情報コードの読み取りに関する情報を報知するバイブレータと、前記測定部よる電気的状態の測定結果に応じて前記バイブレータの振動強度を変更する変更手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バーコード、二次元コード等の光学情報の読み取り機能を備えた光学的情報読取装置などの端末では、当該端末の情報を使用者に報知する報知機構が設けられた構成が知られている。このような報知機構が設けられた端末として、例えば、下記特許文献1に示すものが知られている。
【0003】
特許文献1には、携帯用電話機等の携帯用通信端末において、音、光、振動により着呼を報知する報知機構が設けられている。そして、騒音センサ(114a),置き方センサ(114b),光センサ(114c)等の検知結果に基づいて、携帯用通信端末の状態を判断し、音、光、振動による報知方法のうちから、該状態に応じた1つ以上の報知方法を選択し、報知方法およびその報知量を選択するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−235830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような報知手段を備えた光学的情報読取装置では、装置の把持状態、或いは使用状態に合わせて報知レベルを変更すべき場合があり、特に、装置を素手で持って使用する場合には報知レベルを小さくし、手袋(軍手)等を介して装置を持つような場合には報知レベルを大きくすべき場合が想定されうる。
【0006】
例えば、比較的騒音の大きな場所(工場等)などでは、音声による報知に代えて、或いは音声による報知と併用して振動による報知を行うことが望ましく、例えば、情報コードが適切に読み取られた場合に所定の振動を発生させるようにすれば、使用者は騒音が大きい環境下でも読み取りの可否を適切に判断できるようになる。しかしながら、使用者に対して振動によって報知する場合、使用者が装置を素手で把持している場合には振動が伝わりやすいためそれほど問題とならないが、使用者が手袋等をしている場合には、振動が使用者に伝わり難くなるという問題がある。他方、このような問題を解消するために、闇雲に振動を大きくしてしまうと、素手で把持しているときの振動が過剰となってしまい、消費電力の増大や操作性の低下を招いてしまうことになる。
【0007】
なお、本願の関連技術として、上記特許文献1のようなものが提供されているが、この特許文献1は、端末の待機時の環境に応じて報知方法および報知量を変更するものであり、使用者による把持状態が変化することを想定したものではなく、把持状態に合わせて報知レベルを変更し得るものでもなかった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、情報コードを読み取る光学的情報読取装置において、使用者による把持状態を把握することができ、且つ把持状態に合わせたレベルで報知を行い得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、情報コードを光学的に読み取る読取手段と、前記読取手段を収容するケースとを備え、前記ケースの一部に使用者によって把持される把持部が形成されてなる光学的情報読取装置であって、前記把持部又は前記把持部に設けられた部品において外部に露出するように配される電極と、前記電極を介して当該電極付近の電気的状態を測定する測定手段と、前記読取手段による前記情報コードの読み取りに関する情報を報知する報知手段と、前記測定手段による前記電気的状態の測定結果に応じて、前記報知手段の報知レベルを変更する変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係る光学的情報読取装置では、把持部又は把持部に設けられた部品において外部に露出するように電極が配されている。そして、電極を介して当該電極付近の電気的状態を測定する測定手段と、読取手段による情報コードの読み取りに関する情報を報知する報知手段と、測定手段による電気的状態の測定結果に応じて報知手段の報知レベルを変更する変更手段とを備えている。
【0011】
この構成では、情報コードを読み取る際に(すなわち、使用者が当該装置を把持した状態で)、把持部又は把持部に設けられた部品に配される電極付近の電気的状態を把握することができる。従って、例えば、電極付近の電気的状態に基づいて使用者が把持部を素手で持っているのか、それとも手袋等をはめた状態で持っているのかを判別することができ、装置の把持状態、或いは装置の使用状態等に合わせて報知レベルを適切に変更できるようになる。
【0012】
請求項2の発明では、報知手段が振動を発生する振動手段を備えている。そして、変更手段は、測定手段による電気的状態の測定結果に応じて、振動手段の振動強度を変更するようにしている。
【0013】
この構成では、当該読取装置の把持状態に応じて、適切な振動強度にすることができるので、使用者に情報コードの読み取りに関する情報を確実に報知することができる。例えば、使用者が手袋等をはめた状態で把持部を把持している場合や、把持部をしっかり握っていない場合などには、振動強度を大きくすることで、振動を確実に使用者に伝えることができる。
【0014】
請求項3の発明では、把持部又は把持部に設けられた部品において、複数の電極が配置されており、測定手段は、複数の電極における電極間の抵抗値又は電極間を流れる電流値を測定するようにしている。
【0015】
このように、複数の電極を用いて抵抗値又は電流値を測定することで、使用者による把持状態をより詳細に把握することができ、把持状態に応じた適切な報知レベルに、より変更しやすくなる。
【0016】
請求項4の発明では、測定手段は、複数の電極間を測定対象位置とし且つ各電極間の抵抗値又は各電極間に流れる電流値を各測定値として測定するように構成されている。そして、変更手段は、測定手段によって測定された各電極間の抵抗値の最小値又は電流値の最大値に基づいて報知手段の報知レベルを変更するようにしている。
【0017】
この構成によれば、使用者の手が把持部に一番密着して接触している箇所の値に基づいて、報知レベルを変更するようにしているので、例えば把持部の形状により、電気量を検出しやすい箇所とし難い箇所が存在する場合でも、最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0018】
請求項5の発明では、測定手段は、複数の電極間を測定対象位置とし且つ各電極間の抵抗値又は各電極間に流れる電流値を各測定値として測定するように構成されている。そして、変更手段は、測定手段によって測定された各電極間の各測定値の平均値に基づいて報知手段の報知レベルを変更するようにしている。
【0019】
この構成によれば、使用者が手袋等をはめた状態と素手の状態とでは、平均値に大きな差が出やすくこの2つの状態を区別しやすくなるので、この状態に応じて最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0020】
請求項6の発明では、測定手段によって測定された複数の電極における電極間の抵抗値又は電極間を流れる電流値に基づいて、使用者の手が接触している電極の個数を検出可能な検出手段を備えている。そして、変更手段は、検出手段の検出結果に応じて、報知手段の報知レベルを変更するようにしている。
【0021】
この構成によれば、使用者の把持部の握り具合(すなわち、把持部全体を握っているか、把持部の一部のみを握っているかなど)を確実に検知することができるので、使用者の把持状態に応じて最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0022】
請求項7の発明では、外部操作可能なトリガスイッチを備えており、電極がトリガスイッチにおいて外部に露出するように配されている。そして、読取手段は、トリガスイッチに対する外部操作をトリガとして情報コードの読み取りを開始するように構成されている。
【0023】
このように、トリガスイッチにも電極が設けられていれば、情報コードの読み取りを開始する直前の装置の把持状態、或いは使用状態に合わせて報知レベルを設定することができるので、読み取りに関する情報を使用者に確実に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1(A)は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示する正面図であり、図1(B)は、図1(A)の光学的情報読取装置の左側面図であり、図1(C)は、図1(A)の光学的情報読取装置の右側面図である。
【図2】図2は、使用者が把持部を把持している状態を説明する説明図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、測定部の電気的構成を説明する説明図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置における振動強度の変更処理の流れを例示するフローチャートである。
【図6】図6は、バイブレータの振動強度の調整の一例を示す表である。
【図7】図7(A)は、第1実施形態における他の変形例に係る光学的情報読取装置を概略的に例示する平面図であり、図7(B)は、図7(A)の光学的情報読取装置の側面図であり、図7(C)は、図7(A)の光学的情報読取装置の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1〜図4等を参照して第1実施形態に係る光学的情報読取装置1の全体構成について説明する。なお、図1(A)は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置を概略的に例示する正面図であり、図1(B)は、図1(A)の光学的情報読取装置の左側面図であり、図1(C)は、図1(A)の光学的情報読取装置の右側面図である。図2は、使用者が把持部を把持している状態を説明する説明図である。図3は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置の電気的構成を示すブロック図である。図4は、測定部の電気的構成を説明する説明図である。
【0026】
図1、図2に示すように、光学的情報読取装置1は、読取対象物に表示されたバーコード等の情報コード(以下、単に「バーコードB」ともいう)を光学的に読み取る装置として構成されるものであり、外郭部を構成するケース50内に各種電子部品が収容された構成をなしている。
【0027】
この光学的情報読取装置1は、延出した構成をなす長手状の把持部54と、把持部54の延出側とは異なる側に延出する長手状の読取部52と、を備えており、読取部52の長手方向中間位置(具体的には読取部52の後端寄りの位置)を基端として把持部54が延出する構成をなしている。
【0028】
すなわち、図1及び図2に例示される光学的情報読取装置1は、ケース50の一部に使用者によって把持される把持部54が形成されており、いわゆるガンタイプとして構成されるものであり、より詳しくは読取部52が延びる方向(読取部52の長手方向)と、把持部54が延びる方向(把持部54の長手方向)とがほぼ直交するように構成されている。なお、本実施形態では、読取部52の長手方向において読取口56が設けられる側を前方側、それとは反対側を後方側としている。
【0029】
把持部54は、使用者が手に持って握ることができる程度のサイズで構成されており、把持部54の前面には、情報コードの読み取り開始を指示するためのトリガスイッチ42が設けられている。このトリガスイッチ42は、使用者による押圧操作を受けると把持部54の内部に配置された読取開始スイッチ(図示せず)がオンし、バーコードBの読取りが開始されるようになっている。そして、把持部54とトリガスイッチ42には、外部に露出するように複数の電極5(詳細は後述)が設けられている。
【0030】
また、読取部52は、長手方向一端部において開口部として構成される読取口56が設けられており、その内部には後述する照明光を発するLED、読取対象からの反射光を受光する受光センサ、各種制御を行う制御回路(マイコン等)、メモリなどが収容されている。読取部52に形成された読取口56は、読取対象(バーコード等の情報コード、図2ではバーコードBを例示)に対する照明光を導出し、かつ読取対象からの反射光を導入する光導出入口として構成されている。
【0031】
(電気的構成)
次に、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置1の電気的構成について説明する。
光学的情報読取装置1は、ケース50の内部に回路部20が収容されており、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガスイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0032】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図3では、バーコードBが表示された照射面Sに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0033】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、CCDエリアセンサとして構成されるものであり、バーコードBまたは照射面Sに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。
【0034】
結像レンズ27は、外部から読取口56を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本第1実施形態では、照明光源21から照射された照明光LfがバーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0035】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガスイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48、測定部49等から構成されている。
【0036】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、生成されてメモリ35に入力されると、所定のコード画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0037】
制御回路40は、光学的情報読取装置1全体を制御可能なマイコンによって構成されており、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有するとともに、情報処理機能を備えており、メモリ35とともに情報処理装置を構成している。本実施形態では、制御回路40に対し、トリガスイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48、測定部49等が接続されている。
【0038】
これにより、制御回路40は、例えば、トリガスイッチ42の監視や管理、バーコードBの読み取りに関する情報を報知するインジケータとして機能する発光部43の点灯・消灯や発光量制御、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフや音量制御、当該光学的情報読取装置1の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御、液晶表示器46の表示制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。なお、発光部43、ブザー44及びバイブレータ45は、「報知手段」の一例に相当する。また、バイブレータ45は、「振動手段」の一例に相当する。そして、受光センサ28等と協働してバーコードBの読み取りを行う制御回路40及び読取部52は、「読取手段」の一例に相当する。
【0039】
測定部49は、電極5を介して当該電極5付近の電気的状態を測定すると共に、この測定結果に基づいて使用者の手が接触している電極5の個数を検出し、制御回路40へ出力するように構成されている。そして、この測定部49からの信号に基づき、制御回路40は、バイブレータ45等の報知レベル(例えば、バイブレータ45の振動強度)を変更するようになっている。なお、測定部49は、「測定手段」及び「検出手段」の一例に相当する。また、バイブレータ45等の報知レベルを変更する制御回路40は、「変更手段」の一例に相当する。
【0040】
(特徴的構成)
次に、本実施形態の特徴的構成について詳述する。
本実施形態に係る光学的情報読取装置1は、図1に示すように、把持部54に、略円形状に形成される電極5が、外部に露出する態様で複数配置されている。具体的に、把持部54の左側面及び右側面には、それぞれ9個の電極5が所定の間隔をあけて設けられている。そして、把持部54の正面側には、3つの電極5が一列に設けられている。これら複数の電極5は、使用者が把持部54を握ったときに、使用者の手が比較的接触し易い箇所に設けられている。また、電極5の大きさや個数、間隔は、把持部54の形状や大きさなどに応じて、適宜変更することができる。
【0041】
さらに、把持部54の前面側に設けられたトリガスイッチ42の外部に露出するように電極5が設けられている。より具体的に、この電極5は、図1に示すように、トリガスイッチ42の外表面全体を覆うように設けられており、使用者がトリガスイッチ42を操作する際に、使用者の手(指)が電極5に触れるように構成されている。このように、把持部及びトリガスイッチ42には、合計20個の電極5が設けられている。
【0042】
次に、上述のように設けられる電極5の電気的状態を測定する測定部49の電気的構成について、図4を参照して説明する。なお、説明の便宜上、図4には、20個の電極のうち、6つの電極のみ示してあり、それぞれ5a、5b、5c、5d、5e、5fとしている。そして、電極5aと電極5b、電極5cと電極5d、電極5eと電極5fがそれぞれペアとなっており、本実施形態では、これらそれぞれの電極間を測定対象位置とするように、各測定部49a、49b、49cが構成されている。すなわち、図4に示す例では、測定対象位置は合計3箇所となる。実際には、電極5は合計20個設けられ、測定部49a、49b、49c以外でも電極5のペアが構成されており、各ペアが測定部49a、49b、49cと同様の測定部となっており、実際の測定対象位置(電極間の数)は合計で10箇所となる。また、トリガスイッチ42に設けられる電極5は、把持部54に設けられる複数の電極5のうちのいずれか1つとペアになるように構成されている。以下では、電極5aがトリガスイッチ42に設けられる電極であり、電極5bが、これとペアになる把持部54のいずれかの電極である場合について説明する。
【0043】
図4に示すように、電極5a、電極5c、電極5eには、それぞれ定電圧発生器(図示しない電源回路等、以下電源V)が接続されており、各スイッチSW1、SW2、SW3がオン動作し且つ各電極間がオープン状態にあるときに各測定部の高電位側の電極(電極5a、5c、5e、及び図示しない高電位側の電極)に定電圧が印加されるようになっている。また、電極5b、電極5d、電極5fは、グランドGndに導通しており、電位がグランドレベルで維持されるようになっている。そして、各測定部(各測定部49a、49b、49c及び図示しない同様の測定部)において、電源V側の電極(電極5a、電極5c、電極5e及び図示しない同様の電極)とグランド側の電極(電極5b、電極5d、電極5f及び図示しない同様の電極)との間の電流値又は抵抗値を検出するように検出回路41a、41b、41c及び図示しない検出回路が設けられている。そして、これら検出回路(検出回路41a、41b、41c及び図示しない同様の検出回路)での検出結果がそれぞれ制御回路40に入力されるようになっている。
【0044】
検出回路41a、41b、41c及び図示しない同様の検出回路は、公知の電流検出回路として構成することができ、この場合、例えば、検出回路41aは、抵抗Raをシャント抵抗としてこの抵抗Raでの電圧降下を測定することにより電極5a、5b間の電流値を検出する構成とすることができる。検出回路41b、41c等も同様であり、検出回路41bは、抵抗Rbをシャント抵抗としてこの抵抗Rbでの電圧降下を測定することにより電極5c、5d間の電流値を検出する構成とすることができ、検出回路41cは、抵抗Rcをシャント抵抗としてこの抵抗Rcでの電圧降下を測定することにより電極5e、5f間の電流値を検出する構成とすることができる。なお、ここに示す例はあくまで一例であり、検出回路41aは、電極5a、5b間の電流値を検出し得る構成であれば他の公知の電流計として構成されていてもよい。また、検出回路41bは、電極5c、5d間の電流値を検出し得る構成であれば他の公知の電流計として構成されていてもよく、検出回路41cは、電極5e、5f間の電流値を検出し得る構成であれば他の公知の電流計として構成されていてもよい。
【0045】
このように構成される光学的情報読取装置1では、図2に示すように、使用者が把持部54を把持すると、使用者の手が接している電極対(例えば電極5aと電極5b、電極5cと電極5d、電極5eと電極5f)の電極間が導通されることとなり、このときに電極5aと電極5bの間、電極5cと電極5dの間、電極5eと電極5fをそれぞれ流れる電流の電流値I1、I2、I3が検出回路41a、41b、41cでそれぞれ測定されることになる。なお、図示しない電極対を流れる電流値も同様の検出される。そして、検出回路41a、41b、41c等で検出された電流値I1、I2、I3等は、それぞれ制御回路40に入力され、制御回路40での演算に用いられるようになっている。
【0046】
なお、ここでは、各検出回路41a、41b、41cによって各電極間を流れる電流の電流値I1、I2、I3をそれぞれ検出し、制御回路40に出力しているが、電源Vの各電圧値及びシャント抵抗Ra、Rb、Rcのそれぞれの値が既知であるため、各電流値I1、I2、I3が判明すれば、電極5aと電極5bの間、電極5cと電極5dの間、電極5eと電極5fの間の抵抗値R1、R2、R3も判明するため、検出回路41a、41b、41cからこれら抵抗値R1、R2、R3を出力するようにしてもよい。
【0047】
そして、上記構成では、図2に示すように軍手などの手袋をして把持部54を把持している状態と、素手で把持部54を把持している状態とでは、各電極間を流れる電流の電流値が大きく異なるので(軍手などの手袋をしている状態では各電極間の電気抵抗値が高くなりやすく、各電極間に流れる電流値は小さくなりやすいので)、この性質を利用して把持状態等を判別し、この判別結果に応じてバイブレータ45等の報知レベルを変更するようにしている。なお、本実施形態では、主にバイブレータ45の振動強度を変更する場合を例に挙げ、次に説明する。
【0048】
(振動強度の変更処理)
次に、上述のように構成される光学的情報読取装置1において、実施されるバイブレータ45の振動強度(報知レベル)の変更処理について、図5及び図6を用いて説明する。
なお、図5は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置における振動強度の変更処理の流れを例示するフローチャートである。図6は、バイブレータの振動強度の調整の一例を示す表である。
【0049】
まず、ステップS1にて、バイブレータ45の振動強度を初期化(リセット)する。このステップS1の処理では、例えば、使用者が操作ボタン(図示略)等を操作することにより、バイブレータ45の振動強度を自動で変更するか、若しくは、手動で変更するかを設定する。そして、使用者がバイブレータ45の振動強度を自動で変更するように設定すると、ステップS2にて、電気抵抗値、若しくは、電流値の初期化を行う。
【0050】
本実施形態では、上述したように、電極間の電気抵抗値又は電流値の少なくともいずれかを測定することで把持状態を検出するようになっている。そして、このステップS2の処理では、測定部49に印加する定電圧の値を初期設定する。具体的に、例えば、図略の表示装置に、「工場」、「店舗」などといった使用環境を選択できる画面が表示され、使用者がいずれかを選択すると、電源V(定電圧発生器)の定電圧はその選択された内容に対応する値に設定され、測定部49に印加されるようになっている。
【0051】
そして、使用者によりトリガスイッチ42が押されると読取開始スイッチがオンし、制御回路40等によって、バーコードBの読取処理が開始されるようになっている(ステップS3)。このステップS3では、バーコードBの画像が取得され、取得された画像内のバーコードBに対してデコードが行われる。
【0052】
また、本実施形態では、トリガスイッチ42が押されたときに、各測定部(測定部49a、49b、49c及び図示しない同様の測定部)を構成する高電位側の電極に所定電圧が印加されるようになっており、ステップS4では、各電極間に流れる電流値又は各電極間の電気抵抗値が測定されるようになっている。具体的には、トリガスイッチ42が押されたときに、各測定部(測定部49a、49b、49c及び図示しない同様の測定部)に設けられたスイッチ(スイッチSW1、SW2、SW3及び他の測定部の図示しないスイッチ)に対し、制御回路40から一定期間オン信号が出力されるようになっており、トリガスイッチ42が押されてからの一定期間だけ、各測定部(測定部49a、49b、49c及び図示しない測定部)を構成する高電位側の電極(電極5a、5c、5e及び図示しない高電位側の電極)に対して所定電圧が印加されるようになっている。つまり、トリガスイッチ42が押されてから一定期間だけ、各測定部の電極間に電流を流すことが可能となっている。このように高電位側の電極(電極5a、5c、5e及び図示しない高電位側の電極)に対して所定電圧が印加されているとき、検出回路(各検出回路41a、41b、41c及び図示しない検出回路)からは、各電極間を流れる電流の値が出力される。又は、高電位側の電極(電極5a、5c、5e及び図示しない高電位側の電極)に対して所定電圧が印加されているときに、検出回路(各検出回路41a、41b、41c及び図示しない検出回路)から各電極間の抵抗値が出力されるようにしてもよい。
【0053】
さらに、ステップS4では、使用者の手が接触している電極の個数を、各測定部の電極間を流れる電流値又は電極間の電気抵抗値に基づいて算出するようにしている。具体的には、例えば所定の閾値電流値が定められており、各検出回路(各検出回路49a、49b、49c及び図示しない検出回路)で検出された電流値が閾値電流値を上回った場合に当該検出回路が接続された両電極を「使用者の手が接触している電極」として扱う。或いは、所定の閾値抵抗値が定められており、各検出回路(各検出回路49a、49b、49c及び図示しない検出回路)で検出された抵抗値が閾値抵抗値を下回った場合に当該検出回路が接続された両電極を「使用者の手が接触している電極」として扱う。
【0054】
そして、ステップS4にて取得されたデータをもとに、ステップS5にてバイブレータ45の振動強度の設定処理が行われる。この設定処理では、例えば後述の「測定電流値」と上述の「使用者の手が接触している電極」の個数とに基づき、図6(A)に示す振動強度調整表によりバイブレータ45の振動強度が自動的に設定されるようになっている。
【0055】
「測定電流値」としては、各電極間を流れる各電流値(各検出回路から出力された各電流値)のうちの最大値を用いることができる。例えば、図4に示す例を用いると、電流値の最大値は、I1、I2、I3・・・のうちから最も大きな値となる。このように各電極間の電流値の最大値を算出しこの値を「測定電流値」として用いる場合、使用者の手が把持部54に一番密着して接触している箇所の値に基づいて報知レベルが変更されるので、例えば把持部54の形状により、電気量を検出しやすい箇所とし難い箇所が存在する場合でも、最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0056】
図6(A)に示す振動強度調整表では、バイブレータ45の振動強度は「強」、「中」、「弱」の3段階で変更されるようになっている。例えば、「測定電流値」(即ち、各電極間の電流値の内の最大電流値)が500nAで、使用者の手が接触している電極の個数が4個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「強」に設定される。また、「測定電流値」(各電力間の最大電流値)が1500nAで、使用者の手が接触している電極の個数が16個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「弱」に設定される。この例では、「測定電流値」が大きくなるほど振動強度を弱くし、「使用者の手が接触している電極の個数」が多くなるほど振動強度を弱くしている。
【0057】
またステップS4では、各電極間の電流値の最大値を用いる代わりに、各電極間の各測定値の平均値を算出し、この値を図6(A)に示す振動強度調整表の「測定電流値」として用いてもよい。例えば、各電極間の電流値の平均値は、各電極間を流れる電流値の総和(I1+I2+I3+・・・)を測定対象位置の総数(10)で除算することにより求めることができる。この場合、例えば、「測定電流値」(即ち、各電極間の各電流値の平均値)が500nAで、使用者の手が接触している電極の個数が4個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「強」に設定される。また、「測定電流値」(即ち、各電極間の各電流値の平均値)が1500nAで、使用者の手が接触している電極の個数が16個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「弱」に設定される。このように各電極間の各電流値の平均値を算出してこの値を用いる場合、使用者が手袋等をはめた状態と素手の状態とで大きな差が出やすくこの2つの状態を区別しやすくなるので、この状態に応じて最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0058】
また、S4の設定処理では、上述の設定方法を用いずに、測定抵抗値と使用者の手が接触している電極の個数とに基づき、図6(B)に示す振動強度調整表によりバイブレータ45の振動強度が自動的に設定されるようにしてもよい。
【0059】
「測定抵抗値」としては、各電極間の各抵抗値(各検出回路で各電極間の抵抗値を検出する構成とした場合に各検出回路から出力される値)のうちの最小値を用いることができる。例えば、図4に示す例を用いると、各抵抗値の最大値は、R1、R2、R3・・・のうちから最も小さな値となる。このように各電極間の抵抗値の最小値を算出しこの値を「測定抵抗値」として用いる場合、使用者の手が把持部54に一番密着して接触している箇所の値に基づいて報知レベルが変更されるので、例えば把持部54の形状により、電気量を検出しやすい箇所とし難い箇所が存在する場合でも、最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0060】
図6(B)に示す振動強度調整表では、バイブレータ45の振動強度は「強」、「中」、「弱」の3段階で変更されるようになっている。例えば、「測定抵抗値」(即ち、各電極間の抵抗値の内の最小抵抗値)が8kΩで、使用者の手が接触している電極の個数が4個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「強」に設定される。また、「測定抵抗値」(即ち、各電極間の抵抗値の内の最小抵抗値)が25kΩで、使用者の手が接触している電極の個数が16個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「弱」に設定される。この例では、「測定抵抗値」が小さくなるほど振動強度を弱くし、「使用者の手が接触している電極の個数」が多くなるほど振動強度を弱くしている。
【0061】
またステップS4では、各電極間の抵抗値の最小値を用いる代わりに、各電極間の各抵抗値の平均値を算出し、この値を図6(B)に示す振動強度調整表の「測定抵抗値」として用いてもよい。例えば、各電極間の抵抗値の平均値は、各電極間の抵抗値の総和(R1+R2+R3+・・・)を測定対象位置の総数(10)で除算することにより求めることができる。この場合、例えば、「測定抵抗値」(即ち、各電極間の各抵抗値の平均値)が8kΩで、使用者の手が接触している電極の個数が4個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「強」に設定される。また、「測定抵抗値」(即ち、各電極間の各抵抗値の平均値)が25kΩで、使用者の手が接触している電極の個数が16個であった場合には、バイブレータ45の振動強度は「弱」に設定される。このように各電極間の各抵抗値の平均値を算出してこの値を用いる場合、使用者が手袋等をはめた状態と素手の状態とで大きな差が出やすくこの2つの状態を区別しやすくなるので、この状態に応じて最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0062】
そして、ステップS6にて、バーコードBの読み取りに関する情報を、設定された振動強度でバイブレータ45を振動させ使用者に報知する。また、このとき、バーコードBの読み取りの成功や失敗などの各状況に応じて振動パターンを変えるようにすれば、使用者にバーコードBの読み取りに関する情報をより詳細に報知することができる。そして、ステップS6にて、バイブレータ45の振動処理が終了すると、ステップS3からの処理が繰り返されることとなる。すなわち、本実施形態では、使用者がトリガスイッチ42を押す毎に、各電極間の電気状態が測定されるようになっており、バイブレータ45の振動強度が適宜変更されるようになっている。
【0063】
以上説明したように、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置1では、把持部54において外部に露出するように電極5が配されている。そして、電極5を介して当該電極5付近の電気的状態を測定する測定部49と、読取手段(制御回路40、読取部52)による情報コード(バーコードB)の読み取りに関する情報を報知する報知手段(発光部43、ブザー44、バイブレータ45)と、測定部49による電気的状態の測定結果に応じて報知手段の報知レベルを変更する変更手段(制御回路40)とを備えている。
【0064】
この構成では、情報コードを読み取る際に(すなわち、使用者が当該装置1を把持した状態で)、把持部54に配される電極5付近の電気的状態を把握することができる。従って、例えば、電極5付近の電気的状態に基づいて使用者が把持部54を素手で持っているのか、それとも手袋等をはめた状態で持っているのかを判別することができ、装置の把持状態、或いは装置の使用状態等に合わせて報知レベルを適切に変更できるようになる。
【0065】
また、報知手段が振動を発生するバイブレータ45を備えている。そして、変更手段は、測定部49による電気的状態の測定結果に応じて、バイブレータ45の振動強度を変更するようにしている。
【0066】
この構成では、当該読取装置1の把持状態に応じて、バイブレータ45を適切な振動強度にすることができるので、使用者に情報コードの読み取りに関する情報を確実に報知することができる。例えば、使用者が手袋等をはめた状態で把持部54を把持している場合や、把持部54をしっかり握っていない場合などには、バイブレータ45の振動強度を大きくすることで、振動を確実に使用者に伝えることができる。
【0067】
また、把持部54において、複数の電極5が配置されており、測定部49は、複数の電極5における各電極間の抵抗値又は各電極間を流れる電流値を測定するようにしている。
【0068】
このように、複数の電極5を用いて抵抗値又は電流値を測定することで、使用者による把持状態をより詳細に把握することができ、把持状態に応じた適切な報知レベルに、より変更しやすくなる。
【0069】
また、測定部49は、複数の電極間を測定対象位置とし且つ各電極間の抵抗値又は各電極間に流れる電流値を各測定値として測定するように構成されている。そして、変更手段は、測定部49によって測定された各電極間の抵抗値の最小値又は電流値の最大値に基づいてバイブレータ45の報知レベルを変更するようにしている。
【0070】
この構成によれば、使用者の手が把持部54に一番密着して接触している箇所の値に基づいて、報知レベルを変更するようにしているので、例えば把持部54の形状により、電気量を検出しやすい箇所とし難い箇所が存在する場合でも、最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0071】
また、変更手段は、測定部49によって測定された各電極間の各測定値の平均値に基づいてバイブレータ45の報知レベルを変更するようにしてもよい。
【0072】
この構成によれば、使用者が手袋等をはめた状態と素手の状態とでは、平均値に大きな差が出やすくこの2つの状態を区別しやすくなるので、この状態に応じて最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0073】
また、測定部49によって測定された複数の電極5における各電極間の抵抗値又は電極間を流れる電流値に基づいて、使用者の手が接触している電極5の個数を検出可能な検出手段(測定部49)を備えている。そして、変更手段は、検出手段の検出結果に応じて、バイブレータ45の報知レベルを変更するようにしている。
【0074】
この構成によれば、使用者の把持部54の握り具合(すなわち、把持部54全体を握っているか、把持部54の一部のみを握っているかなど)を確実に検知することができるので、使用者の把持状態に応じて最適に情報コードの読み取りに関する情報を報知することができる。
【0075】
また、外部操作可能なトリガスイッチ42を備えており、電極5がトリガスイッチ42において外部に露出するように配されている。そして、読取手段は、トリガスイッチ42に対する外部操作をトリガとして情報コードの読み取りを開始するように構成されている。
【0076】
このように、トリガスイッチにも電極5が設けられていれば、情報コードの読み取りを開始する直前の装置の把持状態、或いは使用状態に合わせて報知レベルを設定することができるので、読み取りに関する情報を使用者に確実に報知することができる。
【0077】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
上記実施形態では、ガンタイプの光学的情報読取装置1を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、図7に示すように、ストレートタイプの光学的情報読取装置101であっても同様に本発明を適用することができる。この光学的情報読取装置101では、ケース150の厚さ方向を上下方向とし、操作ボタン70や表示装置7が設けられた側を上方側、それとは反対側を下方側とした場合に、下方側のボタン領域αの裏側及び側面側に複数の電極5を設けると共に、トリガスイッチ42に電極5を設けることで、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0079】
上記実施形態では、電極5が把持部54に一体的に形成された構成を例示したが、電極5は、把持部54に設けられる部品(すなわち、把持部54とは別部品)に形成されていてもよい。
【0080】
上記実施形態では、把持部54に設けられる電極5を略円形状に構成した例を示したが、電極5の形状は特にこれに限定されず、適宜変更することができる。
【0081】
上記実施形態では、報知手段の報知レベルを変更する構成の一例として、バイブレータ45の振動強度を変更する例を挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、発光部43の発光量やブザー44の音量を変更するようにしてもよく、これらを組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1、101…光学的情報読取装置
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f…電極
20…回路部
40…制御回路(読取手段、変更手段)
42…トリガスイッチ
43…発光部(報知手段)
44…ブザー(報知手段)
45…バイブレータ(報知手段、振動手段)
46…液晶表示器
48…通信インタフェース
49…測定部(測定手段、検出手段)
50、150…ケース
52…読取部(読取手段)
54…把持部
56…読取口
B…バーコード(情報コード)
S…照射面
α…ボタン領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを光学的に読み取る読取手段と、
前記読取手段を収容するケースとを備え、
前記ケースの一部に使用者によって把持される把持部が形成されてなる光学的情報読取装置であって、
前記把持部又は前記把持部に設けられた部品において外部に露出するように配される電極と、
前記電極を介して当該電極付近の電気的状態を測定する測定手段と、
前記読取手段による前記情報コードの読み取りに関する情報を報知する報知手段と、
前記測定手段による前記電気的状態の測定結果に応じて、前記報知手段の報知レベルを変更する変更手段と、
を備えたことを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記報知手段は、振動を発生する振動手段を備え、
前記変更手段は、前記測定手段による前記電気的状態の測定結果に応じて、前記振動手段の振動強度を変更することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記電極は、前記把持部又は前記把持部に設けられた部品において複数配置されており、
前記測定手段は、複数の前記電極における電極間の抵抗値又は電極間を流れる電流値を測定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記測定手段は、複数の電極間を測定対象位置とし且つ各電極間の抵抗値又は各電極間に流れる電流値を各測定値として測定するように構成されており、
前記変更手段は、前記測定手段によって測定された各電極間の抵抗値の最小値又は電流値の最大値に基づいて前記報知手段の報知レベルを変更することを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記測定手段は、複数の電極間を測定対象位置とし且つ各電極間の抵抗値又は各電極間に流れる電流値を各測定値として測定するように構成されており、
前記変更手段は、前記測定手段によって測定された各電極間の各測定値の平均値に基づいて前記報知手段の報知レベルを変更することを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記測定手段によって測定された複数の前記電極における電極間の抵抗値又は電極間を流れる電流値に基づいて、使用者の手が接触している前記電極の個数を検出可能な検出手段を備え、
前記変更手段は、前記検出手段の検出結果に応じて、前記報知手段の報知レベルを変更することを特徴とする請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】
外部操作可能なトリガスイッチを備え、
前記読取手段は、前記トリガスイッチに対する外部操作をトリガとして前記情報コードの読み取りを開始するように構成されており、
前記電極は、前記トリガスイッチにおいて外部に露出するように配されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54645(P2013−54645A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193725(P2011−193725)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】