説明

光通信装置

【課題】筐体内を閉塞して塵埃などの侵入を防止することができる光通信装置を提供する。
【解決手段】導光部3が埋設された回路基板2を、筐体1の底部11及び蓋部12にて挟み込んで固定する。回路基板2に実装された光通信モジュール5は、導光部3を通して光信号の送受信を行うことができる。回路基板2を底部11及び蓋部12にて挟み込んで固定する構成であるため、筐体1内を容易に閉塞することができ、筐体1の回路基板2を露出させる箇所から塵埃などが内部へ侵入することを防止することができる。また回路基板2の表面には、底部11及び蓋部12に挟み込まれて接触する部分にGND配線パターン22を設けることにより、ノイズが筐体1の外部へ漏れることを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザダイオード及び/又はフォトダイオード等の光電変換素子を用いて光通信を行う光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバなどを利用した光通信が広く普及している。光通信は、電気信号をレーザダイオードなどの光電変換素子にて光信号に変換し、光ファイバを介して光信号を送受信し、受信した光信号をフォトダイオードなどの光電変換素子が電気信号に変換することによって行われる。このため、レーザダイオード及び/又はフォトダイオード等の光電変換素子を、場合によっては光電変換素子を動作させるための周辺回路素子と共に、1つのパッケージとして構成した光通信モジュールが広く用いられている。この光通信モジュールは、OSA(Optical Sub-Assembly)と呼ばれている。近年では、光通信装置及び光通信モジュールに関する種々の発明がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、光信号を送信又は受信する光電素子と、これを固定するためのステムと、光電素子をカバーするためのキャップと、光電素子に電気信号を印加又は光電素子からの電気信号を伝送する複数本のリードとを備え、ステム及びキャップにて構成されるパッケージ内に位置する所定のリードの一端に平面部を設け、この平面部に、一端が光電素子に接続され他端がリードに接続される電気回路部品を設けた構成とすることにより、高周波特性が優れ、小型化できる光−電気変換モジュールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−167189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光通信モジュールは、光通信装置の回路基板などに接続され、この回路基板と共に光通信装置の筐体内に収容される。光通信モジュールには、光ファイバなどの光通信線を接続する必要があるため、光通信装置の筐体には光通信線を通過させて内部の光通信モジュールへ接続するための通過孔が形成される。光通信装置の筐体に内外を連通する孔が形成されている場合、筐体外からの塵埃が内部へ侵入するなどの問題が発生する。これを防止するためには、筐体に形成された通過孔を閉塞するための部材が必要となり、光通信装置のコストを増大させるという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、筐体内を閉塞して塵埃などの侵入を防止することができる光通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光通信装置は、光信号から電気信号へ又は電気信号から光信号への変換を行う光電変換素子、及び、該光電変換素子を収容する収容体を有する光通信モジュールと、該光通信モジュールが実装される回路基板と、前記光通信モジュール及び前記回路基板を収容する筐体とを備える光通信装置において、前記回路基板に埋設され、該回路基板の一側面及び実装された前記光通信モジュールの間で光信号を導く導光部を備え、前記筐体は、複数の筐体部品で構成され、前記回路基板の一側面を外部へ露出させた状態で、複数の前記筐体部品で前記回路基板を挟持する基板挟持部を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る光通信装置は、前記回路基板には、孔が形成されており、前記光通信モジュールは、前記収容体に突設され、前記孔に挿入して固定される柱状部と、該柱状部内に設けられ、前記柱状部の一側部及び前記収容体に収容された前記光電変換素子の間で光信号を導く手段とを有し、前記導光部は、前記回路基板の一側面及び前記孔の内面の間で光信号を導くように設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る光通信装置は、前記回路基板の一側面には、光通信線の端部を収容する凹部が設けられ、前記導光部は、前記凹部に収容された光通信線の端部に対向する部分及び前記回路基板に実装された前記光通信モジュールの間で光信号を導くように設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る光通信装置は、前記回路基板の表面には、前記基板挟持部に挟持された場合に前記筐体と接触する部分に、固定電位に接続される配線パターンが設けてあることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、光通信モジュールが実装される回路基板に例えば光ファイバなどを埋め込むことによって、回路基板内に光信号を導く導光部を設ける。導光部は、その一端を回路基板の一側面に露出させ、他端を光通信モジュールが実装された場合に受光部又は発光部に対向する箇所に露出させることで、回路基板の一側面と光通信モジュールとの間で光信号を導く。
また光通信装置の筐体は、例えば底及び蓋等の複数の筐体部品で構成される。回路基板は、導光部の一端が設けられる一側面が筐体外に露出するように、複数の筐体部品で挟持されることによって固定される。
これにより、回路基板に実装された光通信モジュールは、回路基板内の導光部を介して筐体外との光信号の送受信を行うことができるため、光通信装置の筐体には、光通信線を挿通するための孔を形成する必要がない。また、回路基板を複数の筐体部品が挟持するため筐体内を閉塞することができ、筐体の回路基板の一部を露出させる箇所から塵埃などが内部へ侵入することを防止できる。
【0012】
また、本発明において光通信モジュールは、光電変換素子が収容される収容体に柱状部を突設し、この柱状部の一側部と収容体内の光電変換素子との間で光信号を導く手段を、柱状部内に設ける構成とする。また回路基板には、光通信モジュールの柱状部を挿入して固定するための孔を形成する。回路基板内の導光部は、その一端を回路基板の一側面に露出させ、他端を回路基板の孔の内面に露出させることで、回路基板の一側面と孔の内面との間で光信号を導く構成とし、回路基板の一側面と孔に挿入して固定された光通信モジュールとの間で光信号を導く。これにより、光通信モジュールの回路基板への実装を容易化することができる。
【0013】
また、本発明においては、筐体から露出する回路基板の一側面に、光ファイバなどの光通信線の端部を収容する凹部を設ける。これにより、光通信装置に対する光通信線の接続を容易化することができる。また回路基板内の導光部は、その一端を凹部に収容された光通信線の端部に対向する部分に露出させ、他端を光通信モジュールが実装された場合に受光部又は発光部に対向する箇所に露出させることで、凹部に収容された光通信線と光通信モジュールとの間で光信号を導く。
【0014】
また、本発明においては、回路基板の表面には、筐体部品に挟持されて接触する部分に、固定電位(例えば接地電位又は電源電位等)に接続される配線パターンを設ける。これにより、回路基板に搭載された電気回路の動作に伴って発生するノイズが筐体外部へ漏れることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による場合は、回路基板に導光部を埋め込むことによって、回路基板の一側面と光通信モジュールとの間で光信号を導く構成とすると共に、回路基板の一側面が外部に露出するように、複数の筐体部品で回路基板を挟持する構成とすることにより、光通信装置の筐体には光通信線を挿通するための孔を形成する必要がないため、筐体内を閉塞して塵埃などの侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る光通信装置の構成を示す模式的断面図である。
【図2】筐体及び回路基板の一部の構成を示す模式的な分解斜視図である。
【図3】回路基板及び光通信モジュールの構成を示す模式的断面図である。
【図4】変形例1に係る光通信装置の回路基板の構成を示す模式的斜視図である。
【図5】変形例2に係る光通信装置の回路基板及び光通信モジュールの構成を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る光通信装置の構成を示す模式的断面図である。図において1は光通信装置の筐体であり、筐体1を構成する壁の一部分を断面として図示してある。光通信装置の筐体1内には、光ファイバなどの光通信線(図示は省略する)を介して光信号を送受信するための光通信モジュール5、及び、この光通信モジュール5を含む種々の回路素子が実装される回路基板2等が収容されている。また筐体1は底部11及び蓋部12の少なくとも2つの部品に分割されて製造され、これらの部品を組み立てることによって筐体1が構成される。回路基板2は、筐体1の組み立ての際に、底部11及び蓋部12に挟持されることによって固定される。
【0018】
図2は、筐体1及び回路基板2の一部の構成を示す模式的な分解斜視図である。回路基板2は、略矩形の板体の一側面に、舌片状をなす略矩形の延出部分2aを設けた構成をなしている。回路基板2は、光通信モジュール5と、IC(Integrated Circuit)、抵抗器及びコンデンサ等の種々の回路部品(図示は省略する)とが実装され、光通信装置の通信処理に係る電気回路が構成される。
【0019】
筐体1の底部11は、図示しない底面を囲んで周壁を設けた器状をなしており、周壁の上端の一部に凹部11aが形成されている。凹部11aは、その深さが回路基板2の厚さの略半分程度とされ、その長さ(周壁の周方向の長さ)が回路基板2の延出部分2aの幅(延出方向に直交する方向に関する長さ)と略同じとされている。同様に筐体1の蓋部12は、図示しない天面を囲んで下方へ周壁を設けた構成をなしており、周壁の下端の一部に凹部12aが形成されている。凹部12aは、その深さが回路基板2の厚さの略半分程度とされ、その長さが回路基板2の延出部分2aの幅と略同じとされている。即ち、凹部11a及び12aの形状は略同じである。
【0020】
筐体1は、凹部11a及び12aが対向するように、底部11及び蓋部12が固定されて構成される。底部11及び蓋部12の固定は、例えば接着、溶着又はねじ止め等の種々の方法で行うことができる。回路基板2は、延出部分2aが凹部11a及び12a内に収まるようにして、底部11及び蓋部12に挟み込まれて固定される。このときに回路基板2を底部11及び蓋部12に接着剤などを用いて接着してもよい。回路基板2が底部11及び蓋部12に挟み込まれて固定された状態において、凹部11a及び12aは回路基板2により閉塞され、筐体1の内外が凹部11a及び12aにて連通することがないようにしてある。
【0021】
回路基板2の上面及び下面には、延出部分2aの筐体1との接触部分に、配線パターンが設けられている。この配線パターンは、光通信装置に電源が投入された際に、接地電位に接続される配線パターン、いわゆるGND配線パターン22である。
【0022】
また回路基板2の内部には、光信号を導くための導光部3が埋設されている。導光部3は、光ファイバなどの丸い線状の導光部材を回路基板2内に埋め込む態様で設けられており、その一端は回路基板2の延出部分2aの側面(延出部分2aの延出方向の端面)に露出している。また回路基板2の適所には、上下を貫通する略円形の貫通孔21が形成されており、導光部3の他端はこの貫通孔21の内面に露出している。即ち導光部3は、回路基板2の一側面及び貫通孔21の内面の間で光信号を導くように設けられている。
【0023】
図3は、回路基板2及び光通信モジュール5の構成を示す模式的断面図である。光通信モジュール5は、光電変換素子6が収容される有底四角筒状の収容部51と、この収容部51の上部開口を閉塞する蓋部52と、収容部51の底面から下方へ突出して設けられた柱状部53とを有する構成である。収容部51は、平面視が略正方形をなし、底面の略中央に略円形の貫通孔51aが形成されている。また収容部51の底には、金属製のフレーム54が固定されており、収容部51の貫通孔51aに合わせてフレーム54には略円形の貫通孔54aが形成されている。またフレーム54の一部は収容部51の側面から外部へ露出しており、回路基板2上に設けられた配線パターンに接続するための接続端子として用いられる。
【0024】
光電変換素子6は、光信号と電気信号との変換を行う素子であり、平面視が略正方形の略直方体状をなす本体部61と、この本体部61の下面の略中央に設けられた光信号の受光部又は発光部(図示は省略する)と、この受光部又は発光部の周囲に設けられた一又は複数の端子部62とを有している。光電変換素子6は、フレーム54の貫通孔54aの周縁に端子部62が半田付けなどの方法で接続されることにより固定される。これにより光電変換素子6は、収容部51の貫通孔51a及びフレーム54の貫通孔54aを通して光信号の送受信を行うことができる。
【0025】
光通信モジュール5の柱状部53は、円柱状をなし、収容部51の下面から下方へ突出して設けられている。柱状部53の直径は回路基板2の貫通孔21の直径と略等しく、長さは回路基板2の厚さと略同じ又は回路基板2の厚さより長い。光通信モジュール5は、回路基板2の貫通孔21に柱状部53を挿通すると共に、収容部51から外部へ露出したフレーム54を接続端子として回路基板2に半田付けなどにより接続することによって、回路基板2に実装される。
【0026】
また柱状部53内には、透光性の合成樹脂又はガラス等の光学部材が埋め込まれることにより、光信号の導光部55が設けられている。導光部55は、一端が柱状部の上部にて収容部51の貫通孔51aに面して露出するように設けられ、他端が柱状部53の側面の一部に露出するように設けられており、柱状部53内で略垂直に屈曲する態様で設けられている。柱状部53を回路基板2の貫通孔21に挿入して光通信モジュール5を回路基板2に実装した場合に、貫通孔21内における回路基板2に埋設された導光部3の露出位置に一致するように、柱状部53の側面における導光部55の露出位置が定められている。また導光部55は、柱状部53内の屈曲箇所にて、柱状部53の軸方向に対して略45°傾けた傾斜平面が形成されており、この傾斜平面が光信号の反射面55aとして作用する。
【0027】
これにより、光通信モジュール5が回路基板2に実装された状態では、例えば光電変換素子6が発光素子の場合、光電変換素子6の下面に設けられた発光部から出射した光信号は、フレーム54の貫通孔54a及び収容部51の貫通孔51aを通して柱状部53の上部にて露出する導光部55へ入射し、導光部55内の反射面55aにて略垂直に横方向へ反射されて、柱状部53の側面における導光部55の露出部分から出射する。導光部55から出射した光信号は、回路基板2の貫通孔21内に露出した導光部3へ入射し、回路基板2内の導光部3を通って、回路基板2の延出部分2aの側面における導光部3の露出部分から出射する。導光部3から出射した光信号は、例えば回路基板2の延出部分2aにコネクタなどを介して接続された光通信線を介して、他の光通信装置にて受信される。
【0028】
また例えば光電変換素子6が受光素子の場合、他の光通信装置が送信した光信号は、光通信線を介して、回路基板2の延出部分2aの側面に露出する導光部3へ入射し、回路基板2内の導光部3を通って、回路基板2の貫通孔21内における導光部3の露出部分から出射する。導光部3から出射した光信号は、貫通孔21に挿入された光通信モジュール5の柱状部53の側面に露出した導光部55へ入射し、導光部55内の反射面55aにて略垂直に上方へ反射されて、柱状部53の上部における導光部55の露出部分から出射し、収容部51の貫通孔51a及びフレーム54の貫通孔54aを通して、光電変換素子6の下面に設けられた受光部にて受光される。
【0029】
以上の構成の光通信装置は、導光部3が埋設された回路基板2を筐体1の底部11及び蓋部12が挟持して固定する構成とすることによって、回路基板2に実装された光通信モジュール5は導光部3を通して光信号の送受信を行うことができるため、光通信装置の筐体1に光通信線を挿通するための孔を形成する必要がない。また、回路基板2を底部11及び蓋部12にて挟み込んで固定する構成であるため、筐体1内を容易に閉塞することができ、筐体1の回路基板2を露出させる箇所から塵埃などが内部へ侵入することを防止することができる。
【0030】
また、光通信モジュール5は、光電変換素子6を収容する収容部51の下面に柱状部53を突設し、この柱状部53の一側部と光電変換素子6との間で光信号を導く導光部55を柱状部53内に設ける。また回路基板2には柱状部53を挿入して固定するための貫通孔21を形成し、回路基板2内の導光部3は、その一端を回路基板2の延出部分2aの側面に露出させ、他端を回路基板2の貫通孔21の内面に露出させることで、回路基板2の一側面と貫通孔21の内面との間で光信号を導く構成とする。これにより、回路基板2の一側面と貫通孔21に挿入して固定された光通信モジュール5の光電変換素子6との間で光信号の授受を行うことができ、光通信モジュール5の回路基板2への実装を容易化することができる。
【0031】
また、回路基板2の表面(上下面)には、底部11及び蓋部12に挟み込まれて接触する部分にGND配線パターン22を設けることにより、回路基板2に搭載された電気回路の動作に伴って発生するノイズが筐体1の外部へ漏れることを抑制することができる。
【0032】
なお、本実施の形態において図1〜図3に示した回路基板2及び光通信モジュール5の形状などは一例であって、これに限るものではない。また光通信モジュール5は、光電変換素子6として発光素子又は受光素子のいずれか一方を有する構成としたが、これに限るものではなく、両方を有する構成であってもよい。また回路基板2内に導光部3を1つ備える構成としたが、これに限るものではなく、回路基板2内に複数の導光部3を備えると共に複数の貫通孔21を形成し、複数の光通信モジュール5を実装可能な構成としてもよい。
【0033】
(変形例1)
図4は、変形例1に係る光通信装置の回路基板102の構成を示す模式的斜視図である。変形例1に係る回路基板102は、一側面に設けられた延出部分102aに凹部102bが形成されている。凹部102bは、延出部分102aの延出端面と上面とに亘って形成されており、その底面が延出部分102aの延出方向に長い略長方形をなし、延出端面に平行な奥面が略正方形をなす、略直方体形の凹みである。凹部102bの奥面の略中央には、回路基板102内に埋設された導光部3の端部が露出して設けられている。また凹部102bの奥面の縦横の幅は、光通信装置に接続される光通信線(図示は省略する)の直径と略同じ又は光通信線の直径より大きくしてあり、凹部102b内に光通信線の先端部分を収容することができる。
【0034】
以上の構成の変形例1に係る光通信装置は、回路基板102の延出部分102aに光通信線の端部を収容する凹部102bを設けることにより、光通信装置に対する光通信線の接続を容易化することができる。例えば光通信線の端部を凹部102bに収容した後、接着剤などにより光通信装置を回路基板102に接着するなどの方法で、光通信線を接続することができる。
【0035】
(変形例2)
図5は、変形例2に係る光通信装置の回路基板202及び光通信モジュール205の構成を示す模式的断面図である。変形例2の光通信モジュール205は、図1及び図3に示した光通信モジュール5が柱状部53を備えていない構成である。即ち、変形例2の光通信モジュール205は、収容部51、蓋部52、フレーム54及び光電変換素子6を備え、柱状部53及び導光部55を備えずに、収容部51の下面に形成された貫通孔51aを通して外部との光信号の送受信を行う構成である。
【0036】
また変形例2に係る回路基板202は、光通信モジュール5の柱状部53を挿入して固定するための貫通孔21が形成されていない。回路基板202に埋設される導光部203は、一端が回路基板202の延出部分(図5において図示は省略する)に露出し、他端が回路基板202の上面に露出している。このため導光部203には、光信号を略垂直に反射する反射面203aが設けられている。
【0037】
光通信モジュール205は、回路基板202の上面に露出した導光部203に対して、収容部51の下面に形成された貫通孔51aが位置合わせされた状態で、収容部51から外部へ露出したフレーム54を接続端子として回路基板202に半田付けなどにより接続されることによって、回路基板202に実装される。
【0038】
例えば光電変換素子6が発光素子の場合、光電変換素子6の下面に設けられた発光部から出射した光信号は、フレーム54の貫通孔54a及び収容部51の貫通孔51aを通して回路基板202内の導光部203へ入射し、導光部203内の反射面203aにて略垂直に横方向へ反射されて、回路基板202の延出部分の側面における導光部203の露出部分から出射する。
【0039】
また例えば光電変換素子6が受光素子の場合、他の光通信装置が送信した光信号は、光通信線を介して、回路基板2の延出部分の側面に露出する導光部203へ入射し、導光部203内の反射面203aにて略垂直に上方へ反射され、収容部51の貫通孔51a及びフレーム54の貫通孔54aを通して、光電変換素子6の下面に設けられた受光部にて受光される。
【0040】
本発明に係る光通信装置が備える光通信モジュールは、図3に示した光通信モジュール5又は図5に示した光通信モジュール205に限らず、その他の形状及び構成等であってよく、光通信モジュールの構成に合わせて回路基板2への実装方法及び回路基板2内の導光部の構成等を適宜に決定することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 筐体
2 回路基板
2a 延出部分
3 導光部
5 光通信モジュール
6 光電変換素子
11 底部(筐体部品)
11a 凹部(基板挟持部)
12 蓋部(筐体部品)
12a 凹部(基板挟持部)
21 貫通孔(孔)
22 GND配線パターン(配線パターン)
51 収容部(収容体)
51a 貫通孔
52 蓋部
53 柱状部
54 フレーム
54a 貫通孔
55 導光部(導く手段)
55a 反射面
61 本体部
62 端子部
102 回路基板
102a 延出部分
102b 凹部
202 回路基板
203 導光部
203a 反射面
205 光通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号から電気信号へ又は電気信号から光信号への変換を行う光電変換素子、及び、該光電変換素子を収容する収容体を有する光通信モジュールと、該光通信モジュールが実装される回路基板と、前記光通信モジュール及び前記回路基板を収容する筐体とを備える光通信装置において、
前記回路基板に埋設され、該回路基板の一側面及び実装された前記光通信モジュールの間で光信号を導く導光部を備え、
前記筐体は、
複数の筐体部品で構成され、
前記回路基板の一側面を外部へ露出させた状態で、複数の前記筐体部品で前記回路基板を挟持する基板挟持部を有すること
を特徴とする光通信装置。
【請求項2】
前記回路基板には、孔が形成されており、
前記光通信モジュールは、
前記収容体に突設され、前記孔に挿入して固定される柱状部と、
該柱状部内に設けられ、前記柱状部の一側部及び前記収容体に収容された前記光電変換素子の間で光信号を導く手段と
を有し、
前記導光部は、前記回路基板の一側面及び前記孔の内面の間で光信号を導くように設けられていること
を特徴とする請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
前記回路基板の一側面には、光通信線の端部を収容する凹部が設けられ、
前記導光部は、前記凹部に収容された光通信線の端部に対向する部分及び前記回路基板に実装された前記光通信モジュールの間で光信号を導くように設けられていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光通信装置。
【請求項4】
前記回路基板の表面には、前記基板挟持部に挟持された場合に前記筐体と接触する部分に、固定電位に接続される配線パターンが設けてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の光通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−93775(P2013−93775A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235335(P2011−235335)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】