説明

光量調整装置及び撮像装置

【課題】 動作の信頼性を確保した上で光量調整の高速化を図る。
【解決手段】 厚み方向が光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁9によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室10、10を有する封入ケース8と、封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液16、16及び極性を有しない無極性液17、17と、駆動電圧が印加されることにより有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極13、13、14、14、・・・とを備え、有極性液と無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、光軸を含む光学有効範囲に隔壁の少なくとも一部が位置され、複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより有極性液が封入室において光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光量調整装置及び撮像装置についての技術分野に関する。詳しくは、隔壁によって仕切られた複数の封入室に有極性液と無極性液を封入して動作の信頼性を確保した上で固体撮像素子に対する光量調整の高速化を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の各種の撮像装置には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子に入射される光量の調整を行う光量調整装置が設けられている。
【0003】
このような光量調整装置としては、単数又は複数の可動羽根を動作させて光量の調整を行う機械的なアイリス機構やシャッター機構等が存在する。
【0004】
ところが、可動羽根を動作させて光量を調整するアイリス機構等にあっては、可動羽根を動作させるための駆動機構や駆動源を必要とし、撮像装置の小型化に支障を来たしてしまう。
【0005】
また、可動羽根によって光量を調整する場合には、可動羽根の動作時に動作に伴う異音が発生したり、可動羽根によって光量を制限し光が透過される開口部を小さくした所謂小絞り状態において光の回折現象が生じて画像の解像度が低下すると言う不具合を生じるおそれもある。特に、近年、固体撮像素子の画素のピッチが小さくなる傾向にあり、一定の光学性能を確保するための新たな光量調整装置が要望されている。
【0006】
そこで、上記のような問題を解決するために、機械的な光量調整装置に代わるものとして、有極性液を電気毛細管現象によって移動させて光量調整を行う光量調整装置が開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0007】
電気毛細管現象を利用した光量調整装置においては、封入室に有極性液と無極性液を一定量ずつ封入し、一方の電極に電圧を印加し有極性液を引き寄せて第1の方向へ移動させ、他方の電極に電圧を印加し有極性液を引き寄せて第2の方向へ移動させている。
【0008】
このように電圧が印加された電極に有極性液が引き寄せられることにより、例えば、有極性液が第1の方向へ移動されたときに有極性液によって光路が遮蔽され、有極性液が第2の方向へ移動されたときに有極性液によって光路が開放され、光量の調整が行われる。
【0009】
特許文献1に記載された光量調整装置にあっては、電極に印加された電圧によって発生する電界を有極性液の広い面積に作用させ、有極性液に作用する力を大きくすることにより、有極性液の移動速度の向上を図るようにしている。
【0010】
また、特許文献2に記載された光量調整装置にあっては、封入室に二つの有極性液を封入し、この二つの有極性液にそれぞれ電界を作用させて二つの有極性液を互いに離接する方向へ移動させて分離と結合が繰り返し行われるようにしている。
【0011】
【特許文献1】特開2007−209112号公報
【特許文献2】特開2007−264278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところが、特許文献1に記載された光量調整装置にあっては、電界を有極性液の広い面積に作用させることにより有極性液の移動速度の向上を図ろうとしているが、広い面積に電界を作用させるためには、有極性液の体積を増やす必要がある。
【0013】
従って、有極性液の体積が増える分、封入室の大きさも大きくなり小型化に支障を来たす他、有極性液の体積の増加に伴う重量の増加により、却って、移動速度が低下し、移動速度の向上に支障を来たすと言う問題がある。
【0014】
また、特許文献2に記載された光量調整装置にあっては、二つの有極性液を用いることにより有極性液の移動速度の向上が図られるが、結合した二つの有極性液を均一に分離させることが困難であり、不均一に分離した場合に二つの有極性液間に移動速度の相違が生じてしまう。また、結合した有極性液を永続的に分離させることに関しても信頼性が低いと言う問題もある。
【0015】
そこで、本発明光量調整装置及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、動作の信頼性を確保した上で光量調整の高速化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
光量調整装置は、上記した課題を解決するために、厚み方向が光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室を有する封入ケースと、前記封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液及び極性を有しない無極性液と、駆動電圧が印加されることにより前記有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極とを備え、前記有極性液と前記無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、前記光軸を含む光学有効範囲に前記隔壁の少なくとも一部が位置され、前記複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより前記有極性液が前記封入室において前記光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と前記光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにしたものである。
【0017】
従って、光量調整装置にあっては、駆動電圧が電極に印加されたときに、駆動電圧が印加された電極に引き寄せるられ方向へ有極性液が各封入室においてそれぞれ移動される。
【0018】
上記した光量調整装置においては、前記隔壁の厚みを30μm以下とすることが望ましい。
【0019】
隔壁の厚みを30μm以下とすることにより、光学有効範囲に隔壁が存在することによる解像度に対する影響が抑制される。
【0020】
上記した光量調整装置においては、前記隔壁の前記光軸に直交する面における中心と前記光軸との距離を90μm以下とすることが望ましい。
【0021】
隔壁の光軸に直交する面における中心と光軸との距離を90μm以下とすることにより、光学有効範囲に隔壁が存在することによる解像度に対する影響が抑制される。
【0022】
上記した光量調整装置においては、前記複数の電極として前記有極性液を前記光軸に近付く方向へ移動させる第1の電極と前記有極性液を前記光軸から離隔する方向へ移動させる第2の電極とを設け、前記第1の電極を前記各封入室に封入された各有極性液の共通電極とすることが望ましい。
【0023】
第1の電極を各封入室に封入された各有極性液の共通電極とすることにより、各封入室毎への第1の電極の配置が不要となる。
【0024】
撮像装置は、上記した課題を解決するために、入射された光を光電変換して画像を生成する固体撮像素子と、厚み方向が前記固体撮像素子に入射される光の光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室を有する封入ケースと、前記封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液及び極性を有しない無極性液と、駆動電圧が印加されることにより前記有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極とを備え、前記有極性液と前記無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、前記光軸を含む光学有効範囲に前記隔壁の少なくとも一部が位置され、前記複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより前記有極性液が前記封入室において前記光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と前記光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにしたものである。
【0025】
従って、撮像装置にあっては、駆動電圧が電極に印加されたときに、駆動電圧が印加された電極に引き寄せられる方向へ有極性液が各封入室においてそれぞれ移動される。
【発明の効果】
【0026】
本発明光量調整装置は、厚み方向が光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室を有する封入ケースと、前記封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液及び極性を有しない無極性液と、駆動電圧が印加されることにより前記有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極とを備え、前記有極性液と前記無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、前記光軸を含む光学有効範囲に前記隔壁の少なくとも一部が位置され、前記複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより前記有極性液が前記封入室において前記光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と前記光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにしている。
【0027】
従って、各封入室において各有極性液の移動が行われ、有極性液の移動動作の信頼性の向上を図ることができると共に各封入室に封入される各有極性液の体積(重量)が小さくなることによる有極性液の移動動作の高速化を図ることができる。
【0028】
請求項2に記載した発明にあっては、前記隔壁の厚みを30μm以下としたので、解像度への影響が非常に小さい良好な画像や映像を得ることができる。
【0029】
請求項3に記載した発明にあっては、前記隔壁の前記光軸に直交する面における中心と前記光軸との距離を90μm以下としたので、解像度への影響が非常に小さい良好な画像や映像を得ることができる。
【0030】
請求項4に記載した発明にあっては、前記複数の電極として前記有極性液を前記光軸に近付く方向へ移動させる第1の電極と前記有極性液を前記光軸から離隔する方向へ移動させる第2の電極とを設け、前記第1の電極を前記各封入室に封入された各有極性液の共通電極としている。
【0031】
従って、電極や配線の数が少なくなると共に機構を簡素化することが可能となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0032】
本発明撮像装置は、入射された光を光電変換して画像を生成する固体撮像素子と、厚み方向が前記固体撮像素子に入射される光の光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室を有する封入ケースと、前記封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液及び極性を有しない無極性液と、駆動電圧が印加されることにより前記有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極とを備え、前記有極性液と前記無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、前記光軸を含む光学有効範囲に前記隔壁の少なくとも一部が位置され、前記複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより前記有極性液が前記封入室において前記光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と前記光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにしている。
【0033】
従って、各封入室において各有極性液の移動が行われ、有極性液の移動動作の信頼性の向上を図ることができると共に各封入室に封入される各有極性液の体積(重量)が小さくなることによる有極性液の移動動作の高速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0035】
以下に示した実施の形態は、本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用したものであり、本発明光量調整装置をこのデジタルスチルカメラに備えられた光量調整装置に適用したものである。
【0036】
尚、本発明の適用範囲はデジタルスチルカメラ及びデジタルスチルカメラに備えられた光量調整装置に限られることはない。本発明は、例えば、ビデオカメラ等の他の撮像装置及びこれらの各種の撮像装置に備えられた光量調整装置に広く適用することができる。
【0037】
以下の説明にあっては、デジタルスチルカメラの撮影時において撮影者(使用者)から見た方向で前後上下左右の方向を示すものとする。従って、被写体側を前方とし、撮影者側を後方とする。
【0038】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0039】
[撮像装置の全体構成]
撮像装置(デジタルスチルカメラ)1は、例えば、前後に扁平な箱状に形成され、外筐2の内部に所要の各部が配置されている(図1参照)。外筐2には、例えば、上面に撮影用釦3が配置され、前面に発光部4が設けられ、後面にズーム摘子等の図示しない各種の操作部や図示しない表示パネル等が配置されている。
【0040】
外筐2の内部にはレンズ鏡筒部5が組み込まれている。レンズ鏡筒部5には、前端部に撮影レンズ6が配置され、後端部にCCDやCMOS等の図示しない固体撮像素子が配置されている。
【0041】
[光量調整装置の構成]
レンズ鏡筒部5には撮影レンズ6と固体撮像素子の間に光量調整装置7が配置されている。光量調整装置7は撮影レンズ6を介して固体撮像素子に入射される光量を調整する機能を有し、例えば、撮影用釦3が操作されたときに固体撮像素子に入射される光を制限するシャッター装置として設けられている。
【0042】
光量調整装置7は、例えば、透明材料によって形成された横長の封入ケース8を備え、該封入ケース8の左右方向における中央部に隔壁9が設けられている(図2及び図3参照)。隔壁9は厚み方向が光軸に直交する方向を向くように配置され、厚みが、例えば、30μm以下に形成されている。
【0043】
封入ケース8の内部空間が隔壁9によって仕切られることにより、封入ケース8の内部には二つの封入室10、10が形成されている。
【0044】
封入室10、10の内部における前後両端寄りの位置には、それぞれ絶縁膜11、11、・・・と撥水膜12、12、・・・が積層された状態で配置されている。撥水膜12、12、・・・はそれぞれ絶縁膜11、11、・・・より内側に位置されている。絶縁膜11、11、・・・及び撥水膜12、12、・・・は光を透過する材料によって形成されている。
【0045】
封入室10、10にはそれぞれ絶縁膜11、11、・・・の外面側に二つの共通電極13、13と四つの第2の電極14、14、・・・とが配置されている。共通電極13、13と第2の電極14、14、・・・は、例えば、透明導電膜が用いられた透明電極として形成されている。
【0046】
共通電極13は各半部が隔壁9を跨いだ反対側に配置され、各半部がそれぞれ第1の電極13a、13aとして設けられている。第2の電極14、14、・・・は、それぞれ二つずつが共通電極13、13の、例えば、左方と右方に配置されている。
【0047】
共通電極13、13と第2の電極14、14、・・・にはそれぞれ電圧印加装置15から駆動電圧が供給され、駆動電圧は共通電極13、13と第2の電極14、14、・・・の何れか一方に選択的に印加される。従って、共通電極13、13に駆動電圧が印加される場合には第2の電極14、14、・・・には駆動電圧が印加されず、第2の電極14、14、・・・に駆動電圧が印加される場合には共通電極13、13には駆動電圧が印加されない。
【0048】
封入室10、10にはそれぞれ有極性液16、16と無極性液17、17が撥水膜12、12、・・・間に封入されている。有極性液16、16は電気毛細管現象によって駆動電圧が印加された共通電極13、13又は第2の電極14、14、・・・に引き寄せられる性質を有し、遮光性を有する色に着色されている。無極性液17、17は光透過性を有し、例えば、無色透明とされている。
【0049】
光量調整装置7にあっては、光軸Pが隔壁9の前面と後面における中心を通るようにされており、光軸Pを含む光学有効範囲Sの中心を通る位置に隔壁9が存在する。従って、光学有効範囲Sは一方の封入室10側に範囲S1が位置され他方の封入室10側に範囲S2が位置される。
【0050】
以上のように構成された光量調整装置7において、撮影用釦3に対する操作が行われていないときには、第2の電極14、14、・・・に駆動電圧が印加され共通電極13、13には駆動電圧が印加されていない。従って、有極性液16、16はそれぞれ第2の電極14、14、・・・に引き寄せられ、光学有効範囲Sを開放する開放位置に保持されている(図2及び図3参照)。
【0051】
このとき光学有効範囲Sには光透過性を有する無極性液17、17が存在するため、撮影レンズ6を介して光が固体撮像素子に入射可能とされている。
【0052】
撮影用釦3に対する操作が行われると、第2の電極14、14、・・・に対する駆動電圧の印加が停止されると共に共通電極13、13に駆動電圧が印加される。従って、有極性液16、16は共通電極13、13に引き寄せられ、それぞれ範囲S1、S2を閉塞する閉塞位置に移動される(図4及び図5参照)。有極性液16、16が閉塞位置に移動されることにより、固定撮像素子への光の入射が遮断される。
【0053】
共通電極13、13への駆動電圧の印加は瞬時で停止され、共通電極13、13への駆動電圧の印加の停止と同時に再び第2の電極14、14、・・・に対して駆動電圧が印加される。従って、有極性液16、16は再び第2の電極14、14、・・・に引き寄せられ、それぞれ範囲S1、S2を開放する開放位置に移動されて保持される(図2及び図3参照)。
【0054】
[別の光量調整装置の構成]
尚、上記には、有極性液16、16を遮光性を有する色に着色して共通電極13、13に駆動電圧が印加されたときに光学有効範囲Sが有極性液16、16に閉塞される例を示したが、以下に示す光量調整装置1Aのように、無極性液を遮光性を有する色に着色し有極性液を光透過性を有するようにして光学有効範囲Sを開閉することも可能である(図6及び図7参照)。
【0055】
光量調整装置7Aは二つの封入室10、10を有し、該封入室10、10にはそれぞれ有極性液16A、16Aと無極性液17A、17Aが撥水膜12、12、・・・間に封入されている。有極性液16A、16Aは電気毛細管現象によって駆動電圧が印加された共通電極13、13又は第2の電極14、14、・・・に引き寄せられる性質を有し、光透過性を有し、例えば、無色透明とされている。無極性液17A、17Aは遮光性を有する色に着色されている。
【0056】
光量調整装置7Aにおいて、撮影用釦3に対する操作が行われていないときには、共通電極13、13に駆動電圧が印加され第2の電極14、14、・・・には駆動電圧が印加されていない。従って、有極性液16A、16Aはそれぞれ共通電極13、13に引き寄せられ、光学有効範囲Sの範囲S1、S2を閉塞する閉塞位置に保持されている(図6参照)。
【0057】
このとき光学有効範囲Sには光透過性を有する有極性液16A、16Aが存在するため、撮影レンズ6を介して光が固体撮像素子に入射可能とされている。
【0058】
撮影用釦3に対する操作が行われると、共通電極13、13に対する駆動電圧の印加が停止されると共に第2の電極14、14、・・・に駆動電圧が印加される。従って、有極性液16A、16Aは第2の電極14、14、・・・に引き寄せられ、それぞれ範囲S1、S2を開放する開放位置に移動される(図7参照)。有極性液16A、16Aが開放位置に移動されることにより、範囲S1、S2に遮光性を有する無極性液17A、17Aが存在することになり、固定撮像素子への光の入射が遮断される。
【0059】
第2の電極14、14、・・・への駆動電圧の印加は瞬時で停止され、第2の電極14、14、・・・への駆動電圧の印加の停止と同時に再び共通電極13、13に対して駆動電圧が印加される。従って、有極性液16A、16Aは再び共通電極13、13に引き寄せられ、それぞれ範囲S1、S2を閉塞する閉塞位置に移動されて保持される(図6参照)。
【0060】
[四つの封入室を有する光量調整装置の構成]
また、上記には、二つの封入室10、10を有する光量調整装置7、7Aについて説明したが、封入室10の数は複数であれば任意であり、例えば、以下に示す光量調整装置7Bのように、四つの封入室10、10、・・・を有していてもよい(図8及び図9参照)。
【0061】
光量調整装置7Bは、例えば、透明材料によって形成された封入ケース8Bを備え、該封入ケース8Bの左右方向における中央部と上下方向における中央部とに隔壁9B、9Bが設けられている。
【0062】
封入ケース8Bの内部空間が隔壁9B、9Bによって仕切られることにより、封入ケース8Bの内部には四つの封入室10B、10B、・・・が形成されている。
【0063】
光量調整装置7Bには中央部に共通電極13B、13Bが配置され、各封入室10B、10B、・・・にそれぞれ各一対の第2の電極14B、14B、・・・が配置されている。
【0064】
共通電極13Bは各四分の一が各封入室10B、10B、・・・に配置され、各四分の一がそれぞれ第1の電極13a、13a、・・・として設けられている。
【0065】
封入室10B、10B、・・・にはそれぞれ有極性液16、16、・・・と無極性液17、17、・・・が封入されている。
【0066】
光量調整装置7Bにおいては、光軸Pは隔壁9B、9Bの交点を通るようにされており、光軸Pを含む光学有効範囲Sに隔壁9B、9Bが存在する。従って、光学有効範囲Sは各封入室10B、10B、・・・に存在する範囲S1、S2、S3、S4によって形成される。
【0067】
以上のように構成された光量調整装置7Bにおいて、撮影用釦3に対する操作が行われていないときには、第2の電極14B、14B、・・・に駆動電圧が印加され共通電極13B、13Bには駆動電圧が印加されていない。従って、有極性液16、16、・・・はそれぞれ第2の電極14B、14B、・・・に引き寄せられ、光学有効範囲Sを開放する開放位置に保持されている(図8参照)。
【0068】
このとき光学有効範囲Sには光透過性を有する無極性液17、17、・・・が存在するため、撮影レンズ6を介して光が固体撮像素子に入射可能とされている。
【0069】
撮影用釦3に対する操作が行われると、第2の電極14B、14B、・・・に対する駆動電圧の印加が停止されると共に共通電極13B、13Bに駆動電圧が印加される。従って、有極性液16、16、・・・は共通電極13B、13Bに引き寄せられ、それぞれ範囲S1、S2、S3、S4を閉塞する閉塞位置に移動される(図9参照)。有極性液16、16、・・・が閉塞位置に移動されることにより、固定撮像素子への光の入射が遮断される。
【0070】
共通電極13B、13Bへの駆動電圧の印加は瞬時で停止され、共通電極13B、13Bへの駆動電圧の印加の停止と同時に再び第2の電極14B、14B、・・・に対して駆動電圧が印加される。従って、有極性液16、16、・・・は第2の電極14B、14B、・・・に再び引き寄せられ、それぞれ範囲S1、S2、S3、S4を開放する開放位置に移動されて保持される(図8参照)。
【0071】
尚、光量調整装置1Bにあっても、光量調整装置1Aと同様に、有極性液16、16、・・・を光透過性を有するようにし、無極性液17、17を遮光性を有する色に着色し、有極性液16、16、・・・が閉塞位置にある状態において固体撮像素子に光が入射され開放位置にある状態において光が遮断されるようにしてもよい。
【0072】
また、上記した光量調整装置7、7A、7Bは封入室10、10Bが二つ又は四つ形成された例を示したが、封入室10、10Bの数は複数であれば任意であり、同一の大きさの光学有効範囲Sを開閉する場合には、封入室10、10Bの数を増やすに従って各封入室10、10Bに封入される有極性液16、16Aの量を減らすことができる。
【0073】
以上に記載した通り、光量調整装置7、7A、7Bにあっては、複数の封入室10、10Bを形成し各封入室10、10Bに一定量ずつの有極性液16を封入しているため、各封入室10、10Bにおいて各有極性液16の移動が行われる。
【0074】
従って、有極性液16の移動動作の信頼性の向上を図ることができると共に各封入室10、10Bに封入される各有極性液16の体積(重量)が小さくなることによる有極性液16の移動動作の高速化を図ることができる。
【0075】
また、各封入室10、10Bに封入される各有極性液16の重量が小さくなるため、少ない電力で動作速度の向上を図ることができる。
【0076】
さらに、光量調整装置7、7A、7Bにあっては、共通電極13、13Bを設けているため、その分、電極や配線の数が少なくなると共に機構を簡素化することが可能となり、製造コストの低減を図ることができる。
【0077】
[光量調整装置の別の適用例]
尚、上記には、シャッター装置として用いられた光量調整装置7、7A、7Bを例として示したが、光量調整装置7、7A、7Bの適用範囲はシャッター装置に限られることはなく、光量調整を行う装置であれば任意の装置に適用することが可能であり、例えば、ND(Neutral Density)フィルター装置やアイリス装置として使用することが可能である。
【0078】
例えば、四つの封入室10B、10B、・・・にそれぞれ封入された有極性液16、16、・・・を各別に開放位置と閉塞位置の間で移動させることにより、光量調整装置7Bをアイリス装置として使用することができる。このように有極性液16、16、・・・を各別に開放位置と閉塞位置の間で移動させることにより、全ての有極性液16、16、・・・が開放位置にある場合に光学有効範囲Sを透過する光量を100%としたときに、75%、50%、25%、0%の五段階の光量調整を行うことができる。
【0079】
[光量調整装置の製造方法]
以下に、光量調整装置7の製造方法の一例を示す(図10参照)。
【0080】
(S1a、S1b)
透明部材(透明ガラス板)を2枚用意して光量調整装置の製造を開始する。ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極パターンを各透明部材に形成する。電極パターンは、例えば、マスク法やエッチング法等によって形成する。
【0081】
(S2a、S2b)
各透明部材の電極パターンに、例えば、ポリ塩化ビニリデンやポリフッ化ビニリデン等の誘電体膜(絶縁膜)を形成する。
【0082】
(S3a、S3b)
各透明部材の絶縁膜上に、フッ素系樹脂を用いて、例えば、スピンコート法やディップコート法等により撥水膜を形成する。
【0083】
(S4a)
一方の透明部材上に、例えば、エポキシ樹脂のレジストを用い、フォトリソグラフィー技術により隔壁を形成する。このときレジスト条件を最適化するようにして、隔壁を厚みが30μm以下となるように形成する。
【0084】
(S5)
隔壁を形成した一方の透明部材と他方の透明部材を結合することにより、封入ケースを形成する。このとき封入ケースに各封入室に液体を注入するための注入口を形成する。
【0085】
(S6)
封入ケースの所望の面に反射防止膜を蒸着する。
【0086】
(S7)
封入ケースの各注入口から有極性液と無極性液をそれぞれ注入する。有極性液としては、例えば、着色した純水を用い、無極性液としては、例えば、オイル溶液を用いる。
【0087】
(S8)
注入完了後に注入口を閉塞して有極性液と無極性液を封止し密閉状態とすることにより光量調整装置の製造を完了する。
【0088】
尚、有極性液としては、上記した純水の他、例えば、ニトロメタン、無水酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、メタノール、アセトニトリル、アセトン、エタノール、プロピオニトリル、テトロヒドロフラン、n−ヘキサン、2−プロパノール、2−ブタノン、n−ブチロニトリル、1−プロパノール、1−ブタノール、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン、エチレングリコール、ホルムアミド、ニトロベンゼン、炭酸プロピレン、1,2−ジクロロエタン、二硫化炭素、クロロホルム、ブロモベンゼン、四塩化炭素、トリクロロ酢酸無水物、トルエン、ベンゼン、エチレンジアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、リン酸トリブチル、ピリジン、ベンゾニトル、アニリン、1,4−ジオキサン、ヘキサメチルホスホルアミド等を用いることが可能である。
【0089】
また、無極性液としては、上記したオイル溶液の他、例えば、シリコン、デカン系、オクタン系、ノナン、ヘプタン等を用いることが可能である。
【0090】
さらに、有極性液及び無極性液は、それぞれ単一の液体によって形成してもよく、複数の液体を混合して形成してもよい。
【0091】
[隔壁の解像度に対する影響]
上記した光量調整装置7、7A、7Bにあっては、光学有効範囲Sに隔壁9(9B)が配置されているため、解像度の劣化を生じる可能性がある。そこで、以下に示す検討により、光学有効範囲Sに隔壁9(9B)が配置されることによる、解像度に対する影響を確認した。
【0092】
本検討は、光学有効範囲Sに、直交する二つの隔壁が存在する四つの封入室を有する光量調整装置7Bに示すタイプについて行った。検討にはレンズ構成が異なる撮像装置100と撮像装置200の2種類の撮像装置を用いた。撮像装置100は、図11に示すように、三つのレンズ又はレンズ群R1、R2、R3と最も像側に配置された固体撮像素子ISを備え、物体側に位置する二つのレンズ又はレンズ群R1、R2の間に絞りとして光量調整装置7Bが配置されている。また、撮像装置200は、図12に示すように、四つのレンズ又はレンズ群R1、R2、R3、R4と最も像側に配置された固体撮像素子ISを備え、物体側に位置する二つのレンズ又はレンズ群R1、R2の間に絞りとして光量調整装置7Bが配置されている。
【0093】
撮像装置100は、焦点距離f=3.5mm、FナンバーFno=3.2、1/4inchサイズとされ、絞り(光量調整装置7B)の径が0.82mmとされている。
【0094】
撮像装置200は、焦点距離f=4.8mm、FナンバーFno=2.8、1/3.2inchサイズとされ、絞り(光量調整装置7B)の径が1.43mmとされている。
【0095】
図13乃至図17は、撮像装置100において、隔壁の厚みを変更したときのMTF(modulation transfer function )特性を示したグラフ図であり、各図において、上段のグラフ図は像高と空間周波数の関係を示し、下段のグラフ図は像高とデフォーカス位置の関係を示している。図13は隔壁の厚みが0μm、即ち、隔壁が存在しないときのグラフ図であり、図14、図15、図16、図17はそれぞれ隔壁の厚みが70μm、50μm、30μm、10μmであるときのグラフ図である。
【0096】
検討は、隔壁の各厚み毎に、像高0割、3割、5割、6割、7割の各像高毎に同心方向(T)と放射方向(R)について行った。
【0097】
図13に示すグラフ図は隔壁が存在しないときのグラフ図であり、隔壁の厚みを変化させたときの解像度に対する影響を確認するための基準のデーターを示している。
【0098】
図14及び図15に示すように、隔壁の厚みが70μm、50μmの場合には図13に示す基準のデーターに比してMTFが大きく低下しているが、図16及び図17に示すように、隔壁の厚みが30μm、10μmの場合には図13に示す基準のデーターに比してMTFの低下がほとんど見られなかった。
【0099】
図18乃至図22は、撮像装置200において、隔壁の厚みを変更したときのMTF特性を検討したデーターを示すグラフ図であり、各図において、上段のグラフ図は像高と空間周波数の関係を示し、下段のグラフ図は像高とデフォーカス位置の関係を示している。図18は隔壁の厚みが0μm、即ち、隔壁が存在しないときのグラフ図であり、図19、図20、図21、図22はそれぞれ隔壁の厚みが70μm、50μm、30μm、10μmであるときのグラフ図である。
【0100】
検討は、隔壁の各厚み毎に、像高0割、3割、5割、6割、7割の各像高毎に同心方向(T)と放射方向(R)について行った。
【0101】
図18に示すグラフ図は隔壁が存在しないときのグラフ図であり、隔壁の厚みを変化させたときの解像度に対する影響を確認するための基準のデーターを示している。
【0102】
図19及び図20に示すように、隔壁の厚みが70μm、50μmの場合には図18に示す基準のデーターに比してMTFが大きく低下しているが、図21及び図22に示すように、隔壁の厚みが30μm、10μmの場合には図18に示す基準のデーターに比してMTFの低下がほとんど見られなかった。
【0103】
上記したように、撮像装置100及び撮像装置200において、隔壁の厚みが30μm、10μmの場合には基準のデーターに比してMTFの変化がほとんど見られず、隔壁の厚みが30μm以下であれば光学有効範囲Sに隔壁が配置されたときに解像度に対する影響が非常に小さいことが確認された。
【0104】
従って、光量調整装置7、7A、7Bにおいて隔壁9、9Bの厚みを30μm以下にすることにより、解像度への影響が非常に小さい良好な画像や映像を得ることができる。
【0105】
上記した光量調整装置7、7A、7Bにあっては、光学有効範囲Sに隔壁9(9B)が配置されているため、光学有効範囲Sに対する隔壁9(9B)の位置によっては解像度の劣化を生じる可能性がある。そこで、以下に示す検討により、光学有効範囲Sに隔壁9(9B)の位置による、解像度に対する影響を確認した。
【0106】
本検討は、光学有効範囲Sに、直交する二つの隔壁が存在する四つの封入室を有する光量調整装置7Bに示すタイプについて行った。検討には上記した撮像装置100を用いた。隔壁は70μmの厚みを有するものを用いた。
【0107】
図22は、本検討の概念を示す図であり、光学有効範囲Sの中心P、即ち、光軸が通る点に対して二つの隔壁が交差する部分の中心Qが偏心した状態を示している。本検討においては、中心Pに対して中心QがX方向(横方向)とY方向(縦方向)にともに30μm、60μm、90μm偏心したときのMTF特性を検討した。
【0108】
図23乃至図26は、隔壁の位置を変更したときのMTF特性を示したグラフ図であり、像高と空間周波数の関係を示している。図23は光学有効範囲Sの中心Pに対して二つの隔壁が交差する部分の中心Qが一致している場合、即ち、偏心量が0であるときのグラフ図であり、図24、図25、図26はそれぞれ偏心量がX方向及びY方向にともに30μm、60μm、90μmであるときのグラフ図である。
【0109】
検討は、隔壁の各厚み毎に、像高0割、3割、5割、6割、7割の各像高毎に同心方向(T)と放射方向(R)について行った。
【0110】
図23に示すグラフ図は偏心量がX方向及びY方向にともに0μmであるときのグラフ図であり、偏心量を変化させたときの解像度に対する影響を確認するための基準のデーターを示している。
【0111】
図24乃至図26に示すように、偏心量がX方向及びY方向にともに30μm、60μm、90μmの場合には図23に示す基準のデーターに比してMTFの低下がほとんど見られなかった。
【0112】
上記したように、撮像装置100において、隔壁の偏心量が30μm、60μm、90μmの場合には基準のデーターに比してMTFの変化がほとんど見られず、隔壁の偏心量が90μm以下であれば光学有効範囲Sに隔壁が配置されたときに解像度に対する影響が非常に小さいことが確認された。
【0113】
従って、光量調整装置7、7A、7Bにおいて隔壁9、9Bの中心Qの光学有効範囲Sの中心Pに対する偏心量を90μm以下にすることにより、解像度への影響が非常に小さい良好な画像や映像を得ることができる。
【0114】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】図2乃至図26と共に本発明の実施の形態を示すものであり、本図は、撮像装置の概略斜視図である。
【図2】二つの封入室を有する光量調整装置において、着色された有極性液が開放位置にある状態を示す垂直断面図である。
【図3】二つの封入室を有する光量調整装置において、着色された有極性液が開放位置にある状態を示す水平断面図である。
【図4】二つの封入室を有する光量調整装置において、着色された有極性液が閉塞位置にある状態を示す垂直断面図である。
【図5】二つの封入室を有する光量調整装置において、着色された有極性液が閉塞位置にある状態を示す水平断面図である。
【図6】二つの封入室を有する光量調整装置において、着色されていない有極性液が閉塞位置にある状態を示す垂直断面図である。
【図7】二つの封入室を有する光量調整装置において、着色されていない有極性液が開放位置にある状態を示す垂直断面図である。
【図8】四つの封入室を有する光量調整装置において、着色された有極性液が開放位置にある状態を示す垂直断面図である。
【図9】四つの封入室を有する光量調整装置において、着色された有極性液が閉塞位置にある状態を示す垂直断面図である。
【図10】光量調整装置の製造方法の一例を示すフローチャート図である。
【図11】図12乃至図26と共に隔壁が解像度に与える影響についての検討を示すものであり、本図は、検討に用いた第1の撮像装置の構成を示す概念図である。
【図12】検討に用いた第2の撮像装置の構成を示す概念図である。
【図13】図14乃至図22と共に隔壁の厚みが解像度に与える影響についての検討を示すものであり、本図は、第1の撮像装置において、隔壁が存在しない場合のMTF特性の基準のデーターを示すグラフ図である。
【図14】第1の撮像装置において、隔壁の厚みが70μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図15】第1の撮像装置において、隔壁の厚みが50μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図16】第1の撮像装置において、隔壁の厚みが30μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図17】第1の撮像装置において、隔壁の厚みが10μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図18】第2の撮像装置において、隔壁が存在しない場合のMTF特性の基準のデーターを示すグラフ図である。
【図19】第2の撮像装置において、隔壁の厚みが70μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図20】第2の撮像装置において、隔壁の厚みが50μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図21】第2の撮像装置において、隔壁の厚みが30μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図22】第2の撮像装置において、隔壁の厚みが10μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図23】図24乃至図26と共に隔壁の偏心量が解像度に与える影響についての検討を示すものであり、本図は、第1の撮像装置において、偏心がない場合のMTF特性の基準のデーターを示すグラフ図である。
【図24】第1の撮像装置において、隔壁の偏心量が30μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図25】第1の撮像装置において、隔壁の偏心量が60μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【図26】第1の撮像装置において、隔壁の偏心量が90μmである場合のMTF特性を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0116】
1…撮像装置、7…光量調整装置、8…封入ケース、9…隔壁、10…封入室、13…共通電極、13a…第1の電極、14…第2の電極、16…有極性液、17…無極性液、7A…光量調整装置、16A…有極性液、17A…無極性液、7B…光量調整装置、8B…封入ケース、9B…隔壁、10B…封入室、13B…共通電極、14B…第2の電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向が光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室を有する封入ケースと、
前記封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液及び極性を有しない無極性液と、
駆動電圧が印加されることにより前記有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極とを備え、
前記有極性液と前記無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、
前記光軸を含む光学有効範囲に前記隔壁の少なくとも一部が位置され、
前記複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより前記有極性液が前記封入室において前記光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と前記光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにした
光量調整装置。
【請求項2】
前記隔壁の厚みを30μm以下とした
請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項3】
前記隔壁の前記光軸に直交する面における中心と前記光軸との距離を90μm以下とした
請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項4】
前記複数の電極として前記有極性液を前記光軸に近付く方向へ移動させる第1の電極と前記有極性液を前記光軸から離隔する方向へ移動させる第2の電極とを設け、
前記第1の電極を前記各封入室に封入された各有極性液の共通電極とした
請求項1に記載の光量調整装置。
【請求項5】
入射された光を光電変換して画像を生成する固体撮像素子と、
厚み方向が前記固体撮像素子に入射される光の光軸に直交する方向となる向きで配置された隔壁によって仕切られそれぞれ密閉された複数の封入室を有する封入ケースと、
前記封入室毎にそれぞれ一定量ずつが封入された極性を有する有極性液及び極性を有しない無極性液と、
駆動電圧が印加されることにより前記有極性液を電気毛細管現象によって引き寄せる複数の電極とを備え、
前記有極性液と前記無極性液の一方が遮光性を有する色に着色され他方が光透過性を有し、
前記光軸を含む光学有効範囲に前記隔壁の少なくとも一部が位置され、
前記複数の電極のうち所定の電極に駆動電圧が印加されることにより前記有極性液が前記封入室において前記光学有効範囲を閉塞する閉塞位置と前記光学有効範囲を開放する開放位置との間で移動されるようにした
撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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