説明

免疫賦活剤

【課題】新たな免疫賦活剤及び免疫療法剤を提供する。
【解決手段】一般式(1)


(式中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルスルホキシドを有効成分とする免疫賦活剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫賦活剤及び免疫療法剤に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫療法とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物が自然に有している、外来抗原への防御機構を利用して行う治療法であり、免疫系を賦活させることで治療するものである。免疫療法としては、例えば、各種予防接種、減感作療法、がんの免疫療法等の研究が行われている。特に、がんの免疫療法では、副作用もほとんどなく、手術、放射線、抗がん剤の三大治療につぐ第四のがん治療法として近年注目されるようになってきている。免疫療法には、皮下・皮内注射、経皮などの手段で、免疫賦活剤のみ、抗原のみまたはそれらの両方を生体に投与する方法がある。抗原を含む場合には、その抗原特異的免疫応答を誘導することができる。
【0003】
免疫療法に用いられる免疫賦活剤としては、例えば、アレルギーの予防や治療に有効な米原料醸造物(特許文献1)、抗腫瘍作用、免疫賦活作用を有する糖脂質誘導体(特許文献2)、抗アレルギー作用、抗ガン作用を有するBifidobacterium属に属する菌またはその処理物(特許文献3)、抗ガン作用を有するD−マンノース、L−アラビノース、L−フコース、イソマルトース、ラミナリビオース、セロビオース、ソホロース、コージビオース、ゲンチオビオース、1−O−β−D−フルクトピラノシル−D−フルクトース、ジ−β−D−フルクトフラノース1,2':2,1'ジアンヒドリド、α−D−フルクトフラノースβ−D−フルクトフラノース1,2':2,1'ジアンヒドリド、ジヘテロレブロサンII、アラビノガラクタン、アラビノキシラン、エチル−β−ラクトシド、およびグリセロイル−β−N−アセチルラクトサミニドからなる群より選択される少なくとも1種の糖類(特許文献4)などが開示されている。
【0004】
また、経皮的免疫療法としては、例えば、抗原とアジュバント(好ましくはADP−リボシル化外毒素)を含んでなる経皮的免疫のための製剤(特許文献5〜7)、哺乳動物の腫瘍に対して免疫応答を高める局所的方法であって、前記哺乳動物の表皮または粘膜部位に、腫瘍抗原と、表皮または上皮を通しての腫瘍抗原の透過を高める親油性溶媒(ジメチルスルフォキシド)との混合物を含む第1組成物を投与する段階と、第1組成物の投与後に該表皮または粘膜に、ランゲルハンス細胞遊走の誘導物質(ジブチルフタレート、ジブチル−D−酒石酸、N,N−ジエチル−トルアミド、ジブチルフマレート、ジ(2−エチルヘキシル)フマレート、ジイソオクチルマレエート、ジエチルヘキシルマレエート、ジイソオクチルフマレート、安息香酸、塩化ベンザルコニウム、ビヘニルマレエート、ジオクチルフタレート、ジブチルマレエート、ジオクチルマレエート、ジブチルスクシネート、ジオクチルスクシネート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート、ジフェニルフタレート、ジベンジルブチルフタレート、ジエチルメチルフタレートおよびショウノウからなる群から選択される)を含む第2組成物を投与する段階とを含む、哺乳動物の腫瘍に対して免疫応答を高める局所的方法(特許文献8)などが開示されている。
なお、特許文献8には親油性溶媒としてジメチルスルフォキシド(DMSO)を用いることが開示されているが、「DMSO中に溶解したSIINFEKLなどの小さなペプチドは角質層を通り、表皮の低層に入ることを見いだした」(段落0021)ものであり、DMSOそのものが免疫系に対してどのような作用を及ぼすのかについては記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−292785号公報
【特許文献2】特開2009−263391号公報
【特許文献3】特開2005−089388号公報
【特許文献4】特開2005−008616号公報
【特許文献5】特表2001−511115号公報
【特許文献6】特表2003−523937号公報
【特許文献7】特表2004−525921号公報
【特許文献8】特表2002−512186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら従来の免疫賦活剤の効果は十分ではなく、さらに優れた免疫賦活剤及びそれを用いた免疫療法剤が望まれていた。
従って、本発明の課題は、新たな免疫賦活剤及び免疫療法剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、種々の成分を用いて表皮ランゲルハンス細胞及びその表面活性化分子の発現誘導作用を指標として免疫賦活作用を検討してきたところ、ジアルキルスルホキシドが強い免疫賦活作用を有し、免疫療法剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、一般式(1)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルスルホキシドを有効成分とする免疫賦活剤を提供するものである。
また、本発明は、上記の免疫賦活剤を含む免疫療法剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ランゲルハンス細胞及びその表面活性化分子が顕著に発現誘導されるので、優れた免疫賦活剤が提供できるとともに、その免疫賦活剤を含む免疫療法剤が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ジアルキルスルホキシドのランゲルハンス細胞(MHC class II)及びその表面活性化分子(CD40/CD54/CD80/CD86)に及ぼす作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤の有効成分は、一般式(1)で表されるジアルキルスルホキシドである。
一般式(1)中、Rとしては炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられるが、メチル基が特に好ましい。すなわち、ジアルキルスルホキシドとしては、ジメチルスルホキシドが特に好ましい。
【0014】
ジアルキルスルホキシドは、後記実施例に示すように、ランゲルハンス細胞及びその表面活性化分子であるCD40、CD54、CD80、CD86等を顕著に発現誘導させることから、ヒトを含む哺乳動物の免疫賦活剤として有用である。また、ジアルキルスルホキシドは、優れた免疫賦活作用を有するので、単独で、あるいは他の成分、例えば抗原、他の免疫賦活剤、免疫調節剤、不完全フロイントアジュバント(IFA)、TLR賦活剤(イミキモド、CpGヌクレオチド)等と併用して免疫療法剤として有用である。
【0015】
本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤の投与方法としては、経皮投与、経粘膜投与、経口投与、皮下注射、皮内注射等が挙げられるが、経皮投与が好ましい。ジアルキルスルホキシドと他の成分例えば抗原とを併用する場合は、ジアルキルスルホキシドのみまたはジアルキルスルホキシドと抗原の両方を生体に投与する方法がある。抗原を投与する場合には、その抗原特異的免疫応答を誘導することができる。抗原の投与は、ジアルキルスルホキシドと抗原とを同時に投与してもよく、またジアルキルスルホキシドを投与した後に抗原を投与してもよい。
上記抗原としては、例えばペプチドまたはタンパク質が挙げられる。ペプチドとしては、天然由来のペプチドまたは合成ペプチドのいずれでもよく、3〜25のアミノ酸残基からなるペプチドが好ましい。タンパク質としては、天然由来のタンパク質または合成タンパク質のいずれでもよい。
【0016】
本発明の免疫賦活剤又は免疫療法剤は、前記のように経皮投与製剤とするのが好ましい。経皮投与製剤としては、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤等の他、パップ剤、テープ剤等の貼付剤が挙げられる。これらの経皮投与製剤中のジアルキルスルホキシドの含有量は0.1〜30質量%が好ましく、さらに0.1〜15質量%が好ましい。
【0017】
また、本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤には、希釈剤、溶解助剤、吸収促進剤等が含まれていてもよく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素類;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等の石油系オイル;ホホバ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ごま油、サフラワー油、スクワレン等の天然動植物油脂類;ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等の高級脂肪酸類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸エステル類;アルキルグリセリルエーテル等の界面活性剤;水等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
これらの成分のうち、高級アルコール、高級脂肪酸及び高級脂肪酸エステルから選ばれる1種以上と、ジアルキルスルホキシドとを併用すると、ジアルキルスルホキシドの免疫賦活作用が増強されるので特に好ましい。高級アルコールとしては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和アルコールが挙げられ、その具体例としてはステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等が挙げられ、特にヘキシルデカノール、オクチルドデカノールが好ましい。高級脂肪酸としては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、その具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等が挙げられ、特にパルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸が好ましい。高級脂肪酸エステルとしては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが挙げられ、その具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。
これらの成分のうち、高級脂肪酸を用いるのが好ましい。経皮投与製剤(貼付剤を除く)中これらの高級アルコール、高級脂肪酸及び高級脂肪酸エステルから選ばれる成分の含有量は40〜99.9質量%が好ましく、55〜99.9質量%がより好ましい。
【0019】
本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤の形態としては、ジアルキルスルホキシドを粘着層に含有する貼付剤がより好ましい。当該粘着層中のジアルキルスルホキシドの含有量は0.1〜30質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましい。
【0020】
粘着層は水系でも非水系でもよいが、非水系粘着剤であることが好ましい。非水系粘着剤に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着力の制御が容易である点で、アクリル系粘着剤が好ましい。当該粘着層中の粘着剤の含有量は40〜99.9質量%が好ましく、55〜99.9質量%がより好ましい。
【0021】
また、本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤(貼付剤)の粘着層には、溶解助剤、吸収促進剤等が含まれていてもよく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン等の炭化水素類;パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等の石油系オイル;ホホバ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ごま油、サフラワー油、スクワレン等の天然動植物油脂類;ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;メチルフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン等のシリコーン類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等の高級脂肪酸類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル類;アルキルグリセリルエーテル等の界面活性剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
粘着剤層において、これらの成分のうち、高級アルコール、高級脂肪酸及び高級脂肪酸エステルから選ばれる1種以上と、ジアルキルスルホキシドとを併用すると、ジアルキルスルホキシドの免疫賦活作用が増強されるので特に好ましい。高級アルコールとしては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和アルコールが挙げられ、その具体例としてはステアリルアルコール、ラウリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等が挙げられ、特にヘキシルデカノール、オクチルドデカノールが好ましい。高級脂肪酸としては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、その具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等が挙げられ、特にパルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸が好ましい。高級脂肪酸エステルとしては、炭素数12〜22の飽和又は不飽和脂肪酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが挙げられ、その具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。貼付剤中の高級アルコール、高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステルの含有量は10〜30質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。
【0023】
粘着層の坪量は、10〜500g/m2であることが好ましく、20〜100g/m2であることがより好ましい。
【0024】
本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤(貼付剤)は、支持基材を有していることが好ましい。
支持基材は、粘着層を支持する機能を有する。かかる支持基材は、可撓性(柔軟性)を有し、貼付時における曲面追従性をもち、加工時における裁断または打ち抜き等に適したものが好ましい。
このような支持基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ポリスルホン、ナイロン、ポリ乳酸、レーヨン、アクリル等の樹脂からなるプラスチックフィルム、織物、編物および不織布を用いることが可能である。さらに、プラスチックフィルムと、プラスチックフィルム、織物、編物、不織布および紙等とのラミネートシートや金属蒸着を施したプラスチックフィルムを用いることが可能である。
支持基材の平均厚さは、2〜4000μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
【0025】
本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤(貼付剤)は、剥離シートを有していることが好ましい。
剥離シートは、貼付剤の保管時(未使用時)において、粘着層の貼付面を保護する機能を有するとともに、有効成分の拡散を防止する機能を有している。
【0026】
このような剥離シートとしては、例えば、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙等のラミネート紙類;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム等の合成樹脂フィルム等が使用できる。また、剥離シートは、必要に応じてこれらの材料の片面または両面にシリコーン樹脂等により剥離処理が施されたものを使用してもよい。
また、剥離シートの平均厚さは、10〜200μmであることが好ましく、15〜100μmであることがより好ましい。
【0027】
本発明の免疫賦活剤及び免疫療法剤(貼付剤)は、生体の皮膚表面に貼付することにより、経皮で免疫賦活剤であるジアルキルスルホキシドを生体に投与することができる。
免疫療法剤として、免疫賦活剤と併用して抗原を投与する場合には、その抗原特異的免疫応答を誘導することができる。
抗原を経皮で投与する場合には、貼付剤の剥離直後または剥離後約24時間以内に、好ましくは剥離後約12時間以内に、貼付剤を貼付したところと同じ表皮表面に、抗原を塗布するか、抗原を含む貼付剤を貼付することにより行うことができる。
また、粘着層の粘着力をJIS Z0237に準拠した測定方法(対ベークライト板)で、3〜20N/25mm程度に調整すると、貼付剤の剥離により皮膚表皮角質層を物理的に破壊させることができ、皮膚表皮角質層の破壊により表皮ランゲルハンス細胞の活性化が引き起こされる。すなわち、免疫賦活成分による表皮ランゲルハンス細胞の活性化と、皮膚表皮角質層の破壊による表皮ランゲルハンス細胞の活性化の両方を一つの貼付剤で行うことができる。
【実施例】
【0028】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0029】
実施例1
ジメチルスルホキシド(DMSO)3質量部とオレイン酸97質量部とを混ぜて本発明の免疫賦活剤を調製した。
得られた免疫賦活剤を、8〜10週齢C57BL/6マウス外耳に約50μL塗布し、24時間経過後、頚部リンパ節中のランゲルハンス細胞(MHC class II)及びその表面活性化分子(CD40/CD54/CD80/CD86)の割合をフローサイトメータを使用して測定した。
【0030】
比較例1
免疫賦活剤を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にして試験した。
【0031】
比較例2
実施例1の免疫賦活剤に代えて、オレイン酸のみをマウス外耳に約50μL塗布した以外は、実施例1と同様にして試験した。
【0032】
結果を図1に示す。
図1の結果から、ジアルキルスルホキシドは、経皮投与によりランゲルハンス細胞を活性化し、各種表面活性化分子を顕著に誘導していることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
で表されるジアルキルスルホキシドを有効成分とする免疫賦活剤。
【請求項2】
前記ジアルキルスルホキシドが、ジメチルスルホキシドである請求項1記載の免疫賦活剤。
【請求項3】
前記ジアルキルスルホキシドの含有量が、0.1〜30質量%である請求項1または2に記載の免疫賦活剤。
【請求項4】
さらに、高級アルコール、高級脂肪酸及び高級脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の免疫賦活剤。
【請求項5】
高級脂肪酸を含むものである請求項4項記載の免疫賦活剤。
【請求項6】
剤形が、経皮投与製剤である請求項1〜5のいずれか1項記載の免疫賦活剤。
【請求項7】
剤形が、貼付剤である請求項1〜6のいずれか1項記載の免疫賦活剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の免疫賦活剤を含む免疫療法剤。

【図1】
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【公開番号】特開2013−43852(P2013−43852A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181887(P2011−181887)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】