説明

免震性を有するタンク及びタンクに免震性を与える方法

【課題】本発明は、燃焼性の気体液体を貯蔵するタンクの免震、耐震性を付与する手段の提案である。
【解決手段】本第1の発明は、気体もしくは液体を貯蔵する地上に設けたタンクにおいて、当該タンクの周囲近傍に、樹脂製あるいは金属製で柔軟性がある素材で形成された単位部材を互いに接続した単位部材集合体を配置した免震性を有するタンクである。
タンクの脚部が損傷し、タンクが傾くことがあっても、タンクの外壁が損傷しないようまた地震エネルギーが直接タンクに伝わらないよう、タンクを柔軟性がある素材で形成された単位部材で包むようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体、液体を貯蔵するタンクに免震機能を付与する技術に属する。
【背景技術】
【0002】
球形タンクの免震、制震方法は特開平06-156688、特開2002-080090、特開2011-184056には支持脚に沿った環状帯板を巡らす方法、支持脚を斜めに連結するエネルギー吸収ブレースを設ける、あるいはこれらの複合体が提案されている。特開2000-018321にはタンクを上下に区画し、下部区画にX-Y方向に震動する振り子を設けることが提案されている。しかしながらこれらの手段は、軟弱な地盤や、地震により流動化を起こす場所には適応することができない。
かかる場所にも危険物を充填したタンクに対する耐震、免震手段が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-156688
【特許文献2】特開2002-080090
【特許文献3】特開2011-184056
【特許文献4】特開2000-018321
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、燃焼性の気体液体を貯蔵するタンクのメンシン、耐震性を付与する手段の提案である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第1の発明は、気体もしくは液体を貯蔵する地上に設けたタンクにおいて、当該タンクの周囲近傍に樹脂製あるいは金属製で柔軟性がある素材で形成された単位部材を互いに接続した単位部材集合体を配置した免震性を有するタンクであり、
本第2の発明は、気体もしくは液体を貯蔵する地上に設けたタンクにおいて、当該タンクの周囲近傍に樹脂製あるいは金属製で柔軟性がある素材で形成された単位部材を互いに接続した単位部材集合体を配置することでタンクに免震性を与える方法である。
タンクの脚部が損傷し、タンクが傾くことがあっても、タンクの外壁が損傷しないようまた地震エネルギーが直接タンクに伝わらないよう、タンクを柔軟性がある素材で形成された単位部材で包むようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の免震性を有するタンクは、タンクの周囲近傍に樹脂製あるいは金属製で柔軟性がある素材で形成された単位部材を互いに接続した単位部材集合体を配置したため以下の効果がある。(1)地震のエネルギーを周囲に設けた単位部材集合体が吸収し、タンク基礎地盤に流動化が発生しタンクが傾いても、単位部材集合体が柔らかく受け止めタンクの損傷に至らない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】免震機能を付加したタンクを示す概念図である。
【図2】単位部材の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図により詳細に説明する。
図1は、免震機能を付加したタンクを示す概念図である。図1aは、本タンクの平面図であり、図1bは、断面図を示している。
図に示したとおり、本タンクはその周囲を単位部材集合体で囲まれている。単位部材は柔軟性のある金属、樹脂製品であり、継手を用いてあるいは単位部材の形状によっては継手なしに接続し単位部材集合体を形成する。単位部材が柔軟性を有するため、タンクの周囲近傍に配設された単位部材集合体が、地震のエネルギーを吸収し、タンク本体に伝えるエネルギーを減少させる。
また、仮に地震による流動化現象によりタンクが傾いたりしても、単位部材集合体が支え、本来単位部材が有する柔軟性によりタンクの損傷を防ぐことができる。
【0009】
単位部材集合体の内部に砂などを充填しておくこともできる。そのままでは砂は緊密に充填することは難しいが、周囲を透水性のシートで囲い上部から水と砂の混合物を流し込むことで可能となる。過剰の水分が周囲のシートから抜けたあと更に水と砂の混合物を流し込めばよい。単位部材集合体の強度の向上と、樹脂製の単位部材を使用した場合の、耐火性の向上となる。発泡性の樹脂を流し込んで集合体を固めることもできるが、耐火性に問題があるため下記に述べるように土盛りすることが好ましい。
【0010】
図では、タンクの約半分までが単位部材集合体によって囲まれているが、タンク本体を全て覆うように配置してもなんら差し支えない。
必要に応じて単位部材の集合体をシートで覆い、集合体の表面を土壌で覆い、表面を緑化することもできる。
【0011】
図2は、本発明に使用する単位部材の例である。雨水などの流出抑制用施設の構築に使用される単位部材が本目的にも使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
可燃性のガス、液体あるいは危険物などを貯蔵するタンク類の免震付与のために使用できる。
【符号の説明】
【0013】
1 免震機能を付加したタンク
2 タンク
3 単位部材集合体
4 単位部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体もしくは液体を貯蔵する地上に設けたタンクにおいて、当該タンクの周囲近傍に、樹脂製あるいは金属製で柔軟性がある素材で形成された単位部材を互いに接続した単位部材集合体を配置した免震性を有するタンク。
【請求項2】
気体もしくは液体を貯蔵する地上に設けたタンクにおいて、当該タンクの周囲近傍に樹脂製あるいは金属製で柔軟性がある素材で形成された単位部材を互いに接続した単位部材集合体を配置することでタンクに免震性を与える方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−91503(P2013−91503A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233739(P2011−233739)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】