説明

入力装置及び入力装置の製造方法

【課題】本発明は、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現するとともに、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能な入力装置及び入力装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】透光性の第1透明基材10と、前記第1透明基材10と対向配置された第2透明基材20と、第1透明基材10の入力領域51を囲むように形成された、静電干渉を防止するためのGND電極層41と、を有し、第1透明基材10には、前記GND電極層41の一部から構成された第1のアライメントマーク42が形成されており、第2透明基材20には第1アライメントマーク42と対応する位置に第2のアライメントマーク43が形成されており、第2のアライメントマーク43の少なくとも一部が第1のアライメントマーク42と平面視で重なるように第1透明基材10と第2透明基材20とが積層されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及び入力装置の製造方法に関し、特に、一対の透明基材を正確に位置合わせして積層することができる入力装置及び入力装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯用の電子機器などの表示部として、表示画像のメニュー項目やオブジェクトを直接、指などで操作して座標入力を行うための透光型入力装置が用いられている。このような入力装置として種々の方式が挙げられるが、その中で、静電容量値の変化により入力位置情報を検知する静電容量式の入力装置が多く用いられている。
【0003】
静電容量式の入力装置は、一対の透明基材と、表面を保護するための保護パネルとを有し構成されている。一対の透明基材にはそれぞれ透明電極層が形成されており、透明電極層間で静電容量を形成するように各透明基材が積層されている。静電容量式の入力装置は、透明電極層間の静電容量値の変化によって入力位置情報を検知することができる。したがって、入力装置を組み立てるときに一対の透明基材の積層位置がずれてしまうと、入力位置情報を正確に検知できないという問題が発生する。また、一対の透明基材と保護パネルとについても正確に位置合わせして積層されないと、入力操作が検知されない領域が生じる場合や、外観品質上の不具合となる場合がある。
【0004】
各透明基材、または各部材間を正確に位置合わせして積層する方法として、それぞれにアライメントマークを設けて画像認識により位置合わせする方法が知られている。例えば、特許文献1には、このようなアライメントマークの一例が開示されている。また、特許文献2には、非入力領域に形成されたアライメントマークによって、表示装置と入力装置とのアライメント精度を向上させることのできる構成が開示されている。特許文献3及び特許文献4には、入力領域に形成されたアライメントマークによって、表示装置と入力装置とのアライメント精度を向上させることができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−153805号公報
【特許文献2】特開2008−209554号公報
【特許文献3】特開2010−170250号公報
【特許文献4】特開2008−009054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電容量式の入力装置において、外部からの電磁ノイズ等の影響や、非入力領域を手や指で触れたときに透明電極層との間に発生する静電干渉の影響等により、誤入力や誤検出が生じてしまう問題がある。このような静電干渉を防ぐために、透明基材の入力領域を囲むようにGND電極層が設けられている。しかしながら、GND電極層を形成するとともに、GND電極層の外側の非入力領域にアライメントマークを形成すると、非入力領域の面積が増大してしまい入力装置の狭額縁化が困難となる。
【0007】
また、GND電極層よりも内方にアライメントマークが形成されると、アライメントマークと透明電極層との間で静電容量が形成されて、これにより入力領域内の静電容量分布が不均一になり、入力操作時の検出感度分布が不均一になるという課題が発生する。
【0008】
本発明は、上記課題を解決し、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現するとともに、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能な入力装置及び入力装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の入力装置は、透光性の第1透明基材と、前記第1透明基材に対向して配置された第2透明基材と、前記第1透明基材及び前記第2透明基材の入力領域にそれぞれ形成された第1透明電極層と第2透明電極層と、前記第1透明基材の前記入力領域を囲むように形成されたGND電極層と、を有し、前記第1透明基材には、前記GND電極層の一部から構成された第1のアライメントマークが形成されており、前記第2透明基材には、前記第1のアライメントマークと対応する位置に第2のアライメントマークが形成されており、前記第2のアライメントマークの少なくとも一部が前記第1のアライメントマークと平面視で重なるように前記第1透明基材と前記第2透明基材とが積層されていることを特徴とする。
【0010】
これによれば、第1透明基材に形成された第1のアライメントマークと第2透明基材に形成された第2のアライメントマークとを画像認識して、第1透明基材と第2透明基材とを正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0011】
さらに、第1のアライメントマークがGND電極層の一部から構成されており、第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部が第1のアライメントマークと平面視で重なるように形成されることから、入力領域の周囲に位置する非入力領域が拡大することを抑制して、入力装置の狭額縁化が可能である。また、GND電極層が入力領域を囲むように形成されており、外部からの電磁ノイズ等による静電干渉を抑制するとともに、各アライメントマークと透明電極層との間の静電干渉も抑制されるため、誤検出や誤動作を防止することができる。
【0012】
したがって、本発明によれば、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現するとともに、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能な入力装置を提供することができる。
【0013】
本発明の入力装置において、前記GND電極層の外縁には凹部が形成されており、前記第1のアライメントマークは前記凹部から構成されており、前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部は平面視で前記凹部内に位置することが好適である。これによれば、非入力領域の拡大を抑制して第1のアライメントマークと第2のアライメントマークとが形成されるため、入力装置の狭額縁化が可能となる。また、第1のアライメントマークはGND層の外縁に形成された凹部から構成されていることから、GND電極層の内縁の形状を変化させることなく第1のアライメントマークを形成することができる。これにより、GND電極層の内方に位置する入力領域において静電容量分布の変化を防ぐことができる。また、GND電極層によって、外部からの電磁ノイズ等による静電干渉を抑制するとともに、第1のアライメントマーク及び第2のアライメントマークと各透明電極層との間の静電干渉が抑制される。したがって、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現して、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0014】
前記GND電極層には開口部が形成されており、前記第1のアライメントマークは前記開口部から構成されており、前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部は平面視で前記開口部内に位置することが好ましい。このような態様であっても、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現して、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0015】
前記第1透明基材の平面内において、交叉する2方向を第1の方向と第2の方向としたとき、前記GND電極層は、前記第1の方向に延出された第1のGND電極部と、前記第2の方向に延出された第2のGND電極部とを有して構成されており、前記第1のアライメントマークは、前記第1のGND電極部の一部及び前記第2のGND電極部の一部から構成されており、前記第2のアライメントマークは、前記第1の方向に沿った第1部分と前記第2の方向に沿った第2部分とを有して構成されていることが好適である。これによれば、アライメントマークの付近に引出配線層等の他のパターンが配置されている場合であっても、第1のアライメントマーク及び第2のアライメントマークの形状を他のパターンと明確に異ならせることができるため、画像認識における誤認識を防ぐことができる。また、第1のアライメントマーク及び第2のアライメントマークを画像認識する場合に、非入力領域を拡大させることなく画像認識エリアを実質的に大きくすることができるため、誤認識を防ぎ画像認識精度を向上させることが可能である。したがって、第1透明基材と第2透明基材とを正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0016】
本発明の入力装置において、前記第1のアライメントマークの前記第1部分と前記第2部分とは離間して形成されていることが好ましい。このような態様であれば、GND電極層の角部を用いて入力装置の静電破壊検査を行うことが可能となる。
【0017】
前記第1透明基材の入力面側には、表面を保護するための保護パネルが積層されており、前記第1透明基材及び前記第2透明基材と、前記保護パネルとは、前記第2のアライメントマークの基準縁に基づいて位置合わせして積層されていることが好ましい。これによれば、保護パネルを積層するためのアライメントマークを別に設ける必要がなく、第2のアライメントマークに基づいて第1透明基材及び第2透明基材と保護パネルとを正確に位置合わせして積層することができる。
【0018】
本発明の入力装置の製造方法は、前記第1透明基材の前記入力領域を囲むようにGND電極層を形成するとともに、前記GND電極層の一部から構成される第1のアライメントマークとを形成する工程と、前記第2透明基材の前記第1のアライメントマークと対応する位置に、第2のアライメントマークを形成する工程と、前記第2のアライメントマークの少なくとも一部が前記第1のアライメントマークと平面視で重なるように、前記第1透明基材と前記第2透明基材とを積層する工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
これによれば、第1透明基材に形成された第1のアライメントマークと第2透明基材に形成された第2のアライメントマークとを画像認識して、第1透明基材と第2透明基材とを正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0020】
さらに、第1のアライメントマークがGND電極層の一部から構成されており、第2のアライメントマークの少なくとも一部が第1のアライメントマークと平面視で重なるように各透明基材が積層されることから、入力領域の周囲に位置する非入力領域が拡大することを抑制して、入力装置の狭額縁化が可能である。また、GND電極層が入力領域を囲むように形成されており、外部からの電磁ノイズ等による静電干渉を抑制するとともに、各アライメントマークと透明電極層との間の静電干渉も抑制されるため、誤検出や誤動作を防止することができる。
【0021】
したがって、本発明によれば、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現するとともに、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能な入力装置の製造方法を提供することができる。
【0022】
本発明の入力装置の製造方法において、前記GND電極層の外縁には凹部が設けられ、前記凹部から構成される前記第1のアライメントマークを形成する工程と、前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部が、平面視で前記凹部内に位置するように、前記第1透明基材と前記第2透明基材とを積層する工程と、を含むことが好適である。こうすれば、非入力領域の拡大を抑制して第1のアライメントマークと第2のアライメントマークとを形成することができるため、入力装置の狭額縁化が可能となる。また、第1のアライメントマークはGND層の外縁に形成された凹部から構成されていることから、GND電極層の内縁の形状を変化させることなく第1のアライメントマークを形成することができる。これにより、GND電極層の内方に位置する入力領域において静電容量分布の変化を防ぐことができる。また、GND電極層によって、外部からの電磁ノイズ等による静電干渉を抑制するとともに、第1のアライメントマーク及び第2のアライメントマークと各透明電極層との間の静電干渉が抑制される。したがって、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現して、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0023】
本発明の入力装置の製造方法において、前記GND電極層には開口部が設けられ、前記開口部から構成される前記第1のアライメントマークを形成する工程と、前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部が、平面視で前記開口部内に位置するように、前記第1透明基材と前記第2透明基材とを積層する工程と、を含むことが好適である。このような態様であっても、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現して、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0024】
本発明の入力装置の製造方法において、前記第2のアライメントマークの基準縁に基づいて、表面を保護するための保護パネルを位置合わせして、前記第1透明基材及び前記第2透明基材と前記保護パネルとを積層する工程を含むことが好ましい。これによれば、保護パネルを積層するためのアライメントマークを別に設ける必要がなく、第2のアライメントマークを基準として容易に保護パネルを積層することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第1透明基材に形成された第1のアライメントマークと第2透明基材に形成された第2のアライメントマークとを画像認識して、第1透明基材と第2透明基材とを正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0026】
さらに、第1のアライメントマークがGND電極層の一部から構成されており、第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部が第1のアライメントマークと平面視で重なるように形成されることから、入力領域の周囲に位置する非入力領域が拡大することを抑制して、入力装置の狭額縁化が可能である。また、GND電極層が入力領域を囲むように形成されており、外部からの電磁ノイズ等による静電干渉を抑制するとともに、各アライメントマークと透明電極層との間の静電干渉も抑制されるため、誤検出や誤動作を防止することができる。
【0027】
したがって、本発明によれば、静電干渉の抑制及び狭額縁化を実現するとともに、透明基材間を正確に位置合わせして積層することが可能な入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態における入力装置の分解斜視図である。
【図2】本実施形態における第1透明基材の平面図である。
【図3】本実施形態における第2透明基材の平面図である。
【図4】第1透明基材と第2透明基材とを位置合わせして積層したときの模式平面透過図である。
【図5】本実施形態の第1の変形例を示す、第1透明基材と第2透明基材とを積層したときの模式平面透過図である。
【図6】第2の変形例を示す、第1透明基材と第2透明基材とを積層したときの模式平面透過図である。
【図7】本実施形態の入力装置の製造方法を示す、第1のアライメントマークを有するGND電極層を形成する工程を示す図である。
【図8】本実施形態の入力装置の製造方法を示す、第1のアライメントマークを有するGND電極層を形成する工程を示す図である。
【図9】第1透明基材と第2透明基材とを積層する工程を示す図である。
【図10】第1透明基材及び第2透明基材と、保護パネルとを積層する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、本発明の実施形態における入力装置1の分解斜視図を示す。また、図2には第1透明基材10の平面図を、図3には第2透明基材20の平面図を示す。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の入力装置1は、第1透明基材10、第2透明基材20、及び第1透明基材10の入力面側に配置された保護パネル31を有して構成されている。
【0031】
保護パネル31は、入力装置1の表面を保護するために設けられており、PC(ポリカーボネイト)等の樹脂基板や、ガラス基板等の透光性の材料を用いて形成されている。図1に示すように、保護パネル31の外周には着色された加飾層32が設けられており、これにより透光性の入力領域51と、着色された非透光性の非入力領域52とに区分けされている。
【0032】
図1及び図2に示すように、第1透明基材10の入力領域51には第1透明電極層11が形成されている。第1透明電極層11は、Y1−Y2方向に延出された複数の帯状の透明電極層から構成されており、この複数の帯状の透明電極層がX1−X2方向に間隔を空けて配列されている。
【0033】
また、図1及び図3に示すように、第2透明基材20の入力領域51には、複数の帯状の透明電極層から構成される第2透明電極層21が形成されている。第2透明電極層21は、X1−X2方向に延出された複数の透明電極層が、Y1−Y2方向に間隔を空けて配列されている。図1に示すように、第1透明電極層11と第2透明電極層21との各交点で静電容量値を形成するように、第1透明基材10と第2透明基材20とが積層されている。
【0034】
第1透明基材10と第2透明基材20とは、透光性のアクリル系両面テープまたはアクリル系光学粘着剤からなる粘着層33(図示しない)を介して積層されている。また、保護パネル31と第1透明基材10とは、同様に粘着層34(図示しない)を介して積層されている。
【0035】
第1透明基材10及び第2透明基材20には、透光性のフィルム状樹脂材料が用いられており、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることができる。第1透明基材10及び第2透明基材20の厚みは、それぞれ50μm〜200μm程度に形成される。
【0036】
また、第1透明電極層11及び第2透明電極層21は、いずれも可視光領域で透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等の透明電極膜により形成される。第1透明電極層11及び第2透明電極層21は、スパッタ法や蒸着法等の薄膜法により形成され、その厚みはいずれも0.01μm〜0.05μm、例えば0.02μm程度に形成される。また、スパッタ法や蒸着法以外の方法では、あらかじめ透明電極膜が形成されたフィルムを用意して、透明電極膜のみを透明基材に転写する方法や、導電性ポリマーやAgナノワイヤ等を塗布する方法により形成することも可能である。
【0037】
入力装置1の入力操作時において、保護パネル31表面の入力領域51の任意の箇所に指を接触させると、第1透明電極層11と第2透明電極層21との間の静電容量に、第1透明電極層11と指との間の静電容量が付加されて、静電容量値の変化が生じる。第1透明電極層11と第2透明電極層21との各交点の静電容量値を検出することにより、静電容量値の変化に基づいて入力位置を検知することが可能である。
【0038】
図2に示すように、第1透明電極層11のY1側の端部には、第1引出配線層12が接続されている。第1引出配線層12はY1側の非入力領域52を引き回されて、第1接続部13と接続されている。第1透明電極層11と第1引出配線層12とは、接続信頼性を確保するための接続用パッド15を介して接続されており、また、第1透明電極層11のY2側の端部には、電気特性を測定するための検査用パッド14が形成されている。
【0039】
また、図3に示すように第2透明電極層21のX1側の端部またはX2側の端部には、第2引出配線層22がそれぞれ接続されている。第2引出配線層22は、非入力領域52を引き回されて、Y1側に形成された第2接続部23と接続されている。
【0040】
第1接続部及び第2接続部はフレキシブルプリント基板(図示しない)と接続されて、入力位置情報を出力することができる。フレキシブルプリント基板との接続において、第1透明基材10には、第2接続部23と対向する位置に切り欠き等(図示しない)が形成されていることが好ましい。こうすれば、第1接続部13と第2接続部23とが並んで露出されるため、フレキシブルプリント基板との接続を容易に行うことが可能となる。
【0041】
第1引出配線層12、第2引出配線層22、第1接続部13、及び第2接続部23は、保護パネル31に形成された加飾層32と平面視で重なる位置に形成されており、操作者から直接視認されることがないため、非透光性の材料を用いることができる。本実施形態においては、第1透明電極層11及び第2透明電極層21よりも高い導電性を有する(抵抗値が低い)、例えば、AgPdCu、Cu、Al、Ag、Au、MoNb/Al、MoNb/AgPdCu等の金属材料が用いられる。各引出配線層及び各接続部に抵抗値の低い材料を用いることにより、電気的接続信頼性を確保できるとともに、第1引出配線層12及び第2引出配線層22の線幅をより細く形成した場合でも低い抵抗値が得られるため、入力装置1の狭額縁化に対してより効果的である。
【0042】
本実施形態の入力装置1において、図1及び図2に示すように、第1透明基材10の非入力領域52には、入力領域51を囲むようにGND電極層41が形成されている。GND電極層41には、第1引出配線層12及び第1接続部13と同様に高い導電性を有する金属材料が用いられている。なお、GND電極層41は、使用時に接地電位に設定される。
【0043】
GND電極層41を設けることにより、外部の電子機器等からの電磁ノイズを遮蔽することができ、静電干渉を抑制することが可能となる。また、保護パネル31表面の非入力領域52に指や手を触れた場合においても、GND電極層41によって遮蔽されて、GND電極層41の内方の入力領域51において静電干渉が抑制される。これにより、誤検出等を防ぐことが可能となり、安定して入力位置情報を検知することができる。
【0044】
また、上述のとおり静電容量式の入力装置1においては、第1透明電極層11と第2透明電極層21との各交点を走査して静電容量値の変化を検出し、これにより入力位置情報を検知することができる。したがって、入力位置情報を正確に検知するために、第1透明基材10と第2透明基材20とは正確に位置合わせして積層される必要がある。図2に示すように、本実施形態の入力装置1においては、GND電極層41の外縁に、内方に向かい窪んで形成された第1凹部42a及び第2凹部42bが形成されている。この第1凹部42a及び第2凹部42bから第1のアライメントマーク42が構成される。また、図3に示すように、第2透明基材20の非入力領域52には、第1のアライメントマーク42と対応する位置に第2のアライメントマーク43が形成されている。第2のアライメントマーク43は、第2引出配線層22や第2接続部23等と同様に、高い導電性を有する金属材料が用いられる。第1透明基材10と第2透明基材20とを積層するときに、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43の位置を画像認識して正確に位置合わせして積層することができる。
【0045】
図4には、第1透明基材10と第2透明基材20とを積層したときの模式平面透過図を示し、特に第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43付近について拡大して示す。図4に示すように、GND電極層41はY1−Y2方向に延出された第1のGND電極部41aと、X1−X2方向に延出された第2のGND電極部41bとを有して構成される。
【0046】
図4に示すように、第1のGND電極部41aの外縁には第1凹部42aが形成されており,第2のGND電極部41bの外縁には第2凹部42bが形成されている。第1のアライメントマーク42は、第1凹部42a及び第2凹部42bから構成されている。また、第2透明基材20に形成された第2のアライメントマーク43は、Y1−Y2方向に沿った基準縁43m1を有する矩形状の第1部分43aと、X1−X2方向に沿った基準縁43m2を有する矩形状の第2部分43bとを有して構成される。そして、第1凹部42aと対応する位置に第1部分43aが形成され、第2凹部42bと対応する位置に第2部分43bが形成される。本実施形態では、矩形状の第1部分43a及び第2部分43bの長辺の一部をそれぞれ基準縁43m1、基準縁43m2としている。
【0047】
このように第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43とが形成されることにより、第1のアライメントマーク42と、第2のアライメントマーク43とをそれぞれ画像認識して、正確に位置合わせして積層することが可能となる。本実施形態の入力装置1においては、図4に示すように、第2のアライメントマーク43の第1部分43aの基準縁43m1の一部が、第1凹部42aの内部に位置するように、また、第2部分43bの基準縁43m2の一部が、第2凹部42bの内部に位置するように積層されている。
【0048】
例えば第1のアライメントマーク42がGND電極層41と別に形成される場合には、第1のアライメントマーク42を形成するためにGND電極層41の外周の非入力領域52の面積を拡大する必要があり、入力装置1の狭額縁化が困難となってしまう。本実施形態の入力装置1によれば、GND電極層41の外縁に形成された第1凹部42a及び第2凹部42bから第1アライメントマーク42が構成されて、第2のアライメントマーク43は第1のアライメントマーク42と対応する位置に形成されている。これにより、非入力領域52を拡大させることなく第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43とが形成されて、入力装置1の狭額縁化を実現することができる。
【0049】
さらに、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43を形成しても、GND電極層41は入力領域51を囲むように形成されているため、外部からの電磁ノイズや非入力領域に指などを接触させた場合であっても静電干渉が効果的に抑制される。また、GND電極層の内縁の形状を変化させることなく第1のアライメントマークが形成されているため、GND電極層41の内方に位置する入力領域51において静電容量分布の変化を防ぐことができる。また、GND電極層41によって、外部からの電磁ノイズ等による静電干渉を抑制するとともに、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43と各透明電極層との間の静電干渉が抑制される。したがって、本実施形態の入力装置によれば、効果的に静電干渉を抑制して誤動作や誤検出を防ぐことが可能である。
【0050】
本実施形態において、第1アライメントマーク42の第1凹部42a、第2凹部42b及び第2アライメントマーク43の第1部分43a、第2部分43bが画像認識されることにより、第1透明基材10と第2透明基材20とが位置合わせされて積層される。これによれば、各アライメントマーク付近に引出配線層等の他のパターンが配置されている場合であっても、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43の形状を他のパターンと明確に異ならせることができるため、画像認識における誤認識を防ぐことができる。また、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43を画像認識する場合に、非入力領域52を拡大させることなく画像認識エリアを実質的に大きくすることができるため、誤認識を防ぎ画像認識精度を向上させることが可能である。
【0051】
また、本実施形態において第1のアライメントマーク42の第1凹部42aと第2凹部42bとが離間して形成されており、また、第2のアライメントマーク43の第1部分43aと第2部分43bとが離間して形成されている。このような態様であれば、GND電極層41の角部には第1のアライメントマーク42の第1凹部42a及び第2凹部42bが設けられないため、GND電極層41の角部を用いて入力装置1の静電破壊検査を行うことができる。また、非入力領域52を拡大させることなく画像認識エリアをより大きく確保することができるため、誤認識を防止することが可能となる。
【0052】
なお、図4においては、第1透明基材10及び第2透明基材20の一つの角部について示したが、対角についても同様に、第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43とを設けることにより、さらに正確に位置合わせすることが可能である。また、図2及び図3に示すように、対角の非入力領域52においてはフレキシブルプリント基板との接続を行うために比較的広い面積を有しているため、図4に示すような態様に限らず、様々な態様でアライメントマークを形成することができる。
【0053】
入力装置1の狭額縁化を実現するために、例えば、第1透明基材10の一部及び第2透明基材20の一部にあらかじめ張り出し部を設けて、この張り出し部にそれぞれアライメントマークを形成する方法も検討された。このような構成によれば、各アライメントマークに基づいて第1透明基材10と第2透明基材20とを貼り合わせた後に、張り出し部を切断することで入力装置1の狭額縁化を図ることができる。この場合、張り出し部とともに各アライメントマークも切断されることになる。そのため、第1透明基材10と第2透明基材20とを貼り合わせた後に保護パネル31を積層する場合、位置合わせが非常に困難であった。
【0054】
本実施形態の入力装置1においては、狭額縁を実現して第1透明基材10と第2透明基材20とを積層した後においても、第2のアライメントマーク43の一部を視認することができる。本実施形態においては、第2のアライメントマーク43の第1部分43aの基準縁43m1及び第2部分43bの基準縁43m2の一部が第1凹部42a、及び第2凹部42b内で視認することが可能であることから、基準縁43m1及び基準縁43m2の一部に基づいて第1透明基材10及び第2透明基材20と保護パネル31とを、容易に、かつ正確に位置合わせして積層することが可能となる。
【0055】
第1のアライメントマーク42、及び第2のアライメントマーク43の態様は、図4に示すようなものに限定されるものではない。例えば、第2のアライメントマーク43は正方形、円形、十字、あるいはそれらの組み合わせなど、一般的なアライメントマークであっても良い。また、図4では、第2のアライメントマーク43(第1部分43a、第2部分43b)の一部が第1のアライメントマーク42(第1凹部42a、第2凹部42b)の内部に位置するように積層されているが、これに限らず、第2のアライメントマーク43の第1部分43a及び第2部分43bの全体が、第1凹部42a内及び第2凹部42b内にそれぞれ位置するような大きさに形成されていても何ら問題は無い。
【0056】
なお、本実施形態の入力装置1において、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43はそれぞれ複数のアライメントマークを有して構成されているが、この態様に限らず、第1凹部42aと第1部分43aの組み合わせ、又は第2凹部42bと第2部分43bの組み合わせのいずれか一方のみが形成された場合であっても、画像認識して正確に位置合わせすることが可能である。
【0057】
図5には、本実施形態の第1の変形例である、第1透明基材10と第2透明基材20とを積層したときの模式平面透過図を示す。図5に示すように、第1のアライメントマーク42を離間させずに、GND電極層41の角部に連接して設けても良い。この場合、第2のアライメントマーク43の第1部分43a、第2部分43bについても連接してL字状に形成される。第1の変形例においても、第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43の基準縁43m1、43m2とに基づいて、正確に位置合わせすることが可能である。
【0058】
図6には、本実施形態の第2の変形例を示す。図6に示すように、第1のGND電極部41aには第1開口部42cが形成され、第2のGND電極部41bには第2開口部42dが形成されている。第1開口部42c及び第2開口部42dから第1のアライメントマーク42が構成されている。また、第2のアライメントマーク43は、図4と同様に、第1部分43a及び第2部分43bを有して構成される。本変形例においては、第2のアライメントマーク43の第1部分43aの基準縁43m1の一部が第1開口部42c内部に位置し、第2のアライメントマーク43の第2部分43bの基準縁43m2の一部が第2開口部42d内部に位置するように積層される。これにより、第1透明基材10及び第2透明基材20が正確に位置合わせして積層される。本変形例においても、入力装置1の狭額縁化が可能であるとともに、静電干渉を抑制することができる。
【0059】
<入力装置の製造方法>
次に、図面に基づいて入力装置1の製造方法について説明する。図7(a)〜図7(c)及び図8(a)〜図8(c)には第1のアライメントマーク42を有するGND電極層41を形成する工程図を示す。図7及び図8の各左図には、第1透明基材10の模式平面透過図を示し、各右図には図7(a)のVII−VII線、及び図8(a)のVIII−VIII線に対応する箇所で切断した時の断面図を示す。
【0060】
まず、第1透明基材10上に、ITO等の透明電極膜61をスパッタ法や蒸着法等により成膜する。次に透明電極膜61の全面に金属層62をスパッタ法や蒸着法により成膜する。金属層62には、AgPdCu、Cu、Al、Ag、Au、MoNb/Al、MoNb/AgPdCu等の低抵抗材料を用いることができる。なお、金属層62は単層であっても積層体であっても良い。
【0061】
図7(a)に示すように、第1透明電極層11及びGND電極層41が形成される領域にレジスト層63を積層する。このとき、第1のアライメントマーク42が形成される箇所に対応して、レジスト層63に凹部63a、63bを設けて積層する。なお、図7(a)〜(c)及び図8(a)〜(c)には図示しないが、第1引出配線層12、第1接続部13が形成される領域にもレジスト層63を積層して、同様の工程で第1引出配線層12及び第1接続部13が形成される(以降の説明では省略する)。
【0062】
次に、図7(b)の工程では、レジスト層63が積層されていない領域で露出する金属層62をエッチングにより除去する。エッチング工程では、ウェットエッチングを選択することができる。図7(b)の工程により、第1透明電極層11及びGND電極層41が形成される領域に金属層62が残ることになる。図7(c)の工程では、レジスト層63が積層されていない領域で露出する透明電極膜61をエッチングにより除去する。その後、レジスト層63を除去すると、第1透明電極層11及びGND電極層41が形成される領域に、透明電極膜61と金属層62との積層体が残る。
【0063】
図8(a)に示す工程では、検査用パッド14及びGND電極層41が形成される領域に跨がって、レジスト層64を積層する。なお、図8では図示していないが、第1引出配線層12及び、第1引出配線層12と第1透明電極層11との接続パッド部が設けられる領域にもレジスト層64が積層されている。
【0064】
その後図8(b)に示すように、レジスト層64に覆われていない金属層62をエッチングにより除去する。これにより、第1透明電極層11が露出して形成される。そして、図8(c)の工程で、レジスト層64を除去することにより、第1透明基材10上に第1透明電極層11及びGND電極層41が形成される。このような工程によって、第1アライメントマーク42(第1凹部42a、第2凹部42b)が、最初のレジスト層63で位置精度良く形成される。また、その後のエッチング工程においてはレジスト層64により保護されていることから、複数回のエッチングの影響を受けることがなく、所望の形状を維持して形成される。
【0065】
第2透明基材20に第2透明電極層21及び第2のアライメントマーク43を形成する工程についても、図7(a)〜図7(c)及び図8(a)〜図8(c)と同様の工程で形成することができる。
【0066】
なお、図7及び図8では、GND電極層41の外縁に、第1凹部42aが形成される場合について示したが、これに限らず、図5に示すようなL字状の第2のアライメントマーク42や、図6に示すような開口部43a、43bからなる第1アライメントマーク43など、他の態様であっても、同様の工程で形成することが可能である。また、レジスト層63、64のパターニングや、エッチングにより金属層62、透明電極膜61を除去する工程は、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)の工程に限定されるものではない。例えば、図7(c)の後に、図8(a)のレジスト層64を新たに形成せずに、検査用パッド14及びGND電極層41が形成される領域にレジスト層63を残すように除去する方法であっても良い。
【0067】
図9(a)〜図9(c)には、第1透明基材10と第2透明基材20とを積層する工程図を示す。それぞれ左図には部分拡大平面図を示し、右図には図9(a)のIX−IX線に対応する箇所で切断したときの断面図を示す。アライメントの方法は特に限定されるものではないが、第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43とを、それぞれ画像処理装置により読み取って位置を認識することができる。例えば、図9(a)に示すように、第1のアライメントマーク42の第1凹部42aの直線部と、第2凹部42bの直線部とを画像認識して、それぞれの延長線が交叉する点を第1透明基材10の基準点Aとすることができる。同様に、図9(b)に示すように第2アライメントマーク43の第1部分43aの基準縁43m1の直線部と、第2部分43bの基準縁43m2の直線部とを画像認識して、それぞれを延長した直線の交叉する点を第2透明基材20の基準点Bとすることができる。
【0068】
そして、両基準点が適切な位置になるように、第1透明基材10及び第2透明基材20の位置を自動機によって調整して貼り合わせることによって、正確に位置合わせして積層することができる。このような工程により図9(c)に示すように、第2のアライメントマーク43の少なくとも一部が第1のアライメントマーク42と平面視で重なるように、すなわち、第1凹部42a内に第2のアライメントマーク43の第1部分43aの基準縁43m1の一部が位置するように、また、第2凹部42b内に第2部分43bの基準縁43m2の一部が位置するように、第1透明基材10と第2透明基材20とが粘着層33を介して積層される。
【0069】
本実施形態の入力装置1の製造方法によれば、非入力領域52の拡大を抑制して第1のアライメントマーク42と第2のアライメントマーク43とを形成することができるため、入力装置1の狭額縁化が可能となる。また、第1のアライメントマーク42及び第2のアライメントマーク43と各透明電極層との間の静電干渉もGND電極層41によって抑制されるため、GND電極層41の内方に位置する入力領域51において静電容量分布の変化や静電干渉を防ぐことができる。したがって、GND電極層41によって効果的に静電干渉が抑制されて、誤動作や誤検出を防止できる。
【0070】
図10(a)〜図10(c)には、第1透明基材10及び第2透明基材20と、保護パネル31とを積層する工程図を示す。それぞれ左図には部分拡大平面図を示し、右図には図10(c)のX−X線に対応する箇所で切断したときの断面図を示す。図10(a)に示すように、保護パネル31の非入力領域52には加飾層32が積層されている。保護パネル31を積層する際には、例えば加飾層32の内縁の角部を画像認識して、基準点Cとすることができる。また、図9(a)〜図9(c)の工程により積層された第1透明基材10と第2透明基材20との積層体においても、第2アライメントメーク43の基準縁43m1の直線部の一部、及び基準縁43m2の直線部の一部を視認することができる。したがって、図9(b)の工程と同様に、基準点Bを基準位置とすることが可能である(図10(b)参照)。そして、基準点Cと基準点Bとが適切な位置になるように、保護パネル31と第1透明基材10及び第2透明基材20とが粘着層34を介して積層される。これにより、図10(c)に示すように、保護パネル31が表面に配置された入力装置1を製造することができる。
【0071】
なお、保護パネル31の基準点Cは、図10(a)のように加飾層32の内縁の角部に限定されるものではなく、別にアライメントマークを設けてもよい。また、保護パネル31を積層した後にも、第2透明基材20側から第2アライメントマーク43の基準縁43m1、基準縁43m2の一部を視認することができるため、液晶パネルや有機ELパネル等の表示装置と入力装置1とを積層する際においても、第2アライメントマーク43の基準縁43m1、基準縁43m2に基づいて積層することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 入力装置
10 第1透明基材
11 第1透明電極層
12 第1引出配線層
20 第2透明基材
21 第2透明電極層
22 第2引出配線層
31 保護パネル
32 加飾層
41 GND電極層
41a 第1のGND電極部
41b 第2のGND電極部
42 第1のアライメントマーク
42a 第1凹部
42b 第2凹部
42c 第1開口部
42d 第2開口部
43 第2のアライメントマーク
43a 第1部分
43b 第2部分
43m1 第1部分の基準縁
43m2 第2部分の基準縁
51 入力領域
52 非入力領域
61 透明電極膜
62 金属層
63、64 レジスト層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の第1透明基材と、
前記第1透明基材に対向して配置された第2透明基材と、
前記第1透明基材及び前記第2透明基材の入力領域にそれぞれ形成された第1透明電極層と第2透明電極層と、
前記第1透明基材の前記入力領域を囲むように形成されたGND電極層と、を有し、
前記第1透明基材には、前記GND電極層の一部から構成された第1のアライメントマークが形成されており、
前記第2透明基材には、前記第1のアライメントマークと対応する位置に第2のアライメントマークが形成されており、
前記第2のアライメントマークの少なくとも一部が前記第1のアライメントマークと平面視で重なるように前記第1透明基材と前記第2透明基材とが積層されていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記GND電極層の外縁には凹部が形成されており、前記第1のアライメントマークは前記凹部から構成されており、前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部は平面視で前記凹部内に位置することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記GND電極層には開口部が形成されており、前記第1のアライメントマークは前記開口部から構成されており、前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部は平面視で前記開口部内に位置することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1透明基材の平面内において、交叉する2方向を第1の方向と第2の方向としたとき、前記GND電極層は、前記第1の方向に延出された第1のGND電極部と、前記第2の方向に延出された第2のGND電極部とを有して構成されており、
前記第1のアライメントマークは、前記第1のGND電極部の一部から形成された第1部分と前記第2のGND電極部の一部から形成された第2部分とを有して構成されており、
前記第2のアライメントマークは、前記第1の方向に沿った第1部分と前記第2の方向に沿った第2部分とを有して構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記第1のアライメントマークの前記第1部分と前記第2部分とは離間して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第1透明基材の入力面側には、表面を保護するための保護パネルが積層されており、前記第1透明基材及び前記第2透明基材と、前記保護パネルとは、前記第2のアライメントマークの基準縁に基づいて位置合わせして積層されていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
透光性の第1透明基材と、前記第1透明基材に対向して配置された第2透明基材と、前記第1透明基材及び前記第2透明基材の入力領域にそれぞれ形成された第1透明電極層と第2透明電極層と、を有する入力装置の製造方法であって、
前記第1透明基材の前記入力領域を囲むようにGND電極層を形成するとともに、前記GND電極層の一部から構成される第1のアライメントマークを形成する工程と、
前記第2透明基材の前記第1のアライメントマークと対応する位置に、第2のアライメントマークを形成する工程と、
前記第2のアライメントマークの少なくとも一部が前記第1のアライメントマークと平面視で重なるように、前記第1透明基材と前記第2透明基材とを積層する工程と、を有することを特徴とする入力装置の製造方法。
【請求項8】
前記GND電極層の外縁には凹部が設けられ、前記凹部から構成される前記第1のアライメントマークを形成する工程と、
前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部が、平面視で前記凹部内に位置するように、前記第1透明基材と前記第2透明基材とを積層する工程と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の入力装置の製造方法。
【請求項9】
前記GND電極層には開口部が設けられ、前記開口部から構成される前記第1のアライメントマークを形成する工程と、
前記第2のアライメントマークの基準縁の少なくとも一部が、平面視で前記開口部内に位置するように、前記第1透明基材と前記第2透明基材とを積層する工程と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の入力装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2のアライメントマークの基準縁に基づいて、表面を保護するための保護パネルを位置合わせして、前記第1透明基材及び前記第2透明基材と前記保護パネルとを積層する工程を含むことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の入力装置の製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−238261(P2012−238261A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108103(P2011−108103)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】