説明

内装用建材

【課題】光触媒による基材及びオーバーコート層の分解が防止されるとともに光触媒機能が長期間維持され、しかも表面の意匠性および機能性に優れた内装用建材を提供する。
【解決手段】塗装によって基材11の上面に光触媒層23が形成された内装用建材20において、光触媒層23は、光触媒14と、通気性と透光性とを備え光触媒14を包み込むとともに光触媒14を基材11の上面に固着させるバインダー26と、からなり、さらに光触媒層23の上面に、通気性と透光性とを備えるオーバーコート層27を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装によって基材の上面に光触媒層が形成された内装用建材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、文教施設、公共施設、店舗、医療・保健・介護施設など不特定多数の人が出入りする施設では、建築物内部の空気環境や衛生面に対する配慮が特に必要とされてきたが、マンションや戸建住宅など一般住宅の居住環境においても同様の配慮が求められて久しい。
近年では、光触媒を利用することで、シックハウスやシックスクールの原因といわれるホルムアルデヒド等の物質や、煙草臭やその他の悪臭の原因物質であるアセトアルデヒド、硫黄酸化物、窒素酸化物など、揮発性有機化合物を分解することで、快適な住環境を得るための技術が注目されている。
【0003】
ここで光触媒とは、光のエネルギーを吸収して活性化し超親水性や、酸化還元反応などの作用を発揮するものの総称で、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化タングステン(WO3)など様々な種類が知られている。この中でも特に二酸化チタンは、他の光触媒と比べて産業上の利点が多いので、実用化されている光触媒のほとんどを二酸化チタンが占めている。
二酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3種の結晶構造が知られており、光触媒としてはアナターゼ型が従来多く利用されてきた。最近ではルチル型とアナターゼ型の複合化や、ルチル型の表面に金属担持するなどして、ルチル型の光触媒活性の向上が図れることがわかってきており、今後安価なルチル型の光触媒用途の広がりが期待されている。
また、従来の光触媒は紫外領域の光のみ反応していたが、近年光触媒における酸素原子を他の金属元素で置き換えると、吸収波長が長波長側にシフトすることがわかったため、可視領域の光が利用できる光触媒が開発されている。これらの可視光応答型光触媒は、実用に供されつつある。
【0004】
光触媒の超親水性とは、光照射により正孔が生じて光触媒表面に親水性のドメインが形成されることにより発現するもので、光触媒表面が水と非常になじみ、汚れが簡単に除去できるというものである。
超親水性機能の活用例として、屋外用途では石材、ガラス、コンクリート、鋼板などの屋外用建材の表面に光触媒粒子を露出した状態で配置することで、屋外用建材の表面への水滴の付着や曇りの発生を防止する技術や、表面に付着した汚染物質を雨水で洗い流す自己洗浄機能を付与する技術が知られている。また、屋内用途では便器などの衛生設備機器の表面に光触媒粒子を配置することで流水による洗浄性を高める技術などが知られている。
【0005】
一方、光触媒の酸化還元反応は、光のエネルギーを吸収して光触媒が励起し、生じた電子と正孔が空気中の水及び酸素と反応して活性酸素が発生することにより、発現するとされている。発生した活性酸素が有機物と接触すると有機物が酸化分解するので、結果として汚染物質や有害物質の除去(分解)、菌・ウイルスの失活などにつながる。
この酸化還元反応によって発現する有機物分解機能は、窒素酸化物やホルムアルデヒドなどの有害な有機ガスや悪臭成分(以後、ガス状成分と総称する)を分解する空気浄化機能、有機汚染物質を分解する防汚機能や抗菌機能などとして応用されている。
【0006】
こうした背景の下、近年、光触媒を含有するコーティング剤を天井材や壁材などの内装用建材に塗布することで、消臭性、VOC低減、防汚性、抗菌性などの機能を付与する試みがなされてきた。
しかし、光触媒は光反応により機能が発現することから、光量の少ない屋内では効率よく光触媒機能を発揮させるための配慮が必要とされる。また、光触媒の有機物分解機能は、本来目的とするガス状成分や汚染物質の分解だけではなく、内装用建材を構成する基材やオーバーコート層(塗膜など)も分解してしまうため、それに対する配慮も必要である。
【0007】
そこで、木材の表面に光触媒を配した木材として、木材の表面に非透水塗膜層と無機中間層、光触媒含有塗膜層とが順次積層された構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、木質材料その他の基材上に有機塗膜層と通気性を有する無機保護層とを順次積層し、さらに最表層に可視光型光触媒を含有する無機系塗膜層が積層された構造の内装用建材が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
これらの構造は、光触媒と基材との接触を無機保護層により防止して基材の分解を抑制しつつ、表面に露出した光触媒によって揮発性有機化合物や悪臭物質および汚染物質を分解するというものである。
【0008】
さらに、内装用建材の最表層に位置する光触媒含有塗装のバインダー成分を意図的に分解することで、塗装膜のバインダー成分に埋没して有効に機能していなかった光触媒を表面に露出させ、内装用建材に付与した光触媒機能、すなわち抗菌、防汚、有機物分解という特性を高めるという方法と構造が開示されている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
また、照明器具のフード基材上に、光触媒層と無機の透過性微粒子とを順次積層することで、光触媒粒子表面への汚れ物質の付着を低減し、光触媒機能の低下を軽減するという技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
以上より、図4に示すように光触媒14を利用した内装用建材10は、有機系の基材11と、光触媒14を基材11の上面に固着させるバインダーからなる光触媒層13との間に保護層12を設けることで基材11の分解を抑制し、かつ、従来のオーバーコート層である有機系塗膜を設けずに、光触媒14粒子の露出した光触媒層13を内装用建材10の最表層に配することで光触媒機能を付与する、という構造が一般的なものといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−142217号公報
【特許文献2】特開2007−002537号公報
【特許文献3】特開2004−052423号公報
【特許文献4】特開2007−092335号公報
【特許文献5】特開平11−226421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、光触媒14粒子が表面に露出した構造や、無機系のオーバーコート層を設けた構造においては、以下の問題がある。
1.適切なオーバーコート層ではない
従来使用されている内装用建材(光触媒機能を有しないもの)の最表面に位置する層は、表面物性や透明性、コストや生産性の観点からウレタン系やアクリル系など有機系塗料による塗膜やフィルムが用いられているが、これらは光触媒により分解されてしまうために、光触媒機能を付加した内装用建材10には使用できない。
また、無機系のオーバーコート層は、柔軟性や耐クラック性が乏しいこと、隠蔽性があり木目がぼけて外観上の問題があること、コストや生産性にも劣ることから、内装用建材10のオーバーコート層に用いることは好ましくない。
2.光触媒を大量に要する
通常のバインダー16の場合、バインダー16自身の通気性が低いので、光触媒層13の表面に露出する僅かな光触媒14粒子のみが光触媒作用を発揮する。よって、所定の光触媒14の作用を得るには、バインダー16に大量の光触媒14を混入して、光触媒層13表面に露出する光触媒14の量を増やさなければならない。
【0012】
3.外観が悪い
光触媒14粒子が内装用建材10表面に露出している場合、その光触媒14の表面で光が乱反射するため、内装用建材10の表面が擦りガラス状に白化してしまう。
また、バインダー16に大量の光触媒14を混入した場合には、光触媒14そのものの持つ隠蔽性により白濁し、光触媒層13の透明度が低下してしまう。
そのため、基材11表面の木目や模様、色、柄などの意匠性が損なわれ、内装用建材10の価値が低下する。
【0013】
4.耐久性が低い
光触媒14粒子が内装用建材10表面に露出している場合、日常生活において居住者等が直接光触媒層13に接触するなどして何らかの摩擦力を受けると、光触媒14粒子が容易に剥離・脱落してしまう。
さらに、バインダー16が光触媒14により分解されるものであった場合には、徐々に光触媒14粒子の固着力が低下してしまい、剥離・脱落のおそれが大きくなる。
そのため、本来目的とする光触媒機能の長期維持が困難であり、内装用建材10の中でも居住者等の接触が頻繁な床材、カウンター、壁材、建具、扉などにおいては特に問題となる。
5.他の機能を付与できない
光触媒機能を付加していない内装用建材においては、オーバーコート層に減磨材や抗菌剤等の機能性添加剤を混入することで、オーバーコート層の耐久性向上や機能性付与が一般的に行われているが、オーバーコート層の形成が困難な状況ではこれら機能性添加剤の使用も困難である。
【0014】
そこで、本発明の目的とするところは、光触媒による基材及びオーバーコート層の分解が防止されるとともに光触媒機能が長期間維持され、しかも表面の意匠性および機能性に優れた内装用建材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の内装用建材(20)は、塗装によって基材(11)の上面に光触媒層(23)が形成された内装用建材(20)において、前記光触媒層(23)は、光触媒(14)と、通気性と透光性とを備え前記光触媒(14)を包み込む被覆剤(25)と、通気性と透光性とを備え前記被覆剤(25)で包み込まれた前記光触媒(14)を前記基材(11)の上面に固着させるバインダー(26)と、からなり、さらに前記光触媒層(23)の上面に、通気性と透光性とを備えるオーバーコート層(27)を形成したことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の内装用建材(20)は、前記光触媒(14)が可視光応答型光触媒であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項3に記載の内装用建材(20)は、前記可視光応答型光触媒が二酸化チタンであることを特徴とする。
【0018】
また、請求項4に記載の内装用建材(20)は、前記被覆剤(25)が有機系樹脂であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項5に記載の内装用建材(20)は、前記有機系樹脂がフッ素樹脂であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項6に記載の内装用建材(20)は、前記フッ素樹脂がフッ素化樹脂共重合体であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項7に記載の内装用建材(20)は、前記被覆剤(25)が有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項8に記載の内装用建材(20)は、前記ハイブリッド樹脂がシリコーン樹脂であることを特徴とする。
【0023】
また、請求項9に記載の内装用建材(20)は、前記シリコーン樹脂がシリコーン化合物共重合体であることを特徴とする。
【0024】
また、請求項10に記載の内装用建材(20)は、前記被覆剤(25)がセラミック系被覆剤であることを特徴とする。
【0025】
また、請求項11に記載の内装用建材(20)は、前記バインダー(26)が有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする。
【0026】
また、請求項12に記載の内装用建材(20)は、前記バインダー(26)が前記被覆剤(25)と同じ素材であることを特徴とする。
【0027】
また、請求項13に記載の内装用建材(20)は、前記オーバーコート層(27)が有機系樹脂又は有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする。
【0028】
また、請求項14に記載の内装用建材(20)は、前記オーバーコート層(27)が微細な孔(27a)を形成することにより通気性を備えたことを特徴とする。
【0029】
また、請求項15に記載の内装用建材(20)は、前記オーバーコート層(27)が減磨剤、着色剤、抗菌剤、芳香剤、消臭剤のうち少なくとも一つをさらに含有することを特徴とする。
【0030】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0031】
本発明の請求項1に記載の内装用建材によれば、光触媒層は、光触媒を包み込む、例えばフッ素化樹脂共重合体(請求項6)やシリコーン化合物共重合体(請求項9)やセラミック系被覆剤(請求項10)である被覆剤を有するので、光触媒の粒子が内装用建材の構成材料に直接接触することがない。つまり、有機化合物であっても光触媒によって分解されるおそれがないので、光触媒層の上面に有機化合物からなるオーバーコート層を形成することができる。有機化合物からなるオーバーコート層(請求項13)、つまり通常の有機系の塗装を施せるので、外観の仕上がりがよく、しかも生産性や経済性に優れる。
同様に、基材も光触媒によって分解されるおそれがないので、基材と光触媒層との間に、基材を保護するための保護層を設ける必要がなく、生産性や経済性に優れる。
【0032】
また、被覆材、バインダー及びオーバーコート層は通気性と透光性を備えるので、被覆材が光触媒の粒子を包み込み、さらにそれをバインダーが基材の上面に固着するために包み込み、その上光触媒層の上面にオーバーコート層を形成しても、光触媒の効果が低減し難い。すなわち、室内雰囲気のガス状成分が光触媒層内部の光触媒粒子にまで到達することができ、しかもその到達は光触媒のほぼ全周からである。それに加え、光触媒が反応するための光も光触媒に到達することができる。よって、バインダーに混入する光触媒の量が従来の数分の1程度であっても所定の光触媒の効果を得ることができるので、経済的である。
【0033】
また、光触媒層の上面にオーバーコート層を形成したので、光触媒の表面での光の乱反射を抑えることができ、透明性や透光性の高い表面状態を得ることができる。よって、基材表面の色、柄、模様などが鮮明な、意匠性の高い内装用建材を得ることができる。また、先述の通り使用する光触媒の量を少なくできるので、光触媒の隠蔽性によって光触媒層が白濁することもなく、意匠性に優れる。
それに加え、光触媒層の透明度が高いことで、屋内照明や外光による限られた可視光や紫外線を光触媒機能発現に効率よく利用することができる。
【0034】
さらに、オーバーコート層が形成されていることにより、光触媒が露出しないので、日常生活で居住者等が接触する機会の多い内装用建材(例えば床材、カウンター、壁材、建具、扉など)であっても、光触媒が剥離・脱落し難く、長期間にわたり光触媒機能を維持することができる。
【0035】
また、請求項2に記載の内装用建材によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加え、光触媒は可視光応答型光触媒であるので、室内であっても光触媒機能を効率よく発現できる。
【0036】
また、請求項12に記載の内装用建材によれば、バインダーは被覆剤と同じ素材であるので、一層生産性及び経済性が高くなる。
【0037】
また、請求項14に記載の内装用建材によれば、さらにオーバーコート層は微細な孔を形成することにより通気性を備えたので、ガス状成分がオーバーコート層を通過して確実に光触媒まで到達する。よって、オーバーコート層を形成しても、光触媒の機能を確実に発揮することができる。
【0038】
また、請求項15に記載の内装用建材によれば、オーバーコート層は、減磨剤、着色剤、抗菌剤、芳香剤、消臭剤のうち少なくとも一つをさらに有するので、内装用建材を一層高機能とすることができる。
【0039】
なお、本発明の内装用建材のように、通気性と透光性を備える被覆材で光触媒の粒子を包み込むことで内装用建材の構成材料の分解を抑制し、さらに光触媒層の上面に通気性と透光性を備えるオーバーコート層を形成して光触媒機能を低減させないとともに光触媒機能を長期間維持する点は、上述した特許文献1乃至特許文献5には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第一実施形態及び第二実施形態に係る内装用建材を示す断面図である。
【図2】本発明の第三実施形態に係る内装用建材を示す断面図である。
【図3】本発明のその他の実施形態に係る内装用建材を示す断面図である。
【図4】従来例に係る内装用建材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(第一実施形態)
図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る内装用建材10を説明する。
この内装用建材10は、基材11と、光触媒層23と、オーバーコート層27とからなるものである。
【0042】
基材11は、木質の合板の上面に、同じく木質の化粧単板を貼り合わせ、化粧単板の上面に塗装を施したものを使用した。
【0043】
光触媒層23は、基材11の上面に形成される。この光触媒層23は、光触媒14と、被覆剤を兼ねるバインダー26とからなる。
光触媒14としては、可視光にも反応して光触媒機能を発現するSドープアナターゼ型酸化チタン14を用いた。
バインダー26は、フッ素化樹脂共重合体であるデュポン社の製品「ナフィオン(登録商標)」を用いた。これは、スルホン酸基がグラフト重合されたポリ4フッ化エチレンであり、酸化チタン14の粒子を包み込むとともに通気性と透光性を備えるものである。そして、このバインダー26によって、光触媒14が基材11の上面に固着される。
この酸化チタン14の粒子を包み込むとともに通気性を備えるとは、ナフィオン(登録商標)26の粒子が酸化チタン14の粒子を取り囲むことで、酸化チタン14が基材11等に直接触れず、しかもナフィオン(登録商標)26の粒子間に生じた間隙が酸化チタン14の粒子の大きさよりも狭く、且つガス状成分が通過できる程度に広いことをいう。なお、ナフィオン(登録商標)26の粒子間の間隙は、反応硬化した状態における分子間距離や原子間距離、架橋密度や架橋構造によるものである。
【0044】
オーバーコート層27は、光触媒層23の上面に形成される。オーバーコート層27に用いられる物質は具体的にはポリウレタン系樹脂塗料であり、一般的に用いられている有機系塗料である。また、オーバーコート層27はバインダー26と同じく通気性と透光性とを備える。
【0045】
以上のような内装用建材10は、次に示す工程によって形成される。
まず、ナフィオン(登録商標)26に酸化チタン14を混合した混合物を、バーコーターで基材11の上面に均一に塗布した後、乾燥及び硬化させて光触媒層23を形成する。
次に、光触媒層23の上面にポリウレタン系樹脂塗料をスプレーで塗布した後、乾燥、硬化させる。この塗装は通常の木質材料に対して行う塗装と同程度の塗布量で十分で、過度に塗布しないようにする。
【0046】
ここで、本発明の効果を実証するために二種類の実験を行った。
第一実験では、オーバーコート層27の有無と、オーバーコート層27の形成条件の違いによる光触媒機能への影響を調べた。
本実験では、基材11の光触媒機能への影響が極力出ないように、木製の基材11と比べてガス状成分を吸着し難い鋼板を基材11として用いた。こうすることで、光触媒機能の高低が、オーバーコート層27の違いによるものであるということがわかる。
【0047】
この鋼板の表面に光触媒14塗料を57g/m2(光触媒14量200phr)塗布し、光触媒14塗料の乾燥後に、その上面に塗料を塗布してオーバーコート層27を形成した試験体を作成した。なお、2液型のポリウレタン樹脂塗料、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂塗料の二種類でオーバーコート層27を形成し、またそれぞれ塗布量の異なる、すなわちオーバーコート層27の厚さが異なるものを用意した。それに加え、オーバーコート層27を形成しないものも用意した。
なお、本実験で使用した2種類の塗料は、いずれも内装用木質建材の表面塗装に使用されているものである。
【0048】
ガス状成分としては、濃度500ppmのアセトアルデヒド/純空気混合気体を準備し、試験体とともにテドラーバッグに封入した。
励起光源としてはキセノンランプを用い、カットフィルターにより光源波長L42(λ>420nm)、強度100mW/cm2とした。
そして、試験体に光を照射して反応させ、ガスクロマトグラフィーによって光照射時間に伴うアセトアルデヒドの減少量と、アセトアルデヒドの分解で生じる二酸化炭素の生成量を定量することで、光触媒活性を評価した。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
この結果、オーバーコート層27を形成する塗料の種類や塗布量(すなわちオーバーコート層27の厚み)によって程度の差があるものの、光触媒層23の上面にオーバーコート層27が形成されていても、光触媒14がアセトアルデヒド分解活性を有していることがわかった。また、同種の塗料においては塗布量の少ない、すなわちオーバーコート層27の厚みが薄いほど、光触媒14のアセトアルデヒド分解活性が高かった。
このことから、オーバーコート層27を形成する樹脂に分子構造や架橋密度が適切なものを用いること、あるいは通気性に乏しい塗料であってもオーバーコート層27を薄く形成することによって、オーバーコート層27は光触媒活性を発現するに十分な通気性を備えることができ、光触媒層23の上面にオーバーコート層27を形成してなる内装用建材10が光触媒活性を発揮することが示された。
【0052】
次に、第二実験では、基材11である木材床材の上面に光触媒14塗料を1.5g/m2(57phrに相当)塗布し、さらにその上面に、通気性を有する水系2液型アクリルウレタン樹脂塗料を塗布してオーバーコート層27を形成し、これを試験体とした。
本実験では、通気性を備えるオーバーコート層27の、厚さによるアセトアルデヒド分解活性の違いを確認した。なお、試験・評価方法は第一実験と同じである。
【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
この結果、オーバーコート層27が通気性を備える場合には、オーバーコート層27を形成しない場合と同程度のガス分解活性を得られることが明らかになった。しかも、ガス分解活性はオーバーコート層27の厚さに因らない。つまり、通気性を有する塗料を用いることで、表面の仕上がりのよさと、光触媒14の効果の両方を得ることができることが示された。
【0056】
以上のように、本発明に係る内装用建材10によれば、光触媒層23は、酸化チタン14の粒子を包み込むナフィオン(登録商標)26を有するので、酸化チタン14の粒子が内装用建材10の構成材料に直接接触することがない。つまり、有機化合物であっても光触媒14によって分解されるおそれがないので、光触媒層23の上面に有機化合物であるポリウレタン樹脂系樹脂塗料でオーバーコート層27を形成することができる。これは、通常の有機系の塗装であるので、外観の仕上がりがよく、しかも生産性や経済性に優れる。
同様に、基材11も光触媒14によって分解されるおそれがないので、基材11と光触媒層23との間に、基材11を保護するための保護層を設ける必要がなく、生産性や経済性に優れる。
【0057】
また、バインダー26であるナフィオン(登録商標)及び架橋密度の低いポリウレタン樹脂系樹脂塗料からなるオーバーコート層27は通気性と透光性を備えるので、ナフィオン(登録商標)が光触媒14の粒子を包み込み、さらに光触媒層23の上面にオーバーコート層27を形成しても、光触媒14の効果が低減し難い。すなわち、室内雰囲気のガス状成分が光触媒層23内部の光触媒14粒子にまで到達することができ、しかもその到達は光触媒14のほぼ全周からである。それに加え、光触媒14が反応するための光も光触媒14に到達することができる。よって、バインダー26に混入する光触媒14の量が従来の数分の1程度であっても所定の光触媒14の効果を得ることができるので、経済的である。
【0058】
また、光触媒層23の上面にオーバーコート層27を形成したので、光触媒14の表面での光の乱反射を抑えることができ、透明性の高い表面状態を得ることができる。よって、基材11表面の色、柄、模様などが鮮明な、意匠性の高い内装用建材10を得ることができる。また、先述の通り使用する光触媒14の量を少なくできるので、光触媒14の隠蔽性によって光触媒層23が白濁することもなく、意匠性に優れる。
それに加え、光触媒14は可視光応答型光触媒であるので、室内であっても光触媒機能を効率よく発現できる。
また、光触媒層23の透明度が高いことで、屋内照明や外光による限られた可視光や紫外線を光触媒機能発現に効率よく利用することができる。
【0059】
さらに、オーバーコート層27が形成されていることにより、光触媒14が露出しないので、日常生活で居住者等が接触する機会の多い内装用建材10(例えば床材、カウンター、壁材、建具、扉など)であっても、光触媒14が剥離・脱落し難く、長期間にわたり光触媒機能を維持することができる。
また、バインダー26は被覆剤25を兼ねているので、一層生産性及び経済性が高い。
【0060】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る内装用建材10を説明する。なお、第一実施形態と同じく図1を参照する。
【0061】
本実施形態の第一実施形態との違いは、基材11及びオーバーコート層27であり、光触媒層23に関しては第一実施形態と同一である。
【0062】
基材11は、無垢木材に予め塗装を施したものを使用した。
【0063】
光触媒層23の上面に形成されるオーバーコート層27には、木質の内装用建材10に一般的に用いられる有機系塗料であるポリエステル系樹脂塗料を使用した。
【0064】
以上のような内装用建材10は、次に示す工程によって形成される。
まず、ナフィオン(登録商標)26に酸化チタン14を混合した混合物を、スポンジロールを用いたロールコーターで基材11の上面に均一に塗布する。
次に、ナフィオン(登録商標)26の乾燥及び硬化の後、表面にサンディングを施して、光触媒層23の表面を平滑化する。
最後に、光触媒層23の上面にポリエステル系樹脂塗料をロールコーターで均一に塗布し、オーバーコート層27を硬化させる。この塗布も過度に行わないようにする。
【0065】
このような内装用建材10において、オーバーコート層27は第一実施形態におけるものとは異なるが、架橋密度が低く、ガス状成分がオーバーコート層27を通過可能であるので、第一実施形態と同様の効果がある。
【0066】
(第三実施形態)
次に図2を参照して、本発明の第三実施形態に係る内装用建材10を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
【0067】
基材11は、予め合板の上面に化粧シートを貼り合せた状態のものを使用した。
【0068】
光触媒層23は、基材11の上面に形成され、光触媒14と、通気性と透光性とを備え光触媒14を包み込む被覆剤25と、通気性と透光性とを備え被覆剤25で包み込まれた光触媒14を基材11の上面に固着させるバインダー26と、からなる。
この光触媒14としては、酸化チタンを用いた。
被覆剤25は、セラミック系被覆剤である多孔質シリカを用いた。この多孔質シリカにより酸化チタンを事前にマスクメロンの縞模様状に覆っておき、酸化チタンが基材11やオーバーコート層27に直接接触しないようにした。
また、バインダー26は、有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であるシリコーン化合物共重合体の中でもアクリル変性シリコーン樹脂を用いた。
【0069】
オーバーコート層27には、発泡剤を添加したポリウレタン樹脂を使用した。この発泡剤が発泡することにより、ポリウレタン樹脂に微細な孔27aが形成されるので、このポリウレタン樹脂は乾燥・硬化後には通気性を備える。なお、ポリウレタン樹脂の微細な孔27aは肉眼で確認できる大きさ(径)ではないが、ガス状成分が通過するには十分な大きさである。
また、このポリウレタン樹脂には抗菌剤と減磨剤が添加されており、しかもポリウレタン樹脂は透光性を備える。
以上のような内装用建材10は第二実施形態に示したものと同様の手順により製造した。
【0070】
このように、被覆剤25として無機物であるセラミック系被覆剤を用いても、光触媒14が基材11やオーバーコート層27を分解しないので、第一実施形態と同様の効果がある。
さらに、オーバーコート層27は微細な孔27aを形成することにより通気性を備えたので、ガス状成分がオーバーコート層27を通過して確実に光触媒14まで到達する。よって、オーバーコート層27を形成しても、光触媒14の機能を確実に発揮することができる。
また、オーバーコート層27を形成するポリウレタン樹脂には抗菌剤と減磨剤を添加したので、内装用建材10は抗菌性と耐摩耗性を得ることができ、一層高機能となる。
【0071】
なお、第一、第二実施形態において、オーバーコート層27を形成する塗料に発泡剤を添加したり、架橋密度を低くすることでオーバーコート層27に通気性を持たせたが、これに限られるものではない。例えば、塗料に微小な充填材を混合してオーバーコート層27に微細な孔27aを形成してもよいし、図3に示すように、架橋密度が低くない塗料であっても、塗布量を調整できるロールコーターを用いて薄く塗り、ガス状成分が通過できる程度にオーバーコート層27を薄く形成してもよい。
また、これらの通気性確保の手段を複数同時に用いてもよい。
【0072】
また、光触媒層23とオーバーコート層27はロールコーター、スプレー、バーコーターを用いて形成したが、これに限られるものではなく、カーテンフローコーター、バキュームコーター、静電塗装、刷毛塗り、ハンドローラー等であってもよい。
【0073】
また、オーバーコート層27を形成するために用いられる塗料はポリウレタン系樹脂塗料やポリエステル系樹脂塗料としたが、アクリル系樹脂(例えばエポキシアクリレート系樹脂塗料や水性ウレタンアクリレート樹脂塗料)、アルキッド系樹脂、などの外観が良く、通気性を備えるものであればこれに限られるものではなく、有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であってもよい。
また、その他にも塗料においては水系塗料(水性塗料、エマルション塗料、コロイダルディスパーション塗料)、溶剤型塗料、無溶剤型塗料、粉体塗料などの状態や形態による分類や、湿気硬化型、二液硬化型、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型などの硬化・乾燥方法による分類がされる場合もあるが、仕上がりの外観がよく通気性を備えるものであればオーバーコート層27用に種類を問わず使用することができる。環境面からは水系塗料や無溶剤型塗料が好ましく、生産性からは紫外線硬化型や電子線硬化型のものが好ましい。
【0074】
また、オーバーコート層27は塗装により形成したとしたが、フィルムであってもよい。この場合、ホットメルト等の接着剤を用い、ヒートロールにて熱圧して貼着することになる。フィルムであっても通気性は必須であるので、塗料である場合と同様の設計・選定を行う。フィルムの接着方法は通常の接着、ラミネート、融着、粘着等が考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
また、オーバーコート層27に抗菌剤と減磨剤を含ませたが、これに限られるものではなく、芳香剤、消臭剤等の機能性添加剤を含んでいてもよく、またこれらを二種類以上含んでいてもよい。
また、オーバーコート層27は透光性を備えるとしたが、通常の塗装のように色彩を基材11に付すものであってもよい。つまり、着色剤を含んでいてもよい。
【0076】
また、有機系のバインダー26兼被覆剤25として有機系のフッ素化樹脂共重合体であるナフィオン(登録商標)を用いたが、これを被覆剤25としてこれとは別にバインダー26を使用してもよい。また、ナフィオン(登録商標)に限られるものではなく、他のパーフルオロカーボンやフッ素樹脂といったフルオロカーボンの中から、バインダー26や光触媒14との親和性や相溶性を考慮して適宜選択することができる。
また、バインダー26として第三実施形態では、有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であるアクリル変性シリコーン樹脂を用いたが、これに限られるものではなく、シリコーン変性したアクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂などのシリコーン化合物重合体を用いることができる。変性シリコーンレジンには、代表的なものとしてアルキッド変性、エポキシ変性、アクリル変性、ポリエステル変性などがある。
さらに、無機系材料を使用してもよく、ケイ酸塩系、無機コロイド系、リン酸塩系、金属アルコキシドなどが考えられるが、これらに限られるものではなく、架橋密度、分子配列、クラスター構造などに影響される通気性を考慮して適宜選択される。
【0077】
さらに、光触媒14を多孔質シリカでマスクメロン状に覆ったとしたが、これに限られるものではなく、光触媒14周囲に棘状に多数セラミックを配置したタイプであってもよいし、光触媒14周囲をマイクロカプセル状にセラミックで覆ったタイプであってもよい。いずれの被覆であっても、セラミック間は通気性を有するので、光触媒14が効果的に作用する。
【0078】
また、光触媒14は可視光応答型のSドープアナターゼ型酸化チタンを用いたが、これに限られるものではない。可視光応答型光触媒の例としては、二酸化チタンや酸化亜鉛、酸化タングステンなどの金属酸化物に金属イオンや窒素原子、硫黄原子などを担持させたものなどが挙げられるが、光触媒活性や資源背景などの点からは、アナターゼ型またはルチル型の二酸化チタンを金属酸化物として用いたものがより好ましい。
また、紫外線応答型の光触媒14であっても、光触媒効果は低いけれど使用は可能である。
この光触媒14の粒子径は特に制限されないが、ガス状成分の吸着効率や分解活性の強弱と合わせ、バインダー26への配合適性や光触媒層23中での光の散乱による白濁低減の観点から、適切な粒子径のものを使用する。例えば、1次粒径が約5〜10nmで、2次粒径が数百nm〜数μm程度のものが挙げられる。
【0079】
また、光触媒層23の硬化乾燥は、自然乾燥、紫外線や電子線の照射、熱風乾燥等、任意の方法で行う。また、硬化の程度は、完全硬化から半硬化まで適宜選択できる。
また、オーバーコート層27の乾燥は、自然乾燥、紫外線や電子線の照射、熱風乾燥等、任意の方法で行う。
【0080】
また、基材11又はその上面に塗布された下地処理剤の上面に、化粧材を貼着しておき、その化粧材の上面に光触媒層23を形成してもよい。
また、バインダー26の硬化後にサンディングを行い、表面の平滑化を行ったが、特に必要としない場合はサンディングを省略することができる。
また、基材11の上面、及びオーバーコート層27の上面に、必要に応じて表面の平滑化を行ってもよい。
【0081】
さらに、基材11は木質材料としたが、樹脂系材料等の他の有機系材料を使用することもできる。また、珪酸カルシウム、石膏、陶磁器、ガラス等の無機系材料であってもよい。
これらは単独で使用することもできるし、任意に複数の材料を選定して積層するなど組み合わせて使用することもできる。さらに、これらの表面に、意匠性を高めるための塗装や着色、印刷などを施したもの、シートや単板などの化粧材を貼着したものであってもよい。
【0082】
また、基材11の形状は、板状、シート状、ブロック状、棒状など単純な形状のものから、表面形状が複雑なものなど各種使用することができる。
また、光触媒層23との密着性を高めるためにプライマーなどの下地処理剤を塗布するなどの物理処理や化学処理などを施したものや、基材11の上面に基材11防護のための緩衝層を設けてもよい。
このように基材11は自由に選択可能であるが、意匠性、加工性、生産性、居住性、地球環境保護といった観点からは、木材、木質材料、紙、樹脂系材料などの有機系材料を基材11として用いることが好ましい。
【0083】
内装用建材10の製造方法として、光触媒層23を予めシート状に成形したものを基材11上面に貼着してもよいし、また光触媒層23とオーバーコート層27を予め一体化した、例えばシート状のものを基材11上面に貼着してもよいが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0084】
10 内装用建材
11 基材
12 保護層
13 光触媒層
14 光触媒(酸化チタン)
16 バインダー
20 内装用建材
23 光触媒層
25 被覆剤
26 バインダー
27 オーバーコート層
27a 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装によって基材の上面に光触媒層が形成された内装用建材において、
前記光触媒層は、光触媒と、通気性と透光性とを備え前記光触媒を包み込む被覆剤と、通気性と透光性とを備え前記被覆剤で包み込まれた前記光触媒を前記基材の上面に固着させるバインダーと、からなり、
さらに前記光触媒層の上面に、通気性と透光性とを備えるオーバーコート層を形成したことを特徴とする内装用建材。
【請求項2】
前記光触媒は、可視光応答型光触媒であることを特徴とする請求項1に記載の内装用建材。
【請求項3】
前記可視光応答型光触媒は、二酸化チタンであることを特徴とする請求項2に記載の内装用建材。
【請求項4】
前記被覆剤は、有機系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項5】
前記有機系樹脂は、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の内装用建材。
【請求項6】
前記フッ素樹脂は、フッ素化樹脂共重合体であることを特徴とする請求項5に記載の内装用建材。
【請求項7】
前記被覆剤は、有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項8】
前記ハイブリッド樹脂は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項7に記載の内装用建材。
【請求項9】
前記シリコーン樹脂は、シリコーン化合物共重合体であることを特徴とする請求項8に記載の内装用建材。
【請求項10】
前記被覆剤は、セラミック系被覆剤であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項11】
前記バインダーは、有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項12】
前記バインダーは、前記被覆剤と同じ素材であることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項13】
前記オーバーコート層は、有機系樹脂又は有機系樹脂と無機系樹脂とを分子レベルで混合したハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項14】
前記オーバーコート層は、微細な孔を形成することにより通気性を備えたことを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか一つに記載の内装用建材。
【請求項15】
前記オーバーコート層は、減磨剤、着色剤、抗菌剤、芳香剤、消臭剤のうち少なくとも一つをさらに含有することを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか一つに記載の内装用建材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−69114(P2011−69114A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220996(P2009−220996)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000145437)株式会社ウッドワン (70)
【出願人】(503071613)株式会社ケミカルクリエイト (1)
【Fターム(参考)】