説明

再生装置、再生方法、制御プログラム、および記録媒体

【課題】時分割配信コンテンツの再生時に、操作に応じた再生制御が行われない場合であっても、ユーザに誤認や混乱を与えないようにする。
【解決手段】クライアント装置100は、再生制御操作時に、MPD51から特定される現時点で取得可能なピリオドに基づき、当該再生制御を禁止するか判断する再生制御部41と、再生制御部41が禁止すると判断した場合に、その旨を報知する報知部43とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時分割されて配信されるコンテンツを再生する再生装置に関し、より詳細にはこのような再生装置におけるコンテンツの再生制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信ネットワークを介した動画コンテンツ配信が盛んに行われている。このような状況を踏まえ、動画コンテンツをストリーミング配信するための様々な技術が開発されている。その一つとして、MPEG(Moving Picture Experts Group)にて現在標準化作業が進められているDASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)が挙げられる。
【0003】
DASHでは、MPD(Media Presentation Description)と、メディアセグメントとの2つのフォーマットが規定されている。メディアセグメントは、動画コンテンツが時分割された、HTTP伝送の伝送単位である。また、MPDは、ストリーミング配信の制御メタデータであり、動画コンテンツがライブ配信されるコンテンツ(ライブ配信コンテンツ)であるかVODコンテンツであるかを示す情報等も含んでいる。
【0004】
クライアント装置は、動画コンテンツの配信を受ける前に、配信サーバからMPDを取得し、MPDに記載された各メディアセグメントのURLを基に、順次メディアセグメントを取得し、動画コンテンツの再生を行う。また、DASHに準拠したクライアント装置は、取得可能な全てのメディアセグメントの情報がMPDに含まれているため、タイムシフト再生や早送り等のトリックプレイを行うことができる。
【0005】
ところで、ライブコンテンツの中には、野球中継や災害発生時におけるニュース番組のように、配信が開始されてからも配信終了時刻が確定しないものも存在する。配信サーバは、このようなライブコンテンツを配信する場合には、配信終了時刻が確定するまで、最終的に配信されることになる全メディアセグメントのURLを含むMPDを生成し、クライアント装置に伝送することができない。
【0006】
このため、配信サーバは、クライアント装置がライブコンテンツを最後まで再生できるように、コンテンツ配信中にMPDを更新し、クライアント装置に定期的に伝送する「MPD Update」と呼ばれる処理を行う。これにより、このようなライブコンテンツであっても最後まで再生することが可能になる。ただし、トリックプレイを行うことのできる範囲は、MPDにURLが記述されたメディアセグメントに限られる。
【0007】
また、メディアセグメントのそれぞれに対して、あるいは複数のメディアセグメントからなるピリオド(コンテンツの再生区間)に対して再生時限を設けて、時刻が到来するまでは再生を許可しないコンテンツ配信システムなども実現されつつある。
【0008】
このような再生時限を設けることにより、ライブコンテンツなどのように、時刻が到来するまではメディアセグメントの取得ができないコンテンツに対応することができる。つまり、再生時限の設定により、配信を受けることのできない(配信時刻前の)メディアセグメントをリクエストしてしまうことを防ぐことができる。
【0009】
また、本編動画の合間に宣伝用動画などが挿入されたコンテンツにおいて、宣伝用動画の終了時刻まで後続のメディアセグメントを再生できないようにすることにより、宣伝用動画をユーザ操作で早送りしてしまう事を防ぐこともできる。これにより、本編動画の視聴だけでなく、配信側の意図通りに宣伝用動画もユーザに視聴させる事が可能となる。
【0010】
このようなコンテンツ配信の場合は、ライブ配信コンテンツのライブ再生時における早送りは禁止するが、早戻しや、早戻しした後、再生済み部分までの早送りは許可するなどの仕様が想定される。つまり、再生制御操作が行われたタイミングと、そのときに取得可能なメディアセグメントやピリオドとに応じて、その再生制御を禁止することが想定される。
【0011】
しかしながら、上記のような時分割配信コンテンツにおける再生制御の禁止は、そのときに取得可能なメディアセグメントやピリオドに応じて決定されるものであるから、ユーザは、自身の行った再生制御操作が受け付けられなかった理由を認識することが難しい。ユーザは、そのときに取得可能なメディアセグメントやピリオドを知覚できないためである。
【0012】
したがって、操作に応じた再生制御が行われないことにより、再生装置が故障したのではないかといった誤認や混乱をユーザに与えてしまうおそれがあるという問題がある。
【0013】
ここで、禁止する再生制御操作が行われたときに、その旨をユーザに報知する従来技術として、下記特許文献1が挙げられる。この文献には、録画中のコンテンツを再生する追っかけ再生時に、現在の再生位置が早送り警告領域であれば、早送り再生ができない旨をユーザに報知することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−72431号公報(2004年3月4日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、再生の対象が録画中のコンテンツであり、上述のような時分割で配信されるコンテンツとは全く性質が異なるものであるから、上記特許文献1の技術を時分割で配信されるコンテンツに応用することは困難である。
【0016】
すなわち、録画中のコンテンツであれば、そのコンテンツを構成する各構成部分の録画完了からの経過時間に基づいて、録画完了から一定期間内の構成部分を早送り警告領域として決定することができる。
【0017】
一方、時分割されて配信されるコンテンツの場合、ストリーミング配信されることが多く、ストリーミング配信の場合には録画ができない。また、録画ができる場合であっても、録画されている構成部分と、取得可能な部分とが一致するとは限らない。例えば、一般的なストリーミング配信において、ライブ配信コンテンツを配信開始時刻より遅れて再生開始することも考えられる。そして、このような場合には、録画されている構成部分と、取得可能な部分とが異なる状態となり得る。
【0018】
このため、時分割されて配信されるコンテンツを再生する装置には、特許文献1のような録画終了からの経過時間に基づいた処理は馴染まない。すなわち、時分割されて配信されるコンテンツを再生する装置においては、時分割されて配信されるコンテンツの性質に応じた処理により、操作に応じた再生制御が行われない場合であっても、ユーザに上記のような誤認や混乱を与えないようにすることが望ましい。
【0019】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、時分割されて配信されるコンテンツの再生時に、操作に応じた再生制御が行われない場合であっても、ユーザに上記のような誤認や混乱を与えない再生装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記の課題を解決するために、本発明の再生装置は、時分割されて配信されるコンテンツの各構成部分を取得するための情報を少なくとも含むコンテンツ取得用情報を参照して、コンテンツを取得して再生する再生装置であって、上記コンテンツの再生制御を命令するユーザ操作を受け付けたときに、上記コンテンツ取得用情報から特定される、上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する再生制御手段と、上記再生制御手段が上記再生制御を実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知する報知手段と、を備えていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明の再生方法は、上記の課題を解決するために、時分割されて配信されるコンテンツの各構成部分を取得するための情報を少なくとも含むコンテンツ取得用情報を参照して、コンテンツを取得して再生する再生装置による再生方法であって、上記コンテンツの再生制御を命令するユーザ操作を受け付けたときに、上記コンテンツ取得用情報から特定される、上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと、上記再生制御ステップにて上記再生制御を実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知する報知ステップと、を含むことを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、再生制御の命令を受け付けたときに、コンテンツ取得用情報から特定される上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する。例えば、その再生制御を行った場合に再生位置の遷移先となる構成部分がその時点で取得不能であれば実行しないと判断する。そして、実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることをユーザに報知する。
【0023】
したがって、上記の構成によれば、禁止されている再生制御を命令する操作を行い、その操作に応じた再生制御が行われない場合であっても、ユーザに再生装置が故障したのではないかといった誤認や混乱を与えることがない。
【0024】
また、上記再生制御手段は、再生位置を通常再生とは異なる態様で遷移させる再生制御の実行中に、上記コンテンツ取得用情報から特定される、現時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を中止するか判断し、上記報知手段は、上記再生制御が中止された場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、再生制御の実行中に、コンテンツ取得用情報から特定される、現時点で取得可能なコンテンツの構成部分に基づき、再生制御を中止するか判断し、再生制御が中止された場合に、当該再生制御が禁止されていることをユーザに報知する。
【0026】
したがって、再生制御中に再生位置がその再生制御を継続できないまたは継続することが好ましくない位置に達したときに、その再生制御を中止することができる。そして、このときにユーザへの報知を行うことにより、その再生制御が禁止されていることをユーザに認識させることができる。
【0027】
また、上記コンテンツ取得用情報は、当該コンテンツがライブ配信コンテンツであるか否かを示すコンテンツ属性情報を含み、上記再生制御手段は、上記コンテンツ属性情報がライブ配信コンテンツであることを示すコンテンツの再生時に、上記判断を行うことが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、コンテンツ属性情報がライブ配信コンテンツであることを示すコンテンツの再生時に、再生制御を実行するか(あるいは中止するか)の判断を行う。逆に言えば、コンテンツ属性情報がライブ配信コンテンツではないことを示すコンテンツの再生時には、このような判断を行わない。
【0029】
ここで、ライブ配信コンテンツは、時刻に応じて取得可能な構成部分が変化し、これにより再生制御を実行するか否かの判断も時刻に応じて変化し得る。つまり、コンテンツ取得用情報に基づいて再生制御を実行するか否かの判断を行う必要性の高いコンテンツである。これに対し、VODのようなコンテンツは、全ての構成部分の取得終了後に再生を行うものであるから、コンテンツ取得用情報に基づいて再生制御を実行するか否かの判断を行う必要性は低い。
【0030】
すなわち、上記の構成によれば、再生制御を実行するか否かの判断を行う必要性の高いライブ配信コンテンツに判断対象を絞るので、再生制御の禁止を行わないコンテンツに対して無駄な判断処理を行うことを防ぐことができる。
【0031】
また、上記再生制御手段は、通常再生よりも早く再生位置を進行させる再生制御の命令を受け付けた場合には、上記コンテンツ取得用情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の次に再生すべき構成部分を取得可能か判断し、取得不能であれば当該再生制御を実行しないと判断することが好ましい。
【0032】
上記の構成によれば、通常再生よりも早く再生位置を進行させる早送りやスキップ再生のような再生制御の命令を受け付けた場合には、コンテンツ取得用情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の次に再生すべき構成部分を取得可能か判断する。そして、取得不能であれば当該再生制御を実行しないと判断する。
【0033】
したがって、次の構成部分が取得不能な状況で早送りやスキップ再生等が行われることにより、次の構成部分が取得可能となる前に再生中の構成部分の末尾まで再生位置が進み、再生が途切れることを防ぐことができる。また、再生操作を実行しないと判断した場合にはユーザへの報知を行うので、その再生制御(早送り等)が禁止されていることをユーザに認識させることができる。
【0034】
また、上記再生制御手段は、再生位置を通常再生と逆方向に遷移させる再生制御の命令を受け付けた場合には、上記コンテンツ取得用情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の直前に再生すべき構成部分を取得可能か判断し、取得不能であれば当該再生制御を実行しないと判断することが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、再生位置を通常再生と逆方向に遷移させる早戻しや、通常再生と逆方向のスキップ再生、あるいは逆方向のスロー再生のような再生制御の命令を受け付けた場合には、コンテンツ取得用情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の直前に再生すべき構成部分を取得可能か判断する。そして、取得不能であれば当該再生制御を実行しないと判断する。
【0036】
したがって、前の構成部分が取得不能な状況で早戻し等が行われることにより、再生中の構成部分の先頭位置で再生が途切れることを防ぐことができる。また、再生操作を実行しないと判断した場合にはユーザへの報知を行うので、その再生制御(早戻し等)が禁止されていることをユーザに認識させることができる。
【0037】
なお、再生中の構成部分がコンテンツの先頭部分に対応するものである場合、その先頭位置(つまりコンテンツの先頭位置)で再生が途切れても不自然ではない。このため、再生中の構成部分がコンテンツの先頭部分に対応するものである場合には、早戻し等の再生制御を実行するようにしてもよい。
【0038】
また、上記コンテンツ取得用情報は、上記コンテンツの各構成部分について、該構成部分が再生可能となる時刻を特定するための時刻特定情報を含み、上記再生制御手段は、通常再生よりも早く再生位置を進行させる再生制御の命令を受け付けた場合には、現在の再生位置に対応する構成部分の次に再生すべき構成部分について上記時刻特定情報により特定した時刻が現在時刻よりも後であれば、当該再生制御を実行しないと判断することが好ましい。
【0039】
上記の構成によれば、通常再生よりも速く再生位置を進行させる早送りやスキップ再生のような再生制御の命令を受け付けた場合には、コンテンツ取得用情報に含まれる時刻特定情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の次に再生すべき構成部分について特定した時刻が現在時刻よりも後であれば、当該再生制御を実行しないと判断する。つまり、再生制御の命令を受け付けた時点で、次の構成部分が再生可能な時刻に到達していなければその再生制御を行わない。
【0040】
したがって、次の構成部分が再生可能な時刻に到達する前に早送りやスキップ再生等が行われることにより、次の構成部分が再生可能となる前に再生中の構成部分の末尾まで再生位置が進み、再生が途切れることを防ぐことができる。また、再生操作を行わないと判断した場合にはユーザへの報知を行うので、その再生制御(早送り等)が禁止されていることをユーザに認識させることができる。
【0041】
また、上記コンテンツ取得用情報は、上記コンテンツの各構成部分について、該構成部分の再生期限の時刻を特定するための期限情報を含み、上記再生制御手段は、再生位置を通常再生と逆方向に遷移させる再生制御の命令を受け付けた場合には、現在の再生位置に対応する構成部分の直前に再生すべき構成部分について上記期限情報により特定した時刻が現在時刻よりも前であれば、当該再生制御を実行しないと判断することが好ましい。
【0042】
上記の構成によれば、再生位置を通常再生と逆方向に遷移させる早戻しや、通常再生と逆方向のスキップ再生、あるいは逆方向のスロー再生のような再生制御の命令を受け付けた場合には、現在の再生位置に対応する構成部分の前の構成部分について、期限情報により特定した時刻が現在時刻よりも前であれば、当該再生制御を実行しないと判断する。
【0043】
したがって、前の構成部分が再生期限切れの状況で早戻し等が行われることにより、再生中の構成部分の先頭位置で再生が途切れることを防ぐことができる。また、再生操作を行わないと判断した場合にはユーザへの報知を行うので、その再生制御(早戻し等)が禁止されていることをユーザに認識させることができる。
【0044】
なお、再生中の構成部分がコンテンツの先頭部分に対応するものである場合、その先頭位置(つまりコンテンツの先頭位置)で再生が途切れても不自然ではない。このため、再生中の構成部分がコンテンツの先頭部分に対応するものである場合には、早戻し等の再生制御を実行するようにしてもよい。
【0045】
また、上記再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記再生装置の各手段として動作させることにより、上記再生装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0046】
以上のように、本発明の再生装置は、コンテンツの再生制御を命令するユーザ操作を受け付けたときに、コンテンツ取得用情報から特定される、上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する再生制御手段と、上記再生制御手段が上記再生制御を実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知する報知手段と、を備えている構成である。
【0047】
また、本発明の再生方法は、以上のように、コンテンツの再生制御を命令するユーザ操作を受け付けたときに、コンテンツ取得用情報から特定される、上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと、上記再生制御ステップにて上記再生制御を実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知する報知ステップと、を含む構成である。
【0048】
したがって、禁止されている再生制御を命令する操作を行い、その操作に応じた再生制御が行われない場合であっても、ユーザに再生装置が故障したのではないかといった誤認や混乱を与えることがないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態にかかる配信システムを構成するクライアント装置および配信サーバの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記配信システムの全体構成を示す図である。
【図3】上記クライアント装置が特定の再生制御を禁止する再生区間を説明する図である。
【図4】上記クライアント装置による、MPDを用いた再生制御の許否の判断方法を説明する図である。
【図5】上記クライアント装置が早送り操作が行われたときに実行する再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】上記クライアント装置が早戻し操作が行われたときに実行する再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】上記とは他の実施形態を説明する図であり、クライアント装置が特定の再生制御を禁止する再生区間を説明する図である。
【図8】上記他の実施形態における、MPDを用いた再生制御の許否の判断方法を説明する図である。
【図9】上記他の実施形態において、上記クライアント装置が早送り操作が行われたときに実行する再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】上記他の実施形態において、上記クライアント装置が早戻し操作が行われたときに実行する再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
【0051】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態に係る配信システムは、時分割したコンテンツをクライアント装置にライブストリーミング配信することのできる配信システムである。なお、当該システムでは、メタデータおよびメディアセグメントに前述のDASH規定のデータフォーマットを用いる。つまり、本実施形態では、MPDを用いてメディアセグメント単位でコンテンツの配信を行う例を説明する。ただし、本発明の適用範囲はこの例に限られず、時分割されたコンテンツを、その各構成部分を取得するための情報を含むコンテンツ取得用情報を用いて取得するクライアント装置であれば本発明を適用可能である。
【0052】
〔配信システムの概要〕
まず、上記配信システムの概要を図2に基づいて説明し、続いて上記配信システムを構成するクライアント装置および配信サーバの詳細について図1に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る配信システム1の全体構成を示す図であり、図1は、配信システム1を構成するクライアント装置(再生装置)100および配信サーバ300の要部構成を示すブロック図である。
【0053】
図2に示すように、配信システム1は、クライアント装置100と配信サーバ300とネットワークストレージサーバ(NAS)400とを含むシステムである。また、クライアント装置100および配信サーバ300は、NW(インターネット)に接続している。配信システム1は、配信サーバ300が、NAS400に格納されているコンテンツをNWを介してクライアント装置100に配信するシステムである。
【0054】
〔クライアント装置100〕
図1に示すように、クライアント装置100は、入力部110、表示部120、ネットワークI/F130、制御部140、および記憶部150を備えている。
【0055】
クライアント装置100は、入力部110を介して映像コンテンツの再生指示をユーザから受け付ける。なお、以下では、再生指示を受け付けた映像コンテンツを「対象映像コンテンツ」とも称する。
【0056】
そして、クライアント装置100は、その対象映像コンテンツを、配信サーバ300からメディアセグメント(映像コンテンツの符号化データを一定時間ごとに分割して得られる各単位、以下、「MS」とも称する)単位で受信して再生する。
【0057】
具体的には、クライアント装置100は、再生指示を受け付けた時点で対象映像コンテンツに関するMPDを配信サーバ300から受信することにより、対象映像コンテンツを再生するために受信すべきMSのURLを特定する。そして、配信開始時刻になると、URLで指定される配信サーバ300からMSを受信して対象映像コンテンツの再生を開始する。また、クライアント装置100は、対象映像コンテンツの再生中にも定期的に配信サーバ300からMPDを取得する。そして、クライアント装置100は、対象映像コンテンツの再生中は常に、最後に取得したMPDに基づいて、対象映像コンテンツの再生を継続するのに必要なMSを受信する。
【0058】
クライアント装置100は、配信されるコンテンツの再生時に、MPDに基づいて、禁止されている再生制御操作が行われたことを検出し、その旨をクライアント装置100のユーザに通知する点が主な特徴点である。なお、ここでの再生制御とは、再生位置を通常再生とは異なる態様で遷移させる制御を指す。具体例を挙げれば、早送り、早戻し、タイムシフト再生等を行わせる制御が上記再生制御にあたる。また、このような制御を実行させるためのユーザ操作を再生制御操作と呼ぶ。
【0059】
入力部110は、クライアント装置100に対するユーザの入力操作を受け付けて、制御部140に伝達する。入力部110は、これらの機能を備えているものであればよく、その具体的な構成はクライアント装置100の機能等に応じたものとすればよい。例えば、クライアント装置100が、テレビジョン受像機である場合には、入力部110は装置本体に設けられた操作ボタンであってもよい。また、リモコンからの制御信号を受け付ける信号受信部であってもよい。さらに、クライアント装置100が、スマートフォンやタブレット端末である場合には、入力部110はタッチパネルであってもよい。また、入力部110は、クライアント装置100に外付けされた、クライアント装置100とは別の装置であってもよい。
【0060】
表示部120は、画像を表示するためのものであり、対象映像コンテンツも表示部120に表示される。なお、ここではクライアント装置100が表示部120を備えている例を説明するが、表示部120はクライアント装置100に外付けされた、クライアント装置100とは別の装置であってもよい。
【0061】
ネットワークI/F130は、クライアント装置100が他の装置と通信するためのインターフェースである。配信サーバ300との間でのデータ送受信は、このネットワークI/F130を介して行われる。
【0062】
制御部140は、クライアント装置100の動作を統括して制御するものであり、再生部40、再生制御部(再生制御手段)41、通信制御部42、および報知部(報知手段)43を含む。
【0063】
再生部40は、再生すべき時刻の早い順に、記憶部150にバッファリングされているMSを読み出してデコードおよび再生を行うことにより、対象映像コンテンツを表示部120に表示する。
【0064】
再生制御部41は、コンテンツの再生制御を行う。具体的には、再生部40および通信制御部42を制御して、早送り、早戻し等のトリックプレイを行わせる。また、再生制御部41は、再生制御の命令を受け付けたときに、その再生制御を実行するか判断する。さらに、再生制御中において、そのときの再生位置に応じて、その再生制御を中止するか判断する。
【0065】
通信制御部42は、ネットワークI/F130を介した通信を制御する。具体的には、通信制御部42は、配信サーバ300から受信したMSを記憶部150にバッファリングする。また、配信サーバ300から定期的に最新のMPDを取得する。さらに、取得したMPDを参照することにより、対象映像コンテンツのうち再生対象となる部分を構成する各MSの配信開始時刻を特定する。そして、再生すべきMSのURLを特定し、そのMSを受信するためのHTTP要求を配信サーバ300に送信する。
【0066】
報知部43は、再生制御部41が命令された再生制御を実行しないと判断したときに、その再生制御が禁止されている旨をユーザに報知する。具体的には、報知部43は、その再生制御が禁止されている旨を表示部120に表示させることによってユーザへの報知を行う。例えば、早送り操作が行われたときに、再生制御部41が早送りの再生制御を実行しないと判断した場合には、報知部43は、表示部120に早送りは禁止されている旨を表示する。
【0067】
なお、ユーザへの報知方法は、ユーザが自身の行った再生制御操作が現在禁止されていることを認識できるものであればよく、この例に限定されない。例えば、スピーカー等から音声で報知してもよいし、クライアント装置100がLED等の発光部を備えている場合には、これを点灯・点滅させる等によって報知してもよい。また、クライアント装置100がスマートフォンのような携帯型の電子機器であって、いわゆるバイブ機能のための振動装置を備えている場合には、振動によって報知してもよい。
【0068】
記憶部150は、クライアント装置100が使用する各種データを格納するものであり、コンテンツ50およびMPD(コンテンツ取得用情報)51も記憶部150に格納される。上述のように、対象映像コンテンツを構成する各MS単位でバッファリングされたものがコンテンツ50である。また、このコンテンツ50に対応するMPDがMPD51として格納される。
【0069】
〔配信サーバ300〕
配信サーバ300は、クライアント装置100にコンテンツを配信するサーバであり、コンテンツおよびMPDの配信を制御する配信部310、およびMPDを生成するメタデータ作成部320を備えている。
【0070】
配信部310は、クライアント装置100からMPDの送信要求を受信すると、NAS400に記録されているその時点で最新のMPDをクライアント装置100に送信する。そして、配信部310は、クライアント装置100からMSの送信要求を受信すると、NAS400に記録された該MSをクライアント装置100に配信する。
【0071】
メタデータ作成部320は、対象映像コンテンツを構成する映像のMS単位でのエンコード処理と並行して、その対象映像コンテンツのMPDを所定時間ごとに生成し、NAS400に記録する。なお、エンコード処理は図示しないライブエンコーダによって行われ、エンコード後のMSはNAS400に記録される。
【0072】
〔NAS400〕
NAS400は、映像コンテンツを構成する各MSおよび映像コンテンツに関するMPDを保持するネットワークストレージ(Network Attached Storage)である。上述のように、NAS400に保持されているMSおよびMPDが、配信サーバ300によってクライアント装置100に配信される。
【0073】
〔再生制御を禁止する再生区間〕
続いて、特定の再生制御を禁止する再生区間(以下、禁止区間とも称する)について、図3に基づいて説明する。図3は、特定の再生制御を禁止する再生区間を説明する図である。なお、図示の例では、P1からP8までの8つのピリオドからなる映像コンテンツが再生対象となっている。
【0074】
また、現在時刻ではP5までがMPDに記述され、取得可能となっているが、P1およびP2はMPDから削除されている。つまり、取得した最新のMPDには、P3からP5までが記述されている。そして、クライアント装置100は、P4を再生しており、ユーザはこれを視聴している。
【0075】
この状況では、取得したMPDにP3からP5まで含まれているため、P3からP5までの再生区間では、ピリオドを跨ぐ再生制御が可能である。つまり、このMPDによれば、現在再生中のP4に後続するP5を取得可能であるから、現在の再生位置から早送りを行ってP5に遷移することができる。また、P5まで早送りした後、P4へと早戻しすることもできる。そして、この再生区間では、ピリオドを跨いだスキップ再生等のような特殊再生も同様に可能である。なお、スキップ再生は、現在の再生位置から所定時間分前または後の再生位置に遷移する再生である。
【0076】
一方、P6以降については、現在時刻において取得したMPDに記述されていないため、再生不可となっている。このため、この状況では、P6以降の再生区間に遷移するような特殊再生を行うことはできない。したがって、P6以降の再生区間に遷移するようなトリックプレイを行わせる再生制御については無効となる。MPDから削除されたP1およびP2に遷移するトリックプレイについても同様である。
【0077】
ここで、P5は取得可能であるから、P5において早送りを行うことは物理的には可能である。しかしながら、P5での早送りを可能にしてしまうと、P6が取得できない状況でP5の終わりまで再生してしまうおそれがあり、このような場合には再生が途切れるので好ましくない。
【0078】
そこで、クライアント装置100では、次のピリオドが取得できない状況では、早送りを禁止する。例えば、図示の例において、現在の再生位置がP5であった場合、早送りの再生制御は禁止する。つまり、P5は早送りの再生制御についての禁止区間とする。
【0079】
しかしながら、単に早送りを禁止するだけでは、操作に従った動作が行われないことにユーザが混乱するおそれがある。そこで、クライアント装置100は、早送りの再生制御の禁止区間において、早送り操作が行われたときには、早送りが禁止されている旨をユーザに報知する。これにより、ユーザの上記のような混乱を防ぐことができる。
【0080】
また、同様の理由により、直前のピリオドが取得できないP3では、早戻しを禁止する。つまり、P3は早戻しの再生制御についての禁止区間とする。そして、この禁止区間で早戻し操作が行われたときには、早戻しが禁止されている旨をユーザに報知する。
【0081】
なお、禁止区間の設定は上記の例に限られない。例えば、後続のピリオドが取得できないP5では、P5の終了時間の所定時間前まで早送りを可能とし、それ以降を禁止区間としてもよい。つまり、禁止区間はピリオドよりも短い区間、あるいは特定の時刻(例えば取得されている最後尾のピリオドの末尾の時刻)であってもよい。
【0082】
また、直前のピリオドが取得できないP3の先頭まで早戻しを可能とし、先頭において早戻しが行われたときに、早戻しが禁止されている旨をユーザに報知してもよい。この場合、P3の先頭が早戻しの禁止区間となる。
【0083】
さらに、P3における早戻しやP5における早送りのように、物理的に可能な再生制御については禁止せず、再生不可のピリオドへと遷移するタイムシフト再生のように、物理的に不可能な再生制御のみを禁止・報知の対象としてもよい。
【0084】
なお、MPDで参照される現在時刻より前のピリオドについて、配信サーバ300とは異なるサーバから取得可能である場合には、そのピリオドを取得可能と判断して再生制御の許否を判断してもよい。例えば、図3の例において、P2が配信サーバ300から削除されたが、このP2が他サーバに格納されており、MPDにP2を他サーバから取得するための情報(URI等)が記述されている場合も考えられる。このような場合には、P2での早送りおよびP3での早戻しを許可するようにしてもよい。
【0085】
つまり、ピリオドの取得先が配信サーバ300であるか他サーバであるかにかかわらず、そのピリオドをその時点で取得可能であるか否かに応じて再生制御の許否を判断すればよい。
【0086】
このように、DASHでは、再生時刻に応じて取得可能なピリオドが変わり得る。また、配信サーバ300から取得できないピリオドであっても、他サーバから取得できる場合もある。
【0087】
このため、ユーザは、同じ再生制御操作が、その操作を行ったタイミングによって、受け付けられたり、受け付けられなかったりすることの理由が分かり難い。ゆえに、自身の行った操作に応じた制御が行われなかったときには混乱するおそれがあり、禁止されている再生制御が行われたときには、ユーザへの報知を行う必要性が高い。
【0088】
そこで、クライアント装置100では、禁止された再生制御が行われたときにはその旨をユーザに報知するようにしている。また、再生制御の許否をMPDに基づいて判断するため、簡便かつ正確に再生制御の許否を判断することができ、適切な報知を行うことができる。
【0089】
〔MPDに基づく再生制御の許否の判断〕
クライアント装置100の再生制御部41は、記憶部150に格納されているMPD51を参照して、再生制御を許可するか否かを判断する。この判断方法について、図4に基づいて説明する。図4は、MPD51を用いた再生制御の許否の判断方法を説明する図である。
【0090】
図示のMPD51では、属性「type」(コンテンツ属性情報)の属性値が“Live”と記述されている。“Live”の属性値は、当該コンテンツがライブ配信コンテンツであることを示すものである。ライブ配信コンテンツの再生時には、再生制御の禁止区間が存在し得る。このため、再生制御部41は、「MPD type」が“Live”と記述されている場合に、再生制御の拒否を判断する。
【0091】
逆に言えば、「type」の属性値“Live”以外(例えば“Vod”:Video On Demand等)であれば、再生制御の拒否判断は行わない。これは、“Vod”等の属性値のコンテンツは、全区間で再生制御が可能であるからである。ただし、「type」の属性値が“Live”以外のコンテンツであっても、特定の条件下で特定の再生制御を禁止するコンテンツであれば、判断を行ってもよい。
【0092】
また、図示のMPD51には、クライアント装置100が取得可能なピリオドに関する情報が記述されている。具体的には、各ピリオドについて、該ピリオドを特定する属性「id」、およびコンテンツの配信開始時間を基準「0」とした場合のそのピリオドの開始時間を示す属性「start」が記述されている。また、同図では示していないが、各ピリオドに含まれるMSのURL等も記述されており、クライアント装置100はこれらの情報を用いることによって、コンテンツの当該ピリオド部分を受信して再生することができる。
【0093】
つまり、MPD51に記述されているピリオドは、クライアント装置100が再生可能な再生区間を示すものである。このため、再生制御部41は、MPD51に記述されているピリオドに基づいて、現在の再生位置において、ユーザが指示する再生制御を禁止するか否か(指示された再生制御を実行するか否か)を判断することができる。
【0094】
例えば、図4のMPD51には、id=3以降のピリオドが含まれていないので、再生制御部41は、id=2のピリオドでは早送りの再生制御を実行しないと判断する。つまり、id=2のピリオドは早送りの禁止区間となる。そして、id=2のピリオドの再生中に早送りの操作が行われたときには、再生制御部41は早送りの制御を行わず、報知部43は早送りが禁止されている旨をユーザに報知する。
【0095】
〔早送り操作時における処理の流れ〕
続いて、クライアント装置100において早送り操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理(再生方法)について、図5に基づいて説明する。図5は、早送り操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【0096】
ユーザの早送り操作は、入力部110によって受け付けられ、入力部110は早送り操作を指示する制御信号を再生制御部41に送信する。そして、この制御信号を受信した再生制御部41は、記憶部150に格納されているMPD51を参照して、typeの属性値が“Live”であるか判断する(S1)。
【0097】
なお、クライアント装置100が、MPDを用いないコンテンツ再生(例えば自装置が予め格納しているコンテンツの再生)にも対応している場合、S1の前にMPD51の有無を確認するステップを実行してもよい。この場合、MPD51が無ければ(MPD51が再生に不要であれば)、通常通り、そのコンテンツの再生制御を行う。
【0098】
ここで、typeの属性値が“Live”ではないと判断した場合(S1でNO)、再生制御部41は、早送りを行う(S2)。具体的には、再生制御部41は、再生部40および通信制御部42を制御して、コンテンツの再生速度を速くする。これにより、再生制御操作対応処理は終了する。
【0099】
一方、typeの属性値が“Live”であると判断した場合(S1でYES)、再生制御部41は、現在再生中のピリオドに後続するピリオド(現在再生中のピリオドのid属性値に1を加算したid属性値のピリオド)がMPD51に記述されているか判断する(S3)。なお、この判断結果に応じて早送りの再生制御を実行するか否かが決まるので、S3は、再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと言える。
【0100】
ここで、後続のピリオド(再生中のピリオドの次に再生すべきピリオド)が記述されていると判断した場合(S3でYES)、現在時刻に対応するピリオドまで早送りを許可する(S4)。すなわち、再生制御部41は、現在時刻に対応するピリオドまで早送りするよう、再生部40および通信制御部42を制御する。これにより、現在時刻に対応するピリオドまで早送りが行われ(S2)、再生制御操作対応処理は終了する。
【0101】
なお、S4の「現在時刻に対応するピリオド」とは、現在時刻において再生可能な時間的に最も進んだピリオドである。例えば、図3の例では、P5がこのピリオドに該当する。したがって、図3の例においてP3から早送りを行った場合、P5に入るまで早送りが行われ、P5に入ったときには通常速度の再生に戻る。
【0102】
一方、後続のピリオドが記述されていないと判断した場合(S3でNO)、再生制御部41は、報知部43に指示して早送り不可であることをユーザに報知させ(S5、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。
【0103】
なお、上記では早送りを例に説明を行ったが、順方向(コンテンツの再生が進んでゆく方向)へのタイムシフト操作が行われた場合にも、同様の処理が適用できる。ただし、複数のピリオドを跨ぐタイムシフト操作の場合、S3では、後続のピリオドではなく、タイムシフト先のピリオドの存否を判断する必要がある。
【0104】
〔早戻し操作時における処理の流れ〕
続いて、クライアント装置100において早戻し操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理(再生方法)について、図6に基づいて説明する。図6は、早戻し操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【0105】
ユーザの早戻し操作は、入力部110によって受け付けられ、入力部110は早戻し操作を指示する制御信号を再生制御部41に送信する。そして、この制御信号を受信した再生制御部41は、記憶部150に格納されているMPD51を参照して、typeの属性値が“Live”であるか判断する(S10)。
【0106】
ここで、typeの属性値が“Live”ではないと判断した場合(S10でNO)、再生制御部41は、再生部40および通信制御部42を制御して早戻しを行う(S11)。これにより、再生制御操作対応処理は終了する。
【0107】
一方、typeの属性値が“Live”であると判断した場合(S10でYES)、再生制御部41は、現在再生中のピリオドの直前のピリオド(現在再生中のピリオドのid属性値から1を引いたid属性値のピリオド)がMPD51に記述されているか判断する(S12)。なお、この判断結果に応じて早戻しの再生制御を実行するか否かが決まるので、S12は、再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと言える。
【0108】
ここで、直前のピリオド(再生中のピリオドの直前に再生すべきピリオド)が記述されていると判断した場合(S12でYES)、利用可能な過去のピリオドについて早戻しを許可する(S13)。すなわち、再生制御部41は、MPD51に記述されているピリオドのうち、最も再生時間が早い(コンテンツの先頭に近い)ピリオドまで早戻しするよう、再生部40および通信制御部42を制御する。これにより、指定されたピリオドまで早戻しが行われ(S11)、再生制御操作対応処理は終了する。
【0109】
例えば、図3の例では、MPD51に記述されているピリオドのうち、最も再生時間が早いピリオドはP3であるから、P3に入るまで早戻しが行われる。そして、P3に入ったときには通常再生(通常速度の順方向再生)に戻る。
【0110】
一方、直前のピリオドが記述されていないと判断した場合(S12でNO)、再生制御部41は、報知部43に指示して早戻し不可であることをユーザに報知させ(S14、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。ユーザへの報知方法は、早送り時と同様、ユーザが早戻し不可であることを認識できるものであれば特に限定されない。
【0111】
なお、上記では早戻しを例に説明を行ったが、逆方向(コンテンツの再生が進んでゆく方向とは逆の方向)へのタイムシフト操作が行われた場合にも、同様の処理が適用できる。ただし、複数のピリオドを跨ぐタイムシフト操作の場合、S12では、直前のピリオドではなく、タイムシフト先のピリオドの存否を判断する必要がある。
【0112】
〔実施形態2〕
次に、本発明の実施形態2の配信システムについて、図7から図10に基づいて説明する。なお、本実施形態は、MPDに基づく再生制御の可否判断の具体的内容が上記実施形態と相違するが、システム構成および装置構成は同じである。つまり、本実施形態の配信システムも、図1および図2に示す構成となっている。よって、本実施形態においても、図1および図2の参照番号で説明を行う。
【0113】
〔再生制御を禁止する再生区間〕
まず、本実施形態の禁止区間について、図7に基づいて説明する。図7は、特定の再生制御を禁止する再生区間を説明する図である。図示の例では、図3の例と同様、P1からP8までの8つのピリオドからなる映像コンテンツが再生対象となっている。
【0114】
図7の例では、P1からP8までの8つのピリオドの全てがMPDに記述されているが、現在時刻より先のピリオドについては、有効開始時間前であるため再生が禁止されている。また、P2以前のピリオドは再生期限が切れたことにより、再生不可となっている。つまり、図7の例においても、図3の例と同様に、P3からP5までが再生可能となっている。そして、クライアント装置100は、P4を再生しており、ユーザはこれを視聴している。
【0115】
本実施形態においても、クライアント装置100では、次のピリオドが再生できない状況では、早送りを禁止する。つまり、P5は早送りの再生制御についての禁止区間とする。また、直前のピリオドが再生できないP3は早戻しの再生制御についての禁止区間とする。そして、これらの禁止区間において、禁止している再生制御操作が行われたときには、その操作が禁止されている旨をユーザに報知する。
【0116】
なお、再生期限が切れたピリオドを他サーバから取得できる場合には、そのピリオドを取得可能なピリオドとして再生制御の許否を判断してもよい。この場合、MPDに他サーバから当該ピリオドを取得するための情報を記述しておけばよい。
【0117】
〔MPDに基づく再生制御の許否の判断〕
本実施形態においても、クライアント装置100の再生制御部41は、記憶部150に格納されているMPD51を参照して、再生制御を許可するか否かを判断する。この判断方法について、図8に基づいて説明する。図8は、MPD51を用いた再生制御の許否の判断方法を説明する図である。なお、図示のMPD51は、図4に示したものと同じである。
【0118】
図示のように、上記の有効開始時間は、MPD51の属性「availabilityStartTime」の属性値と、各ピリオドのstartの属性値とに基づいて決定される。つまり、これらの属性は、各ピリオドが再生可能となる時刻を特定するための時刻特定情報である。
【0119】
availabilityStartTimeは、当該MPD51に対応するコンテンツの再生が可能になる時刻(ストリーミング再生が開始される時刻)を示すものである。図示の例では、availabilityStartTimeの属性値が“2011-05-23T19:00Z”と記述されている。これにより、再生が可能になる時刻が2011年5月23日の19:00であることが特定される。
【0120】
また、既に説明したように、各ピリオドの「start」の属性値は、コンテンツの再生が可能になる時間を起点(ゼロ)として、当該ピリオドが再生可能になるタイミングを示すものである。つまり、availabilityStartTimeの属性値に、startの属性値を加算して得られる時刻から、当該ピリオドの再生が可能となる。
【0121】
具体的には、図8において、id=1のピリオドのstartの属性値はゼロであるから、availabilityStartTimeと同じ2011年5月23日の19:00から再生が可能になる。一方、id=2のピリオドのstartの属性値は10Mであるから、availabilityStartTimeから10M経過した2011年5月23日の19:10から再生が可能になる。
【0122】
このように、availabilityStartTimeとstartの属性値により、現在時刻において再生可能なピリオドと再生できないピリオドとを識別することができる。このため、再生制御部41は、MPD51に記述されているこれらの情報に基づいて、再生制御の許否を判断する。
【0123】
例えば、図8のMPD51を用いる場合に、現在時刻が2011年5月23日の19:05であったときには、id=1のピリオドは再生可能であるが、id=2のピリオドは有効開始時間前につき再生できない。したがって、このようなときに、id=1のピリオドで早送りの再生制御が行われた場合、再生制御部41はその再生制御を実行しないと判断する。つまり、id=1のピリオドは早送りの禁止区間となる。そして、id=1のピリオドの再生中に早送りの操作が行われたときには、再生制御部41は、早送りの制御を行わずに、報知部43に早送りが禁止されている旨を報知させる。
【0124】
なお、このように有効開始時間に基づいて禁止区間を判断する場合、MPD51には予め全てのピリオドが含まれていてもよい。また、図示の例では示していないが、ピリオドの再生期限を特定するための期限情報をMPD51に記述しておくことにより、現在時刻と当該期限情報とに基づいて早戻し等の逆方向再生のための再生制御の許否の判断を行うことができる。
【0125】
〔早送り操作時における処理の流れ〕
次に、本実施形態において早送り操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理(再生方法)について、図9に基づいて説明する。図9は、早送り操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【0126】
ユーザの早送り操作は、入力部110によって受け付けられ、入力部110は早送り操作を指示する制御信号を再生制御部41に送信する。そして、この制御信号を受信した再生制御部41は、記憶部150に格納されているMPD51を参照して、現在再生中のピリオドに後続するピリオドが記述されているか判断する(S20)。
【0127】
ここで、記述されていると判断した場合(S20でYES)、S21の処理に進む。一方、記述されていないと判断した場合(S20でNO)、再生制御部41は、報知部43に指示して早送り不可であることをユーザに報知させ(S22、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。
【0128】
S21では、再生制御部41は、後続のピリオドが時間制約を満たすか否か、すなわち有効開始時間後のピリオドであるか否かを判断する。具体的には、再生制御部41は、MPD51からavailabilityStartTimeの属性値と、当該後続のピリオドのstartの属性値とを読み出す。そして、availabilityStartTimeの属性値にstartの属性値を加算した時刻と、現在時刻とを比較し、加算した時刻が、現在時刻と一致するかそれよりも前であれば時間制約を満たすと判断し、現在時刻より後であれば満たさないと判断する。なお、この判断結果に応じて早送りの再生制御を実行するか否かが決まるので、S21は、再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと言える。
【0129】
ここで、時間制約を満たさないと判断した場合(S21でNO)、再生制御部41は、報知部43に早送り不可であることをユーザに報知させ(S22、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。一方、時間制約を満たすと判断した場合(S21でYES)、再生制御部41は、再生部40および通信制御部42を制御して早送りを行わせる(S23)。
【0130】
また、早送り中において、再生制御部41は、現在の再生位置が属するピリオドの後続のピリオドが時間制約を満たすか否か判断する(S21)。ここで時間制約を満たすと判断した場合(S21でYES)、早送りが継続される(S23)。
【0131】
一方、時間制約を満たさないと判断した場合(S21でNO)、図示していないが、再生制御部41は、再生部40および通信制御部42を制御して早送りを停止させる。また、報知部43に指示して早送り不可であることをユーザに報知させ(S22、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。
【0132】
なお、上記では早送りを例に説明を行ったが、順方向(コンテンツの再生が進んでゆく方向)へのタイムシフト操作が行われた場合にも、同様の処理が適用できる。ただし、複数のピリオドを跨ぐタイムシフト操作の場合、後続のピリオドではなく、タイムシフト先のピリオドの存否および該ピリオドが時間制約を満たすかを判断する必要がある。
【0133】
〔早戻し操作時における処理の流れ〕
次に、本実施形態において早戻し操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理(再生方法)について、図10に基づいて説明する。図10は、早戻し操作が行われたときに実行される再生制御操作対応処理の一例を示すフローチャートである。
【0134】
ユーザの早戻し操作は、入力部110によって受け付けられ、入力部110は早戻し操作を指示する制御信号を再生制御部41に送信する。そして、この制御信号を受信した再生制御部41は、記憶部150に格納されているMPD51を参照して、現在再生中のピリオドの直前のピリオドが記述されているか判断する(S30)。
【0135】
ここで、直前のピリオドが記述されていると判断した場合(S30でYES)、S31の処理に進む。一方、記述されていないと判断した場合(S30でNO)、再生制御部41は、報知部43に指示して早戻し不可であることをユーザに報知させ(S32、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。
【0136】
S31では、再生制御部41は、直前のピリオドが時間制約を満たすか否か、すなわち再生期限切れのピリオドでないか否かを判断する。具体的には、再生制御部41は、MPD51から当該後続のピリオドの再生期限を示す情報を読み出す。そして、その情報から特定される時刻と、現在時刻とを比較し、現在時刻と一致するかそれよりも後であれば時間制約を満たすと判断し、現在時刻より前であれば満たさないと判断する。なお、この判断結果に応じて早戻しの再生制御を実行するか否かが決まるので、S31は、再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと言える。
【0137】
ここで、時間制約を満たさないと判断した場合(S31でNO)、再生制御部41は、報知部43に早戻し不可であることをユーザに報知させ(S32、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。一方、時間制約を満たすと判断した場合(S31でYES)、再生制御部41は、再生部40および通信制御部42を制御して早戻しを行わせる(S33)。
【0138】
早戻し中において、再生制御部41は、現在の再生位置が属するピリオドの直前のピリオドが時間制約を満たすか否か判断する(S31)。ここで時間制約を満たすと判断した場合(S31でYES)、早戻しが継続される(S33)。
【0139】
一方、時間制約を満たさないと判断した場合(S31でNO)、図示していないが、再生制御部41は、再生部40および通信制御部42を制御して早戻しを停止させる。また、報知部43に指示して早戻し不可であることをユーザに報知させ(S32、報知ステップ)、再生制御操作対応処理を終了する。
【0140】
なお、上記では早戻しを例に説明を行ったが、逆方向(コンテンツの再生が進んでゆく方向とは逆の方向)へのタイムシフト操作が行われた場合にも、同様の処理が適用できる。ただし、複数のピリオドを跨ぐタイムシフト操作の場合、直前のピリオドではなく、タイムシフト先のピリオドの存否および該ピリオドが時間制約を満たすかを判断する必要がある。
【0141】
〔変形例〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0142】
また、実施形態1と実施形態2を組み合せて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、実施形態1では、現在時刻に対応するピリオドまで早送りを許可(図5のS4)しているが、実施形態2のように、早送り中に早送り制御を実行しない再生区間に入ったことを検出してもよい(図9のS21からS23)。また、実施形態2においても、実施形態1と同様に、MPD51のtype属性値が“Live”であるかの判断(図5のS1)を行ってもよい。
【0143】
〔プログラムによる構成例〕
最後に、クライアント装置100の各ブロック、特に制御部140は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0144】
後者の場合、クライアント装置100は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクライアント装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、クライアント装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0145】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0146】
また、クライアント装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。さらに、地上波デジタル放送や衛星放送などの放送経路によって、上記プログラムコードを供給してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明は、例えばリアルタイム配信されるコンテンツの再生装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0148】
100 クライアント装置(再生装置)
41 再生制御部(再生制御手段)
43 報知部(報知手段)
50 コンテンツ
51 MPD(コンテンツ取得用情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割されて配信されるコンテンツの各構成部分を取得するための情報を少なくとも含むコンテンツ取得用情報を参照して、コンテンツを取得して再生する再生装置であって、
上記コンテンツの再生制御を命令するユーザ操作を受け付けたときに、上記コンテンツ取得用情報から特定される、上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する再生制御手段と、
上記再生制御手段が上記再生制御を実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知する報知手段と、を備えていることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
上記再生制御手段は、再生位置を通常再生とは異なる態様で遷移させる再生制御の実行中に、上記コンテンツ取得用情報から特定される、現時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を中止するか判断し、
上記報知手段は、上記再生制御が中止された場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知することを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
上記コンテンツ取得用情報は、当該コンテンツがライブ配信コンテンツであるか否かを示すコンテンツ属性情報を含み、
上記再生制御手段は、上記コンテンツ属性情報がライブ配信コンテンツであることを示すコンテンツの再生時に、上記判断を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の再生装置。
【請求項4】
上記再生制御手段は、通常再生よりも早く再生位置を進行させる再生制御の命令を受け付けた場合には、上記コンテンツ取得用情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の次に再生すべき構成部分を取得可能か判断し、取得不能であれば当該再生制御を実行しないと判断することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項5】
上記再生制御手段は、再生位置を通常再生と逆方向に遷移させる再生制御の命令を受け付けた場合には、上記コンテンツ取得用情報に基づいて、現在の再生位置に対応する構成部分の直前に再生すべき構成部分を取得可能か判断し、取得不能であれば当該再生制御を実行しないと判断することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項6】
上記コンテンツ取得用情報は、上記コンテンツの各構成部分について、該構成部分が再生可能となる時刻を特定するための時刻特定情報を含み、
上記再生制御手段は、通常再生よりも早く再生位置を進行させる再生制御の命令を受け付けた場合には、現在の再生位置に対応する構成部分の次に再生すべき構成部分について上記時刻特定情報により特定した時刻が現在時刻よりも後であれば、当該再生制御を実行しないと判断することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項7】
上記コンテンツ取得用情報は、上記コンテンツの各構成部分について、該構成部分の再生期限の時刻を特定するための期限情報を含み、
上記再生制御手段は、再生位置を通常再生と逆方向に遷移させる再生制御の命令を受け付けた場合には、現在の再生位置に対応する構成部分の直前に再生すべき構成部分について上記期限情報により特定した時刻が現在時刻よりも前であれば、当該再生制御を実行しないと判断することを特徴とする請求項1から3および6の何れか1項に記載の再生装置。
【請求項8】
時分割されて配信されるコンテンツの各構成部分を取得するための情報を少なくとも含むコンテンツ取得用情報を参照して、コンテンツを取得して再生する再生装置による再生方法であって、
上記コンテンツの再生制御を命令するユーザ操作を受け付けたときに、上記コンテンツ取得用情報から特定される、上記命令の受け付け時点で取得可能な構成部分が上記コンテンツの何れの部分であるかに基づき、当該再生制御を実行するか判断する再生制御ステップと、
上記再生制御ステップにて上記再生制御を実行しないと判断した場合に、当該再生制御が禁止されていることを上記ユーザに報知する報知ステップと、を含むことを特徴とする再生方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項に記載の再生装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記再生制御手段および上記報知手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−115439(P2013−115439A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256688(P2011−256688)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】