冷蔵庫
本発明は、蒸発器をを備える冷凍サイクルと、蒸発器と熱を交換する空間と、蒸発器と空間との間で熱交換が行われる領域と、空間を限定する貯蔵室及びドアと、を含み、領域、貯蔵室、ドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養露出処理のいずれか一つが行われていることを特徴とする冷蔵庫に係るものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に係るもので、より詳しくは、キムチ乳酸菌培養物処理(キムチ乳酸菌培養物のコーティングなど)及び/又はキムチ乳酸菌培養物の露出処理(キムチ乳酸菌培養物が含有されたフィルターの設置など)がなされた冷蔵庫に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生と清潔さに対する関心が高まっており、これに重点をおいた製品が大きく普及されつつある。これは電子製品分野も例外ではなく、具体的に衛生、清潔さが要求される生活家電製品としては、冷蔵庫、洗濯機、乾燥器、空気調和機、空気清浄機、扇風機、掃除機、電気ポート、電気炊飯器、食器洗浄機、食器乾燥機、電子レンジ、ミキサー、VTR、テレビ、ホームシアターなどがある。
【0003】
上記のような様々な製品の表面、又は上記製品を構成する各種部品の表面に寄生する細菌やカビなどはアトピー皮膚炎、呼吸器疾患など多様な疾病を誘発し、製品の美観の損傷、悪臭の発生及び外観の変色などを引き起こす。したがって、各種細菌類及びカビ類の接触及び増殖を防止してヒトの疾病を未然に予防し、かつ美観を損なわない抗微生物性を有する物品を製造する必要がある。
【0004】
一般に、抗菌性物品を製造するために使われている大部分の抗菌剤は、化学合成により製造されたもので、生産コストが高く、副作用を誘発する等の多くの限界を有している。したがって、最近には抗菌性に優れて、人体に対する副作用がなく、安全な天然抗菌物質に対する研究が活発に行われている。
【0005】
キムチ乳酸菌はキムチの発酵と熟成過程で生じる天然由来のもので、長い期間の間に、人間が摂取してきており、その安全性が確保されており、容易かつ経済的に手に入れることができ、さらに抗菌力が高く、広範囲な抗菌スペクトラムを有する天然抗菌性物質として知られている。さらに、最近キムチ乳酸菌培養液が鳥インフルエンザ及び鳥インフルエンザウイルスと類似のメカニズムを有するウイルスの活性を抑制するという研究結果が報告されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで本発明者らはキムチ乳酸菌培養液の抗菌及び抗ウイルス効果に着目して、これを応用して物品の表面に抗微生物性を付与することによって本発明を完成した。
【0007】
本発明は、抗菌及び抗ウイルス効果のあるキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、蒸発器と熱交換が行われる領域にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、冷蔵庫の内部及び/又はドアにキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、変温室にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、蒸発器とディスペンサー及び/又は製氷機にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、冷蔵庫用の空気清浄器にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、蒸発器を備える冷凍サイクル;蒸発器と熱を交換する空間;蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域;及び、前記空間を限定する貯蔵室及びドア;を含み、前記領域、貯蔵室、ドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われていることを特徴とする冷蔵庫を提供する。例えば、前記領域は直冷式の場合に蒸発器と蒸発器の位置に対応する貯蔵室、及びこれらの間の空間を意味し、間冷式の場合はファン、蒸発器、冷気ダクトなどを含む冷気の流路に関連した部分を意味する。
【0011】
さらに、本発明は、キムチ乳酸菌培養物処理が、キムチ乳酸菌培養物のコーティング及びキムチ乳酸菌培養物を含む物質の成形のいずれか一つにより行われることを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、キムチ乳酸菌培養物露出処理がフィルターの設置及びキムチ乳酸菌培養物の供給のいずれか一つにより行われることを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、前記領域がキムチ乳酸菌培養物処理がなされており、前記領域のキムチ乳酸菌培養物処理が蒸発器に施されることを特徴とする冷蔵庫を提供する。例えば、この処理を蒸発器の表面又は蒸発器フィン等に行なうことができる。また、このような処理が蒸発器の表面に凝結した凝縮水を除去するドレイン配管側に行なうことができる。
【0014】
さらに、本発明は、前記領域に繋がっており、熱交換に使用される流路;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、流路上に位置するフィルター;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。このような構成により、流路が備えられた従来の冷蔵庫にも本発明によるキムチ乳酸菌培養物の露出処理を行うことができる。
【0016】
さらに、本発明は、貯蔵室がインナーケースで区画され、旋盤、バスケット、食品収納容器、そして引出しのいずれか一つを含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。特に、食品収納容器、引出しなどには湿気又は水が存在することができ、汚染の可能性が高い。このような空間にキムチ乳酸菌培養物処理及び/又はキムチ乳酸菌培養物の露出処理をすることにより、抗菌性を付与することができる。このような処理は、このような空間にキムチ乳酸菌培養物を供給することを含む。
【0017】
さらに、本発明は、ドアがドアの取っ手を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。ドアの取っ手にキムチ乳酸菌培養物処理を行なうことによって、間接的に冷蔵庫又は冷蔵庫使用者に抗菌性を付与することができる。
【0018】
さらに、本発明は、蒸発器を備える冷凍サイクル;蒸発器と熱交換により低温になった冷気を収容する空間;及び、前記空間の冷気と熱を交換する水と接触し、キムチ乳酸菌培養物処理、及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われている少なくとも一つの部材;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。特に、この少なくとも一つの部材は冷水を供給するディスペンサーを構成する一つの部材であり得る。また、この少なくとも一つの部材は氷を作ったり、作られた氷をドアを介して排出する製氷機を構成する一つの部材又はその以上の部材であり得る。
【0019】
さらに、本発明は、蒸発器を備える冷凍サイクル;蒸発器と熱を交換する空間;蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域;及び、前記空間の一側に位置し、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われている空気清浄器;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明による冷蔵庫によると、広い抗菌スペクトラムを有するキムチ乳酸菌培養液を利用することによって抗微生物効果を必要とする各種物品の表面において抗微生物性が十分発揮するという利点がある。
【0021】
さらに、本発明による冷蔵庫によると、キムチ乳酸菌培養液の優れた抗ウイルス活性により 鳥インフルエンザ、及び鳥インフルエンザウイルスと類似のメカニズムを有するウイルスに対する抗ウイルス効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明による冷蔵庫の一実施形態を示す図であり、上・下側に冷凍室(F)及び冷蔵室(R)が形成された冷蔵庫本体(2a、2b)の前面にそれぞれ冷凍室ドア(4a)及び冷蔵室ドア(4b)が開閉可能に設置され、上記冷凍室(F)の内壁に形成された空間上に蒸発器(10)が設置されると同時に、これと連結された冷凍サイクルが上記冷蔵庫本体(2a、2b)の一側に設置され、上記蒸発器(10)の上側には冷気を冷凍室(F)及び冷蔵室(R)に送風させるように送風ファン(12)及びモーター(14)が設置される。ここで、上記冷蔵庫本体(2a、2b)はアウターケース(2a)とインナーケース(2b)間に断熱材(図示せず)が含まれるように構成され、上記冷蔵庫本体(2a、2b)の下部に形成された機械室には、上記蒸発器(10)と冷媒配管とによりお互い連結した圧縮機(6)、凝縮機(8)、毛細管(図示せず)が内蔵されるように設置され、上記冷凍室のインナーケース(2b)の内側に上記蒸発器(10)が内蔵され、上記凝縮機(8)下側には上記蒸発器(10)の表面に凝縮された凝縮水を案内するドレーン配管(図示せず)及び凝縮水が集められるドレーンファン(図示せず)が設置される。さらに、上記蒸発器(10)で熱交換された冷気が上記冷凍室(F)のみならず、冷蔵室(R)にも循環され得るように上記冷蔵室のインナーケース(2b)の内側に冷気循環流路(31、32)が形成され、上記冷蔵室のインナーケース(2b)には複数個の冷気分配ホール(2h)が形成される。また、上記冷気循環流路(31、32)上にフィルター(33)が設置され得る。一方、上記蒸発器(10)の一側には温度センサー(図示せず)及び除霜ヒーター(20)が設置され、上記蒸発器(10)を通過する空気中に水分が上記蒸発器(10)の表面に霜が発生した場合も、上記温度センサーにより霜の発生を感知し、上記除霜ヒーター(20)を作動させて除霜運転が行われるようにする。もちろん、上記圧縮機(6)及びモーター(14)などのような構成部品は制御部(図示せず)と接続されて調節される。したがって、上記制御部が上記圧縮機(6)及びモーター(14)を作動させると、上記圧縮機(6)が作動されることに冷媒が上記凝縮機(6)、凝縮機(8)、毛細管、蒸発器(10)を循環しながら上記蒸発器(10)周辺の空気との熱交換作用により冷気が生成されると同時に、上記送風ファン(12)が回転することによって冷気が上記冷凍室(F)及び冷蔵室(R)側に送風され、冷凍及び冷蔵運転が行われるようにする。
【0023】
以上の冷蔵庫は冷凍室が冷蔵室の上に設置された、いわゆるトップマウント型冷蔵庫を一例に挙げたが、冷凍室と冷蔵室が両側に並んで形成された、いわゆる両門型冷蔵庫では、上述した冷気循環流路(31、32)と同等な冷気循環流路が形成される。さらに、キムチ冷蔵庫では、蒸発器がキムチ冷蔵庫の内部の空気と直接熱交換をするのではないが、本発明の原理がそのまま適用され得ることは言うまでもない。
【0024】
本発明(図1に示す発明)の第1の態様は、上記蒸発器(10)にキムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つを行うものである。例えば、上記蒸発器(10;例えば:蒸発器表面又は蒸発器フィンの表面)をキムチ乳酸菌培養物でコーティングして抗菌性を付与するものである(具体的なコーティング方法は後述する)。このように蒸発器にキムチ乳酸菌培養物をコーティングすることによって、冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて冷蔵庫の内部を循環する冷気の湿気により蒸発器(10)に蓄積される霜に潜在する細菌を殺すことができ、除霜ヒーター(20)の作動により蒸発器(10)の温度が上がってもこのような細菌らが蒸発器領域でもはや繁殖できなくなり、消滅する。したがって、蒸発器(10)に蒸発熱を奪われながら熱交換をして、冷凍室、又は冷蔵室に導入される冷気に含まれている細菌の数を低減することができる。また、蒸発器(10)の表面に凝結された凝縮水を案内するドレーン配管及び凝縮水が集められるドレーンファンにも蒸発器と同様に、キムチ乳酸菌培養物をコーティングすることによって抗菌性を付与することができる。また、このようなドレーン配管とドレーンファンを射出成形などにより製作する場合には、後述する成形方法によりキムチ乳酸菌培養物を成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形することができる。
【0025】
本発明(図1に示す発明)の第2の態様は、上記冷気循環流路(31、32)にキムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つを行うものである。例えば、冷気循環流路(31、32)上で、冷気の強制循環を助ける送風ファン(12)の表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、上記送風ファン(12)自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法及び成形方法は後述する)。このように送風ファン(12)の表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、送風ファン(12)自体をキムチ乳酸菌培養物に成形するか、これをカプセル化して成形することによって冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて冷蔵部の内部を循環する冷気に含まれた細菌は上記送風ファン(12)と接触して消滅する。また、上記冷気循環流路(31、32)上に設置される抗菌及び脱臭フィルター(33)のフィルター材にキムチ乳酸菌培養物を含有させるものである(具体的なフィルターの製造方法については後述する)。このようなフィルター(33)により冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて冷蔵庫の内部を循環する冷気に含まれた細菌は上記フィルター(33)を通過しながら消滅するか、フィルタリングされるので(他のフィルター部材によりフィルタリングされた後、キムチ乳酸菌培養物と接触して消滅することもある)、冷凍室、又は冷蔵室に導入される冷気に含まれる細菌の数を低減することができる。さらに、細菌がもはや繁殖しなくなるので脱臭性能にも優れたものになる。また、このフィルター(33)を送風ファン(12)の直前または直後に設置する場合、送風ファン(12)により強制対流される冷気内に混入される細菌に対する抗菌作用及び脱臭作用をより向上させるという効果が得られる。また冷気循環流路(31、32)を構成するダクトの内表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記ダクト自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このようにダクト表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、ダクト自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これををカプセル化して成形することによって冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて、冷蔵庫の内部を循環する冷気に含まれた細菌は、上記冷気循環流路を構成するダクトと接触して消滅するので冷凍室、又は冷蔵室に導入される冷気に含まれる細菌の数を低減することができる。
【0026】
図2は、本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図であり、冷蔵庫(110)はいわゆる両門型冷蔵庫と呼ばれるもので、冷凍室ドア(120)と冷蔵室ドア(130)が両立するように設置し、冷凍室ドア(120)には冷水又は製氷機から氷を取り出すディスペンサー部(122)が設置され、冷蔵室ドア(130)には冷蔵室ドア(130)を開放しないまま、冷蔵庫(110)の内部に貯蔵されている飲料などを容易に引き出すことができるようにする、いわゆるホームバードア(132)が設置される。これらドア(120、130)はドアの取っ手(101)を利用して開閉することができる。
【0027】
図3は図2の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図で、冷凍室ドア(120)と冷蔵室ドア(130)が開放されると、冷蔵庫(110)の内部の空間は冷凍室(112)空間と、冷蔵室(114)空間が隔壁(116)により区画される。そして、冷凍室(112)及び冷蔵室(114)の空間内には複数個の旋盤(160)が設置されて、各空間内に飲食物などを効果的に収納できるようにする。さらに、冷凍室(112)及び冷蔵室(114)空間の外枠をインナーケースと呼ぶ。また、冷凍室ドア(120)の内側には複数個の冷凍室バスケット(124)が設置され、冷蔵室ドア(130)の内側にも複数個の冷蔵室バスケット(134)が設置され、これらも各バスケット(124、134)内に食物などを収納する空間を提供する。さらに、冷凍室(112)の下部には冷凍室(112)空間の温度範囲とは異なる温度範囲で貯蔵する必要性のある飲食物などを収容するための別途の冷凍室用引出し(150)が設けられ、冷蔵室(114)の下部にも冷蔵室(114)空間の温度範囲とは異なる温度範囲で貯蔵する必要性のある飲食物などを収容するための別途の冷蔵室用の引出し(140)が設置される。これらの引出し(140、150)が引き出される空間の外枠には必要に応じて熱線(図示せず)が形成されるか、冷蔵室又は冷凍室から直接冷気が供給されるダクト手段が提供されることもできる。また、上記引出し(140、150)のうちいずれか一つ以上には果物貯蔵用引出しとしてに使われるビタミンキットのようなキムチ乳酸菌培養物キット(141)が設置され得る。この場合、後述するように、キムチ乳酸菌培養物キットに起因する抗菌作用が引出し内部で得られる。さらに、上記旋盤(160)の上には食品が収容されて、冷蔵庫の内部で保管されるようにする食品収納容器(170)が提供されている。一例としては、代表的な食品収納容器(170)としてはキムチ筒にはキムチが収容されて冷蔵庫の旋盤(160)上に置かれて冷蔵状態で冷蔵庫の内部で保管することができる。以上の本発明の一実施形態、いわゆる両門型冷蔵庫を対象としているが、本発明の概念がいわゆるトップマウント型冷蔵庫又はフレンチドア型冷蔵庫等に同様に適用され得ることはもちろん、キムチ冷蔵庫にも同様に適用されることができる。キムチ冷蔵庫の場合には上記のような旋盤やバスケット構造物はないが、詳述したインナーケースと食品収納容器は同じように必要となる。
【0028】
本発明(図2に示す発明)の最も大きな特徴のうち一つは上記インナーケース(旋盤、バスケットを含む)、上記食品収納容器、上記引出しの表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記インナーケース、上記食品収納容器、上記引出し自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、それら自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって冷蔵庫の内部に貯蔵される食品に起因するか、外気に起因する細菌らはこれら部材と接触して消滅する。したがって、冷蔵庫の内部に残存する細菌の数を低減することができる。
【0029】
本発明(図2に示す発明)の最も大きなもう一つの特徴は、上記ドアの内壁、外壁又はドアの取っ手の表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記ドア内壁又はドアの取っ手それ自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、それら自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによってドア取っ手に菌類が棲息することを防止できる。
【0030】
図4は本発明による変温室を備えた冷蔵庫の一実施形態を示す図であり、冷蔵庫は冷蔵室(260)と冷凍室(250)から構成され、図示していないが、冷凍室(250)の後面には冷却サイクルが構成されて冷媒を圧縮、凝縮して熱交換作業を遂行し冷気を庫内に供給する構成が含まれる。冷蔵室(260)の下段には変温室(240)が位置し、変温室(240)に供給される冷気は、冷凍室(250)と連結されているダンパー(220)の開閉制御によって調節される。そして、変温室(250)の制御は変温室(250)に備えられた変温室温度感知センサー(210)をより感知された値に基づいて行う。すなわち、変温室(240)内に装着された変温室温度感知センサー(210)により検出された値がマイクロコントローラ(図示せず)に伝えられると、マイクロコントローラは検出された値による変温室の庫内温度を判断する。上記マイクロコントローラの判断により、変温室の庫内温度が適正温度であると判断されると、マイクロコントローラは冷凍室(250)から変温室(240)に冷気が流入されないように変温室ダンパー(220)を「閉」制御する。その結果、冷凍室(250)から変温室(240)に流入されていた冷気の流れが完全に遮断される。一方、上記マイクロコントローラの判断によって、変温室庫内温度が適正温度でないと判断されると、マイクロコントローラは、冷凍室(250)から変温室(240)に冷気が流入されるように、変温室ダンパー(220)を「開」制御する。その結果、冷凍室(250)から変温室(240)に冷気が流入されて変温室の庫内温度が低くなる。
【0031】
図5は本発明による変温室を備えた冷蔵庫の他の一実施形態を示す図であり、冷蔵庫は冷凍室(285)と冷蔵室(290)、そして冷蔵室の下段に備えられる変温室(280)とからなる。各庫内の一般的な温度状態は冷凍室(285)が最も低く、その次に低いのは変温室(280)であり、冷蔵室(285)の温度が相対的に最も高い。一方、変温室が解凍機能を遂行すると、変温室の温度は冷蔵室の温度より相対的に高くなる。上記各庫内の温度制御は、各室に備えられる温度感知センサーの検出温度に基づいて行われる。冷蔵室の下段には変温室(280)が位置し、変温室(280)に供給される冷気は冷凍室(285)と変温室(280)の間に連結されている変温室ダンパー(260)の開閉制御により調節される。それと同時に、ダンパー(260)が「開」動作を遂行する場合、冷凍室のファンモーター(250が駆動して冷気が 円滑に流入されるようにする。この時、変温室(280)の庫内の状態は、変温室(280)に備えられた変温室温度感知センサー(220)により感知される。一方、変温室(280)には変温室の庫内温度を短時間に上昇させるためにヒーター熱を発生させる変温室ヒーター(240)が変温室の下段に装着される。
【0032】
図6は本発明により変温室の温度を調節する方法の一実施形態を説明する図であり、冷蔵庫に電源を印加する電源供給部(270)と、冷蔵庫の動作信号(温度、運転状態等)を入力する信号入力部(200)と、入力された動作信号を表示するディスプレー部(210)と、変温室内に装着されてヒーター熱を発生させる変温室ヒーター(240)と、変温室内に装着されて庫内温度を感知する変温室温度感知センサー(220)と、変温室と冷凍室の間に装着されて変温室に流入される冷気の流れを制御する変温室ダンパー(260)と、変温室内に冷気が円滑に流入されるように送風する変温室ファンモーター(250)と、冷蔵庫の庫内温度を適正に維持し、ユーザのセッティングによって変温室の庫内温度が調節されるように制御するマイクロコントローラ(230)が図示されている。信号入力部(200)は冷蔵庫の一般運転だけでなく、変温室の解凍及び急速冷蔵機能を選択するファンクションキーなどを含む。ディスプレー部(210)には冷蔵庫の状態を一目で把握できるように複数個のランプが備えられている。例えば、急速冷凍機能を遂行中であるか、除霜運転を遂行中であるか否かなどを該当ランプの点灯によって、直ちに確認することができる。変温室温度感知センサー(220)は、変温室の一側に装着される。また、感知された変温室の庫内温度値をマイクロコントローラ(230)に伝達する。変温室ヒーター(240)は、解凍機能中に駆動するか、変温室の温度感知センサー(220)により検出された温度値に基づいて駆動する。解凍が開始されると、所定時間の間所定温度に到達するように、ヒーターの状態がオン(ON)になり、所定時間が経過して所定温度に到達すると、変温室ヒーター(240)の状態はオフ(OFF)になる。ここで、解凍のための変温室ヒーター(240)の駆動時間及び駆動温度は、実験により検出された実験値に基づいて決められる。一方、マイクロコントローラ(230)は、変温室温度感知センサー(220)が伝達した温度値を認知し、現在の変温室の庫内温度を把握する。そして判断の結果、変温室(280)の庫内温度が適正温度を維持していると判断されると、冷凍室から変温室に流入される冷気の流れが遮断されるように変温室ダンパー(260)及び変温室ファンモーター(250)の駆動を停止させる。しかしマイクロコントローラ(230)は変温室の庫内温度が適正温度を維持していないと判断すると、冷凍室(285)から変温室(280)に冷気が流入されるように変温室ダンパー(260)を「開」動作させるとともに、変温室ファンモーター(250)が駆動するように制御する。その結果、冷気が変温室(280)に素速く流入され、庫内温度を落とす。このように変温室(280)に保管食品を保存するにあたって、庫内の温度が低い状態を維持するように制御する。そしてマイクロコントローラ(230)は変温室(280)に保管中の食品を解凍させようとする場合、変温室(280)に装着されている変温室ヒーター(240)の駆動を制御する。その結果、変温室(280)にヒーター熱が供給されて、変温室(280)の庫内温度が上昇し、保管食品の解凍される。このように、本発明は、信号入力部(200)により変温室の用途又は変温室の保管温度を予めセッティングし、セッティングされた変温室(280)の庫内温度を維持できるように、変温室ダンパー(260)及びファンモーター(250)、ヒーター(240)の駆動を制御する。すなわち、セッティングされた保管温度が適正であれば、庫内に冷気がそれ以上供給されないように、変温室のダンパー(260)が閉められ、ファンモーター(250)が停止する。しかし、セッティングされた保管温度が適正でなければ、変温室のダンパー(260)が開かれ、ファンモーター(250)が駆動し、保管温度に到達するように冷気が供給される。そして解凍機能を選択すると、変温室のヒーター(240)が所定時間の間、又は所定温度に到達するまで駆動する。
【0033】
図7は本発明による変温室の一例を示す図であり、変温室(280)は温度感知センサー(220)、ヒーター(240)、ファンモーター(250)、ダンパー(260)を具備し、さらに、キムチ乳酸菌培養物が入っている容器(211)と連結されて変温室(280)内に粉末状又は液状のキムチ乳酸菌培養物を噴霧する噴霧器(201)が備えられている。図6に示すように、噴霧器(201)もマイクロコントローラ(230)により制御され、特に、ヒーター(240)により変温室(280)内の温度が高められた以後の特定時点で(温度感知センサー(220)により感知された特定温度で)、マイクロコントローラ(230)の動作により容器(211)内のキムチ乳酸菌培養物を変温室(280)内に噴霧するように作動されることが望ましい。変温室(280)はヒーター(240)を具備することによって、解凍又は保温機能を行うことができ、このような過程で変温室(280)内の保管食品から水気又は湿気が発生することもあるが、このような水気又は湿気は清潔さを維持しなければならない変温室(280)を汚染させる可能性がある。本発明は、上記のような機能が行なわれた後に変温室(280)にキムチ乳酸菌培養物を噴霧することによって、変温室(280)に抗菌性を付与して変温室(280)を汚染から保護することに係るものである。さらに、変温室(280)を汚染から常時的に保護するために、変温室(280)自体にキムチ乳酸菌培養物処理、すなわち、変温室(280)にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、変温室(280)をキムチ乳酸菌培養物を含有する物質で成形しても良い。
【0034】
図8及び本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図であり、図9は、図8の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図であり、図10は本発明によるディスペンサーの一例を概略的に表す図で、冷蔵庫(310)は冷凍室(312) と、ドア(311)と、ディスペンサー(320)とを含めて構成される。上記ドア(311)は上記冷蔵庫(310)と、冷凍室(312)の開口面を覆って上記冷凍室(312)と外部とを遮断するように板形状で形成され、上記冷凍室(312)の一側端にヒンジ(314)を介して回動可能に係合される。さらに、上記ドア(311)は、上記冷蔵庫(310)内部の冷気と外気が熱交換されることを防止するために、その内部に断熱材が充填された通常の冷蔵庫ドアから構成される。また、本実施形態において、上記ディスペンサー(320)が設置されるドア(311)の内側面には、上記冷蔵庫(310)の冷凍室(312)及び冷蔵室(313)方向に向けて、上記ドア(311)の一面で構成される。上記ディスペンサー(320)は上記ドア(311)の外側に表出した氷吐出器(321)と冷水機(322)から氷及び冷水がそれぞれ吐出されるように形成され、水タンク(340)と、製氷機(331)と、氷吐出器(321)と、冷水機(322)及び水供給管(350)を含んで構成される。上記水タンク(340)は、上記冷凍室(312) のドア(311)の内側面に内部が中空となっている2個の円筒が相互連通するように接続した形状で締結されている。ここで、上記水タンク(340)は、上記ドア(311)の閉鎖により冷凍室(312)の内部にその一部が挿入されるように、上記ドア(311)の内側面にその一面が固定されて突出した形状で設置される。場合によっては、このような水タンク(340)が設置されずに、外部給水源から水が浄水フィルターなどを経て、直ちにディスペンサーにより吐出されることも可能である。上記製氷機(331)は上記水タンク(340)の上部の上記ドア(311)の内側面の上部に設けられ、上記水タンク(340)の上部の上記ドア(311)の内側面に流入される水を所定時間の間貯蔵するとともに、上記冷凍室(312)の冷気を利用して上記貯蔵された水を製氷する製氷トレー(331a)と、上記製氷トレー(331a)の下部に設置され、上記製氷トレー(331a)で製氷された氷を貯える貯氷箱(331b)と、この貯氷箱(331b)に貯蔵された氷を、氷吐出器(321)が押さえられると外部に排出する流路を構成する氷吐出ガイド(331c)とから構成される。
【0035】
本発明(図8に示す発明)の最も大きな特徴の一つは、製氷機、例えば、上記製氷トレー(331a)、貯氷箱(331b)、氷吐出ガイド(331c)の表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記各部材ら自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形することである(具体的なコーティング方法と成形方法については後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、部材自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって外部から給水される水や冷蔵庫の内部に貯蔵される食品又は外気と一緒に上記製氷機の内部に混入される細菌らは、これらの部材と接触して消滅することになる。したがって、製氷機から供給される氷に含まれる細菌の数を低減することができる。
【0036】
本発明(図8に示す発明)のもう一つの最も大きな特徴の一つは、上記水タンク(340)の内表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記水タンク(340)自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、部材自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって、外部から給水される水から上記水タンク(340)内部に混入される細菌らは、これらの部材と接触して消滅することになる。したがって、ディスペンサーから吐出される冷水や製氷機から供給される氷に含まれる細菌の数を低減することができる。上記水供給管(350)は引入管(351)と、分配管(352)と、第1吐水管(353)と、第2吐水管(354)を含んで構成される。上記引入管(351)は、その一端が上記冷蔵庫(310)外部の給水源に連結され、その他端が上記冷凍室(312)ドア(311)の下端からドア(311)の内部に挿入される通常の水流動管により形成される。また、上記引入管(351)は上記冷凍室(312) のドア(311)の下部ヒンジ(314)から上記ドア(311)の内部に挿入され、上記ドア(311)の内部に挿入された引入管(351)が上記ドア(311)の内側面に設置された水タンク(340)の一端に連通するように連結される。ここで、上記引入管(351)は上記冷蔵庫(310)の下端一側に締結されたヒンジ(314)のヒンジ軸(315)の中央部に軸方向に貫通開口された中空部に挿入されて上記ヒンジ軸(315)が挿入されたドア(311)の内側に挿入される。さらに、上記引入管(351)は上記外部給水源で上記ドア(311)の下段ヒンジ(314)から直接流入されるように設置されることもできるし、上記冷蔵庫(310)の後面部から挿入されて上記冷凍室(312)の下部を通じて配列され、上記冷凍室(312)の前面に至っては上記冷凍室(312)とドア(311)の下段に連結されたヒンジ(314)を介して上記ドア(311)の内部に挿入されることもできる。また、上記ドア(311)の内部に挿入された引入管は上記ドア(311)の内部で上記水タンク(340)の方向に伸びて形成されるとともに、上記水タンク(340)が設置されたドア(311)の内側面に貫通突出されて上記水タンク(340)の一端に連結される。上記分配管(352)は上記引入管(351)がその一面に連通された水タンク(340)の他面で上記引入管(351)の形状と類似の管形状をなして上記ドア(311)の内部に再び挿入されて上記製氷機(331)及び冷水機(322)が設置された方向に伸びて形成される。ここで、上記製氷機(331)及び冷水機(322)は上記水タンク(340)の上部に設置されるので、上記分配管(352)は上記水タンク(340)の他面で上記ドア(311)の上方向に屈曲しながら延びて形成される。上記第1吐水管(353)は上記分配管(352)の先端が上記製氷機(331)の上段部に達するように延びて、上記製氷機(331)の上端に達するように延設された分配管(352)の先端から上記製氷機(331)の上部中央に達するように上記引入管(351)と類似する形状の管形状をなす第1吐水管(353)が延びて形成される。上記第2吐水管(354)は上記冷水機(322)が設置された水タンク(340)と製氷機(331)の中央地点に位置された分配管(352)で上記冷水機(322)の方向に上記引入管(351)の形状と類似の管形状の管が分岐されて形成される。また、上記水タンク(340)と製氷機(331)と、分配管(352)と、第1吐水管(353)と第2吐水管(354)は上記冷凍室(312)のドア(311)の内側面及び内部に締結されるとともに、上記各部材を全て受け入れることができるようにハウジング(330)の内部に収容されることが望ましい。ここで、上記ハウジング(330)は上記製氷機(331)と水タンク(340)などのディスペンサー(320)の構成品をすべて覆って、ドア(311)内側の外観を向上させるように、その一面が開放された箱状に形成される。また、上記引入管(351)は上記ドア(311)の内部で配列されるが、上記分配管(352)と、第1吐水管(353)及び第2吐水管(354)は上記ドア(311)の内側のハウジング(330)の内部で上記水タンク(340)と製氷機(331)及び冷水機(322)に各々連結される。
【0037】
本発明(図8に示す発明)の最も大きなもう一つの特徴は、上述した色々な種類の給水配管の内表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記給水配管自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形することである(具体的なコーティング方法と成形方法については後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、部材自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって外部から給水される水や冷蔵庫の内部に貯蔵される食品、又は外気と一緒に上記給水配管を通して導入される水により混入される細菌らは、これら給水配管と接触して消滅する。また上記給水配管のいずれか一つにキムチ乳酸菌培養物処理がなされたフィルター(360)が設置され得ることは言うまでもない。好ましくは水タンク(340)で供給される引入管(351)の所定位置にフィルターが設置されることが望ましいが、フィルターは水タンク(340)を通過した後の給水配管にも設置され得るし、また複数個のフィルターが設置されることができる。
【0038】
図11及び12は本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面であり、図13は本発明による冷蔵庫用の空気清浄器の一実施形態を示す図であり、本発明は、室内の空気を吸入して浄化し、吐出しながら上記室内空気を浄化する冷蔵庫(410)用の空気清浄器(420)にキムチ乳酸菌培養物(400)をコーティングすることができる。さらに、本発明は、冷蔵庫の室内の空気を浄化するために、空気清浄器(420)の内部に設置された浄化器(450)にキムチ乳酸菌培養物フィルターが内蔵され得る。本実施形態においては、上記空気清浄器(420)が冷蔵庫(10)の上面に設置されていることを挙げて説明しているが、上記空気清浄器(420)は冷蔵庫(410)の下面、又は冷蔵庫(410)の中央部に設置され得ることはもとろんである。上記空気清浄器(420)は、ハウジング(430)と、送風機(440)と、流路隔壁(441)と、浄化器(450)と、吸入グリル(460)と、吐出グリル(470)を含んで構成される。上記ハウジング(430)は上記冷蔵庫(410)の上面に安着するように上記冷蔵庫(410)の上面の形状に対応する断面形状を有するボックス形状で形成され、その内部は中空であり、後述する送風機(440)と浄化器(450)などが内設されるようにする。また、上記ハウジング(430)の内側面は、ハウジング(430)の内部に流通される空気中の細菌を殺菌できるキムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、ハウジング(430)の射出成形時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出され、上記ハウジング(430)自体に含まれることができる。上記送風機(440)は、上記ハウジング(430)の内部の中央に設置されてその両側部から空気を吸入し、その前方に吐出するように設置される。また、上記送風機(440)は複数の羽が回転しながら、空気を加圧して送風するように形成され、上記羽及び羽を囲んで空気の流れを誘導するフレームに、上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記羽及びフレミングの射出時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。また、上記送風機(440)に吸入される空気と上記送風機(440)から送風される空気が相互干渉することを防止できるように、上記送風機(440)の両側端で後述する吐出口の両端に達するようにするとともに、上記ハウジング(430)の上・下段に達するように壁体形状の流路隔壁(441)が形成され、上記流路隔壁(441)の内・外側面に上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記流路隔壁(441)の射出時に上記キムチ乳酸菌培養物(100)が共に射出されて含まれることができる。上記浄化器(450)はハウジング(430)の両側部に着脱可能に設置され、ケース(451)と集塵フィルター(452)と、脱臭フィルター(453)と、抗菌フィルター(454)及びキムチ乳酸菌培養物フィルター(410)を含んで構成され得る。上記ケース(451)は、上記ハウジング(430)の両側部の前方に開口された開口に挿入・脱離されるように、その上面が開口された箱形状をなして形成され、その内部に上記複数のフィルターが空気の流入方向に対して概ね垂直方向に積層されて設置されるように形成される。また、上記ケース(451)はその内側面及び外側面に上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記ケース(451)の射出時にキムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。上記集塵フィルター(452)は吸入される空気中の埃など比較的に大きさの大きい物質をろ過するように網形状の板材からなり、上記網形状の板材は上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記集塵フィルター(452)の射出時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。上記脱臭フィルター(453)は上記吸入される空気中の臭い粒子などの比較的大きさの小さい異質物がろ過されるように形成されて、上記集塵フィルター(452)の内側に上記集塵フィルター(452)と所定間隔を離隔して並らんで設置される。上記抗菌フィルター(454)は、上記吸入される空気中の細菌を吸着又は殺菌するよう殺菌剤が塗布されたフィルターで構成され、上記脱臭フィルター(453)の内側に上記脱臭フィルター(453)と所定間隔を離隔して並んで設置される。上記キムチ乳酸菌培養物フィルター(410)は、上記吸入される空気中の細菌を殺菌及び増殖を抑制するように、キムチ乳酸菌培養物(400)が塗布されるか、受容することができるように形成され、上記抗菌フィルター(454)の内側に上記抗菌フィルター(454)と所定間隔を離隔して並んで設置されることができる。上記吸気グリルは上記ハウジング(430)の両側面に開口された吸気口を覆うように板形状で形成されて、上記吸入される空気中の埃など異質物が濾過されるように網形状で形成される。また、上記吸気グリルは、上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記吸気グリルの射出成形時に共に射出されて含まれることができる。上記吐出グリル(470)は、上記ハウジング(430)の全面に開口された吐出口の全面を覆うように形成されて、上記送風機(440)で送風されて上記吐出口から吐出される空気の進行方向を制御するように、複数の羽が回動可能に設置されてなる。また、上記吐出グリル(470)の羽板及びフレームに上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記吐出グリル(470)の射出成形時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。本実施形態では、上記浄化器(450)は上記ハウジング(430)の両側部の前面の開口を介して挿入・脱離されるように形成されているものを例に挙げてを説明したが、上記ハウジング(430)に複数のフィルターが固定されて形成され得ることも、上記ハウジング(430)の両側部に開口された吸気口を介して挿入・脱離されるように形成されることもできる。
【0039】
以下で、上記冷蔵庫用の殺菌空気清浄器の作用の一例を説明する。
【0040】
冷蔵庫(410)の空気清浄器(420)の動作により、上記空気清浄器(420)のハウジング(430)の中央に設置された送風機(440)が前方に空気を加圧する送風作用を行う。上記送風機(440)の送風作用により上記送風機(440)の両側部にある空気が上記送風機(440)の内部に吸入されるとともに、上記送風機(440)の前方に加圧されながら送風される。上記送風機(440)の両側部の空気が送風機(440)に吸入されて、上記送風機(440)の両側部の空気圧が低下され、相対的に高気圧となる上記ハウジング(430)の両側の外部空気が上記ハウジング(430)の両側面の吸気口を介して空気清浄器(420)の内部に流入する。ここで、上記ハウジング(430)の両側部で吸入口を介して吸入される空気は、上記吸入口に設置された吸気グリルのキムチ乳酸菌発効物(400)に接して殺菌されるとともに、上記吸気グリルに細菌が粘着し、増殖することが防止される。また、上記吸気口を介して吸入された空気は上記ハウジング(430)の両側部に設置された浄化器(450)のフィルターを通過しながら浄化されて上記送風機(440)に移動する。この時、上記浄化器(450)の集塵フィルター(452)で吸入された空気中の埃などがろ過されて除去され、上記脱臭フィルター(453)で臭い粒子などが除去され、抗菌フィルター(454)で通常的な細菌などが殺菌又は吸着される。また、上記フィルターらで浄化された空気がキムチ乳酸菌培養物フィルター(410)を通過するとき、空気中の細菌が殺菌される。上記浄化器(450)で浄化された空気は上記浄化器(450)の内側送風機(440)の両側部に移動し、上記送風機(440)の両側部に移動した空気は上記送風機(440)の持続的な送風作用により送風機(440)の内部に吸入され、送風機(440)の前方に送風される。上記送風機(440)の前方に送風された空気は上記送風機(440)の前方ハウジング(430)の全面に開口された吐出口に移動し、上記吐出口に設置された吐出グリル(470)の方向制御により空気清浄器(420)の外部に吐出される。この時、上記送風機(440)に吸入された空気は上記送風機(440)の羽及びフレームに含まれたキムチ乳酸菌培養物(400)に接して殺菌されながら送風され、上記羽及びフレームに細菌が粘着して増殖することが遮断される。また、上記送風機(440)から送風されるか、上記送風機(440)に流入される空気が接する流路隔壁(441)にキムチ乳酸菌培養物(400)が含まれ、上記空気中の細菌を殺菌するとともに、上記細菌が粘着して増殖することが防止される。また、上記吐出グリル(470)から吐出される空気は上記吐出グリル(470)に含まれたキムチ乳酸菌培養物(400)に接して殺菌されるとともに、上記細菌が粘着して増殖することが遮断される。したがって、空気清浄器(420)の内部に吸入された空気は吸入グリル(460)と浄化器(450)と送風機(440)と吐出グリル(470)及びハウジング(430)の内側面に接して含まれていた細菌が殺菌されることで、より浄化された空気が空気清浄器(420)の外部に吐出されるようになり、上記吸入グリル(460)と、浄化器(450)と、送風機(440)と、吐出グリル(470)、及びハウジング(430)に細菌が粘着して増殖することが遮断されて上記ハウジング(430)の内部及びその内部の構成品で増殖された細菌が上記空気の流通により空気調和機の外部に吐出されることが防止される。
【0041】
以下、キムチ乳酸菌培養物の処理及びキムチ乳酸菌培養物の露出処理を行う具体的な方法について説明する。
【0042】
キムチ乳酸菌培養液は抗菌及び抗ウイルス効能を有するものであれば、特に制限なく、どんな経路を通じて入手したものであっても使用することができる。例えば、キムチから直接抽出して使用するか、キムチ乳酸菌を分譲してもらって、培養及び抽出して使用するか、市販のキムチ乳酸菌培養液を購入して使用することができる。上記キムチ乳酸菌の培養及び抽出は、特に制限なく、当業界に公知された方法を利用することができる。
【0043】
また、上記キムチ乳酸菌培養液は、抗菌及び抗ウイルス効能を有するものであれば、特に制限なく、どんな状態のものも使用することができる。例えば、キムチ乳酸菌の培養液自体、培養液の濃縮液、培養液の建造物及びこれらの混合物からなる群から選択されるいずれか一つであり得る。上記キムチ乳酸菌培養液の濃縮及び乾燥については特に制限なく、当業界に公知されている方法を利用することができる。
【0044】
キムチ乳酸菌は、ロイコノストック(Leuconostoc)属キムチ乳酸菌、ラクトバチルス(Lactobacillus)属キムチ乳酸菌、ヴァイゼラ(Weissella)属キムチ乳酸菌、及びこれらの混合乳酸菌の中から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
ロイコノストック(Leuconostoc)属キムチ乳酸菌はロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)、ロイコノストック・ラクチス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピシーズ・デキストラニカム (Leuconostoc mesenteroides subsp.dextranicum)、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピシーズ・メセントロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、ロイコノストック・アルゼンティ二ウム(Leuconostoc argentinum)、ロイコノストック・カルノサム(Leuconostoc carnosum)、ロイコノストック・ゼリディウム(Leuconostoc gellidum)、ロイコノストック・キムチアイ(Leuconostoc kimchii)、ロイコノストック・インへ(Leuconostoc inhae)、ロイコノストック・ガシコミタタム(Leuconostoc gasicomitatum)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。より好ましくは上記ロイコノストック属キムチ乳酸菌はロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)、ロイコノストック・キムチアイ(Leuconostoc kimchii)、ロイコノストック・メセントロイデス(Leuconostoc mesenteroides)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つである。
【0045】
ラクトバチルス(Lactobacillus)属キムチ乳酸菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・キムチアイ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・クルバタス・サブスピシーズクルバタス(Lactobacillus curvatus subsp. curvatus)、ラクトバチルス・サケイ・サブスピシーズ・サケイ(Lactobacillus sakei subsp. sakei)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
【0046】
ヴァイゼラ(Weissella)属キムチ乳酸菌は、ヴァイゼラ・コリエンシ(Weissella koreensi)、ヴァイゼラ・ハニアイ(Weissella hanii)、ヴァイゼラ・キムチアイ(Weissella kimchii)、ヴァイゼラ・ソリ(Weissella soli)、ヴァイゼラ・コンフサ(Weissella confusa)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
A. キムチ乳酸菌培養物のコーティング方法
キムチ乳酸菌培養物のコーティング方法は、キムチ乳酸菌培養物を物品の表面にコーティングを行うことからなる。本発明におけるキムチ乳酸菌培養物は単独、又はバインダー及び/又はナノ金属粒子と一緒にコーティングすることができる。
物品は細菌やウイルスなどが接続・増殖する可能性のある各種の物品であり得る。例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴム、金属などが挙げられるが、このような材料は各々その材質の特性により用途別に多様に使用することができる。また物品はフィルターであり得る。フィルターとしての機能を備えているものであれば、その用途、種類、形態に特に制限がなく、具体的には空気浄化フィルター、浄水フィルター、清掃機フィルターなどを含める。フィルターの材料としてはフィルターとしての機能を備えたものであれば、その種類、形態、大きさ及びその製造方法に特に制限なく、如何なるものも使用することができる。例えば、ガラス繊維、イオン交換繊維、セルロース繊維、アスベスト繊維等のガラス繊維や各種の有機繊維、無機繊維を使用することができ、また亜鉛、銅、アルミニウム等の金属、又はプラスチックも使用することができ、このような材料は各々その材質の特性により用途別に多様に使用することができる。またフィルターの形状はハニカム型、粒子型、網型、ろ過紙型、綿型、メッシュ型、プレート型及びフォーム型等、特に制限なくフィルターが適用される装置に応じて適切に変形して使用することができる。本発明によるフィルターは同一製品内で単独で、または従来のフィルター併用して使用することができる。本発明における望ましい物品は空気浄化用フィルターであり得る。空気浄化用フィルターの場合も、空気浄化フィルターとしての機能を備えているならばその種類、形態、大きさ及びその製造方法に特に制限なく、如何なるものでも使用することができる。フィルターの形状にも特に制限なく、空気浄化フィルターが適用される装置によって適切に変形して使用することができる。本発明による空気浄化用フィルターは冷蔵庫、空気調和機、空気清浄器等いろんな家電製品で使用される、アルミニウム・メッシュ・フィルター、カーボン・フィルター、ヘッパ・フィルター、そして自動車の空気浄化装置等のフィルターなどを代用するか、又はこのような既存のフィルターと併用することができる。
【0047】
本発明でキムチ乳酸菌は、バインダーと混合して使用することができる。バインダーは、シリコン変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びシリコン樹脂などを使用することができるが、これに限定されずに、複数のバインダーを使用することができる。キムチ乳酸菌を単独で使用せず、バインダと混合して使用する場合、キムチ乳酸菌をより容易に対象物品の表面に固定することができるだけでなく、抗微生物性を付与しようとする物品の表面とキムチ乳酸菌との相互の結合力を向上させることで、キムチ乳酸菌の溶出率を低減させることにより抗微生物性能が維持されるようにする。
【0048】
本発明におけるナノ金属粒子は殺菌機能を有する金属粒子であれば、特に制限なく、どの種類も使用することができる。例えば、上記金属粒子は、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、白金(Pt)、カドミウム(Cd)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、クロム(Cr)などの粒子を含み、単独で使用するか、又は、2種以上をともに使用することができる。ナノ金属粒子はナノ化された金属粒子を示すものであり、その製造方法については、特に制限がなく、ナノの大きさに微粒化した金属粒子であれば、如何なるものも使用することができる。このようなナノ金属粒子はバクテリア、カビ等の微生物の生殖機能を抑制することによって、微生物の増殖を制限する一方、細胞内に侵入して微生物の呼吸時に必要な酵素の機能を停止させることにより、新陳代謝を妨害することで殺菌が行われるようにする。抗菌作用、環境と人体に対する安全性等の観点で、本発明におけるナノ金属粒子は、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、及び銅(Cu)ナノ金属粒子が好ましく、ナノ銀(Ag)がより好ましい。特にナノ銀を使用する場合、キムチ乳酸菌培養液の効能がより向上することができる。
【0049】
本発明における抗微生物性物品は、キムチ乳酸菌培養液が単独でコーティングされ、その表面に抗微生物性を有することができる。本発明によるもう一つの物品はキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子がともにコーティングされることによって、その物品の表面に抗微生物性を有することができる。抗菌及び抗ウイルス効果のあるキムチ乳酸菌培養液と抗菌作用をするナノ金属粒子とを共に使用することで、上昇効果が期待できる。物品の特性、製造工程上の特性、抗微生物性の必要程度等により適切にキムチ乳酸菌培養液を単独で使用するか、又はキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を共に使用することができる。本発明による物品の表面はキムチ乳酸菌培養液5〜20重量%の範囲、ナノ金属粒子100ppm〜2000ppmの範位でコーティングすることが望ましい。上記範囲が99%以上の抗菌及び抗ウイルス効果とコーティング性、混合性などを考慮して半永久的に物品の表面に抗微生物性を付与することができる水準である。ただし、これに限定されるのではなく、必要に応じてより適切に調節して使用することができる。
【0050】
キムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液、及び/又はナノ金属粒子を物品の表面にコーティングする段階は、当該技術分野における通常の方法により遂行することができるが、これに制限されず、物品の表面にまんべんなくコーティングできるものであれば、如何なる方法も使用することができる。
【0051】
キムチ乳酸菌培養液を単独でコーティングする場合、物品の表面に直接キムチ乳酸菌培養液をコーティングすることができる。キムチ乳酸菌培養液を物品の表面に固定化するためには化学的方法、物理的方法を使用して用途に応じて適切な固定化技術を使用すればよい。またキムチ乳酸菌培養液を含むコーティング溶液を製造した後、このコーティング溶液を対象物品の表面に噴射するか、又は上記コーティング溶液に対象物品を浸漬させる方式で物品の表面をコーティングすることができる。上記コーティング溶液は水、エタンオール等の溶液が使用され得るが、これに制限されるのではなく、キムチ乳酸菌培養液に適当な濃度で溶解されて、物品の表面コーティング時に所望の抗微生物性が発揮できるものであれば、その種類および製造方法に制限がない。噴射方式としては、エアースプレー等の公知の方法を使用することができるが、これに限られるのではなく、表面にまんべんなくコーティングすることができるならば、如何なる方法を使用してもよい。浸漬方式に対しても特に制限なく、公知の方法を使用することができる。コーティングされるキムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%が好ましいが、これに限定されるのではなく、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0052】
他の方便でキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を共にコーティングする場合、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を順次対象物品の表面にコーティングすることができる。上記コーティング過程は対象物品の表面にナノ金属粒子をコーティングした後、ナノ金属粒子がコーティングされた物品にキムチ乳酸菌培養液をコーティングする方法のように順次行うことができる。物品の表面にナノ粒子をコーティングする段階は当該技術分野における通常の方法により遂行することが可能であり、場合によっては物品の特性によりナノ金属粒子をコーティングするに適合した状態に変形することが必要である。また、キムチ乳酸菌培養液をナノ金属粒子がコーティングされた物品の表面にコーティングする段階も当該技術分野において一般的に使用している方法であれば、特に制限なく使用することができる。キムチ乳酸菌をナノ粒子がコーティングされた物品に固定化するためには、化学的、物理的方法を使用して用途に合わせて適切な方法を使用すればよい。この時のコーティングも噴射、浸漬等、物品の表面にまんべんなく塗布することができれば、如何なる方法も使用することができる。また順序を変えてキムチ乳酸菌培養液を先にコーティングし、キムチ乳酸菌培養液がコーティングされた物品の表面にナノ金属粒子をコーティングすることも可能である。またキムチ乳酸菌培養液をナノ金属粒子と混合してキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を含むコーティング溶液を製造した後、このように製造されたコーティング溶液を噴射又は浸漬に利用して対象物品の表面をコーティングすることができる。この場合にも、コーティング溶液の製造方法は、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子が物品の表面にコーティングされて、所望の抗微生物性を発揮できるものであれば、如何なる方法も使用することができる。コーティングされるキムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%、ナノ金属粒子の含有量は100ppm〜2000ppmの範囲が好ましく、この範囲が99%以上の抗菌及び抗ウイルス効果とコーティング性、混合性などを考慮して、半永久的に物品の表面に抗微生物性を付与する水準であるといえる。ただし、これに限られるものではなく、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0053】
さらに、本発明によりキムチ乳酸菌培養液を利用して物品の表面をコーティングする場合、コーティング段階の以前に、キムチ乳酸菌培養液をバインダーと混合した後、これをコーティングに使用することができる。物品の表面とキムチ乳酸菌培養液の相互結合力を向上させて、キムチ乳酸菌培養液の溶出率を低減することにより、抗微生物の性能がよく維持されるようにするという点で、キムチ乳酸菌培養液、単独よりはキムチ乳酸菌培養液とバインダーとを混合して使用することが好ましい。キムチ乳酸菌培養液とバインダーの混合方法は、キムチ乳酸菌培養液が物品の表面にコーティングできるようにバインダーと混合することができれば、特に制限がない。また、キムチ乳酸菌培養液とバインダーの含量比率に対しても特に制限がなく、必要により適切に調節して使用することができる。場合によっては、無機顔料も添加することができる。
【0054】
本発明の一実施形態ではキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を含有するコーティング溶液を製造した後、これをアルミニウムメッシュフィルターに噴射コーティングして、抗微生物性を有する物品であるフィルターを製造した。このように製造した本発明による抗微生物性を有するフィルターの抗菌活性を調査するために、本発明の一実験態様では、大腸菌、黄色葡萄状球菌、緑膿菌に対する抗菌活性を調べた。その結果、本発明による抗微生物性を有する物品が大腸菌、黄色葡萄状球菌、緑膿菌に対して優れた抗菌活性を有することが確認された。また、本発明の一実験態様では、本発明により製造された物品の抗ウイルス能に対する効能を調べるために、鳥インフルエンザウイルスであるH5N1に対する抗ウイルス能を調べたが、その結果、本発明により製造されたフィルターのウイルス減少率が非常に高いことが確認された。
【0055】
一方、本発明の製造方法では、キムチ乳酸菌培養液を利用して対象物品の表面をコーティングする前に対象物品を適当な洗浄水で洗浄する段階と、洗浄後、熱処理等で乾燥させる段階とを追加することができる。また本発明によりキムチ乳酸菌培養液を利用して対象物品の表面をコーティングした後、自然乾燥、熱処理等で乾燥させる段階を追加することができる。熱処理は、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子が物品の表面に固着されることに役に立つ。必要に応じて物品を乾燥する場合、その乾燥時間及び乾燥温度は対象物品の形態、種類、大きさ等に応じて調節可能である。場合によっては、対象物品の材料が金属成分である場合には、その製造過程や保管中に物品の表面に付着したオイル成分を除去することが好ましい。
【0056】
本発明により製造された物品は、必要に応じて、所望の形状で後加工処理して適切に使用することもできる。特に、本発明により製造された空気浄化用フィルターは、所望の大きさに切って、空気浄化装置のフィルターとして使用することができる。空気浄化用フィルターは同一の製品内で単独、また従来の空気浄化フィルター、脱臭フィルターなどと並行して使用することができる。このように空気浄化用フィルターは空気浄化フィルターを必要とする家庭用及び業務用の色々な空気浄化装置、冷蔵庫、自動車、その他家電製品等に広く使用することができる。
B. キムチ乳酸菌培養物の成形方法
キムチ乳酸菌培養物の成形は、キムチ乳酸菌培養物単独又はナノ金属粒子とともに成形物品を製造することにより行われる。
【0057】
本発明による物品はキムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料とともに配合して成形することで製造され得る。本願で使われる原材料とは、本発明による物品、好ましくは生活家電製品の全部又はその構成部材の形状をなすものであれば、特に制限がない。例えば、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、ゴム、金属などが挙げられるが、このような材料は、各々その材質の特性により用途別に多用に使用することができる。具体的には、本発明で使われる原材料は、シリコン(Silicone)、ポリウレタン(Polyurethane)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロフィレン(Polypropylene:PP)、ポリ塩化ビニール(Polyvinylchloride:PVC)、ラテックス(Latex)、に非エス(Acrylonitrile Butadiene Styrene:ABS)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene:PTFE)、ポリカーボネート(Polycarbonate:PC)、ポリビニールアルコール(Polyvinylalcohol:PVA)などの高分子物質を含み、単独で使用するか、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0058】
本発明による成形物品では、キムチ乳酸菌培養液を単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子がその物品の内部で均一に分布せずに、異なる含量で分布することもあり得る。このために、成形段階において当業界に公知された適当な操作をさらに加えることによって、キムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を含有する部分と、キムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子をより低い含有量で含有するか、又は全く含有したい部分を区分し、本発明による成形物品を製造することができる。一般的に細菌やウイルスなどが接続・増殖する可能性が高く、抗微生物性効能を必要とする物品の部分は空気、水のように、細菌、ウイルスなどが伝播される媒質と接触する部分であり、実質的に抗微生物性の効能がより一層要求される物品の部分にキムチ乳酸菌培養液を集中分布することで同じ量のキムチ乳酸菌培養液を使用しながらも実質的な抗微生物性効果を高めることができる。例えば、キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合して一つの層を圧出又は射出成形し、これより低い含有量でキムチ乳酸菌培養液又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料きて配合して一つの層を圧出又は射出成形した後、成形された上記層同士を接合する段階を含んで抗微生物性成形物品を製造することができる。また、キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合して一つの層を圧出又は射出成形し、キムチ乳酸菌培養液やナノ金属粒子を添加せずに原材料だけで一つの層を圧出又は射出成形した後、成形された上記層同士を接合する段階を含み、抗微生物性成形物品を製造することができる。また、層と層を相互接合させずに、単一層内でキムチ乳酸菌培養液の含有量が異なるように分布させるために、キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合し(原材料1)、これより低い含量のキムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合した後(原材料2)、圧出又は射出成形時に適当な操作を加えて、原材料1と原材料2を区分して注入する段階を含んで、抗微生物性成形物品を製造することができる。一般的に細菌やウイルスなどが接続・増殖する可能性が高く、抗微生物作用を必要とする物品の部分は空気と水など細菌、ウイルスなどが伝播される媒質と接触する部分であり、成形時に原材料とキムチ乳酸菌培養液を均一に配合して成形物品全体にキムチ乳酸菌培養液が分布されるようにするのではなく、キムチ乳酸菌培養液の含有量を異なるようにして、分離成形することによって、実質的に抗微生物作用を必要とする物品の部分にキムチ乳酸菌の培養液が集中分布されるようにして、同じ量のキムチ乳酸菌培養液を使用しながらも実質的な抗微生物効果を高めることができる。
【0059】
キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合して成形する段階は当該技術分野における通常の方法により遂行することができ、さらに、これに限られるものではなく、物品の形状を成形することができるものであれば、如何なる方法を使用することもできる。例えば、成形方法は圧出成形、射出成形などを含ぶが、これに制限されない。物品の成形段階でキムチ乳酸菌培養液を原材料と配合することで、製造時間を低減し、製造工程を単純化させるという長所がある。
【0060】
キムチ乳酸菌培養液を単独で原材料と配合する場合、キムチ乳酸菌培養液と原材料の配合方法は、物品の形状を成形できるものであれば、特に制限がない。また、キムチ乳酸菌培養液と原材料の配合比率は特に制限がなく、必要に応じて適切に調節することができる。キムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%が好ましいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0061】
他の方便でキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を共に原材料と配合する場合も、その配合方法は物品の形状を成形できる配合であれば、特に制限がなく、配合比率も特に制限なく、必要に応じて適切に調節することができる。ここで、キムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%、ナノ金属粒子の含有量は100ppm〜2000ppmの範囲が抗微生物性能、配合性及び成形性の観点で望ましいか、これに限られずに、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0062】
さらに、原材料との配合段階の前にキムチ乳酸菌培養液をカプセル化した後、これを原材料と配合して使用することができる。キムチ乳酸菌培養液をカプセル化することによって、物品の成形時の温度によるキムチ乳酸菌培養液の変性の可能性を遮断することができ、より高い温度で成形することができる。カプセルは、芯(core)物質と壁(wall)物質から構成されるが、芯物質は抗菌剤、消臭剤、芳香剤などの目的物質を使用して、壁物質は合成又は天然高分子を使用して薄い膜を形成してマイクロ又はナノの大きさの粒子を有するようにする。本発明における壁物質としては、特に制限がなくキムチ乳酸菌培養液を含有するものであれば、如何なるものも使用することができるが、例えば、メラミン、ポリウレタン、ゼラチン、アクリル、エポキシ、澱粉、アルジネート、キット酸又はその混合物などを使用することができる。カプセル化方法は、当該技術分野における通常の方法により遂行することができ、特に制限がない。カプセル化段階を経たキムチ乳酸菌培養液を使用すると、物品の成形時に、高い成形温度でキムチ乳酸菌培養液が変性され得る可能性を遮断することができ、さらに成形後、適切な時期にカプセルの壁物質が溶けるか、破れるように構成し、キムチ乳酸菌培養液が物品の全般に広がるようにし、本発明による抗微生物性の効果をより一層向上させて維持することができる。キムチ乳酸菌培養液のカプセル化方法は、当該技術分野における通常の方法により遂行され得るもので、特に制限がない。成形温度は特に制限がなく、物品の原材料の特性などを考慮して必要に応じて調節する必要があり、キムチ乳酸菌培養液の変性などを考慮して100℃〜180℃の範囲が適当である。キムチ乳酸菌培養液をカプセル化した場合にも温度に対する変性可能性が低いので、カプセル化していないキムチ乳酸菌培養液の場合より高い温度条件、例えば、100℃〜250℃の温度範囲で成形することができる。
【0063】
一方、本発明の製造方法は、キムチ乳酸菌培養液を原材料と配合して物品を成形した後、乾燥させる段階、事後硬化段階などの追加加工段階を含むことができる。物品を乾燥させる場合、その乾燥時間及び乾燥温度は対象物品の形態、種類、大きさなどによって調節することができる。本発明により製造された成形物品は、必要に応じて所望の形状に後加工処理して適切に使用することができる。
【0064】
以下では、実施例に基づいて説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するものであるだけで、本発明の内容が下記実施例に限られるものではない。
実施例1
エアフィール社製のアルミニウムメッシュを2.5%NaOHに約3分間浸漬し、オイル成分を除去した。次いで、オイル成分を除去したアルミニウムメッシュを2.5%NaOHで洗浄した。上記洗浄過程を7回繰り返した。このように得られた洗浄されたアルミニウムメッシュを40℃に温度が調節された乾燥オーブンで2時間熱処理して乾燥させた。
実施例2
ロイコノストック属キムチ乳酸菌のうち、ロイコノストック・シーツレウム(Leuconostoc citreum)の培養液NO乾燥粉末10gをシリコン変性アクリル樹脂バインダー15g、ナノ亜鉛3g、ナノ銀1g及びナノ銅0.5gと混合して水溶媒に溶解させてキムチ乳酸菌培養液を含むコーティング溶液を製造した。製造されたコーティング溶液を上記実施例1で製造されたアルミニウムメッシュにエアースプレー法で噴射してその表面をコーティングした後、乾燥させた。その結果、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子が表面にコーティングされたアルミニウムメッシュフィルター試片が得られた。
実験例1:抗菌性試験
上記実施例2で製造されたキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされたアルミニウムメッシュの抗菌性を試験するために、抗菌性能試験方法で震盪フラスク法(Shake flask method)(KSM0146-2003)によって大腸菌(Escherichia coli; ATCC25922)、黄色葡萄状球菌(Staphylococcus aureus; ATCC6538)、及び緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa; ATCC27853)に対して抗菌性試験を行った。
【0065】
大腸菌、黄色葡萄状球菌、及び緑膿菌をそれぞれ1.0mlずつ上記実施例2で製造された本発明によるアルミニウムメッシュフィルター試片(1.0cm×1.0cmに塗布した。各菌株が塗布されたアルミニウムメッシュフィルター試片らをLB液体培地が入っている三角フラスクに入れて、35±1℃、120rpmで3時間震盪培養した。対照群として各菌株1.0mlずつ、LG液体培地が入っている三角フラスクに接種して同一条件で震盪培養した。培養液を取り出してプレートに塗抹して37℃で48時間培養した後、菌の数を測定した。その結果は下記表1、2及び3に表した。
【0066】
【表1】
*cfu/ml:ml当りコロニー形成単位数
【0067】
【表2】
*cfu/ml:ml当りコロニー形成単位数
【0068】
【表3】
*cfu/ml:ml当りコロニー形成単位数
【0069】
上記表1〜表3から、本発明によるキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされたアルミニウムメッシュフィルターは対照群と比較して大腸菌、黄色葡萄状球菌、緑膿菌などの微生物に対する抗菌効果が顕著に向上することが確認できる。
【0070】
実験例2:抗ウイルス性試験
キムチ乳酸菌培養液を含むコーティング溶液を製造してこれをアルミニウム・メッシュ・フィルター、カーボン・フィルター、ヘッパ・フィルターのそれぞれの表面に噴射してキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされた3種類のフィルター試片を得た後これら各フィルターの抗ウイルス性試験を行った。
【0071】
本発明のキムチ乳酸菌培養液に対する抗ウイルス効果を測定する対象ウイルスとして鳥インフルエンザウイルス(avian influenz avirus)であるH5N1分離株を使用した。ウイルスの宿主細胞としては犬の腎臓由来の細胞であるMDCK(mardin-Darby Canine Kidney)細胞株を使用した。
【0072】
まず、MDCK細胞(5x104cells/ml)を96-ウェルプレートの各ウェルに100ulずつ入れ、24時間37℃、5%CO2培養器で培養して細胞らが断層(monolayer)で各ウェルの底面を完全に覆うようにして用意した。PBSで希釈したウイルス液(1/10v/v)をキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされた3種類の試片(アルミニウム・フィルター試片、カーボン・フィルター試片、ヘッパ・フィルター試片)が入っている各ウェルに入れて37℃で培養した。比較のために、キムチ乳酸菌が表面にコーティングされていない同一の3種類の試片に対しても同様に培養した。ここで、ウイルス液を入れる前に各試片の重量を記録した。vCPE(viral cytopathic effect)に対する陽性対照群と陰性対照群にウイルス液を接種した細胞培養液とウイルス液を接種していない細胞培養液をそれぞれ用意した。
【0073】
抗ウイルス効果を測定するために、上記培養液のうちキムチ乳酸菌培養液がコーティングされたアルミニウムフィルター試片、キムチ乳酸菌培養液がコーティングされていないアルミニウムフィルター試片、及び陽性対照群に対した培養液を10倍数希釈法で希釈して上記用意された96-ウェルプレートに各々4レーンずつ7レーンを接種して最終8番目のレーンには陰性対照群培養液を接種した。接種後、プレートを5%CO2を含む37℃培養器で3日間培養した後、プレートのvCPEを観察してこのを基にウイルス力価をTCID50(50% tissue culture infective dose)で決定した。抗ウイルス効果は、ウイルス減少率(%)で表し、ここでウイルス減少率はキムチ乳酸菌培養液がコーティングされた試片の重量からキムチ乳酸菌培養液がコーティングされていない試片の重量を引いた値を利用して換算した-logTCID50/mlを百分率で示した値である。その結果は下記表4、5、及び6に表した。
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
上記表4〜表6から、本発明によるキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされたアルミニウム・メッシュ・フィルター、カーボン・フィルター、及びペッパ・フィルターのウイルス減少率は99%以上で、抗ウイルス効果に優れていることを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による冷蔵庫の一実施形態を示す図面である。
【図2】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図3】図2の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図面である。
【図4】本発明による変温室を備えた冷蔵庫の一実施形態を示す図面である。
【図5】本発明による変温室を備えた冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図6】本発明により変温室の温度を調節する方法の一実施形態を説明する図面である。
【図7】本発明による変温室の一例を示す図面である。
【図8】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図9】図8の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図面である。
【図10】本発明によるディスペンサーの一例を概略的に示す図面である。
【図11】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図12】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図13】本発明による蔵庫用の空気清浄器の一例を示す図面である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に係るもので、より詳しくは、キムチ乳酸菌培養物処理(キムチ乳酸菌培養物のコーティングなど)及び/又はキムチ乳酸菌培養物の露出処理(キムチ乳酸菌培養物が含有されたフィルターの設置など)がなされた冷蔵庫に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生と清潔さに対する関心が高まっており、これに重点をおいた製品が大きく普及されつつある。これは電子製品分野も例外ではなく、具体的に衛生、清潔さが要求される生活家電製品としては、冷蔵庫、洗濯機、乾燥器、空気調和機、空気清浄機、扇風機、掃除機、電気ポート、電気炊飯器、食器洗浄機、食器乾燥機、電子レンジ、ミキサー、VTR、テレビ、ホームシアターなどがある。
【0003】
上記のような様々な製品の表面、又は上記製品を構成する各種部品の表面に寄生する細菌やカビなどはアトピー皮膚炎、呼吸器疾患など多様な疾病を誘発し、製品の美観の損傷、悪臭の発生及び外観の変色などを引き起こす。したがって、各種細菌類及びカビ類の接触及び増殖を防止してヒトの疾病を未然に予防し、かつ美観を損なわない抗微生物性を有する物品を製造する必要がある。
【0004】
一般に、抗菌性物品を製造するために使われている大部分の抗菌剤は、化学合成により製造されたもので、生産コストが高く、副作用を誘発する等の多くの限界を有している。したがって、最近には抗菌性に優れて、人体に対する副作用がなく、安全な天然抗菌物質に対する研究が活発に行われている。
【0005】
キムチ乳酸菌はキムチの発酵と熟成過程で生じる天然由来のもので、長い期間の間に、人間が摂取してきており、その安全性が確保されており、容易かつ経済的に手に入れることができ、さらに抗菌力が高く、広範囲な抗菌スペクトラムを有する天然抗菌性物質として知られている。さらに、最近キムチ乳酸菌培養液が鳥インフルエンザ及び鳥インフルエンザウイルスと類似のメカニズムを有するウイルスの活性を抑制するという研究結果が報告されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで本発明者らはキムチ乳酸菌培養液の抗菌及び抗ウイルス効果に着目して、これを応用して物品の表面に抗微生物性を付与することによって本発明を完成した。
【0007】
本発明は、抗菌及び抗ウイルス効果のあるキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、蒸発器と熱交換が行われる領域にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、冷蔵庫の内部及び/又はドアにキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、変温室にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、蒸発器とディスペンサー及び/又は製氷機にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、冷蔵庫用の空気清浄器にキムチ乳酸菌培養液処理及び/又はキムチ乳酸菌培養液露出処理がなされた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、蒸発器を備える冷凍サイクル;蒸発器と熱を交換する空間;蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域;及び、前記空間を限定する貯蔵室及びドア;を含み、前記領域、貯蔵室、ドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われていることを特徴とする冷蔵庫を提供する。例えば、前記領域は直冷式の場合に蒸発器と蒸発器の位置に対応する貯蔵室、及びこれらの間の空間を意味し、間冷式の場合はファン、蒸発器、冷気ダクトなどを含む冷気の流路に関連した部分を意味する。
【0011】
さらに、本発明は、キムチ乳酸菌培養物処理が、キムチ乳酸菌培養物のコーティング及びキムチ乳酸菌培養物を含む物質の成形のいずれか一つにより行われることを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、キムチ乳酸菌培養物露出処理がフィルターの設置及びキムチ乳酸菌培養物の供給のいずれか一つにより行われることを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、前記領域がキムチ乳酸菌培養物処理がなされており、前記領域のキムチ乳酸菌培養物処理が蒸発器に施されることを特徴とする冷蔵庫を提供する。例えば、この処理を蒸発器の表面又は蒸発器フィン等に行なうことができる。また、このような処理が蒸発器の表面に凝結した凝縮水を除去するドレイン配管側に行なうことができる。
【0014】
さらに、本発明は、前記領域に繋がっており、熱交換に使用される流路;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0015】
さらに、本発明は、流路上に位置するフィルター;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。このような構成により、流路が備えられた従来の冷蔵庫にも本発明によるキムチ乳酸菌培養物の露出処理を行うことができる。
【0016】
さらに、本発明は、貯蔵室がインナーケースで区画され、旋盤、バスケット、食品収納容器、そして引出しのいずれか一つを含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。特に、食品収納容器、引出しなどには湿気又は水が存在することができ、汚染の可能性が高い。このような空間にキムチ乳酸菌培養物処理及び/又はキムチ乳酸菌培養物の露出処理をすることにより、抗菌性を付与することができる。このような処理は、このような空間にキムチ乳酸菌培養物を供給することを含む。
【0017】
さらに、本発明は、ドアがドアの取っ手を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。ドアの取っ手にキムチ乳酸菌培養物処理を行なうことによって、間接的に冷蔵庫又は冷蔵庫使用者に抗菌性を付与することができる。
【0018】
さらに、本発明は、蒸発器を備える冷凍サイクル;蒸発器と熱交換により低温になった冷気を収容する空間;及び、前記空間の冷気と熱を交換する水と接触し、キムチ乳酸菌培養物処理、及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われている少なくとも一つの部材;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。特に、この少なくとも一つの部材は冷水を供給するディスペンサーを構成する一つの部材であり得る。また、この少なくとも一つの部材は氷を作ったり、作られた氷をドアを介して排出する製氷機を構成する一つの部材又はその以上の部材であり得る。
【0019】
さらに、本発明は、蒸発器を備える冷凍サイクル;蒸発器と熱を交換する空間;蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域;及び、前記空間の一側に位置し、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われている空気清浄器;を含むことを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明による冷蔵庫によると、広い抗菌スペクトラムを有するキムチ乳酸菌培養液を利用することによって抗微生物効果を必要とする各種物品の表面において抗微生物性が十分発揮するという利点がある。
【0021】
さらに、本発明による冷蔵庫によると、キムチ乳酸菌培養液の優れた抗ウイルス活性により 鳥インフルエンザ、及び鳥インフルエンザウイルスと類似のメカニズムを有するウイルスに対する抗ウイルス効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明による冷蔵庫の一実施形態を示す図であり、上・下側に冷凍室(F)及び冷蔵室(R)が形成された冷蔵庫本体(2a、2b)の前面にそれぞれ冷凍室ドア(4a)及び冷蔵室ドア(4b)が開閉可能に設置され、上記冷凍室(F)の内壁に形成された空間上に蒸発器(10)が設置されると同時に、これと連結された冷凍サイクルが上記冷蔵庫本体(2a、2b)の一側に設置され、上記蒸発器(10)の上側には冷気を冷凍室(F)及び冷蔵室(R)に送風させるように送風ファン(12)及びモーター(14)が設置される。ここで、上記冷蔵庫本体(2a、2b)はアウターケース(2a)とインナーケース(2b)間に断熱材(図示せず)が含まれるように構成され、上記冷蔵庫本体(2a、2b)の下部に形成された機械室には、上記蒸発器(10)と冷媒配管とによりお互い連結した圧縮機(6)、凝縮機(8)、毛細管(図示せず)が内蔵されるように設置され、上記冷凍室のインナーケース(2b)の内側に上記蒸発器(10)が内蔵され、上記凝縮機(8)下側には上記蒸発器(10)の表面に凝縮された凝縮水を案内するドレーン配管(図示せず)及び凝縮水が集められるドレーンファン(図示せず)が設置される。さらに、上記蒸発器(10)で熱交換された冷気が上記冷凍室(F)のみならず、冷蔵室(R)にも循環され得るように上記冷蔵室のインナーケース(2b)の内側に冷気循環流路(31、32)が形成され、上記冷蔵室のインナーケース(2b)には複数個の冷気分配ホール(2h)が形成される。また、上記冷気循環流路(31、32)上にフィルター(33)が設置され得る。一方、上記蒸発器(10)の一側には温度センサー(図示せず)及び除霜ヒーター(20)が設置され、上記蒸発器(10)を通過する空気中に水分が上記蒸発器(10)の表面に霜が発生した場合も、上記温度センサーにより霜の発生を感知し、上記除霜ヒーター(20)を作動させて除霜運転が行われるようにする。もちろん、上記圧縮機(6)及びモーター(14)などのような構成部品は制御部(図示せず)と接続されて調節される。したがって、上記制御部が上記圧縮機(6)及びモーター(14)を作動させると、上記圧縮機(6)が作動されることに冷媒が上記凝縮機(6)、凝縮機(8)、毛細管、蒸発器(10)を循環しながら上記蒸発器(10)周辺の空気との熱交換作用により冷気が生成されると同時に、上記送風ファン(12)が回転することによって冷気が上記冷凍室(F)及び冷蔵室(R)側に送風され、冷凍及び冷蔵運転が行われるようにする。
【0023】
以上の冷蔵庫は冷凍室が冷蔵室の上に設置された、いわゆるトップマウント型冷蔵庫を一例に挙げたが、冷凍室と冷蔵室が両側に並んで形成された、いわゆる両門型冷蔵庫では、上述した冷気循環流路(31、32)と同等な冷気循環流路が形成される。さらに、キムチ冷蔵庫では、蒸発器がキムチ冷蔵庫の内部の空気と直接熱交換をするのではないが、本発明の原理がそのまま適用され得ることは言うまでもない。
【0024】
本発明(図1に示す発明)の第1の態様は、上記蒸発器(10)にキムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つを行うものである。例えば、上記蒸発器(10;例えば:蒸発器表面又は蒸発器フィンの表面)をキムチ乳酸菌培養物でコーティングして抗菌性を付与するものである(具体的なコーティング方法は後述する)。このように蒸発器にキムチ乳酸菌培養物をコーティングすることによって、冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて冷蔵庫の内部を循環する冷気の湿気により蒸発器(10)に蓄積される霜に潜在する細菌を殺すことができ、除霜ヒーター(20)の作動により蒸発器(10)の温度が上がってもこのような細菌らが蒸発器領域でもはや繁殖できなくなり、消滅する。したがって、蒸発器(10)に蒸発熱を奪われながら熱交換をして、冷凍室、又は冷蔵室に導入される冷気に含まれている細菌の数を低減することができる。また、蒸発器(10)の表面に凝結された凝縮水を案内するドレーン配管及び凝縮水が集められるドレーンファンにも蒸発器と同様に、キムチ乳酸菌培養物をコーティングすることによって抗菌性を付与することができる。また、このようなドレーン配管とドレーンファンを射出成形などにより製作する場合には、後述する成形方法によりキムチ乳酸菌培養物を成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形することができる。
【0025】
本発明(図1に示す発明)の第2の態様は、上記冷気循環流路(31、32)にキムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つを行うものである。例えば、冷気循環流路(31、32)上で、冷気の強制循環を助ける送風ファン(12)の表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、上記送風ファン(12)自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法及び成形方法は後述する)。このように送風ファン(12)の表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、送風ファン(12)自体をキムチ乳酸菌培養物に成形するか、これをカプセル化して成形することによって冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて冷蔵部の内部を循環する冷気に含まれた細菌は上記送風ファン(12)と接触して消滅する。また、上記冷気循環流路(31、32)上に設置される抗菌及び脱臭フィルター(33)のフィルター材にキムチ乳酸菌培養物を含有させるものである(具体的なフィルターの製造方法については後述する)。このようなフィルター(33)により冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて冷蔵庫の内部を循環する冷気に含まれた細菌は上記フィルター(33)を通過しながら消滅するか、フィルタリングされるので(他のフィルター部材によりフィルタリングされた後、キムチ乳酸菌培養物と接触して消滅することもある)、冷凍室、又は冷蔵室に導入される冷気に含まれる細菌の数を低減することができる。さらに、細菌がもはや繁殖しなくなるので脱臭性能にも優れたものになる。また、このフィルター(33)を送風ファン(12)の直前または直後に設置する場合、送風ファン(12)により強制対流される冷気内に混入される細菌に対する抗菌作用及び脱臭作用をより向上させるという効果が得られる。また冷気循環流路(31、32)を構成するダクトの内表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記ダクト自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このようにダクト表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、ダクト自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これををカプセル化して成形することによって冷蔵庫の内部に貯蔵される食品や外気と一緒に冷蔵庫の内部に混入されて、冷蔵庫の内部を循環する冷気に含まれた細菌は、上記冷気循環流路を構成するダクトと接触して消滅するので冷凍室、又は冷蔵室に導入される冷気に含まれる細菌の数を低減することができる。
【0026】
図2は、本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図であり、冷蔵庫(110)はいわゆる両門型冷蔵庫と呼ばれるもので、冷凍室ドア(120)と冷蔵室ドア(130)が両立するように設置し、冷凍室ドア(120)には冷水又は製氷機から氷を取り出すディスペンサー部(122)が設置され、冷蔵室ドア(130)には冷蔵室ドア(130)を開放しないまま、冷蔵庫(110)の内部に貯蔵されている飲料などを容易に引き出すことができるようにする、いわゆるホームバードア(132)が設置される。これらドア(120、130)はドアの取っ手(101)を利用して開閉することができる。
【0027】
図3は図2の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図で、冷凍室ドア(120)と冷蔵室ドア(130)が開放されると、冷蔵庫(110)の内部の空間は冷凍室(112)空間と、冷蔵室(114)空間が隔壁(116)により区画される。そして、冷凍室(112)及び冷蔵室(114)の空間内には複数個の旋盤(160)が設置されて、各空間内に飲食物などを効果的に収納できるようにする。さらに、冷凍室(112)及び冷蔵室(114)空間の外枠をインナーケースと呼ぶ。また、冷凍室ドア(120)の内側には複数個の冷凍室バスケット(124)が設置され、冷蔵室ドア(130)の内側にも複数個の冷蔵室バスケット(134)が設置され、これらも各バスケット(124、134)内に食物などを収納する空間を提供する。さらに、冷凍室(112)の下部には冷凍室(112)空間の温度範囲とは異なる温度範囲で貯蔵する必要性のある飲食物などを収容するための別途の冷凍室用引出し(150)が設けられ、冷蔵室(114)の下部にも冷蔵室(114)空間の温度範囲とは異なる温度範囲で貯蔵する必要性のある飲食物などを収容するための別途の冷蔵室用の引出し(140)が設置される。これらの引出し(140、150)が引き出される空間の外枠には必要に応じて熱線(図示せず)が形成されるか、冷蔵室又は冷凍室から直接冷気が供給されるダクト手段が提供されることもできる。また、上記引出し(140、150)のうちいずれか一つ以上には果物貯蔵用引出しとしてに使われるビタミンキットのようなキムチ乳酸菌培養物キット(141)が設置され得る。この場合、後述するように、キムチ乳酸菌培養物キットに起因する抗菌作用が引出し内部で得られる。さらに、上記旋盤(160)の上には食品が収容されて、冷蔵庫の内部で保管されるようにする食品収納容器(170)が提供されている。一例としては、代表的な食品収納容器(170)としてはキムチ筒にはキムチが収容されて冷蔵庫の旋盤(160)上に置かれて冷蔵状態で冷蔵庫の内部で保管することができる。以上の本発明の一実施形態、いわゆる両門型冷蔵庫を対象としているが、本発明の概念がいわゆるトップマウント型冷蔵庫又はフレンチドア型冷蔵庫等に同様に適用され得ることはもちろん、キムチ冷蔵庫にも同様に適用されることができる。キムチ冷蔵庫の場合には上記のような旋盤やバスケット構造物はないが、詳述したインナーケースと食品収納容器は同じように必要となる。
【0028】
本発明(図2に示す発明)の最も大きな特徴のうち一つは上記インナーケース(旋盤、バスケットを含む)、上記食品収納容器、上記引出しの表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記インナーケース、上記食品収納容器、上記引出し自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、それら自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって冷蔵庫の内部に貯蔵される食品に起因するか、外気に起因する細菌らはこれら部材と接触して消滅する。したがって、冷蔵庫の内部に残存する細菌の数を低減することができる。
【0029】
本発明(図2に示す発明)の最も大きなもう一つの特徴は、上記ドアの内壁、外壁又はドアの取っ手の表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記ドア内壁又はドアの取っ手それ自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、それら自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによってドア取っ手に菌類が棲息することを防止できる。
【0030】
図4は本発明による変温室を備えた冷蔵庫の一実施形態を示す図であり、冷蔵庫は冷蔵室(260)と冷凍室(250)から構成され、図示していないが、冷凍室(250)の後面には冷却サイクルが構成されて冷媒を圧縮、凝縮して熱交換作業を遂行し冷気を庫内に供給する構成が含まれる。冷蔵室(260)の下段には変温室(240)が位置し、変温室(240)に供給される冷気は、冷凍室(250)と連結されているダンパー(220)の開閉制御によって調節される。そして、変温室(250)の制御は変温室(250)に備えられた変温室温度感知センサー(210)をより感知された値に基づいて行う。すなわち、変温室(240)内に装着された変温室温度感知センサー(210)により検出された値がマイクロコントローラ(図示せず)に伝えられると、マイクロコントローラは検出された値による変温室の庫内温度を判断する。上記マイクロコントローラの判断により、変温室の庫内温度が適正温度であると判断されると、マイクロコントローラは冷凍室(250)から変温室(240)に冷気が流入されないように変温室ダンパー(220)を「閉」制御する。その結果、冷凍室(250)から変温室(240)に流入されていた冷気の流れが完全に遮断される。一方、上記マイクロコントローラの判断によって、変温室庫内温度が適正温度でないと判断されると、マイクロコントローラは、冷凍室(250)から変温室(240)に冷気が流入されるように、変温室ダンパー(220)を「開」制御する。その結果、冷凍室(250)から変温室(240)に冷気が流入されて変温室の庫内温度が低くなる。
【0031】
図5は本発明による変温室を備えた冷蔵庫の他の一実施形態を示す図であり、冷蔵庫は冷凍室(285)と冷蔵室(290)、そして冷蔵室の下段に備えられる変温室(280)とからなる。各庫内の一般的な温度状態は冷凍室(285)が最も低く、その次に低いのは変温室(280)であり、冷蔵室(285)の温度が相対的に最も高い。一方、変温室が解凍機能を遂行すると、変温室の温度は冷蔵室の温度より相対的に高くなる。上記各庫内の温度制御は、各室に備えられる温度感知センサーの検出温度に基づいて行われる。冷蔵室の下段には変温室(280)が位置し、変温室(280)に供給される冷気は冷凍室(285)と変温室(280)の間に連結されている変温室ダンパー(260)の開閉制御により調節される。それと同時に、ダンパー(260)が「開」動作を遂行する場合、冷凍室のファンモーター(250が駆動して冷気が 円滑に流入されるようにする。この時、変温室(280)の庫内の状態は、変温室(280)に備えられた変温室温度感知センサー(220)により感知される。一方、変温室(280)には変温室の庫内温度を短時間に上昇させるためにヒーター熱を発生させる変温室ヒーター(240)が変温室の下段に装着される。
【0032】
図6は本発明により変温室の温度を調節する方法の一実施形態を説明する図であり、冷蔵庫に電源を印加する電源供給部(270)と、冷蔵庫の動作信号(温度、運転状態等)を入力する信号入力部(200)と、入力された動作信号を表示するディスプレー部(210)と、変温室内に装着されてヒーター熱を発生させる変温室ヒーター(240)と、変温室内に装着されて庫内温度を感知する変温室温度感知センサー(220)と、変温室と冷凍室の間に装着されて変温室に流入される冷気の流れを制御する変温室ダンパー(260)と、変温室内に冷気が円滑に流入されるように送風する変温室ファンモーター(250)と、冷蔵庫の庫内温度を適正に維持し、ユーザのセッティングによって変温室の庫内温度が調節されるように制御するマイクロコントローラ(230)が図示されている。信号入力部(200)は冷蔵庫の一般運転だけでなく、変温室の解凍及び急速冷蔵機能を選択するファンクションキーなどを含む。ディスプレー部(210)には冷蔵庫の状態を一目で把握できるように複数個のランプが備えられている。例えば、急速冷凍機能を遂行中であるか、除霜運転を遂行中であるか否かなどを該当ランプの点灯によって、直ちに確認することができる。変温室温度感知センサー(220)は、変温室の一側に装着される。また、感知された変温室の庫内温度値をマイクロコントローラ(230)に伝達する。変温室ヒーター(240)は、解凍機能中に駆動するか、変温室の温度感知センサー(220)により検出された温度値に基づいて駆動する。解凍が開始されると、所定時間の間所定温度に到達するように、ヒーターの状態がオン(ON)になり、所定時間が経過して所定温度に到達すると、変温室ヒーター(240)の状態はオフ(OFF)になる。ここで、解凍のための変温室ヒーター(240)の駆動時間及び駆動温度は、実験により検出された実験値に基づいて決められる。一方、マイクロコントローラ(230)は、変温室温度感知センサー(220)が伝達した温度値を認知し、現在の変温室の庫内温度を把握する。そして判断の結果、変温室(280)の庫内温度が適正温度を維持していると判断されると、冷凍室から変温室に流入される冷気の流れが遮断されるように変温室ダンパー(260)及び変温室ファンモーター(250)の駆動を停止させる。しかしマイクロコントローラ(230)は変温室の庫内温度が適正温度を維持していないと判断すると、冷凍室(285)から変温室(280)に冷気が流入されるように変温室ダンパー(260)を「開」動作させるとともに、変温室ファンモーター(250)が駆動するように制御する。その結果、冷気が変温室(280)に素速く流入され、庫内温度を落とす。このように変温室(280)に保管食品を保存するにあたって、庫内の温度が低い状態を維持するように制御する。そしてマイクロコントローラ(230)は変温室(280)に保管中の食品を解凍させようとする場合、変温室(280)に装着されている変温室ヒーター(240)の駆動を制御する。その結果、変温室(280)にヒーター熱が供給されて、変温室(280)の庫内温度が上昇し、保管食品の解凍される。このように、本発明は、信号入力部(200)により変温室の用途又は変温室の保管温度を予めセッティングし、セッティングされた変温室(280)の庫内温度を維持できるように、変温室ダンパー(260)及びファンモーター(250)、ヒーター(240)の駆動を制御する。すなわち、セッティングされた保管温度が適正であれば、庫内に冷気がそれ以上供給されないように、変温室のダンパー(260)が閉められ、ファンモーター(250)が停止する。しかし、セッティングされた保管温度が適正でなければ、変温室のダンパー(260)が開かれ、ファンモーター(250)が駆動し、保管温度に到達するように冷気が供給される。そして解凍機能を選択すると、変温室のヒーター(240)が所定時間の間、又は所定温度に到達するまで駆動する。
【0033】
図7は本発明による変温室の一例を示す図であり、変温室(280)は温度感知センサー(220)、ヒーター(240)、ファンモーター(250)、ダンパー(260)を具備し、さらに、キムチ乳酸菌培養物が入っている容器(211)と連結されて変温室(280)内に粉末状又は液状のキムチ乳酸菌培養物を噴霧する噴霧器(201)が備えられている。図6に示すように、噴霧器(201)もマイクロコントローラ(230)により制御され、特に、ヒーター(240)により変温室(280)内の温度が高められた以後の特定時点で(温度感知センサー(220)により感知された特定温度で)、マイクロコントローラ(230)の動作により容器(211)内のキムチ乳酸菌培養物を変温室(280)内に噴霧するように作動されることが望ましい。変温室(280)はヒーター(240)を具備することによって、解凍又は保温機能を行うことができ、このような過程で変温室(280)内の保管食品から水気又は湿気が発生することもあるが、このような水気又は湿気は清潔さを維持しなければならない変温室(280)を汚染させる可能性がある。本発明は、上記のような機能が行なわれた後に変温室(280)にキムチ乳酸菌培養物を噴霧することによって、変温室(280)に抗菌性を付与して変温室(280)を汚染から保護することに係るものである。さらに、変温室(280)を汚染から常時的に保護するために、変温室(280)自体にキムチ乳酸菌培養物処理、すなわち、変温室(280)にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、変温室(280)をキムチ乳酸菌培養物を含有する物質で成形しても良い。
【0034】
図8及び本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図であり、図9は、図8の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図であり、図10は本発明によるディスペンサーの一例を概略的に表す図で、冷蔵庫(310)は冷凍室(312) と、ドア(311)と、ディスペンサー(320)とを含めて構成される。上記ドア(311)は上記冷蔵庫(310)と、冷凍室(312)の開口面を覆って上記冷凍室(312)と外部とを遮断するように板形状で形成され、上記冷凍室(312)の一側端にヒンジ(314)を介して回動可能に係合される。さらに、上記ドア(311)は、上記冷蔵庫(310)内部の冷気と外気が熱交換されることを防止するために、その内部に断熱材が充填された通常の冷蔵庫ドアから構成される。また、本実施形態において、上記ディスペンサー(320)が設置されるドア(311)の内側面には、上記冷蔵庫(310)の冷凍室(312)及び冷蔵室(313)方向に向けて、上記ドア(311)の一面で構成される。上記ディスペンサー(320)は上記ドア(311)の外側に表出した氷吐出器(321)と冷水機(322)から氷及び冷水がそれぞれ吐出されるように形成され、水タンク(340)と、製氷機(331)と、氷吐出器(321)と、冷水機(322)及び水供給管(350)を含んで構成される。上記水タンク(340)は、上記冷凍室(312) のドア(311)の内側面に内部が中空となっている2個の円筒が相互連通するように接続した形状で締結されている。ここで、上記水タンク(340)は、上記ドア(311)の閉鎖により冷凍室(312)の内部にその一部が挿入されるように、上記ドア(311)の内側面にその一面が固定されて突出した形状で設置される。場合によっては、このような水タンク(340)が設置されずに、外部給水源から水が浄水フィルターなどを経て、直ちにディスペンサーにより吐出されることも可能である。上記製氷機(331)は上記水タンク(340)の上部の上記ドア(311)の内側面の上部に設けられ、上記水タンク(340)の上部の上記ドア(311)の内側面に流入される水を所定時間の間貯蔵するとともに、上記冷凍室(312)の冷気を利用して上記貯蔵された水を製氷する製氷トレー(331a)と、上記製氷トレー(331a)の下部に設置され、上記製氷トレー(331a)で製氷された氷を貯える貯氷箱(331b)と、この貯氷箱(331b)に貯蔵された氷を、氷吐出器(321)が押さえられると外部に排出する流路を構成する氷吐出ガイド(331c)とから構成される。
【0035】
本発明(図8に示す発明)の最も大きな特徴の一つは、製氷機、例えば、上記製氷トレー(331a)、貯氷箱(331b)、氷吐出ガイド(331c)の表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記各部材ら自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形することである(具体的なコーティング方法と成形方法については後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、部材自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって外部から給水される水や冷蔵庫の内部に貯蔵される食品又は外気と一緒に上記製氷機の内部に混入される細菌らは、これらの部材と接触して消滅することになる。したがって、製氷機から供給される氷に含まれる細菌の数を低減することができる。
【0036】
本発明(図8に示す発明)のもう一つの最も大きな特徴の一つは、上記水タンク(340)の内表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記水タンク(340)自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形するものである(具体的なコーティング方法と成形方法は後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、部材自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって、外部から給水される水から上記水タンク(340)内部に混入される細菌らは、これらの部材と接触して消滅することになる。したがって、ディスペンサーから吐出される冷水や製氷機から供給される氷に含まれる細菌の数を低減することができる。上記水供給管(350)は引入管(351)と、分配管(352)と、第1吐水管(353)と、第2吐水管(354)を含んで構成される。上記引入管(351)は、その一端が上記冷蔵庫(310)外部の給水源に連結され、その他端が上記冷凍室(312)ドア(311)の下端からドア(311)の内部に挿入される通常の水流動管により形成される。また、上記引入管(351)は上記冷凍室(312) のドア(311)の下部ヒンジ(314)から上記ドア(311)の内部に挿入され、上記ドア(311)の内部に挿入された引入管(351)が上記ドア(311)の内側面に設置された水タンク(340)の一端に連通するように連結される。ここで、上記引入管(351)は上記冷蔵庫(310)の下端一側に締結されたヒンジ(314)のヒンジ軸(315)の中央部に軸方向に貫通開口された中空部に挿入されて上記ヒンジ軸(315)が挿入されたドア(311)の内側に挿入される。さらに、上記引入管(351)は上記外部給水源で上記ドア(311)の下段ヒンジ(314)から直接流入されるように設置されることもできるし、上記冷蔵庫(310)の後面部から挿入されて上記冷凍室(312)の下部を通じて配列され、上記冷凍室(312)の前面に至っては上記冷凍室(312)とドア(311)の下段に連結されたヒンジ(314)を介して上記ドア(311)の内部に挿入されることもできる。また、上記ドア(311)の内部に挿入された引入管は上記ドア(311)の内部で上記水タンク(340)の方向に伸びて形成されるとともに、上記水タンク(340)が設置されたドア(311)の内側面に貫通突出されて上記水タンク(340)の一端に連結される。上記分配管(352)は上記引入管(351)がその一面に連通された水タンク(340)の他面で上記引入管(351)の形状と類似の管形状をなして上記ドア(311)の内部に再び挿入されて上記製氷機(331)及び冷水機(322)が設置された方向に伸びて形成される。ここで、上記製氷機(331)及び冷水機(322)は上記水タンク(340)の上部に設置されるので、上記分配管(352)は上記水タンク(340)の他面で上記ドア(311)の上方向に屈曲しながら延びて形成される。上記第1吐水管(353)は上記分配管(352)の先端が上記製氷機(331)の上段部に達するように延びて、上記製氷機(331)の上端に達するように延設された分配管(352)の先端から上記製氷機(331)の上部中央に達するように上記引入管(351)と類似する形状の管形状をなす第1吐水管(353)が延びて形成される。上記第2吐水管(354)は上記冷水機(322)が設置された水タンク(340)と製氷機(331)の中央地点に位置された分配管(352)で上記冷水機(322)の方向に上記引入管(351)の形状と類似の管形状の管が分岐されて形成される。また、上記水タンク(340)と製氷機(331)と、分配管(352)と、第1吐水管(353)と第2吐水管(354)は上記冷凍室(312)のドア(311)の内側面及び内部に締結されるとともに、上記各部材を全て受け入れることができるようにハウジング(330)の内部に収容されることが望ましい。ここで、上記ハウジング(330)は上記製氷機(331)と水タンク(340)などのディスペンサー(320)の構成品をすべて覆って、ドア(311)内側の外観を向上させるように、その一面が開放された箱状に形成される。また、上記引入管(351)は上記ドア(311)の内部で配列されるが、上記分配管(352)と、第1吐水管(353)及び第2吐水管(354)は上記ドア(311)の内側のハウジング(330)の内部で上記水タンク(340)と製氷機(331)及び冷水機(322)に各々連結される。
【0037】
本発明(図8に示す発明)の最も大きなもう一つの特徴は、上述した色々な種類の給水配管の内表面をキムチ乳酸菌培養物でコーティングするか、上記給水配管自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、キムチ乳酸菌培養物をカプセル化して成形することである(具体的なコーティング方法と成形方法については後述する)。このように表面にキムチ乳酸菌培養物をコーティングするか、部材自体をキムチ乳酸菌培養物で成形するか、これをカプセル化して成形することによって外部から給水される水や冷蔵庫の内部に貯蔵される食品、又は外気と一緒に上記給水配管を通して導入される水により混入される細菌らは、これら給水配管と接触して消滅する。また上記給水配管のいずれか一つにキムチ乳酸菌培養物処理がなされたフィルター(360)が設置され得ることは言うまでもない。好ましくは水タンク(340)で供給される引入管(351)の所定位置にフィルターが設置されることが望ましいが、フィルターは水タンク(340)を通過した後の給水配管にも設置され得るし、また複数個のフィルターが設置されることができる。
【0038】
図11及び12は本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面であり、図13は本発明による冷蔵庫用の空気清浄器の一実施形態を示す図であり、本発明は、室内の空気を吸入して浄化し、吐出しながら上記室内空気を浄化する冷蔵庫(410)用の空気清浄器(420)にキムチ乳酸菌培養物(400)をコーティングすることができる。さらに、本発明は、冷蔵庫の室内の空気を浄化するために、空気清浄器(420)の内部に設置された浄化器(450)にキムチ乳酸菌培養物フィルターが内蔵され得る。本実施形態においては、上記空気清浄器(420)が冷蔵庫(10)の上面に設置されていることを挙げて説明しているが、上記空気清浄器(420)は冷蔵庫(410)の下面、又は冷蔵庫(410)の中央部に設置され得ることはもとろんである。上記空気清浄器(420)は、ハウジング(430)と、送風機(440)と、流路隔壁(441)と、浄化器(450)と、吸入グリル(460)と、吐出グリル(470)を含んで構成される。上記ハウジング(430)は上記冷蔵庫(410)の上面に安着するように上記冷蔵庫(410)の上面の形状に対応する断面形状を有するボックス形状で形成され、その内部は中空であり、後述する送風機(440)と浄化器(450)などが内設されるようにする。また、上記ハウジング(430)の内側面は、ハウジング(430)の内部に流通される空気中の細菌を殺菌できるキムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、ハウジング(430)の射出成形時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出され、上記ハウジング(430)自体に含まれることができる。上記送風機(440)は、上記ハウジング(430)の内部の中央に設置されてその両側部から空気を吸入し、その前方に吐出するように設置される。また、上記送風機(440)は複数の羽が回転しながら、空気を加圧して送風するように形成され、上記羽及び羽を囲んで空気の流れを誘導するフレームに、上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記羽及びフレミングの射出時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。また、上記送風機(440)に吸入される空気と上記送風機(440)から送風される空気が相互干渉することを防止できるように、上記送風機(440)の両側端で後述する吐出口の両端に達するようにするとともに、上記ハウジング(430)の上・下段に達するように壁体形状の流路隔壁(441)が形成され、上記流路隔壁(441)の内・外側面に上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記流路隔壁(441)の射出時に上記キムチ乳酸菌培養物(100)が共に射出されて含まれることができる。上記浄化器(450)はハウジング(430)の両側部に着脱可能に設置され、ケース(451)と集塵フィルター(452)と、脱臭フィルター(453)と、抗菌フィルター(454)及びキムチ乳酸菌培養物フィルター(410)を含んで構成され得る。上記ケース(451)は、上記ハウジング(430)の両側部の前方に開口された開口に挿入・脱離されるように、その上面が開口された箱形状をなして形成され、その内部に上記複数のフィルターが空気の流入方向に対して概ね垂直方向に積層されて設置されるように形成される。また、上記ケース(451)はその内側面及び外側面に上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記ケース(451)の射出時にキムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。上記集塵フィルター(452)は吸入される空気中の埃など比較的に大きさの大きい物質をろ過するように網形状の板材からなり、上記網形状の板材は上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記集塵フィルター(452)の射出時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。上記脱臭フィルター(453)は上記吸入される空気中の臭い粒子などの比較的大きさの小さい異質物がろ過されるように形成されて、上記集塵フィルター(452)の内側に上記集塵フィルター(452)と所定間隔を離隔して並らんで設置される。上記抗菌フィルター(454)は、上記吸入される空気中の細菌を吸着又は殺菌するよう殺菌剤が塗布されたフィルターで構成され、上記脱臭フィルター(453)の内側に上記脱臭フィルター(453)と所定間隔を離隔して並んで設置される。上記キムチ乳酸菌培養物フィルター(410)は、上記吸入される空気中の細菌を殺菌及び増殖を抑制するように、キムチ乳酸菌培養物(400)が塗布されるか、受容することができるように形成され、上記抗菌フィルター(454)の内側に上記抗菌フィルター(454)と所定間隔を離隔して並んで設置されることができる。上記吸気グリルは上記ハウジング(430)の両側面に開口された吸気口を覆うように板形状で形成されて、上記吸入される空気中の埃など異質物が濾過されるように網形状で形成される。また、上記吸気グリルは、上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記吸気グリルの射出成形時に共に射出されて含まれることができる。上記吐出グリル(470)は、上記ハウジング(430)の全面に開口された吐出口の全面を覆うように形成されて、上記送風機(440)で送風されて上記吐出口から吐出される空気の進行方向を制御するように、複数の羽が回動可能に設置されてなる。また、上記吐出グリル(470)の羽板及びフレームに上記キムチ乳酸菌培養物(400)がコーティングされるか、上記吐出グリル(470)の射出成形時に上記キムチ乳酸菌培養物(400)が共に射出されて含まれることができる。本実施形態では、上記浄化器(450)は上記ハウジング(430)の両側部の前面の開口を介して挿入・脱離されるように形成されているものを例に挙げてを説明したが、上記ハウジング(430)に複数のフィルターが固定されて形成され得ることも、上記ハウジング(430)の両側部に開口された吸気口を介して挿入・脱離されるように形成されることもできる。
【0039】
以下で、上記冷蔵庫用の殺菌空気清浄器の作用の一例を説明する。
【0040】
冷蔵庫(410)の空気清浄器(420)の動作により、上記空気清浄器(420)のハウジング(430)の中央に設置された送風機(440)が前方に空気を加圧する送風作用を行う。上記送風機(440)の送風作用により上記送風機(440)の両側部にある空気が上記送風機(440)の内部に吸入されるとともに、上記送風機(440)の前方に加圧されながら送風される。上記送風機(440)の両側部の空気が送風機(440)に吸入されて、上記送風機(440)の両側部の空気圧が低下され、相対的に高気圧となる上記ハウジング(430)の両側の外部空気が上記ハウジング(430)の両側面の吸気口を介して空気清浄器(420)の内部に流入する。ここで、上記ハウジング(430)の両側部で吸入口を介して吸入される空気は、上記吸入口に設置された吸気グリルのキムチ乳酸菌発効物(400)に接して殺菌されるとともに、上記吸気グリルに細菌が粘着し、増殖することが防止される。また、上記吸気口を介して吸入された空気は上記ハウジング(430)の両側部に設置された浄化器(450)のフィルターを通過しながら浄化されて上記送風機(440)に移動する。この時、上記浄化器(450)の集塵フィルター(452)で吸入された空気中の埃などがろ過されて除去され、上記脱臭フィルター(453)で臭い粒子などが除去され、抗菌フィルター(454)で通常的な細菌などが殺菌又は吸着される。また、上記フィルターらで浄化された空気がキムチ乳酸菌培養物フィルター(410)を通過するとき、空気中の細菌が殺菌される。上記浄化器(450)で浄化された空気は上記浄化器(450)の内側送風機(440)の両側部に移動し、上記送風機(440)の両側部に移動した空気は上記送風機(440)の持続的な送風作用により送風機(440)の内部に吸入され、送風機(440)の前方に送風される。上記送風機(440)の前方に送風された空気は上記送風機(440)の前方ハウジング(430)の全面に開口された吐出口に移動し、上記吐出口に設置された吐出グリル(470)の方向制御により空気清浄器(420)の外部に吐出される。この時、上記送風機(440)に吸入された空気は上記送風機(440)の羽及びフレームに含まれたキムチ乳酸菌培養物(400)に接して殺菌されながら送風され、上記羽及びフレームに細菌が粘着して増殖することが遮断される。また、上記送風機(440)から送風されるか、上記送風機(440)に流入される空気が接する流路隔壁(441)にキムチ乳酸菌培養物(400)が含まれ、上記空気中の細菌を殺菌するとともに、上記細菌が粘着して増殖することが防止される。また、上記吐出グリル(470)から吐出される空気は上記吐出グリル(470)に含まれたキムチ乳酸菌培養物(400)に接して殺菌されるとともに、上記細菌が粘着して増殖することが遮断される。したがって、空気清浄器(420)の内部に吸入された空気は吸入グリル(460)と浄化器(450)と送風機(440)と吐出グリル(470)及びハウジング(430)の内側面に接して含まれていた細菌が殺菌されることで、より浄化された空気が空気清浄器(420)の外部に吐出されるようになり、上記吸入グリル(460)と、浄化器(450)と、送風機(440)と、吐出グリル(470)、及びハウジング(430)に細菌が粘着して増殖することが遮断されて上記ハウジング(430)の内部及びその内部の構成品で増殖された細菌が上記空気の流通により空気調和機の外部に吐出されることが防止される。
【0041】
以下、キムチ乳酸菌培養物の処理及びキムチ乳酸菌培養物の露出処理を行う具体的な方法について説明する。
【0042】
キムチ乳酸菌培養液は抗菌及び抗ウイルス効能を有するものであれば、特に制限なく、どんな経路を通じて入手したものであっても使用することができる。例えば、キムチから直接抽出して使用するか、キムチ乳酸菌を分譲してもらって、培養及び抽出して使用するか、市販のキムチ乳酸菌培養液を購入して使用することができる。上記キムチ乳酸菌の培養及び抽出は、特に制限なく、当業界に公知された方法を利用することができる。
【0043】
また、上記キムチ乳酸菌培養液は、抗菌及び抗ウイルス効能を有するものであれば、特に制限なく、どんな状態のものも使用することができる。例えば、キムチ乳酸菌の培養液自体、培養液の濃縮液、培養液の建造物及びこれらの混合物からなる群から選択されるいずれか一つであり得る。上記キムチ乳酸菌培養液の濃縮及び乾燥については特に制限なく、当業界に公知されている方法を利用することができる。
【0044】
キムチ乳酸菌は、ロイコノストック(Leuconostoc)属キムチ乳酸菌、ラクトバチルス(Lactobacillus)属キムチ乳酸菌、ヴァイゼラ(Weissella)属キムチ乳酸菌、及びこれらの混合乳酸菌の中から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
ロイコノストック(Leuconostoc)属キムチ乳酸菌はロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)、ロイコノストック・ラクチス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピシーズ・デキストラニカム (Leuconostoc mesenteroides subsp.dextranicum)、ロイコノストック・メセントロイデス・サブスピシーズ・メセントロイデス(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)、ロイコノストック・アルゼンティ二ウム(Leuconostoc argentinum)、ロイコノストック・カルノサム(Leuconostoc carnosum)、ロイコノストック・ゼリディウム(Leuconostoc gellidum)、ロイコノストック・キムチアイ(Leuconostoc kimchii)、ロイコノストック・インへ(Leuconostoc inhae)、ロイコノストック・ガシコミタタム(Leuconostoc gasicomitatum)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。より好ましくは上記ロイコノストック属キムチ乳酸菌はロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)、ロイコノストック・キムチアイ(Leuconostoc kimchii)、ロイコノストック・メセントロイデス(Leuconostoc mesenteroides)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つである。
【0045】
ラクトバチルス(Lactobacillus)属キムチ乳酸菌は、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・キムチアイ(Lactobacillus kimchii)、ラクトバチルス・パラプランタラム(Lactobacillus paraplantarum)、ラクトバチルス・クルバタス・サブスピシーズクルバタス(Lactobacillus curvatus subsp. curvatus)、ラクトバチルス・サケイ・サブスピシーズ・サケイ(Lactobacillus sakei subsp. sakei)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
【0046】
ヴァイゼラ(Weissella)属キムチ乳酸菌は、ヴァイゼラ・コリエンシ(Weissella koreensi)、ヴァイゼラ・ハニアイ(Weissella hanii)、ヴァイゼラ・キムチアイ(Weissella kimchii)、ヴァイゼラ・ソリ(Weissella soli)、ヴァイゼラ・コンフサ(Weissella confusa)及びこれらの混合乳酸菌からなる群から選択されるいずれか一つであることが好ましい。
A. キムチ乳酸菌培養物のコーティング方法
キムチ乳酸菌培養物のコーティング方法は、キムチ乳酸菌培養物を物品の表面にコーティングを行うことからなる。本発明におけるキムチ乳酸菌培養物は単独、又はバインダー及び/又はナノ金属粒子と一緒にコーティングすることができる。
物品は細菌やウイルスなどが接続・増殖する可能性のある各種の物品であり得る。例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ゴム、金属などが挙げられるが、このような材料は各々その材質の特性により用途別に多様に使用することができる。また物品はフィルターであり得る。フィルターとしての機能を備えているものであれば、その用途、種類、形態に特に制限がなく、具体的には空気浄化フィルター、浄水フィルター、清掃機フィルターなどを含める。フィルターの材料としてはフィルターとしての機能を備えたものであれば、その種類、形態、大きさ及びその製造方法に特に制限なく、如何なるものも使用することができる。例えば、ガラス繊維、イオン交換繊維、セルロース繊維、アスベスト繊維等のガラス繊維や各種の有機繊維、無機繊維を使用することができ、また亜鉛、銅、アルミニウム等の金属、又はプラスチックも使用することができ、このような材料は各々その材質の特性により用途別に多様に使用することができる。またフィルターの形状はハニカム型、粒子型、網型、ろ過紙型、綿型、メッシュ型、プレート型及びフォーム型等、特に制限なくフィルターが適用される装置に応じて適切に変形して使用することができる。本発明によるフィルターは同一製品内で単独で、または従来のフィルター併用して使用することができる。本発明における望ましい物品は空気浄化用フィルターであり得る。空気浄化用フィルターの場合も、空気浄化フィルターとしての機能を備えているならばその種類、形態、大きさ及びその製造方法に特に制限なく、如何なるものでも使用することができる。フィルターの形状にも特に制限なく、空気浄化フィルターが適用される装置によって適切に変形して使用することができる。本発明による空気浄化用フィルターは冷蔵庫、空気調和機、空気清浄器等いろんな家電製品で使用される、アルミニウム・メッシュ・フィルター、カーボン・フィルター、ヘッパ・フィルター、そして自動車の空気浄化装置等のフィルターなどを代用するか、又はこのような既存のフィルターと併用することができる。
【0047】
本発明でキムチ乳酸菌は、バインダーと混合して使用することができる。バインダーは、シリコン変性アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びシリコン樹脂などを使用することができるが、これに限定されずに、複数のバインダーを使用することができる。キムチ乳酸菌を単独で使用せず、バインダと混合して使用する場合、キムチ乳酸菌をより容易に対象物品の表面に固定することができるだけでなく、抗微生物性を付与しようとする物品の表面とキムチ乳酸菌との相互の結合力を向上させることで、キムチ乳酸菌の溶出率を低減させることにより抗微生物性能が維持されるようにする。
【0048】
本発明におけるナノ金属粒子は殺菌機能を有する金属粒子であれば、特に制限なく、どの種類も使用することができる。例えば、上記金属粒子は、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、白金(Pt)、カドミウム(Cd)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、クロム(Cr)などの粒子を含み、単独で使用するか、又は、2種以上をともに使用することができる。ナノ金属粒子はナノ化された金属粒子を示すものであり、その製造方法については、特に制限がなく、ナノの大きさに微粒化した金属粒子であれば、如何なるものも使用することができる。このようなナノ金属粒子はバクテリア、カビ等の微生物の生殖機能を抑制することによって、微生物の増殖を制限する一方、細胞内に侵入して微生物の呼吸時に必要な酵素の機能を停止させることにより、新陳代謝を妨害することで殺菌が行われるようにする。抗菌作用、環境と人体に対する安全性等の観点で、本発明におけるナノ金属粒子は、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、及び銅(Cu)ナノ金属粒子が好ましく、ナノ銀(Ag)がより好ましい。特にナノ銀を使用する場合、キムチ乳酸菌培養液の効能がより向上することができる。
【0049】
本発明における抗微生物性物品は、キムチ乳酸菌培養液が単独でコーティングされ、その表面に抗微生物性を有することができる。本発明によるもう一つの物品はキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子がともにコーティングされることによって、その物品の表面に抗微生物性を有することができる。抗菌及び抗ウイルス効果のあるキムチ乳酸菌培養液と抗菌作用をするナノ金属粒子とを共に使用することで、上昇効果が期待できる。物品の特性、製造工程上の特性、抗微生物性の必要程度等により適切にキムチ乳酸菌培養液を単独で使用するか、又はキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を共に使用することができる。本発明による物品の表面はキムチ乳酸菌培養液5〜20重量%の範囲、ナノ金属粒子100ppm〜2000ppmの範位でコーティングすることが望ましい。上記範囲が99%以上の抗菌及び抗ウイルス効果とコーティング性、混合性などを考慮して半永久的に物品の表面に抗微生物性を付与することができる水準である。ただし、これに限定されるのではなく、必要に応じてより適切に調節して使用することができる。
【0050】
キムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液、及び/又はナノ金属粒子を物品の表面にコーティングする段階は、当該技術分野における通常の方法により遂行することができるが、これに制限されず、物品の表面にまんべんなくコーティングできるものであれば、如何なる方法も使用することができる。
【0051】
キムチ乳酸菌培養液を単独でコーティングする場合、物品の表面に直接キムチ乳酸菌培養液をコーティングすることができる。キムチ乳酸菌培養液を物品の表面に固定化するためには化学的方法、物理的方法を使用して用途に応じて適切な固定化技術を使用すればよい。またキムチ乳酸菌培養液を含むコーティング溶液を製造した後、このコーティング溶液を対象物品の表面に噴射するか、又は上記コーティング溶液に対象物品を浸漬させる方式で物品の表面をコーティングすることができる。上記コーティング溶液は水、エタンオール等の溶液が使用され得るが、これに制限されるのではなく、キムチ乳酸菌培養液に適当な濃度で溶解されて、物品の表面コーティング時に所望の抗微生物性が発揮できるものであれば、その種類および製造方法に制限がない。噴射方式としては、エアースプレー等の公知の方法を使用することができるが、これに限られるのではなく、表面にまんべんなくコーティングすることができるならば、如何なる方法を使用してもよい。浸漬方式に対しても特に制限なく、公知の方法を使用することができる。コーティングされるキムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%が好ましいが、これに限定されるのではなく、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0052】
他の方便でキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を共にコーティングする場合、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を順次対象物品の表面にコーティングすることができる。上記コーティング過程は対象物品の表面にナノ金属粒子をコーティングした後、ナノ金属粒子がコーティングされた物品にキムチ乳酸菌培養液をコーティングする方法のように順次行うことができる。物品の表面にナノ粒子をコーティングする段階は当該技術分野における通常の方法により遂行することが可能であり、場合によっては物品の特性によりナノ金属粒子をコーティングするに適合した状態に変形することが必要である。また、キムチ乳酸菌培養液をナノ金属粒子がコーティングされた物品の表面にコーティングする段階も当該技術分野において一般的に使用している方法であれば、特に制限なく使用することができる。キムチ乳酸菌をナノ粒子がコーティングされた物品に固定化するためには、化学的、物理的方法を使用して用途に合わせて適切な方法を使用すればよい。この時のコーティングも噴射、浸漬等、物品の表面にまんべんなく塗布することができれば、如何なる方法も使用することができる。また順序を変えてキムチ乳酸菌培養液を先にコーティングし、キムチ乳酸菌培養液がコーティングされた物品の表面にナノ金属粒子をコーティングすることも可能である。またキムチ乳酸菌培養液をナノ金属粒子と混合してキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を含むコーティング溶液を製造した後、このように製造されたコーティング溶液を噴射又は浸漬に利用して対象物品の表面をコーティングすることができる。この場合にも、コーティング溶液の製造方法は、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子が物品の表面にコーティングされて、所望の抗微生物性を発揮できるものであれば、如何なる方法も使用することができる。コーティングされるキムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%、ナノ金属粒子の含有量は100ppm〜2000ppmの範囲が好ましく、この範囲が99%以上の抗菌及び抗ウイルス効果とコーティング性、混合性などを考慮して、半永久的に物品の表面に抗微生物性を付与する水準であるといえる。ただし、これに限られるものではなく、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0053】
さらに、本発明によりキムチ乳酸菌培養液を利用して物品の表面をコーティングする場合、コーティング段階の以前に、キムチ乳酸菌培養液をバインダーと混合した後、これをコーティングに使用することができる。物品の表面とキムチ乳酸菌培養液の相互結合力を向上させて、キムチ乳酸菌培養液の溶出率を低減することにより、抗微生物の性能がよく維持されるようにするという点で、キムチ乳酸菌培養液、単独よりはキムチ乳酸菌培養液とバインダーとを混合して使用することが好ましい。キムチ乳酸菌培養液とバインダーの混合方法は、キムチ乳酸菌培養液が物品の表面にコーティングできるようにバインダーと混合することができれば、特に制限がない。また、キムチ乳酸菌培養液とバインダーの含量比率に対しても特に制限がなく、必要により適切に調節して使用することができる。場合によっては、無機顔料も添加することができる。
【0054】
本発明の一実施形態ではキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を含有するコーティング溶液を製造した後、これをアルミニウムメッシュフィルターに噴射コーティングして、抗微生物性を有する物品であるフィルターを製造した。このように製造した本発明による抗微生物性を有するフィルターの抗菌活性を調査するために、本発明の一実験態様では、大腸菌、黄色葡萄状球菌、緑膿菌に対する抗菌活性を調べた。その結果、本発明による抗微生物性を有する物品が大腸菌、黄色葡萄状球菌、緑膿菌に対して優れた抗菌活性を有することが確認された。また、本発明の一実験態様では、本発明により製造された物品の抗ウイルス能に対する効能を調べるために、鳥インフルエンザウイルスであるH5N1に対する抗ウイルス能を調べたが、その結果、本発明により製造されたフィルターのウイルス減少率が非常に高いことが確認された。
【0055】
一方、本発明の製造方法では、キムチ乳酸菌培養液を利用して対象物品の表面をコーティングする前に対象物品を適当な洗浄水で洗浄する段階と、洗浄後、熱処理等で乾燥させる段階とを追加することができる。また本発明によりキムチ乳酸菌培養液を利用して対象物品の表面をコーティングした後、自然乾燥、熱処理等で乾燥させる段階を追加することができる。熱処理は、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子が物品の表面に固着されることに役に立つ。必要に応じて物品を乾燥する場合、その乾燥時間及び乾燥温度は対象物品の形態、種類、大きさ等に応じて調節可能である。場合によっては、対象物品の材料が金属成分である場合には、その製造過程や保管中に物品の表面に付着したオイル成分を除去することが好ましい。
【0056】
本発明により製造された物品は、必要に応じて、所望の形状で後加工処理して適切に使用することもできる。特に、本発明により製造された空気浄化用フィルターは、所望の大きさに切って、空気浄化装置のフィルターとして使用することができる。空気浄化用フィルターは同一の製品内で単独、また従来の空気浄化フィルター、脱臭フィルターなどと並行して使用することができる。このように空気浄化用フィルターは空気浄化フィルターを必要とする家庭用及び業務用の色々な空気浄化装置、冷蔵庫、自動車、その他家電製品等に広く使用することができる。
B. キムチ乳酸菌培養物の成形方法
キムチ乳酸菌培養物の成形は、キムチ乳酸菌培養物単独又はナノ金属粒子とともに成形物品を製造することにより行われる。
【0057】
本発明による物品はキムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料とともに配合して成形することで製造され得る。本願で使われる原材料とは、本発明による物品、好ましくは生活家電製品の全部又はその構成部材の形状をなすものであれば、特に制限がない。例えば、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、ゴム、金属などが挙げられるが、このような材料は、各々その材質の特性により用途別に多用に使用することができる。具体的には、本発明で使われる原材料は、シリコン(Silicone)、ポリウレタン(Polyurethane)、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロフィレン(Polypropylene:PP)、ポリ塩化ビニール(Polyvinylchloride:PVC)、ラテックス(Latex)、に非エス(Acrylonitrile Butadiene Styrene:ABS)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene:PTFE)、ポリカーボネート(Polycarbonate:PC)、ポリビニールアルコール(Polyvinylalcohol:PVA)などの高分子物質を含み、単独で使用するか、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0058】
本発明による成形物品では、キムチ乳酸菌培養液を単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子がその物品の内部で均一に分布せずに、異なる含量で分布することもあり得る。このために、成形段階において当業界に公知された適当な操作をさらに加えることによって、キムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を含有する部分と、キムチ乳酸菌培養液、単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子をより低い含有量で含有するか、又は全く含有したい部分を区分し、本発明による成形物品を製造することができる。一般的に細菌やウイルスなどが接続・増殖する可能性が高く、抗微生物性効能を必要とする物品の部分は空気、水のように、細菌、ウイルスなどが伝播される媒質と接触する部分であり、実質的に抗微生物性の効能がより一層要求される物品の部分にキムチ乳酸菌培養液を集中分布することで同じ量のキムチ乳酸菌培養液を使用しながらも実質的な抗微生物性効果を高めることができる。例えば、キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合して一つの層を圧出又は射出成形し、これより低い含有量でキムチ乳酸菌培養液又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料きて配合して一つの層を圧出又は射出成形した後、成形された上記層同士を接合する段階を含んで抗微生物性成形物品を製造することができる。また、キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合して一つの層を圧出又は射出成形し、キムチ乳酸菌培養液やナノ金属粒子を添加せずに原材料だけで一つの層を圧出又は射出成形した後、成形された上記層同士を接合する段階を含み、抗微生物性成形物品を製造することができる。また、層と層を相互接合させずに、単一層内でキムチ乳酸菌培養液の含有量が異なるように分布させるために、キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合し(原材料1)、これより低い含量のキムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合した後(原材料2)、圧出又は射出成形時に適当な操作を加えて、原材料1と原材料2を区分して注入する段階を含んで、抗微生物性成形物品を製造することができる。一般的に細菌やウイルスなどが接続・増殖する可能性が高く、抗微生物作用を必要とする物品の部分は空気と水など細菌、ウイルスなどが伝播される媒質と接触する部分であり、成形時に原材料とキムチ乳酸菌培養液を均一に配合して成形物品全体にキムチ乳酸菌培養液が分布されるようにするのではなく、キムチ乳酸菌培養液の含有量を異なるようにして、分離成形することによって、実質的に抗微生物作用を必要とする物品の部分にキムチ乳酸菌の培養液が集中分布されるようにして、同じ量のキムチ乳酸菌培養液を使用しながらも実質的な抗微生物効果を高めることができる。
【0059】
キムチ乳酸菌培養液単独又はキムチ乳酸菌培養液及びナノ金属粒子を原材料と配合して成形する段階は当該技術分野における通常の方法により遂行することができ、さらに、これに限られるものではなく、物品の形状を成形することができるものであれば、如何なる方法を使用することもできる。例えば、成形方法は圧出成形、射出成形などを含ぶが、これに制限されない。物品の成形段階でキムチ乳酸菌培養液を原材料と配合することで、製造時間を低減し、製造工程を単純化させるという長所がある。
【0060】
キムチ乳酸菌培養液を単独で原材料と配合する場合、キムチ乳酸菌培養液と原材料の配合方法は、物品の形状を成形できるものであれば、特に制限がない。また、キムチ乳酸菌培養液と原材料の配合比率は特に制限がなく、必要に応じて適切に調節することができる。キムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%が好ましいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0061】
他の方便でキムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子を共に原材料と配合する場合も、その配合方法は物品の形状を成形できる配合であれば、特に制限がなく、配合比率も特に制限なく、必要に応じて適切に調節することができる。ここで、キムチ乳酸菌培養液の濃度は5〜20重量%、ナノ金属粒子の含有量は100ppm〜2000ppmの範囲が抗微生物性能、配合性及び成形性の観点で望ましいか、これに限られずに、必要に応じて適切に調節して使用することができる。
【0062】
さらに、原材料との配合段階の前にキムチ乳酸菌培養液をカプセル化した後、これを原材料と配合して使用することができる。キムチ乳酸菌培養液をカプセル化することによって、物品の成形時の温度によるキムチ乳酸菌培養液の変性の可能性を遮断することができ、より高い温度で成形することができる。カプセルは、芯(core)物質と壁(wall)物質から構成されるが、芯物質は抗菌剤、消臭剤、芳香剤などの目的物質を使用して、壁物質は合成又は天然高分子を使用して薄い膜を形成してマイクロ又はナノの大きさの粒子を有するようにする。本発明における壁物質としては、特に制限がなくキムチ乳酸菌培養液を含有するものであれば、如何なるものも使用することができるが、例えば、メラミン、ポリウレタン、ゼラチン、アクリル、エポキシ、澱粉、アルジネート、キット酸又はその混合物などを使用することができる。カプセル化方法は、当該技術分野における通常の方法により遂行することができ、特に制限がない。カプセル化段階を経たキムチ乳酸菌培養液を使用すると、物品の成形時に、高い成形温度でキムチ乳酸菌培養液が変性され得る可能性を遮断することができ、さらに成形後、適切な時期にカプセルの壁物質が溶けるか、破れるように構成し、キムチ乳酸菌培養液が物品の全般に広がるようにし、本発明による抗微生物性の効果をより一層向上させて維持することができる。キムチ乳酸菌培養液のカプセル化方法は、当該技術分野における通常の方法により遂行され得るもので、特に制限がない。成形温度は特に制限がなく、物品の原材料の特性などを考慮して必要に応じて調節する必要があり、キムチ乳酸菌培養液の変性などを考慮して100℃〜180℃の範囲が適当である。キムチ乳酸菌培養液をカプセル化した場合にも温度に対する変性可能性が低いので、カプセル化していないキムチ乳酸菌培養液の場合より高い温度条件、例えば、100℃〜250℃の温度範囲で成形することができる。
【0063】
一方、本発明の製造方法は、キムチ乳酸菌培養液を原材料と配合して物品を成形した後、乾燥させる段階、事後硬化段階などの追加加工段階を含むことができる。物品を乾燥させる場合、その乾燥時間及び乾燥温度は対象物品の形態、種類、大きさなどによって調節することができる。本発明により製造された成形物品は、必要に応じて所望の形状に後加工処理して適切に使用することができる。
【0064】
以下では、実施例に基づいて説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するものであるだけで、本発明の内容が下記実施例に限られるものではない。
実施例1
エアフィール社製のアルミニウムメッシュを2.5%NaOHに約3分間浸漬し、オイル成分を除去した。次いで、オイル成分を除去したアルミニウムメッシュを2.5%NaOHで洗浄した。上記洗浄過程を7回繰り返した。このように得られた洗浄されたアルミニウムメッシュを40℃に温度が調節された乾燥オーブンで2時間熱処理して乾燥させた。
実施例2
ロイコノストック属キムチ乳酸菌のうち、ロイコノストック・シーツレウム(Leuconostoc citreum)の培養液NO乾燥粉末10gをシリコン変性アクリル樹脂バインダー15g、ナノ亜鉛3g、ナノ銀1g及びナノ銅0.5gと混合して水溶媒に溶解させてキムチ乳酸菌培養液を含むコーティング溶液を製造した。製造されたコーティング溶液を上記実施例1で製造されたアルミニウムメッシュにエアースプレー法で噴射してその表面をコーティングした後、乾燥させた。その結果、キムチ乳酸菌培養液とナノ金属粒子が表面にコーティングされたアルミニウムメッシュフィルター試片が得られた。
実験例1:抗菌性試験
上記実施例2で製造されたキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされたアルミニウムメッシュの抗菌性を試験するために、抗菌性能試験方法で震盪フラスク法(Shake flask method)(KSM0146-2003)によって大腸菌(Escherichia coli; ATCC25922)、黄色葡萄状球菌(Staphylococcus aureus; ATCC6538)、及び緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa; ATCC27853)に対して抗菌性試験を行った。
【0065】
大腸菌、黄色葡萄状球菌、及び緑膿菌をそれぞれ1.0mlずつ上記実施例2で製造された本発明によるアルミニウムメッシュフィルター試片(1.0cm×1.0cmに塗布した。各菌株が塗布されたアルミニウムメッシュフィルター試片らをLB液体培地が入っている三角フラスクに入れて、35±1℃、120rpmで3時間震盪培養した。対照群として各菌株1.0mlずつ、LG液体培地が入っている三角フラスクに接種して同一条件で震盪培養した。培養液を取り出してプレートに塗抹して37℃で48時間培養した後、菌の数を測定した。その結果は下記表1、2及び3に表した。
【0066】
【表1】
*cfu/ml:ml当りコロニー形成単位数
【0067】
【表2】
*cfu/ml:ml当りコロニー形成単位数
【0068】
【表3】
*cfu/ml:ml当りコロニー形成単位数
【0069】
上記表1〜表3から、本発明によるキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされたアルミニウムメッシュフィルターは対照群と比較して大腸菌、黄色葡萄状球菌、緑膿菌などの微生物に対する抗菌効果が顕著に向上することが確認できる。
【0070】
実験例2:抗ウイルス性試験
キムチ乳酸菌培養液を含むコーティング溶液を製造してこれをアルミニウム・メッシュ・フィルター、カーボン・フィルター、ヘッパ・フィルターのそれぞれの表面に噴射してキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされた3種類のフィルター試片を得た後これら各フィルターの抗ウイルス性試験を行った。
【0071】
本発明のキムチ乳酸菌培養液に対する抗ウイルス効果を測定する対象ウイルスとして鳥インフルエンザウイルス(avian influenz avirus)であるH5N1分離株を使用した。ウイルスの宿主細胞としては犬の腎臓由来の細胞であるMDCK(mardin-Darby Canine Kidney)細胞株を使用した。
【0072】
まず、MDCK細胞(5x104cells/ml)を96-ウェルプレートの各ウェルに100ulずつ入れ、24時間37℃、5%CO2培養器で培養して細胞らが断層(monolayer)で各ウェルの底面を完全に覆うようにして用意した。PBSで希釈したウイルス液(1/10v/v)をキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされた3種類の試片(アルミニウム・フィルター試片、カーボン・フィルター試片、ヘッパ・フィルター試片)が入っている各ウェルに入れて37℃で培養した。比較のために、キムチ乳酸菌が表面にコーティングされていない同一の3種類の試片に対しても同様に培養した。ここで、ウイルス液を入れる前に各試片の重量を記録した。vCPE(viral cytopathic effect)に対する陽性対照群と陰性対照群にウイルス液を接種した細胞培養液とウイルス液を接種していない細胞培養液をそれぞれ用意した。
【0073】
抗ウイルス効果を測定するために、上記培養液のうちキムチ乳酸菌培養液がコーティングされたアルミニウムフィルター試片、キムチ乳酸菌培養液がコーティングされていないアルミニウムフィルター試片、及び陽性対照群に対した培養液を10倍数希釈法で希釈して上記用意された96-ウェルプレートに各々4レーンずつ7レーンを接種して最終8番目のレーンには陰性対照群培養液を接種した。接種後、プレートを5%CO2を含む37℃培養器で3日間培養した後、プレートのvCPEを観察してこのを基にウイルス力価をTCID50(50% tissue culture infective dose)で決定した。抗ウイルス効果は、ウイルス減少率(%)で表し、ここでウイルス減少率はキムチ乳酸菌培養液がコーティングされた試片の重量からキムチ乳酸菌培養液がコーティングされていない試片の重量を引いた値を利用して換算した-logTCID50/mlを百分率で示した値である。その結果は下記表4、5、及び6に表した。
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
上記表4〜表6から、本発明によるキムチ乳酸菌培養液が表面にコーティングされたアルミニウム・メッシュ・フィルター、カーボン・フィルター、及びペッパ・フィルターのウイルス減少率は99%以上で、抗ウイルス効果に優れていることを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による冷蔵庫の一実施形態を示す図面である。
【図2】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図3】図2の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図面である。
【図4】本発明による変温室を備えた冷蔵庫の一実施形態を示す図面である。
【図5】本発明による変温室を備えた冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図6】本発明により変温室の温度を調節する方法の一実施形態を説明する図面である。
【図7】本発明による変温室の一例を示す図面である。
【図8】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図9】図8の冷蔵庫のドアが開放された状態を示す図面である。
【図10】本発明によるディスペンサーの一例を概略的に示す図面である。
【図11】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図12】本発明による冷蔵庫の他の一実施形態を示す図面である。
【図13】本発明による蔵庫用の空気清浄器の一例を示す図面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器を備える冷凍サイクルと、
蒸発器と熱を交換する空間と、
蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域と、
前記空間を限定する貯蔵室及びドアと、
を含み、
前記領域、貯蔵室、及びドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つがなされていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
キムチ乳酸菌培養物処理はキムチ乳酸菌培養物のコーティング、及びキムチ乳酸菌培養物を含む物質の成形のいずれか一つにより行われることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
キムチ乳酸菌培養物露出処理はフィルターの設置及びキムチ乳酸菌培養物の供給のいずれか一つにより行われることを特徴とする 請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記領域がキムチ乳酸菌培養物処理されており、前記領域のキムチ乳酸菌培養物処理は蒸発器により行われることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記領域に熱交換に使用されるファンをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記領域に繋がっており、熱交換に使用される流路をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項7】
流路上に位置するフィルター;を含むことを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
【請求項8】
貯蔵室はインナーケースで区画され、旋盤、バスケット、食品収納容器、そして引出しのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項9】
ドアがドアの取っ手を含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記空間に位置され、その内部の温度調節が可能な変温室と、
変温室の内部に向けて備えられる噴霧器と、
噴霧器と連結されており、かつキムチ乳酸菌培養物が入っている容器と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記空間は冷凍室を備え、
冷凍室と変温室を連通するダンパーをさらに含むことを特徴とする請求項10記載の冷蔵庫。
【請求項12】
変温室の内部温度を調節するために使用されるヒーターをさらに含むことを特徴とする請求項10記載の冷蔵庫。
【請求項13】
蒸発器を備える冷凍サイクルと、
蒸発器と熱交換により低温になった冷気を収容する空間と、
前記空間の冷気と熱を交換する水と接触し、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われている少なくとも一つの部材と、
を含むことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項14】
キムチ乳酸菌培養物処理はキムチ乳酸菌培養物のコーティング及びキムチ乳酸菌培養物を含む物質の成形のいずれか一つにより行われることを特徴とする請求項13記載の冷蔵庫。
【請求項15】
キムチ乳酸菌培養物の露出処理はフィルターの設置により行われることを特徴とする 請求項13記載の冷蔵庫。
【請求項16】
前記少なくとも一つの部材は、水が空間の冷気との熱交換により固化された氷を貯蔵する部材を備えることを特徴とする請求項13記載の冷蔵庫。
【請求項17】
前記少なくとも一つの部材は、氷を空間の外部に排出するために用いられる追加の部材をさらに備えることを特徴とする請求項16記載の冷蔵庫。
【請求項18】
蒸発器を備える冷凍サイクルと、
蒸発器と熱を交換する空間と、
蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域と、
前記空間の一側に位置し、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われる空気清浄器と、
を含むことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項19】
キムチ乳酸菌培養物露出処理はフィルターの設置により行われることを特徴とする 請求項18記載の冷蔵庫。
【請求項20】
前記空間を限定する貯蔵室及びドアを含み、
前記領域、貯蔵室、ドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われていることを特徴とする請求項18記載の冷蔵庫。
【請求項1】
蒸発器を備える冷凍サイクルと、
蒸発器と熱を交換する空間と、
蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域と、
前記空間を限定する貯蔵室及びドアと、
を含み、
前記領域、貯蔵室、及びドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つがなされていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
キムチ乳酸菌培養物処理はキムチ乳酸菌培養物のコーティング、及びキムチ乳酸菌培養物を含む物質の成形のいずれか一つにより行われることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
キムチ乳酸菌培養物露出処理はフィルターの設置及びキムチ乳酸菌培養物の供給のいずれか一つにより行われることを特徴とする 請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記領域がキムチ乳酸菌培養物処理されており、前記領域のキムチ乳酸菌培養物処理は蒸発器により行われることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記領域に熱交換に使用されるファンをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記領域に繋がっており、熱交換に使用される流路をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項7】
流路上に位置するフィルター;を含むことを特徴とする請求項6記載の冷蔵庫。
【請求項8】
貯蔵室はインナーケースで区画され、旋盤、バスケット、食品収納容器、そして引出しのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項9】
ドアがドアの取っ手を含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記空間に位置され、その内部の温度調節が可能な変温室と、
変温室の内部に向けて備えられる噴霧器と、
噴霧器と連結されており、かつキムチ乳酸菌培養物が入っている容器と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記空間は冷凍室を備え、
冷凍室と変温室を連通するダンパーをさらに含むことを特徴とする請求項10記載の冷蔵庫。
【請求項12】
変温室の内部温度を調節するために使用されるヒーターをさらに含むことを特徴とする請求項10記載の冷蔵庫。
【請求項13】
蒸発器を備える冷凍サイクルと、
蒸発器と熱交換により低温になった冷気を収容する空間と、
前記空間の冷気と熱を交換する水と接触し、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われている少なくとも一つの部材と、
を含むことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項14】
キムチ乳酸菌培養物処理はキムチ乳酸菌培養物のコーティング及びキムチ乳酸菌培養物を含む物質の成形のいずれか一つにより行われることを特徴とする請求項13記載の冷蔵庫。
【請求項15】
キムチ乳酸菌培養物の露出処理はフィルターの設置により行われることを特徴とする 請求項13記載の冷蔵庫。
【請求項16】
前記少なくとも一つの部材は、水が空間の冷気との熱交換により固化された氷を貯蔵する部材を備えることを特徴とする請求項13記載の冷蔵庫。
【請求項17】
前記少なくとも一つの部材は、氷を空間の外部に排出するために用いられる追加の部材をさらに備えることを特徴とする請求項16記載の冷蔵庫。
【請求項18】
蒸発器を備える冷凍サイクルと、
蒸発器と熱を交換する空間と、
蒸発器と前記空間との間で熱交換が行われる領域と、
前記空間の一側に位置し、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われる空気清浄器と、
を含むことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項19】
キムチ乳酸菌培養物露出処理はフィルターの設置により行われることを特徴とする 請求項18記載の冷蔵庫。
【請求項20】
前記空間を限定する貯蔵室及びドアを含み、
前記領域、貯蔵室、ドアのいずれか一つは、キムチ乳酸菌培養物処理及びキムチ乳酸菌培養物露出処理のいずれか一つが行われていることを特徴とする請求項18記載の冷蔵庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−516820(P2009−516820A)
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542241(P2008−542241)
【出願日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004954
【国際公開番号】WO2007/061238
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004954
【国際公開番号】WO2007/061238
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
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