説明

分析用カートリッジと分析方法

【課題】小型でシンプルな機構にて、血球分離及び移送、攪拌することのできる分析用カートリッジと分析方法を提供する。
【解決手段】カートリッジ6の第1の凹部9に検体14を注入し、カートリッジ6を衝突用壁2aに衝突させて血球16を分離して第2の突起11bに区画された第1の凹部9の底部に集め、カートリッジ6を衝突用壁2bに衝突させて血漿15を第1の突起11aを超えて第2の凹部12に移動させて試薬13と混合し、第2の凹部12の混合液にアクセスして分析する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物などから採取した検体の分析に使用する分析装置に関し、より詳細には、検体の、分離、移送、攪拌をする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
分析装置による血液成分の糖や脂質などの測定には、全血から血球分離して血漿を取り出し、それを試薬と攪拌混合し反応させ、その反応物に光を透過もしくは反射させて、特定の波長の光量により吸光測定する比色測定という方法が用いられている。
【0003】
特許文献1には、血球分離には遠心分離方式、検体の移送には遠心力を利用した分析装置が記載されている。また特許文献2には、往復運動による分離を実施する分析装置が記載されており、往路と復路で最大加速度の異なる振動を与えて分離させる方法が提案されている。
【特許文献1】特表2002−503331号公報
【特許文献2】特公平6−32786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の構成では、遠心分離をさせるため、回転軌跡の外周に相当する広さが必要である。
1.カートリッジの検体注入口から検体が飛散するのを防ぐためには、注入口は回転中心に向けなければならない。
【0005】
2.また、検体のカートリッジ内移送においても、遠心力は中心から外周方向の一方向にしか、力をかけられない。
これらを考慮すれば、前記回転に関わる大きな面積が必要であり、複雑な流路で複雑なシーケンスによる移送を余儀なくされる。
【0006】
また、検体の計測においても、カートリッジを円周運動させるのであれば、カートリッジを測定の定位置に止める複雑な機構が必要になる。つまり、これら装置が大きく複雑になる、という課題を有している。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、小型でシンプルな機構の分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1記載の分析用カートリッジは、検体が注入される第1の凹部と、第1の凹部の上部に隣接して形成された第2の凹部と、第1の凹部と第2の凹部の間に設けられた第1の突起と、第1の凹部を上部と底部に仕切る第2の突起と、第1の突起の先端と第2の凹部との間に形成されて第1の凹部と第2の凹部を連通する孔とを設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2記載の分析用カートリッジは、検体が注入される第1の凹部と、第1の凹部の上部に隣接して形成された第2の凹部と、第1の凹部と第2の凹部の間に設けられた第1の突起と、第1の凹部を上部と底部に仕切る第2の突起とを設け、第1の突起の先端が第2の凹部に当接して第2の凹部から第1の凹部への液体の逆流を規制し、作用した慣性力によって第1の突起が傾動して第1の凹部から第2の凹部への液体を流すように構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3記載の分析用カートリッジは、請求項1または請求項2において、第2の凹部に作用した慣性力で揺動する攪拌用錘を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項4記載の分析方法は、請求項1に記載の分析用カートリッジの第1の凹部に検体を注入し、分析用カートリッジをスライド移動させて作用した衝撃力によって血球成分と血漿成分に分離して第2の突起によって区切られた第1の凹部の底部に血球成分を収容し、第1の凹部の上部に収容された血漿成分は分析用カートリッジをスライド移動させることにより第1の突起を超えて第1の突部の先端の孔を介して少なくとも一部を第2の凹部に移動し、第2の凹部において血漿成分と試薬を混合し、第2の凹部の混合液にアクセスして成分を計測することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5記載の分析方法は、請求項2に記載の分析用カートリッジの第1の凹部に検体を注入し、分析用カートリッジをスライド移動させて作用した衝撃力によって血球成分と血漿成分に分離して第2の突起によって区切られた第1の凹部の底部に血球成分を収容し、分析用カートリッジをスライド移動させて作用した慣性力によって第1の突起を傾動させて第1の凹部の上部に収容された血漿成分を第1の凹部から第2の凹部へ少なくとも一部を第2の凹部に移動し、第2の凹部において血漿成分と試薬を混合し、第2の凹部の混合液にアクセスして成分を計測することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項6記載の分析装置は、検体が注入された分析用カートリッジがセットされるカートリッジホルダーと、カートリッジホルダーをスライド移動させるスライド移動手段と、分析用カートリッジまたはカートリッジホルダーに衝突する衝突用壁と、第2の凹部の混合液にアクセスして成分を計測するアクセス手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項7記載の分析装置は、請求項6において、分析用カートリッジまたはカートリッジホルダーに衝突用壁が衝突した位置を前記アクセス手段による読み取り位置としたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項8記載の分析装置は、請求項6において、分析用カートリッジまたはカートリッジホルダーに衝突用壁が衝突した位置を、前記カートリッジホルダーに対する前記分析用カートリッジの着脱位置としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この構成によれば、ひとつの動力源で検体の分離、移送、振動攪拌をコンパクトなスペースで行うことができる。計測においても、カートリッジの測定定位置への誘導を簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の各実施の形態を説明する。
なお、ここでは全血から血漿を取り出し、試薬と反応させ測定する場合を例に挙げて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1〜図3は本発明の実施の形態1を示す。
図1(a)(b)は分析装置に検体をセットするために使用されるカートリッジ6を示す。このカートリッジ6は、図1(b)に示すように透光性材料のベース基板6aと透光性材料のカバー基板6bを貼り合わせて構成されている。ベース基板6aのカバー基板6bとの貼り合わせ面には、特殊な形状の凹部6cが形成されている。
【0018】
図1(a)はベース基板6aのカバー基板6bとの貼り合わせ面を示しており、前記凹部6cは、検体注入口6dから注入した検体を保管する第1の凹部9と、第1の凹部9の側方に形成され第1の凹部9の上部に連通する第2の凹部12とで形成されている。第1の凹部9と第2の凹部12の間は、第1の突起11aで仕切られており、第1の凹部9の上部9aと底部9b、第2の突起11bの先端に形成された孔9cを介して連通している。第1の凹部9には、第1の凹部9の内部を上部9aと底部9bに区切る第2の突起11bが形成されている。
【0019】
第2の突起11bの基端は、第1の突起11aの基端の付近に接続されて、第2の突起11bは水平に延長されて第1の凹部9の内部を上部9aと底部9bに区画している。
カートリッジ6が装着される分析装置は次のように構成されている。
【0020】
検体の注入されたカートリッジ6は、図2に示した分析装置におけるカートリッジホルダー31に検体注入口6dを上にした縦向きに装着される。カートリッジホルダー31は、スライド移動手段としてのリニアアクチェータ32によって横方向(矢印33方向)にスライド駆動できるように構成されている。リニアアクチェータ32は、横方向(矢印33方向)にN極とS極が繰り返し着磁された棒状の磁石5と、この棒状の磁石5の外側にスライド自在に係合したアクチェータコイル4とで構成されている。アクチェータコイル4がカートリッジホルダー31に連結されており、アクチェータコイル4に通電することにより、磁石5との吸引、反発力によりカートリッジホルダー31を左右にスライド移動できる。
【0021】
カートリッジホルダー31のスライド領域の両端には、衝突用壁2a,2bが設けてあり、カートリッジホルダー31の移動ストロークは、装着されたカートリッジ6が衝突用壁2a,2bにぶつかるまで移動が可能に設定されている。衝突用壁2a,2bはカートリッジ6が衝突してもダメージを与えることのないように、ゴム等の柔らかい材質の弾性体で形成されていることが好ましい。
【0022】
アクチェータコイル4には、制御回路1がアクチェータドライバ回路3をドライブすることにより通電される。制御回路1にはフォトインタラプタ8の信号が入力されている。フォトインタラプタ8はカートリッジホルダー31と一体に移動するように取り付けられている。固定側には棒状の磁石5と平行にスリット盤7が取り付けられており、フォトインタラプタ8はスリット盤7に記録されたパターンを検出している。
【0023】
制御回路1は、フォトインタラプタ8の信号に基づいてカートリッジホルダー31の移動を監視しながらカートリッジホルダー31がスライド移動するスピードを左移動と、右移動とで可変したり、ストロークの設定を実行している。
【0024】
分析の工程を説明する。
まず、カートリッジ6には、図3(a)のように検体としての全血14が検体注入口6dより注入され、カートリッジホルダー31に装着セットされる。
【0025】
次に、カートリッジ6が図3(b)のように左側の衝突用壁2aにぶつかるように、制御回路1がカートリッジホルダー31を駆動する。フォトインタラプタ8にて、あらかじめ衝突用壁2aまで到達するように設定した移動距離を、スリット盤7のパルス数にて検知したら、カートリッジ6が今度は右方向に動くように、アクチェータコイル4に前記同様に電流が通電されカートリッジホルダー31が中央付近まで移動する。この場合もフォトインタラプタ8によりスリット盤7から得られる任意の設定パルス数を数えて停止し、また、左方向に反転移動する。これらの左右移動を繰り返し行う。
【0026】
なお、左方向への移動のスピードは衝突用壁2aに衝突した時の衝撃力により、赤血球が分離するだけのスピードが要求されるが、右方向へのスピードは移動後で停止する減速力が、折角分離した赤血球が戻らないように弱く設定する必要がある。
【0027】
このようにして、カートリッジが左の衝突用壁2aとぶつかることを繰り返すことにより、図3(b)のように血球16と血漿15とが徐々に分離し、血球16は比重が重いためカートリッジ6の左下の底部9bに溜まってくる。
【0028】
このようにして血球分離動作が終了すると、図3(c)のようにカートリッジ6を先ほどとは逆に右方向の衝突用壁2bにぶつける。この際の衝撃により、既に分離されて第1の凹部9の上部にある血漿15は、第1の突起11aを乗り越えて一部が孔9cから第2の凹部12へ入り込む。血球16は、底部9bと第2の突部11bによって形成された血球トラップ用くぼみ10に押し付けられ第1の凹部9に留まる。これを繰り返すことにより、血漿15は第1の突部11aの高さになるまで図3(d)に示すように第2の凹部12へ移送される。第2の凹部12には試薬13が予め設けられている。
【0029】
次に、試薬13と第2の凹部12における定量の血漿15との攪拌動作を行う。具体的には、左右の衝突用壁2a,2bにカートリッジ6がぶつかるようにカートリッジホルダー31の移動ストロークを拡大する。
【0030】
ただし、血漿15が第2の凹部12から第1の凹部9に戻らないように、衝突用壁2a,2bへの衝突力は血漿移動処理の場合よりも弱く設定する。また、左右の往復振動数は血漿移動処理の場合よりも高くして攪拌力を増すようにする。これにより定量された血漿15は試薬13と混合攪拌される。
【0031】
次に、カートリッジホルダー31を右にゆっくり移動させて、図3(e)に示すようにカートリッジ6が右の衝突用壁2bに当接して止まったところで、第1の測光ポイント19に設置してある410nmの光をLEDもしくはレーザ等により透過させて、受光光量を計測し、比色測定する。この光学測定には、測定用光源スポット及び受光素子の位置に正確にカートリッジ6の測光部を停止させる必要があるが、衝突用壁2bでスライド移動のリミット位置が規制されるため、簡単な構成であるけれども正確な測定用停止位置に誘導できる。
【0032】
もし、カートリッジ6を水平回転するターンテーブルに装着して回転するような機構であると、定位置に停止させるためにはセンサ機構やブレーキ機構が必要であったり、回転角そのものを管理するステッピングモータを必要としたりして複雑な構成が必要となる。
【0033】
次に、カートリッジホルダー31を左にゆっくり移動させて、図3(h)に示すようにカートリッジ6が左の衝突用壁2aに当接して止まったところで、今度は第2の測光ポイント20に設置してある640nmの光をLEDもしくはレーザ等により透過させて、比色測定する。このときにも、衝突用壁2aでスライド移動のリミット位置が規制されるため、簡単な構成であるけれども正確な測定用停止位置に誘導できる。
【0034】
これは、2種類の波長で計測する方が、濁度をキャンセルできるというメリットがあり、より正確な測定ができる。特に片側の1波長測定でも問題はない。
このカートリッジ6が左の衝突用壁2aに当接して止まる位置と、カートリッジ6が右の衝突用壁2bに当接して止まる位置との2箇所の停止位置は、計測位置のみならず、分析装置からカートリッジ6を取り出したり、装着したりするホームポジションとしても利用できる。特に、分析装置の外部から分析装置の内部に据え付けられているカートリッジホルダー31にアクセスする際に、分析装置の扉が二重扉の構造になっている時は必要な機能である。
【0035】
なお、ここで例とした光源の波長は、吸光分析において、測定対象物によって吸収波長が異なり、最適値が異なることから一つの参考例である。
このように、実施の形態1においては、カートリッジに壁面衝突という衝撃力の与え方により、血球分離、移送、攪拌、定位置停止といった動作を行うことができる。
【0036】
(実施の形態2)
図4(a)(b)は、カートリッジ6の別の具体例を示している。
図1に示したカートリッジ6の第1の凹部9と第2の凹部12の間を仕切っていた第1の突起11aはベース基板6aに一体に形成されており、第2の突起11bの先端に孔9cが形成されていたが、この実施の形態2では図4(a)に示すように第2の突起11bの先端が第2の凹部12に当接しており、実施の形態1の図1(a)に見られたような孔9cが形成されていない点が異なっている。
【0037】
この場合の第2の突起11bは可撓性を有しており、カートリッジ6が右の衝突用壁2bに当接したときの衝撃によって図4(b)に示すように第2の突起11bが撓んで、第2の突起11bの先端に孔9cが形成されるように構成されている。
【0038】
具体的には、第2の突起11bを移送弁として動作するように樹脂等の柔らかい材質にて形成し、カートリッジ6が衝突用壁2bにぶつかる衝撃時に図4(b)に示すように第2の突起11bが右側に傾動して血漿を第2の凹部12に送り込み、カートリッジ6が左方向に戻る時には、図4(a)に示すように孔9cを無くするように元の姿勢に復帰することで、血漿が第1の凹部9へ逆流するのを防ぐことができ、実施の形態1で起こる血漿液体の波面の高さによる定量誤差を防ぐことができる。
【0039】
(実施の形態3)
図5(a)(b)は、カートリッジ6の別の具体例を示している。
図4に示したカートリッジ6の第1の突起11aは弁体として作用する可撓性を有していたが、この実施の形態3の第1の突起11aは、基端部が支点24によって回動自在に支持されると共に、第1の突起11aがバネ25によって第1の突起11aの先端を第2の凹部12に当接させて実施の形態1の図1(a)に見られたような孔9cが形成されていないように付勢するように構成した点が実施の形態2とは異なっている。
【0040】
カートリッジ6が衝突用壁2bにぶつかる衝撃時に図5(b)に示すように第2の突起11bがバネ25の付勢力に抗して右側に傾動して血漿を第2の凹部12に送り込み、カートリッジ6が左方向に戻る時には、図5(a)に示すように孔9cを無くするように元の姿勢に復帰することで、血漿が第1の凹部9へ逆流するのを防ぐことができ、実施の形態1で起こる血漿液体の波面の高さによる定量誤差を防ぐことができる。
【0041】
(実施の形態4)
図6(a)(b)は、カートリッジ6の別の具体例を示している。
実施の形態1では図3(d)の工程においてカートリッジ6を、左右の衝突用壁2a,2bにカートリッジ6がぶつかるようにカートリッジホルダー31の移動ストロークを拡大して攪拌するだけであったが、図6(a)に示すこの実施の形態4では、第2の凹部12に可動可能な攪拌用錘23を設けた点が異なっている。攪拌用錘23は、検体や試薬より比重が重いものを使用している。
【0042】
この場合には、カートリッジ6が左右の衝突用壁2a,2bにぶつかったときに図6(b)に示すように攪拌用錘23が揺動するので、この攪拌用錘23の動きによって実施の形態1よりも大きな攪拌効果を期待できる。
【0043】
上記の各実施の形態では、これら検体の血球分離、攪拌動作について、棒状の磁石5とアクチェータコイル4とで構成されたリニアアクチェータの場合を例に挙げて説明したが、回転モータ駆動を、ラック等によりスライド動作にしたものでも同様の効果は得られる。また、圧電アクチェータによる振動を利用することも考えられる。この場合は微動ながら、高サイクルの振動により、同様の動作を行わせることが可能である。
【0044】
上記の各実施の形態において、カートリッジホルダー31へのカートリッジ6の取り付け姿勢は、検体注入口6dを上にした縦位置であったが、カートリッジホルダー31を傾けて取り付けてカートリッジ6を縦位置から0°から30°程度傾斜させた姿勢で分析することもできる。
【0045】
上記の各実施の形態において、カートリッジ6を衝突用壁2a,2bに衝突させて血漿分離処理や定量計量を実行する場合を例に挙げて説明したが、カートリッジホルダー31を衝突用壁2a,2bに衝突させて血漿分離処理や定量計量を実行することもできる。光学測定時のときのカートリッジ6の位置決めの場合も同様に、カートリッジホルダー31を衝突用壁2a,2bに当接させて位置決めすることもできる。
【0046】
上記の各実施の形態において、血球分離、検体移送、攪拌、定位置停止などのすべての動作を衝撃による動作としたが、スライド移動手段そのものを回転させて傾斜角度をつけたりするなどして、検体移送だけは他の方法によるものなど、他の装置形態と組み合わせた形態も考えられる。
【0047】
上記の各実施の形態ではスライド移動の往復運動範囲の端部に衝突用壁2a,2bを設けたが、衝突用壁2aを設けずに衝突用壁2bだけで分析することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は分析装置を小型でシンプルに構成できるため、携帯用分析装置などの実現に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1のカートリッジの要部の平面図とカートリッジの底面図
【図2】同実施の形態のカートリッジを使用する分析装置の構成図
【図3】分析方法の工程図
【図4】本発明の実施の形態2のカートリッジの説明図
【図5】本発明の実施の形態3のカートリッジの説明図
【図6】本発明の実施の形態4のカートリッジの説明図
【符号の説明】
【0050】
1 制御回路
2a,2b 衝突用壁
3 アクチェータドライバ回路
4 アクチェータコイル
5 アクチェータ用磁石
6 カートリッジ
7 スリット盤
8 フォトインタラプタ
9 第1の凹部
9a 第1の凹部9の上部
9b 第1の凹部9の底部
9c 孔
10 血球トラップ用くぼみ
11a 第1の突起
11b 第2の突起
12 第2の凹部
13 試薬
14 全血
15 血漿
16 血球
19 第1の測光ポイント
20 第2の測光ポイント
23 攪拌用錘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体が注入される第1の凹部と、
第1の凹部の上部に隣接して形成された第2の凹部と、
第1の凹部と第2の凹部の間に設けられた第1の突起と、
第1の凹部を上部と底部に仕切る第2の突起と、
第1の突起の先端と第2の凹部との間に形成されて第1の凹部と第2の凹部を連通する孔と
を設けた分析用カートリッジ。
【請求項2】
検体が注入される第1の凹部と、
第1の凹部の上部に隣接して形成された第2の凹部と、
第1の凹部と第2の凹部の間に設けられた第1の突起と、
第1の凹部を上部と底部に仕切る第2の突起と
を設け、第1の突起の先端が第2の凹部に当接して第2の凹部から第1の凹部への液体の逆流を規制し、作用した慣性力によって第1の突起が傾動して第1の凹部から第2の凹部への液体を流すように構成した
分析用カートリッジ。
【請求項3】
第2の凹部に作用した慣性力で揺動する攪拌用錘を設けた
請求項1または請求項2記載の分析用カートリッジ。
【請求項4】
請求項1に記載の分析用カートリッジの第1の凹部に検体を注入し、
分析用カートリッジをスライド移動させて作用した衝撃力によって血球成分と血漿成分に分離して第2の突起によって区切られた第1の凹部の底部に血球成分を収容し、
第1の凹部の上部に収容された血漿成分は分析用カートリッジをスライド移動させることにより第1の突起を超えて第1の突部の先端の孔を介して少なくとも一部を第2の凹部に移動し、
第2の凹部において血漿成分と試薬を混合し、
第2の凹部の混合液にアクセスして成分を計測する
分析方法。
【請求項5】
請求項2に記載の分析用カートリッジの第1の凹部に検体を注入し、
分析用カートリッジをスライド移動させて作用した衝撃力によって血球成分と血漿成分に分離して第2の突起によって区切られた第1の凹部の底部に血球成分を収容し、
分析用カートリッジをスライド移動させて作用した慣性力によって第1の突起を傾動させて第1の凹部の上部に収容された血漿成分を第1の凹部から第2の凹部へ少なくとも一部を第2の凹部に移動し、
第2の凹部において血漿成分と試薬を混合し、
第2の凹部の混合液にアクセスして成分を計測する
分析方法。
【請求項6】
検体が注入された分析用カートリッジがセットされるカートリッジホルダーと、
カートリッジホルダーをスライド移動させるスライド移動手段と、
分析用カートリッジまたはカートリッジホルダーに衝突する衝突用壁と、
第2の凹部の混合液にアクセスして成分を計測するアクセス手段と
を設けた分析装置。
【請求項7】
分析用カートリッジまたはカートリッジホルダーに衝突用壁が衝突した位置を前記アクセス手段による読み取り位置とした
請求項6記載の分析装置。
【請求項8】
分析用カートリッジまたはカートリッジホルダーに衝突用壁が衝突した位置を、前記カートリッジホルダーに対する前記分析用カートリッジの着脱位置とした
請求項6記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−257849(P2009−257849A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105213(P2008−105213)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】