説明

分析装置および試薬ボトルの管理方法

【課題】RFIDタグを用いて試薬管理を行なう場合における試薬製造工場側の負担を軽減することによって試薬製造から使用に至るまでの全体的な負荷軽減を実現する分析装置および試薬管理方法を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、分析装置1側において、読み取られたRFIDタグ11cにおける製造側管理情報をもとに種別かつロット番号が同一である試薬を収容した試薬ボトルが二以上あると判断した場合には、該二以上の試薬ボトルのRFIDタグ11cに対してそれぞれ識別可能であるボトル番号を書き込んで該二以上の試薬ボトルを識別できるようにすることによって、試薬製造側におけるシリアル番号の書込を省くことができるため、試薬製造工場側の負担軽減を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボトル内の試薬を用いて検体を分析する分析装置および分析に使用される試薬を管理する管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、反応容器に検体と試薬とを分注し、この反応容器内で生じた反応を光学的に検出することによって検体の分析等を自動的に行なう分析装置が知られている。このような分析装置では測定項目に応じて複数の試薬を試薬庫内に収納して管理する必要があることから、各試薬ボトルに試薬情報を記録したRFIDタグを付し(たとえば、特許文献1参照)、所定周波数の電波を介してRFIDタグを読み取ることによって各試薬ボトルに収容された試薬を管理する方法が提案されている。
【0003】
RFIDタグを用いて試薬を管理するために、まず、試薬製造工場側において、RFIDタグに試薬種別、使用される分析項目、試薬の有効期限、試薬ボトルタイプ、ロット番号および試薬ボトルごとに異なる番号であるシリアル番号などを試薬情報として書き込んでいる。そして、分析装置は、試薬ボトルに付されたRFIDタグ内の試薬情報を読み取って、RFIDタグから読み取った試薬種別および使用分析項目をもとに各試薬ボトルに収容された試薬を認識して分析処理に使用する試薬を選別し、RFIDタグから読み取った有効期限をもとに各試薬の有効期限切れを確認し、RFIDタグから読み取った試薬ボトルタイプをもとに試薬ボトル内の試薬残量を管理し、RFIDタグから読み取ったロット番号をもとにキャリブレーション処理制御を行なっている。
【0004】
ここで、分析装置においては、依頼数の多い分析項目に使用される試薬については同種別の複数の試薬ボトルが同じ試薬庫内に収納されることが多い。このような場合、分析装置は、試薬製造工場側において試薬情報としてRFIDタグに書き込まれたシリアル番号を用いて、同じ試薬庫内に収容された同種別の複数の試薬ボトルをそれぞれ区別していた。
【0005】
【特許文献1】特開2006−153524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このシリアル番号は、使用時における同種の試薬ボトル判別のために使用されるものであり、試薬を製造し出荷するまでの間の管理に必ずしも必要とされる情報ではないものである。それにも関わらず、試薬製造工場側においては、試薬ボトルごとに番号を変えたシリアル番号を各RFIDタグに書き込むという煩雑な処理を終えた後でなければ出荷できなかった。このため、従来においては、試薬製造工場側におけるRFID書込処理負担が多大なものとなっていた。
【0007】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、RFIDタグを用いて試薬管理を行なう場合における試薬製造工場側の負担を軽減することによって試薬製造から使用に至るまでの全体的な負荷軽減を実現する分析装置および試薬管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、ボトル内の試薬を用いて検体を分析する分析装置において、前記ボトルに付され、所定周波数の電波を介して外部と通信可能であるとともに、該ボトル内の試薬の種別およびロット情報を製造側管理情報として記憶する情報記憶媒体と、前記所定周波数の電波を介して前記情報記憶媒体に記憶された製造側管理情報を読み取る読取手段と、前記所定周波数の電波を介して前記ボトル内の試薬に応じた装置側管理情報を前記情報記憶媒体に書き込む書込手段と、前記読取手段によって読み取られた製造側管理情報をもとに種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あると判断した場合、該種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトルの情報記憶媒体に対してそれぞれ識別可能であるボトル情報を前記装置側管理情報として前記書込手段に書き込ませるとともに、各ボトルに付された情報記憶媒体に記憶された製造側管理情報および/または装置側管理情報を用いて各ボトル内の試薬を管理する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御手段は、前記種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報および前記ボトル情報を用いて管理し、他のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報を用いて管理することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記ボトルを複数収納するとともに分注対象であるボトルを試薬吸引位置に移動する移動手段をさらに備え、前記読取手段は、前記移動手段の移動処理にともなう前記ボトルの移動経路に応じて設けられ、前記移動経路上を移動する前記ボトルの情報記憶媒体から情報を読み取り、前記書込手段は、前記移動経路に応じて設けられ、前記移動経路上を移動する前記ボトルの情報記憶媒体に情報を書き込むことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記情報記憶媒体は、前記ボトル上面、前記ボトル底面または前記ボトル側面に付されており、前記読取手段および前記書込手段は、前記移動経路上を移動する前記ボトルに付された情報記録媒体と近接可能な位置に設けられることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記読取手段および前記書込手段は、複数の各ボトルにそれぞれ対応してそれぞれ複数配置されることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる管理方法は、分析に使用される試薬を管理する管理方法において、ボトルに付され、所定周波数の電波を介して外部と通信可能であるとともに該ボトル内の試薬の種別およびロット情報を製造側管理情報として記憶する情報記憶媒体から前記製造側管理情報を読み取る読取ステップと、前記読取ステップにおいて読み取られた製造側管理情報をもとに種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あるか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あると判断された場合、該種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトルの情報記憶媒体に対してそれぞれ識別可能であるボトル情報を書き込む書込ステップと、前記情報記憶媒体内における製造側管理情報および/または装置側管理情報を用いて各ボトル内の試薬を管理する管理ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる管理方法は、前記管理ステップは、前記種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報および前記ボトル情報を用いて管理し、他のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報を用いて管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、分析装置側において、読み取られた情報記憶媒体における製造側管理情報をもとに種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あると判断した場合には、該二以上のボトルの情報記憶媒体に対してそれぞれ識別可能であるボトル情報を書き込んで該二以上のボトルを識別できるようにすることによって、試薬製造側におけるシリアル情報の書込を省くことができるため、試薬製造工場側の負担軽減を実現して試薬製造から使用に至るまでの全体的な負荷軽減を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血液や尿などの検体に対して生化学分析を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0017】
図1は、実施の形態にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態にかかる分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応容器21にそれぞれ分注し、反応容器21内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構3とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって検体内における検出対象物の濃度を検出する生化学分析を順次自動的に行なう。
【0018】
まず、測定機構2について説明する。測定機構2は、大別して反応テーブル10、第1試薬庫11、第1試薬分注機構12、検体移送部13、検体分注機構14、第2試薬庫15、第2試薬分注機構16、攪拌部17、測光部18および洗浄部19を備える。
【0019】
反応テーブル10は、反応容器21への検体や試薬の分注、反応容器21の攪拌、洗浄または測光を行なうために反応容器21を所定の位置まで移送する。この反応テーブル10は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル10の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル10の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0020】
第1試薬庫11は、反応容器21内に分注される2種類の試薬のうち、最初に分注される第1試薬が収容された第1試薬ボトル11aを複数収納できる。第1試薬庫11には、複数の収納室が等間隔で配置されており、各収納室には第1試薬ボトル11aが着脱自在に収納される。たとえば第1試薬庫11は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、第1試薬庫11の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、分注対象である第1試薬ボトル11aを第1試薬分注機構12による試薬吸引位置まで移動する。第1試薬庫11の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられている。また、第1試薬庫11は保冷されている。このため、第1試薬庫11内に第1試薬ボトル11aが収納され、蓋が閉じられたときに、第1試薬ボトル11a内に収容された試薬を保冷状態に保ち、第1試薬ボトル11a内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0021】
また、第1試薬ボトル11aにおける第1試薬庫11外周側の側面には、第1試薬ボトル11aに収容された試薬に関する試薬情報を記憶するRFIDタグ11cが付されている。RFIDタグは、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおいて用いられるタグ形状の情報記憶媒体である。RFIDタグ11cが記憶する各種情報は、書き込みおよび読み取りを指示する所定周波数の電波を介して、読出しが可能であるとともに、書き込み、書き換えが可能である。このRFIDタグ11cには、製造側管理情報として、製造メーカーを示すメーカーコード、使用される分析項目を示す項目コード、試薬ボトルサイズなどを示すボトルタイプ、第1試薬または第2試薬のいずれかおよび試薬種別を示す試薬タイプ、試薬の有効期限、ロット番号が試薬製造工場側において書き込まれている。そして、分析装置1において種別かつロット番号が同一である試薬を収容した第1試薬ボトル11aが二以上あると判断された場合には、この二以上の各ボトルのRFIDタグ11cに対し、この二以上の各ボトルを識別可能であるボトル番号が装置側管理情報として書き込まれる。また、RFIDタグ11cは、製造側管理情報および装置側管理情報のほか、このRFIDタグ11cが付された第1試薬ボトル11a内の試薬の使用開始時期、第1試薬ボトル11a内の試薬残量など試薬使用によって発生する経過情報を記憶してもよい。
【0022】
そして、第1試薬庫11外周部には、このRFIDタグ11cを読み書きする第1試薬用リーダライタ11bが設けられている。第1試薬用リーダライタ11bは、制御部31の制御のもと、所定周波数の電波を介して、RFIDタグ11cに記憶された製造側管理情報、装置側管理情報などを読み取るとともに、第1試薬ボトル11a内の試薬に応じた装置側管理情報を、この第1試薬ボトル11aに付されたRFIDタグ11cに書き込む。この第1試薬用リーダライタ11bは、第1試薬庫11の移動処理にともなう第1試薬ボトル11aの移動経路に応じて設けられ、RFIDタグ11cと通信可能にできるように、移動経路上を移動する第1試薬ボトル11a上に付されたRFIDタグ11cと近接可能な位置に設けられる。第1試薬用リーダライタ11bは、この移動経路上を移動する第1試薬ボトル11aのRFIDタグ11cから情報を読み取り、また、移動経路上を移動する第1試薬ボトル11aのRFIDタグ11cに情報を書き込む。
【0023】
第1試薬分注機構12は、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられたアーム12aを備える。アーム12aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。第1試薬分注機構12は、図示しない吸排シリンジを用いた吸排機構を備える。第1試薬分注機構12は、第1試薬庫11上の試薬吸引位置に移動された分析対象である検体に指示された分析項目に対応する第1試薬ボトル11a内の試薬をプローブ内に吸引し、アーム12aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル10上の試薬吐出位置に搬送された反応容器21に分注する。
【0024】
検体移送部13は、血液や尿等、液体である検体を収容した複数の検体容器13aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック13bを備える。検体移送部13上の所定位置に移送された検体容器13a内の検体は、検体分注機構14によって、反応テーブル10上に配列して搬送される反応容器21に分注される。
【0025】
検体分注機構14は、第1試薬分注機構12と同様に、検体の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられたアーム14aと、図示しない吸排シリンジを用いた吸排機構を備える。検体分注機構14は、上述した検体移送部13上の所定位置に移送された検体容器13aの中からプローブ内に検体を吸引し、アーム14aを図中反時計回りに旋回させ検体を分注する。
【0026】
第2試薬庫15は、反応容器21内に分注される2種類の試薬のうち検体が分注された後に分注される第2試薬が収容された第2試薬ボトル15aを複数収納できる。第2試薬庫15には、第1試薬庫11と同様に、第2試薬ボトル15aが着脱自在に収納される複数の収納室が設けられている。第2試薬庫15は、第1試薬庫11と同様に、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第2試薬ボトル15aを第2試薬分注機構16による試薬吸引位置まで移動する。第2試薬ボトル15aの側面部には、第1試薬ボトル11aと同様に、第2試薬ボトル15aに収容された第2試薬に関する製造側管理情報および装置側管理情報などが記録されたRFIDタグ15cが付されている。このRFIDタグ15cには、RFIDタグ11cと同様に、製造側管理情報が試薬製造工場側において書き込まれている。そして、分析装置1において種別かつロット番号が同一である試薬を収容した第2試薬ボトル15aが二以上あると判断された場合には、この二以上の各ボトルのRFIDタグ15cに対し、この二以上の各ボトルを識別可能であるボトル番号が装置側管理情報として書き込まれる。また、第2試薬庫15の外周部には、第1試薬用リーダライタ11bと同様の機能を有し第2試薬ボトル15aに付されたRFIDタグ15cの情報の読み書きを行なう第2試薬用リーダライタ15bが設けられている。
【0027】
第2試薬分注機構16は、第1試薬分注機構12と同様に、第2試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられたアーム16aと、図示しない吸排シリンジを用いた吸排機構を備え、第2試薬庫15上の試薬吸引位置に移動された分析対象である検体に指示された分析項目に対応する第2試薬ボトル15a内の試薬をプローブ内に吸引後、反応テーブル10上の試薬吐出位置に搬送された反応容器21に分注する。攪拌部17は、反応容器21に分注された第1試薬、検体および第2試薬の攪拌を行ない、反応を促進させる。
【0028】
測光部18は、所定波長の光を反応容器21に発し、この反応容器21内の試薬と検体との反応液を通過した光を受光して分光強度測定を行なう。測光部18による測定結果は、制御部31に出力され、分析部34において分析される。
【0029】
洗浄部19は、図示しないノズルによって、測光部18による測定が終了した反応容器21内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄した反応容器21は再利用される。検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器21を廃棄し、図示しないが、新たな反応容器21を自動供給するようにしてもよい。
【0030】
つぎに、制御機構3について説明する。制御機構3は、制御部31、入力部33、分析部34、記憶部35、出力部36および送受信部37を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0031】
制御部31は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。
【0032】
入力部33は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部34は、測光部18によって測定結果をもとに、検体内における検出対象物の濃度を求め、検体の成分分析等を行なう。記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。送受信部37は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。
【0033】
そして、制御部31は、分析装置1内に設置された試薬ボトル内の試薬を管理する試薬管理部32を有する。試薬管理部32は、第1試薬ボトル11aおよび第2試薬ボトル15aにそれぞれ付された各RFIDタグ11c、15c内における製造側管理情報および/または装置側管理情報を用いて各第1試薬ボトル11aおよび各第2試薬ボトル15a内の試薬を管理する。
【0034】
試薬管理部32は、試薬を管理するために、まず、第1試薬用リーダライタ11bおよび第2試薬用リーダライタ15bによって読み取られた製造側管理情報をもとに種別かつロット番号が同一である試薬を収容したボトルが分析装置1内に二以上あるか否かを判断する。
【0035】
つぎに、試薬管理部32が種別かつロット番号が同一である試薬を収容したボトルが分析装置1内に二以上あると判断した場合について説明する。具体的には、図2に示すように、メーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限とともに、ロット番号が同一である試薬ボトル111a,112aが同じ第1試薬庫11内に収納されていた場合である。
【0036】
この場合、製造管理情報として記憶されるメーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限、ロット番号が全て同一であるため、試薬管理部32は、製造管理情報によって試薬ボトル111a,112aを識別することができない。このため、試薬管理部32は、この二以上のボトルの情報記憶媒体に対してそれぞれ識別可能であるボトル番号を装置側管理情報として第1試薬用リーダライタ11bおよび第2試薬用リーダライタ15bに書き込ませて、該二以上のボトルを識別できるようにする。たとえば、試薬管理部32は、第1試薬用リーダライタ11bに対して、図2の矢印Y1に示すように、試薬ボトル111aに付されたRFIDタグ111cにボトル番号「1」を書き込ませ、図2の矢印Y2に示すように、試薬ボトル112aに付されたRFIDタグ112cにボトル番号「2」を書き込ませる。そして、試薬管理部32は、種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上の試薬ボトル111a,112a内の試薬に対しては、製造側管理情報とともに各RFIDタグ111c,112cにそれぞれ書き込まれたボトル番号「1」または「2」を用いて各試薬ボトル111a,112aを識別して管理する。
【0037】
そして、試薬管理部32が種別かつロット番号が同一である試薬を収容したボトルが分析装置1内に二以上ないと判断した場合について説明する。具体的には、図3に示すように、メーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限が同一であるものの、ロット番号が異なる別ロットの試薬が収容された第1試薬ボトル113a,114aが同じ第1試薬庫11内に収納されていた場合である。
【0038】
この場合、製造管理情報として記憶される各情報のうちロット番号が異なるため、試薬管理部32は、図3の矢印Y3,Y4に示すように、第1試薬ボトル113a,114aに付されたRFIDタグ113cへのボトル番号の書込処理を行なわない。試薬管理部32は、このロット番号によって、第1試薬ボトル113a,114aを識別することができるためである。試薬管理部32は、種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上の試薬ボトル以外の他の試薬ボトル内の試薬に対しては、RFIDタグ11cに記憶される製造側管理情報を用いて各試薬ボトルを識別して管理する。
【0039】
ここで、従来の分析装置に使用する試薬については、使用時における同種の複数の試薬ボトル判別のためにシリアル番号を使用していた。このため、従来の分析装置に使用する試薬については、試薬製造工場側において、図4の矢印Y10に示すように、メーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限およびロット番号が同一であっても、シリアル番号を試薬ボトルごとに変えて書き込む必要があった。具体的には、図4に示すように、試薬製造工場に設置されたリーダライタ104から、各試薬ボトル110aに付されたRFIDタグ110cごとに、それぞれ異なるシリアル番号を含む指示電波DA11〜15を対応するRFIDタグ110cにそれぞれ発して、各RFIDタグ110cに書込処理を行なわなければならなかった。このシリアル番号は分析装置における試薬使用時に識別するためのものであり、試薬を製造し出荷するまでの間の管理に必ずしも必要とされる情報ではないものである。それにも関わらず、それぞれ番号を変えたシリアル番号を対応する各RFIDタグに書き込むという煩雑な処理を終えた後でなければ出荷できなかったため、試薬製造工場側におけるRFID書込処理負担が多大なものとなっていた。
【0040】
これに対し、分析装置1においては、RFIDタグ11c,15cから読み取った製造側管理情報のいずれかが異なる試薬を収容した試薬ボトル内の試薬に対しては装置側管理情報をそのまま用いて各試薬ボトル内の試薬を識別し、製造側管理情報のすべてが同一である試薬を収容した二以上の試薬ボトル内の試薬に対しては、この試薬を収容した各ボトルのRFIDタグ11c,15cにボトル番号を書き込んだ上で、このボトル番号と装置側管理情報とを用いて各試薬ボトル内の試薬を識別する。
【0041】
したがって、分析装置1に使用する試薬については、図5に例示するように、試薬製造工場においては、リーダライタ4から、メーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限およびロット番号の6種の情報を製造側管理情報として、各第1試薬ボトル11aに付されたRFIDタグ11cに書き込めば足りる。すなわち、分析装置1に使用する試薬については、試薬製造工場において、各試薬ボトル区別のためのシリアル番号を書き込む必要がない。したがって、分析装置1に使用する試薬については、試薬種別、収容された試薬量およびロット番号などの試薬そのものを本質的に示す情報であって製造から出荷までの間に必要とされる情報のみをリーダライタ4で書き込めば、試薬製造工場から出荷することができる。特に同ロットの試薬を収容した試薬ボトルに対してはメーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限およびロット番号がまったく同じ情報を装置側管理情報として書き込むため、一括書込みが可能である場合には、矢印Y5に示すように、複数のRFIDタグ11cに対して書き込みを指示する指示電波D1をリーダライタ4から一度発するだけで装置側管理情報の書込処理を終えることができる。
【0042】
このように、分析装置1について使用される試薬については、試薬製造側における使用時のボトル判別のためのシリアル番号書込を省略できるため、試薬製造工場側の負担軽減を実現できる。
【0043】
さらに、分析装置1においては、RFIDタグ11c,15cから読み取った製造側管理情報によって各試薬ボトル内の試薬を判別できない試薬ボトルに対してだけ、RFIDタグ11c,15cにボトル番号を書き込んで各試薬ボトルを識別できるようにしている。言い換えると、分析装置1は、必要な場合にのみボトル番号の書込処理を行なっている。このため、分析装置1によれば、全てのボトルに対してボトル番号を書き込む場合と比較して試薬使用時における試薬管理負担を軽減することができるため、試薬製造から使用に至るまでの全体的な負荷軽減を実現することができる。
【0044】
つぎに、図6を参照して、分析装置1における試薬識別処理について説明する。図6に示すように、制御部31が分析装置1内に新たな試薬ボトルが設置されたと判断した場合(ステップS2)、試薬管理部32は、第1試薬用リーダライタ11b、第2試薬用リーダライタ15bに対して、新たに試薬ボトルが設置された試薬庫内の全試薬ボトルのRFIDタグ11c,15c内の装置側管理情報を読み取らせるタグ情報読取処理を行なう(ステップS4)。この場合、第1試薬用リーダライタ11b、第2試薬用リーダライタ15bは、各RFIDタグ11c、15c内のメーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限およびロット番号を少なくとも読み取れば足りる。
【0045】
そして、試薬管理部32は、RFIDタグ11c,15cから読み取った各装置側管理情報をもとに、確認対象の種別の試薬において、ロット番号が同一である試薬ボトルが二以上あるか否かを判断する(ステップS6)。試薬管理部32は、ロット番号が同一である試薬ボトルが二以上あると判断した場合(ステップS6:Yes)、第1試薬用リーダライタ11b、第2試薬用リーダライタ15bに対し、これらの各試薬ボトルに付されたRFIDタグ11c,15cにそれぞれ異なるボトル番号を書き込ませるボトル番号書込処理を行なう(ステップS8)。
【0046】
次いで、試薬管理部32は、ロット番号が同一である試薬ボトルが二以上ないと判断した場合(ステップS6:No)、または、ボトル番号書込処理(ステップS8)が終了した場合、全種別の試薬に対しロット番号を確認したか否かを判断する(ステップS10)。試薬管理部32は、全種別の試薬に対しロット番号を確認していないと判断した場合(ステップS10:No)、ステップS6に進み、次に確認対象の種別の試薬において、ロット番号が同一である試薬ボトルが二以上あるか否かを判断する。一方、試薬管理部32は、全種別の試薬に対しロット番号を確認したと判断した場合(ステップS10:Yes)、RFIDタグ11c,15c内の製造側管理情報および/または装置側管理情報などを用いて試薬ボトル内の試薬の使用管理を実施する(ステップS12)。
【0047】
この分析装置1における試薬識別処理は、分析装置1内に試薬ボトルが新たに設置されるごとに行われる。そして、分析装置1における試薬識別処理においては、他装置で途中まで使用されていた試薬ボトルであって既にRFIDタグ11c,15c内にボトル番号が書き込まれていた試薬ボトルが新たにセットされた場合であっても、メーカーコード、項目コード、ボトルタイプ、試薬タイプ、試薬の有効期限およびロット番号が同一である試薬ボトルが他にある場合には、このボトルのRFIDタグ内のボトル番号を新たなボトル番号に書き替えるため、各試薬ボトルを適切に識別することができる。
【0048】
なお、分析装置1においては、RFIDタグ11c,15c内に、試薬の使用開始時期および試薬ボトル内の試薬残量など試薬使用によって発生する経過情報を随時書き込み、試薬使用ごとに試薬ボトル内の試薬の残量や有効期限超過の有無を判断して、試薬使用のさらなる適正化を図ってもよい。
【0049】
また、図1においては、各試薬ボトルの側面にRFIDタグ11c,15cを付し、第1試薬庫11および第2試薬庫15の外周部に第1試薬用リーダライタ11bおよび第2試薬用リーダライタ15bを設けた場合を例に説明したが、これに限らない。たとえば、図7に例示するように、第1試薬ボトルの底面にRFIDタグ11cを付し、第1試薬庫11下部に第1試薬用リーダライタ11bを設けて、RFIDタグ11c,15cへの読み書きを行ってもよい。この場合、第1試薬用リーダライタ11bは、第1試薬ボトル11a移動経路に応じた領域であって、試薬テーブル11eの回転処理によって移動する第1試薬ボトル11aのRFIDタグ11cと近接可能な位置に設ければよい。
【0050】
また、第1試薬庫11の他の例の概略断面図である図8に例示するように、第1試薬ボトル11aの上面に、RFIDタグ11cを付し、第1試薬庫11の内部を覆う蓋体11dの下面に第1試薬用リーダライタ11bを設けて、RFIDタグ11c,15cへの読み書きを行ってもよい。この場合、第1試薬用リーダライタ11bは、回転する試薬テーブル11e上に配置された第1試薬ボトル11a移動経路に応じた領域であって、試薬テーブル11eの回転処理によって移動する第1試薬ボトル11aのRFIDタグ11cと近接可能な位置に設ければよい。
【0051】
また、図9に示すように、分析装置1は、複数の試薬ボトル211aを直線状に2列に配列した状態で収納できる試薬庫211が設けられた測定機構202を備えてもよい。試薬ボトル211aは、平面形状が長方形状である。そして、試薬庫211の概略断面図である図10に示すように、試薬ボトル211aの上面には、RFIDタグ11cが付されている。そして、図9および図10に示すように、これらの試薬ボトル211aから試薬を吸引する試薬分注機構220は、支軸221を中心として水平方向に回動するアーム部223に試薬を分注するプローブ225が設けられて構成されている。アーム部223は、一端が支軸221に連結された第1アーム223aと、一端が第1アーム223aの他端に連結された第2アーム223bと、一端が第2アーム223bの他端に連結された第3アーム223cとを有し、第3アーム223cの他端側に、プローブ225と第1試薬用リーダライタ11bが設けられている。
【0052】
このアーム部223において、第1アーム223a及び第2アーム223bを角変位させることによって、第3アーム223cのプローブ225を試薬庫211の蓋体211dに設けられた各試薬孔211f上方に移動させるとともに、第3アーム223cに配設された第1試薬用リーダライタ11bを試薬庫211に収納された各試薬ボトル211aの上面に設けられたRFIDタグ11cと対向させることができる。制御部31は、アーム部223の動作を制御して、第3アーム223cに配設された第1試薬用リーダライタ11bを試薬庫211に収納された試薬ボトル211aの上面に設けられたRFIDタグ11cと順次対向させて、RFIDタグ11c内の情報を読み取り、および、RFIDタグ11c内に情報を書き込む。図9および図10においては、第3アームまでの例で説明したが、必要に応じて第2アームまでのものでもよい。
【0053】
また、試薬ボトルに付されたRFIDタグを読み取るリーダライタを、各試薬ボトルに対応させて複数配置してもよい。具体的には、図11に例示するように、第1試薬庫11の各収納室に収納された試薬ボトル111a〜116aにそれぞれ対応する試薬用リーダライタ111b〜116bを配置する。この場合、試薬用リーダライタ111bは、試薬ボトル111aに付されたRFIDタグ111cに対する情報の読み取りおよび書き込みを行い、試薬用リーダライタ112bは、試薬ボトル112aに付されたRFIDタグ112cに対する情報の読み取りおよび書き込みを行い、試薬用リーダライタ113bは、試薬ボトル113aに付されたRFIDタグ113cに対する情報の読み取りおよび書き込みを行い、試薬用リーダライタ114bは、試薬ボトル114aに付されたRFIDタグ114cに対する情報の読み取りおよび書き込みを行い、試薬用リーダライタ115bは、試薬ボトル115aに付されたRFIDタグ115cに対する情報の読み取りおよび書き込みを行い、試薬用リーダライタ116bは、試薬ボトル116aに付されたRFIDタグ116cに対する情報の読み取りおよび書き込みを行う。
【0054】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施の形態にかかる分析装置の要部構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す分析装置におけるボトル番号付与処理を説明する図である。
【図3】図1に示す分析装置におけるボトル番号付与処理を説明する図である。
【図4】従来の分析装置に使用される試薬ボトルのRFIDタグへの書込処理を説明する図である。
【図5】図1に示す分析装置に使用される試薬ボトルのRFIDタグへの書込処理を説明する図である。
【図6】図1に示す分析装置における試薬識別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図1に示す試薬庫の要部の他の例を示す模式図である。
【図8】図1に示す試薬庫の要部の他の例を示す断面図である。
【図9】図1に示す測定機構の他の例を説明する斜視図である。
【図10】図9に示す試薬庫の要部の断面図である。
【図11】図1に示す試薬用リーダライタの他の配置例を説明する図である。
【符号の説明】
【0056】
1 分析装置
2 測定機構
3 制御機構
4 リーダライタ
10 反応テーブル
11 第1試薬庫
11a 第1試薬ボトル
11b 第1試薬用リーダライタ
11c,15c,111c〜116c RFIDタグ
11d 蓋体
11e 試薬テーブル
12 第1試薬分注機構
12a,14a,16a アーム
13 検体移送部
13b 検体ラック
13a 検体容器
14 検体分注機構
15 第2試薬庫
15a 第2試薬ボトル
15b 第2試薬用リーダライタ
16 第2試薬分注機構
17 攪拌部
18 測光部
19 洗浄部
21 反応容器
31 制御部
32 試薬管理部
33 入力部
34 分析部
35 記憶部
36 出力部
37 送受信部
104 リーダライタ
220 試薬分注機構
211 試薬庫
211a 試薬ボトル
211d 蓋体
211f 各試薬孔
221 支軸
223 アーム部
225 プローブ
111a〜116a 試薬ボトル
111b〜116b 試薬用リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル内の試薬を用いて検体を分析する分析装置において、
前記ボトルに付され、所定周波数の電波を介して外部と通信可能であるとともに、該ボトル内の試薬の種別およびロット情報を製造側管理情報として記憶する情報記憶媒体と、
前記所定周波数の電波を介して前記情報記憶媒体に記憶された製造側管理情報を読み取る読取手段と、
前記所定周波数の電波を介して前記ボトル内の試薬に応じた装置側管理情報を前記情報記憶媒体に書き込む書込手段と、
前記読取手段によって読み取られた製造側管理情報をもとに種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あると判断した場合、該種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトルの情報記憶媒体に対してそれぞれ識別可能であるボトル情報を前記装置側管理情報として前記書込手段に書き込ませるとともに、各ボトルに付された情報記憶媒体に記憶された製造側管理情報および/または装置側管理情報を用いて各ボトル内の試薬を管理する制御手段と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報および前記ボトル情報を用いて管理し、他のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報を用いて管理することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記ボトルを複数収納するとともに分注対象であるボトルを試薬吸引位置に移動する移動手段をさらに備え、
前記読取手段は、前記移動手段の移動処理にともなう前記ボトルの移動経路に応じて設けられ、前記移動経路上を移動する前記ボトルの情報記憶媒体から情報を読み取り、
前記書込手段は、前記移動経路に応じて設けられ、前記移動経路上を移動する前記ボトルの情報記憶媒体に情報を書き込むことを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記情報記憶媒体は、前記ボトル上面、前記ボトル底面または前記ボトル側面に付されており、
前記読取手段および前記書込手段は、前記移動経路上を移動する前記ボトルに付された情報記録媒体と近接可能な位置に設けられることを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記読取手段および前記書込手段は、複数の各ボトルにそれぞれ対応してそれぞれ複数配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項6】
分析に使用される試薬を管理する管理方法において、
ボトルに付され、所定周波数の電波を介して外部と通信可能であるとともに該ボトル内の試薬の種別およびロット情報を製造側管理情報として記憶する情報記憶媒体から前記製造側管理情報を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにおいて読み取られた製造側管理情報をもとに種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて種別かつロット情報が同一である試薬を収容したボトルが二以上あると判断された場合、該種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトルの情報記憶媒体に対してそれぞれ識別可能であるボトル情報を書き込む書込ステップと、
前記情報記憶媒体内における製造側管理情報および/または装置側管理情報を用いて各ボトル内の試薬を管理する管理ステップと、
を含むことを特徴とする管理方法。
【請求項7】
前記管理ステップは、前記種別かつロット情報が同一である試薬を収容した二以上のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報および前記ボトル情報を用いて管理し、他のボトル内の試薬に対しては前記製造側管理情報を用いて管理することを特徴とする請求項6に記載の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−298590(P2008−298590A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145138(P2007−145138)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】