説明

分析装置

【課題】分析処理中の試薬不足発生を確実に防止することができる分析装置を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる分析装置1は、第1試薬庫24または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を一時的に仮置きできる空きスペース281を予備庫28内に設け、この空きスペース281に第1試薬庫24または第2試薬庫26内の試薬ボトルを仮置きして第1試薬庫24または第2試薬庫26内に空きスペースを生成することによって、補充対象の試薬ボトルを予備庫28から第1試薬庫24または第2試薬庫26内に移送可能とし、分析処理中の試薬不足発生を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試薬ボトル内の試薬を用いて検体を分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体を自動的に分析する装置として、試薬が分注されたキュベットに検体を加え、キュベット内の試薬と検体の間で生じた反応を光学的に検出する分析装置が知られている。近年、分析処理中における試薬不足発生を防止するため、試薬ボトルを収納した試薬庫とは別個に、予備の試薬ボトルを保管できる予備庫と、試薬庫に補充すべき試薬ボトルを予備庫から試薬庫に移送する移送機構とを備えた分析装置が提案されている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2867619号公報
【特許文献2】国際公開第02/059624号パンフレット
【特許文献3】特開平11−30618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分析装置では、試薬庫内が試薬ボトルで満杯だった場合には、この試薬庫内に廃棄ボトルが生じて新たに空きスペースができるまで、予備庫に保管していた試薬ボトルを試薬庫内に移送することができなかった。したがって、従来の分析装置においては、分析処理のために新たな試薬ボトルを試薬庫内に補充すべき場合であっても、試薬庫内が満杯である場合には補充対象の試薬ボトルを予備庫から試薬庫内に移送できないため、分析処理中に試薬不足が発生し、分析処理を中断せざるを得なかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析処理中の試薬不足発生を確実に防止することができる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、試薬ボトル内の試薬を用いて検体を分析する分析装置であって、前記試薬ボトルを内部に収納する試薬庫と、予備の試薬ボトルを内部に収納する予備庫と、少なくとも前記試薬庫と前記予備庫との間で前記試薬ボトルを移送する移送機構と、を備え、前記試薬庫内の試薬ボトルを一時的に仮置きできるバッファ部が設けられたことを特徴とする。
【0007】
また、この発明にかかる分析装置は、前記バッファ部は、前記予備庫内に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記バッファ部は、前記試薬庫および前記予備庫とは別個に前記移送機構による前記試薬ボトルの移送経路に設けられることを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記バッファ部は、前記移送機構に設けられることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記試薬ボトルが通過可能である内部空間を有し、前記予備庫内部と前記試薬庫内部とを連結する連結機構をさらに備え、前記移送機構は、前記連結機構内を介して前記試薬ボトルを移送し、前記バッファ部は、前記連結機構内に設けられることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記予備庫の試薬ボトルを前記試薬庫に補充する場合であって前記試薬庫内に補充対象の前記試薬ボトルを収納できるスペースがなかった場合には、前記移送機構に対して、前記試薬庫に収納された試薬ボトルのうち退避対象の試薬ボトルを前記試薬庫から前記バッファ部に移送させるとともに、前記退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに前記予備庫から補充対象の前記試薬ボトルを移送させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御手段は、前記試薬庫に収納された各試薬ボトルの試薬残量、各試薬ボトル内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数をもとに前記試薬庫に補充すべき試薬ボトルを判断することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御手段は、前記試薬庫に収容された各試薬ボトルの試薬残量、各試薬ボトル内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数をもとに、前記試薬庫に収納された試薬ボトルの中から前記バッファ部に退避させる試薬ボトルを選択することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、前記予備庫は、複数設けられ、前記制御手段は、前記試薬ボトルの使用状態に対応させて各試薬ボトルを収納する前記予備庫を設定することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析装置は、前記予備庫は、保冷機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、試薬庫内の試薬ボトルを一時的に仮置きできるバッファ部を設け、このバッファ部に試薬庫内の試薬ボトルを仮置きして試薬庫内に空きスペースを生成することによって、補充対象の試薬ボトルを予備庫から試薬庫内に移送可能とし、分析処理中の試薬不足発生を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血液や尿などの検体に対して生化学分析を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0018】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1においては、予備の試薬ボトルを収納する予備庫内に常に空きスペースを設け、この空きスペースを用いて、この空きスペースに試薬庫内の試薬ボトルを仮置きできるようにしている。
【0019】
図1は、実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応テーブル23内の各キュベットにそれぞれ分注し、分注したキュベット内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構4とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学分析を自動的に行なう。
【0020】
測定機構2は、大別して検体移送部21、検体分注部22、反応テーブル23、第1試薬庫24、第1試薬分注部25、第2試薬庫26、第2試薬分注部27、予備庫28、攪拌部32、測光部33および洗浄部34を備える。
【0021】
検体移送部21は、血液を検体として収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック21bを備える。検体移送部21上の所定位置に移送された検体容器21a内の検体は、検体分注部22によって、反応テーブル23上に配列して搬送されるキュベットに分注される。
【0022】
検体分注部22は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム22aを備える。このアーム22aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう検体ノズルが取り付けられている。検体分注部22は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注部22は、上述した検体移送部21の検体吸引位置に移送された検体容器21aの中から検体を吸引し、アーム22aを図中反時計回りに旋回させ、反応テーブル23の検体分注位置のキュベットに検体を吐出して分注を行なう。
【0023】
反応テーブル23は、検体や試薬の分注、キュベット内での検体、試薬の攪拌、洗浄または測光を行なうためにキュベットを所定の位置まで移送する。この反応テーブル23は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル23の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル23は、上方に、各液体吐出位置や攪拌・洗浄位置に対応する箇所に孔がそれぞれ設けられた開閉自在な外蓋を備え、下方に恒温槽を備える。
【0024】
第1試薬庫24は、キュベット内に分注される2種類の試薬のうち、最初に分注される第1試薬が収容された試薬ボトル30を着脱自在に複数収納できる。第1試薬庫24は、制御部41の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、第1試薬庫24の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬ボトルを第1試薬分注部25による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬庫24の上方には、図示しない開閉自在な蓋が設けられている。また、第1試薬庫24は、保冷機能を備えている。
【0025】
試薬ボトル30の側面部には、試薬ボトル30に収容された試薬に関する試薬情報が記録された記憶媒体が付されている。たとえば、記憶媒体は、試薬ボトル30に収容された試薬が使用される分析項目、試薬の名称、開封後有効期限、収容する試薬容量、ロット情報、ボトル情報などを記憶する。この記憶媒体は、符号化された各種の情報を表示し光学的に読み取られるバーコード記号であるほか、所定周波数の電波を介して記憶する試薬情報の送信および記憶する試薬情報の書替えを行なうRFIDタグであってもよい。
【0026】
第1試薬庫24の外周部には、この記憶媒体を読み取る第1読取部24bが設けられている。第1読取部24bは、記憶媒体に対して赤外光または可視光を発し、記憶媒体からの反射光を処理することによって、記憶媒体の情報を読み取る。また、第1読取部24bは、記憶媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記憶媒体の情報を取得してもよい。また、第1読取部24bは、所定周波数の電波を介して、記憶媒体の情報の読み取りおよび記憶媒体の情報の書替えを行なってもよい。第1読取部24bは、読み取った記憶媒体の情報を、この記憶媒体が付された試薬ボトル30の第1試薬庫24内のポジションに対応づけて制御部41に出力する。
【0027】
第1試薬分注部25は、検体分注部22と同様に、キュベット内に分注される2種類の試薬のうち第1試薬の吸引および吐出を行なう試薬ノズルが先端部に取り付けられたアーム25aを備える。アーム25aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。第1試薬分注部25は、第1試薬庫24上の試薬吸引位置に移動された試薬ボトル30内の試薬をノズルによって吸引し、アーム25aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル23上の所定位置に搬送されたキュベットに分注する。
【0028】
第2試薬庫26は、キュベット内に分注される2種類の試薬のうち、第1試薬の次に分注される第2試薬が収容された試薬ボトルを着脱自在に複数収納できる。第2試薬庫26は、第1試薬庫24と同様に、制御部41の制御のもと、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬ボトルを第2試薬分注部27による試薬吸引位置まで移送する。第2試薬庫26の上方には、図示しない開閉自在な蓋が設けられている。また、第2試薬庫26は、保冷機能を備えている。
【0029】
第2試薬庫26の外周部には、第1読取部24bと同様に、試薬ボトル30の側面に付された記憶媒体を光または所定周波数の電波を介して読み取る第2読取部26bが設けられている。第2読取部26bは、読み取った記憶媒体の情報を、この記憶媒体が付された試薬ボトル30の第2試薬庫26内のポジションに対応づけて制御部41に出力する。
【0030】
第2試薬分注部27は、第1試薬分注部25と同様に、第2試薬の吸引および吐出を行なう試薬ノズルが先端部に取り付けられたアーム27aを備える。アーム27aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。第2試薬分注部27は、第2試薬庫26上の試薬吸引位置に移動された試薬ボトル30内の試薬をノズルによって吸引し、アーム27aを図中反時計回りに旋回させ、反応テーブル23上の所定位置に搬送されたキュベットに分注する。
【0031】
予備庫28は、第1試薬庫24または第2試薬庫26とは別個に設けられており、第1試薬庫24または第2試薬庫26への補充対象となる予備の試薬ボトル30を内部に収納する。予備庫28は、複数の試薬ボトル30を着脱自在に複数収納できる。予備庫28は、第1試薬庫24または第2試薬庫26と同様に、制御部41の制御のもと、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬ボトル30をボトル移送部29によるボトル取り出し位置まで移送する。予備庫28の上方には、図示しない開閉自在な蓋が設けられている。また、予備庫28は、保冷機能を備えている。
【0032】
予備庫28の外周部には、第1読取部24bおよび第2読取部26bと同様に、試薬ボトル30の側面に付された記憶媒体を光または所定周波数の電波を介して読み取る予備庫用読取部28bが設けられている。予備庫用読取部28bは、読み取った記憶媒体の情報を、この記憶媒体が付された試薬ボトル30の予備庫28内のポジションに対応づけて制御部41に出力する。
【0033】
この予備庫28内には、必ず空きスペースができるように管理されている。図2は、予備庫28に設けられた外蓋を外した場合における予備庫28の平面図である。図2に示すように、予備庫28には、各試薬ボトル収納ポジションのうち一つを覆うカバー部284aを有する内蓋284が設けられている。この内蓋284は、測定機構2におけるベース部材に固定して設けられており、予備庫28における外蓋を外した場合には、常に図2の配置で一つのボトル収納ポジションを覆う。予備庫28には、図示しない駆動機構によって回転することによって、収納する試薬ボトルを所望の位置に移送する試薬トレイ285が設けられている。この試薬トレイ285は、試薬ボトル30補充時には、内蓋284におけるカバー部284aの下方に、試薬ボトル30が収納されていない空きスペースが常に位置するように各試薬ボトルを移送している。このように、分析装置1においては、カバー部284aで覆われたスペースには試薬ボトル30を補充できないようにして、空きスペースが常にできるようにしている。
【0034】
ボトル移送部29は、少なくとも第1試薬庫24と予備庫28との間または第2試薬庫26と予備庫28との間で、試薬ボトル30を移送する。ボトル移送部29は、図3に示すように、図示しない駆動機構によって、矢印Y5aのように鉛直方向への昇降および矢印Y5bのように自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう支柱29aと、この支柱29aに取り付けられ支柱29aの昇降動作および回転動作にしたがって昇降および回転するアーム29bを備える。このアーム29bの先端部には、試薬ボトル30を把持できるチャック部29c,29dが設けられている。チャック部29cは、制御部41の制御によって回転するカム29eと接続し、カム29eの回転にしたがって図中左右に動く。チャック部29dは、制御部41の制御によって回転するカム29fと接続し、カム29fの回転にしたがって図中左右に動く。
【0035】
ボトル移送部29は、図3の試薬ボトル30を把持する場合には、支柱29aを回転および支柱29aを降下させて、チャック部29c,29dを試薬ボトル30上部まで移動した後、カム29e,20fを回転させて左右に広がっていたチャック部29c,29dを矢印Y6,Y7のように閉じることによって試薬ボトル30を把持する。そして、ボトル移送部29は、支柱29aを上昇および支柱29aを回転させて、把持した試薬ボトル30を移送目的位置まで移送した後、支柱29aを降下させた後にカム29e,29fを回転させてチャック部29c,29dを左右に広げることによって、この試薬ボトル30の把持を解除する。
【0036】
攪拌部32は、キュベットに分注された検体と試薬との攪拌を行い、反応を促進させる。測光部33は、所定の測光位置に搬送されたキュベットに光を照射し、キュベット内の液体を透過した光を分光し、反応液に特有の波長の透過光量を測定する。この測光部33による測定結果は、制御部41に出力され、分析部43において分析される。洗浄部34は、図示しない洗浄ノズルによって、測光部33による測定が終了したキュベット内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄したキュベットは再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後にキュベットを廃棄してもよい。
【0037】
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、制御部41と、入力部42と、分析部43と、記憶部44と、出力部45とを備える。測定機構2および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。
【0038】
制御部41は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部41は、予備庫28の試薬ボトルを第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先である第1試薬庫24または第2試薬庫26内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部29に対して、補充先の第1試薬庫24または第2試薬庫26に収納された試薬ボトル30のうち退避対象の試薬ボトルを試薬庫内から予備庫28内の空きスペース281に移送させるとともに、退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに予備庫28から補充対象の試薬ボトル30を移送させる。
【0039】
入力部42は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。入力部42は、図示しない通信ネットワークを介し、外部装置から検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を取得してもよい。分析部43は、図示しない測光部によって測定された測定結果をもとに、吸光度等を演算し検体内における検出対象物の濃度を求め、検体の成分分析等を行なう。記憶部44は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部44は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。出力部45は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。また、出力部45は、図示しない通信ネットワークを介し、外部装置に検体の分析結果を含む諸情報を出力してもよい。
【0040】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数のキュベットに対して、検体分注部22が検体容器21a中の検体を分注し、第1試薬分注部25および第2試薬分注部27が試薬ボトル30中の試薬を分注した後、図示しない測光部が検体と試薬とを反応させた状態の検体の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部43が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。
【0041】
この分析装置1においては、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内が試薬ボトルで満杯であった場合であっても、予備庫28内に常に設けられた空きスペース281に第1試薬庫24内または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮置きして、補充対象の試薬ボトル30を補充している。図4を参照して、図1に示す分析装置1における試薬ボトル補充処理について詳細に説明する。
【0042】
図4に示すように、まず、制御部41は、分析処理においていずれの試薬が不足するかを判断する不足試薬判断処理を行なう(ステップS2)。制御部41は、たとえば、この不足試薬判断処理が入力部42を介して指示された場合、または、予め設定された一定期間経過時に、不足試薬判断処理の処理タイミングであると判断する。たとえば、分析装置1の使用者の入力操作によって不足試薬判断処理が指示された場合のほか、前回不足試薬判断時から一定期間この判断処理が行なわれていない場合など、分析装置1が自動的に不足試薬判断処理を行なう場合などである。また、制御部41は、この不足試薬判断処理として、各試薬庫に収容された各試薬ボトル30の試薬残量、各試薬ボトル30内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル30内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数をもとに、不足試薬を予測する。また、制御部41は、不足する試薬が2種以上ある場合には、この2種以上のうち、補充の優先順位を設定する。たとえば、制御部41は、各試薬庫に収容された各試薬ボトル30の試薬残量、各試薬ボトル30内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル30内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数などをもとに、試薬不足の発生時間が早い方の試薬の補充を優先させる。また、制御部41は、試薬不足判断対象の試薬ボトル30内の試薬残量が予め設定していたショット数に対応する容量以下となった場合に、この試薬ボトル30の試薬は不足すると判断してもよい。
【0043】
制御部41は、不足試薬判断処理を行なった結果をもとに、各試薬庫内に不足が予測される不足試薬があるか否かを判断する(ステップS4)。制御部41は、不足試薬がないと判断した場合(ステップS4:No)、試薬庫内に補充すべき試薬ボトルがないため、このまま試薬ボトル補充処理を終了する。
【0044】
これに対し、制御部41は、不足試薬があると判断した場合(ステップS4:Yes)、不足する試薬を収納した試薬ボトル30が予備庫28内に予備用として収納されているか否かを判断するため、予備庫用読取部28bに対して、予備庫28内に収納されている試薬ボトル30に付された記憶媒体を読み取らせる予備庫内ボトル読取処理を行なう(ステップS6)。制御部41は、予備庫内ボトル読取処理において、予備庫28内の試薬トレイ285を回転させながら予備庫用読取部28bに読取処理を行なわせることによって、予備庫28のいずれのスペースにどの種別の試薬ボトル30が収納されているかを認識することができる。
【0045】
そして、制御部41は、予備庫内ボトル読取処理を行なった結果をもとに、予備庫28内に、分析中に不足する試薬を収納した試薬ボトル30であって補充対象である試薬ボトルがあるか否かを判断する(ステップS8)。
【0046】
制御部41は、予備庫28内に補充対象である試薬ボトルがないと判断した場合(ステップS8:No)、出力部45に対して、試薬不足を予告するアラームを出力させる(ステップS10)。この試薬不足予告アラームとして、制御部41は、所定の警告灯を点灯させるほか、試薬不足を予告する警告音声を音声出力させてもよく、また、ディスプレイに試薬不足を予告する旨の警告メニューを表示出力させてもよい。
【0047】
次いで、制御部41は、出力部45を構成するディスプレイに対し、予備庫28内にセットすべき試薬ボトルの内容を表示させる(ステップS12)。このディスプレイに表示された内容を確認することによって、分析装置1のオペレータは、補充すべき試薬ボトル30を予備庫28内にセットする。なお、予備庫28には、前述した内蓋284が設けられているため、必ず一の空きスペースがある状態を維持する。
【0048】
そして、制御部41は、予備庫28の外蓋の閉動作などをもとに、予備庫28内へ新たに試薬ボトル30がセットされたか否かを判断し(ステップS14)、予備庫28内へ新たに試薬ボトル30がセットされるまでステップS14の判断処理を繰り返す。そして、制御部41は、予備庫28内へ新たに試薬ボトル30がセットされたと判断した場合(ステップS14:Yes)、予備庫28内に補充対象の試薬ボトル30が正しくセットされたか否かを判断するため、予備庫用読取部28bに対して、予備庫28内に収納されている試薬ボトル30に付された記憶媒体を読み取らせる予備庫内ボトル読取処理を行なう(ステップS16)。そして、制御部41は、この予備庫内ボトル読取処理の結果をもとに、予備庫28内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされたか否かを判断する(ステップS18)。
【0049】
制御部41は、予備庫28内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされていないと判断した場合(ステップS18:No)、予備庫28内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされていない旨を報知するアラームを出力部45に出力させ(ステップS20)、ステップS14に戻る。このアラームとして、制御部41は、補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされていない旨を報知する警告音声を音声出力させてもよく、また、ディスプレイに補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされていない旨を報知する警告メニューを表示出力させてもよい。
【0050】
そして、制御部41は、予備庫28内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされたと判断した場合(ステップS18:Yes)、または、予備庫28内に補充対象である試薬ボトルがあると判断した場合(ステップS8:Yes)、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に、試薬ボトル30を新たに収納できる空きスペースがあるか否かを判断する(ステップS22)。
【0051】
制御部41は、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に、試薬ボトル30を新たに収納できる空きスペースがないと判断した場合(ステップS22:No)、試薬庫内に空きスペースを作るために、試薬庫から一時的に予備庫28内へ退避移送する試薬を選択する移送対象ボトル選択処理を行なう(ステップS24)。制御部41は、この移送対象ボトル選択処理として、各試薬庫に収容された各試薬ボトル30の試薬残量、各試薬ボトル30内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル30内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数、同種の試薬を収容した試薬ボトルの有無などをもとに、一時的に試薬庫から退避させたとしても分析処理中断などを発生することがない試薬ボトル30を、試薬庫から予備庫28内へ退避移送する試薬ボトル30として選択する。制御部41は、たとえば、同じ試薬庫内に同じ種別の試薬を収容した試薬ボトル30が複数あるもののうち開封後有効期限までの期間が長い試薬ボトル30を、予備庫28内への退避移送対象として選択する。また、制御部41は、たとえば、分析処理が受け付けられていない分析項目の試薬を収容した試薬ボトル30を、予備庫28内への退避移送対象として選択する。
【0052】
そして、制御部41は、ボトル移送部29に対し、予備庫28内への移送対象として選択した試薬ボトル30を予備庫28内の空きスペース281内へ移送させて(ステップS26)、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に空きスペースを作る。そして、制御部41は、ボトル移送部29に対し、予備庫28内の補充対象である試薬ボトル30を補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させて(ステップS28)、試薬ボトル補充処理を終了する。なお、制御部41が、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS22:Yes)、そのままこの試薬庫内の空きスペースに予備庫28内の補充対象ボトルをボトル移送部29に移送させて(ステップS28)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0053】
ここで、図5において、予備庫28内の試薬ボトル301を第2試薬庫26内に補充する場合を例に、予備庫28内の空きスペース281を用いた試薬補充処理について説明する。この場合、予備庫28は、試薬トレイ285を回転し、ボトル把持位置Pt2に予備庫28内の空きスペース281を移送する。これとともに、第2試薬庫26は、第2試薬庫26から一時的に退避させる退避対象の試薬ボトル302を、ボトル把持位置Pt1に移送する。そして、ボトル移送部29は、矢印Y11に示すように、退避対象の試薬ボトル302を第2試薬庫26から予備庫28内の空きスペース281に移送する。このため、図6に示すように、第2試薬庫26には、空きスペース282ができる。
【0054】
次に、図6の矢印Y12のように、予備庫28は、試薬トレイ285を回転し、ボトル把持位置Pt2に第2試薬庫26への補充対象である試薬ボトル301を移送する。そして、ボトル移送部29は、矢印Y13に示すように、補充対象である試薬ボトル301を予備庫28から第2試薬庫26内の空きスペース282に移送する。この結果、図7に示すように、第2試薬庫26内に空きスペースがない場合であっても、補充対象である試薬ボトル301を第2試薬庫26内にセットすることができる。なお、試薬ボトル301の第2試薬庫26内への移送によって、予備庫28内には空きスペース281ができることになる。
【0055】
このように、分析装置1においては、予備庫28の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先の試薬庫内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部29に対して、補充先の試薬庫に収納された試薬ボトルのうち退避対象の試薬ボトルをこの試薬庫から空きスペースに移送させるとともに、退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに予備庫28から補充対象の試薬ボトルを移送させている。すなわち、実施の形態1にかかる分析装置1においては、予備庫28内に常に空きスペース281を設け、この空きスペースに第1試薬庫24または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮置きして補充先の試薬庫内に空きスペースを生成することによって、試薬庫内が試薬ボトルで満杯だった場合であっても補充対象の試薬ボトルを予備庫から試薬庫内に移送可能とし、分析処理中の試薬不足発生を防止する。
【0056】
また、分析装置1においては、予備庫28内の試薬ボトル30のうち試薬庫内に補充すべき試薬ボトル30を、各試薬庫に収容された各試薬ボトル30の試薬残量、各試薬ボトル30内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル30内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数などをもとに予測し、実際に試薬不足が発生する前に試薬庫内に補充しているため、試薬不足の発生による分析処理の中断をさらに確実に防止することができる。
【0057】
また、分析装置1においては、試薬庫から予備庫28内の空きスペースに一時的に退避させる退避対象の試薬ボトル30を、各試薬庫に収容された各試薬ボトル30の試薬残量、各試薬ボトル30内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル30内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数などをもとに選択するため、試薬庫からの一時的な試薬ボトル30の退避による分析処理の中断などの発生を抑制することができる。
【0058】
また、分析装置1においては、試薬庫から退避した試薬ボトル30を、保冷機能を有する予備庫28内で保管するため、退避対象の試薬ボトル30が使用途中であった場合であっても試薬庫内での保管処理と同様に適切に保管可能であり、退避時間が長期にわたった場合であっても試薬変性を極力防止することができる。
【0059】
なお、本実施の形態1においては、試薬庫内に新たに試薬ボトルを補充する場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、有効期限切れの試薬ボトルおよび空ボトルが発生した場合には、予備庫28内の空きスペース281を用いて、第1試薬庫24または第2試薬庫26への試薬ボトル補充を効率的に行なってもよい。
【0060】
また、分析装置1においては、制御部41は、試薬庫内から一時的に予備庫28内に退避させた試薬ボトル30を、試薬庫内に空きスペースが出た場合に、優先的に試薬庫内に戻すように、各試薬庫、予備庫28およびボトル移送部29の移送処理を制御してもよい。
【0061】
また、制御部41は、分析装置1の操作者によって予備庫28に試薬ボトル30がセットされるごとに図4の試薬ボトル補充処理を行なって、操作者による試薬ボトル30セットごとに自動で各試薬庫に不足する試薬ボトルを補充するように制御してもよい。この場合、補充先の試薬庫内に空きスペースがなかった場合には、前述したように予備庫28内の空きスペース281を利用して補充対象の試薬ボトル30を試薬庫内に補充すればよい。
【0062】
また、図4の試薬ボトル補充処理においては、試薬不足の発生時間が早い試薬の補充を優先させる場合などを例に説明したが、もちろんこれに限らず、予め設定された補充順にしたがって各試薬庫内への試薬を補充してもよい。たとえば、分析装置1の操作者が、予め入力部42などを操作して補充試薬の順序を指示した場合には、この指示された順序で試薬ボトルが補充される。
【0063】
また、予備庫28内の空きスペース281のポジションは試薬ボトル補充処理による試薬ボトル30の入れ替えによって変わるため、制御部41は、予備庫用読取部28bに各ポジションの試薬ボトル30の記憶媒体を読み取らせることによって、正しい予備庫28内の空きスペース281のポジションを随時認識するようにしている。また、制御部41は、予備庫用読取部28bに各ポジションの試薬ボトル30の記憶媒体を読み取らせることによって、試薬庫から一時的に退避移送された試薬ボトル30に対し、この退避移送された試薬ボトル30の予備庫28内のポジションと、この試薬ボトル30内の試薬残量、有効期限などとを対応させて適切に使用できるように管理している。
【0064】
また、実施の形態1においては、予備庫28内の空きスペース281を作るために、一つのボトル収納ポジションを覆うようにカバー部284aを有する内蓋284を設けた場合を例に説明したが、もちろんこれに限らない。分析装置1は、必ず一の収納ポジションが空きスペースとなるように各試薬ボトル30の予備庫28内へのセット位置を設定し、各試薬ボトル30のセット位置を指示する指示情報を出力してもよい。この指示情報を認識した操作者により試薬ボトル30が予備庫28にセットされることによって、予備庫28内に空きスペース281が作られる。また、分析装置1においては、予備庫28の外周に各ポジションに対応するようにそれぞれLEDランプを設け、操作者による試薬ボトル30セット時に、空きスペース281に対応するポジションのLEDランプを点灯させない状態のまま、試薬ボトル30をセットすべきポジションのLEDランプを点灯させることによって、予備庫28内に空きスペース281ができるように試薬ボトルセットを誘導してもよい。
【0065】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、試薬庫および予備庫とは別個に、試薬ボトルを仮置きできるバッファ部を設けた場合を例に説明する。図8は、実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【0066】
図8に示すように、実施の形態2にかかる分析装置201は、第1予備庫328および第2予備庫228の複数の予備庫と、第1試薬庫24、第2試薬庫26、第1予備庫328および第2予備庫228とは別個にボトル移送部229の試薬ボトル30の移送系路に設けられたバッファ部231とを有するとともに、図1に示すボトル移送部29に代えて、第1試薬庫24、第2試薬庫26、第1予備庫328、第2予備庫228およびバッファ部231の間で試薬ボトル30を移送するボトル移送部229を有する測定機構202を備える。また、分析装置201は、図1に示す制御部41に代えて、分析装置201の各構成部位の処理動作を制御する制御部241を有する制御機構204を有する。
【0067】
第1予備庫328および第2予備庫228の外周部には、試薬ボトル30の側面に付された記憶媒体を光または所定周波数の電波を介して読み取る第1予備庫用読取部328b、第2予備庫用読取部228bがそれぞれ設けられている。なお、実施の形態1と異なり、第1予備庫328および第2予備庫228には、必ずしも空きスペースができるように管理されてはいない。
【0068】
ボトル移送部229は、図8に示すように、第1試薬庫24および第1予備庫328の間、および、第2試薬庫26および第2予備庫228の間を接続するように図中上下に設けられたレール229aと、このレール229a下部を矢印Y20のように移動可能であるレール229aと直交したレール229bとを備える。レール229aは、門型のレールであって、たとえばレール229bに連結したタイミングベルトが掛け渡されており、このタイミングベルトが図示しない駆動機構によってスライドすることによって、図9の矢印Y20のようにレール229bがレール229aに沿って移動する。このレール229bには、試薬ボトル30を把持できるチャック部230a,230bを有する把持部229cが設けられている。たとえばレール229b下部には、把持部229cに連結したタイミングベルトが掛け渡されており、このタイミングベルトが図示しない駆動機構によってスライドすることによって、把持部229cは、図8および図9の矢印Y21のように、レール229bに沿って移動可能である。さらに、把持部229cは、矢印Y23のように、図示しない駆動機構によって昇降可能である。レール229aに沿ってレール229bが矢印Y20のように移動するとともにレール229bに沿って把持部229cが矢印Y21のように移動するため、把持部229cは、2軸で移動可能である。さらに、把持部229cは、矢印Y23のように昇降できる。
【0069】
把持部229cは、たとえば図9に示すように、第2予備庫228の取出口228d上に移動し、降下した後に試薬ボトル30を把持してから、上昇することによって、この取出口228dから試薬ボトル30を取り出す。そして、把持部229cは、レール229bを右方向に移動して第2試薬庫26の取出口26d上に移動した後、降下して、試薬ボトル30の把持を解除し、上昇することによって、第2予備庫228から取り出した試薬ボトル30を第2試薬庫26内に移送する。このように、ボトル移送部229は、レール229a、レール229bに沿って把持部229cを移動させるとともに、把持部229cを所望の位置で昇降させることによって、第1試薬庫24、第2試薬庫26、第1予備庫328、第2予備庫228およびバッファ部231の間で試薬ボトル30を移送する。
【0070】
制御部241は、第1予備庫328または第2予備庫228の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先である第1試薬庫24または第2試薬庫26内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部229に対して、補充先の第1試薬庫24または第2試薬庫26に収納された試薬ボトル30のうち退避対象の試薬ボトルを試薬庫内からバッファ部231に移送させるとともに、退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに第1予備庫328または第2予備庫228から補充対象の試薬ボトル30を移送させる。
【0071】
この分析装置201においては、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内が試薬ボトルで満杯であった場合であっても、バッファ部231に第1試薬庫24内または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮置きして、補充対象の試薬ボトル30を補充している。図10を参照して、図8に示す分析装置201における試薬ボトル補充処理について詳細に説明する。
【0072】
図10に示すように、分析装置201は、図4に示すステップS2〜ステップS22と同様の処理手順を行なって、制御部241による不足試薬判断処理(ステップS202)、制御部241による不足試薬有無判断処理(ステップS204)を行なう。
【0073】
制御部241は、不足試薬がないと判断した場合(ステップS204:No)、このまま試薬ボトル補充処理を終了する。これに対し、制御部241は、不足試薬があると判断した場合(ステップS204:Yes)、不足する試薬を収納した試薬ボトル30が第1予備庫328または第2予備庫228内に予備用として収納されているか否かを判断するため、第1予備庫用読取部328bおよび第2予備庫用読取部228bに対して、第1予備庫328および第2予備庫228に収納されている試薬ボトル30に付された記憶媒体を読み取らせる予備庫内ボトル読取処理を行なう(ステップS206)。
【0074】
そして、制御部241は、予備庫内ボトル読取処理を行なった結果をもとに、第1予備庫328または第2予備庫228内に、分析中に不足する試薬を収納した試薬ボトル30であって補充対象である試薬ボトルがあるか否かを判断する(ステップS208)。
【0075】
制御部241は、第1予備庫328および第2予備庫228内に補充対象である試薬ボトルがないと判断した場合(ステップS208:No)、図4に示すステップS10およびステップS12と同様の処理手順で、出力部45に対して試薬不足予告アラームを出力させ(ステップS210)、出力部45を構成するディスプレイに対し、第1予備庫328および第2予備庫228にセットすべき試薬ボトルの内容を表示させる(ステップS212)。
【0076】
そして、制御部241は、図4に示すステップS14と同様に、第1予備庫328または第2予備庫228内へ新たに試薬ボトル30がセットされたか否かを判断し(ステップS214)、予備庫内へ新たに試薬ボトル30がセットされるまでステップS214の判断処理を繰り返し、予備庫内へ新たに試薬ボトル30がセットされたと判断した場合(ステップS214:Yes)、第1予備庫用読取部328b、第2予備庫用読取部228bに対して予備庫内ボトル読取処理を行ない(ステップS216)、予備庫内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされたか否かを判断する(ステップS218)。
【0077】
制御部241は、予備庫内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされていないと判断した場合(ステップS218:No)、予備庫内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされていない旨を報知するアラームを出力部45に出力させ(ステップS220)、ステップS214に戻る。そして、制御部41は、予備庫内へ補充対象である試薬ボトル30が正しくセットされたと判断した場合(ステップS218:Yes)、または、予備庫内に補充対象である試薬ボトルがあると判断した場合(ステップS208:Yes)、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に、試薬ボトル30を新たに収納できる空きスペースがあるか否かを判断する(ステップS222)。
【0078】
制御部241は、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に、試薬ボトル30を新たに収納できる空きスペースがないと判断した場合(ステップS222:No)、図4に示すステップS24と同様に、移送対象ボトル選択処理を行なう(ステップS224)。そして、制御部241は、第1予備庫328または第2予備庫228内に空きスペースがあるか否かを判断する(ステップS226)。
【0079】
制御部241は、第1予備庫328または第2予備庫228内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS226:Yes)、ボトル移送部229に対し、移送対象として選択した試薬ボトル30を予備庫内の空きスペース内へ移送させて(ステップS227)、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に空きスペースを作る。そして、制御部241は、ボトル移送部229に対し、第1予備庫328または第2予備庫228内の補充対象である試薬ボトル30を補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させて(ステップS228)、試薬ボトル補充処理を終了する。なお、制御部241が、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS222:Yes)、そのままこの試薬庫内の空きスペースに予備庫内の補充対象ボトルをボトル移送部229に移送させて(ステップS228)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0080】
これに対し、制御部241は、第1予備庫328または第2予備庫228内に空きスペースがないと判断した場合(ステップS226:No)、ボトル移送部229に対し、移送対象として選択した試薬ボトル30を仮置きするためにバッファ部231へ移送させて(ステップS230)、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に空きスペースを作る。そして、制御部241は、ボトル移送部229に対し、第1予備庫328または第2予備庫228内の補充対象である試薬ボトル30を補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させる(ステップS232)。この結果、第1予備庫328または第2予備庫228には、空きスペースができる。次いで、制御部241は、ボトル移送部229に対し、バッファ部231に仮置きされていた試薬ボトル30を第1予備庫328または第2予備庫228にできた空きスペースに移送させて(ステップS234)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0081】
ここで、図11において、第1予備庫328内の試薬ボトル303を第2試薬庫26内に補充する場合を例に、バッファ部231を用いた試薬補充処理について説明する。この場合、第2試薬庫26は、第2試薬庫26から一時的に退避させる退避対象の試薬ボトル304を、ボトル把持位置Pt3に移送する。そして、ボトル移送部229の把持部229cは、この試薬ボトル304を把持した後、矢印Y24aに示すように、レール229bの左端から右端に移動する。次いで、ボトル移送部229のレール229bが矢印Y24bのように、図中下方向に移動し、空きスペース283を有するバッファ部231上に把持部229cを移送した後、把持部229cが降下し把持を解除することによって、図12に示すように、退避対象の試薬ボトル304が第2試薬庫26からバッファ部231に移送される。なお、これにともない、第1予備庫328は、図11の矢印Y24cのように、ボトル把持位置Pt4に補充対象の試薬ボトル303を移送する。
【0082】
このため、第2試薬庫26のボトル把持位置Pt3は空きスペースとなる。そこで、ボトル移送部229においては、把持部229cが第1予備庫328のボトル把持位置Pt4に位置する試薬ボトル303を把持し、レール229bが図12に示す矢印Y25aのように図中上方向に移動した後に、把持部229cが矢印Y25bのようにレール229bに沿って右方向に移動し降下することによって、空きスペースとなった第2試薬庫26のボトル把持位置Pt3に試薬ボトル303を移送する。
【0083】
この結果、図12に示すように、第1予備庫328のボトル把持位置Pt4は空きスペースとなる。このため、図13に示すように、ボトル移送部229は、レール229bをバッファ部231に移動させた後に把持部229cでバッファ部231に仮置きされていた試薬ボトル304を把持し、矢印Y26aに示すようにレール229bを移動させることによって、空きスペースとなった第1予備庫328のボトル把持位置Pt4に、試薬ボトル304を移送する。
【0084】
この結果、図11に示すように、第2試薬庫26内に空きスペースがない場合であっても、補充対象である試薬ボトル304を第2試薬庫26内にセットすることができる。なお、試薬ボトル304の第2試薬庫26内への移送によって、バッファ部231内には空きスペース283ができることになる。
【0085】
このように、分析装置201においては、第1予備庫328または第2予備庫228の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先の試薬庫内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部229に対して、補充先の試薬庫に収納された試薬ボトルのうち退避対象の試薬ボトルをこの試薬庫からバッファ部231に移送させるとともに、退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに予備庫から補充対象の試薬ボトルを移送させている。すなわち、実施の形態2にかかる分析装置201においては、試薬庫および予備庫とは別個にボトル移送部229による試薬ボトルの移送経路にバッファ部231を設け、このバッファ部231に第1試薬庫24または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮置きして補充先の試薬庫内に空きスペースを生成することによって、試薬庫内が試薬ボトルで満杯だった場合であっても補充対象の試薬ボトルを予備庫から試薬庫内に移送可能とし、分析処理中の試薬不足発生を防止することから、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0086】
なお、実施の形態2においては、予備庫を複数設けた場合について説明したが、試薬ボトルの使用状態に対応させて該試薬ボトルを収納する予備庫を設定してもよい。たとえば、制御部241は、試薬残量がほぼ空となった試薬ボトルや、有効期限を超過した試薬ボトルは、第1予備庫328に収納される試薬ボトルとして設定し、ボトル移送部229に対して、これらの試薬ボトルを第1予備庫328に移送させる。また、制御部241は、使用途中の試薬ボトルであって再度分析処理に使用する試薬ボトルや新たにセットされる試薬ボトルを第2予備庫228に収納される試薬ボトルとして設定し、ボトル移送部229に対して、これらの試薬ボトルを第2予備庫228に移送させる。このように、試薬ボトルの使用状態に対応させて該試薬ボトルを収納する予備庫を設定することによって、分析装置201の操作者による試薬ボトルセット処理および試薬ボトル回収処理の円滑化を支援してもよい。
【0087】
また、実施の形態1,2においては、円形の予備庫を設けた分析装置1,201を例に説明したが、もちろんこれに限らず、図14に示すように、箱型の予備庫128を設けた分析装置1aに対しても同様に適用可能である。分析装置1aにおける測定機構2aは、上部にセットされた試薬ボトル30を図中上下にスライド移動できるコンベア128aを有し予備庫28と同様の保冷機能を有する予備庫128を備え、制御機構4aは、分析装置1aの各構成部位の処理動作を制御する制御部41aを有する。
【0088】
分析装置1aは、実施の形態1を適用した場合には、常に予備庫128内に空きスペース281ができるように管理制御されており、ボトル移送部229は、レール229aの矢Y9aに示す図中上下方向の移動処理、把持部229cの矢印Y9bに示す図中左右方向の移動処理および把持部229cの昇降処理によって、第1試薬庫24または第2試薬庫26から退避対象の試薬ボトル30を予備庫128内の空きスペース281に移送した後、補充対象の試薬ボトル30を補充先の試薬庫に移送する。また、実施の形態2を適用した場合には、第1試薬庫24、第2試薬庫26、および予備庫128とは別個にボトル移送部229の試薬ボトル30の移送系路にバッファ部231を設け、このバッファ部231に退避対象の試薬ボトル30を仮置きして、補充対象の試薬ボトル30を補充先の試薬庫に移送すればよい。
【0089】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、試薬庫および予備庫との間で試薬ボトルを移送するボトル移送部に、試薬ボトルを把持できる把持部を複数設け、一方の把持部で試薬ボトルを把持して、他方の把持部で補充対象の試薬ボトルを試薬庫内に移送する場合を例に説明する。
【0090】
図15は、実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図15に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301は、図8の分析装置201におけるボトル移送部229に代えて、ボトル移送部329を備えた測定機構302と、図8に示す制御部241に代えて、分析装置301の各構成部位の処理動作を制御する制御部341を備えた制御機構304とを備える。
【0091】
ボトル移送部329は、第1試薬庫24および第1予備庫328の間、および、第2試薬庫26および第2予備庫228の間を接続するように図中上下に設けられたレール329aと、このレール329a下部を矢印Y31のようにそれぞれ移動可能であるとともにレール329aと直交したレール2291bおよびレール2292bとを有する。このレール2291bおよびレール2292bには、試薬ボトル30を把持できるとともに昇降可能である把持部2291cおよび把持部2292cがそれぞれ設けられている。把持部2291cは、矢印Y32のように、レール2291bに沿って移動可能であり、把持部2292cは、矢印33のように、レール2292bに沿って移動可能である。
【0092】
制御部341は、第1予備庫328または第2予備庫228の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先である第1試薬庫24または第2試薬庫26内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部329に対して、一方の把持部において補充先の第1試薬庫24または第2試薬庫26に収納された試薬ボトル30のうち退避対象の試薬ボトルを試薬庫内から取り出して保持させるとともに、退避対象の試薬ボトルの取り出しによって空いたスペースに第1予備庫328または第2予備庫228から補充対象の試薬ボトル30を移送させる。
【0093】
この分析装置301においては、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内が試薬ボトルで満杯であった場合であっても、一方の把持部に第1試薬庫24内または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮に把持させて、補充対象の試薬ボトル30を補充している。図16を参照して、図15に示す分析装置301における試薬ボトル補充処理について詳細に説明する。
【0094】
図16に示すように、分析装置301は、図10に示すステップS202〜222と同様の処理手順を行なって、不足試薬判断処理(ステップS302)、不足試薬有無判断処理(ステップS304)、予備庫内ボトル読取処理(ステップS306)、不足試薬庫内における補充対象ボトル有無判断処理(ステップS308)、試薬不足予告アラーム出力処理(ステップS310)、補充対象ボトルのセット内容表示処理(ステップS312)、予備庫内への試薬ボトルセット完了判断処理(ステップS314)、予備庫内ボトル読取処理(ステップS316)、試薬ボトルのセットの正誤判断処理(ステップS318)、アラーム出力処理(ステップS320)、試薬庫内における空きスペース有無判断処理(ステップS322)を行なう。
【0095】
そして、制御部341は、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に、試薬ボトル30を新たに収納できる空きスペースがないと判断した場合(ステップS322:No)、図4に示すステップS24と同様に、移送対象ボトル選択処理を行ない(ステップS324)、図10に示すステップS226と同様に、第1予備庫328または第2予備庫228内に空きスペースがあるか否かを判断する(ステップS326)。
【0096】
制御部341は、第1予備庫328または第2予備庫228内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS326:Yes)、ボトル移送部329に対し、移送対象として選択した試薬ボトル30を予備庫内の空きスペース内へ移送させるとともに(ステップS327)、第1予備庫328または第2予備庫228内の補充対象である試薬ボトル30を補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させて(ステップS328)、試薬ボトル補充処理を終了する。なお、制御部341が、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS322:Yes)、そのままこの試薬庫内の空きスペースに予備庫内の補充対象ボトルをボトル移送部329に移送させて(ステップS328)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0097】
これに対し、制御部341は、第1予備庫328または第2予備庫228内に空きスペースがないと判断した場合(ステップS326:No)、ボトル移送部329に対し、退避対象として選択した試薬ボトル30を一方の把持部で取り出し、そのまま保持させたまま(ステップS330)、他方の把持部の移動経路から退避させる。この結果、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に空きスペースが作られる。そして、制御部341は、ボトル移送部329に対し、第1予備庫328または第2予備庫228内の補充対象である試薬ボトル30を、他方の把持部で補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させる(ステップS332)。この結果、第1予備庫328または第2予備庫228には、空きスペースができる。次いで、制御部341は、ボトル移送部329に対し、退避のため把持していた退避対象として選択した試薬ボトル30を第1予備庫328または第2予備庫228にできた空きスペースに移送させて(ステップS334)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0098】
図17において、第2予備庫228内の試薬ボトル305を第1試薬庫24内に補充する場合を例に、ボトル移送部329を用いた試薬補充処理について説明する。この場合、第2予備庫228は、ボトル把持位置Pt6に補充対象の試薬ボトル305を移送し、ボトル移送部329は、レール2292bの把持部2292cを矢印Y34aのようにレール2292bの左端に移動する。次いで、ボトル移送部329は、この試薬ボトル305を把持するために、矢印Y34bに示すように、レール2292bをボトル把持位置Pt6上に移動する。そして、第1試薬庫24は、第1試薬庫24から一時的に退避させる退避対象の試薬ボトル306を、ボトル把持位置Pt5に移送する。そして、ボトル移送部329は、レール2291bの把持部2291cを矢印Y35aのようにレール2291bの右端に移動する。次いで、ボトル移送部329は、この試薬ボトル306を把持するために、矢印Y35bに示すように、レール2291bをボトル把持位置Pt5上に移動する。
【0099】
そして、図18に示すように、把持部2291cが第1試薬庫24におけるボトル把持位置Pt5の試薬ボトル306を把持した後、レール2291bは、矢印Y36aのようにレール329aの下端に移動し、他方の把持部2292cの移動経路から退避させる。この結果、第2試薬庫24におけるボトル把持位置Pt5は、空きスペース285となる。そして、把持部2292cが第2予備庫228におけるボトル把持位置Pt6の試薬ボトル305を把持した後、把持部2292cがレール2292bの右端に移動するとともに、レール2292bが矢印Y36bに示すように、第1試薬庫24のボトル把持位置Pt5上に移動する。そして、ボトル移送部329は、把持部2292cが降下し把持を解除することによって、図18に示すように、空きスペースとなった第1試薬庫24のボトル把持位置Pt5に試薬ボトル305を移送する。
【0100】
そして、図19に示すように、ボトル移送部329は、試薬ボトル305の第1試薬庫24内への移送が終了したレール2292bを矢印Y37aのようにレール329aの上端に移動させて、レール2291bの移送経路から退避させる。その後、ボトル移送部329は、レール2291bを矢印Y37bに示すように、第2予備庫228のボトル把持位置に移動させて、把持部2291cが把持していた退避対象の試薬ボトル306を、空きスペース286である第2予備庫228のボトル把持位置Pt6にセットする。
【0101】
このように、分析装置301においては、第1予備庫328または第2予備庫228の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先の試薬庫内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部329に対して、補充先の試薬庫に収納された試薬ボトルのうち退避対象の試薬ボトルをこの試薬庫から取り出し一方の把持部で保持するとともに、退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに予備庫から補充対象の試薬ボトルを移送させている。すなわち、実施の形態3にかかる分析装置301においては、ボトル移送部329に把持部2291c,2292cを有するボトル移送用のレール2291b,2292bを複数設け、一方の把持部で第1試薬庫24または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を保持し補充先の試薬庫内に空きスペースを生成している。このように分析装置301においては、ボトル移送部329内に試薬ボトル30を一時的に仮置きできるバッファ部として機能する把持部2291c,2292cを有するボトル移送用のレール2291b,2292bを設けることによって、試薬庫内が試薬ボトルで満杯だった場合であっても補充対象の試薬ボトルを予備庫から試薬庫内に移送可能とし、分析処理中の試薬不足発生を防止することから、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0102】
なお、本実施の形態3においては、円形の予備庫を設けた場合を例に説明したが、もちろんこれに限らず、図14に例示する箱型の予備庫128を設けた場合においても適用可能である。この場合も同様に、把持部を備えたレールを複数設け、一方の把持部で退避対象の試薬ボトル30を保持することによって、他方の把持部で補充対象の試薬庫にできた空きスペースに補充対象の試薬ボトル30を予備庫128から移送すればよい。
【0103】
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4について説明する。実施の形態4においては、試薬庫および予備庫を連結する連結機構内にバッファ部を設けた場合を例に説明する。図20は、実施の形態4にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【0104】
図20に示すように、実施の形態4にかかる分析装置401は、予備庫128内部と第1試薬庫24内部とを連結する連結部420および予備庫128内部と第2試薬庫26内部とを連結する連結部430とを有する測定機構402と、分析装置401の各構成部位の処理動作を制御する制御部441を有する制御機構404とを有する。
【0105】
そして、分析装置401は、図1、図8、図15に示すボトル移送部29,229,329に代えて、連結部420を通って予備庫128および第1試薬庫24との間で試薬ボトル30を移送するボトル移送部4291と、連結部430を通って予備庫128と第2試薬庫26との間で試薬ボトル30を移送するボトル移送部4292とを有する。
【0106】
連結部420,430は、試薬ボトル30が通過可能である内部空間を有する。たとえば、連結部420を例に説明した場合、図21に示すように、連結部420は、予備庫128内のコンベア128aの一部と接続するボトル移送路4202を内部に有する。このボトル移送路4202は、第1試薬庫24内部と接続している。そして、各試薬ボトル30は、アダプタ1281内にセットされている。このアダプタ1281の側面には、開口部1283を有するフックかけ1282が設けられている。分析装置401においては、ボトル移送部4291を構成するフック4201が、矢印Y45aのように、このフックかけ1282の開口部1283に装着され、その後、矢印Y45bのように、図示しない駆動機構によってフック4201が第1試薬庫24方向へ移動することによって、連結部420内部のボトル移送路4202を介して、アダプタ1281に収納された試薬ボトル30を第1試薬庫24内に移送する。
【0107】
また、図20に示すように、連結部420内部には、試薬ボトル30を一時的に仮置きできるバッファ部421が設けられる。そして、連結部420内部には、連結部420内部を移送される試薬ボトル30をボトル移送路4202からバッファ部421に押し出す押出部422と、バッファ部421に仮置きされていた試薬ボトル30をボトル移送路4202に押し出す押出部423とを有する。同様に、連結部430内部には、試薬ボトル30を一時的に仮置きできるバッファ部431が設けられる。そして、連結部430内部には、連結部430内部を移送される試薬ボトル30をボトル移送路からバッファ部431に押し出す押出部432と、バッファ部431に仮置きされていた試薬ボトル30をボトル移送路に押し出す押出部433とを有する。
【0108】
各押出部422,423,432,433について、押出部422を例に説明する。図22に示すように、ボトル移送路4202にある試薬ボトル30をバッファ部421として設けられる空間に移動する場合には、まず、ボトル移送部4291は、この試薬ボトル30がセットされているアダプタ1281のフックかけ1282から、矢印Y46aのようにフック4201を取り外す。そして、押出部422は、押板4221に接続するレバー4222を矢印Y46bのように押すことによって、押板4221をフック4201が外されたアダプタ1281に押し当てながら、矢印Y46cのようにアダプタ1281ごと試薬ボトル30をバッファ部421に押し入れる。また、押出部423は、バッファ部421を挟んで押出部422と逆側に設けられており、押出部422と同様に、押板および該押板に接続するレバーを備え、レバーを押すことによって、押板をアダプタ1281に押し当てながら、バッファ部421からボトル移送路4202にアダプタ1281ごと試薬ボトル30を押し出す。
【0109】
制御部441は、予備庫128の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先である第1試薬庫24または第2試薬庫26内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、補充先の第1試薬庫24または第2試薬庫26に収納された試薬ボトル30のうち退避対象の試薬ボトルを試薬庫内から取り出して連結部420,430におけるバッファ部421,431に仮置きさせるとともに、退避対象の試薬ボトルの取り出しによって空いたスペースに予備庫128から補充対象の試薬ボトル30を移送させる。
【0110】
この分析装置401においては、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内が試薬ボトルで満杯であった場合であっても、連結部420,430のバッファ部421,431に第1試薬庫24内または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮置きして、補充対象の試薬ボトル30を補充している。図23を参照して、図20に示す分析装置401における試薬ボトル補充処理について詳細に説明する。
【0111】
図23に示すように、分析装置401は、図10に示すステップS202〜322と同様の処理手順を行なって、不足試薬判断処理(ステップS402)、不足試薬有無判断処理(ステップS404)、予備庫内ボトル読取処理(ステップS406)、不足試薬庫内における補充対象ボトル有無判断処理(ステップS408)、試薬不足予告アラーム出力処理(ステップS410)、補充対象ボトルのセット内容表示処理(ステップS412)、予備庫内への試薬ボトルセット完了判断処理(ステップS414)、予備庫内ボトル読取処理(ステップS416)、試薬ボトルのセットの正誤判断処理(ステップS418)、アラーム出力処理(ステップS420)、試薬庫内における空きスペース有無判断処理(ステップS422)を行なう。
【0112】
そして、制御部441は、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に、試薬ボトル30を新たに収納できる空きスペースがないと判断した場合(ステップS422:No)、図4に示すステップS24と同様に、移送対象ボトル選択処理を行ない(ステップS424)、図10に示すステップS226と同様に、予備庫128内に空きスペースがあるか否かを判断する(ステップS426)。
【0113】
制御部441は、予備庫128内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS426:Yes)、ボトル移送部4291またはボトル移送部4292に対し、移送対象として選択した試薬ボトル30を予備庫128内の空きスペース内へ移送させるとともに(ステップS427)、予備庫128内の補充対象である試薬ボトル30を補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させて(ステップS428)、試薬ボトル補充処理を終了する。なお、制御部441が、試薬ボトル30の補充先の試薬庫内に空きスペースがあると判断した場合(ステップS422:Yes)、そのままこの試薬庫内の空きスペースに予備庫内の補充対象ボトルをボトル移送部4291,4292に移送させて(ステップS428)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0114】
これに対し、制御部441は、予備庫128内に空きスペースがないと判断した場合(ステップS426:No)、ボトル移送部4291またはボトル移送部4292に対し、退避対象として選択した試薬ボトル30で第1試薬庫24または第2試薬庫26から取り出させ、連結部420,430におけるボトル移動路のバッファ部421,431対応位置まで移送させる。その後、制御部441は、押出部422または押出部432に対して、この試薬ボトル30をバッファ部421またはバッファ部431に押出させて、退避対象として選択した試薬ボトル30をバッファ部421,431のいずれかに移送する(ステップS430)。この結果、試薬ボトル30補充先の試薬庫内に空きスペースが作られる。
【0115】
そして、制御部441は、ボトル移送部4291またはボトル移送部4292に対し、予備庫128内の補充対象である試薬ボトル30を、補充先の試薬庫内に作られた空きスペースに移送させる(ステップS432)。この結果、予備庫128には、空きスペースができる。次いで、制御部441は、押出部423または押出部433に対し、バッファ部421またはバッファ部431の退避対象の試薬ボトル30をバッファ部421またはバッファ部431から移送経路上に押出させた後に、ボトル移送部4291またはボトル移送部4292に対し、予備庫128にできた空きスペースに移送させて(ステップS434)、試薬ボトル補充処理を終了する。
【0116】
図24において、予備庫128内の試薬ボトル308を第1試薬庫24内に補充する場合を例に、バッファ部421を用いた試薬補充処理について説明する。この場合、第1試薬庫24は、第1試薬庫24から一時的に退避させる退避対象の試薬ボトル307を、取出位置Pt7に移送する。そして、ボトル移送部4291は、この試薬ボトル307を第1試薬庫24から取出し、矢印Y47aのように、連結部420におけるボトル移送路のバッファ部421,431対応位置まで移送させる。そして、図25に示すように、押出部422は、矢印Y47bのように、移送経路上の試薬ボトル307を押出して、この試薬ボトル307をバッファ部421に仮置きする。この結果、図24および図25に示すように、第1試薬庫24の取出位置Pt7は空きスペース288となる。
【0117】
ボトル移送部4291は、図26に示すように、予備庫128の取出位置Pt8に移送された試薬ボトル308を取り出して、矢印Y47c,47dのように、連結部420におけるボトル移送路を介して、第1試薬庫24内の空きスペース288に移送する。
【0118】
その後、押出部423は、図27の矢印Y47eに示すように、バッファ部421に仮置きされていた試薬ボトル307を連結部420の移送経路上に押し出す。そして、ボトル移送部4291は、この移送経路上に押し出された試薬ボトル307を、予備庫128から補充対象の試薬ボトル308が取り出されたことによってできた空きスペース287に矢印Y47fのように移送する。
【0119】
このように、分析装置401においては、予備庫128の試薬ボトル30を第1試薬庫24または第2試薬庫26に補充する場合であって補充先の試薬庫内に補充対象の試薬ボトル30を収納できるスペースがなかった場合には、ボトル移送部4291,4292に対して、補充先の試薬庫に収納された試薬ボトルのうち退避対象の試薬ボトルをこの試薬庫から連結部420,430のバッファ部421,431に移送させるとともに、退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに予備庫128から補充対象の試薬ボトルを移送させている。すなわち、実施の形態4にかかる分析装置401においては、連結部420,430内部にバッファ部421,431を設け、このバッファ部421,431に第1試薬庫24または第2試薬庫26内の試薬ボトル30を仮置きして補充先の試薬庫内に空きスペースを生成することによって、試薬庫内が試薬ボトルで満杯だった場合であっても補充対象の試薬ボトルを予備庫から試薬庫内に移送可能とし、分析処理中の試薬不足発生を防止することから、実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0120】
なお、分析装置401においては、連結部420,430内に試薬ボトル30を仮置きできるバッファ部421,431を設けた場合について説明したが、常に予備庫128内に空きスペースを設けて該空きスペースを利用して試薬ボトル30を移送する実施の形態1を適用することによって、バッファ部421,431を削除してもよい。
【0121】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,201,301,401は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記憶媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記憶媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記憶媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す予備庫の平面図である。
【図3】図1に示すボトル移送部を説明する斜視図である。
【図4】図1に示す分析装置の試薬ボトル補充処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図6】図1に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図7】図1に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図8】実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図9】図8に示すボトル移送部を説明する斜視図である。
【図10】図8に示す分析装置の試薬ボトル補充処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図8に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図12】図8に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図13】図8に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図14】実施の形態1,2にかかる分析装置の他の構成を示す模式図である。
【図15】実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図16】図15に示す分析装置の試薬ボトル補充処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】図15に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図18】図15に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図19】図15に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図20】実施の形態4にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図21】図20に示す連結部およびボトル移送部を説明する斜視図である。
【図22】図20に示す連結部および押出部を説明する斜視図である。
【図23】図20に示す分析装置の試薬ボトル補充処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】図20に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図25】図20に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図26】図20に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【図27】図20に示す分析装置の試薬ボトル補充処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0123】
1,1a,201,301,401 分析装置
2,2a,202,302,402 測定機構
4,4a,204,304,404 制御機構
21 検体移送部
21a 検体容器
21b 検体ラック
22 検体分注部
22a,25a,27a アーム
23 反応テーブル
24 第1試薬庫
24b 第1読取部
25 第1試薬分注部
26 第2試薬庫
26b 第2読取部
26d,228d 取出口
27 第2試薬分注部
28,128 予備庫
28b 予備庫用読取部
29,229,329,4291,4292 ボトル移送部
29a 支柱
29b アーム
29c,29d,230a,230b チャック部
29e,29f カム
30,301〜308 試薬ボトル
32 攪拌部
33 測光部
34 洗浄部
41,41a,241,341,441 制御部
42 入力部
43 分析部
44 記憶部
45 出力部
128a コンベア
328 第1予備庫
328b 第1予備庫用読取部
228 第2予備庫
228b 第2予備庫用読取部
229a,329a,2291b,2292b レール
229c,229b,2291c,2292c 把持部
231 バッファ部
284 内蓋
284a カバー部
285 試薬トレイ
420,430 連結部
421,431 バッファ部
422,423,432,433 押出部
1281 アダプタ
1283 開口部
4201 フック
4202 ボトル移送路
4221 押板
4222 レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬ボトル内の試薬を用いて検体を分析する分析装置であって、
前記試薬ボトルを内部に収納する試薬庫と、
予備の試薬ボトルを内部に収納する予備庫と、
少なくとも前記試薬庫と前記予備庫との間で前記試薬ボトルを移送する移送機構と、
を備え、前記試薬庫内の試薬ボトルを一時的に仮置きできるバッファ部が設けられたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記バッファ部は、前記予備庫内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記バッファ部は、前記試薬庫および前記予備庫とは別個に前記移送機構による前記試薬ボトルの移送経路に設けられることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記バッファ部は、前記移送機構に設けられることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項5】
前記試薬ボトルが通過可能である内部空間を有し、前記予備庫内部と前記試薬庫内部とを連結する連結機構をさらに備え、
前記移送機構は、前記連結機構内を介して前記試薬ボトルを移送し、
前記バッファ部は、前記連結機構内に設けられることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項6】
前記予備庫の試薬ボトルを前記試薬庫に補充する場合であって前記試薬庫内に補充対象の前記試薬ボトルを収納できるスペースがなかった場合には、前記移送機構に対して、前記試薬庫に収納された試薬ボトルのうち退避対象の試薬ボトルを前記試薬庫から前記バッファ部に移送させるとともに、前記退避対象の試薬ボトルの移送によって空いたスペースに前記予備庫から補充対象の前記試薬ボトルを移送させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記試薬庫に収納された各試薬ボトルの試薬残量、各試薬ボトル内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数をもとに前記試薬庫に補充すべき試薬ボトルを判断することを特徴とする請求項6に記載の分析装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記試薬庫に収容された各試薬ボトルの試薬残量、各試薬ボトル内に収容された試薬の有効期限、各試薬ボトル内の試薬の使用量、各試薬に対応する分析項目の予測受付数をもとに、前記試薬庫に収納された試薬ボトルの中から前記バッファ部に退避させる試薬ボトルを選択することを特徴とする請求項6または7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記予備庫は、複数設けられ、
前記制御手段は、前記試薬ボトルの使用状態に対応させて各試薬ボトルを収納する前記予備庫を設定することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項10】
前記予備庫は、保冷機能を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−68992(P2009−68992A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237688(P2007−237688)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】