説明

制御可能な反応体積を有するマイクロアレイデバイス

本発明は、一般に、マイクロアレイチップおよびその使用の分野に関する。特に、本発明は、マイクロアレイ反応デバイスを提供する。このマイクロアレイ反応デバイスは、種々の部分(例えば、核酸)の間での相互作用、タンパク質を含む免疫反応、タンパク質と核酸との間の相互作用、リガンド−レセプター相互作用、ならびに低分子とタンパク質との相互作用、低分子と核酸との相互作用などをアッセイする際に使用され得る。このマイクロアレイ反応デバイスを含む製品およびキット、ならびにこのマイクロアレイ反応デバイスを使用するアッセイ方法もまた、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、マイクロアレイチップおよびその使用の分野に関する。特に、本発明は、マイクロアレイ反応デバイスを提供する。このマイクロアレイ反応デバイスは、種々の部分(例えば、核酸)の間での相互作用、タンパク質を含む免疫反応、タンパク質と核酸との間の相互作用、リガンド−レセプター相互作用、ならびに低分子とタンパク質との相互作用、低分子と核酸との相互作用などをアッセイする際に使用され得る。このマイクロアレイ反応デバイスを含む製品およびキット、ならびにこのマイクロアレイ反応デバイスを使用するアッセイ方法もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
遺伝子チップを例にとると、現在のマイクロアレイチップは、基材およびカバーガラスから構成される。この基材は、しばしば、1インチ×3インチのサイズを有する標準的なスライドであり、そしてこのカバーガラスは、しばしば、平坦なプラスチックプレートまたはガラスプレートである。このマイクロアレイチップには、いくつかの欠点が存在する。第一に、ハイブリダイゼーション溶液の深さが非常に浅く、比較的少量の分子しかハイブリダイゼーション反応に参加し得ず、弱いハイブリダイゼーションシグナルしか生じない。第二に、標準的なサイズのスライドが使用されるので、比較的大量のサンプルが、このスライドを覆うためには必要であり、これによって、貴重または高価なサンプルが浪費され得る。第三に、複数のサンプルが単一のスライド上で分析される場合、相互混入が容易に生じ得、このアッセイの信頼性を低減し得る。第四に、複数のサンプルが単一のスライド上で分析される場合、プローブを取り付けるためのマイクロアレイ位置を探すことがしばしば必要であり、それによって操作が不便になり、アッセイの速度および信頼性が低減する。第五に、ハイブリダイゼーション溶液がスライドに注入された後、カバーガラスがそのスライドに配置され、それによって、気泡を生じないように使用者が注意する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題および当該分野における他の関連する問題に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の開示)
1つの局面において、本発明はマイクロアレイ反応デバイスに関し、このデバイスは、a)複数のマイクロアレイ領域を含む、マイクロアレイチップ;およびb)複数の突出部と支持構造体とを含む、カバー;を備え、複数の反応空間が、上記マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と上記カバーの突出部との間に形成され、上記複数の反応空間の体積は、実質的に同一であり、上記体積は、上記支持構造体の高さと上記突出部の面積とによって制御可能である。
【0005】
別の局面において、本発明は、製品に関し、この製品は、a)包装材料;b)上記マイクロアレイ反応デバイス;およびc)この製品が分析物をアッセイするためのものであることを示しているラベル、を備える。
【0006】
さらに別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするための方法に関する。この方法は、分析物をアッセイするための方法であって、上記方法は、
a)上記のマイクロアレイ反応デバイスを提供する工程;b)工程a)において提供される上記マイクロアレイ反応デバイスの、複数のマイクロアレイ領域および/または複数の突出部に、複数の反応物を付着させる工程であって、上記反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合することが可能である、工程;c)上記分析物を含む疑いがあるサンプルを、工程a)において提供される反応物と、上記サンプル中に上記分析物が存在する場合に上記分析物を上記反応物に結合させるために適切な条件下で、接触させる工程;およびd)上記サンプル中の上記分析物の存在および/または量を決定するために、上記分析物と上記反応物との間の結合を評価する工程、を包含する。
【0007】
なお別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするためのキットに関する。このキットは、a)上記のマイクロアレイ反応デバイス;b)a)において提供されるマイクロアレイ反応デバイスの、複数のマイクロアレイ領域および/または複数の突出部に、複数の反応物を付着させるための手段であって、上記反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合することが可能である、手段;ならびにc)上記サンプル中の上記分析物の存在および/または量を決定するために、上記分析物と上記反応物との間の結合を評価する手段、を備える。
【0008】
なお別の局面において、本発明は、マイクロアレイ反応デバイスに関する。このデバイスは、a)マイクロアレイ領域を含む、マイクロアレイチップ;b)突出部と支持構造体とを含む、カバー;を備え、反応空間が、上記マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と上記カバーの突出部との間に形成され、上記反応空間の体積は、上記支持構造体の高さと上記突出部の面積とによって制御可能である。
【0009】
なお別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするための方法に関する。この方法は、a)上記のマイクロアレイ反応デバイスを提供する工程;b)工程a)において提供される上記マイクロアレイ反応デバイスの、マイクロアレイ領域および/または突出部に、反応物を付着させる工程であって、上記反応物は、分析されるべき分析物に結合することが可能である、工程;c)上記分析物を含む疑いがあるサンプルを、工程a)において提供される反応物と、上記サンプル中に上記分析物が存在する場合に上記分析物を上記反応物に結合させるために適切な条件下で、接触させる工程;およびd)上記サンプル中の上記分析物の存在および/または量を決定するために、上記分析物と上記反応物との間の結合を評価する工程、を包含する。
【0010】
なお別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするためのキットに関する。このキットは、a)上記のマイクロアレイ反応デバイス;b)a)において提供されるマイクロアレイ反応デバイスの、マイクロアレイ領域および/または突出部に、反応物を付着させるための手段であって、上記反応物は、分析されるべき分析物に結合することが可能である、手段;ならびにc)上記サンプル中の上記分析物の存在および/または量を決定するために、上記分析物と上記反応物との間の結合を評価する手段、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(発明を実施する形態)
開示を限定するためではなく、明瞭にするために、発明の詳細な説明を以下の小節中に分ける。
【0012】
(A.定義)
他に定義されない限り、本明細書中に使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野において当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中に参照される全ての特許、出願、公開された出願および他の刊行物は、参考として全体が援用される。この節に記載される定義が、本明細書中に参考として援用される特許、出願、公開された出願および他の刊行物に記載される定義に反するかあるいは他のように矛盾する場合、この節に記載される定義が、本明細書中に参考として援用される定義より優先する。
【0013】
本明細書中に使用される場合、「a」または「an」とは、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
【0014】
本明細書中に使用される場合、「マイクロアレイチップ」とは、複数の1次元、2次元または3次元の、マイクロ構造またはマイクロスケール構造を備える固体基材をいい、この上で、特定の処理(例えば、物理的処理、化学的処理、生物学的処理、生物物理学的処理または生物化学的処理など)が、実施され得る。マイクロ構造またはマイクロスケール構造(例えば、チャネルおよびウェル)は、チップ上での物理的、化学的、生物学的、生物物理学的または生物化学的な反応あるいは処理を容易にするために、この固体基材に組み込まれるか、組み立てられるかあるいは別の方法で取りつけられる。チップは、1次元においては薄くあり得、他の次元においては、例えば、矩形、円形、楕円形または他の不規則な形状などの、種々の形状を有し得る。チップの主要な表面のサイズは、かなり変化し得、例えば、約1mm〜約0.25mを変化し得る。好ましくは、チップのサイズは約4mm〜約25cmであり、約1mm〜約5cmの特徴的な寸法を備える。チップ表面は、平坦であってもよいし、非平坦であってもよい。非平坦表面を備えるチップは、表面上に組み立てられた、チャネルまたはウェルを備え得る。
【0015】
本明細書中に使用される場合、「上記反応空間の体積が、実質的に同一である」とは、上記反応空間の体積の間の差異が、アッセイの均一性に統計学的に影響しないくらい十分に小さいことを意味する。通常、最大の体積と最小の体積との間の差異は、反応空間の最大体積の50%未満である。好ましくは、最大の体積と最小の体積との間の差異は、反応空間の最大体積の40%、30%、20%、10%、5%、2%または1%未満である。
【0016】
本明細書中に使用される場合、「構造的および/または機能的に関連するタンパク質の群」とは、それらの天然の状態で、構造的に連関し、同じ細胞内位置(例えば、細胞小器官)に位置し、同じ組織または器官に位置し、同じ生物学的段階(例えば、特定の細胞周期段階または発生段階)において発現されおよび/または機能的であり、あるいは同じ生物学的経路(例えば、特定の代謝経路、シグナル伝達経路など)において発現されおよび/または機能的である、タンパク質の群をいう。この「構造的および/または機能的に関連するタンパク質の群」は、同じ群に属する少なくとも2つのタンパク質を含むことのみを必要とする。この「構造的および/または機能的に関連するタンパク質の群」は、好ましくは、同じ群に属する二つより多くのタンパク質を(例えば、同じ群に属するタンパク質のうちの大部分あるいは全てさえをも)含み得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、「組織特異的様式または器官特異的様式において発現される」とは、遺伝子が、一過性かまたは構成的かのいずれかで、特定の組織または器官においてのみ発現されるが他の組織においても器官においても発現されない、遺伝子発現パターンを指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「組織」とは、類似の細胞およびそれらの周囲にある細胞内物質の集合をいう。体内には、4つの基本組織(1)上皮;2)血液、骨および軟骨を含む、結合組織;3)筋組織;4)神経組織)が存在する。
【0019】
本明細書中に使用される場合、「器官」とは、呼吸機能、分泌機能または消化機能のような特定の機能を実行する、身体の任意の部分をいう。
【0020】
本明細書中に使用される場合、ミスマッチの百分率を決定することにおける「ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー」とは、以下の通りである:
1)高いストリンジェンシー:0.1×SSPE、0.1%SDS、65℃;
2)中程度のストリンジェンシー:0.2×SSPE、0.1%SDS、50℃(穏やかなストリンジェンシーともいう);および
3)低いストリンジェンシー:1.0×SSPE、0.1%SDS、50℃。
【0021】
等価なストリンジェンシーは、代替的な緩衝液、塩および温度を用いて達成され得ることが、理解される。
【0022】
本明細書中に使用される場合、「遺伝子」とは、染色体上に特定の座を占める遺伝形質の単位をいい、その存在は、異なる対立遺伝子形態の出現によって確認され得る。分断化された遺伝子の出現を考慮すると、遺伝子はまた、単一のポリペプチドを生成するために必要とされるDNA配列(エキソン)のセットを包含する。
【0023】
本明細書中に使用される場合、「遺伝子チップ」とは、表面に固定化されたオリゴヌクレオチドのアレイをいい、RNAサンプル(逆転写後)をスクリーニングするために使用され得、そしてこのようにして、そのRNAが由来する細胞または組織においてどの遺伝子が発現されているかを迅速に決定するための方法をいう。
【0024】
本明細書中に使用される場合、「特異的に結合する」とは、特定の分子構造の存在に依存する様式における、ある物質の別の物質に対する結合をいう。例えば、レセプターは、リガンド結合部位に相補的な化学構造を含むリガンドに選択的に結合する。
【0025】
本明細書中に使用される場合、「特異的な結合対」とは、他の物質を除外する程度までリガンドに対して特異的な結合親和性を有する、任意の物質または物質のクラスをいう。1つの実施形態において、この特異的な結合対は、免疫化学様式にてサンプルリガンドに相互作用するか、またはリガンドに対するサンプルの結合能に相互作用する、特異的結合アッセイ試薬を含む。例えば、試薬および/またはサンプルリガンドもしくはリガンドに対するサンプルの結合能の間には、抗原−抗体関係またはハプテン−抗体関係がある。さらに、リガンドと結合パートナーとの間の、他の結合相互作用は、特異的結合アッセイの基礎として機能し、例えば、ホルモン、ビタミン、代謝物および薬剤と、それらのそれぞれのレセプターおよび結合物質との間の結合相互作用が挙げられることが、当該分野においてよく理解されている(例えば、Langanら編、Ligand Assay,pp.211以下参照,Masson Publishing U.S.A. Inc.,New York,1981を参照のこと)。
【0026】
本明細書中に使用される場合、「抗体」とは、免疫グロブリンの特定の型、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG(例えば、IgG、IgG、IgGおよびIgG)およびIgMをいう。抗体は、任意の適切な形態で存在し得、そしてまた任意の適切なフラグメントまたは誘導体を包含し得る。例示的な抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、Fvフラグメント、二重特異性抗体、単鎖抗体、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられる。
【0027】
本明細書中に使用される場合、「サンプル」とは、本発明の方法および/またはキットを用いてアッセイされ得る分析物を含み得る、任意のものをいう。このサンプルは、生物学的サンプル(例えば、生物学的流体および生物学的組織)であり得る。生物学的流体の例としては、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙液、粘液、羊水などが挙げられる。生物学的組織は、通常、細胞内物質を一緒に備える特定の種類の細胞の凝集体であり、ヒト、動物、植物、細菌、真菌またはウイルス構造の構造材料の1つ(例えば、結合組織、上皮組織、筋組織および神経組織が挙げられる)を形成する。生物学的組織の例はまた、器官、腫瘍、リンパ節、動脈および個々の細胞を含む。生物学的組織は、細胞懸濁サンプルを得るために処理されてもよい。このサンプルは、インビトロで調製された細胞の混合物であってもよい。このサンプルはまた、培養細胞懸濁液であってもよい。生物学的サンプルの場合、このサンプルは粗製のサンプルであってもよいし、元のサンプルに対する種々の処理または調製後に得られる処理されたサンプルであってもよい。例えば、種々の細胞分離法(例えば、磁気的に活性化された細胞のソーティング)が、体液サンプル(例えば、血液)から標的細胞を分離または濃縮するために適用され得る。本発明のために使用されるサンプルは、このような標的細胞を濃縮した細胞調製物を含む。
【0028】
本明細書中に使用される場合、「液体(流体)サンプル」とは、液体または流体として天然に存在するサンプル(例えば、生物学的流体)をいう。「液体サンプル」はまた、天然では非液体の状態(例えば、固体または気体)において存在するが、この固体または気体のサンプル物質を含む、液体、流体、溶液あるいは懸濁液として調製される、サンプルをいう。例えば、液体サンプルは、生物学的組織を含む液体、流体、溶液または懸濁液を包含し得る。
【0029】
本明細書中に使用される場合、「部分」とは、試験部分および標的部分の両方を包含する。部分の非限定的例としては、細胞、細胞小器官、ウイルス、粒子、分子(例えば、タンパク質、DNAおよびRNA)あるいはそれらの凝集体または複合体が挙げられる。
【0030】
本明細書中に用いられる「低分子」とは、ホモ凝集体を形成することなく、あるいは高分子にもアジュバントに付着することもなく、この低分子に特異的に結合する抗体を産生できない分子をいう。好ましくは、この低分子は、約10,000ダルトン未満の分子量を有する。より好ましくは、この低分子は、約5,000ダルトン未満の分子量を有する。
【0031】
(B.マイクロアレイ反応デバイスおよび製品)
1つの局面において、本発明は、マイクロアレイ反応デバイスに関し、このデバイスは、a)複数のマイクロアレイ領域を備えるマイクロアレイチップ;b)複数の突出部と支持構造体とを備えるカバーを備え、複数の反応空間が、上記マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と、上記カバーの突出部との間に形成され、上記反応空間の体積は、実質的に同一であり、上記体積は、上記支持構造体の高さと上記突出部の面積とによって制御可能である。
【0032】
任意の適切なマイクロアレイチップが、本発明のマイクロアレイ反応デバイスにおいて使用され得る。例えは、このマイクロアレイチップは、スライド(slide)であり得る。
【0033】
好ましい実施形態において、このマイクロアレイチップは、このマイクロアレイチップ上に複数の隔てられた(separated)マイクロアレイ領域を形成するため、および複数の隔てられた反応空間を形成するために、囲い(enclosure)をさらに備え得る。この囲いは、任意の適切な寸法および形状を有し得る。一例において、上記囲いの厚さは、約0.05mm〜約50mmの範囲である。別の例において、この囲いは、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する。
【0034】
別の好ましい実施形態において、上記カバーは、流体を上記複数の反応空間へと送達するための1つ以上の貫通孔(through−hole)をさらに備え得る。この貫通孔の数は、約1個〜約2,500個の範囲であり得る。このマイクロアレイ反応デバイスは、同じ数または異なる数の、上記貫通孔および上記突出部を有し得る。上記貫通孔は、任意の適切な寸法および形状を有し得る。一例において、上記貫通孔の横断面は、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する。別の例において、上記貫通孔は、約0.01mm〜約100mmの範囲の直径を有する。
【0035】
本発明のマイクロアレイ反応デバイスは、任意の適切な数の上記突出部および/または上記マイクロアレイ領域を有し得る。一例において、上記突出部の数および/または上記マイクロアレイ領域の数は、約2個〜約2,500個の範囲である。別の例において、このマイクロアレイ反応デバイスは、同じ数または異なる数の、上記貫通孔および上記突出部を有する。
【0036】
上記突出部および上記マイクロアレイ領域は、任意の適切な寸法および形状を有し得る。一例において、この突出部およびこのマイクロアレイ領域は、同じであるかまたは異なる、形状および/もしくは表面積を有する。別の例において、この突出部の高さは、0.01mm〜50mmの範囲である。なお別の例において、上記突出部の表面は、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する。さらに別の例において、上記突出部の表面は、約0.01mm〜約600mmの範囲の面積を有する。さらに別の例において、上記複数の反応空間は、約0.001mm〜約1mmの範囲の高さを有する。さらに別の例において、上記複数の反応空間は、約0.01mm〜約600mmの範囲の体積を有する。
【0037】
上記のマイクロアレイチップ、囲い、および/またはカバーは、任意の適切な材料を含み得る。一例において、上記マイクロアレイチップ、上記囲い、および/または上記カバーは、シリコン、プラスチック、ガラス、セラミック、ゴム、金属、ポリマー、紙、およびそれらの組合せからなる群より選択される材料を含む。別の例において、上記カバーは、プラスチックを含む。好ましくは、このカバーは、射出成形されている。また好ましくは、上記プラスチックは、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリエチレン、およびポリプロピレンからなる群より選択される。なお別の例において、上記カバーは、ガラスを含む。好ましくは、上記カバーは、接着(gluing)、方形切断(dicing)/切断、薄切り(slicing)、陽極結合(anodic bonding)、超音波溶接(ultrasonic welding)、およびそれらの組合せからなる群より選択される方法によって製造される。さらに別の例において、上記囲いは、二重コーティングされたテープに結合されたゴムを含む。好ましくは、上記囲いは、スタンピングによって製造されている。また好ましくは、上記ゴムは、シリコーン、カウチューク、ブチルゴム、ウレタンゴム、およびネオプレンからなる群より選択される。なお別の例において、上記囲いは、一重コーティングされたテープを含む。好ましくは、上記囲いは、スタンピングによって製造されている。
【0038】
本発明のマイクロアレイ反応デバイスは、分析物をアッセイするにあたって有用な物質をさらに含み得る。例えば、本発明のマイクロアレイ反応デバイスは、上記マイクロアレイ領域中に固定されている、分析物に結合可能な反応物(reactant)をさらに含み得る。
【0039】
別の局面において、本発明は、製品に関し、その製品は、a)包装材料(packaging material);b)上記のマイクロアレイ反応デバイス;およびc)その製品が分析物をアッセイするためのものであることを示すラベル、を備える。
【0040】
なお別の局面において、本発明は、マイクロアレイ反応デバイスに関し、このデバイスは、a)マイクロアレイ領域を備えるマイクロアレイチップ;およびb)突出部と支持構造体とを備えるカバー、を備え;反応空間が、上記マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と、上記カバーの突出部との間に形成され、上記反応空間の体積は、上記支持構造体の高さおよび上記突出部の面積によって制御可能である。a)包装材料;b)上記マイクロアレイ反応デバイス;およびc)この製品が分析物をアッセイするためのものであることを示す、ラベルを備える製品もまた、企図される。
【0041】
(C.分析物をアッセイするための方法およびキット)
さらに別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするための方法に関し、この方法は、a)上記のB節に記載されるマイクロアレイ反応デバイスを提供する工程;b)a)において提供された上記マイクロアレイ反応デバイスの上記複数のマイクロアレイ領域および/または上記複数の突出部に、複数の反応物を付着する工程であって、上記反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合し得る、工程;c)上記分析物を含むと疑われるサンプルと、a)において提供された反応物とを、サンプル中に存在する場合には上記反応物への上記分析物の結合を可能にするために適切な条件下で、接触させる工程;ならびにd)上記分析物と、上記反応物との間に結合を評価して、上記サンプル中の上記分析物の存在および/または量を決定する工程、を包含する。
【0042】
なお別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするためのキットに関し、このキットは、a)上記のB節において記載されるマイクロアレイ反応デバイス;b)複数の反応物を上記複数のマイクロアレイ領域および/またはa)において提供された上記マイクロアレイ反応デバイスの複数の突出部に付着するための手段であって、上記反応物のうちのうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合し得る、手段;ならびにc)上記分析物と上記反応物との間の結合を評価して、上記サンプル中の分析物の存在および/または量を決定するための手段、を備える。
【0043】
上記キットは、複数の反応物をさらに含み得、これらの反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合し得る。このキットはまた、分析物をアッセイするためにこのキットを用いるための指示書をさらに備え得る。
【0044】
なお別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするための方法に関し、この方法は、a)マイクロアレイ反応デバイスを提供する工程であって、このデバイスは、マイクロアレイ領域を備えるマイクロアレイチップ、ならびに突出部と支持構造体とを備えるカバー、を備え、反応空間が、上記マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と上記カバーの突出部との間で形成され、上記反応空間の体積は、上記支持構造体の高さおよび上記突出部の面積によって制御可能である、工程;b)a)において提供された上記マイクロアレイ反応デバイスの上記マイクロアレイ領域および/または上記突出部に反応物を結合する工程であって、上記反応物は、分析されるべき分析物に結合し得る、工程;c)上記分析物を含むと疑われるサンプルと、工程a)において提供された反応物とを、サンプル中に存在する場合に上記反応物への上記分析物の結合を可能にするために適切な条件下で、接触させる工程;ならびにd)上記分析物と上記反応物との間の結合を評価して、上記サンプル中の分析物の存在および/または量を決定する工程、を包含する、方法。
【0045】
なお別の局面において、本発明は、分析物をアッセイするためのキットに関し、このキットは、a)マイクロアレイ反応デバイスであって、このデバイスは、マイクロアレイ領域を備えるマイクロアレイチップ、および突出部と支持構造体とを備えるカバー、を備え、反応空間が、上記マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と上記カバーの突出部との間で形成され、上記反応空間の体積は、上記支持構造体の高さおよび上記突出部の面積によって制御可能である、マイクロアレイ反応デバイス;b)a)において提供された上記マイクロアレイ反応デバイスの上記マイクロアレイ領域および/または上記突出部に反応物を結合するための手段であって、上記反応物は、分析されるべき分析物に結合し得る、手段;ならびにc)上記分析物と上記反応物との間の結合を評価して、上記サンプル中の上記分析物の存在および/または量を決定するための手段、を備える。
【0046】
本発明の方法およびキットは、任意の分析物(例えば、細胞、細胞小器官、ウイルス、分子およびこれらの凝集体または複合体をアッセイするために使用され得る。例示的な細胞としては、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、細菌細胞、組換え細胞および培養細胞が挙げられる。動物細胞、植物細胞、真菌細胞、細菌細胞は、動物界、植物界、真菌界または細菌界の任意の属または亜属に由来し得る。線虫、細胞性粘菌、鞭毛虫、および微胞子虫の任意の属または亜属に由来する細胞がまた、本発明の方法によってアッセイされ得る。鳥類(例えば、ニワトリ)、脊椎動物(例えば、魚類)、ならびに哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、雌ウシ、雄ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サルおよび他の非ヒト霊長類およびヒト)に由来する細胞が、本発明の方法によってアッセイされ得る。
【0047】
動物細胞に関して、特定の組織または器官に由来する細胞が、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。例えば、結合組織細胞、上皮組織細胞、筋組織細胞または神経組織細胞が、アッセイされ得る。同様に、副眼器、らせん形器官、聴覚器官(auditory organ)、チーヴィッツ器官、脳室周囲器官、コルティ器官、危険臓器、エナメル器、終末器、女性の外生殖器、男性の外生殖器、遊走器官(floating organ)、ルフィーニ散形器官、生殖器、ゴルジ腱紡錘、味覚器(gustatory organ)、聴覚器(organ of hearing)、女性の内生殖器、男性の内生殖器、陰茎、ヤコブソン器官、神経血液器官、神経腱紡錘、嗅覚器(olfactory organ)、耳石器、遊走器官(ptotic organ)、ローゼンミュラー器官、感覚器、嗅覚器(organ of smell)、らせん器(spiral organ)、交連下器官、脳弓下器官、過剰器官、触覚器(tactile organ)、標的器官、味覚器(organ of taste)、触角器(organ of touch)、泌尿器、大脳終板の血管器、前庭器、平衡聴覚器、痕跡器官、視覚器(organ of vision)、視覚器(visual organ)、鋤鼻器、遊走器官(wandering organ)、ウェーバー器官およびツッカーカンドル器官が、使用され得る。好ましくは、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、腺、血管内腔などのような、内部動物器官に由来する細胞が、アッセイされ得る。さらに、任意の植物、真菌(例えば、酵母)、細菌(例えば、真正細菌または古細菌)に由来する細胞が、アッセイされ得る。動物細胞、植物細胞、真菌細胞または細菌細胞のような、任意の真核供給源または原核供給源に由来する組換え細胞もまた、アッセイされ得る。血液、尿、唾液、骨髄液、精液または他の腹水のような体液ならびにそれらの細画分(例えば、血清または血漿)もまた、アッセイされ得る。
【0048】
例示的な細胞小器官としては、核、ミトコンドリア、葉緑体、リボソーム、小胞体、ゴルジ装置、リソソーム、プロテアソーム、分泌小胞、液胞およびミクロソームが挙げられる。例示的な分子としては、無機分子、有機分子およびそれらの複合体が挙げられる。例示的な有機分子としては、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質およびそれらの複合体が挙げられる。
【0049】
任意のアミノ酸が、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。例えば、D−アミノ酸およびL−アミノ酸が、アッセイされ得る。さらに、Ala(A)、Arg(R)、Asn(N)、Asp(D)、Cys(C)、Gln(Q)、Glu(E)、Gly(G)、His(H)、Ile(I)、Leu(L)、Lys(K)、Met(M)、Phe(F)、Pro(P)、Ser(S)、Thr(T)、Trp(W)、Tyr(Y)およびVal(V)を含む、天然に存在するペプチドおよびタンパク質の任意の構築ブロックが、本発明の方法によってアッセイされ得る。
【0050】
任意のタンパク質またはペプチドが、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。例えば、酵素、輸送タンパク質(例えば、イオンチャネルおよびポンプ)、栄養タンパク質または貯蔵タンパク質、収縮タンパク質または運動タンパク質(例えば、アクチンおよびミオシン)、構造タンパク質、防御タンパク質または調節タンパク質(例えば、抗体、ホルモンおよび成長因子)が、アッセイされ得る。タンパク質性抗原またはペプチド性抗原もまた、アッセイされ得る。
【0051】
一本鎖核酸、二重鎖核酸および三重鎖核酸を含む任意の核酸が、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。このような核酸の例としては、A型DNA、B型DNAまたはZ型DNAのようなDNA、ならびにmRNA、tRNAおよびrRNAのようなRNAが挙げられる。
【0052】
任意のヌクレオシドが、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。このようなヌクレオシドの例としては、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジンおよびウリジンが挙げられる。任意のヌクレオチドが、本発明の方法によってアッセイされ得る。このようなヌクレオチドの例としては、AMP、GMP、CMP、UMP、ADP、GDP、CDP、UDP、ATP、GTP、CTP、UTP、dAMP、dGMP、dCMP、dTMP、dADP、dGDP、dCDP、dTDP、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTPが挙げられる。
【0053】
任意のビタミンが、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。例えば、チアミン、リボフラミン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12およびアスコルビン酸のような水溶性ビタミンが、アッセイされ得る。同様に、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEおよびビタミンKのような脂溶性ビタミンが、アッセイされ得る。
【0054】
D−単糖であろうとL−単糖であろうと、そしてアルドースであろうとケトースであろうと、任意の単糖が、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。単糖の例としては、グリセルアルデヒドのようなトリオース、エリトロースおよびトレオースのようなテトロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソースおよびリブロースのようなペントース、ヘキソース(例えば、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロースおよびフルクトース)ならびにセドヘプツロースのようなヘプトースが挙げられる。
【0055】
任意の脂質が、本発明の方法およびキットによってアッセイされ得る。脂質の例としては、トリステアリン、トリパルミチンおよびトリオレインのようなトリアシルグリセロール、ワックス、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールおよびカルジオリピンのようなホスホグリセリド、スフィンゴミエリン、セレブロシドおよびガングリオシドのようなスフィンゴ脂質、コレステロールおよびスチグマステロールのようなステロール、ならびにステロール脂肪酸エステルが挙げられる。この脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびリグノセリン酸のような飽和脂肪酸であり得るか、あるいは、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸のような不飽和脂肪酸であり得る。
【0056】
本発明の方法およびキットは、任意のサンプルをアッセイするために使用され得る。例えば、本発明の方法は、哺乳動物サンプルをアッセイするために使用され得る。例示的な哺乳動物としては、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウサギ、モルモット、マウス、ヒト、ネコ、サル、イヌおよびブタが挙げられる。本発明の方法はまた、臨床的サンプルをアッセイするために使用され得る。例示的な臨床的サンプルとしては、血清、血漿、全血、痰、脳脊髄液、羊水、尿、胃腸内容物、毛、唾液、汗、歯肉擦過標本、および生検由来からの組織が挙げられる。好ましくは、本発明の方法は、ヒト臨床的サンプルをアッセイするために使用され得る。
【0057】
任意の適切な反応物が、本発明の方法およびキットにおいて使用され得る。好ましくは、本発明の方法において使用される反応物は、分析物に特異的に結合する。例示的な反応物としては、細胞、細胞小器官、ウイルス、分子およびそれらの凝集体または複合体が挙げられる。好ましくは、この反応物は抗体である。また好ましくは、この反応物は核酸である。
【0058】
本発明の方法およびキットは、任意の適切なアッセイ形式において使用され得る。例えば、本発明の方法は、直接アッセイ形式、サンドウィッチアッセイ形式または競合アッセイ形式において使用され得る。
【0059】
1つの実施形態において、異なる複数の反応物は、単一の分析物をアッセイするために使用される。別の実施形態において、異なる複数の反応物は、異なる複数の分析物をアッセイするために使用される。さらに別の実施形態において、複数の反応物は、マイクロアレイの第1の複数の突出物に付着される。なお別の実施形態において、全ての反応物は、分析されるべき分析物に結合することが可能である。
【0060】
本発明の方法およびキットは、細胞、細胞小器官、ウイルス、分子およびそれらの凝集体または複合体からなる群より選択される部分間の、任意の相互作用を検出するために使用され得る。例えば、本発明の方法およびキットは、DNA−DNA、DNA−RNA、RNA−RNA、DNA−タンパク質、RNA−タンパク質およびタンパク質−タンパク質などの相互作用のような、高分子の間、あるいはそれらのうちの相互作用を検出するために使用され得る。本発明の方法およびキットはまた、高分子−低分子相互作用あるいは低分子−低分子相互作用を検出するために使用され得る。本発明の方法およびキットはまた、より複雑な相互作用(例えば、2つ以上の部分間の相互作用)を検出するために使用され得る。DNA−DNA、DNA−RNA、RNA−RNA相互作用が検出される場合、接触させる(すなわち、ハイブリダイズさせる)工程は、適切な条件(例えば、低いストリンジェンシー、中程度のストリンジェンシーまたは高いストリンジェンシー)の下で行われ得る。
【0061】
上記試験部分と、上記複数の標的部分との間の相互作用は、任意の適切な方法によって検出され得る。例えば、試験部分および/または標的部分は、検出を容易にするために標識され得る。任意の適切な標識が、使用され得る。例示的な標識としては、放射性標識、蛍光標識、化学標識、酵素標識、発光標識およびFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)標識が挙げられる。発光標識は、化学発光標識または生物発光標識であり得る。標識は、試験部分単独に、または標的部分単独に、あるいは両方に対して、直接的または間接的に、付着または結合され得る。読取りは、陽性シグナルまたは陰性シグナルであり得る。任意の適切なアッセイ形式(例えば、サンドウィッチ形式または競合形式)が使用され得る。
【0062】
好ましい実施形態において、本発明の方法およびキットは、試験部分と複数の遺伝子、遺伝子フラグメントまたはそれらのコードする産物との間の、またはそれらのうちの相互作用を検出するために使用される。より好ましくは、この複数の標的遺伝子、遺伝子フラグメントまたはそれらのコードする産物は、生物学的経路に関与し、同一あるいは類似の生物学的機能を備え、細胞周期のある段階において発現され、ある細胞型において発現され、ある組織型において発現され、ある器官型において発現され、ある発生段階において発現され、その発現および/または活性が疾患あるいは障害の型または段階において変更されるタンパク質、あるいはその発現および/または活性が薬物または他の処置によって変更されるタンパク質、を含むタンパク質の群に属する。
【0063】
本発明の方法およびキットは、単一の試験部分または試験物質と複数の標的部分との間の、あるいはそれらのうちの相互作用の検出において使用され得る。好ましくは、本発明の方法は、ハイスループット様式(すなわち、複数の試験部分または試験物質と複数の標的部分との間の、あるいはそれらのうちの相互作用の検出において)において使用される。この複数の試験部分または試験物質と複数の標的部分との間の相互作用は、同時に、あるいは連続的に検出され得る。
【0064】
(D.例示的な実施形態)
本発明の特定の好ましい実施形態の1つの目的は、現在利用可能なマイクロアレイチップの欠点に対処することである。本発明の特定の好ましい実施形態の別の目的は、簡便であり、高速であり、そして信頼のあるマイクロアレイ反応デバイスをユーザーに提供することである。
【0065】
上記の目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態は、以下:a)マイクロアレイを有するスライド;b)上記スライドを分離して、複数の隔てられたマイクロアレイ領域を形成する、上記スライドに付着された囲い;およびc)複数の突出部および支持構造体を備えるカバー、を備えるマイクロアレイ反応デバイスに関し、このデバイスにおいて、複数の反応空間が、上記スライドのマイクロアレイ領域と上記カバーの突出部との間に形成され、上記囲いは、上記反応空間を、相互汚染をさけるために互いに空間的に隔てるために有用であり、そして、上記反応空間の体積は実質的に同一であり、上記支持構造体の高さおよび上記突出部の面積によって制御可能である。上記カバーにおいて、各々が反応空間に関連するいくつかの貫通孔が存在し、このことにより上記カバーが上記スライド上にあらかじめ置かれた後に、反応溶液を注入することが可能になる。
【0066】
例示的なマイクロアレイ反応デバイスは、核酸間の相互作用、タンパク質に関する免疫反応、タンパク質と核酸との間の相互作用、リガンド−レセプター相互作用、ならびに低分子とタンパク質との相互作用または低分子と核酸との相互作用をアッセイするために使用され得る。
【0067】
スライド、囲いまたはカバーは、シリコーン、プラスチック、ガラス、セラミック、ゴム、金属、ポリマー、紙およびそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含み得る。
【0068】
例示的なマイクロアレイ反応デバイスは、以下の利点を有する:1)小さな表面積を有する突出部の使用によって、より少ないサンプル体積しか必要とされず、コスト削減がもたらされる;2)支持構造体の使用によって、反応空間の高さまたは反応溶液の厚さの正確な制御を確実にし、そして結果として、反応物(例えば、ハイブリダイゼーション液)の厚さまたは体積の均一性を確実にする;3)複数のサンプルがアッセイされる場合、複数の反応(例えば、ハイブリダイゼーション)空間の存在は、最小の相互汚染を囲い込み、そしてアッセイ信頼性を確実にする;4)囲いの使用によって、プローブを付着させるためのマイクロアレイ位置を探す必要が無く、従って、操作をより簡便にすると同時にアッセイ信頼性を増大させる;5)カバーにおける貫通孔が、カバーがスライド上にあらかじめ置かれた後に、反応溶液を注入することを可能し、従って、操作をより簡便にし、かつアッセイ信頼性を増大させる。
【0069】
例示的なマイクロアレイ反応デバイスは、疾患予後または疾患診断、生命科学研究、農業および環境モニタリング、食品監査および衛生監査ならびに司法検査において使用され得る。特に、例示的なマイクロアレイ反応デバイスは、最小の相互汚染で使用され得る。従って、例示的なマイクロアレイ反応デバイスは、複数のサンプルの同時アッセイに特に適し、そして種々の予後または診断(例えば、複数のマーカー、複数の疾患および/または複数の患者に対する同時アッセイ)において有用である。
【0070】
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示す。例示的なマイクロアレイ反応デバイスは、スライド(1)、囲い(2)、ならびに複数の突出部(4)および支持構造体(5)を有するカバー(3)を備え得る。このスライド(1)は、囲い(2)によって、多くのマイクロアレイ領域に分けられる。このマイクロアレイ領域、突出部(4)および支持構造体(5)は、制御可能な厚みおよび面積を備える反応空間を、共同で形成する。この支持構造体(5)は、スライド(1)上のマイクロアレイとカバー(3)上の複数の突出部(4)との間の相対的な位置を制御するために使用され得る。同一の反応が、アッセイの信頼性を評価するために、複数の反応空間において実施され得る。複数のサンプルまたはマーカーを同時にアッセイするために、複数の反応空間において、異なる反応が実施され得る。上記スライド(1)に付着された上記囲い(2)は、相互汚染を避け、アッセイの精度を高めるために有用であり得る。
【0071】
図2は、図1において示される本発明の1実施形態の、スライド(1)および囲い(2)を示す。この囲い(2)は、スライド(1)に付着されて、このスライド(1)を複数の隔てられたマイクロアレイ領域に分離する。各領域において、プローブが整列される。囲い(2)は、反応空間を空間的に互いに隔て、相互汚染を避けるように成形される。この囲いの厚みは、0.05mm〜50mmの範囲である。この囲いは、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する。上記スライド(1)の材料は、ガラスであり得る。上記囲い(2)の材料は、2重コーティングされたテープに付着されたゴムであり得、そしてこの囲いは、好ましくはスタンピングによって製造される。このゴムは、シリコーン、カウチューク、ブチルゴム、ウレタンゴム、ネオプレンなどである。この囲いはまた、単一コーティングされたテープであり得、そしてこの囲いは、好ましくはスタンピングによって製造される。この囲い(2)は、加工装置またはマニピュレーターによって、上記スライド(1)に固定され得る。
【0072】
図3は、図1において示される本発明の実施形態の、カバー(3)を示す。このカバー(3)は、複数の突出部(4)および支持構造体(5)を備え、ここで、複数の反応空間が、スライド(1)のマイクロアレイ領域とカバー(3)の突出部(4)との間に形成され、この反応空間の高さは、実質的に同一であり、支持構造体(5)の高さにより制御可能である。カバーにおける突出部(4)の高さは、0.01mm〜50mmの範囲である。この突出部(4)の表面は、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有し、そして約1mm〜約600mmの範囲の面積を有する。複数の反応空間は、約0.001mm〜約1mmの範囲の高さを有し、そして約0.01mm〜約600mmの範囲の体積を有する。このカバー(3)の材料は、好ましくはプラスチックであり、そしてこのカバー(3)は、好ましくは射出成形される。このプラスチックは、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、ポリスチレン、ブライトABS(bright ABS),ポリプロピレンなどである。このカバー(3)の材料はまた、ガラスであり、そしてこのカバーは、付着、方形切断/切断、薄切り、陽極接合、超音波溶接およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法によって製造される。
【0073】
図4〜6は、本発明の第2の実施形態を示す。貫通孔(6)が、上記スライド(1)のマイクロアレイ領域および上記カバー(3)上の上記突出部(4)によって形成される各反応空間に関連して存在する。反応溶液は、上記カバー(3)が上記スライド(1)上にあらかじめ置かれた後に、この貫通孔(6)を介して反応空間に注入され得る。反応溶液がゆっくりと注入されるにつれて、それは毛細管現象を介して突出部の下に広がり、そしてマイクロアレイ領域は反応空間によってその厚みが決定される溶液の層で覆われる。この貫通孔(6)は、気泡の存在を避けるために有用であり、そして操作をより簡便で、より信頼できるようにする。この貫通孔の横断面は、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する。カバーにおけるこの貫通孔は、約0.01mm〜約100mmの範囲の直径を有する。
【0074】
図7〜9は、本発明の第3の実施形態を示し、ここで上記カバーは1つの突出部(4)、支持構造体(5)および2つの貫通孔(6)を備える。反応溶液は、カバー(3)があらかじめマイクロアレイチップ(1)上に置かれた後に、この2つの貫通孔(6)を介して反応空間に注入され得る。このマイクロアレイチップ(1)はスライドである。このマイクロアレイ反応デバイスは、マイクロアレイ領域のサイズが大きい場合に使用され得る。
【0075】
図10〜12は、本発明の第4の実施形態を示し、ここで、上記カバー(3)は、2つの突出部(4)を備える。この貫通孔(6)の直径は2mmである。
【0076】
図13〜15は、本発明の第5の実施形態を示し、ここで、上記マイクロアレイチップ(1)は1つのマイクロアレイ領域を備える。上記カバー(3)の材料はプラスチックであり、このマイクロアレイチップ(1)の材料は、ガラスおよびプラスチックの組み合わせである。
【0077】
図16〜18は、本発明の第6の実施形態を示し、ここで、上記マイクロアレイチップ(1)は1つのマイクロアレイ領域を備える。上記カバー(3)の材料はプラスチックであり、このマイクロアレイチップ(1)の材料は、ガラスおよびプラスチックの組み合わせである。
【0078】
図19は、本発明の第2の実施形態と従来のマイクロアレイ反応デバイスとの比較である。図19Aは、本発明の第2の実施形態を用いることにより得られたハイブリダイゼーション結果の画像である。図19Bは、従来のスライドおよびカバーグラスを用いることにより得られたハイブリダイゼーション結果の画像である。各画像において、4つの角における4つの点は基準点であり、他の点のシグナルは、それらの強度を4つの基準点の平均強度で割ることにより正規化され得る。各画像において、中心に近い4つの点は同一のプローブを示し、そして正規化後のそれらの平均強度はハイブリダイゼーション結果のスコアとして使用され得る。図19Cは、図19Aと図19Bとの間の上記スコアにおける差を示す図であり、本発明が従来のスライドおよびカバーガラスよりも良好なシグナル対ノイズ比を得られ得、そして結果をより高感度にし得ることを示す。
【0079】
上記の実施例は、例示的な目的のために包含され、本発明の範囲を制限することを意図しない。上に記載されるものに対する多くのバリエーションが、可能である。上に記載される実施例に対する改変およびバリエーションは、当業者に明らかであるので、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1〜3は、本発明の第一の実施形態を示す。このマイクロアレイチップは、スライドと囲いとを含む。図1Aは、組み立て図であり、図1Bは、分解図である。
【図2】図1〜3は、本発明の第一の実施形態を示す。図2Aは、上記マイクロアレイチップの3次元図である。図2Bは、上面図である。
【図3】図1〜3は、本発明の第一の実施形態を示す。図3Aは、上記カバーの3次元図であり、図3Bは、上面図である。
【図4】図4〜6は、本発明の第二の実施形態を示し、上記カバーは、流体を反応空間へと送達するための、複数の貫通孔を含む。図4Aは、組み立て図であり、図4Bは、分解図である。
【図5】図4〜6は、本発明の第二の実施形態を示し、上記カバーは、流体を反応空間へと送達するための、複数の貫通孔を含む。図5Aは、上記マイクロアレイチップの3次元図であり、図5Bは、上面図である。
【図6】図4〜6は、本発明の第二の実施形態を示し、上記カバーは、流体を反応空間へと送達するための、複数の貫通孔を含む。図6Aは、上記カバーの3次元図であり、図6Bは、上面図である。
【図7】図7〜9は、本発明の第三の実施形態を示し、上記カバーは、1つの突出部を含む。図7Aは、組み立て図であり、図7Bは、分解図である。
【図8】図7〜9は、本発明の第三の実施形態を示し、上記カバーは、1つの突出部を含む。図8Aは、上記マイクロアレイチップの3次元図であり、図8Bは、上面図である。
【図9】図7〜9は、本発明の第三の実施形態を示し、上記カバーは、1つの突出部を含む。図9Aは、上記カバーの3次元図であり、図9Bは、上面図である。
【図10】図10〜12は、本発明の第四の実施形態を示し、上記カバーは、2つの突出部を含む。図10Aは、組み立て図であり、図10Bは、分解図である。
【図11】図10〜12は、本発明の第四の実施形態を示し、上記カバーは、2つの突出部を含む。図11Aは、上記マイクロアレイチップの3次元図であり、図11Bは、上面図である。
【図12】図10〜12は、本発明の第四の実施形態を示し、上記カバーは、2つの突出部を含む。図12Aは、上記カバーの3次元図であり、図12Bは、上面図である。
【図13】図13〜15は、本発明の第五の実施形態を示し、そのマイクロアレイチップは、1つのマイクロアレイ領域を含む。図13Aは、組み立て図であり、図13Bは、上面図である。
【図14】図13〜15は、本発明の第五の実施形態を示し、そのマイクロアレイチップは、1つのマイクロアレイ領域を含む。図14Aは、上記マイクロアレイチップの3次元図である。図14Bは、上面図である。
【図15】図13〜15は、本発明の第五の実施形態を示し、そのマイクロアレイチップは、1つのマイクロアレイ領域を含む。図15Aは、上記カバーの3次元図であり、図15Bは、上面図である。
【図16】図16〜18は、本発明の第六の実施形態を示し、上記マイクロアレイチップは、1つのマイクロアレイ領域を含む。図16Aは、組み立て図であり、図16Bは、分解図である。
【図17】図16〜18は、本発明の第六の実施形態を示し、上記マイクロアレイチップは、1つのマイクロアレイ領域を含む。図17Aは、上記マイクロアレイチップの3次元図である。図17Bは、上面図である。
【図18】図16〜18は、本発明の第六の実施形態を示し、上記マイクロアレイチップは、1つのマイクロアレイ領域を含む。図18Aは、上記カバーの3次元図であり、図18Bは、上面図である。
【図19】本発明の第二の実施形態を、従来のスライドおよびカバーガラスのデバイスと比較したものである。図19Aは、本発明の第二の実施形態によって得られたハイブリダイゼーションの結果の画像である。図19Bは、従来のスライドおよびカバーガラスのデバイスを使用して得られたハイブリダイゼーションの結果である。図19Cは、図19Aおよび図19Bにおいて示される結果の間の定量的差を示す図である。




















【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロアレイ反応デバイスであって、該デバイスは、
a)複数のマイクロアレイ領域を含む、マイクロアレイチップ;および
b)複数の突出部と支持構造体とを含む、カバー;
を備え、複数の反応空間が、該マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と該カバーの突出部との間に形成され、該複数の反応空間の体積は、実質的に同一であり、該体積は、該支持構造体の高さと該突出部の面積とによって制御可能である、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記マイクロアレイチップは、スライドである、デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記マイクロアレイチップは、該マイクロアレイチップ上に複数の隔てられたマイクロアレイ領域を形成するため、および複数の隔てられた反応空間を形成するために、囲いをさらに備える、デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記囲いの厚さは、約0.05mm〜約50mmの範囲である、デバイス。
【請求項5】
請求項3に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記囲いは、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する、デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記カバーは、流体を前記複数の反応空間へと送達するための貫通孔をさらに備える、デバイス。
【請求項7】
請求項6に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記貫通孔の数は、約1個〜約2,500個の範囲である、デバイス。
【請求項8】
請求項6に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、該デバイスは、同じ数または異なる数の前記貫通孔および前記突出部を有する、デバイス。
【請求項9】
請求項6に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記貫通孔の横断面は、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する、デバイス。
【請求項10】
請求項6に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記貫通孔は、約0.01mm〜約100mmの範囲の直径を有する、デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記突出部の数および/または前記マイクロアレイ領域の数は、約2個〜約2,500個の範囲である、デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、該デバイスは、同じ数または異なる数の前記突出部および前記マイクロアレイ領域を有する、デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記突出部および前記マイクロアレイ領域は、同じであるかまたは異なる、形状および/もしくは表面積を有する、デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記突出部の高さは、0.01mm〜50mmの範囲である、デバイス。
【請求項15】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記突出部の表面は、正方形、長方形、円形、楕円形、長円形、および不規則な形状からなる群より選択される形状を有する、デバイス。
【請求項16】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記突出部の表面は、約0.01mm〜約600mmの範囲の面積を有する、デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記複数の反応空間は、約0.001mm〜約1mmの範囲の高さを有する、デバイス。
【請求項18】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記複数の反応空間は、約0.01mm〜約600mmの範囲の体積を有する、デバイス。
【請求項19】
請求項3に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記マイクロアレイチップ、前記囲い、および/または前記カバーは、シリコン、プラスチック、ガラス、セラミック、ゴム、金属、ポリマー、紙、およびそれらの組合せからなる群より選択される材料を含む、デバイス。
【請求項20】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記カバーは、プラスチックを含む、デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記カバーは、射出成形されている、デバイス。
【請求項22】
請求項20に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記プラスチックは、ポリカーボネート、メチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリエチレン、およびポリプロピレンからなる群より選択される、デバイス。
【請求項23】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記カバーは、ガラスを含む、デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記カバーは、接着、方形切断/切断、薄切り、陽極結合、超音波溶接、およびそれらの組合せからなる群より選択される方法によって製造されている、デバイス。
【請求項25】
請求項3に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記囲いは、二重コーティングされたテープに結合されたゴムを含む、デバイス。
【請求項26】
請求項25に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記囲いは、スタンピングによって製造されている、デバイス。
【請求項27】
請求項25に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記ゴムは、シリコーン、カウチューク、ブチルゴム、ウレタンゴム、およびネオプレンからなる群より選択される、デバイス。
【請求項28】
請求項3に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記囲いは、一重コーティングされたテープを含む、デバイス。
【請求項29】
請求項28に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、前記囲いは、スタンピングによって製造されている、デバイス。
【請求項30】
請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスであって、分析物に結合可能な反応物が、前記マイクロアレイ領域中に固定されている、デバイス。
【請求項31】
製品であって、該製品は、
a)包装材料;
b)請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイス;および
c)該製品が分析物をアッセイするためのものであることを示している、ラベル、
を備える、製品。
【請求項32】
分析物をアッセイするための方法であって、該方法は、
a)請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイスを提供する工程;
b)工程a)において提供される該マイクロアレイ反応デバイスの、複数のマイクロアレイ領域および/または複数の突出部に、複数の反応物を付着させる工程であって、該反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合することが可能である、工程;
c)該分析物を含む疑いがあるサンプルを、工程a)において提供される反応物と、該サンプル中に該分析物が存在する場合に該分析物を該反応物に結合させるために適切な条件下で、接触させる工程;および
d)該サンプル中の該分析物の存在および/または量を決定するために、該分析物と該反応物との間の結合を評価する工程、
を包含する、方法。
【請求項33】
前記分析物は、細胞、細胞小器官、ウイルス、分子およびそれらの凝集体または複合体からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記細胞は、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、細菌細胞、組換え細胞および培養細胞からなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記細胞小器官は、核、ミトコンドリア、葉緑体、リボソーム、小胞体、ゴルジ装置、リソソーム、プロテアソーム、分泌小胞、液胞およびマイクロソームからなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記分子は、無機分子、有機分子およびそれらの複合体からなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記有機分子は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ビタミン、単糖、オリゴ糖、炭水化物、脂質およびそれらの複合体からなる群より選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記サンプルは、哺乳動物サンプルである、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記哺乳動物は、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウサギ、モルモット、マウス、ヒト、ネコ、サル、イヌおよびブタからなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記サンプルは、臨床サンプルである、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記臨床サンプルは、血清、血漿、全血、痰、脳脊髄液、羊水、尿、胃腸内容物、毛、唾液、汗、歯肉擦過標本、および生検由来組織からなる群より選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記臨床サンプルは、ヒト臨床サンプルである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記反応物は、前記分析物に特異的に結合する、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記反応物は、細胞、細胞小器官、ウイルス、分子およびそれらの凝集体または複合体からなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項45】
前記反応物は、抗体である、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記反応物は、核酸である、請求項32に記載の方法。
【請求項47】
直接アッセイ形式、サンドウィッチアッセイ形式または競合アッセイ形式において用いられる、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
異なる複数の反応物が、単一の分析物をアッセイするために用いられる、請求項32に記載の方法。
【請求項49】
異なる複数の反応物が、異なる複数の分析物をアッセイするために用いられる、請求項32に記載の方法。
【請求項50】
複数の反応物が、前記マイクロアレイ反応デバイスの、複数のマイクロアレイ領域または複数の突出物に接着される、請求項32に記載の方法。
【請求項51】
全ての反応物が、分析されるべき分析物に結合することが可能である、請求項32に記載の方法。
【請求項52】
分析物をアッセイするためのキットであって、該キットは、
a)請求項1に記載のマイクロアレイ反応デバイス;
b)a)において提供されるマイクロアレイ反応デバイスの、複数のマイクロアレイ領域および/または複数の突出部に、複数の反応物を付着させるための手段であって、該反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合することが可能である、手段;ならびに
c)前記サンプル中の該分析物の存在および/または量を決定するために、該分析物と該反応物との間の結合を評価する手段、
を備える、キット。
【請求項53】
請求項52に記載のキットであって、該キットは、複数の反応物をさらに備え、該反応物のうちの少なくとも1つは、分析されるべき分析物に結合することが可能である、キット。
【請求項54】
請求項52に記載のキットであって、前記分析物をアッセイするために該キットを使用するための指示書をさらに備える、キット。
【請求項55】
マイクロアレイ反応デバイスであって、該デバイスは、
a)マイクロアレイ領域を含む、マイクロアレイチップ;
b)突出部と支持構造体とを含む、カバー;
を備え、反応空間が、該マイクロアレイチップのマイクロアレイ領域と該カバーの突出部との間に形成され、該反応空間の体積は、該支持構造体の高さと該突出部の面積とによって制御可能である、デバイス。
【請求項56】
製品であって、該製品は、
a)包装材料;
b)請求項55に記載のマイクロアレイ反応デバイス;および
c)該製品が分析物をアッセイするためのものであることを示している、ラベル、
を備える、製品。
【請求項57】
分析物をアッセイするための方法であって、該方法は、
a)請求項55に記載のマイクロアレイ反応デバイスを提供する工程;
b)工程a)において提供される該マイクロアレイ反応デバイスの、マイクロアレイ領域および/または突出部に、反応物を付着させる工程であって、該反応物は、分析されるべき分析物に結合することが可能である、工程;
c)該分析物を含む疑いがあるサンプルを、工程a)において提供される反応物と、該サンプル中に該分析物が存在する場合に該分析物を該反応物に結合させるために適切な条件下で、接触させる工程;および
d)該サンプル中の該分析物の存在および/または量を決定するために、該分析物と該反応物との間の結合を評価する工程、
を包含する、方法。
【請求項58】
分析物をアッセイするためのキットであって、該キットは、
a)請求項55に記載のマイクロアレイ反応デバイス;
b)a)において提供されるマイクロアレイ反応デバイスの、マイクロアレイ領域および/または突出部に、反応物を付着させるための手段であって、該反応物は、分析されるべき分析物に結合することが可能である、手段;ならびに
c)前記サンプル中の該分析物の存在および/または量を決定するために、該分析物と該反応物との間の結合を評価する手段、
を備える、キット。

【公表番号】特表2007−506933(P2007−506933A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507346(P2005−507346)
【出願日】平成15年8月13日(2003.8.13)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000667
【国際公開番号】WO2005/012561
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(504278260)キャピタルバイオ コーポレーション (10)
【出願人】(503012203)ツィンフア ユニバーシティ (10)
【Fターム(参考)】