説明

加熱冷却装置

【課題】パック食材等を小さな設置スペースにて効率的に加熱、冷却することが可能で、かつ熱効率が高い加熱冷却装置を提供すること。
【解決手段】対象物Wが収納可能とされた筐体21と、前記筐体21内部に配置され、前記対象物Wに熱媒体Mを噴射するノズル30と、前記筐体21の下部に配置され前記ノズル30から噴射された前記熱媒体Mを受けるとともに貯留可能とされたタンク25と、前記タンク25内に貯留された前記熱媒体Mを前記ノズル30に循環させる熱媒体循環回路と、前記熱媒体Mを加熱自在に構成された加熱部とを備え、前記熱媒体循環回路は、循環させる前記熱媒体Mを温水と冷水とに切り替え自在に構成され、前記冷水を冷却する冷水供給部が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、気密に包装された食材等の対象物を加熱、冷却するための加熱冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、食材や調理された食品を大量に保存する場合、食材や調理された食品を真空包装袋に入れて真空包装して保存することが広く行われている。
このように真空包装された食材(以下、パック食材という)等の保存に際しては、調理された食材を真空包装後に加熱して殺菌する場合があり、このようにパック食材等を加熱、殺菌を効率的に行うための加熱装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、パック食材を調理する場合には、調理後の風味や食感を確保しつつ殺菌する必要があり、例えば、スチームコンベクションオーブンを用いて加熱し、その後、所定の時間内にブラストチラーを用いて冷却する等、別々の装置により加熱と冷却を行うために、大きな設置スペースと設備投資のための多額の費用が必要とされ、作業面においても、パック食材を加熱装置から冷却装置に所定時間内に移動させるためのムダかつ非効率な作業が必要であった。
そこで、加熱、冷却を両立させるための加熱冷却装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2003−319767号公報
【特許文献2】特許第3546082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような冷却機能を備えない加熱装置では、冷却装置を別個に設置すると大きな設置スペースと多額の設備投資が必要となるうえ、作業効率が低く、加熱、冷却が連続的にできないために無人での自動運転が不可能であり生産性を向上できないという問題があった。
一方、上記特許文献2に記載された構成の加熱冷却装置の場合には、温水と冷水を混合する際の熱エネルギー損失や熱交換器を通過した1次側熱媒体が熱エネルギーを系外に持ち去るために熱効率が低いという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、パック食材等を小さな設置スペースにて効率的に加熱、冷却することが可能で、かつ熱効率が高い加熱冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1記載の発明は、加熱冷却装置であって、対象物が収納可能とされた筐体と、前記筐体内部に配置され、前記対象物に熱媒体を噴射するノズルと、前記筐体の下部に配置され前記ノズルから噴射された前記熱媒体を受けるとともに貯留可能とされたタンクと、前記タンク内に貯留された前記熱媒体を前記ノズルに循環させる熱媒体循環回路と、前記熱媒体を加熱自在に構成された加熱部とを備え、前記熱媒体循環回路は、前記冷水を供給する冷水供給部が設けられ、循環させる前記熱媒体を温水と冷水とに切り替え自在に構成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、加熱された温水と、冷水とを切り替えてノズルから噴射することができるので、対象物を加熱、冷却することができる。
ノズルから噴射された熱媒体を筐体下部に設けたタンクで受けて循環するので、熱媒体自体及び熱エネルギーの損失が抑制される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の加熱冷却装置であって、前記加熱部は、外部から供給される蒸気を前記タンク内に注入して前記熱媒体を加熱することを特徴とする。
【0009】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、蒸気をタンク内の熱媒体に直接注入して熱媒体を加熱することができるので、熱媒体の加熱に際して熱エネルギーの系外への持ち去りを防止することができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の加熱冷却装置であって、前記熱媒体循環回路には給水回路が接続され、該給水回路には給水源から供給される水を軟水化する軟水装置が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、熱媒体循環回路に供給される水が軟水化されているので析出物の発生が抑制され、筐体内部の対象物への析出物による汚れを抑制できる。また、長期間の使用に際してもタンクや熱媒体循環回路を構成する配管の析出物による経路縮小が抑制される。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱冷却装置であって、前記蒸気はリボイラにより供給されることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、タンク内に注入される蒸気がリボイラにより供給されるクリーン蒸気とされるので、衛生的かつ析出物が発生することがなく、筐体内部の対象物への析出物による汚れを抑制できる。また、長期間の使用に際してもタンクや熱媒体循環回路を構成する配管の析出物による経路縮小が抑制される。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱冷却装置であって、前記筐体には前記対象物を出し入れ可能な開口部が形成されるとともに、前記開口部を開閉自在とする開口扉が設けられ、前記開口扉の開閉状態を検出する開口検出手段を有し、前記開口扉が開口状態の場合には、前記ノズルからの前記熱媒体の噴射が開始されないようにする噴射制御手段を備えていることを特徴とする。
【0015】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、開口扉が開口されている場合にはノズルからの熱媒体の噴射が開始されないので、開口扉が開口した状態でノズルから熱媒体が誤って噴射されることがないので作業の安全と良好な作業環境が確保される。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の加熱冷却装置であって、前記筐体と係合して前記開口扉を開閉自在とする係合手段が設けられ、前記ノズルから前記熱媒体が噴射されている間、前記開口扉を前記筐体に開口不能に係合させる開口扉ロック手段を備えていることを特徴とする。
【0017】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、ノズルから熱媒体が噴射されている間は、開口扉が開口されることがないので、筐体外部に熱媒体が漏れることが抑制されるので、作業の安全と良好な作業環境が確保される。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の請求項5に記載の加熱冷却装置であって、前記開口扉ロック手段は、前記熱媒体循環回路内の熱媒体の圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記熱媒体の噴射を停止した後であっても、前記圧力が所定値以下となるまでの間は、前記開口扉を前記筐体に開口不能に係合させることを特徴とする。
【0019】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、噴射が停止された後であっても、熱媒体循環回路内の圧力(残圧)が所定値以下となるまで開口扉が開口されないので、開口扉を開口したときに熱媒体が残圧によってノズルから噴射されることがなく、作業の安全と良好な作業環境が確保される。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の加熱冷却装置であって、前記開口扉ロック手段は、前記熱媒体の噴射を停止した後であっても、噴射が停止されて所定時間が経過するまでの間、前記開口扉を前記筐体に開口不能に係合させることを特徴とする。
【0021】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、噴射が停止された場合であっても、噴射が停止されて所定時間が経過するまでの間は開口扉が開口されないので、熱媒体の残圧が充分に低下可能とされ、筐体内部に付着した熱媒体の滴下が充分に行われるので作業の安全と良好な作業環境が確保される。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係る加熱冷却装置によれば、加熱と冷却の両方を行うことが可能であるので、加熱冷却に際して、加熱装置から冷却装置への対象物の移動作業が不要とされ、加熱冷却作業を無人の自動運転により行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1から図6を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、この発明に係る加熱冷却装置の概略構成を示す図であり、符号1は、加熱冷却装置を示している。
【0024】
加熱冷却装置1は、加熱冷却装置本体20と、熱媒体循環回路40と、加熱部51と、冷水供給部60と、制御部70とを備え、加熱冷却装置本体20内に収納された、例えば、真空パックされた食材(対象物)(以下、パック食材Wという)にノズル30から熱媒体Mを噴射して、パック食材Wが加熱、冷却可能とされている。
この実施の形態において、熱媒体Mは水が温度調整された構成とされ、パック食材Wを加熱する場合には温水Hの状態で、冷却する場合には冷水Cの状態で用いられるようになっている。
【0025】
加熱冷却装置本体20は、筐体21と、ノズル30と、タンク25とを備え、筐体21は、図2から図4に示すように、外形が略直方体とされ、ひとつの側面部に矩形状の開口部22が形成され、この開口部22を介してパック食材Wを積載するための台車24が加熱冷却装置本体20内に出し入れ可能とされるとともに、開口部22には開口扉23が開閉自在に設けられている。また、加熱冷却装置本体20は、筐体21の下部にタンク25が設けられている。
【0026】
また、筐体21の内部には、パック食材Wに挿入可能な位置に品温センサ(温度センサT1)が配置され、この温度センサT1によりパック食材Wの芯温(パック食材Wを、例えば加熱した際に設定温度に最後に到達する部分の温度)が測定可能とされている。
【0027】
開口扉23は、開閉操作するためのノブ23Aを有して開口部22を液密に閉鎖可能とされ、開口扉23の開閉状態はドアスイッチ(開口検出手段)23Sにより検出可能とされている。
ドアスイッチ23Sは、図5に示すように、制御部70が備える噴射制御部70Aとともに噴射制御手段71を構成し、ドアスイッチ23Sによる開口扉23の開閉状態の検出信号が噴射制御部70Aに入力され、開口扉23が開口状態の場合には、熱媒体Mを循環させる循環ポンプ41Pの起動スイッチの操作を実施しても循環ポンプ41Pが起動されず熱媒体Mの噴射が開始されないようになっている。
【0028】
また、開口扉23は、ドアロック(係合手段)26を備えており、ドアロック26は開口扉ロック手段72の指令により開閉が制御されている。
ドアロック26は、例えば、図6に示すように加熱冷却装置本体20側に設けられたシリンダ26Aと、開口扉23側に設けられたシリンダ26Aのシリンダロッド26Bが挿入自在とされる挿入孔26Cとを備えている。
【0029】
開口扉ロック手段72は、ノズル分配管32に配置されノズル分配管32内の熱媒体Mの圧力を測定する圧力センサS1と、シリンダ26Aの駆動を制御する扉制御バルブ26Vと、制御部70を構成する開口扉ロック制御部70Bとから構成されている。
この実施形態において、制御部70Bには、圧力センサS1から開口扉ロック制御部70Bに入力された検出信号と、循環ポンプ41Pの運転検出部からの循環ポンプ41Pの停止信号(たとえば、循環ポンプ41Pを駆動しているマグネットスイッチがOFFとされた信号等)とが入力されている。
【0030】
そして、圧力センサS1の検出信号に基づいて演算されたノズル分配管32内の熱媒体Mの圧力が設定された圧力以下となり、かつ循環ポンプ41Pの停止信号が入力された後のタイマTM1による経過時間が所定時間を経過した場合に、開口扉23が開口可能とされている。すなわち、ノズル分配管32内の圧力が予め設定された所定の圧力値以上の場合又はタイマTM1が所定時間経過していない場合にはドアロック26の係合状態が維持され、圧力値が所定の圧力未満となりかつタイマTM1が所定時間経過した場合には、扉制御バルブ26Vに解除信号が出力されてシリンダ26Aが駆動されてシリンダロッド26Bと挿入孔26Cとの係合が解除されるようになっている。
【0031】
台車24は、加熱冷却装置本体20内部に収納自在に構成され、パック食材Wが収納自在とされかつ熱媒体Mが流通可能な貫通孔が複数形成された受け皿、いわゆるホテルパンが、上下方向に間隔をあけて複数積載可能とされている。
【0032】
また、台車24は、台車24を移動自在に支持する車輪24Aによって加熱冷却装置本体20内部に設けられた台車用テーブル24Bに載置可能とされている。
【0033】
タンク25は、加熱冷却装置本体20の下部に、熱媒体Mが貯留可能に設けられており、ノズル30から噴射された熱媒体Mを受けることができるようになっている。また、タンク25には、加熱部51が接続されて、タンク25内に貯留された熱媒体M(温水H、冷水C)を加熱するとともに温度調整可能とされている。
【0034】
加熱部51は、蒸気供給管51Aと、蒸気供給バルブ51Vと、蒸気供給管51Bとを備え、蒸気供給管51Aは上流側が蒸気供給源に接続され、蒸気供給管51Bは下流側がタンク25内の熱媒体Mに浸漬可能に接続され、また、タンク25には、レベルセンサLA及び温度センサT2が設けられていて、タンク25内の熱媒体Mの液位及び温度が検出可能とされている。
【0035】
蒸気供給バルブ51Vは、タンク25に配置された温度センサT2により検出された信号が加熱制御部70Cに入力測定され、加熱制御部70Cで演算された温水Hの温度に基づいて開閉されるようになっており、温水Hの温度が設定値以下となった場合に蒸気供給バルブ51Vが開放されてタンク25内の熱媒体Mに蒸気が注入され、温水Hが加熱されて温水Hが温度調整可能とされている。
【0036】
また、タンク25には、液位上限位に対応する位置にオーバーフロー配管25Aが接続されるとともにタンク25の底部に排出配管29が接続されており、タンク25内に注入された蒸気が凝縮して温水Hの容積が増加した場合に温水Hがオーバーフロー配管25Aから排出可能とされるとともに、必要に応じて電磁バルブ29Vを開放して排出配管29から熱媒体Mが排出可能とされている。
【0037】
また、タンク25には、例えば、熱媒体Mが噴射された際にパック食材W表面に付着していた液汁等が熱媒体循環回路40内の熱媒体Mに混入、熱媒体循環回路40内を循環し、長期間の後にタンク25及び熱媒体循環回路40内に液汁成分が付着、堆積するのを防止するために、タンク25内に液体洗剤を注入するための薬注器55が設けられている。
【0038】
薬注器55は、液体洗剤を保持する保持タンク55Tと、液体洗剤をタンク25内に供給する吐出ポンプ55Pとを備え、吐出ポンプ55Pの吐出側の管路の先端はタンク25の上限液位に対応する位置よりわずかに上方に位置されている。
薬注器55による液体洗剤の注入は、例えば、1週間に一回程度実施され、注入された液体洗剤は、タンク25及び熱媒体循環回路40を熱媒体Mとともに循環して熱媒体循環回路40内部に付着、堆積した液汁等の固化成分を洗浄、除去するようになっている。
【0039】
ノズル30はノズル分配管32に設けられるとともに加熱冷却装置本体20内に収納された台車24の両側方に配置されて、台車24に積載されたパック食材Wに熱媒体Mを噴射してパック食材Wを加熱、冷却するようになっている。
ノズル分配管32は、図4に示すように、例えば、台車24の両側方に、加熱冷却装置本体20の上方から下方に延在してそれぞれ2組ずつ設けられており、ノズル30はそれぞれのノズル分配管32の長手方向に沿って等間隔に配置されている。
【0040】
熱媒体循環回路40は、温水Hと冷水Cが流通する主循環回路41と、冷水Cのみが流通する冷水循環回路42と、主循環回路41と冷水循環回路42とを選択的に切り替え自在とされた切替回路43とを備えている。
【0041】
主循環回路41は、上流側端部はタンク25の底部に接続されるとともに、循環ポンプ41P、流量調整弁F1、モータバルブV1、フロースイッチF2がこの順に配置され、ノズル分配管32に接続され、流量調整弁F1とフロースイッチF2側の間には、温水Hのみがバイパス流通する温水バイパス回路部41Aが形成されている。
【0042】
この温水バイパス回路部41Aの下流側にはノズル30から噴射される熱媒体Mの温度を測定するための温度センサT3が配置され、温度センサT3により検出された信号は、前述の温度センサT2とともに加熱制御部70Cに入力され、蒸気供給バルブ51Vの開閉を介して温水Hが温度調整可能とされている。
また、流量調整弁F1と温水バイパス回路部41Aの間には、モータバルブ49Vを介して排水管路49が接続され、モータバルブ49Vを開放することにより熱媒体循環回路40内の熱媒体Mが外部に排出可能とされている。
【0043】
主循環回路41には、給水装置46が接続され、給水装置46は、給水配管46Aと、原水タンク46Tと、給水ポンプ46Pと、軟水装置47と、電磁バルブ46Vとを備え、給水配管46Aの上流側は給水源Aに接続され、給水ポンプ46P、軟水装置47、電磁バルブ46Vがこの順序で配置され、下流側が循環ポンプ41Pの上流側に接続されている。
【0044】
給水装置46は、前述のレベルセンサLAの検出信号が構成する給水制御部70Dにより制御され、例えば、タンク25内の液位や熱媒体循環回路40内の熱媒体Mの量が減少してレベルセンサLAにより検出される熱媒体Mの液位が設定値以下となった場合に電磁バルブ46Vが開放されるとともに給水ポンプ46Pが駆動されて熱媒体循環回路40に給水されるようになっている。
【0045】
軟水装置47は、イオン交換樹脂を用いて給水に含まれる硬度分を除去するためのものであり、イオン交換樹脂が充填され上下方向に液体が流通可能とされた樹脂筒の下部から原水を上向流として通水することにより硬水が軟水化されるようになっている。
【0046】
なお、軟水装置47は、例えば、樹脂筒と、原水タンクと、塩水タンクとを備えた構成とされることにより、塩水タンクからの飽和塩水と原水とを混合して樹脂筒内を流下させてイオン交換樹脂が再生可能とされるとともに、塩水を樹脂筒外に排出した後に樹脂筒内に原水のみを流下させてイオン交換樹脂を水洗、塩分を系外に除去してイオン交換樹脂が自動再生可能とされていることが望ましいが、給水に含まれる硬度分が除去できればこれに限るものではない。
【0047】
切替回路43は、モータバルブV1と、モータバルブV2と、モータバルブV3とを備えており、モータバルブV1は温水バイパス回路部41Aに、モータバルブV2は温水バイパス回路部41Aの上流端部と冷水循環回路42の上流端部との間に、モータバルブV3は温水バイパス回路部41Aの下流端部と冷水循環回路42の下流端部との間に設けられている。
【0048】
冷水循環回路42は、上流端部がモータバルブV2を介して温水バイパス回路部41Aの上流端部に接続され、冷水タンク62、冷水循環ポンプ42P、フロースイッチF3が、この順番で配置され、下流端部がモータバルブV3を介して温水バイパス回路部41Aの下流端部に接続されている。
【0049】
冷水タンク62は、加熱された1台車あたりのパック食材Wを冷却した場合の熱エネルギーによって冷水Cの水温が大きく上昇しない程度の充分な量の冷水Cが貯留可能とされており、冷水循環回路42の上流側から流入する冷水Cが底部に接続された管路から流出可能とされている。
【0050】
また、冷水タンク62は底部に接続された管路63を介して冷却装置64と接続されるとともに、冷水タンク62と冷却装置64とは冷水供給部60を構成していて、冷水供給部60は、冷水循環回路42を循環してきた冷水Cを冷却して冷水Cの水温を調整可能とされている。
また、冷水タンク62には、冷水用給水器65と、排水回路66とが接続され、冷水Cの液位を検出するためのレベルセンサLBが設けられている。
【0051】
冷水用給水器65は、給水管路65Aと、電磁バルブ65Vと、ボールタップLCとを備え、上流側が給水源Bに接続されるとともに下流側が冷水タンク62に接続されており、ボールタップLCが冷水Cの液位の低下を検出すると給水源Bから冷水タンク62に給水可能とされている。
【0052】
排水回路66は、管路66A、管路66B、バルブ66Vを備えており、管路66Aは上流側が冷水タンク62の上限液位に対応する位置に接続されていて冷水タンク62内の冷水Cが上限液位を超えた場合に冷水Cをオーバーフローさせて冷水タンク62内の冷水Cの上限液位を維持するようになっている。
また、管路66Bはバルブ66Vを介して冷水タンク62の底部に接続され、このバルブ66Vを操作することにより冷水タンク62内の液位を任意に調整できるようになっている。
【0053】
冷水用給水器65は、前述のレベルセンサLBの検出信号が構成する給水制御部70Eにより制御され、例えば、冷水タンク62内の液位が設定値以下となった場合に電磁バルブ65Vが開放されて冷水タンク62に給水されるようになっている。
【0054】
冷却装置64は、例えば、コンプレッサにより圧縮された冷媒を断熱膨張させることによって冷水Cから熱を奪い取って冷水Cを冷却させる構成とされており、冷却装置64の上流側は冷水タンク62の底部に管路63Aを介して接続され、管路63Aには、循環ポンプ63P及びフロースイッチF4がこの順に配置されている。
また、冷却装置64の下流側は冷水タンク62の底部に管路63Bを介して接続され、管路63Bには、フロースイッチF5が配置されている。
かかる構成により、冷水タンク62から冷却装置64に導かれた冷水Cは冷却されて温度調整可能とされている。
【0055】
また、冷水循環回路42の上流側と下流側との間は、凍結防止用バイパス42Bにより接続され、凍結防止用バイパス42Bには電磁バルブ42Vが設けられていて、冬季に冷水Cが凍結する虞がある場合に電磁バルブ42Vを開放して冷水循環ポンプ42Pにより冷水Cを凍結防止用バイパス42Bを介して冷水循環回路42内で循環させることにより、冷水Cの凍結が防止可能とされている。
【0056】
次に、加熱冷却装置1の作用について説明する。
加熱冷却装置1による加熱冷却運転は、必要に応じて待機工程、予熱工程を経て、その後、加熱工程、冷却工程が行われる。
まず、加熱冷却装置1の電源をONにする。
レベルセンサLAにより検出されるタンク25内の液位が設定値以下の場合には、待機状態とされて、給水装置46から給水される。
次いで、温度センサT2により検出された熱媒体Mの温度が設定温度以下の場合には、予熱工程に移行し、設定温度以上の温水Hが確保されている場合は加熱工程に移行する。
【0057】
〔予熱工程〕
予熱工程への移行は、手動にてスタートボタン(図示省略)を操作して行われ、加熱部51の蒸気供給バルブ51Vが開放されることによりタンク25内の温水Hに蒸気が注入されて温水Hが加熱され、温水Hが設定温度に到達することにより予熱が完了する。
【0058】
〔加熱工程〕
(1)予熱工程が完了して、加熱工程に移行可能な状態となったら、加熱工程に移行する。
(2)このとき、熱媒体循環回路40は、熱媒体Mが主循環回路41を流通する構成とする。熱媒体Mが、主循環回路41を経由するためには、モータバルブV1を開放するとともに、モータバルブV2、モータバルブV3を閉鎖する。
(3)そして、循環ポンプ41Pを駆動して、熱媒体循環回路40内に温水Hを循環させて、タンク25内の温水Hを主循環回路41経由でノズル分配管32に送りノズル30からパック食材Wに温水Hを噴射する。
(4)噴射された温水Hによりパック食材Wが加熱され、パック食材Wの温度が上昇する。
温度センサT1により検出されるパック食材Wの芯温が所定の値に到達したら、制御部70の図示しないタイマがカウントを開始して、パック食材Wの芯温が所定時間、維持される。
【0059】
上記加熱工程において、タンク25内の温水Hの温度は温度センサT2により検出され、温水Hの温度が設定値よりも低くなった場合には、蒸気供給バルブ51Vが開放されて蒸気が蒸気供給管51Bを介してタンク25内の温水Hに注入して、温水Hを加熱する。
温水H内に注入された蒸気は、凝縮して温水Hの一部として使用されるとともに、蒸気の潜熱および顕熱により温水Hが加熱される。
温水Hの温度が設定温度の範囲内まで上昇したら、蒸気供給バルブ51Vが閉鎖されて蒸気供給管51Bからの蒸気供給が停止される。
この蒸気供給バルブ51Vが、開閉されることにより温水Hの温度は、所定の範囲内に維持される。
【0060】
(1)予熱工程、加熱工程において、蒸気が凝縮して温水Hの液位が上昇した場合、温水Hが排出配管29を経由してオーバーフローし、タンク25から排出されることにより温水Hの液位が維持される。
(2)また、レベルセンサLAにより検出される温水Hの液位が、設定下限以下になった場合には、給水ポンプ46Pが駆動されるとともに電磁バルブ46Vが開放されて、給水源Aから軟水装置47を経由して軟水化された水が熱媒体循環回路40に水が供給され、液位が所定の範囲内に到達したら、電磁バルブ46Vが閉鎖されて熱媒体循環回路40への給水が停止される。
【0061】
〔冷却工程〕
(1)冷却工程前に冷水タンク62内の冷水Cは、循環ポンプ63Pを駆動して冷水タン
ク62と冷却装置64との間で循環し、冷却装置64の設定温度まで冷却される。
(2)冷却工程は、冷水供給部60を使用し、冷水循環回路42を経由した冷水Cが熱媒体循環回路40を循環することにより行われるため、まず、モータバルブV1を閉鎖するとともに、モータバルブV2、モータバルブV3を開放して、熱媒体循環回路40が冷水循環回路42を経由する構成とする。
(3)次に、循環ポンプ41P及び循環ポンプ42Pを駆動して、熱媒体循環回路40内に冷水Cを循環させて、タンク25内の冷水Cを冷水循環回路42経由でノズル分配管32に移動しノズル30から冷水Cを噴射してパック食材Wを冷却する。
【0062】
冷水循環回路42に冷水Cを循環させる際に、タンク62の水位が変動して冷水循環回路42への給水が必要な場合は、電磁バルブ65Vを開いて、タンク62に給水する。
タンク62への給水は、ボールタップLCにより液位が制御されており、冷水Cの液位がボールタップLCの設定液位を超えると停止され、冷水Cの液位の低下を検出すると給水される。
【0063】
なお、冷却工程に移行する際に、タンク25内の熱媒体Mが温水Hの場合には、必要に応じてモータバルブ49Vを開放するとともにモータバルブV2を閉鎖した状態で、循環ポンプ41P及び循環ポンプ42Pを運転し、タンク25内の温水Hを排水するとともに、タンク62内の冷水Cをノズル分配管32に送りノズル30から噴射する。
そして、タンク25内の水温が設定温度まで下がったら、モータバルブ49Vを閉鎖するとともにモータバルブV2を開放して、冷水Cが冷水循環回路42を経由するようにする。
【0064】
この実施の形態における冷却工程では、冷水供給部60を使用することにより、冷水Cが有する冷却能力の範囲内でパック食材Wを最大限冷却する構成とされているが、パック食材Wを常温域までしか冷却する必要がない場合は、冷水供給部60を使用せず冷却することが可能である。
【0065】
冷水供給部60を使用しない場合における作用は以下のとおりである。
冷水供給部60を不使用とする場合の冷却工程は、給水電磁弁46Vを開放して、給水ポンプ46Pを駆動して給水をおこないつつ、モータバルブV2、モータバルブV3は閉じた状態で、循環ポンプ41Pを運転し、主循環回路41を循環させる。水位は上昇するが、25Aオーバーフローより排出させることで、タンク25の水位を維持する。タンク水温は、徐々に給水温度に近づき、パック食材Wを給水温度付近、すなわち常温域まで冷却する。
【0066】
〔開口扉23の作用〕
(1)まず、加熱冷却装置1の起動に際して予め開口扉23を閉じる。
ドアスイッチ23Sにより検出されているため、加熱冷却装置1の起動時には、噴射制御手段71の作用により、開口扉23が開口状態の場合には循環ポンプ41Pが駆動されず、開口扉23を閉じた後に起動スイッチをONにすると循環ポンプ41Pが駆動される。
(2)次に、加熱、冷却運転が開始されると、シリンダ26Aのシリンダロッド26Bが前進して挿入孔26Cに挿入されて開口扉23は開口不能とされる。
(3)次に、加熱、冷却運転が完了し、又は手動によって加熱、冷却運転を停止すると、循環ポンプ41P(冷却工程においては、循環ポンプ42Pも)の駆動が停止され、ノズル30への熱媒体Mの供給が停止される。
この状態においては、シリンダロッド26Bの前進状態は維持されており、開口扉23は開口不能とされる。
(4)次いで、圧力センサS1により検出されるノズル分配管32内部の熱媒体Mの圧力が所定値以下となり残圧がなくなったことが確認されるとともに、タイマTM1により、循環ポンプ41Pの運転が終了して経過時間が所定時間に達すると、扉制御バルブ26Vが作動してシリンダ26Aのシリンダロッド26Bが後退し、シリンダロッド26Bが挿入孔26Cから抜けてシリンダロッド26Bとの係合が解除されてドアロック26が開口可能となる。
【0067】
上記第1の実施の形態に係る加熱冷却装置1によれば、熱媒体Mを加熱する加熱部51と、熱媒体Mを冷却する冷水供給部60とを備えているので、熱媒体Mを温水Hと冷水Cとに切り替えてパック食材Wを加熱及び冷却することができる。
その結果、加熱が完了したパック食材Wを加熱装置から冷却装置に移動させる運搬作業が不要となって作業効率が向上し、また、加熱、冷却が同一の装置内で行われるので、大きな設置スペースが必要とされず、設備投資にかかる費用を削減することができる。
また、加熱、冷却を無人状態の自動運転で行うことにより生産性を向上し、コスト削減を図ることができる。
【0068】
また、上記第1の実施の形態の加熱冷却装置1によれば、ノズル30から噴射された熱媒体Mを加熱冷却装置本体20の下部に設けたタンク25で受けて循環させるので、水および熱エネルギーの損失を抑制することができる。
また、タンク25内の熱媒体Mに蒸気を直接注入するので、熱媒体Mの有する熱エネルギーが系外に持ち去ることがなくすべて熱媒体循環回路40の熱媒体Mの加熱に用いられるので高い熱効率を確保することができる。
【0069】
また、熱媒体Mとして給水源Aから供給される水が、軟水装置47を経由して軟水化されて熱媒体循環回路40に供給されるので硬水成分による析出物の発生が抑制され、加熱冷却装置本体20内に収納されたパック食材Wへの析出物による汚れが抑制される。また、
長期間の使用に際してもタンク25や熱媒体循環回路40を構成する配管への析出物の堆積及び経路縮小の発生が抑制される。
【0070】
また、加熱部51で用いられる蒸気がリボイラにより加熱されたクリーン蒸気とされるので、蒸気をタンク25内に直接注入し熱媒体循環回路40を循環させても、パック食材W、タンク25内および熱媒体循環回路40への析出物の発生を抑制することができる。
【0071】
上記第1の実施の形態の加熱冷却装置1によれば、開口扉23が開口されている場合にはノズル30から熱媒体Mが噴射されることがないため、開口扉23が開口状態で熱媒体Mが誤ってノズル30から噴射されることがなく、作業の安全と良好な作業環境が確保される。
【0072】
また、上記第1の実施の形態に係る加熱冷却装置1によれば、ノズル30から熱媒体Mが噴射されている間は、開口扉23が開口不能とされているので、例えば、自動運転を無人で行う場合に、他の作業者が誤って開口扉23を開口することがなく作業の安全が確保される。
また、熱媒体Mが加熱冷却装置本体20から漏れることが抑制されるので良好な作業環境が確保される。
【0073】
また、熱媒体循環回路40に設けられた圧力センサS1により検出される熱媒体循環回路40内の圧力が所定値以下となるまでの間、開口扉23が開口不能とされるのでノズル30から熱媒体Mが噴射されている状態で開口扉23を開口することが確実に防止される。
【0074】
また、熱媒体Mの噴射を停止した後、所定時間が経過するまでの間、開口扉23の開口が制御されるので、加熱冷却装置本体20内に滴下可能な状態で付着した熱媒体Mが開口扉23を開口する前に十分に落下、除去されるので、加熱冷却装置本体20の外部に熱媒体Mが散ることが抑制される。
また、センサS1と、タイマTM1の双方が条件を満足するまで開口扉23が開口されないので、圧力センサS1又はタイマTM1の故障による誤作動が抑制され、高い信頼性により確実に作業の安全を確保することができる。
【0075】
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
図7から図9は、この発明の第2の実施形態に係る加熱冷却装置2を示す図である。
加熱冷却装置2が、第1の実施形態に係る加熱冷却装置1と異なるのは、加熱部52が、蒸気供給管52Aと、蒸気供給バルブ52Vと、熱交換器52Bとを備え、熱交換器52Bがタンク25内の熱媒体Mに浸漬可能に配置されている点であり、熱交換器52Bへの蒸気の供給は、温度センサT2、温度センサT3からの信号が加熱制御部70Cに入力され、加熱制御部70Cが蒸気供給バルブ52Vを開閉することにより行われるようになっている。
【0076】
熱交換器52B内に供給された蒸気は熱交換器52B内で潜熱、顕熱を放出して凝縮されるとともに熱媒体Mを加熱して温度調整し、凝縮された蒸気は熱交換器52Bの排出口から系外に排出されるようになっている。
第2の実施形態に係る加熱冷却装置2によれば、凝縮した蒸気を熱媒体M内に混入することなく熱媒体Mを加熱することができる。
【0077】
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
図10、図11は、この発明の第3の実施形態に係る加熱冷却装置3を示す図である。
加熱冷却装置3が、第1の実施形態に係る加熱冷却装置1と異なるのは、加熱部53が、ヒータ電源53PSと、加熱ヒータ53Hとを備え、加熱ヒータ53Hがタンク25内の熱媒体Mに浸漬可能に配置されている点であり、加熱ヒータ53Hへの電力の供給は、温度センサT2、温度センサT3からの信号が加熱制御部70Fに入力され、加熱制御部70Fがヒータ電源53PSを駆動して行われるようになっている。
加熱制御部70Fによりヒータ電源53PSが駆動されると加熱ヒータ53Hが通電、加熱して熱媒体Mを加熱、温度調整するようになっている。
【0078】
第3の実施形態に係る加熱冷却装置3によれば、加熱部53の構成に配管が必要とされないので構造が簡単で、例えば、PID制御等を採用することにより、複雑な温度調整を容易に行うことができる。
また、熱媒体Mの容積を増加させることなく熱媒体Mを加熱することができる。
【0079】
なお、この発明は、上記第1〜3の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、加熱冷却装置1、2、3がタンク25内の熱媒体Mを蒸気又はヒータにより加熱する場合について説明したが、熱媒体Mを加熱する手段として他の手段を採用することも可能であり、また、タンク25以外の、例えば、配管部分等に加熱部51、52、53を配置してもよい。
また、上記実施の形態においては、冷水供給部60が、冷水タンク62と冷却装置64を備える場合について説明したが、冷水供給部60を他の構成とすることも可能である。
【0080】
また、上記第1、第2の実施の形態においては、加熱部51、52に供給される蒸気がリボイラにより加熱されたクリーン蒸気であり、熱媒体循環回路40に供給される熱媒体Mが軟水装置47で軟水化された軟水である場合について説明したが、これらは任意に選択可能な事項であってクリーン蒸気と軟水化された水のいずれか一方を用い、又はこれら双方を用いない構成とすることも可能である。
【0081】
また、上記実施の形態においては、ドアスイッチ23Sにより開口扉23が閉鎖されている場合にのみ循環ポンプ41Pが起動可能とされる構成としたが、かかる構成の使用については任意に選択可能である。
【0082】
また、上記実施の形態においては、開口扉23にドアロック26が設けられている場合について説明したが、開口扉23にドアロック26を用いない構成とすることも可能であり、また、ドアロック26を用いる場合の開口扉23を開口不能にする制御に関して、圧力センサS1とタイマTM1のいずれか一方のみを用いて制御することも可能である。
【0083】
また、上記実施の形態においては、開口扉23が、図5に概念的に示した論理回路により開閉制御される場合について説明したが、他の論理回路構成やリレー制御、その他の制御手段が適用可能であることはもちろんのこと、例えば、熱媒体循環回路40内の圧力をパイロット圧として、シリンダ26Aのシリンダロッド26Bを直接作動させることも可能である。
【0084】
また、ドアロック26が、加熱冷却装置本体20側に設けられたシリンダ26Aと、開口扉23側に設けられたシリンダロッド26Bが挿入自在とされる挿入孔26Cとからなる係合手段により構成される場合について説明したが、例えば、加熱冷却装置本体20と開口扉23のいずれかに電磁石を設け、他方側に配置された鉄片等の磁性体を吸着させる構成を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る加熱冷却装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る加熱冷却装置の内部を正面から見た図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る加熱冷却装置の正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る加熱冷却装置の図3におけるX−X視した横断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る加熱冷却装置の制御部の概略を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る加熱冷却装置のドアロックの概略を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る加熱冷却装置の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る加熱冷却装置の内部を正面から見た図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る加熱冷却装置の制御部の概略を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る加熱冷却装置の概略構成を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る加熱冷却装置の制御部の概略を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
C 冷水
H 温水
M 熱媒体
1、2、3 加熱冷却装置
20 加熱冷却装置本体
21 筐体
22 開口部
23 開口扉
23S ドアスイッチ(開口検出手段)
25 タンク
26 ドアロック(係合手段)
30 ノズル
40 熱媒体循環回路
47 軟水装置
51、52、53 加熱部
60 冷水供給部
70 制御部
71 噴射制御手段
72 開口扉ロック手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物が収納可能とされた筐体と、
前記筐体内部に配置され、前記対象物に熱媒体を噴射するノズルと、
前記筐体の下部に配置され前記ノズルから噴射された前記熱媒体を受けるとともに貯留可能とされたタンクと、
前記タンク内に貯留された前記熱媒体を前記ノズルに循環させる熱媒体循環回路と、
前記熱媒体を加熱自在に構成された加熱部とを備え、
前記熱媒体循環回路は、
前記冷水を供給する冷水供給部が設けられ、
循環させる前記熱媒体を温水と冷水とに切り替え自在に構成されていることを特徴とする加熱冷却装置。
【請求項2】
前記加熱部は、外部から供給される蒸気を前記タンク内に注入して前記熱媒体を加熱することを特徴とする請求項1に記載の加熱冷却装置。
【請求項3】
前記熱媒体循環回路には給水回路が接続され、該給水回路には給水源から供給される水を軟水化する軟水装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱冷却装置。
【請求項4】
前記蒸気はリボイラにより供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱冷却装置。
【請求項5】
前記筐体には前記対象物を出し入れ可能な開口部が形成されるとともに、前記開口部を開閉自在とする開口扉が設けられ、
前記開口扉の開閉状態を検出する開口検出手段を有し、
前記開口扉が開口状態の場合には、前記ノズルからの前記熱媒体の噴射が開始されないようにする噴射制御手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱冷却装置。
【請求項6】
前記筐体と係合して前記開口扉を開閉自在とする係合手段が設けられ、
前記ノズルから前記熱媒体が噴射されている間、前記開口扉を前記筐体に開口不能に係合させる開口扉ロック手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の加熱冷却装置。
【請求項7】
前記開口扉ロック手段は、
前記熱媒体循環回路内の熱媒体の圧力を検出する圧力検出手段を備え、
前記熱媒体の噴射を停止した後であっても、前記圧力が所定値以下となるまでの間は、前記開口扉を前記筐体に開口不能に係合させることを特徴とする請求項6に記載の加熱冷却装置。
【請求項8】
前記開口扉ロック手段は、
前記熱媒体の噴射を停止した後であっても、噴射が停止されて所定時間が経過するまでの間、前記開口扉を前記筐体に開口不能に係合させることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の加熱冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−295410(P2008−295410A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147332(P2007−147332)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】