説明

動物の寄生虫を抑制するための皮膚に施用する液体組成物

【課題】動物の寄生虫の処置を行なうための、皮膚に優しい新規液体組成物の提供。
【解決手段】ペルメトリン、並びに昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストまたはアンタゴニスト(例えばイミダクロプリド)を含む皮膚に施用するための液体組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルメトリン(permethrin)並びに動物のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニスト(作動薬)またはアンタゴニスト(拮抗薬)を含んで成る動物の寄生虫を抑制するために皮膚に施用する皮膚に優しい液体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ペルメトリン、即ち3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシフェニル)メチル[CAS No.52645−53−1]を含んで成るスポット・オン用(spot−on)組成物を動物の寄生虫を抑制するために使用することは公知である(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5および特許文献6参照のこと)。
【0003】
昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストも公知であり、例えば特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29、特許文献30、特許文献31、特許文献32、特許文献33、特許文献34、特許文献35、特許文献36、特許文献37、特許文献38、特許文献39、特許文献40、特許文献41、特許文献42、特許文献43、特許文献44、特許文献45、特許文献46、特許文献47、特許文献48、特許文献49に記載の昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストが知られている。また動物の寄生虫を抑制するために昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを含んで成るスポット・オン用組成物も公知である(例えば特許文献50、特許文献51および特許文献52参照)。
【0004】
動物の寄生虫を抑制するためのペルメトリンと昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとの組み合わせも既に従来法に記載されている(例えば特許文献53、特許文献54、特許文献55、特許文献56、特許文献57、特許文献58参照)。
【0005】
ペルメトリンをベースにしスポット・オン用組成物の欠点はダニおよびノミに対する活性が低いことである。
【0006】
一般にニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストをベースにしたスポット・オン用組成物はノミに対しては高度の活性をもっている。しかしこれらはダニに対しては効果がないという欠点をもっている。
【0007】
不幸にして、ペルメトリンおよびニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストの組み合わせは、動物、特にペットの寄生虫の抑制に特に適しているとは言えない。これらの組み合わせでは比較的多量の活性化合物を使用する必要があり、多くの場合皮膚の炎症の原因になる。ペルメトリンは強い非プロトン性の化合物であるが、ニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニスト、特にイミダクロプリド同族体はプロトン性の化合物である。従って両方の活性化合物を含んで成り、且つ下記の性質を有する皮膚に施用し得る組成物を見出すことは容易なことではない。このような性質とは
− 活性化合物が良好な溶解度をもち、
− 皮膚に優しく、
− 毒性が低く、
− 皮膚への浸透性が低く(活性化合物の作用は好ましくは非全身的であるべきだから)、また
− 高度の効力をもっていることである。
【0008】
この理由のために、ダニおよびノミをうまく抑制するために従来は上記の両方のスポット・オン用組成物で処置を行なうことが必要であった。環境的なそして経済的な理由により、これらの組成物の代わりに、皮膚に優しく毒物学的に許容でき且つ少なくとも3〜4週間の長期間の間、特にダニおよびノミに対して少量の投与容積(例えば治療すべき動物の体重1.0kg当たり0.1ml)で活性を示すことを特徴とする組成物を用いることが望まれる。さらにこのような組成物は、あらゆる気候地域において通常少なくとも3年間例えば通常のスポット・オン用の潤滑油の中で十分な貯蔵安定性をもっていなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第95/17 090号パンフレット
【特許文献2】特開平7−247203号公報
【特許文献3】欧州出願公開第567 368号明細書
【特許文献4】欧州出願公開第461 962号
【特許文献5】米国特許第5 236 954号明細書
【特許文献6】米国特許第5 074 252号明細書
【特許文献7】欧州出願公開第464 830号明細書
【特許文献8】欧州出願公開第428 941号明細書
【特許文献9】欧州出願公開第425 978号明細書
【特許文献10】欧州出願公開第386 565号明細書
【特許文献11】欧州出願公開第383 091号明細書
【特許文献12】欧州出願公開第375 907号明細書
【特許文献13】欧州出願公開第364 844号明細書
【特許文献14】欧州出願公開第315 826号明細書
【特許文献15】欧州出願公開第259 738号明細書
【特許文献16】欧州出願公開第254 859号明細書
【特許文献17】欧州出願公開第235 725号明細書
【特許文献18】欧州出願公開第212 600号明細書
【特許文献19】欧州出願公開第192 060号明細書
【特許文献20】欧州出願公開第163 855号明細書
【特許文献21】欧州出願公開第154 178号明細書
【特許文献22】欧州出願公開第136 636号明細書
【特許文献23】欧州出願公開第303 570号明細書
【特許文献24】欧州出願公開第302 833号明細書
【特許文献25】欧州出願公開第306 696号明細書
【特許文献26】欧州出願公開第189 972号明細書
【特許文献27】欧州出願公開第455 000号明細書
【特許文献28】欧州出願公開第135 956号明細書
【特許文献29】欧州出願公開第471 372号明細書
【特許文献30】欧州出願公開第302 389号明細書
【特許文献31】独国出願公開第3 639 877号明細書
【特許文献32】独国出願公開第3 712 307号明細書
【特許文献33】特開平3−220176号公報
【特許文献34】特開平2−207083号公報
【特許文献35】特開昭63−307857号公報
【特許文献36】特開昭63−287764号公報
【特許文献37】特開平3−246283号公報
【特許文献38】特開平4−9371号公報
【特許文献39】特開平3−279359号公報
【特許文献40】特開平3−255072号公報
【特許文献41】米国特許第5 034 524号明細書
【特許文献42】米国特許第4 948 798号明細書
【特許文献43】米国特許第4 918 086号明細書
【特許文献44】米国特許第5 039 686号明細書
【特許文献45】米国特許第5 034 404号明細書
【特許文献46】PCT出願国際公開第91/17659号パンフレット
【特許文献47】PCT出願国際公開第92/4965号パンフレット
【特許文献48】仏国出願第2 611 114号明細書
【特許文献49】ブラジル国出願第88 03 621号明細書
【特許文献50】国際公開第98/27 817号パンフレット
【特許文献51】欧州出願公開第682 869号明細書
【特許文献52】欧州特許第0 976 328号明細書
【特許文献53】中国特許第1 245 637号明細書
【特許文献54】国際公開第00/54591号パンフレット
【特許文献55】米国特許第6 080 796号明細書
【特許文献56】欧州出願公開第981 955号明細書
【特許文献57】米国特許第6 033 731号明細書
【特許文献58】特開平7−89803号公報
【発明の概要】
【0010】
従って本発明の目的は、ペルメトリンおよび昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを含んで成る寄生虫、特にダニおよびノミに対して活性をもつ皮膚に施用して容易に使用できる、皮膚に優しく環境的にも優しい組成物を提供することである。
【0011】
この目的は下記の本発明の組成物によって達成される。
【0012】
本発明は
1.(a)35〜60重量%の活性化合物であるペルメトリン、
(b)2.5〜12.5重量%のイミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体、
(c)27.5〜62.5重量%のN−メチルピロリドン、
(d)0〜5重量%の水、
(e)0〜0.5重量%フェノール性酸化防止剤、および
(f)0〜0.5重量%の有機酸
を含んで成る組成物が提供される。
【0013】
上記割合は全重量に関する値である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好適具体化例に従えば、本発明の組成物はさらに
(g)2.5〜10重量%の共溶媒を含んでいる。
【0015】
本発明の組成物は通常液体であり、特に局所的に注加(pour−on)または塗布す
る組成物として皮膚に施用するのに適している。
【0016】
驚くべきことには、ペルメトリンとイミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体とを組み合わせて含んで成る本発明の組成物の外部寄生虫駆除活性は、個別的な成分の活性から期待されるよりも高い。従ってこれらの組成物を用いることにより活性化合物の施用割合を減少させ、長期間に亙る活性を増加させることができる。その結果その使用は経済的であり、環境的にも有利である。
【0017】
本発明の組成物は寄生虫の抑制に極めて適している。
【0018】
これらの寄生虫としては次のものを挙げることができる:
アノプルラ(Anoplura)目からは例えば、ハエマトピヌス種(Haematopinus spp.)、リノグナトゥス種(Linognathus spp.)、ソレノポテス種(Solenopotes spp)、ペディクルス種(Pediculus spp.)、プトィルス種(Pthirus spp.);マルロファガ(Mallophaga)目からは例えば、トリメノポン種(Trimenopon spp.)、メノポン種(Menopon spp.)、エオルネナカントゥス種(Eornenacanthus spp.)、メナカントゥス種(Menacanthus spp.)、トリオコデクテス種(Trichodectes spp.)、フェリコラ種(Felicola spp.)、ダマリネア種(Damalinea spp.、ボウィコラ種(Bovicola spp.);ディプテラ(Diptera)目からは例えば、アエデス種(Aedes spp.)、クレクス種(Culex spp.)、シムリウム種(Simulium spp.)、フレボトムス種(Phlebotomus spp.)、クリュソプス種(Chrysops spp.)、タバヌス種(Tabanus spp.)、ムスカ種(Musca spp.)、ヒドロタエア種(Hydrotaea spp.)、ムスキナ種(Muscina spp.)、ハエマトボスカ種(Haematobosca spp.)、ハエマトビア種(Haematobia spp.)、ストモクシュス種(Stomoxys spp.)、ファンニア種(Fannia
spp.)、グロシナ種(Glossina spp.)、リュキリア種(Lucilia spp.)、カルリフォラ種(Calliphora spp.)、アウクメロ−ミュイア種(Auchmero−myia spp.)、コルデュロビア種(Cordylobia spp.)、コクリオミュイア種(Cochliomyia spp.)、クリュソミュイア種(Chrysomyia spp.)、サルコファガ種(Sarcophaga spp.)、ウォフルファルティア種(Wohlfartia spp.)、ガステロフィルス種(Gasterophilus spp.)、オエステロミュイア種(Oesteromyia spp.)、オエデマゲナ種(Oedemagena spp.)、ヒュポデルマ種(Hypoderma spp.)、オエストルス種(Oestrus spp.)、リノエストルス種(Rhinoestrus spp.)、メロファグス種(Melophagus spp.)、ヒッポボスカ種(Hippobosca spp.);シフォナプテラ(Siphonaptera)目からは例えば、クテノケファリデス種(Ctenocephalides spp.)、エクィドノハガ種(Echidnophaga spp.)、ケラトフュルルス種(Ceratophyllus spp.)、プレクス種(Pulex spp.);メタスティグマタ(Metastigmata)目からが例えば、ヒュアロムマ種(Hyalomma spp.)、リピケファルス種(Rhipicephalus spp.)、ボオフィルス種(Boophilus spp.)、アンブリョムマ種(Amblyomma spp.)、ハエマフュサリス種(Haemaphysalis spp.)、デルマケントル種(Dermacentor spp.)、イクソデス種(Ixodes spp.)、アルガス種(Argas spp.)、オルニトォドルス種(Ornithodorus spp.)、オトビウス種(Otobius spp.);メソスティグマタ(Meso
stigmata)目からは例えば、デルマニュスス種(Dermanyssus spp.)、オルニトォニュスス種(Ornithonyssus spp.)、プネウモニュスス種(Pneumonyssus spp.);プロスティグマタ(Prostigmata)目からは例えばクェユレティエルラ種(Cheyletiella spp.)、プソレルガテス種(Psorergates spp.)、ミュオビラ種(Myobia spp.)、デモデクス種(Demodex spp.)、ネオトロンビ−クラ種(Neotrombi−cula spp.);アスティグマタ(Astigmata)目からは例えば、アカルス種(Acarus spp.)、ミュオコプテス種(Myocoptes spp.)、プソロプテス種(Psoroptes spp.)、クォリオプテス種(Chorioptes spp.)、オトデクテス種(Otodectes spp.)、サルコプテス種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス種(Knemidocoptes
spp.)、ネオクネミドコプテス種(Neoknemidocoptes spp.)、キュトディテス種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス種(Laminosioptes spp.)。
【0019】
本発明の組成物は動物、特に温血動物に対する外部寄生虫、特にダニおよびノミを抑制するのに特に適している。ここでペットとは特に犬、猫および大きさが犬以下の他の温血動物を含むものと理解されたい。即ちペットは体重が一般に90kg以下、好ましくは50kg以下である。本発明の組成物は犬および猫、特に犬に特に好適に使用される。
【0020】
処置を受ける動物は一般に、例えば引っ掻いたり撒き散らしたりすることによって使用された組成物の若干量を周囲に散布するから、それに対応して本発明の組成物は動物に直接作用するばかりでなく周囲環境の中においても動物に作用することができる。
【0021】
本発明の液体組成物をつくるためには、活性をもったペルメトリンのすべての通常の異性体混合物を使用することができる。好適な異性体混合物は35〜45%のシス−ペルメトリンおよび55〜65%のトランス−ペルメトリンを含んでいる。特に好適な異性体混合物は37.5〜42.5%のシス−ペルメトリンおよび57.5〜62.5%のトランス−ペルメトリンを含んでいる。
【0022】
本発明の組成物中のペルメトリンの量は35〜60%の範囲で広く変えることができる。好ましくは本発明の組成物は45〜60%、特に好ましくは47.5〜55%の範囲でペルメトリンを含んで成っている。
【0023】
同様に、イミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体の量は2.5〜12.5重量%の範囲で広く変えることができ、ここで5.0〜10.0%の範囲の量が好適である。イミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体は本発明の組成物の中で7.5〜10%の範囲の量で使用されることが特に好ましい。
【0024】
勿論、本発明の組成物はまたさらに他の適当な活性化合物を含むことができる。
【0025】
その例としては、成長阻害活性化合物であって相乗作用をもつピリプロキシフェン{2−[1−メチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エトキシ]ピリジン[CAS No.95737−68−1]}、メトプレン{11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエン酸(E,E)−1−メチルエチル[CAS No.40596−69−8]}およびトリフルムロン{2−クロロ−N−[[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]ベンズアミド[CAS No.64628−44−0]}を挙げることができる。
【0026】
好適なものとして挙げることができる昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストまたはアンタゴニストはイミダクロプリド同族体である。
【0027】
イミダクロプリド同族体とは、式(I)
【0028】
【化1】

【0029】
の定義をもつ化合物であると理解されたい。ここで
Rは水素、またはアシル、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから成る群から選ばれる随時置換基をもった基であり、
Aは水素、アシル、アルキル、アリールから成る群から選ばれる一官能性の基、或いは基Zに結合した二官能性の基を表し、
Eは電子吸引性の基を表し、
Xは基−CH=または=N−であって、ここで基−CH=は水素原子の代わりに基Zに結合していることができ、
Zはアルキル、−O−R、−S−R、−N(R)Rから成る群から選ばれる一官能性の基であるか、或いは基Aまたは基Xに結合した二官能性の基を表す。
【0030】
式(I)の化合物において、基が下記のように定義されるものが特に好適である。
【0031】
Rは水素を表し、またまたはアシル、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから成る群から選ばれる随時置換基をもつ基を表す。
【0032】
アシル基としてはフォルミル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルフォニル、アリールスルフォニル、(アルキル)(アリール)フォスフォリルを挙げることができ、これらはその一部に置換基をもっていることができる。
【0033】
アルキル基としてはC1〜10−、特にC1〜4−アルキル、特定的にはメチル、エチル、イソプロピル、sec−またはt−ブチルを挙げることができ、これらはその一部に置換基をもっていることができる。
【0034】
アリール基としてはフェニルおよびナフチル、特にフェニルを挙げることができる。
【0035】
アラルキル基としてはフェニルメチルおよびフェネチルを挙げることができる。
【0036】
ヘテロアリール基としては、最高10個の環を原子有しヘテロ原子としてN、OおよびS、特にNをもつヘテロアリール基を挙げることができる。特定のものとしてはチエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ベンゾチアゾリルを挙げることができる。
【0037】
ヘテロアリールアルキル基としては、最高6個の環原子を有しヘテロ原子としてN、O、S、特にNのヘテロアリールメチルおよびヘテロアリールエチルを挙げることができる。
【0038】
好適な置換基の例は次の通りである:
炭素数が好ましくは1〜4、特に1または2のアルキル、例えばメチル、エチル、n−およびイソプロピル、およびn−、イソ−およびt−ブチル;炭素数が好ましくは1〜4、特に1または2のアルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n−およびイソプロピロキシ、およびn−、イソ−およびt−ブチロキシ;炭素数が好ましくは1〜4、特に1または2のアルキルチオ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−およびイソプロピルチオ、およびn−、イソ−およびt−ブチルチオ;炭素数が好ましくは1〜4、特に1または2でハロゲン原子数が好ましくは1〜5、特に1〜3であり、ハロゲン原子は同一または相異なる好ましくはフッ素、塩素または臭素、特にフッ素であるハロアルキル、例えばトリフルオロメチル;ヒドロキシル;ハロゲン、好ましくはフッ素、塩素、臭素およびヨード、特にフッ素、塩素および臭素;シアノ;ニトロ;アミノ;アルキル基1個当たりの炭素数が好ましくは1〜4、特に1または2のモノアルキル−およびジアルキルアミノ、例えばメチルアミノ、メチルエチルアミノ、n−およびイソプロピルアミノおよびメチル−n−ブチルアミノ;カルボキシル;炭素数が2〜4、特に2または3のカルボアルコキシ、例えばカルボメトキシおよびカルボエトキシ;スルフォ(−SOH);炭素数が好ましくは1〜4、好ましくは1または2のアルキルスルフォニル、例えばメチルスルフォニルおよびエチルスルフォニル;炭素数が好ましくは6〜10のアリールスルフォニル、例えばフェニルスルフォニル、およびヘテロアリールアミノおよびヘテロアリールアルキルアミノ、例えばクロロピリジルアミノおよびクロロピリジルメチルアミノ。
【0039】
Aは特に好ましくは水素、或いは好ましくはRの所で定義されたアシル、アルキル、アリールから成る群から選ばれる随時置換基をもった基を表す。さらにAは二官能性の基を表す。炭素数が1〜4、好ましくは1〜2の随時置換基をもったアルキレンを挙げることができるが、ここで挙げることができる置換基としては上記の置換基であり、該アルキレン基はN、OおよびSから成る群から選ばれるヘテロ原子で中断されていることができる。
【0040】
AおよびZはそれが結合した原子と一緒になって飽和または不飽和の複素環をつくることができる。この複素環はさらに1または2個の同一または相異なるヘテロ原子および/またはヘテロ基を含んでいることができる。好適なヘテロ原子は酸素、硫黄または窒素であり、好適なヘテロ基はN−アルキルであり、ここでN−アルキルのアルキル基は好ましくは1〜4、特に1または2個の炭素原子を含んでいる。アルキルとしてはメチル、エチル、n−およびイソプロピル、並びにn−、イソ−およびt−ブチルを挙げることができる。ヘテロ環は5〜7、好ましくは5または6個の環原子を含んでいる。
【0041】
ヘテロ環式の環の例としてはピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、モルフィリンを挙げることができ、これらは随時置換基、好ましくはメチルを置換していることができる。
【0042】
Eは電子吸引性の基を表し、例としては特にNO、CN、ハロアルキルカルボニル、例えば1,5−ハロ−C1〜4−カルボニル、特にCOCFを挙げることができる。
【0043】
Xは−CH=または−N=を表す。
【0044】
Zは随時置換基を有するアルキル、−OR、−SR、−NRR基であり、ここでRおよび置換基は好ましくは上記の意味を有する。
【0045】
Zはさらに、上記の環の他に、Xの代わりにそれが結合している原子および基=C<と一緒になって、飽和または不飽和のヘテロ環式の環をつくることができる。ヘテロ環式の
環はさらに1〜2個の同一または相異なるヘテロ原子および/またはヘテロ基を含んでいることができる。好適なヘテロ原子は酸素、硫黄または窒素であり、好適なヘテロ基はN−アルキルであり、ここでアルキルまたはN−アルキル基は好ましくは1〜4、特に1または2個の炭素原子を含んでいる。アルキルとしてはメチル、エチル、n−およびイソプロピル、並びにn−、イソ−およびt−ブチルを挙げることができる。ヘテロ環式の環は5〜7、好ましくは5〜6個の環原子を含んでいる。
【0046】
複素環式の環としてはピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、モルフォリンおよびN−メチルピペラジンを挙げることができる。
【0047】
本発明に従って特に好適に使用できる化合物は、一般式(II)および(III)の化合物である。
【0048】
【化2】

【0049】
ここでnは1または2であり、
Substは上記の置換基の一つ、特にハロゲン、極めて好ましくは塩素を表し、
A、Z、XおよびEは上記定義の通りである。
【0050】
特定的には下記の特に好適な化合物(イミダクロプリドおよびその同族体)を挙げることができる。
【0051】
【化3】

【0052】
N−メチルピロリドンの量は27.5〜62.5重量%の範囲で変えることができる。好ましくはこの量は35〜50重量%、特に好ましくは40〜45重量%である。
【0053】
酸化防止剤の量は0〜0.5%の範囲で広く変えることができ、ここで0.05〜0.25%が好適である。本発明の組成物をつくるためには0.05〜0.15%の範囲の量を使用することが特に好適である。すべての通常の酸化防止剤、好ましく例えばブチル化されたヒドロキシトルエン、ブチル化されたヒドロキシアニソール、トコフェノールのようなフェノール性酸化防止剤が好適である。
【0054】
有機酸の量は0〜0.5%の範囲で広く変えることができ、ここで0.05〜0.25%が好適である。本発明の組成物をつくるためには0.05〜0.15%の量を使用することが特に好ましい。すべての薬物学的に許容される有機酸、特にカルボン酸、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、琥珀酸およびマリン酸が本発明の組成物に使用するのに適している。有機酸のクエン酸およびマリン酸が好ましい。クエン酸が特に好適である。その量は広い範囲、特に0.05〜0.25%の範囲で変えることができ、0.075〜0.15%の量が特に好適である。
【0055】
共溶媒の量は2.5〜10重量%の範囲で広く変えることができ、2.5〜7.5重量%の範囲が好適である。本発明の組成物においては3.5〜6.0重量%の範囲の量を使用することが特に好適である。
【0056】
適切な共溶媒は沸点が80℃より高く引火温度が75℃より高い有機溶媒である。共溶媒は好ましくは展着作用を有している。この点に関して比較的高い沸点をもつ脂肪族およびまた芳香族のアルコール、脂肪族ポリエーテル、脂肪族および/または芳香族のエステル、および環式および/または非環式のカーボネートを挙げることができる。
【0057】
しかし、本発明の組成物をつくるためには、脂肪族の非環式または環式エーテルまたはポリエーテル、およびまた脂肪酸エステル、特にトリグリセリドを使用することが好適である。
【0058】
エーテルまたはポリエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコール、およびテトラヒドロフルフリルエトキシレートが本発明の組成物に使用するのに適しており、最後
に挙げた二つの化合物が特に好適である。
【0059】
例として挙げることができる脂肪酸エステルおよびトリグリセリドはミリスチン酸イソプロピル、Miglyol 810、Miglyol 812、Miglyol 818、Miglyol 829、Miglyol 840およびMiglyol 8810である(Miglyolの定義については例えばH.P.Fiedler,Lexikon
der Hilfsstoffe fuer Pharmazie,Kosmetik
und angrenzende Gebiete[Encyclopaedia of Auxiliaries for Pharmacy,Cosmetics and
Related Fields],p.1008−1009,Vol.2,Publisher Cantor Verlag Aulendorf(1996)参照)。
【0060】
これまでに行なわれた実験から、上記の共溶媒で変性された本発明の混合物は、良好な皮膚および目に対する優しさ、良好な生物学的活性、および通常の単一投与用の管における低温条件での有利な安定性をもっていることを特徴としている。
【0061】
上記の化合物に加えて、本発明の組成物はさらに薬物学的に許容される助剤を含んでいることができる。助剤としては例えば展着剤および表面活性剤を挙げることができる。
【0062】
展着剤は例えば展着用の油、例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、環式および非環式のシリコーン油、例えばジメチロン、およびそれらとエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびフォルムアルデヒドとの共重合体および三元重合体、脂肪酸エステル、トリグリセリド、脂肪アルコールである。
【0063】
例として挙げることができる表面活性剤は非イオン性表面活性剤、例えばポリエトキシル化されたひまし油、ポリエトキシル化されたソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、グリセリンモノステアレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル;両性表面活性剤、例えばN−ラウリル−β−イミドジプロイオン酸二Na塩、またはレシチン;陰イオン性表面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、脂肪アルコールエーテルサルフェート、モノ/ジアルキルポリグリコールエーテルオルト燐酸エステルモノエタノールアミン塩;陽イオン性表面活性剤、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウムである。
【0064】
本発明の組成物は通常の方法、例えば活性化合物を他の成分と撹拌しながら混合し溶液にすることによって製造することができる。必要に応じこの溶液を濾過することができる。適切な容器は例えばプラスティックスの管である。
【0065】
本発明の液体組成物は、すべての気候の地域において少なくとも3年間という優れた貯蔵安定性をもっていることを特徴としている。効力が大きいため施用容積を少なく保つことができる。好適な施用容積は処置を行なうペットの体重1.0kg当たり0.075〜0.25ml、好ましくは0.1〜0.15mlである。
【0066】
本発明の組成物は貯蔵専用の容器、例えば壁の厚さが300〜500μmで充填容積が1.0〜4.0mlの単一投与用のポリプロピレン管に充填して販売するのに極めて適している。
【0067】
さらに本発明の組成物は皮膚に対して極めて優しく、毒性が低い。
【0068】
最後に、生分解性をもっているために、環境に対しても優しい。
【実施例1】
【0069】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
Bayer社製のイミダクロプリド(1−[6−クロロ−3−ピリジン)メチル]−N−ニトロ−2−イミダゾリジニウム) 10g
N−メチルピロリドン 44.8g
クエン酸 0.1g
BHT(ブチル化したヒドロキシトルエン) 0.1g
【実施例2】
【0070】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 10g
N−メチルピロリドン 40.8g
水 4.0g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
【実施例3】
【0071】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
Takeda AG製のTi 435,即ちクロチアニジン(Clothianidine) 10g
N−メチルピロリドン 44.8g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
【実施例4】
【0072】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
Novartis AG製のDiacloden(チアメトキサム) 10g
N−メチルピロリドン 44.8g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
【実施例5】
【0073】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 7.5g
N−メチルピロリドン 43.3g
水 4.0g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
【実施例6】
【0074】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 47.5g
イミダクロプリド 10.0g
N−メチルピロリドン 38.3g
水 4.0g
クエン酸 0.1g
BHT(ブチル化したヒドロキシトルエン) 0.1g
【実施例7】
【0075】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 47.5g
イミダクロプリド 10g
N−メチルピロリドン 42.3g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
【実施例8】
【0076】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 8g
N−メチルピロリドン 46.8g
乳酸 0.1g
BHT 0.1g
【実施例9】
【0077】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 8g
N−メチルピロリドン 46.8g
乳酸 0.1g
ブチル化したヒドロキシアニソール 0.1g
【実施例10】
【0078】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
Bayer社製のイミダクロプリド(1−[6−クロロ−3−ピリジン)メチル]−N−ニトロ−2−イミダゾリジニウム) 10g
N−メチルピロリドン 39.8g
クエン酸 0.1g
BHT(ブチル化したヒドロキシトルエン) 0.1g
Sasol Germany GmbH.D−58453 Witten製Miglyol 812 5.0g
【実施例11】
【0079】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 10g
N−メチルピロリドン 35.8g
水 4.0g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
Sasol Germany GmbH.D−58453 Witten製Miglyol 840 5.0g
【実施例12】
【0080】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
Takeda AG製Ti 435、クロチアニジン 10g
N−メチルピロリドン 39.8g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
テトラヒドロフルフリルアルコール 5.0g
【実施例13】
【0081】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
Novartis AG製のDiacloden(チアメトキサム) 10g
N−メチルピロリドン 39.8g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
テトラヒドロフルフリルアルコール 5.0g
【実施例14】
【0082】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 7.5g
N−メチルピロリドン 40.0g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
Miglyol 812 3.3g
【実施例15】
【0083】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 47.5g
イミダクロプリド 10.0g
N−メチルピロリドン 33.8g
水 4.0g
クエン酸 0.1g
BHT(ブチル化したヒドロキシトルエン) 0.1g
Miglyol 812 5.0g
【実施例16】
【0084】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 47.5g
イミダクロプリド 10g
N−メチルピロリドン 34.3g
クエン酸 0.1g
BHT 0.1g
テトラヒドロフルフリルアルコール 4.0g
Miglyol 812 4.0g
【実施例17】
【0085】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 8g
N−メチルピロリドン 40.8g
乳酸 0.1g
BHT 0.1g
テトラヒドロフルフリルアルコール 6.0g
【実施例18】
【0086】
下記の成分を含んで成る均一なスポット・オン用溶液:
40%のシス体および60%のトランス体を含むペルメトリン 45g
イミダクロプリド 8g
N−メチルピロリドン 42.8g
乳酸 0.1g
ブチル化したヒドロキシアニソール 0.1g
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 4.0g
【0087】
A.犬のノミに対する活性
クテノケファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)
薬物投与の4日前および1日前に、1匹の犬当たり約100匹の餌を与えられていないクテノケファリデス・フェリスの成虫を犬に寄生させた。動物の首の上にノミを寄生させる。
【0088】
試験当日に目覚めている動物に対してノミをチェックすることにより犬に対する寄生が成功したかどうかを調べる。生きているノミの数を記録した。
【0089】
ノミの数を数えた後、動物に処置を施した。対照のグループの犬に対しては処置を行なわない。試験すべき実施例1〜18の薬物を、体重1kg当たり0.1mlの投与量でスポット・オン法により動物の皮膚に投与する。試験当日に1回投与を行なった。臨床的に見て健康な動物だけを使用する。
【0090】
投与後1日目に、生きているノミに対してすべての犬を調べる。生のデータとして結果を記録する。
【0091】
投与後7日、14日、21日および28日目に、犬1匹当たり約100匹の餌を与えられていないクテノケファリデス・フェリスの成虫を再び犬に寄生させる。それぞれの場合、再寄生後1日してすべての犬に対し生きているノミをチェックする。結果を生のデータとて記録する。
【0092】
最初の投与後1日目、および再寄生後2日目に95%より大きな効力が見出されこの作用が少なくとも3〜4週間持続した場合、その組成物は高度の活性をもっていると考える。
【0093】
効力はAbbottによる変形した式を用いて計算する。
【0094】
効力(%)=(ノミの数Φ−TGのノミの数Φ)/(CGのノミの数Φ)×100
ここで CG:対照のグループ
TG:処置をしたグループ
【0095】
体重1kg当たり0.1mlの投与量でスポット・オン法で投与された実施例1〜18
の組成物の薬物はクテノケファリデス・フェリスに対して極めて効果があることが見出された。
【0096】
B.犬のダニ(リピケファルス・サングイネウス(Rhipicefalus sanguineus)に対する効力
それぞれの場合、薬物投与日の4日前および1日前に2%のRompun(R)(Bayer AG製の活性化合物、キシラジン塩酸塩)を用い犬に対して鎮静剤を投与する(体重1kg当たり0.1ml)。すべての犬に対し鎮静処置を行なった後(約10〜15分後)、輸送箱の中に移し、犬1匹当たり50匹のリピケファルス・サングイネウス(雄25匹、雌25匹)を動物の首に寄生させる。約1.5時間後動物を再び輸送箱から檻の中へ移す。
【0097】
薬物投与当日に、目覚めている動物に対しダニをチェックすることにより犬に対する寄生が成功しているかどうかを調べる。頭および襞の部分を含む耳、および首の区域、および下腹部、胸の下部、脇腹、および趾ゆびと四肢の間の部分を特に詳しく調べる。吸血性の(sucking)生きているダニの数を記録する。死んだダニは取り除く。
【0098】
ダニの数を数えた後に動物に処置を施す。対照の犬に対しては処置を行なわない。検査すべき薬物をスポット・オン法により動物の皮膚に投与する。投与開始日に1回投与を行なう。臨床的に見て健康な動物だけを使用する。
【0099】
投与後1日および2日目にすべての犬に対し吸血性の生きているダニおよび死んだダニをチェックする。結果を生のデータとして記録する。2日目にすべての生きているダニおよび死んだダニを犬から取り除く。
【0100】
最初の投与日から7日、14日、21日および28日目に、それぞれの場合犬1匹当たり50匹のリピケファルス・サングイネウス(雄25匹、雌25匹)をすべての犬に対して再寄生させる。それぞれの場合再寄生させてから1日および2日後にすべての犬に対し生きているおよび死んだ吸血性のダニをチェックする。結果を生のデータとして記録する。2日目にすべての生きているダニおよび死んだダニを犬から取り除く。
【0101】
最初の投与後2日目、およびそれぞれの再感染後2日目に90%より大きな効力が見出されこの作用が少なくとも3〜4週間持続した場合、その組成物は高度の活性をもっていると考える。
【0102】
効力はAbbottによる変形した式を用いて計算する。
【0103】
効力(%)=(CGのノミの数Φ−TGのノミの数Φ)/(CGのノミの数Φ)×100
ここで CG:対照のグループ
TG:処置をしたグループ
【0104】
体重1kg当たり0.1mlの投与量でスポット・オン法で投与された実施例1〜18の組成物の薬物はリピケファルス・サングイネウスに対して極めて効果があることが見出された。
【0105】
C.6週間の期間に亙るノミおよびダニに対する活性
ノミおよびダニに対する本発明の組成物の活性を6週間に亙って試験した。この試験は上記AおよびB項記載の方法と同様にして行なった。
【0106】
【表1】

【0107】
以下に本発明の主な特徴と態様を列挙する。
【0108】
1.(a)35〜60重量%の活性化合物であるペルメトリン、
(b)2.5〜12.5重量%のイミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体、
(c)27.5〜62.5重量%のN−メチルピロリドン、
(d)0〜5重量%の水、
(e)0〜0.5重量%フェノール性酸化防止剤、および
(f)0〜0.5重量%の有機酸
を含んで成る組成物。
【0109】
2.さらに
(g)2.5〜10重量%の共溶媒を含んで成ることを特徴とする1.記載の組成物。
【0110】
3.ペルメトリンおよびイミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体を撹拌しながら1.または2.記載の他の成分と混合して溶液をつくることを特徴とする1.または2.記載の組成物の製造法。
【0111】
4.動物の寄生虫を抑制するための1.または2.記載の組成物の使用。
【0112】
5.温血動物のダニおよび/またはノミを抑制するための4.記載の使用。
【0113】
6.犬のダニおよび/またはノミを抑制するための5.記載の使用。
【0114】
7.猫のダニおよび/またはノミを抑制するための5.記載の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)35〜60重量%の活性化合物であるペルメトリン、
(b)2.5〜12.5重量%のイミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体、
(c)27.5〜62.5重量%のN−メチルピロリドン、
(d)0〜5重量%の水、
(e)0〜0.5重量%フェノール性酸化防止剤、および
(f)0〜0.5重量%の有機酸
を含んで成る組成物。
【請求項2】
さらに
(g)2.5〜10重量%の共溶媒を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ペルメトリンおよびイミダクロプリドまたはイミダクロプリド同族体を撹拌しながら請求項1または2記載の他の成分と混合して溶液をつくることを特徴とする請求項1または2記載の組成物の製造法。
【請求項4】
動物の寄生虫を抑制するための請求項1または2記載の組成物の使用。
【請求項5】
温血動物のダニおよび/またはノミを抑制するための請求項4記載の使用。
【請求項6】
犬のダニおよび/またはノミを抑制するための請求項5記載の使用。
【請求項7】
猫のダニおよび/またはノミを抑制するための請求項5記載の使用。

【公開番号】特開2010−155844(P2010−155844A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8388(P2010−8388)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【分割の表示】特願2002−584703(P2002−584703)の分割
【原出願日】平成14年4月2日(2002.4.2)
【出願人】(509063029)バイエル・アニマル・ヘルス・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (6)
【Fターム(参考)】