説明

動画編集装置、動画編集方法、およびプログラム

【課題】撮影された位置が同一エリア内にある動画をまとめてダイジェスト動画を作成し得る、動画編集装置、動画編集方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】動画編集装置100は、撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、動画データ取得部105と、動画データの中から基準となる動画データを設定し、基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、編集条件設定部103と、位置情報に基づいて、取得された動画データの中から、撮影場所がエリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、動画データ編集部108と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の動画をまとめてダイジェスト動画を作成する、動画編集装置、動画編集方法、およびこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、固体撮像素子及びメモリの性能が向上すると共に、これらが安価で提供されるようになったため、従来からのカムコーダに加え、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット型の情報端末等、様々な電子機器で、動画を撮影することが可能になっている。このため、ユーザは、気軽に、あらゆる場所で動画を撮影し、それを楽しめるようになっている。
【0003】
但し、あらゆる場所で、多数の動画を撮っても、これらを視聴するためには、撮影にかかったのと同じだけの時間が必要となる。このため、ユーザが時間をかけずに動画を楽しめるようにするため、撮影した動画から、簡単にダイジェスト動画を作成する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0004】
特許文献1及び特許文献2は、ダイジェスト動画を生成する装置を開示している。具体的には、特許文献1に開示された装置は、複数の動画ファイルをイベント毎に分類し、更に、イベント毎に分類された動画ファイルをシーン毎に分類し、その後、シーン毎に分類された各動画ファイルの一部分を抽出して、ダイジェスト動画を生成する。
【0005】
また、特許文献2に開示された装置は、動画データから静止画データと一致するフレーム位置を検出し、この位置を基準に、所定時間の動画データを読み出して、これをダイジェスト動画に利用する。また、特許文献2に開示された装置は、動画データと静止画データとの一致の判定に、日時データと撮影された位置の位置データとを利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−236729号公報
【特許文献2】特開2010−093687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、同じ場所で撮影された複数の動画が存在する場合、ユーザにおいては、これらをまとめたダイジェスト動画があると便利である。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された装置では、撮影された位置に基づいて、複数の動画データをまとめる処理は実行されないため、同じ場所で撮影された複数の動画を選出し、これらを用いてダイジェスト動画を作成することは困難である。
【0008】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、撮影された位置が同一エリア内にある動画をまとめてダイジェスト動画を作成し得る、動画編集装置、動画編集方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における動画編集装置は、撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、動画データ取得部と、
前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、編集条件設定部と、
前記位置情報に基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、動画データ編集部と、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における動画編集方法は、
(a)撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、ステップと、
(b)前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、ステップと、
(c)前記位置情報に基づいて、前記(a)のステップで取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0011】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータに、
(a)撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、ステップと、
(b)前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、ステップと、
(c)前記位置情報に基づいて、前記(a)のステップで取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、撮影された位置が同一エリア内にある動画をまとめてダイジェスト動画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における動画編集装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態における動画編集装置の編集条件設定処理時の動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態において編集条件の設定時に表示される入力受付画面の一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態において動画編集の対象となる動画データのディレクトリ構造の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態において用いられる編集条件テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態における動画編集装置の動画データ取得時の動作を示すフロー図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態において作成されるインデックスファイルの一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態における動画編集装置の動画データ編集時の動作を示すフロー図である。
【図9】図9は、図8に示したステップC4を具体的に示すフロー図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態における動画編集装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態1における、動画編集装置、動画編集方法、およびプログラムについて、図1〜図10を参照しながら説明する。
【0015】
[装置構成]
最初に、本実施の形態における動画編集装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における動画編集装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態における動画編集装置100は、動画データ取得部105と、編集条件設定部103と、動画データ編集部108とを備えている。このうち、動画データ取得部105は、撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する。編集条件設定部103は、動画データの中から基準となる動画データ(以下「基準動画データ」と表記する。)を設定し、基準動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する。
【0017】
また、動画データ編集部108は、位置情報に基づいて、取得された動画データの中から、撮影場所がエリア内に位置する動画データを特定する。そして、動画データ編集部108は、特定した動画データと基準動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する。
【0018】
このように、動画編集装置100は、撮影された複数の動画データの中から、撮影場所が同一エリア内にある動画を特定できる。そして、動画編集装置100は、撮影場所が同一エリア内にある動画をまとめてダイジェスト動画を作成する。このため、ユーザは、手軽に同一エリア内で撮影された動画をまとめて楽しむことができる。
【0019】
ここで、本実施の形態における動画編集装置100の構成について更に具体的に説明する。図1に示すように、本実施の形態では、動画編集装置100は、後述する本実施の形態におけるプログラムによってコンピュータ120の内部に構築される。
【0020】
また、図1に示すように、動画編集装置100には、キーボード、マウス等といった入力装置101と、携帯端末102と、液晶表示装置等といった表示装置116とが接続されている。なお、実際には、これらは、コンピュータ120に接続されている。
【0021】
携帯端末102は、例えば、携帯電話又はスマートフォンである。携帯端末102は、GPS(Global Positioning System)による測位機能と動画撮影機能とを備えており、撮影場所の位置情報(緯度及び経度)が付与された動画データを出力できる。動画データは、携帯端末102から取得される。
【0022】
編集条件設定部103は、本実施の形態では、ユーザから、入力装置101を介して、各種編集条件の入力を受け付け、受け付けた編集条件を設定する。具体的には、編集条件設定部103は、エリアの大きさの指定を受け付け、受け付けた大きさの指定に基づいて、エリアを設定する。また、編集条件設定部103は、ダイジェスト動画の再生時間の指定を受け付け、ダイジェスト動画の再生時間を設定することができる。
【0023】
また、本実施の形態では、編集条件設定部103は、設定した編集条件を編集条件テーブル104に登録する。編集条件テーブル104には、基準動画データのファイル名、エリアの大きさ、ダイジェスト動画の再生時間等が登録されている。なお、具体的な登録内容については、図5を用いて後述する。
【0024】
更に、編集条件設定部103は、編集条件の設定時において、ユーザによる入力を支援するため、動画データに含まれる画像からサムネイル画像を作成し、作成したサムネイル画像を表示装置116の画面に表示させることができる。この場合、編集条件設定部103は、ユーザに、基準動画データを指定させることができ、指定された動画データを、基準動画データに設定する。
【0025】
また、編集条件設定部103は、サムネイル画像の表示を行なう際に、撮影日付の指定を受け付けることもできる。この場合は、編集条件設定部103、指定された撮影日付に合致する動画データのサムネイル画像のみを作成する。
【0026】
動画データ取得部105は、本実施の形態では、携帯端末102から動画データを取得する。また、動画データ取得部105は、インデックスデータ生成部106と、データ転送部107とを備えている。
【0027】
インデックスデータ生成部106は、取得した動画データ毎に、位置情報を含むインデックスファイルを作成する。インデックスファイルは、動画データに付与された位置情報といった属性情報を含んでいる。インデックスファイルの具体例については、図7を用いて後述する。
【0028】
また、インデックスデータ生成部106は、作成したインデックスファイルを、ファイルシステム112に出力する。ファイルシステム112は、これをインデックスファイル113として格納する。また、ファイルシステム112は、コンピュータ120の記憶装置(図1において図示せず)の記憶領域に構築されている。
【0029】
データ転送部107は、携帯端末102から取得した編集前の動画データを、ファイルシステム112に転送する。ファイルシステム112は、これを編集前動画データファイル114として格納する。また、データ転送部107は、編集前動画データファイル114のパス名をインデックスファイル113に設定する。
【0030】
動画データ編集部108は、動画データ検索処理部109と、動画データ結合処理部110と、動画データ出力部111とを備えている。動画データ検索処理部109は、編集条件テーブル104にアクセスして、基準動画データを特定し、更に、ファイルシステム112にアクセスして、インデックスファイル113から、特定した動画データの位置情報を取得する。また、動画データ検索処理部109は、インデックスファイル113に基づいて、撮影場所がエリア内に位置する動画データを特定する。
【0031】
そして、動画データ結合処理部110は、動画データ検索処理部109によって特定された動画データを編集前動画データファイル114の中から読み込み、読み込んだ動画データと基準動画データとを結合する。また、動画データ結合処理部108は、ダイジェスト動画について再生時間が指定されているときは、指定された再生時間内となるようにダイジェスト動画を作成する。
【0032】
動画データ出力部111は、生成されたダイジェスト動画を、ファイルシステム112に出力する。ファイルシステム112は、これを、編集後動画データファイル115として格納する。更に、動画データ出力部111は、編集後動画データファイル115のパス名をインデックスファイル113に設定する。
【0033】
[装置動作]
次に、本実施の形態における動画編集装置100の動作について図2〜図9を用いて説明する。以下の説明においては、適宜図1を参酌する。また、本実施の形態では、動画編集装置100を動作させることによって、動画編集方法が実施される。よって、本実施の形態における動画編集方法の説明は、以下の動画編集装置100の動作説明に代える。
【0034】
[編集条件の設定処理]
最初に、図2〜図5を用いて、編集条件の設定処理について説明する。図2は、本発明の実施の形態における動画編集装置の編集条件の設定処理時の動作を示すフロー図である。図3は、本発明の実施の形態において編集条件の設定時に表示される入力受付画面の一例を示す図である。図4は、本発明の実施の形態において動画編集の対象となる動画データのディレクトリ構造の一例を示す図である。図5は、本発明の実施の形態において用いられる編集条件テーブルの一例を示す図である。
【0035】
図2に示すように、最初に、編集条件設定部103は、図3に示す入力受付画面を表示装置116の画面に表示させる(ステップA1)。そして、編集条件設定部103は、ユーザが、入力装置101を介して、日付範囲を指定すると、それを受け付ける。
【0036】
次に、撮影条件設定部103は、撮影日時が、ステップA1で入力された日付範囲に合致する動画データを読み込む(ステップA2)。具体的には、撮影条件設定部103は、動画データ取得部105から動画データを取得する。また、本実施の形態では、動画データ取得部105は、後述の図6に示す処理とは別の処理によって、全動画データについて、データ全体又は一部を取得して、図3に示すように、各動画データを撮影日時に基づいて管理している。
【0037】
次に、編集条件設定部103は、ステップA2で読み込んだ動画データそれぞれについて、各動画データに含まれる画像を用いてサムネイル画像(縮小画面イメージ)を作成し、これらを、表示装置116の画面に表示させる(ステップA3)。図3の例では、編集条件設定部103は、ステップA1で表示させた入力受付画面に、各サムネイル画像を、撮影日時の順に表示させる。
【0038】
また、図3の例では、ユーザは、2011年1月1日から2011年3月31日までを日付範囲として指定している。よって、ステップA1及びステップA2の実行により、2011年1月1日から2011年3月31日までに撮影された動画データのサムネイル画像が一覧表示される。
【0039】
次に、編集条件設定部103は、ユーザに対して、ダイジェスト動画の作成に用いる動画データの撮影日時を範囲指定させて、編集対象となる動画データを設定する(ステップA4)。図2の例では、ユーザによって、2011年1月1日から2011年1月31日までの範囲が指定されているので、編集条件設定部103は、この間に撮影された動画データを編集対象に設定する。
【0040】
次に、編集条件設定部103は、ユーザに対して、後述する動画データの編集処理において基準動画データを選択させ、選択された動画データを、基準動画データに設定する(ステップA5)。具体的には、図3に示す入力受付画面において、ユーザは、基準動画データとしたい動画データのサムネイル画像を選択する。
【0041】
次に、編集条件設定部103は、ユーザに対して、基準動画データの撮影場所を基準としたエリア選択させ、選択されたエリアを、編集対象の特定に用いるエリアに設定する(ステップA6)。
【0042】
具体的には、図3に示す入力受付画面において、ユーザは、基準動画データを撮影した位置を中心とした距離をメートル単位で指定する。これにより、基準動画データを撮影した位置を中心とし、指定された距離を半径とする円が設定され、この円の内側がエリアとして選択される。
【0043】
次に、編集条件設定部103は、ユーザに対して、ダイジェスト動画の再生時間を指定させ、指定された時間をダイジェスト動画の再生時間に設定する(ステップA7)。具体的には、図3に示す入力受付画面において、ユーザは、ダイジェスト動画の再生時間を指定する。
【0044】
次に、編集条件設定部103は、ユーザから入力の終了が指示されているかどうかを判定する(ステップA8)。ステップA8の判定の結果、入力の終了が指示されていない場合は、編集条件設定部103は、ステップA5を再度実行する。ステップA5〜A7は、ユーザが望む回数だけ繰り返し実行される。
【0045】
一方、ステップA8の判定の結果、入力の終了が指示されている場合は、編集条件設定部103は、編集条件テーブル104に、ステップA4〜A7で設定された情報を登録する(ステップA9)。以上により、編集条件の設定処理は終了する。
【0046】
図3の例では、ステップA5は3回実行され、動画データA(自宅で撮影されたデータ)、動画データJ(公園で撮影されたデータ)、及び動画データM(小学校で撮影されたデータ)が、基準動画データとして選択されている。
【0047】
また、ステップA6では、動画データA、動画データJ、動画データM、それぞれについて、エリアの半径は、100m、1Km、500mと指定されている。更に、ステップA7では、各基準動画データについて、ダイジェスト動画の再生時間は、それぞれ、30分、5分、15分に指定されている。
【0048】
また、図5に示すように、編集条件テーブルには、編集対象の開始日401と、終了日402と、基準動画データ数403とが、ヘッダ情報として登録されている。また、編集条件テーブルには、ヘッダ情報の後ろに、基準動画データのファイル名404と、エリア範囲405と、時間406とが登録されている。
【0049】
[動画データの取得処理]
続いて、図6及び図7を用いて、動画データの取得処理について説明する。図6は、本発明の実施の形態における動画編集装置の動画データ取得時の動作を示すフロー図である。図7は、本発明の実施の形態において作成されるインデックスファイルの一例を示す図である。
【0050】
図6に示すように、最初に、動画データ取得部105において、データ転送部107は、編集条件テーブル104にアクセスして、編集対象の開始日401と編集対象の終了日402とを取得し、その範囲内で撮影された動画データを、編集対象として、携帯端末102から読み出す(ステップB1)。
【0051】
次に、インデックスデータ生成部106は、ステップB1で取得した動画データ毎に、その属性情報に基づいて、インデックスファイルを生成する(ステップB2)。
【0052】
また、ステップB2では、インデックスデータ生成部106は、作成したインデックスファイルを、ファイルシステム112に出力する。ファイルシステム112は、これをインデックスファイル113として格納する。
【0053】
次に、データ転送部107は、ステップB1で読み出した動画データを、ファイルシステム112に転送する(ステップB3)。これにより、ファイルシステム112は、転送されてきた動画データを編集前動画データファイル114として格納する。また、ステップB3では、データ転送部107は、ファイルシステム112に格納された編集前動画データファイル114のファイルパス名を、インデックスファイル113に設定する。
【0054】
その後、データ転送部107は、編集対象となる動画データ全てに対して、ステップB1〜B3の処理が終了したかどうかを判定する(ステップB4)。ステップB4の判定の結果、全ての編集対象となる動画データに対して処理が終了している場合は、データ転送部107は、処理を終了する。一方、ステップB4の判定の結果、全ての編集対象となる動画データに対して処理が終了していない場合は、データ転送部107は、ステップB1を再度実行する。
【0055】
また、図7に示すように、本実施の形態では、インデックスファイル112は、情報として、撮影装置名501、撮影日時501、位置情報503、データ格納パス名504、ファイル名505を含んでいる。
【0056】
[動画データの編集処理]
次に、図8を用いて、動画データの編集処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態における動画編集装置の動画データ編集時の動作を示すフロー図である。
【0057】
図8に示すように、最初に、動画データ編集部108において、動画データ検索処理部109は、まず、編集条件テーブル104にアクセスして、基準動画データを特定する。そして、動画データ検索処理部109は、ファイルシステム112にアクセスして、インデックスファイル113から、特定した基準動画データの位置情報を取得する(ステップC1)。
【0058】
次に、動画データ検索処理部109は、編集対象となる他の動画データ(以下「編集対象データ」と表記する。)の位置情報と、基準動画データの位置情報とから、両者間の距離を計算する(ステップC2)。
【0059】
次に、動画データ検索処理部109は、ステップC2で計算した距離が設定されたエリアの半径以下となるかどうかを判定する(ステップC3)。ステップC3の判定の結果、設定されたエリアの半径以下でない場合は、動画データ検索処理部109は、ステップC5を実行する。
【0060】
一方、ステップC3の判定の結果、設定されたエリアの半径以下である場合は、動画データ結合処理部110は、編集対象データと基準動画データとを結合する(ステップC4)。なお、ステップC4での具体的な処理については、図9を用いて後述する。
【0061】
次に、ステップC4が実行された場合、又はステップC3でノーと判定された場合は、動画データ検索処理部109は、全ての編集対象データについてステップC2及びC3が実行されているかどうかを判定する(ステップC5)。ステップC5の判定の結果、全ての編集対象データについてステップC2及びC3が実行されていない場合は、動画データ検索処理部109は、再度ステップC2を実行する。
【0062】
一方、ステップC5の判定の結果、全ての編集対象データについてステップC2及びC3が実行されている場合は、動画データ出力部111が、ステップC4で生成されたダイジェスト動画を、ファイルシステム112に出力する(ステップC6)。
【0063】
そして、ステップC6が実行されると、ファイルシステム112は、ダイジェスト動画を、編集後動画データファイル115として格納する。また、動画データ出力部111は、編集後動画データファイル115のパス名をインデックスファイル113に設定する。
【0064】
次に、動画データ検索処理部109は、編集条件テーブル104(図4参照)の基準動画データ数403の欄に格納されている値(n)を初期値として、カウントダウンを行い、基準動画データの残件数mを算出する(ステップC7)。
【0065】
次に、動画データ検索処理部109は、ステップC7で計算された基準動画データの残件数mが、0(ゼロ)となったかどうかを判定する(ステップC8)。ステップC8の判定の結果、0でない場合は、動画データ検索処理部109は、再度、ステップC1を実行する。一方、ステップC8の判定の結果、基準動画データの残件数mが、0(ゼロ)0となっている場合は、全ての動画データについての処理が完了することになり、動画編集装置100での処理は終了する。
【0066】
ここで、図9を用いて、図8に示したステップC4について更に具体的に説明する。図9は、図8に示したステップC4を具体的に示すフロー図である。図9に示すように、動画データ結合処理部110は、ステップC3の判定対象となった編集対象データと基準動画データとを結合したときの再生時間を算出する(ステップC41)。
【0067】
次に、動画データ結合処理部110は、結合時の再生時間が、図2に示したステップA7で設定された再生時間を越えているかどうかを判定する(ステップC42)。ステップC42の判定の結果、結合時の再生時間が設定された再生時間を越えている場合は、動画データ結合処理部110は、次のステップC43を実行せず、処理を終了する。
【0068】
一方、ステップC42の判定の結果、結合時の再生時間が設定された再生時間を越えていない場合は、動画データ結合処理部110は、ステップC3の判定対象となった編集対象データと基準動画データとを結合する(ステップC43)。
【0069】
また、既に、以前に実行されたステップC4で基準動画データに別の編集対象データが結合されている場合は、別の編集対象データが結合された基準データを対象として、ステップC41〜C43が実行される。
【0070】
そして、ステップC41〜C43の実行により、基準動画データの位置情報を基に、その同じエリア内で撮影された動画データが、自動的に1本のダイジェストファイルとして生成される。
【0071】
以上のように、本実施の形態1によれば、多数の動画データのうち、設定エリア内で撮影された動画データが、複雑な仕分け処理を経ることなく、一本にまとめて編集される。また、ユーザの指定により、設定エリアの範囲を拡大、縮小することが可能であるので、ユーザは、自由に、編集対象となる動画データを絞り込んだり、拡大したり、することができる。
【0072】
また、上述した例では、動画データの取得先としては、携帯端末102が例示されているが、本実施の形態においては、携帯端末以外の機器、例えば、GPSによる測位機能を備えたデジタルカメラ、同様のカムコーダ、等であっても良い。
【0073】
また、動画データの取得先は、店舗等に設置された防犯用の監視カメラであっても良い。そして、複数店舗のビデオデータを集中管理する監視センターに、動画編集装置100を用いれば、動画編集装置100は、店舗の位置情報を基に、特定店舗で撮影されたビデオデータを結合してダイジェスト動画を作成できる。この場合、ダイジェスト動画は、その後の分析処理等に有効となる。
【0074】
[プログラム]
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ100に、図2に示すステップA1〜A9、図6に示すステップB1〜B4、図8に示すステップC1〜C8を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における動画編集装置100と動画編集方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、編集条件設定部103、動画データ取得105、及び動画データ編集部108として機能し、処理を行なう。
【0075】
ここで、本実施の形態における動画編集装置100を構築できるコンピュータについて図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態における動画編集装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0076】
図10に示すように、コンピュータ120は、CPU121と、メインメモリ122と、記憶装置123と、入力インターフェイス124と、表示コントローラ125と、データリーダ/ライタ126と、通信インターフェイス127とを備える。これらの各部は、バス131を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0077】
CPU131は、記憶装置133に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ122に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ122は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体130に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス127を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0078】
また、記憶装置123の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス124は、CPU121と、キーボード及びマウスといった入力機器128との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ125は、ディスプレイ装置129と接続され、ディスプレイ装置129での表示を制御する。データリーダ/ライタ126は、CPU121と記録媒体130との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体130からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ120における処理結果の記録媒体130への書き込みを実行する。通信インターフェイス127は、CPU121と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0079】
また、記録媒体130の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0080】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記15)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0081】
(付記1)
撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、動画データ取得部と、
前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、編集条件設定部と、
前記位置情報に基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、動画データ編集部と、
を備えていることを特徴とする動画編集装置。
【0082】
(付記2)
前記編集条件設定部が、前記エリアの大きさの指定を受け付け、受け付けた大きさの指定に基づいて、前記エリアを設定する、
付記1に記載の動画編集装置。
【0083】
(付記3)
前記編集条件設定部が、前記動画データに含まれる画像からサムネイル画像を作成し、作成したサムネイル画像を画面に表示させた後、前記動画データの指定を受け付け、指定を受け付けた前記動画データを、前記基準となる動画データに設定する、
付記1または2に記載の動画編集装置。
【0084】
(付記4)
前記編集条件設定部が、前記ダイジェスト動画の再生時間の指定を受け付け、
前記動画データ編集部が、再生時間が、指定された前記再生時間内となるように前記ダイジェスト動画を作成する、
付記1〜3のいずれかに記載の動画編集装置。
【0085】
(付記5)
前記動画データ取得部が、取得した前記動画データ毎に、前記位置情報を含むインデックスファイルを作成し、
前記動画データ編集部が、前記インデックスファイルに基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定する、
付記1〜4のいずれかに記載の動画編集装置。
【0086】
(付記6)
(a)撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、ステップと、
(b)前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、ステップと、
(c)前記位置情報に基づいて、前記(a)のステップで取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、ステップと、
を有することを特徴とする動画編集方法。
【0087】
(付記7)
前記(b)のステップにおいて、前記エリアの大きさの指定を受け付け、受け付けた大きさの指定に基づいて、前記エリアを設定する、
付記6に記載の動画編集方法。
【0088】
(付記8)
前記(b)のステップにおいて、前記動画データに含まれる画像からサムネイル画像を作成し、作成したサムネイル画像を画面に表示させた後、前記動画データの指定を受け付け、指定を受け付けた前記動画データを、前記基準となる動画データに設定する、
付記6または7に記載の動画編集方法。
【0089】
(付記9)
前(b)のステップにおいて、前記ダイジェスト動画の再生時間の指定を受け付け、
前記(c)のステップにおいて、再生時間が、指定された前記再生時間内となるように前記ダイジェスト動画を作成する、
付記6〜8のいずれかに記載の動画編集方法。
【0090】
(付記10)
前記(a)のステップにおいて、取得した前記動画データ毎に、前記位置情報を含むインデックスファイルを作成し、
前記(c)のステップにおいて、前記インデックスファイルに基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定する、
付記6〜9のいずれかに記載の動画編集方法。
【0091】
(付記11)
コンピュータに、
(a)撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、ステップと、
(b)前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、ステップと、
(c)前記位置情報に基づいて、前記(a)のステップで取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0092】
(付記12)
前記(b)のステップにおいて、前記エリアの大きさの指定を受け付け、受け付けた大きさの指定に基づいて、前記エリアを設定する、
付記11に記載のプログラム。
【0093】
(付記13)
前記(b)のステップにおいて、前記動画データに含まれる画像からサムネイル画像を作成し、作成したサムネイル画像を画面に表示させた後、前記動画データの指定を受け付け、指定を受け付けた前記動画データを、前記基準となる動画データに設定する、
付記11または12に記載のプログラム。
【0094】
(付記14)
前(b)のステップにおいて、前記ダイジェスト動画の再生時間の指定を受け付け、
前記(c)のステップにおいて、再生時間が、指定された前記再生時間内となるように前記ダイジェスト動画を作成する、
付記11〜13のいずれかに記載のプログラム。
【0095】
(付記15)
前記(a)のステップにおいて、取得した前記動画データ毎に、前記位置情報を含むインデックスファイルを作成し、
前記(c)のステップにおいて、前記インデックスファイルに基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定する、
付記11〜14のいずれかに記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上のように、本発明によれば、撮影された位置が同一エリア内にある動画をまとめてダイジェスト動画を作成することができる。本発明は、動画編集用のアプリケーションプログラムに有用である。
【符号の説明】
【0097】
100 動画編集装置
101 入力装置
102 携帯端末
103 編集条件設定部
104 編集条件テーブル104
105 動画データ取得部
106 インデックスデータ生成部
107 データ転送部
108 動画データ編集部
109 動画データ検索処理部
110 動画データ結合処理部
111 動画データ出力部
112 ファイルシステム
113 インデックスファイル
114 編集前動画データファイル
115 編集後動画データファイル
116 表示装置
120 コンピュータ
121 CPU
122 メインメモリ
123 記憶装置
124 入力インターフェイス
125 表示コントローラ
126 データリーダ/ライタ
127 通信インターフェイス
128 入力機器
129 ディスプレイ装置
130 記録媒体
131 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、動画データ取得部と、
前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、編集条件設定部と、
前記位置情報に基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、動画データ編集部と、
を備えていることを特徴とする動画編集装置。
【請求項2】
前記編集条件設定部が、前記エリアの大きさの指定を受け付け、受け付けた大きさの指定に基づいて、前記エリアを設定する、
請求項1に記載の動画編集装置。
【請求項3】
前記編集条件設定部が、前記動画データに含まれる画像からサムネイル画像を作成し、作成したサムネイル画像を画面に表示させた後、前記動画データの指定を受け付け、指定を受け付けた前記動画データを、前記基準となる動画データに設定する、
請求項1または2に記載の動画編集装置。
【請求項4】
前記編集条件設定部が、前記ダイジェスト動画の再生時間の指定を受け付け、
前記動画データ編集部が、再生時間が、指定された前記再生時間内となるように前記ダイジェスト動画を作成する、
請求項1〜3のいずれかに記載の動画編集装置。
【請求項5】
前記動画データ取得部が、取得した前記動画データ毎に、前記位置情報を含むインデックスファイルを作成し、
前記動画データ編集部が、前記インデックスファイルに基づいて、取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定する、
請求項1〜4のいずれかに記載の動画編集装置。
【請求項6】
(a)撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、ステップと、
(b)前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、ステップと、
(c)前記位置情報に基づいて、前記(a)のステップで取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、ステップと、
を有することを特徴とする動画編集方法。
【請求項7】
コンピュータに、
(a)撮影場所を特定する位置情報が付与された動画データを取得する、ステップと、
(b)前記動画データの中から基準となる動画データを設定し、前記基準となる動画データの撮影場所を基準としたエリアを設定する、ステップと、
(c)前記位置情報に基づいて、前記(a)のステップで取得された前記動画データの中から、撮影場所が前記エリア内に位置する動画データを特定し、特定した動画データと前記基準となる動画データとを結合してダイジェスト動画を作成する、ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−81018(P2013−81018A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219124(P2011−219124)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】