説明

包装教習用定規

【課題】 包装紙に対する箱の載置位置を定量的に決定することができ、それにより、箱の包装の教習を従来の非論理的な教習から理論的な教習に転換できる包装教習用定規を提供する。
【解決手段】 包装教習用定規は、板状部材からなり、包装紙の短手側端縁と実質的に同じ寸法を有する基準側縁と、該基準側縁の両端からそれぞれ直角に相互に対向して延びる1対の補助側縁と、該1対の補助側縁の各伸延端間に配置される1対の指示側縁とを備える。前記1対の指示側縁は包装紙上における教習用箱のコーナーの載置位置を指示するための相互に直角に接合する接合点を有する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、デパートやスーパーストア等で行われる箱の包装の仕方を教習する際に用いられる定規に関するものである。本考案において包装の教習に用いられる箱(以下、「教習用箱」と言う。)は、例えば、縦15.5cm×横25cm×高さ2cm、縦20.5cm×横27.5cm×高さ2.5cm、縦22.5cm×横31cm×高さ3cm等のような典型的な寸法関係を有する箱であり、使用する包装用紙は、例えば、全紙や半紙等のような典型的な寸法関係を有する包装紙である。
【0002】
【従来の技術】
箱を包装するときに最も重要なことは、最初に包装紙に対して箱をどのような位置に置くかであり、この位置関係を間違えると箱の一部が露呈したり、折り重なった包装紙が部分的に厚くなったりして綺麗に包装することができない。これに対し、箱の包装の教習には定型的な方法はなく、箱を包装紙に対してどのような位置関係に置くかは経験則的な内容を感覚的な表現方法でしか教えておらず、最終的には各受講者が実際に経験することによって理解していた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
このような教習方法では、教える人の表現力や経験等によって習う人の理解度が大きく左右されてしまうものであり、理論的な教習が希求されていた。
【0004】
従って、本考案は、包装紙に対する箱の載置位置を定量的に決定することができ、それにより、箱の包装の教習を従来の感覚的な教習から理論的な教習に転換できる包装教習用定規を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案による包装教習用定規は、板状部材からなり、包装紙の短手側端縁と実質的に同じ寸法を有する基準側縁と、基準側縁の両端からそれぞれ直角に相互に対向して延びる1対の補助側縁と、1対の補助側縁の各伸延端間に配置される1対の指示側縁とを備えている。そして、1対の指示側縁は包装紙上における教習用箱のコーナーの載置位置を指示するための相互に直角に接合する接合点を有する。
【0006】
本考案の包装教習用定規は、包装紙を平坦な作業面に置いた後、包装紙の短手側端縁に基準側縁を、包装紙の長手側端縁に補助側縁をそれぞれ合致させた位置関係で包装紙の上に置かれる。本包装教習用定規を包装紙の上に載置した状態で、教習用箱の相互に隣接する2つの端縁を各指示側縁にそれぞれ当接させることにより、適切な位置に教習用箱を置くことができる。
【0007】
また、本考案の包装教習用定規は、基準側縁を包装紙の短手側端縁と1対の補助側縁を包装紙の各長手側端縁とそれぞれ合致させたとき、指示側縁の一方が包装紙の一方の対角線と平行な線上に位置し、他方の指示側縁が包装紙の他方の対角線と交差し、そして、包装紙の前記一方の対角線と平行な線上における指示側縁の接合点から基準側縁までの間隔が包装すべき教習用箱の高さよりも適当に大きく、包装紙の前記他方の対角線と交差する指示側縁の長さが教習用箱の長手側端縁よりも長くならないように形成することもできる。これにより、包装紙の対角線と交差する基準側縁に教習用箱の長手側端縁を当接し、包装紙の対角線と平行な基準側縁に教習用箱の短手側端縁を当接して包装を行うことで綺麗な包装を行うことができる。
【0008】
更に、本考案の包装教習用定規は、少なくとも一方の指示側縁に包装すべき教習用箱の大きさに対応した接合点位置を指示するマークを付すようにも構成できる。使用する教習用箱のコーナーを対応する接合点に合致させて置くことにより綺麗な包装を行うための位置決めを遂行でき、それ故、異なった寸法の教習用箱を包装する場合について同一の教習方法で教えることができる。
【0009】
【考案の実施の形態】
本考案の実施例による包装教習用定規1は、図1に示すように、板状部材により形成される。包装教習用定規1は、包装紙2の短手側端縁21(図2参照)と実質的に同じ寸法を有する基準側縁3と、基準側縁3の両端からそれぞれ直角にかつ相互に対向して延びる1対の補助側縁4、4と、補助側縁4の各伸延端間に配置される1対の指示側縁5a、5bとを備えている。1対の指示側縁5a、5bは包装紙上における教習用箱6(図2参照)のコーナーの載置位置を指示するための相互に直角に接合する接合点51を有している。
【0010】
図2に示すように、基準側縁3を包装紙2の短手側端縁21に、1対の補助側縁4を包装紙の各長手側端縁22にそれぞれ合致させたとき、一方の指示側縁5aは包装紙2の一方の対角線23aと平行な線上に位置する一方、他方の指示側縁5bは包装紙の他方の対角線23bと交差するようにそれぞれ選定される。包装紙2の対角線23aと平行に配置される指示側縁5aの延長線上における接合点51から基準側縁3までの間隔D(図3参照)は、包装すべき教習用箱6の高さよりも適当に大きくなるように選定される。包装紙の対角線23bと交差する指示側縁5bの長さは、仕上り時に美観を備えた包装にするためには、教習用箱6の長手側端縁61の長さより短くなるように選定するのが望ましい。
【0011】
好ましくは、図3に示すように、指示側縁5aおよび/または5b(図示の場合、指示側縁5a)には少なくとも1つ(図示の場合、2つ)のマーク52が設けられる。マーク52は、教習用箱の隣接する2つの端縁を指示側縁5a、5bにそれぞれ当接したときに適合する教習用箱6よりも大きい(または高さの高い)教習用箱6´のコーナーの位置を指示するために設けられる。
【0012】
ここにおいて、包装教習用定規1は、基準側縁3が包装紙2の短手側端縁21と実質的に同じ寸法を有することから明らかなように、使用する包装紙に応じた包装教習用定規1を用意することになる。
【0013】
上述のごとく形成される本考案の包装教習用定規の使用方法について以下説明する。
【0014】
図4に示すように、平坦な作業面上に包装紙2を広げ、その上に包装紙2の大きさに対応した包装教習用定規1を置き、基準側縁3を包装紙2の短手側端縁21に合致させると共に、1対の補助側縁4を包装紙2の各長手側端縁22に合致させる(図4の(A)参照)。次いで、教習用箱6のコーナーが接合点51の位置に来るように、教習用箱6の長手側端縁61を指示側縁5bに当接させると共に短手側端縁62を指示側縁5aに当接させた後(図4の(B)参照)、包装教習用定規1を取り外す。これにより、綺麗な包装を行うのに必要な包装用箱の最初の載置位置が決定される。使用する箱が指示側縁5a、5bによって決定される教習用箱6の大きさと異なる場合、その箱のコーナーを使用する包装用箱の大きさに対応したマーク52に合致させることによって同様に行われる。
【0015】
【考案の効果】
本考案によれば、教習用箱を包装紙に置く位置を包装教習用定規によって定量的、論理的に教えることができるため、個人差が生じることがなく、より容易に包装技術を習得することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の実施例による包装教習用定規を示す平面図である。
【図2】 図1に示す包装教習用定規の包装紙および教習用箱との関係を説明するための図である。
【図3】 異なった寸法の包装用箱のためのマークを示す図である。
【図4】 本考案の包装教習用定規の使用方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 包装教習用定規 2 包装紙
3 基準側縁3 4 補助側縁
5a、5b 指示側縁 6、6´ 教習用箱
21 (包装紙の)短手側端縁
22 (包装紙の)長手側端縁
23a、23b (包装紙の)対角線
51 接合点 52 マーク
61 (教習用箱の)長手側端縁
62 (教習用箱の)短手側端縁
D 間隔

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 板状部材からなり、包装紙の短手側端縁と実質的に同じ寸法を有する基準側縁と、該基準側縁の両端からそれぞれ直角に相互に対向して延びる1対の補助側縁と、該1対の補助側縁の各伸延端間に配置される1対の指示側縁とを備え、前記1対の指示側縁は包装紙上における教習用箱のコーナーの載置位置を指示するための相互に直角に接合する接合点を有する、包装教習用定規。
【請求項2】 前記基準側縁を包装紙の短手側端縁に前記1対の補助側縁を包装紙の各長手側端縁にそれぞれ合致させたとき、前記指示側縁の一方は包装紙の一方の対角線と平行な線上に位置し、他方の指示側縁は包装紙の他方の対角線と交差し、前記包装紙の一方の対角線と平行な線上における指示側縁の交点から基準側縁までの間隔は包装すべき教習用箱の高さよりも適当に大きく、包装紙の前記他方の対角線と交差する指示側縁の長さは教習用箱の長手側端縁よりも長くならないように選定される、請求項1に記載の包装教習用定規。
【請求項3】 前記指示側縁の少なくとも一方には包装すべき教習用箱の大きさに対応した指示側縁の交点位置を指示するマークが付されている、請求項1または2に記載の包装教習用定規。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3095641号(U3095641)
【登録日】平成15年5月21日(2003.5.21)
【発行日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【考案の名称】包装教習用定規
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2003−450(U2003−450)
【出願日】平成15年1月31日(2003.1.31)
【出願人】(000003654)株式会社ダイエー (3)