説明

化粧直し用化粧料

【課題】、メイクアップ化粧料の化粧直し時により簡単に、よりきれいに化粧直しが可能であり、化粧効果の持続する化粧直し用化粧料を提供すること。
【解決手段】 次の成分(A)〜(C);
(A)プルラン
(B)ジェランガム
(C)水
を含有することを特徴とする化粧直し用化粧料を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ化粧料の化粧直し効果に優れた化粧直し用化粧料に関するものであり、更に詳しくは、使用性・使用感に優れ、かつメイクアップ化粧料の付着効果に優れたプルラン、と皮膜性の高いジェランガムと水を組み合わせることにより、メイクアップ化粧料の化粧直し時に、より簡単に、よりきれいに化粧直しが可能であり、化粧効果の持続する化粧直し用化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料は、肌に対してメイクアップ効果を付与する目的で使用されるものであるが、その効果の持続性も重要な要素の一つである。近年は、化粧料に配合される成分として、シリコーン油を配合して、撥水性を付与したり、粉体を配合して、皮脂吸着を狙うなどの技術がある。このように進化したメイクアップ化粧料を用いても、汗や皮脂などにより化粧崩れが起きてしまい、化粧直しを余儀なくされているのが現状である。そのため化粧直しすることを目的とする「化粧直し用化粧料」がある。
一般に、化粧直し用化粧料とは、崩れてしまったメイクアップ化粧料を除去するためのクレンジング効果を有するものや、メイクアップ化粧料を塗布させやすくする下地効果を有するもの、メイクアップ化粧料の崩れを防ぐ効果を有するもの等が挙げられる。
これら化粧直し化粧料には、例えば、クレンジングシート(特許文献1参照)等でよれたファンデーションを落としてから再度化粧をやり直すといった方法や、脂取り紙(特許文献2および特許文献3参照)などを使用し皮脂を除去した後、白粉をはたく方法、あるいは、通常のファンデーションを重ね付けする方法、がとられることが多かった。この際、通常のファンデーションを重ね付けする方法では、よれたファンデーションの上からファンデーションを重ねるために化粧のムラ付きが生じやすく不自然な仕上がりとなる場合があった。
一方、化粧を一旦落とし、その後化粧をやり直すには大変な手間がかかるという問題があり、外出先でも簡単に化粧直しをできる化粧直し化粧料が求められていた。
【0003】
こうした簡便な化粧直し用化粧料としては、粉体タイプ、化粧水タイプ等があった。粉体タイプの例としては、化粧直し用の固形粉末化粧料(特許文献5参照)やクレンジング効果と化粧下地効果を有するW/O乳化型化粧直し用組成物(特許文献6参照)などが挙げられる。しかしながら、普段使用しているメイクアップ化粧料と色や質感が違うため不自然な仕上がりとなりやすいという欠点があった。
【0004】
これに対して、化粧水タイプは、エアゾールやアトマイザーを利用したミスト状に噴霧されるものが多く使用されている。しかしながら、これらの製品は、発汗を抑え、化粧を崩れにくくする目的のものが多く、化粧直し時にファンデーションの付着性や均一性の向上を目的としていないため、化粧直し用化粧料としては満足のいくものがなかった。化粧直し用化粧料で化粧水タイプの例としては、ミストタイプの化粧直し用化粧料(特許文献8参照)が提案されている。
【0005】
一方、プルランやジェランガムは化粧料への配合例がある。例えばプルランは、粘着性が非常に高い性質を有しており、化粧パック(特許文献9参照)としてフィルム層への基材に用いる技術がある。またジェランガムは、増粘剤等として化粧料に用いる技術として、例えば水性ポイントメークアップ化粧料(特許文献9参照)があり、ジェランガムとパール光沢粉体を含有する化粧料がある。
【特許文献1】特開2001−2528号
【特許文献2】特開2003−204824号
【特許文献3】特開2003−183125号
【特許文献4】特開2002−255737号
【特許文献5】特開2009−286733号
【特許文献6】特開2008−247785号
【特許文献7】特開平2−42011号
【特許文献8】特開2000−63223号
【特許文献9】特開2007−169241号
【特許文献10】特開2005−97148号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記文献には、化粧直し用化粧料の技術の開示されているが、化粧直し時のファンデーションの伸び広がりと化粧効果の持続および使用感触の点では、未だ十分でない場合があった。そのためこれらとは異なる技術として、化粧直し効果と使用感の両方を十分に満たした化粧直し用化粧料の開発が求められていた。
上記した技術においては、プルランを化粧直し用化粧料に用いる技術に関して全く知られておらず、本発明の目的や課題の示唆もないものである。すなわち本発明の目的は、より簡単に化粧直しと使用感が共に満足する化粧直し用化粧料を提供するべく、プルランを利用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、プルラン自体の有する粘着性が、ファンデーションを肌に付着させる効果に優れるという知見を見出した。しかしながら、プルランの粘着性は肌に対してファンデーションの過剰な付着性があり、ファンデーションを肌上に均一に伸ばしにくい場合があった。そこで、ファンデーションを塗りのばしやすくするためには、プルランの他に、肌に塗布した際に均一な膜となる成分が必要であると考え、検討を重ねた結果、多糖類の水溶性高分子が好ましく、さらにジェランガムが効果的であるとの知見を見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C);
(A)プルラン
(B)ジェランガム
(C)水
を含有することを特徴とする化粧直し用化粧料を提供するものである。
【0009】
更に、成分(A)と成分(B)の含有質量比が、(A)/(B)=5〜100の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の化粧直し用化粧料を提供するものである。
【0010】
更に、成分(C)糖アルコールを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の化粧直し用化粧料を提供するものである。
【0011】
更に、ミスト状に噴霧する機構を有する容器に充填してなることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の化粧直し用化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の化粧直し用化粧料は、使用性・使用感に優れ、かつメイクアップ化粧料の付着効果に優れたプルラン、とジェランガムを組み合わせることにより、メイクアップ化粧料の化粧直し時により簡単に、よりきれいに化粧直しが可能であり、化粧効果の持続する化粧直し用化粧料に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明の化粧直し用化粧料に用いられる成分(A)のプルランは、グルコースの3量体であるマルトトリオースがα−1,6結合で連なった構造を有する水溶性多糖であり、黒色酵母の一種、オーレオバシディウム・プルランス(Aureobasidium
pullulans)によってスクロースや澱粉加水分解物などから生成される細胞外多糖である。本発明においては、化粧直し時において、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料の付着性を向上に寄与するものである。通常、化粧料に配合されるものならば、特に限定されることなく用いることが可能である。また一般に市販品を使用することも可能であり、例えば、化粧品用プルラン(林原生物化学研究所製)などがある。
【0014】
成分(A)の含有量は、特に限定されないが、ファンデーションを塗布した際の、肌への付着性の観点から、0.3〜3質量%(以下、単に「%」とする)であることが好ましく、さらには、0.5〜1.5%であるとより好ましいものとなる。成分(A)の含有量をこの範囲で用いると、化粧直し時において、ファンデーションを塗布した際、肌への付着性が高くなり、経時で化粧効果の持続性が向上するため好ましい。
【0015】
本発明の成分(B)のジェランガムは、Sphingomonas
elodeaという微生物が菌体外に産生する多糖類である。ジェランガムには、ネイティブ型及び、1−3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基を除去した脱アシル型が知られているが、本発明の成分(B)としては、ネイティブ型のジェランガムが好ましい。本発明においては、成分(A)のプルランのべたつきを抑えるとともに、ファンデーションを塗布した際に肌への均一な伸び広がりに寄与するものである。通常、化粧料に配合されるものならば、特に限定されることなく用いることが可能である。また一般に市販品を使用することも可能であり、例えば、ケルコゲル、ケルコゲルLT−100(CPケルコ社製)などがある。
【0016】
成分(B)の含有量は、特に限定されないが、化粧直し時にファンデーションを塗布した際、ファンデーションを肌へ均一に伸び広げることができるという観点から、0.005〜0.1%、さらには、0.01〜0.05%であるとより好ましいものとなる。成分(B)の含有量をこの範囲で用いると、化粧直し時において、ファンデーションを塗布した際、べたつきがなく肌へ均一に伸び広がり、経時で化粧効果の持続性が上がるため好ましい。
【0017】
本発明の化粧直し用化粧料は、上記した成分(A)、成分(B)と後述する成分(C)を組合せることによりなされるものであるが、成分(A)、成分(B)を特定の比率にすることにより、化粧効果の持続に優れたものとなる。これは、成分(A)に起因したファンデーションの付着効果と、成分(B)に起因したファンデーションを肌へ均一に伸び広げる効果が一体となって作用することより、ファンデーションの持続効果が著しく向上するためと考えられる。具体的には、含有質量比として、(A)/(B)=5〜100の範囲にすることで、その化粧効果の持続に優れるものとなり、さらには、10〜50の範囲とすることでよいものとなり、そしてさらに20〜50の範囲とすることでよりよいものとなる。
【0018】
本発明の成分(C)は、成分(A)と成分(B)を溶解分散し、肌に均一に塗布できるように水を含有するが、化粧料に一般に用いられるものであれば、特に制限されない。水の他にも精製水、温泉水、深層水、或いは植物の水蒸気蒸留水でもよく、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また含有量は、特に限定されず、適宜、他の成分量に応じて含有することができるが、概ね60〜95%の範囲で用いることができる。
【0019】
本発明に用いられる成分(D)の糖アルコールは、べたつきの抑制とさらなる化粧効果の持続に寄与するものである。糖類のカルボニル基を還元して得られるものであり、通常、化粧料に配合されるものならば、特に限定されることなく用いることが可能である。具体的には、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、等を例示することができる。これらの中でも、よりべたつきを軽減することができるため、エリスリトール、マンニトールが好ましい。これらは一般に市販品を使用することも可能であり、例えば、エリスリトール(物産フードサイエンス株式会社製)、D−マンニトール(協和発酵バイオ社製)などがある。
【0020】
成分(D)の含有量は、特に限定されないが、べたつきの抑制と化粧効果の持続の観点から、0.005〜0.1%が好ましく、さらには、0.05〜3%であるとより好ましいものとなる。
【0021】
本発明の化粧直し用化粧料には、成分(A)および成分(B)を成分(C)の中でより均一に分散させ、本発明の化粧料を均一に塗布させることが可能となり、さらには化粧効果の持続の観点から、水溶性多価アルコールを含有することができる。本発明で用いる水溶性多価アルコールは、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコールなどを1種または2種以上用いることができる。
【0022】
本発明の化粧直し用化粧料に用いられる水溶性多価アルコールのうち、成分(A)および成分(B)の分散性と化粧直し時の化粧効果の持続が期待できるものとして、特に好ましくは、ジプロピレングリコールである。
【0023】
本発明の化粧直し用化粧料は、上記成分の他に、通常、化粧料に使用される成分、界面活性剤、水溶性高分子、保湿剤、油剤、防腐剤、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。特に油剤等の配合は化粧直し効果の持続性において、効果的でない場合もあり、本発明においては配合しないか、配合した場合でも5%以下であることが望ましい。
【0024】
本発明の化粧直し用化粧料は、ミスト状に噴霧する機構を有する容器で使うことでより簡便に使用できる。このような機構を有する容器には、エアゾールタイプ、ポンプ式ディスペンサータイプ、あるいはトリガータイプ等を利用するものが挙げられるが、化粧直し化粧料をミスト状(霧状)に噴霧される形態を意味するものであれば特に限定されない。いずれの場合においても化粧料を吐出する際に、ミスト状に噴射されるが、エアゾールタイプでは、窒素ガス、炭酸ガス、ジメチルエーテル、アルゴンガス、LPGなどの充填剤を用いており、その噴射力によって、より細かいミスト状にすることが可能である。またこれら容器に充填される化粧直し用化粧料は、25℃における粘度が10〜3000mPa・sであることが、肌に対して均一な塗布状態とするため好ましい。
このように低粘度の化粧直し化粧料とするため、マイクロフルイダイザーやアルティマイザーなどの高圧分散機やホモミキサーなどのせん断機を用いると、成分(A)、成分(B)がともにより均一に混合されることにより、より均一な塗布膜をつくり、さらに効果の持続性も向上するためより好ましい。
【0025】
本発明の化粧直し用化粧料の好ましい剤型としては、水系、可溶化系、水中油系等が挙げられる。特に持ち運びの利便性などからローションをミスト状に噴霧するエアゾールもしくはスプレー方式の使用態様が好ましい。
【0026】
本発明の化粧直し用化粧料は、化粧直し時において、簡便に使用できるものであり、肌に塗布することにより後から使用するメイクアップ化粧料の均一塗布しやすくするものであり、その化粧効果の持続を高めるものである。
【0027】
本発明の化粧直し用化粧料を使用するタイミングは、(i)実際にファンデーション等の崩れを感じた後に用いるものであるが、(ii)ファンデーション等の崩れを感じる前に使用することにより、ファンデーションの崩れを未然に防ぐことも可能となる。
また本発明の化粧直し用化粧料の使用方法は、あらかじめファンデーション等のメイクアップ化粧料を肌に塗布された状態において用いるものである。タイミングとしては、先に示した(i)あるいは(ii)であり、この時、化粧直し用化粧料を以下の手順にて用いる。
(1)本発明の化粧直し用化粧料を肌に直接塗布する。この場合、ミスト状に塗布されることがその後の効果において好適であるのは前記のとおりである。
(2)続いて油とり紙やティッシュペーパー等で肌の上から軽く押さえる。
(3)最後にメイクアップ化粧料を塗布する である。
このように(1)→(2)→(3)の使い方をすることで化粧効果の持続性を高めることが可能となる。
【実施例1】
【0028】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0029】
本発明品1〜15及び比較品1〜4:化粧直し用化粧料(ミスト)
表1〜表3に示す組成の化粧直し用化粧料(ミスト)を下記製造方法により調製し、「ファンデーションの肌への付着性」、「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」、「化粧効果の持続」、「塗布後のべたつきのなさ」について下記の方法により評価し、評価結果を併せて表1〜表3に示した。なお、評価結果において、下段に評点もあわせて記載する。
【0030】
【表1】

【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】
(製造方法)
A:成分1〜5を80℃で混合分散する。
B:Aに80℃加熱した成分6を添加混合する。
C:Bを35℃まで冷却後、成分7〜12を添加混合する。
D:Cを取り出し、噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したディスペンサー式噴霧器に充填し、化粧直し用化粧料を得た。
【0034】
[評価用パウダーファンデーション処方]
(成分) (%)
1.酸化チタン 10.0
2.酸化亜鉛 5.0
3.マイカ 20.0
4.セリサイト 残部
5.タルク 20.0
6.無水珪酸 2.0
7.ベンガラ 0.5
8.黄酸化鉄 2.0
9.黒酸化鉄 0.3
10.雲母チタン 5.0
11.ポリスチレン 3.0
12.防腐剤 0.1
13.トリオクタン酸グリセリル 1.0
14.ジメチルポリシロキサン 1.0
15.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
【0035】
[評価用パウダーファンデーション製造方法]
A:成分1〜11を混合分散する。
B:成分12〜15を混合分散する。
C:AにBを滴下・混合し、ハンマーミルにて粉砕し、型に加圧プレスして成型するパウダーファンデーションを得た。
【0036】
(評価方法)
6名の女性パネルを用い、朝、上記指定のパウダーファンデーションをつけてもらい、昼の化粧直し時に実施例および比較例の化粧直し用化粧料を使用した後、ティッシュペーパーで軽く抑え、上記指定のパウダーファンデーションにて化粧直しをした際、以下の評価項目に関して、下記基準に従って5段階の評価を行い、更にその6人の評点の平均点を下記判定基準により判定した。
[評価項目]
1.「ファンデーションの肌への付着性」
2.「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」
3.化粧直ししてから5時間後の「化粧効果の持続」
4.「塗布後のべたつきのなさ」
【0037】
「ファンデーションの肌への付着性」の評価基準:
<評価基準>
5点:非常に付着性に優れる
4点:付着性が良い
3点:普通
2点:付着性に少し劣る
1点:付着性に劣る
【0038】
「ファンデーションの肌への付着性」の判定基準:
<判定基準>
◎:4.5点以上
○:3.5点以上4.5点未満
△:2.5点以上3.5点未満
×:2.5点未満
【0039】
「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」の評価基準:
<評価基準>
5点:非常に均一に伸び広がる
4点:均一に伸び広がる
3点:普通
2点:やや均一に伸び広がらない
1点:均一に伸び広がらない
【0040】
「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」の判定基準:
<判定基準>
◎:4.5点以上
○:3.5点以上4.5点未満
△:2.5点以上3.5点未満
×:2.5点未満
【0041】
「化粧効果の持続」の評価基準:
<評価基準>
5点:化粧崩れがない
4点:化粧崩れがほとんどない
3点:普通
2点:やや化粧崩れをしている
1点:化粧崩れがある
【0042】
「化粧効果の持続」の判定基準:
<判定基準>
◎:4.5点以上
○:3.5点以上4.5点未満
△:2.5点以上3.5点未満
×:2.5点未満
【0043】
「塗布後のべたつきのなさ」の評価基準:
<評価基準>
5点:べたつきがない
4点:ややべたつきがない
3点:普通
2点:ややべたつきがある
1点:べたつきがある
【0044】
「塗布後のべたつきのなさ」の判定基準:
<判定基準>
◎:4.5点以上
○:3.5点以上4.5点未満
△:2.5点以上3.5点未満
×:2.5点未満
【0045】
表1〜表3の結果から明らかなように、本発明の発明品1〜15の化粧直し用化粧料は、1.「ファンデーションの肌への付着性」、2.「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」、3.「化粧効果の持続」、4.「塗布後のべたつきのなさ」の項目に優れた化粧直し用化粧料であった。これに対して、成分(A)と成分(B)の両方を配合しない比較品1では、塗布後のべたつきはなかったものの、化粧直しに関する評価項目が良好でなかった。成分(A)のみを配合した比較品2では、化粧直しはできるものの塗布後のべたつきがあり良好でなかった。成分(B)のみを配合した。比較品3では、ファンデーションの肌への付着性が良好でなく化粧効果の持続も良好でなかった。また、成分(A)、(B)のかわりに付着性の高い水溶性高分子であるポリビニルピロリドンを配合した比較品4では、付着性が強すぎてしまいファンデーションが均一に塗布しづらく、また、塗布後のべたつきもあり良好でなかった。
【0046】
実施例2:化粧直し用化粧水
(成分) (%)
1.プルラン(注1) 0.1
2.ネイディブ型ジェランガム(注2) 0.05
3.1,3−ブチレングリコール 5.0
4.1,2−ペンタンジオール 5.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.香料 0.03
7.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.3
8.エタノール 10.0
9.グリコシルトレハロース水溶液(注3) 1.0
10.精製水 残量
(注1):化粧品用プルラン(林原生物化学研究所製)
(注2):ケルコゲルLT100(CPケルコ社製)
(注3):TORNARE(林原生物化学研究所製)
【0047】
(製造方法)
A:成分1〜5を80℃に加熱後、80℃に加熱した成分9〜10に添加混合する。
B:Aを冷却後、成分6〜8を添加混合する。
C:Bを取り出し、化粧直し用化粧水を得た。
本発明の実施品である実施例2の化粧直し用化粧水は、「ファンデーションの肌への付着性」、「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」、「化粧効果の持続」、「塗布後のべたつきのなさ」の全ての項目に優れた化粧直し用化粧水であった。
【0048】
実施例3:化粧直し用美容液
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 1.0
2.コレステロール 0.2
3.グリセリン 10.0
4.1,3−ブチレングリコール 5.0
5.α−オレフィンオリゴマー 1.0
6.2−エチルヘキサン酸セチル 1.5
7.N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・2−オクチルドデシル)
1.0
8.ジメチルポリシロキサン 0.5
9.精製水 残量
10.プルラン(注4) 4.0
11.脱アシル型ジェランガム(注5) 0.1
12.ジプロピレングリコール 5.0
13.カンファ 0.05
14.エタノール 5.0
15.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
16.フェノキシエタノール 0.3
17.香料 0.05
(注4):化粧品用プルラン(林原生物化学研究所製)
(注5):ケルコゲル(CPケルコ社製)
【0049】
(製造方法)
A:成分10〜12を80℃で加熱混合する。
B:80℃に加熱した成分9にAを添加混合する。
C:成分1〜8を80℃まで加熱混合する。
D:Cに80℃に再加熱したBを添加混合後、室温まで冷却する。
E:Dに成分13〜17を添加混合後、マイクロフルイダイザー(みづほ工業株式会社製)を用いて70MPaの圧力で2回処理することにより、化粧直し用美容液を得た。
【0050】
実施例3の化粧直し用美容液は、「ファンデーションの肌への付着性」、「ファンデーションの肌への均一な伸び広がり」、「化粧効果の持続」、「塗布後のべたつきのなさ」の全ての項目に優れた化粧直し用美容液であった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)プルラン
(B)ジェランガム
(C)水
を含有することを特徴とする化粧直し用化粧料。
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の含有質量比が、(A)/(B)=5〜100の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の化粧直し用化粧料。
【請求項3】
さらに成分(D)糖アルコールを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の化粧直し用化粧料。
【請求項4】
ミスト状に噴霧する機構を有する容器に充填してなることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の化粧直し用化粧料。

【公開番号】特開2012−201659(P2012−201659A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69861(P2011−69861)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】