医薬製剤
【課題】医薬上許容されるポリマー混合物を用いた射出成形単成分あるいは多成分投与形態の調製を提供する。
【解決手段】複数の薬剤物質含有サブユニットを含む単一または多成分医薬投与形態の射出形成に好適な医薬状許容されるポリマー組成物に関し、薬剤物質含有サブユニットは、カプセル区画および/または中実サブユブットであり、これは薬剤物質を含むポリマーの中実マトリックスを含み、サブユニットは組立投与形態の部材の間の溶接により組み立て投与形態において互いに結合している。
【解決手段】複数の薬剤物質含有サブユニットを含む単一または多成分医薬投与形態の射出形成に好適な医薬状許容されるポリマー組成物に関し、薬剤物質含有サブユニットは、カプセル区画および/または中実サブユブットであり、これは薬剤物質を含むポリマーの中実マトリックスを含み、サブユニットは組立投与形態の部材の間の溶接により組み立て投与形態において互いに結合している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬上許容されるポリマー混合物を用いた射出成形単成分あるいは多成分投与形態の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類の医薬投与形態が経口投薬用として知られている。医薬カプセルはよく知られたものであり、一般に経口投薬用である。そのようなカプセルは一般に医薬上許容される、例えば経口摂取できるゼラチンのようなポリマー物質を封入する仕切りを含むが、カプセルの仕切りとして他の物質、例えばデンプンやセルロースに基くポリマーも知られている。そのようなカプセルは一般にカプセル形成器上でフィルムを作り、その後乾燥させて作る柔らかい仕切りを有する。射出成形により作られる硬い仕切りのカプセルも知られており、例えば米国特許第4,576,284号、米国特許第4,591,475号、米国特許第4,655,840号、米国特許第4,738,724号、米国特許第4,738,817号、および米国特許第4,790,881号(すべてWarner Lambert)を参照されたい。これらはゼラチン、デンプン、および他のポリマーから作られるカプセルの具体的な構造および親水性ポリマー−水混合物の射出成形によるこれらの生産方法を開示する。米国特許第4,576,284号はカプセルを閉じるキャップであって、中が詰まったカプセル上にその場で成形(molding)により形成されるキャップを備えたカプセルを具体的に開示する。米国特許第4,738,724号は広範囲の硬いカプセルの形状および部材を開示する。
【0003】
各区画がさまざまな薬剤放出特性をもつか、あるいは例えばさまざまな薬剤物質または処方を含む種類のものを含めて、多区画カプセルは例えばとりわけ米国特許第4,738,724号(Warner−Lambert)、米国特許第5,672,359号(ケンタッキー大学)、米国特許第5,443,461号(Alza Corp)、国際公開第95/16438号(Cortecs Ltd)、国際公開第90/12567号(Helminthology Inst)、ドイツ国特許出願公開第3727894号およびベルギー国特許第900950号(Warner−Lambert)、フランス国特許第2524311号、およびオランダ国特許第7610038号(Tapanhony NV)、フランス国特許第1,454,013号(Pluripharm)、米国特許第3,228,789号(Glassman)および米国特許第3,186,910号(Glassman)においても知られている。米国特許第4,738,817号は水可塑性ゼラチンから作られた、米国特許第3,228,789号および米国特許第3,186,910号のものと同様の構造の区画カプセルを開示する。米国特許第4,738,817号(’817)Witterら、米国特許第4,790,881号(’881)Wittwerら、および欧州特許第0092908号、Wittwer、Fはすべて、ゼラチンおよび他の賦形剤で調製された射出成形カプセルを開示する。Wittwerら’817および’881もフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリエチレングリコール、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、およびポリビニルピロリドンのような他の親水性ポリマーでカプセルを調製する。米国特許第4,790,881号および欧州特許第0091908号の両方は、立証されておらず明確な詳細も提供されていないが、一般にアクリレートおよびメタクリレート(オイラギット(Eudragits))を含む、使用に適する腸溶特性を有する他のポリマーを提案する。
【0004】
中実ポリマーマトリックスを含み、薬剤物質が分散し、組み込まれ、あるいは固溶体として溶解した医薬投与形態も知られている。そのようなマトリックスは射出成形方法により形成されてもよい。こうした技術はCuff GおよびRaouf F、Pharmaceutical Technology、June(1998)ページ96から106に論じられている。そのような投与形態のいくつかの具体的な製剤が、特に米国特許第4,678,516号、米国特許第4,806,337号、米国特許第4,764,378号、米国特許第5,004,601号、米国特許第5,135,752号、米国特許第5,244,668号、米国特許第5,139,790号、米国特許第5,082,655号、米国特許第5,552,159号、米国特許第5,939,099号、米国特許第5,741,519号、米国特許第4,801,460号、米国特許第6,063,821号、国際公開第99/27909号、カナダ国特許第2,227,272号、カナダ国特許第2,188,185号、カナダ国特許第2,211,671号、カナダ国特許第2,311,308号、カナダ国特許第2,298,659号、カナダ国特許第2,264,287号、カナダ国特許第2,253,695号、カナダ国特許第2,253,700号およびカナダ国特許第2,257,547号に開示されている。
【0005】
米国特許第5,705,189号には、薬剤コーティングおよびカプセルの生産における熱可塑剤としての使用のためのメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルのコポリマーの群が示されている。射出成形方法により生じる反りやゆがみに関するカプセル形成の性質についての情報は提示されていない。そこで提供される乳濁液の粘性度/温度値についての剪断速度のデータもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,576,284号明細書
【特許文献2】米国特許第4,591,475号明細書
【特許文献3】米国特許第4,655,840号明細書
【特許文献4】米国特許第4,738,724号明細書
【特許文献5】米国特許第4,738,817号明細書
【特許文献6】米国特許第4,790,881号明細書
【特許文献7】米国特許第5,672,359号明細書
【特許文献8】米国特許第5,443,461号明細書
【特許文献9】国際公開第95/16438号パンフレット
【特許文献10】国際公開第90/12567号パンフレット
【特許文献11】ドイツ国特許出願公開第3727894号明細書
【特許文献12】ベルギー国特許第900950号明細書
【特許文献13】フランス国特許第2524311号明細書
【特許文献14】オランダ国特許第7610038号明細書
【特許文献15】フランス国特許第1,454,013号明細書
【特許文献16】米国特許第3,228,789号明細書
【特許文献17】米国特許第3,186,910号明細書
【特許文献18】欧州特許第0092908号明細書
【特許文献19】欧州特許第0091908号明細書
【特許文献20】米国特許第4,678,516号明細書
【特許文献21】米国特許第4,806,337号明細書
【特許文献22】米国特許第4,764,378号明細書
【特許文献23】米国特許第5,004,601号明細書
【特許文献24】米国特許第5,135,752号明細書
【特許文献25】米国特許第5,244,668号明細書
【特許文献26】米国特許第5,139,790号明細書
【特許文献27】米国特許第5,082,655号明細書
【特許文献28】米国特許第5,552,159号明細書
【特許文献29】米国特許第5,939,099号明細書
【特許文献30】米国特許第5,741,519号明細書
【特許文献31】米国特許第4,801,460号明細書
【特許文献32】米国特許第6,063,821号明細書
【特許文献33】国際公開第99/27909号パンフレット
【特許文献34】カナダ国特許第2,227,272号明細書
【特許文献35】カナダ国特許第2,188,185号明細書
【特許文献36】カナダ国特許第2,211,671号明細書
【特許文献37】カナダ国特許第2,311,308号明細書
【特許文献38】カナダ国特許第2,298,659号明細書
【特許文献39】カナダ国特許第2,264,287号明細書
【特許文献40】カナダ国特許第2,253,695号明細書
【特許文献41】カナダ国特許第2,253,700号明細書
【特許文献42】カナダ国特許第2,257,547号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Cuff GおよびRaouf F、Pharmaceutical Technology、June(1998)ページ96から106
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
医薬上許容されるポリマー混合物がホットメルトにより押し出し成形されるか、あるいはカプセルのような、多区画であってもよい好適な投与形態に射出成形される医薬投与形態を調製することも望ましい。速溶解、即時、遅延、拍動あるいは修飾放出を含んでもよい、各部分で成形される適切なポリマーを単に選択するだけで生産できる、好都合な投与形態が選択されうるように、投与形態としての本医薬ポリマー組成物は、活性薬剤を含む各セグメントのさまざまな生理化学的特徴を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本出願の特許請求の範囲や明細書で定義されている医薬組成物、射出成形カプセル外被、連結部材、介在部材、多成分射出成形カプセル外被、連結部材、介在部材、多成分医薬投与形態、および他の態様を提供する。
【0010】
とりわけ患者の特異的投与要求に適合する投与形態のさらなる柔軟性および製造の容易さを提供する、既存のものの代わりとなり、改良された医薬投与形態を提供することが本発明の目的である。
【0011】
本発明の別の目的は、射出成形による医薬上許容されるポリマー混合物を含む多成分投与形態の生産方法を提供することである。これらの多成分投与形態は、それにより放出される1または複数の医薬上許容される活性薬剤を含むのに適する。
【0012】
本発明ではまた、カプセルあるいは多成分投与形態の射出成形のために使用される医薬上許容されるポリマーおよび好適な賦形剤の新しい処方および組成物も示される。
【0013】
本発明の別の態様として、医薬上許容されるポリマー処方/組成物から作られ、仕切りにより境界が設けられた、所望により薬剤物質を含有してもよいカプセル区画を含む、固体投与形態が示される。
【0014】
本発明によれば、組成物でできた外被、連結部材、あるいは介在部材を少なくとも一つ有する多成分射出成形カプセル外被であって、好ましくはオイラギット4135Fを含む、さらに好ましくはその成分が互いに溶接されているカプセル外被が提供される。
【0015】
より具体的には、本発明の好ましい態様は、複数のサブユニットを含み、各サブユニットが、カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である薬剤物質含有カプセル区画であるか、あるいはポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために、患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、ポリマーおよび薬剤物質を含む中実マトリックスである、多成分医薬投与形態である。少なくとも患者に投与する前にサブユニットは組み立てられた投与形態で互いに溶接される。
【0016】
中実マトリックスがサブユニットの一つとして使用される場合、それは約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含むのが好ましい。中実マトリックスは約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤、約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤および約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤も含むのが好ましい。
【0017】
代わりとなる好ましい態様において、医薬投与形態はそれぞれが薬剤物質含有カプセル区画である複数のサブユニットを含む。この場合、各区画が、好ましくは医薬上許容されるポリマー物質から作られる仕切りによって少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離される。好ましい態様において、仕切りは、約50から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含む。中実マトリックスの場合、好ましくは仕切りは、約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤、約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤および約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤を含む。
【0018】
サブユニットの少なくとも一つが薬剤物質含有カプセル区画である場合、その仕切りの厚さは約0.3から0.8ミリメートルの範囲であるのが好ましい。
【0019】
本発明の多成分投与形態は異なる放出特性を有する異なる投与形態の様々な組み合わせから構成されうるという点で高度な可変性を与える。例えばサブユニットの少なくとも一つは実質的に即時放出サブユニット、持続放出サブユニットあるいは律動放出サブユニットとなりうる。
【0020】
本発明の好ましい態様により与えられる別の利点は成分の互換性である。したがって、それぞれが複数のサブユニットを含む一連の多成分投与形態が提供され得る。各サブユニットは、カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である薬剤物質含有カプセル区画であってもよく、あるいはポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、ポリマーおよび薬剤物質を含む中実マトリックスであってもよい。一連の投与形態の少なくとも一つは、少なくとも一つのそのような薬剤物質含有カプセル区画を含み、一連の他の投与形態の他の少なくとも一つは少なくとも一つのそのような中実マトリックスを含み、そして、ある投与形態の薬剤物質含有カプセル区画が他の投与形態の中実マトリックスと互換性がある。このように、製造方法において、選択された成分がさまざまな組み合わせで互いに溶接されて、患者への投与用の組み立て投与形態が提供される。
【0021】
本発明の別の重要な利点はカプセル区画の成分が射出成形で調製される方法であることである。特にポリアクリル(ポリメタクリル)酸コポリマーおよび溶解修飾剤、滑沢剤、放出剤および増強剤のような賦形剤を含む射出成形された薄い仕切りのカプセル区画の場合、カプセル区画を形成する物質は均質であることが重要である。ポリマーおよび賦形剤の分解を避けるために、物質を十分な低温で加工することも重要である。本発明によると、コポリマーと賦形剤組成物を同時に、実質的に同じ位置で細長いホットメルト押し出し成形機中に導入することで高度の均質性が達成される。ポリマーと賦形剤組成物をホットメルト押し出し成形機中で混合し、そこで均質な組成物が形成され、組成物をストランドの形態でポリマーおよび賦形剤組成物が導入された位置から離れた位置で金型を通してホットメルト押し出し成形機から押し出す。ストランドを切断して小粒にし、小粒を薄い仕切りのカプセル区画を形成する射出成形機に導入する。医薬投与形態は成分としてカプセル区画を使用して組み立てられる。
【0022】
ポリマーおよび賦形剤組成物の分解を避けるために、ホットメルト押し出し成形機を、およそ135度を越えない温度、好ましくはおよそ125度を越えない温度に維持するべきである。好ましい態様において、ポリマーおよび賦形剤組成物が導入される位置から金型まで、ホットメルト押し出し成形機の長さに沿って、最高温度がおよそ135度を越えないように温度を徐々に増加させる。
【0023】
薄い仕切りのカプセル区画の射出成形工程は射出成形機の円筒部を約120から140度の範囲の温度で維持し、射出成形機のノズルを約140から190度の範囲の温度に維持しながら行うのが好ましい。ノズルの温度は約165から170度であるのが好ましい。
【0024】
薄い仕切りのカプセル区画は、特にカプセルの速溶解が望まれる場合に利点がある。しかし、慣用的なカプセル外被の仕切りの厚さは、適切な強度を達成し、カプセル外被が破損あるいは変形することなく形成され、処理されるように一般的に一様であり、約0.3から0.5ミリメートルの範囲にある。
【0025】
本発明の別の態様によると、好ましい成形医薬カプセル成分は、略円錐台の側面仕切り、側面仕切りの一方の端に位置して連結しているドーム形の端部仕切り、および側面仕切りの反対側の端に配置された環状縁部分により定められ、側面仕切り、ドーム、および環状縁部分はともに、内部および外部を備えた中空の容器を形成し、そして、ドーム形の端部仕切りの反対側が開口端となっている。側面仕切りは、それぞれが約0.2から0.3ミリメートルの範囲の厚さがある複数のパネル、およびパネルと一体化して成形された増強用リブから構成され、各パネルは一対の増強用リブの間に位置する。
【0026】
増強用リブは中空の容器の外部に形成され、中央に頂点を配置したドーム型端壁の少なくとも一部にまで及んでおり、頂点に達するにしたがって厚みが徐々に薄くなっているのが好ましい。好ましい具体例においては、環状縁部分はパネルを越えて径方向外側に伸び、テーパーが付された円錐台の外面を構成する。増強用リブはその環状縁部分のテーパーが付された円錐台表面と合致して結合する末端を有する。縁部分と合致するその末端でのリブの厚さは、環状縁部分がパネルを越えて外方向に伸びる距離と実質的に等しく、それによりリブが縁部分と円滑にまとまる。
【0027】
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかであるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1はオイラギット4135Fを75%、エクスプロタブを20%、ステアリルアルコールを5%含む、射出成形要素を示す。
【図2】図2はオイラギット4135Fを73%、ファーマコート603を10%、ラクトースを5%、ステアリルアルコールを12%含む、射出成形要素を示す。
【図3】図3はオイラギット4135Fを75%、エクスプロタブを20%、ステアリルアルコールを5%のポリマー組成物の分解プロフィールを示しており、外被はオイラギット4135F連結部材に結合しており、使用された分解媒質はpH7.5の擬似腸管分泌液(SIF)である。
【図4】図4はオイラギット4135Fを73%、ファーマコート603を10%、ラクトースを5%、ステアリルアルコールを12%のポリマー組成物の分解プロフィールを示しており、外被は4135F12%ステアリルアルコール連結部材に結合しており、使用された分解媒質はpH7.5の擬似腸管分泌液である。
【図5】図5はオイラギットE100を75%、ポリOxN−80WSRを20%、ステアリルアルコールを5%のポリマー組成物の分解プロフィールを示しており、オイラギット4135F連結部材に結合しており、使用された溶解媒質はpH1.2の擬似腸管分泌液である。
【図6】図6は組み立てられた本発明の投与形態の縦断面図である。
【図7】図7は部分的に組み立てられた本発明の別の投与形態の縦断面図である。
【図8A】図8Aは本発明の別の投与形態の縦分解断面図である。
【図8B】図8Bは図8Aの投与形態における使用のために代わりとなるサブユニットの縦断面図である。
【図9】図9は組み立てられた本発明の投与形態の縦断面図である。
【図10】図10は組み立てられた本発明の別の投与形態の縦断面図である。
【図11A】図11Aは部分的に組み立てられた状態での本発明のさらに別の投与形態の縦断面図である。
【図11B】図11Bは図11AのB−B面で切った横断面である。
【図11C】図11Cは図11Aの投与形態の一部の拡大分解図である。
【図12】図12は図11Aの投与形態の組み立て順序である。
【図13】図13は本発明による射出成形したパネル付外被の正面図である。
【図14】図14はホットメルト押し出し成形機および射出成形用小粒を製造するための小粒形成装置を説明するための概略図である。
【図15】図15はオイラギット4135に基づくポリマーと実施例1の混合ポリマー処方とを比較したレオロジープロットである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、医薬上許容されるポリマーおよび賦形剤の新規な組成物に関し、該ポリマー組成物は、例えば、積み重ねあるいは多成分投与形態においてともに利用され得る1または複数の成分へと射出成形されたものであってよい。ポリマー混合物が射出成形されて経口投与のための活性薬剤も含んでよい単一成分になりうるということが認識される。
【0030】
最終投与形態としての医薬上許容されるポリマー混合物は持続および/または拍動放出特性のような速溶解、即時、遅延あるいは修飾溶解を提供するように設計され得る。
【0031】
医薬上許容されるポリマー混合物の多成分投与形態中に医薬上許容される薬剤を含む最終投与形態を提供することが本発明の一つの目的である。
【0032】
本発明の投与形態の部材、例えばカプセル区画の仕切り、中実サブユニットまたは密閉部材あるいは連結部材は、例えば経口摂取で安全と一般的に認められており、上記のカプセル区画の仕切り、中実サブユニット、または密閉部材あるいは連結部材の所望の形に形成されうる医薬上許容されるポリマー混合物(および接着結合が形成される場合、接着物質)を含んでもよい。ポリマー物質を所望の形に形成するための好ましい方法は射出成形であり、熱いあるいは冷たいランナー射出成形方法でよい。そのような方法に適した射出成形機は知られている。
【0033】
医薬投与形態は、その各々に境界が付され、医薬上許容されるポリマー物質から作られる仕切りにより少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離されている複数のカプセル区画を含んでもよく、隣接する区画は組み立てられた投与形態において互いに結合しており、少なくとも患者に投与する以前に結合によって互いに保持されており、1または複数の区画が薬剤物質を含んでいる。この第1の態様の組み立て投与形態において、好ましくは、少なくとも二つ、例えば三つのカプセル区画がある。例えば直線方向において向かい合う両端の二末端区画および1または複数の中間の区画を含むという配置で、三つあるいはそれ以上の区画が組み立て投与形態において直線的に配置されてもよい。好ましくはそのような2つのカプセル区画が存在する。好ましくはそのような二つのカプセル区画の一方が、すなわち例えば区画が腸に到達したときにカプセル区画の仕切りが溶解、破裂、あるいはそうでなければある時間経過した後その内容物を放出するために破れるように、持続放出成分である物質から作られているとよい。好ましくはそのような二つのカプセル区画の他方が、すなわち例えば区画が口や胃にあるときにカプセル区画の仕切りが溶解、破裂、あるいはそうでなければ即時にまたは有効な程度に即時にその内容物を放出するために破れるように、即時放出成分である物質から作られているとよい。
【0034】
カプセル区画の1または複数、例えばすべてが、例えば実質的に円筒形であるとよいが、この用語は円形、楕円形あるいは縦軸を横切った扁円横断面を有する形、および平行あるいは先細、例えば少なくともその範囲の一部にわたって円錐形に先細になる側面仕切りを有する形を含む。組み立てられた投与形態が全体的に実質的に円筒形となるように、そのような実質的に円筒形のカプセル区画は、縦方向の一端または両端に結合されうる部分を備えていてもよい。
【0035】
本発明の多成分投与形態の好ましい形態は二つのカプセル区画を含む。
【0036】
本発明は個々のサブユニット、例えば組み立てられた投与形態における使用に適する個々のカプセル区画あるいは中実サブユニットも提供する。
【0037】
組み立て投与形態において、投与形態の二つの隣接する部分、例えばサブユニットが接触する領域において溶接手段、例えば熱溶接、超音波あるいは誘導溶接、あるいは接着溶接(例えばUV硬化接着剤のような硬化接着剤)によって隣接するカプセル区画が互いに結合してもよい。熱溶接は例えばサブユニットを隣接するサブユニットと接触させ、二つの隣接するサブユニットが接触する領域に例えばレーザービームあるいは熱風、例えば窒素の細かいジェット流を向けることにより生じる局所的加熱を行うことで達成することができる。熱、誘導および超音波溶接では、通常、接触している投与形態の隣接部分の物質の互いの局所的融合が起こり、つづいて起こる物質の凝固において隣接部分の間で結合が形成される。接着溶接は、投与形態が組み立てられるときに接触する投与形態の部分に接着剤(例えばUV硬化接着剤のような硬化接着剤)を塗り、接着剤を固めることで達成される。
【0038】
本発明の多成分投与形態は特に超音波溶接を使用する製造に適する。超音波溶接は物質の接合が要求される部位で熱可塑性物質を柔らかく、あるいは、融解させるために高周波の音エネルギーの使用を伴う既知の技術である。超音波溶接の一般的な記載は、例えば“Ultrasonic Welding of Thermoplastics”(TWI Ltd.,Abington,Cambridgeshire GB(1997))のような出版物中に見られる。接合させるべき部分を加圧状態に持続し、通常20から40kHzの周波数の超音波振動に供する。接合部での熱の発生の原因となる実際の機構は十分には理解されていない。超音波溶接機は電源装置、制御システム、溶接ヘッド、部材を溶接するために支持しておく固定具、そして要求される圧力を加えるシステムの5つの主要成分を含む。電源装置は電気を、例えば主電源からの電気エネルギーを機械的、つまり超音波エネルギーに変換する変換機、例えば圧電性変換機を駆動する高周波電気に変換する。変換機と溶接部分との間にはブースターおよびホーンシステムが位置し、これは、超音波を増幅し(ブースターホーン)、固定圧を伝え、音エネルギーを溶接される部分に運ぶ(ソノトロードあるいは溶接ホーン)のに供する、通常は金属製の部品である。超音波溶接を成功させるためには、溶接される部分の設計と溶接装置のセットアップを注意深く行うことが重要である。
【0039】
好ましくは、さらにまたは代わりとして、サブユニットの第一結合可能部分が投与形態の隣接部分、例えば適当な配置、例えば上記の直線状配置において隣接するサブユニット、の第二の結合可能部分と結合するように、隣接するサブユニットは、それぞれ相互結合可能な第一および第二結合可能部分を備えていてもよい。この相互結合は溶接により達成される結合度に貢献している可能性があり、またはさらにまたは代わりとして、溶接が形成される以前におよび準備として投与形態の隣接部分を互いに保持するのを補助してもよく、例えば保持摩擦、スナップ、スクリュー、あるいは他の種類の結合可能部分の間のかみ合いを介して隣接するサブユニットを互いに保持するのに貢献する。結合可能部分は好ましい配置のサブユニットを互いに組み立てるのを促進するためのものでよく、例えば1または複数のサブユニットの結合可能部分は他のサブユニットの適合しない結合可能部分には結合せず、他の選択されたサブユニットの適合する結合可能部分には結合するものであってもよい。あるいは、サブユニットが広範囲の組み合わせで互いに結合されるように、サブユニットの結合可能部分が共通で、互換性があってもよい。このことはとりわけ、異なるカプセル区画あるいは中実サブユニットが中実サブユニットまたは中実サブユニットとカプセル区画のさまざまな組み合わせで互いに結合するように、他の点では異なるカプセル区画あるいは中実サブユニットが相互に結合可能部分をもってもよいということを意味する。
【0040】
例えば一つの具体例として、第一および第二結合可能部分をそれぞれ連結部分とすればよい。例えば第一あるいは第二の部分が受容部分であり、対応する第二あるいは第一結合可能部分が、保持摩擦、スナップ、スクリューあるいは他の種類の連結するかみ合いで受容部に適合する、対応する栓状部分とすればよい。例えばこれらの栓および受容部分が共通である場合、あらゆる中実サブユニットあるいはカプセル区画のあらゆる栓状部分も別の中実サブユニットあるいはカプセル区画のあらゆる受容部分と相互結合し得る。
【0041】
例えば摩擦適合において、栓および受容部分の自然弾力および接触摩擦に反して栓状部分を受容部に入れるために力が加えられる必要があり、それらを引き離すために同様の力が加えられる必要があるために、栓状部分が受容部より少し大きくてもよい。例えばスナップ適合において、栓および受容部分は、部材が部材の自然弾力に反して互いに押し付けられるように互いに連結する、隆起および溝のような凹部および対応する凸部をそれぞれ備えていてもよい。そのような隆起および溝は、例えば結合可能な栓および受容部分の周囲に位置する、協同的周囲あるいは部分的に周囲にあるビーズおよび溝を含んでもよい。
【0042】
上記の第一および第二結合可能部分はさまざまな方法でサブユニットを互いに組み立てるのに役立つ。
【0043】
例えば三つあるいはそれ以上、例えば四つのサブユニットが直線状に配置した本発明の投与形態では、中間サブユニットは、隣接する中間サブユニットの1または複数の結合可能部分に結合する、1または複数の結合可能部分、例えば各端において一つの結合可能部分を備えていてもよい。端のサブユニットは、隣接する中間サブユニットの結合可能部分および/または別の端のサブユニットの1または複数の結合可能部分と結合する、1または複数の結合可能部分を備えていてもよい。これにより、二つの端のサブユニットが二つのサブユニットを含む投与形態で互いに結合してもよく、あるいは、2つの端のサブユニットは1または複数の中間のサブユニットと結合してもよい。サブユニットの共通の第一および第二結合可能部分を使用することにより、さまざまな端および中間のサブユニットが組み立てられた投与形態のさまざまな組み合わせで互いに結合するように作られ得る。
【0044】
カプセル区画である1または複数のサブユニットは例えば実質的に桶の形状、つまり基部仕切りで閉じられた基部、および基部仕切りから延びた(本明細書では「上に向かう方向」と称する)側面仕切りおよび上部の開口部を有する形状であってよい。そのような構造であるため、隣接するカプセル区画の開口部を閉じるために、および第一区画の基部仕切りが物理的に区画を分離するように、カプセル区画は隣接する第二カプセル区画の開口部に適合する第一区画の基部により互いに結合することができる。そのような構造において第一区画の基部は栓が結合可能な部分を含み、第二区画の開口部は受容部が結合可能な部分を含む。
【0045】
例えば投与形態はカプセル区画の隣接する対の間に位置する1または複数の連結部材のユニットを含んでもよく、好ましくは投与形態の少なくとも一つの溶接部がカプセル区画とそのような連結ユニットの間にあってよい。そのような連結ユニットは例えば隣接するカプセル区画の上記の第一および/または第二の結合可能部分に結合できる結合可能部分を有していてもよい。好ましくは投与形態のカプセル区画の直線方向の組み立てを促進するために、連結部材のユニットが直線方向で向かい合う面の方向に結合可能部分をもってもよい。好ましくは、そのような連結ユニットはカプセル区画の開口部の密閉部材を有していてもよい。例えば、カプセル区画をその開口部で栓またはキャップ手段で結合し、隣接するサブユニット、例えば別のカプセル区画への結合を可能にする結合可能部分を有する。カプセル区画が持続放出成分から作られる場合、好ましくは区画および密閉部材の完全なカプセル区画エンベロープが持続放出エンベロープとなるように、そのような連結部材/密閉部材も持続放出成分から作られる。
【0046】
特定の形態では、連結部材がカプセル区画の開口部と結合する一つあるいは二つの結合可能部分をもってもよい。例えばそのような連結部材が、向かい合う栓状部分であり、カプセル−連結部材−カプセルの組み立てを形成するために二つの向かい合うカプセル区画の開口部に栓および受容部で結合できる二つの結合可能部分をもってもよい。好ましくは溶接部、例えば超音波溶接部がカプセル区画の両方とそれらの間の連結部材の間にそのような投与形態において形成されてもよい。
【0047】
例えば連結部材はカプセル区画の開口部の密閉部材を含んでもよく、密閉部材の第一あるいは第二部分が隣接するカプセル区画の第二あるいは第一部分と適切な配置でそれぞれ結合するように、この連結部材が1または複数の第一および/または第二の結合可能部分を有していてもよい。
【0048】
例えばある形態ではそのような連結部材/密閉部材が向かい合うカプセル区画の開口部と結合できる二つの向かい合う栓状結合可能部分を備えていてもよい。その結果そのような密閉部材はカプセル区画−連結部材−カプセル区画の直線状配置で、開口部が向かい合う二つのカプセル区画の間の連結部材として作用してもよい。例えばこの配置が末端区画−連結部材―末端区画の配置であってもよい。
【0049】
そのような連結部材が本発明の投与形態として使用される別の方法は明らかであろう。例えば中間のカプセル区画が二つの向かい合う開口端のある略円筒形の形態であってもよく、二つの連結部材がそれぞれ別のサブユニットへの結合に利用できる他の結合可能部分を残したまま、それぞれ円筒の開口端のある各結合部分の一つを介して結合してもよい。
【0050】
好ましくは連結部材の結合可能部分の少なくとも一つあるいは両方が、カプセル区画の開口端に栓−および−受容部様式で適合する栓状部分である。それゆえそのような栓状部分は一般的に円筒形であり、開口端に隣接するカプセル区画の開口端の内側の形状にかなり一致する。
【0051】
好ましくは、連結部材は、向かい合う栓状結合部分、連結部材の縦方向に略垂直に延びる栓状部分の対向する端面を備えた固体の仕切り部分の形態である。好ましくは、各栓状部分がカプセル区画の開口端へのちょうどよい摩擦適合である。好ましくは栓状部分がカプセルの開口部に適当な範囲で延長する場合、カプセル区画の開口端の縁に接合することにより各栓状部分がカプセル区画の開口端に延びることができる範囲を決定し限定するために、各栓状部分が接合面を備える。
【0052】
好ましい構造において、連結部材が略円筒形の固体を含み、その向かい合う端が栓状部分で、二つの向かい合う接合面が円筒形の本体の周囲に形成される水平の出っ張りの面であり、長さの方向に垂直な平面に略平行である。そのような水平の出っ張りは一般に輪の形状をしており、その平面はカプセルの縦方向に垂直である。
【0053】
そのような連結部材を有する、組み立て投与形態は、向かい合う関係の開口端、連結部材の向かい合う各栓状部分が栓および受容部様式でカプセル区画の開口端に適合するそれらの間の連結部材、栓状部分および/または連結部材の接合面の間で形成される超音波溶接部および開口端の近く、例えば開口端の縁にある区画の仕切りとともに、それぞれ一つの開口端と一つの閉口端とをもつ円筒形(例えば上記の桶やバケツの形状)の二つのカプセル区画を含んでよい。
【0054】
多区画カプセルの組み立ての好ましい構造は持続放出成分から作られるカプセル区画、即時放出成分から作られるカプセル区画および持続放出成分から作られるそれらの間の連結部材を含む。そのような構造では即時放出区画は、例えば腸でその成分を放出する持続放出エンベロープとしての区画および密閉部材のエンベロープを残したまま、破れ、その成分を放出してもよい。
【0055】
射出成形方法では、流状ポリマーは成形ブロックの正確に作られた金型の溝に圧力下で注入される。射出成形方法は、気密摩擦適合あるいはスナップ適合の連結により結合を達成するために、および溶接部を促進するために隣接する部分間で適切な接触を維持するために必要な精度を有するサブユニットを作ることができる。射出成形の適切な技術は小さいプラスチック成分、例えばLEGO(登録商標)のおもちゃの小さい部材の製造分野から知られている。Cuff.GおよびRaouf.F前掲、に記載されているような方法を射出成形によりそのような中実サブユニットおよびカプセル区画を製造するのに使用してもよい。
【0056】
したがって本発明は、投与形態の中実サブユニットおよびカプセル区画を含むサブユニットが医薬上許容できるポリマー混合物のそれぞれの成形溝で作られる成形方法、例えば射出成形あるいは粉末圧縮方法も提供する。
【0057】
上記の多成分投与形態の詳細を図6から11を参照して記載する。
【0058】
図6は、直線方向の反対の端に二つの端の区画12および14、および一つの中間の中実サブユニット13を含む順序で、組み立て投与形態において直線方向に配置された三つのサブユニット12,13,14を含む投与形態11を示す。区画12および14および中実サブユニット13は実質的に円筒形である。区画12および14は実質的に桶の形状である、つまりそれぞれが基部仕切り12A、14Aにより閉じた基部をもち、それぞれが基部仕切り12A、14Aから上方に延びる側面仕切り12B、14Bおよび上部の開口部をもつ。区画12および14のそれぞれは射出成形によりポリビニルアルコールポリマーから作られる。
【0059】
中実サブユニット13も実質的に円筒形であり、区画12あるいは14のいずれかの開口部にかみ合い、それにより閉じることのできる栓の形状に形成される基部端13Aをもつ。図6に示されるように、中実サブユニット13の基部端13Aは区画14の開口部に適合し、かみ合っている。中実サブユニット13の上部端はカプセル区画12あるいは14の基部12Aあるいは14Aの形状にかみ合うことのできる受容部連結器として形成される上部端13Bをもつ。図6に示されるように中実サブユニット13の上部端13Bの受容部は区画12の基部にかみ合う。
【0060】
区画12,14および中実サブユニット13は、区画12の基部12Aを、隣接する中実サブユニット13の上部受容部13Bに適合させ、開口部を閉じるために中実サブユニット13の、基部13Aを隣接する区画14の開口部に適合させることで互いに結合する。サブユニット12,13,14のこの組み立てでは、上部のサブユニット12,13の基部部分は栓状部分を含み、下部のサブユニットそれぞれ13、14の開口部あるいは上部受容部は、受容部を含む。
【0061】
区画14は端の区画であり、中実サブユニット13の基部端13Aにより閉じられる開口部をもつ。他の上部端の区画12は密閉部材15により閉じられ、これは区画12の開口部に適合するような大きさの栓状部分16をもつ。
【0062】
栓状部分16および基部部分12Aおよび13Aはそれぞれ区画12の開口部、中実サブユニット13の受容部、および区画14の開口部に適合する。熱溶接部は栓状部分16、基部部分12A,13Aおよび区画12,14のそれぞれの開口部および上部受容部、および中実サブユニット13の間の、これらの部分が接触する領域で形成される。基部部分12A,13Aおよび栓状部分16および区画12,13および14の対応するそれぞれの開口部および上部受容部のそれぞれは、基部部分12A,13A、区画12および14の開口部、上部受容部13Bおよび栓状部分16および区画12の開口部が、基部部分および開口部のポリマー物質の自然弾性に打ち勝って、スナップ適合連結のかみ合わせにより互いに結合するように、周辺凸部ビーズおよびビーズが適合するような対応する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0063】
熱溶接部は栓状部分16、基部部分12Aおよび13A、区画12、14の開口部および上部受容部および中実サブユニット13の間で、これらの部分が接触している領域にレーザービームをあてることで形成されてもよい。
【0064】
区画12,13,14の基部部分12A,13A,14A、区画12および14の開口部、上部受容部13Bおよび栓状部分16は、区画12および14および中実サブユニットが他の直線方向の組み合わせでも互いに適合され、栓15が他の区画14の開口部を閉じるためにも使用されるように、すべて共通の大きさであるのが好ましい。
【0065】
同様に、二つあるいは三つ以上のサブユニット12,13あるいは14が、図1に示されたのに類似した方法で互いに結合されてもよい。
【0066】
図7は別の投与形態の組立品21を示す。この組立品21も端の区画22、中間の区画23および端の中実サブユニット24からなる直線状の組み立ての三つのサブユニット22、23、24を含む。中間の区画23は、一部の区画外被23A、23Bからなり、その一部の外被23A、23Bは、それぞれ閉じた端23Cおよび23Dおよび各閉じた端23C,23Dの反対側に開口部を有する側面仕切り23E、23Fからなる。二つの一部の外被23Aおよび23Bの開口部はそれぞれ結合可能栓および受容部分25および26を備える。それぞれ栓および受容部分25および26のかみ合わせにより、これらの一部の外被23A、23Bはカプセル区画23を形成するために互いに結合される。閉じた端23C、23Dは外部の結合可能部分27,28を備える。
【0067】
端の区画22は桶の形状の区画の形態であり、組立品21を互いに結合させる中間の区画23の結合可能部分27と形の上で一致する受容部分を含む開口部29をもつ。
【0068】
端の中実サブユニット24は実質的に円筒形の本体として形成され、中間のカプセル区画23の結合可能部分27あるいは28のどちらかにかみ合うことのできる受容部の形態の結合可能部分210をもつ。図2に示されるように、中実サブユニット24の結合可能部分210はカプセル区画23の部材28に結合される。
【0069】
図7の投与形態では、熱溶接部は部材25,26,27,29,28および210の間で、これらの部材が接触している領域で形成される。これらの部材25,26,27,29,28および210のそれぞれは、これらの連結部材がスナップ適合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0070】
図8は別の投与形態の組立品31を示している。この組立品31は端の中実サブユニット32、中間の中実サブユニット33、桶の形状の中間のカプセル区画34および端の中実サブユニット35からなる直線方向に組み立てられた四つのサブユニット32,33,34,35を含む。中間のカプセル区画サブユニット34は開口部36を含み、開口部36に直接隣接する縁37が栓状結合可能部分として形成される。端の中実サブユニット35は実質的に半球状で、桶の形状の中間のカプセル区画34の密閉キャップとして形成され、部材37が差し込まれて適合する受容結合可能部分38として下部端で形成される。区画34の閉じた下部端は受容結合可能部分39を外側に備える。
【0071】
中間の中実サブユニット33は区画34の部材39とかみ合うことのできる栓状結合部分310として形成される上部端および受容結合部分311として形成される下部端をもつ。
【0072】
端の中実サブユニット32は平らな底および切形の半球状の外面を有し、中間の区画33に形の上で結合可能部分311に一致する栓状結合可能部分312を有する。これらの部分37と38,39と310,311と312のそれぞれは、これらの連結部材がスナップ適合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0073】
図8Bには、中間の中実サブユニット33の代わりとなる構造が、符号313で示されており、サブユニット33と共通の部分が対応させて番号がつけられている。サブユニット313は一般に中空で円筒形であるように、サブユニット313には円筒形の内腔314がある。内腔314はあるいは、縦に先細であってもよいが、例えば一般に円筒形である。
【0074】
さまざまな結合可能部分37,38,39,310,311および312の結合により、組立品31は示されている軸に沿って互いに結合する。
【0075】
図9は直線方向の反対の端に二つの端の区画42,44および一つの中間の区画43を含む配置で、組み立て投与形態で直線方向に配置された三つのカプセル区画42,43,44を含む投与形態41を示している。区画42,43,44のすべては実質的に円筒形であり、縦軸を横切った楕円形の横断面をもつ。区画42,43,44は実質的に桶の形状であり、つまりそれぞれが基部仕切り42A,43A,44Aによって閉じられた基部、基部仕切り42A,43A,44Aから上方に延びる側面仕切り42B,43B,44B、および上部の開口部をもつ。区画42,43,44のそれぞれは射出成形によりオイラギット4135Fのようなポリマーから作られる。
【0076】
開口部を閉じるために、および第一の区画42,43の基部仕切り42A,43Aが第一および第二の区画42,43および44を物理的に分離するために、区画は、それぞれ隣接する第二の区画43,44の開口部に適合する第一の区画42,43の基部42A,43Aにより互いに結合する。区画42,43,44のこの組立品において、上部の区画42,43の基部部分が栓状部分を含み、それぞれ下部の区画43,44の開口部が受容部を含む。
【0077】
区画44は端の区画であり、区画43の基部仕切り43Aにより閉じられる開口部をもつ。もう一方の端の区画42は区画42の開口部に適合する大きさの栓状部分46をもつ密閉部材45により閉じられる。
【0078】
基部部分42Aおよび43Aおよび栓状部分46はそれぞれ区画43,44および42の開口部に適合する。溶接部は基部部分42Aおよび43A、栓状部分46、およびそれぞれ区画43,44,42の開口部の間で、例えばこれらの部分が接触している領域に局所加熱あるいは超音波ホーン(開示せず)を加えることにより形成される。基部部分42A,43Aおよび栓状部分46および区画43,44,42の対応する開口部のそれぞれは、基部部分42A,43Aおよび区画43および44の開口部および栓状部分46および区画42の開口部が基部部分および開口部のポリマー物質の自然弾力に打ち勝つスナップ適合連結かみ合わせにより互いに結合するように、周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する一致した周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0079】
区画の基部部分42A,43A,44Aおよび区画42,43,44の開口部、および栓状部分46は、区画42,43,44が他の直線方向の組み合わせで互いに適合するように、および密閉部材45が他の区画42,43あるいは44のいずれの開口部も閉じるのに使用されるように、すべて共通の大きさである。
【0080】
同様に、二つあるいは三つ以上の区画42,43あるいは44が図4に示されたのと類似た方法で互いに結合してもよい。
【0081】
図10は別の投与形態の組立品51を示している。この組立品51も二つの端の区画52,54および中間の区画53の直線方向に組み立てられた三つの区画52,53,54を含む。中間の区画53は二つの外被部分53A,53Bからなり、外被部分53Aは閉じた端53Cおよび側面仕切り53Eを含み、外被部分53Bは閉じた端53Dおよび側面仕切り53Fを含む。それぞれの外被部分は閉じた端と反対側の開口部をもつ。二つの外被部分53Aおよび53Bの開口部はそれぞれ栓状結合部分55および受容結合部分56を備える。これらの外被部分のそれぞれ栓および受容部分55,56はカプセル区画53を形成するために互いに結合する。閉じた端の53C,53Dの両方は外部に結合可能部分57,58を備える。
【0082】
それぞれ端の区画52,54は桶の形状の区画の形態であり、組立品51に互いに結合する中間の区画53の結合可能栓状部分57,58と形の上で一致する受容部分を含む開口部、例えば区画52の開口部59をもつ。
【0083】
図10の投与形態では、溶接部が部材55と56の間,57、58および区画52、54のそれぞれの開口部の間で、これらの部材が接触している領域に局所加熱あるいは超音波ホーン(開示せず)を加えることで形成される。これらの部材55,56,57,58のそれぞれおよび区画52,54のそれぞれの開口部は、これらの連結部材がスナップ適合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0084】
図9および10の区画42,43,44,52,54のそれぞれは同じかあるいは異なるポリマーから作られてもよく、同じかあるいは異なる薬剤放出特性を有していてもよい。端の区画の溶解あるいは破裂が中間の区画の妨害なしに、および中間の区画の溶解あるいは破裂の前に起こりうる場合、図6および7のそれぞれの中間の区画は修飾放出区画により適する。
【0085】
図9および10の区画42,43,44,53,54および55は同じあるいは異なる薬剤物質および/または処方を含んでもよい。薬剤物質あるいは処方は、例えば散剤、顆粒、あるいは他の固体形態であってよい。あるいは、区画が液体、ゲルあるいは同様の処方(開示せず)を含んでよい。
【0086】
図11A,11Bおよび11Cは別の投与形態の組立品61を示している。図11Aの縦断面および図11Bの横断面に示されるように、この投与形態は直線方向に配列された端のカプセル区画62、連結部材63および別の端のカプセル区画64からなる組立品である。それぞれの端の区画62,64には一つの開口端および一つの閉口端があり、一般的に円筒形で、図11Aに示されている区画は、わずかに円錐形で先細で、横断面が開口端で最大である。閉口端は丸い外面の端部仕切りの形態で、開口端の“バケツ”あるいは“桶”の形状を形成する区画を与える。各区画の端の丸い中央部分(区画62の場合65と表される)は、溶接作業中に超音波エネルギーを加えるのを促進するために端の表面領域の少なくとも5%以上が平らにされる。各カプセル区画62,64の仕切りは、区画の側面仕切りで約0.4±0.05ミリメートルの厚さである。
【0087】
連結部材63は、一般に連結部材の縦方向を横断して延びる、向かい合う面66,67を固体の仕切りの形態で備える。これらの向かい合う面は、連結部材の縦の各端で形成される向かい合う栓状結合可能部分68,69の端面である。連結部材63は縦方向に平らになっており、直径:縦の長さの比が約3:1である一般的に円筒形の物体である。具体的な態様において、連結部材63の直径は約7.5ミリメートルで、縦の長さは約3.0ミリメートルである。端面66,67は溶接作業中にそこに超音波エネルギーを加えるのを促進する程度に、少なくとも50%以上実質的に平らである。面67は中央の凹部610を取り囲む平らな輪状の面である。面66は中央の穴に射出成形ランナー残留物611がある点を除けば同様である。平らな面66,67は少なくとも2ミリメートルの大きさ以上に連続して伸びる、つまり少なくとも4平方ミリメートルの面領域がある。各栓状部分68,69はカプセル区画62,64の開口端に摩擦適合でぴったりと適合する。各栓状部分68,69は円筒形体63の周囲に形成される水平の出っ張りによって構成される接合面612を備える。接合面612は輪の形状で、その面がカプセルの縦方向に垂直である。接合面612は、各栓状部分68,69がカプセル区画62,64の開口端の縁に接合することでカプセル区画62,64の開口端に延びることができる範囲を決定し、限定する。示されている具体的な態様において、接合面612は縦方向を横切って測ると約0.3ミリメートルである。
【0088】
超音波溶接部は各栓状部分68,69および/または連結部材63の接合面612および開口端の近く、例えば開口端の縁の区画の仕切り62,64の間で形成される。下部の区画64はこのようにして接合した状態で示されており、上部の区画62は分離した状態で示されている。
【0089】
カプセル区画62,64および連結部材63の隣接する接触部分の間の超音波溶接部を形成するために、図11Cに拡大して示されるように、超音波接合を促進するためにこれらの部分が図に描かれ、大きさが示されている。結合可能栓状部分68および受容部613は一つのほぞ614の長さ(D1約0.2から0.3ミリメートル)が他のほぞ部分615の長さ(D2約0.5から0.6ミリメートル)より短い連結ほぞ部分614,615を含み、超音波溶接作業下で領域616のカプセル区画62の物質が、カプセル区画62と連結部材63の間で超音波溶接部を形成するためにほぞ部分が縦にかみ合うまで崩壊できる。連結部材63および区画64の間の溶接部は同様の方法で形成される。
【0090】
栓状部分のD2の長さは約0.55ミリメートルで、端面66および67との間の連結部材63の端から端までの長さの約20%である。
【0091】
図12は図11Aの投与形態の一般的な組み立て手順を示す。手順は以下の工程を含む。
(1)第一のカプセル区画64を、その開口部を上方に向けながら適切な支持手段で配置し、支持し、カプセル区画64を適切な量の薬剤物質で満たす。
(2)連結部材63の第一の栓状部分69(図11A参照)を第一のカプセル区画64の開口端に挿入する。この方法で、連結部材63はカプセル区画64の開口部の密閉部材を形成する。
(3)下向きの超音波ホーン(開示せず)を連結部材の面66、つまり第一の栓状部分69と反対の連結部材の端面に加えると、連結部材63および第一のカプセル区画64の間の超音波溶接部が形成される。
(4)第一のカプセル区画64および連結部材63の形成された組立品を、栓状部分68(図11A参照)が下を向くように逆さにする。
(5)第二のカプセル区画62を、工程1と類似の方法で、その開口部を上方に向けながら適切な支持手段(開示せず)で配置および支持し、第二の区画62を適切な量の薬剤物質で満たす。
(6)連結部材63の栓状部分68を第二のカプセル区画62の開口端に挿入する。
(7)超音波ホーン(開示せず)を底面から第二の区画62の外面に加える。超音波溶接部が連結部材63および第二のカプセル区画62の間で形成される。
(8)工程(8)として示される別の溶接方法では、超音波ホーン(開示せず)を、カプセル区画64および連結部材63の間の接触領域の側面に、矢印で示されるように横から加える。
【0092】
他の代わりとなる態様では、(開示せず)熱、レーザー、あるいは粘着溶接部がカプセル区画62および64、および連結部材63の間で形成される。
【0093】
図1から6の区画およびサブユニットはそれぞれ同じあるいは異なるポリマーから作られてもよく、同じあるいは異なる薬剤放出特性を有していてもよい。端の区画の溶解あるいは破裂が中間の区画の妨害なしに、中間の区画の溶解あるいは破裂の前に起こりうる場合、中間のカプセル区画は修飾放出区画により適している。
【0094】
マトリックスポリマーの溶解はカプセル区画の薄い仕切りの破裂よりもさらにゆっくり起こるであろうから、中実サブユニットは持続放出サブユニットとしてより適している。ユニット313(図8B)の中空の穴は中実ユニット313に一次溶解反応速度につながる溶解速度を与える。
【0095】
サブユニット12,13,14,22,23,24,32,33,34,35のそれぞれは同じあるいは異なる薬剤物質および/または処方を含んでもよい。これは例えば散剤、顆粒、あるいは他の固体形態であってよい。あるいは、カプセル区画12,14,22,34は液体、ゲルなどの処方(開示せず)を含んでよい。端のサブユニット35は薬剤物質を含んでもよく、あるいは単に薬剤物質のない中実ポリマーキャップを含んでいてもよい。
【0096】
図13に示されるように、すぐに溶解できるという薄い仕切りの利点を有するが、過度に薄い仕切りであるという欠陥を避けた好ましいカプセル外被は、強化リブにより分離した複数の薄いパネルからなる。図13に見られるように、カプセルは三つの主要な部材、一般的に台形円錐形である側面仕切り106、一般的に半球状のドーム108および環状縁110からなる(本明細書で用いる際の“台形円錐”という用語は、他に限定されない限り円筒形、つまり先が細くなっていない錐台を含む)。
【0097】
側面仕切り106は、側面仕切り106の外部に統合して形成され、隣接するパネルの間に挿入された、増強用リブ114をもつ複数の薄い仕切りパネル112からなる。リブはドームの先端でなめらかに合わさるように、ドーム108を一部分越えて延びてよく、好ましくは116で厚さが徐々に先細になる。リブは示されるようにさまざまな幅であってよい。
【0098】
環状縁110の外面の少なくとも部材118は先細で台形円錐面118の形態であるのが好ましく、縁110の最も外側の延長部分である任意の部材120は円筒形であってよい。先細の部材118に結合するリブが環状縁でなめらかに合わさるように、部材110は好ましくは下部端でのリブの厚さに等しい距離だけ下部の部材の仕切り106から外側に延びる。
【0099】
図13に示されているような構造のカプセル外被は、図8Aから12に描かれているような多剤投与形態の成分と同様に単一投与カプセルの成分として使用されうる。速い溶解のために仕切りパネルが極端に薄い、例えば約0.2から0.3ミリメートルの範囲でありえて、増強用リブのおかげでゆがみや破損に耐えられるという利点がある。図13に描かれた好ましい態様において、カプセル外被の外形は鋭いかど、あるいは取り扱ったり、飲み込んだりするのに困難を引き起こしうる他の外部の部材を有さない。
【0100】
本明細書の目的のために、単一あるいは多成分投与形態への射出成形および医薬用途での使用に適するポリマーの代表的な例は、ポリ(エチレン)オキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGおよびPEOの混合物、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、非晶質セルロースのようなセルロース誘導体、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、のようなその誘導体、(プルランの多糖など、カラギナン、キサンタン、キトサンあるいは寒天ゴムの)天然ポリマー、ポリアクリレート、およびポリ(メト)アクリレートおよびRoehm Pharmaから入手可能なオイラギット(Eudragit)ファミリーのポリマーのようなその誘導体、ポリ(α−ヒドロキシ酸)およびポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(αアミノ酸)のようなそのコポリマー、(Gelucire(登録商標)44/14、Gelucire(登録商標)50/02、Gelucire(登録商標)50/03およびGelucire(登録商標)53/10などの)ポリグリコシル化グリセリド、(カルボポールのような)カルボキシビニルポリマーおよび(Poloxamer188TMのような)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、およびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。
【0101】
本明細書で使用されるのに適しているの可能性があるのは、ポリマー類、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、ポリ(ホスホエステル)、およびポリ無水物であり、これらの組み合わせあるいは混合物もまた本明細書での使用に適している可能性がある。
【0102】
さらに、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、カラギーナン、コラーゲン、ゼラチンおよび卵白も、単独であるいは別のポリマー混合物との組み合わせで、本明細書の射出成形に適するかもしれない。以前に世界の統制機関により認可されていない場合、ポリマーの最終的な選択は一般に安全と認められた(GRAS)範疇で認可されるということが認識される。最終的に、ポリマーが成分あるいはサブユニットの内容物を放出するために溶解しない場合、成分は胃腸管の内容物をサブユニット中に入れ、そこで活性薬剤を溶解させる、穴形成試薬を含んでもよい。そのような能力において、サブユニットあるいは投与形態はカプセルあるいは調節放出修飾試薬としてではなく、むしろ運搬装置として作用するだろう。ポリマーの選択は、所望の結果および認可が求められている統制機関によるだろうということが認識される。
【0103】
より好ましくは、(オイラギットE(登録商標)、オイラギットE100(登録商標)、オイラギット(登録商標)L、および/またはオイラギット(登録商標)Sのような)メタクリル酸コポリマー、オイラギット4135Fのようなポリ(メト)アクリル酸コポリマー、(オイラギット(登録商標)RLおよび/またはオイラギット(登録商標)RSのような)メタクリル酸アンモニウムコポリマーが射出成形に適している。オイラギット4135Fのようなポリ(メト)アクリル酸コポリマーの群は本発明の好ましい態様である。
【0104】
オイラギットE100は、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸、メタクリン酸ブチル、メタクリル酸メチルに基くコポリマーであるブチルメタクリル酸−(2−ジメチルアミノエチル)−メタクリル酸−メチルメタクリル酸−コポリマー(1:2:1)とも称される。これは約150000の平均分子量を有する。乾燥物質中20.8%以上25.5%以下のジメチルアミノエチル基を含む。
【0105】
腸分泌液中で溶解性があり、カプセルに形成されうるアクリルおよび/またはメタクリル酸に基くポリマーは、例えば米国第5,705,189号(Roehm GmbH)に開示されており、その内容は引用により全体が本明細書に組み込まれている。これらのポリ(メト)アクリル酸コポリマーは押し出し成形され、射出成形されて、アクリルおよび/またはメタクリル酸の比がコポリマーの一般的に20重量パーセントあるいはそれ以上である、カプセルの半分となる(実施例1から8)。これらの実施例では、モノステアリン酸グリセロールに成形放出剤としてポリマーの3から5重量パーセントの基剤を添加された。
【0106】
乳剤E2(カラム6、第10行)がメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチル(好ましくは10:25:65の比)のコポリマーである、米国特許第5,705,189に開示されている特定のポリマーが本発明での使用に好ましいポリマーであることが見出された。成分のこの比もオイラギット(登録商標)4135Fとして知られており、オイラギットFS30Dから得られる固体生産物であり、上記の通りRoehm Pharma、ドイツから入手できる。しかし、混合されていないポリマーだけでは射出成形に適さないが、単一カプセルあるいは多成分投与形態のどちらかへの組み立てのための、好適に射出成形された、ゆがみ、ねじれのないカプセル/サブユニット成分を生産するための本明細書の教唆に従って混合されなければならないことが見出された。
【0107】
ポリマーE4135Fにとって、少なくとも一つの滑沢剤および一つの溶解修飾剤が、射出成形からすぐに放出する良質のゆがみのない成形成分を達成するために必要である。米国特許第5,705,189号に例示されるポリマーはすべて、本発明で使用されている混合組成物に比較して粘性度が高い。
【0108】
そのため、本発明の一つの態様はこのポリマーをカプセルおよび多区画ユニットの射出成形に適するものとする賦形剤の新しい混合物である。好ましいポリマーは、消化管のさまざまな点で優先的に溶解あるいは崩壊する物質である。上記のように、そのようなポリマーは、腸分泌液で溶解する既知のアクリルおよび/またはメタクリル酸に基くポリマー、例えば市販されているポリマーのオイラギットTMシリーズを含む。これらの実施例は胃のより酸性のpHで優先的に溶解する、オイラギットE100TMのようなオイラギットETM、あるいは腸のよりアルカリ性のpHで優先的に溶解する、オイラギットLTMおよび/またはオイラギットSTMのような腸溶ポリマーを含む。
【0109】
他の好ましいポリマーは、オイラギットRLTM、例えばオイラギットRL100TM、および/またはオイラギットRSTM、例えばオイラギットR100TM、および/またはそのようなオイラギットTMポリマーの混合物のような、不溶性であるが調節した割合、例えば消化管であらかじめ決定されている割合で水和するポリマーも含む。ポリマーとして示唆される混合物は必要な潤滑剤および賦形剤を含むRLおよびRSの組み合わせであろう。
【0110】
ポリマーオイラギット4135FTMはpH7以上でのみ、例えば結腸で溶解し、そのため持続放出成分としての処方に適する。逆に、記載されているようにポリマーオイラギットE100TMは酸性で溶解するので、即時放出成分としての使用に適する。
【0111】
これらの医薬上許容されるポリマーの大部分は、米国の医薬協会および英国の医薬団体により共同で出版された医薬賦形剤の手引き"the Handbook of Pharmaceutical excipients"に詳しく記載されている。
【0112】
好ましくはポリマーキャリアーが三つの範疇:(1)活性薬剤の速溶解および即時放出に役立つ水溶性ポリマー、(2)活性薬剤の調節放出に役立つ水不溶性ポリマー、(3)活性薬剤の拍動あるいは標的放出のためのpH感受性ポリマー、に分類される。両方のキャリアーの組み合わせが本明細書で使用されてよいということが認識される。ポリ(メト)アクリレートのいくつかは溶解度がpH依存性であり、両方の範疇に分類されてよいということも認識される。
【0113】
本発明の一つの態様は、この特性がpH依存性非依存性である、4135Fのようなポリ(メト)アクリレートにすることができる成分の新しい混合である。それらはもはや溶液のpH、つまり消化管によって左右されないが、その代わりに時間/調節放出依存性であり、その決定は本明細書でさらに詳しく記載されるであろう膨潤性固体および界面活性剤の添加に基づく。
【0114】
水溶性ポリマーは一般に、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、アルギン酸、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、プロピオン酸酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン、ナトリウムデンプングリコレートなどのその誘導体、デキストリン、キトサンおよびその誘導体、卵白、ゼイン、ゼラチンおよびコラーゲンを含むがそれらに限定されない。
【0115】
水不溶性ポリマーは一般に、ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、非晶質セルロース、ポリアクリレート、およびRohm PHarma(ドイツ)から入手できるオイラギットファミリーのポリマーのようなその誘導体、ポリ(αヒドロキシ酸)およびポリ(εカプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(αアミノ酸)およびそのコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、ポリ(ホスホエステル)、およびポリ無水物のようなそのコポリマーを含むが、それに限定されない。本明細書の使用に好ましいポリマーは20から90重量パーセント、好ましくは50から90重量パーセントの量で存在するポリメタクリレート、オイラギット4135Fである。
【0116】
これらの医薬上許容されるポリマーおよびその誘導体は市販されており、および/またはその分野で既知の技術により調製される。誘導体はさまざまな分子量、ポリマーの官能基の修飾を有するポリマーあるいはこれらの薬剤のコポリマー、あるいはそれらの混合物を意味する。
【0117】
さらに、二つあるいはそれ以上のポリマーが、成形の流出量、弾力性の上昇、あるいは所望の薬剤の放出プロフィールのような、所望の特性を持つ混合物を形成する組み合わせで使用されてもよい。
【0118】
溶解押し出し成形方法において最初に融解したポリマー組成物は融解流出量、強度、脆弱性および他の成形特性を補助する添加剤あるいは賦形剤をさらに含んでもよく、これらのさらなる賦形剤は可塑剤、吸収増進剤、さらなる界面活性剤、香剤、染料などを含むが、これに限定されないことが理解される。
【0119】
本明細書の組成物がさまざまな仕切りの厚さに成形される場合、カプセルあるいは成分が約0.3から0.8ミリメートルの仕切りの厚さであるのが好ましい。しかし、溶解作業により、所望の放出プロフィールによる仕切りの厚さをより適切に作られるだろう。仕切りの厚さの増加あるいはこれに加えてさらに追加の賦形剤の修飾が、成分のゆがみを減らすのに必要であるかもしれない。
【0120】
ポリマー物質はその特性を修飾し、界面活性剤、吸収増進剤、滑沢剤、可塑剤、溶解修飾剤、加工剤、染色剤、香剤および甘味剤を含むが、これに限定されないさまざまな用途にそれらを適合させるための他の物質を含んでもよい。界面活性剤を処方に混合することは、処方/混合物の粘性度および表面張力を低下させるのに必要であるか、あるいは望ましいが、量が多いと逆に結果として生じる投与形態の性質に悪影響を与えるかもしれない。界面活性剤の選択はHLB値により導かれるが、必ずしも役に立つ基準ではない。トウィーン(登録商標)80(HLB=10)、プルロニックF68(HLB=28)およびSDS(HLB>40)のようなHLB界面活性剤が本明細書で利用されているが、プルロニックF92およびF127のような低いHLB値の界面活性剤を使用してもよい。BASF,USAにより作られるプルロニックはPOLOXAMERという別名がある。例えばプルロニックF68は分子量が8400である。プルロニックF1127は分子量が12600である。プルロニックはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーである。
【0121】
界面活性剤はオリゴマー界面修飾剤とも称され、プルロニック(登録商標)(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーであり、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーとも称される)、レシチン、エアロゾルOT(登録商標)(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)、ラウリル硫酸ナトリウム、ひまし油を水素化したポリオキシル40TM、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、つまりトウィーン20,60および80などのトウィーン(登録商標)といったポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステル、つまりSpan(登録商標)あるいはArlacel(登録商標),Emsorb(登録商標),Capmul(登録商標)あるいはSorbester(登録商標)のようなソルビタンモノラウラート、モノオレアート、モノパルミタート、モノステアラートなど、トリトンX−200、ポリエチレングリコール、グリセリルモノステアラート、ビタミンE−TPGS(登録商標)(d−α−コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000)、スクロースステアラート、スクロースオレアート、スクロースパルミタート、スクロースラウラート、およびスクロースアセテートブチラートなどのようなスクロース脂肪酸エステル、およびその組み合わせおよび混合物を含むが、これに限定されない。好ましい界面活性剤はビタミンE−TPGS(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、スクロース脂肪酸エステル、レシチンおよびプルロニック群である。
【0122】
好ましくは、処方は約0から10重量パーセントの界面活性剤を含む。好ましい界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とも呼ばれるラウリル硫酸ナトリウム、あるいはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーあるいはその混合物である。好ましくは、SDSあるいはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーがこの処方で使用される場合、それらは2重量パーセント未満、好ましくは1重量%未満の量で存在する。
【0123】
E4135Fの処方と組み合わせた界面活性剤の好ましい使用は、2から8時間、より好ましくは3から4および6から8時間の時間枠のような、カプセルの内容物の律動放出を達成することである。SDSの使用によりこれらの所望の放出特性があるカプセル外被が生産されるようである。プルロニック群のような、他の界面活性剤の使用は放出時間に影響を与え、遅放出/律動のように遅く分離させるかもしれない。
【0124】
ポリマーキャリアーあるいは第二オリゴマー界面修飾剤は、適切に選択された場合、それ自体が吸収増進剤として作用する。本明細書での使用にふさわしい吸収増進剤は、キトサン、レシチン、レクチン、およびステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ビタミンE−TPGS由来のもののようなスクロース脂肪酸エステルおよびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。好ましくは吸収増進剤が約0から20重量パーセントの範囲で存在する。
【0125】
可塑剤は組成物の融解特性を補助するために使用される。本発明で使用される可塑剤の具体例は、トリエチルシトラート(TEC)、トリアセチン、トリブチルシトラート、アセチルトリエチルシトラート(ATEC)、アセチルトリブチルシトラート(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、ビニルピロリドングリコールトリアセタート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコールあるいはひまし油およびそれらの組み合わせあるいは混合物である。ポリマー物質は、いずれの可塑剤が使用に適するかどうかを決定するだろう。例えば、トリアセチンは約5%のレベルでE100あるいは4135Fとの使用には好ましくないが、オイラギットRSまたはRLあるいはPVAとの使用には好ましい可能性がある。好ましくは可塑剤が約0から20重量パーセントの量で、好ましくは約0から5重量パーセントの量で存在する。本発明の重要な態様は上記のような可塑剤を加えることなくオイラギット4135Fの処方の射出成形外被を形成できることである。
【0126】
放出修飾を補助する溶解修飾剤あるいは物質は外被の侵食および/または膨潤特性を変化させる。“エクスプロタブ”(デンプングリコール酸ナトリウム)、“コリドン−CL”(架橋したPVP)、BASFから市販されているコリドンVA64(コポビドン)、デンプン1500などに代表される公知の錠剤分解物質、低いK値(K−15、K−25、しかしK−30からK−90まで)の第一級品質であるISP−プラスドンあるいはBASF−コリドンにより製造される、ポリビニルピロリドン(PVP,USPでポビドンとしても知られている)のような膨潤性薬剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなセルロース誘導体、低分子量溶質、例えばマンニトール、ラクトースおよびデンプンのようなウィッキング剤、塩化ナトリウムのような無機塩(一般的に5から10%で)などの多くのさまざまな分類の薬剤を使用してもよい。
【0127】
コリダンVA64あるいはコポビドンはコポリビドン、コポビドナム、コポビドンあるいはコポビドンとしても知られており、二つのモノマー、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルの比である。
【0128】
さらに具体的には、溶解修飾剤としての使用のための膨潤性固体として知られている薬剤のクラスは、ポリ(エチレン)オキシド、エチルセルロースおよび酢酸フタル酸セルロースのようなセルロース誘導体、Aqualonから入手できる、特に低分子量の、例えばクルーセルEFおよびLF等級のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のヒドロキシアルキルセルロース誘導体を含むが、これに限定されない。好ましくは、溶解修飾賦形剤として使用される膨潤性固体は約5から70重量パーセント、好ましくは約10から50重量パーセントの範囲である。即時あるいは長期溶解速度プロフィールであるかにより、そのように使用される場合、HPCの量は変化するだろう。即時溶解速度のほうがより好まれる場合、HPCは約40から70重量パーセントで存在する。修飾律動放出速度プロフィールが好まれる場合、HPCの量が減少し、好ましくはHPCと組み合わせた追加の溶解修飾賦形剤が使用される。それゆえHPCの量は約5から70重量パーセントで変化するだろう。組み合わせにおいて、おそらくHPCは10から40重量パーセント、好ましくは30重量パーセント未満で存在するだろう。
【0129】
他の好適な溶解修飾賦形剤は、約2.5から15重量パーセントの量で存在する、キシリトールあるいはマンニトールのような非還元糖質のクラスを含むが、これに限定されない。好ましくは約5から20重量パーセントの量で存在する、ラクトースのような水溶性フィルターのクラスも含まれる。
【0130】
好適な溶解修飾賦形剤の別の群はデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムNF(FMCにより生産されるAci−Di−Sol(登録商標))、コポピドンおよびクロスポピドン(架橋されたポリビニルピロリドン)およびそれらの組み合わせあるいは混合物のような錠剤分解物質と一般的に呼ばれる薬剤である。好ましくは、錠剤分解物質のクラスは約10から40重量パーセント、さらに好ましくは約20から30重量パーセントの範囲で存在する。溶解修飾賦形剤の多くのクラスの一つが単独であるいはお互いの混合物としての組み合わせで使用され、約2.5から70重量パーセントの範囲となるということが認識される。そのような組み合わせの一つはクロスカルメロースナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムである。別のものとしてはヒドロキシプロピルセルロースおよびラクトースの組み合わせである。好ましくはヒドロキシプロピルセルロースが10から70重量パーセント、さらに好ましくは40から70重量パーセントの量で、ラクトースが約0から10重量パーセントの範囲で、好ましくは5重量パーセントで使用される。
【0131】
一般に加工剤として分類される、さらなる薬剤はタルクのような増強剤を含む。好ましくは、加工剤が約0から10重量パーセントで存在する。
【0132】
本明細書で使用される適切な成形加工滑沢剤あるいは潤滑剤は、ステアリルアルコール、ステアリン酸、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、マグネシウムステアラート、シリコンジオキシド、非晶質ケイ酸およびヒュームドシリカ、およびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。これは主に組成物の流出促進剤として機能する。好ましい滑沢剤はステアリルアルコールあるいはGMSである。クロダコールS95(Croda Oleochemicals)のような市販の等級のステアリルアルコールが本明細書での使用に好ましい。物質はミリングに適するべきである。好ましくは、処方に存在する滑沢剤の量は約0〜30重量パーセント、好ましくは約10〜25重量パーセント、さらに好ましくは10〜15重量パーセントである。
【0133】
ステアリルアルコールは、成形加工滑沢剤として作用するが、混合物の流れをよくする滑沢剤に起因する成形のゆがみ、つまり熱く柔らかい外被が成形型(mold)から取り出されるときの多投与区画外被のしわを引き起こさないという利点をもつ。滑沢剤/流出促進剤としても使用できる別の代わりとなる物質は、レシチン(天然物)である。好ましくは、本明細書の使用のための滑沢剤は金属イオンによる汚染を起こさない。
【0134】
本発明の好ましい態様はステアリルアルコール、膨潤性固体およびポリマーとの界面活性剤、オイラギット4135Fの組み合わせである。好ましくは一つの界面活性剤が2重量パーセントあるいはそれ以下、より好ましくは1重量パーセントあるいはそれ以下のSDS、5重量パーセントのファーマコート603あるいはHPMC、および10%のエクスプロタブおよび/または10パーセントのAcDiSolのような20重量パーセントの膨潤性固体である。
【0135】
本発明の最終生成物、つまりカプセルあるいは成分あるいはサブユニットは、それらの互いの溶接されやすさを高めるために作られるポリマー物質中の物質をさらに含んでよい。サブユニットは構造特徴をさらに備えていてもよく、および/またはそれらの互いの溶接されやすさを高めるために作られるポリマー物質中の物質、例えばポリマーがレーザーエネルギーを吸収するのを補助する炭素(例えば0.2〜0.5パーセント)、酸化鉄あるいは二酸化チタン(例えば0.5〜1.0パーセント)のような乳白物質を含んでもよい。そのような乳白物質は安全であると一般に認識される。
【0136】
例えば複数のサブユニット、例えばカプセル区画、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせのそれぞれが、同じあるいは異なるポリマーを含んでもよい。例えば複数のサブユニット、例えばカプセル区画、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせのそれぞれが、同じあるいは異なる薬剤物質を含んでもよい。例えば各サブユニットが同じ薬剤物質を含むが、さまざまな速度で、患者への投与後さまざまな時間で、あるいは患者の胃腸系のさまざまな位置で、内容物を患者の胃腸管中に放出してもよい。あるいは、各サブユニットが、それぞれが同じあるいは異なる速度、あるいは投与後の時間、あるいは患者の胃腸系の位置で放出されてもよい異なる薬剤物質を含んでよい。
【0137】
例えば二つあるいはそれ以上のサブユニット、例えば二つのカプセル区画がそれぞれ、二つあるいは三つ以上の薬剤物質あるいは処方の組み合わせが患者に投与されるように、さまざまな薬剤物質、および/またはさまざまな薬剤物質処方、および/またはさまざまな処方の同じ薬剤を含んでよい。
【0138】
本発明の投与形態は特異的投与要求に応える投与形態を提供するための、その薬剤の内容物および/または薬剤内容物の放出特性において異なるサブユニットをともに組み立てるのを可能にする。
【0139】
各サブユニット、およびそれによって組み立て投与形態全体の大きさおよび形状が、そこに含まれる物質の性質および量、および意図された投与態様および受容者により決定されてよい。例えば、経口投与を意図した投与形態は、経口投与を意図した既知のカプセルと同様の形状や大きさであってよい。
【0140】
投与形態は特に、経口投与に適する1または複数の薬剤物質を含む経口投与形態としての提供に適しており、そのような薬剤物質のすべての種類に適するようである。
【0141】
カプセル区画にも含まれる薬剤物質は、あらゆる好適な形態、例えば散剤、顆粒、コンパクト、マイクロカプセル、ゲル、シロップあるいは液体で存在してもよいが、カプセル区画の仕切りの物質が後の三つの形態の液体内容物に対して十分不活性であることを条件とする。区画の内容物、例えば薬剤物質は、調剤ピン(dosating pins)あるいはキャビティ充填(die filling)のような、カプセルを満たすのに慣習的に使用されるような標準的方法により区画中に導入されてよい。
【0142】
サブユニットは薬剤内容物の放出特性において互いに異なってもよく、これはさまざまな方法で達成されてもよい。例えば1または複数の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画が実質的に即時放出である、つまり薬剤内容物を実質的に摂食後あるいは胃に到達後すぐに放出してよい。これは例えば薬剤内容物を実質的にすぐに放出するために溶解するか、崩壊するか、あるいはそうでなければ破れるマトリックスポリマーあるいはカプセル区画の仕切りにより達成され得る。一般的に即時放出サブユニットはカプセル区画であることにより提供されるのが好ましい。
【0143】
例えば1または複数の中実サブユニット、および/またはカプセル区画が持続放出サブユニットであってよい。ポリマーのバルクマトリックスが薄い仕切りのカプセルの薬剤内容物を放出するためによりゆっくりと溶解し、あるいは分散し得るので、これらは中実サブユニットであるのが好ましい。
【0144】
例えば1または複数の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画が、例えば患者の胃腸系の特定の予定された地点で薬剤内容物を放出する、律動放出サブユニットであってよい。これは上記のオイラギット(登録商標)ポリマーのような、規定のpH環境でしか溶解あるいは分散しないポリマー物質の使用により達成される。例えばE100は酸に不安定である。
【0145】
例えば上記のカプセル区画−連結部材−カプセル区画投与形態において、一つのカプセル区画が事実上即時放出であり、その他が持続、遅延あるいは律動放出であってよい。これを達成するために、例えば一つのカプセル区画が、カプセル区画に胃あるいは消化管の上部でその薬剤内容物を放出させるポリマー物質からできていてよく、(第二区画の密閉部材として作用する)連結部材および第二区画自体が、腸環境でのみその薬剤内容物を放出する物質、例えば上記の腸溶性ポリマーからなってよい。
【0146】
サブユニットが胃腸管でその薬剤物質内容物を放出する時間あるいは位置は、例えばサブユニット物質、例えば中実サブユニットマトリックスポリマーあるいはカプセル区画の仕切りの物質の性質により、あるいは密閉部材により閉じられる端の区画の場合は密閉部材物質の性質により、決定される。例えば、異なる、例えば隣接する区画の仕切りは、異なる区画に異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてよい。同様に例えば、異なる、例えば隣接する中実サブユニットのポリマーマトリックス物質は、異なる中実サブユニットに異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてよい。
【0147】
例えばマトリックス、仕切り、あるいは密閉部材の物質は胃で薬剤物質を放出するために胃のpHで溶解あるいは分散するポリマーであってよい。あるいは、異なる区画が異なる放出特性を持つように、異なる区画の仕切りの物質は異なっていてよい。
【0148】
例えば中実サブユニットあるいはカプセル区画が、腸で薬剤物質を放出するために小腸あるいは大腸のpHで溶解あるいは分散する腸溶性ポリマーを含むマトリックスあるいは仕切りあるいは密閉部材をそれぞれ備えていてもよい。そのような適当なポリマーが上記に、例えば米国特許第5,705,189号を参照すると記載されている。
【0149】
追加としてあるいは代わりとして、厚い仕切りが薄い仕切りを有する区画よりゆっくりと崩壊するように、仕切りの物質が区画によって厚さにおいて異なってもよい。
【0150】
追加としてあるいは代わりとして、区画の仕切りあるいは密閉部材は、優先的に溶解する弱い領域あるいは点を有していてもよく、薬剤物質内容物の放出の開始時間および/または速度をそれにより決定してもよい。例えばそのような弱い点は穴、例えば区画の仕切りあるいは密閉部材におけるレーザーにより開いた穴といった小さい穴を含んでもよく、これらの穴は消化管の予定された点で溶解するポリマー物質、例えば腸溶性ポリマー物質のフィルムで閉じられている、および/または覆われている。例えばそのような弱い点はカプセル区画が形成される成形作業中に形成されるカプセル区画の仕切りの薄い部分を含んでもよい。
【0151】
サブユニットは追加としてあるいは代わりとして、薬剤放出特性を修飾する面あるいは他の構造的特徴を有することができる。例えば中実サブユニットに内部腔またはチャネルを設け、表面積を大きくすることができる。例えば中実サブユニットは、中空の円筒形、ドーナツ形、あるいはトロイドの形態とすることができ、その形状は液体媒質中で一次溶解あるいは侵食する傾向にあり、それに対応してそこに分散される薬剤内容物が一次放出される傾向にあることが知られている。
【0152】
本明細書で使用される医薬上許容される薬品、活性薬剤あるいは薬剤は、哺乳類、好ましくはヒトでの使用に薬理学的活性をもつ活性薬剤を含むということを意味している。薬理学的活性は予防であっても、病気の状態の治療のためであってよい。
【0153】
本明細書で使用される際、“活性薬剤”、“薬剤部分”あるいは“薬剤”という用語は互換的に使用される。
【0154】
活性薬剤の水溶解性は米国の薬局方により定義される。それゆえ、そこで定義される「かなり溶ける」、「よく溶ける」、「溶ける」、および「少し溶ける」という基準に合う活性薬剤は本発明に含まれる。
【0155】
適する薬剤物質は、鎮痛剤、抗炎症性剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗生物質(ペニシリン系を含む)、抗凝固剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗てんかん剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗ムスカリン剤、抗結核剤、抗腫瘍剤、免疫抑制剤、抗甲状腺剤、抗ウイルス剤、不安鎮静剤(催眠剤および神経遮断剤)、収斂剤、βアドレナリン受容体遮断剤、血液製剤およびその代用剤、強心剤、コルチコステロイド、咳止め(去痰剤および粘液溶解剤)、診断剤、利尿剤、ドーパミン作用剤(抗パーキンソン病剤)、止血剤、免疫剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経作用剤、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホナート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー剤、刺激剤および食欲抑制剤、交感神経興奮剤、甲状腺剤、PDE IV阻害剤、NK3阻害剤、CSBP/RK/p38阻害剤、抗精神病剤、血管拡張剤およびキサンチン誘導体を含むが、これに限定されない薬剤のさまざまな公知のクラスから選択されうる。
【0156】
好ましい薬剤物質は経口投与および静脈投与用のものを含む。これらの薬剤の分類の記載および各分類中の種類の一覧表は、Martindale,臨時薬局方、第29版、医薬出版、ロンドン、1989年にみることがき、その開示は参考文献として本明細書その全体が含まれる。薬剤物質は市販されており、および/またはその分野で既知の技術により調製されうる。
【0157】
ポリマー混合物は好ましくは既知の医薬上許容されるポリマーから選択されうる。最終射出成形成分の厚さと同様に、これらのポリマーの物理化学的特性は、速溶解、即時放出、遅延放出、持続放出のような修飾放出、調節放出、あるいは拍動放出などの投与形態の設計を指示するだろう。
【0158】
ポリマー混合物は選択された成分が押し出し成形機の供給ホッパーに送られるホットメルト押し出し成形品を生産するよく知られた方法により作られる。好適な周知の装置は本明細書の混合物の押し出し成形品を生産するのにすぐ利用できる。
【0159】
図14に示されているように、ポリマー(オイラギット4135F)および賦形剤組成物の均質な混合物からなるストランド72を生産しているホットメルト押し出し成形機70が示されている。押し出し成形機は二軸スクリュー式の押し出し機である(スクリューの一つ74が示されている)。スクリューはモーター76により駆動される。ポリマーおよび賦形剤組成物はそれぞれホッパー78および80を通して導入される。ホッパーは同時に、および実質的に同じ場所で、金型82から離れた押し出し成形機の端の近くの位置にある押し出し成形機の円筒部の内側にポリマーおよび賦形剤を供給する。実質的に同じ位置でのポリマーおよび賦形剤組成物両方の導入が、押し出し成形されたストランド72の組成物における高度の均質性を確実にし、このことは以前に記載したように、特に薄い仕切りのカプセル区画の場合に重要である。混合部材88は、押し出し成形機の円筒部を通して進められる際に、物質を混合するためのスクリューに沿って間隔をあけて備えられる。
【0160】
ストランド72はベルト90により一組のローラー94および回転式カッター96を含む小粒形成機92に運ばれる。小粒形成機はストランド72を小粒98へと切断し、これは回収されて射出成形型(開示せず)へと運ばれる。
【0161】
ホットメルト押し出し成形機では、ポリマー賦形剤混合物が100、102および104に略図で示されている加熱コイルにより徐々に加熱される。金型は別に加熱されるのが好ましい。ホットメルト押し出し成形機の温度がポリマーおよび賦形剤が導入される位置での比較的低い温度、例えば50度から、約110〜135度の範囲の金型の温度まで徐々に増加するように、加熱コイルおよび金型加熱機が配置されるのが好ましい。最高温度が125度を越えないレベルで維持されるのが好ましいが、ポリ(メト)アクリル酸ポリマー、溶解修飾賦形剤、滑沢剤および任意に加工剤および界面活性剤を含む組成物には135度の温度も許容できる。
【0162】
図15に示されているように、オイラギット4135Fを基礎とするポリマーと実施例1の処方とを比較したレオロジープロットは、加工剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトースおよびステアリルアルコールを加えることにより、所与の剪断速度における粘性度が減少し、その分解温度よりも低い温度で成分を成形できるようにし、何ら分解の問題は生じないことを示している。
【0163】
(速放出/律動カプセルあるいは成分)
多投与カプセルにおける(2〜4時間の間隔のような)速放出/律動カプセルあるいは成分の生産において、ポリマーオイラギット4135F(Rohm)は本明細書に記載されているさまざまな賦形剤を混合することにより、(本明細書で示されているような)薄い仕切りの成分外被へと押し出し成形され得る。実験部分によりわかるように、界面活性剤および膨潤性固体を含む処方は、ゆがみが減ったかあるいはゆがみがない外被の成形型から確実に再現され、射出される、安定した射出成形成分を生産するだろう。
【0164】
10〜70パーセントの範囲でのさまざまな割合でのクルーセルHPCの実験により、溶解時間の変化を説明および、試験した。40〜70パーセントのクルーセルを含む処方が、擬似胃分泌液および擬似腸分泌液の両方と同様の溶解時間(2時間未満)をもつことが見出された。10〜30パーセントのクルーセルを含む処方の溶解時間は長く、さまざまであり、40パーセントのレベルのクルーセルが再現できる放出プロフィールを提供するのに必要であることを示している。
【0165】
(遅い/遅延放出/律動カプセルあるいは成分)
多投与カプセルにおける遅い放出あるいは遅延放出のカプセルあるいは成分の生産において、上記のポリマーオイラギット4135F(Rohm)が好適である。処方されていない状態でのオイラギット4135Fの主要な問題は、水性媒質、例えばSIF(擬似腸分泌液)中での30時間を越える長い溶解時間である。それゆえ、溶解時間を改良するために、ポリマーに1または複数の親水性賦形剤を混合する。これがオイラギット4135Fポリマーによる水の吸収を高め、混合ポリマーが水を吸収して膨張する速度を速めるだろう。本明細書の実験部分に記載されているように、溶解修飾賦形剤、好ましくは膨潤性固体賦形剤および任意に、崩壊剤、滑沢剤、および所望される場合、界面活性剤のような第二の溶解修飾賦形剤が、ゆがみが減ったかあるいはゆがみがない外被が成形型から確実に再現され、射出される、安定した射出成形成分を生産するだろう。
【0166】
好ましい多成分投与形態は、2000年7月27日出願、2001年2月8日WO第01/08666号として公表されたPCT/EP00/07295に開示されており、その内容はその全体を引用により参考文献として本明細書に含まれる。本出願の多成分投与形態は、成分を互いに密着させるのに超音波溶接を使用するのが好ましい。オイラギット4135Fは、溶接部での分離を引き起こす、超音波溶接領域で膨潤によりその内容物を放出するために開くか、あるいは外被の薄い(パネル)部分での侵食を通して放出するであろう。
【0167】
上記のように、親水性賦形剤のような多くの溶解修飾剤が外被の膨潤を補助するために使用されてよく、DowおよびUnion Carbideにより生産されるPEG(ポリエチレングリコール)、例えばPEG4000、6450、8000といった賦形剤が4135Fと組み合わされて可塑剤として作用し、その結果、成形のゆがみが生じてしまうことが判明した。ゲルシア(脂肪酸PEGエステル)が、ゲルシア中のPEGの痕跡のために、同様の問題を引き起こすかもしれない。
【0168】
好ましくは、親水性賦形剤、例えばラクトース、無機塩、HPC、ファーマコート603(ガラス転移温度175度のHPMC)のようなHPMCは押し出し成形温度で溶解しないものである。コポビドンはオイラギットF4135、HPMCおよび他のセルロース誘導体あるいは膨潤性剤との本明細書での使用に好ましい成分であることが見出された。記載されているように、これらの膨潤性固体は分子量による多くの等級、例えばHPCの95Kあるいは80K等級で市販されている。例えばHPCの分子量が変化しても外被を水和する能力は保たれるが、水和速度は遅くなるかもしれない、つまり膨張速度は減少するだろう。それゆえ、外被のより長い溶解時間およびその時間での成分の放出という結果になる可能性がある。10〜70%の範囲のさまざまな割合でのクルーセルHPCの実験により、溶解時間の変化が説明および分析された。40〜70%のクルーセルを含む処方は同様の溶解時間を持つことが判明した。10〜30パーセントのクルーセルを含む処方の溶解時間も同様であると予想される。
【0169】
さらに、ステアリルアルコールのような滑沢剤の含有も好ましい。それは流れを促進することがわかっており、好ましくは10〜20重量パーセント、より好ましくは12〜15重量パーセントで使用される。より薄い仕切りを成形できるように、ステアリルアルコールの割合を増やすことで流動性が増すことも見出された。
【0170】
(介在部材成分)
これは(即時放出および緩慢/持続放出区画のような)カプセルの二つの端の区画を閉じ、結合させる栓状連結部材である。これは緩慢/遅延放出成分と同じポリマー混合物(4135F混合物)から作られうるが、ステアリルアルコールのような適切な滑沢剤が混合され、他の親水性賦形剤は混合されない4135Fからも同様に十分作られうる。介在部材に親水性賦形剤を含まないことにより、緩慢/遅延放出成分および区画の栓状密閉部材として作用する介在部材の、水の妨害による不適合およびそれによる差異的膨潤性のために緩慢/遅延放出成分の開放が改善されるだろう。
【0171】
好ましくは多成分投与形態の一部である緩慢/遅延放出成分あるいはサブユニットを形成するための遅延放出ポリマーの使用は、連結部材の栓と重なる端のキャップ区画の薄い領域が速く膨張し、隣接する介在部材を引き離し、それによりサブユニットの内容物を胃腸分泌液に開放するように、溶接部の破壊によりサブユニットの内容物を放出する方法を提供するだろう。
【0172】
本発明のカプセル区画は本明細書の記載および実施例に従って生産されうる。実施例1は、オイラギット4135Fに使用される押し出し成形および成形パラメーターの一般的な要約を提供する。
【0173】
しかし、一般的に押し出し成形機は適切な温度、およそ110〜135度、好ましくは125度の温度に予熱される。射出成形機は適切な温度、スクリュー/円筒部においてはおよそ120〜140度、ホットチップ/ノズルにおいては140〜190度、好ましくは170度の温度に予熱され、ずっと維持されるべきである。
【実施例】
【0174】
本発明を以下の実施例を参照して説明する。かかる実施例は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。温度はすべて摂氏で与えられ、溶媒は特に断りの無いかぎり、すべて可能な限り純粋なものになっている。
【0175】
実施例1
本明細書に記載されている医薬上許容できるポリマー組成物による多成分医薬投与形態の製造。実施例1はさまざまな多成分カプセルおよび適切なサブユニットを成形するために使用される一般的な方法を記載する。さらなる医薬組成物は以下で示され、記載されている。
【0176】
【表1】
【0177】
均質な散剤混合物を形成するために、適当な配合物:
項目2.ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ファーマコート603)
項目3.ラクトース一水和物
項目4.粉砕したステアリルアルコール
を用いる。
【0178】
小粒供給機および散剤供給機の両方を備え、ストランド冷却装置および小粒形成機を備えた、適当な同時回転の二軸スクリューのホットメルト押し出し成形機をセットアップする。射出成形機において選択された成形型を適合させる。実施例の加工パラメーターは以下の通りである。
【0179】
【表2】
【0180】
押し出し成形機を適切な温度に予熱する。小粒供給機にメタクリル酸、アクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー(オイラギット4135F)をロードし、散剤供給機に混合物をロードする。押し出し成形機のスクリューを回転させ始め、その後二つの供給機を始動させる。冷却装置に沿って押し出されたストランドを小粒形成機に入れて加工し、形成された小粒を回収する。
【0181】
作動条件下で、押し出し成形工程で生じる水/蒸気を強制的に排出するために金型の前の開口部は大気条件に対して開放的であることが判明した。しかし本発明の4135Fの処方は射出成形されるときに過度の湿気の問題はないようである。
【0182】
適切な機械の設定を入力し、射出成形機を予熱する。ホッパーに小粒をロードし、多成分ユニットを成形する。
【0183】
さらなる実施例あるいは本実施例のさらなる態様が同じ加工工程を用いて、しかし以下に示したようにさまざまな処方で調製された。
【0184】
【表3−1】
【表3−2】
【表3−3】
【0185】
上記の実施例1と同様の方法で、さらなる実施例を調製した。それは以下を含む。
【表4−1】
【表4−2】
【表4−3】
【表4−4】
【0186】
pH7.5で100%放出するまでの擬似腸管分泌液での溶解時間が上に例示されている多くの実施例について決定された。この結果は下の表に要約されている。
【0187】
【表5】
【0188】
溶解時間が上記(USP3放出プロフィール)と同様の方法で以下のE4135/界面活性剤処方で実施され、以下の表に要約されている。
【0189】
【表6】
【0190】
このUSP3の結果は、SDSが早い拍動(2.5〜3時間)放出を達成するために4135Fの処方において有用であるということを示す。SDSがなかったら、これらのサンプルはコア連結部材から分離しない(放出は溶接ラインの小さい穴を通して起こると思われる)。SDSをプルロニックのような別の界面活性剤と取り替えると、放出時間が変化する。
【0191】
1%SDS、10%Ac−Di−Sol/10%エクスプロタブを含む4135Fの処方のUSP3溶解プロフィールが、連結部材を外被につなぐ80%の溶接強度を使用してさらに評価された。試験された6サンプルすべてで2.5〜3時間の間に放出が起こり、これらの外被からの放出プロフィールはかなり一定であることが判明した。さらに強い溶接強度により引き起こされる変動性を調べるために100%の溶接強度を使用して再びこれらの処方を調べた。放出プロフィールはさまざまで、放出時間が3〜8時間の間にわたることが確認され、このことより80%の溶接強度が最適条件であることが示された。
【0192】
溶接の特徴や溶解作業での溶接パラメーターの関連性の特徴づけを、4135F20%エクスプロタブ、1%SDS、5%ファーマコート、12%ステアリルアルコールからなるサンプルをさらに調べてることで行った。これらのサンプルをエポキシ樹脂の中に埋め込み、断片に分け、SEMおよび光学顕微鏡検査法を使用して溶接特徴を調べた。これらのデータは溶接の広さが溶接強度にかなり影響を与え、それゆえに溶接特徴で溶解方法を変化させるということを示す。
【0193】
成形されてきたが、溶解特徴を試験されていない上記のさらなる実施例は、以下を含む。
オイラギット4135F62%、ステアリルアルコール(SA)12%、AcDiSol5%、エクスプロタブ5%、HPMC15%、SDS1%
オイラギット4135F42%、SA12%,AcDiSol20%,エクスプロタブ20%、HPMC5%、SDS1%
オイラギット4135F47%,SA12%,エクスプロタブ10%、HPMC30%、SDS1%。
【0194】
実施例30
小粒の製造のための実施例1に記載した方法に従って、用いた以下の物質、組成物の事実上の(平均した)加工パラメーターは、以下の通りである。
【表7】
【表8】
【0195】
pH>6での増進水和反応を含む、より遅い、6〜8時間(遅い律動)の遅延放出外被成分としてのE4135Fポリマーのさらなる処方実施例が以下に示される。この個々の群において、E4135はヒドロキシプロピルセルロースと共に混合される。
【0196】
【表9】
【0197】
E4135Fの処方のための溶解補助として界面活性剤を使用したさらに別の一連の処方が以下の混合物を用いて調製された。
【0198】
【表10】
【0199】
早期放出/律動成分のための処方の再現性(4135F、12%ステアリルアルコール、1%SDS、および10/10/5%AcDiSol/エクスプロタブ/ファーマコート603)を成形実験で評価したところ、サンプルを延長生産作業の最初、最中、最後で得た、上記のものと同様であった。
【0200】
界面活性剤とオイラギット4135Fとの混合物を含む遅延放出/律動(6〜8時間)の処方もAPV19mm押し出し成形機を用いて生産された。以下のポリマー混合物が生産された。
【0201】
【表11】
【0202】
本明細書で引用した特許および特許出願を含むが、これらに限定されるものではないが、すべての刊行物は、十分に記載されており、各々個々の刊行物が具体的かつ個別的に本明細書の一部に含まれているように、引用により本明細書にその内容が含まれる。
【0203】
上記の記述はその好適な態様を含む本発明を十分に開示している。ここで開示されてい態様の修正および改良は以下の請求の範囲の枠内である。当業者であれば、さらに推敲しなくても、上記の記述を用いて最大限に本発明を利用できるだろう。それゆえここであげた実施例は、決して本発明の範囲を制限するわけではなく、単なる例示として解釈されねばならない。独占的な権利や特権が請求されている本発明の態様は、上記で限定されている通りである。
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬上許容されるポリマー混合物を用いた射出成形単成分あるいは多成分投与形態の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類の医薬投与形態が経口投薬用として知られている。医薬カプセルはよく知られたものであり、一般に経口投薬用である。そのようなカプセルは一般に医薬上許容される、例えば経口摂取できるゼラチンのようなポリマー物質を封入する仕切りを含むが、カプセルの仕切りとして他の物質、例えばデンプンやセルロースに基くポリマーも知られている。そのようなカプセルは一般にカプセル形成器上でフィルムを作り、その後乾燥させて作る柔らかい仕切りを有する。射出成形により作られる硬い仕切りのカプセルも知られており、例えば米国特許第4,576,284号、米国特許第4,591,475号、米国特許第4,655,840号、米国特許第4,738,724号、米国特許第4,738,817号、および米国特許第4,790,881号(すべてWarner Lambert)を参照されたい。これらはゼラチン、デンプン、および他のポリマーから作られるカプセルの具体的な構造および親水性ポリマー−水混合物の射出成形によるこれらの生産方法を開示する。米国特許第4,576,284号はカプセルを閉じるキャップであって、中が詰まったカプセル上にその場で成形(molding)により形成されるキャップを備えたカプセルを具体的に開示する。米国特許第4,738,724号は広範囲の硬いカプセルの形状および部材を開示する。
【0003】
各区画がさまざまな薬剤放出特性をもつか、あるいは例えばさまざまな薬剤物質または処方を含む種類のものを含めて、多区画カプセルは例えばとりわけ米国特許第4,738,724号(Warner−Lambert)、米国特許第5,672,359号(ケンタッキー大学)、米国特許第5,443,461号(Alza Corp)、国際公開第95/16438号(Cortecs Ltd)、国際公開第90/12567号(Helminthology Inst)、ドイツ国特許出願公開第3727894号およびベルギー国特許第900950号(Warner−Lambert)、フランス国特許第2524311号、およびオランダ国特許第7610038号(Tapanhony NV)、フランス国特許第1,454,013号(Pluripharm)、米国特許第3,228,789号(Glassman)および米国特許第3,186,910号(Glassman)においても知られている。米国特許第4,738,817号は水可塑性ゼラチンから作られた、米国特許第3,228,789号および米国特許第3,186,910号のものと同様の構造の区画カプセルを開示する。米国特許第4,738,817号(’817)Witterら、米国特許第4,790,881号(’881)Wittwerら、および欧州特許第0092908号、Wittwer、Fはすべて、ゼラチンおよび他の賦形剤で調製された射出成形カプセルを開示する。Wittwerら’817および’881もフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリエチレングリコール、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、およびポリビニルピロリドンのような他の親水性ポリマーでカプセルを調製する。米国特許第4,790,881号および欧州特許第0091908号の両方は、立証されておらず明確な詳細も提供されていないが、一般にアクリレートおよびメタクリレート(オイラギット(Eudragits))を含む、使用に適する腸溶特性を有する他のポリマーを提案する。
【0004】
中実ポリマーマトリックスを含み、薬剤物質が分散し、組み込まれ、あるいは固溶体として溶解した医薬投与形態も知られている。そのようなマトリックスは射出成形方法により形成されてもよい。こうした技術はCuff GおよびRaouf F、Pharmaceutical Technology、June(1998)ページ96から106に論じられている。そのような投与形態のいくつかの具体的な製剤が、特に米国特許第4,678,516号、米国特許第4,806,337号、米国特許第4,764,378号、米国特許第5,004,601号、米国特許第5,135,752号、米国特許第5,244,668号、米国特許第5,139,790号、米国特許第5,082,655号、米国特許第5,552,159号、米国特許第5,939,099号、米国特許第5,741,519号、米国特許第4,801,460号、米国特許第6,063,821号、国際公開第99/27909号、カナダ国特許第2,227,272号、カナダ国特許第2,188,185号、カナダ国特許第2,211,671号、カナダ国特許第2,311,308号、カナダ国特許第2,298,659号、カナダ国特許第2,264,287号、カナダ国特許第2,253,695号、カナダ国特許第2,253,700号およびカナダ国特許第2,257,547号に開示されている。
【0005】
米国特許第5,705,189号には、薬剤コーティングおよびカプセルの生産における熱可塑剤としての使用のためのメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルのコポリマーの群が示されている。射出成形方法により生じる反りやゆがみに関するカプセル形成の性質についての情報は提示されていない。そこで提供される乳濁液の粘性度/温度値についての剪断速度のデータもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,576,284号明細書
【特許文献2】米国特許第4,591,475号明細書
【特許文献3】米国特許第4,655,840号明細書
【特許文献4】米国特許第4,738,724号明細書
【特許文献5】米国特許第4,738,817号明細書
【特許文献6】米国特許第4,790,881号明細書
【特許文献7】米国特許第5,672,359号明細書
【特許文献8】米国特許第5,443,461号明細書
【特許文献9】国際公開第95/16438号パンフレット
【特許文献10】国際公開第90/12567号パンフレット
【特許文献11】ドイツ国特許出願公開第3727894号明細書
【特許文献12】ベルギー国特許第900950号明細書
【特許文献13】フランス国特許第2524311号明細書
【特許文献14】オランダ国特許第7610038号明細書
【特許文献15】フランス国特許第1,454,013号明細書
【特許文献16】米国特許第3,228,789号明細書
【特許文献17】米国特許第3,186,910号明細書
【特許文献18】欧州特許第0092908号明細書
【特許文献19】欧州特許第0091908号明細書
【特許文献20】米国特許第4,678,516号明細書
【特許文献21】米国特許第4,806,337号明細書
【特許文献22】米国特許第4,764,378号明細書
【特許文献23】米国特許第5,004,601号明細書
【特許文献24】米国特許第5,135,752号明細書
【特許文献25】米国特許第5,244,668号明細書
【特許文献26】米国特許第5,139,790号明細書
【特許文献27】米国特許第5,082,655号明細書
【特許文献28】米国特許第5,552,159号明細書
【特許文献29】米国特許第5,939,099号明細書
【特許文献30】米国特許第5,741,519号明細書
【特許文献31】米国特許第4,801,460号明細書
【特許文献32】米国特許第6,063,821号明細書
【特許文献33】国際公開第99/27909号パンフレット
【特許文献34】カナダ国特許第2,227,272号明細書
【特許文献35】カナダ国特許第2,188,185号明細書
【特許文献36】カナダ国特許第2,211,671号明細書
【特許文献37】カナダ国特許第2,311,308号明細書
【特許文献38】カナダ国特許第2,298,659号明細書
【特許文献39】カナダ国特許第2,264,287号明細書
【特許文献40】カナダ国特許第2,253,695号明細書
【特許文献41】カナダ国特許第2,253,700号明細書
【特許文献42】カナダ国特許第2,257,547号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Cuff GおよびRaouf F、Pharmaceutical Technology、June(1998)ページ96から106
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
医薬上許容されるポリマー混合物がホットメルトにより押し出し成形されるか、あるいはカプセルのような、多区画であってもよい好適な投与形態に射出成形される医薬投与形態を調製することも望ましい。速溶解、即時、遅延、拍動あるいは修飾放出を含んでもよい、各部分で成形される適切なポリマーを単に選択するだけで生産できる、好都合な投与形態が選択されうるように、投与形態としての本医薬ポリマー組成物は、活性薬剤を含む各セグメントのさまざまな生理化学的特徴を提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、本出願の特許請求の範囲や明細書で定義されている医薬組成物、射出成形カプセル外被、連結部材、介在部材、多成分射出成形カプセル外被、連結部材、介在部材、多成分医薬投与形態、および他の態様を提供する。
【0010】
とりわけ患者の特異的投与要求に適合する投与形態のさらなる柔軟性および製造の容易さを提供する、既存のものの代わりとなり、改良された医薬投与形態を提供することが本発明の目的である。
【0011】
本発明の別の目的は、射出成形による医薬上許容されるポリマー混合物を含む多成分投与形態の生産方法を提供することである。これらの多成分投与形態は、それにより放出される1または複数の医薬上許容される活性薬剤を含むのに適する。
【0012】
本発明ではまた、カプセルあるいは多成分投与形態の射出成形のために使用される医薬上許容されるポリマーおよび好適な賦形剤の新しい処方および組成物も示される。
【0013】
本発明の別の態様として、医薬上許容されるポリマー処方/組成物から作られ、仕切りにより境界が設けられた、所望により薬剤物質を含有してもよいカプセル区画を含む、固体投与形態が示される。
【0014】
本発明によれば、組成物でできた外被、連結部材、あるいは介在部材を少なくとも一つ有する多成分射出成形カプセル外被であって、好ましくはオイラギット4135Fを含む、さらに好ましくはその成分が互いに溶接されているカプセル外被が提供される。
【0015】
より具体的には、本発明の好ましい態様は、複数のサブユニットを含み、各サブユニットが、カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である薬剤物質含有カプセル区画であるか、あるいはポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために、患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、ポリマーおよび薬剤物質を含む中実マトリックスである、多成分医薬投与形態である。少なくとも患者に投与する前にサブユニットは組み立てられた投与形態で互いに溶接される。
【0016】
中実マトリックスがサブユニットの一つとして使用される場合、それは約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含むのが好ましい。中実マトリックスは約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤、約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤および約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤も含むのが好ましい。
【0017】
代わりとなる好ましい態様において、医薬投与形態はそれぞれが薬剤物質含有カプセル区画である複数のサブユニットを含む。この場合、各区画が、好ましくは医薬上許容されるポリマー物質から作られる仕切りによって少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離される。好ましい態様において、仕切りは、約50から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含む。中実マトリックスの場合、好ましくは仕切りは、約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤、約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤および約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤を含む。
【0018】
サブユニットの少なくとも一つが薬剤物質含有カプセル区画である場合、その仕切りの厚さは約0.3から0.8ミリメートルの範囲であるのが好ましい。
【0019】
本発明の多成分投与形態は異なる放出特性を有する異なる投与形態の様々な組み合わせから構成されうるという点で高度な可変性を与える。例えばサブユニットの少なくとも一つは実質的に即時放出サブユニット、持続放出サブユニットあるいは律動放出サブユニットとなりうる。
【0020】
本発明の好ましい態様により与えられる別の利点は成分の互換性である。したがって、それぞれが複数のサブユニットを含む一連の多成分投与形態が提供され得る。各サブユニットは、カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である薬剤物質含有カプセル区画であってもよく、あるいはポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、ポリマーおよび薬剤物質を含む中実マトリックスであってもよい。一連の投与形態の少なくとも一つは、少なくとも一つのそのような薬剤物質含有カプセル区画を含み、一連の他の投与形態の他の少なくとも一つは少なくとも一つのそのような中実マトリックスを含み、そして、ある投与形態の薬剤物質含有カプセル区画が他の投与形態の中実マトリックスと互換性がある。このように、製造方法において、選択された成分がさまざまな組み合わせで互いに溶接されて、患者への投与用の組み立て投与形態が提供される。
【0021】
本発明の別の重要な利点はカプセル区画の成分が射出成形で調製される方法であることである。特にポリアクリル(ポリメタクリル)酸コポリマーおよび溶解修飾剤、滑沢剤、放出剤および増強剤のような賦形剤を含む射出成形された薄い仕切りのカプセル区画の場合、カプセル区画を形成する物質は均質であることが重要である。ポリマーおよび賦形剤の分解を避けるために、物質を十分な低温で加工することも重要である。本発明によると、コポリマーと賦形剤組成物を同時に、実質的に同じ位置で細長いホットメルト押し出し成形機中に導入することで高度の均質性が達成される。ポリマーと賦形剤組成物をホットメルト押し出し成形機中で混合し、そこで均質な組成物が形成され、組成物をストランドの形態でポリマーおよび賦形剤組成物が導入された位置から離れた位置で金型を通してホットメルト押し出し成形機から押し出す。ストランドを切断して小粒にし、小粒を薄い仕切りのカプセル区画を形成する射出成形機に導入する。医薬投与形態は成分としてカプセル区画を使用して組み立てられる。
【0022】
ポリマーおよび賦形剤組成物の分解を避けるために、ホットメルト押し出し成形機を、およそ135度を越えない温度、好ましくはおよそ125度を越えない温度に維持するべきである。好ましい態様において、ポリマーおよび賦形剤組成物が導入される位置から金型まで、ホットメルト押し出し成形機の長さに沿って、最高温度がおよそ135度を越えないように温度を徐々に増加させる。
【0023】
薄い仕切りのカプセル区画の射出成形工程は射出成形機の円筒部を約120から140度の範囲の温度で維持し、射出成形機のノズルを約140から190度の範囲の温度に維持しながら行うのが好ましい。ノズルの温度は約165から170度であるのが好ましい。
【0024】
薄い仕切りのカプセル区画は、特にカプセルの速溶解が望まれる場合に利点がある。しかし、慣用的なカプセル外被の仕切りの厚さは、適切な強度を達成し、カプセル外被が破損あるいは変形することなく形成され、処理されるように一般的に一様であり、約0.3から0.5ミリメートルの範囲にある。
【0025】
本発明の別の態様によると、好ましい成形医薬カプセル成分は、略円錐台の側面仕切り、側面仕切りの一方の端に位置して連結しているドーム形の端部仕切り、および側面仕切りの反対側の端に配置された環状縁部分により定められ、側面仕切り、ドーム、および環状縁部分はともに、内部および外部を備えた中空の容器を形成し、そして、ドーム形の端部仕切りの反対側が開口端となっている。側面仕切りは、それぞれが約0.2から0.3ミリメートルの範囲の厚さがある複数のパネル、およびパネルと一体化して成形された増強用リブから構成され、各パネルは一対の増強用リブの間に位置する。
【0026】
増強用リブは中空の容器の外部に形成され、中央に頂点を配置したドーム型端壁の少なくとも一部にまで及んでおり、頂点に達するにしたがって厚みが徐々に薄くなっているのが好ましい。好ましい具体例においては、環状縁部分はパネルを越えて径方向外側に伸び、テーパーが付された円錐台の外面を構成する。増強用リブはその環状縁部分のテーパーが付された円錐台表面と合致して結合する末端を有する。縁部分と合致するその末端でのリブの厚さは、環状縁部分がパネルを越えて外方向に伸びる距離と実質的に等しく、それによりリブが縁部分と円滑にまとまる。
【0027】
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかであるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1はオイラギット4135Fを75%、エクスプロタブを20%、ステアリルアルコールを5%含む、射出成形要素を示す。
【図2】図2はオイラギット4135Fを73%、ファーマコート603を10%、ラクトースを5%、ステアリルアルコールを12%含む、射出成形要素を示す。
【図3】図3はオイラギット4135Fを75%、エクスプロタブを20%、ステアリルアルコールを5%のポリマー組成物の分解プロフィールを示しており、外被はオイラギット4135F連結部材に結合しており、使用された分解媒質はpH7.5の擬似腸管分泌液(SIF)である。
【図4】図4はオイラギット4135Fを73%、ファーマコート603を10%、ラクトースを5%、ステアリルアルコールを12%のポリマー組成物の分解プロフィールを示しており、外被は4135F12%ステアリルアルコール連結部材に結合しており、使用された分解媒質はpH7.5の擬似腸管分泌液である。
【図5】図5はオイラギットE100を75%、ポリOxN−80WSRを20%、ステアリルアルコールを5%のポリマー組成物の分解プロフィールを示しており、オイラギット4135F連結部材に結合しており、使用された溶解媒質はpH1.2の擬似腸管分泌液である。
【図6】図6は組み立てられた本発明の投与形態の縦断面図である。
【図7】図7は部分的に組み立てられた本発明の別の投与形態の縦断面図である。
【図8A】図8Aは本発明の別の投与形態の縦分解断面図である。
【図8B】図8Bは図8Aの投与形態における使用のために代わりとなるサブユニットの縦断面図である。
【図9】図9は組み立てられた本発明の投与形態の縦断面図である。
【図10】図10は組み立てられた本発明の別の投与形態の縦断面図である。
【図11A】図11Aは部分的に組み立てられた状態での本発明のさらに別の投与形態の縦断面図である。
【図11B】図11Bは図11AのB−B面で切った横断面である。
【図11C】図11Cは図11Aの投与形態の一部の拡大分解図である。
【図12】図12は図11Aの投与形態の組み立て順序である。
【図13】図13は本発明による射出成形したパネル付外被の正面図である。
【図14】図14はホットメルト押し出し成形機および射出成形用小粒を製造するための小粒形成装置を説明するための概略図である。
【図15】図15はオイラギット4135に基づくポリマーと実施例1の混合ポリマー処方とを比較したレオロジープロットである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、医薬上許容されるポリマーおよび賦形剤の新規な組成物に関し、該ポリマー組成物は、例えば、積み重ねあるいは多成分投与形態においてともに利用され得る1または複数の成分へと射出成形されたものであってよい。ポリマー混合物が射出成形されて経口投与のための活性薬剤も含んでよい単一成分になりうるということが認識される。
【0030】
最終投与形態としての医薬上許容されるポリマー混合物は持続および/または拍動放出特性のような速溶解、即時、遅延あるいは修飾溶解を提供するように設計され得る。
【0031】
医薬上許容されるポリマー混合物の多成分投与形態中に医薬上許容される薬剤を含む最終投与形態を提供することが本発明の一つの目的である。
【0032】
本発明の投与形態の部材、例えばカプセル区画の仕切り、中実サブユニットまたは密閉部材あるいは連結部材は、例えば経口摂取で安全と一般的に認められており、上記のカプセル区画の仕切り、中実サブユニット、または密閉部材あるいは連結部材の所望の形に形成されうる医薬上許容されるポリマー混合物(および接着結合が形成される場合、接着物質)を含んでもよい。ポリマー物質を所望の形に形成するための好ましい方法は射出成形であり、熱いあるいは冷たいランナー射出成形方法でよい。そのような方法に適した射出成形機は知られている。
【0033】
医薬投与形態は、その各々に境界が付され、医薬上許容されるポリマー物質から作られる仕切りにより少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離されている複数のカプセル区画を含んでもよく、隣接する区画は組み立てられた投与形態において互いに結合しており、少なくとも患者に投与する以前に結合によって互いに保持されており、1または複数の区画が薬剤物質を含んでいる。この第1の態様の組み立て投与形態において、好ましくは、少なくとも二つ、例えば三つのカプセル区画がある。例えば直線方向において向かい合う両端の二末端区画および1または複数の中間の区画を含むという配置で、三つあるいはそれ以上の区画が組み立て投与形態において直線的に配置されてもよい。好ましくはそのような2つのカプセル区画が存在する。好ましくはそのような二つのカプセル区画の一方が、すなわち例えば区画が腸に到達したときにカプセル区画の仕切りが溶解、破裂、あるいはそうでなければある時間経過した後その内容物を放出するために破れるように、持続放出成分である物質から作られているとよい。好ましくはそのような二つのカプセル区画の他方が、すなわち例えば区画が口や胃にあるときにカプセル区画の仕切りが溶解、破裂、あるいはそうでなければ即時にまたは有効な程度に即時にその内容物を放出するために破れるように、即時放出成分である物質から作られているとよい。
【0034】
カプセル区画の1または複数、例えばすべてが、例えば実質的に円筒形であるとよいが、この用語は円形、楕円形あるいは縦軸を横切った扁円横断面を有する形、および平行あるいは先細、例えば少なくともその範囲の一部にわたって円錐形に先細になる側面仕切りを有する形を含む。組み立てられた投与形態が全体的に実質的に円筒形となるように、そのような実質的に円筒形のカプセル区画は、縦方向の一端または両端に結合されうる部分を備えていてもよい。
【0035】
本発明の多成分投与形態の好ましい形態は二つのカプセル区画を含む。
【0036】
本発明は個々のサブユニット、例えば組み立てられた投与形態における使用に適する個々のカプセル区画あるいは中実サブユニットも提供する。
【0037】
組み立て投与形態において、投与形態の二つの隣接する部分、例えばサブユニットが接触する領域において溶接手段、例えば熱溶接、超音波あるいは誘導溶接、あるいは接着溶接(例えばUV硬化接着剤のような硬化接着剤)によって隣接するカプセル区画が互いに結合してもよい。熱溶接は例えばサブユニットを隣接するサブユニットと接触させ、二つの隣接するサブユニットが接触する領域に例えばレーザービームあるいは熱風、例えば窒素の細かいジェット流を向けることにより生じる局所的加熱を行うことで達成することができる。熱、誘導および超音波溶接では、通常、接触している投与形態の隣接部分の物質の互いの局所的融合が起こり、つづいて起こる物質の凝固において隣接部分の間で結合が形成される。接着溶接は、投与形態が組み立てられるときに接触する投与形態の部分に接着剤(例えばUV硬化接着剤のような硬化接着剤)を塗り、接着剤を固めることで達成される。
【0038】
本発明の多成分投与形態は特に超音波溶接を使用する製造に適する。超音波溶接は物質の接合が要求される部位で熱可塑性物質を柔らかく、あるいは、融解させるために高周波の音エネルギーの使用を伴う既知の技術である。超音波溶接の一般的な記載は、例えば“Ultrasonic Welding of Thermoplastics”(TWI Ltd.,Abington,Cambridgeshire GB(1997))のような出版物中に見られる。接合させるべき部分を加圧状態に持続し、通常20から40kHzの周波数の超音波振動に供する。接合部での熱の発生の原因となる実際の機構は十分には理解されていない。超音波溶接機は電源装置、制御システム、溶接ヘッド、部材を溶接するために支持しておく固定具、そして要求される圧力を加えるシステムの5つの主要成分を含む。電源装置は電気を、例えば主電源からの電気エネルギーを機械的、つまり超音波エネルギーに変換する変換機、例えば圧電性変換機を駆動する高周波電気に変換する。変換機と溶接部分との間にはブースターおよびホーンシステムが位置し、これは、超音波を増幅し(ブースターホーン)、固定圧を伝え、音エネルギーを溶接される部分に運ぶ(ソノトロードあるいは溶接ホーン)のに供する、通常は金属製の部品である。超音波溶接を成功させるためには、溶接される部分の設計と溶接装置のセットアップを注意深く行うことが重要である。
【0039】
好ましくは、さらにまたは代わりとして、サブユニットの第一結合可能部分が投与形態の隣接部分、例えば適当な配置、例えば上記の直線状配置において隣接するサブユニット、の第二の結合可能部分と結合するように、隣接するサブユニットは、それぞれ相互結合可能な第一および第二結合可能部分を備えていてもよい。この相互結合は溶接により達成される結合度に貢献している可能性があり、またはさらにまたは代わりとして、溶接が形成される以前におよび準備として投与形態の隣接部分を互いに保持するのを補助してもよく、例えば保持摩擦、スナップ、スクリュー、あるいは他の種類の結合可能部分の間のかみ合いを介して隣接するサブユニットを互いに保持するのに貢献する。結合可能部分は好ましい配置のサブユニットを互いに組み立てるのを促進するためのものでよく、例えば1または複数のサブユニットの結合可能部分は他のサブユニットの適合しない結合可能部分には結合せず、他の選択されたサブユニットの適合する結合可能部分には結合するものであってもよい。あるいは、サブユニットが広範囲の組み合わせで互いに結合されるように、サブユニットの結合可能部分が共通で、互換性があってもよい。このことはとりわけ、異なるカプセル区画あるいは中実サブユニットが中実サブユニットまたは中実サブユニットとカプセル区画のさまざまな組み合わせで互いに結合するように、他の点では異なるカプセル区画あるいは中実サブユニットが相互に結合可能部分をもってもよいということを意味する。
【0040】
例えば一つの具体例として、第一および第二結合可能部分をそれぞれ連結部分とすればよい。例えば第一あるいは第二の部分が受容部分であり、対応する第二あるいは第一結合可能部分が、保持摩擦、スナップ、スクリューあるいは他の種類の連結するかみ合いで受容部に適合する、対応する栓状部分とすればよい。例えばこれらの栓および受容部分が共通である場合、あらゆる中実サブユニットあるいはカプセル区画のあらゆる栓状部分も別の中実サブユニットあるいはカプセル区画のあらゆる受容部分と相互結合し得る。
【0041】
例えば摩擦適合において、栓および受容部分の自然弾力および接触摩擦に反して栓状部分を受容部に入れるために力が加えられる必要があり、それらを引き離すために同様の力が加えられる必要があるために、栓状部分が受容部より少し大きくてもよい。例えばスナップ適合において、栓および受容部分は、部材が部材の自然弾力に反して互いに押し付けられるように互いに連結する、隆起および溝のような凹部および対応する凸部をそれぞれ備えていてもよい。そのような隆起および溝は、例えば結合可能な栓および受容部分の周囲に位置する、協同的周囲あるいは部分的に周囲にあるビーズおよび溝を含んでもよい。
【0042】
上記の第一および第二結合可能部分はさまざまな方法でサブユニットを互いに組み立てるのに役立つ。
【0043】
例えば三つあるいはそれ以上、例えば四つのサブユニットが直線状に配置した本発明の投与形態では、中間サブユニットは、隣接する中間サブユニットの1または複数の結合可能部分に結合する、1または複数の結合可能部分、例えば各端において一つの結合可能部分を備えていてもよい。端のサブユニットは、隣接する中間サブユニットの結合可能部分および/または別の端のサブユニットの1または複数の結合可能部分と結合する、1または複数の結合可能部分を備えていてもよい。これにより、二つの端のサブユニットが二つのサブユニットを含む投与形態で互いに結合してもよく、あるいは、2つの端のサブユニットは1または複数の中間のサブユニットと結合してもよい。サブユニットの共通の第一および第二結合可能部分を使用することにより、さまざまな端および中間のサブユニットが組み立てられた投与形態のさまざまな組み合わせで互いに結合するように作られ得る。
【0044】
カプセル区画である1または複数のサブユニットは例えば実質的に桶の形状、つまり基部仕切りで閉じられた基部、および基部仕切りから延びた(本明細書では「上に向かう方向」と称する)側面仕切りおよび上部の開口部を有する形状であってよい。そのような構造であるため、隣接するカプセル区画の開口部を閉じるために、および第一区画の基部仕切りが物理的に区画を分離するように、カプセル区画は隣接する第二カプセル区画の開口部に適合する第一区画の基部により互いに結合することができる。そのような構造において第一区画の基部は栓が結合可能な部分を含み、第二区画の開口部は受容部が結合可能な部分を含む。
【0045】
例えば投与形態はカプセル区画の隣接する対の間に位置する1または複数の連結部材のユニットを含んでもよく、好ましくは投与形態の少なくとも一つの溶接部がカプセル区画とそのような連結ユニットの間にあってよい。そのような連結ユニットは例えば隣接するカプセル区画の上記の第一および/または第二の結合可能部分に結合できる結合可能部分を有していてもよい。好ましくは投与形態のカプセル区画の直線方向の組み立てを促進するために、連結部材のユニットが直線方向で向かい合う面の方向に結合可能部分をもってもよい。好ましくは、そのような連結ユニットはカプセル区画の開口部の密閉部材を有していてもよい。例えば、カプセル区画をその開口部で栓またはキャップ手段で結合し、隣接するサブユニット、例えば別のカプセル区画への結合を可能にする結合可能部分を有する。カプセル区画が持続放出成分から作られる場合、好ましくは区画および密閉部材の完全なカプセル区画エンベロープが持続放出エンベロープとなるように、そのような連結部材/密閉部材も持続放出成分から作られる。
【0046】
特定の形態では、連結部材がカプセル区画の開口部と結合する一つあるいは二つの結合可能部分をもってもよい。例えばそのような連結部材が、向かい合う栓状部分であり、カプセル−連結部材−カプセルの組み立てを形成するために二つの向かい合うカプセル区画の開口部に栓および受容部で結合できる二つの結合可能部分をもってもよい。好ましくは溶接部、例えば超音波溶接部がカプセル区画の両方とそれらの間の連結部材の間にそのような投与形態において形成されてもよい。
【0047】
例えば連結部材はカプセル区画の開口部の密閉部材を含んでもよく、密閉部材の第一あるいは第二部分が隣接するカプセル区画の第二あるいは第一部分と適切な配置でそれぞれ結合するように、この連結部材が1または複数の第一および/または第二の結合可能部分を有していてもよい。
【0048】
例えばある形態ではそのような連結部材/密閉部材が向かい合うカプセル区画の開口部と結合できる二つの向かい合う栓状結合可能部分を備えていてもよい。その結果そのような密閉部材はカプセル区画−連結部材−カプセル区画の直線状配置で、開口部が向かい合う二つのカプセル区画の間の連結部材として作用してもよい。例えばこの配置が末端区画−連結部材―末端区画の配置であってもよい。
【0049】
そのような連結部材が本発明の投与形態として使用される別の方法は明らかであろう。例えば中間のカプセル区画が二つの向かい合う開口端のある略円筒形の形態であってもよく、二つの連結部材がそれぞれ別のサブユニットへの結合に利用できる他の結合可能部分を残したまま、それぞれ円筒の開口端のある各結合部分の一つを介して結合してもよい。
【0050】
好ましくは連結部材の結合可能部分の少なくとも一つあるいは両方が、カプセル区画の開口端に栓−および−受容部様式で適合する栓状部分である。それゆえそのような栓状部分は一般的に円筒形であり、開口端に隣接するカプセル区画の開口端の内側の形状にかなり一致する。
【0051】
好ましくは、連結部材は、向かい合う栓状結合部分、連結部材の縦方向に略垂直に延びる栓状部分の対向する端面を備えた固体の仕切り部分の形態である。好ましくは、各栓状部分がカプセル区画の開口端へのちょうどよい摩擦適合である。好ましくは栓状部分がカプセルの開口部に適当な範囲で延長する場合、カプセル区画の開口端の縁に接合することにより各栓状部分がカプセル区画の開口端に延びることができる範囲を決定し限定するために、各栓状部分が接合面を備える。
【0052】
好ましい構造において、連結部材が略円筒形の固体を含み、その向かい合う端が栓状部分で、二つの向かい合う接合面が円筒形の本体の周囲に形成される水平の出っ張りの面であり、長さの方向に垂直な平面に略平行である。そのような水平の出っ張りは一般に輪の形状をしており、その平面はカプセルの縦方向に垂直である。
【0053】
そのような連結部材を有する、組み立て投与形態は、向かい合う関係の開口端、連結部材の向かい合う各栓状部分が栓および受容部様式でカプセル区画の開口端に適合するそれらの間の連結部材、栓状部分および/または連結部材の接合面の間で形成される超音波溶接部および開口端の近く、例えば開口端の縁にある区画の仕切りとともに、それぞれ一つの開口端と一つの閉口端とをもつ円筒形(例えば上記の桶やバケツの形状)の二つのカプセル区画を含んでよい。
【0054】
多区画カプセルの組み立ての好ましい構造は持続放出成分から作られるカプセル区画、即時放出成分から作られるカプセル区画および持続放出成分から作られるそれらの間の連結部材を含む。そのような構造では即時放出区画は、例えば腸でその成分を放出する持続放出エンベロープとしての区画および密閉部材のエンベロープを残したまま、破れ、その成分を放出してもよい。
【0055】
射出成形方法では、流状ポリマーは成形ブロックの正確に作られた金型の溝に圧力下で注入される。射出成形方法は、気密摩擦適合あるいはスナップ適合の連結により結合を達成するために、および溶接部を促進するために隣接する部分間で適切な接触を維持するために必要な精度を有するサブユニットを作ることができる。射出成形の適切な技術は小さいプラスチック成分、例えばLEGO(登録商標)のおもちゃの小さい部材の製造分野から知られている。Cuff.GおよびRaouf.F前掲、に記載されているような方法を射出成形によりそのような中実サブユニットおよびカプセル区画を製造するのに使用してもよい。
【0056】
したがって本発明は、投与形態の中実サブユニットおよびカプセル区画を含むサブユニットが医薬上許容できるポリマー混合物のそれぞれの成形溝で作られる成形方法、例えば射出成形あるいは粉末圧縮方法も提供する。
【0057】
上記の多成分投与形態の詳細を図6から11を参照して記載する。
【0058】
図6は、直線方向の反対の端に二つの端の区画12および14、および一つの中間の中実サブユニット13を含む順序で、組み立て投与形態において直線方向に配置された三つのサブユニット12,13,14を含む投与形態11を示す。区画12および14および中実サブユニット13は実質的に円筒形である。区画12および14は実質的に桶の形状である、つまりそれぞれが基部仕切り12A、14Aにより閉じた基部をもち、それぞれが基部仕切り12A、14Aから上方に延びる側面仕切り12B、14Bおよび上部の開口部をもつ。区画12および14のそれぞれは射出成形によりポリビニルアルコールポリマーから作られる。
【0059】
中実サブユニット13も実質的に円筒形であり、区画12あるいは14のいずれかの開口部にかみ合い、それにより閉じることのできる栓の形状に形成される基部端13Aをもつ。図6に示されるように、中実サブユニット13の基部端13Aは区画14の開口部に適合し、かみ合っている。中実サブユニット13の上部端はカプセル区画12あるいは14の基部12Aあるいは14Aの形状にかみ合うことのできる受容部連結器として形成される上部端13Bをもつ。図6に示されるように中実サブユニット13の上部端13Bの受容部は区画12の基部にかみ合う。
【0060】
区画12,14および中実サブユニット13は、区画12の基部12Aを、隣接する中実サブユニット13の上部受容部13Bに適合させ、開口部を閉じるために中実サブユニット13の、基部13Aを隣接する区画14の開口部に適合させることで互いに結合する。サブユニット12,13,14のこの組み立てでは、上部のサブユニット12,13の基部部分は栓状部分を含み、下部のサブユニットそれぞれ13、14の開口部あるいは上部受容部は、受容部を含む。
【0061】
区画14は端の区画であり、中実サブユニット13の基部端13Aにより閉じられる開口部をもつ。他の上部端の区画12は密閉部材15により閉じられ、これは区画12の開口部に適合するような大きさの栓状部分16をもつ。
【0062】
栓状部分16および基部部分12Aおよび13Aはそれぞれ区画12の開口部、中実サブユニット13の受容部、および区画14の開口部に適合する。熱溶接部は栓状部分16、基部部分12A,13Aおよび区画12,14のそれぞれの開口部および上部受容部、および中実サブユニット13の間の、これらの部分が接触する領域で形成される。基部部分12A,13Aおよび栓状部分16および区画12,13および14の対応するそれぞれの開口部および上部受容部のそれぞれは、基部部分12A,13A、区画12および14の開口部、上部受容部13Bおよび栓状部分16および区画12の開口部が、基部部分および開口部のポリマー物質の自然弾性に打ち勝って、スナップ適合連結のかみ合わせにより互いに結合するように、周辺凸部ビーズおよびビーズが適合するような対応する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0063】
熱溶接部は栓状部分16、基部部分12Aおよび13A、区画12、14の開口部および上部受容部および中実サブユニット13の間で、これらの部分が接触している領域にレーザービームをあてることで形成されてもよい。
【0064】
区画12,13,14の基部部分12A,13A,14A、区画12および14の開口部、上部受容部13Bおよび栓状部分16は、区画12および14および中実サブユニットが他の直線方向の組み合わせでも互いに適合され、栓15が他の区画14の開口部を閉じるためにも使用されるように、すべて共通の大きさであるのが好ましい。
【0065】
同様に、二つあるいは三つ以上のサブユニット12,13あるいは14が、図1に示されたのに類似した方法で互いに結合されてもよい。
【0066】
図7は別の投与形態の組立品21を示す。この組立品21も端の区画22、中間の区画23および端の中実サブユニット24からなる直線状の組み立ての三つのサブユニット22、23、24を含む。中間の区画23は、一部の区画外被23A、23Bからなり、その一部の外被23A、23Bは、それぞれ閉じた端23Cおよび23Dおよび各閉じた端23C,23Dの反対側に開口部を有する側面仕切り23E、23Fからなる。二つの一部の外被23Aおよび23Bの開口部はそれぞれ結合可能栓および受容部分25および26を備える。それぞれ栓および受容部分25および26のかみ合わせにより、これらの一部の外被23A、23Bはカプセル区画23を形成するために互いに結合される。閉じた端23C、23Dは外部の結合可能部分27,28を備える。
【0067】
端の区画22は桶の形状の区画の形態であり、組立品21を互いに結合させる中間の区画23の結合可能部分27と形の上で一致する受容部分を含む開口部29をもつ。
【0068】
端の中実サブユニット24は実質的に円筒形の本体として形成され、中間のカプセル区画23の結合可能部分27あるいは28のどちらかにかみ合うことのできる受容部の形態の結合可能部分210をもつ。図2に示されるように、中実サブユニット24の結合可能部分210はカプセル区画23の部材28に結合される。
【0069】
図7の投与形態では、熱溶接部は部材25,26,27,29,28および210の間で、これらの部材が接触している領域で形成される。これらの部材25,26,27,29,28および210のそれぞれは、これらの連結部材がスナップ適合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0070】
図8は別の投与形態の組立品31を示している。この組立品31は端の中実サブユニット32、中間の中実サブユニット33、桶の形状の中間のカプセル区画34および端の中実サブユニット35からなる直線方向に組み立てられた四つのサブユニット32,33,34,35を含む。中間のカプセル区画サブユニット34は開口部36を含み、開口部36に直接隣接する縁37が栓状結合可能部分として形成される。端の中実サブユニット35は実質的に半球状で、桶の形状の中間のカプセル区画34の密閉キャップとして形成され、部材37が差し込まれて適合する受容結合可能部分38として下部端で形成される。区画34の閉じた下部端は受容結合可能部分39を外側に備える。
【0071】
中間の中実サブユニット33は区画34の部材39とかみ合うことのできる栓状結合部分310として形成される上部端および受容結合部分311として形成される下部端をもつ。
【0072】
端の中実サブユニット32は平らな底および切形の半球状の外面を有し、中間の区画33に形の上で結合可能部分311に一致する栓状結合可能部分312を有する。これらの部分37と38,39と310,311と312のそれぞれは、これらの連結部材がスナップ適合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0073】
図8Bには、中間の中実サブユニット33の代わりとなる構造が、符号313で示されており、サブユニット33と共通の部分が対応させて番号がつけられている。サブユニット313は一般に中空で円筒形であるように、サブユニット313には円筒形の内腔314がある。内腔314はあるいは、縦に先細であってもよいが、例えば一般に円筒形である。
【0074】
さまざまな結合可能部分37,38,39,310,311および312の結合により、組立品31は示されている軸に沿って互いに結合する。
【0075】
図9は直線方向の反対の端に二つの端の区画42,44および一つの中間の区画43を含む配置で、組み立て投与形態で直線方向に配置された三つのカプセル区画42,43,44を含む投与形態41を示している。区画42,43,44のすべては実質的に円筒形であり、縦軸を横切った楕円形の横断面をもつ。区画42,43,44は実質的に桶の形状であり、つまりそれぞれが基部仕切り42A,43A,44Aによって閉じられた基部、基部仕切り42A,43A,44Aから上方に延びる側面仕切り42B,43B,44B、および上部の開口部をもつ。区画42,43,44のそれぞれは射出成形によりオイラギット4135Fのようなポリマーから作られる。
【0076】
開口部を閉じるために、および第一の区画42,43の基部仕切り42A,43Aが第一および第二の区画42,43および44を物理的に分離するために、区画は、それぞれ隣接する第二の区画43,44の開口部に適合する第一の区画42,43の基部42A,43Aにより互いに結合する。区画42,43,44のこの組立品において、上部の区画42,43の基部部分が栓状部分を含み、それぞれ下部の区画43,44の開口部が受容部を含む。
【0077】
区画44は端の区画であり、区画43の基部仕切り43Aにより閉じられる開口部をもつ。もう一方の端の区画42は区画42の開口部に適合する大きさの栓状部分46をもつ密閉部材45により閉じられる。
【0078】
基部部分42Aおよび43Aおよび栓状部分46はそれぞれ区画43,44および42の開口部に適合する。溶接部は基部部分42Aおよび43A、栓状部分46、およびそれぞれ区画43,44,42の開口部の間で、例えばこれらの部分が接触している領域に局所加熱あるいは超音波ホーン(開示せず)を加えることにより形成される。基部部分42A,43Aおよび栓状部分46および区画43,44,42の対応する開口部のそれぞれは、基部部分42A,43Aおよび区画43および44の開口部および栓状部分46および区画42の開口部が基部部分および開口部のポリマー物質の自然弾力に打ち勝つスナップ適合連結かみ合わせにより互いに結合するように、周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する一致した周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0079】
区画の基部部分42A,43A,44Aおよび区画42,43,44の開口部、および栓状部分46は、区画42,43,44が他の直線方向の組み合わせで互いに適合するように、および密閉部材45が他の区画42,43あるいは44のいずれの開口部も閉じるのに使用されるように、すべて共通の大きさである。
【0080】
同様に、二つあるいは三つ以上の区画42,43あるいは44が図4に示されたのと類似た方法で互いに結合してもよい。
【0081】
図10は別の投与形態の組立品51を示している。この組立品51も二つの端の区画52,54および中間の区画53の直線方向に組み立てられた三つの区画52,53,54を含む。中間の区画53は二つの外被部分53A,53Bからなり、外被部分53Aは閉じた端53Cおよび側面仕切り53Eを含み、外被部分53Bは閉じた端53Dおよび側面仕切り53Fを含む。それぞれの外被部分は閉じた端と反対側の開口部をもつ。二つの外被部分53Aおよび53Bの開口部はそれぞれ栓状結合部分55および受容結合部分56を備える。これらの外被部分のそれぞれ栓および受容部分55,56はカプセル区画53を形成するために互いに結合する。閉じた端の53C,53Dの両方は外部に結合可能部分57,58を備える。
【0082】
それぞれ端の区画52,54は桶の形状の区画の形態であり、組立品51に互いに結合する中間の区画53の結合可能栓状部分57,58と形の上で一致する受容部分を含む開口部、例えば区画52の開口部59をもつ。
【0083】
図10の投与形態では、溶接部が部材55と56の間,57、58および区画52、54のそれぞれの開口部の間で、これらの部材が接触している領域に局所加熱あるいは超音波ホーン(開示せず)を加えることで形成される。これらの部材55,56,57,58のそれぞれおよび区画52,54のそれぞれの開口部は、これらの連結部材がスナップ適合のかみ合わせによって互いに結合するように、それぞれ周辺凸部ビーズおよびビーズが適合する周辺溝のような特徴(開示せず)を追加としてあるいは代わりとして備えていてもよい。
【0084】
図9および10の区画42,43,44,52,54のそれぞれは同じかあるいは異なるポリマーから作られてもよく、同じかあるいは異なる薬剤放出特性を有していてもよい。端の区画の溶解あるいは破裂が中間の区画の妨害なしに、および中間の区画の溶解あるいは破裂の前に起こりうる場合、図6および7のそれぞれの中間の区画は修飾放出区画により適する。
【0085】
図9および10の区画42,43,44,53,54および55は同じあるいは異なる薬剤物質および/または処方を含んでもよい。薬剤物質あるいは処方は、例えば散剤、顆粒、あるいは他の固体形態であってよい。あるいは、区画が液体、ゲルあるいは同様の処方(開示せず)を含んでよい。
【0086】
図11A,11Bおよび11Cは別の投与形態の組立品61を示している。図11Aの縦断面および図11Bの横断面に示されるように、この投与形態は直線方向に配列された端のカプセル区画62、連結部材63および別の端のカプセル区画64からなる組立品である。それぞれの端の区画62,64には一つの開口端および一つの閉口端があり、一般的に円筒形で、図11Aに示されている区画は、わずかに円錐形で先細で、横断面が開口端で最大である。閉口端は丸い外面の端部仕切りの形態で、開口端の“バケツ”あるいは“桶”の形状を形成する区画を与える。各区画の端の丸い中央部分(区画62の場合65と表される)は、溶接作業中に超音波エネルギーを加えるのを促進するために端の表面領域の少なくとも5%以上が平らにされる。各カプセル区画62,64の仕切りは、区画の側面仕切りで約0.4±0.05ミリメートルの厚さである。
【0087】
連結部材63は、一般に連結部材の縦方向を横断して延びる、向かい合う面66,67を固体の仕切りの形態で備える。これらの向かい合う面は、連結部材の縦の各端で形成される向かい合う栓状結合可能部分68,69の端面である。連結部材63は縦方向に平らになっており、直径:縦の長さの比が約3:1である一般的に円筒形の物体である。具体的な態様において、連結部材63の直径は約7.5ミリメートルで、縦の長さは約3.0ミリメートルである。端面66,67は溶接作業中にそこに超音波エネルギーを加えるのを促進する程度に、少なくとも50%以上実質的に平らである。面67は中央の凹部610を取り囲む平らな輪状の面である。面66は中央の穴に射出成形ランナー残留物611がある点を除けば同様である。平らな面66,67は少なくとも2ミリメートルの大きさ以上に連続して伸びる、つまり少なくとも4平方ミリメートルの面領域がある。各栓状部分68,69はカプセル区画62,64の開口端に摩擦適合でぴったりと適合する。各栓状部分68,69は円筒形体63の周囲に形成される水平の出っ張りによって構成される接合面612を備える。接合面612は輪の形状で、その面がカプセルの縦方向に垂直である。接合面612は、各栓状部分68,69がカプセル区画62,64の開口端の縁に接合することでカプセル区画62,64の開口端に延びることができる範囲を決定し、限定する。示されている具体的な態様において、接合面612は縦方向を横切って測ると約0.3ミリメートルである。
【0088】
超音波溶接部は各栓状部分68,69および/または連結部材63の接合面612および開口端の近く、例えば開口端の縁の区画の仕切り62,64の間で形成される。下部の区画64はこのようにして接合した状態で示されており、上部の区画62は分離した状態で示されている。
【0089】
カプセル区画62,64および連結部材63の隣接する接触部分の間の超音波溶接部を形成するために、図11Cに拡大して示されるように、超音波接合を促進するためにこれらの部分が図に描かれ、大きさが示されている。結合可能栓状部分68および受容部613は一つのほぞ614の長さ(D1約0.2から0.3ミリメートル)が他のほぞ部分615の長さ(D2約0.5から0.6ミリメートル)より短い連結ほぞ部分614,615を含み、超音波溶接作業下で領域616のカプセル区画62の物質が、カプセル区画62と連結部材63の間で超音波溶接部を形成するためにほぞ部分が縦にかみ合うまで崩壊できる。連結部材63および区画64の間の溶接部は同様の方法で形成される。
【0090】
栓状部分のD2の長さは約0.55ミリメートルで、端面66および67との間の連結部材63の端から端までの長さの約20%である。
【0091】
図12は図11Aの投与形態の一般的な組み立て手順を示す。手順は以下の工程を含む。
(1)第一のカプセル区画64を、その開口部を上方に向けながら適切な支持手段で配置し、支持し、カプセル区画64を適切な量の薬剤物質で満たす。
(2)連結部材63の第一の栓状部分69(図11A参照)を第一のカプセル区画64の開口端に挿入する。この方法で、連結部材63はカプセル区画64の開口部の密閉部材を形成する。
(3)下向きの超音波ホーン(開示せず)を連結部材の面66、つまり第一の栓状部分69と反対の連結部材の端面に加えると、連結部材63および第一のカプセル区画64の間の超音波溶接部が形成される。
(4)第一のカプセル区画64および連結部材63の形成された組立品を、栓状部分68(図11A参照)が下を向くように逆さにする。
(5)第二のカプセル区画62を、工程1と類似の方法で、その開口部を上方に向けながら適切な支持手段(開示せず)で配置および支持し、第二の区画62を適切な量の薬剤物質で満たす。
(6)連結部材63の栓状部分68を第二のカプセル区画62の開口端に挿入する。
(7)超音波ホーン(開示せず)を底面から第二の区画62の外面に加える。超音波溶接部が連結部材63および第二のカプセル区画62の間で形成される。
(8)工程(8)として示される別の溶接方法では、超音波ホーン(開示せず)を、カプセル区画64および連結部材63の間の接触領域の側面に、矢印で示されるように横から加える。
【0092】
他の代わりとなる態様では、(開示せず)熱、レーザー、あるいは粘着溶接部がカプセル区画62および64、および連結部材63の間で形成される。
【0093】
図1から6の区画およびサブユニットはそれぞれ同じあるいは異なるポリマーから作られてもよく、同じあるいは異なる薬剤放出特性を有していてもよい。端の区画の溶解あるいは破裂が中間の区画の妨害なしに、中間の区画の溶解あるいは破裂の前に起こりうる場合、中間のカプセル区画は修飾放出区画により適している。
【0094】
マトリックスポリマーの溶解はカプセル区画の薄い仕切りの破裂よりもさらにゆっくり起こるであろうから、中実サブユニットは持続放出サブユニットとしてより適している。ユニット313(図8B)の中空の穴は中実ユニット313に一次溶解反応速度につながる溶解速度を与える。
【0095】
サブユニット12,13,14,22,23,24,32,33,34,35のそれぞれは同じあるいは異なる薬剤物質および/または処方を含んでもよい。これは例えば散剤、顆粒、あるいは他の固体形態であってよい。あるいは、カプセル区画12,14,22,34は液体、ゲルなどの処方(開示せず)を含んでよい。端のサブユニット35は薬剤物質を含んでもよく、あるいは単に薬剤物質のない中実ポリマーキャップを含んでいてもよい。
【0096】
図13に示されるように、すぐに溶解できるという薄い仕切りの利点を有するが、過度に薄い仕切りであるという欠陥を避けた好ましいカプセル外被は、強化リブにより分離した複数の薄いパネルからなる。図13に見られるように、カプセルは三つの主要な部材、一般的に台形円錐形である側面仕切り106、一般的に半球状のドーム108および環状縁110からなる(本明細書で用いる際の“台形円錐”という用語は、他に限定されない限り円筒形、つまり先が細くなっていない錐台を含む)。
【0097】
側面仕切り106は、側面仕切り106の外部に統合して形成され、隣接するパネルの間に挿入された、増強用リブ114をもつ複数の薄い仕切りパネル112からなる。リブはドームの先端でなめらかに合わさるように、ドーム108を一部分越えて延びてよく、好ましくは116で厚さが徐々に先細になる。リブは示されるようにさまざまな幅であってよい。
【0098】
環状縁110の外面の少なくとも部材118は先細で台形円錐面118の形態であるのが好ましく、縁110の最も外側の延長部分である任意の部材120は円筒形であってよい。先細の部材118に結合するリブが環状縁でなめらかに合わさるように、部材110は好ましくは下部端でのリブの厚さに等しい距離だけ下部の部材の仕切り106から外側に延びる。
【0099】
図13に示されているような構造のカプセル外被は、図8Aから12に描かれているような多剤投与形態の成分と同様に単一投与カプセルの成分として使用されうる。速い溶解のために仕切りパネルが極端に薄い、例えば約0.2から0.3ミリメートルの範囲でありえて、増強用リブのおかげでゆがみや破損に耐えられるという利点がある。図13に描かれた好ましい態様において、カプセル外被の外形は鋭いかど、あるいは取り扱ったり、飲み込んだりするのに困難を引き起こしうる他の外部の部材を有さない。
【0100】
本明細書の目的のために、単一あるいは多成分投与形態への射出成形および医薬用途での使用に適するポリマーの代表的な例は、ポリ(エチレン)オキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGおよびPEOの混合物、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース、非晶質セルロースのようなセルロース誘導体、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、のようなその誘導体、(プルランの多糖など、カラギナン、キサンタン、キトサンあるいは寒天ゴムの)天然ポリマー、ポリアクリレート、およびポリ(メト)アクリレートおよびRoehm Pharmaから入手可能なオイラギット(Eudragit)ファミリーのポリマーのようなその誘導体、ポリ(α−ヒドロキシ酸)およびポリ(カプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(αアミノ酸)のようなそのコポリマー、(Gelucire(登録商標)44/14、Gelucire(登録商標)50/02、Gelucire(登録商標)50/03およびGelucire(登録商標)53/10などの)ポリグリコシル化グリセリド、(カルボポールのような)カルボキシビニルポリマーおよび(Poloxamer188TMのような)ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、およびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。
【0101】
本明細書で使用されるのに適しているの可能性があるのは、ポリマー類、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、ポリ(ホスホエステル)、およびポリ無水物であり、これらの組み合わせあるいは混合物もまた本明細書での使用に適している可能性がある。
【0102】
さらに、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、カラギーナン、コラーゲン、ゼラチンおよび卵白も、単独であるいは別のポリマー混合物との組み合わせで、本明細書の射出成形に適するかもしれない。以前に世界の統制機関により認可されていない場合、ポリマーの最終的な選択は一般に安全と認められた(GRAS)範疇で認可されるということが認識される。最終的に、ポリマーが成分あるいはサブユニットの内容物を放出するために溶解しない場合、成分は胃腸管の内容物をサブユニット中に入れ、そこで活性薬剤を溶解させる、穴形成試薬を含んでもよい。そのような能力において、サブユニットあるいは投与形態はカプセルあるいは調節放出修飾試薬としてではなく、むしろ運搬装置として作用するだろう。ポリマーの選択は、所望の結果および認可が求められている統制機関によるだろうということが認識される。
【0103】
より好ましくは、(オイラギットE(登録商標)、オイラギットE100(登録商標)、オイラギット(登録商標)L、および/またはオイラギット(登録商標)Sのような)メタクリル酸コポリマー、オイラギット4135Fのようなポリ(メト)アクリル酸コポリマー、(オイラギット(登録商標)RLおよび/またはオイラギット(登録商標)RSのような)メタクリル酸アンモニウムコポリマーが射出成形に適している。オイラギット4135Fのようなポリ(メト)アクリル酸コポリマーの群は本発明の好ましい態様である。
【0104】
オイラギットE100は、(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸、メタクリン酸ブチル、メタクリル酸メチルに基くコポリマーであるブチルメタクリル酸−(2−ジメチルアミノエチル)−メタクリル酸−メチルメタクリル酸−コポリマー(1:2:1)とも称される。これは約150000の平均分子量を有する。乾燥物質中20.8%以上25.5%以下のジメチルアミノエチル基を含む。
【0105】
腸分泌液中で溶解性があり、カプセルに形成されうるアクリルおよび/またはメタクリル酸に基くポリマーは、例えば米国第5,705,189号(Roehm GmbH)に開示されており、その内容は引用により全体が本明細書に組み込まれている。これらのポリ(メト)アクリル酸コポリマーは押し出し成形され、射出成形されて、アクリルおよび/またはメタクリル酸の比がコポリマーの一般的に20重量パーセントあるいはそれ以上である、カプセルの半分となる(実施例1から8)。これらの実施例では、モノステアリン酸グリセロールに成形放出剤としてポリマーの3から5重量パーセントの基剤を添加された。
【0106】
乳剤E2(カラム6、第10行)がメタクリル酸、メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチル(好ましくは10:25:65の比)のコポリマーである、米国特許第5,705,189に開示されている特定のポリマーが本発明での使用に好ましいポリマーであることが見出された。成分のこの比もオイラギット(登録商標)4135Fとして知られており、オイラギットFS30Dから得られる固体生産物であり、上記の通りRoehm Pharma、ドイツから入手できる。しかし、混合されていないポリマーだけでは射出成形に適さないが、単一カプセルあるいは多成分投与形態のどちらかへの組み立てのための、好適に射出成形された、ゆがみ、ねじれのないカプセル/サブユニット成分を生産するための本明細書の教唆に従って混合されなければならないことが見出された。
【0107】
ポリマーE4135Fにとって、少なくとも一つの滑沢剤および一つの溶解修飾剤が、射出成形からすぐに放出する良質のゆがみのない成形成分を達成するために必要である。米国特許第5,705,189号に例示されるポリマーはすべて、本発明で使用されている混合組成物に比較して粘性度が高い。
【0108】
そのため、本発明の一つの態様はこのポリマーをカプセルおよび多区画ユニットの射出成形に適するものとする賦形剤の新しい混合物である。好ましいポリマーは、消化管のさまざまな点で優先的に溶解あるいは崩壊する物質である。上記のように、そのようなポリマーは、腸分泌液で溶解する既知のアクリルおよび/またはメタクリル酸に基くポリマー、例えば市販されているポリマーのオイラギットTMシリーズを含む。これらの実施例は胃のより酸性のpHで優先的に溶解する、オイラギットE100TMのようなオイラギットETM、あるいは腸のよりアルカリ性のpHで優先的に溶解する、オイラギットLTMおよび/またはオイラギットSTMのような腸溶ポリマーを含む。
【0109】
他の好ましいポリマーは、オイラギットRLTM、例えばオイラギットRL100TM、および/またはオイラギットRSTM、例えばオイラギットR100TM、および/またはそのようなオイラギットTMポリマーの混合物のような、不溶性であるが調節した割合、例えば消化管であらかじめ決定されている割合で水和するポリマーも含む。ポリマーとして示唆される混合物は必要な潤滑剤および賦形剤を含むRLおよびRSの組み合わせであろう。
【0110】
ポリマーオイラギット4135FTMはpH7以上でのみ、例えば結腸で溶解し、そのため持続放出成分としての処方に適する。逆に、記載されているようにポリマーオイラギットE100TMは酸性で溶解するので、即時放出成分としての使用に適する。
【0111】
これらの医薬上許容されるポリマーの大部分は、米国の医薬協会および英国の医薬団体により共同で出版された医薬賦形剤の手引き"the Handbook of Pharmaceutical excipients"に詳しく記載されている。
【0112】
好ましくはポリマーキャリアーが三つの範疇:(1)活性薬剤の速溶解および即時放出に役立つ水溶性ポリマー、(2)活性薬剤の調節放出に役立つ水不溶性ポリマー、(3)活性薬剤の拍動あるいは標的放出のためのpH感受性ポリマー、に分類される。両方のキャリアーの組み合わせが本明細書で使用されてよいということが認識される。ポリ(メト)アクリレートのいくつかは溶解度がpH依存性であり、両方の範疇に分類されてよいということも認識される。
【0113】
本発明の一つの態様は、この特性がpH依存性非依存性である、4135Fのようなポリ(メト)アクリレートにすることができる成分の新しい混合である。それらはもはや溶液のpH、つまり消化管によって左右されないが、その代わりに時間/調節放出依存性であり、その決定は本明細書でさらに詳しく記載されるであろう膨潤性固体および界面活性剤の添加に基づく。
【0114】
水溶性ポリマーは一般に、ポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸、アルギン酸、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、プロピオン酸酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン、ナトリウムデンプングリコレートなどのその誘導体、デキストリン、キトサンおよびその誘導体、卵白、ゼイン、ゼラチンおよびコラーゲンを含むがそれらに限定されない。
【0115】
水不溶性ポリマーは一般に、ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、エチルセルロース、非晶質セルロース、ポリアクリレート、およびRohm PHarma(ドイツ)から入手できるオイラギットファミリーのポリマーのようなその誘導体、ポリ(αヒドロキシ酸)およびポリ(εカプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(αアミノ酸)およびそのコポリマー、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファゼン、ポリ(ホスホエステル)、およびポリ無水物のようなそのコポリマーを含むが、それに限定されない。本明細書の使用に好ましいポリマーは20から90重量パーセント、好ましくは50から90重量パーセントの量で存在するポリメタクリレート、オイラギット4135Fである。
【0116】
これらの医薬上許容されるポリマーおよびその誘導体は市販されており、および/またはその分野で既知の技術により調製される。誘導体はさまざまな分子量、ポリマーの官能基の修飾を有するポリマーあるいはこれらの薬剤のコポリマー、あるいはそれらの混合物を意味する。
【0117】
さらに、二つあるいはそれ以上のポリマーが、成形の流出量、弾力性の上昇、あるいは所望の薬剤の放出プロフィールのような、所望の特性を持つ混合物を形成する組み合わせで使用されてもよい。
【0118】
溶解押し出し成形方法において最初に融解したポリマー組成物は融解流出量、強度、脆弱性および他の成形特性を補助する添加剤あるいは賦形剤をさらに含んでもよく、これらのさらなる賦形剤は可塑剤、吸収増進剤、さらなる界面活性剤、香剤、染料などを含むが、これに限定されないことが理解される。
【0119】
本明細書の組成物がさまざまな仕切りの厚さに成形される場合、カプセルあるいは成分が約0.3から0.8ミリメートルの仕切りの厚さであるのが好ましい。しかし、溶解作業により、所望の放出プロフィールによる仕切りの厚さをより適切に作られるだろう。仕切りの厚さの増加あるいはこれに加えてさらに追加の賦形剤の修飾が、成分のゆがみを減らすのに必要であるかもしれない。
【0120】
ポリマー物質はその特性を修飾し、界面活性剤、吸収増進剤、滑沢剤、可塑剤、溶解修飾剤、加工剤、染色剤、香剤および甘味剤を含むが、これに限定されないさまざまな用途にそれらを適合させるための他の物質を含んでもよい。界面活性剤を処方に混合することは、処方/混合物の粘性度および表面張力を低下させるのに必要であるか、あるいは望ましいが、量が多いと逆に結果として生じる投与形態の性質に悪影響を与えるかもしれない。界面活性剤の選択はHLB値により導かれるが、必ずしも役に立つ基準ではない。トウィーン(登録商標)80(HLB=10)、プルロニックF68(HLB=28)およびSDS(HLB>40)のようなHLB界面活性剤が本明細書で利用されているが、プルロニックF92およびF127のような低いHLB値の界面活性剤を使用してもよい。BASF,USAにより作られるプルロニックはPOLOXAMERという別名がある。例えばプルロニックF68は分子量が8400である。プルロニックF1127は分子量が12600である。プルロニックはポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーである。
【0121】
界面活性剤はオリゴマー界面修飾剤とも称され、プルロニック(登録商標)(エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーであり、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーとも称される)、レシチン、エアロゾルOT(登録商標)(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム)、ラウリル硫酸ナトリウム、ひまし油を水素化したポリオキシル40TM、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、つまりトウィーン20,60および80などのトウィーン(登録商標)といったポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステル、つまりSpan(登録商標)あるいはArlacel(登録商標),Emsorb(登録商標),Capmul(登録商標)あるいはSorbester(登録商標)のようなソルビタンモノラウラート、モノオレアート、モノパルミタート、モノステアラートなど、トリトンX−200、ポリエチレングリコール、グリセリルモノステアラート、ビタミンE−TPGS(登録商標)(d−α−コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000)、スクロースステアラート、スクロースオレアート、スクロースパルミタート、スクロースラウラート、およびスクロースアセテートブチラートなどのようなスクロース脂肪酸エステル、およびその組み合わせおよび混合物を含むが、これに限定されない。好ましい界面活性剤はビタミンE−TPGS(登録商標)、ラウリル硫酸ナトリウム、スクロース脂肪酸エステル、レシチンおよびプルロニック群である。
【0122】
好ましくは、処方は約0から10重量パーセントの界面活性剤を含む。好ましい界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とも呼ばれるラウリル硫酸ナトリウム、あるいはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーあるいはその混合物である。好ましくは、SDSあるいはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーがこの処方で使用される場合、それらは2重量パーセント未満、好ましくは1重量%未満の量で存在する。
【0123】
E4135Fの処方と組み合わせた界面活性剤の好ましい使用は、2から8時間、より好ましくは3から4および6から8時間の時間枠のような、カプセルの内容物の律動放出を達成することである。SDSの使用によりこれらの所望の放出特性があるカプセル外被が生産されるようである。プルロニック群のような、他の界面活性剤の使用は放出時間に影響を与え、遅放出/律動のように遅く分離させるかもしれない。
【0124】
ポリマーキャリアーあるいは第二オリゴマー界面修飾剤は、適切に選択された場合、それ自体が吸収増進剤として作用する。本明細書での使用にふさわしい吸収増進剤は、キトサン、レシチン、レクチン、およびステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ビタミンE−TPGS由来のもののようなスクロース脂肪酸エステルおよびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。好ましくは吸収増進剤が約0から20重量パーセントの範囲で存在する。
【0125】
可塑剤は組成物の融解特性を補助するために使用される。本発明で使用される可塑剤の具体例は、トリエチルシトラート(TEC)、トリアセチン、トリブチルシトラート、アセチルトリエチルシトラート(ATEC)、アセチルトリブチルシトラート(ATBC)、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル(DBS)、フタル酸ジエチル、ビニルピロリドングリコールトリアセタート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコールあるいはひまし油およびそれらの組み合わせあるいは混合物である。ポリマー物質は、いずれの可塑剤が使用に適するかどうかを決定するだろう。例えば、トリアセチンは約5%のレベルでE100あるいは4135Fとの使用には好ましくないが、オイラギットRSまたはRLあるいはPVAとの使用には好ましい可能性がある。好ましくは可塑剤が約0から20重量パーセントの量で、好ましくは約0から5重量パーセントの量で存在する。本発明の重要な態様は上記のような可塑剤を加えることなくオイラギット4135Fの処方の射出成形外被を形成できることである。
【0126】
放出修飾を補助する溶解修飾剤あるいは物質は外被の侵食および/または膨潤特性を変化させる。“エクスプロタブ”(デンプングリコール酸ナトリウム)、“コリドン−CL”(架橋したPVP)、BASFから市販されているコリドンVA64(コポビドン)、デンプン1500などに代表される公知の錠剤分解物質、低いK値(K−15、K−25、しかしK−30からK−90まで)の第一級品質であるISP−プラスドンあるいはBASF−コリドンにより製造される、ポリビニルピロリドン(PVP,USPでポビドンとしても知られている)のような膨潤性薬剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなセルロース誘導体、低分子量溶質、例えばマンニトール、ラクトースおよびデンプンのようなウィッキング剤、塩化ナトリウムのような無機塩(一般的に5から10%で)などの多くのさまざまな分類の薬剤を使用してもよい。
【0127】
コリダンVA64あるいはコポビドンはコポリビドン、コポビドナム、コポビドンあるいはコポビドンとしても知られており、二つのモノマー、ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルの比である。
【0128】
さらに具体的には、溶解修飾剤としての使用のための膨潤性固体として知られている薬剤のクラスは、ポリ(エチレン)オキシド、エチルセルロースおよび酢酸フタル酸セルロースのようなセルロース誘導体、Aqualonから入手できる、特に低分子量の、例えばクルーセルEFおよびLF等級のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のヒドロキシアルキルセルロース誘導体を含むが、これに限定されない。好ましくは、溶解修飾賦形剤として使用される膨潤性固体は約5から70重量パーセント、好ましくは約10から50重量パーセントの範囲である。即時あるいは長期溶解速度プロフィールであるかにより、そのように使用される場合、HPCの量は変化するだろう。即時溶解速度のほうがより好まれる場合、HPCは約40から70重量パーセントで存在する。修飾律動放出速度プロフィールが好まれる場合、HPCの量が減少し、好ましくはHPCと組み合わせた追加の溶解修飾賦形剤が使用される。それゆえHPCの量は約5から70重量パーセントで変化するだろう。組み合わせにおいて、おそらくHPCは10から40重量パーセント、好ましくは30重量パーセント未満で存在するだろう。
【0129】
他の好適な溶解修飾賦形剤は、約2.5から15重量パーセントの量で存在する、キシリトールあるいはマンニトールのような非還元糖質のクラスを含むが、これに限定されない。好ましくは約5から20重量パーセントの量で存在する、ラクトースのような水溶性フィルターのクラスも含まれる。
【0130】
好適な溶解修飾賦形剤の別の群はデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムNF(FMCにより生産されるAci−Di−Sol(登録商標))、コポピドンおよびクロスポピドン(架橋されたポリビニルピロリドン)およびそれらの組み合わせあるいは混合物のような錠剤分解物質と一般的に呼ばれる薬剤である。好ましくは、錠剤分解物質のクラスは約10から40重量パーセント、さらに好ましくは約20から30重量パーセントの範囲で存在する。溶解修飾賦形剤の多くのクラスの一つが単独であるいはお互いの混合物としての組み合わせで使用され、約2.5から70重量パーセントの範囲となるということが認識される。そのような組み合わせの一つはクロスカルメロースナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムである。別のものとしてはヒドロキシプロピルセルロースおよびラクトースの組み合わせである。好ましくはヒドロキシプロピルセルロースが10から70重量パーセント、さらに好ましくは40から70重量パーセントの量で、ラクトースが約0から10重量パーセントの範囲で、好ましくは5重量パーセントで使用される。
【0131】
一般に加工剤として分類される、さらなる薬剤はタルクのような増強剤を含む。好ましくは、加工剤が約0から10重量パーセントで存在する。
【0132】
本明細書で使用される適切な成形加工滑沢剤あるいは潤滑剤は、ステアリルアルコール、ステアリン酸、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、マグネシウムステアラート、シリコンジオキシド、非晶質ケイ酸およびヒュームドシリカ、およびそれらの組み合わせあるいは混合物を含むが、それに限定されない。これは主に組成物の流出促進剤として機能する。好ましい滑沢剤はステアリルアルコールあるいはGMSである。クロダコールS95(Croda Oleochemicals)のような市販の等級のステアリルアルコールが本明細書での使用に好ましい。物質はミリングに適するべきである。好ましくは、処方に存在する滑沢剤の量は約0〜30重量パーセント、好ましくは約10〜25重量パーセント、さらに好ましくは10〜15重量パーセントである。
【0133】
ステアリルアルコールは、成形加工滑沢剤として作用するが、混合物の流れをよくする滑沢剤に起因する成形のゆがみ、つまり熱く柔らかい外被が成形型(mold)から取り出されるときの多投与区画外被のしわを引き起こさないという利点をもつ。滑沢剤/流出促進剤としても使用できる別の代わりとなる物質は、レシチン(天然物)である。好ましくは、本明細書の使用のための滑沢剤は金属イオンによる汚染を起こさない。
【0134】
本発明の好ましい態様はステアリルアルコール、膨潤性固体およびポリマーとの界面活性剤、オイラギット4135Fの組み合わせである。好ましくは一つの界面活性剤が2重量パーセントあるいはそれ以下、より好ましくは1重量パーセントあるいはそれ以下のSDS、5重量パーセントのファーマコート603あるいはHPMC、および10%のエクスプロタブおよび/または10パーセントのAcDiSolのような20重量パーセントの膨潤性固体である。
【0135】
本発明の最終生成物、つまりカプセルあるいは成分あるいはサブユニットは、それらの互いの溶接されやすさを高めるために作られるポリマー物質中の物質をさらに含んでよい。サブユニットは構造特徴をさらに備えていてもよく、および/またはそれらの互いの溶接されやすさを高めるために作られるポリマー物質中の物質、例えばポリマーがレーザーエネルギーを吸収するのを補助する炭素(例えば0.2〜0.5パーセント)、酸化鉄あるいは二酸化チタン(例えば0.5〜1.0パーセント)のような乳白物質を含んでもよい。そのような乳白物質は安全であると一般に認識される。
【0136】
例えば複数のサブユニット、例えばカプセル区画、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせのそれぞれが、同じあるいは異なるポリマーを含んでもよい。例えば複数のサブユニット、例えばカプセル区画、中実サブユニットあるいはそれらの組み合わせのそれぞれが、同じあるいは異なる薬剤物質を含んでもよい。例えば各サブユニットが同じ薬剤物質を含むが、さまざまな速度で、患者への投与後さまざまな時間で、あるいは患者の胃腸系のさまざまな位置で、内容物を患者の胃腸管中に放出してもよい。あるいは、各サブユニットが、それぞれが同じあるいは異なる速度、あるいは投与後の時間、あるいは患者の胃腸系の位置で放出されてもよい異なる薬剤物質を含んでよい。
【0137】
例えば二つあるいはそれ以上のサブユニット、例えば二つのカプセル区画がそれぞれ、二つあるいは三つ以上の薬剤物質あるいは処方の組み合わせが患者に投与されるように、さまざまな薬剤物質、および/またはさまざまな薬剤物質処方、および/またはさまざまな処方の同じ薬剤を含んでよい。
【0138】
本発明の投与形態は特異的投与要求に応える投与形態を提供するための、その薬剤の内容物および/または薬剤内容物の放出特性において異なるサブユニットをともに組み立てるのを可能にする。
【0139】
各サブユニット、およびそれによって組み立て投与形態全体の大きさおよび形状が、そこに含まれる物質の性質および量、および意図された投与態様および受容者により決定されてよい。例えば、経口投与を意図した投与形態は、経口投与を意図した既知のカプセルと同様の形状や大きさであってよい。
【0140】
投与形態は特に、経口投与に適する1または複数の薬剤物質を含む経口投与形態としての提供に適しており、そのような薬剤物質のすべての種類に適するようである。
【0141】
カプセル区画にも含まれる薬剤物質は、あらゆる好適な形態、例えば散剤、顆粒、コンパクト、マイクロカプセル、ゲル、シロップあるいは液体で存在してもよいが、カプセル区画の仕切りの物質が後の三つの形態の液体内容物に対して十分不活性であることを条件とする。区画の内容物、例えば薬剤物質は、調剤ピン(dosating pins)あるいはキャビティ充填(die filling)のような、カプセルを満たすのに慣習的に使用されるような標準的方法により区画中に導入されてよい。
【0142】
サブユニットは薬剤内容物の放出特性において互いに異なってもよく、これはさまざまな方法で達成されてもよい。例えば1または複数の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画が実質的に即時放出である、つまり薬剤内容物を実質的に摂食後あるいは胃に到達後すぐに放出してよい。これは例えば薬剤内容物を実質的にすぐに放出するために溶解するか、崩壊するか、あるいはそうでなければ破れるマトリックスポリマーあるいはカプセル区画の仕切りにより達成され得る。一般的に即時放出サブユニットはカプセル区画であることにより提供されるのが好ましい。
【0143】
例えば1または複数の中実サブユニット、および/またはカプセル区画が持続放出サブユニットであってよい。ポリマーのバルクマトリックスが薄い仕切りのカプセルの薬剤内容物を放出するためによりゆっくりと溶解し、あるいは分散し得るので、これらは中実サブユニットであるのが好ましい。
【0144】
例えば1または複数の中実サブユニットおよび/またはカプセル区画が、例えば患者の胃腸系の特定の予定された地点で薬剤内容物を放出する、律動放出サブユニットであってよい。これは上記のオイラギット(登録商標)ポリマーのような、規定のpH環境でしか溶解あるいは分散しないポリマー物質の使用により達成される。例えばE100は酸に不安定である。
【0145】
例えば上記のカプセル区画−連結部材−カプセル区画投与形態において、一つのカプセル区画が事実上即時放出であり、その他が持続、遅延あるいは律動放出であってよい。これを達成するために、例えば一つのカプセル区画が、カプセル区画に胃あるいは消化管の上部でその薬剤内容物を放出させるポリマー物質からできていてよく、(第二区画の密閉部材として作用する)連結部材および第二区画自体が、腸環境でのみその薬剤内容物を放出する物質、例えば上記の腸溶性ポリマーからなってよい。
【0146】
サブユニットが胃腸管でその薬剤物質内容物を放出する時間あるいは位置は、例えばサブユニット物質、例えば中実サブユニットマトリックスポリマーあるいはカプセル区画の仕切りの物質の性質により、あるいは密閉部材により閉じられる端の区画の場合は密閉部材物質の性質により、決定される。例えば、異なる、例えば隣接する区画の仕切りは、異なる区画に異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてよい。同様に例えば、異なる、例えば隣接する中実サブユニットのポリマーマトリックス物質は、異なる中実サブユニットに異なる薬剤放出特性を与えるために、異なるポリマー、あるいはそうでなければ溶解あるいは崩壊特性において異なるポリマーから作られてよい。
【0147】
例えばマトリックス、仕切り、あるいは密閉部材の物質は胃で薬剤物質を放出するために胃のpHで溶解あるいは分散するポリマーであってよい。あるいは、異なる区画が異なる放出特性を持つように、異なる区画の仕切りの物質は異なっていてよい。
【0148】
例えば中実サブユニットあるいはカプセル区画が、腸で薬剤物質を放出するために小腸あるいは大腸のpHで溶解あるいは分散する腸溶性ポリマーを含むマトリックスあるいは仕切りあるいは密閉部材をそれぞれ備えていてもよい。そのような適当なポリマーが上記に、例えば米国特許第5,705,189号を参照すると記載されている。
【0149】
追加としてあるいは代わりとして、厚い仕切りが薄い仕切りを有する区画よりゆっくりと崩壊するように、仕切りの物質が区画によって厚さにおいて異なってもよい。
【0150】
追加としてあるいは代わりとして、区画の仕切りあるいは密閉部材は、優先的に溶解する弱い領域あるいは点を有していてもよく、薬剤物質内容物の放出の開始時間および/または速度をそれにより決定してもよい。例えばそのような弱い点は穴、例えば区画の仕切りあるいは密閉部材におけるレーザーにより開いた穴といった小さい穴を含んでもよく、これらの穴は消化管の予定された点で溶解するポリマー物質、例えば腸溶性ポリマー物質のフィルムで閉じられている、および/または覆われている。例えばそのような弱い点はカプセル区画が形成される成形作業中に形成されるカプセル区画の仕切りの薄い部分を含んでもよい。
【0151】
サブユニットは追加としてあるいは代わりとして、薬剤放出特性を修飾する面あるいは他の構造的特徴を有することができる。例えば中実サブユニットに内部腔またはチャネルを設け、表面積を大きくすることができる。例えば中実サブユニットは、中空の円筒形、ドーナツ形、あるいはトロイドの形態とすることができ、その形状は液体媒質中で一次溶解あるいは侵食する傾向にあり、それに対応してそこに分散される薬剤内容物が一次放出される傾向にあることが知られている。
【0152】
本明細書で使用される医薬上許容される薬品、活性薬剤あるいは薬剤は、哺乳類、好ましくはヒトでの使用に薬理学的活性をもつ活性薬剤を含むということを意味している。薬理学的活性は予防であっても、病気の状態の治療のためであってよい。
【0153】
本明細書で使用される際、“活性薬剤”、“薬剤部分”あるいは“薬剤”という用語は互換的に使用される。
【0154】
活性薬剤の水溶解性は米国の薬局方により定義される。それゆえ、そこで定義される「かなり溶ける」、「よく溶ける」、「溶ける」、および「少し溶ける」という基準に合う活性薬剤は本発明に含まれる。
【0155】
適する薬剤物質は、鎮痛剤、抗炎症性剤、駆虫剤、抗不整脈剤、抗生物質(ペニシリン系を含む)、抗凝固剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗てんかん剤、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗ムスカリン剤、抗結核剤、抗腫瘍剤、免疫抑制剤、抗甲状腺剤、抗ウイルス剤、不安鎮静剤(催眠剤および神経遮断剤)、収斂剤、βアドレナリン受容体遮断剤、血液製剤およびその代用剤、強心剤、コルチコステロイド、咳止め(去痰剤および粘液溶解剤)、診断剤、利尿剤、ドーパミン作用剤(抗パーキンソン病剤)、止血剤、免疫剤、脂質調節剤、筋弛緩剤、副交感神経作用剤、副甲状腺カルシトニンおよびビホスホナート、プロスタグランジン、放射性医薬品、性ホルモン(ステロイドを含む)、抗アレルギー剤、刺激剤および食欲抑制剤、交感神経興奮剤、甲状腺剤、PDE IV阻害剤、NK3阻害剤、CSBP/RK/p38阻害剤、抗精神病剤、血管拡張剤およびキサンチン誘導体を含むが、これに限定されない薬剤のさまざまな公知のクラスから選択されうる。
【0156】
好ましい薬剤物質は経口投与および静脈投与用のものを含む。これらの薬剤の分類の記載および各分類中の種類の一覧表は、Martindale,臨時薬局方、第29版、医薬出版、ロンドン、1989年にみることがき、その開示は参考文献として本明細書その全体が含まれる。薬剤物質は市販されており、および/またはその分野で既知の技術により調製されうる。
【0157】
ポリマー混合物は好ましくは既知の医薬上許容されるポリマーから選択されうる。最終射出成形成分の厚さと同様に、これらのポリマーの物理化学的特性は、速溶解、即時放出、遅延放出、持続放出のような修飾放出、調節放出、あるいは拍動放出などの投与形態の設計を指示するだろう。
【0158】
ポリマー混合物は選択された成分が押し出し成形機の供給ホッパーに送られるホットメルト押し出し成形品を生産するよく知られた方法により作られる。好適な周知の装置は本明細書の混合物の押し出し成形品を生産するのにすぐ利用できる。
【0159】
図14に示されているように、ポリマー(オイラギット4135F)および賦形剤組成物の均質な混合物からなるストランド72を生産しているホットメルト押し出し成形機70が示されている。押し出し成形機は二軸スクリュー式の押し出し機である(スクリューの一つ74が示されている)。スクリューはモーター76により駆動される。ポリマーおよび賦形剤組成物はそれぞれホッパー78および80を通して導入される。ホッパーは同時に、および実質的に同じ場所で、金型82から離れた押し出し成形機の端の近くの位置にある押し出し成形機の円筒部の内側にポリマーおよび賦形剤を供給する。実質的に同じ位置でのポリマーおよび賦形剤組成物両方の導入が、押し出し成形されたストランド72の組成物における高度の均質性を確実にし、このことは以前に記載したように、特に薄い仕切りのカプセル区画の場合に重要である。混合部材88は、押し出し成形機の円筒部を通して進められる際に、物質を混合するためのスクリューに沿って間隔をあけて備えられる。
【0160】
ストランド72はベルト90により一組のローラー94および回転式カッター96を含む小粒形成機92に運ばれる。小粒形成機はストランド72を小粒98へと切断し、これは回収されて射出成形型(開示せず)へと運ばれる。
【0161】
ホットメルト押し出し成形機では、ポリマー賦形剤混合物が100、102および104に略図で示されている加熱コイルにより徐々に加熱される。金型は別に加熱されるのが好ましい。ホットメルト押し出し成形機の温度がポリマーおよび賦形剤が導入される位置での比較的低い温度、例えば50度から、約110〜135度の範囲の金型の温度まで徐々に増加するように、加熱コイルおよび金型加熱機が配置されるのが好ましい。最高温度が125度を越えないレベルで維持されるのが好ましいが、ポリ(メト)アクリル酸ポリマー、溶解修飾賦形剤、滑沢剤および任意に加工剤および界面活性剤を含む組成物には135度の温度も許容できる。
【0162】
図15に示されているように、オイラギット4135Fを基礎とするポリマーと実施例1の処方とを比較したレオロジープロットは、加工剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトースおよびステアリルアルコールを加えることにより、所与の剪断速度における粘性度が減少し、その分解温度よりも低い温度で成分を成形できるようにし、何ら分解の問題は生じないことを示している。
【0163】
(速放出/律動カプセルあるいは成分)
多投与カプセルにおける(2〜4時間の間隔のような)速放出/律動カプセルあるいは成分の生産において、ポリマーオイラギット4135F(Rohm)は本明細書に記載されているさまざまな賦形剤を混合することにより、(本明細書で示されているような)薄い仕切りの成分外被へと押し出し成形され得る。実験部分によりわかるように、界面活性剤および膨潤性固体を含む処方は、ゆがみが減ったかあるいはゆがみがない外被の成形型から確実に再現され、射出される、安定した射出成形成分を生産するだろう。
【0164】
10〜70パーセントの範囲でのさまざまな割合でのクルーセルHPCの実験により、溶解時間の変化を説明および、試験した。40〜70パーセントのクルーセルを含む処方が、擬似胃分泌液および擬似腸分泌液の両方と同様の溶解時間(2時間未満)をもつことが見出された。10〜30パーセントのクルーセルを含む処方の溶解時間は長く、さまざまであり、40パーセントのレベルのクルーセルが再現できる放出プロフィールを提供するのに必要であることを示している。
【0165】
(遅い/遅延放出/律動カプセルあるいは成分)
多投与カプセルにおける遅い放出あるいは遅延放出のカプセルあるいは成分の生産において、上記のポリマーオイラギット4135F(Rohm)が好適である。処方されていない状態でのオイラギット4135Fの主要な問題は、水性媒質、例えばSIF(擬似腸分泌液)中での30時間を越える長い溶解時間である。それゆえ、溶解時間を改良するために、ポリマーに1または複数の親水性賦形剤を混合する。これがオイラギット4135Fポリマーによる水の吸収を高め、混合ポリマーが水を吸収して膨張する速度を速めるだろう。本明細書の実験部分に記載されているように、溶解修飾賦形剤、好ましくは膨潤性固体賦形剤および任意に、崩壊剤、滑沢剤、および所望される場合、界面活性剤のような第二の溶解修飾賦形剤が、ゆがみが減ったかあるいはゆがみがない外被が成形型から確実に再現され、射出される、安定した射出成形成分を生産するだろう。
【0166】
好ましい多成分投与形態は、2000年7月27日出願、2001年2月8日WO第01/08666号として公表されたPCT/EP00/07295に開示されており、その内容はその全体を引用により参考文献として本明細書に含まれる。本出願の多成分投与形態は、成分を互いに密着させるのに超音波溶接を使用するのが好ましい。オイラギット4135Fは、溶接部での分離を引き起こす、超音波溶接領域で膨潤によりその内容物を放出するために開くか、あるいは外被の薄い(パネル)部分での侵食を通して放出するであろう。
【0167】
上記のように、親水性賦形剤のような多くの溶解修飾剤が外被の膨潤を補助するために使用されてよく、DowおよびUnion Carbideにより生産されるPEG(ポリエチレングリコール)、例えばPEG4000、6450、8000といった賦形剤が4135Fと組み合わされて可塑剤として作用し、その結果、成形のゆがみが生じてしまうことが判明した。ゲルシア(脂肪酸PEGエステル)が、ゲルシア中のPEGの痕跡のために、同様の問題を引き起こすかもしれない。
【0168】
好ましくは、親水性賦形剤、例えばラクトース、無機塩、HPC、ファーマコート603(ガラス転移温度175度のHPMC)のようなHPMCは押し出し成形温度で溶解しないものである。コポビドンはオイラギットF4135、HPMCおよび他のセルロース誘導体あるいは膨潤性剤との本明細書での使用に好ましい成分であることが見出された。記載されているように、これらの膨潤性固体は分子量による多くの等級、例えばHPCの95Kあるいは80K等級で市販されている。例えばHPCの分子量が変化しても外被を水和する能力は保たれるが、水和速度は遅くなるかもしれない、つまり膨張速度は減少するだろう。それゆえ、外被のより長い溶解時間およびその時間での成分の放出という結果になる可能性がある。10〜70%の範囲のさまざまな割合でのクルーセルHPCの実験により、溶解時間の変化が説明および分析された。40〜70%のクルーセルを含む処方は同様の溶解時間を持つことが判明した。10〜30パーセントのクルーセルを含む処方の溶解時間も同様であると予想される。
【0169】
さらに、ステアリルアルコールのような滑沢剤の含有も好ましい。それは流れを促進することがわかっており、好ましくは10〜20重量パーセント、より好ましくは12〜15重量パーセントで使用される。より薄い仕切りを成形できるように、ステアリルアルコールの割合を増やすことで流動性が増すことも見出された。
【0170】
(介在部材成分)
これは(即時放出および緩慢/持続放出区画のような)カプセルの二つの端の区画を閉じ、結合させる栓状連結部材である。これは緩慢/遅延放出成分と同じポリマー混合物(4135F混合物)から作られうるが、ステアリルアルコールのような適切な滑沢剤が混合され、他の親水性賦形剤は混合されない4135Fからも同様に十分作られうる。介在部材に親水性賦形剤を含まないことにより、緩慢/遅延放出成分および区画の栓状密閉部材として作用する介在部材の、水の妨害による不適合およびそれによる差異的膨潤性のために緩慢/遅延放出成分の開放が改善されるだろう。
【0171】
好ましくは多成分投与形態の一部である緩慢/遅延放出成分あるいはサブユニットを形成するための遅延放出ポリマーの使用は、連結部材の栓と重なる端のキャップ区画の薄い領域が速く膨張し、隣接する介在部材を引き離し、それによりサブユニットの内容物を胃腸分泌液に開放するように、溶接部の破壊によりサブユニットの内容物を放出する方法を提供するだろう。
【0172】
本発明のカプセル区画は本明細書の記載および実施例に従って生産されうる。実施例1は、オイラギット4135Fに使用される押し出し成形および成形パラメーターの一般的な要約を提供する。
【0173】
しかし、一般的に押し出し成形機は適切な温度、およそ110〜135度、好ましくは125度の温度に予熱される。射出成形機は適切な温度、スクリュー/円筒部においてはおよそ120〜140度、ホットチップ/ノズルにおいては140〜190度、好ましくは170度の温度に予熱され、ずっと維持されるべきである。
【実施例】
【0174】
本発明を以下の実施例を参照して説明する。かかる実施例は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。温度はすべて摂氏で与えられ、溶媒は特に断りの無いかぎり、すべて可能な限り純粋なものになっている。
【0175】
実施例1
本明細書に記載されている医薬上許容できるポリマー組成物による多成分医薬投与形態の製造。実施例1はさまざまな多成分カプセルおよび適切なサブユニットを成形するために使用される一般的な方法を記載する。さらなる医薬組成物は以下で示され、記載されている。
【0176】
【表1】
【0177】
均質な散剤混合物を形成するために、適当な配合物:
項目2.ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ファーマコート603)
項目3.ラクトース一水和物
項目4.粉砕したステアリルアルコール
を用いる。
【0178】
小粒供給機および散剤供給機の両方を備え、ストランド冷却装置および小粒形成機を備えた、適当な同時回転の二軸スクリューのホットメルト押し出し成形機をセットアップする。射出成形機において選択された成形型を適合させる。実施例の加工パラメーターは以下の通りである。
【0179】
【表2】
【0180】
押し出し成形機を適切な温度に予熱する。小粒供給機にメタクリル酸、アクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー(オイラギット4135F)をロードし、散剤供給機に混合物をロードする。押し出し成形機のスクリューを回転させ始め、その後二つの供給機を始動させる。冷却装置に沿って押し出されたストランドを小粒形成機に入れて加工し、形成された小粒を回収する。
【0181】
作動条件下で、押し出し成形工程で生じる水/蒸気を強制的に排出するために金型の前の開口部は大気条件に対して開放的であることが判明した。しかし本発明の4135Fの処方は射出成形されるときに過度の湿気の問題はないようである。
【0182】
適切な機械の設定を入力し、射出成形機を予熱する。ホッパーに小粒をロードし、多成分ユニットを成形する。
【0183】
さらなる実施例あるいは本実施例のさらなる態様が同じ加工工程を用いて、しかし以下に示したようにさまざまな処方で調製された。
【0184】
【表3−1】
【表3−2】
【表3−3】
【0185】
上記の実施例1と同様の方法で、さらなる実施例を調製した。それは以下を含む。
【表4−1】
【表4−2】
【表4−3】
【表4−4】
【0186】
pH7.5で100%放出するまでの擬似腸管分泌液での溶解時間が上に例示されている多くの実施例について決定された。この結果は下の表に要約されている。
【0187】
【表5】
【0188】
溶解時間が上記(USP3放出プロフィール)と同様の方法で以下のE4135/界面活性剤処方で実施され、以下の表に要約されている。
【0189】
【表6】
【0190】
このUSP3の結果は、SDSが早い拍動(2.5〜3時間)放出を達成するために4135Fの処方において有用であるということを示す。SDSがなかったら、これらのサンプルはコア連結部材から分離しない(放出は溶接ラインの小さい穴を通して起こると思われる)。SDSをプルロニックのような別の界面活性剤と取り替えると、放出時間が変化する。
【0191】
1%SDS、10%Ac−Di−Sol/10%エクスプロタブを含む4135Fの処方のUSP3溶解プロフィールが、連結部材を外被につなぐ80%の溶接強度を使用してさらに評価された。試験された6サンプルすべてで2.5〜3時間の間に放出が起こり、これらの外被からの放出プロフィールはかなり一定であることが判明した。さらに強い溶接強度により引き起こされる変動性を調べるために100%の溶接強度を使用して再びこれらの処方を調べた。放出プロフィールはさまざまで、放出時間が3〜8時間の間にわたることが確認され、このことより80%の溶接強度が最適条件であることが示された。
【0192】
溶接の特徴や溶解作業での溶接パラメーターの関連性の特徴づけを、4135F20%エクスプロタブ、1%SDS、5%ファーマコート、12%ステアリルアルコールからなるサンプルをさらに調べてることで行った。これらのサンプルをエポキシ樹脂の中に埋め込み、断片に分け、SEMおよび光学顕微鏡検査法を使用して溶接特徴を調べた。これらのデータは溶接の広さが溶接強度にかなり影響を与え、それゆえに溶接特徴で溶解方法を変化させるということを示す。
【0193】
成形されてきたが、溶解特徴を試験されていない上記のさらなる実施例は、以下を含む。
オイラギット4135F62%、ステアリルアルコール(SA)12%、AcDiSol5%、エクスプロタブ5%、HPMC15%、SDS1%
オイラギット4135F42%、SA12%,AcDiSol20%,エクスプロタブ20%、HPMC5%、SDS1%
オイラギット4135F47%,SA12%,エクスプロタブ10%、HPMC30%、SDS1%。
【0194】
実施例30
小粒の製造のための実施例1に記載した方法に従って、用いた以下の物質、組成物の事実上の(平均した)加工パラメーターは、以下の通りである。
【表7】
【表8】
【0195】
pH>6での増進水和反応を含む、より遅い、6〜8時間(遅い律動)の遅延放出外被成分としてのE4135Fポリマーのさらなる処方実施例が以下に示される。この個々の群において、E4135はヒドロキシプロピルセルロースと共に混合される。
【0196】
【表9】
【0197】
E4135Fの処方のための溶解補助として界面活性剤を使用したさらに別の一連の処方が以下の混合物を用いて調製された。
【0198】
【表10】
【0199】
早期放出/律動成分のための処方の再現性(4135F、12%ステアリルアルコール、1%SDS、および10/10/5%AcDiSol/エクスプロタブ/ファーマコート603)を成形実験で評価したところ、サンプルを延長生産作業の最初、最中、最後で得た、上記のものと同様であった。
【0200】
界面活性剤とオイラギット4135Fとの混合物を含む遅延放出/律動(6〜8時間)の処方もAPV19mm押し出し成形機を用いて生産された。以下のポリマー混合物が生産された。
【0201】
【表11】
【0202】
本明細書で引用した特許および特許出願を含むが、これらに限定されるものではないが、すべての刊行物は、十分に記載されており、各々個々の刊行物が具体的かつ個別的に本明細書の一部に含まれているように、引用により本明細書にその内容が含まれる。
【0203】
上記の記述はその好適な態様を含む本発明を十分に開示している。ここで開示されてい態様の修正および改良は以下の請求の範囲の枠内である。当業者であれば、さらに推敲しなくても、上記の記述を用いて最大限に本発明を利用できるだろう。それゆえここであげた実施例は、決して本発明の範囲を制限するわけではなく、単なる例示として解釈されねばならない。独占的な権利や特権が請求されている本発明の態様は、上記で限定されている通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135F、0から約30重量パーセントの量で存在する滑沢剤、約2.5から約70重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含み、0から10パーセントの量で存在する界面活性剤、0から10重量パーセントの量で存在する可塑剤、および/または0から約10重量パーセントの量で存在する加工剤を含んでいてもよい、成形カプセル用の医薬組成物。
【請求項2】
オイラギット4135Fが約50から90重量パーセントの量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
5重量パーセント未満の量で存在する界面活性剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムであるか、あるいはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
界面活性剤が2重量パーセント未満の量で存在するドデシル硫酸ナトリウムである、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
界面活性剤がエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
滑沢剤が約10から30重量パーセントの量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
滑沢剤がステアリルアルコール、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、マグネシウムステアラート、二酸化ケイ素、無定形ケイ酸、あるいはヒュームドシリカ、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
滑沢剤がステアリルアルコールである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ステアリルアルコールが約10から約15重量パーセントで存在する、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
溶解修飾賦形剤がエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースあるいは他のヒドロキシアルキルセルロース誘導体、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である膨潤性固体である、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
溶解修飾賦形剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、あるいはヒドロキシプロピルセルロースである、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
膨潤性固体が10から50重量パーセントの量で存在する、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
溶解修飾賦形剤がキシリトール、マンニトール、ラクトース、デンプン1500、塩化ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、コポビドン、ポリビニルピロリドンコポビドン、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
溶解修飾賦形剤が40から70重量パーセントの量で存在する、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
溶解修飾賦形剤が膨潤性固体と、ラクトース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、あるいはポリビニルピロリドンコポビドンとの組み合わせである、請求項11記載の組成物。
【請求項17】
溶解修飾賦形剤がヒドロキシプロピルセルロースおよびラクトースである、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
界面活性剤がエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、レシチン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ひまし油を水素化したポリオキシル40、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ビタミンE−TPGS(登録商標)(d−α−コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000)、スクロース脂肪酸エステル、およびそれらの組み合わせおよび混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
溶解修飾賦形剤が膨潤性固体と、ラクトース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、あるいはポリビニルピロリドンコポビドンとの組み合わせである、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
可塑剤がトリエチルシトラート(TEC)、トリブチルシトラート、アセチルトリエチルシトラート(ATEC)、アセチルトリブチルシトラート(ATBC)、ジブチルフタラート、ジブチルセバカート(CBS)、ジエチルフタラート、ビニルピロリドングリコールトリアセタート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコール、あるいはひまし油、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項21】
加工剤がタルクである、請求項1記載の組成物。
【請求項22】
加工剤が約1から約5重量パーセントの量で存在する、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
さらに吸収増進剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項24】
吸収増進剤がキトサン、レシチン、レクチン、スクロース脂肪酸エステル、ビタミンE−TPGSおよびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
オイラギット4135Fが約50から90重量パーセントの量で存在し、滑沢剤がステアリルアルコールであり、溶解修飾賦形剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、あるいはヒドロキシアルキルセルロース誘導体あるいはその塩である、請求項1記載の組成物。
【請求項26】
溶解修飾賦形剤が崩壊剤も含む、請求項25記載の組成物。
【請求項27】
崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、あるいはポリビニルピロリドンコポビドン、もしくはそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
溶解修飾賦形剤がウィッキング剤も含む、請求項25記載の組成物。
【請求項29】
ウィッキング剤がラクトースである、請求項28記載の組成物。
【請求項30】
加工剤がタルクである、請求項25記載の組成物。
【請求項31】
【表1−1】
【表1−2】
【表1−3】
【表1−4】
上記の処方である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項32】
【表2】
上記の成分を含む、成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項33】
【表3】
上記の成分を含む、成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項34】
【表4】
上記の成分を含む成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項35】
【表5−1】
【表5−2】
【表5−3】
【表5−4】
上記の処方を含む、成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項36】
【表6】
である、請求項1記載の組成物。
【請求項37】
【表7】
である、請求項1記載の組成物。
【請求項38】
滑沢剤が10から15重量パーセントの量で存在するステアリルアルコールであり、滑沢剤がSDSあるいは5重量パーセント未満の量で存在するエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーであり、溶解修飾賦形剤が約2.5から約70重量パーセントの量で存在するHPC、HPMC、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドンあるいはラクトース、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項39】
請求項1から38のいずれかに記載の組成物を有する、射出成形されたカプセル外被、連結部材あるいは介在部材。
【請求項40】
請求項1から38のいずれかに記載の組成物を有する、多成分射出成形カプセル外被、連結部材あるいは介在部材。
【請求項41】
請求項1から38のいずれかに記載の組成物を有する、溶接多成分射出成形カプセル外被、連結部材あるいは介在部材。
【請求項42】
複数のサブユニットを含み、各サブユニットが
a)カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である、薬剤物質含有カプセル区画、および、
b)ポリマーを含み、薬剤物質を含有する中実マトリックスであって、ポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、中実マトリックス、
から選択され、
ここで、少なくとも患者に投与する前にそのサブユニットをまとめて一つの組み立て投与形態とする、多成分医薬投与形態。
【請求項43】
サブユニットの少なくとも一つが、約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から約30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含む中実マトリックスである、請求項42記載の多成分医薬投与形態。
【請求項44】
中実マトリックスが約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤も含む、請求項43記載の多成分医薬投与形態。
【請求項45】
中実マトリックスが約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤も含む、請求項43記載の多成分医薬投与形態。
【請求項46】
中実マトリックスが約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤も含む、請求項43記載の多成分医薬投与形態。
【請求項47】
複数の薬剤物質含有カプセル区画を含み、各区画が医薬上許容されるポリマー物質から作られる仕切りによって少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離している、請求項42記載の投与形態。
【請求項48】
仕切りが、約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から約30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項49】
仕切りが約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤も含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項50】
仕切りが約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤も含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項51】
仕切りが約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤も含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項52】
サブユニットの少なくとも一つが約0.3から0.8ミリメートルの範囲の厚さの仕切りを有する薬剤物質含有カプセル区画である、請求項47記載の投与形態。
【請求項53】
サブユニットの少なくとも一つが実質的に即時放出サブユニットである、請求項42記載の投与形態。
【請求項54】
サブユニットの少なくとも一つが持続あるいは律動放出サブユニットである、請求項42記載の投与形態。
【請求項55】
それぞれが複数のサブユニットを含み、各サブユニットが、
a)カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である、薬剤物質含有カプセル区画、および
b)ポリマーを含み、薬剤物質を含有する中実マトリックスであって、ポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、中実マトリックス
から選択され、
ここで、一連の投与形態の少なくとも一つが前記薬剤物質含有カプセル区画を少なくとも一つ含み、一連の投与形態の別の少なくとも一つが前記中実マトリックスを少なくとも一つ含み、そして、
前記投与形態の少なくとも一つの薬剤物質含有カプセル区画が前記少なくとも一つの他の投与形態の前記中実マトリックスと互換性があり、
少なくとも患者に投与する以前に各投与形態のサブユニットを一緒にまとめて一つの組み立て投与形態を得る、
一連の多成分投与形態。
【請求項56】
a)オイラギット4135Fおよび賦形剤組成物を同時に、実質的に同じ位置で細長いホットメルト押し出し成形機に導入する工程、
b)そこで均質の組成物を形成するためにホットメルト押し出し成形機中の前記オイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物を混合し、オイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物が導入された前記同じ位置から離れた位置で、金型を通してホットメルト押し出し成形機からストランドの形態の均質な組成物を取り出す工程、
c)ストランドを小粒に切断する工程、
d)前記小粒を射出成形機に導入し、前記小粒から射出成形により薄い仕切りのカプセル区画を形成する工程、
を含む、医薬投与形態を製造する方法。
【請求項57】
賦形剤組成物が溶解修飾賦形剤を含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
賦形剤組成物が界面活性剤を含む、請求項56記載の方法。
【請求項59】
賦形剤組成物が滑沢剤を含む、請求項56記載の方法。
【請求項60】
ホットメルト押し出し成形機がおよそ135度を越えない温度で維持される、請求項56記載の方法。
【請求項61】
ホットメルト押し出し成形機がオイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物の融点より低くない温度で維持される、請求項56記載の方法。
【請求項62】
ホットメルト押し出し成形機中の温度が、オイラギット4135Fおよび賦形剤組成物が導入された前記同じ位置から金型までホットメルト押し出し成形機の長さに沿って徐々に昇温するが、最高温度がおよそ135度を越えないところの、請求項56記載の方法。
【請求項63】
ホットメルト押し出し成形機が、第一および第二の対向端を備えた細長い円筒部、および円筒部の内側の長さに沿ってオイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物を進めるための円筒部中の二軸スクリューを含み、オイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物が導入された前記実質的に同じ位置が円筒部の第一の端に隣接して位置し、前記金型が円筒部の第二の端に隣接して位置する、請求項56記載の方法。
【請求項64】
射出成形機の円筒部を約120から140度の範囲の温度に保ちながら、薄い仕切りのカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項65】
射出成形機のノズルを約140から190度の範囲の温度に保ちながら、薄い仕切りのあるカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項66】
射出成形機のノズルを約165から170度の温度に保ちながら、薄い仕切りのあるカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項67】
射出成形機の円筒部を約120から140度の範囲の温度に保ち、射出成形機のノズルを約140から190度の範囲の温度に保ちながら、薄い仕切りのカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項68】
医薬投与形態が前記投与形態の成分として前記カプセル区画を使用して組み立てられる、請求項56記載の方法。
【請求項69】
組み立て投与形態の前記カプセル区画が、前記成分の隣接部分が接触している少なくとも一つの接合部により互いに結合している、請求項68記載の方法。
【請求項70】
接合部が熱溶接部、超音波溶接部、誘導溶接部、あるいは接着溶接部でできている、請求項69記載の方法。
【請求項1】
約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135F、0から約30重量パーセントの量で存在する滑沢剤、約2.5から約70重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含み、0から10パーセントの量で存在する界面活性剤、0から10重量パーセントの量で存在する可塑剤、および/または0から約10重量パーセントの量で存在する加工剤を含んでいてもよい、成形カプセル用の医薬組成物。
【請求項2】
オイラギット4135Fが約50から90重量パーセントの量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
5重量パーセント未満の量で存在する界面活性剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウムであるか、あるいはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
界面活性剤が2重量パーセント未満の量で存在するドデシル硫酸ナトリウムである、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
界面活性剤がエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーである、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
滑沢剤が約10から30重量パーセントの量で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
滑沢剤がステアリルアルコール、グリセロールモノステアラート(GMS)、タルク、マグネシウムステアラート、二酸化ケイ素、無定形ケイ酸、あるいはヒュームドシリカ、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
滑沢剤がステアリルアルコールである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
ステアリルアルコールが約10から約15重量パーセントで存在する、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
溶解修飾賦形剤がエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースあるいは他のヒドロキシアルキルセルロース誘導体、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である膨潤性固体である、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
溶解修飾賦形剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、あるいはヒドロキシプロピルセルロースである、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
膨潤性固体が10から50重量パーセントの量で存在する、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
溶解修飾賦形剤がキシリトール、マンニトール、ラクトース、デンプン1500、塩化ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、コポビドン、ポリビニルピロリドンコポビドン、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
溶解修飾賦形剤が40から70重量パーセントの量で存在する、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
溶解修飾賦形剤が膨潤性固体と、ラクトース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、あるいはポリビニルピロリドンコポビドンとの組み合わせである、請求項11記載の組成物。
【請求項17】
溶解修飾賦形剤がヒドロキシプロピルセルロースおよびラクトースである、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
界面活性剤がエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、レシチン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ひまし油を水素化したポリオキシル40、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ビタミンE−TPGS(登録商標)(d−α−コハク酸トコフェリルポリエチレングリコール1000)、スクロース脂肪酸エステル、およびそれらの組み合わせおよび混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
溶解修飾賦形剤が膨潤性固体と、ラクトース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、あるいはポリビニルピロリドンコポビドンとの組み合わせである、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
可塑剤がトリエチルシトラート(TEC)、トリブチルシトラート、アセチルトリエチルシトラート(ATEC)、アセチルトリブチルシトラート(ATBC)、ジブチルフタラート、ジブチルセバカート(CBS)、ジエチルフタラート、ビニルピロリドングリコールトリアセタート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、プロピレングリコール、あるいはひまし油、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項21】
加工剤がタルクである、請求項1記載の組成物。
【請求項22】
加工剤が約1から約5重量パーセントの量で存在する、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
さらに吸収増進剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項24】
吸収増進剤がキトサン、レシチン、レクチン、スクロース脂肪酸エステル、ビタミンE−TPGSおよびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
オイラギット4135Fが約50から90重量パーセントの量で存在し、滑沢剤がステアリルアルコールであり、溶解修飾賦形剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、あるいはヒドロキシアルキルセルロース誘導体あるいはその塩である、請求項1記載の組成物。
【請求項26】
溶解修飾賦形剤が崩壊剤も含む、請求項25記載の組成物。
【請求項27】
崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドン、クロスポビドン(架橋したポリビニルピロリドン)、あるいはポリビニルピロリドンコポビドン、もしくはそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
溶解修飾賦形剤がウィッキング剤も含む、請求項25記載の組成物。
【請求項29】
ウィッキング剤がラクトースである、請求項28記載の組成物。
【請求項30】
加工剤がタルクである、請求項25記載の組成物。
【請求項31】
【表1−1】
【表1−2】
【表1−3】
【表1−4】
上記の処方である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項32】
【表2】
上記の成分を含む、成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項33】
【表3】
上記の成分を含む、成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項34】
【表4】
上記の成分を含む成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項35】
【表5−1】
【表5−2】
【表5−3】
【表5−4】
上記の処方を含む、成形カプセル外被用の医薬組成物。
【請求項36】
【表6】
である、請求項1記載の組成物。
【請求項37】
【表7】
である、請求項1記載の組成物。
【請求項38】
滑沢剤が10から15重量パーセントの量で存在するステアリルアルコールであり、滑沢剤がSDSあるいは5重量パーセント未満の量で存在するエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーであり、溶解修飾賦形剤が約2.5から約70重量パーセントの量で存在するHPC、HPMC、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コポビドンあるいはラクトース、およびそれらの組み合わせあるいは混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項39】
請求項1から38のいずれかに記載の組成物を有する、射出成形されたカプセル外被、連結部材あるいは介在部材。
【請求項40】
請求項1から38のいずれかに記載の組成物を有する、多成分射出成形カプセル外被、連結部材あるいは介在部材。
【請求項41】
請求項1から38のいずれかに記載の組成物を有する、溶接多成分射出成形カプセル外被、連結部材あるいは介在部材。
【請求項42】
複数のサブユニットを含み、各サブユニットが
a)カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である、薬剤物質含有カプセル区画、および、
b)ポリマーを含み、薬剤物質を含有する中実マトリックスであって、ポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、中実マトリックス、
から選択され、
ここで、少なくとも患者に投与する前にそのサブユニットをまとめて一つの組み立て投与形態とする、多成分医薬投与形態。
【請求項43】
サブユニットの少なくとも一つが、約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から約30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含む中実マトリックスである、請求項42記載の多成分医薬投与形態。
【請求項44】
中実マトリックスが約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤も含む、請求項43記載の多成分医薬投与形態。
【請求項45】
中実マトリックスが約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤も含む、請求項43記載の多成分医薬投与形態。
【請求項46】
中実マトリックスが約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤も含む、請求項43記載の多成分医薬投与形態。
【請求項47】
複数の薬剤物質含有カプセル区画を含み、各区画が医薬上許容されるポリマー物質から作られる仕切りによって少なくとも一つの隣接する区画から物理的に分離している、請求項42記載の投与形態。
【請求項48】
仕切りが、約20から90重量パーセントの量で存在するオイラギット4135Fおよび約2.5から約30重量パーセントの量で存在する溶解修飾賦形剤を含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項49】
仕切りが約30重量パーセントまでの量で存在する滑沢剤も含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項50】
仕切りが約10重量パーセントまでの量で存在する可塑剤も含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項51】
仕切りが約10重量パーセントまでの量で存在する加工剤も含む、請求項47記載の多成分医薬投与形態。
【請求項52】
サブユニットの少なくとも一つが約0.3から0.8ミリメートルの範囲の厚さの仕切りを有する薬剤物質含有カプセル区画である、請求項47記載の投与形態。
【請求項53】
サブユニットの少なくとも一つが実質的に即時放出サブユニットである、請求項42記載の投与形態。
【請求項54】
サブユニットの少なくとも一つが持続あるいは律動放出サブユニットである、請求項42記載の投与形態。
【請求項55】
それぞれが複数のサブユニットを含み、各サブユニットが、
a)カプセル区画に含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性あるいは崩壊性である、薬剤物質含有カプセル区画、および
b)ポリマーを含み、薬剤物質を含有する中実マトリックスであって、ポリマーが中実マトリックスに含まれる薬剤物質を放出するために患者の胃腸環境において可溶性、分散性、あるいは崩壊性である、中実マトリックス
から選択され、
ここで、一連の投与形態の少なくとも一つが前記薬剤物質含有カプセル区画を少なくとも一つ含み、一連の投与形態の別の少なくとも一つが前記中実マトリックスを少なくとも一つ含み、そして、
前記投与形態の少なくとも一つの薬剤物質含有カプセル区画が前記少なくとも一つの他の投与形態の前記中実マトリックスと互換性があり、
少なくとも患者に投与する以前に各投与形態のサブユニットを一緒にまとめて一つの組み立て投与形態を得る、
一連の多成分投与形態。
【請求項56】
a)オイラギット4135Fおよび賦形剤組成物を同時に、実質的に同じ位置で細長いホットメルト押し出し成形機に導入する工程、
b)そこで均質の組成物を形成するためにホットメルト押し出し成形機中の前記オイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物を混合し、オイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物が導入された前記同じ位置から離れた位置で、金型を通してホットメルト押し出し成形機からストランドの形態の均質な組成物を取り出す工程、
c)ストランドを小粒に切断する工程、
d)前記小粒を射出成形機に導入し、前記小粒から射出成形により薄い仕切りのカプセル区画を形成する工程、
を含む、医薬投与形態を製造する方法。
【請求項57】
賦形剤組成物が溶解修飾賦形剤を含む、請求項56記載の方法。
【請求項58】
賦形剤組成物が界面活性剤を含む、請求項56記載の方法。
【請求項59】
賦形剤組成物が滑沢剤を含む、請求項56記載の方法。
【請求項60】
ホットメルト押し出し成形機がおよそ135度を越えない温度で維持される、請求項56記載の方法。
【請求項61】
ホットメルト押し出し成形機がオイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物の融点より低くない温度で維持される、請求項56記載の方法。
【請求項62】
ホットメルト押し出し成形機中の温度が、オイラギット4135Fおよび賦形剤組成物が導入された前記同じ位置から金型までホットメルト押し出し成形機の長さに沿って徐々に昇温するが、最高温度がおよそ135度を越えないところの、請求項56記載の方法。
【請求項63】
ホットメルト押し出し成形機が、第一および第二の対向端を備えた細長い円筒部、および円筒部の内側の長さに沿ってオイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物を進めるための円筒部中の二軸スクリューを含み、オイラギット4135Fおよび前記賦形剤組成物が導入された前記実質的に同じ位置が円筒部の第一の端に隣接して位置し、前記金型が円筒部の第二の端に隣接して位置する、請求項56記載の方法。
【請求項64】
射出成形機の円筒部を約120から140度の範囲の温度に保ちながら、薄い仕切りのカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項65】
射出成形機のノズルを約140から190度の範囲の温度に保ちながら、薄い仕切りのあるカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項66】
射出成形機のノズルを約165から170度の温度に保ちながら、薄い仕切りのあるカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項67】
射出成形機の円筒部を約120から140度の範囲の温度に保ち、射出成形機のノズルを約140から190度の範囲の温度に保ちながら、薄い仕切りのカプセル区画の射出成形を円筒部およびノズルを有する射出成形機を使用して行う、請求項56記載の方法。
【請求項68】
医薬投与形態が前記投与形態の成分として前記カプセル区画を使用して組み立てられる、請求項56記載の方法。
【請求項69】
組み立て投与形態の前記カプセル区画が、前記成分の隣接部分が接触している少なくとも一つの接合部により互いに結合している、請求項68記載の方法。
【請求項70】
接合部が熱溶接部、超音波溶接部、誘導溶接部、あるいは接着溶接部でできている、請求項69記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−229224(P2012−229224A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−135050(P2012−135050)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2002−560580(P2002−560580)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(511291027)カプスゲル・ベルギウム・ナムローゼ・フェンノートシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】Capsugel Belgium NV
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135050(P2012−135050)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2002−560580(P2002−560580)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(511291027)カプスゲル・ベルギウム・ナムローゼ・フェンノートシャップ (4)
【氏名又は名称原語表記】Capsugel Belgium NV
【Fターム(参考)】
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