半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法
【課題】専用のテーブルや治具等を省略して作業を簡素化でき、ダイシング工程やピックアップ工程でそのまま使用して作業の迅速化を実現し、粘着保持層の材料が制約されることのない半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法を提供する。
【解決手段】薄化された半導体ウェーハWを中空部に収容可能な保持フレーム1と、保持フレーム1に支持されて半導体ウェーハWを着脱自在に粘着保持する粘着保持層10とを備えた半導体ウェーハ用保持具であり、保持フレーム1を、中空部を区画する内フレーム2と、内フレーム2に着脱自在に嵌合する外フレーム4とから形成し、内フレーム2と外フレーム4をそれぞれ1.0〜2.8mmの厚さに形成してその間には粘着保持層10の周縁部を挟持させ、内フレーム2、外フレーム4、及び粘着保持層10に耐熱性をそれぞれ付与し、外フレーム4の外周縁部の前後左右をそれぞれ直線的に切り欠く。
【解決手段】薄化された半導体ウェーハWを中空部に収容可能な保持フレーム1と、保持フレーム1に支持されて半導体ウェーハWを着脱自在に粘着保持する粘着保持層10とを備えた半導体ウェーハ用保持具であり、保持フレーム1を、中空部を区画する内フレーム2と、内フレーム2に着脱自在に嵌合する外フレーム4とから形成し、内フレーム2と外フレーム4をそれぞれ1.0〜2.8mmの厚さに形成してその間には粘着保持層10の周縁部を挟持させ、内フレーム2、外フレーム4、及び粘着保持層10に耐熱性をそれぞれ付与し、外フレーム4の外周縁部の前後左右をそれぞれ直線的に切り欠く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造工程で半導体ウェーハを収容、保管、加工、処理、搬送等する際に使用される半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における半導体ウェーハ用保持具は、図示しないが、例えばバックグラインドで薄化された半導体ウェーハを中空部に収容可能な保持フレームと、この保持フレームに緊張状態で粘着されて半導体ウェーハを保持する粘着保持層とを備え、半導体の製造工程で使用されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
保持フレームは、略リング形の平板に形成され、強度を確保する観点からやや厚肉に形成されている。また、粘着保持層は、耐熱性を有する自己粘着性の材料(例えば、アクリル系やUV系等の材料)により形成され、保持フレームの裏面に粘着されて余剰部がカットされたり、余剰部を有しない所定の大きさの円形に予め形成され、保持フレームの裏面に位置決めして緊張状態に粘着される。
【0004】
このような半導体ウェーハ用保持具は、保持フレームに半導体ウェーハを粘着保持層を介して粘着保持し、半導体ウェーハに対するフラックスの印刷工程、ハンダボールの搭載、ハンダリフロー工程等で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004‐186430号公報
【特許文献2】特開2009‐123942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における半導体ウェーハ用保持具は、以上のように構成され、保持フレームが厚肉なので、フラックスの印刷工程やハンダリフロー工程等で厚さを吸収する専用のテーブルや治具を使用しなければならず、作業が煩雑になるという問題がある。また、保持フレームが厚肉である関係上、ダイシング工程やピックアップ工程で使用することができず、その場合には、別の治具に半導体ウェーハを移し替えなければならないので、作業の複雑化や遅延を招くという問題がある。
【0007】
さらに、従来における半導体ウェーハ用保持具は、保持フレームの裏面に粘着保持層が粘着されるので、粘着保持層に耐熱性の他に強い自己粘着性も要求されることとなる。したがって、これらの性能を共に満たす材料を選択しなければならず、粘着保持層の材料が限定されることとなる。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、専用のテーブルや治具等を省略して作業を簡素化することができ、ダイシング工程やピックアップ工程でそのまま使用して作業の迅速化を実現し、粘着保持層の材料が制約されることのない半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては上記課題を解決するため、バックグラインドにより薄化された半導体ウェーハを中空部に収容可能な保持フレームと、この保持フレームに支持されて半導体ウェーハを着脱自在に粘着保持する可撓性の粘着保持層とを備えた保持具であって、
保持フレームを、中空部を区画するエンドレスの内フレームと、この内フレームに着脱自在に嵌合するエンドレスの外フレームとから形成するとともに、これら内フレームと外フレームとをそれぞれ1.0〜2.8mmの厚さに形成してその間には粘着保持層の周縁部を挟み、内フレーム、外フレーム、及び粘着保持層に耐熱性をそれぞれ付与し、外フレームの外周縁部の前後左右をそれぞれ直線的に切り欠いたことを特徴としている。
【0010】
なお、保持フレームの内フレームと外フレームとの相対向する対向壁のいずれか一方に凹部を、他方には凸部をそれぞれ形成し、これら凹部と凸部とを粘着保持層の周縁部を介して嵌合可能とすることが好ましい。
【0011】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1又は2記載の半導体ウェーハ用保持具にバックグラインドで薄化された半導体ウェーハを保持させて取り扱う取り扱い方法であって、
保持フレームの内フレームと外フレームとを嵌合してこれらの間には粘着保持層の周縁部を挟み持たせ、この粘着保持層に薄化されて粘着テープに粘着した半導体ウェーハを粘着保持させて保持フレームの中空部に位置させるとともに、粘着保持された半導体ウェーハから粘着テープを剥離し、半導体ウェーハに所定の加工処理を施し、半導体ウェーハをダイシングして複数の半導体チップを形成した後、複数の半導体チップを順次ピックアップすることを特徴としている。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における半導体ウェーハには、少なくともφ200、300、450mmの半導体ウェーハが含まれる。粘着保持層は、透明、不透明、半透明を特に問うものではない。さらに、半導体ウェーハに対する所定の加工処理としては、少なくともフラックスの印刷工程、ハンダボールの搭載工程、リフロー工程、洗浄工程、CVD工程の加工処理等が該当する。
【0013】
本発明によれば、保持フレームを薄肉化してその内フレームや外フレームを1.0〜2.8mmの厚さとするので、所定の工程等で厚さを吸収する専用のテーブルや治具を使用する必要がない。また、半導体ウェーハを移し替える必要がないので、ダイシング工程やピックアップ工程で保持フレームをそのまま使用することができる。また、保持フレームの裏面に粘着保持層を強固に粘着しなくても良いので、半導体ウェーハには粘着するものの、保持フレームには粘着しない弱粘着性の材料を粘着保持層に利用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、専用のテーブルや治具等を省略して半導体ウェーハに関する加工処理作業を簡素化することができ、しかも、ダイシング工程やピックアップ工程で半導体ウェーハ用保持具をそのまま使用して作業の迅速化を実現することができるという効果がある。また、粘着保持層の材料が制約されるのを防止することができる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、内フレームと外フレームの凹凸部を対向させて嵌め合わせるので、内フレームの表面と外フレームの表面の高さを略面一に揃えたり、粘着保持層の周縁部を容易に挟むことができ、しかも、簡易な構成で内フレーム又は外フレームの脱落を防ぐことができる。
また、請求項3記載の発明によれば、少なくとも半導体ウェーハに対する所定の加工処理工程、例えばフラックスの印刷工程から半導体チップのピックアップ工程まで保持フレームをそのまま使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における半導体ウェーハを粘着保持した状態を模式的に示す平面説明図である。
【図2】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における半導体ウェーハを粘着保持した状態を模式的に示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における内フレームと外フレームの一部を模式的に示す部分断面説明図である。
【図4】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す平面説明図である。
【図5】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す裏面説明図である。
【図6】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す正面説明図である。
【図7】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す側面説明図である。
【図8】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における内フレームを模式的に示す平面説明図である。
【図9】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における内フレームを模式的に示す側面説明図である。
【図10】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における外フレームを模式的に示す平面説明図である。
【図11】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における外フレームを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における半導体ウェーハ用保持具は、図1ないし図11に示すように、バックグラインドで薄化された半導体ウェーハWを中空部に収容可能な保持フレーム1と、この保持フレーム1に支持されて半導体ウェーハWを粘着保持する可撓性の粘着保持層10とを備え、保持フレーム1を、中空部を区画する内フレーム2と、この内フレーム2に着脱自在に嵌合する外フレーム4とから形成し、これら内フレーム2と外フレーム4との間に粘着保持層10を挟持させるようにしている。
【0018】
半導体ウェーハWは、図1や図2に示すように、例えばφ300mmの丸いシリコンウェーハからなり、表面に所定の回路パターンが形成され、薄い半導体パッケージに適合させる観点から裏面がバックグラインド装置でバックグラインドされることにより、100μm以下の厚さに薄片化されて可撓性を有する。この半導体ウェーハWは、バックグラインド時に粘着性のバックグラインドテープに着脱自在に粘着される。
【0019】
保持フレーム1は、図1ないし図7に示すように、略同じ高さ(肉厚)の内フレーム2と外フレーム4とにより分割可能なリング形の平板に形成され、従来よりも薄い所定の厚さ、具体的には1.0〜2.8mm、好ましくは1.2〜2.6mm程度の厚さに調整されており、望ましくは基板収納容器の容器本体に収納される。この保持フレーム1は、強度や剛性に優れる金属製の場合には、1.2〜1.5mm程度の厚さに調整され、樹脂製の場合には、強度や剛性、軽量化の要請を満たす観点から2.0〜2.6mmの厚さとされる。
【0020】
内フレーム2は、図3、図8や図9等に示すように、例えば250℃以上の耐熱性を有する材料により半導体ウェーハWよりも大きいリング形の平板に形成され、丸い中空部を区画する。この内フレーム2は、例えばステンレス、表面にメッキが施されて錆の発生を防止可能な材料、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、耐熱性を有する特殊なナイロン、熱硬化ポリエステル、エポキシ樹脂等により形成される。また、専用のテーブルや治具等を省略する観点から、1.0〜2.8mmの厚さに形成され、外周面に嵌合用の凸部3がエンドレスに突出して周設される。
【0021】
外フレーム4は、図3、図10や図11に示すように、例えば250℃以上の耐熱性を有する材料により内フレーム2よりも大きい略リング形の平板に形成され、内周面には嵌合用の凹部5がエンドレスに凹んで周設されており、この凹部5が内フレーム2の凸部3に粘着保持層10の周縁部を介して嵌合することにより、内フレーム2にフラットに整合される。
【0022】
外フレーム4は、例えばステンレス、表面にメッキが施されて錆の発生を防止可能な材料、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、耐熱性を有する特殊なナイロン、熱硬化ポリエステル、エポキシ樹脂等により形成される。また、専用のテーブルや治具等を省略するため、1.0〜2.8mmの厚さに形成され、外周縁部の前後左右がそれぞれ周方向に直線的に切り欠かれており、半導体ウェーハWに対する加工処理作業時の位置決めの便宜が確保される。外フレーム4の外周縁部の表面両側は、半径外方向に向かうに従い徐々に下降するようそれぞれ僅かに傾斜形成される。
【0023】
粘着保持層10は、図1ないし図3に示すように、例えば250℃以上の耐熱性を有する材料により半導体ウェーハWよりも大きい円形の薄膜に成形され、内フレーム2と外フレーム4との間、具体的には内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とに周縁部が挟持されることにより、内フレーム2の開口下面を被覆する。この粘着保持層10は、例えばシリコーンゴム単体やフッ素ゴム等の透明のエラストマーにより形成され、内フレーム2の開口下面を被覆した被覆部の表面に半導体ウェーハWを着脱自在に粘着保持する。
【0024】
上記構成において、半導体製造の後工程で半導体ウェーハ用保持具にバックグラインドで薄化された半導体ウェーハWを保持させて取り扱う場合には、先ず、保持フレーム1を形成する内フレーム2と外フレーム4とをそれぞれ用意し、内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とを相互に密嵌してこれらの間に粘着保持層10の周縁部を挟持させ、保持フレーム1を組み合わせてその開口下面を粘着保持層10で被覆する。
【0025】
この際、内フレーム2と外フレーム4との間に粘着保持層10の周縁部を挟持させた後に食み出た余剰部をカットして除去しても良いし、粘着保持層10を余剰部を有しない所定の大きさの円形に予め裁断しておいても良い。また、内フレーム2と外フレーム4とを単に嵌合するのではなく、内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とを相互に密嵌するので、内フレーム2と外フレーム4との表面高さを揃えたり、粘着保持層10の周縁部を容易に挟むことができ、しかも、簡易な構成で内フレーム2や外フレーム4の脱落防止が期待できる。
【0026】
保持フレーム1の開口下面を粘着保持層10で被覆したら、粘着保持層10の表面に、バックグラインドテープに粘着した薄い半導体ウェーハWを粘着保持させることにより、保持フレーム1の中空部に位置させ、半導体ウェーハWから不要となったバックグラインドテープを上方に引き上げて剥離する。
この際、半導体ウェーハWがバックグラインドで薄く脆くなっているので、バックグラインドテープを少しずつ徐々に剥離して半導体ウェーハWの損傷を未然に防止することが好ましい。
【0027】
次いで、保持フレーム1にマウントされた半導体ウェーハWに所定の加工処理を適宜施し、ダイシング工程で半導体ウェーハWをダイシングして複数の半導体チップを形成し、その後、複数の半導体チップをピックアップ工程のダイボンディング装置で順次ピックアップすれば、一連の作業を終了することができる。
所定の加工処理としては、特に限定されるものではないが、例えばフラックスの印刷作業、ハンダボールの搭載作業、ハンダリフロー作業、洗浄作業等が該当する。
【0028】
なお、粘着保持層10が汚れて交換を要する場合には、内フレーム2と外フレーム4の嵌合を解除して分離すれば良い。こうすれば、内フレーム2、外フレーム4、及び粘着保持層10の関係が解消されるので、古い粘着保持層10を取り外して新規の粘着保持層10に迅速に交換することができる。
【0029】
上記構成によれば、保持フレーム1を従来よりも薄肉化して1.0〜2.8mmの厚さとするので、フラックスの印刷工程やハンダリフロー工程等で厚さを吸収する専用のテーブルや治具を使用する必要が全くなく、半導体ウェーハWに関する加工処理作業の著しい簡素化を図ることができる。また、保持フレーム1の薄肉化に伴い、ダイシング工程やピックアップ工程で保持フレーム1をそのまま使用することができる。したがって、別の治具に半導体ウェーハWを移し替える必要が全くないので、作業の複雑化や遅延を抑制防止することができる。
【0030】
また、保持フレーム1の裏面に粘着保持層10を強固に粘着する必要がないので、半導体ウェーハWには粘着するものの、保持フレーム1には粘着しない自己粘着性に乏しい弱粘着性の材料で粘着保持層10を形成することができる。したがって、シリコーンゴム単体等からなる粘着保持層10を活用することができ、材料選択の幅を大いに拡大することが可能となる。また、内フレーム2と外フレーム4との間に粘着保持層10の周縁部を介在するので、粘着保持層10をやや撓ませて取り付けることが可能となる。よって、半導体ウェーハWを緩やかに保持して破損や損傷のおそれを未然に防ぐことが可能となる。
【0031】
さらに、半導体製造の後工程で半導体ウェーハWに作用する温度を考慮し、内フレーム2、外フレーム4、及び粘着保持層10に250℃以上の耐熱性をそれぞれ付与するので、例えハンダリフロー装置で保持フレーム1が高温の環境下に晒されても、保持フレーム1や粘着保持層10が変形したり、損傷するのを有効に防止することができる。
【0032】
なお、上記実施形態では内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とを相互に密嵌してこれらの間に粘着保持層10の周縁部を挟持させ、保持フレーム1の開口下面を粘着保持層10で被覆したが、必要に応じ、保持フレーム1の開口上面を粘着保持層10で被覆しても良い。また、上記実施形態では内フレーム2に凸部3を、外フレーム4に凹部5をそれぞれ形成したが、内フレーム2の外周面に凹部5を、外フレーム4の内周面に凸部3をそれぞれ形成して着脱自在に嵌合しても良い。
【0033】
また、内フレーム2の表面外周縁部を、半径外方向に向かうに従い徐々に下降するようそれぞれ僅かに傾斜形成しても良い。さらに、外フレーム4の外周縁部の前後左右をそれぞれ周方向に直線的に切り欠いたが、外周縁部の前方両側に位置決め溝をそれぞれ略V字形に切り欠き、この左右一対の位置決め溝を相互に異なる形に形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法は、半導体の製造分野、特に後工程で用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 保持フレーム
2 内フレーム
3 凸部
4 外フレーム
5 凹部
10 粘着保持層
W 半導体ウェーハ
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造工程で半導体ウェーハを収容、保管、加工、処理、搬送等する際に使用される半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における半導体ウェーハ用保持具は、図示しないが、例えばバックグラインドで薄化された半導体ウェーハを中空部に収容可能な保持フレームと、この保持フレームに緊張状態で粘着されて半導体ウェーハを保持する粘着保持層とを備え、半導体の製造工程で使用されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
保持フレームは、略リング形の平板に形成され、強度を確保する観点からやや厚肉に形成されている。また、粘着保持層は、耐熱性を有する自己粘着性の材料(例えば、アクリル系やUV系等の材料)により形成され、保持フレームの裏面に粘着されて余剰部がカットされたり、余剰部を有しない所定の大きさの円形に予め形成され、保持フレームの裏面に位置決めして緊張状態に粘着される。
【0004】
このような半導体ウェーハ用保持具は、保持フレームに半導体ウェーハを粘着保持層を介して粘着保持し、半導体ウェーハに対するフラックスの印刷工程、ハンダボールの搭載、ハンダリフロー工程等で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004‐186430号公報
【特許文献2】特開2009‐123942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における半導体ウェーハ用保持具は、以上のように構成され、保持フレームが厚肉なので、フラックスの印刷工程やハンダリフロー工程等で厚さを吸収する専用のテーブルや治具を使用しなければならず、作業が煩雑になるという問題がある。また、保持フレームが厚肉である関係上、ダイシング工程やピックアップ工程で使用することができず、その場合には、別の治具に半導体ウェーハを移し替えなければならないので、作業の複雑化や遅延を招くという問題がある。
【0007】
さらに、従来における半導体ウェーハ用保持具は、保持フレームの裏面に粘着保持層が粘着されるので、粘着保持層に耐熱性の他に強い自己粘着性も要求されることとなる。したがって、これらの性能を共に満たす材料を選択しなければならず、粘着保持層の材料が限定されることとなる。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、専用のテーブルや治具等を省略して作業を簡素化することができ、ダイシング工程やピックアップ工程でそのまま使用して作業の迅速化を実現し、粘着保持層の材料が制約されることのない半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては上記課題を解決するため、バックグラインドにより薄化された半導体ウェーハを中空部に収容可能な保持フレームと、この保持フレームに支持されて半導体ウェーハを着脱自在に粘着保持する可撓性の粘着保持層とを備えた保持具であって、
保持フレームを、中空部を区画するエンドレスの内フレームと、この内フレームに着脱自在に嵌合するエンドレスの外フレームとから形成するとともに、これら内フレームと外フレームとをそれぞれ1.0〜2.8mmの厚さに形成してその間には粘着保持層の周縁部を挟み、内フレーム、外フレーム、及び粘着保持層に耐熱性をそれぞれ付与し、外フレームの外周縁部の前後左右をそれぞれ直線的に切り欠いたことを特徴としている。
【0010】
なお、保持フレームの内フレームと外フレームとの相対向する対向壁のいずれか一方に凹部を、他方には凸部をそれぞれ形成し、これら凹部と凸部とを粘着保持層の周縁部を介して嵌合可能とすることが好ましい。
【0011】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1又は2記載の半導体ウェーハ用保持具にバックグラインドで薄化された半導体ウェーハを保持させて取り扱う取り扱い方法であって、
保持フレームの内フレームと外フレームとを嵌合してこれらの間には粘着保持層の周縁部を挟み持たせ、この粘着保持層に薄化されて粘着テープに粘着した半導体ウェーハを粘着保持させて保持フレームの中空部に位置させるとともに、粘着保持された半導体ウェーハから粘着テープを剥離し、半導体ウェーハに所定の加工処理を施し、半導体ウェーハをダイシングして複数の半導体チップを形成した後、複数の半導体チップを順次ピックアップすることを特徴としている。
【0012】
ここで、特許請求の範囲における半導体ウェーハには、少なくともφ200、300、450mmの半導体ウェーハが含まれる。粘着保持層は、透明、不透明、半透明を特に問うものではない。さらに、半導体ウェーハに対する所定の加工処理としては、少なくともフラックスの印刷工程、ハンダボールの搭載工程、リフロー工程、洗浄工程、CVD工程の加工処理等が該当する。
【0013】
本発明によれば、保持フレームを薄肉化してその内フレームや外フレームを1.0〜2.8mmの厚さとするので、所定の工程等で厚さを吸収する専用のテーブルや治具を使用する必要がない。また、半導体ウェーハを移し替える必要がないので、ダイシング工程やピックアップ工程で保持フレームをそのまま使用することができる。また、保持フレームの裏面に粘着保持層を強固に粘着しなくても良いので、半導体ウェーハには粘着するものの、保持フレームには粘着しない弱粘着性の材料を粘着保持層に利用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、専用のテーブルや治具等を省略して半導体ウェーハに関する加工処理作業を簡素化することができ、しかも、ダイシング工程やピックアップ工程で半導体ウェーハ用保持具をそのまま使用して作業の迅速化を実現することができるという効果がある。また、粘着保持層の材料が制約されるのを防止することができる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によれば、内フレームと外フレームの凹凸部を対向させて嵌め合わせるので、内フレームの表面と外フレームの表面の高さを略面一に揃えたり、粘着保持層の周縁部を容易に挟むことができ、しかも、簡易な構成で内フレーム又は外フレームの脱落を防ぐことができる。
また、請求項3記載の発明によれば、少なくとも半導体ウェーハに対する所定の加工処理工程、例えばフラックスの印刷工程から半導体チップのピックアップ工程まで保持フレームをそのまま使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における半導体ウェーハを粘着保持した状態を模式的に示す平面説明図である。
【図2】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における半導体ウェーハを粘着保持した状態を模式的に示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における内フレームと外フレームの一部を模式的に示す部分断面説明図である。
【図4】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す平面説明図である。
【図5】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す裏面説明図である。
【図6】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す正面説明図である。
【図7】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における保持フレームを模式的に示す側面説明図である。
【図8】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における内フレームを模式的に示す平面説明図である。
【図9】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における内フレームを模式的に示す側面説明図である。
【図10】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における外フレームを模式的に示す平面説明図である。
【図11】本発明に係る半導体ウェーハ用保持具の実施形態における外フレームを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における半導体ウェーハ用保持具は、図1ないし図11に示すように、バックグラインドで薄化された半導体ウェーハWを中空部に収容可能な保持フレーム1と、この保持フレーム1に支持されて半導体ウェーハWを粘着保持する可撓性の粘着保持層10とを備え、保持フレーム1を、中空部を区画する内フレーム2と、この内フレーム2に着脱自在に嵌合する外フレーム4とから形成し、これら内フレーム2と外フレーム4との間に粘着保持層10を挟持させるようにしている。
【0018】
半導体ウェーハWは、図1や図2に示すように、例えばφ300mmの丸いシリコンウェーハからなり、表面に所定の回路パターンが形成され、薄い半導体パッケージに適合させる観点から裏面がバックグラインド装置でバックグラインドされることにより、100μm以下の厚さに薄片化されて可撓性を有する。この半導体ウェーハWは、バックグラインド時に粘着性のバックグラインドテープに着脱自在に粘着される。
【0019】
保持フレーム1は、図1ないし図7に示すように、略同じ高さ(肉厚)の内フレーム2と外フレーム4とにより分割可能なリング形の平板に形成され、従来よりも薄い所定の厚さ、具体的には1.0〜2.8mm、好ましくは1.2〜2.6mm程度の厚さに調整されており、望ましくは基板収納容器の容器本体に収納される。この保持フレーム1は、強度や剛性に優れる金属製の場合には、1.2〜1.5mm程度の厚さに調整され、樹脂製の場合には、強度や剛性、軽量化の要請を満たす観点から2.0〜2.6mmの厚さとされる。
【0020】
内フレーム2は、図3、図8や図9等に示すように、例えば250℃以上の耐熱性を有する材料により半導体ウェーハWよりも大きいリング形の平板に形成され、丸い中空部を区画する。この内フレーム2は、例えばステンレス、表面にメッキが施されて錆の発生を防止可能な材料、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、耐熱性を有する特殊なナイロン、熱硬化ポリエステル、エポキシ樹脂等により形成される。また、専用のテーブルや治具等を省略する観点から、1.0〜2.8mmの厚さに形成され、外周面に嵌合用の凸部3がエンドレスに突出して周設される。
【0021】
外フレーム4は、図3、図10や図11に示すように、例えば250℃以上の耐熱性を有する材料により内フレーム2よりも大きい略リング形の平板に形成され、内周面には嵌合用の凹部5がエンドレスに凹んで周設されており、この凹部5が内フレーム2の凸部3に粘着保持層10の周縁部を介して嵌合することにより、内フレーム2にフラットに整合される。
【0022】
外フレーム4は、例えばステンレス、表面にメッキが施されて錆の発生を防止可能な材料、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド、耐熱性を有する特殊なナイロン、熱硬化ポリエステル、エポキシ樹脂等により形成される。また、専用のテーブルや治具等を省略するため、1.0〜2.8mmの厚さに形成され、外周縁部の前後左右がそれぞれ周方向に直線的に切り欠かれており、半導体ウェーハWに対する加工処理作業時の位置決めの便宜が確保される。外フレーム4の外周縁部の表面両側は、半径外方向に向かうに従い徐々に下降するようそれぞれ僅かに傾斜形成される。
【0023】
粘着保持層10は、図1ないし図3に示すように、例えば250℃以上の耐熱性を有する材料により半導体ウェーハWよりも大きい円形の薄膜に成形され、内フレーム2と外フレーム4との間、具体的には内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とに周縁部が挟持されることにより、内フレーム2の開口下面を被覆する。この粘着保持層10は、例えばシリコーンゴム単体やフッ素ゴム等の透明のエラストマーにより形成され、内フレーム2の開口下面を被覆した被覆部の表面に半導体ウェーハWを着脱自在に粘着保持する。
【0024】
上記構成において、半導体製造の後工程で半導体ウェーハ用保持具にバックグラインドで薄化された半導体ウェーハWを保持させて取り扱う場合には、先ず、保持フレーム1を形成する内フレーム2と外フレーム4とをそれぞれ用意し、内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とを相互に密嵌してこれらの間に粘着保持層10の周縁部を挟持させ、保持フレーム1を組み合わせてその開口下面を粘着保持層10で被覆する。
【0025】
この際、内フレーム2と外フレーム4との間に粘着保持層10の周縁部を挟持させた後に食み出た余剰部をカットして除去しても良いし、粘着保持層10を余剰部を有しない所定の大きさの円形に予め裁断しておいても良い。また、内フレーム2と外フレーム4とを単に嵌合するのではなく、内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とを相互に密嵌するので、内フレーム2と外フレーム4との表面高さを揃えたり、粘着保持層10の周縁部を容易に挟むことができ、しかも、簡易な構成で内フレーム2や外フレーム4の脱落防止が期待できる。
【0026】
保持フレーム1の開口下面を粘着保持層10で被覆したら、粘着保持層10の表面に、バックグラインドテープに粘着した薄い半導体ウェーハWを粘着保持させることにより、保持フレーム1の中空部に位置させ、半導体ウェーハWから不要となったバックグラインドテープを上方に引き上げて剥離する。
この際、半導体ウェーハWがバックグラインドで薄く脆くなっているので、バックグラインドテープを少しずつ徐々に剥離して半導体ウェーハWの損傷を未然に防止することが好ましい。
【0027】
次いで、保持フレーム1にマウントされた半導体ウェーハWに所定の加工処理を適宜施し、ダイシング工程で半導体ウェーハWをダイシングして複数の半導体チップを形成し、その後、複数の半導体チップをピックアップ工程のダイボンディング装置で順次ピックアップすれば、一連の作業を終了することができる。
所定の加工処理としては、特に限定されるものではないが、例えばフラックスの印刷作業、ハンダボールの搭載作業、ハンダリフロー作業、洗浄作業等が該当する。
【0028】
なお、粘着保持層10が汚れて交換を要する場合には、内フレーム2と外フレーム4の嵌合を解除して分離すれば良い。こうすれば、内フレーム2、外フレーム4、及び粘着保持層10の関係が解消されるので、古い粘着保持層10を取り外して新規の粘着保持層10に迅速に交換することができる。
【0029】
上記構成によれば、保持フレーム1を従来よりも薄肉化して1.0〜2.8mmの厚さとするので、フラックスの印刷工程やハンダリフロー工程等で厚さを吸収する専用のテーブルや治具を使用する必要が全くなく、半導体ウェーハWに関する加工処理作業の著しい簡素化を図ることができる。また、保持フレーム1の薄肉化に伴い、ダイシング工程やピックアップ工程で保持フレーム1をそのまま使用することができる。したがって、別の治具に半導体ウェーハWを移し替える必要が全くないので、作業の複雑化や遅延を抑制防止することができる。
【0030】
また、保持フレーム1の裏面に粘着保持層10を強固に粘着する必要がないので、半導体ウェーハWには粘着するものの、保持フレーム1には粘着しない自己粘着性に乏しい弱粘着性の材料で粘着保持層10を形成することができる。したがって、シリコーンゴム単体等からなる粘着保持層10を活用することができ、材料選択の幅を大いに拡大することが可能となる。また、内フレーム2と外フレーム4との間に粘着保持層10の周縁部を介在するので、粘着保持層10をやや撓ませて取り付けることが可能となる。よって、半導体ウェーハWを緩やかに保持して破損や損傷のおそれを未然に防ぐことが可能となる。
【0031】
さらに、半導体製造の後工程で半導体ウェーハWに作用する温度を考慮し、内フレーム2、外フレーム4、及び粘着保持層10に250℃以上の耐熱性をそれぞれ付与するので、例えハンダリフロー装置で保持フレーム1が高温の環境下に晒されても、保持フレーム1や粘着保持層10が変形したり、損傷するのを有効に防止することができる。
【0032】
なお、上記実施形態では内フレーム2の凸部3と外フレーム4の凹部5とを相互に密嵌してこれらの間に粘着保持層10の周縁部を挟持させ、保持フレーム1の開口下面を粘着保持層10で被覆したが、必要に応じ、保持フレーム1の開口上面を粘着保持層10で被覆しても良い。また、上記実施形態では内フレーム2に凸部3を、外フレーム4に凹部5をそれぞれ形成したが、内フレーム2の外周面に凹部5を、外フレーム4の内周面に凸部3をそれぞれ形成して着脱自在に嵌合しても良い。
【0033】
また、内フレーム2の表面外周縁部を、半径外方向に向かうに従い徐々に下降するようそれぞれ僅かに傾斜形成しても良い。さらに、外フレーム4の外周縁部の前後左右をそれぞれ周方向に直線的に切り欠いたが、外周縁部の前方両側に位置決め溝をそれぞれ略V字形に切り欠き、この左右一対の位置決め溝を相互に異なる形に形成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る半導体ウェーハ用保持具及び半導体ウェーハの取り扱い方法は、半導体の製造分野、特に後工程で用いることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 保持フレーム
2 内フレーム
3 凸部
4 外フレーム
5 凹部
10 粘着保持層
W 半導体ウェーハ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックグラインドにより薄化された半導体ウェーハを中空部に収容可能な保持フレームと、この保持フレームに支持されて半導体ウェーハを着脱自在に粘着保持する可撓性の粘着保持層とを備えた半導体ウェーハ用保持具であって、
保持フレームを、中空部を区画するエンドレスの内フレームと、この内フレームに着脱自在に嵌合するエンドレスの外フレームとから形成するとともに、これら内フレームと外フレームとをそれぞれ1.0〜2.8mmの厚さに形成してその間には粘着保持層の周縁部を挟み、内フレーム、外フレーム、及び粘着保持層に耐熱性をそれぞれ付与し、外フレームの外周縁部の前後左右をそれぞれ直線的に切り欠いたことを特徴とする半導体ウェーハ用保持具。
【請求項2】
保持フレームの内フレームと外フレームとの相対向する対向壁のいずれか一方に凹部を、他方には凸部をそれぞれ形成し、これら凹部と凸部とを粘着保持層の周縁部を介して嵌合可能とした請求項1記載の半導体ウェーハ用保持具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体ウェーハ用保持具にバックグラインドで薄化された半導体ウェーハを保持させて取り扱う半導体ウェーハの取り扱い方法であって、
保持フレームの内フレームと外フレームとを嵌合してこれらの間には粘着保持層の周縁部を挟み持たせ、この粘着保持層に薄化されて粘着テープに粘着した半導体ウェーハを粘着保持させて保持フレームの中空部に位置させるとともに、粘着保持された半導体ウェーハから粘着テープを剥離し、半導体ウェーハに所定の加工処理を施し、半導体ウェーハをダイシングして複数の半導体チップを形成した後、複数の半導体チップを順次ピックアップすることを特徴とする半導体ウェーハの取り扱い方法。
【請求項1】
バックグラインドにより薄化された半導体ウェーハを中空部に収容可能な保持フレームと、この保持フレームに支持されて半導体ウェーハを着脱自在に粘着保持する可撓性の粘着保持層とを備えた半導体ウェーハ用保持具であって、
保持フレームを、中空部を区画するエンドレスの内フレームと、この内フレームに着脱自在に嵌合するエンドレスの外フレームとから形成するとともに、これら内フレームと外フレームとをそれぞれ1.0〜2.8mmの厚さに形成してその間には粘着保持層の周縁部を挟み、内フレーム、外フレーム、及び粘着保持層に耐熱性をそれぞれ付与し、外フレームの外周縁部の前後左右をそれぞれ直線的に切り欠いたことを特徴とする半導体ウェーハ用保持具。
【請求項2】
保持フレームの内フレームと外フレームとの相対向する対向壁のいずれか一方に凹部を、他方には凸部をそれぞれ形成し、これら凹部と凸部とを粘着保持層の周縁部を介して嵌合可能とした請求項1記載の半導体ウェーハ用保持具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体ウェーハ用保持具にバックグラインドで薄化された半導体ウェーハを保持させて取り扱う半導体ウェーハの取り扱い方法であって、
保持フレームの内フレームと外フレームとを嵌合してこれらの間には粘着保持層の周縁部を挟み持たせ、この粘着保持層に薄化されて粘着テープに粘着した半導体ウェーハを粘着保持させて保持フレームの中空部に位置させるとともに、粘着保持された半導体ウェーハから粘着テープを剥離し、半導体ウェーハに所定の加工処理を施し、半導体ウェーハをダイシングして複数の半導体チップを形成した後、複数の半導体チップを順次ピックアップすることを特徴とする半導体ウェーハの取り扱い方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−114265(P2012−114265A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262365(P2010−262365)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]