説明

半拘束型ねじおよび脊椎プレート・アセンブリ

ヒト椎骨系の頸椎域と係合する半拘束型ねじおよび頸部プレート・アセンブリを開示する。半拘束型ねじおよび頸部プレート・アセンブリは、頸部プレートと、1つ以上の半拘束型骨ねじを備える。各半拘束型骨ねじは、細長い胴部を備え、該胴部は機械的にかつ取り外し可能に頭部部分と連結する。頭部部分は、その間に1つ以上のスリットを画定する1つ以上のねじ山の付いた区分を備える。半拘束型骨ねじが頸部プレートのねじ開口部を通って骨内へと駆動されるが、頭部部分により、頭部部分に対して胴部が多軸方向に動くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年10月14日に出願された米国仮特許出願第61/105,067号に対する優先権およびその利益を主張し、当該内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野) 本開示は、脊椎プレート・アセンブリに関し、より詳細には、半拘束型ねじおよび脊椎プレート・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの脊柱は非常に複雑な構造である。脊柱は、椎骨として知られる20を上回る個別の骨を備え、これらの骨は神経系の重要な要素を収容し、保護するため連続して互いに連結されている。脊椎の上部を構成して頭蓋の土台に至る脊椎の頸椎部分が、始まりの7個の椎骨を備える。
【0003】
老齢化や外傷のような数多くの理由から、椎間板は変質したり脆弱になる場合があり、結果、慢性痛、変性円板疾患、または椎間板の裂傷すら生じる可能性がある。結局、椎間板が裂傷の段階およびヘルニア形成の段階まで変質するかまたは脆弱になるかもしれず、これにより内側部分の椎間板が裂傷を経て飛び出してしまう。ヘルニア状態の椎間板は、脊髄神経を圧迫または締め付け、それにより、痛み、しびれ、刺痛、および/または力もしくは可動域の低下が広がってしまうかもしれない。
【0004】
こうした疾患を治療するために多くの治療法が利用でき、該治療法は、1つ以上の損傷した椎間板を取り除き、人工装具と置換する外科的処置を含む。しかし、人工装具は隣接する椎骨から突き出るものであり、それにより周囲の神経または組織と接触し、患者はさらなる不快感を覚えるだろう。この課題を救済する処置では、1つ以上の開口部と、1つ以上の骨ねじとを有する脊椎プレート・アセンブリが椎骨に取り付けられ、そのような突出を阻止するように配向される。
【0005】
そのような脊椎プレート・アセンブリの使用に伴って、骨ねじが、該骨ねじが埋め込まれた骨内から「後退」すなわち引き離されるか、または引き抜かれる傾向があるという共通の課題がある。この課題は第一に、身体および脊椎を一般並みにねじる動き、および曲げる動きに起因して生じる。ねじが緩み、骨から引き離されるか、または引き抜かれてゆくに従い、ねじ頭部がプレート・アセンブリの表面よりも上に上がるかもしれず、結果、患者が痛みおよび不快感を被り、1つ以上の椎骨から脊椎プレートが分離する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
骨プレートと、1つ以上の半拘束型ねじ・アセンブリを備える、脊柱の椎骨に取り付けるための骨プレート・アセンブリを開示する。骨プレートは、少なくとも1つの開口部を有する。半拘束型ねじ・アセンブリは、取り外し可能なねじ頭部およびねじ胴部を備える。取り外し可能なねじ頭部およびねじ胴部は、各々が縦軸を画定する。取り外し可能なねじ頭部は、複数のねじ山のついた区分を有し、該区分はその長さの少なくとも一部分に沿って1つ以上のスリットを備える。ねじ胴部は、近位端および遠位端を有する。近位端は、取り外し可能なねじ頭部と動作可能に連結するよう構成される。さらに、遠位端は、骨構造と動作可能に連結するよう構成される。半拘束型ねじ・アセンブリは、骨プレートの開口部内で動作可能に連結するよう構成されており、取り外し可能なねじ頭部が骨プレートに固定され得、一方ではねじ胴部が取り外し可能なねじ頭部の縦軸の周囲で動くことができる。
【0007】
本開示の脊柱プレートおよびねじ・アセンブリの実施形態を、添付図面を参照にして、ここに記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】そこを介して取り付けられた半拘束型ねじ・アセンブリを有する、本開示の実施形態に係る頸部プレートシステムの斜視図である。
【図1B】図1Aの頸部プレートシステムの、切断線A−Aに沿って取り出した断側面図である。
【図1C】図1Aの頸部プレートシステムの上部平面図である。
【図1D】図1Aの頸部プレートシステムの、分離した部品を含めた分解斜視図である。
【図1E】本開示に係る頸部プレートの別の実施形態の斜視図である。
【図2A】図1Aに示す半拘束型ねじ・アセンブリの斜視図である。
【図2B】図2Aの半拘束型ねじ・アセンブリの側面図である。
【図2C】図2Aの半拘束型ねじ・アセンブリの上部平面図である。
【図2D】図2Aの半拘束型ねじ・アセンブリの分解側面図である。
【図2E】図2Aの半拘束型ねじ・アセンブリの取り外し可能なねじ頭部の断側面図である。
【図3A】本開示の実施形態に係る、図1の頸部プレートシステムと共に使用する際に用いる半拘束型ねじ・アセンブリの別の実施形態の斜視図である。
【図3B】図3Aの半拘束型ねじ・アセンブリの側面図である。
【図3C】図3Aの半拘束型ねじ・アセンブリの分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これから、本開示の半拘束型ねじおよび頸部プレートの多様な実施形態を図を参照して詳細に記載し、同様の参照番号は類似または同一の要素として扱う。図においておよび以下の説明において、用語「近位」は、術者に近いデバイスまたはシステムの端部を指し、一方用語「遠位」は、術者から離れたデバイスまたはシステムの端部を指す。加えて、本出願において、用語「頭側」は、患者の頭の方向を指すために使用されるが、用語「尾側」は、患者の足の方向を指す。さらに、本出願の目的のために、用語「中心」は、患者の身体の中央の方向を指し、一方用語「側部」は、患者の身体の側面(すなわち、患者の身体の中央から離れた)の方向を指す。用語「後部」は患者の背中の方向を指し、用語「前部」は患者の前面の方向を指す。以下の説明において、本開示が不必要な詳細で不明瞭になるのを避けるために、周知の機能や構造は詳細には記載しない。
【0010】
始めに図1Aから図1Dを参照すると、人の脊椎骨格系の頸椎域の係合に用いる半拘束型ねじおよび頸部プレート・アセンブリ10が本開示により示されている。半拘束型ねじおよび頸部プレート・アセンブリ10は、頸部プレート100および1つ以上の半拘束型骨ねじ200を含む。頸部プレート100および半拘束型骨ねじ200は、以下に詳細を論じる。
【0011】
次に図1Dを参照すると、頸部プレート100が第一の端部区分102a、中間区分102bおよび第二の端部区分102cを有して示されている。頸部プレート100は拡大した状態で示され、間隙104a、104bが隣接したプレート区分の102a、102b、および102cの間で画定される。頸部プレート100はまた、プレート区分102a、102b、および102cが実質的に近接し、間隙104aおよび104bが実質的に塞がれるように、納まった状態(図示せず)へと調節され得る。
【0012】
頸部プレート100のプレート区分102a、102b、および102cは各々、市販の純チタンで製造され得る。加えて、頸部プレート100は、異なった構成(例えば、大きさ、使用する金属の種類等)で使用でき、使用者に特定の構成のプレート部材を示すために、異なった色(例えば、緑、青、紫等)に陽極酸化され得る。
【0013】
図1Aに示すように、プレート区分102a、102b、および102cは各々、頸部プレート100が全体として患者の脊椎の隣接した椎体に適合するように、その縦軸に沿った曲率半径およびその横軸に沿った曲率半径(例えば、1.5インチ)を有する。
【0014】
頸部プレート100は、頸部プレート100の厚さを画定する上面および底面を有する。加えて、頸部プレート100は、複数のねじ開口部110および、1つ以上の指標開口部120を備え、ねじ開口部110および1つ以上の指標開口部120は頸部プレート100の厚さを介して伸長する。1つ以上の指標開口部120は、頸部プレート100の中心縦軸に沿って配置される。ねじ開口部110は各々、頸部プレート100の上面から下方へ伸長する、環状の側壁112を有する。開口の縁部114は、頸部プレート・アセンブリ100の底面に近接して、各ねじ開口部110内に配置される。開口の縁部114は、ねじ200、300を回転させることで、各ねじの独立した固定用の頭部212、312のねじ山が開口の縁部114と係合するように、半拘束型ねじ200、300(図2Aおよび図3A)と係合するために構成される。独立した固定用の頭部212、312は該頭部の上部にねじ山を備え、その結果、本明細書で以下に詳細に論じるように、各ねじ200、300がねじ開口部110にしっかりと留められ、ねじ開口部110から後退することに耐える。同時に、ねじ・アセンブリ200、300の遠位端は旋回可能な状態を保ち、一方ねじ・アセンブリ200、300の近位端は頸部プレート100内部に拘束される。半拘束型ねじ・アセンブリ200および300について以下にさらなる詳細を論じる。
【0015】
次に図1Eを参照すると、頸部プレートの別の実施形態が示されており、通常100’として示される。本質的に、頸部プレート100’は、頸部プレート100と同様の特徴を有するが、頸部プレート100’は、一体となった構成で形成された、均一な本体102’を有する。頸部プレート100と同様に、頸部プレート100’は頸部プレート100’の厚さを画定する上面および底面を有する。加えて、頸部プレート100’は、複数のねじ開口部110および1つ以上の指標開口部120を備え、ねじ開口部110および1つ以上の指標開口部120は、頸部プレート100’の本体102’の厚さを介して伸長する。1つ以上の指標開口部120は、頸部プレート100’の中心縦軸に沿って配置される。ねじ開口部110は各々、本体102’の上面から下方へ伸長する、環状の側壁112を有する。開口の縁部114は、頸部プレート・アセンブリ100’の底面に近接して、各ねじ開口部110内に配置される。頸部プレート100と同様に、頸部プレート100’の開口の縁部114は、ねじ200、300を回転させることで、各ねじ200、300の独立した固定用の頭部212,312のねじ山が開口の縁部114と係合するように、半拘束型ねじ200、300(図2Aおよび図3A)と係合するよう構成される。
【0016】
次に図2A〜図2Eを参照し、本開示に係る半拘束型ねじ・アセンブリ200をこれから説明する。ねじ・アセンブリ200は、先に説明したように、頸部プレート100および100’の両方で使用できるように構成される。ねじ・アセンブリ200は、細長い胴部202を備え、該胴部202は、取り外し可能な先細の固定用ねじ頭部212と機械的に連結される。胴部202は、胴部202の近位端204に配置された外側フランジ206を有するネック部分208と、胴部202の遠位端223では先の尖った先端部分とを備える。胴部202は、均一になった外径と、骨内にねじ込み挿入するため胴部上に形成された、第1の連続的な螺旋形のねじ山210とを有する。第2の連続的な螺旋形のねじ山224は、ねじプレート100の開口の縁部114と係合するように、独立した頭部部分212上に形成される。第1のねじ山210のピッチは、第2のねじ山224のピッチよりも大きい。第1のねじ山210、および第2のねじ山224の各々は、実質的に均一になったピッチを有する。
【0017】
次に図2B〜図2Eを参照すると、取り外し可能な頭部部分212は、間に1つ以上のスリット220を有する1つ以上のねじ山の付いた区分218を備える。スリット220は、ねじ山の付いた区分218の第2のねじ山224を介して縦方向に突き通り、頭部部分212の遠位端から近位方向に延伸する。ねじ山の付いた区分218の各々はまた、胴部202の近位端204と頭部部分212との締め付けを可能にするため、頭部部分212の内側空洞215上に内側フランジを備える。
【0018】
使用において、取り外し可能な頭部部分212の遠位端は、胴部202の近位端204と機械的に連結され、それによって、スリット220が機能し、ねじ山の付いた区分218が頭部部分212の遠位端では外側方向に膨張することができる。続いて、ねじ山の付いた区分218は内側方向に収縮して、頭部部分212を胴部202の近位端204と機械的に連結させる。より具体的には、先細の頭部部分212の内側フランジ240は、内側フランジ240がネック部分208に機械的に固定され、据付けられるように、内側フランジ240が胴部202の外側フランジ部分206に到達するまで胴部202の丸い近位端上でカム制御される。独立した頭部部分212の構成により、胴部202および頭部部分212が機械的に連結されると、図2Bに示されるように、胴部202が、独立した頭部部分212に対して多軸方向に動くことができる。図2Dおよび図2Eに示されるように、頭部部分212は、中心縦軸Aを有する。半拘束型ねじ・アセンブリ200が組立てられると、胴部202は縦軸Aに対して旋回可能であり、かつ回転可能である。特に、胴部202の縦軸X’は、間に鋭角が画定され得るように、頭部部分212の縦軸Aに対して旋回可能である。図2Dに示されるように、胴部202の縦軸X’は、頭部部分212の縦軸Aと同軸方向に並ぶ。
【0019】
骨ねじ200は、先の尖った先端部分222から近位方向に延伸する遠位部分230をさらに備える。一実施形態では、遠位部分230は、骨ねじ200が「自ら着手する」または「自ら穴を開ける」骨ねじであるように構成され得る。他の実施形態では、遠位部分230は、骨ねじ200が「自らねじ山を付ける」骨ねじであるように構成され得る。どちらの実施形態も、遠位部分230は、溝部236を画定する第1の側壁232および第2の側壁234を備える。例示目的で図2Aに示されるように、溝部236の第1の側壁232および第2の側壁234は、胴部202の先の尖った先端部分222から、遠位端付近にあるねじ山210の頂点235まで延伸する。第1の側壁232は、第1の側壁232が中心縦軸X’と同一平面になるように骨ねじ200の中心縦軸X’に沿って平面であり、かつ縦軸X’に沿って並ぶ。例示目的で図2Aに示されるように、第2の側壁234は、中心縦軸X’と平行である平面部分234aと、平面部分234aから近位方向に延伸する弓状部分234bとをさらに備える。弓状部分234bは、図2Aに示されるように、曲率半径に沿って切り出されている。好ましくは、半拘束型骨ねじ200は、頸部プレート100および100’の開口の縁部114の材料よりも硬い材料から構築される。例えば、骨ねじ200は、チタン合金(例えば、Ti−6Al−4V)から作製されてよく、対して頸部プレート100および100’の開口の縁部114が、より軟らかなチタン材料のような、より柔らかな適合性材料から作製されてもよい。
【0020】
使用において、ねじ200は、頸部プレート100および100’のねじ開口部を通って骨内へと駆動される。四角い先端部と、四角い先端のわずか後ろ側にある六角形状部とを有するねじ回し(図示せず)が、頸部プレート100および100’内と骨ねじ内とに半拘束型ねじ200を駆動するために使用されてよい。ねじ回しの四角い先端は、(図2Cに示されるように)ねじ胴部202の近位端204の四角い凹所270aに収容される。ねじ回しの四角い先端の六角形状部は、(図2Cに示されるように)取り外し可能なねじ頭部212の六角形状の開口部270bに収容される。このようにして、ねじ回しは、ねじ胴部202および取り外し可能なねじ頭部212の両方を同時に駆動させる。ねじ胴部202は、ねじ頭部212上の第2のねじ山224が、頸部プレート100および100’のねじ開口部110の中にある頸部プレート100および100’の開口の縁部114と係合するまで、頸部プレート100および100’の下層の骨内へと駆動される。ねじ頭部212の近位端214は、頸部プレート100および100’の頂面側にて同一平面になることも想定される。この構成では、骨ねじ200は、頸部プレート100および100’のうち任意のねじ開口部110の1つを通って前進(すなわち、時計まわりに回転)し、胴部202の遠位部分230が胴部202のねじ山210を内部にねじ込みながら前進させるように、椎骨と係合する。開口の縁部114のチタンは、骨ねじ200のチタン合金よりも柔らかいため、骨ねじ200がねじ開口部110を通って前進する。ねじ山のついた区分218のねじ山224は、開口の縁部114を変形させるために対応する開口の縁部114に係合し、骨ねじアセンブリ200がねじ開口部110の後退に耐えうるように対応するねじ開口部110に骨ねじアセンブリ200を締め付ける。さらに、骨ねじ200の頭部部分212は、骨ねじ200が椎骨に向かってさらに前進することを防ぐため、開口の縁部114と係合するように寸法化される。こうした種類のねじ固定構成は、Wolterの米国特許第6,322,562号明細書に開示され、示されており、当該内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
ねじ頭部212のねじ山220が開口の縁部114と係合するにつれ、ねじ胴部202は、ねじ開口部110の軸に関して角度の方向が変わる。ねじ胴部202が骨内へと駆動され、ねじ頭部212が頸部プレート100および100’に固定されるが、ねじ胴部202はねじ頭部212に対して自由に関節接合されたままであり、それゆえ頸部プレート100および100’に対しても自由に関節接合されたままである。
【0022】
次に図3A〜図3Cを参照し、本開示に係る半拘束型ねじ・アセンブリ300をこれから開示する。骨ねじ200を参照して先に説明したように、骨ねじ300は、本明細書で先に説明した方法と同じ方法で頸部プレート100および100’の両方に使用できるよう構成される。骨ねじ300は、胴部302と、胴部302とネック部分308の近位端304に配置されたフランジ部分306との間に延伸するネック部分308と、独立した先細の頭部部分312と、胴部302の遠位端323に先の尖った先端部分322とを備える。胴部302は均一になった外径と、骨内へとねじ込み挿入するために胴部302上に形成された第1の連続的な螺旋形のねじ山310とを有する。第2の連続的な螺旋形のねじ山323は、頸部プレート100および100’の開口の縁部114と係合するために、独立した頭部部分上に形成される。第1のねじ山310のピッチは、第2のねじ山324のピッチよりも大きい。第1のねじ山310および第2のねじ山324は、実質的に均一になったピッチである。
【0023】
取り外し可能な頭部部分312は、1つ以上のねじ山の付いた区分318を備え、該ねじ山の付いた区分318は、間に1つ以上のスロット320を有する。スロット320は、ねじ山の付いた区分318の第2のねじ山324を介して縦方向に突き通り、頭部部分312の遠位端から近位方向に延伸する。ねじ山の付いた区分318の各々もまた、頭部部分312の内側空洞315上に内側フランジ340を備え、胴部302の近位端304を締付けることができる。
【0024】
使用において、取り外し可能な頭部部分312の遠位端は、胴部302の近位端304の上にと機械的に連結され、それによって、スロット320の機能により頭部部分312の遠位端ではねじ山の付いた区分318が外側に向かって膨張することができる。続いて、ねじ山の付いた区分は内側に向かって収縮し、頭部部分312を胴部302の近位端304に機械的に連結させる。より具体的には、先細の頭部部分312の内側フランジ340は、内側フランジ340が胴部302の外側フランジ部分306に到達するまで胴部302の丸い近位端上でカム制御し、内側フランジ340がネック部分308内へと機械的に固定される。
【0025】
複数のスプライン305がネック部分308に沿って配置され、第1のねじ山310の近位端とフランジ部分306および近位端304の縦方向の厚さとの間で概ね延伸する。各スロット320は、頭部部分312と胴部302の近位端304との機械的な連結を促すため、対応するスプライン305と並び、かつ該スプライン305を受入れるように構成される。独立した頭部部分312の構成により、胴部302と頭部部分312とが図3Bに示されるように機械的に連結されると、胴部302が独立した頭部部分312に対して2軸方向(例えば、図3Aに示されるY−Z軸)に動くことができる。このようにして、胴部302は、スプライン305が対応するスロット320と係合する場合のみ軸方向に動くよう構成され、従って、Y方向およびZ方向だけに動きが限定される。そのため、胴部302は頭部部分312の縦軸Bに対して所定量の旋回可能な動きを有し、半拘束型ねじ・アセンブリ200と対照的に縦軸Bの周囲を回転してしまうことが阻止される。頭部部分312の遠位端316の膨張を促すため、1つ以上のスリット(図示せず)が第2のねじ山324を介して(すなわち、スロット320と平行して)縦方向に画定され得る。頭部部分312は、ねじ回し(図示せず)により係合されて骨ねじ300の時計方向および/または反時計方向に回転が生じるにつれ、第2のねじ山324を介して画定されたスロット320は、ネック部分308に沿って配置された対応するスプライン305と固定可能に係合し、頭部部分312とともに胴部302を対応するように回転させる。
【0026】
骨ねじ300は、先の尖った先端部分322から近位方向に延伸する遠位部分330をさらに備える。一実施形態では、遠位部分330は、骨ねじ300が「自ら着手する」または「自ら穴を開ける」骨ねじであるように構成され得る。他の実施形態では、遠位部分330は、骨ねじ300が「自らねじ山を付ける」骨ねじであるように構成され得る。どちらの実施形態でも、遠位部分330は、溝部336を画定する第1の側壁332および第2の側壁334を備える。例示目的で図3Bに示されるように、溝部336の第1の側壁332および第2の側壁334は、胴部302の先の尖った先端部分322から胴部302の遠位端付近にあるねじ山310の頂上335まで延伸する。第1の側壁332は、第1の側壁332が中心縦軸X’’と同一平面になるように骨ねじ300の中心縦軸X’’に沿って平面になっており、かつ縦軸X’’に沿って並ぶ。例示目的で図3Aに示されるように、第2の側壁334は、中心縦軸X’’と平行になる平面部分334aと、平面部分334aから近位方向に延伸する弓状部分334bとをさらに備える。弓状部分334bは、図3Aに示されるように曲率半径に沿って切り出される。骨ねじ300は、頸部プレート100および100’の開口の縁部114の材料よりも硬い材料から構築される。例えば、骨ねじ・アセンブリ300は、チタン合金(例えば、Ti−6Al−4V)から作製され得るのに対し、頸部プレート100および100’の開口の縁部114は、より柔らかなチタン材料のような、より柔らかな適合性材料から作製され得る。先に説明したように、骨ねじ・アセンブリ200と類似して、骨ねじ・アセンブリ300は、頸部プレート100および100’の開口の縁部114内で固定するように構成される。そのため、半拘束型ねじ・アセンブリ300は、通常使用している間は後退が防止される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの開口部を有する骨プレートと、
頭部が前記骨プレートの前記少なくとも1つの開口部に締め付けられると、胴部が前記頭部に対して位置を変えることができる、前記胴部および前記頭部を備える少なくとも1つの骨ねじとを具備する骨プレート・アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの骨ねじの前記頭部が、前記胴部と取り外し可能に連結される、請求項1に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの骨ねじの前記頭部が、前記骨プレートの前記少なくとも1つの開口部の開口の縁部の材料よりも硬い材料から構築される、請求項1に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項4】
前記胴部が、均一になった外径と、骨内へねじ込み挿入をするために前記胴部上に形成された第1の連続的な螺旋形のねじ山とを備える、請求項1に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項5】
前記頭部が、先細の構造と、前記骨プレートの前記少なくとも1つの開口部とねじ込みにより連結するために前記頭部上に形成された第2の連続的な螺旋形のねじ山とを備える、請求項1に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項6】
前記頭部が間に少なくとも1つのスロットを画定した複数のねじ山の付いた区分を備え、前記少なくとも1つのスロットが前記頭部に沿って縦方向に突き通り、かつ前記頭部の遠位部分から近位方向に延伸する請求項1に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項7】
前記頭部の前記遠位部分が前記胴部の前記近位部分上に機械的に連結され、それによって、前記少なくとも1つのスロットの機能性により前記複数のねじ山の付いた区分が、前記頭部の前記遠位部分にて外側方向に膨張することができる、請求項6に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項8】
前記胴部が、前記胴部のネック部上に配置された少なくとも1つのスプラインをさらに備える、請求項6に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスロットが、前記取り外し可能な頭部の前記胴部の前記近位部分への機械的な連結を促すため、対応する少なくとも1つの前記スプラインと並び、かつ前記スプラインを受入れるように構成される請求項8に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスプラインおよび前記対応する少なくとも1つのスロットにより、前記胴部および前記取り外し可能な頭部が機械的に連結されると、前記胴部が前記取り外し可能な頭部に対して2軸方向に動くことができ、それにより前記少なくとも1つのスロットが前記対応する少なくとも1つのスプラインと係合する場合のみ前記胴部が軸方向に動き、つまり、第1の方向および第2の方向に動きが限定される請求項8に記載の骨プレート・アセンブリ。
【請求項11】
縦軸および一端側に開口部を有し、再配置することができる複数のねじ山の付いた区分を備える頭部と、
縦軸を規定する第1の端部および第2の端部を有し、前記第1の端部が前記頭部の前記開口部に受け取られるように適合し、前記頭部の前記縦軸の周囲を回転可能であり、かつ前記頭部と取り外し可能に連結された前記胴部の前記縦軸の周囲を旋回可能な該胴部とを具備する骨ねじ・アセンブリ。
【請求項12】
前記頭部は、前記胴部が取り外し可能に前記頭部に保持されるように前記胴部の前記第1の端部と協働する内側フランジを備える、請求項11に記載の骨ねじ・アセンブリ。
【請求項13】
前記内側フランジは、前記内側フランジが前記胴部の外側フランジと係合するまで前記胴部の前記第1の端部上でカム制御され、それにより前記胴部が前記頭部に取り外し可能に連結される、請求項12に記載の骨ねじ・アセンブリ。
【請求項14】
前記頭部が、その外面上に形成されたねじ山を備える、請求項11に記載の骨ねじ・アセンブリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【公表番号】特表2012−505668(P2012−505668A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531265(P2011−531265)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060673
【国際公開番号】WO2010/045355
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(507349558)ケー2エム, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】