受信器
【課題】CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行う。
【解決手段】本発明に係るIRC受信器10は、CRSに基づいて共分散行列RI+Nを推定するように構成されている共分散行列推定部12/13と、推定された共分散行列RI+Nに含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列
【数14】
内で推定不能な要素に対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部14と、任意の値が挿入された共分散行列RI+N及び制御信号を用いてIRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されているIRC受信ウェイト生成部16と、生成されたIRC受信ウェイト及び制御信号を用いて受信信号からデータ信号を分離するように構成されている信号分離部17とを具備する。
【解決手段】本発明に係るIRC受信器10は、CRSに基づいて共分散行列RI+Nを推定するように構成されている共分散行列推定部12/13と、推定された共分散行列RI+Nに含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列
【数14】
内で推定不能な要素に対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部14と、任意の値が挿入された共分散行列RI+N及び制御信号を用いてIRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されているIRC受信ウェイト生成部16と、生成されたIRC受信ウェイト及び制御信号を用いて受信信号からデータ信号を分離するように構成されている信号分離部17とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式において、下りリンクにおいて、セル端スループットの改善方法の1つとして、干渉となる他の移動局UEのビームを抑圧するIRC(Interference Rejection Combining)受信器の検討が行われている。
【0003】
図8(a)に示すように、IRC受信器10は、干渉信号を抑圧しながら、所望信号の受信品質を向上させることを目的としている。
【0004】
また、LTE(Release-8)方式では、チャネル状態(CSI:Channel State Information)の推定や、データ信号及び制御信号の復調や、セルにおける受信品質の測定を行うために、CRS(Cell-Specific Reference Signal)が送信されるように構成されている。
【0005】
具体的には、LTE(Release-8)方式では、CRSは、図8(b)に示す構成によって、データ信号や制御信号と共に送信されるように構成されている。なお、最大4アンテナまでCRSを設定することができる。
【0006】
また、LTE方式では、送信ダイバーシチ方式として、SFBC(Space Frequency Block Coding、周波数空間ブロック符号化)方式が用いられるように構成されている。
【0007】
ここで、シンボルレベルで最大比合成相当の最大のダイバーシチ利得を得ることができる「Alamouti符号化」を用いるように構成されている。すなわち、周波数方向における2つのリソースエレメント(RE:Resource Element)を用いて符号化を行うように構成されている。本明細書では、かかる2つのリソースエレメントを「SFBCペア」と呼ぶ。
【0008】
以下、図9に示すように、IRC受信器10が、セル1(q=1)から所望信号を受信し、セル2(q=2)から干渉信号を受信するケースにおいて、チャネル変動を無視した場合のIRC受信器10における受信信号モデルについて説明する。
【0009】
具体的には、図10(a)〜図10(c)に示す式によって、IRC受信器10の受信アンテナ1(i=1)におけるSFBCペアmの偶数番目のリソースエレメントにおける受信信号r1(2m)、IRC受信器10の受信アンテナ2(i=2)におけるSFBCペアmの偶数番目のリソースエレメントにおける受信信号r2(2m)、IRC受信器10の受信アンテナ1(i=1)におけるSFBCペアmの奇数番目のリソースエレメントにおける受信信号r1*(2m+1)、及び、IRC受信器10の受信アンテナ2(i=2)におけるSFBCペアmの奇数番目のリソースエレメントにおける受信信号r2*(2m+1)を表すことができる。ここで、「*」は、複素共役を表す。
【0010】
また、従来、干渉を抑圧するために、MMSE(Minimum Mean Square Error)空間フィルタリング方式を用いて受信処理を行う技術が知られている。
【0011】
かかる技術では、図11(a)に示すように、IRC受信ウェイトWIRC(k,l)を生成するように構成されている。ここで、IRC受信ウェイトWIRC(k,l)を生成する際には、図11(b)に示すCRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法が用いられる(非特許文献1参照)。
【0012】
図11(b)に示すように、共分散行列RI+Nは、所望信号成分からなる所望信号用共分散行列A及び干渉信号成分(雑音信号成分)からなる干渉信号用共分散行列Bによって構成されている。以下、干渉信号用共分散行列Bを
【数1】
【0013】
と表すことにする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】3GPP寄書R4-115213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、図12に示すように、IRC受信器10では、サービングセル(セル1)において送信されているCRSにおいて、干渉セル#1/#2におけるSFBCペアの偶数番目のリソースエレメントからの干渉のみを抽出することができる、すなわち、干渉セル#1/#2におけるSFBCペアの奇数番目のリソースエレメントからの干渉のみを抽出することができない。
【0016】
すなわち、図12に示す式(1)によって、SFBCペアの偶数番目における干渉信号成分用共分散行列
【数2】
【0017】
を表し、図12に示す式(2)によって、SFBCペアの奇数番目における干渉信号成分用共分散行列
【数3】
【0018】
を表し、図13に示すように、図12に示す式(1)及び式(2)を用いて、干渉信号成分用共分散行列
【数4】
【0019】
を表した場合、図13における要素Cは、SFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値である、或いは、異なる受信アンテナ及びSFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値であるため、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法では、かかる要素Cについて求めることができないという問題点があった。
【0020】
その結果、IRC受信器10において、IRC受信ウェイトを適切に生成することができず、適切な受信処理を行うことができないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる受信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の特徴は、周波数空間ブロック符号化方式を用いて送信されたデータ信号、制御信号及びセル固有参照信号を受信するように構成されている受信器であって、前記セル固有参照信号に基づいて共分散行列を推定するように構成されている共分散行列推定部と、推定された前記共分散行列に含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列内で推定不能な要素に対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部と、前記任意の値が挿入された前記共分散行列及び前記制御信号を用いて受信ウェイトを生成するように構成されている受信ウェイト生成部と、生成された前記受信ウェイト及び前記制御信号を用いて受信信号から前記データ信号を分離するように構成されている信号分離部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる受信器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るIRC受信器の機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図3】本発明の変更例1に係るIRC受信器の機能ブロック図である。
【図4】本発明の変更例1に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図5】本発明の変更例1に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図6】本発明の変更例2に係るIRC受信器の機能ブロック図である。
【図7】本発明の変更例2に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図8】従来技術について説明するための図である。
【図9】従来技術について説明するための図である。
【図10】従来技術について説明するための図である。
【図11】従来技術について説明するための図である。
【図12】従来技術について説明するための図である。
【図13】従来技術について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るIRC受信器10について説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るIRC受信器10は、チャネル推定部11と、共分散行列推定部12と、共分散行列推定部13と、欠損要素挿入部14と、制御信号復調部15と、IRC受信ウェイト生成部16と、信号分離部17と、復調部18とを具備している。
【0026】
チャネル推定部11は、サービングセル(セル1)から受信したCRSに基づいてチャネル推定処理を行うことによって、チャネル行列Hを推定(算出)するように構成されている。
【0027】
共分散行列推定部12は、サービングセル(セル1)から受信したCRS及びチャネル推定部11から受信したチャネル行列Hに基づいて、干渉信号成分用共分散行列
【数5】
【0028】
を推定(算出)するように構成されている。
【0029】
共分散行列推定部13は、図2(a)に示すように、チャネル推定部11から受信したチャネル行列H及び共分散行列推定部12から受信した干渉信号成分用共分散行列
【数6】
【0030】
に基づいて、共分散行列RI+Nを推定(算出)するように構成されている。
【0031】
ここで、図2(a)に示す要素D(欠損要素)は、上述したように、SFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値である、或いは、異なる受信アンテナ及びSFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値であるため、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法では、かかる要素Dについて求めることができない。
【0032】
しかしながら、かかる要素Dには、サービングセル(セル1)からの所望信号成分が含まれていないため、かかる要素Dの値は、全て小さな値であると想定される。
【0033】
したがって、欠損要素挿入部14は、図2(b)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素Dの全てに対して、任意の値として、固定値「0」を挿入するように構成されている。
【0034】
制御信号復調部15は、サービングセル(セル1)から受信した制御信号に対する復調処理を行うように構成されている。
【0035】
IRC受信ウェイト生成部16は、チャネル推定部11から受信したチャネル行列H、制御信号復調部15から受信した制御信号及び欠損要素挿入部14から受信した共分散行列RI+N(要素Dに「0」が挿入されている共分散行列RI+N)に基づいて、IRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されている。
【0036】
具体的には、IRC受信ウェイト生成部16は、図11(a)に示す式に、チャネル推定部11から受信したチャネル行列H及び欠損要素挿入部14から受信した共分散行列RI+Nを代入することによって、IRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されている。
【0037】
信号分離部17は、制御信号復調部15から受信した制御信号及びIRC受信ウェイト生成部16から受信したIRC受信ウェイトWIRCに基づいて、サービングセル(セル1)からの受信信号に対する信号分離処理を行うように構成されている。
【0038】
復調部18は、制御信号復調部15から受信した制御信号及びIRC受信ウェイト生成部16から受信したIRC受信ウェイトWIRCに基づいて、信号分離部17から受信した信号に対する復調処理を行うことによって、データ信号を出力するように構成されている。
【0039】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、干渉信号用共分散行列
【数7】
【0040】
内で推定不能な要素に対して、任意の値として固定値「0」を挿入することによって、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる。
【0041】
(変更例1)
図3乃至図5を参照して、本発明の変更例1に係るIRC受信器10について説明する。以下、本変更例1に係るIRC受信器10について、上述の第1の実施形態に係るIRC受信器10との相違点に着目して説明する。
【0042】
図3に示すように、本変更例1に係るIRC受信器10は、図1に示す構成に加えて、欠損要素算出部21を具備している。
【0043】
欠損要素算出部21は、上述の干渉信号用共分散行列
【数8】
【0044】
内で推定不能な要素Dに対して挿入すべき任意の値を算出するように構成されている。
【0045】
例えば、図4(a)に示すように、かかる要素D内の要素D1は、1つのパラメータxで表すことができることに着目して、欠損要素算出部21は、図4(b)に示すように、式(3)を用いて、かかる要素D1に対して挿入すべき任意の値α(=x)を算出するように構成されていてもよい。すなわち、欠損要素算出部21は、算出されている干渉信号用共分散行列
【数9】
【0046】
の非対角項の要素を利用して、かかる要素D1に対して挿入すべき任意の値α(=x)を算出するように構成されていてもよい。
【0047】
或いは、図5(a)に示すように、かかる要素D内の要素D2は、2つのパラメータy/zで表すことができることに着目して、欠損要素算出部21は、図5(b)に示すように、式(3)を用いて、かかる要素D2に対して挿入すべき任意の値α(=y=z)を算出するように構成されていてもよい。すなわち、欠損要素算出部21は、算出されている干渉信号用共分散行列
【数10】
【0048】
の非対角項の要素を利用して、かかる要素D2に対して挿入すべき任意の値α(=y=z)を算出するように構成されていてもよい。
【0049】
欠損要素挿入部14は、図4(b)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D1の各々に対して、任意の値として、欠損要素算出部21から受信したαやα*や−αや−α*を挿入するように構成されていてもよい。
【0050】
ここで、欠損要素挿入部14は、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D2の各々に対して、任意の値として、欠損要素算出部21から受信したαやα*や−αや−α*のいずれか1つを挿入するように構成されていてもよいし、「0」を挿入するように構成されていてもよい。
【0051】
或いは、欠損要素挿入部14は、図5(b)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D2の各々に対して、任意の値αやα*を挿入するように構成されていてもよい。
【0052】
ここで、欠損要素挿入部14は、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D1の各々に対して、任意の値として、欠損要素算出部21から受信したαやα*や−αや−α*のいずれか1つを挿入するように構成されていてもよいし、「0」を挿入するように構成されていてもよい。
【0053】
本変更例1に係る移動通信システムによれば、干渉信号用共分散行列
【数11】
【0054】
内で推定不能な要素に対して任意の値としてαやα*や−αや−α*のいずれか1つを挿入することによって、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる。
【0055】
(変更例2)
図6及び図7を参照して、本発明の変更例2に係るIRC受信器10について説明する。以下、本変更例2に係るIRC受信器10について、上述の第1の実施形態に係るIRC受信器10との相違点に着目して説明する。
【0056】
図6に示すように、本変更例2に係るIRC受信器10は、図1及び図3に示す構成に加えて、データ信号用共分散行列推定部22を具備している。
【0057】
データ信号用共分散行列推定部22は、受信したデータ信号に基づいて、図7(a)に従って、共分散行列RI+Nを推定するように構成されている。
【0058】
つまり、データ信号用共分散行列推定部22は、チャネル推定部11において推定されたチャネル行列H及び共分散行列推定部22において推定された共分散行列RI+Nを用いて、図7(b)に従って、データ信号用共分散行列R’I+Nを推定するように構成されている。
【0059】
ここで、欠損要素算出部21は、上述のデータ信号用共分散行列R’I+N内で推定不能な要素Dに対して挿入すべき任意の値を算出するように構成されている。
【0060】
欠損要素挿入部14は、図7(c)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素Dの各々、つまり、図2(a)における要素Dに対して、欠損要素算出部21から受信したデータ信号用共分散行列R’I+Nの対応する要素を挿入するように構成されている。
【0061】
これにより、共分散行列RI+N内で推定不能な要素に対して、他の手法を用いて推定した共分散行列(例えば、データ信号用共分散行列R’I+N)内の対応する要素の値を挿入することによって、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる。
【0062】
上述の実施形態では、一例として、IRC受信器10のアンテナ数を「2」として説明したが、本発明は、IRC受信器10のアンテナ数に係わらず実施することが可能である。
【0063】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0064】
本実施形態の第1の特徴は、SFBC方式を用いて送信されたデータ信号、制御信号及びCRS(セル固有参照信号)を受信するように構成されているIRC受信器10であって、CRSに基づいて共分散行列RI+Nを推定するように構成されている共分散行列推定部12/13と、推定された共分散行列RI+Nに含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列
【数12】
【0065】
内で推定不能な要素Dに対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部14と、任意の値が挿入された共分散行列RI+N及び制御信号を用いてIRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されているIRC受信ウェイト生成部16と、生成されたIRC受信ウェイト及び制御信号を用いて受信信号からデータ信号を分離するように構成されている信号分離部17とを具備することを要旨とする。
【0066】
本実施形態の第1の特徴において、欠損要素挿入部14は、任意の値として固定値「0」を挿入するように構成されていてもよい。
【0067】
本実施形態の第1の特徴において、欠損要素挿入部14は、任意の値として、干渉信号用共分散行列
【数13】
【0068】
内で推定可能な要素に基づいて算出される値αやα*や−αや−α*を挿入するように構成されていてもよい。
【0069】
本実施形態の第1の特徴において、受信したデータ信号に基づいて、共分散行列
【数13A】
【0070】
を推定するように構成されているデータ信号用共分散行列推定部22を更に具備し、欠損要素挿入部21は、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素Dの各々に対して、任意の値として、データ信号用共分散行列推定部22にて推定された共分散行列
【数13B】
【0071】
内の対応する要素を挿入するように構成されていてもよい。
【0072】
なお、上述のIRC受信器10の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0073】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0074】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、IRC受信器10内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてIRC受信器10内に設けられていてもよい。
【0075】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10…IRC受信器
11…チャネル推定部
12、13…共分散行列推定部
14…欠損要素挿入部
15…制御信号復調部
16…IRC受信ウェイト生成部
17…信号分離部
18…復調部
21…欠損要素算出部
22…データ信号用共分散行列推定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式において、下りリンクにおいて、セル端スループットの改善方法の1つとして、干渉となる他の移動局UEのビームを抑圧するIRC(Interference Rejection Combining)受信器の検討が行われている。
【0003】
図8(a)に示すように、IRC受信器10は、干渉信号を抑圧しながら、所望信号の受信品質を向上させることを目的としている。
【0004】
また、LTE(Release-8)方式では、チャネル状態(CSI:Channel State Information)の推定や、データ信号及び制御信号の復調や、セルにおける受信品質の測定を行うために、CRS(Cell-Specific Reference Signal)が送信されるように構成されている。
【0005】
具体的には、LTE(Release-8)方式では、CRSは、図8(b)に示す構成によって、データ信号や制御信号と共に送信されるように構成されている。なお、最大4アンテナまでCRSを設定することができる。
【0006】
また、LTE方式では、送信ダイバーシチ方式として、SFBC(Space Frequency Block Coding、周波数空間ブロック符号化)方式が用いられるように構成されている。
【0007】
ここで、シンボルレベルで最大比合成相当の最大のダイバーシチ利得を得ることができる「Alamouti符号化」を用いるように構成されている。すなわち、周波数方向における2つのリソースエレメント(RE:Resource Element)を用いて符号化を行うように構成されている。本明細書では、かかる2つのリソースエレメントを「SFBCペア」と呼ぶ。
【0008】
以下、図9に示すように、IRC受信器10が、セル1(q=1)から所望信号を受信し、セル2(q=2)から干渉信号を受信するケースにおいて、チャネル変動を無視した場合のIRC受信器10における受信信号モデルについて説明する。
【0009】
具体的には、図10(a)〜図10(c)に示す式によって、IRC受信器10の受信アンテナ1(i=1)におけるSFBCペアmの偶数番目のリソースエレメントにおける受信信号r1(2m)、IRC受信器10の受信アンテナ2(i=2)におけるSFBCペアmの偶数番目のリソースエレメントにおける受信信号r2(2m)、IRC受信器10の受信アンテナ1(i=1)におけるSFBCペアmの奇数番目のリソースエレメントにおける受信信号r1*(2m+1)、及び、IRC受信器10の受信アンテナ2(i=2)におけるSFBCペアmの奇数番目のリソースエレメントにおける受信信号r2*(2m+1)を表すことができる。ここで、「*」は、複素共役を表す。
【0010】
また、従来、干渉を抑圧するために、MMSE(Minimum Mean Square Error)空間フィルタリング方式を用いて受信処理を行う技術が知られている。
【0011】
かかる技術では、図11(a)に示すように、IRC受信ウェイトWIRC(k,l)を生成するように構成されている。ここで、IRC受信ウェイトWIRC(k,l)を生成する際には、図11(b)に示すCRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法が用いられる(非特許文献1参照)。
【0012】
図11(b)に示すように、共分散行列RI+Nは、所望信号成分からなる所望信号用共分散行列A及び干渉信号成分(雑音信号成分)からなる干渉信号用共分散行列Bによって構成されている。以下、干渉信号用共分散行列Bを
【数1】
【0013】
と表すことにする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】3GPP寄書R4-115213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、図12に示すように、IRC受信器10では、サービングセル(セル1)において送信されているCRSにおいて、干渉セル#1/#2におけるSFBCペアの偶数番目のリソースエレメントからの干渉のみを抽出することができる、すなわち、干渉セル#1/#2におけるSFBCペアの奇数番目のリソースエレメントからの干渉のみを抽出することができない。
【0016】
すなわち、図12に示す式(1)によって、SFBCペアの偶数番目における干渉信号成分用共分散行列
【数2】
【0017】
を表し、図12に示す式(2)によって、SFBCペアの奇数番目における干渉信号成分用共分散行列
【数3】
【0018】
を表し、図13に示すように、図12に示す式(1)及び式(2)を用いて、干渉信号成分用共分散行列
【数4】
【0019】
を表した場合、図13における要素Cは、SFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値である、或いは、異なる受信アンテナ及びSFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値であるため、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法では、かかる要素Cについて求めることができないという問題点があった。
【0020】
その結果、IRC受信器10において、IRC受信ウェイトを適切に生成することができず、適切な受信処理を行うことができないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる受信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の特徴は、周波数空間ブロック符号化方式を用いて送信されたデータ信号、制御信号及びセル固有参照信号を受信するように構成されている受信器であって、前記セル固有参照信号に基づいて共分散行列を推定するように構成されている共分散行列推定部と、推定された前記共分散行列に含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列内で推定不能な要素に対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部と、前記任意の値が挿入された前記共分散行列及び前記制御信号を用いて受信ウェイトを生成するように構成されている受信ウェイト生成部と、生成された前記受信ウェイト及び前記制御信号を用いて受信信号から前記データ信号を分離するように構成されている信号分離部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる受信器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るIRC受信器の機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図3】本発明の変更例1に係るIRC受信器の機能ブロック図である。
【図4】本発明の変更例1に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図5】本発明の変更例1に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図6】本発明の変更例2に係るIRC受信器の機能ブロック図である。
【図7】本発明の変更例2に係るIRC受信器における共分散行列の算出方法を説明するための図である。
【図8】従来技術について説明するための図である。
【図9】従来技術について説明するための図である。
【図10】従来技術について説明するための図である。
【図11】従来技術について説明するための図である。
【図12】従来技術について説明するための図である。
【図13】従来技術について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係るIRC受信器10について説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るIRC受信器10は、チャネル推定部11と、共分散行列推定部12と、共分散行列推定部13と、欠損要素挿入部14と、制御信号復調部15と、IRC受信ウェイト生成部16と、信号分離部17と、復調部18とを具備している。
【0026】
チャネル推定部11は、サービングセル(セル1)から受信したCRSに基づいてチャネル推定処理を行うことによって、チャネル行列Hを推定(算出)するように構成されている。
【0027】
共分散行列推定部12は、サービングセル(セル1)から受信したCRS及びチャネル推定部11から受信したチャネル行列Hに基づいて、干渉信号成分用共分散行列
【数5】
【0028】
を推定(算出)するように構成されている。
【0029】
共分散行列推定部13は、図2(a)に示すように、チャネル推定部11から受信したチャネル行列H及び共分散行列推定部12から受信した干渉信号成分用共分散行列
【数6】
【0030】
に基づいて、共分散行列RI+Nを推定(算出)するように構成されている。
【0031】
ここで、図2(a)に示す要素D(欠損要素)は、上述したように、SFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値である、或いは、異なる受信アンテナ及びSFBCペアの異なるリソースエレメント間の共分散値であるため、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法では、かかる要素Dについて求めることができない。
【0032】
しかしながら、かかる要素Dには、サービングセル(セル1)からの所望信号成分が含まれていないため、かかる要素Dの値は、全て小さな値であると想定される。
【0033】
したがって、欠損要素挿入部14は、図2(b)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素Dの全てに対して、任意の値として、固定値「0」を挿入するように構成されている。
【0034】
制御信号復調部15は、サービングセル(セル1)から受信した制御信号に対する復調処理を行うように構成されている。
【0035】
IRC受信ウェイト生成部16は、チャネル推定部11から受信したチャネル行列H、制御信号復調部15から受信した制御信号及び欠損要素挿入部14から受信した共分散行列RI+N(要素Dに「0」が挿入されている共分散行列RI+N)に基づいて、IRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されている。
【0036】
具体的には、IRC受信ウェイト生成部16は、図11(a)に示す式に、チャネル推定部11から受信したチャネル行列H及び欠損要素挿入部14から受信した共分散行列RI+Nを代入することによって、IRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されている。
【0037】
信号分離部17は、制御信号復調部15から受信した制御信号及びIRC受信ウェイト生成部16から受信したIRC受信ウェイトWIRCに基づいて、サービングセル(セル1)からの受信信号に対する信号分離処理を行うように構成されている。
【0038】
復調部18は、制御信号復調部15から受信した制御信号及びIRC受信ウェイト生成部16から受信したIRC受信ウェイトWIRCに基づいて、信号分離部17から受信した信号に対する復調処理を行うことによって、データ信号を出力するように構成されている。
【0039】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、干渉信号用共分散行列
【数7】
【0040】
内で推定不能な要素に対して、任意の値として固定値「0」を挿入することによって、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる。
【0041】
(変更例1)
図3乃至図5を参照して、本発明の変更例1に係るIRC受信器10について説明する。以下、本変更例1に係るIRC受信器10について、上述の第1の実施形態に係るIRC受信器10との相違点に着目して説明する。
【0042】
図3に示すように、本変更例1に係るIRC受信器10は、図1に示す構成に加えて、欠損要素算出部21を具備している。
【0043】
欠損要素算出部21は、上述の干渉信号用共分散行列
【数8】
【0044】
内で推定不能な要素Dに対して挿入すべき任意の値を算出するように構成されている。
【0045】
例えば、図4(a)に示すように、かかる要素D内の要素D1は、1つのパラメータxで表すことができることに着目して、欠損要素算出部21は、図4(b)に示すように、式(3)を用いて、かかる要素D1に対して挿入すべき任意の値α(=x)を算出するように構成されていてもよい。すなわち、欠損要素算出部21は、算出されている干渉信号用共分散行列
【数9】
【0046】
の非対角項の要素を利用して、かかる要素D1に対して挿入すべき任意の値α(=x)を算出するように構成されていてもよい。
【0047】
或いは、図5(a)に示すように、かかる要素D内の要素D2は、2つのパラメータy/zで表すことができることに着目して、欠損要素算出部21は、図5(b)に示すように、式(3)を用いて、かかる要素D2に対して挿入すべき任意の値α(=y=z)を算出するように構成されていてもよい。すなわち、欠損要素算出部21は、算出されている干渉信号用共分散行列
【数10】
【0048】
の非対角項の要素を利用して、かかる要素D2に対して挿入すべき任意の値α(=y=z)を算出するように構成されていてもよい。
【0049】
欠損要素挿入部14は、図4(b)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D1の各々に対して、任意の値として、欠損要素算出部21から受信したαやα*や−αや−α*を挿入するように構成されていてもよい。
【0050】
ここで、欠損要素挿入部14は、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D2の各々に対して、任意の値として、欠損要素算出部21から受信したαやα*や−αや−α*のいずれか1つを挿入するように構成されていてもよいし、「0」を挿入するように構成されていてもよい。
【0051】
或いは、欠損要素挿入部14は、図5(b)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D2の各々に対して、任意の値αやα*を挿入するように構成されていてもよい。
【0052】
ここで、欠損要素挿入部14は、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素D1の各々に対して、任意の値として、欠損要素算出部21から受信したαやα*や−αや−α*のいずれか1つを挿入するように構成されていてもよいし、「0」を挿入するように構成されていてもよい。
【0053】
本変更例1に係る移動通信システムによれば、干渉信号用共分散行列
【数11】
【0054】
内で推定不能な要素に対して任意の値としてαやα*や−αや−α*のいずれか1つを挿入することによって、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる。
【0055】
(変更例2)
図6及び図7を参照して、本発明の変更例2に係るIRC受信器10について説明する。以下、本変更例2に係るIRC受信器10について、上述の第1の実施形態に係るIRC受信器10との相違点に着目して説明する。
【0056】
図6に示すように、本変更例2に係るIRC受信器10は、図1及び図3に示す構成に加えて、データ信号用共分散行列推定部22を具備している。
【0057】
データ信号用共分散行列推定部22は、受信したデータ信号に基づいて、図7(a)に従って、共分散行列RI+Nを推定するように構成されている。
【0058】
つまり、データ信号用共分散行列推定部22は、チャネル推定部11において推定されたチャネル行列H及び共分散行列推定部22において推定された共分散行列RI+Nを用いて、図7(b)に従って、データ信号用共分散行列R’I+Nを推定するように構成されている。
【0059】
ここで、欠損要素算出部21は、上述のデータ信号用共分散行列R’I+N内で推定不能な要素Dに対して挿入すべき任意の値を算出するように構成されている。
【0060】
欠損要素挿入部14は、図7(c)に示すように、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素Dの各々、つまり、図2(a)における要素Dに対して、欠損要素算出部21から受信したデータ信号用共分散行列R’I+Nの対応する要素を挿入するように構成されている。
【0061】
これにより、共分散行列RI+N内で推定不能な要素に対して、他の手法を用いて推定した共分散行列(例えば、データ信号用共分散行列R’I+N)内の対応する要素の値を挿入することによって、CRSに基づく共分散行列RI+Nの推定法を用いて適切な受信処理を行うことができる。
【0062】
上述の実施形態では、一例として、IRC受信器10のアンテナ数を「2」として説明したが、本発明は、IRC受信器10のアンテナ数に係わらず実施することが可能である。
【0063】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0064】
本実施形態の第1の特徴は、SFBC方式を用いて送信されたデータ信号、制御信号及びCRS(セル固有参照信号)を受信するように構成されているIRC受信器10であって、CRSに基づいて共分散行列RI+Nを推定するように構成されている共分散行列推定部12/13と、推定された共分散行列RI+Nに含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列
【数12】
【0065】
内で推定不能な要素Dに対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部14と、任意の値が挿入された共分散行列RI+N及び制御信号を用いてIRC受信ウェイトWIRCを生成するように構成されているIRC受信ウェイト生成部16と、生成されたIRC受信ウェイト及び制御信号を用いて受信信号からデータ信号を分離するように構成されている信号分離部17とを具備することを要旨とする。
【0066】
本実施形態の第1の特徴において、欠損要素挿入部14は、任意の値として固定値「0」を挿入するように構成されていてもよい。
【0067】
本実施形態の第1の特徴において、欠損要素挿入部14は、任意の値として、干渉信号用共分散行列
【数13】
【0068】
内で推定可能な要素に基づいて算出される値αやα*や−αや−α*を挿入するように構成されていてもよい。
【0069】
本実施形態の第1の特徴において、受信したデータ信号に基づいて、共分散行列
【数13A】
【0070】
を推定するように構成されているデータ信号用共分散行列推定部22を更に具備し、欠損要素挿入部21は、共分散行列推定部13から受信した共分散行列RI+N内の要素Dの各々に対して、任意の値として、データ信号用共分散行列推定部22にて推定された共分散行列
【数13B】
【0071】
内の対応する要素を挿入するように構成されていてもよい。
【0072】
なお、上述のIRC受信器10の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0073】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0074】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、IRC受信器10内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてIRC受信器10内に設けられていてもよい。
【0075】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10…IRC受信器
11…チャネル推定部
12、13…共分散行列推定部
14…欠損要素挿入部
15…制御信号復調部
16…IRC受信ウェイト生成部
17…信号分離部
18…復調部
21…欠損要素算出部
22…データ信号用共分散行列推定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数空間ブロック符号化方式を用いて送信されたデータ信号、制御信号及びセル固有参照信号を受信するように構成されている受信器であって、
前記セル固有参照信号に基づいて共分散行列を推定するように構成されている共分散行列推定部と、
推定された前記共分散行列に含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列内で推定不能な要素に対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部と、
前記任意の値が挿入された前記共分散行列及び前記制御信号を用いて受信ウェイトを生成するように構成されている受信ウェイト生成部と、
生成された前記受信ウェイト及び前記制御信号を用いて受信信号から前記データ信号を分離するように構成されている信号分離部とを具備することを特徴とする受信器。
【請求項2】
前記欠損要素挿入部は、前記任意の値として、固定値「0」を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信器。
【請求項3】
前記欠損要素挿入部は、前記任意の値として、前記干渉信号用共分散行列内で推定可能な要素に基づいて算出される値を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信器。
【請求項4】
受信したデータ信号に基づいて、共分散行列を推定するように構成されているデータ信号用共分散行列推定部を更に具備し、
前記欠損要素挿入部は、前記任意の値として、前記データ信号用共分散行列推定部にて推定された前記共分散行列内の対応する要素を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信器。
【請求項1】
周波数空間ブロック符号化方式を用いて送信されたデータ信号、制御信号及びセル固有参照信号を受信するように構成されている受信器であって、
前記セル固有参照信号に基づいて共分散行列を推定するように構成されている共分散行列推定部と、
推定された前記共分散行列に含まれる干渉信号成分からなる干渉信号用共分散行列内で推定不能な要素に対して任意の値を挿入するように構成されている欠損要素挿入部と、
前記任意の値が挿入された前記共分散行列及び前記制御信号を用いて受信ウェイトを生成するように構成されている受信ウェイト生成部と、
生成された前記受信ウェイト及び前記制御信号を用いて受信信号から前記データ信号を分離するように構成されている信号分離部とを具備することを特徴とする受信器。
【請求項2】
前記欠損要素挿入部は、前記任意の値として、固定値「0」を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信器。
【請求項3】
前記欠損要素挿入部は、前記任意の値として、前記干渉信号用共分散行列内で推定可能な要素に基づいて算出される値を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信器。
【請求項4】
受信したデータ信号に基づいて、共分散行列を推定するように構成されているデータ信号用共分散行列推定部を更に具備し、
前記欠損要素挿入部は、前記任意の値として、前記データ信号用共分散行列推定部にて推定された前記共分散行列内の対応する要素を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の受信器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−98943(P2013−98943A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242917(P2011−242917)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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