説明

口座確認システム、口座確認サーバ

【課題】金融機関の口座確認を行う。
【解決手段】金融ネットワークサーバは、金融機関サーバに対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関に金融機関サーバの宛先を対応付け、口座確認サーバに対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に口座確認サーバの宛先を対応付けた宛先情報を記憶し、第1の金融機関または第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、口座確認要求の宛先である金融機関サーバまたは口座確認サーバに口座確認要求を転送し、口座確認サーバは、第2の金融機関の口座情報を記憶し、金融ネットワークサーバから送信される口座確認要求を受信すると、受信した口座確認要求に対応する口座情報が記憶されているか否かを判定し、判定結果を口座確認要求の送信元に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の口座確認を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して仕向金融機関の口座から被仕向金融機関の口座に振込を行う場合、振込先として指定された口座が被仕向金融機関に存在しなければ、振込が正常に行われない。そこで、振込先として指定された被仕向金融機関の口座が存在するか否かを確認する口座確認を行った後に、振込を行うことが望ましい。例えば、仕向金融機関と被仕向金融機関とを接続する金融ネットワークサーバを介して、口座確認を行う方法がある。特許文献1には、このようなネットワークを介して、口座確認や振込処理を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−16258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような金融ネットワークサーバを介した口座確認は、その金融ネットワークサーバに接続している金融機関に対してしか行うことができない。金融機関が金融ネットワークサーバに接続するためには、金融ネットワークサーバに接続する多くの他の金融機関と契約を行う等の事務手続きを行ったり、金融ネットワークサーバに接続するためのコンピュータシステムの開発等を行ったりしなければならず、時間やコスト等を要することがあった。例えば、このような金融ネットワークを提供する統合ATM(Automatic teller machine)スイッチングサービスの場合、ATMを設置していない金融機関や新規参入の金融機関が統合ATMスイッチングサービスに接続していなければ、このような金融機関を宛先とする口座確認を効率良く行うことができない。そこで、このような金融ネットワークサーバに接続していない金融機関が時間やコスト等を要さずに口座確認を行うことが望ましい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、金融機関の口座確認を行う口座確認システム、口座確認サーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の金融機関サーバに接続された金融ネットワークサーバと、金融ネットワークサーバに接続された口座確認サーバとを備える口座確認システムであって、金融ネットワークサーバは、金融機関サーバに対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関に金融機関サーバの宛先を対応付け、口座確認サーバに対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に口座確認サーバの宛先を対応付けた宛先情報が記憶されている宛先情報記憶部と、第1の金融機関または第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、宛先情報記憶部に記憶された宛先情報に基づいて、口座確認要求の宛先である金融機関サーバまたは口座確認サーバに口座確認要求を転送する口座確認要求転送部と、を備え、口座確認サーバは、第2の金融機関の口座情報が記憶される口座情報記憶部と、第2の金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された口座情報を口座情報記憶部に記憶させる口座情報登録部と、金融ネットワークサーバから送信される口座確認要求を受信する口座確認要求受信部と、口座確認要求受信部が受信した口座確認要求に対応する口座情報が、口座情報記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果を、口座確認要求の送信元に送信する結果送信部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、金融機関サーバが、第1の金融機関の口座から、第2の金融機関の口座への振込要求が入力されると、第1の金融機関への口座確認要求と、第2の金融機関への口座確認要求とを、金融ネットワークサーバに送信する口座確認処理部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、複数の金融機関サーバに接続された金融ネットワークサーバであって、金融機関サーバに対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関に金融機関サーバの宛先を対応付け、ネットワークを介して接続された口座確認サーバに対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に口座確認サーバの宛先を対応付けた宛先情報が記憶されている宛先情報記憶部と、第1の金融機関または第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、宛先情報記憶部に記憶された宛先情報に基づいて、口座確認要求の宛先である金融機関サーバまたは口座確認サーバに口座確認要求を転送する口座確認要求転送部と、を備えた金融ネットワークサーバに接続された口座確認サーバであって、第2の金融機関の口座情報が記憶される口座情報記憶部と、第2の金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された口座情報を口座情報記憶部に記憶させる口座情報登録部と、金融ネットワークサーバから送信される口座確認要求を受信する口座確認要求受信部と、口座確認要求受信部が受信した口座確認要求に対応する口座情報が、口座情報記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果を、口座確認要求の送信元に送信する結果送信部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、口座確認先に口座確認要求を送信する金融機関サーバに接続された口座確認サーバであって、口座確認先である金融機関の口座情報が記憶される口座情報記憶部と、金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された口座情報を、口座情報記憶部に記憶させる口座情報登録部と、金融機関サーバから、金融機関を宛先とした口座確認要求を受信する口座確認要求受信部と、口座確認要求受信部が受信した口座確認要求に対応する口座情報が、口座情報記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果を、口座確認要求の送信元に送信する結果送信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、金融ネットワークサーバは、金融機関サーバに対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関に金融機関サーバの宛先を対応付け、口座確認サーバに対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に口座確認サーバの宛先を対応付けた宛先情報を記憶し、第1の金融機関または第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、口座確認要求の宛先である金融機関サーバまたは口座確認サーバに口座確認要求を転送し、口座確認サーバは、第2の金融機関の口座情報を記憶し、金融ネットワークサーバから送信される口座確認要求を受信すると、受信した口座確認要求に対応する口座情報が記憶されているか否かを判定し、判定結果を口座確認要求の送信元に送信するようにしたので、金融機関の口座確認を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による口座確認システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による口座情報のデータ例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による口座確認要求のデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による宛先情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による口座確認システムの動作例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による口座確認システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による口座確認システム1の構成を示すブロック図である。口座確認システム1は、金融ネットワークサーバ300を介して接続された金融機関サーバ100−1、金融機関サーバ100−2、金融機関サーバ100−3、金融機関サーバ100−4、・・・と、金融ネットワークサーバ300に接続されていない金融機関サーバ150と、複数の金融機関サーバ100および金融機関サーバ150を接続する全銀システム200と、金融ネットワークサーバ300に接続された口座確認サーバ400とを備えている。金融機関サーバ100−1、金融機関サーバ100−2、金融機関サーバ100−3、金融機関サーバ100−4、金融機関サーバ150はそれぞれ異なる金融機関である銀行の口座情報を管理するコンピュータ装置である。本実施形態では、金融機関サーバ100−1はA銀行の口座情報を管理し、金融機関サーバ100−2はB銀行の口座情報を管理し、金融機関サーバ100−3はC銀行の口座情報を管理し、金融機関サーバ100−4はD銀行の口座情報を管理し、金融機関サーバ150はE銀行の口座情報を管理する。
【0013】
ここで、金融機関サーバ100−1、金融機関サーバ100−2、金融機関サーバ100−3、金融機関サーバ100−4、・・・は同様の構成であるので、特に区別しない場合には金融機関サーバ100として説明する。図では4つの金融機関サーバ100を示しているが、5以上の金融機関サーバ100が金融ネットワークサーバ300に接続されていてよい。同様に、図では1つの金融機関サーバ150を示しているが、2以上の金融機関サーバ150が存在していてもよい。
【0014】
金融機関サーバ100は、特定の金融機関の口座情報を管理するコンピュータ装置である。金融機関は、金融ネットワークサーバ300を利用する複数の他の金融機関毎に、口座確認や振込依頼を行う時間帯等について予め契約しておき、このような契約を示す提携情報を金融機関サーバ100に記憶させておく。金融機関サーバ100は、このような契約を示す提携情報に基づいて、金融ネットワークサーバ300を介して他の金融機関サーバ100と通信を行う。金融機関サーバ100は、口座情報記憶部101と、金融ネットワーク通信部102と、口座確認処理部103とを備えている。
【0015】
口座情報記憶部101には、予め契約された利用者の口座情報等が記憶されている。図2は、口座情報のデータ例を示す図である。口座情報には、例えば、金融機関コードと、支店コードと、科目と、口座番号と、口座名義とが含まれる。金融機関コードは、金融機関を識別する情報である。支店コードは、支店を識別する情報である。科目は、口座確認の対象である口座の科目を示す情報である。科目には、例えば当座預金、普通預金などが存在する。口座番号は、利用者の口座を識別する情報である。口座名義は、口座の名義を示す情報である。口座名義は、例えば利用者の氏名である。
【0016】
金融ネットワーク通信部102は、予め契約された提携情報に基づいて、金融ネットワークサーバ300を介して他の金融機関サーバ100と通信する。
口座確認処理部103は、入力される情報に応じて、金融ネットワークサーバ300を介して口座確認先に口座確認要求を送信し、口座確認先から応答される判定結果を受信する。例えば、C銀行に口座を持つ利用者が、A銀行の金融機関サーバ100−1に接続されたATM104−1を利用して、C銀行の自身の口座からE銀行に対する振込要求を行う場合を考える。このとき、利用者がATM104−1に振込要求を入力すると、金融機関サーバ100−1の口座確認処理部103−1は、振込元であるC銀行を宛先とする口座確認要求と、振込先であるE銀行を宛先とする口座確認要求を、金融ネットワークサーバ300に送信する。口座確認処理部103−1が、送信した口座確認要求に応じて、口座が存在することを示す判定結果を受信すると、金融機関サーバ100−1は、全銀システム200を介して振込処理を実行する。
【0017】
図3は、口座確認処理部103が送信する口座確認要求である口座確認電文のデータ例を示す図である。口座確認電文には、電文種別、金融機関コード、支店コード、口座番号、口座名義、仕向金融機関コード、仕向支店コード等の情報が含まれる。電文種別は、例えば、口座確認電文、口座確認結果電文等の電文の種別を示す。金融機関コードは、電文の宛先であり口座確認の対象である金融機関を識別する情報である。支店コードは、電文の宛先であり口座確認の対象である金融機関の支店を識別する情報である。口座番号は、口座確認の対象である口座を識別する情報である。口座名義は、口座確認の対象である口座の名義を示す情報である。口座名義は、口座確認電文においては空欄である。仕向金融機関コードは、電文の送信元である金融機関を識別する情報である。仕向支店コードは、電文の送信元である金融機関の支店を識別する情報である。
【0018】
また、口座確認処理部103は、他の金融機関サーバ100から送信される口座確認要求に応じて、自身の口座情報記憶部101に記憶されている口座情報を参照し、口座確認要求に対応する口座情報が口座情報記憶部101に記憶されているか否かを判定し、判定結果を口座確認結果電文として送信する。口座確認結果電文は、上述の口座確認電文と同様であるが、口座確認処理部103によって口座番号に対応する口座名義が口座情報記憶部101から読み出されると、口座確認電文においては空欄である口座名義の欄に口座名義が記録され、送信される。口座番号に対応する口座名義が口座情報記憶部101に存在しない場合、口座名義の欄は空欄のままである口座確認結果電文が送信される。
【0019】
ここで、金融機関サーバ100−1は、ATM104−1に接続されている。ATM104−1は、キャッシュカードや通帳を用いて利用者の普通預貯金の預け払い等の処理を行う現金自動預け払い機である。ここでは、金融機関サーバ100−1はATM104−1を備える例を説明するが、金融機関サーバ100はATM104を備えないものであってもよい。ATM104は、例えば金融機関やコンビニエンスストア等に設置される。また、ATM104にはいわゆるCD(Cash dispenser、現金自動支払機)が含まれてもよい。
【0020】
金融機関サーバ150は、金融機関サーバ100と同様に、特定の金融機関の口座情報を管理するコンピュータ装置であるが、金融ネットワークサーバ300に接続されておらず、金融機関サーバ100が備える金融ネットワーク通信部102や口座確認処理部103を備えない。金融機関サーバ150は、口座情報記憶部151を備えている。口座情報記憶部151は、金融機関サーバ100が備える口座情報記憶部101と同様であり、金融機関に口座を持つ利用者の口座情報が記憶される。本実施形態の例では、金融機関サーバ150の口座情報記憶部151にはE銀行の口座情報が記憶され、金融機関サーバ150によってE銀行の口座情報が管理される。
【0021】
ここで、金融機関サーバ150は金融ネットワークサーバ300のネットワークに接続していないため、他の金融機関サーバ100は、金融ネットワークサーバ300を介して金融機関サーバ150に対して口座確認要求を送信することはできない。そこで、本実施形態では、口座確認サーバ400にE銀行の口座情報を記憶させておき、E銀行に対する口座確認要求に対する応答処理を口座確認サーバ400が代行して行う。この場合、金融ネットワークサーバ300に接続していないE銀行が金融ネットワークサーバ300を介した口座確認サーバ400による口座確認要求に応答するためには、金融ネットワークサーバ300に接続している金融機関のうち少なくとも1社(例えば、A銀行)と個別契約を行っておく。例えば、ATM104−1を保有するA銀行の金融機関サーバ100−1からE銀行に対する口座確認要求を行うために、A銀行とE銀行との間で個別に契約をしておき、A銀行においてE銀行を宛先とする口座確認要求を受け付けることを示す提携情報を、金融機関サーバ100−1や金融ネットワークサーバ300に記憶させておく。
【0022】
全銀システム200は、いわゆる全国銀行データ通信システムであり、日本国内の金融機関相互の為替取引を、ネットワークを介して処理できるシステムである。全銀システム200を介して、ある金融機関サーバ100から他の金融機関サーバ100への振込処理等の決済を行うことができる。ここでは、決済を行うためのシステムとして全銀システム200を例に説明するが、決済を行う他のシステムを適用することもできる。
【0023】
金融ネットワークサーバ300は、金融機関同士のATM、CDを相互接続する公衆的オンライン中継サービスを行うコンピュータシステムである。金融ネットワークサーバ300は、複数のコンピュータ装置や通信装置などによって構成されてよいが、ここでは便宜上、一台のコンピュータ装置であるとして説明する。金融ネットワークサーバ300は、例えば、統合ATMスイッチングサービスを提供する。金融ネットワークサーバ300は、現金支払、残高照会、口座確認、振込業務等のサービスを提供する。金融ネットワークサーバ300は、複数の金融機関サーバ100に接続されており、宛先情報記憶部301と、口座確認要求転送部302とを備えている。
【0024】
宛先情報記憶部301には、金融機関サーバ100に対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関にその金融機関サーバ100の宛先を対応付け、口座確認サーバ400に対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に口座確認サーバ400の宛先を対応付けた宛先情報が予め記憶されている。図4は、宛先情報記憶部301に記憶されている宛先情報のデータ例を示す図である。宛先情報には、口座確認先の金融機関を識別する金融機関コード毎に、その金融機関の口座確認処理を行うコンピュータ装置を識別する宛先が対応付けられる。ここでは、金融ネットワークサーバ300に接続されたA銀行、B銀行、C銀行、D銀行については対応する金融機関サーバ100が対応付けられており、金融ネットワークサーバ300に接続されないE銀行については、口座確認サーバ400が対応付けられている。
【0025】
口座確認要求転送部302は、第1の金融機関または第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、宛先情報記憶部301に記憶された宛先情報に基づいて、口座確認要求の宛先である金融機関サーバ100または口座確認サーバ400に、口座確認要求を転送する。この際、口座確認要求転送部302は、複数の金融機関の提携情報を自身の記憶領域に予め記憶しておき、提携情報に基づいて転送の可否を判定する。例えば、口座確認要求転送部302は、送信元の金融機関と宛先の金融機関との間の提携情報に示される口座確認可能な時間帯と、自身が備える計時機能から取得した時間とを比較する。口座確認要求転送部302は、口座確認可能な時間帯であれば口座確認要求を転送し、口座確認可能な時間帯でなければ口座確認要求を転送しない。このように、口座確認要求転送部302が、口座確認要求の宛先に応じて金融機関サーバ100または口座確認サーバ400に口座確認要求を振り分けて転送するので、口座確認要求を送信する金融機関サーバ100は、口座確認要求の宛先が金融ネットワークサーバ300に接続されたものであるか否かに関わらず、金融ネットワークサーバ300に対して口座確認要求を送信すればよい。
【0026】
口座確認サーバ400は、金融ネットワークサーバ300に接続されたコンピュータ装置である。口座確認サーバ400は、口座情報記憶部401と、口座情報登録部402と、口座確認要求受信部403と、判定部404と、結果送信部405とを備えている。
口座情報記憶部401には、口座確認サーバ400に対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関の口座情報が記憶される。例えば、金融ネットワークサーバ300に接続されていないE銀行に口座を有する利用者の口座情報が記憶される。口座情報のデータ例は、図2に示したものと同様である。口座情報登録部402には、複数の金融機関毎に、その金融機関に口座を有する利用者の口座情報が対応付けられて記憶されてよい。すなわち、口座確認サーバ400の構成により、金融ネットワークサーバ300に接続していない複数の金融機関への口座確認要求の応答を、代行することができる。
【0027】
口座情報登録部402は、口座確認サーバ400に対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された口座情報を口座確認サーバ400に記憶させる。ここでは、例えば口座確認サーバ400と金融機関サーバ150とを専用線などにより接続し、金融機関サーバ150から専用線を介して送信される口座情報の入力を受け付け、口座情報記憶部401に記憶させるようにしてもよい。あるいは、例えば金融機関サーバ150の金融機関によって生成された口座情報が記憶されたCD等の記憶媒体を読み込み、読み込んだ口座情報を口座情報記憶部401に記憶させることもできる。このような口座情報の登録は、例えば1日毎の定められた間隔で定期的に行うようにしてもよいし、管理者等からの入力に応じて任意のタイミングで行うこともできる。
【0028】
口座確認要求受信部403は、第2の金融機関に対する口座確認要求を、金融ネットワークサーバ300から受信する。
判定部404は、口座確認要求受信部403が受信した口座確認要求に対応する口座情報が、口座確認要求受信部403に記憶されているか否かを判定する。
結果送信部405は、判定部404による判定結果を、口座確認結果電文として口座確認要求の送信元である金融ネットワークサーバ300に送信する。
【0029】
次に、図面を参照して、本実施形態による口座確認システム1の動作例を説明する。図5は、口座確認システム1による口座確認処理の動作例を示す図である。
ここでは、C銀行に口座を有する利用者が、A銀行の金融機関サーバ100−1に接続されたATM104−1を利用して、C銀行からE銀行への振込要求を行う例を説明する。まず、口座確認サーバ400の口座情報登録部402が、E銀行の口座情報の入力を受け付けると、入力された口座情報を口座情報記憶部401に記憶させる(ステップS1)。
【0030】
金融機関サーバ100−1に接続されたATM104−1は、C銀行の利用者から、C銀行からE銀行への振込要求の入力を受け付ける(ステップS2)。ここで、ATM104−1には、少なくとも振込元の金融機関コード、支店コード、口座番号と、振込先の金融機関コード、支店コード、科目、口座番号が入力される。金融機関サーバ100−1は、ATM104−1に振込要求が入力されると、入力された情報に基づいて、C銀行の金融機関コードを宛先とした口座確認要求を、金融ネットワークサーバ300に送信する(ステップS3)。金融ネットワークサーバ300の口座確認要求転送部302は、金融機関サーバ100−1から送信された口座確認要求を受信すると、宛先情報記憶部301から、口座確認要求の宛先である金融機関コードに対応付けられた宛先情報を読み出す。口座確認要求転送部302は、A銀行とC銀行との契約を示す提携情報に基づいて、転送可否を判定する。口座確認要求転送部302が、転送不可と判定すれば、口座確認要求を送信しない。一方、口座確認要求転送部302が、転送可と判定すれば、口座確認要求転送部302は、読み出した宛先が示す金融機関サーバ100−3に、口座確認要求を送信する(ステップS4)。
【0031】
金融機関サーバ100−3の口座確認処理部103−3は、金融ネットワークサーバ300から転送された口座確認要求を受信すると、受信した口座確認要求に含まれる口座番号に一致する口座情報が、口座情報記憶部101−3に記憶されているか否かを判定する。口座確認処理部103−3は、受信した口座確認要求に含まれる口座番号に一致する口座情報が、口座情報記憶部101−3に記憶されていると判定すると、その口座情報に含まれる口座名義を読み出して口座確認電文に記録し、判定結果である口座確認結果電文を生成する。あるいは、口座確認処理部103−3は、受信した口座確認要求に含まれる口座番号に一致する口座情報が、口座情報記憶部101−3に記憶されていないと判定すると、口座確認電文に口座名義を記録せずに空欄のまま、判定結果である口座確認結果電文を生成する(ステップS5)。
【0032】
金融機関サーバ100−3の口座確認処理部103−3は、判定結果を金融ネットワークサーバ300に送信する(ステップS6)。金融ネットワークサーバ300は、金融機関サーバ100−3から受信した判定結果を、金融機関サーバ100−1に転送する(ステップS7)。また、金融機関サーバ100−1の口座確認処理部103−1は、振込先であるE銀行の金融機関コードを宛先とした口座確認要求を、金融ネットワークサーバ300に送信する(ステップS8)。金融ネットワークサーバ300の口座確認要求転送部302は、金融機関サーバ100−1から送信された口座確認要求を受信すると、宛先情報記憶部301から、口座確認要求の宛先である金融機関コードに対応付けられた宛先情報を読み出す。口座確認要求転送部302は、A銀行とE銀行との契約を示す提携情報に基づいて、転送可否を判定する。口座確認要求転送部302が、転送不可と判定すれば、口座確認要求を送信しない。一方、転送可と判定すれば、口座確認要求転送部302は、読み出した宛先が示す口座確認サーバ400に、口座確認要求を送信する(ステップS9)。
【0033】
口座確認サーバ400の口座確認要求受信部403が、金融ネットワークサーバ300から転送された口座確認要求を受信すると、判定部404は、口座確認要求受信部403が受信した口座確認要求に含まれる口座番号に一致する口座情報が、口座情報記憶部401に記憶されているか否かを判定する。判定部404は、受信した口座確認要求に含まれる口座番号に一致する口座情報が、口座情報記憶部401に記憶されていると判定すると、その口座情報に含まれる口座名義を読み出して口座確認電文に記録し、判定結果である口座確認結果電文を生成する。あるいは、判定部404は、受信した口座確認要求に含まれる口座番号に一致する口座情報が、口座情報記憶部401に記憶されていないと判定すると、口座確認電文に口座名義を記録せずに空欄のまま、判定結果である口座確認結果電文を生成する(ステップS10)。
【0034】
口座確認サーバ400の結果送信部405は、判定結果を金融ネットワークサーバ300に送信する(ステップS11)。金融ネットワークサーバ300は、口座確認サーバ400から受信した判定結果を、金融機関サーバ100−1に転送する(ステップS12)。これにより、金融機関サーバ100−1は、振込元である金融機関と、振込先である金融機関との双方から、口座確認結果を得ることができる。金融機関サーバ100−1は、振込元である金融機関と、振込先である金融機関との双方の口座が存在すると判定すると、全銀システム200を介して、振込元である金融機関から振込先である金融機関への振込処理を行う。
【0035】
なお、本実施形態では、金融ネットワークサーバ300と口座確認サーバ400とが接続されており、金融機関サーバ100から送信される口座確認要求を、金融ネットワークサーバ300が金融機関サーバ100または口座確認サーバ400に振り分けて転送する例を示したが、金融ネットワークサーバ300と口座確認サーバ400とが接続されておらず、金融機関サーバ100が口座確認サーバ400に直接口座確認要求を送信するように構成することもできる。図6は、このような実施形態による口座確認システム1の例を示す図である。各コンピュータ装置が備える各部は、図1に示した口座確認システム1と同様であるが、例えば金融機関サーバ100−1の口座確認処理部103−1は、宛先がE銀行である口座確認要求を、金融ネットワークサーバ300に対してではなく、口座確認サーバ400に対して直接送信するようにすることができる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態によれば、既に金融ネットワークサーバ300に接続している金融機関(A銀行)にて、A銀行が提携するATM事業者のATMや自行のATM等を利用し、新規参入する金融機関(E銀行)に対する口座確認要求を受け付け、A銀行内でA銀行宛とE銀行宛の口座確認要求を識別する。A銀行を宛先とする口座確認要求については、A銀行内で本支店扱いとして口座確認結果を応答し、E銀行を宛先とする口座確認要求については、口座確認サーバ400に送信し、口座確認サーバ400が代行して口座確認結果を応答するようなことができる。
【0037】
このように、金融ネットワークサーバ300に接続していない金融機関に対しても、口座確認サーバ400が代行して口座確認の応答を行うことにより、金融ネットワークサーバ300を介して、または介さずに口座確認を行うことができる。これにより、金融ネットワークサーバ300に接続していない金融機関は、金融ネットワークサーバ300に接続するための事務手続きやコンピュータシステム等の開発を行うことなく、利用者にサービスを提供できるようになる。例えば新規参入の金融機関や、金融ネットワークサーバ300に接続する全ての金融機関サーバ100との間で口座確認や振込等を行わない金融機関に対しても、簡単に、効率良く、金融ネットワークサーバ300を介して口座確認を行うことができる。
【0038】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより口座確認を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0039】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 口座確認システム
100 金融機関サーバ
101 口座情報記憶部
102 金融ネットワーク通信部
103 口座確認処理部
104 ATM
150 金融機関サーバ
151 口座情報記憶部
200 全銀システム
300 金融ネットワークサーバ
301 宛先情報記憶部
302 口座確認要求転送部
400 口座確認サーバ
401 口座情報記憶部
402 口座情報登録部
403 口座確認要求受信部
404 判定部
405 結果送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金融機関サーバに接続された金融ネットワークサーバと、当該金融ネットワークサーバに接続された口座確認サーバとを備える口座確認システムであって、
前記金融ネットワークサーバは、
前記金融機関サーバに対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関に当該金融機関サーバの宛先を対応付け、前記口座確認サーバに対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に当該口座確認サーバの宛先を対応付けた宛先情報が記憶されている宛先情報記憶部と、
前記第1の金融機関または前記第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、前記宛先情報記憶部に記憶された前記宛先情報に基づいて、当該口座確認要求の宛先である前記金融機関サーバまたは前記口座確認サーバに当該口座確認要求を転送する口座確認要求転送部と、
を備え、
前記口座確認サーバは、
前記第2の金融機関の口座情報が記憶される口座情報記憶部と、
前記第2の金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された当該口座情報を前記口座情報記憶部に記憶させる口座情報登録部と、
前記金融ネットワークサーバから送信される前記口座確認要求を受信する口座確認要求受信部と、
前記口座確認要求受信部が受信した前記口座確認要求に対応する口座情報が、前記口座情報記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を、前記口座確認要求の送信元に送信する結果送信部と、
を備えることを特徴とする口座確認システム。
【請求項2】
前記金融機関サーバは、
前記第1の金融機関の口座から、前記第2の金融機関の口座への振込要求が入力されると、当該第1の金融機関への口座確認要求と、当該第2の金融機関への口座確認要求とを、前記金融ネットワークサーバに送信する口座確認処理部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の口座確認システム。
【請求項3】
複数の金融機関サーバに接続された金融ネットワークサーバであって、前記金融機関サーバに対して口座確認を行うことが定められた第1の金融機関に当該金融機関サーバの宛先を対応付け、ネットワークを介して接続された口座確認サーバに対して口座確認を行うことが定められた第2の金融機関に当該口座確認サーバの宛先を対応付けた宛先情報が記憶されている宛先情報記憶部と、前記第1の金融機関または前記第2の金融機関に対する口座確認要求を受信すると、前記宛先情報記憶部に記憶された前記宛先情報に基づいて、当該口座確認要求の宛先である前記金融機関サーバまたは前記口座確認サーバに当該口座確認要求を転送する口座確認要求転送部と、を備えた前記金融ネットワークサーバに接続された前記口座確認サーバであって、
前記第2の金融機関の口座情報が記憶される口座情報記憶部と、
前記第2の金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された当該口座情報を前記口座情報記憶部に記憶させる口座情報登録部と、
前記金融ネットワークサーバから送信される前記口座確認要求を受信する口座確認要求受信部と、
前記口座確認要求受信部が受信した前記口座確認要求に対応する口座情報が、前記口座情報記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を、前記口座確認要求の送信元に送信する結果送信部と、
を備えることを特徴とする口座確認サーバ。
【請求項4】
口座確認先に口座確認要求を送信する金融機関サーバに接続された口座確認サーバであって、
口座確認先である金融機関の口座情報が記憶される口座情報記憶部と、
前記金融機関の口座情報の入力を受け付け、入力された当該口座情報を、前記口座情報記憶部に記憶させる口座情報登録部と、
前記金融機関サーバから、前記金融機関を宛先とした口座確認要求を受信する口座確認要求受信部と、
前記口座確認要求受信部が受信した前記口座確認要求に対応する口座情報が、前記口座情報記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を、前記口座確認要求の送信元に送信する結果送信部と、
を備えることを特徴とする口座確認サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109478(P2013−109478A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252702(P2011−252702)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)